JP2007020415A - 壁面緑化構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】例えばビル等の建築物の外壁面や塀などの壁面を緑化する場合などに適用する壁面緑化構造、特に壁材として軽量気泡コンクリート(以下ALCという)パネルを用いた壁面の緑化構造に係り、緑化パネルの脱落のおそれがなく、かつALCパネルの耐震性と耐久性とを維持することが可能な壁面緑化構造を提供する。
【解決手段】建築物等の構造物に壁材として取付けたALCパネル1の外表面に、そのALCパネル取付部品を利用して緑化パネル10を上記ALCパネル1に対して所定の間隔をおいて略平行かつ一体的に取付けたことを特徴とする。具体的には、例えば上記構造物の横梁4に固着したパネル取付部品としての定規アングル5を介してALCパネル1を構造物に取付け、その定規アングル5に間隔保持部材20を介して緑化パネル10を取付ければよい。
【選択図】 図2
【解決手段】建築物等の構造物に壁材として取付けたALCパネル1の外表面に、そのALCパネル取付部品を利用して緑化パネル10を上記ALCパネル1に対して所定の間隔をおいて略平行かつ一体的に取付けたことを特徴とする。具体的には、例えば上記構造物の横梁4に固着したパネル取付部品としての定規アングル5を介してALCパネル1を構造物に取付け、その定規アングル5に間隔保持部材20を介して緑化パネル10を取付ければよい。
【選択図】 図2
Description
本発明は、例えばビル等の建築物や塀もしくは橋梁その他各種の構造物の壁面を緑化する場合などに適用する壁面緑化構造に関する。更に詳しくは、壁材としてALCパネル(軽量気泡コンクリートパネル)を用いた壁面の緑化構造に関するものである。
近年、大都市圏では、緑被率の増大やヒートアイランド現象の抑制、さらには室内への直射日光を遮蔽して省エネ効果を図ることを目的として、ビル等の壁面、特に外壁面を緑化する工夫や技術が種々提案されている。
この壁面緑化を大別すると、蔦などを付着根によって壁面に付着させて登はんさせるタイプ、巻き付き型の植物を格子などの補助資材を設置して登はんさせるタイプ、屋上やベランダに植栽基盤を設けて付着根の植物を下垂させるタイプ、壁面自体に鉢状やマット状の植栽基盤を設置するタイプなどがある。
しかしながら、都市部で建築物の壁材として一般的に使用されるALCパネルを用いたビル等にあっては、下記に述べる理由から緑化が非常に難しいため、緑化処理等は殆ど実施されていないのが現状である。
例えば、壁面に植栽基盤を設置する方法の1つとして、下記特許文献1には、フレーム内に植栽基盤を収容してなる緑化パネルを、アンカーボルトで固定したブラケットによってRC壁などの壁面に取付けることが提案されているが、上記のような壁面がコンクリートの場合にはアンカーボルトを打ち込んでも強度的に問題ないが、ALCパネルにアンカーボルトを打ち込むと、アンカーボルトの取付強度が低いため、緑化パネルが脱落する等おそれがある。
また下記特許文献2には、肥料などが混合された緑化ブロックを複数積み上げ、その表面に腐葉土の層と保護ネットとを順に設け、さらにその表面に種子を混入した腐葉土の層を形成することによって緑化壁を形成することが提案されているが、上記の緑化ブロックとしてALCパネルを用いた場合には、該パネルは常時湿潤状態に置かれると経年劣化が促進されるため、長期の使用ができないという欠点があった。
本発明は上記の問題点に鑑みて提案されたもので、その目的とするところは、都市部に多く用いられているALCパネルを使用した建物の壁面等に対して、緑化パネルの脱落のおそれがなく、かつALCパネルの耐震性と耐久性とを維持することが可能な、壁面緑化構造を提供することにある。
上記の目的を達成するために本発明による壁面緑化構造は、以下の構成としたものである。即ち、建築物等の構造物に壁材として取付けたALCパネルの外表面に、そのALCパネル取付部品を利用して緑化パネルを上記ALCパネル対して所定の間隔をおいて略平行かつ一体的に取付けたことを特徴とする。具体的には、例えば建築物等の構造物の横梁に固着したパネル取付部品としての定規アングルを介してALCパネルを上記構造物に取付け、その定規アングルを利用して該アングルに間隔保持部材を介して緑化パネルを取付けるようにすればよい。
本発明による壁面緑化構造は、上記のように建築物等の構造物に壁材として取付けたALCパネルの取付部品を利用して緑化パネルを取付けるようにしたから、都市部などに多いALCパネルを壁材として使用した建築物等にあっても構造簡単かつ容易・安価に壁面を緑化することができる。そのため、都市部等の緑化推進に大きく貢献することが可能となる。また上記のようにALCパネルの外表面に緑化パネルを所定の間隔をおいて略平行に設けたことによって、緑化パネルが潅水による湿潤状態にあってもALCパネルは殆ど湿潤することがなく、経年劣化を良好に抑制することができる。
また建築物の横梁に固着したALCパネル取付部品としての定規アングルにALCパネルを取付け、その定規アングルに間隔保持部材を介して緑化パネルを取付けると、その緑化パネルの取付強度が高く、脱落のおそれを可及的に低減することが可能となる。さらに上記間隔保持部材をALCパネルの偶部における隣り合うパネル間に挿通させて配置し、それと接触もしくは干渉するおそれのあるパネル隅部の一部分を切り取って切欠部を設けることにより、例えばALCパネルをロッキング構法等の耐震構法で取付けた場合にも、地震等の振動発生時に間隔保持部材との接触によりALCパネルに欠け等の損傷を発生させるのが防止され、耐震性能等を良好に維持することができる。
以下、本発明を図に示す実施形態に基づいて具体的に説明する。図1は本発明による壁面緑化構造の一実施形態を示す斜視図、図2はその拡大縦断面図、図3はその壁面緑化構造をALCパネルの内面側からみた図、図4はその平面図、図5は緑化パネルを省略したALCパネルの取付構造を示す縦断面図である。
本実施形態はビル等の建築物の外面に縦横に並べて取付けられる外壁用のALCパネル1の外側に緑化パネル10を取付けたもので、その各ALCパネル1の取付構造は適宜であるが、本実施形態においてはパネル内に埋設した埋込アンカー3を利用して耐震構法の1つである従来公知のロッキング構法によって取付けられている。すなわち、図5に示すように各ALCパネル1内には補強用鉄筋2と一体的に設けたALCパネル取付用の筒状の埋込アンカー3が埋設され、その筒状アンカー3の内孔に形成した雌ねじ(不図示)を利用して上記各ALCパネル1を、上記建築物の躯体であるH型鋼等よりなる横梁4に、専用のALCパネル取付部品によって揺動可能に取付けた構成である。
そのALCパネル取付部品として本実施形態においては上記横梁4に溶接等で固着した定規アングル5と、その定規アングル5に溶接等で固着したウワバプレート6と、上記各ALCパネル1の下部に埋設した埋込アンカー3にボルト7等で取付けたイナズマプレート8等が用いられている。上記各ALCパネル1は、上記ウワバプレート6の定規アングル5と反対側の面に溶接等で一体的に設けた水平片6a上に載置され、その各ALCパネル1の下部に取付けたイナズマプレート8の下端部を定規アングル5に引っ掛けて溶接等で固定すると共に、上記各ALCパネル1の上部に埋設した埋込アンカー3に、ウワバプレート6の下部に貫通させて設けた支持ボルト9をねじ込むことによって、上記各ALCパネル1は上記支持ボルト9を支点に揺動可能に取付け支持されている。
以上のパネル取付構造は、ロッキング構法として公知のものとほぼ同様であるが、他の耐震構法やそれ以外の取付構造で上記各ALCパネルを建築物に取付けるようにしてもよい。そして本発明は上記のようにして建築物等に取付けたALCパネル1の外表面に所定の間隔をおいて略平行かつ一体的に緑化パネル10を設けたもので、図の場合は横梁4に固着したパネル取付部品としての定規アングル5に間隔保持部材20を介して緑化パネル10を取付けた構成である。その緑化パネル10は、本実施形態においては、緑化基盤11と培土層12および植栽13とで1つのユニット状に構成したもので、そのパネル面の大きさ形状は適宜である。
上記間隔保持部材20は、フラットバー等の板状の横材21の一端を、板状の縦材22の上下方向ほぼ中央部に溶接等で一体的に固着することによって全体略横向きT字形に形成され、上記横材21の他端を前記定規アングル5に溶接等で取付けると共に、それと反対側の上記縦材22の上下両端部に挿通したボルト23とナット24等で緑化パネル10を取付ける構成である。また上記間隔保持部材20は、その横材21が上記各ALCパネルの隅部における隣り合うパネル間に挿通させて配置され、その間隔保持部材20が通る各ALCパネル1の隅部には、地震等の振動時に上記間隔保持部材20との接触干渉を避けるための切欠部1aが形成されている。
上記のように本発明による壁面緑化構造は、定規アングル5等のALCパネル取付部材を利用してALCパネル1の外表面に所定の間隔をおいて略平行かつ一体的に緑化パネル10を設けたから、ALCパネル1を壁材として用いた建築物等にあっても構造簡単かつ容易・安価に壁面を緑化することができる。特に、ALCパネル1の外表面に緑化パネル10を所定の間隔をおいて設けたことによって、緑化パネル10が潅水による湿潤状態にあってもALCパネル1は殆ど湿潤することがなく、経年劣化を良好に抑制することができるものである。
また上記実施形態のように横梁4に固着した定規アングル5に間隔保持部材20を溶接等で固定し、その間隔保持部材20を介して緑化パネル10を取付けると、高い取付強度が得られ、脱落のおそれを可及的に低減することができる。また上記間隔保持部材20をALCパネル1の隅部における隣り合うパネル間に挿通させて配置し、その間隔保持部材20が通る上記パネル1の隅部に、該間隔保持部材20との接触や干渉を避けるための切欠部1aを設けることにより、例えばALCパネル1をロッキング構法等の耐震構法で取付けた場合にも、地震等の振動発生時に間隔保持部材20との接触でALCパネル1の隅部に欠け等の損傷を発生させることなく、耐震性能を良好に維持することができる。
なお上記実施形態は、ALCパネル1に緑化パネル10を所定の間隔をおいて取付けるために全体略横向きT字形の間隔保持部材20を用いたが、その間隔保持部材20の形状や取付け方法等は適宜であり、少なくともALCパネル1に緑化パネル10を所定の間隔をおいて取付け支持し得るものであればよい。
また上記実施形態の緑化パネル10は、緑化基盤11と培土層12および植栽13とで1つのユニットを構成したものであるが、必ずしもこれに限るものではなく、少なくとも植物を栽培し得るものであれば構成は適宜である。例えば、蔦などを付着させて登はんや下垂させるために薄型コンクリート板を用いたり、或いは巻き付き型の植物を登はんや下垂させるために金網などを用いることも可能である。
さらに上記実施形態はビル等の建築物に適用した例を示したが、壁材としてALCパネルを用いたものであれば、木造建築やプレハブ等であってもよく、また建築物に限らず、例えば塀や橋梁その他各種の構造物にも適用できる。
以上のように、本発明による壁面緑化構造は、建築物等の構造物に壁材として取付けたALCパネルの外表面に、そのALCパネル取付部品を利用して緑化パネルを上記ALCパネルの外表面に所定の間隔をおいて略平行かつ一体的に設けるだけの極めて簡単な構成によって、ALCパネルを壁材として使用した建築物等にあっても容易に緑化することが可能となるもので、特にALCパネルを壁材として使用した建物の多い都市部の緑化推進や緑被率の増大およびヒートアイランド現象の抑制などに大きく貢献することができるものである。
1 ALCパネル
2 補強用鉄筋
3 埋込アンカー
4 横梁
5 定規アングル
6 ウワバプレート
7 取付ボルト
8 イナズマプレート
9 支持ボルト
10 緑化パネル
11 緑化基盤
12 培土層
13 植栽
20 間隔保持部材
21 横材
22 縦材
2 補強用鉄筋
3 埋込アンカー
4 横梁
5 定規アングル
6 ウワバプレート
7 取付ボルト
8 イナズマプレート
9 支持ボルト
10 緑化パネル
11 緑化基盤
12 培土層
13 植栽
20 間隔保持部材
21 横材
22 縦材
Claims (3)
- 建築物等の構造物に壁材として取付けたALCパネルの外表面に、そのALCパネル取付部品を利用して緑化パネルを上記ALCパネルに対して所定の間隔をおいて略平行かつ一体的に取付けたことを特徴とする壁面緑化構造。
- 前記構造物の横梁に固着した前記パネル取付部品としての定規アングルを介して前記ALCパネルを前記構造物に取付け、その定規アングルに間隔保持部材を介して前記緑化パネルを取付けてなる請求項1に記載の壁面緑化構造。
- 前記間隔保持部材はALCパネルの偶部における隣り合うパネル間に挿通させて配置され、その間隔保持部材が通るALCパネルの偶部に、地震等の振動時に前記間隔保持部材との接触干渉を避けるための切欠部を設けたけたことを特徴とする請求項2に記載の壁面緑化構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005202974A JP2007020415A (ja) | 2005-07-12 | 2005-07-12 | 壁面緑化構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005202974A JP2007020415A (ja) | 2005-07-12 | 2005-07-12 | 壁面緑化構造 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007020415A true JP2007020415A (ja) | 2007-02-01 |
Family
ID=37782016
Family Applications (1)
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JP2005202974A Withdrawn JP2007020415A (ja) | 2005-07-12 | 2005-07-12 | 壁面緑化構造 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2007020415A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009072185A (ja) * | 2007-08-28 | 2009-04-09 | Ecolovie Corp | コケ植物を用いた緑化用材料とその製造方法並びに緑化工法 |
-
2005
- 2005-07-12 JP JP2005202974A patent/JP2007020415A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
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