JP2007019483A - 配線基板 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ガラス−セラミックからなり、表面3および裏面4を有する基板本体2と、該基板本体2の裏面4に形成されるパッド20と、該パッド20の表面に形成される表層パッド22と、該表層パッド22上にハンダ23を介して立設される導体ピン26と、を備え、パッド20は、100重量部のCuに対し、ガラス−セラミックを構成するセラミックと同一のセラミックおよびFe2O3換算した場合のFeの含有量が合計で1〜28重量部であり、表層パッド22は、CuおよびFeを含むと共に、該FeのFe2O3換算した場合の含有量は、パッド20におけるFe2O3換算した場合のFeの含有量よりも少ない、配線基板1。
【選択図】 図1
Description
更に、上記Cu系金属からなるパッドに導体ピンをハンダ付けすることで、MPUの実装用や、例えば光通信用素子を実装する光通信用の分野などに広く利用することができる。
一方、ガラス−セラミックと体積収縮率が近似し且つ当該ガラス−セラミックへの接着を強化するため、導電性の第1金属(例えば、銅)、酸化可能な第2金属(例えば、鉄)、および有機媒体からなる金属含有ペースト組成物およびその焼結方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
更に、ガラス−セラミックからなる基板材料に、Cu系金属からなる配線導体および接合用電極を形成すると共に、かかる接合用電極にAu−Niの保護膜を形成し、その上方にAu−Sn系などのロウ材を介して、電子部品や入出力ピンを接合するようにした電子回路装置も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、上記導体ピンに対しほぼ軸方向に沿った外力が働くと、上記電極とガラス−セラミック材料との界面にクラックが入り、当該導体ピンと共に、上記ハンダ、上記電極、およびかかる電極に隣接するガラス−セラミック材料が一緒に、基板本体から外れる場合がある。このため、上記導体ピンを介して、配線基板の内部配線と中継基板やマザーボードとの導通が取れなくなる、という問題があった。
即ち、本発明による第1の配線基板(請求項1)は、ガラス−セラミックからなり、表面および裏面を有する基板本体と、かかる基板本体の表面および裏面の少なくとも一方に形成されるパッドと、かかるパッド上にハンダを介して立設される導体ピンと、を備え、上記パッドは、100重量部のCuに対し、上記ガラス−セラミックを構成するセラミックと同一のセラミックおよびFe2O3換算した場合のFeの含有量が合計で1〜28重量部である、ことを特徴とする。
このため、上記パッドの上方で、例えば、Sn−Sb系合金などのハンダを加熱(リフロー)し、当該ハンダを介して、例えば導体ピンを接合した際、上記リフロー時にパッドと基板本体との界面で残留する応力を小さくできる。従って、接合した導体ピンに外力が作用しても、反りの少ない基板本体にパッドが強固に密着しているので、背景技術において説明した当該導体ピン、ハンダ、およびパッドと共に、当該パッドに隣接する基板本体(ガラス−セラミック)が部分的に剥離する事態を確実に防止できるため、中継基板などとの導通も確実に取ることができる。
一方、前記ガラス−セラミックを構成するセラミックと同一のセラミックおよびFe2O3換算した場合のFeの合計量が28重量部よりも多くとなると、上記各効果が飽和する。しかも、セラミックの増加によって、その表面へのメッキ金属、もしくは他の金属層との密着性が低下し、Feの過度な増加により、パッド自体の焼成収縮率と基板本体を構成するガラス−セラミックの焼成収縮率との差が大きくなり、配線基板が反り易くなる。これらの理由により、上記セラミックとFe2O3換算した場合のFeの含有量との合計量を規定している。
また、前記パッドは、99.30〜79.2wt%のCuと、Al2O3およびFe酸化物を含むFeの合計が0.70〜20.8wt%とからなるとも表すこともできる。更に、前記Fe酸化物には、Fe2O3やFe3O4が含まれる。
加えて、前記パッドに含まれる前記ガラス−セラミックに含有されるセラミックの平均粒径は、1〜4μmである。
加えて、前記導体ピンには、いわゆる42アロイ(Fe−42wt%Ni)、いわゆる194合金(Cu−2.3wt%Fe−0.03wt%P)、あるいはコバール(Fe−29wt%Ni−17wt%Co)などが用いられる。
尚、表層パッドにおけるFe2O3換算した場合のFeの含有量は、100重量部のCuに対し、1重量部以下である。
これによれば、上記パッドが、100重量部のCuに対し、4〜22重量部のセラミックを含んでいるため、基板本体のガラスーセラミックとの間で化学的な接着が一層確実に得られる共に、当該パッドとガラス−セラミックとの熱膨張差も確実に縮小できる。このため、前記ハンダをリフローする工程において、パッドと基板本体のガラスーセラミックとの界面で残留する応力を小さくできる。
一方、上記パッドが、100重量部のCuに対し、Fe2O3換算で1〜6重量部のFeを含んでいるため、基板本体中のガラス成分とパッドとの密着性を高められ、パッドと基板本体のガラス−セラミックとの焼成収縮差を小さくし、基板本体の反りを確実に抑制することができる。従って、反りの少ない基板本体にパッド、あるいは当該パッドと表層パッドとが強固に密着しているため、ハンダ付けした導体ピンに外力が作用しても、前記導体ピン、ハンダ、パッドと共に、当該パッドに隣接するガラス−セラミックの部分剥離を確実に防止できる。尚、上記パッドに含まれるFe2O3は、Fe換算で0.7〜4.2重量部である。
また、本発明による第2の配線基板には、前記表層パッドに含まれる前記セラミックの含有量は、前記パッドに含まれる前記セラミックの含有量よりも少ない、配線基板(請求項5)も含まれる。これによれば、表層パッドとその表面に形成されるハンダもしくはメッキ層との密着性を確保することができる。
加えて、本発明による第2の配線基板には、前記表層パッドは、セラミックを含まない、配線基板(請求項6)も含まれる。これによっても、表層パッドとその表面に形成されるハンダもしくはメッキ層との密着性を一層高められる。
付言すれば、本発明には、前記表層パッドの表面にNiおよびAuメッキ層が被覆されている、配線基板も含まれ得る。これによる場合、表層パッドの上において、各種のハンダをリフローしても、上記2層のメッキ層によって、当該表層パッド中の金属酸化物の生成を抑制でき、Cuの比率が高められるため、メッキ金属の被着を容易にすることが可能となる。
図1は、本発明による第2の配線基板1の概略を示す断面図、図2は、図1中の一点鎖線部分Aの部分拡大図である。
配線基板1は、図1,図2に示すように、表面3および裏面4を有する基板本体2と、かかる基板本体2の裏面4に形成された複数のパッド20と、各パッド20ごとの表面に形成された複数の表層パッド22と、各表層パッド22ごとの外表面側(図示で下方)にハンダ23を介して立設された例えば194合金からなる導体ピン26と、を備えている。
基板本体2は、ガラス−セラミック(例えば、Al2O3(アルミナ))からなる絶縁層5〜7を一体に積層したものである。
また、パッド20は、Cu、平均粒径が1〜4μmで上記ガラス−セラミックを構成するセラミックと同一のセラミックのAl2O3粒子、およびFe2O3を含むFe酸化物を含み、100重量部のCuに対し、4〜22重量部のAl2O3と、Fe2O3換算で1〜6重量部のFeとを混合した金属−セラミックの複合材である。更に、表層パッド22は、CuおよびFe2O3を含み、100重量部のCuに対し、1重量部以下のFe2O3を混合したものである。加えて、上記ハンダ23は、約250℃でリフロー可能な低融点のSn−Sb系合金からなる。
基板本体2の裏面4には、前記パッド20と前記表層パッド22との外周部に貫通孔18の開口縁19が覆っている(オーバーコート)ガラスよりなる被覆層8が所要の厚みで形成されている。かかる被覆層8は、例えば、珪酸を含むガラスからなり、その表面(裏面)8aに複数の貫通孔18が開口している。
尚、上記ガラスからなる被覆層8には、基板本体2と同じ成分のガラス−アルミナ系複合材に、Cr、Mn、またはFeなどの色彩粉(顔料)を混ぜたものを用いても良い。
図1に示すように、基板本体2の表面3上に位置する複数の接続パッド14上には、ハンダ23よりも融点の低い合金(例えば、96.5wt%Sn−3.5wt%Ag)からなるハンダ15を介して、ICチップ(電子部品)16の底面に設けた外部電極17が接続される。これにより、基板本体2の表面3上に、当該ICチップ16が実装される。
しかも、ガラスからなる被覆層8が、パッド20と表層パッド22との外周部を覆うように形成されているため、これらを物理的にも基板本体2のガラス−セラミック側に強固に密着させている。従って、かかる配線基板1によれば、導体ピン26を介して、マザーボードなどのプリント基板との導通が確実に取れると共に、表面3上へのICチップ16の実装も確実に行うことができる。
予め、複数枚のガラス−セラミックのグリーンシートを用意した。かかるグリーンシートは、SiO2−B2O3−Al2O3系のガラス粉末、フィラであるセラミック粉末、有機バインダ、可塑剤、および有機溶剤などを混合したものである。
上記以外のガラス粉末のガラス成分には、例えば、SiO2−B2O3−Al2O3−MO系(但し、MはCa、Sr、Mg、Ba、またはZrを示す)、PB系ガラス、あるいはBi系ガラスなどが使用できる。
また、上記セラミック粉末には、例えばAl2O3−SiO2−ZrO2とアルカリ希土類金属酸化物との複合酸化物、TiO2とアルカリ希土類金属酸化物との複合酸化物、Al2O3およびSiO2から選ばれる少なくとも1種を含む複合酸化物である例えばスピネル、ムライト・コージェライトなど、が使用できる。
上記ガラス粉末とセラミック粉末とを、重量比で40:60〜60:40の割合で混合した。
前記グリーンシートは、前記ガラス粉末、セラミック粉末、および有機バインダを配合し、必要に応じて所要量の可塑剤、溶剤(有機溶剤または水)を更に加えてスラリとし、かかるスラリをドクターブレード法、圧延法、カレンダロール法、金型プレス法などにより、厚さ数10〜数100μmのシート状に成形することで得られた。
その結果、図3で例示するように、追って前記絶縁層7となり、内部の配線層10、およびビア導体13、を有するグリーンシートs7が得られた。
次いで、図3中の一点鎖線部分Bを拡大した図4に示すように、グリーンシートs7の裏面4における所定の位置に、厚み約20μmである複数のパッド20をスクリーン印刷などにより形成した。かかるパッド20は、Cu、Al2O3粒子、およびFe2O3を含み、100重量部のCuに対し、4〜22重量部のAl2O3と、Fe2O3換算で1〜6重量部のFeとを混合した混合材料からなる。
引き続いて、パッド20と表層パッド層22との外周部を囲うように所定のマスキング(図示せず)を施した後、図6に示すように、基板本体2の裏面4上に、前記ガラス成分からなる軟質ガラスの被覆層8を、塗布コーティングなどにより形成した。かかる被覆層8が固化すると、図6に示すように、ガラスよりなる被覆層8の表面8aに開口する貫通孔18の開口縁19がパッド20および表層パッド22の外周部を覆う形状(オーバーコート)になった。
その結果、図7に示すように、ガラス−セラミックの絶縁層5〜7からなり、内部の配線層9,10、ビア導体11〜13、および表面3の接続パッド14を有する基板本体2と、その裏面4に形成された被覆層8とが得られた。
次いで、図7中の一点鎖線部分Cを拡大した図8に示すように、前記表層パッド22の表面に対し、厚み2〜5μmのNiメッキ層および厚み約0.02〜0.3μmのAuメッキ層の2層からなるメッキ層21を被覆した。
かかるハンダ25と表層パッド22、あるいは前記メッキ層21とが接触し且つ導体ピン26の軸心が基板本体2の裏面4に対し直角に保たれた状態として、上記ハンダ25をその融点直上の温度付近に加熱(リフロー)した。
そして、導体ピン26および上記ハンダ23の表面に対し、NiメッキおよびAuメッキを施した。その結果、図8中の一点鎖線部分Dを拡大した同図中の部分面で例示するように、ピン本体27の表面が厚み3〜7μmのNiメッキ層29aと厚み約0.02〜0.3μmのAuメッキ層29bとに被覆された。かかるAuメッキ層29bにより、導体ピン26およびハンダ23の耐食性が確保された。
以上の各工程を経ることで、前記図1,図2に示した配線基板1が得られた。
尚、前記表層パッド22の表面に対し、前記メッキ層21を被覆する工程は、省略することも可能である。
配線基板1aも、前記同様の配線層9,10やビア導体11〜13を内蔵する基板本体2と、その裏面4に前記同様の被覆層8とを備えている。基板本体2の裏面4には、やや厚肉とした前記同様のパッド20が複数形成され、その外周部を被覆層8に設けた貫通孔18の開口縁19が覆っている。
図9に示すように、配線基板1aでは、パッド20の表面がメッキ層21に被覆され、かかるパッド20およびメッキ層21の外表面側(図示で下方)に、ハンダ23を介して導体ピン26のネールヘッド部28側がハンダ付けされている。
以上の配線基板1aによれば、基板本体2のガラス−セラミックとパッド20との間では、前記配線基板1と同程度の密着強度が得られ、パッド20およびメッキ層21に対し、ハンダ23を介して導体ピン26を強固に接合できる。
SiO2−B2O3−Al2O3系ガラスからなるガラス粉末、Al2O3−SiO2−ZrO2とアルカリ土類金属酸化物とからなるフィラのセラミック粉末、アクリル系の有機バインダ、可塑剤、および有機溶剤を混合してセラミックスラリを得た。尚、上記ガラス粉末とセラミック粉末との混合比は、50重量部:50重量部とした。かかるスラリをドクターブレード法によって、厚さが300μmで縦横サイズが同じである複数枚のグリーンシートを成形した。
尚、試料No,5〜8における各パッド20の表面(上)には、スクリーン印刷により、厚みが15μmの表層パッド22を形成した。かかる表層パッド22は、CuとAl2O3とを含み、100重量部のCuに対し、1重量部のFe2O3を混合したものである。
更に、各例ごとのハンダ25と前記メッキ層21とが接触し且つ導体ピン26の軸部26aの軸心が、基板本体2の裏面8aに対し垂直に保った状態として、上記ハンダ25をその融点直上の温度(約240℃)に加熱(リフロー)した。
表1中で示すように、引張強度が20Nを越えてもパッド20と基板本体2との間で剥離を生じなかったものに○印を、焼成後において基板本体2に反りが生じたものには▲印を、1個でもパッド20と基板本体2との間で剥離を生じものには×印を付した。
表1によれば、本発明の実施例である試料No,3〜8は、基板本体2とパッド20との界面においてクラックや剥離が生じていなかった。これは、パッド20中のAl2O3の存在により、当該パッド20と基板本体2内のガラス−セラミック(Al2O3)との間で化学的な接着が得られると共に、Fe2O3などの酸化鉄が基板本体2内に拡散することで、ガラス成分と上記パッド20との密着が高められたことによる、と推定される。
また、比較例の試料No,9,10は、焼成後の基板本体2に反りが生じていた。かかる結果は、試料No,9では、Feの含有量が高過ぎたことで、パッド20と基板本体2との焼成収縮率の差が大きくなったため、と推定される。更に、試料No,10では、Al2O3とFeとの双方の含有量が高過ぎたことで、パッド20と基板本体2との焼成収縮率の差が一層大きくなったため、と推定される。
以上のような実施例の試料No,3〜8によって、本発明の効果が裏付けられた。
例えば、前記パッド20におけるCu、Al2O3、Feの配合割合は、前記範囲内で適宜選択することが可能である。
また、前記パッド20や表層パッド22を基板本体2の表面3のみに形成し、かかる表面3側に前記ハンダ23を介して導体ピン26を立設することも可能であり、あるいは、基板本体2の表面3と裏面4との双方に導体ピン26を立設することも可能である。
更に、前記基板本体2は、表面3に開口するキャビティを有する形態として良く、かかる形態では前記ICチップ16の電子部品や発光ダイオードなどの発光素子は、上記キャビティの底面に実装される。
また、前記ハンダ25(23)は、前記Sn−Sb系以外のSn−Zn系、Sn−Cu系など低融点合金を適用することも可能である。
加えて、前記導体ピン26の材質は、194合金に限らず、コバールや42アロイとしても良く、そのネールヘッド部28は、偏平な円柱形のものでも良い。
2……………基板本体
3……………表面
4……………裏面
8……………ガラスよりなる被覆層
20…………パッド
22…………表層パッド
23,25…ハンダ
26…………導体ピン
Claims (6)
- ガラス−セラミックからなり、表面および裏面を有する基板本体と、
上記基板本体の表面および裏面の少なくとも一方に形成されるパッドと、
上記パッド上にハンダを介して立設される導体ピンと、を備え、
上記パッドは、100重量部のCuに対し、上記ガラス−セラミックを構成するセラミックと同一のセラミックおよびFe2O3換算した場合のFeの含有量が合計で1〜28重量部である、
ことを特徴とする配線基板。 - ガラス−セラミックからなり、表面および裏面を有する基板本体と、
上記基板本体の表面および裏面の少なくとも一方に形成されるパッドと、
上記パッドの表面に形成される表層パッドと、
上記表層パッド上にハンダを介して立設される導体ピンと、を備え、
上記パッドは、100重量部のCuに対し、上記ガラス−セラミックを構成するセラミックと同一のセラミックおよびFe2O3換算した場合のFeの含有量が合計で1〜28重量部であり、
上記表層パッドは、CuおよびFeを含むと共に、かかるFeのFe2O3換算した場合の含有量は、上記パッドにおけるFe2O3換算した場合のFeの含有量よりも少ない、
ことを特徴とする配線基板。 - 前記パッドは、100重量部のCuに対し、4〜22重量部のセラミックと、Fe2O3換算で1〜6重量部のFeと、を含む、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の配線基板。 - 前記セラミックは、Al2O3を含む、
ことを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の配線基板。 - 前記表層パッドに含まれる前記セラミックの含有量は、前記パッドに含まれる前記セラミックの含有量よりも少ない、
ことを特徴とする請求項2〜4の何れか一項に記載の配線基板。 - 前記表層パッドは、セラミックを含まない、
ことを特徴とする請求項2〜4の何れか一項に記載の配線基板。
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