JP2007017827A - 電気光学装置の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 基板上の熱容量が平面的に不均一となる場合でも、基板上に形成される樹脂膜の表面に平面的に均一な凹凸パターンを形成できる電気光学装置の製造方法を提供する。【解決手段】 基板7a上に形成されたTFD素子21と、表面に凹凸パターンを備えると共にTFD素子21上に形成された層間絶縁膜22とを有する電気光学装置の製造方法である。TFD素子21を形成する工程では、基板7a上にTFD素子21がある領域とない領域とで基板7a上に熱容量が異なる複数の領域が形成される。層間絶縁膜22を形成する工程では、層間絶縁膜22の表面に凹凸パターンを形成する際に露光マスク56Aを用いる。この露光マスク56Aは熱容量が大きい領域K0,K1に置かれる遮光パターン55が、熱容量が小さい領域K2に置かれる遮光パターン55に比べて、形状が大きいか、配置密度が小さいか、形状が大きく且つ配置密度が小さいか、のいずれかに形成される。
【選択図】 図8

Description

本発明は、液晶表示装置等といった電気光学装置を製造するための製造方法に関する。
近年、液晶表示装置、EL装置、プラズマディスプレイ等といった電気光学装置が産業界及び民生分野で広く用いられている。この種の電気光学装置において、従来、透光性のガラス基板上にTFD素子等といったアクティブ素子や、導電パターン等を形成し、その上に樹脂膜を形成し、その上に光反射膜を形成し、さらにその上に画素電極を形成するという構造が知られている。電気光学装置として液晶表示装置を考えれば、上記の画素電極の上には、さらに、配向膜や、電気光学物質としての液晶の層が形成される。なお、光反射膜と画素電極とを同一の部材によって形成することもある(例えば、特許文献1参照)。
上記の樹脂膜は、例えば、アクティブ素子と画素電極とを絶縁状態に設定するために用いられる。また、その樹脂膜は、例えば、上記の光反射膜に散乱特性や指向性を持たせるための凹凸パターンを形成するために用いられる。具体的には、その樹脂膜の表面に凹凸パターンを形成することにより、その樹脂膜の上に設けられる光反射膜に凹凸パターンを付与し、その凹凸パターンで光を反射することにより反射光を散乱させたり、反射光に指向性を持たせたりする。
特開2000−111899号公報(第4頁、図1)
特許文献1に開示された電気光学装置においては、上記のように基板と樹脂膜との間にアクティブ素子、導電パターン等といった導電膜が形成されることがある。この導電膜は、基板上に直接に形成される場合以外に、TaO(タンタル酸化物)等によって形成された下地層を基板上に形成した上で、その下地層の上に形成される場合もある。基板上や下地層上にアクティブ素子を形成した場合には、基板上であってアクティブ素子を設けた領域とアクティブ素子を設けない領域とで熱容量に差異が生じることが多い。また、基板上に導電パターンを形成した場合には、基板上であって導電パターンを設けた領域と導電パターンを設けない領域とで熱容量に差異が生じることが多い。また、基板上に下地層を形成し、その下地層の上にアクティブ素子、導電パターン等を形成した場合には、アクティブ素子を設けた領域と下地層とで、あるいは導電パターンを設けた領域と下地層とで樹脂層に熱容量に差異が生じることが多い。
一般に、樹脂膜をフォトリソグラフィ処理等によって所定の形状に形成する際には、樹脂膜の形状及び性質を安定化させるために、露光処理及び現像処理の前後に樹脂膜に対して焼成処理を施すことがある。この焼成とは、樹脂膜を所定の高温度に所定時間置くことである。樹脂膜の表面に凹凸パターンを形成した場合、この樹脂膜に対して焼成を行うと、凹凸パターンは軟化して平坦化することになる。
この場合、樹脂膜と基板との間にアクティブ素子、導電パターン等といった導電膜が介在していて、基板上の熱容量が平面内で不均一であると、樹脂膜上に形成した凹凸パターンの平坦化の程度が平面内で不均一になり、その結果、樹脂膜上に形成した光反射膜の凹凸パターンの形状及び深さがそれに応じて平面内で不均一になって、反射光の散乱特性及び指向特性が平面内で不均一になり、それ故、反射光を用いた表示が不均一かつ不鮮明になるおそれがあった。
例えば、図12に示すように、ガラス基板101上にCr(クロム)から成る導電膜102を設ける領域とそれを設けない領域とを形成した上で、基板101上に樹脂膜103を形成し、さらにその樹脂膜103の上に露光及び現像によって凹凸パターンを形成し、さらにその凹凸パターンを焼成する場合を考える。
一般に、Crの熱容量Ccはガラスの熱容量Cgよりも大きいので、同じ形状の凹凸パターンを焼成した場合、導電膜102を設けた領域は熱容量が大きいので熱が下がり難くて凹凸パターンは大きく平坦化する。一方、導電膜102を設けないガラス地肌領域は熱容量が小さいので熱が下がり易くて凹凸パターンは平坦化し難い。これらのため、焼成後に樹脂膜の表面に得られる凹凸パターンの形状は、導電膜102を設けた領域とそれを設けない領域とで不均一になるおそれがあった。
また、凹凸パターンの形状が不均一になることは、基板上の熱容量の差異だけに限らず、その他種々の要因が考えられる。
本発明は、そのような問題点に鑑みて成されたものであって、基板上の熱容量が平面的に不均一となる場合でも、基板上に形成される樹脂膜の表面に平面的に均一な凹凸パターンを形成できる電気光学装置の製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る第1の電気光学装置の製造方法は、基板と、該基板上に形成された導電膜と、表面に凹凸パターンを備えるとともに前記導電膜の上に形成された樹脂膜とを有する電気光学装置を製造する電気光学装置の製造方法であって、(1)前記基板上に前記導電膜を選択的に形成する工程と、(2)前記基板上の前記導電膜が形成された領域と前記導電膜が形成されない領域とを跨いで前記樹脂膜を形成する工程と、(3)複数のドットパターンを有した露光マスクを用いて前記樹脂膜の表面に凹凸パターンを形成する工程とを有し、(4)前記露光マスクは、前記導電膜が形成された領域に対応して配置された複数のドットパターンと前記導電膜が形成されない領域に対応して配置された複数のドットパターンとを備え、(5)前記導電膜が形成された領域に対応して配置された複数のドットパターンは前記導電膜が形成されない領域に対応して配置された複数のドットパターンに比べて、形状が大きい、或いは、配置密度が小さい、或いは、形状が大きく且つ配置密度が小さく設定されていることを特徴とする。
この構成において、前記導電膜は、例えば、TFT(Thin Film Transistor)素子、TFD(Thin Film Diode)素子、TFT素子又はTFD素子から導出されてこれらの素子と画素電極とを電気的に接続するコンタクト部、及び信号を伝送する信号線の少なくとも1つである。TFT素子は、例えば、半導体領域を複数の電極で挟むことによって形成されたスイッチング素子であり、構造の違いに応じてアモルファスTFT素子、高温ポリシリコンTFT素子、低温ポリシリコンTFT素子等といった種々のTFT素子がある。また、TFD素子は、例えば、Ta等から成る第1電極上に絶縁膜を形成しその絶縁膜上にCr等によって第2電極を形成することによって形成された非線形抵抗素子である。
また、素子と画素電極とを電気的に接続させる上記のコンタクト部は、例えば、液晶表示装置における表示の最小単位であるサブ画素領域においてアクティブ素子と画素電極とを電気的に接続するための電気接続要素として用いられる。このコンタクト部は、例えば、Ta、Cr等によって形成される。また、上記の信号線としては、例えば、TFD素子へデータ信号や走査信号を伝送する信号線や、TFT素子へデータ信号や走査信号を伝送する信号線等がある。
上記構成の電気光学装置の製造方法においては、露光マスク上に形成される複数のドットパターンのうち、基板上に導電膜が形成された領域に対応して配置されたドットパターンは、基板上に導電膜が形成されない領域に対応して配置されたドットパターンに比べて、形状が大きいか、配置密度が小さいか、あるいは形状が大きく且つ配置密度が小さいかのいずれかの状態、すなわち、散乱角度を広くする状態に設定される。
この露光マスクによって樹脂膜内に形成された露光像を焼成すると、導電膜が形成された領域では導電膜が形成されない領域に比べて、平坦化の程度が大きくなる。この平坦化の程度の違いは、例えば基板上における熱容量の分布の違いによって生じたものである。本発明では導電膜が形成された領域では、予め、散乱角度が広くなるように凹凸パターンが形成されるので、焼成後に樹脂膜表面に最終的に得られる凹凸パターンの散乱特性は、導電膜が形成された領域と導電膜が形成されない領域との間で均一になる。この結果、本発明に係る第1の電気光学装置の製造方法によって製造した電気光学装置によって反射型表示を行えば、鮮明な表示を得ることができる。
次に、本発明に係る第2の電気光学装置の製造方法は、基板と、該基板上に形成された下地層と、該下地層上に形成された導電膜と、表面に凹凸パターンを有し前記導電膜を覆うように形成された樹脂膜とを有する電気光学装置を製造する電気光学装置の製造方法であって、(1)前記基板上に下地層を形成する工程と、(2)前記下地膜上に前記導電膜を選択的に形成する工程と、(3)前記下地膜上の前記導電膜が形成された領域と前記導電膜が形成されない領域とを跨いで前記樹脂膜を形成する工程と、(4)複数のドットパターンを有した露光マスクを用いて前記樹脂膜の表面に凹凸パターンを形成する工程とを有し、(5)前記露光マスクは、前記導電膜が形成された領域に対応して配置された複数のドットパターンと前記導電膜が形成されない領域に対応して配置された複数のドットパターンとを備え、(6)前記導電膜が形成された領域に対応して配置された複数のドットパターンは前記導電膜が形成されない領域に対応して配置された複数のドットパターンに比べて、形状が大きい、或いは、配置密度が小さい、或いは、形状が大きく且つ配置密度が小さく設定されていることを特徴とする。
上記第1の電気光学装置の製造方法では基板上に直接に導電膜を形成したが、上記第2の電気光学装置の製造方法では、基板上に下地層を形成した上で、その下地層の上に導電膜を形成する。この下地層は、例えば、TaOx(タンタル酸化物)によって形成できる。
上記構成の第2の電気光学装置の製造方法においては、露光マスク上に形成される複数のドットパターンのうち、基板上に導電膜が形成された領域に対応して配置されるドットパターンは、基板上に導電膜が形成されない領域に対応して配置されるドットパターンに比べて、形状が大きいか、配置密度が小さいか、あるいは形状が大きく且つ配置密度が小さいかのいずれかの状態、すなわち、散乱角度を広くする状態に設定される。
この露光マスクによって樹脂膜内に形成された露光像を焼成すると、導電膜が形成された領域では導電膜が形成されない領域に比べて、平坦化の程度が大きくなる。この平坦化の程度の違いは、例えば基板上における熱容量の分布の違いによって生じたものである。本発明では導電膜が形成された領域では、予め、散乱角度が広くなるように凹凸パターンが形成されるので、焼成後に樹脂膜表面に最終的に得られる凹凸パターンの散乱特性は、導電膜が形成された領域と導電膜が形成されない領域との間で均一になる。この結果、本発明に係る第2の電気光学装置の製造方法によって製造した電気光学装置によって反射型表示を行えば、鮮明な表示を得ることができる。
次に、本発明に係る電気光学装置の製造方法においては、前記基板上における熱容量に分布が生じ、前記熱容量が前記導電膜の形成された領域と前記導電膜の形成されない領域とによって異なっており、熱容量が大きい方の領域に対応して配置された前記露光マスクの複数のドットパターンが熱容量の小さい方の領域に対応して配置された前記露光マスクの複数のドットパターンよりも、形状が大きい、或いは、配置密度が小さい、或いは、形状が大きく且つ配置密度が小さく設定されていることが望ましい。
このような露光マスクによって樹脂膜内に形成された露光像を焼成すると、基板上で熱容量が大きくて熱が下がり難い領域では、基板上で熱容量が小さくて熱が下がり易い領域に比べて平坦化の程度が大きいのであるが、本発明では熱容量が大きい領域では、予め、散乱角度が広くなるように凹凸パターンが形成されるので、焼成後に樹脂膜表面に最終的に得られる凹凸パターンの散乱特性は、熱容量が大きい領域と熱容量が小さい領域との間で均一になる。この結果、本発明に係る電気光学装置の製造方法によって製造した電気光学装置によって反射型表示を行えば、鮮明な表示を得ることができる。
次に、本発明に係る電気光学装置の製造方法においては、前記導電膜が形成された領域内に熱容量が異なる複数の領域を有し、熱容量が大きい方の領域に対応して配置された前記露光マスクの複数のドットパターンが熱容量の小さい方の領域に対応して配置された前記露光マスクの複数のドットパターンよりも、形状が大きい、或いは、配置密度が小さい、或いは、形状が大きく且つ配置密度が小さく設定されていることが望ましい。
このように、導電膜が形成された領域内においても、例えば、導電膜を形成する材料の違い等によって熱容量に分布が生じる。このような場合においても、熱容量が大きい方の領域に対応して配置された前記露光マスクの複数のドットパターンが熱容量の小さい方の領域に対応して配置された前記露光マスクの複数のドットパターンよりも、形状が大きい、或いは、配置密度が小さい、或いは、形状が大きく且つ配置密度が小さく設定すれば、焼成後に樹脂膜表面に最終的に得られる凹凸パターンの散乱特性は、熱容量が大きい領域と熱容量が小さい領域との間で均一になる。この結果、本発明に係る電気光学装置の製造方法によって製造した電気光学装置によって反射型表示を行えば、鮮明な表示を得ることができる。
次に、本発明に係る第1の電気光学装置の製造方法において、前記基板はガラスによって形成され、前記導電膜はCr、Mo(モリブデン)、MoW(モリブデン・タングステン)合金、ITO(Indium Tin Oxide:インジウム錫酸化物)のいずれかによって形成されることが望ましい。一般に、Cr、Mo、MoW合金、ITO等といった物質の熱容量はガラスの熱容量よりも大きいので、ガラス基板上にこれらの物質によって導電膜を形成した場合に本発明を適用すれば、樹脂膜上に散乱特性の均一な凹凸パターンを形成することに関して有効である。
次に、本発明に係る第2の電気光学装置の製造方法において前記下地層はTaOxによって形成され、前記導電膜はCr、Mo、MoW合金、ITOのいずれかによって形成されることが望ましい。一般に、Cr、Mo、MoW合金、ITO等といった物質の熱容量はTaOxの熱容量よりも大きいので、ガラス基板上に設けられた下地層上にこれらの物質によって導電膜を形成した場合に本発明を適用すれば、樹脂膜上に散乱特性の均一な凹凸パターンを形成することに関して有効である。
(電気光学装置の製造方法の第1実施形態)
以下、本発明に係る電気光学装置の製造方法を実施形態に基づいて説明する。なお、本発明がその実施形態に限定されないことはもちろんである。また、これ以降の説明では図面を用いて各種の構造を例示するが、これらの図面に示される構造は特徴的な部分を分かり易く示すために実際の構造に対して寸法を異ならせて示す場合がある。
電気光学装置の製造方法を説明するのに先立って、まず、その製造方法によって製造される電気光学装置について説明する。本実施形態では、電気光学装置の1つである液晶表示装置を製造するものとする。また、本実施形態の製造方法では、2端子型の非線形抵抗素子であるTFD(Thin Film Diode)素子をアクティブ素子として用いるアクティブマトリクス方式の液晶表示装置を製造するものとする。
図1は、本発明に係る電気光学装置の製造方法によって製造される液晶表示装置の一例を示している。図2は、図1のZ1−Z1線に従った側面断面図である。図3は、図1の液晶表示装置における1つの画素部分を拡大して示す図であって、(a)は平面図を示し、(b)は(a)のZ2−Z2線に従ってサブ画素の短手側の断面構造を示している。図4は、図3(a)のZ3−Z3線に従ってサブ画素の長手側の断面構造、すなわち図2の矢印Bで示す部分を示している。
図1において、電気光学装置としての液晶表示装置1は、電気光学パネルとしての液晶パネル2と、この液晶パネル2に付設された照明装置3とを有する。液晶パネル2にはFPC(Flexible Printed Circuit:可撓性プリント回路)基板4が接続されている。この液晶表示装置1に関しては矢印Aが描かれた側が観察側であり、上記の照明装置3は液晶パネル2に関して観察側と反対側に配置されてバックライトとして機能する。
液晶パネル2は、長方形又は正方形で環状のシール材6によって互いに貼り合わされた一対の基板7及び8を有する。基板7はアクティブ素子が形成される素子基板である。また、基板8はカラーフィルタが形成されるカラーフィルタ基板である。シール材6は図2に示すように素子基板7とカラーフィルタ基板8との間に間隙、いわゆるセルギャップGを形成する。シール材6は図1に示すようにその一部に液晶注入口6aを有し、この液晶注入口6aを介して素子基板7とカラーフィルタ基板8との間に電気光学物質としての液晶が注入される。注入された液晶は図2に示すようにセルギャップG内で液晶層12を形成する。液晶注入口6aは液晶の注入が完了した後に樹脂によって封止される。液晶の注入方法としては、上記のような液晶注入口6aを通して行う方法以外に、液晶注入口を持たない連続する環状のシール材6によって囲まれる領域内に液晶滴を供給する方法も採用できる。
セルギャップGの間隔、従って液晶層12の層厚は、セルギャップG内に設けられる複数のスペーサ(図示せず)によって一定に維持される。このスペーサは、複数の球状の樹脂部材を素子基板7又はカラーフィルタ基板8の表面上にランダム(すなわち、無秩序)に置くことによって形成できる。また、スペーサは、フォトリソグラフィ処理によって所定の位置に柱状に形成することもできる。
図1において、照明装置3は、光源としてのLED(Light Emitting Diode)13と、導光体14とを有する。光源としては、LEDのような点状光源以外に、冷陰極管のような線状光源を用いることもできる。導光体14は、例えば、透光性を有する樹脂を材料とする成形加工によって形成され、LED13に対向する側面が光入射面14aであり、液晶パネル2に対向する面が光出射面14bである。矢印Aで示す観察側から見て導光体14の背面には、必要に応じて、光反射層16が設けられる。また、導光体14の光出射面14bには、必要に応じて、光拡散層17が設けられる。
素子基板7は、図2において、第1の透光性の基板7aを有する。この第1透光性基板7aは、例えば、透光性のガラス、透光性のプラスチック等によって形成される。この第1透光性基板7aの外側表面には偏光板18aが、例えば、貼着によって装着される。必要に応じて、偏光板18a以外の光学要素、例えば位相差板を付加的に設けることもできる。他方、第1透光性基板7aの内側表面には、矢印Bで示す部分の拡大図である図4にも示すように、データ線19が列方向Yに延びて形成されている。そして、アクティブ素子として機能する非線形抵抗素子であるTFD(Thin Film Diode)素子21がデータ線19に接続して形成されている。データ線19は図1に示すように複数本が互いに平行に設けられている。また、TFD素子21は複数個が各データ線19に沿って等間隔に設けられている。
それらのTFD素子21及びデータ線19の上に、それらを覆うように樹脂膜としての層間絶縁膜22が形成され、その上に光反射膜23が形成され、その上に画素電極24が形成され、その上に配向膜26aが形成されている。層間絶縁膜22は、例えば、透光性、感光性、及び絶縁性を有する樹脂、例えばアクリル樹脂、ポリイミド樹脂等をフォトリソグラフィ処理によってパターニングすることによって形成される。また、光反射膜23は、例えば、Al(アルミニウム)、Al合金等といった光反射性材料をフォトエッチング処理によってパターニングすることによって形成される。画素電極24は、例えばITO等といった金属酸化物をフォトエッチング処理によってパターニングすることによって形成される。配向膜26aは、例えばポリイミド等を塗布することによって形成される。
光反射膜23及び画素電極24は、図1に示すように、素子基板7上にドットマトリクス状に複数形成される。これらの光反射膜23及び画素電極24は、個々のTFD素子21に接続されて各データ線19に沿って設けられている。複数の画素電極23は図示の通り個々がドット状に形成されており、それらが縦横方向、すなわち行列方向へマトリクス状に並ぶように形成される。
なお、光反射膜23は、図4に示すように個々の画素電極24のうちの一部に設けられている。すなわち、個々の画素電極24と層間絶縁膜22との間には、光反射膜23がある領域Rと光反射膜23が無い領域Tとが形成される。光反射膜23が有る領域Rは、外部光L0を用いて反射型表示を行う領域、すなわち反射表示領域Rである。一方、光反射膜23が無い領域Tは、照明装置3(図2参照)からの光L1を用いて透過型表示を行う領域、すなわち透過表示領域Tである。
本実施形態の層間絶縁膜22は反射表示領域Rに設けられており、透過表示領域Tには設けられていない。このため、反射表示領域R内の液晶層12の層厚t0は、透過表示領域T内の液晶層12の層厚t1よりも薄くなっている。望ましくはt0=t1/2になっている。このような液晶層12の層厚の調整は、反射表示領域R内で光L0が液晶層12を2回通過する反射表示の場合と、透過表示領域T内で光L1が液晶層12を1回しか通過しない透過表示の場合とで、液晶層12のリタデーション(Δnd)を均一にして鮮明な表示を得るために行われるものである。但し、“Δn”は屈折率異方性、“d”は液晶層厚を示している。
配向膜26aは図2において素子基板7の表面の略全域に形成される。そして、この配向膜26aに配向処理、例えばラビング処理が施され、これにより、素子基板7の近傍における液晶分子の初期配向が決められる。
図4に示すように、TFD素子21は、本実施形態では、互いに電気的に直列につながれた一対のTFD要素25a及び25bによって形成されている。第1のTFD要素25aは、第1素子電極28、絶縁膜29、そして第2素子電極31aをその順で重ねることによって形成されている。また、第2のTFD要素25bは、第1素子電極28、絶縁膜29、そして第2素子電極31bをその順で重ねることによって形成されている。第1素子電極28は、例えば、Ta(タンタル)又はTa合金によって形成される。Ta合金としては、例えば、TaW(タンタル・タングステン)を用いることができる。絶縁膜29は、例えば、陽極酸化処理によって形成される。第2素子電極31a,31bは、例えばCrによって形成される。
第2TFD要素25bは画素電極24に導電接続される要素であるが、この第2TFD要素25bの第2素子電極31bはその先端に図3(a)に示すように面積の大きい端子部、すなわちコンタクト部27を有する。このコンタクト部27は、図4に示すように、その一部が層間絶縁膜22に埋まり、他の一部が層間絶縁膜22の外部に露出している。そして、層間絶縁膜22がある部分から層間絶縁膜22が無い部分にわたってサブ画素領域Dの中に形成された画素電極24がコンタクト部27のその露出部分に接触し、これにより、TFD素子21と画素電極24との間の電気的な接続が行われている。
第1TFD要素25a内の第2素子電極31aはデータ線19から延びている。また、第2TFD要素25b内の第2素子電極31bはコンタクト部27を介して画素電極24に接続されている。データ線19から画素電極24へ信号が伝送されることを考えたとき、第1TFD要素25aと第2TFD要素25bは電気的に逆極性である2つのTFD要素が直列に接続されることになる。この構造はバック・ツー・バック(Back-to-Back)構造と呼ばれることがある。本実施形態では、このようにバック・ツー・バック構造のTFD素子を用いたが、単一のTFD要素によってTFD素子を形成しても良い。
本実施形態では、画素電極24の下に層間絶縁膜22を設けることにより、画素電極24の層とTFD素子21の層とを別の層に分けている。この構造は、画素電極24とTFD素子21とを同じ層に形成する構造に比べて、素子基板7の表面を有効に活用することを可能とする。例えば、画素電極24の面積、すなわち画素面積を大きくすることができ、そのため、液晶表示装置1において表示を見易くできる。
図2において、素子基板7に対向するカラーフィルタ基板8は、矢印Aで示す観察側から見て長方形又は正方形の第2の透光性の基板8aを有する。この第2透光性基板8aは、例えば、透光性のガラス、透光性のプラスチック等によって形成される。この第2透光性基板8aの外側表面には偏光板18bが、例えば、貼着によって装着される。必要に応じて、偏光板18b以外の光学要素、例えば位相差板を付加的に設けることもできる。
第2透光性基板8aの内側表面には、図4にも示すように、着色要素36が形成され、その周囲に遮光部材37が形成され、着色要素36及び遮光部材37の上にオーバーコート層38が形成され、その上に帯状電極39が形成され、その上に配向膜26bが形成されている。帯状電極39は、図4の紙面垂直方向(すなわち、行方向X)に延びている。また、配向膜26bは、例えばポリイミド等を塗布することによって形成される。
着色要素36は矢印A方向から見て長方形又は正方形のドット状に形成されている。また、着色要素36は複数個が矢印A方向から見て行方向X(図4の紙面垂直方向)及び列方向Y(図4の左右方向)にマトリクス状に配列されている。遮光部材37はそれらの着色要素36を囲む格子状に形成されている。着色要素36の個々はB(青)、G(緑)、R(赤)の1つを通過させる光学的特性に設定され、それらB,G,Rの着色要素36が矢印A方向から見て所定の配列、例えばストライプ配列に並べられている。ストライプ配列とは、列方向YにB,G,Rの同色が並び、行方向XにB,G,Rが交互に順番に並ぶ配列である。
なお、着色要素36の配列はストライプ配列以外の任意の配列とすることができ、例えば、モザイク配列、デルタ配列等とすることもできる。また、着色要素36の光学的特性はB,G,Rの3原色に限られず、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)の3原色を通過させる特性とすることもできる。遮光部材37は、本実施形態では、B,G,Rの3原色のうちのいずれか2色を重ねることによって形成されている。しかしながら、遮光部材37は、B,G,Rの3色を重ねて形成することもできるし、所定の材料をフォトリソグラフィ処理によってパターニングすることによって形成することもできる。この場合の所定の材料としては、例えば、Cr等といった遮光性の材料が考えられる。
着色要素36及び遮光部材37の上に形成されたオーバーコート層38は、着色要素36及び遮光部材37の表面を平坦化するものであり、帯状電極39はこうして平坦化されたオーバーコート層38の上に形成される。帯状電極39は、例えばITO等といった金属酸化物をフォトエッチング処理によってパターニングすることによって形成される。帯状電極39は、図1に示すように、カラーフィルタ基板8上に複数本が互いに平行に並ぶように設けられている。個々の帯状電極39は行方向Xに延びている。図4において帯状電極39の上に形成された配向膜26bには配向処理、例えばラビング処理が施され、これにより、カラーフィルタ基板8の近傍における液晶分子の初期配向が決められる。
図2において、素子基板7上に設けられた複数の画素電極24は矢印A方向から平面的に見て、行方向X及び列方向Yにマトリクス状に並んでいる。一方、カラーフィルタ基板8上に設けられた複数の帯状電極39は、行方向Xに並ぶ複数の画素電極24と矢印A方向から平面的に見て重なるようにストライプ状に並んでいる。このように画素電極24と帯状電極39は矢印A方向から見て重なり合っており、その重なり合った領域が表示のための最小単位であるサブ画素領域Dを形成している。そして、複数のサブ画素領域Dが行方向X及び列方向Yにマトリクス状に並ぶことにより図1の有効表示領域Vが形成され、この表示領域Vに文字、数字、図形等といった像が表示される。
本実施形態のように、B,G,Rの3色から成る着色要素36を用いてカラー表示を行う場合は、B,G,Rの3色に対応する3つの着色要素36に対応する3つのサブ画素領域Dによって1つの画素が形成される。他方、白黒又は任意の2色でモノカラー表示を行う場合は、1つのサブ画素領域Dによって1つの画素が形成される。1つの画素部分を平面的に示す図面である図3(a)に示すように、サブ画素領域Dは長方形状に形成されている。サブ画素領域Dの長手方向(すなわち、図3(a)の上下方向)の片側は光反射膜23によって規定される反射表示領域Rであり、残りの片側は光反射膜23が形成されない透過表示領域Tである。
図4において、層間絶縁膜22の表面であって個々のサブ画素領域D内の反射表示領域Rに対応する部分には凸部又は凹部が形成されて凹凸パターンが形成されている。この凹凸パターンは矢印A方向から見てランダム(すなわち、無秩序)なパターンとなっている。光反射膜23は、そのような凹凸パターンが形成されている層間絶縁膜22の上に形成されていて、それ自身も同じ凹凸パターンを有している。このように光反射膜23に凹凸パターンを形成することにより、光反射膜23で反射する光L0を、鏡面反射ではなくて、散乱光や指向性を持った光とすることができる。
カラーフィルタ基板8において着色要素36の周囲に形成された遮光部材37は、図3(a)に鎖線で示すように、サブ画素Dの周囲を取り囲むように形成されている。この遮光部材37は、サブ画素Dの周囲から光が漏れ出るのを防止して表示のコントラストを向上させる。
次に、図2において、素子基板7を構成する第1透光性基板7aはカラーフィルタ基板8の外側へ張り出す張出し部46を有している。この張出し部46の表面には、配線47がフォトエチング処理等によって形成されている。配線47は矢印A方向から見て複数本形成されており、それらの複数本が紙面垂直方向へ互いに等間隔で平行に並べられている。また、張出し部46の辺端には複数の外部接続用端子48が紙面垂直方向へ互いに等間隔で平行に並ぶように形成されている。図1に示したFPC基板4に形成される配線は、図2の外部接続用端子48に導電接続する。
複数の配線47の一部はデータ線19となって第1透光性基板7aの表面上を延びている。また、複数の配線47の残りの一部はシール材6の中にランダム(すなわち、無秩序)に含まれる導通材49を介してカラーフィルタ基板8上に設けられた帯状電極39に導電接続されている。導通材49は、図2では模式的に大きく描かれているが、実際にはシール材6の断面の幅よりも小さいものであり、シール材6の1つの断面内に複数の導通材49が含まれるのが普通である。
張出し部46の表面には、ACF(Anisotropic Conductive Film:異方性導電膜)51を用いたCOG(Chip On Glass)技術によって、駆動用IC52が実装されている。駆動用IC52は、本実施形態では図1に示すように複数、例えば3個実装されている。例えば、中央の1つの駆動用IC52は、データ線19へデータ信号を伝送する。他方、両側の駆動用IC52,52は、カラーフィルタ基板8上に形成された帯状電極39へ走査信号を伝送する。
以上のように構成された液晶表示装置1によれば、図2において、液晶表示装置1が明るい室外や明るい室内に置かれる場合は、太陽光や室内光等といった外部光を用いて反射型の表示が行われる。一方、液晶表示装置1が暗い室外や暗い室内に置かれる場合は、照明装置3をバックライトとして用いて透過型の表示が行われる。
上記の反射型表示を行う場合、図4において、観察側である矢印Aの方向からカラーフィルタ基板8を通して液晶パネル2内へ入射した外部光L0は、液晶層12を通過して素子基板7内へ入った後、反射表示領域Rにおいて光反射膜23で反射して再び液晶層12へ供給される。他方、上記の透過型表示を行う場合、図2の照明装置3の光源13が点灯し、それからの光が導光体14の光入射面14aから導光体14へ導入され、さらに、光出射面14bから面状の光として出射する。この出射光は、図4の符号L1で示すように透過表示領域Tにおいて光反射膜23が存在しない領域を通って液晶層12へ供給される。
以上のようにして液晶層12へ光が供給される間、素子基板7側の画素電極24とカラーフィルタ基板8側の帯状電極39との間には、走査信号およびデータ信号によって特定される所定の電圧が印加され、これにより、液晶層12内の液晶分子の配向がサブ画素領域Dごとに制御され、この結果、液晶層12に供給された光がサブ画素領域Dごとに変調される。この変調された光が、カラーフィルタ基板8側の偏光板18b(図2参照)を通過するとき、その偏光板18bの偏光特性に従ってサブ画素領域Dごとに通過を許容又は通過を阻止され、これにより、カラーフィルタ基板8の表面に文字、数字、図形等といった像が表示され、これが、矢印A方向から視認される。
以下、上記構成より成る図1に示した液晶表示装置を製造するための製造方法について説明する。図5はその製造方法の一実施形態を示している。図5の工程P1〜工程P6に至る工程は図1の素子基板7を形成する工程である。また、図5の工程P11〜工程P16に至る工程は図1のカラーフィルタ基板8を形成する工程である。また、図5の工程P21〜工程P27に至る工程はそれらの基板を貼り合わせて製品である液晶表示装置を形成する工程である。
なお、本実施形態では、図1に示す素子基板7及びカラーフィルタ基板8を1つずつ形成するのではなく、素子基板7に関しては、複数の素子基板7を形成できる大きさの面積を有する素子側マザー透光性基板の上に素子基板7の複数個分の要素を同時に形成するものとする。また、カラーフィルタ基板8に関しては、複数のカラーフィルタ基板8を形成できる大きさの面積を有するカラーフィルタ側マザー透光性基板の上にカラーフィルタ基板8の複数個分の要素を同時に形成するものとする。素子側マザー透光性基板及びカラーフィルタ側マザー透光性基板は、例えば、透光性ガラス、透光性プラスチック等によって形成される。
まず、図5の工程P1において、素子側マザー透光性基板の表面にアクティブ素子である図3(a)、図3(b)及び図4のTFD素子21及び配線19を基板7a上に同時に形成する。具体的には、図4の第1素子電極28を例えばTaWを材料としてフォトエッチング処理によって形成し、絶縁膜29を陽極酸化処理によって形成する。また、配線19及び第2素子電極31bを、例えばCrを材料としてフォトエッチング処理によって形成する。
次に、工程P2において、樹脂膜である図4の層間絶縁膜22を基板7a上の一部に形成する。この層間絶縁膜22は、TFD素子21から延びるコンタクト部27の一部が層間絶縁膜22から露出するように形成される。またこのとき、層間絶縁膜22の表面に凹凸パターンが形成される。この工程についての詳細は後述する。次に、工程P3において、図4の光反射膜23をAl又はAl合金を材料としてフォトエッチング処理によって所定のドット形状に形成する。光反射膜23はサブ画素領域Dの一部に形成され、残りの一部には光反射膜23は形成されない。光反射膜23が形成された領域が反射表示領域Rとなり、光反射膜23が形成されない領域が透過表示領域Tとなる。
次に、工程P4において、図4の画素電極24をITOを材料としてフォトエッチング処理によって所定のドット形状に形成する。このとき、画素電極24は光反射膜23の直上に該光反射膜23を覆うように形成される。また、画素電極24は、領域T内において層間絶縁膜22から露出したコンタクト部27と接触し、このコンタクト部27において画素電極24とTFD素子21とが電気的に導通する。この画素電極24が形成された領域に基づいてサブ画素領域Dが規定される。なお、反射表示領域Rにおける画素電極24と光反射膜23は、導電性及び光反射性の両方を有する金属材料、例えばAl、Al合金の単層によって形成することもできる。
次に、工程P5において、図4の配向膜26aが、例えばポリイミドを印刷することによって形成される。次に、工程P6において、配向膜26aにラビング処理が施される。以上により、素子側マザー透光性基板の上に素子基板7の複数個分の要素が形成されて大面積の素子側マザー基板が形成される。
次に、図5の工程P11において、カラーフィルタ側マザー透光性基板の表面上に、図4の着色要素36を形成し、同時に各色の着色要素36を重ねることによって遮光部材、すなわちブラックマスク(BM)37を形成する。遮光部37は、例えば、個々の表示ドット領域Dの周りを埋めるような格子状パターンに形成される。着色要素36については、B,G,Rの各色ごとに順々に形成する。例えば、各色の顔料や染料を感光性樹脂に分散させて成る着色材料をフォトリソグラフィ処理によって所定の配列に形成する。次に、工程P12において、図4のオーバーコート層38を、例えばアクリル樹脂、ポリイミド樹脂等といった感光性樹脂を材料としてフォトリソグラフィ処理によって形成する。
次に、工程P13において、図4の帯状電極39をITOを材料としてフォトエッチング処理によって形成し、さらに工程P14において図4の配向膜26bを形成し、さらに工程P15において、配向処理としてのラビング処理を行う。さらにその後、工程P16において、図1のシール材6が、例えばエポキシ系樹脂を印刷することによって長方形又は正方形の環状に形成される。以上により、カラーフィルタ側マザー透光性基板の上にカラーフィルタ基板8の複数個分の要素が形成されて大面積のカラーフィルタ側マザー基板が形成される。
その後、図5の工程P21において、素子側マザー基板とカラーフィルタ側マザー基板とを貼り合わせる。これにより、素子側マザー基板とカラーフィルタ側マザー基板とが個々の液晶パネルの領域において図1のシール材6を挟んで貼り合わされた構造の大面積のパネル構造体が形成される。
次に、以上のようにして形成された大面積のパネル構造体に含まれるシール材6を、工程P22において熱硬化または紫外線硬化によって硬化させて両マザー基板を接着して大面積のパネル構造体を形成する。次に、工程P23において、そのパネル構造体を1次切断、すなわち1次ブレイクして、図1の液晶パネル2の複数個が1列に並んだ状態で含まれる中面積のパネル構造体、いわゆる短冊状のパネル構造体を複数形成する。シール材6には予めその適所に開口6aが形成されており、上記の1次ブレイクによって短冊状のパネル構造体が形成されると、その開口6aが外部に露出する。
次に、図5の工程P24において、上記のシール材6の開口6aを通して各液晶パネル部分の内部へ液晶を注入し、その注入の完了後、その開口6aを樹脂によって封止する。次に工程P25において、2回目の切断、すなわち2次ブレイクを行い、短冊状のパネル構造体から図1に示す個々の液晶パネル2を切り出す。
次に、図5の工程P26において、図1の基板張出し部46の表面に駆動用IC52を実装し、さらに、図1の偏光板18a及び18bを液晶パネル2に接着する。そしてさらに、工程P27において、図1の照明装置3を液晶パネル2に取付ける。これにより、液晶表示装置1が完成する。
以下、図5の工程P2の樹脂膜形成工程について説明する。この樹脂膜形成工程では所定の工程で露光マスクを用いた露光処理を実行する。樹脂膜形成工程の説明に入る前に、まず、露光マスクについて説明する。
図6(a)及び図6(b)は、ポジ型の感光性樹脂の表面に凹凸パターンを形成するための露光マスク53A及び53Bを示している。これらの露光マスクは、透光性を有するガラス基板54と、そのガラス基板54の表面に形成された多数のドット状の遮光パターン55とを有する。遮光パターン55は光を通さない物質によって形成され、それ以外の領域はガラス地肌で光を通す領域である。個々の遮光パターン55は、通常、図6(c)に示すように6角形状に形成される。
この遮光パターン55の大きさは、通常、4μm〜10μmの範囲内に規制される。その理由は、寸法がそれらの範囲から外れると露光機の解像限界を超えてしまうからでる。また、複数の遮光パターン55の配置状態を表す指数としてパターン密度がある。このパターン密度ρは、基板54上に設けられた遮光パターン55の面積をA1とし、基板54の表面の全体の面積をA0とするとき、
ρ=A1/A0
で表される。通常の露光マスクでは、パターン密度は30〜60%の範囲内に収められる。
図6(a)に示す露光マスク53Aは、遮光パターン55の大きさが最小値の4μmに近く、パターン密度が最大値の60%に近い状態を示している。また、図6(b)に示す露光マスク53Bは、遮光パターン55の大きさが最大値の10μmに近く、パターン密度が最小値の30%に近い状態を示している。露光マスクのマスクパターンが図6(a)に示す露光マスク53Aに近づけば近づく程、この露光マスクを用いて露光を行って得られた凹凸パターンの散乱特性は狭くなる。すなわち、遮光パターン55が小さくなればなる程、又はパターン密度が大きくなればなる程、凹凸パターンの散乱特性は狭くなる。
一方、露光マスクのマスクパターンが図6(b)に示す露光マスク53Bに近づけば近づく程、この露光マスクを用いて露光を行って得られた凹凸パターンの散乱特性は広くなる。すなわち、遮光パターン55が大きくなればなる程、又はパターン密度が小さくなればなる程、凹凸パターンの散乱特性は広くなる。ここで、「散乱特性が狭い」とは、反射膜の表面に平坦な部分が多いときの反射であって、鏡面反射に近い状態の散乱特性のことである。また、「散乱特性が広い」とは、反射膜で反射した光が広い角度範囲内に散乱することである。
以下、図5の工程P2の樹脂膜形成工程について図7、図8及び図9を参照して詳細に説明する。なお、図8(a)は図5の素子形成工程P1において基板7a上にTFD素子21及びデータ線19が形成された状態を示している。
樹脂膜形成工程が始まると、まず、図7の工程P31において図8(a)の基板7aを所定の洗浄液によって洗浄する。次に、図7の工程P32において、図8(b)に示すように、第1透光性基板7aの上にTFD素子21及びデータ線19を覆うように、層間絶縁膜22の材料、例えばポジ型レジストである感光性樹脂22’をスピンコートによって一様な厚さに塗布する。感光性樹脂22’としては、例えば、JSR社製のPC405Gを用いることができる。また、スピンコートの条件は、例えば、700〜1000rpm、8.5秒である。また、感光性樹脂22’の厚さは、1.2〜2.5μmとする。
以上のように、感光性樹脂22’を基板7a上に塗布したとき、導電膜としてのTFD素子21を設けた領域をK0、同じく導電膜としてのコンタクト部27を設けた領域をK1とする。また、TFD素子21及びコンタクト部27を設けていない領域、すなわち感光性樹脂22’が基板7a上に直接に設けられた領域をK2とする。TFD素子21を設けた領域K0とTFD素子21を設けていない領域K2とではそれらの熱容量に差異が生じる。また、コンタクト部27を設けた領域K1とコンタクト部27を設けていない領域K2とでもそれらの熱容量に差異が生じる。
次に、工程P33において、例えば90℃で120秒のプリベークを行って、感光性樹脂22’内の溶媒を除去する。次に、工程P34において露光処理を実行する。具体的には、図8(c)に示すように、素子基板7a(切断する前の大面積のもの)を露光装置、例えば一括露光装置の所定位置に設置し、さらに、露光マスク56Aを素子基板7aに対向する所定位置に設置する。
露光マスク56Aは、遮光パターンの大きさ及び密度が異なる2つの領域を有する露光マスクである。具体的には、領域K0及びK1に対応する位置に図6(b)の露光マスク53B又はパターン形状がそれに近いマスクを配置し、その他の領域には図6(a)の露光マスク53A又はパターン形状がそれに近いマスクを配置したものである。より具体的には、領域K0及びK1に対応する位置には、遮光パターン55が大きいか、遮光パターン55の配置密度が小さいか、遮光パターン55の形状が大きく且つ配置密度が小さい露光マスクを配置し、その他の領域には、遮光パターン55が小さいか、遮光パターン55の配置密度が大きいか、遮光パターン55の形状が小さく且つ配置密度が大きい露光マスクを配置したものである。
以上の構成を有する露光マスク56Aを通して感光性樹脂22’へ一定光量の露光光L2を照射すると、鎖線で示す露光像よりも上の部分が可溶化する。具体的には、遮光領域は露光されないので凸部の露光像が形成される。また、光透過領域では感光性樹脂22’が露光されるので凹部の露光像が形成される。これにより、感光性樹脂22’の表面に凹凸パターンの露光像が形成され、それよりも上の部分が可溶化する。
次に、図9(d)において、セルギャップの調整のために層間絶縁膜22を除去すべき部分Qに光透過領域を有し、さらに図1の有効表示領域Vの周辺部分に光透過領域を有する図9(d)の露光マスク56Bを基板7aの前に置いて、一定光量の露光光L3を照射して露光を行う。すると、感光性樹脂22’のうち層間絶縁膜22を設けない部分及び図2における層間絶縁膜22の周辺領域に対応する部分が可溶化する。
次に、図7の工程P35において現像処理を行う。具体的には、図9(d)の基板7aを現像液に所定時間、浸漬する。すると、図8(c)及び図9(d)において可溶化した部分の感光性樹脂22’が除去されて、図9(e)に示すように、表面の必要な領域に凹凸パターンを有し、さらに図4の透過表示領域Tに対応する部分及び図2に示す周辺部分が除去された形状の層間絶縁膜22が形成される。
層間絶縁膜22の材料である感光性樹脂22’はその性質上、黄色の光を多く通過させる傾向にある。図7の工程P36では、図9(e)の層間絶縁膜22に適宜の光量の紫外線を照射する処理、いわゆるブリーチ露光を行う。これにより、層間絶縁膜22による黄色光の通過量を抑制する。次に、図7の工程P37において、図9(e)の基板7a及び層間絶縁膜22を、例えば、220℃、40〜50分で焼成を行う。高温で焼成することにより、層間絶縁膜22の表面に形成された凹凸が平坦化されるので、層間絶縁膜22の形状及び性質を安定状態に設定する。以上により、図5の工程P2が終了し、その後、既述した光反射膜工程P3以降の工程が実行される。
ところで、図7の露光工程P34において、全ての領域でパターン形状が一定の遮光パターンを有する従来の露光マスクを用いた場合には、感光性樹脂の表面に均一な凹凸パターンの露光像が形成される。しかしながら、この場合には、焼成工程P37において、層間絶縁膜上に形成された凹凸パターンが平面内で不均一に形成されることがあった。これは、基板上においてTFD素子やコンタクト部を設けた領域と、それらを設けていない領域(すなわち、基板のみの領域)とで熱容量が異なるために、焼成による樹脂の平坦化の程度が不均一になるためである。こうなると、層間絶縁膜上に形成する光反射膜の凹凸パターンの形状及び深さがそれに応じて不均一になって、反射光の散乱特性及び指向特性が平面内で不均一になり、それ故、反射光を用いた表示が不鮮明になるおそれがあった。
これに対し、本実施形態では、図8(c)の露光マスク56A上に形成される複数の遮光パターン55のうち、基板7a上で熱容量が大きくて熱が下がり難くて樹脂が平坦化し易い領域、すなわちTFD素子21が設けられた領域K0及びコンタクト部27が設けられた領域K1に置かれる遮光パターン55は、基板7a上で熱容量が小さくて熱が下がり易くて樹脂が平坦化し難い領域、すなわち感光性樹脂22’が基板7a上に直接に設けられた領域をK2に置かれる遮光パターン55に比べて、形状が大きいか、配置密度が小さいか、あるいは形状が大きく且つ配置密度が小さいかのいずれかの状態、すなわち、散乱角度を広くする状態に設定される。
この露光マスク56Aによって感光性樹脂22’内に形成された露光像を焼成すると、熱容量が大きい領域K0及びK1では熱容量が小さい領域K2に比べて、平坦化の程度が大きくなるのであるが、本実施形態では領域K0,K1では、予め、層間絶縁膜22上に設けられる光反射膜23(図4参照)において散乱角度が広くなるように感光性樹脂22’上に凹凸パターンが形成されるので、焼成後に図4の層間絶縁膜22の表面に最終的に得られる凹凸パターンの散乱特性は、熱容量が大きい領域K0,K1と熱容量が小さい領域K2との間で均一になる。この結果、図7の製造方法によって製造した液晶表示装置によって反射型表示を行えば、鮮明な表示を得ることができる。
(電気光学装置の製造方法の第2実施形態)
次に、本発明に係る電気光学装置の製造方法の他の実施形態を説明する。先の実施形態では、図4においてTFD素子21、コンタクト部27及びデータ線19は第1透光性基板7a上に直接に形成されていた。これに対し本実施形態では、第1透光性基板上に下地層を設け、その下地層の上にTFD素子、コンタクト部及びデータ線を形成するようにした。以下、本実施形態を先の実施形態と異なる点を中心として説明するものとし、共通する構成については説明を省略する。
まず、本実施形態の製造方法を用いて製造する液晶表示装置を説明する。この液晶表示装置の外観形状は、概ね、図1及び図2と同じである。図10は本実施形態に係る液晶表示装置の1画素部分の構造を示しており、(a)は平面構造を示し、(b)は(a)のZ4−Z4線に従った断面構造を示している。図11は、図10(a)のZ5−Z5線に従ってサブ画素の長手側の断面構造、すなわち図2の矢印Bで示す部分を示している。図1及び図2に示す構成と図10及び図11に示す構成との間で異なる構成がある場合は、図10及び図11に示す構成が本実施形態であるものとする。
図11において、素子基板7とカラーフィルタ基板8との間にセルギャップGが形成され、そのセルギャップG内に液晶が封入されて液晶層12が形成されている。素子基板7は第1透光性基板7aを有し、この第1透光性基板7aの内側表面の全域には、下地層61が形成される。そして、その下地層61の上にデータ線19が列方向Yに延びて形成され、さらに、TFD素子21がデータ線19に接続して形成されている。
下地層61は、例えば、TaOx(酸化タンタル)によって形成される。この下地層61は、例えば、TFD素子21やデータ線19等といった配線やTFD素子21等がガラス基板である第1透光性基板7aから剥がれることを防止したり、TFD素子21に不純物が拡散することを防止するために設けられる。
それらのTFD素子21及びデータ線19の上には、それらを覆うように樹脂膜としての層間絶縁膜22が形成され、その上に光反射膜23が形成され、その上に画素電極24が形成され、その上に配向膜26aが形成されている。層間絶縁膜22は、例えば、透光性、感光性、及び絶縁性を有する樹脂、例えばアクリル樹脂、ポリイミド樹脂等をフォトリソグラフィ処理によってパターニングすることによって形成される。
光反射膜23は、例えば、Al、Al合金等といった光反射性材料をフォトエッチング処理によってパターニングすることによって形成される。画素電極24は、例えばITO等といった金属酸化物をフォトエッチング処理によってパターニングすることによって形成される。配向膜26aは、例えばポリイミド等を塗布することによって形成される。この配向膜26aに配向処理、例えばラビング処理が施され、これにより、素子基板7の近傍における液晶分子の初期配向が決められる。
素子基板7に対向するカラーフィルタ基板8は第2透光性基板8aを有し、この第2透光性基板8aの内側表面には、着色要素36が形成され、その周囲に遮光部材37が形成され、着色要素36及び遮光部材37の上にオーバーコート層38が形成され、その上に帯状電極39が形成され、その上に配向膜26bが形成されている。帯状電極39は、図11の紙面垂直方向(すなわち、行方向X)に延びている。また、配向膜26bは、例えばポリイミド等を塗布することによって形成される。配向膜26bには配向処理、例えばラビング処理が施され、これにより、カラーフィルタ基板8の近傍における液晶分子の初期配向が決められる。
本実施形態の製造方法は、図5に示した第1の実施形態に係る製造方法と以下の点について異なる。すなわち、第1の実施形態では、TFD素子形成工程P1において図8(a)の基板7a上に直接にTFD素子21、コンタクト部27及び配線19を形成していた。本実施形態では、まず、基板7a上に図11の下地層61を、例えばTaOx(タンタル酸化物)をスパッタ処理によって成膜することにより形成し、その後、下地層61上に、TFD素子21、コンタクト部27及び配線19を形成する。樹脂膜形成工程P2を含むそれ以降の全体的な工程は、第1の実施形態に係る製造方法と同じである。
本実施形態においても下地層が設けられていることを除いて、図8及び図9に示す処理と同じ処理が実行される。図8(b)において、TFD素子21を設けた領域K0とTFD素子21を設けていない領域K2とではそれらの熱容量に差異が生じる。また、コンタクト部27を設けた領域K1とコンタクト部27を設けていない領域K2とでもそれらの熱容量に差異が生じる。そのため、図7の露光工程P34で用いる露光マスク56Aは、遮光パターンの大きさ及び密度が異なる2つの領域を有する。
具体的には、領域K0及びK1に対応する位置に図6(b)の露光マスク53B又はパターン形状がそれに近い露光マスクを配置し、その他の領域には図6(a)の露光マスク53A又はパターン形状がそれに近い露光マスクを配置したものである。より具体的には、領域K0及びK1に対応する領域には、遮光パターン55が大きいか、遮光パターン55の配置密度が小さいか、遮光パターン55の形状が大きく且つ配置密度が小さい露光マスクを配置し、その他の領域には、遮光パターン55が小さいか、遮光パターン55の配置密度が大きいか、遮光パターン55の形状が小さく且つ配置密度が大きい露光マスクを配置したものである。
本実施形態においても、図8(c)の露光マスク56A上に形成される複数の遮光パターン55のうち、基板7a上で熱容量が大きくて熱が下がり難くて樹脂が平坦化し易い領域、すなわちTFD素子21が設けられた領域K0及びコンタクト部27が設けられた領域K1に置かれる遮光パターン55は、基板7a上で熱容量が小さくて熱が下がり易くて樹脂が平坦化し難い領域、すなわち感光性樹脂22’が基板7a上に直接に設けられた領域をK2に置かれる遮光パターン55に比べて、形状が大きいか、配置密度が小さいか、あるいは形状が大きく且つ配置密度が小さいかのいずれかの状態、すなわち、散乱角度を広くする状態に設定される。
この露光マスク56Aによって感光性樹脂22’内に形成された露光像を焼成すると、熱容量が大きい領域K0及びK1では熱容量が小さい領域K2に比べて、平坦化の程度が大きくなるのであるが、本実施形態では領域K0,K1では、予め、層間絶縁膜22上に設けられる光反射膜23(図11参照)において散乱角度が広くなるように感光性樹脂22’上に凹凸パターンが形成されるので、焼成後に図11の層間絶縁膜22の表面に最終的に得られる凹凸パターンの散乱特性は、熱容量が大きい領域K0,K1と熱容量が小さい領域K2との間で均一になる。この結果、図7の製造方法によって製造した液晶表示装置によって反射型表示を行えば、鮮明な表示を得ることができる。
(その他の実施形態)
以上、好ましい実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明はその実施形態に限定されるものでなく、請求の範囲に記載した発明の範囲内で種々に改変できる。
例えば、図8(c)に示す実施形態では、露光マスク56Aにおいて遮光パターン55が大きいか、遮光パターン55の配置密度が小さいか、遮光パターン55の形状が大きく且つ配置密度が小さい領域は、TFD素子21及びコンタクト部27に対応する領域としていた。しかしながら、これに加えて、露光マスク56Aにおけるデータ線19に対応する領域においても遮光パターン55が大きいか、遮光パターン55の配置密度が小さいか、遮光パターン55の形状が大きく且つ配置密度が小さい遮光パターンを配置しても良い。
また、図8(c)に示す実施形態では、TFD素子21を設けた領域K0とTFD素子21を設けていない領域K2とにおいてそれらの熱容量に差異が生じる場合、及びコンタクト部27を設けた領域K1とコンタクト部27を設けていない領域K2とにおいてそれらの熱容量に差異が生じる場合を例示した。すなわち、領域K0及びK1に対応する領域には、遮光パターン55が大きいか、遮光パターン55の配置密度が小さいか、遮光パターン55の形状が大きく且つ配置密度が小さい露光マスク53Bを配置し、領域K2には、遮光パターン55が小さいか、遮光パターン55の配置密度が大きいか、遮光パターン55の形状が小さく且つ配置密度が大きい露光マスク53Aを配置した。
しかしながら、図8(c)に示す実施形態では、TFD素子21を設けた領域K0とコンタクト部27を設けた領域K1との間においても熱容量に際が生じる場合が考えられる。このような場合には、領域K0又は領域K1のうちの熱容量が大きい方の領域に対応して遮光パターン55が大きいか、遮光パターン55の配置密度が小さいか、遮光パターン55の形状が大きく且つ配置密度が小さい露光マスク53Bを配置し、熱容量が小さい方の領域に対応して遮光パターン55が小さいか、遮光パターン55の配置密度が大きいか、遮光パターン55の形状が小さく且つ配置密度が大きい露光マスク53Aを配置することができる。
また、上記実施形態では図4において、導電膜としてのTFD素子21の最も上層にある第2素子電極をCrによって形成した。しかしながら、第2素子電極31a,31bはその他の材料、例えば、Mo(モリブデン)、MoW(モリブデン・タングステン)合金、ITO等によって形成されたものでも良い。
また、以上に説明した実施形態では、アクティブ素子として2端子型の非線形抵抗素子であるTFD素子を用いた液晶表示装置に本発明を適用したが、本発明は、その他のアクティブ素子、例えば、3端子型のスイッチング素子であるアモルファスTFT素子、高温ポリシリコンTFT素子、低温ポリシリコンTFT素子等を用いた液晶表示装置にも適用できる。
また、以上に説明した実施形態では、樹脂膜としてポジ型の感光性樹脂を用いたが、これに代えて、ネガ型の(すなわち、光を受けた部分が固化する性質を有する)感光性樹脂を用いることができる。また、本発明は、液晶表示装置以外の電気光学装置を製造する場合にも用いることができる。
本発明に係る電気光学装置の製造方法によって製造できる電気光学装置の一例である液晶表示装置の斜視図である。 図1のZ1−Z1線に従った断面図である。 図2の液晶表示装置の1つの画素部分を示し、(a)は平面図であり、(b)は(a)のZ2−Z2線に従った行部分の断面図である。 図2の矢印Bを拡大して示す図、従って図3(a)のZ3−Z3線に従った列部分の断面図である。 本発明に係る電気光学装置の製造方法の一実施形態を示す工程フロー図である。 本発明に係る電気光学装置の製造方法に用いられる露光マスクの一例を示す図である。 図5の工程フロー図の主要工程を詳しく示す工程フロー図である。 図7の工程フロー図に対応する層間絶縁膜の構造変遷図である。 図8に引き続く層間絶縁膜の構造変遷図である。 本発明に係る電気光学装置の製造方法の他の実施形態によって製造される液晶表示装置の1画素部分を示し、(a)は平面図であり、(b)は(a)のZ4−Z4線に従った行部分の断面図である。 図10(a)のZ5−Z5線に従った列部分の断面図である。 樹脂膜の凹凸パターンを示す断面図である。
符号の説明
1.液晶表示装置(電気光学装置)、 2.液晶パネル(電気光学パネル)、
3.照明装置、 4.FPC基板、 6.シール材、 7.素子基板、
7a.第1透光性基板、 8.カラーフィルタ基板、 8a.第2透光性基板、
12.液晶層、 13.LED、 14.導光体、 16.光反射層、
17.光拡散層、 18a,18b.偏光板、 19.データ線、
21.TFD素子(導電膜)、 22.層間絶縁膜(樹脂膜)、 23.光反射膜、
24.画素電極、 25a.第1TFD要素、 25b.第2TFD要素、
26a,26b.配向膜、 27.コンタクト部(導電膜)、 28.第1素子電極、
29.絶縁膜、 31a,31b.第2素子電極、 36.着色要素、
37.遮光部材、 38.オーバーコート層、 39.帯状電極、 46.張出し部、
47.配線、 48.外部接続用端子、 49.導通材、 51.ACF、
52.駆動用IC、 53A,53B,56A,56B.露光マスク、
54.ガラス基板、 55.遮光パターン(ドットパターン)、 61.下地層、
D.サブ画素領域、 G.セルギャップ、 K0.TFD素子を設けた領域、
K1.コンタクト部を設けた領域、 L0,L1.光、 L2,L3.露光光、
R.反射表示領域、 T.透過表示領域、 V.表示領域

Claims (8)

  1. 基板と、該基板上に形成された導電膜と、表面に凹凸パターンを備えるとともに前記導電膜の上に形成された樹脂膜とを有する電気光学装置を製造する電気光学装置の製造方法であって、
    前記基板上に前記導電膜を選択的に形成する工程と、
    前記基板上の前記導電膜が形成された領域と前記導電膜が形成されない領域とを跨いで前記樹脂膜を形成する工程と、
    複数のドットパターンを有した露光マスクを用いて前記樹脂膜の表面に凹凸パターンを形成する工程とを有し、
    前記露光マスクは、前記導電膜が形成された領域に対応して配置された複数のドットパターンと前記導電膜が形成されない領域に対応して配置された複数のドットパターンとを備え、前記導電膜が形成された領域に対応して配置された複数のドットパターンは前記導電膜が形成されない領域に対応して配置された複数のドットパターンに比べて、形状が大きい、或いは、配置密度が小さい、或いは、形状が大きく且つ配置密度が小さく設定されていることを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  2. 基板と、該基板上に形成された下地層と、該下地層上に形成された導電膜と、表面に凹凸パターンを有し前記導電膜を覆うように形成された樹脂膜とを有する電気光学装置を製造する電気光学装置の製造方法であって、
    前記基板上に下地層を形成する工程と、
    前記下地膜上に前記導電膜を選択的に形成する工程と、
    前記下地膜上の前記導電膜が形成された領域と前記導電膜が形成されない領域とを跨いで前記樹脂膜を形成する工程と、
    複数のドットパターンを有した露光マスクを用いて前記樹脂膜の表面に凹凸パターンを形成する工程とを有し、
    前記露光マスクは、前記導電膜が形成された領域に対応して配置された複数のドットパターンと前記導電膜が形成されない領域に対応して配置された複数のドットパターンとを備え、前記導電膜が形成された領域に対応して配置された複数のドットパターンは前記導電膜が形成されない領域に対応して配置された複数のドットパターンに比べて、形状が大きい、或いは、配置密度が小さい、或いは、形状が大きく且つ配置密度が小さく設定されていることを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  3. 請求項1又は請求項2記載の電気光学装置の製造方法において、前記基板上における熱容量に分布が生じ、前記熱容量が前記導電膜の形成された領域と前記導電膜の形成されない領域とによって異なっており、熱容量が大きい方の領域に対応して配置された前記露光マスクの複数のドットパターンが熱容量の小さい方の領域に対応して配置された前記露光マスクの複数のドットパターンよりも、形状が大きい、或いは、配置密度が小さい、或いは、形状が大きく且つ配置密度が小さく設定されていることを特徴とする。
  4. 請求項3記載の電気光学装置の製造方法において、前記導電膜の形成された領域内に熱容量が異なる複数の領域を有し、熱容量が大きい方の領域に対応して配置された前記露光マスクの複数のドットパターンが熱容量の小さい方の領域に対応して配置された前記露光マスクの複数のドットパターンよりも、形状が大きい、或いは、配置密度が小さい、或いは、形状が大きく且つ配置密度が小さく設定されていることを特徴とする。
  5. 請求項2記載の電気光学装置の製造方法において、前記下地層はタンタル酸化物によって形成されることを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1つに記載の電気光学装置の製造方法において、前記導電膜は、半導体膜とそれを挟む電極とを有するTFT素子、絶縁膜とそれを挟む電極とを有するTFD素子、前記素子から導出されて画素電極と前記素子とを電気的に接続するコンタクト部、及び信号を伝送する信号線の少なくとも1つであることを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  7. 請求項1記載の電気光学装置の製造方法において、前記導電膜はCr、Mo、Mo・W合金、ITOのいずれかによって形成され、前記基板はガラスによって形成されることを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  8. 請求項2記載の電気光学装置の製造方法において、前記導電膜はCr、Mo、Mo・W合金、ITOのいずれかによって形成され、前記下地層はタンタル酸化物によって形成されることを特徴とする電気光学装置の製造方法。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2019085050A1 (zh) * 2017-10-31 2019-05-09 武汉华星光电技术有限公司 一种改善面板外围tito残留的方法及光罩

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