JP2007015927A - 複素ビシクロ環および複素トリシクロ環化合物およびその医薬 - Google Patents

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Shiro Shibayama
史朗 柴山
Hiroshi Habashita
広 巾下
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Abstract

【課題】CXCR3拮抗作用を有する化合物及びそれを含有する医薬組成物を提供する。
【解決手段】下記一般式1で示される化合物、その塩又はその溶媒和物、又はそのプロドラッグ及びそれを含有した医薬組成物。さらに非ステロイド系抗炎症薬、抗リウマチ薬、免疫抑制薬、TNFα阻害薬、プロスタグランジン合成酵素阻害薬、IL−6阻害薬、インターフェロンγ作動薬等と組み合わせてなる医薬組成物。
Figure 2007015927

(式中、環Aは複素ビシクロ環又はトリシクロ環を、環Bはフェニル環等の環状基、Yは主鎖の原子数1−4のスペーサーを表わす。)例えば、1,3,3−トリメチル−6−(4−ニトロベンゾイル)−6−アザビシクロ[3.2.1]オクタン等である。
【選択図】なし

Description

本発明は、医薬品として有用な複素ビシクロ環および複素トリシクロ環化合物に関する。
ケモカインは、内因性の白血球走化性、活性化作用を有し、ヘパリン結合性の強い塩基性蛋白質として知られている。現在では、ケモカインは炎症、免疫反応時の特異的白血球の浸潤を制御するのみならず、発生、生理的条件下でのリンパ球のホーミング、血球前駆細胞や体細胞の移動にも関わると考えられている。
血球細胞は種々のサイトカインによってその分化、増殖および細胞死が制御されている。生体内において炎症は局所的にみられ、リンパ球の分化、成熟などはある特定の部位で行なわれている。すなわち、必要とされる種々の細胞がある特定の部位に移動、集積して、一連の炎症や免疫反応が起こる。従って、細胞の分化、増殖や死に加えて、細胞の移動も免疫系にとって必要不可欠な現象である。
ケモカインは、Gタンパク質共役型7回膜貫通型受容体に属する特異的細胞表面レセプターに結合する。これは、「ケモカイン受容体」と称される。ケモカインは、ケモカイン受容体と結合することにより、会合した複合Gタンパク質を通じて細胞内シグナルを活性化する。その結果、例えば、細胞形状における変化、細胞内遊離カルシウムイオンの濃度の一過性の上昇、顆粒球開口分泌、インテグリン上方制御、生体活性脂質(例えば、ロイコトリエン)の産生、およびロイコトリエン活性化に関連する呼吸器系障害のような様々な細胞、組織または器官の機能変化をもたらす。ケモカイン受容体(例えば、CCR1,CCR2,CCR2A,CCR2B,CCR3、CCR4,CCR5,CCR6,CCR7,CCR8,CCR9,CXCR1,CXCR2,CXCR3,CXCR4、CXCR5,CXCR1およびXCR1等)は、炎症性および免疫調節系の障害および疾患(喘息およびアレルギー性疾患、ならびに自己免疫疾患(例えば、慢性関節リウマチおよびアテローム性動脈硬化))の重要なメディエーターとして関連づけられている。
ケモカイン受容体の一種であるCXCR3は、IFN−γにより誘導される3種のケモカイン、IP−10、Mig、I−TACの共有レセプターである。そのうち、IP−10はT細胞が浸潤するような種々の炎症の場において大量に発現している。また、CXCR3は、T細胞(特にTh1細胞)、B細胞、NK細胞などに発現している。T細胞は、多発性硬化症、慢性関節リウマチ、アテローム性動脈硬化症またはI型糖尿病のような自己免疫疾患に関与している。また、乾癬のような免疫性炎症性疾患においてもT細胞の浸潤が起こる。さらに気管支喘息のようなアレルギー性疾患や移植臓器の拒絶反応にもT細胞が関与している。すなわち、CXCR3を介したT細胞の遊走を阻害すれば、T細胞の集積を抑制することができるため、CXCR3拮抗剤は、例えば上記の疾患に有効である。また、腫瘍、とくに悪性腫瘍におけるB細胞にCXCR3が発現することが報告されている。そのため、CXCR3拮抗剤は、癌の免疫治療、特に癌転移抑制に有効である。
以上のことから、CXCR3拮抗作用を有する化合物は、炎症・アレルギー性疾患[例えば、全身性炎症反応症候群(SIRS)、アナフィラキシーあるいはアナフィラキシー様反応、アレルギー性血管炎、肝炎、腎炎、腎症、膵炎、鼻炎、関節炎、炎症性眼疾患(例えば、結膜炎等)、炎症性腸疾患(例えば、潰瘍性大腸炎、クローン病、好酸球性胃腸症等)、脳・循環器系疾患(例えば、動脈硬化症、血栓症、虚血/再還流障害、再狭窄、梗塞等)、呼吸器系疾患(例えば、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、喘息、アレルギー性気管支肺アスペルギルス症等)、皮膚疾患(例えば、皮膚炎(例えば、アトピー性皮膚炎、乾癬、接触皮膚炎、湿疹、蕁麻疹、掻痒症等)等)、自己免疫性疾患(例えば、多発性硬化症、慢性関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、I型糖尿病、糸球体腎炎、シェーグレン症候群等)、移植臓器拒絶反応等]、代謝・内分泌系疾患[例えば、糖尿病等]、癌疾患[例えば、悪性新生物(例えば、白血病、固形癌および癌転移等)等]、感染症または感染に伴う疾患[例えば、ウィルス性疾患(例えば、後天性免疫不全症候群、SARS等)、エイズ痴呆症等]等に対する予防および/または治療剤としての利用が挙げられる。
現在までにCXCR3拮抗作用を有する低分子化合物として幾つかの化合物が報告されている(特許文献1〜3参照)。
国際公開第02/085862号パンフレット 国際公開第02/083143号パンフレット 国際公開第01/16114号パンフレット
免疫疾患や炎症性疾患等の予防および/または治療剤は医薬品として有用であり、安全なCXCR3拮抗剤の開発が切望されている。
本発明者らは、CXCR3拮抗作用を有する化合物を見出すべく、鋭意研究した結果、一般式(I)で示される化合物が、ケモカイン拮抗作用、なかでも優れたCXCR3拮抗作用を有することを見い出し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、
1. 一般式(I)
Figure 2007015927
(式中、環Aはさらに窒素原子、酸素原子、硫黄原子を含んでいてもよく、置換基を有していてもよい複素ビシクロ環または複素トリシクロ環を、環Bはさらに置換基を有していてもよい環状基を、Yは主鎖の原子数1−4のスペーサーを表わす。)で示される化合物、その塩またはその溶媒和物、またはそのプロドラッグ、
2. 環Aが
Figure 2007015927
(式中、mおよびnはそれぞれ独立して1〜6の整数を、pおよびqはそれぞれ独立して0または1〜6の整数を表わす。ただし、p+qは6以下である。)である前記1記載の化合物、
3. 環Aが
Figure 2007015927
である前記1記載の化合物、
4. 環Bが単環式芳香環である前記1記載の化合物、
5. Yが水素結合受容基を含む主鎖の原子数1−4のスペーサーである前記1記載の化合物、
6. 前記1記載の化合物、その塩またはその溶媒和物、またはそのプロドラッグを含有してなる医薬組成物、
7. ケモカイン受容体拮抗剤である前記6記載の医薬組成物、
8. ケモカイン受容体がCXCR3である前記7記載の医薬組成物、
9. CXCR3介在性疾患の予防および/または治療剤である前記8記載の医薬組成物、
10. 炎症・アレルギー性疾患の予防および/または治療剤である前記9記載の医薬組成物、
11. 自己免疫疾患の予防および/または治療剤である前記10記載の医薬組成物、
12. さらに非ステロイド系抗炎症薬、疾患修飾性抗リウマチ薬、ステロイド薬、免疫抑制薬、消炎酵素薬、軟骨保護薬、T細胞阻害薬、TNFα阻害薬、プロスタグランジン合成酵素阻害薬、IL−6阻害薬、インターフェロンγ作動薬、IL−1阻害薬、プロスタグランジン類、ホスホジエステラーゼ阻害薬、メタロプロテイナーゼ阻害薬およびケモカイン受容体拮抗薬の同種または異種の薬から選択される1種または2種以上とを組み合わせてなる自己免疫疾患の予防および/または治療剤である前記11記載の医薬組成物、
13. 一般式(I)
Figure 2007015927
(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表わす。)で示される化合物、その塩またはその溶媒和物、またはそのプロドラッグの有効量を哺乳動物に投与することを特徴とする、哺乳動物におけるCXCR3を拮抗する方法、
14. 一般式(I)
Figure 2007015927
(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表わす。)で示される化合物、その塩またはその溶媒和物、またはそのプロドラッグの有効量を哺乳動物に投与することを特徴とする、哺乳動物におけるCXCR3介在性疾患の予防および/または治療方法、
15. CXCR3拮抗剤を製造するための、一般式(I)
Figure 2007015927
(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表わす。)で示される化合物、その塩またはその溶媒和物、またはそのプロドラッグの使用に関する。
環Aで示される「複素ビシクロ環」とは、一般式(I)の環Aにおいて表示されている窒素原子以外に、窒素原子、酸素原子、硫黄原子から選ばれる1〜6個のヘテロ原子を含んでいてもよい、単環上の2点を一つの結合または1本の結合連鎖で架橋した二環性の環を表わす。
環Aで示される「複素トリシクロ環」とは、一般式(I)の環Aにおいて表示されている窒素原子以外に、窒素原子、酸素原子、硫黄原子から選ばれる1〜6個のヘテロ原子を含んでいてもよい、ビシクロ環にさらに1本の結合連鎖を加えることによって生ずる三環性の環を表わす。
環Aは構造上可能な位置において二重結合をとりうる。
環Aとして好ましくは、
Figure 2007015927
(式中、矢印はYとの結合部位を表わし、mおよびnはそれぞれ独立して1〜6の整数を、pおよびqはそれぞれ独立して0または1〜6の整数を表わす。ただし、p+qは6以下である。)が挙げられる。例えば、6−アザビシクロ[3.2.1]オクタン、2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2−ベンジル−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2−オキサ−5−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2−アザビシクロ[3.3.1]ノナン、2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン、3−アザビシクロ[3.2.2]ノナン、3−アザビシクロ[3.3.1]ノナン、3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナンが挙げられる。
環Aとしてさらに好ましくは、
Figure 2007015927
(式中、矢印はYとの結合部位を表わす。)である。
環Aは任意の置換基を有していてもよい。任意の置換基は置換可能な位置に1〜10個、好ましくは1〜5個、より好ましくは1〜3個置換していてもよい。環Aの置換基としては、例えば、(1)置換基を有していてもよい炭化水素基、(2)置換基を有していてもよい複素環基、(3)保護基を有していてもよいアミノ基、(4)例えばメチルスルホニル、エチルスルホニル等のC1−4アルキルスルホニル基、(5)フェニルスルホニル基、(6)例えばフッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子、(7)カルボキシル基、(8)シアノ基、(9)ニトロ基、(10)オキソ基、(11)チオキソ基、(12)保護基を有していてもよい水酸基、(13)保護基を有していてもよいメルカプト基、(14)置換基を有していてもよいカルバモイル基、(15)置換基を有していてもよいスルファモイル基、(16)アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル等のC1−6アルコキシカルボニル基等)、(17)スルホ基(−SOH)、(18)スルフィノ基、(19)ホスホノ基、(20)アミジノ基、(21)イミノ基、(22)−B(OH)基、(23)例えば、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル等のC1−6アシル基等が挙げられる。
環Aの置換基としての「置換基を有していてもよい炭化水素基」における「炭化水素基」としては、例えば直鎖状または分枝状の脂肪族炭化水素基、環状炭化水素基、例えばベンジル、フェニルエチル等のC7−16アラルキル基、例えばシクロヘキシルメチル、シクロヘキシルエチル、シクロヘキシルプロピル、1−メチル−1−シクロヘキシルメチル等の(C3−8シクロアルキル)−(C1−4アルキル)基等が挙げられる。「直鎖状または分枝状の脂肪族炭化水素基」としては、例えば「C1−8の脂肪族炭化水素基」等が挙げられ、「C1−8の脂肪族炭化水素基」としては、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル基等のC1−8アルキル基、例えばビニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ブタジエニル、ペンタジエニル、ヘキサジエニル、ヘプタジエニル、オクタジエニル、ヘキサトリエニル、ヘプタトリエニル、オクタトリエニル基等のC2−8アルケニル基、例えばエチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、ヘプチニル、オクチニル、ブタジイニル、ペンタジイニル、ヘキサジイニル、ヘプタジイニル、オクタジイニル、ヘキサトリイニル、ヘプタトリイニル、オクタトリイニル基等のC2−8アルキニル基等が挙げられる。「環状炭化水素」としては、「不飽和環状炭化水素」または「飽和環状炭化水素」が挙げられる。「飽和環状炭化水素」としては、例えば、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロノナン、シクロデカン、シクロウンデカン、シクロドデカン、シクロトリドデカン、シクロテトラデカン、シクロペンタデカン等のシクロアルカン、さらに、例えばパーヒドロペンタレン、パーヒドロアズレン、パーヒドロインデン、パーヒドロナフタレン、パーヒドロヘプタレン、スピロ[4.4]ノナン、スピロ[4.5]デカン、スピロ[5.5]ウンデカン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[3.1.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.2]オクタン、アダマンタン、ノルアダマンタン等の「3−15員飽和環状炭化水素」等が挙げられる。「不飽和環状炭化水素」としては、例えばシクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、シクロヘプタジエン、シクロオクタジエン等のシクロアルケン、例えばベンゼン、アズレン、ナフタレン、フェナントレン、アントラセン等の芳香族炭化水素、さらに、例えばペンタレン、インデン、インダン、ジヒドロナフタレン、テトラヒドロナフタレン、ヘプタレン、ビフェニレン、as−インダセン、s−インダセン、アセナフテン、アセナフチレン、フルオレン、フェナレン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、ビシクロ[3.1.1]ヘプタ−2−エン、ビシクロ[2.2.2]オクタ−2−エン等の「3−15員不飽和環状炭化水素」等が挙げられる。
環Aの置換基としての「置換基を有していてもよい炭化水素基」における「置換基」としては、(1)置換基(例えば、アミノ基、スルホ基、ハロゲン原子、カルボキシル基、シアノ基、ニトロ基、オキソ基、チオキソ基、水酸基、メトキシ基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基等)を有していてもよい炭化水素基(ここで、この「炭化水素基」は、前記の「炭化水素基」と同じ意味を表わす。)、(2)置換基(例えば、炭化水素基、アミノ基、スルホ基、ハロゲン原子、カルボキシル基、シアノ基、ニトロ基、オキソ基、チオキソ基、水酸基、メトキシ基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、アセチル基等)を有していてもよい複素環基、(3)アミノ基、(4)例えばアセチルアミノ、プロピオニルアミノ等のC1−6アシルアミノ、(5)例えばメチルアミノ、エチルアミノ、n−プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、n−ブチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、シクロヘキシルアミノ、1−カルバモイル−2−シクロヘキシルエチルアミノ、N−ブチル−N−シクロヘキシルメチルアミノ、フェニルアミノ等の炭化水素基で置換された第1または第2アミノ基(ここで、この「炭化水素基」は、前記の「炭化水素基」と同じ意味を表わし、オキソ、アミノ、カルバモイル等で置換されていてもよい。)、(6)例えばメチルスルホニルアミノ、エチルスルホニルアミノ等C1−4アルキルスルホニルアミノ基、(7)フェニルスルホニルアミノ基、(8)例えばメチルスルホニル、エチルスルホニル等のC1−4アルキルスルホニル基、(9)フェニルスルホニル基、(10)ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)、(11)カルボキシル基、(12)シアノ基、(13)ニトロ基、(14)オキソ基、(15)チオキソ基、(16)水酸基、(17)例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシ、シクロヘキシルメチルオキシ、ベンジルオキシ等のC1−8アルコキシ基、(18)例えばシクロヘキシルオキシ等のC3−8シクロアルコキシ基、(19)例えばハロゲン原子等で置換されていてもよいフェノキシ基、(20)メルカプト基、(21)例えばメチルチオ、エチルチオ、n−プロピルチオ、イソプロピルチオ基、n−ブチルチオ、t−ブチルチオ等のC1−4アルキルチオ基、(22)フェニルチオ基、(23)カルバモイル基、(24)N−ブチルアミノカルボニル、N−シクロヘキシルメチルアミノカルボニル、N−ブチル−N−シクロヘキシルメチルアミノカルボニル、N−シクロヘキシルアミノカルボニル、フェニルアミノカルボニル等のC1−8炭化水素基で置換されたアミノカルボニル基(ここで、この「炭化水素基」は、前記の「炭化水素基」と同じ意味を表わす。)、(25)スルファモイル基、(26)例えばメチルアミノスルホニル等の炭化水素基で置換されたアミノスルホニル基(ここで、この「炭化水素基」は、前記の「炭化水素基」と同じ意味を表わす。)、(27)例えばジメチルアミノエチルアミノスルホニル、ジメチルアミノプロピルアミノスルホニル等のアミノ基で置換された炭化水素基によって置換されたアミノスルホニル基(ここで、この「炭化水素基」は、前記の「炭化水素基」と同じ意味を表わす。)、(28)例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル等のC1−6アルコキシカルボニル基、(29)スルホ基(−SOH)、(30)スルフィノ基、(31)ホスホノ基、(32)アミジノ基、(33)イミノ基、(34)−B(OH)基、(35)例えばメチルスルフィニル、エチルスルフィニル等のC1−4アルキルスルフィニル、(36)例えば、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル等のC1−6アシル基、(37)ベンゾイル、(38)ヒドロキシイミノ基、(39)例えばメチルオキシイミノ、エチルオキシイミノ等のアルキルオキシイミノ基等が挙げられる。「置換基を有していてもよい炭化水素基」は、前記(1)から(39)から選ばれた1ないし5個の置換基を有していてもよく、置換基の数が2以上の場合、それぞれの置換基は同一または異なっていてもよい。
環Aの置換基としての「置換基を有していてもよい複素環」における「複素環」とは、窒素原子、酸素原子、硫黄原子から選ばれる1〜7個のヘテロ原子を含んでいてもよい単環、二環または三環式複素環を表わす。「複素環」としては、例えば「3−15員不飽和単環、二環または三環式複素環」、「3−15員飽和単環、二環または三環式複素環」等が挙げられる。
「3−15員不飽和単環、二環または三環式複素環」としては例えば、ピロール、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、フラン、チオフェン、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、フラザン、オキサジアゾール、チアジアゾール環等の芳香族単環式複素環、例えば、インドール、イソインドール、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、ベンゾチオフェン、イソベンゾチオフェン、インダゾール、キノリン、イソキノリン、プリン、フタラジン、プテリジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾフラザン、ベンゾチアジアゾール、ベンゾトリアゾール、カルバゾール、β−カルボリン、アクリジン、フェナジン、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、フェナントリジン、フェナントロリン、ペリミジン環等の芳香族縮合複素環、例えば、アゼピン、ジアゼピン、ピラン、オキセピン、チオピラン、チエピン、オキサジン、オキサジアジン、オキサゼピン、オキサジアゼピン、チアジン、チアジアジン、チアゼピン、チアジアゼピン、インドリジン、ジチアナフタレン、キノリジン、クロメン、ベンゾオキセピン、ベンゾオキサゼピン、ベンゾオキサジアゼピン、ベンゾチエピン、ベンゾチアゼピン、ベンゾチアジアゼピン、ベンゾアゼピン、ベンゾジアゼピン、キサンテン、フェノチアジン、フェノキサジン、フェノキサチイン、チアンスレン、ピロリン、イミダゾリン、トリアゾリン、テトラゾリン、ピラゾリン、ジヒドロピリジン、テトラヒドロピリジン、ジヒドロピラジン、テトラヒドロピラジン、ジヒドロピリミジン、テトラヒドロピリミジン、ジヒドロピリダジン、テトラヒドロピリダジン、テトラヒドロトリアジン、ジヒドロアゼピン、テトラヒドロアゼピン、ジヒドロジアゼピン、テトラヒドロジアゼピン、ジヒドロフラン、ジヒドロピラン、ジヒドロオキセピン、テトラヒドロオキセピン、ジヒドロチオフェン、ジヒドロチオピラン、ジヒドロチエピン、テトラヒドロチエピン、ジヒドロオキサゾール、ジヒドロイソオキサゾール、ジヒドロチアゾール、ジヒドロイソチアゾール、ジヒドロフラザン、ジヒドロオキサジアゾール、ジヒドロオキサジン、ジヒドロオキサジアジン、ジヒドロオキサゼピン、テトラヒドロオキサゼピン、ジヒドロオキサジアゼピン、テトラヒドロオキサジアゼピン、ジヒドロチアジアゾール、ジヒドロチアジン、ジヒドロチアジアジン、ジヒドロチアゼピン、テトラヒドロチアゼピン、ジヒドロチアジアゼピン、テトラヒドロチアジアゼピン、インドリン、イソインドリン、ジヒドロベンゾフラン、ジヒドロイソベンゾフラン、ジヒドロベンゾチオフェン、ジヒドロイソベンゾチオフェン、ジヒドロインダゾール、ジヒドロキノリン、テトラヒドロキノリン、ジヒドロイソキノリン、テトラヒドロイソキノリン、ジヒドロフタラジン、テトラヒドロフタラジン、ジヒドロナフチリジン、テトラヒドロナフチリジン、ジヒドロキノキサリン、テトラヒドロキノキサリン、ジヒドロキナゾリン、テトラヒドロキナゾリン、ジヒドロシンノリン、テトラヒドロシンノリン、ベンゾオキサチアン、ジヒドロベンゾオキサジン、ジヒドロベンゾチアジン、ピラジノモルホリン、ジヒドロベンゾオキサゾール、ジヒドロベンゾチアゾール、ジヒドロベンゾイミダゾール、ジヒドロベンゾアゼピン、テトラヒドロベンゾアゼピン、ジヒドロベンゾジアゼピン、テトラヒドロベンゾジアゼピン、ベンゾジオキセパン、ジヒドロベンゾオキサゼピン、テトラヒドロベンゾオキサゼピン、ジヒドロカルバゾール、テトラヒドロカルバゾール、ジヒドロ−β−カルボリン、テトラヒドロ−β−カルボリン、ジヒドロアクリジン、テトラヒドロアクリジン、ジヒドロジベンゾフラン、ジヒドロジベンゾチオフェン、テトラヒドロジベンゾフラン、テトラヒドロジベンゾチオフェン、ジオキサインダン、ベンゾジオキサン、クロマン、ベンゾジチオラン、ベンゾジチアン、6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[4’,3’:4,5]ピロロ[2,3−b]ピリジン、2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−b]インドール、6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[3’,4’:4,5]ピロロ[2,3−b]ピリジン環等の非芳香族不飽和複素環等が挙げられる。また、「3−15員飽和単環、二環または三環式複素環」としては、例えばアジリジン、アゼチジン、ピロリジン、イミダゾリジン、トリアゾリジン、テトラゾリジン、ピラゾリジン、ピペリジン、ピペラジン、パーヒドロピリミジン、パーヒドロピリダジン、パーヒドロアゼピン、パーヒドロジアゼピン、パーヒドロアゾシン、オキシラン、オキセタン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、パーヒドロオキセピン、チイラン、チエタン、テトラヒドロチオフェン、テトラヒドロチオピラン、パーヒドロチエピン、テトラヒドロオキサゾール(オキサゾリジン)、テトラヒドロイソオキサゾール(イソオキサゾリジン)、テトラヒドロチアゾール(チアゾリジン)、テトラヒドロイソチアゾール(イソチアゾリジン)、テトラヒドロフラザン、テトラヒドロオキサジアゾール(オキサジアゾリジン)、テトラヒドロオキサジン、テトラヒドロオキサジアジン、パーヒドロオキサゼピン、パーヒドロオキサジアゼピン、テトラヒドロチアジアゾール(チアジアゾリジン)、テトラヒドロチアジン、テトラヒドロチアジアジン、パーヒドロチアゼピン、パーヒドロチアジアゼピン、モルホリン、チオモルホリン、オキサチアン、パーヒドロベンゾフラン、パーヒドロイソベンゾフラン、パーヒドロベンゾチオフェン、パーヒドロイソベンゾチオフェン、パーヒドロインダゾール、パーヒドロキノリン、パーヒドロイソキノリン、パーヒドロフタラジン、パーヒドロナフチリジン、パーヒドロキノキサリン、パーヒドロキナゾリン、パーヒドロシンノリン、パーヒドロベンゾオキサゾール、パーヒドロベンゾチアゾール、パーヒドロベンゾイミダゾール、パーヒドロカルバゾール、パーヒドロ−β−カルボリン、パーヒドロアクリジン、パーヒドロジベンゾフラン、パーヒドロジベンゾチオフェン、ジオキソラン、ジオキサン、ジチオラン、ジチアン環等が挙げられる。
環Aの置換基としての「置換基を有していてもよい複素環」における「置換基」としては、例えば、炭化水素基(ここで、この「炭化水素基」は、前記の「炭化水素基」と同じ意味を表わす。)、アミノ基、スルホ基、ハロゲン原子、カルボキシル基、シアノ基、ニトロ基、オキソ基、チオキソ基、水酸基、メトキシ基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、アセチル基等が挙げられる。「置換基を有していてもよい複素環」は、前記から選ばれた1ないし5個の置換基を有していてもよく、置換基の数が2以上の場合、それぞれの置換基は同一または異なっていてもよい。
環Aの置換基としての「保護基を有していてもよいアミノ基」における「保護基」としては、例えば、置換基を有していてもよい炭化水素基、スルホ基、置換基を有していてもよい炭化水素基と結合したスルホニル基等が挙げられる。ここでの「置換基を有していてもよい炭化水素基」は前記環Aの置換基としての「置換基を有していてもよい炭化水素基」と同じ意味を表わす。
環Aの置換基としての「保護基を有していてもよい水酸基」または「保護基を有していてもよいメルカプト基」における「保護基」としては、例えば、置換基を有していてもよい炭化水素基等が挙げられる。ここでの「置換基を有していてもよい炭化水素基」は前記環Aの置換基としての「置換基を有していてもよい炭化水素基」と同じ意味を表わす。
環Aの置換基としての「置換基を有していてもよいカルバモイル基」または「置換基を有していてもよいスルファモイル基」における「置換基」としては、例えば、置換基を有していてもよい炭化水素基等が挙げられる。ここでの「置換基を有していてもよい炭化水素基」は前記環Aの置換基としての「置換基を有していてもよい炭化水素基」と同じ意味を表わす。
さらに、環Aの隣り合った原子に置換している置換基同士が互いに一緒になって、環を形成していてもよい。置換基同士が互いに一緒になって形成される環としては、例えば、ベンゼン、シクロヘキサン、ピリジン、1,3−ジオキソシクロペンタン等が挙げられる。置換基同士が互いに一緒になって形成される環は任意の1〜5個の置換基で置換されていてもよい。この「置換基」は環Aにおける「置換基」と同じ意味を表わす。
環Aで示される置換していてもよい複素ビシクロ環としては、例えば、1,3,3−トリメチル−6−アザビシクロ[3.2.1]オクタン、2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、2,2−ジメチルヘキサヒドロ−4,7−メタノ[1,3]ジオキソロ[4,5−c]ピリジン、2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2−ベンジル−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2−フェニル−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2−オキサ−5−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン、tert−ブチル 2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシレート、2−アザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−カルボン酸、エチル 2−アザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−カルボキシレート、2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−5,6−ジカルボン酸、1,2,3,4,5,6−ヘキサヒドロ−8H−1,5−メタノピリド[1,2−a][1,5]ジアゾシン−8−オン、3−アザビシクロ[3.2.2]ノナン、2,4−ジフェニル−3−アザビシクロ[3.3.1]ノナンまたは2,4−ジフェニル−3−アザビシクロ[3.3.1]ノナン−9−オン環等が挙げられる。
環Aで示される置換していてもよい複素トリシクロ環としては、例えば、4−アザトリシクロ[4.3.1.13,8]ウンデカン環等が挙げられる。
環Bで示される「環状基」とは、例えば同素環または複素環等が挙げられる。「同素環」としては、例えば「環状炭化水素」等が挙げられる。ここで「環状炭化水素」とは、前記環Aの置換基における「環状炭化水素」と同じ意味を表わす。環Bにおける「複素環」は、前記環Aの置換基としての「複素環」と同じ意味を表わす。
環Bは任意の置換基を有していてもよい。任意の置換基は置換可能な位置に1〜10個、好ましくは1〜5個、より好ましくは1〜3個置換していてもよい。環Bの置換基としては、前記環Aの「置換基」と同様の置換基が挙げられる。
環Bとして好ましくは単環式芳香環が挙げられる。「単環式芳香環」としては、例えばベンゼンまたは前記環Aの置換基として記載されている「芳香族単環式複素環」等が挙げられる。
さらに環Bとして好ましくはベンゼンが挙げられる。
Yで示される主鎖の原子数1−4のスペーサーは主鎖の原子が1〜4個連なっている間隔を意味する。ここで「主鎖の原子数」は、主鎖の原子が最小となるように数えるものとする。例えば1,2−シクロペンチレンの原子数を2個、1,3−シクロペンチレンの原子数を3個として数える。
「主鎖の原子数1−4のスペーサー」としては、例えば−O−、−S−、−CO−、−SO−、−SO−、置換基を有していてもよい窒素原子、および置換基を有していてもよい二価のC1−4脂肪族炭化水素基から任意に選択される1〜4個からなる、主鎖の原子が1〜4個連なっている二価基等が挙げられる。ここで「置換基を有していてもよい窒素原子」としては、−NH−の他、「−NH−」基中の水素原子が任意に、置換基を有していてもよい炭化水素基(炭化水素基は前記と同じ意味を表わす)に置換したものを表わす。ここで「置換基を有していてもよい窒素原子」における「置換基」としての、「置換基を有していてもよい炭化水素基」における「置換基」としては、例えば、(1)水酸基、(2)オキソ基、(3)チオキソ基、(4)ハロゲン原子、(5)シアノ基、(6)ニトロ基、(7)カルボキシル基、(8)例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ等のC1−4アルコキシ基、(9)アミノ基、(10)C1−4炭化水素基で置換された第1または第2アミノ基等が挙げられ、これらの任意の置換基は置換可能な位置に1〜8個、好ましくは1〜5個置換していてもよい。
「置換基を有していてもよい二価のC1−4脂肪族炭化水素基」における「二価のC1−4の脂肪族炭化水素基」としては、例えばC1−4アルキレン基(例えば−CH−、−(CH−、−(CH−、−(CH−等)、C2−4アルケニレン基(例えば−CH=CH−、−CH−CH=CH−、−CH=CH−CH−、−(CH−CH=CH−、−CH=CH−(CH−、−CH−CH=CH−CH−等)、C2−4アルキニレン基(例えば−C≡C−、−CH−C≡C−、−C≡C−CH−、−(CH−C≡C−、−C≡C−(CH−、−CH−C≡C−CH−等)等が挙げられる。また、「置換基を有していてもよい二価のC1−4脂肪族炭化水素基」における「置換基」としては、例えば、(1)C1−8アルキル基(前記と同じ意味を表わす)、(2)例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ等のC1−8アルコキシ基、(3)例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子、(4)水酸基、(5)オキソ基、(6)チオキソ基、(7)アミノ基、(8)=N−OR基(基中、Rは水素原子または前記「置換基を有していてもよい窒素原子」における「置換基」と同じ意味を表わす。)等が挙げられ、これらの任意の置換基は置換可能な位置に1〜5個、好ましくは1〜2個置換していてもよい。
Yとして好ましくは、水素結合受容基を含む原子数1−4のスペーサーが挙げられる。「水素結合受容基」としては、非共有電子対を有する原子を含有する基であればよい。「置換基を有していてもよい水素結合受容基を含有するスペーサー」としては、例えば、−CO−、−CS−、イミノ基、−SO−、−SO−を含有するスペーサー等が挙げられる。さらに好ましくは−CO−、−SO−、−CO−CH−O−等が挙げられる。
本発明の具体的に好ましい化合物としては、例えば、1,3,3−トリメチル−6−(4−ニトロベンゾイル)−6−アザビシクロ[3.2.1]オクタン(CAS No.88502−95−8)、1,3,3−トリメチル−6−[(3−ニトロフェニル)スルホニル]−6−アザビシクロ[3.2.1]オクタン(CAS No.405277−37−4)、1,3,3−トリメチル−6−[(4−ニトロフェニル)スルホニル]−6−アザビシクロ[3.2.1]オクタン(CAS No.359458−26−7)、1,3,3−トリメチル−6−[(2−ニトロフェニル)スルホニル]−6−アザビシクロ[3.2.1]オクタン(CAS No.305853−88−7)、6−[(4−クロロフェノキシ)アセチル]−1,3,3−トリメチル−6−アザビシクロ[3.2.1]オクタン(カタログNo.AE−848/41541220(SPECS社))等が挙げられる。
さらに本発明の具体的に好ましい化合物としては、例えば以下の(1)〜(45)で示された化合物、その塩、その四級アンモニウム塩、そのN−オキシド、その溶媒和物、その光学活性体またはそのプロドラッグ等が挙げられる;
(1)4−(4−ニトロベンゾイル)−4−アザトリシクロ[4.3.1.13,8]ウンデカン、
(2)2−(4−ニトロベンゾイル)−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、
(3)2,2−ジメチル−5−(4−ニトロベンゾイル)ヘキサヒドロ−4,7−メタノ[1,3]ジオキソロ[4,5−c]ピリジン、
(4)2−(4−ニトロベンゾイル)−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン、
(5)2−ベンジル−5−(4−ニトロベンゾイル)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン、
(6)2−(4−ニトロベンゾイル)−5−フェニル−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン、
(7)5−(4−ニトロベンゾイル)−2−オキサ−5−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン、
(8)tert−ブチル 5−(4−ニトロベンゾイル)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシレート、
(9)2−(4−ニトロベンゾイル)−2−アザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−カルボン酸、
(10)エチル 2−(4−ニトロベンゾイル)−2−アザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−カルボキシレート、
(11)2−(4−ニトロベンゾイル)−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−5,6−ジカルボン酸、
(12)3−(4−ニトロベンゾイル)−1,2,3,4,5,6−ヘキサヒドロ−8H−1,5−メタノピリド[1,2−a][1,5]ジアゾシン−8−オン、
(13)3−(4−ニトロベンゾイル)−3−アザビシクロ[3.2.2]ノナン、
(14)3−(4−ニトロベンゾイル)−2,4−ジフェニル−3−アザビシクロ[3.3.1]ノナン、
(15)3−(4−ニトロベンゾイル)−2,4−ジフェニル−3−アザビシクロ[3.3.1]ノナン−9−オン、
(16)4−[(3−ニトロフェニル)スルホニル]−4−アザトリシクロ[4.3.1.13,8]ウンデカン、
(17)2−[(3−ニトロフェニル)スルホニル]−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、
(18)2,2−ジメチル−5−[(3−ニトロフェニル)スルホニル]ヘキサヒドロ−4,7−メタノ[1,3]ジオキソロ[4,5−c]ピリジン、
(19)2−[(3−ニトロフェニル)スルホニル]−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン、
(20)2−ベンジル−5−[(3−ニトロフェニル)スルホニル]−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン、
(21)2−[(3−ニトロフェニル)スルホニル]−5−フェニル−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン、
(22)5−[(3−ニトロフェニル)スルホニル]−2−オキサ−5−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン、
(23)tert−ブチル 5−[(3−ニトロフェニル)スルホニル]−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシレート、
(24)2−[(3−ニトロフェニル)スルホニル]−2−アザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−カルボン酸、
(25)エチル 2−[(3−ニトロフェニル)スルホニル]−2−アザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−カルボキシレート、
(26)2−[(3−ニトロフェニル)スルホニル]−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−5,6−ジカルボン酸、
(27)3−[(3−ニトロフェニル)スルホニル]−1,2,3,4,5,6−ヘキサヒドロ−8H−1,5−メタノピリド[1,2−a][1,5]ジアゾシン−8−オン、
(28)3−[(3−ニトロフェニル)スルホニル]−3−アザビシクロ[3.2.2]ノナン、
(29)3−[(3−ニトロフェニル)スルホニル]−2,4−ジフェニル−3−アザビシクロ[3.3.1]ノナン、
(30)3−[(3−ニトロフェニル)スルホニル]−2,4−ジフェニル−3−アザビシクロ[3.3.1]ノナン−9−オン、
(31)4−[(4−クロロフェノキシ)アセチル]−4−アザトリシクロ[4.3.1.13,8]ウンデカン、
(32)2−[(4−クロロフェノキシ)アセチル]−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、
(33)5−[(4−クロロフェノキシ)アセチル]−2,2−ジメチルヘキサヒドロ−4,7−メタノ[1,3]ジオキソロ[4,5−c]ピリジン、
(34)2−[(4−クロロフェノキシ)アセチル]−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン、
(35)2−ベンジル−5−[(4−クロロフェノキシ)アセチル]−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン、
(36)2−[(4−クロロフェノキシ)アセチル]−5−フェニル−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン、
(37)5−[(4−クロロフェノキシ)アセチル]−2−オキサ−5−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン、
(38)tert−ブチル 5−[(4−クロロフェノキシ)アセチル]−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシレート、
(39)2−[(4−クロロフェノキシ)アセチル]−2−アザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−カルボン酸、
(40)エチル 2−[(4−クロロフェノキシ)アセチル]−2−アザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−カルボキシレート、
(41)2−[(4−クロロフェノキシ)アセチル]−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−5,6−ジカルボン酸、
(42)3−[(4−クロロフェノキシ)アセチル]−1,2,3,4,5,6−ヘキサヒドロ−8H−1,5−メタノピリド[1,2−a][1,5]ジアゾシン−8−オン、
(43)3−[(4−クロロフェノキシ)アセチル]−3−アザビシクロ[3.2.2]ノナン、
(44)3−[(4−クロロフェノキシ)アセチル]−2,4−ジフェニル−3−アザビシクロ[3.3.1]ノナン、
(45)3−[(4−クロロフェノキシ)アセチル]−2,4−ジフェニル−3−アザビシクロ[3.3.1]ノナン−9−オン。
本発明化合物の命名について以下に示す。
本明細書中に用いた化合物名は、一般的にIUPACの規則に準じて命名を行なうコンピュータプログラム、ACD/Name(登録商標、バージョン6.00、Advanced Chemistry Development Inc.社製)を用いて命名したものである。例えば、
Figure 2007015927
で示される化合物は、1,3,3−トリメチル−6−(4−ニトロベンゾイル)−6−アザビシクロ[3.2.1]オクタンと命名された。
本発明においては、特に断わらない限り、当業者にとって明らかなように記号
Figure 2007015927
は紙面の向こう側(すなわちα−配置)に結合していることを表し、
Figure 2007015927
は紙面の手前側(すなわちβ−配置)に結合していることを表し、
Figure 2007015927
はα−配置、β−配置またはそれらの混合物であることを表し、
Figure 2007015927
は、α−配置とβ−配置の混合物であることを表す。
本発明においては、特に指示しない限り異性体はこれをすべて包含する。例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基等には直鎖のものおよび分枝鎖のものが含まれる。さらに、二重結合、環、縮合環における異性体(E、Z、シス、トランス体)、不斉炭素の存在等による異性体(R、S体、α、β配置、エナンチオマー、ジアステレオマー)、旋光性を有する光学活性体(D、L、d、l体)、クロマトグラフ分離による極性体(高極性体、低極性体)、平衡化合物、回転異性体、これらの任意の割合の混合物、ラセミ混合物は、すべて本発明に含まれる。
[塩]
一般式(I)で示される化合物の塩には、非毒性塩や薬理学的に許容される塩等すべてが含まれる。薬理学的に許容される塩は毒性のない、水溶性のものが好ましい。一般式(I)で示される化合物の適当な塩として、例えば、アルカリ金属(カリウム、ナトリウム、リチウム等)の塩、アルカリ土類金属(カルシウム、マグネシウム等)の塩、アンモニウム塩(テトラメチルアンモニウム塩、テトラブチルアンモニウム塩等)、有機アミン(トリエチルアミン、メチルアミン、ジメチルアミン、シクロペンチルアミン、ベンジルアミン、フェネチルアミン、ピペリジン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン、リジン、アルギニン、N−メチル−D−グルカミン等)の塩、酸付加物塩[無機酸塩(塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩等)、有機酸塩(酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、シュウ酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、安息香酸塩、クエン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、イセチオン酸塩、グルクロン酸塩、グルコン酸塩等)等]が挙げられる。本発明化合物の塩には、溶媒和物、または上記本発明化合物のアルカリ(土類)金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩、酸付加物塩の溶媒和物も含まれる。溶媒和物は非毒性かつ水溶性であることが好ましい。適当な溶媒和物としては、例えば水、アルコール系溶媒(エタノール等)等の溶媒和物が挙げられる。本発明化合物は、公知の方法で非毒性塩や薬理学的に許容される塩に変換される。
さらに塩には、四級アンモニウム塩も含まれる。四級アンモニウム塩とは、一般式(I)で示される化合物の窒素原子が、R基(R基は、C1−8アルキル基、フェニル基によって置換されたC1−8アルキル基を表わす。)によって四級化されたものを表わす。
また塩には、N−オキシドも含まれる。本発明化合物は任意の方法でN−オキシドにすることができる。N−オキシドとは、一般式(I)で示される化合物の窒素原子が、酸化されたものを表わす。
一般式(I)で示される化合物のプロドラッグは、生体内において酵素や胃酸等による反応により一般式(I)で示される化合物に変換する化合物をいう。一般式(I)で示される化合物のプロドラッグとしては、例えば一般式(I)で示される化合物がアミノ基を有する場合、そのアミノ基がアシル化、アルキル化、リン酸化された化合物(例えば、一般式(I)で示される化合物のアミノ基がエイコサノイル化、アラニル化、ペンチルアミノカルボニル化、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メトキシカルボニル化、テトラヒドロフラニル化、ピロリジルメチル化、ピバロイルオキシメチル化、アセトキシメチル化、tert−ブチル化された化合物等);一般式(I)で示される化合物が水酸基を有する場合、その水酸基がアシル化、アルキル化、リン酸化、ホウ酸化された化合物(例えば、一般式(I)で示される化合物の水酸基がアセチル化、パルミトイル化、プロパノイル化、ピバロイル化、サクシニル化、フマリル化、アラニル化、ジメチルアミノメチルカルボニル化された化合物等);一般式(I)で示される化合物がカルボキシ基を有する場合、そのカルボキシ基がエステル化、アミド化された化合物(例えば、一般式(I)で示される化合物のカルボキシ基がエチルエステル化、フェニルエステル化、カルボキシメチルエステル化、ジメチルアミノメチルエステル化、ピバロイルオキシメチルエステル化、エトキシカルボニルオキシエチルエステル化、フタリジルエステル化、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチルエステル化、シクロヘキシルオキシカルボニルエチルエステル化、メチルアミド化された化合物等)等が挙げられる。これらの化合物は自体公知の方法によって製造することができる。また、一般式(I)で示される化合物のプロドラッグは水和物および非水和物のいずれであってもよい。また、一般式(I)で示される化合物のプロドラッグは、廣川書店1990年刊「医薬品の開発」第7巻「分子設計」163〜198頁に記載されているような、生理的条件で一般式(I)で示される化合物に変化するものであってもよい。さらに、一般式(I)で示される化合物は同位元素(例えばH、14C、35S、125I等)等で標識されていてもよい。
[本発明化合物の製造方法]
一般式(I)で示される本発明化合物は、公知の方法、例えば、以下に示す方法、実施例に記載した方法あるいは、Comprehensive Organic Transformations : A Guide to Functional Group Preparations, 2nd Edition (Richard C. Larock, John Wiley & Sons Inc, 1999) に記載された方法等を組み合わせて用いることで製造することができる。なお、以下の各製造方法において、原料化合物は塩として用いてもよい。このような塩としては、前記した一般式(I)の塩として記載したものが用いられる。
一般式(I)で示される本発明化合物は以下の方法によって製造される。
Figure 2007015927
(式中、Xは水酸基または脱離基(例えば、ハロゲン原子、p−トルエンスルホニルオキシ基、メタンスルホニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基等)を表わし、環A、環BおよびYはそれぞれ環A、環BおよびYと同じ意味を表わす。ただし、環A、環BおよびYによって表される基に含まれるカルボキシ基、水酸基、アミノ基およびチオール基は保護が必要な場合には保護されているものとし、その他の記号は前記と同じ意味を表わす。)
化合物(I)は、化合物(I−1)と化合物(I−2)をアミド化反応、スルホンアミド化またはアルキル化に付し、さらに必要に応じて保護基の脱保護反応に付すことにより製造することができる。
アミド化反応は公知であり、例えば、
(1)酸ハライドを用いる方法、
(2)混合酸無水物を用いる方法、
(3)縮合剤を用いる方法等が挙げられる。
これらの方法を具体的に説明すると、
(1)酸ハライドを用いる方法は、例えば、カルボン酸を有機溶媒(クロロホルム、ジクロロメタン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等)中または無溶媒で、酸ハライド化剤(オキザリルクロライド、チオニルクロライド等)と−20℃〜還流温度で反応させ、得られた酸ハライドを塩基(ピリジン、トリエチルアミン、ジメチルアニリン、ジメチルアミノピリジン、ジイソプロピルエチルアミン等)の存在下、アミンと有機溶媒(クロロホルム、ジクロロメタン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等)中、0〜40℃の温度で反応させることにより行なわれる。また、得られた酸ハライドを有機溶媒(ジオキサン、テトラヒドロフラン等)中、アルカリ水溶液(重曹水または水酸化ナトリウム溶液等)を用いて、アミンと0〜40℃で反応させることにより行なうこともできる。
(2)混合酸無水物を用いる方法は、例えば、カルボン酸を有機溶媒(クロロホルム、ジクロロメタン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等)中または無溶媒で、塩基(ピリジン、トリエチルアミン、ジメチルアニリン、ジメチルアミノピリジン、ジイソプロピルエチルアミン等)の存在下、酸ハライド(ピバロイルクロライド、トシルクロライド、メシルクロライド等)、または酸誘導体(クロロギ酸エチル、クロロギ酸イソブチル等)と、0〜40℃で反応させ、得られた混合酸無水物を有機溶媒(クロロホルム、ジクロロメタン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等)中、アミンと0〜40℃で反応させることにより行なわれる。
(3)縮合剤を用いる方法は、例えば、カルボン酸とアミンを、有機溶媒(クロロホルム、ジクロロメタン、ジメチルホルムアミド、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等)中、または無溶媒で、塩基(ピリジン、トリエチルアミン、ジメチルアニリン、ジメチルアミノピリジン等)の存在下または非存在下、縮合剤(1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1−エチル−3−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]カルボジイミド(EDC)、1,1’−カルボニルジイミダゾール(CDI)、2−クロロ−1−メチルピリジニウムヨウ素、1−プロピルホスホン酸環状無水物(1-propanephosphonic acid cyclic anhydride、PPA)等)を用い、1−ヒドロキシベンズトリアゾール(HOBt)を用いるか用いないで、0〜40℃で反応させることにより行なわれる。
これら(1)、(2)および(3)の反応は、いずれも不活性ガス(アルゴン、窒素等)雰囲気下、無水条件で行なうことが望ましい。
スルホンアミド化反応は公知であり、例えば、スルホン酸を有機溶媒(クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、メチル t−ブチル エーテル等)中または無溶媒で、酸ハライド(オキザリルクロライド、チオニルクロライド、五塩化リン、三塩化リン等)と−20℃〜還流温度で反応させ、得られたスルホニルハライドを塩基(ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、トリエチルアミン、ジメチルアニリン、ジメチルアミノピリジン等)の存在下、有機溶媒(クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等)中、アミンと0〜40℃で反応させることにより行なわれる。
アルキル化反応は公知であり、例えば有機溶媒(ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、クロロホルム、ジクロロメタン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等)中、炭酸塩(例えば、炭酸セシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等)存在下、ハロゲン化(C1−6)アルキルまたはハロゲン化ベンジルを用いて、0〜40℃で反応させることによって行われる。
保護基の脱保護反応は、自体公知の方法、例えばT. W. Greene, Protective Groups in Organic Synthesis, Wiley, New York, 1999に記載された方法またはこれらの方法に準じた方法により行われる。例えば、カルボキシ基、水酸基、アミノ基またはチオール基の保護基の脱保護反応は、よく知られており、例えば、(1)アルカリ加水分解、(2)酸性
条件下における脱保護反応、(3)加水素分解による脱保護反応、(4)シリル基の脱保護反応、(5)金属を用いた脱保護反応、(6)金属錯体を用いた脱保護反応等が挙げられる。
これらの方法を具体的に説明すると、
(1)アルカリ加水分解による脱保護反応は、例えば、有機溶媒(メタノール、テトラヒドロフラン、ジオキサン等)中、アルカリ金属の水酸化物(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等)、アルカリ土類金属の水酸化物(水酸化バリウム、水酸化カルシウム等)または炭酸塩(炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等)あるいはその水溶液もしくはこれらの混合物を用いて、0〜40℃の温度で行なわれる。
(2)酸条件下での脱保護反応は、例えば、有機溶媒(ジクロロメタン、クロロホルム、ジオキサン、酢酸エチル、アニソール等)中、有機酸(酢酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、p−トシル酸等)、または無機酸(塩酸、硫酸等)もしくはこれらの混合物(臭化水素/酢酸等)中、0〜100℃の温度で行なわれる。
(3)加水素分解による脱保護反応は、例えば、溶媒(エーテル系(テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジエチルエーテル等)、アルコール系(メタノール、エタノール等)、ベンゼン系(ベンゼン、トルエン等)、ケトン系(アセトン、メチルエチルケトン等)、ニトリル系(アセトニトリル等)、アミド系(ジメチルホルムアミド等)、水、酢酸エチル、酢酸またはそれらの2以上の混合溶媒等)中、触媒(パラジウム−炭素、パラジウム黒、水酸化パラジウム、酸化白金、ラネーニッケル等)の存在下、常圧または加圧下の水素雰囲気下またはギ酸アンモニウム存在下、0〜200℃の温度で行なわれる。
(4)シリル基の脱保護反応は、例えば、水と混和しうる有機溶媒(テトラヒドロフラン、アセトニトリル等)中、テトラブチルアンモニウムフルオライドを用いて、0〜40℃の温度で行なわれる。
(5)金属を用いた脱保護反応は、例えば、酸性溶媒(酢酸、pH4.2〜7.2の緩衝液またはそれらの溶液とテトラヒドロフラン等の有機溶媒との混合液)中、粉末亜鉛の存在下、必要であれば超音波をかけながら、0〜40℃の温度で行なわれる。
(6)金属錯体を用いる脱保護反応は、例えば、有機溶媒(ジクロロメタン、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、アセトニトリル、ジオキサン、エタノール等)、水またはそれらの混合溶媒中、トラップ試薬(水素化トリブチルスズ、トリエチルシラン、ジメドン、モルホリン、ジエチルアミン、ピロリジン等)、有機酸(酢酸、ギ酸、2−エチルヘキサン酸等)および/または有機酸塩(2−エチルヘキサン酸ナトリウム、2−エチルヘキサン酸カリウム等)の存在下、ホスフィン系試薬(トリフェニルホスフィン等)の存在下または非存在下、金属錯体(テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)、二塩化ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、酢酸パラジウム(II)、塩化トリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム(I)等)を用いて、0〜40℃の温度で行なわれる。
当業者には容易に理解できることではあるが、これらの脱保護反応を使い分けることにより、目的とする本発明化合物が容易に製造することができる。
カルボキシ基の保護基としては、例えばメチル基、エチル基、アリル基、t−ブチル基、トリクロロエチル基、ベンジル(Bn)基、フェナシル基等が挙げられる。水酸基の保護基としては、例えば、メチル基、トリチル基、メトキシメチル(MOM)基、1−エトキシエチル(EE)基、メトキシエトキシメチル(MEM)基、2−テトラヒドロピラニル(THP)基、トリメチルシリル(TMS)基、トリエチルシリル(TES)基、t−ブチルジメチルシリル(TBDMS)基、t−ブチルジフェニルシリル(TBDPS)基、アセチル(Ac)基、ピバロイル基、ベンゾイル基、ベンジル(Bn)基、p−メトキシベンジル基、アリルオキシカルボニル(Alloc)基、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル(Troc)基等が挙げられる。アミノ基の保護基としては、例えばベンジルオキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル(Alloc)基、1−メチル−1−(4−ビフェニル)エトキシカルボニル(Bpoc)基、トリフルオロアセチル基、9−フルオレニルメトキシカルボニル基、ベンジル(Bn)基、p−メトキシベンジル基、ベンジルオキシメチル(BOM)基、2−(トリメチルシリル)エトキシメチル(SEM)基等が挙げられる。チオール基の保護基としては、例えばベンジル基、メトキシベンジル基、メトキシメチル(MOM)基、2−テトラヒドロピラニル(THP)基、ジフェニルメチル基、アセチル(Ac)基が挙げられる。カルボキシ基、水酸基、アミノ基またはチオール基の保護基としては、上記した以外にも容易にかつ選択的に脱離できる基であれば特に限定されない。例えば、T. W. Greene, Protective Groups in Organic Synthesis, Wiley, New York, 1999に記載されたものが用いられる。
その他の出発原料は、それ自体公知であるか、あるいは公知の方法、例えば、Comprehensive Organic Transformations : A Guide to Functional Group Preparations, 2nd Edition (Richard C. Larock, John Wiley & Sons Inc, 1999) に記載された方法等を組み合わせて用いることで容易に製造することができる。
一般式(I)で示される本発明化合物において、Yで示される原子数1−4のスペーサーのうち、環Bに隣接する原子が−O−である化合物、すなわち一般式(I−a)
Figure 2007015927
(式中、Yは単結合または原子数1−3のスペーサーを表わす。その他の記号は前記と同じ意味を表わす。)で示される化合物は、一般式(I−3)
Figure 2007015927
(式中、Y1aはYと同じ意味をを表わす。ただし、Y1aによって表される基に含まれるカルボキシ基、水酸基、アミノ基およびチオール基は保護が必要な場合には保護されているものとする。その他の記号は前記と同じ意味を表わす。)
で示される化合物と、一般式(I−4)
Figure 2007015927
(式中、記号は前記と同じ意味を表わす。)
で示される化合物をエーテル化反応に付し、所望により脱保護反応に付すことによって製造される。
このエーテル化反応は公知であり、例えば有機溶媒(ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、クロロホルム、ジクロロメタン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、メチル t−ブチル エーテル等)中、アルカリ金属の水酸化物(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等)、アルカリ土類金属の水酸化物(水酸化バリウム、水酸化カルシウム等)もしくは炭酸塩(炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等)またはその水溶液あるいはこれらの混合物の存在下、0〜100℃で反応させることにより行なわれる。または、例えば、有機溶媒(ジクロロメタン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ベンゼン、トルエン等)中、アゾ化合物(アゾジカルボン酸ジエチル(DEAD)、アゾジカルボン酸ジイソプロピル、1,1’−(アゾジカルボニル)ジピペリジン、1,1’−アゾビス(N,N−ジメチルホルムアミド)等)およびホスフィン化合物(トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリメチルホスフィン、ポリマーサポートトリフェニルホスフィン等)の存在下、相当するアルコール化合物と0〜60℃で反応させることにより行なわれる。
脱保護反応は、前記した方法によって行なわれる。
一般式(I)で示される本発明化合物のうち、上記に示した以外の化合物については、公知の方法、例えば「Comprehensive Organic Transformations:A Guide to Functional Group Preparations、2nd Edition(Richard C.Larock,John Wiley & Sons Inc,1999)」に記載された方法を組み合わせて用いることで製造することができる。
その他の出発原料または試薬として用いる化合物は、それ自体公知であるか、あるいは公知の方法、例えば、Comprehensive Organic Transformations : A Guide to Functional Group Preparations, 2nd Edition (Richard C. Larock, John Wiley & Sons Inc, 1999) に記載された方法等を組み合わせて用いることで容易に製造することができる。
本明細書中の各反応において、加熱を伴なう反応は、当業者にとって明らかなように、水浴、油浴、砂浴またはマイクロウェーブを用いて行なうことができる。
本明細書中の各反応において、適宜、高分子ポリマー(例えば、ポリスチレン、ポリアクリルアミド、ポリプロピレン、ポリエチレングリコール等)に担持させた固相担持試薬を用いてもよい。
本明細書中の各反応において、反応生成物は通常の精製手段、例えば、常圧下または減圧下における蒸留、シリカゲルまたはケイ酸マグネシウムを用いた高速液体クロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー、イオン交換樹脂、スカベンジャー樹脂あるいはカラムクロマトグラフィーまたは洗浄、再結晶などの方法により精製することができる。精製は各反応ごとに行なってもよいし、いくつかの反応終了後に行なってもよい。
[毒性]
一般式(I)で示される化合物の毒性は非常に低いものであり、医薬として使用するために十分安全である。
[医薬品への適応]
一般式(I)で示される本発明化合物はCXCR3拮抗作用するため、炎症・アレルギー性疾患[例えば、全身性炎症反応症候群(SIRS)、アナフィラキシーあるいはアナフィラキシー様反応、アレルギー性血管炎、肝炎、腎炎、腎症、膵炎、鼻炎、関節炎、炎症性眼疾患(例えば、結膜炎等)、炎症性腸疾患(例えば、潰瘍性大腸炎、クローン病、好酸球性胃腸症等)、脳・循環器系疾患(例えば、動脈硬化症、血栓症、虚血/再還流障害、再狭窄、梗塞等)、呼吸器系疾患(例えば、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、喘息、アレルギー性気管支肺アスペルギルス症等)、皮膚疾患(例えば、皮膚炎(例えば、アトピー性皮膚炎、乾癬、接触皮膚炎、湿疹、蕁麻疹、掻痒症等)等)、自己免疫性疾患(例えば、多発性硬化症、慢性関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、I型糖尿病、糸球体腎炎、シェーグレン症候群等)、移植臓器拒絶反応等]、代謝・内分泌系疾患[例えば、糖尿病等]、癌疾患[例えば、悪性新生物(例えば、白血病、固形癌および癌転移等)等]、感染症または感染に伴う疾患[例えば、ウィルス性疾患(例えば、後天性免疫不全症候群、SARS等)、エイズ痴呆症等]等に対する予防および/または治療に有用であると考えられる。
本発明化合物は、1)該本発明化合物の予防および/または治療効果の補完および/または増強、2)該本発明化合物の動態・吸収改善、投与量の低減、および/または3)該本発明化合物の副作用の軽減のために他の薬剤と組み合わせて、併用剤として投与してもよい。
本発明化合物と他の薬剤の併用剤は、1つの製剤中に両成分を配合した配合剤の形態で投与してもよく、また別々の製剤にして投与する形態をとってもよい。この別々の製剤にして投与する場合には、同時投与および時間差による投与が含まれる。また、時間差による投与は、本発明化合物を先に投与し、他の薬剤を後に投与してもよいし、他の薬剤を先に投与し、本発明化合物を後に投与してもかまわず、それぞれの投与方法は同じでも異なっていてもよい。
該他の薬剤は、低分子化合物であってもよく、また高分子の蛋白、ポリペプチド、ポリヌクレオチド(DNA、RNA、遺伝子)、アンチセンス、デコイ、抗体であるか、またはワクチン等であってもよい。他の薬剤の投与量は、臨床上用いられている用量を基準として適宜選択することができる。また、本発明化合物と他の薬剤の配合比は、投与対象の年齢および体重、投与方法、投与時間、対象疾患、症状、組み合わせなどにより適宜選択することができる。例えば、本発明化合物1重量部に対し、他の薬剤を0.01乃至100重量部用いればよい。他の薬剤は以下に示す同種群および異種群から任意に選択される1種または2種以上を適宜の割合で組み合わせて投与してもよい。
上記併用剤により、予防および/または治療効果を奏する疾患は特に限定されず、本発明化合物の予防および/または治療効果を補完および/または増強する疾患であればよい。
本発明化合物と組み合わせて用いられる他の薬剤の例としては、例えば自己免疫疾患の予防および/または治療に用いるものとしては、例えば非ステロイド系抗炎症薬、疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARDs、遅効性抗リウマチ薬)、ステロイド薬、免疫抑制薬、消炎酵素薬、軟骨保護薬、T細胞阻害薬、TNFα阻害薬(抗TNFα抗体等の蛋白質製剤を含む)、プロスタグランジン合成酵素阻害薬、IL−6阻害薬(抗IL−6受容体抗体等の蛋白質製剤を含む)、インターフェロンγ作動薬、IL−1阻害薬、プロスタグランジン類、ホスホジエステラーゼ阻害薬、メタロプロテイナーゼ阻害薬、ケモカイン受容体拮抗薬等が挙げられる。
乾癬の予防および/または治療に用いるものとしては、例えば、ステロイド薬、ビタミンD製剤、エトレチナート等が挙げられる。
移植の拒絶反応の予防および/または治療に用いるものとして、例えば、免疫抑制薬やケモカイン受容体拮抗薬等が挙げられる。
虚血性疾患の予防および/または治療に用いるものとしては、例えば、ラジカルスカベンジャー、アストロサイトモジュレーター、N−メチル−D−アスパルタート(N-methyl D-aspartate;NMDA)拮抗薬、α−アミノ−3−ヒドロキシ−5−メチルイソオキサゾール−4−プロピオナート(alpha-amino-3-hydroxy-5-methyllisoxazole-4-propionate;AMPA)拮抗薬、抗血栓薬、血栓溶解薬、免疫抑制薬、細胞間接着因子阻害薬、一酸化窒素合成酵素(NOS)阻害薬、神経栄養因子、インターロイキン−8拮抗薬等が挙げられる。
アレルギー性疾患の予防および/または治療に用いるものとしては、例えば喘息であれば、ステロイド薬、βアドレナリン受容体刺激薬、ロイコトリエン受容体拮抗薬、トロンボキサン合成酵素阻害薬、トロンボキサンA受容体拮抗薬、メディエーター遊離抑制薬、抗ヒスタミン薬、キサンチン誘導体、抗コリン薬、サイトカイン阻害薬、プロスタグランジン類、フォルスコリン製剤、ホスホジエステラーゼ阻害薬、エラスターゼ阻害薬、メタロプロテイナーゼ阻害薬、ケモカイン受容体拮抗薬、去痰薬、抗生物質等が挙げられる。
ケモカイン受容体拮抗薬としては、例えば、ケモカインレセプターの内因性のリガンドまたはその誘導体、および非ペプチド性低分子化合物またはケモカインレセプターに対する抗体等が含まれる。
ケモカインレセプターの内因性のリガンドとしては、例えば、MIP−1α、MIP−1β、RANTES、SDF−1α、SDF−1β、MCP−1、MCP−2、MCP−4、エオタキシン(Eotaxin)、MDC等が挙げられる。
内因性リガンドの誘導体としては、例えば、AOP−RANTES、Met−SDF−1α、Met−SDF−1β等が挙げられる。
ケモカインレセプターの抗体としては、例えば、Pro−140等が挙げられる。
非ペプチド性低分子化合物としては、例えば、CCR1、CCR2、CCR3、CCR4、CCR5、CXCR1、CXCR2,CXCR3、CXCR4受容体アンタゴニストおよびアゴニストが挙げられる。
ステロイド薬としては、例えば、外用薬として、プロピオン酸クロベタゾール、酢酸ジフロラゾン、フルオシノニド、フランカルボン酸モメタゾン、ジプロピオン酸ベタメタゾン、酪酸プロピオン酸ベタメタゾン、吉草酸ベタメタゾン、ジフルプレドナート、プデソニド、吉草酸ジフルコルトロン、アムシノニド、ハルシノニド、デキサメタゾン、プロピオン酸デキサメタゾン、吉草酸デキサメタゾン、酢酸デキサメタゾン、酢酸ヒドロコルチゾン、酪酸ヒドロコルチゾン、酪酸プロピオン酸ヒドロコルチゾン、プロピオン酸デプロドン、吉草酸酢酸プレドニゾロン、フルオシノロンアセトニド、プロピオン酸ベクロメタゾン、トリアムシノロンアセトニド、ピバル酸フルメタゾン、プロピオン酸アルクロメタゾン、酪酸クロベタゾン、プレドニゾロン、プロピオン酸ペクロメタゾン、フルドロキシコルチド等が挙げられる。内服薬、注射剤としては、酢酸コルチゾン、ヒドロコルチゾン、リン酸ヒドロコルチゾンナトリウム、コハク酸ヒドロコルチゾンナトリウム、酢酸フルドロコルチゾン、プレドニゾロン、酢酸プレドニゾロン、コハク酸プレドニゾロンナトリウム、ブチル酢酸プレドニゾロン、リン酸プレドニゾロンナトリウム、酢酸ハロプレドン、メチルプレドニゾロン、酢酸メチルプレドニゾロン、コハク酸メチルプレドニゾロンナトリウム、トリアムシノロン、酢酸トリアムシノロン、トリアムシノロンアセトニド、デキサメサゾン、酢酸デキサメタゾン、リン酸デキサメタゾンナトリウム、パルミチン酸デキサメタゾン、酢酸パラメサゾン、ベタメタゾン等が挙げられる。吸入剤としては、プロピオン酸ベクロメタゾン、プロピオン酸フルチカゾン、ブデソニド、フルニソリド、トリアムシノロン、ST−126P、シクレソニド、デキサメタゾンパロミチオネート、モメタゾンフランカルボネート、プラステロンスルホネート、デフラザコート、メチルプレドニゾロンスレプタネート、メチルプレドニゾロンナトリウムスクシネート等が挙げられる。
免疫抑制薬としては、例えば、タクロリムス(FK506)、シクロスポリン、シロリムス(ラパマイシン)、コルチコステロイド、アザチオプリン、ミコフェレートモフェチル、シクロフォスファミド等が挙げられる。
ビタミンD製剤としては、例えば、カルシトリオール、タカルシトール、マキサカルシトール等が挙げられる。
βアドレナリン受容体刺激薬としては、例えば、臭化水素酸フェノテロール、硫酸サルブタモール、硫酸テルブタリン、フマル酸フォルモテロール、キシナホ酸サルメテロール、硫酸イソプロテレノール、硫酸オルシプレナリン、硫酸クロルプレナリン、エピネフリン、塩酸トリメトキノール、硫酸ヘキソプレナリンメシル、塩酸プロカテロール、塩酸ツロブテロール、ツロブテロール、塩酸ピルブテロール、塩酸クレンブテロール、塩酸マブテロール、塩酸リトドリン、バンブテロール、塩酸ドペキサミン、酒石酸メルアドリン、AR−C68397、レボサルブタモール、R,R−フォルモテロール、KUR−1246、KUL−7211、AR−C89855、S−1319等が挙げられる。
ロイコトリエン受容体拮抗薬としては、例えば、プランルカスト水和物、モンテルカスト、ザフィルルカスト、セラトロダスト、MCC−847、KCA−757、CS−615、YM−158、L−740515、CP−195494、LM−1484、RS−635、A−93178、S−36496、BIIL−284、ONO−4057等が挙げられる。
トロンボキサン合成酵素阻害薬としては、例えば、塩酸オザグレル、イミトロダストナトリウム等が挙げられる。
トロンボキサンA受容体拮抗薬としては、例えば、セラトロダスト、ラマトロバン、ドミトロバンカルシウム水和物、KT−2−962等が挙げられる。
メディエーター遊離抑制薬としては、例えば、トラニラスト、クロモグリク酸ナトリウム、アンレキサノクス、レピリナスト、イブジラスト、ダザノラスト、ペミロラストカリウム等が挙げられる。
抗ヒスタミン薬としては、例えば、フマル酸ケトチフェン、メキタジン、塩酸アゼラスチン、オキサトミド、テルフェナジン、フマル酸エメダスチン、塩酸エピナスチン、アステミゾール、エバスチン、塩酸セチリジン、ベポタスチン、フェキソフェナジン、ロラタジン、デスロラタジン、塩酸オロパタジン、TAK−427、ZCR−2060、NIP−530、モメタゾンフロエート、ミゾラスチン、BP−294、アンドラスト、オーラノフィン、アクリバスチン等が挙げられる。
キサンチン誘導体としては、例えば、アミノフィリン、テオフィリン、ドキソフィリン、シパムフィリン、ジプロフィリン等が挙げられる。
抗コリン薬としては、例えば、臭化イプラトロピウム、臭化オキシトロピウム、臭化フルトロピウム、臭化シメトロピウム、テミベリン、臭化チオトロピウム、レバトロペート(UK−112166)等が挙げられる。
サイトカイン阻害薬としては、例えば、トシル酸スプラタスト(商品名アイピーディ)等が挙げられる。
プロスタグランジン類(以下、PGと略記する。)としては、PG受容体アゴニスト、PG受容体アンタゴニスト等が挙げられる。PG受容体としては、PGE受容体(EP1、EP2、EP3、EP4)、PGD受容体(DP、CRTH2)、PGF受容体(FP)、PGI受容体(IP)、TX受容体(TP)等が挙げられる。
ホスホジエステラーゼ阻害薬としては、例えば、PDE4阻害剤であるロリプラム、シロミラスト(商品名アリフロ)、Bay19−8004、NIK−616、ロフルミラスト(BY−217)、シパムフィリン(BRL−61063)、アチゾラム(CP−80633)、SCH−351591、YM−976、V−11294A、PD−168787、D−4396、IC−485、ONO−6126等が挙げられる。
エラスターゼ阻害薬としては、ONO−5046、ONO−6818、MR−889、PBI−1101、EPI−HNE−4、R−665、ZD−0892、ZD−8321、GW−311616、AE−3763等が挙げられる。
去痰薬としては、例えば、アンモニアウイキョウ精、炭酸水素ナトリウム、塩酸ブロムヘキシン、カルボシステイン、塩酸アンブロキソール、塩酸アンブロキゾール徐放剤、メチルシステイン塩酸塩、アセチルシステイン、塩酸L−エチルシステイン、チロキサポール等が挙げられる。
非ステロイド系抗炎症薬としては、例えば、サザピリン、サリチル酸ナトリウム、アスピリン、アスピリン・ダイアルミネート配合、ジフルニサル、インドメタシン、スプロフェン、ウフェナマート、ジメチルイソプロピルアズレン、ブフェキサマク、フェルビナク、ジクロフェナク、トルメチンナトリウム、クリノリル、フェンブフェン、ナプメトン、プログルメタシン、インドメタシンファルネシル、アセメタシン、マレイン酸プログルメタシン、アンフェナクナトリウム、モフェゾラク、エトドラク、イブプロフェン、イブプロフェンピコノール、ナプロキセン、フルルビプロフェン、フルルビプロフェンアキセチル、ケトプロフェン、フェノプロフェンカルシウム、チアプロフェン、オキサプロジン、プラノプロフェン、ロキソプロフェンナトリウム、アルミノプロフェン、ザルトプロフェン、メフェナム酸、メフェナム酸アルミニウム、トルフェナム酸、フロクタフェニン、ケトフェニルブタゾン、オキシフェンブタゾン、ピロキシカム、テノキシカム、アンピロキシカム、ナパゲルン軟膏、エピリゾール、塩酸チアラミド、塩酸チノリジン、エモルファゾン、スルピリン、ミグレニン、サリドン、セデスG、アミピロ−N、ソルボン、ピリン系感冒薬、アセトアミノフェン、フェナセチン、メシル酸ジメトチアジン、シメトリド配合剤、非ピリン系感冒薬等が挙げられる。
疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARDs、遅効性抗リウマチ薬)としては、例えば、金チオグルコース、金チオリンゴ酸ナトリウム、オーラノフィン、アクタリット、D−ペニシラミン製剤、ロベンザリット二ナトリウム、ブシラミン、ヒドロキシクロロキン、サラゾスルファピリジン、メトトレキセート、レフルノミド等が挙げられる。
軟骨保護薬としては、例えば、ヒアルロン酸ナトリウム、グルコサミン、コンドロイチン硫酸、多硫酸グリコサミノグリカン等が挙げられる。
プロスタグランジン合成酵素阻害薬としては、例えば、サラゾスルファピリジン、メサラジン、オサラジン、4−アミノサリチル酸、JTE−522、オーラノフィン、カルプロフェン、ジフェンピラミド、フルノキサプロフェン、フルルビプロフェン、インドメタシン、ケトプロフェン、ロルノキシカム、ロキソプロフェン、メロキシカム、オキサプロジン、パーサルミド、ピプロキセン、ピロキシカム、ピロキシカムベータデックス、ピロキシカムシンナメート、トロピンインドメタシネート、ザルトプロフェン、プラノプロフェン等が挙げられる。
ラジカルスカベンジャーとしては、例えば、ラジカット等が挙げられる。
アストロサイトモジュレーターとしては、例えば、ONO−2506等が挙げられる。
抗血栓薬としては、例えば、カタクロット、アルガトロバン、アスピリン等が挙げられる。
血栓溶解薬としては、例えば、ヒト組織プラスミノーゲン活性化因子(t-PA)、ウロキナーゼ、へパリン等が挙げられる。
消炎酵素薬としては、例えば、塩化リゾチーム、ブロメライン、プロナーゼ、セラペプターゼ、ストレプトキナーゼ・ストレプトドルナーゼ配合剤等が挙げられる。
TNFα阻害薬(抗TNFα抗体等の蛋白質製剤を含む)としては、例えば、インフリキシマブ、アダリムマブ、エタネルセプト等が挙げられる。
IL−6阻害薬(抗IL−6受容体抗体等の蛋白質製剤を含む)としては、例えば、MRA等が挙げられる。
IL−1阻害薬(ヒトIL−1レセプターアンタゴニスト等の蛋白質製剤を含む)としては、例えば、アナキンラ等が挙げられる。
抗生物質としては、例えば、セフロキシムナトリウム、メロペネム三水和物、硫酸ネチルマイシン、硫酸シソマイシン、セフチブテン、PA−1806、IB−367、トブラマイシン、PA−1420、ドキソルビシン、硫酸アストロマイシン、塩酸セフェタメトピボキシル等が挙げられる。吸入の抗生剤としては、例えば、PA−1806、IB−367、トブラマイシン、PA−1420、ドキソルビシン、硫酸アストロマイシン、塩酸セフェタメトピボキシル等が挙げられる。
また、本発明化合物の予防および/または治療効果を補完および/または増強する他の薬剤には、上記したメカニズムに基づいて、現在までに見出されているものだけでなく今後見出されるものも含まれる。
本発明化合物、または本発明化合物と他の薬剤の併用剤を上記の目的で用いるには、通常、全身的または局所的に、経口または非経口の形で投与される。
投与量は、年齢、体重、症状、治療効果、投与方法、処理時間等により異なるが、通常、成人一人当たり、一回につき、100μgから1000mgの範囲で一日一回から数回経口投与されるか、または成人一人当たり、一回につき、50μgから500mgの範囲で一日一回から数回非経口投与されるか、または一日1時間から24時間の範囲で静脈内に持続投与される。
もちろん前記したように、投与量は種々の条件により変動するので、上記投与量より少ない量で十分な場合もあるし、また範囲を越えて投与の必要な場合もある。
本発明化合物、または本発明化合物と他の薬剤の併用剤を投与する際には、例えば経口投与のための内服用固形剤、内服用液剤および非経口投与のための注射剤、外用剤、坐剤、点眼剤、吸入剤等として用いられる。
経口投与のための内服用固形剤には、例えば錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤等が挙げられる。カプセル剤には、例えばハードカプセルおよびソフトカプセル等が挙げられる。
このような内服用固形剤においては、例えばひとつまたはそれ以上の活性物質はそのままか、または賦形剤(例えば、ラクトース、マンニトール、グルコース、微結晶セルロース、デンプン等)、結合剤(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム等)、崩壊剤(例えば、繊維素グリコール酸カルシウム等)、滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム等)、安定剤、溶解補助剤(例えば、グルタミン酸、アスパラギン酸等)等と混合され、常法に従って製剤化して用いられる。また、必要によりコーティング剤(例えば、白糖、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート等)で被覆していてもよいし、また2以上の層で被覆していてもよい。さらにゼラチンのような吸収されうる物質のカプセルも包含される。
経口投与のための内服用液剤には、例えば薬剤的に許容される水剤、懸濁剤、乳剤、シロップ剤、エリキシル剤等を含まれる。このような液剤においては、ひとつまたはそれ以上の活性物質が、一般的に用いられる希釈剤(例えば、精製水、エタノールまたはそれらの混液等)に溶解、懸濁または乳化される。さらにこの液剤は、湿潤剤、懸濁化剤、乳化剤、甘味剤、風味剤、芳香剤、保存剤、緩衝剤等を含有していてもよい。
非経口投与のための外用剤の剤形には、例えば軟膏剤、ゲル剤、クリーム剤、湿布剤、貼付剤、リニメント剤、噴霧剤、吸入剤、スプレー剤、エアゾル剤、点眼剤、および点鼻剤等が含まれる。これらはひとつまたはそれ以上の活性物質を含み、公知の方法または通常使用されている処方により調製される。
軟膏剤は公知または通常使用されている処方により製造される。例えば、ひとつまたはそれ以上の活性物質を基剤に混和、または溶融させて調製される。軟膏基剤は公知あるいは通常使用されているものから選ばれる。例えば、高級脂肪酸または高級脂肪酸エステル(例えば、アジピン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、アジピン酸エステル、ミリスチン酸エステル、パルミチン酸エステル、ステアリン酸エステル、オレイン酸エステル等)、ロウ類(例えば、ミツロウ、鯨ロウ、セレシン等)、界面活性剤(例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル等)、高級アルコール(例えば、セタノール、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール等)、シリコン油(例えば、ジメチルポリシロキサン等)、炭化水素類(例えば、親水ワセリン、白色ワセリン、精製ラノリン、流動パラフィン等)、グリコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、マクロゴール等)、植物油(ヒマシ油、オリーブ油、ごま油、テレピン油等)、動物油(例えば、ミンク油、卵黄油、スクワラン、スクワレン等)、水、吸収促進剤、かぶれ防止剤から選ばれるもの単独または2種以上を混合して用いられる。さらに、保湿剤、保存剤、安定化剤、抗酸化剤、着香剤等を含んでいてもよい。
ゲル剤は公知または通常使用されている処方により製造される。例えば、ひとつまたはそれ以上の活性物質を基剤に溶融させて調製される。ゲル基剤は公知あるいは通常使用されているものから選ばれる。例えば、低級アルコール(例えば、エタノール、イソプロピルアルコール等)、ゲル化剤(例えば、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース等)、中和剤(例えば、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン等)、界面活性剤(例えば、モノステアリン酸ポリエチレングリコール等)、ガム類、水、吸収促進剤、かぶれ防止剤から選ばれるもの単独または2種以上を混合して用いられる。さらに、保存剤、抗酸化剤、着香剤等を含んでいてもよい。
クリーム剤は公知または通常使用されている処方により製造される。例えば、ひとつまたはそれ以上の活性物質を基剤に溶融または乳化させて調製される。クリーム基剤は公知あるいは通常使用されているものから選ばれる。例えば、高級脂肪酸エステル、低級アルコール、炭化水素類、多価アルコール(例えば、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール等)、高級アルコール(例えば、2−ヘキシルデカノール、セタノール等)、乳化剤(例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、脂肪酸エステル類等)、水、吸収促進剤、かぶれ防止剤から選ばれるもの単独または2種以上を混合して用いられる。さらに、保存剤、抗酸化剤、着香剤等を含んでいてもよい。
湿布剤は公知または通常使用されている処方により製造される。例えば、ひとつまたはそれ以上の活性物質を基剤に溶融させ、練合物とし支持体上に展延塗布して製造される。湿布基剤は公知あるいは通常使用されているものから選ばれる。例えば、増粘剤(例えば、ポリアクリル酸、ポリビニルピロリドン、アラビアゴム、デンプン、ゼラチン、メチルセルロース等)、湿潤剤(例えば、尿素、グリセリン、プロピレングリコール等)、充填剤(例えば、カオリン、酸化亜鉛、タルク、カルシウム、マグネシウム等)、水、溶解補助剤、粘着付与剤、かぶれ防止剤から選ばれるもの単独または2種以上を混合して用いられる。さらに、保存剤、抗酸化剤、着香剤等を含んでいてもよい。
貼付剤は公知または通常使用されている処方により製造される。例えば、ひとつまたはそれ以上の活性物質を基剤に溶融させ、支持体上に展延塗布して製造される。貼付剤用基剤は公知あるいは通常使用されているものから選ばれる。例えば、高分子基剤、油脂、高級脂肪酸、粘着付与剤、かぶれ防止剤から選ばれるもの単独または2種以上を混合して用いられる。さらに、保存剤、抗酸化剤、着香剤等を含んでいてもよい。
リニメント剤は公知または通常使用されている処方により製造される。例えば、ひとつまたはそれ以上の活性物を水、アルコール(例えば、エタノール、ポリエチレングリコール等)、高級脂肪酸、グリセリン、セッケン、乳化剤、懸濁化剤等から選ばれるもの単独または2種以上に溶解、懸濁または乳化させて調製される。さらに、保存剤、抗酸化剤、着香剤等を含んでいてもよい。
噴霧剤、吸入剤、およびスプレー剤は、一般的に用いられる希釈剤以外に亜硫酸水素ナトリウムのような安定剤と等張性を与えるような緩衝剤、例えば塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウムあるいはクエン酸のような等張剤を含有していてもよい。スプレー剤の製造方法は、例えば米国特許第 2,868,691号および同第3,095,355 号に詳しく記載されている。
非経口投与のための注射剤としては、溶液、懸濁液、乳濁液および用時溶剤に溶解または懸濁して用いる固形の注射剤を包含する。注射剤は、ひとつまたはそれ以上の活性物質を溶剤に溶解、懸濁または乳化させて用いられる。溶剤として、例えば注射用蒸留水、生理食塩水、植物油、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、エタノールのようなアルコール類等およびそれらの組み合わせが用いられる。さらにこの注射剤は、安定剤、溶解補助剤(例えば、グルタミン酸、アスパラギン酸、ポリソルベート80(登録商標)等)、懸濁化剤、乳化剤、無痛化剤、緩衝剤、保存剤等を含んでいてもよい。これらは最終工程において滅菌するか無菌操作法によって製造される。また無菌の固形剤、例えば凍結乾燥品を製造し、その使用前に無菌化または無菌の注射用蒸留水または他の溶剤に溶解して使用することもできる。
非経口投与のための点眼剤には、点眼液、懸濁型点眼液、乳濁型点眼液、用時溶解型点眼液および眼軟膏が含まれる。
これらの点眼剤は公知の方法に準じて製造される。例えば、ひとつまたはそれ以上の活性物質を溶剤に溶解、懸濁または乳化させて用いられる。点眼剤の溶剤としては、例えば滅菌精製水、生理食塩水、その他の水性溶剤または注射用非水性用剤(例えば、植物油等)等およびそれらの組み合わせが用いられる。点眼剤は、等張化剤(例えば、塩化ナトリウム、濃グリセリン等)、緩衝化剤(例えば、リン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム等)、界面活性化剤(例えば、ポリソルベート80(商品名)、ステアリン酸ポリオキシル40、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等)、安定化剤(例えば、クエン酸ナトリウム、エデト酸ナトリウム等)、防腐剤(例えば、塩化ベンザルコニウム、パラベン等)等などを必要に応じて適宜選択して含んでいてもよい。これらは最終工程において滅菌するか、無菌操作法によって調製される。また無菌の固形剤、例えば凍結乾燥品を製造し、その使用前に無菌化または無菌の滅菌精製水または他の溶剤に溶解して使用することもできる。
非経口投与のための吸入剤としては、エアロゾル剤、吸入用粉末剤または吸入用液剤が含まれ、当該吸入用液剤は用時に水または他の適当な媒体に溶解または懸濁させて使用する形態であってもよい。
これらの吸入剤は公知の方法に準じて製造される。
例えば、吸入用液剤の場合には、防腐剤(例えば、塩化ベンザルコニウム、パラベン等)、着色剤、緩衝化剤(例えば、リン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム等)、等張化剤(例えば、塩化ナトリウム、濃グリセリン等)、増粘剤(例えば、カリボキシビニルポリマー等)、吸収促進剤などを必要に応じて適宜選択して調製される。
吸入用粉末剤の場合には、滑沢剤(例えば、ステアリン酸およびその塩等)、結合剤(例えば、デンプン、デキストリン等)、賦形剤(例えば、乳糖、セルロース等)、着色剤、防腐剤(例えば、塩化ベンザルコニウム、パラベン等)、吸収促進剤などを必要に応じて適宜選択して調製される。
吸入用液剤を投与する際には、通常噴霧器(例えば、アトマイザー、ネブライザー等)が使用され、吸入用粉末剤を投与する際には、通常粉末薬剤用吸入投与器が使用される。
非経口投与のためその他の組成物としては、ひとつまたはそれ以上の活性物質を含み、常法により処方される直腸内投与のための坐剤および腟内投与のためのペッサリー等が含まれる。
一般式(I)で示される本発明化合物は、例えばCXCR3拮抗作用を有することから、CXCR3介在性疾患の予防および/または治療剤として有用である。
以下、本発明を詳述するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[生物学的実施例]
一般式(I)で示される本発明化合物が、CXCR3拮抗作用を有すること、エフェクター細胞の機能を阻害することは、例えば、以下の実験によって証明された。
全体の操作は、基本的な生物学的手法に基づき、常法となっている方法を活用した。また、本発明の測定方法は、以下のように、本発明化合物を評価するために、測定精度の向上および/または測定感度の改良を加えたものである。以下に詳細な実験方法を示した。
生物学的実施例1:ヒトTh1様分化細胞を用いたIP−10またはI−TAC/CXCR3誘発細胞遊走
実施
1−1:細胞調製
ヒト健常人ボランティアよりヘパリン加採血し、末梢血単核球(PBMC)を遠心管(リンフォプレップチューブ:Lympho prep tube(Nycomed Pharma))を用いた密度勾配遠心分離法により単離した。PBMCから、ヒトT細胞CD4サブセットカラムキット(Human T Cell CD4 Subset Column Kit)を用いたネガティブセレクション法によりヒトCD4陽性T細胞を単離した。この細胞を用いて以降の実験を行なった。
抗CD3抗体(2μg/mL)でプレコートした24穴プレートにヒトCD4陽性T細胞を3×10cells/2mL/wellの細胞密度で播種し、抗CD28抗体(1μg/mL)、IL−2(4ng/mL)、IL−12(5ng/mL)および抗IL−4抗体(1μg/mL)の存在下で37℃、COインキュベーターにて3日間培養した。ここで用いた抗ヒトCD3抗体でコートした24穴プレートは、37℃で2時間、抗ヒトCD3抗体であるOKT−3(2μg/mL)でコートすることにより作成した。細胞を回収洗浄した後、10vol%ウシ胎児血清含有RPMI1640培地(10mmol/L HEPES/1vol%、Antibiotic−Antimycotic)に懸濁した。抗CD3抗体でコートしていないウェルに細胞を3×10cells/2mL/wellの細胞密度で移し、IL−2(1ng/mL)存在下で37℃、COインキュベーターにて5日間培養し、ヒトTh1様分化細胞を調製した。この一連の刺激は数回繰り返しても良い。
1−2:In Vitro細胞遊走
トランスウェルの下室にIP−10またはI−TAC含有溶液(30nmol/L)を含む上記培地300μL、最終濃度の2倍濃度の被験薬溶液(DMSO終濃度0.3%)を含む上記培地300μLの計600μLを添加し、フィルターを装着した。コントロール群は、ケモカイン非含有溶液(DMSO終濃度0.3%)を含む上記培地300μLを添加した。上室には調製したヒトTh1様分化細胞(1×10cells/well)50μLと最終濃度の2倍濃度の被験薬溶液を含む上記培地50μLの計100μLを添加し、37℃、COインキュベーターにて90分静置した。反応後、遊走していない上室の細胞液を吸引除去し20μmol/L エチレンジアミン四酢酸ナトリウム/リン酸緩衝生理食塩液を100μL添加して、4℃で30分間反応させた。次に1000rpmで5分間遠心してフィルターの下面に接着していた細胞を下室に落した後、フィルターを取り外して下室液600μLを別の容器に移してFACSort(商品名,ベクトン・ディッキンソン社製)を用いて解析を行い、細胞数をカウントした。化合物無添加群のカウント数からコントロール(ケモカイン非含有溶液)群を差し引いた値を100%とし、化合物の遊走阻害活性を評価した。
その結果、本発明化合物は、30μMで50%以上の阻害を示した。
[製剤例]
製剤例1:
以下の各成分を常法により混合した後打錠して、一錠中に10mgの活性成分を含有する錠剤1万錠を得た。
・1,3,3−トリメチル−6−(4−ニトロベンゾイル)−6−アザビシクロ[3.2.1]オクタン 100g
・カルボキシメチルセルロースカルシウム(崩壊剤) 20.0g
・ステアリン酸マグネシウム(潤滑剤) 10.0g
・微結晶セルロース 870g
製剤例2:
以下の各成分を常法により混合した後、除塵フィルターでろ過し、5mlずつアンプルに充填し、オートクレーブで加熱滅菌して、1アンプル中20mgの活性成分を含有するアンプル1万本を得た。
・1,3,3−トリメチル−6−(4−ニトロベンゾイル)−6−アザビシクロ[3.2.1]オクタン 200g
・マンニトール 2kg
・蒸留水 50L
一般式(I)で示される本発明化合物は、CXCR3拮抗作用を有することから、CXCR3が関与する疾患、すなわちCXCR3介在性疾患に対する予防および/または治療剤として有用である。そのため、本発明化合物は、医薬品として利用可能である。

Claims (15)

  1. 一般式(I)
    Figure 2007015927
    (式中、環Aはさらに窒素原子、酸素原子、硫黄原子を含んでいてもよく、置換基を有していてもよい複素ビシクロ環または複素トリシクロ環を、環Bはさらに置換基を有していてもよい環状基を、Yは主鎖の原子数1−4のスペーサーを表わす。)で示される化合物、その塩またはその溶媒和物、またはそのプロドラッグ。
  2. 環Aが
    Figure 2007015927
    (式中、mおよびnはそれぞれ独立して1〜6の整数を、pおよびqはそれぞれ独立して0または1〜6の整数を表わす。ただし、p+qは6以下である。)である請求項1記載の化合物。
  3. 環Aが
    Figure 2007015927
    である請求項1記載の化合物。
  4. 環Bが単環式芳香環である請求項1記載の化合物。
  5. Yが水素結合受容基を含む主鎖の原子数1−4のスペーサーである請求項1記載の化合物。
  6. 請求項1記載の化合物、その塩またはその溶媒和物、またはそのプロドラッグを含有してなる医薬組成物。
  7. ケモカイン受容体拮抗剤である請求項6記載の医薬組成物。
  8. ケモカイン受容体がCXCR3である請求項7記載の医薬組成物。
  9. CXCR3介在性疾患の予防および/または治療剤である請求項8記載の医薬組成物。
  10. 炎症・アレルギー性疾患の予防および/または治療剤である請求項9記載の医薬組成物。
  11. 自己免疫疾患の予防および/または治療剤である請求項10記載の医薬組成物。
  12. さらに非ステロイド系抗炎症薬、疾患修飾性抗リウマチ薬、ステロイド薬、免疫抑制薬、消炎酵素薬、軟骨保護薬、T細胞阻害薬、TNFα阻害薬、プロスタグランジン合成酵素阻害薬、IL−6阻害薬、インターフェロンγ作動薬、IL−1阻害薬、プロスタグランジン類、ホスホジエステラーゼ阻害薬、メタロプロテイナーゼ阻害薬およびケモカイン受容体拮抗薬の同種または異種の薬から選択される1種または2種以上とを組み合わせてなる自己免疫疾患の予防および/または治療剤である請求項11記載の医薬組成物。
  13. 一般式(I)
    Figure 2007015927
    (式中、すべての記号は請求項1と同じ意味を表わす。)で示される化合物、その塩またはその溶媒和物、またはそのプロドラッグの有効量を哺乳動物に投与することを特徴とする、哺乳動物におけるCXCR3を拮抗する方法。
  14. 一般式(I)
    Figure 2007015927
    (式中、すべての記号は請求項1と同じ意味を表わす。)で示される化合物、その塩またはその溶媒和物、またはそのプロドラッグの有効量を哺乳動物に投与することを特徴とする、哺乳動物におけるCXCR3介在性疾患の予防および/または治療方法。
  15. CXCR3拮抗剤を製造するための、一般式(I)
    Figure 2007015927
    (式中、すべての記号は請求項1と同じ意味を表わす。)で示される化合物、その塩またはその溶媒和物、またはそのプロドラッグの使用。
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