JP2006206498A - フォスファチジルイノシトール−3−キナーゼ阻害剤 - Google Patents

フォスファチジルイノシトール−3−キナーゼ阻害剤 Download PDF

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Shintaro Nakao
進太郎 中尾
Kanji Kitagawa
貫次 北川
Tetsuya Hagio
哲也 萩尾
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Abstract

【課題】 安全性の高い炎症、免疫関連治療薬として、フォスファチジルイノシトール−3−キナーゼ阻害剤を提供すること。
【解決手段】 一般式(I)
【化1】
Figure 2006206498

(式中、Rは水素原子または置換基を表わし、Xは酸素原子または酸化されていてもよい硫黄原子を表わし、Yは酸素原子または酸化されていてもよい硫黄原子を表わし、Zは酸素原子、酸化されていてもよい硫黄原子、−NH−または置換された窒素原子を表わし、
【化1】
Figure 2006206498

は一重結合または二重結合で示される結合手を表わし、環Aは置換されていてもよい環状基を表わす。)で示される本発明化合物は、フォスファチジルイノシトール−3−キナーゼを阻害するので、例えば、消化器疾患、筋骨格・結合組織疾患、皮膚疾患、等の予防および/または治療剤として有用である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、一般式(I)
Figure 2006206498
(式中、すべての記号は後記と同じ意味を表わす。)で示される化合物、その塩、それらの溶媒和物、またはそれらのプロドラッグを含有してなるフォスファチジルイノシトール−3−キナーゼ阻害剤に関する。
フォスファチジルイノシトール−3−キナーゼは、イノシトールリン脂質に存在するイノシトールの3位をリン酸化する酵素であり、フォスファチジルイノシトール、フォスファチジルイノシトール−4−リン酸およびフォスファチジルイノシトール−4,5−二リン酸を基質として、それぞれフォスファチジルイノシトール−3−リン酸、フォスファチジルイノシトール−3,4−二リン酸およびフォスファチジルイノシトール−3,4,5−三リン酸を産生する。フォスファチジルイノシトール−3−キナーゼは、クラスI、II、およびIIIの3つのクラスに分類され、クラスIは、さらにIAおよびIBに分類される。クラスIAにはα、βおよびδアイソフォーム(フォスファチジルイノシトール−3−キナーゼα、βおよびδ)が存在し、それらは85〜55kD(p85α、p85β、p55γ)の制御サブユニットと、110kD(p110α、p110β、p110δ)の触媒作用サブユニットから成る2量体で形成される(モレキュラー アンド セルラー バイオロジー、1993年、13巻、7677−7688頁;バイオオーガニック アンド メディシナル ケミストリー、1997年、5巻、65−74頁;全米科学アカデミー紀要、1997年、94巻、4330−4335頁)。クラスIAのうち、フォスファチジルイノシトール−3−キナーゼαおよびβにおける、それぞれp110αおよびp110βのノックアウトマウスに関する実験より、これら触媒サブユニット(p110α、p110β)の一部を欠損させると、胎生致死が起こることが知られている(ジャーナル オブ バイオロジカル ケミストリー、1999年、274巻、10963−10968頁;マンマリアンジェノム、2002年、13巻、169−172頁)。
一方、クラスIBは、独自のC2ドメインを含有するp110γアイソフォームと、101kD(p101)調節サブユニットからなる2量体を形成し(サイエンス、1995年、269巻、690−693頁)、Gタンパク質のβγサブユニットにより制御される(ネイチャー、1997年、387巻、673−676頁)。クラスIB フォスファチジルイノシトール−3−キナーゼ(フォスファチジルイノシトール−3−キナーゼγ)は、生体内において、主に白血球に発現しており、好中球の遊走反応、活性酸素産生、脱顆粒、リンパ球の遊走反応、増殖、サイトカイン産生、単球系細胞の遊走反応などの生理作用に関わっていると考えられる(サイエンス、2000年、287巻、1046−1049頁;サイエンス、2000年、287巻、1040−1046頁;サイエンス、2000年、287巻、1049−1053頁)。
これらの知見から、フォスファチジルイノシトール−3−キナーゼγを阻害する薬剤は、白血球における複数の機能を一剤で制御することができ、強力な炎症、免疫関連治療薬となる可能性がある。さらに、フォスファチジルイノシトール−3−キナーゼαおよびβの阻害作用と乖離することができれば、より安全性の高い炎症、免疫関連治療薬となる。
一方、国際公開第2004/007491号パンフレットには、一般式(A)
Figure 2006206498
(式中、Aは、5〜8員のヘテロ環または炭素環を表わし、Xは硫黄原子、酸素原子または窒素原子を表わし、Y1AおよびY2Aは、それぞれ独立して硫黄原子、酸素原子または窒素原子を表わし、Zは硫黄原子または酸素原子を表わし、R1Aは水素原子、ニトリル基、カルボキシル基、アシル基等を表わし、R2Aは水素原子、ハロゲン原子、アシル基等を表わし、nは0、1または2を表わす。基の説明は必要な部分を抜粋した。)で示されるアゾリジンジオン−ビニル縮合ベンゼン化合物が、フォスファチジルイノシトール−3−キナーゼ阻害活性を有することが記載されている。
特開昭63−165368号公報には、一般式(B)
Figure 2006206498
(式中、Aはヘテロ原子1個を含んでいてもよく、また、置換基を有していてもよい炭素数1乃至4個のアルキレン鎖もしくはアルケニレン鎖を表わし、Bは酸素原子、硫黄原子または窒素原子を表わし、Yは酸素原子、硫黄原子または窒素原子を表わし、R1BおよびR2Bは同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基等を表わし、R3Bは水素原子、アミノ基、カルボキシ基で置換されていてもよい低級アルキル基等を表わす。基の説明は必要な部分を抜粋した。)で示される化合物が、アルドースリダクターゼ阻害活性、血小板凝集抑制作用および脂質低下作用を有することが記載されている。しかしながら、フォスファチジルイノシトール−3−キナーゼに関する記載や示唆は全くない。
国際公開第2004/007491号パンフレット 特開昭63−165368号公報
安全性の高い炎症、免疫関連治療薬として、フォスファチジルイノシトール−3−キナーゼ阻害剤の開発が望まれていた。特に、フォスファチジルイノシトール−3−キナーゼγ選択的な阻害剤の開発が望まれていた。
本発明者らは、フォスファチジルイノシトール−3−キナーゼを阻害する化合物を見出すべく鋭意検討した結果、一般式(I)で示される化合物が目的を達することを見出し、本発明を完成した。また、一般式(I)で示される化合物は、フォスファチジルイノシトール−3−キナーゼγに対する選択性に優れることも見出した。
すなわち、本発明は、
(1) フォスファチジルイノシトール−3−キナーゼγに対するIC50値が10−6M以下であり、かつフォスファチジルイノシトール−3−キナーゼγに対するIC50値がフォスファチジルイノシトール−3−キナーゼαおよび/またはβに対するIC50値の10分の1以下であるフォスファチジルイノシトール−3−キナーゼ阻害剤、
(2) 一般式(I)
Figure 2006206498
(式中、Rは水素原子または置換基を表わし、Xは酸素原子または酸化されていてもよい硫黄原子を表わし、Yは酸素原子または酸化されていてもよい硫黄原子を表わし、Zは酸素原子、酸化されていてもよい硫黄原子、−NH−または置換された窒素原子を表わし、
Figure 2006206498
は一重結合または二重結合で示される結合手を表わし、環Aは置換されていてもよい環状基を表わす。)で示される化合物、その塩、それらの溶媒和物、またはそれらのプロドラッグを含有してなる(1)記載の剤、
(3) 環Aが二環式環状基である(2)記載の剤、
(4)
Figure 2006206498
が二重結合で示される結合手である(2)記載の剤、
(5) 化合物が一般式(I−1)
Figure 2006206498
(式中、環Aは少なくとも一つの酸素原子、酸化されていてもよい硫黄原子、−NH−または置換された窒素原子を含有する複素環を表わし、Rは置換基を表わし、mは0または1〜4の整数を表わし、その他の記号は(2)と同じ意味を表わす。但し、mが2以上を表わす場合、それぞれのRは同一または異なっていてもよい。)、一般式(I−2)
Figure 2006206498
(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表わす。)で示される化合物、またはそれらの混合物である(3)記載の剤、
(6) 化合物が一般式(I−1−1)
Figure 2006206498
(式中、すべての記号は(2)および(5)と同じ意味を表わす。)、一般式(I−2−1)
Figure 2006206498
(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表わす。)で示される化合物、またはそれらの混合物である(5)記載の剤、
(7) 消化器疾患、筋骨格・結合組織疾患または皮膚疾患の予防および/または治療剤である(1)記載の剤、
(8) 消化器疾患が炎症性腸疾患である(7)記載の剤、
(9) (2)記載の一般式(I)で示される化合物、その塩、それらの溶媒和物、またはそれらのプロドラッグと、ステロイド薬、エラスターゼ阻害薬、カンナビノイド−2受容体刺激薬、プロスタグランジン類、プロスタグランジン合成酵素阻害薬、ホスホジエステラーゼ阻害薬、メタロプロテイナーゼ阻害薬、接着分子阻害薬、抗サイトカイン性蛋白質製剤、抗サイトカイン薬、免疫抑制薬、免疫調節薬、ロイコトリエン受容体拮抗薬、5−リポキシゲナーゼ阻害薬、一酸化窒素合成酵素阻害薬、インターロイキン−8拮抗薬、ポリ(ADP−リボース)ポリメラーゼ阻害薬、抗酸化薬、防御因子増強薬、メサラジン、サラゾスルファピリジン、TNFα拮抗薬、ケモカイン受容体拮抗薬、および増殖因子製剤から選択される少なくとも1種以上と組み合わせてなる医薬、
(10) フォスファチジルイノシトール−3−キナーゼγに対するIC50値がフォスファチジルイノシトール−3−キナーゼαおよび/またはβに対するIC50値の10分の1以下であり、かつフォスファチジルイノシトール−3−キナーゼγに対するIC50値が10−6M以下である化合物、その塩、それらの溶媒和物、またはそれらのプロドラッグの有効量を哺乳動物に投与することを特徴とするフォスファチジルイノシトール−3−キナーゼの阻害方法、および
(11) フォスファチジルイノシトール−3−キナーゼγに対するIC50値がフォスファチジルイノシトール−3−キナーゼαおよび/またはβに対するIC50値の10分の1以下であり、かつフォスファチジルイノシトール−3−キナーゼγに対するIC50値が10−6M以下であるフォスファチジルイノシトール−3−キナーゼ阻害剤を製造するための化合物、その塩、それらの溶媒和物、またはそれらのプロドラッグの使用に関する。
本明細書中、Rは水素原子または置換基を表わす。Rで示される置換基としては、例えば(1)置換基を有していてもよいアルキル基、(2)置換基を有していてもよいアルケニル基、(3)置換基を有していてもよいアルキニル基、(4)置換基を有していてもよい炭素環基、(5)置換基を有していてもよい複素環基、(6)保護されていてもよい水酸基、(7)保護されていてもよいチオール基、(8)保護されていてもよいアミノ基、(9)置換基を有していてもよいカルバモイル基、(10)置換基を有していてもよいスルファモイル基、(11)カルボキシル基、(12)アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル等のC1〜6アルコキシカルボニル基等)、(13)スルホ基(−SOH)、(14)スルフィノ基、(15)ホスホノ基、(16)ニトロ基、(17)シアノ基、(18)アミジノ基、(19)−B(OH)基、(20)ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)、(21)アルキルスルフィニル基(例えば、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル等のC1〜4アルキルスルフィニル基等)、(22)芳香環スルフィニル基(例えば、フェニルスルフィニル等のC6〜10芳香環スルフィニル基等)、(23)アルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル等のC1〜4アルキルスルホニル基等)、(24)芳香環スルホニル基(例えば、フェニルスルホニル等のC6〜10芳香環スルホニル基等)、(25)アシル基(例えば、ホルミル、アセチル、プロパノイル、ピバロイル等のC1〜6アルカノイル基、例えば、ベンゾイル等のC6〜10芳香環カルボニル基等)、(26)(C1〜6アルコキシイミノ)メチル基(例えば、(メトキシイミノ)メチル基等)等が挙げられる。
「置換基を有していてもよいアルキル基」におけるアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、イコシル基等の直鎖状または分岐状のC1〜20アルキル基等が挙げられる。
ここで「置換基を有していてもよいアルキル基」における置換基としては、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、ニトロ基、アジド基、モノ−またはジ−C1〜6アルキルアミノ基(例えば、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ等)、N−芳香環アミノ基(例えば、N−フェニルアミノ基等)、N−芳香環−N−アルキルアミノ基(例えば、N−フェニル−N−メチルアミノ基、N−フェニル−N−エチルアミノ基、N−フェニル−N−プロピルアミノ基、N−フェニル−N−ブチルアミノ基、N−フェニル−N−ペンチルアミノ基、N−フェニル−N−ヘキシルアミノ基等)、アシルアミノ基、N−アシル−N−アルキルアミノ基、C1〜6アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ヘキシルオキシ等)、C3〜7シクロアルキル−C1〜6アルコキシ基(例えば、シクロヘキシルメチルオキシ基、シクロペンチルエチルオキシ基等)、C3〜7シクロアルキルオキシ基(例えば、シクロヘキシルオキシ基等)、C7〜15アラルキルオキシ基(例えば、ベンジルオキシ、フェネチルオキシ、フェニルプロピルオキシ、ナフチルメチルオキシ、ナフチルエチルオキシ等)、フェノキシ基、C1〜6アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル等)、C1〜6アルキルカルボニルオキシ基(例えば、アセトキシ、エチルカルボニルオキシ等)、C1〜4アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、ブチルチオ等)、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、アルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル等のC1〜4アルキルスルホニル基等)、芳香環スルホニル基(例えば、フェニルスルホニル等のC6〜10芳香環スルホニル基等)、アシル基(例えば、ホルミル、アセチル、プロパノイル、ピバロイル等のC1〜6アルカノイル基、例えば、ベンゾイル等のC6〜10芳香環カルボニル基等)、オキソ基、イミノ基(HN=)、置換基を有していてもよい炭素環基、および置換基を有していてもよい複素環基等が挙げられ、これらの任意の置換基は置換可能な位置に1ないし4個置換していてもよい。
ここで、アルキル基の置換基としてのアシルアミノ基およびN−アシル−N−アルキルアミノ基における「アシル基」は、後述する置換基としての「保護されていてもよい水酸基」、「保護されていてもよいチオール基」および「保護されていてもよいアミノ基」における保護基としてのアシル基と同じ意味を表わす。N−アシル−N−アルキルアミノ基における「アルキル基」としては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、イコシル基等の直鎖状または分岐状のC1〜20アルキル基等が挙げられる。
アルキル基の置換基としての炭素環としては、例えば、一部または全部が飽和されていてもよいC3〜15の単環、二環または三環式芳香族性炭素環等が挙げられる。一部または全部が飽和されていてもよいC3〜15の単環、二環または三環式芳香族性炭素環としては、例えば、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロノナン、シクロデカン、シクロウンデカン、シクロドデカン、シクロトリデカン、シクロテトラデカン、シクロペンタデカン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、シクロヘプタジエン、シクロオクタジエン、ベンゼン、ペンタレン、パーヒドロペンタレン、アズレン、パーヒドロアズレン、インデン、パーヒドロインデン、インダン、ナフタレン、ジヒドロナフタレン、テトラヒドロナフタレン、パーヒドロナフタレン、ヘプタレン、パーヒドロヘプタレン、ビフェニレン、as−インダセン、s−インダセン、アセナフチレン、アセナフテン、フルオレン、フェナレン、フェナントレン、アントラセン環等が挙げられる。また、一部または全部が飽和されていてもよいC3〜15の単環、二環または三環式芳香族性炭素環にはスピロ結合した二環式炭素環、および架橋した二環式炭素環も含まれ、例えば、スピロ[4.4]ノナン、スピロ[4.5]デカン、スピロ[5.5]ウンデカン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、ビシクロ[3.1.1]ヘプタン、ビシクロ[3.1.1]ヘプタ−2−エン、ビシクロ[2.2.2]オクタン、ビシクロ[2.2.2]オクタ−2−エン、アダマンタン、ノルアダマンタン環等が挙げられる。
ここでアルキル基の置換基としての炭素環の置換基としては、C1〜8アルキル基(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル基等)、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、ニトロ基、モノ−またはジ−C1〜6アルキルアミノ基(例えば、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ等)、C1〜6アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ヘキシルオキシ等)、C1〜6アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル等)、C1〜6アルキルカルボニルオキシ基(例えば、アセトキシ、エチルカルボニルオキシ等)、C1〜4アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、ブチルチオ等)、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、トリハロメチル基(例えば、トリフルオロメチル等)等が挙げられ、これらの任意の置換基は置換可能な位置に1ないし4個置換していてもよい。
アルキル基の置換基としての複素環としては、例えば、酸素原子、窒素原子または硫黄原子から選択される1ないし5個のヘテロ原子を含む、一部または全部飽和されていてもよい3〜15員の単環、二環または三環式芳香族性複素環等が挙げられる。酸素原子、窒素原子または硫黄原子から選択される1ないし5個のヘテロ原子を含む、一部または全部飽和されていてもよい3〜15員の単環、二環または三環式芳香族性複素環のうち、酸素原子、窒素原子または硫黄原子から選択される1ないし5個のヘテロ原子を含む、3〜15員の単環、二環または三環式芳香族性複素環としては、例えば、ピロール、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、アゼピン、ジアゼピン、フラン、ピラン、オキセピン、チオフェン、チオピラン、チエピン、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、フラザン、オキサジアゾール、オキサジン、オキサジアジン、オキサゼピン、オキサジアゼピン、チアジアゾール、チアジン、チアジアジン、チアゼピン、チアジアゼピン、インドール、イソインドール、インドリジン、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、ベンゾチオフェン、イソベンゾチオフェン、ジチアナフタレン、インダゾール、キノリン、イソキノリン、キノリジン、プリン、フタラジン、プテリジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾール、クロメン、ベンゾオキセピン、ベンゾオキサゼピン、ベンゾオキサジアゼピン、ベンゾチエピン、ベンゾチアゼピン、ベンゾチアジアゼピン、ベンゾアゼピン、ベンゾジアゼピン、ベンゾフラザン、ベンゾチアジアゾール、ベンゾトリアゾール、カルバゾール、β−カルボリン、アクリジン、フェナジン、ジベンゾフラン、キサンテン、ジベンゾチオフェン、フェノチアジン、フェノキサジン、フェノキサチイン、チアンスレン、フェナントリジン、フェナントロリン、ペリミジン環等が挙げられる。酸素原子、窒素原子または硫黄原子から選択される1ないし5個のヘテロ原子を含む、一部または全部飽和されていてもよい3〜15員の単環、二環または三環式芳香族性複素環のうち、酸素原子、窒素原子または硫黄原子から選択される1ないし5個のヘテロ原子を含む、一部または全部飽和された3〜15員の単環、二環または三環式複素環としては、アジリジン、アゼチジン、ピロリン、ピロリジン、イミダゾリン、イミダゾリジン、トリアゾリン、トリアゾリジン、テトラゾリン、テトラゾリジン、ピラゾリン、ピラゾリジン、ジヒドロピリジン、テトラヒドロピリジン、ピペリジン、ジヒドロピラジン、テトラヒドロピラジン、ピペラジン、ジヒドロピリミジン、テトラヒドロピリミジン、パーヒドロピリミジン、ジヒドロピリダジン、テトラヒドロピリダジン、パーヒドロピリダジン、ジヒドロアゼピン、テトラヒドロアゼピン、パーヒドロアゼピン、ジヒドロジアゼピン、テトラヒドロジアゼピン、パーヒドロジアゼピン、オキシラン、オキセタン、ジヒドロフラン、テトラヒドロフラン、ジヒドロピラン、テトラヒドロピラン、ジヒドロオキセピン、テトラヒドロオキセピン、パーヒドロオキセピン、チイラン、チエタン、ジヒドロチオフェン、テトラヒドロチオフェン、ジヒドロチオピラン、テトラヒドロチオピラン、ジヒドロチエピン、テトラヒドロチエピン、パーヒドロチエピン、ジヒドロオキサゾール、テトラヒドロオキサゾール(オキサゾリジン)、ジヒドロイソオキサゾール、テトラヒドロイソオキサゾール(イソオキサゾリジン)、ジヒドロチアゾール、テトラヒドロチアゾール(チアゾリジン)、ジヒドロイソチアゾール、テトラヒドロイソチアゾール(イソチアゾリジン)、ジヒドロフラザン、テトラヒドロフラザン、ジヒドロオキサジアゾール、テトラヒドロオキサジアゾール(オキサジアゾリジン)、ジヒドロオキサジン、テトラヒドロオキサジン、ジヒドロオキサジアジン、テトラヒドロオキサジアジン、ジヒドロオキサゼピン、テトラヒドロオキサゼピン、パーヒドロオキサゼピン、ジヒドロオキサジアゼピン、テトラヒドロオキサジアゼピン、パーヒドロオキサジアゼピン、ジヒドロチアジアゾール、テトラヒドロチアジアゾール(チアジアゾリジン)、ジヒドロチアジン、テトラヒドロチアジン、ジヒドロチアジアジン、テトラヒドロチアジアジン、ジヒドロチアゼピン、テトラヒドロチアゼピン、パーヒドロチアゼピン、ジヒドロチアジアゼピン、テトラヒドロチアジアゼピン、パーヒドロチアジアゼピン、モルホリン、チオモルホリン、オキサチアン、インドリン、イソインドリン、ジヒドロベンゾフラン、パーヒドロベンゾフラン、ジヒドロイソベンゾフラン、パーヒドロイソベンゾフラン、ジヒドロベンゾチオフェン、パーヒドロベンゾチオフェン、ジヒドロイソベンゾチオフェン、パーヒドロイソベンゾチオフェン、ジヒドロインダゾール、パーヒドロインダゾール、ジヒドロキノリン、テトラヒドロキノリン、パーヒドロキノリン、ジヒドロイソキノリン、テトラヒドロイソキノリン、パーヒドロイソキノリン、ジヒドロフタラジン、テトラヒドロフタラジン、パーヒドロフタラジン、ジヒドロナフチリジン、テトラヒドロナフチリジン、パーヒドロナフチリジン、ジヒドロキノキサリン、テトラヒドロキノキサリン、パーヒドロキノキサリン、ジヒドロキナゾリン、テトラヒドロキナゾリン、パーヒドロキナゾリン、ジヒドロシンノリン、テトラヒドロシンノリン、パーヒドロシンノリン、ベンゾオキサチアン、ジヒドロベンゾオキサジン、ジヒドロベンゾチアジン、ピラジノモルホリン、ジヒドロベンゾオキサゾール、パーヒドロベンゾオキサゾール、ジヒドロベンゾチアゾール、パーヒドロベンゾチアゾール、ジヒドロベンゾイミダゾール、パーヒドロベンゾイミダゾール、ジヒドロベンゾアゼピン、テトラヒドロベンゾアゼピン、ジヒドロベンゾジアゼピン、テトラヒドロベンゾジアゼピン、ベンゾジオキセパン、ジヒドロベンゾオキサゼピン、テトラヒドロベンゾオキサゼピン、ジヒドロカルバゾール、テトラヒドロカルバゾール、パーヒドロカルバゾール、ジヒドロアクリジン、テトラヒドロアクリジン、パーヒドロアクリジン、ジヒドロジベンゾフラン、ジヒドロジベンゾチオフェン、テトラヒドロジベンゾフラン、テトラヒドロジベンゾチオフェン、パーヒドロジベンゾフラン、パーヒドロジベンゾチオフェン、ジオキソラン、ジオキサン、ジチオラン、ジチアン、ジオキサインダン、ベンゾジオキサン、クロマン、ベンゾジチオラン、ベンゾジチアン環等が挙げられる。
ここでアルキル基の置換基としての複素環の置換基としては、C1〜8アルキル基(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル基等)、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、ニトロ基、モノ−またはジ−C1〜6アルキルアミノ基(例えば、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ等)、C1〜6アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ヘキシルオキシ等)、C1〜6アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル等)、C1〜6アルキルカルボニルオキシ基(例えば、アセトキシ、エチルカルボニルオキシ等)、C1〜4アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、ブチルチオ等)、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)等が挙げられ、これらの任意の置換基は置換可能な位置に1ないし4個置換していてもよい。
で示される置換基としての「置換基を有していてもよいアルケニル基」におけるアルケニル基としては、例えば、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル等の直鎖状または分岐状のC2〜20アルケニル基等が挙げられる。ここでアルケニル基の置換基は、前記「置換基を有していてもよいアルキル基」における置換基と同じ意味を表わす。
で示される置換基としての「置換基を有していてもよいアルキニル基」におけるアルキニル基としては、例えば、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル等の直鎖状または分岐状のC2〜20アルキニル基等が挙げられる。ここでアルキニル基の置換基は、前記「置換基を有していてもよいアルキル基」における置換基と同じ意味を表わす。
で示される置換基としての「置換基を有していてもよい炭素環基」における炭素環としては、例えば一部または全部が飽和されていてもよいC3〜15の単環、二環または三環式芳香族性炭素環等が挙げられる。一部または全部が飽和されていてもよいC3〜15の単環、二環または三環式芳香族性炭素環としては、例えば、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロノナン、シクロデカン、シクロウンデカン、シクロドデカン、シクロトリドデカン、シクロテトラデカン、シクロペンタデカン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、シクロヘプタジエン、シクロオクタジエン、ベンゼン、ペンタレン、パーヒドロペンタレン、アズレン、パーヒドロアズレン、インデン、パーヒドロインデン、インダン、ナフタレン、ジヒドロナフタレン、テトラヒドロナフタレン、パーヒドロナフタレン、ヘプタレン、パーヒドロヘプタレン、ビフェニレン、as−インダセン、s−インダセン、アセナフチレン、アセナフテン、フルオレン、フェナレン、フェナントレン、アントラセン環等が挙げられる。また、一部または全部が飽和されていてもよいC3〜15の単環、二環または三環式芳香族性炭素環にはスピロ結合した二環式炭素環、および架橋した二環式炭素環も含まれ、例えばスピロ[4.4]ノナン、スピロ[4.5]デカン、スピロ[5.5]ウンデカン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、ビシクロ[3.1.1]ヘプタン、ビシクロ[3.1.1]ヘプタ−2−エン、ビシクロ[2.2.2]オクタン、ビシクロ[2.2.2]オクタ−2−エン、アダマンタン、ノルアダマンタン環等が挙げられる。
ここで炭素環の置換基としては、例えばC1〜4アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル等)、C2〜4アルケニル基(例えば、エテニル、プロペニル、ブテニル等)、C2〜4アルキニル基(例えば、エチニル、プロピニル、ブチニル等)、水酸基、C1〜4アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ等)、C1〜6アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル等)、チオール基、C1〜4アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、ブチルチオ等)、アミノ基、モノ−またはジ−C1〜4アルキルアミノ基(例えば、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ等)、アミノ−C1〜4アルキル基(例えば、アミノメチル基等)、モノ−またはジ−C1〜4アルキルアミノ−C1〜4アルキル基(例えば、ジメチルアミノメチル、メチルアミノメチル等)、イミノ基、イミノ基で置換されたアルキル基(例えば、エタンイミドイル等)、オキソ基、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、トリハロメチル基(例えば、トリフルオロメチル等)、トリハロメトキシ基(例えば、トリフルオロメトキシ等)、トリハロメチルチオ基(例えば、トリフルオロメチルチオ等)、ジハロメチルチオ基(例えば、ジフルオロメチルチオ等)、シアノ基、C1〜4アルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル等)、ニトロ基等が挙げられ、これらの任意の置換基は置換可能な位置に1ないし4個置換していてもよい。
で示される置換基としての「置換基を有していてもよい複素環基」における複素環としては、例えば酸素原子、窒素原子または硫黄原子から選択される1ないし5個のヘテロ原子を含む、一部または全部飽和されていてもよい3〜15員の単環、二環または三環式芳香族性複素環等が挙げられる。酸素原子、窒素原子または硫黄原子から選択される1ないし5個のヘテロ原子を含む、一部または全部飽和されていてもよい3〜15員の単環、二環または三環式芳香族性複素環のうち、酸素原子、窒素原子または硫黄原子から選択される1ないし5個のヘテロ原子を含む、3〜15員の単環、二環または三環式芳香族性複素環としては、例えば、ピロール、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、アゼピン、ジアゼピン、フラン、ピラン、オキセピン、チオフェン、チオピラン、チエピン、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、フラザン、オキサジアゾール、オキサジン、オキサジアジン、オキサゼピン、オキサジアゼピン、チアジアゾール、チアジン、チアジアジン、チアゼピン、チアジアゼピン、インドール、イソインドール、インドリジン、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、ベンゾチオフェン、イソベンゾチオフェン、ジチアナフタレン、インダゾール、キノリン、イソキノリン、キノリジン、プリン、フタラジン、プテリジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾール、クロメン、ベンゾオキセピン、ベンゾオキサゼピン、ベンゾオキサジアゼピン、ベンゾチエピン、ベンゾチアゼピン、ベンゾチアジアゼピン、ベンゾアゼピン、ベンゾジアゼピン、ベンゾフラザン、ベンゾチアジアゾール、ベンゾトリアゾール、カルバゾール、β−カルボリン、アクリジン、フェナジン、ジベンゾフラン、キサンテン、ジベンゾチオフェン、フェノチアジン、フェノキサジン、フェノキサチイン、チアンスレン、フェナントリジン、フェナントロリン、ペリミジン、オキサゾロピリジン、チアゾロピリミジン、イミダゾピリジン環等が挙げられる。酸素原子、窒素原子または硫黄原子から選択される1ないし5個のヘテロ原子を含む、一部または全部飽和されていてもよい3〜15員の単環、二環または三環式芳香族性複素環のうち、酸素原子、窒素原子または硫黄原子から選択される1ないし5個のヘテロ原子を含む、一部または全部飽和された3〜15員の単環、二環または三環式複素環としては、アジリジン、アゼチジン、ピロリン、ピロリジン、イミダゾリン、イミダゾリジン、トリアゾリン、トリアゾリジン、テトラゾリン、テトラゾリジン、ピラゾリン、ピラゾリジン、ジヒドロピリジン、テトラヒドロピリジン、ピペリジン、ジヒドロピラジン、テトラヒドロピラジン、ピペラジン、ジヒドロピリミジン、テトラヒドロピリミジン、パーヒドロピリミジン、ジヒドロピリダジン、テトラヒドロピリダジン、パーヒドロピリダジン、ジヒドロアゼピン、テトラヒドロアゼピン、パーヒドロアゼピン、ジヒドロジアゼピン、テトラヒドロジアゼピン、パーヒドロジアゼピン、オキシラン、オキセタン、ジヒドロフラン、テトラヒドロフラン、ジヒドロピラン、テトラヒドロピラン、ジヒドロオキセピン、テトラヒドロオキセピン、パーヒドロオキセピン、チイラン、チエタン、ジヒドロチオフェン、テトラヒドロチオフェン、ジヒドロチオピラン、テトラヒドロチオピラン、ジヒドロチエピン、テトラヒドロチエピン、パーヒドロチエピン、ジヒドロオキサゾール、テトラヒドロオキサゾール(オキサゾリジン)、ジヒドロイソオキサゾール、テトラヒドロイソオキサゾール(イソオキサゾリジン)、ジヒドロチアゾール、テトラヒドロチアゾール(チアゾリジン)、ジヒドロイソチアゾール、テトラヒドロイソチアゾール(イソチアゾリジン)、ジヒドロフラザン、テトラヒドロフラザン、ジヒドロオキサジアゾール、テトラヒドロオキサジアゾール(オキサジアゾリジン)、ジヒドロオキサジン、テトラヒドロオキサジン、ジヒドロオキサジアジン、テトラヒドロオキサジアジン、ジヒドロオキサゼピン、テトラヒドロオキサゼピン、パーヒドロオキサゼピン、ジヒドロオキサジアゼピン、テトラヒドロオキサジアゼピン、パーヒドロオキサジアゼピン、ジヒドロチアジアゾール、テトラヒドロチアジアゾール(チアジアゾリジン)、ジヒドロチアジン、テトラヒドロチアジン、ジヒドロチアジアジン、テトラヒドロチアジアジン、ジヒドロチアゼピン、テトラヒドロチアゼピン、パーヒドロチアゼピン、ジヒドロチアジアゼピン、テトラヒドロチアジアゼピン、パーヒドロチアジアゼピン、モルホリン、チオモルホリン、オキサチアン、インドリン、イソインドリン、ジヒドロベンゾフラン、パーヒドロベンゾフラン、ジヒドロイソベンゾフラン、パーヒドロイソベンゾフラン、ジヒドロベンゾチオフェン、パーヒドロベンゾチオフェン、ジヒドロイソベンゾチオフェン、パーヒドロイソベンゾチオフェン、ジヒドロインダゾール、パーヒドロインダゾール、ジヒドロキノリン、テトラヒドロキノリン、パーヒドロキノリン、ジヒドロイソキノリン、テトラヒドロイソキノリン、パーヒドロイソキノリン、ジヒドロフタラジン、テトラヒドロフタラジン、パーヒドロフタラジン、ジヒドロナフチリジン、テトラヒドロナフチリジン、パーヒドロナフチリジン、ジヒドロキノキサリン、テトラヒドロキノキサリン、パーヒドロキノキサリン、ジヒドロキナゾリン、テトラヒドロキナゾリン、パーヒドロキナゾリン、ジヒドロシンノリン、テトラヒドロシンノリン、パーヒドロシンノリン、ベンゾオキサチアン、ジヒドロベンゾオキサジン、ジヒドロベンゾチアジン、ピラジノモルホリン、ジヒドロベンゾオキサゾール、パーヒドロベンゾオキサゾール、ジヒドロベンゾチアゾール、パーヒドロベンゾチアゾール、ジヒドロベンゾイミダゾール、パーヒドロベンゾイミダゾール、ジヒドロベンゾアゼピン、テトラヒドロベンゾアゼピン、ジヒドロベンゾジアゼピン、テトラヒドロベンゾジアゼピン、ベンゾジオキセパン、ジヒドロベンゾオキサゼピン、テトラヒドロベンゾオキサゼピン、ジヒドロカルバゾール、テトラヒドロカルバゾール、パーヒドロカルバゾール、ジヒドロアクリジン、テトラヒドロアクリジン、パーヒドロアクリジン、ジヒドロジベンゾフラン、ジヒドロジベンゾチオフェン、テトラヒドロジベンゾフラン、テトラヒドロジベンゾチオフェン、パーヒドロジベンゾフラン、パーヒドロジベンゾチオフェン、ジオキソラン、ジオキサン、ジチオラン、ジチアン、ジオキサインダン、ベンゾジオキサン、クロマン、ベンゾジチオラン、ベンゾジチアン、テトラヒドロオキサゾロピリジン、テトラヒドロチアゾロピリミジン、オキサジナン、オキサゼパン環等が挙げられる。
ここで複素環の置換基は、前記「置換基を有していてもよい炭素環基」における置換基と同じ意味を表わし、これらの任意の置換基は置換可能な位置に1ないし4個置換していてもよい。
で示される置換基としての「保護されていてもよい水酸基」、「保護されていてもよいチオール基」および「保護されていてもよいアミノ基」における保護基としては、例えば置換基を有していてもよいアルキル基(前記「置換基を有していてもよいアルキル基」と同じ意味を表わす。)、置換基を有していてもよい炭素環基(前記「置換基を有していてもよい炭素環基」と同じ意味を表わす。)、置換基を有していてもよい複素環基(前記「置換基を有していてもよい複素環基」と同じ意味を表わす。)、アルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル等のC1〜4アルキルスルホニル基等)、芳香環スルホニル基(例えば、フェニルスルホニル等のC6〜10芳香環スルホニル基等)、アシル基等が挙げられる。ここでアシル基としては、(1)置換基を有していてもよいアルキルカルボニル基、(2)置換基を有していてもよいアルケニルカルボニル基、(3)置換基を有していてもよいアルキニルカルボニル基、(4)置換基を有していてもよい炭素環カルボニル基、(5)置換基を有していてもよい複素環カルボニル基が挙げられ、これらの任意の置換基は置換可能な位置に1ないし4個置換していてもよい。
「置換基を有していてもよいアルキルカルボニル基」における置換基を有していてもよいアルキルは、前記「置換基を有していてもよいアルキル基」と同じ意味を表わす。「置換基を有していてもよいアルケニルカルボニル基」における置換基を有していてもよいアルケニルは、前記「置換基を有していてもよいアルケニル基」と同じ意味を表わす。「置換基を有していてもよいアルキニルカルボニル基」における置換基を有していてもよいアルキニルは、前記「置換基を有していてもよいアルキニル基」と同じ意味を表わす。「置換基を有していてもよい炭素環カルボニル基」における置換基を有していてもよい炭素環は、前記「置換基を有していてもよい炭素環基」と同じ意味を表わす。「置換基を有していてもよい複素環カルボニル基」における置換基を有していてもよい複素環は、前記「置換基を有していてもよい複素環基」と同じ意味を表わす。
で示される置換基としての「置換基を有していてもよいカルバモイル基」としては、例えば、無置換のカルバモイル基、N−モノ−C1〜4アルキルカルバモイル(例えば、N−メチルカルバモイル、N−エチルカルバモイル、N−プロピルカルバモイル、N−イソプロピルカルバモイル、N−ブチルカルバモイル等)、N,N−ジC1〜4アルキルカルバモイル(例えば、N,N−ジメチルカルバモイル、N,N−ジエチルカルバモイル、N,N−ジプロピルカルバモイル、N,N−ジブチルカルバモイル等)、1−ピペリジルカルボニル基等が挙げられる。
で示される置換基としての「置換基を有していてもよいスルファモイル基」としては、例えば、無置換のスルファモイル基、N−モノ−C1〜4アルキルスルファモイル(例えば、N−メチルスルファモイル、N−エチルスルファモイル、N−プロピルスルファモイル、N−イソプロピルスルファモイル、N−ブチルスルファモイル等)、N,N−ジC1〜4アルキルスルファモイル(例えば、N,N−ジメチルスルファモイル、N,N−ジエチルスルファモイル、N,N−ジプロピルスルファモイル、N,N−ジブチルスルファモイル等)等が挙げられる。
本明細書中、Xは酸素原子または酸化されていてもよい硫黄原子を表わす。Xで示される酸化されていてもよい硫黄原子としては、−S−、−SO−および−SO−が挙げられる。
本明細書中、Yは酸素原子または酸化されていてもよい硫黄原子を表わす。Yで示される酸化されていてもよい硫黄原子としては、−S−、−SO−および−SO−が挙げられる。
本明細書中、Zは酸素原子、酸化されていてもよい硫黄原子、−NH−または置換された窒素原子を表わす。Zで示される酸化されていてもよい硫黄原子としては、−S−、−SO−および−SO−が挙げられる。Zで示される置換された窒素原子としては−NR−が挙げられる。RはRと同じ意味を表わす。
本明細書中、
Figure 2006206498
は一重結合または二重結合で示される結合手を表わす。
本明細書中、環Aで示される置換されていてもよい環状基とは、「置換基を有していてもよい炭素環基」または「置換基を有していてもよい複素環基」を意味する。環Aで示される「置換基を有していてもよい炭素環基」における炭素環としては、例えば一部または全部が飽和されていてもよいC3〜15の単環、二環または三環式芳香族性炭素環等が挙げられる。一部または全部が飽和されていてもよいC3〜15の単環、二環または三環式芳香族性炭素環としては、例えば、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロノナン、シクロデカン、シクロウンデカン、シクロドデカン、シクロトリドデカン、シクロテトラデカン、シクロペンタデカン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、シクロヘプタジエン、シクロオクタジエン、ベンゼン、ペンタレン、パーヒドロペンタレン、アズレン、パーヒドロアズレン、インデン、パーヒドロインデン、インダン、ナフタレン、ジヒドロナフタレン、テトラヒドロナフタレン、パーヒドロナフタレン、ヘプタレン、パーヒドロヘプタレン、ビフェニレン、as−インダセン、s−インダセン、アセナフチレン、アセナフテン、フルオレン、フェナレン、フェナントレン、アントラセン環等が挙げられる。また、一部または全部が飽和されていてもよいC3〜15の単環、二環または三環式芳香族性炭素環にはスピロ結合した二環式炭素環、および架橋した二環式炭素環も含まれ、例えばスピロ[4.4]ノナン、スピロ[4.5]デカン、スピロ[5.5]ウンデカン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、ビシクロ[3.1.1]ヘプタン、ビシクロ[3.1.1]ヘプタ−2−エン、ビシクロ[2.2.2]オクタン、ビシクロ[2.2.2]オクタ−2−エン、アダマンタン、ノルアダマンタン環等が挙げられる。
ここで炭素環の置換基としては、例えばC1〜4アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル等)、C2〜4アルケニル基(例えば、エテニル、プロペニル、ブテニル等)、C2〜4アルキニル基(例えば、エチニル、プロピニル、ブチニル等)、水酸基、C1〜4アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ等)、C1〜6アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル等)、チオール基、C1〜4アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、ブチルチオ等)、アミノ基、モノ−またはジ−C1〜4アルキルアミノ基(例えば、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ等)、アミノ−C1〜4アルキル基(例えば、アミノメチル基等)、モノ−またはジ−C1〜4アルキルアミノ−C1〜4アルキル基(例えば、ジメチルアミノメチル、メチルアミノメチル等)、イミノ基、イミノ基で置換されたアルキル基(例えば、エタンイミドイル等)、オキソ基、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、トリハロメチル基(例えば、トリフルオロメチル等)、トリハロメトキシ基(例えば、トリフルオロメトキシ等)、トリハロメチルチオ基(例えば、トリフルオロメチルチオ等)、ジハロメチルチオ基(例えば、ジフルオロメチルチオ等)、シアノ基、C1〜4アルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル等)、ニトロ基等が挙げられ、これらの任意の置換基は置換可能な位置に1ないし4個置換していてもよい。
環Aで示される「置換基を有していてもよい複素環基」における複素環としては、例えば酸素原子、窒素原子または硫黄原子から選択される1ないし5個のヘテロ原子を含む、一部または全部飽和されていてもよい3〜15員の単環、二環または三環式芳香族性複素環等が挙げられる。酸素原子、窒素原子または硫黄原子から選択される1ないし5個のヘテロ原子を含む、一部または全部飽和されていてもよい3〜15員の単環、二環または三環式芳香族性複素環のうち、酸素原子、窒素原子または硫黄原子から選択される1ないし5個のヘテロ原子を含む、3〜15員の単環、二環または三環式芳香族性複素環としては、例えば、ピロール、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、アゼピン、ジアゼピン、フラン、ピラン、オキセピン、チオフェン、チオピラン、チエピン、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、フラザン、オキサジアゾール、オキサジン、オキサジアジン、オキサゼピン、オキサジアゼピン、チアジアゾール、チアジン、チアジアジン、チアゼピン、チアジアゼピン、インドール、イソインドール、インドリジン、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、ベンゾチオフェン、イソベンゾチオフェン、ジチアナフタレン、インダゾール、キノリン、イソキノリン、キノリジン、プリン、フタラジン、プテリジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾール、クロメン、ベンゾオキセピン、ベンゾオキサゼピン、ベンゾオキサジアゼピン、ベンゾチエピン、ベンゾチアゼピン、ベンゾチアジアゼピン、ベンゾアゼピン、ベンゾジアゼピン、ベンゾフラザン、ベンゾチアジアゾール、ベンゾトリアゾール、カルバゾール、β−カルボリン、アクリジン、フェナジン、ジベンゾフラン、キサンテン、ジベンゾチオフェン、フェノチアジン、フェノキサジン、フェノキサチイン、チアンスレン、フェナントリジン、フェナントロリン、ペリミジン、オキサゾロピリジン、チアゾロピリミジン、イミダゾピリジン環等が挙げられる。酸素原子、窒素原子または硫黄原子から選択される1ないし5個のヘテロ原子を含む、一部または全部飽和されていてもよい3〜15員の単環、二環または三環式芳香族性複素環のうち、酸素原子、窒素原子または硫黄原子から選択される1ないし5個のヘテロ原子を含む、一部または全部飽和された3〜15員の単環、二環または三環式複素環としては、アジリジン、アゼチジン、ピロリン、ピロリジン、イミダゾリン、イミダゾリジン、トリアゾリン、トリアゾリジン、テトラゾリン、テトラゾリジン、ピラゾリン、ピラゾリジン、ジヒドロピリジン、テトラヒドロピリジン、ピペリジン、ジヒドロピラジン、テトラヒドロピラジン、ピペラジン、ジヒドロピリミジン、テトラヒドロピリミジン、パーヒドロピリミジン、ジヒドロピリダジン、テトラヒドロピリダジン、パーヒドロピリダジン、ジヒドロアゼピン、テトラヒドロアゼピン、パーヒドロアゼピン、ジヒドロジアゼピン、テトラヒドロジアゼピン、パーヒドロジアゼピン、オキシラン、オキセタン、ジヒドロフラン、テトラヒドロフラン、ジヒドロピラン、テトラヒドロピラン、ジヒドロオキセピン、テトラヒドロオキセピン、パーヒドロオキセピン、チイラン、チエタン、ジヒドロチオフェン、テトラヒドロチオフェン、ジヒドロチオピラン、テトラヒドロチオピラン、ジヒドロチエピン、テトラヒドロチエピン、パーヒドロチエピン、ジヒドロオキサゾール、テトラヒドロオキサゾール(オキサゾリジン)、ジヒドロイソオキサゾール、テトラヒドロイソオキサゾール(イソオキサゾリジン)、ジヒドロチアゾール、テトラヒドロチアゾール(チアゾリジン)、ジヒドロイソチアゾール、テトラヒドロイソチアゾール(イソチアゾリジン)、ジヒドロフラザン、テトラヒドロフラザン、ジヒドロオキサジアゾール、テトラヒドロオキサジアゾール(オキサジアゾリジン)、ジヒドロオキサジン、テトラヒドロオキサジン、ジヒドロオキサジアジン、テトラヒドロオキサジアジン、ジヒドロオキサゼピン、テトラヒドロオキサゼピン、パーヒドロオキサゼピン、ジヒドロオキサジアゼピン、テトラヒドロオキサジアゼピン、パーヒドロオキサジアゼピン、ジヒドロチアジアゾール、テトラヒドロチアジアゾール(チアジアゾリジン)、ジヒドロチアジン、テトラヒドロチアジン、ジヒドロチアジアジン、テトラヒドロチアジアジン、ジヒドロチアゼピン、テトラヒドロチアゼピン、パーヒドロチアゼピン、ジヒドロチアジアゼピン、テトラヒドロチアジアゼピン、パーヒドロチアジアゼピン、モルホリン、チオモルホリン、オキサチアン、インドリン、イソインドリン、ジヒドロベンゾフラン、パーヒドロベンゾフラン、ジヒドロイソベンゾフラン、パーヒドロイソベンゾフラン、ジヒドロベンゾチオフェン、パーヒドロベンゾチオフェン、ジヒドロイソベンゾチオフェン、パーヒドロイソベンゾチオフェン、ジヒドロインダゾール、パーヒドロインダゾール、ジヒドロキノリン、テトラヒドロキノリン、パーヒドロキノリン、ジヒドロイソキノリン、テトラヒドロイソキノリン、パーヒドロイソキノリン、ジヒドロフタラジン、テトラヒドロフタラジン、パーヒドロフタラジン、ジヒドロナフチリジン、テトラヒドロナフチリジン、パーヒドロナフチリジン、ジヒドロキノキサリン、テトラヒドロキノキサリン、パーヒドロキノキサリン、ジヒドロキナゾリン、テトラヒドロキナゾリン、パーヒドロキナゾリン、ジヒドロシンノリン、テトラヒドロシンノリン、パーヒドロシンノリン、ベンゾオキサチアン、ジヒドロベンゾオキサジン、ジヒドロベンゾチアジン、ピラジノモルホリン、ジヒドロベンゾオキサゾール、パーヒドロベンゾオキサゾール、ジヒドロベンゾチアゾール、パーヒドロベンゾチアゾール、ジヒドロベンゾイミダゾール、パーヒドロベンゾイミダゾール、ジヒドロベンゾアゼピン、テトラヒドロベンゾアゼピン、ジヒドロベンゾジアゼピン、テトラヒドロベンゾジアゼピン、ベンゾジオキセパン、ジヒドロベンゾオキサゼピン、テトラヒドロベンゾオキサゼピン、ジヒドロカルバゾール、テトラヒドロカルバゾール、パーヒドロカルバゾール、ジヒドロアクリジン、テトラヒドロアクリジン、パーヒドロアクリジン、ジヒドロジベンゾフラン、ジヒドロジベンゾチオフェン、テトラヒドロジベンゾフラン、テトラヒドロジベンゾチオフェン、パーヒドロジベンゾフラン、パーヒドロジベンゾチオフェン、ジオキソラン、ジオキサン、ジチオラン、ジチアン、ジオキサインダン、ベンゾジオキサン、クロマン、ベンゾジチオラン、ベンゾジチアン、テトラヒドロオキサゾロピリジン、テトラヒドロチアゾロピリミジン、オキサジナン、オキサゼパン環等が挙げられる。
ここで複素環の置換基は、前記環Aで示される「置換基を有していてもよい炭素環基」における置換基と同じ意味を表わし、これらの任意の置換基は置換可能な位置に1ないし4個置換していてもよい。
本明細書中、環Aで示される二環式環状基としては、一部または全部が飽和されていてもよいC4〜15の二環式炭素環、または酸素原子、窒素原子または硫黄原子から選択される1ないし4個のヘテロ原子を含む、一部または全部飽和されていてもよい4〜15員の二環式複素環が挙げられる。一部または全部が飽和されていてもよいC4〜15の二環式炭素環としては、例えば、ペンタレン、アズレン、パーヒドロアズレン、パーヒドロペンタレン、インデン、パーヒドロインデン、インダン、ナフタレン、テトラヒドロナフタレン、パーヒドロナフタレン、ヘプタレン、スピロ[4,4]ノナン、スピロ[4,5]デカン、スピロ[5,5]ウンデカン、ビシクロ[3.1.1]ヘプタン、ビシクロ[3.3.1]−2−ヘプテン、ビシクロ[2.2.2]オクタン環等が挙げられる。
酸素原子、窒素原子または硫黄原子から選択される1ないし4個のヘテロ原子を含む、一部または全部飽和されていてもよい4〜15員の二環式複素環のうち、酸素原子、窒素原子または硫黄原子から選択される1ないし4個のヘテロ原子を含む、4〜15員の二環式芳香族性複素環としては、例えば、インドール、イソインドール、インドリジン、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、ベンゾチオフェン、イソベンゾチオフェン、ジチアナフタレン、インダゾール、キノリン、イソキノリン、キノリジン、プリン、フタラジン、プテリジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾール、クロメン、ベンゾオキセピン、ベンゾオキサゼピン、ベンゾオキサジアゼピン、ベンゾチエピン、ベンゾチアゼピン、ベンゾチアジアゼピン、ベンゾアゼピン、ベンゾジアゼピン、ベンゾフラザン、ベンゾチアジアゾール、ベンゾトリアゾール環等が挙げられる。
酸素原子、窒素原子または硫黄原子から選択される1ないし4個のヘテロ原子を含む、一部または全部飽和されていてもよい4〜15員の二環式複素環のうち、酸素原子、窒素原子または硫黄原子から選択される1ないし4個のヘテロ原子を含む、一部または全部飽和された4〜15員の二環式複素環としては、例えば、インドリン、イソインドリン、ジヒドロベンゾフラン、パーヒドロベンゾフラン、ジヒドロイソベンゾフラン、パーヒドロイソベンゾフラン、ジヒドロベンゾチオフェン、パーヒドロベンゾチオフェン、ジヒドロイソベンゾチオフェン、パーヒドロイソベンゾチオフェン、ジヒドロインダゾール、パーヒドロインダゾール、ジヒドロキノリン、テトラヒドロキノリン、パーヒドロキノリン、ジヒドロイソキノリン、テトラヒドロイソキノリン、パーヒドロイソキノリン、ジヒドロフタラジン、テトラヒドロフタラジン、パーヒドロフタラジン、ジヒドロナフチリジン、テトラヒドロナフチリジン、パーヒドロナフチリジン、ジヒドロキノキサリン、テトラヒドロキノキサリン、パーヒドロキノキサリン、ジヒドロキナゾリン、テトラヒドロキナゾリン、パーヒドロキナゾリン、ジヒドロシンノリン、テトラヒドロシンノリン、パーヒドロシンノリン、ベンズオキサチアン、ジヒドロベンズオキサジン、ジヒドロベンゾチアジン、ピラジノモルホリン、ジヒドロベンゾオキサゾール、パーヒドロベンゾオキサゾール、ジヒドロベンゾチアゾール、パーヒドロベンゾチアゾール、ジヒドロベンゾイミダゾール、パーヒドロベンゾイミダゾール、ジヒドロベンズアゼピン、テトラヒドロベンズアゼピン、ジヒドロベンゾジアゼピン、テトラヒドロベンゾジアゼピン、ベンゾジオキセパン、ジヒドロベンゾオキサゼピン、テトラヒドロベンゾオキサゼピン、ジオキサインダン、ベンゾジオキサン、クロマン、ベンゾジチオラン、ベンゾジチアン環等が挙げられる。
環Aで示される二環式環状基は置換されていてもよく、置換基としては前記環Aで示される「置換基を有していてもよい炭素環基における置換基」が挙げられる。これらの任意の置換基は置換可能な位置に1ないし4個置換していてもよい。
本明細書中、環A、すなわち
Figure 2006206498
で示される少なくとも一つの酸素原子、酸化されていてもよい硫黄原子、−NH−または置換された窒素原子を含有する複素環としては、4〜15員の少なくとも一つの酸素原子、酸化されていてもよい硫黄原子、−NH−または置換された窒素原子を含有する複素環が挙げられる。例えば、オキサジン、チアジン、ピロリン、テトラヒドロピリジン、ジヒドロピリミジン、テトラヒドロピリミジン、ジヒドロピリダジン、ジヒドロアゼピン、テトラヒドロアゼピン、ジヒドロフラン、ジヒドロピラン、ジヒドロオキセピン、テトラヒドロオキセピン、ジヒドロチオフェン、ジヒドロチオピラン、ジヒドロチエピン、テトラヒドロチエピン等が挙げられる。
環Aで示される少なくとも一つの酸素原子、酸化されていてもよい硫黄原子、−NH−または置換された窒素原子を含有する複素環はさらに「置換基」によって置換されていてもよく、該「置換基」としては前記環Aで示される「置換基を有していてもよい炭素環基における置換基」が挙げられる。これらの任意の置換基は置換可能な位置に1ないし4個置換していてもよい。
本明細書中、Rは置換基を表わす。Rで示される置換基は、Rで示される置換基と同じ意味を表わす。
本発明において、Rとして好ましくは、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよい炭素環基、または置換基を有していてもよい複素環基であり、より好ましくは、水素原子、または置換基を有していてもよいアルキル基であり、さらに好ましくは水素原子である。
本発明において、Xとして好ましくは、酸素原子または硫黄原子である。
本発明において、Yとして好ましくは、酸素原子または硫黄原子である。
本発明において、Zとして好ましくは、酸素原子または硫黄原子である。
本発明において、
Figure 2006206498
として好ましくは二重結合で示される結合手である。
本発明において、環Aとして好ましくは二環式環状基であり、より好ましくは酸素原子、窒素原子または硫黄原子から選択される1ないし4個のヘテロ原子を含む、一部または全部飽和されていてもよい4〜15員の二環式複素環であり、さらに好ましくは、インドリン、イソインドリン、ジヒドロベンゾフラン、パーヒドロベンゾフラン、ジヒドロイソベンゾフラン、パーヒドロイソベンゾフラン、ジヒドロベンゾチオフェン、パーヒドロベンゾチオフェン、ジヒドロイソベンゾチオフェン、パーヒドロイソベンゾチオフェン、ジヒドロインダゾール、パーヒドロインダゾール、ジヒドロキノリン、テトラヒドロキノリン、パーヒドロキノリン、ジヒドロイソキノリン、テトラヒドロイソキノリン、パーヒドロイソキノリン、ジヒドロフタラジン、テトラヒドロフタラジン、パーヒドロフタラジン、ジヒドロナフチリジン、テトラヒドロナフチリジン、パーヒドロナフチリジン、ジヒドロキノキサリン、テトラヒドロキノキサリン、パーヒドロキノキサリン、ジヒドロキナゾリン、テトラヒドロキナゾリン、パーヒドロキナゾリン、ジヒドロシンノリン、テトラヒドロシンノリン、パーヒドロシンノリン、ベンズオキサチアン、ジヒドロベンズオキサジン、ジヒドロベンゾチアジン、ピラジノモルホリン、ジヒドロベンゾオキサゾール、パーヒドロベンゾオキサゾール、ジヒドロベンゾチアゾール、パーヒドロベンゾチアゾール、ジヒドロベンゾイミダゾール、パーヒドロベンゾイミダゾール、ジヒドロベンズアゼピン、テトラヒドロベンズアゼピン、ジヒドロベンゾジアゼピン、テトラヒドロベンゾジアゼピン、ベンゾジオキセパン、ジヒドロベンゾオキサゼピン、テトラヒドロベンゾオキサゼピン、ジオキサインダン、ベンゾジオキサン、クロマン、ベンゾジチオラン、ベンゾジチアン環である。
本発明において、環Aとして好ましくは、オキサジン、チアジン、ピロリン、テトラヒドロピリジン、ジヒドロピリミジン、テトラヒドロピリミジン、ジヒドロピリダジン、ジヒドロアゼピン、テトラヒドロアゼピン、ジヒドロフラン、ジヒドロピラン、ジヒドロオキセピン、テトラヒドロオキセピン、ジヒドロチオフェン、ジヒドロチオピラン、ジヒドロチエピン、テトラヒドロチエピンであり、より好ましくは、ジヒドロピランである。
本発明において、
Figure 2006206498
として好ましくはクロマン環である。
本発明において、Rとして好ましくは、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよい炭素環基、置換基を有していてもよい複素環基、保護されていてもよい水酸基、保護されていてもよいチオール基、保護されていてもよいアミノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子であり、より好ましくは、置換基を有していてもよいアルキル基、保護されていてもよい水酸基、保護されていてもよいアミノ基、アルコキシカルボニル基、ハロゲン原子であり、さらに好ましくは、ハロゲン原子である。
本発明において、mとして好ましくは、0または1〜2の整数であり、より好ましくは、1〜2の整数である。
本発明において、一般式(I)として好ましくは、
Figure 2006206498
(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表わす。)、または
Figure 2006206498
(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表わす。)である。
本発明において、フォスファチジルイノシトール−3−キナーゼ阻害剤としては、フォスファチジルイノシトール−3−キナーゼγに対して選択的な阻害剤が好ましい。
本発明において、フォスファチジルイノシトール−3−キナーゼγ、αおよびβに対するIC50値は、公知の方法によって算出される。好ましくは薬理実験例に記載の方法である。
本発明において、フォスファチジルイノシトール−3−キナーゼγに対するIC50値としては、好ましくはフォスファチジルイノシトール−3−キナーゼαおよび/またはβに対するIC50値の10分の1以下であり、より好ましくはフォスファチジルイノシトール−3−キナーゼαおよび/またはβに対するIC50値の30分の1以下であり、さらに好ましくはフォスファチジルイノシトール−3−キナーゼαおよび/またはβに対するIC50値の100分の1以下である。
また本発明において、フォスファチジルイノシトール−3−キナーゼγに対するIC50値としては、好ましくは10−6M以下であり、より好ましくは10−7M以下であり、さらに好ましくは10−8M以下であり、最も好ましくは10−9M以下である。
本発明において、好ましい化合物としては、実施例に記載した化合物、その塩、そのN−オキシド、その溶媒和物またはそれらのプロドラッグが挙げられる。
本発明においては、特に指示しない限り異性体はこれをすべて包含する。例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基には直鎖のものおよび分枝鎖のものが含まれる。さらに、二重結合、環、縮合環における異性体(E、Z、シス、トランス体)、不斉炭素の存在等による異性体(R、S体、α、β配置、エナンチオマー、ジアステレオマー)、旋光性を有する光学活性体(D、L、d、l体)、互変異性体、クロマトグラフ分離による極性体(高極性体、低極性体)、平衡化合物、回転異性体、これらの任意の割合の混合物、ラセミ混合物は、すべて本発明に含まれる。
[塩]
一般式(I)で示される化合物は、公知の方法で塩に変換される。塩としては薬学的に許容される塩が好ましい。
塩としては、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アミン塩、酸付加塩等が挙げられる。
塩は、水溶性のものが好ましい。適当な塩としては、アルカリ金属(カリウム、ナトリウム等)の塩、アルカリ土類金属(カルシウム、マグネシウム等)の塩、アンモニウム塩、薬学的に許容される有機アミン(テトラメチルアンモニウム、トリエチルアミン、メチルアミン、ジメチルアミン、シクロペンチルアミン、ベンジルアミン、フェネチルアミン、ピペリジン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、リジン、アルギニン、N−メチル−D−グルカミン等)の塩が挙げられる。
酸付加塩は水溶性であることが好ましい。適当な酸付加塩としては、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩のような無機酸塩、または酢酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、安息香酸塩、クエン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、イセチオン酸塩、グルクロン酸塩、グルコン酸塩のような有機酸塩が挙げられる。
一般式(I)で示される化合物およびそれらの塩は、溶媒和物に変換することもできる。
溶媒和物は非毒性かつ水溶性であることが好ましい。適当な溶媒和物としては、例えば水、アルコール系の溶媒(例えば、エタノール等)のような溶媒和物が挙げられる。
一般式(I)で示される化合物のプロドラッグは、生体内において酵素や胃酸等による反応により一般式(I)で示される化合物に変換する化合物をいう。一般式(I)で示される化合物のプロドラッグとしては、一般式(I)で示される化合物がアミノ基を有する場合、該アミノ基がアシル化、アルキル化、リン酸化された化合物(例、一般式(I)で示される化合物のアミノ基がエイコサノイル化、アラニル化、ペンチルアミノカルボニル化、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メトキシカルボニル化、テトラヒドロフラニル化、ピロリジルメチル化、ピバロイルオキシメチル化、アセトキシメチル化、tert−ブチル化された化合物など);一般式(I)で示される化合物が水酸基を有する場合、該水酸基がアシル化、アルキル化、リン酸化、ホウ酸化された化合物(例、一般式(I)で示される化合物の水酸基がアセチル化、パルミトイル化、プロパノイル化、ピバロイル化、サクシニル化、フマリル化、アラニル化、ジメチルアミノメチルカルボニル化された化合物など);一般式(I)で示される化合物がカルボキシ基を有する場合、該カルボキシ基がエステル化、アミド化された化合物(例、一般式(I)で示される化合物のカルボキシ基がエチルエステル化、イソプロピルエステル化、フェニルエステル化、カルボキシメチルエステル化、ジメチルアミノメチルエステル化、ピバロイルオキシメチルエステル化、エトキシカルボニルオキシエチルエステル化、フタリジルエステル化、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチルエステル化、シクロヘキシルオキシカルボニルエチルエステル化、メチルアミド化された化合物など);一般式(I)で示される化合物がカルボキシ基を有する場合、該カルボキシ基がヒドロキシメチル基と置き換わった化合物等が挙げられる。これらの化合物は自体公知の方法によって製造することができる。また、一般式(I)で示される化合物のプロドラッグは水和物および非水和物のいずれであってもよい。
[本発明化合物の製造方法]
一般式(I)で示される本発明化合物は、例えば、以下に示す方法、これらに準ずる方法または実施例に示す方法に従って製造することができる。以下の各製造方法において、原料化合物は塩として用いてもよい。塩としては、前述の一般式(I)の薬学的に許容される塩として用いてもよい。
例えば、一般式(I)で示される化合物のうち、環Aが
Figure 2006206498
(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表わす。)を表わし、
Figure 2006206498
が二重結合で示される結合手を表わす化合物、すなわち一般式(I−1)
Figure 2006206498
(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表わす。)または一般式(I−2)
Figure 2006206498
(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表わす。)で示される化合物は、以下の方法によって製造することができる。
一般式(I−1)または(I−2)で示される化合物は、一般式(II)
Figure 2006206498
(式中、環A1−1およびR2−1は環AおよびRと同じ意味を表わすが、環A1−1およびR2−1によって表される基に含まれるカルボキシル基、水酸基、アミノ基またはチオール基は、保護が必要な場合には保護されているものとする。その他の記号は前記と同じ意味を表わす。)で示される化合物と、一般式(III)
Figure 2006206498
(式中、R1−1はRと同じ意味を表わすが、R1−1によって表される基に含まれるカルボキシル基、水酸基、アミノ基またはチオール基は、保護が必要な場合には保護されているものとする。その他の記号は前記と同じ意味を表わす。)で示される化合物を反応に付し、さらに必要に応じて保護基の脱保護反応に付すことにより製造することができる。
一般式(II)で示される化合物と、一般式(III)で示される化合物との反応は、有機溶媒(例えば、エタノールなどのアルコール系溶媒、ジオキサンなどのエーテル系溶媒、アセトニトリルなどのニトリル系溶媒、酢酸などのカルボン酸系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド系溶媒、ジメチルスルホキシドなどの含硫黄系溶媒等)中、塩基(例えば、酢酸ナトリウムなどのナトリウム塩、酢酸アンモニウムなどのアンモニウム塩、トリエチルアミンなどの有機塩基等)の存在下または非存在下、ルイス酸(例えば、三フッ化ホウ素・ジエチルエーテル錯体等)の存在下または非存在下、室温〜200℃で反応させることにより行われる。
カルボキシル基、水酸基、アミノ基、またはチオール基の保護基の脱保護反応は、よく知られており、例えば、
(1)アルカリ加水分解、
(2)酸性条件下における脱保護反応、
(3)加水素分解による脱保護反応、
(4)シリル基の脱保護反応、
(5)金属を用いた脱保護反応、
(6)金属錯体を用いた脱保護反応等が挙げられる。
これらの方法を具体的に説明すると、
(1)アルカリ加水分解による脱保護反応は、例えば、有機溶媒(メタノール、テトラヒドロフラン、ジオキサン等)中、アルカリ金属の水酸化物(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等)、アルカリ土類金属の水酸化物(水酸化バリウム、水酸化カルシウム等)または炭酸塩(炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等)あるいはその水溶液もしくはこれらの混合物を用いて、0〜40℃の温度で行なわれる。
(2)酸条件下での脱保護反応は、例えば、有機溶媒(ジクロロメタン、クロロホルム、ジオキサン、酢酸エチル、アニソール等)中、有機酸(酢酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、p−トシル酸等)、または無機酸(塩酸、硫酸等)もしくはこれらの混合物(臭化水素/酢酸等)中、2,2,2−トリフルオロエタノールの存在下または非存在下、0〜100℃の温度で行なわれる。
(3)加水素分解による脱保護反応は、例えば、溶媒(エーテル系(テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジエチルエーテル等)、アルコール系(メタノール、エタノール等)、ベンゼン系(ベンゼン、トルエン等)、ケトン系(アセトン、メチルエチルケトン等)、ニトリル系(アセトニトリル等)、アミド系(ジメチルホルムアミド等)、水、酢酸エチル、酢酸またはそれらの2以上の混合溶媒等)中、触媒(パラジウム−炭素、パラジウム黒、水酸化パラジウム−炭素、酸化白金、ラネーニッケル等)の存在下、常圧または加圧下の水素雰囲気下またはギ酸アンモニウム存在下、0〜200℃の温度で行なわれる。
(4)シリル基の脱保護反応は、例えば、水と混和しうる有機溶媒(テトラヒドロフラン、アセトニトリル等)中、テトラブチルアンモニウムフルオライドを用いて、0〜40℃の温度で行なわれる。
(5)金属を用いた脱保護反応は、例えば、酸性溶媒(酢酸、pH4.2〜7.2の緩衝液またはそれらの溶液とテトラヒドロフラン等の有機溶媒との混合液)中、粉末亜鉛の存在下、必要であれば超音波をかけながら、0〜40℃の温度で行なわれる。
(6)金属錯体を用いる脱保護反応は、例えば、有機溶媒(ジクロロメタン、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、アセトニトリル、ジオキサン、エタノール等)、水またはそれらの混合溶媒中、トラップ試薬(水素化トリブチルスズ、トリエチルシラン、ジメドン、モルホリン、ジエチルアミン、ピロリジン等)、有機酸(酢酸、ギ酸、2−エチルヘキサン酸等)および/または有機酸塩(2−エチルヘキサン酸ナトリウム、2−エチルヘキサン酸カリウム等)の存在下、ホスフィン系試薬(トリフェニルホスフィン等)の存在下または非存在下、金属錯体(テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)、二塩化ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、酢酸パラジウム(II)、塩化トリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム(I)等)を用いて、0〜40℃の温度で行なわれる。
また、上記以外にも、例えば、T. W. Greene, Protective Groups in Organic Synthesis, Wiley, New York, 1999に記載された方法によって、脱保護反応を行なうことができる。
カルボキシル基の保護基としては、例えばメチル基、エチル基、アリル基、t−ブチル基、トリクロロエチル基、ベンジル(Bn)基、フェナシル基、p−メトキシベンジル基、トリチル基、2−クロロトリチル基またはそれらの構造が結合した固相担体等が挙げられる。
水酸基の保護基としては、例えば、メチル基、トリチル基、メトキシメチル(MOM)基、1−エトキシエチル(EE)基、メトキシエトキシメチル(MEM)基、2−テトラヒドロピラニル(THP)基、トリメチルシリル(TMS)基、トリエチルシリル(TES)基、t−ブチルジメチルシリル(TBDMS)基、t−ブチルジフェニルシリル(TBDPS)基、アセチル(Ac)基、ピバロイル基、ベンゾイル基、ベンジル(Bn)基、p−メトキシベンジル基、アリルオキシカルボニル(Alloc)基、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル(Troc)基等が挙げられる。
アミノ基の保護基としては、例えばベンジルオキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル(Alloc)基、1−メチル−1−(4−ビフェニル)エトキシカルボニル(Bpoc)基、トリフルオロアセチル基、9−フルオレニルメトキシカルボニル基、ベンジル(Bn)基、p−メトキシベンジル基、ベンジルオキシメチル(BOM)基、2−(トリメチルシリル)エトキシメチル(SEM)基等が挙げられる。
チオール基の保護基としては、例えばベンジル基、メトキシベンジル基、メトキシメチル(MOM)基、2−テトラヒドロピラニル(THP)基、ジフェニルメチル基、アセチル(Ac)基が挙げられる。
カルボキシル基、水酸基、アミノ基、またはチオール基の保護基としては、上記した以外にも容易にかつ選択的に脱離できる基であれば特に限定されない。例えば、T. W. Greene, Protective Groups in Organic Synthesis, Wiley, New York, 1999に記載されたものが用いられる。
当業者には容易に理解できることではあるが、これらの脱保護反応を使い分けることにより、目的とする本発明化合物を容易に製造することができる。
一般式(II)で示される化合物は、公知であるか、あるいは公知の方法、例えば、「Comprehensive Organic Transformations:A Guide to Functional Group Preparations 2nd Edition(Richard C. Larock, John Wiley & Sons Inc, 1999)」に記載された方法を用いることにより容易に製造することができる。例えば、6−フルオロ−2,3−ジヒドロ−4H−クロメン−4−オンは、アルドリッチ社から購入することができる(カタログ番号36,499-1)。
一般式(III)で示される化合物は、公知であるか、あるいは公知の方法、例えば、「Comprehensive Organic Transformations:A Guide to Functional Group Preparations 2nd Edition(Richard C. Larock, John Wiley & Sons Inc, 1999)」に記載された方法を用いることにより容易に製造することができる。例えば、2−チオキソ−1,3−チアゾリジン−4−オンは、アルドリッチ社から購入することができる(カタログ番号11,819-2)。
本明細書中の各反応において、加熱を伴なう反応は、当業者にとって明らかなように、水浴、油浴、砂浴またはマイクロウェーブを用いて行なうことができる。
本明細書中の各反応において、適宜、高分子ポリマー(例えば、ポリスチレン、ポリアクリルアミド、ポリプロピレン、ポリエチレングリコール等)に担持させた固相担持試薬を用いてもよい。
本明細書中の各反応において、反応生成物は通常の精製手段、例えば、常圧下または減圧下における蒸留、シリカゲルまたはケイ酸マグネシウムを用いた高速液体クロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー、イオン交換樹脂、スカベンジャー樹脂あるいはカラムクロマトグラフィーまたは洗浄、再結晶などの方法により精製することができる。精製は各反応ごとに行なってもよいし、いくつかの反応終了後に行なってもよい。
[毒性]
一般式(I)で示される本発明化合物の毒性は非常に低いものであり、医薬として使用するために十分安全である。
[医薬品への適用]
一般式(I)で示される本発明化合物は、フォスファチジルイノシトール−3−キナーゼを阻害するので、例えば、消化器疾患、肝・胆道疾患、筋骨格・結合組織疾患、呼吸器疾患、耳鼻咽喉疾患、皮膚疾患、ガン細胞の転移浸潤や増殖の疾患、血栓性疾患、免疫・アレルギー疾患、神経疾患、循環器疾患、泌尿生殖器疾患等の予防および/または治療剤として有用である。
より具体的には、消化器疾患としては、例えば、炎症性腸疾患(例えば、潰瘍性大腸炎、クローン病など)、急性膵炎、慢性膵炎、痔瘻、肛門直腸膿瘍、直腸炎等が挙げられる。肝・胆道疾患としては、例えば、慢性肝炎等が挙げられる。筋骨格・結合組織疾患としては、例えば、関節炎、慢性関節リウマチ、変形性関節症(例えば、乾癬性関節症など)等が挙げられる。呼吸器疾患としては、例えば、喘息、慢性閉塞性肺疾患、成人呼吸窮迫症候群等が挙げられる。耳鼻咽喉疾患としては、例えば、滲出性中耳炎等が挙げられる。皮膚疾患としては、例えば、アトピー性皮膚炎、乾癬、接触性皮膚炎等が挙げられる。免疫・アレルギー疾患としては、例えば、アレルギー性結膜炎、アレルギー性鼻炎、移植に対する拒絶、自己免疫疾患等が挙げられる。神経疾患としては、例えば、多発性硬化症、脳血管障害等が挙げられる。循環器疾患としては、例えば、動脈硬化、再狭窄、狭心症、心筋梗塞、虚血性疾患、敗血症(多臓器不全)等が挙げられる。泌尿生殖器疾患としては、例えば、腎炎等が挙げられる。
一般式(I)で示される本発明化合物は、1)その化合物の予防および/または治療効果の補完および/または増強、2)その化合物の動態・吸収改善、投与量の低減、および/または3)その化合物の副作用の軽減のために他の薬剤と組み合わせて、併用剤として投与してもよい。
一般式(I)で示される本発明化合物と他の薬剤の併用剤は、1つの製剤中に両成分を配合した配合剤の形態で投与してもよく、また別々の製剤にして投与する形態をとってもよい。この別々の製剤にして投与する場合には、同時投与および時間差による投与が含まれる。また、時間差による投与は、一般式(I)で示される本発明化合物を先に投与し、他の薬剤を後に投与してもよいし、他の薬剤を先に投与し、一般式(I)で示される本発明化合物を後に投与してもよい。それぞれの投与方法は同じでも異なっていてもよい。
上記併用剤により、予防および/または治療効果を奏する疾患は特に限定されず、一般式(I)で示される本発明化合物の予防および/または治療効果を補完および/または増強する疾患であればよい。
一般式(I)で示される本発明化合物の炎症性腸疾患に対する予防および/または治療効果の補完および/または増強のための他の薬剤としては、例えば、ステロイド薬、エラスターゼ阻害薬、カンナビノイド−2受容体刺激薬、プロスタグランジン類、プロスタグランジン合成酵素阻害薬、ホスホジエステラーゼ阻害薬、メタロプロテイナーゼ阻害薬、接着分子阻害薬、抗サイトカイン性蛋白質製剤、抗サイトカイン薬、免疫抑制薬、免疫調節薬、ロイコトリエン受容体拮抗薬、5−リポキシゲナーゼ阻害薬、一酸化窒素合成酵素(NOS)阻害薬、インターロイキン−8拮抗薬、ポリ(ADP−リボース)ポリメラーゼ(PARP)阻害薬、抗酸化薬、防御因子増強薬、メサラジン、サラゾスルファピリジン、TNFα拮抗薬、ケモカイン受容体拮抗薬、増殖因子製剤等が挙げられる。
一般式(I)で示される本発明化合物の慢性関節リウマチに対する予防および/または治療効果の補完および/または増強のための他の薬剤としては、例えば、非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)、ステロイド薬、疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARDs)、軟骨保護薬、免疫抑制薬、消炎酵素薬、プロスタグランジン合成酵素阻害薬、プロスタグランジン類、ホスホジエステラーゼ阻害薬、メタロプロテイナーゼ阻害薬、エラスターゼ阻害薬、NF−κB阻害薬、T細胞活性抑制薬、インターフェロンγ作動薬、カンナビノイド−2受容体刺激薬、キナーゼ阻害薬、ケモカイン阻害薬、抗サイトカイン性蛋白質製剤、抗サイトカイン薬、接着分子阻害薬、血管形成阻害剤等が挙げられる。
一般式(I)で示される本発明化合物の乾癬に対する予防および/または治療効果の補完および/または増強のための他の薬剤としては、例えば、ステロイド薬、ビタミンD3製剤、エトレチナート、ケモカイン受容体拮抗薬、接着分子阻害剤、p38MAPキナーゼ阻害剤、抗サイトカイン性蛋白製剤および阻害剤、免疫抑制剤、免疫調節薬、血管形成阻害剤等が挙げられる。
ステロイド薬としては、例えば、アムシノニド(Amcinonide)、コハク酸ヒドロコルチゾンナトリウム(HydrocortisoneSodiumSuccinate)、コハク酸プレドニゾロンナトリウム(PrednisoloneSodiumSuccinate)、コハク酸メチルプレドニゾロンナトリウム(Methylprednisolonesodiumsuccinate)、シクレソニド(Ciclesonide)、ジフルプレドナート(Difluprednate)、ジプロピオン酸ベタメタゾン(BetamethasoneDipropionate)、デキサメタゾン(Dexamethasone)、デキサメタゾンパロミチオネート(Dexamethasone)、デフラザコート(Deflazacort)、トリアムシノロン(Triamcinolone)、トリアムシノロンアセトニド(Triamcinoloneacetonide)、ハルシノニド(Halcinonide)、パルミチン酸デキサメタゾン(Dexamethasonepalmitate)、ヒドロコルチゾン(Hydrocortisone)、ピバル酸フルメタゾン(FlumetasonePivalate)、ブチル酢酸プレドニゾロン(Prednisolonebutylacetate)、ブデソニド(Budesonide)、プラステロンスルホネート(Prasteronesulfonate)、フランカルボン酸モメタゾン(MometasoneFuroate)、フルオシノニド(Fluocinonide)、フルオシノロンアセトニド(FluocinoloneAcetonide)、フルドロキシコルチド(Fludroxycortide)、フルニソリド(Flunisolide)、プレドニゾロン(Prednisolone)、プロピオン酸アルクロメタゾン(Alclometasonedipropionate)、プロピオン酸クロベタゾール(Clobetasolpropionate)、プロピオン酸デキサメタゾン(Dexamethasonepropionate)、プロピオン酸デプロドン(Deprodonepropionate)、プロピオン酸フルチカゾン(Fluticasonepropionate)、プロピオン酸ベクロメタゾン(Beclometasonedipropionate)、ベタメタゾン(Betamethasone)、メチルプレドニゾロン(Methylprednisolone)、メチルプレドニゾロンスレプタネート(Methylprednisolonesuleptanate)、メチルプレドニゾロンナトリウムスクシネート(Methylprednisolonesodiumsuccinate)、モメタゾンフランカルボネート(Mometasonefuroate)、リン酸デキサメタゾンナトリウム(DexamethasoneSodiumPhosphate)、リン酸ヒドロコルチゾンナトリウム(HydrocortisoneSodiumPhosphate)、リン酸プレドニゾロンナトリウム(Prednisolonesodiumphosphate)、吉草酸ジフルコルトロン(Diflucortolonevalerate)、吉草酸デキサメタゾン(DexamethasoneValerate)、吉草酸ベタメタゾン(BetamethasoneValerate)、吉草酸酢酸プレドニゾロン(PrednisoloneValerate-Acetate)、酢酸コルチゾン(Cortisoneacetate)、酢酸ジフロラゾン(Diflorasonediacetate)、酢酸デキサメタゾン(Dexamethasoneacetate)、酢酸トリアムシノロン(Triamcinoloneacetate)、酢酸パラメサゾン(Paramethasonacetate)、酢酸ハロプレドン(HalopredoneAcetate)、酢酸フルドロコルチゾン(Fludrocortisoneacetate)、酢酸プレドニゾロン(Prednisoloneacetate)、酢酸メチルプレドニゾロン(Methylprednisoloneacetate)、酪酸クロベタゾン(Clobetasonebutyrate)、酪酸ヒドロコルチゾン(HydrocortisoneButyrate)、酪酸プロピオン酸ヒドロコルチゾン(HydrocortisoneButyratePropionate)、酪酸プロピオン酸ベタメタゾン(Betamethasonebutyratepropionate)、ST−126P等が挙げられる。
エラスターゼ阻害薬としては、例えば、ONO−5046、ONO−6818、MR−889、PBI−1101、EPI−HNE−4、R−665、ZD−0892、ZD−8321、GW−311616、DMP−777、L−659286、L−658758、L−680833、L−683845、AE−3763等が挙げられる。
プロスタグランジン類としては、例えば、PG受容体アゴニスト、PG受容体アンタゴニスト等が挙げられる。
プロスタグランジン合成酵素阻害薬としては、例えば、4−アミノサリチル酸(4-Aminosalicylicacid)、インドメタシン(Indometacin)、オーラノフィン(Auranofin)、オキサプロジン(Oxaprozin)、オサラジン(Olsalazine)、ケトプロフェン(Ketoprofen)、サラゾスルファピリジン(Salazosulfapyridine)、ザルトプロフェン(Zaltoprofen)、ジフェンピラミド(Diphenpyramide)、トロピンインドメタシネート(Tropineindometacinate)、パーサルミド(Parsalmide)、ピプロキセン(Piproxen)、ピロキシカム(Piroxicam)、ピロキシカムシンナメート(Piroxicamcinnamate)、ピロキシカムベータデックス(Piroxicambetadex)、プラノプロフェン(Pranoprofen)、フルノキサプロフェン(Flunoxaprofen)、フルルビプロフェン(Flurbiprofen)、メサラジン(Mesalazine)、メロキシカム(Meloxicam)、ロキソプロフェン(Loxoprofen)、ロルノキシカム(Lornoxicam)、JTE−522等が挙げられる。
ホスホジエステラーゼ阻害薬としては、例えば、シロミラスト(Cilomilast)(商品名アリフロ,Ariflo)、ロフルミラスト(Roflumilast)(BY−217)、アロフィリン(Arofylline)、OPC−6535、ONO−6126、IC−485、AWD−12−281、CC−10004、CC−1088、KW−4490、Iirimilast、ZK−117137、YM−976、BY−61−9987、CC−7085、CDC−998、MEM−1414、ND−1251、Bay19−8004、D−4396、PD−168787、アチゾラム(Atizoram)(CP−80633)、シパムフィリン(Cipamfylline)(BRL−61063)、ロリプラム(Rolipram)、NIK−616、SCH−351591、V−11294A等が挙げられる。
接着分子阻害薬としては、例えば、α4インテグリン拮抗薬等が挙げられる。
抗サイトカイン性蛋白質製剤としては、例えば、抗TNF−α製剤、抗IL−1製剤、抗IL−6製剤等が挙げられる。
抗サイトカイン薬としては、例えば、TNFα阻害薬、IL−1阻害薬、IL−6阻害薬等が挙げられる。
免疫抑制薬としては、例えば、アザチオプリン、アスコマイシン、エベロリムス、オルソクローンOKT3、コルチコステロイド、サラゾスルファピリジン、シクロスポリン、シクロフォスファミド、シロリムス、タクロリムス水和物、デオキシスパーガリン、ブシラミン、プレドニゾロン、ミコフェノール酸モフェチル、ミゾリビン、メチルプレドニゾロン、メトトレキサート、レフルノミド、抗ヒトリンパ球グロブリン等が挙げられる。
免疫調節薬としては、例えば、LFA3/IgG1ヒト化抗体融合蛋白等が挙げられる。
ロイコトリエン受容体拮抗薬としては、例えば、プランルカスト水和物(Pranlukasthydrate)、モンテルカストナトリウム(Montelukastsodium)、ザフィルルカスト(Zafirlukast)、アブルカスト(Ablukast)、ポビルカスト(Pobilukast)、スルカスト(Sulukast)、イラルカストナトリウム(Iralukastsodium)、ベルルカスト(Verlukast)、リトルカスト(Ritolukast)、シナルカスト(Cinalukast)、ピロドマスト(Pirodomast)、トメルカスト(Tomelukast)、ドクアラスト(Doqualast)、MK−571、LY−203647、WY−46016、WY−48422、WY−49353、WY−49451、RG−12553、MDL−43291、CGP−44044A、RG−14524、LY−287192、LY−290324、L−695499、RPR−105735B、WAY−125007、OT−4003、LM−1376、LY−290154、SR−2566、L−740515、LM−1453、CP−195494、LM−1484、CR−3465、L−648051、RG−12525、RG−7152、SK&F−106203、SR−2640、WY−50295、MCC−847、BAY−x−7195、CGP−44826、FK−011、YM−158、MEN−91507、KCA−757、RS−601、RS−635、S−36496、ZD−3523、DS−4574、AS−35、YM−57158、MCI826、NZ−107、4414−CERM、YM−16638、Wy−48252、Wy−44329、Wy−48090、VUF−4679、SM−11044、SC−39070、OT−3473、N−2401、LY−243364、L−649923、DP−1934、YM−17551、Wy−47120、VUF−K−8707、SK&F−88046、SK&F−101132、SK&F−102922、LY−137617、LY−163443、LY−302905、L−647438、L−708738、KY−234、FPL−55712、CP−288886、S−36527、CS−615、MDL−19301D、SCH−40120、ZD−3705等が挙げられる。
抗酸化薬としては、例えば、エダラボン等が挙げられる。
防御因子増強薬としては、例えば、L−グルタミン(L-Glutamine)、アズレンスルホン酸ナトリウム(SodiumAzuleneSulfonate)、アセグルタミドアルミニウム(Aceglutamidealuminium)、アルギン酸ナトリウム(Sodiumalginate)、アルジオキサ(Aldioxa)、エカベトナトリウム(Ecabetsodium)、エグアレンナトリウム(Egualensodium)、エンプロスチル(Enprostil)、オルノプロスチル(Ornoprostil)、ゲファルナート(Gefarnate)、スクラルファート(Sucralfate)、スルピリド(Sulpiride)、ソファルコン(Sofalcone)、テプレノン(Teprenone)、トロキシピド(Troxipide)、プラウノトール(Plaunotol)、ポラプレジンク(Polaprezinc)、マレイン酸イルソグラジン(Irsogladinemaleate)、ミソプロストール(Misoprostol)、メチルメチオニンスルホニウムクロライド(Methylmethioninesulfoniumchloride)、リンゴ酸クレボプリド(CleboprideMalate)、レバミピド(Rebamipide)、塩酸セトラキサート(Cetraxatehydrochloride)、塩酸ベネキサートベータデクス(BenexateHydrochlorideBetadex)等が挙げられる。
ケモカイン受容体拮抗薬としては、例えば、CXCR3拮抗薬等が挙げられる。
非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)としては、例えば、アスピリン(Aspirin)、アスピリン・ダイアルミネート配合、アセメタシン(Acemetacin)、アルミノプロフェン(Alminoprofen)、アンピロキシカム(Ampiroxicam)、アンフェナクナトリウム(Amfenacsodium)、イブプロフェン(Ibuprofen)、イブプロフェンピコノール(Ibuprofenpiconol)、インドメタシン(Indometacin)、インドメタシンファルネシル(Indometacinfarnesil)、ウフェナマート(Ufenamate)、エトドラク(Etodolac)、エピリゾール(Epirizole)、エモルファゾン(Emorfazone)、オキサプロジン(Oxaprozin)、オキシフェンブタゾン(Oxyphenbutasone)、スリンダク(Sulindac)、ケトフェニルブタゾン(Ketophenylbutazon)、ケトプロフェン(Ketoprofen)、サザピリン(Sasapyrine)、サリチル酸ナトリウム(Sodiumsalicylate)、イソプロピルアンチピリン(Isopropylantipyrine)、ザルトプロフェン(Zaltoprofen)、ジクロフェナクナトリウム(Diclofenacsodium)、ジフルニサル(Diflunisal)、ジメチルイソプロピルアズレン(Dimethylisopropylazulene)、スプロフェン(Suprofen)、チアプロフェン酸(TiaprofenicAcid)、テノキシカム(Tenoxicam)、トルフェナム酸(Tolfenamicacid)、トルメチンナトリウム(Tolmetinsodium)、ナブメトン(Nabumetone)、ナプロキセン(Naproxen)、ピロキシカム(Piroxicam)、フェノプロフェンカルシウム(Fenoprofencalcium)、フェルビナク(Felbinac)、ナパゲルン軟膏(商品名)、フェンブフェン(Fenbufen)、ブフェキサマク(Bufexamac)、プラノプロフェン(Pranoprofen)、フルルビプロフェン(Flurbiprofen)、フルルビプロフェンアキセチル(Flurbiprofenaxetil)、フロクタフェニン(Floctafenine)、プログルメタシン(Proglumetacin)、マレイン酸プログルメタシン(Proglumetacinmaleate)、メフェナム酸(Mefenamicacid)、メフェナム酸アルミニウム、モフェゾラク(Mofezolac)、ロキソプロフェンナトリウム(Loxoprofensodium)、塩酸チアラミド(Tiaramidehydrochloride)、塩酸チノリジン(TinoridineHydrochloride)、スルピリン(Sulpyrine)、ミグレニン(Migrenin)、セデスG(商品名)、ソルボン(商品名)、サリドン(商品名)、アンピロ−N(商品名)、ピリン系感冒薬、アセトアミノフェン(Acetaminophen)、フェナセチン(Phenacetin)、メシル酸ジメトチアジン(Dimetotiazinemesilate)、シメトリド配合剤(Simetride)、非ピリン系感冒薬等が挙げられる。
疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARDs)としては、例えば、D−ペニシラミン製剤(D-penicillamine)、アクタリット(Actarit)、オーラノフィン(Auranofin)、サラゾスルファピリジン(Salazosulfapyridine)、ヒドロキシクロロキン(Hydroxychloroquine)、ブシラミン(Bucillamine)、メトトレキサート(Methotrexate)、レフルノミド(Leflunomide)、ロベンザリット二ナトリウム(Lobenzaritdisodium)、金チオグルコース(Aurothioglucose)、金チオリンゴ酸ナトリウム(Sodiumaurothiomalate)等が挙げられる。
軟骨保護薬としては、例えば、ヒアルロン酸ナトリウム(Sodiumhyaluronate)、グルコサミン(Glucosamine)、コンドロイチン硫酸(ChondroitinSulfate)、多硫酸グリコサミノグリカン(Glycosaminoglycan)等が挙げられる。
キナーゼ阻害薬としては、例えば、c−Jun N末端キナーゼ阻害薬、p38MAPK阻害薬等が挙げられる。
ケモカイン阻害薬としては、例えば、非ペプチド性低分子化合物、ケモカインレセプターに対する抗体等が挙げられる。
血管形成阻害剤としては、例えば、抗VEGF抗体等が挙げられる。
一般式(I)で示される化合物と他の薬剤の重量比は特に限定されない。
他の薬剤は、任意の2種以上を組み合わせて投与してもよい。
また、一般式(I)で示される化合物の予防および/または治療効果を補完および/または増強する他の薬剤には、上記したメカニズムに基づいて、現在までに見出されているものだけでなく今後見出されるものも含まれる。
本発明で用いる一般式(I)で示される化合物またはそれらの非毒性塩、または一般式(I)で示される化合物と他の薬剤の併用剤を上記の目的で用いるには、通常、全身的または局所的に、経口または非経口の形で投与される。
投与量は、年齢、体重、症状、治療効果、投与方法、処理時間等により異なるが、通常、成人一人あたり、1回につき、0.1mgから100mgの範囲で、1日1回から数回経口投与されるか、または成人一人あたり、1回につき、0.1mgから100mgの範囲で、1日1回から数回非経口投与(好ましくは、点鼻剤、点眼剤または軟膏剤)されるか、1日1時間から24時間の範囲で静脈内に持続投与されるか、または1日1回から5回の範囲で皮下に注射される。
経口投与の場合、投与量としては、好ましくは1mgから50mgであり、より好ましくは3mgから25mgであり、さらに好ましくは5mgから10mgである。
もちろん前記したように、投与量は、種々の条件によって変動するので、上記投与量より少ない量で十分な場合もあるし、また範囲を越えて必要な場合もある。
一般式(I)で示される本発明化合物、または一般式(I)で示される化合物と他の薬剤の併用剤を投与する際には、経口投与のための内服用固形剤、内服用液剤および、非経口投与のための注射剤、外用剤、坐剤、点眼剤、吸入剤等として用いられる。
経口投与のための内服用固形剤には、錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤等が含まれる。カプセル剤には、ハードカプセルおよびソフトカプセルが含まれる。また錠剤には舌下錠、口腔内貼付錠、口腔内速崩壊錠などが含まれる。
このような内服用固形剤においては、ひとつまたはそれ以上の活性物質はそのままか、または賦形剤(ラクトース、マンニトール、グルコース、微結晶セルロース、デンプン等)、結合剤(ヒドロキシルプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム等)、崩壊剤(繊維素グリコール酸カルシウム等)、滑沢剤(ステアリン酸マグネシウム等)、安定剤、溶解補助剤(グルタミン酸、アスパラギン酸等)等と混合され、常法に従って製剤化して用いられる。また、必要によりコーティング剤(白糖、ゼラチン、ヒドロキシルプロピルセルロース、ヒドロキシルプロピルメチルセルロースフタレート等)で被覆していてもよいし、また2以上の層で被覆していてもよい。さらにゼラチンのような吸収されうる物質のカプセルも包含される。
経口投与のための内服用液剤は、薬剤的に許容される水剤、懸濁剤・乳剤、シロップ剤、エリキシル剤等を含む。このような液剤においては、ひとつまたはそれ以上の活性物質が、一般的に用いられる希釈剤(精製水、エタノールまたはそれらの混液等)に溶解、懸濁または乳化される。さらにこの液剤は、湿潤剤、懸濁化剤、乳化剤、甘味剤、風味剤、芳香剤、保存剤、緩衝剤等を含有していてもよい。
非経口投与のための外用剤の剤形には、例えば、軟膏剤、ゲル剤、クリーム剤、湿布剤、貼付剤、リニメント剤、噴霧剤、吸入剤、スプレー剤、点眼剤、および点鼻剤等が含まれる。これらはひとつまたはそれ以上の活性物質を含み、公知の方法または通常使用されている処方により製造、調製される。
噴霧剤、吸入剤およびスプレー剤は、一般的に用いられる希釈剤以外に亜硫酸水素ナトリウムのような安定剤と等張性を与えるような緩衝剤、例えば塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウムあるいはクエン酸のような等張剤を含有していてもよい。スプレー剤の製造方法は、例えば米国特許第2,868,691号および同第3,095,355号に詳しく記載されている。また、エアゾル剤としても構わない。
非経口投与のための注射剤としては、溶液、懸濁液、乳濁液および用時溶剤に溶解または懸濁して用いる固形の注射剤を包含する。注射剤は、ひとつまたはそれ以上の活性物質を溶剤に溶解、懸濁または乳化させて用いられる。溶剤として、例えば注射用蒸留水、生理食塩水、植物油、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、エタノールのようなアルコール類等およびそれらの組み合わせが用いられる。さらにこの注射剤は、安定剤、溶解補助剤(グルタミン酸、アスパラギン酸、ポリソルベート80(登録商標)等)、懸濁化剤、乳化剤、無痛化剤、緩衝剤、保存剤等を含んでいてもよい。これらは最終工程において滅菌するか無菌操作法によって製造、調製される。また無菌の固形剤、例えば凍結乾燥品を製造し、その使用前に無菌化または無菌の注射用蒸留水または他の溶剤に溶解して使用することもできる。
非経口投与のためその他の組成物としては、ひとつまたはそれ以上の活性物質を含み、常法により処方される直腸内投与のための坐剤および腟内投与のためのペッサリー等が含まれる。
一般式(I)で示される本発明化合物は、フォスファチジルイノシトール−3−キナーゼを強力に阻害した。特にフォスファチジルイノシトール−3−キナーゼγを強力に阻害した。
一般式(I)で示される本発明化合物は、フォスファチジルイノシトール−3−キナーゼγを特異的に阻害し、他の酵素(例えば、フォスファチジルイノシトール−3−キナーゼα、フォスファチジルイノシトール−3−キナーゼβなど)に対する阻害作用が弱く、選択性に優れた化合物である。また、本発明化合物は、溶解性、吸収性に優れた化合物である。さらに、本発明化合物は、薬物代謝酵素の阻害作用が非常に弱い化合物である。これらは医薬品として開発するにあたり最も要求される物理的、化学的、薬理学的性質であり、本発明化合物は大変すぐれた医薬品となる条件を持ち合わせている[The Merck Manual of Diagnosis and Therapy (17th Ed), Merck & Co.出版]。
以下、実施例によって本発明を詳述するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
クロマトグラフィーによる分離の箇所およびTLCに示されるカッコ内の溶媒は、使用した溶出溶媒または展開溶媒を示し、割合は体積比を表わす。
NMRの箇所に示されているカッコ内の溶媒は、測定に使用した溶媒を示している。
本明細書で用いた命名法は、ACD/Name(登録商標)(バージョン6.00、Advanced Chemistry Development Inc.社製)に基づいて行なった。
実施例1
(5Z)−5−(6−フルオロ−2,3−ジヒドロ−4H−クロメン−4−イリデン)−2−チオキソ−1,3−チアゾリジン−4−オン
Figure 2006206498
6−フルオロ−2,3−ジヒドロ−4H−クロメン−4−オン(1.66g)、2−チオキソ−1,3−チアゾリジン−4−オン(1.33g)および酢酸アンモニウム(0.8g)の混合物に、酢酸(50mL)を加え、乾燥したモレキュラーシーブ3Aを充填したディーンスターク還流装置を装着して、180℃(油浴温度)で9時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却した後、反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を、液性がアルカリ性になるまでゆっくりと加えた。混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=1/0〜50/1)で精製して、以下の物性値を有する本発明化合物(380mg)を得た。
TLC:Rf 0.40(酢酸エチル:ヘキサン=1:4);
H−NMR(CDCl3):δ 3.53-3.67, 4.22-4.36, 6.90, 7.03-7.16, 7.20-7.32, 9.36。
薬理実験例
一般式(I)で示される本発明化合物がフォスファチジルイノシトール−3−キナーゼ阻害活性を有すること、特にフォスファチジルイノシトール−3−キナーゼγを選択的に阻害することは、以下の実験によって確認された。
一般式(I)で示される本発明化合物のフォスファチジルイノシトール−3−キナーゼγ阻害活性は、以下の実験によって確認された。
実験例1:フォスファチジルイノシトール−3−キナーゼγ阻害活性の測定
384穴プレートに、実施例1記載の本発明化合物(1.5%DMSO溶液、5μL)および、ヒトリコンビナントフォスファチジルイノシトール−3−キナーゼγ(9μg/mL、5μL、Alexsis社、カタログ番号201−055)溶液を添加し、室温にて20分間プレインキュベーションした。基質溶液(4mM MgCl、10mM NaCl、0.01%Tween 20、90μM ATPおよび90μM フォスファチジルイノシトール−4,5−二リン酸含有20mM Tris HCl Buffer pH7.4、5μL)を上記混合溶液に加えて酵素反応を開始し、室温にて30分間インキュベーションした。生成したフォスファチジルイノシトール−3,4,5−三リン酸量をAlphaScreen Assay Kit(Echelon社、カタログ番号K−1300)およびAlphaScreen GST Detection Kit(PerkinElmer Life Sciences社、カタログ番号6760603)を用いて測定し、実施例1記載の本発明化合物の阻害活性を算出し、50%阻害濃度(IC50値)を求めた。
この実験により、一般式(I)で示される本発明化合物は、フォスファチジルイノシトール−3−キナーゼγに対して、0.1μM以下のIC50値を有することが明らかとなった。すなわち、一般式(I)で示される本発明化合物の、フォスファチジルイノシトール−3−キナーゼγに対する阻害活性は非常に強いことが判った。
一般式(I)で示される本発明化合物のフォスファチジルイノシトール−3−キナーゼβ阻害活性は、以下の実験によって確認された。
実験例2:フォスファチジルイノシトール−3−キナーゼβ阻害活性の測定
384穴プレートに実施例1記載の本発明化合物(1.5%DMSO溶液、5μL)および、ヒトリコンビナントフォスファチジルイノシトール−3−キナーゼβ(6μg/mL、5μL、Upstate社、カタログ番号14−603)溶液を添加し、室温にて20分間プレインキュベーションした。基質溶液(4mM MgCl、10mM NaCl、0.01%Tween 20、120μM ATPおよび120μM フォスファチジルイノシトール−4,5−二リン酸含有20mM Tris HCl Buffer pH7.4、5μL)を上記混合溶液に加えて酵素反応を開始し、室温にて60分間インキュベーションした。生成したフォスファチジルイノシトール−3,4,5−三リン酸量をAlphaScreen Assay Kit(Echelon社、カタログ番号K−1300)およびAlphaScreen GST Detection Kit(PerkinElmer Life Sciences社、カタログ番号6760603)を用いて測定し、実施例1記載の本発明化合物の阻害活性を算出し、50%阻害濃度(IC50値)を求めた。
この実験により、一般式(I)で示される本発明化合物は、フォスファチジルイノシトール−3−キナーゼβに対して、10μM以上のIC50値を有することが明らかとなった。すなわち、一般式(I)で示される本発明化合物の、フォスファチジルイノシトール−3−キナーゼβに対する阻害活性は非常に弱いことが判った。
実験例1および実験例2より、一般式(I)で示される本発明化合物は、フォスファチジルイノシトール−3−キナーゼγを選択的に阻害し、フォスファチジルイノシトール−3−キナーゼβ阻害活性と十分に乖離した化合物であることが示された。
[製剤例]
製剤例1
以下の各成分を常法により混合した後打錠して、一錠中に10mgの活性成分を含有する錠剤1万錠を得た。
・(5Z)−5−(6−フルオロ−2,3−ジヒドロ−4H−クロメン−4−イリデン)−2−チオキソ−1,3−チアゾリジン−4−オン …… 100g
・カルボキシメチルセルロースカルシウム(崩壊剤) …… 20g
・ステアリン酸マグネシウム(潤滑剤) …… 10g
・微結晶セルロース …… 870g
製剤例2
以下の各成分を常法により混合した後、除塵フィルターでろ過し、5mlずつアンプルに充填し、オートクレーブで加熱滅菌して、1アンプル中20mgの活性成分を含有するアンプル1万本を得た。
・(5Z)−5−(6−フルオロ−2,3−ジヒドロ−4H−クロメン−4−イリデン)−2−チオキソ−1,3−チアゾリジン−4−オン …… 200g
・マンニトール …… 20g
・蒸留水 …… 50L
一般式(I)で示される本発明化合物は、フォスファチジルイノシトール−3−キナーゼを阻害するので、例えば、消化器疾患、肝・胆道疾患、筋骨格・結合組織疾患、呼吸器疾患、耳鼻咽喉疾患、皮膚疾患、ガン細胞の転移浸潤や増殖の疾患、血栓性疾患、免疫・アレルギー疾患、神経疾患、循環器疾患、泌尿生殖器疾患等の予防および/または治療剤として有用である。

Claims (11)

  1. フォスファチジルイノシトール−3−キナーゼγに対するIC50値が10−6M以下であり、かつフォスファチジルイノシトール−3−キナーゼγに対するIC50値がフォスファチジルイノシトール−3−キナーゼαおよび/またはβに対するIC50値の10分の1以下であるフォスファチジルイノシトール−3−キナーゼ阻害剤。
  2. 一般式(I)
    Figure 2006206498
    (式中、Rは水素原子または置換基を表わし、Xは酸素原子または酸化されていてもよい硫黄原子を表わし、Yは酸素原子または酸化されていてもよい硫黄原子を表わし、Zは酸素原子、酸化されていてもよい硫黄原子、−NH−または置換された窒素原子を表わし、
    Figure 2006206498
    は一重結合または二重結合で示される結合手を表わし、環Aは置換されていてもよい環状基を表わす。)で示される化合物、その塩、それらの溶媒和物、またはそれらのプロドラッグを含有してなる請求項1記載の剤。
  3. 環Aが二環式環状基である請求項2記載の剤。
  4. Figure 2006206498
    が二重結合で示される結合手である請求項2記載の剤。
  5. 化合物が一般式(I−1)
    Figure 2006206498
    (式中、環Aは少なくとも一つの酸素原子、酸化されていてもよい硫黄原子、−NH−または置換された窒素原子を含有する複素環を表わし、Rは置換基を表わし、mは0または1〜4の整数を表わし、その他の記号は請求項2と同じ意味を表わす。但し、mが2以上を表わす場合、それぞれのRは同一または異なっていてもよい。)、一般式(I−2)
    Figure 2006206498
    (式中、すべての記号は前記と同じ意味を表わす。)で示される化合物、またはそれらの混合物である請求項3記載の剤。
  6. 化合物が一般式(I−1−1)
    Figure 2006206498
    (式中、すべての記号は請求項2および請求項5と同じ意味を表わす。)、一般式(I−2−1)
    Figure 2006206498
    (式中、すべての記号は前記と同じ意味を表わす。)で示される化合物、またはそれらの混合物である請求項5記載の剤。
  7. 消化器疾患、筋骨格・結合組織疾患または皮膚疾患の予防および/または治療剤である請求項1記載の剤。
  8. 消化器疾患が炎症性腸疾患である請求項7記載の剤。
  9. 請求項2記載の一般式(I)で示される化合物、その塩、それらの溶媒和物、またはそれらのプロドラッグと、ステロイド薬、エラスターゼ阻害薬、カンナビノイド−2受容体刺激薬、プロスタグランジン類、プロスタグランジン合成酵素阻害薬、ホスホジエステラーゼ阻害薬、メタロプロテイナーゼ阻害薬、接着分子阻害薬、抗サイトカイン性蛋白質製剤、抗サイトカイン薬、免疫抑制薬、免疫調節薬、ロイコトリエン受容体拮抗薬、5−リポキシゲナーゼ阻害薬、一酸化窒素合成酵素阻害薬、インターロイキン−8拮抗薬、ポリ(ADP−リボース)ポリメラーゼ阻害薬、抗酸化薬、防御因子増強薬、メサラジン、サラゾスルファピリジン、TNFα拮抗薬、ケモカイン受容体拮抗薬、および増殖因子製剤から選択される少なくとも1種以上と組み合わせてなる医薬。
  10. フォスファチジルイノシトール−3−キナーゼγに対するIC50値が10−6M以下であり、かつフォスファチジルイノシトール−3−キナーゼγに対するIC50値がフォスファチジルイノシトール−3−キナーゼαおよび/またはβに対するIC50値の10分の1以下である化合物、その塩、それらの溶媒和物、またはそれらのプロドラッグの有効量を哺乳動物に投与することを特徴とするフォスファチジルイノシトール−3−キナーゼの阻害方法。
  11. フォスファチジルイノシトール−3−キナーゼγに対するIC50値が10−6M以下であり、かつフォスファチジルイノシトール−3−キナーゼγに対するIC50値がフォスファチジルイノシトール−3−キナーゼαおよび/またはβに対するIC50値の10分の1以下であるフォスファチジルイノシトール−3−キナーゼ阻害剤を製造するための化合物、その塩、それらの溶媒和物、またはそれらのプロドラッグの使用。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013049723A (ja) * 2012-12-10 2013-03-14 Sato Pharmaceutical Co Ltd トロキシピドを含有する胃粘膜障害治療剤

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