JP2007014119A - マグネットホルダおよびそれを用いたdcモータ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】マグネットホルダ30は、一定板厚を有し、断面が四角形の各辺18の一部を残しながら角部19を内側に押し潰した形状とした略ロ字形枠部31と、該略ロ字形枠部31の一側に任意数立設した対になっている柱状部32と、前記対になっている柱状部32の端部を連結した連結部33を有し、前記略ロ字形枠部31の前記角部19と前記対になっている柱状部32と前記連結部33により界磁マグネット21のための保持枠34を構成する。
【選択図】図1
Description
(1) 上記特許文献1の例では、外側が角形で内側が円弧状の界磁マグネットが上部モータフレームの角部に配置されている構成は必要な磁化特性を得ることができるため好ましい。しかし、モータフレームとロータの間には、ロータがスムーズな回転を行うために必要なエアーギャップのほかに、界磁マグネットが介在する。このように界磁マグネットが介在するため、ロータの軸中心から半径方向外側までの長さが界磁マグネットの半径方向厚さ分短くなる。その結果、ロータに巻回できる巻線の巻回数が少なくなり、ロータに生じるトルクがその分小さくなる。
(2) 上記特許文献2の例においても、上記特許文献1の例と同様に、モータフレーム101とロータの間には、必要なエアーギャップのほかに、界磁マグネット102が介在する。このため、同じく、ロータに生じるトルクが小さくなる。
(3) また、特許文献5の例は、磁石ホルダ203が環状部203bを備えることから、この磁石ホルダ203を収納するヨーク(図示省略:モータフレームに相当する)の形状は、断面環状に制限され、他の形状までは言及されていない。また、電機子と界磁用の永久磁石202との間に磁石カバー201が設けられ、この磁石カバー201の分だけ余分にエアーギャップ間隙を設ける必要があり、エアーギャップに基づき磁気特性が劣化するという影響がでる。
(4) 特許文献6の例は、リング状の樹脂製ホルダ301の円弧状剛性支持部303a、303bと、その円弧状剛性支持部303a、303bに立設した1対の支持片305で略U字状空間を形成し、その空間内にC字状マグネット302a,302bを支持させる。この例では、円弧状剛性支持部303a、303bに立設した棒状の支持片305でC字状マグネット302a,302bを支持しているので、C字状マグネット302a,302bが樹脂製ホルダ301の開口側から抜け落ちる不都合があり、両側の支持片305で支持されているので、振動により両支持部の間隔が変動しやすく、抜け落ちやすい。
モータフレーム断面が、一定板厚を有し、断面が四角形の各辺の一部を残しながら角部を内側に押し潰した形状のモータにおいて、トルクを大きくするために、回転体の磁気構成部(アマチュアコア)の外径を最大にするには、フレーム内面から回転に必要なエアーギャップのみを設けた状態で、アマチュアコアの外径を設定することが有効となる。
また、マグネットホルダは、角部を有するモータフレームの該角部に、界磁マグネットを精確に位置決め固定するために、モータフレームの内側面に密接する略ロ字形枠部に、連結部で連結した一対の柱状部を連設し、前記略ロ字形枠部と前記対になった柱状部と前記連結部により界磁マグネットの保持枠を構成する。具体的には、以下のようになる。
(1) マグネットホルダは、一定板厚を有し、断面が四角形の各辺の一部を残しながら角部を内側に押し潰した形状とした略ロ字形枠部と、該略ロ字形枠部の一側に任意数立設した対になっている柱状部と、前記対になっている柱状部の端部を連結した連結部を有し、前記略ロ字形枠部の前記角部と前記対になっている柱状部と前記連結部により界磁マグネットのための保持枠を構成したことを特徴とする。
(2) 上記(1)記載のマグネットホルダは、前記角部を内側に押し潰した形状を円弧状としたことを特徴とする。
(3) 上記(1)又は(2)記載のマグネットホルダは、一対の柱状部の間であって、前記略ロ字形枠部の前記角部および前記連結部の前記界磁マグネットと接し、前記保持枠を構成する部分の形状を、前記界磁マグネットの断面形状としたことを特徴とする。
(4) 上記(1)乃至(3)のいずれか1項記載のマグネットホルダは、前記界磁マグネットの断面形状として、内側をアマチュアコアとエアーギャップを介して対向する円弧に構成し、外側を断面が略ロ字形の各辺の一部を残しながら角部を内側に押し潰した形状に構成したことを特徴とする。
(5) 上記(1)乃至(4)のいずれか1項記載のマグネットホルダは、前記対になっている柱状部の断面形状の内側が、前記界磁マグネットの断面形状の内側の円弧形状と同じ径の円弧形状とし、前記柱状部の断面形状の外側が、前記界磁マグネットの断面形状の外側の形状の延長線として形成されていることを特徴とする。
(6) 上記(1)乃至(5)のいずれか1項記載のマグネットホルダは、隣り合う前記対になっている柱状部の間には、モータフレームの内側面と前記アマチュアコアの歯の半径方向最外側面との間に形成される回転を維持するためのエアーギャップと、前記アマチュアコアの歯を配置したことを特徴とする。
(7) DCモータは、前記モータフレームは筒状部を有し、前記筒状部内に請求項1乃至6のいずれか1項記載のマグネットホルダを前記筒状部の内側面に接するように装着し、前記界磁マグネットを前記マグネットホルダの前記保持枠内に装着すると伴に前記モータフレームの内側面に接触させて配置したことを特徴とする。
(8) 上記(7)記載のDCモータは、前記マグネットホルダの連結部には、前記筒状部の開放端から端板部に向かって突出する係止凸部を突き合わせ状態に配置することにより前記連結部が半径方向外側のモータフレーム側に押圧されるテーパー面が形成され、前記モータフレームは前記筒状部と該筒状部の一端に前記端板部を有し、前記筒状部の開放端にはエンドブラケットを有し、前記マグネットホルダの前記略ロ字形枠部を前記端板部に当接し、前記連結部の前記テーパー面に前記エンドブラケットの係止凸部を突き合わせ状態に配置したことを特徴とする。
(9) 上記(7)又は(8)記載のDCモータは、一定板厚を有し、断面が四角形の各辺の一部を残しながら角部を内側に押し潰した形状の筒状部と、該筒状部の一方端に設けられた前記端板部を有する前記モータフレームと、前記係止凸部を有し前記筒状部の開放端に装着された前記エンドブラケットと、断面が内側に円弧面を有し外側を前記モータフレームに密着させた形状の前記界磁マグネットと、電機子巻線を備え、前記モータフレーム内に回転自在に配置されたロータを備え、前記界磁マグネットはそれぞれ相互に離間して前記角部に設けられ、前記モータフレームの前記界磁マグネット間の前記辺と前記アマチュアコアの半径方向最外側面との間に前記アマチュアコアの回転に必要な最小限の前記エアーギャップのみを形成するように前記モータフレームに対し前記アマチュアコアと前記界磁マグネットを構成したDCモータにおいて、前記モータフレーム内に装着する前記マグネットホルダを請求項7又は8のように構成したことを特徴とする。
(10) 上記(1)乃至(9)記載のいずれか1項記載のDCモータは、前記界磁マグネットと前記マグネットホルダを相互に異なる材料で一体成形したことを特徴とする。
(11) 上記(1)乃至(9)記載のいずれか1項記載のDCモータは、前記マグネットホルダを前記界磁マグネットと同じ材料で一体成形したことを特徴とする。
(1) 略ロ字形のマグネットホルダを用いて界磁マグネットをモータフレームの所定位置、特に角部に位置決め固定することができるので、界磁マグネットの位置決め固定が容易且つ正確に行うことができる。
(2) モータフレームとアマチュアコアは、モータフレームとアマチュアコアの歯の最外側との間に回転の維持に必要なエアーギャップのみを形成する程度にアマチュアコアの形状を大きくできるので、巻回数も多くなり、従って発生トルクも大きくすることができる。
(3) マグネットホルダの連結部の係止凹部は、そのテーパー面に、モータ組立時に、エンドブラケットの係止凸部を押し付けるように配置することにより、連結部および柱状部をモータフレームに密接させることができ、従って、保持部に保持されている界磁マグネットを正確に位置決め固定することができる。
(4) 略ロ字形枠部の角部と一対の柱状部と連結部によりマグネットの保持枠を構成したので、モータフレームに対する保持枠の位置決め固定が正確且つ容易に行うことができる。
(5) 従来の円筒形フレームの場合には、磁石の回転方向の厚み変化は、一定厚で変わらないため、界磁用の磁石に必要とされるsin波状磁化曲線が得られない。本発明の界磁マグネットの形状は、回転方向の厚み変化が、モータフレームの角部に配置される部分の厚みが他の部分と比べて最も厚く形成されているので、界磁用の磁石に必要とされるsin波状磁化曲線が得られる。
(6) 本発明のマグネットホルダは、特許文献6の支持部に相当する、柱状部の両端をそれぞれ略ロ字形枠部と連結部により連結しているので、支持したマグネットが抜け落ちなくなる。
(7) 本発明は、界磁マグネットとマグネットホルダを一体成形した構成とするので、
界磁マグネットとマグネットホルダは別材料とすることができるので、材料選択の幅が拡がり、そのため、寸法精度およびその寸法精度に起因した各種特性が向上する。また、組立が容易になる。また、界磁マグネットとマグネットホルダの間のがたつきが無くなり、振動にも強くなり、寸法精度が格段に良くなり、製造が容易になる。
図1(a)はシャフトの長さ方向に切断した断面図であり、図1(a)中、A−A線からB−B線までの間は図1(b)のD−D線で切った断面図、B−B線からC−C線までの間は図1(c)のE−E線で切った断面図、C−C線からエンドブラケットまでの間は図1(d)のF−F線で切った断面図である。
図1(b)は図1(a)のA−A断面図、図1(c)は図1(a)のB−B断面図、図1(d)は図1(a)のC−C断面図である。
マグネットホルダ30は、合成樹脂製で、半径方向には、モータフレーム10の筒状部20の内側に密着するように形成され、シャフト2方向には、端板部11とエンドブラケット13に当接するように構成される。
マグネットホルダ30は、シャフト2方向に一定厚さを有する略ロ字形枠部31の一方側に、対になった柱状部32を四対モータフレーム10の筒状部20の面に沿うように平行に立設し、対になった柱状部32間を連結部33で連結する。
略ロ字形枠部31は、一定板厚を有し、断面が四角形の各辺31aの一部(大略、中央部分)を残しながら角部31bを内側(略ロ字形枠部31の内部方向)に押し潰した形状(例えば、変則環状、筒状)に形成されている。略ロ字形としたのは、前記「断面が略ロ字形の各辺の一部を残しながら角部を内側に押し潰した形状」が図1の例の他に図4の例も含むことから、角部の形状が円弧または直線で形成される例も含むように定義した。
略ロ字形枠部31は、中空枠体で、四角形の各辺31aの中央部をそのまま辺として残し、該辺31aの中央部を残し両側の角部31bを内側に押し潰した形状を有する略ロ字形体又は筒状体として形成する。
なお、巻線は図示省略してある。
マグネットホルダの形状は、実施例1の場合の角部の数、辺の数、柱状部の数、連結部の数を2倍にした構成をとる。界磁マグネット21gは実施例1の場合の2倍の数がマグネットホルダの1対の柱状部32d内に収納保持される。
(1)界磁マグネットとマグネットホルダを別材料で一体成形する製造方法では、予め界磁マグネットを所定形状に成形しておき、その界磁マグネットを樹脂成形装置の型枠内に位置決め固定し、マグネットホルダの材料を型枠内に注入し、マグネットホルダを成形すると共にその保持枠内に界磁マグネットを装着した構成に成形する。この場合、界磁マグネットとマグネットホルダは別材料とすることができるので、材料選択の幅が拡がり、そのため、寸法精度およびその寸法精度に起因した各種特性が向上する。また、組立が容易になる。
(2)界磁マグネットとマグネットホルダを同じ材料で一体成形する製造方法では、界磁マグネットとマグネットホルダの型枠を有する樹脂成形装置の型枠内に、界磁マグネットの材料を注入し、界磁マグネットとマグネットホルダを同時に形成する。界磁マグネットの材料としては、ネオジム(Nd−Fe−B)ボンド磁石等の材料を用いる。この製造方法は、マグネットホルダの材料が界磁マグネットの材料に制限されることがあるが、しかし、界磁マグネットとマグネットホルダの間のがたつきが無くなり、振動にも強くなり、寸法精度が格段に良くなり、製造が容易になる。
2 シャフト
3 アマチュアコア
4 歯
5 スロット
6 電機子巻線
7 バリスタ
8 整流子片
9 整流子ユニット
10、10d、10e モータフレーム
10a 内側面
11 端板部
12、14 軸受
13 エンドブラケット
13b 係止凸部
15 ネジ孔
16 ブラシ
17 端子
18、18d、18e 辺
19、19d、19e 角部
20 筒状部
21、21c、21d,21e、21f、21g、21h 界磁マグネット
21a 円弧面
21b 連結面
30 マグネットホルダ
31 略ロ字形枠部
31a 辺
31b 角部
32、32d、32e 柱状部
33、33c、33d、33e、33f 連結部
33a 係止凹部
33b テーパー面
34 保持枠
G エアーギャップ
Claims (11)
- 一定板厚を有し、断面が四角形の各辺の一部を残しながら角部を内側に押し潰した形状とした略ロ字形枠部と、該略ロ字形枠部の一側に任意数立設した対になっている柱状部と、前記対になっている柱状部の端部を連結した連結部を有し、前記略ロ字形枠部の前記角部と前記対になっている柱状部と前記連結部により界磁マグネットのための保持枠を構成したことを特徴とするマグネットホルダ。
- 前記角部を内側に押し潰した形状を円弧状としたことを特徴とする請求項1記載のマグネットホルダ。
- 一対の柱状部の間であって、前記略ロ字形枠部の前記角部および前記連結部の前記界磁マグネットと接し、前記保持枠を構成する部分の形状を、前記界磁マグネットの断面形状としたことを特徴とする請求項1又は2記載のマグネットホルダ。
- 前記界磁マグネットの断面形状は、内側をアマチュアコアとエアーギャップを介して対向する円弧に構成し、外側を断面が略ロ字形の各辺の一部を残しながら角部を内側に押し潰した形状に構成したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のマグネットホルダ。
- 前記対になっている柱状部の断面形状の内側が、前記界磁マグネットの断面形状の内側の円弧形状と同じ径の円弧形状とし、前記柱状部の断面形状の外側が、前記界磁マグネットの断面形状の外側の形状の延長線として形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載のマグネットホルダ。
- 隣り合う前記対になっている柱状部の間には、モータフレームの内側面と前記アマチュアコアの歯の半径方向最外側面との間に形成される回転を維持するためのエアーギャップと、前記アマチュアコアの歯を配置したことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載のマグネットホルダ。
- 前記モータフレームは筒状部を有し、前記筒状部内に請求項1乃至6のいずれか1項記載のマグネットホルダを前記筒状部の内側面に接するように装着し、前記界磁マグネットを前記マグネットホルダの前記保持枠内に装着すると共に前記モータフレームの内側面に接触させて配置したことを特徴とするDCモータ。
- 前記マグネットホルダの連結部には、前記筒状部の開放端から端板部に向かって突出する係止凸部を突き合わせ状態に配置することにより前記連結部が半径方向外側のモータフレーム側に押圧されるテーパー面が形成され、前記モータフレームは前記筒状部と該筒状部の一端に前記端板部を有し、前記筒状部の開放端にはエンドブラケットを有し、前記マグネットホルダの前記略ロ字形枠部を前記端板部に当接し、前記連結部の前記テーパー面に前記エンドブラケットの係止凸部を突き合わせ状態に配置したことを特徴とする請求項7記載のDCモータ。
- 一定板厚を有し、断面が四角形の各辺の一部を残しながら角部を内側に押し潰した形状の筒状部と、該筒状部の一方端に設けられた前記端板部を有する前記モータフレームと、前記係止凸部を有し前記筒状部の開放端に装着された前記エンドブラケットと、断面が内側に円弧を有し外側を前記モータフレームに密着させた形状の前記界磁マグネットと、電機子巻線を備え、前記モータフレーム内に回転自在に配置されたロータを備え、前記界磁マグネットはそれぞれ相互に離間して前記角部に設けられ、前記モータフレームの前記界磁マグネット間の前記辺と前記アマチュアコアの半径方向最外側面との間に前記アマチュアコアの回転に必要な最小限の前記エアーギャップのみを形成するように前記モータフレームに対し前記アマチュアコアと前記界磁マグネットを構成したDCモータにおいて、前記モータフレーム内に装着する前記マグネットホルダを請求項7又は8のように構成したことを特徴とする請求項7又は8記載のDCモータ。
- 前記界磁マグネットと前記マグネットホルダを相互に異なる材料で一体成形したことを特徴とする請求項7乃至9のいずれか1項記載のDCモータ。
- 前記マグネットホルダを前記界磁マグネットと同じ材料で一体成形したことを特徴とする請求項7乃至9のいずれか1項記載のDCモータ。
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