JP2007013750A - バンドパスフィルタ - Google Patents

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Abstract

【課題】求められる機能をより簡易な処理で実現することを可能とするバンドパスフィルタの提供。
【解決手段】入力信号xから特定周波数の成分を抽出し、その抽出した特定周波数成分の位相特性を任意に設定できるようにされるバンドパスフィルタについて、制御対象機器について計測して得られる周波数Ωと任意に設定される位相指令αを入力とし、下記数式33におけるz−nの各係数を求めるフィルタ係数算出手段20を設ける。そしてこのフィルタ係数算出手段で求めた各係数をフィルタ係数FC1〜FC4として用いることで、数33式を伝達関数とするバンドパスフィルタを実現する。
【数33】
Figure 2007013750

【選択図】図1

Description

本発明は、バンドパスフィルタに係わり、特に入力信号から抽出した特定周波数域の位相特性を任意に設定することができ、例えば磁気軸受装置や光ディスクあるいは磁気ディスクなどのように回転要素を有する装置や機器の制御系などに好適な位相可変形のバンドパスフィルタに関する。
磁気軸受装置や光ディスクあるいは磁気ディスクなどのように回転要素を有する装置や機器においては、その回転要素の回転に伴う不つりあい振動により、制御系が外乱を受ける。この外乱を抑制するためには、外乱周波数に対する制御剛性を上げることが有効であり、それを実現するために狭帯域のバンドパスフィルタが用いられる。また、機械系の固有振動モードが流体力や他の何らかの理由で自励振動を起こした場合、その自励振動数成分を強調してフィードバック制御すると安定化できることが知られており、このような目的に対してもバンドパスフィルタは有効に用いられている。
バンドパスフィルタを用いた制御系としては、回転速度や自励振動周波数に一致する中心周波数をもつトラッキングフィルタを用い、磁気軸受などで支持された回転体の不つりあい振動や自励振動を防止する制御系が知られている(例えば特許文献1)。またトラッキングフィルタの位相を任意に変えることがきるようにしたトラッキングフィルタ付き制御回路も知られている(例えば特許文献2)。ここで、トラッキングフィルタとは、回転速度や外乱の周波数に追従することを意味しており、機能的にはバンドパスフィルタの一種である。これらの他に、例えば特許文献3にもバンドパスフィルタを用いる制御系の例が開示されている。
特許1929709号公報 特許3072994号公報 特許1289957号公報
特許文献1や特許文献2におけるトラッキングフィルタを実現するには、回転速度や自励振動と同じ周波数のsin波とcos波を生成し、回転座標変換とローパスフィルタ処理、さらに静止座標変換を施す必要がある。例として、特許文献2に開示される位相可変形トラッキングフィルタの回路構成を図7に示す。入力信号xから外部周波数Ωに同期した成分を抽出するために、PLL回路42により周波数Ωのsin波43aとcos波43bを生成し、これらを乗算器44a、44bで入力信号xと掛け算する。掛け算した結果は、ローパスフィルタ45a、45bを通され、これにより同期成分の振幅を求め、その振幅に、アドレスシフタ46で位相をαだけシフトしたsin波43cとcos波43dを掛け算することにより、入力信号x中の周波数Ωの信号成分だけによる直流信号uを得ることができる。この場合、後段で掛け算するsin波43cとcos波43dの位相指令αにより信号uに任意の位相を与えることができる。
上記の例のように、制御系で処理する信号から特定の周波数の成分を抽出し、それに任意の位相を与えることのできるトラッキングフィルタ(バンドパスフィルタ)を構成するには、外部信号に同期するsin波、cos波の関数生成や乗算処理、さらにはフィルタ処理が必要であり、それ相応に高い性能の信号処理が要求される。そのためフィルタの構造が複雑となり、それを用いる制御系にコストアップをもたらすことになっていた。
本発明は以上のような事情を背景なされたものであり、その目的は、求められる特性をより簡易な処理で実現することを可能とするバンドパスフィルタの提供にある。
上記目的のために本発明では、入力信号から特定周波数の成分を抽出し、その抽出した特定周波数成分の位相特性を任意に設定できるようにされ、機器の制御系などに用いられるバンドパスフィルタにおいて、制御対象機器について計測して得られる周波数Ωと任意に設定される位相指令αを入力とし、下記数式9〜数式12のいずれか1つの式におけるz−nの各係数をフィルタ係数として求めるフィルタ係数算出手段を備えていることを特徴としている。
Figure 2007013750
Figure 2007013750
Figure 2007013750
Figure 2007013750
だたし数9式〜数12式において、αは位相指令、kはゲインを設定するパラメータ、z−nはn(=1,2)サンプルだけ遅延する演算子、数9式と数10式におけるNは下記数13式で表され、数9式と数10式におけるDは下記数14式で表され、数11式と数12式におけるNは下記数15式で表され、数11式と数12式におけるDは下記数16式で表される。
Figure 2007013750
Figure 2007013750
Figure 2007013750
Figure 2007013750
ただし数13式〜数16式において、τは帯域幅を決定する時定数、Tはサンプリング時間である。
本発明によれば、sin波、cos波を使用することなく、バンドパス特性を得るとともに任意の位相を設定することができ、簡易な構造で目的の特性のバンドパスフィルタを実現することが可能となる。したがって、例えば回転体の不つりあい振動や自励振動を抑制するための制御系に本発明によるバンドパスフィルタを用いることで、その制御系の低コスト化が可能となる。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。本発明を実施するための形態の説明にあたって最初に、本発明によるバンドパスフィルタを構成する上での基本的な考え方について説明する。まず、次のような伝達関数で表されるアナログフィルタを考える。
Figure 2007013750
ここで、sはラプラスの演算子、jは純虚数、Ωはフィルタの中心周波数、αはフィルタの位相角を設定するためのパラメータ、kはフィルタのゲインを設定するパラメータである。またτは、フィルタの時定数であり、フィルタの帯域幅を決定するパラメータである。数17式にs=jωを代入すると、周波数ωに対する周波数特性を求めることができる。容易にわかるように、数17式は、周波数s=jΩにて、ゲインk、位相角αとなるバンドパスフィルタを表す。このフィルタは、係数が複素数であるので、s=−jΩに対しては通過特性を示さない。つまり、周波数の符号を識別する機能を有する。周波数の符号は、正の場合は前向きの振れ回りに、負の場合は後ろ向きの振れ回りに対応するので、数17式によるフィルタは、振動信号の前向きと後ろ向きを区別するフィルタになっている。このようなフィルタは、回転体の不つりあい振動のように、ある方向に振れ回っている信号を抽出するのに都合がよい。ただし、振れ回り振動をとらえるためには、直交する2方向の信号が必要であり、1つを実軸に対応する信号として、もう1つを虚軸に対応する信号として扱う。また、信号の抽出には、振れ回り信号に対し回転座標変換を施して、振動振幅を求め、さらに静止座標変換を施すという手順が必要である。このようなフィルタを利用する例は上記特許文献3に開示されている。
数17式のような複素係数を有するフィルタは、ときに便利ではあるが、直交する2つの信号を必要とし、回転座標変換および静止座標変換という処理も容易ではない。そこで、1つの信号だけしか利用できない場合にも簡単に適用可能なように実係数のフィルタに拡張することを考える。数17式に加えて、次の様なアナログフィルタを考える。
Figure 2007013750
数18式を数17式と比較すると、s=0を軸として、対称な特性を持つことが分かる。すなわち、数17式で表されるフィルタが前向きの振れ回り信号を抽出するバンドバスフィルタであるのに対し、数18式で表されるフィルタは、後ろ向きの振れ回り信号を抽出するバンドパスフィルタとなっている。この数18式のフィルタを数17式のフィルタに並列に連結すると、前向き波と後ろ向き波を区別せずに抽出するフィルタを構成することができることになる。また、数17式と数18式は互いに複素共役な関係にあるので、並列に連結することで、結果として得られるフィルタの係数は実係数となる。
数17式と数18式のフィルタをデジタル処理で実現するためにs‐z変換を施すと次の数19式と数20式を得る。
Figure 2007013750
Figure 2007013750
ここで、z−1は1サンプルだけ遅延する演算子であり、Tはサンプリング時間である。またNは下記の数21式で表され、Dは下記の数22式で表される。
Figure 2007013750
Figure 2007013750
数21式と数22式を足し合わせると、複素数係数を実数化することができ、次のような式を得る。
Figure 2007013750
そしてこの数23式をそのままデジタルフィルタの伝達関数として扱うことにより、回転座標変換などを用いる必要のない簡易的な位相可変形バンドパスフィルタを実現することができる。
本発明では、以上のような考え方の下に、数23式におけるz−n(n=1,2)の各係数をフィルタ係数とすることにより数23式を伝達関数とするバンドパスフィルタを実現する。図1に、そのようにして実現されるバンドパスフィルタの第1の実施形態における構成を処理ブロック線図で示す。図1において、バンドパスフィルタの入力信号xは、まずフィルタ係数乗算器11にてフィルタ係数FC1を乗算されて加算器15の被加算信号となり、またフィルタ係数乗算器12にてフィルタ係数FC2を乗算されて加算器16の被加算信号となる。加算器15は、フィルタ係数FC1が掛かった入力信号xと1サンプル遅延器17の出力を加算し、信号uを出力する。この信号uは、最終的にゲイン設定器19によりk倍されて出力信号kuとなる。その一方で信号uは、所定の処理を経て1サンプル遅延器17にフィードバックされる。すなわち信号uは、フィルタ係数乗算器13にてフィルタ係数FC3を乗算されて加算器16に入力し、またフィルタ係数乗算器14にてフィルタ係数FC4を乗算されて1サンプル遅延器18に入力する。加算器16は、フィルタ係数FC2が掛かった入力信号xとフィルタ係数FC3が掛かった信号u、および1サンプル遅延器18の出力を加算し、その結果を1サンプル遅延器17に渡す。
フィルタ係数算出手段20は、例えば磁気軸受装置で支持される回転体の回転数などを検出して得られる周波数Ωと任意に設定される位相指令(位相進み指令または位相遅れ指令)αを入力としており、これらの入力信号から数23式におけるz−nの各係数、すなわち2Ncosα、−2Ncos(ΩTs−α)、2DcosΩTs、−D を求め、これらをフィルタ係数FC1〜FC4として設定する。具体的には、フィルタ係数FC1は2Ncosα、フィルタ係数FC2は−2Ncos(ΩTs−α)、フィルタ係数FC3は2DcosΩTs、フィルタ係数FC4は−D として設定する。
このようなバンドパスフィルタにおける周波数特性の例を図2に示す。中心周波数Ωにおける位相αの値は目的に応じて設定すればよい。例えば、減衰が必要な場合は、α=π/2radが理想であるが、ディタル処理時のサンプリングによる位相遅れや、アクチュエータの位相遅れなどを考慮すると、理想よりも少し位相を進めておく必要がある。図2は、理想のπ/2radにマージンを加えて2radとした例である。
図1の回路構成は、数23式を伝達関数とするバンドパスフィルタとして可能な具体的な回路構成の一つであり、Biquad直接型IIの転置型構成と呼ばれる。数23式を伝達関数とするバンドパスフィルタの回路構成にはこの他の形態も可能である。例えば、Biquad直接型IIと呼ばれる回路構成である。その例を第2の実施形態として図3に示す。
図3において、バンドパスフィルタの入力信号xは、まず加算器15にてフィードバック信号を加算される。フィードバック信号が加算された入力信号xは、フィルタ係数乗算器11にてフィルタ係数FC1を乗算されて加算器16の被加算信号となり、また1サンプル遅延器18を経た後にフィルタ係数乗算器12にてフィルタ係数FC2を乗算されて加算器16の被加算信号となる。加算器16は信号uを出力する。この信号uは、最終的にゲイン設定器19によりk倍されて出力信号kuとなる。加算器15で入力信号xに加算されるフィードバック信号は2つである。その1つは、1サンプル遅延器18の出力にフィルタ係数乗算器13にてフィルタ係数FC3を乗算して得られる信号であり、他の1つは、1サンプル遅延器18の出力をさらに1サンプル遅延器17に通して得られる信号にフィルタ係数乗算器14にてフィルタ係数FC4を乗算して得られる信号である。フィルタ係数FC1〜FC4がフィルタ係数算出手段20により数23式におけるz−nの各係数として設定されることは第1の実施形態の場合と同様である。
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。数23式は変形すると、次のようにcosαの項とsinαの項に分けることができる。
Figure 2007013750
数24式において、cosαに関する伝達関数は、中心周波数における位相が0radであるバンドパスフィルタであり、sinαに関する伝達関数は、中心周波数における位相がπ/2radであるバンドパスフィルタである。このように2種類のバンドパスフィルタを組み合わせることによっても目的とするバンドパスフィルタを実現することができる。こうした考え方に基づく第3の実施形態によるバンドパスフィルタの構成を図4に示す。本実施形態のバンドパスフィルタは、第1のバンドパスフィルタ部21と第2のバンドパスフィルタ部22を有する。
第1のバンドパスフィルタ部21は、cosαに関する伝達関数によるバンドパスフィルタ、つまり中心周波数における位相が0度であるバンドパスフィルタであり、図1における一般的バンドパスフィルタにおける基本的な回路構成と実質的に同一の回路構成を有する。一方、第2のバンドパスフィルタ部22は、sinαに関する伝達関数によるバンドパスフィルタ、つまり中心周波数における位相が90度または−90度であるバンドパスフィルタであり、cosαに関する伝達関数がzの項を含まないことから、図1における一般的バンドパスフィルタにおける基本的な回路構成からフィルタ係数乗算器11だけを除いたのと実質的に同一な回路構成を有する。
これら第1、第2の各バンドパスフィルタ部21、22は、そこにおけるフィルタ係数FC1´、FC2´、FC3´、FC4´やフィルタ係数FC2″がフィルタ係数算出手段23にて数24式におけるz−nの各係数として設定される。すなわちフィルタ係数FC1´は2N、フィルタ係数FC2´は−2NcosΩTs、フィルタ係数FC3´は2DcosΩTs、フィルタ係数FC4´は−D 、フィルタ係数FC2″は−2NsinΩTsとして設定される。また第1、第2の各バンドパスフィルタ部21、22は、それぞれの出力を加算器24で加算するように組み合わされる。より具体的には、第1のバンドパスフィルタ部21の出力はcosα倍し、第1のバンドパスフィルタ部22の出力はsinα倍する。そしてこれらの両出力を加算器24にて加算し、さらにゲイン設定器19により所定のゲインを設定されて最終的な出力信号となるようにされている。
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。数17式と数18式のフィルタにs-z変換を施してデジタル処理のアルゴリズムを得るには、数19式と数20式による以外の方法もある。すなわち数19式と数20式は、整合s-z変換という方法を適用して得たものであるが、他の実用的な方法として双1次s-z変換がある。双1次s-z変換を適用すると、数19式と数20式の代わりに以下の数25式と数26式を得る。
Figure 2007013750
Figure 2007013750
ここで、Nは下記の数27式で表され、Dは下記の数28式で表される。
Figure 2007013750
Figure 2007013750
数25式と数26式を足し合わせると、上記数23式の代わりに次のような数29式を得る。
Figure 2007013750
数29式を伝達関数とする第4の実施形態によるバンドパスフィルタの構成を図5に示す。図5において、バンドパスフィルタの入力信号xは、まずフィルタ係数乗算器31にてフィルタ係数FC11を乗算されて加算器15の被加算信号となり、またフィルタ係数乗算器32にてフィルタ係数FC12を乗算されて加算器16の被加算信号となり、さらにフィルタ係数乗算器33にてフィルタ係数FC13を乗算されて加算器37の被加算信号となる。加算器15は、フィルタ係数FC11が掛かった入力信号xと1サンプル遅延器17の出力を加算し、信号uを出力する。この信号uは、最終的にゲイン設定器19によりk倍されて出力信号kuとなる。その一方で信号uは、所定の処理を経て1サンプル遅延器17にフィードバックされる。すなわち信号uは、フィルタ係数乗算器34にてフィルタ係数FC14を乗算されて加算器16に入力し、またフィルタ係数乗算器35にてフィルタ係数FC15を乗算されて加算器37に入力する。加算器37は、フィルタ係数FC13が掛かった入力信号xとフィルタ係数FC15が掛かった信号uを加算し、その出力を1サンプル遅延器18に入力させる。加算器16は、フィルタ係数FC12が掛かった入力信号xとフィルタ係数FC14が掛かった信号u、および1サンプル遅延器18の出力を加算し、その結果を1サンプル遅延器17に渡す。
フィルタ係数算出手段30は、図1におけるフィルタ係数算出手段20と同様な周波数Ωと位相指令αを入力としており、これらの入力信号から数29式におけるz−nの各係数、すなわち2Ncosα、−2N{D cos(ΩT−α)−cosα}、−2Ncos(ΩT−α)、2DcosΩTs、−D を求め、これらをフィルタ係数FC11〜FC15として設定する。具体的には、フィルタ係数FC11は2Ncosα、フィルタ係数FC12は−2N{D cos(ΩT−α)−cosα}、フィルタ係数FC13は−2Ncos(ΩT−α)、フィルタ係数FC14は2DcosΩTs、フィルタ係数FC15は−D として設定する。
図5の回路構成は、数29式を伝達関数とするバンドパスフィルタとして可能な具体的な回路構成の一つであり、Biquad直接型IIの転置型構成である。数29式を伝達関数とするバンドパスフィルタについても、この他にBiquad直接型IIの回路構成とすることもできる。Biquad直接型IIの転置型とBiquad直接型IIとの関係は前述の図1と図3の関係と同様なので、Biquad直接型IIにおける回路構成についての具体的な例の説明は省略する。また数29式についても数23式の場合と同様に、cosαの項とsinαの項からなる下記の数30式に変形することができる。したがって第3の実施形態の場合と同様に、cosαに関する伝達関数によるバンドパスフィルタとsinαに関する伝達関数によるバンドパスフィルタを組み合わせた構成のバンドパスフィルタも可能である。そのようなバンドパスフィルタの回路構成は、第3の実施形態に準じたものとなるので、それについての具体的な説明は省略する。
Figure 2007013750
以上は、デジタル処理によるバンドパスフィルタの場合であるが、アナログ処理によるバンドパスフィルタとすることも可能である。以下ではアナログ処理によるバンドパスフィルタについての考え方について説明する。数17式と数18式を足し合わせると次のような数31式を得る。
Figure 2007013750
数17式や数18式は、係数に複素数を有していたが、数31式の係数には複素数はもはや存在しない。数31式は、一種の2次のアクティブフィルタになっているので、オペアンプを使ってアナログ処理で実現することが可能である。
数31式は、数23式と同様に、cosαの項とsinαの項からなる以下の式に変形することができる。
Figure 2007013750
数32式の場合も数24式と同様に、cosαに関する伝達関数は、中心周波数における位相が0radであるバンドパスフィルタであり、sinαに関する伝達関数は、中心周波数における位相がπ/2radであるバンドパスフィルタである。このようにアナログ処理においても、2種類のバンドパスフィルタを合成することによって目的とするバンドパスフィルタを実現することができるが、アナログ処理におけるバンドパス特性の精度は、回路を構成する電気抵抗やコンデンサの精度に大きく依存するので、2種類のバンドパスフィルタの中心周波数は一致しない可能性が大きい。したがって数32式に基づくフィルタをアナログ処理によって実現する場合には、フィルタの通過帯域を広くとる必要がある。
本発明によるバンドパスフィルタを制御系に適用した磁気軸受装置の構成をブロック線図にして図6に示す。図6において、回転体1は2対4個の電磁石3a、3b、3c、3dで吸引支持する。すなわち互いに対向する電磁石3a、3cと電磁石3b、3dそれぞれが対となって回転体1に吸引力を作用させた状態で電磁石3a、3b、3c、3dそれぞれの吸引力を制御系にてフィードバック制御することにより回転体1を空中に安定な状態で固定するように支持する。磁気軸受装置のフィードバック制御系は、次のような信号の流れになっている。すなわち、回転体1の位置は、変位センサ2a、2b、2c、2dによって検出され、その変位信号は、センサ変換器4a、4bを介して制御回路5a、5bに入力される。制御回路5a、5bは、フィードバック制御の制御演算を担う演算回路であり、例えばPID制御回路などで構成される。変位信号は、本発明によるバンドパスフィルタが用いられるバンドパスフィルタ7a、7bにも入力される。
バンドパスフィルタ7a、7bは、周波数Ωの成分のみを抽出し、その位相をαだけ変化させ、かつゲインをk倍して出力する。制御回路5a、5bの出力とバンドパスフィルタ7a、7bの出力は、加算されて、正負選別器7a、7bを介してパワーアンプ8a、8b、8c、8dに入力される。パワーアンプは、この命令値に応じて電磁石3a、3b、3c、3dに電力を供給し、電磁石の電流(あるいは磁束)を制御する。バンドパスフィルタ7a、7bにおける中心周波数Ωは、回転体1の回転速度であったり、自励振動の周波数であったりし、場合に応じて設定される。位相αについては、危険速度通過時の軸振動のQ値を下げたい場合や自励振動を防止したい場合、α= π/2radに設定する。これは、微分フィードバックの機能と同等であり、振動系に対して減衰を付与する働きがある。スピンドルでは、工具を通して受ける外力に対して剛性を上げたい要求がある。このような場合には、α= 0とする。これは、比例フィードバックを強調するのと同じことであり、スプリング剛性を増強する働きがある。このように位相αは、自由に設定可能であるので、場合に応じて最適な値を選ぶことができる。また、ゲインkも状況に応じて、最適な値に調整すればよい。
本発明は、目的の特性を有するバンドパスフィルタをより簡易な構造で可能とするものであり、例えば回転体の不つりあい振動や自励振動を抑制するための制御系などに広く利用することができる。
第1の実施形態によるバンドパスフィルタの処理ブロック線図である。 図1のバンドパスフィルタの周波数特性の一例を示す図である。 第2の実施形態によるバンドパスフィルタの処理ブロック線図である。 第3の実施形態によるバンドパスフィルタの処理ブロック線図である。 第4の実施形態によるバンドパスフィルタの処理ブロック線図である。 本発明によるバンドパスフィルタを制御系に適用した磁気軸受装置のブロック線図である。 従来のトラッキングフィルタの処理ブロック線図である。
符号の説明
20 フィルタ係数算出手段
23 フィルタ係数算出手段
30 フィルタ係数算出手段
x 入力信号

Claims (1)

  1. 入力信号から特定周波数の成分を抽出し、その抽出した特定周波数成分の位相特性を任意に設定できるようにされ、機器の制御系などに用いられるバンドパスフィルタにおいて、
    制御対象機器について計測して得られる周波数Ωと任意に設定される位相指令αを入力とし、下記数式1〜数式4のいずれか1つの式におけるz−nの各係数をフィルタ係数として求めるフィルタ係数算出手段を備えていることを特徴とするバンドパスフィルタ。
    Figure 2007013750
    Figure 2007013750
    Figure 2007013750
    Figure 2007013750
    だたし、αは位相指令、kはゲインを設定するパラメータ、z−nはn(=1,2)サンプルだけ遅延する演算子、数1式と数2式におけるNは下記数5式で表され、数1式と数2式におけるDは下記数6式で表され、数3式と数4式におけるNは下記数7式で表され、数3式と数4式におけるDは下記数8式で表される。
    Figure 2007013750
    Figure 2007013750
    Figure 2007013750
    Figure 2007013750
    ただし、τは帯域幅を決定する時定数、Tはサンプリング時間である。
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