JP2007013217A - 光電変換素子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】良好な界面特性を確保しながら不純物の半導体層からの水素の引き抜き効果によるp層の膜質低下を防止して高導電率を確保し、かつ光吸収量を抑制し、しかも酸化物系透明導電膜や光電変換層の双方に対して良好な界面特性をもつ光電変換素子を製造する方法を提供することを目的とする。
【解決手段】pin接合を有する光電変換素子を構成するa−Si:H、a−Ge:H又はa−SiGe:Hよりなるp層を、p型不純物であるボロンが均一に添加された5nm以下の膜厚を有する第1p層を成膜チャンバ内で成膜し、該第1p層を成膜した後の同じ前記成膜チャンバ内でp型不純物であるボロンを含まないガス分解によって前記第1p層上に第2p層を成膜し、該成膜チャンバ内で前記第2p層の表面をプラズマ処理することにより形成する光電変換素子の製造方法を提供することにより、上記課題を解決する。
【選択図】図2

Description

本発明は、光電変換素子の製造方法に関し、より詳細には、pin接合を有する光電変換素子の製造方法に関する。
pin接合を有する薄膜太陽電池において、光入射側のドープ層は、変換効率(η)を向上させる上で重要な要因の一つとして歴史的にも様々な開発が行われてきた。
特に、光入射側のドープ層の一つであるp層は、アモルファスシリコン系の窓層としての機能を果たすものであるが、光電変換層ではないため、光吸収量を小さくすると同時に、高導電率及び良好なp/i界面特性をもたせるという相反する性能を満足させる必要があり、種々の研究がなされている。
例えば、p層として、ボロンをドープしたa−SiC膜を用いる方法が、特公平3−40515号公報(特許文献1)及び特公平3−63229号公報(特許文献2)に記載されている。これらの公報では、p層は、シラン又はシラン誘導体(例えば、SiH4)、炭化水素(例えば、CH4)、不活性ガス(例えば、Ar、He)等の混合ガスとともに、B26ガスをグロー放電分解して成膜する方法が記載されており、他にもプラズマ化学気相成長法等が一般に知られている。
しかし、B26ガスを原料ガスに同時に混入すると、ボロンが、アモルファス中のSi等の結合手を終端している水素を引き抜く。これにより、層中にダングリングボンドと呼ばれる未結合手が多数形成されることとなる。このため、上記方法により成膜されたボロンをドープしたアモルファスシリコン系膜を窓層であるp層に使用した場合には、p層の光吸収量が増加する。
そこで、この光吸収量の増加を抑えるために、膜内に数十パーセントまで炭素が導入されるが、この炭素量の増加は、膜質の悪化を招き、よって、導電率が低下し、素子全体の内部抵抗を増加させてしまうという問題がある。
このように、セル特性にシリーズ抵抗を生じさせないような所望の導電率を得ようとすれば、光吸収量が無視できないほど大きくなり、十分な光電流が確保できないという課題がある。
また、プラズマ化学気相成長法においては、プラズマ中のボロンは膜表面の未結合手をも増加させるため、p/i界面に再結合準位を大量に発生させ、変換効率に多大な悪影響を及ぼす。よって、例えば、p層としてボロンをドープしたSiC膜を用いた場合、光電変換層との接合が悪く、発生した光キャリアの再結合中心となり、十分な開放電圧(Voc)やフイルファクター(F.F.)が確保できなくなる。
そこで、p/i界面に、膜中のC量を緩やかに変化させたアモルファス膜や真性SiC膜をバッファ層として挟み込むことにより、セル特性への影響を緩和する方法が一般的に用いられている。
しかし、これらバッファ層は、導電率が低く、素子の内部抵抗の増加の原因となり、結局F.F.の低下抑制は回避できない。
これに対して、特開平7−22638号公報(特許文献3)には、p層の作製方法として、アモルファスボロン層を作製した後にアモルファスシリコン層を積層することにより、p型のアモルファスシリコン層を形成する方法が、Appl. Phys. 36 (1997) 467 (非特許文献1)には、アモルファスボロン層を作製した後にアモルファスカーボンを積層することにより、p層を形成する方法がそれぞれ提案されている。
しかし、アモルファスボロン層では、光吸収量を十分小さくすることは依然として困難である。
また、通常、素子形成用基板は、ガラス基板上にSnO2やZnO膜等の酸化物系透明導電膜による凹凸構造をもつものが用いられるが、これら酸化物系透明導電膜上にpin接合を作製する場合においては、特開平7−22638号公報又はAppl. Phys. 36 (1997) 467 におけるアモルファスボロン層と酸化物系透明導電膜との界面抵抗が高くなり、良好な素子特性を得ることは依然として困難である。
このように、上記従来の方法では、p層において、光吸収量が小さく、かつ高導電率を備え、しかも酸化物系透明導電膜や光電変換層の双方に対して良好な界面特性をもつという相反する特性を満足させる技術が実現されていない。
特公平3−40515号公報 特公平3−63229号公報 特開平7−22638号公報 Appl. Phys. 36 (1997) 467
本発明によれば、pin接合を有する光電変換素子を構成するa−Si:H、a−Ge:H又はa−SiGe:Hよりなるp層を、p型不純物であるボロンが均一に添加された5nm以下の膜厚を有する第1p層を成膜チャンバ内で成膜し、該第1p層を成膜した後の同じ前記成膜チャンバ内でp型不純物であるボロンを含まないガス分解によって前記第1p層上に第2p層を成膜し、該成膜チャンバ内で前記第2p層の表面をプラズマ処理することにより形成することを特徴とする光電変換素子の製造方法が提供される。
本発明の光電変換素子の製造方法によれば、pin接合を有する光電変換素子を構成するp層を、5nm以下の膜厚を有する均一に不純物が添加された第1p層を成膜し、該第1p層上にp型不純物を含まないガス分解によって第2p層を成膜することにより形成するため、特別な製造装置及び製造方法を用いることなく、簡便に上記光電変換素子を製造することが可能となる。
また、本発明の製造方法によれば、pin接合を有する光電変換素子を構成するp層が、5nm以下の膜厚を有する均一に不純物が添加された第1p層とp型不純物を含まないガス分解によって形成された第2p層とが積層してなる光電変換素子を製造することができるため、p層において、光吸収量が小さく、かつp層内の不純物によるp層を構成する半導体層からの水素の引き抜き防止により高導電率を確保し、しかもp層の下層及び上層に配設される酸化物系透明導電膜や光電変換層の双方に対して良好な界面特性をもつ光変換素子を実現することができる。さらに、従来使用されていたp層の半導体材料を大幅に変更させることなく、i層中に十分な内部電界を形成させることができ、比較的大きな開放電圧を実現でき、さらに光吸収量の増加抑制により比較的大きな短絡電流を得ることができる。
本発明の製造方法にて製造された光電変換素子は、pin接合を有するものであり、主として透明電極層;5nm以下の膜厚を有する均一に不純物が添加された第1p層とp型不純物を含まないガス分解によって形成された第2p層とが積層してなるp層;i層;n層及び裏面電極層からなり得る。また、これら電極層及びpin接合は、基板上に形成されていることが好ましい。
本発明において、光電変換素子に用いることができる基板としては、通常、基板として使用されるものであれば特に限定されるものではなく、ステンレス、アルミニウム、銅、亜鉛等の金属からなる基板、ガラス基板、ポリイミド、PET、PEN、PES、テフロン(登録商標)等の樹脂基板、金属基板に樹脂が塗布された基板、樹脂基板に金属層が形成された基板等、種々のものが挙げられる。なかでも透明基板であることが好ましい。なお、この基板は、基板の利用態様に応じて、さらに絶縁膜、金属や半導体等による他の導電膜あるいは配線層、バッファ層等又はこれらが組み合わされて形成された基板であってもよい。基板の厚さは特に限定されるものではないが、適当な強度や重量を有するように、例えば0.1〜30mm程度が挙げられる。また、基板表面には凹凸を有していてもよい。
本発明において、光電変換素子に用いられる透明電極層としては、ZnO、ITO、SnO2 等の導電性酸化物等が挙げられる。これらの電極材料は、単層又は積層層として形成することができる。このような裏面電極の膜厚は、使用する材料等により適宜調整することができるが、例えば、200〜2000nm程度が挙げられる。また、このような透明電極層の表面には、凹凸が形成されていてもよい。凹凸は、例えば、可視光領域の光の波長程度、0.1〜1.2μm程度の高さ、0.1〜10μmのピッチを有するものが挙げられる。
本発明において、光電変換素子のp層は、5nm以下の膜厚を有し、かつ均一に不純物が添加された第1p層とp型不純物を含まないガス分解によって形成された第2p層とが積層されてなり、このような構成により、その下層に形成された透明導電層と良好な界面特性を確保しながら、不純物の水素の引き抜き作用によるp層の膜質低下を抑制することができる。
上記p層は、第1p層及び第2p層とも、半導体層、特にアモルファス半導体層、例えば、a−Si:H、a−Ge:H、a−SiGe:H等により形成することができる。第1p層と第2p層とは、必ずしも同一半導体層により形成されていなくてもよいが、なかでも、第1p層及び第2p層のいずれも、a−Si:Hであることが好ましい。
第1p層において、膜厚が5nm以下とは、第1p層の光学的な吸収量が無視できる範囲の膜厚を意味しており、半導体の1原子層以上の膜が含まれる。また、この膜は全面において均一な膜厚を有していることが好ましいが、例えば、透明電極層の表面に島状に形成されていてもよい。さらに、均一に不純物が添加されているとは、第1p層全体にわたって、所定量の不純物が添加されていることを意味する。つまり、第1p層がシリコン系の層により形成されている場合、第1p層の1原子層中にSiは1022個/cm2存在し、その層中に不純物が1018個/cm2以上存在すれば、キャリア密度は十分である。これは、Si原子10000個に対して、キャリアが1個あればよいことを意味するため、このようなキャリア密度を維持できる程度のキャリア、例えばボロン等のアクセプタが存在するように、膜厚及び不純物濃度を調整することができる。
上記のように第1p層が構成されていることにより、後述するi層に十分な内部電界を形成でき、比較的大きな開放電圧が確保でき、光吸収量の増加を抑制できるため比較的大きな短絡電流を得ることができる。
また、第1p層は、後述するように、その表面をプラズマ処理されていてもよい。このようにその表面をプラズマ処理することにより、良好なp/i界面特性をもたせることができる。
第2p層において、p型不純物を含まないガス分解によって形成されたp層とは、この層を形成する際にはp型不純物を含まないガス分解によってi層を形成するが、その形成と同時あるいはその後に下層の第1p層からの不純物の拡散及び/又は成膜雰囲気からの不純物の混入により、p型となり得る層を意味する。よって、この第2p層内の第2導電型不純物は、第1p層の不純物濃度よりも小さい。
また、第2p層内の不純物濃度は、均一に拡散しているものでもよいが、第1p層から後述するi層にかけて、徐々に減少していることが好ましい。このように、第2p層内の不純物濃度が徐々に減少している場合には、i層にかけて光吸収係数を徐々に大きくすることができ、つまり、不純物による第2p層からの水素の引き抜き作用を抑制して光吸収量を徐々に小さくすることができ、かつ第2p層の膜質の低下を防止することができる。
また、第2p層は、1層で形成されてもよいが、成膜条件等を変化させた複数層で形成されていてもよい。換言すると、第2p層が、i層に近いほど光吸収係数が大きくなる複数層で構成されていてもよい。このように構成すれば、p/i界面の接合特性をより高める事ができ、F.F.とVocの低下を防止することができ、光電流のp/i界面での再結合確率の減少を実現することができる。
第2p層の膜厚は、特に限定されるものではないが、例えば、1〜200nm程度の膜厚が挙げられる。第2p層が複数層で形成されている場合には、各層の膜厚は、1〜30nm程度であることが好ましい。
また、第2p層は、後述するように、その表面をプラズマ処理されていてもよいし、第2p層が複数層で形成されている場合には、各層の表面がプラズマ処理されていてもよい。なお、複数層のすべての表面がプラズマ処理されていてもよいし、その中の一部の層の表面がプラズマ処理されていてもよい。
本発明において、光電変換素子におけるi層及びn層は、通常、光電変換素子におけるpin接合に使用されるi層及びn層であれば、特に限定されるものではない。例えば、i層及びn層としては、いずれも上述したようなアモルファス層により形成され、i層はキャリアとなる不純物が導入されておらず、n層はドナーとなる不純物、例えばリン、砒素等が1018〜1019cm-3程度で導入された層が挙げられる。これらの膜厚は、光電変換素子により得ようとするエネルギー、p層、n層中等の不純物濃度等により適宜調整することができるが、例えば、それぞれ100〜600nm程度、30〜100nm程度が挙げられる。
また、裏面電極層は、通常電極として使用される導電材料であれば特に限定されることなく、例えば、金、白金、銀、銅、アルミニウム等の金属、上述した導電性酸化物等が挙げられる。これらの膜厚は、光電変換素子の使用態様に応じて適宜選択することができる。
なお、本発明において、光電変換素子は、基板上に、pin接合を1つだけ有していてもよいし、繰り返し複数個有していてもよい。また、pin接合を構成するn層、i層及びp層の全てが非晶質シリコンにより形成していなくてもよく、少なくともn層、i層が非晶質シリコンで形成されていればよい。さらに、透明電極層、p層、i層、n層、裏面電極層の間に、任意にバッファ層、中間層、導電層、絶縁層等をさらに備えていてもよい。
本発明の光電変換素子の製造方法においては、好ましくはその表面に透明電極層を備えた基板上に、まず、5nm以下の膜厚を有する均一に不純物が添加された第1p層を成膜する。
第1p層は、公知の方法、例えば、SiH4、GeH4、CH4、H2、Ar、He等の原料ガスを用いるCVD法、プラズマCVD法等により形成することができる。p層を構成するp型不純物(ボロン等)は、原料ガスに、例えば、B26ガスを混入して成膜と同時にドーピングしてもよいし、半導体層を形成した後、イオン注入又は熱拡散等の方法によりドーピングしてもよい。
また、第1p層は、上述したようにその表面にプラズマ処理を施してもよい。この際のプラズマは、例えば、H2 、He、Ar等が挙げられる。プラズマ処理の条件は、第1p層がa−Si層により形成されている場合には、例えば、表1のように設定することができる。
Figure 2007013217
なお、第1p層がGeを主元素として形成されている場合には、投入電力を低条件で、Cを主元素として形成されている場合には、投入電力を高条件で行うことが適当である。
このようなプラズマ処理により、第1p層中の光吸収係数を増大させることができ、つまり第1p層中の光吸収量増加を抑制できるため、比較的高い短絡電流が得られることとなる。
次に、第1p層上にp型不純物を含まないガス分解によって第2p層を成膜する。第2p層を成膜する方法は、原料ガスの中に不純物を含まない以外は、第1p層を形成する方法と同様の方法で形成することができる。
このような方法で成膜することにより、p型の不純物を積極的に含有させないが、下地である第1p層からp型不純物が拡散することにより、結果的に第2p層を形成することができる。また、第1及び第2p層が成膜装置、例えばプラズマCVD装置により成膜される場合であって、第2p層を第1p層と同じチャンバで成膜することにより、雰囲気中に存在する第1p層形成の際のp型不純物の混入により、結果的に第2p層を形成することができる。
さらに、この第2p層は、その表面及び/又は所定膜厚を成膜する毎に、得られた第2p層表面にプラズマ処理を施すことが、第2p層の光吸収量を低減することができて好ましい。この際の所定膜厚とは、例えば、1〜30nm程度が挙げられる。
また、所定膜厚毎にプラズマ処理を複数回施す場合には、プラズマ照射時間及び/又は処理時の投入電力を1回目よりも2回目、2回目よりも3回目と、徐々に小さくすることが好ましい。このようなプラズマ処理により、第2p層中の光吸収係数を、i層に近づくにつれて徐々に増大させることができ、つまり第1p層中の光吸収量増加を徐々に抑制できるため、短絡電流を向上できるとともに、Voc及びF.F.の低下を抑制することができる。
なお、第2p層の形成は、第1p層を形成した成膜装置のチャンバと同一のチャンバで行ってもよい。この場合には、特別なドーピングプロファイルを設計することなく、光吸収係数を増大させることができ、つまり第1及び第2p層中の光吸収量増加を抑制できるため、ひいては、光電変換素子を簡便に製造することができ、製造コストの大幅な抑制を実現することができる。
また、第2p層の形成は、必ずしも第1p層を形成した成膜装置のチャンバと同一のチャンバでなくてもよく、異なるチャンバで形成してもよい。この場合には、第2p層に過剰の不純物の拡散を及ぼすことがないため、第2p層内の内部電界制御を容易に行うことができる。その結果、i層内に過剰の不純物の拡散を及ぼすことがなく、i層の内部電界を容易に制御することができ、i層内の空間電荷の抑制をもたらすため、光電流の収集効率の増加(F.F.の低下抑制)を実現することができる。
以下に、本発明の光電変換素子の製造方法の実施例を説明する。
[実施の形態1:p層の光吸収量の評価]
まず、プラズマ気相成長装置におけるチャンバ内の基板支持体上に、透明ガラス基板を載置し、この透明ガラス基板上にSiH4:B26:H2=1:0.1:20の原料ガスを200sccmの流量で供給した。この際、成膜温度を200℃、基板温度を200℃、投入電力を200Wとし、10分間成膜し、ボロンが高濃度でドープされた高ドープp型a−Si層を作製した。得られた高ドープp型a−Si層は、光吸収量が無視できる膜厚、ここでは2nm程度の膜厚に設定した。
続いて、同一チャンバで、SiH4:H2=100:200sccmの原料ガスを用いて、ボロンをドープしないa−Si層を10nm程度の膜厚で成膜した。この際、a−Si層は、このa−Si層の下地の高ドープp型a−Si層からボロンが拡散するか、あるいは雰囲気ガス中のボロンの混入により、p型となる。 この方法を繰り返して約10nmのa−Si層ごとに約2nmの高ドープp型a−Si層が積層された総膜厚300nmのp層を成膜した。
また、比較のため、上記とは別に、透明ガラス基板上に、SiH4:B26:H2=100:5:200の混合ガスで成膜した300nmの膜厚の単一のp層を成膜した。
これら2種のp層を用いて、各層の光吸収量及び導電率を測定した。その結果を図1に示す。
光吸収量は、図1から明らかなように、高ドープp層/p層の繰り返しp層においては、通常の単一のp層に比較して小さいことがわかる。これは、高ドープp層/p層の繰り返しp層では、p層成膜時にボロンの水素引き抜き効果がないためであると考えられる。
導電率は各層とも5×10-4S/cm程度でほぼ同じ値であった。
また、上記においては、高ドープp層/p層の繰り返しp層におけるp層を12nm程度として、10nm程度ごとに2nmの高ドープp層を積層しているが、第1p層を30nm程度以下とした場合には、200℃での成膜で同様の導電率で光吸収量の低減効果が得られることがわかっている。
[実施の形態2:光電変換素子及びその製造方法]
この実施の形態の光電変換素子は、図2に示したように、透明ガラス基板1上に、透明電極層2、高ドープp型a−Si層7、p型a−Si層8、i層4、n層5及び裏面電極層6が順次形成されて構成されている。
上記光電変換素子の製造方法を、以下に説明する。
まず、透明ガラス基板1上に、膜厚300nm程度の緩やかな凹凸形状を持つZnO膜を膜厚800nm程度で、スパッタリングにより成膜し、透明電極層2を形成する。
続いて、成膜装置におけるp層成膜チャンバ内の基板支持体上に、得られた透明ガラス基板1を載置し、この基板1上に、SiH4:B26:H2=1:0.1:20の混合ガスを200sccmの流量で供給した。この際、成膜温度を200℃、基板温度を200℃、投入電力を200Wとして成膜を行い、第1p層として、ボロンが高濃度でドープされた高ドープp型a−Si層7を膜厚2nm程度で作製した。
続いて、同一チャンバでボロンをドープしないa−Si層8を10nm程度の膜厚で成膜した。この際、a−Si層8は、このa−Si層8の下地の高ドープp型a−Si層7からボロンが拡散するか、あるいは雰囲気ガス中のボロンの混入により、p型s−Si層(第2p層)となる。
次いで、a−Si層8上に、i層成膜チャンバにて、SiH4:H2=200:500、投入電力100Wとして膜厚200nm程度のi層4を成膜し、さらに、i層4上に、n層成膜チャンバにて、SiH4:H2:PH3 =10:500:3、投入電力100Wとして膜厚30nm程度のn層5を成膜した。
その後、スパッタ装置にて成膜温度200℃で、500nmのAg膜を成膜し、裏面電極を形成した。
このようにして図2に示すpin接合を有する光電変換素子を作製した。
得られた光電変換素子のI−V特性を評価した。
比較のため、図4に示したように、高ドープp型a−Si層7とp型a−Si層8との代わりに、SiH4:B26:H2=100:5:200の混合ガスで成膜した膜厚10nmの単一のp層を成膜した以外は、上記光電変換素子と同様の構成を有する光電変換素子を作製した。
これら光電変換素子のA.M.1.5下でのI−V特性を図3に示す。
図3から明らかなように、本実施の形態2における光電変換素子では、上記実施の形態1で示したように、p層の光吸収量が小さいために、短絡電流が15.0mA/cm2と比較的大きな値が得られた。また、Voc=0.85V、F.F.=0.65と、p層としてのキャリア密度も充分であることがわかる。
一方、p層が単一層で形成された光電変換素子においては、上記実施の形態1で示したように、p層の光吸収量が大きいため、本実施の形態2における光電変換素子に比較して、短絡電流は13.2mA/cm2と十分でないことがわかる。
[実施の形態3:p層の光吸収量の評価]
実施の形態1と同様の基板を用い、同様の方法で、約2nmの高ドープp型a−Si層上に約10nmのa−Si層を成膜し、さらに、a−Si層表面を、ヘリウムガスを用いて、表2に示す条件によりプラズマ処理した。これらの工程を繰り返して行い、総膜厚300nmのp層を形成した。
Figure 2007013217
上記で得られたp層の光吸収量を測定した。その結果を図5に示す。
光吸収量は、図5から明らかなように、プラズマ処理を施すことにより、実施の形態1における高ドープp層/p層の繰り返しp層よりもさらに光吸収量が小さくなっていることがわかる。
また、上記においては、高ドープp層/p層の繰り返しp層におけるp層を10nm程度として、10nm程度ごとに高ドープp層を積層し、プラズマ処理を行っているが、p層を30nm程度以下とした場合には、同程度の光吸収量の低減効果が得られることがわかっている。
[実施の形態4:光電変換素子及びその製造方法]
この実施の形態の光電変換素子は、図6に示したように、透明ガラス基板1上に、透明電極層2、高ドープp型a−Si層7、p型a−Si層8、i層4、n層5及び裏面電極層6が順次形成され、p型a−Si層8表面に、プラズマ処理が施された面9を有して構成されている。
上記光電変換素子の製造方法を、以下に説明する。
まず、実施の形態2と同様の凹凸形状を持つZnO膜を表面に備えた透明ガラス基板1上に、実施の形態2と同様に、高ドープp型a−Si層、a−Si層8を形成する。
次いで、a−Si層8表面を、水素ガスを用いて、表3に示す条件によりプラズマ処理した。
Figure 2007013217
続いて、実施の形態2と同様に、a−Si層8上に、i層4、n層5及び裏面電極6を形成し、図6に示す光電変換素子を作製した。
得られた光電変換素子のI−V特性を評価した。
この光電変換素子のA.M.1.5下でのI−V特性を、図7に示す。なお、図7においては、比較のために、実施の形態2で得られた光電変換素子のI−V特性を併せて示す。
図7から明らかなように、本実施の形態4における光電変換素子では、上記実施の形態3で示したように、p層の光吸収量がさらに小さいために、短絡電流が16.0mA/cm2とより大きな値が得られた。また、Voc=0.9V、F.F.=0.68と、p層としてのキャリア密度も充分であることがわかる。
[実施の形態5:光電変換素子及びその製造方法]
この実施の形態の光電変換素子は、透明ガラス基板上に、透明電極層、高ドープp型a−Si層、p型a−Si層、i層、n層及び裏面電極層が順次形成され、高ドープp型a−Si層表面に、プラズマ処理が施された面を有して構成されている。
上記光電変換素子の製造方法を、以下に説明する。
まず、実施の形態2と同様の凹凸形状を持つZnO膜を表面に備えた透明ガラス基板1上に、実施の形態2と同様に、高ドープp型a−Si層を形成した後、水素ガスを用いて、表3に示す条件によりプラズマ処理した。
次いで、高ドープp型a−Si層上に、実施の形態2と同様にa−Si層、i層、n層及び裏面電極を形成し、光電変換素子を作製した。
得られた光電変換素子のI−V特性を評価したところ、本実施の形態5における光電変換素子では、短絡電流が16.5mA/cm2と大きな値が得られた。また、Voc=0.9V、F.F.=0.68と、p層としてのキャリア密度も充分であることがわかる。
[実施の形態6:光電変換素子及びその製造方法]
この実施の形態の光電変換素子は、図8に示したように、透明ガラス基板1上に、透明電極層2、高ドープp型a−Si層7、p型グレーデッドプラズマ処理層10、i層4、n層5及び裏面電極層6が順次形成され、さらに高ドープp型a−Si層7表面にプラズマ処理が施された面を有し、グレーデッドプラズマ処理層10内及び表面にもプラズマ処理が施された面を有して構成されている。
上記光電変換素子の製造方法を、以下に説明する。
まず、実施の形態2と同様の凹凸形状を持つZnO膜を表面に備えた透明ガラス基板1上に、実施の形態2と同様に、高ドープp型a−Si層7を形成し、実施の形態5と同様に水素ガスを用いて高ドープp型a−Si層7表面をプラズマ処理した。
次いで、同じ高ドープp型a−Si層7の成膜チャンバ内で、膜厚3nmのi層を成膜し、表2のH2プラズマ処理を50Wで1分行った後、さらに膜厚3nmのi層を成膜し、表3のH2プラズマ処理を20Wで1分行った。これにより、雰囲気からのボロンの混入が起こり、これら2層のi層は、p型グレーデッドプラズマ処理層10として形成された。
続いて、i層成膜チャンバで200nmのi層4を成膜した。
その後、n層成膜チャンバで30nmのn層5を成膜し、続いて裏面電極6を形成することにより図8に示す光電変換素子を作製した。
得られた光電変換素子のI−V特性を評価した。
この光電変換素子のA.M.1.5下でのI−V特性を、図9に示す。なお、図9においては、比較のために、実施の形態3で得られたa−Si層8表面を水素でプラズマ処理した光電変換素子のI−V特性を併せて示す。
図9から明らかなように、本実施の形態6における光電変換素子では、上記実施の形態5で示したように、短絡電流が16.5mA/cm2と大きな値が得られるとともに、Voc=0.92V、F.F.=0.73と、p層としてのキャリア密度が改善された。
本発明の光電変換素子に用いるp層の光吸収量の評価を示すグラフである。 本発明の光電変換素子の実施例を示す要部の概略断面図である。 図2の光電変換素子のI−V特性を示すグラフである。 本発明の光電変換素子のI−V特性を比較するための従来のp層構造を備えた光電変換素子の要部の概略断面図である。 本発明の別の光電変換素子に用いるp層の光吸収量の評価を示すグラフである。 本発明の別の光電変換素子の実施例を示す要部の概略断面図である。 図6の光電変換素子のI−V特性を示すグラフである。 本発明のさらに別の光電変換素子の実施例を示す要部の概略断面図である。 図8の光電変換素子のI−V特性を示すグラフである。
符号の説明
1 ガラス基板
2 透明電極層
3 p型a−Si
4 i層
5 n層
6 裏面電極層
7 高ドープp型a−Si層(第1p層)
8 p型a−Si層(第2p層)
9 プラズマ処理界面
10 p型グレーデッドプラズマ処理層

Claims (6)

  1. pin接合を有する光電変換素子を構成するa−Si:H、a−Ge:H又はa−SiGe:Hよりなるp層を、p型不純物であるボロンが均一に添加された5nm以下の膜厚を有する第1p層を成膜チャンバ内で成膜し、該第1p層を成膜した後の同じ前記成膜チャンバ内でp型不純物であるボロンを含まないガス分解によって前記第1p層上に第2p層を成膜し、該成膜チャンバ内で前記第2p層の表面をプラズマ処理することにより形成することを特徴とする光電変換素子の製造方法。
  2. 前記第2p層は複数層で形成され、第2p層における各層表面にプラズマ処理を施す請求項1に記載の光電変換素子の製造方法。
  3. 前記プラズマ処理は、プラズマ処理毎に、プラズマ照射時間及び/又は処理電力が小さく設定される請求項2に記載の光電変換素子の製造方法。
  4. 前記第1p層を成膜した後、該第1p層表面にプラズマ処理を施す請求項1〜3のいずれか1つに記載の光電変換素子の製造方法。
  5. 前記プラズマ処理は、H2、He又はArを用いたプラズマにより行われる請求項1〜4のいずれか1つに記載の光電変換素子の製造方法。
  6. 前記第1p層及び第2p層を成膜した成膜チャンバとは異なる成膜チャンバ内で、第2p層上にi層を成膜する請求項1〜5のいずれか1つに記載の光電変換素子の製造方法。
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