JP2007011957A - 回路設計装置およびプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】テスト回路等を埋め込む際の顧客回路への影響を軽減する。
【解決手段】顧客回路設計データ21は、設計対象となる顧客用の回路の設計データであって、配置配線処理部22は、この設計データを元に顧客回路の配置配線の処理を行う。埋め込み回路発生処理部24は、配置配線処理部22が出力する配置配線結果と、顧客回路へ埋め込むテスト回路に関する属性情報、すなわちテスト回路の端子情報、配線位置情報等が記載された埋め込み回路情報搭載ライブラリ23とを参照して、端子や配線などの要素の物理的な位置関係を把握し、要素同士がショートしているか否かをチェックする。ショートしている要素同士は、一つのネットを形成するものとして、生成されるネットリストに組み入れられる。埋め込み回路発生処理部24は、顧客回路にテスト回路を繰り込んだネットリストを生成し、埋め込み回路込み設計データ25として出力する。
【選択図】図2

Description

本発明は、回路設計装置およびプログラムに係り、特に、顧客の要求する回路に付加回路を埋め込んだ回路を設計する装置およびプログラムに係る。
LSI等の設計にあっては、顧客の要求する回路(以下、顧客回路という)に対し、テスト回路を用意することは必須である。従来、顧客回路に対し、テスト回路等を埋め込んでから配置配線を行うような手順で設計される。このような設計を行う回路設計装置における手順を図6に示す。図6において、回路設計装置の内部テスト回路発生処理部102は、顧客回路設計データ101を読み込み、顧客回路の内部にテスト回路を埋め込んで内部テスト回路込みのデータ103を生成する。配置配線処理部104は、内部テスト回路込みのデータ103を元に配置配線を行ってテスト回路込み配置配線結果データ105を出力する。
このような手順で回路設計を行う技術として、例えば、配置配線前の論理合成の段階でテスト回路を挿入し、配置配線を行うことが特許文献1に記載されている。また、特許文献2には、配置後のセルの配置位置関係を考慮しながら効率的な配線処理ができるようにテスト回路のネットリストの再構成を行うことが記載されている。この場合、テスト回路の配線処理は、顧客回路と同時に行われる。
特開2001-84280号公報 特開平10-144796号公報
ところで、従来の技術では、顧客回路データに対してテスト回路等を追加したデータで配置配線を行っている。したがって、追加されたテスト回路等のネットリスト構成が顧客回路データの配置配線に影響を与えてしまう問題が存在する。具体的には、テスト回路等を埋め込んでから配置配線を行うことで、顧客回路をチップ上の適切な場所に配置できなくなる場合や、適切な配線が行えなくなる場合等が生じ、顧客回路における遅延特性を劣化させてしまうこと等が起こり得る。
前記課題を解決するために本発明の1つのアスペクトに係る回路設計装置は、顧客の要求する回路に付加回路を埋め込んだ回路を設計する装置である。この装置は、顧客回路の設計データから配置配線を行う配置配線処理部と、配置配線処理部が出力する配置配線結果に対して顧客回路に埋め込む付加回路における要素の位置情報を参照して付加回路を顧客回路中に生成する埋め込み回路発生処理部と、を備える。
本発明の1つのアスペクトに係るプログラムは、顧客の要求する回路に付加回路を埋め込んだ回路を設計するプログラムであって、コンピュータを、顧客回路の設計データから配置配線を行う配置配線手段と、配置配線手段が出力する配置配線結果に対して顧客回路に埋め込む付加回路における要素の位置情報を参照して付加回路を顧客回路中に生成する埋め込み回路発生手段、として機能させる。
なお、本発明において、単に配線といった場合、レイアウトツールの配線処理で引かれる物理的な配線図形、配線パターンのことを言う。また、ネットとは、接続されるべき端子同士の集合(論理接続情報)と、それを接続するための配線情報の集合体のことを言う。
本発明によれば、顧客回路の配置配線終了後のデータに対してテスト回路等の埋め込み回路を適用することで、顧客回路のセルが埋め込み回路のどの部分に配置されたとしても、配置情報に応じて埋め込み回路のネットリストを生成することができる。したがって、埋め込み回路によって生じる顧客回路への影響が軽減される。
図1は、本発明の実施形態に係る回路設計装置の構成を示すブロック図である。図1において、回路設計装置は、パーソナルコンピュータやエンジニアリングワークステーション等の情報処理装置から構成され、処理装置10、入力装置11、出力装置12、記憶装置13を備える。記憶装置13は、磁気ディスク装置や半導体メモリなどから構成され、顧客回路設計データ21、埋め込み回路情報搭載ライブラリ23、埋め込み回路込み設計データ25、回路設計を実行するプログラム20を記憶する。入力装置11は、キーボード、マウスなどから構成される。出力装置12は、ディスプレイ装置やプリンタなどから構成される。処理装置10は、入力装置11からの入力指示によって、記憶装置13内のデータを読み込んでプログラム20を実行し、結果を記憶装置13内に書き込み、必要に応じて出力装置12に出力する。なお、図1において、入力装置11、出力装置12、記憶装置13の一部を不図示のネットワークを介して他の装置に備える構成とし、リモートアクセスするようにしてもよいことは言うまでもない。
次に、以上のように構成される回路設計装置における機能について説明する。図2は、本発明の実施形態に係る回路設計装置の主要機能部分を示すブロック図である。図2において、顧客回路設計データ21は、顧客の指定する設計対象となる回路の設計データであって、配置配線処理部22は、この設計データを元に顧客回路の配置配線の処理を行う。埋め込み回路発生処理部24は、配置配線処理部22が出力する配置配線結果と、顧客回路へ埋め込む回路に関する属性情報、すなわち埋め込み回路の端子情報、配線位置情報等が記載された埋め込み回路情報搭載ライブラリ23とを参照して、配置配線結果と埋め込み回路との要素同士の対応関係を取る。具体的には、端子や配線などの要素の物理的な位置関係を把握し、要素同士がショートしているか否かをチェックする。ショートしている要素同士は、一つのネットを形成するものとして、生成されるネットリストに組み入れられる。埋め込み回路発生処理部24は、このようにして顧客回路に埋め込み回路を繰り込んだネットリストを生成し、埋め込み回路込み設計データ25として出力する。
次に、埋め込み回路発生処理部24の詳細について説明する。図3は、本発明の実施形態に係る埋め込み回路発生処理部の詳細を示すブロック図である。図3において、埋め込み回路発生処理部24は、ショートチェック部35と接続処理部36を備える。配置配線結果データ31は、図2の配置配線処理部22が出力する、ショートエラーが存在しない顧客回路の配置配線結果のデータである。ブロック内端子位置情報32は、汎用のライブラリとして与えられるものであって、ブロック内における端子、配線等の物理的な位置情報を表す。埋め込み配線パターン情報ライブラリ33は、図2の埋め込み回路情報搭載ライブラリ23に含まれる専用のライブラリであって、埋め込み回路における端子、配線等の物理的な位置情報を表す。
ショートチェック部35は、配置配線結果データ31、ブロック内端子位置情報32、埋め込み配線パターン情報ライブラリ33を読み込み、各ブロックにおける座標情報を元に埋め込み回路における端子が他の端子あるいは配線とショートしているか否かをチェックする。
接続処理部36は、ショートチェック部35においてショートしていると判定された端子あるいは配線を論理的にも接続されているネットであるとしてネットリストに組み込む。すなわち、端子あるいは配線同士がショートしているもの同士を新たなネットとして生成する。この結果、接続処理部36が出力する配置配線結果のネットリストには、ショートしているネットは存在しないこととなる。接続処理部36は、配置配線結果データおよび復元回路データ37を埋め込み回路込み設計データ25として出力する。
以上のように本発明の実施形態に係る回路設計装置によれば、ショートチェックによって物理的に接続されていると判定された要素同士は、論理的にも接続されている要素同士であるとしてネットリストを生成し、埋め込み回路込みの設計データとして出力する。すなわち、顧客回路の配置配線結果に対して埋め込み回路を埋め込むように設計するので、埋め込み回路のどの部分に顧客回路のセルが配置されたとしても、配置情報に応じて埋め込み回路込みのネットリストが生成されることとなる。したがって、顧客回路をチップ上の適切な場所に配置できなくなる場合や、適切な配線が行えなくなる場合が発生し難くなる。
また、タイミング情報等の配置配線後のデータを顧客に返す際にテスト回路データの消去を行うか、あるいは顧客にテスト回路が追加されていることの了承を取るか、などの必要がなくなる。
次に、埋め込み回路がテスト回路である場合を例として採り上げ、顧客回路にテスト回路を繰り込む際の手順について説明する。図4は、顧客回路にテスト回路を繰り込む際のレイアウトを模式的に示す図である。図4(a)において、回路ブロック41は、図2の配置配線処理部22によって配置配線された顧客回路であって、セルFF1、FF2、FF3から構成される。セルFF1には、端子T1が設けられ、セルFF3には、端子T3が設けられ、端子T1、T3は、配線U0によって接続され、回路ブロック41の外部に引き出されている。また、セルFF1、FF2の一部、およびセルFF2、FF3の一部にはそれぞれ配線禁止図形で表される配線禁止領域が設定されている。この配線禁止図形は、ブロック内端子位置情報32において、例えばレイアウト設計ツール用のLEF(library exchange format)で定義されている。配線禁止領域は、テスト回路の埋め込み配線が存在する位置に設定され、顧客回路の配線がテスト回路の配線とショートエラーを起こさないようにしている。なお、セルFF2は、顧客回路に含まれず、端子付のフィルセルであってもよい。このフィルセルは、セルFF2の位置に顧客回路を置かせたくない等の制約を設ける時に使用するようにしてもよい。
図4(b)において、回路ブロック42は、図3のブロック内端子位置情報32に格納されている埋め込み回路向けの端子情報を、回路ブロック41上に図示したものである。ここでは、セルFF1、FF2、FF3にそれぞれ端子SIN、SOTが追加されて図示されている。端子SIN、SOTは、それぞれ、例えばテスト回路用のスキャンフリップフロップのスキャン入力端子、スキャン出力端子である。
一方、回路ブロック43は、図3の埋め込み配線パターン情報ライブラリ33によって与えられるものであり、配線CHAIN1、CHAIN2を含む。配線CHAIN1、CHAIN2は、配線情報記述44によって表され、{CHAIN1:φ}、{CHAIN2:φ}は、それぞれ配線CHAIN1、CHAIN2には何も繋がっていないことを意味する。
ショートチェック部35は、回路ブロック42、43の物理的な位置情報を元に端子や配線のショートチェックを行う。ここで、回路ブロック42、43には、図4(b)で示すような座標A、B、C、Dの情報があるとする。ショートチェックによって、配線CHAIN1とセルFF1の端子SOTとが座標Aでショートし、配線CHAIN1とセルFF2の端子SINとが座標Bでショートしていると判定される。また、同様に、配線CHAIN2とセルFF2の端子SOTとが座標Cでショートし、配線CHAIN2とセルFF3の端子SINとが座標Dでショートしていると判定される。この判定結果を元に図3の接続処理部36は、配線情報記述46を作成する。配線情報記述46において、例えば{CHAIN1:FF1/SOT,FF2/SIN}は、配線CHAIN1がセルFF1の端子SOTおよびセルFF2の端子SINと接続されていることを示す。配線CHAIN2、U0も同様である。なお、図4(c)の回路ブロック45は、接続処理部36の処理の結果、回路ブロック42と回路ブロック43とでショートしている部分が接続された回路を示している。
回路ブロック45および配線情報記述46は、テスト回路を顧客回路に埋め込んだ設計データ、すなわち配置配線結果データおよび復元回路データ37として出力される。このようにショートチェックによって物理的に接続されていると判定された要素同士は、論理的にも接続されている要素同士であるとしてネットリストが合成される。そして、合成されたネットリストが設計データとして顧客に対し提供される。
以上のような手順で顧客回路にテスト回路を埋め込むことで、顧客に内部的なテスト回路の存在を意識させること無く回路設計がなされる。また、テスト回路を埋め込むことで、顧客回路の配置配線を変更することが無く、顧客回路に影響を与えることがない。
次に、埋め込み回路がI/O(入出力)回路である場合を例として採り上げ、顧客回路にI/O回路を繰り込む際の手順について説明する。図5は、顧客回路にI/O回路を繰り込む際のレイアウトを模式的に示す図である。図5(a)において、セル群50を構成するセルIO_1、IO_2、IO_3、IO_4は、チップ周辺などに配置される入出力用のセルである。セルIO_1は、端子A1、A2を、セルIO_2は、端子B1、B2、B3を、セルIO_3は、端子C1、C2を、セルIO_4は、端子D1、D2を備え、さらに端子D1には配線NET1が接続されている。図5(a)のような状態では、端子D1を除く全ての端子は、孤立している。配線NET1は、配線情報記述51によって表され、{NET1:IO_4/D1}は、配線NET1がセルIO_4の端子D1に繋がっていることを意味する。
ショートチェック部35は、セルIO_1、IO_2、IO_3、IO_4の物理的な位置情報を元に、実施例1と同様に端子や配線のショートチェックを行う。このショートチェックによって、セルIO_1の端子A1とセルIO_2の端子B1とが座標Eで、セルIO_2の端子B1とセルIO_3の端子C1とが座標Fで、セルIO_3の端子C1とセルIO_4の端子D1とが座標Gでショートしていると判定される。また、セルIO_1の端子A2とセルIO_2の端子B2とが座標Hで、セルIO_2の端子B3とセルIO_3の端子C2とが座標Iで、セルIO_3の端子C2とセルIO_4の端子D2とが座標Jでショートしていると判定される。これらの判定結果を元に図3の接続処理部36は、配線情報記述52を作成する。配線情報記述52において、例えば{NET1:IO_1/A1,IO_2/B1,IO_3/C1,IO_4/D1 }は、配線NET1がセルIO_1の端子A1と、セルIO2の端子B1と、セルIO_3の端子C1と、セルIO_4の端子D1と接続されていることを示す。また、{A2_1:IO_1/A2,IO_2/B2 }は、セルIO_1の端子A2と、セルIO_2の端子B2とが配線A2_1を形成していることを意味する。さらに、{B3_1:IO_2/B3,IO_3/C2,IO_4/D2 }は、セルIO_2の端子B3と、セルIO_3の端子C2と、セルIO_4の端子D2とが配線B3_1を形成していることを意味する。なお、ここで配線A2_1あるいは配線B3_1は、顧客回路には存在していなかった配線であり、接続処理部36により生成された配線で、例えばI/O回路における電源の配線で使用される。このように図5(b)は、接続処理部36の処理の結果、図5(a)示すセル群50を構成する各セル間でショートしている部分が接続された回路ブロック53を示している。
回路ブロック53および配線情報記述52は、I/O回路を繰り込んだ設計データ、すなわち配置配線結果データおよび復元回路データ37として出力される。このようにショートチェックによって物理的に接続されていると判定された要素同士は、論理的にも接続されている要素同士であるとしてネットリストが合成される。そして、合成されたネットリストが設計データとして顧客に対し提供される。
このようなネットリスト合成において、顧客に内部的な配線の存在を意識させること無く回路設計がなされる。また、内部的な配線を埋め込むことで、顧客回路の配置配線を変更することが無く、顧客回路に影響を与えることがない。
以上本発明を上記実施例に即して説明したが、本発明は、上記実施例にのみ限定されるものではなく、本願特許請求の範囲の各請求項の発明の範囲内で当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。
本発明の実施形態に係る回路設計装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係る回路設計装置の主要機能部分を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係る埋め込み回路発生処理部の詳細を示すブロック図である。 顧客回路にテスト回路を繰り込む際のレイアウトを模式的に示す図である。 顧客回路にI/O回路を繰り込む際のレイアウトを模式的に示す図である。 従来の回路設計装置における設計手順を示す図である。
符号の説明
10 処理装置
11 入力装置
12 出力装置
13 記憶装置
20 プログラム
21 顧客回路設計データ
22 配置配線処理部
23 埋め込み回路情報搭載ライブラリ
24 埋め込み回路発生処理部
25 埋め込み回路込み設計データ
31 配置配線結果データ
32 ブロック内端子位置情報
33 埋め込み配線パターン情報ライブラリ
35 ショートチェック部
36 接続処理部
37 配置配線結果データおよび復元回路データ
41、42、43、45 回路ブロック
44、46、51、52 配線情報記述
50 セル群
53 回路ブロック
FF1、FF2、FF3、IO_1、IO_2、IO_3、IO_4 セル
A1、A2、B1、B2、B3、C1、C2、D1、D2、T1、T3、SIN、SOT 端子
U0、NET1 配線

Claims (6)

  1. 顧客の要求する回路(以下、顧客回路という)に付加回路を埋め込んだ回路を設計する装置であって、
    顧客回路の設計データから配置配線を行う配置配線処理部と、
    前記付加回路における要素の位置情報に基づいて、前記配置配線処理部が出力する配置配線結果に対して前記付加回路を埋め込んだ回路を生成する埋め込み回路発生処理部と、
    を備えることを特徴とする回路設計装置。
  2. 前記埋め込み回路発生処理部は、前記配置配線結果に前記付加回路を埋め込んだ際に物理的には接続されてショートとなる要素同士を、論理的にも接続されている要素同士であるとしてネットリストを合成して出力することを特徴とする請求項1記載の回路設計装置。
  3. 前記付加回路は、前記顧客回路をテストするための回路であることを特徴とする請求項1または2記載の回路設計装置。
  4. 前記付加回路は、入出力回路における内部回路であることを特徴とする請求項1または2記載の回路設計装置。
  5. 顧客の要求する回路(以下、顧客回路という)に付加回路を埋め込んだ回路を設計するプログラムであって、コンピュータを、
    顧客回路の設計データから配置配線を行う配置配線手段、
    前記付加回路における要素の位置情報に基づいて、前記配置配線処理部が出力する配置配線結果に対して前記付加回路を埋め込んだ回路を生成する埋め込み回路発生手段、
    として機能させるためのプログラム。
  6. 前記埋め込み回路発生手段は、前記配置配線結果に前記付加回路を埋め込んだ際に物理的には接続されてショートとなる要素同士を、論理的にも接続されている要素同士であるとしてネットリストを合成して出力することを特徴とする請求項5記載のプログラム。
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