JP2007011236A - スロットロッドおよびスロット型光ケーブル - Google Patents

スロットロッドおよびスロット型光ケーブル Download PDF

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久 丹治
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Abstract

【課題】 許容張力を低下させることなく可撓性を向上させることができるスロットロッドおよびスロット型光ケーブルを得る。
【解決手段】 略円筒形状のスロットロッド本体22中心に配置される抗張力体30を高弾性体からなる線材31を撚り合わせて形成する際に、最外層の線材31を同一円周上(R1)に配置すると共に、その周囲に抗張力体30と接着して低弾性体からなる低弾性率層40を設けた。
【選択図】 図1

Description

本発明はスロットロッドおよびスロット型光ケーブルに係り、略円筒形状の外周面に光ファイバ心線を収容するスロット溝が長手方向に捻回して設けられ、円筒中心に高弾性体からなる線材を撚り合わせて形成される抗張力体を配置したスロットロッドおよびスロット型光ケーブルに関するものである。
従来より、光ファイバ心線の高密度化が可能であって多くの情報を伝送でき、かつ計測用や制御用として巻取や繰り出しを容易に行うために、可撓性に富んだスロット型の光ケーブルが開示されている(例えば特許文献1参照)。
特許文献1に開示されている光ケーブルに用いられているスロットロッドでは、スロットロッドの可撓性を向上させるために、スロットロッドの中央に配される抗張力体が、外径が2mm以下の鋼撚線で構成されている。
特開平8−262296号公報
しかしながら、従来よりも小径の鋼撚線を用いることにより可撓性の向上を図っているため、抗張力体としての許容張力が低下して、スロットロッドに収容されている光ファイバ心線に張力が作用するという不都合があった。
本発明は、前述した問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、許容張力を低下させることなく可撓性を向上させることができるスロットロッドおよびスロット型光ケーブルを提供することにある。
前述した目的を達成するために、本発明にかかるスロットロッドの第1の特徴は、略円筒形状のスロットロッド本体の外周面に光ファイバ心線を収容するスロット溝が長手方向に捻回して設けられ、前記スロットロッド本体の中心に高弾性体からなる線材を撚り合わせて形成される抗張力体を配置したスロットロッドであって、前記抗張力体を構成する最外層の線材を同一円周上に配置すると共に、その周囲に前記抗張力体と接着して低弾性体からなる低弾性率層を設け、この低弾性率層を前記スロットロッド本体に接着して設けたことにある。
このように構成されたスロットロッドにおいては、略円筒形状のスロットロッド本体の中心に配置される抗張力体を高弾性体からなる線材を撚り合わせて形成する際に、最外層の線材を同一円周上に配置すると共に、その周囲に抗張力体と接着して低弾性体からなる低弾性率層を設けてスロットロッド本体に接着したので、スロットロッドに対していずれかの方向へ曲げが作用すると、抗張力体を構成している鋼撚線は曲げ半径が小さくなる方向へ移動する。このため、許容張力を低下させることなくスロットロッドの曲げ剛性を小さくして、可撓性を改善することができることになる。
また、本発明にかかるスロットロッドの第2の特徴は、上記本発明の第1の特徴において、前記抗張力体を構成する前記線材間には、互いに相対的移動ができない最密配置よりも大きな空隙を有することにある。
このように構成されたスロットロッドにおいては、スロットロッドに曲げが作用すると、抗張力体を構成する各線材は、線材間に設けられている空隙内を曲げ半径が小さくなる方向へ移動できるので、抗張力体の許容張力を低下させることなく曲げ剛性を小さくして曲げ易くすることができる。
また、本発明にかかるスロットロッドの第3の特徴は、上記本発明の第1または第2の特徴において、前記低弾性率層は弾性率が30Mpa〜160Mpaの熱可塑性樹脂で形成されており、断面内における前記低弾性率層の厚みが前記抗張力体の外接円から外側に3.33×(抗張力体の線径/本数)+0.07mm以上であることにある。
このように構成されたスロットロッドにおいては、低弾性率層の弾性率を30Mpa〜160Mpaとするとともに厚さを3.33×(抗張力体の線径/本数)+0.07mm以上とすることにより、通常の許容曲げ径(R=10×外径D)の曲げが作用した際に、低弾性率層が破断することなく、曲げ剛性を低減して曲げ易くすることができることになる。
また、本発明にかかるスロットロッドの第4の特徴は、上記本発明の第1または第2の特徴において、前記低弾性率層は弾性率が30Mpa〜160Mpaの熱可塑性樹脂で形成されており、断面内における前記低弾性率層の厚みが前記抗張力体の外接円から外側に6.82×(抗張力体の線径/本数)+0.11mm以上であることにある。
このように構成されたスロットロッドにおいては、低弾性率層の弾性率を30Mpa〜160Mpaとするとともに厚さを6.82×(抗張力体の線径/本数)+0.11mm以上とすることにより、予期しない曲げ径(R=5×外径D)の曲げが作用した際に、低弾性率層が破断することなく、曲げ剛性を低減して曲げ易くすることができることになる。
また、本発明にかかるスロットロッドの第5の特徴は、上記本発明の第1から第4のいずれかの特徴において、前記高弾性体からなる線材が鋼鉄線、ステンレス線、またはFRP(Fiberglass Reinforced Plastic)のいずれか、またはそれらから選択されたものの組み合わせからなることにある。
このように構成されたスロットロッドにおいては、鋼鉄線、ステンレス線、またはFRP(Fiberglass Reinforced Plastic)等の線材を用いて抗張力体を構成するので、許容張力を確保することができる。
また、本発明にかかるスロットロッドの第6の特徴は、上記本発明の第1から第5のいずれかの特徴において、前記抗張力体を前記スロットロッドから引き抜く際に必要な引き抜き力Fが、下式であることにある。
F≧0.5×M×L
ここで、M;光ケーブル重量、L;布設長
このように構成されたスロットロッドにおいては、スロットロッドから抗張力体を引き抜く際の引き抜き力が確保されるので、抗張力体がスロットロッドから剥離するのを防止して、許容張力の低下を防止することができる。
また、本発明にかかるスロット型光ケーブルの第7の特徴は、上記本発明の第1から第6のいずれかの特徴に記載のスロットロッドと、該スロットロッドのスロット溝に収容された光ファイバ心線と、該光ファイバ心線を前記スロット溝に収容して前記スロットロッドの外周面を覆う外被とを具備したものである。
このように構成されたスロット型光ケーブルにおいては、略円筒形状の中心に配置される抗張力体を高弾性体からなる線材を撚り合わせて形成する際に、最外層の線材を同一円周上に配置すると共に、その周囲に抗張力体と接着して低弾性体からなる低弾性率層を設けたので、スロット型光ケーブルに対していずれかの方向へ曲げが作用すると、抗張力体を構成している鋼撚線は曲げ半径が小さくなる方向へ移動する。このため、許容張力を低下させることなくスロット型光ケーブルの曲げ剛性を小さくして、可撓性を改善することができることになる。
本発明によれば、略円筒形状の中心に配置される抗張力体を高弾性体からなる線材を撚り合わせて形成する際に、最外層の線材を同一円周上に配置すると共に、その周囲に抗張力体と接着して低弾性体からなる低弾性率層を設けたので、スロットロッドに対していずれかの方向へ曲げが作用すると、抗張力体を構成している鋼撚線は曲げ半径が小さくなる方向へ配置を移動する。このため、許容張力を低下させることなくスロットロッドの曲げ剛性を小さくして、光ケーブルの可撓性を改善することができるという効果が得られる。
以下、本発明に係る好適な実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明の第1実施形態に係るスロットロッドおよびスロット型光ケーブルを示す断面図、図2は抗張力体および低弾性率層の拡大断面図、図3は図1に示した光ケーブルを曲げた際の抗張力体の変化を示す断面図、図4(A)および(B)は線材間に空隙がある別の配置の例を示す断面図、図5は曲げ実験を行った光ケーブルを示す断面図、図6は許容曲げ径で曲げ実験を行った結果を示す表、図7は図6の結果をまとめたグラフ、図8は予期しない曲げ径で曲げ実験を行った結果を示す表、図9は図8の結果をまとめたグラフ、図10は本発明にかかる実施例と従来構造との曲げ剛性の比較を示した表、図11は図10で示した光ケーブルの各部の材料を示す表である。
図1に示すように、本発明の第1実施形態にかかるスロット型光ケーブル10は、スロットロッド20と、スロットロッド20のスロット溝21に収容された光ファイバ心線11と、光ファイバ心線11をスロット溝21に収容してスロットロッド20の外周面を覆う例えばポリエチレンで形成される外被12とを具備している。
なお、図1においては、光ファイバ心線11として多心のテープ心線をスロット溝21に複数個積層したものを例示することができるが、この形態に限るものではない。
図1に示すように、本発明にかかるスロットロッド20は、略円筒形状のスロットロッド本体22の外周面22aに光ファイバ心線11を収容するスロット溝21が長手方向に捻回して設けられ、スロットロッド本体22の中心に高弾性体からなる線材31を撚り合わせて形成される抗張力体30を配置したものである。そして、図2に示すように、抗張力体30の最外層の線材31を同一円周R1上に配置すると共に、その周囲に抗張力体30と接着して低弾性体からなる低弾性率層40を設け、この低弾性率層40をスロットロッド本体22に接着して設けたものである。
図2に示すように、例えば、抗張力体30は9本の線材31から構成されており、3列で3段に配置されている。各線材31の中心が上下方向および水平方向に同一線上に配置されており、この状態では各線材31は移動可能な状態となっている。すなわち、抗張力体30を構成する線材31間には、互いに相対的移動ができない最密配置(図3参照)よりも大きな空隙32を有しており、線材31はこの空隙32内に移動可能となっている。
ここで、最密配置とは、線材31が最も密に配置されている状態を言い、線材31が移動できる空隙32を有していないため、各線材は安定位置にあって移動しようとしない。なお、線材31は、鋼鉄線、ステンレス線、またはFRP(Fiberglass Reinforced Plastic)のいずれか、またはそれらから選択されたものの組み合わせとすることができる。
上述した光ケーブル10を曲げた際の抗張力体30における線材31の配置の変化が図3に示されている。
図3に示すように、図1において光ケーブル10を水平方向の軸を中心として上下方向に曲げると、図2に示すように配置されていた線材31は、低弾性率層40を変形させながら抗張力体30の厚みT(図2参照)を減少させる方向へ移動する。その結果、線材31は、最密配置に移動することになり、抗張力体30の厚みが減少したことによりスロットロッド20の曲げ剛性が低減して光ケーブル10の可撓性が改善される。なお、曲げ力を取り除くと、低弾性率層40の弾性力により線材31は元の位置、すなわち図1および図2に示す位置に戻るので、方向性がなく、取り扱いが容易になる。
図4(A)および(B)には、最密配置と比較して線材31間に空隙32が設けられているその他の例が示されている。これらの線材31の配置の場合、曲げ力が作用した際の線材31の移動すなわち抗張力体30の変形が容易になるので、曲げ剛性を低減して、可撓性を改善させることが可能になる。
曲げが作用した際に、低弾性率層40に破断を生じることなく線材31の移動を許容するのに必要な低弾性率層40の厚さt(図2参照)について説明する。
必要な厚さtを決定するために、抗張力体30を構成する線材31の線径、本数、低弾性率層40の厚さ等を変化させて光ケーブル10を製造し、これらを一度曲げたのちに開放し、光ケーブル10を解体して低弾性率層40の破断の有無を観察した。
図5(A)〜(E)には、実験を行った光ケーブル10の断面図が示されている。光ケーブル10の外径Dは10mmとし、抗張力体30としては従来構造の1.6mm径の単線と同等の引っ張り張力を有するように種々の線径および本数を決定し、撚りピッチはいずれも18mmとした。また、低弾性率層40として、ヤング率78.4Mpaの熱可塑性樹脂を用いた。
まず、曲げ径を許容最小曲げ径であるR=10・D=100mmとして実験を行い、その結果が図6および図7に示されている。
図6中、タイプAは図5(A)に示されている光ケーブル10Aであり、0.6mmφの線材31aを7本用い、低弾性率層40の肉厚tが0.24mm、0.35mm、0.50mmの場合について実験した。その結果、低弾性率層40の肉厚tが0.24mmの場合のみ破断が認められた。
図6中、タイプBは図5(B)に示されている光ケーブル10Bであり、0.53mmφの線材31bを9本用い、低弾性率層40の肉厚tが0.18mm、0.26mmの場合について実験した。その結果、低弾性率層40の肉厚tが0.18mmの場合には破断が認められた。
図6中、タイプCは図5(C)に示されている光ケーブル10Cであり、0.46mmφの線材31cを12本用い、低弾性率層40の肉厚tが0.12mm、0.22mmの場合について実験した。その結果、低弾性率層40の肉厚tが0.12mmの場合には破断が認められた。
図6中、タイプDは図5(D)に示されている光ケーブル10Dであり、0.40mmφの線材31dを16本用い、低弾性率層40の肉厚tが0.08mm、0.15mm、0.23mmの場合について実験した。その結果、低弾性率層40の肉厚tが0.08mmの場合には破断が認められた。
図6中、タイプEは図5(E)に示されている光ケーブル10Eであり、0.37mmφの線材31eを19本用い、低弾性率層40の肉厚tが0.12mmの場合について実験した。その結果、低弾性率層40には破断が認められなかった。
以上の実験の結果を図7にまとめてある。その結果、通常の許容曲げ径R=10・Dに対しては、低弾性率層40の必要な肉厚は線径/本数に比例して大きくなり、3.33c+0.07(mm)以上の肉厚であれば破断しないことがわかった。ここで、cは抗張力体の線径/本数である。この結果は、低弾性率層40のヤング率が30〜160Mpaの範囲であれば同様に考えることができる。
これにより、通常の使用状態においては、低弾性率層40の破断なく、曲げ剛性を低減して可撓性を改善することができる。
次に、実際の布設において予期しない曲げが生じた場合について前述の場合と同じ光ケーブルについて考える。このときの曲げ径をR=5・D=50mmとして実験を行い、その結果が図8および図9に示されている。
図8中、タイプA(図5(A)の光ケーブル10A)については、低弾性率層の肉厚が0.59mm、0.68mm、0.76mmの場合について実験した。その結果、低弾性率層の肉厚が0.59mmの場合のみ破断が認められた。
図8中、タイプB(図5(B)の光ケーブル10B)については、低弾性率層の肉厚が0.43mm、0.54mmの場合について実験した。その結果、低弾性率層の肉厚が0.43mmの場合には破断が認められた。
図8中、タイプC(図5(C)の光ケーブル10C)については、低弾性率層の肉厚が0.23mm、0.34mmの場合について実験した。その結果、低弾性率層の肉厚が0.23mmの場合には破断が認められた。
図8中、タイプD(図5(D)の光ケーブル10D)については、低弾性率層の肉厚が0.20mm、0.28mm、0.40mmの場合について実験した。その結果、低弾性率層の肉厚が0.20mmの場合には破断が認められた。
図8中、タイプE(図5(E)に示されている光ケーブル10E)については、低弾性率層の肉厚が0.25mmの場合について実験した。その結果、低弾性率層には破断が認められなかった。
以上の実験の結果を図9にまとめてある。その結果、予期しないときの曲げ径R=5・Dに対しては、低弾性率層40の必要な肉厚は線径/本数に比例して大きくなり、6.82c+0.11(mm)以上の肉厚があれば破断しないことがわかった。この結果は、低弾性率層40のヤング率が30〜160Mpaの範囲であれば同様になる。
これにより、予期せぬ曲率半径(5・D)で光ファイバ10が曲がった場合でも、低弾性率層40の破断なく、曲げ剛性を低減して可撓性を改善することができる。
次に、抗張力体30の引き抜き力について説明する。
抗張力体30の引き抜き力は、光ケーブル布設時に抗張力体30が抜けないことが必須となる。一般的に用いられる光ケーブルと布設管路の摩擦係数は0.5程度であり、ケーブル重量をM(g/m)、布設長をL(m)とすると、この抗張力体30をスロットロッド20から引き抜く際に必要な引き抜き力Fは、F≧0.5×M×L となる。
これにより、布設の際に抗張力体30がスロットロッド20から抜けることを防止することができる。ここで、M;光ケーブル重量、L;布設長である。
上述した本発明にかかるスロット型光ファイバケーブルの具体例の曲げ剛性を、従来構造の光ケーブルの曲げ剛性と比較する。
図10は本発明にかかる実施例2種を従来構造2種との比較を示した表が示されている。なお、各部材の材料およびヤング率は図11に示してあるが、低弾性率層40には、ヤング率98Mpaのポリエチレンが用いられており、スロットロッド本体22のヤング率980Mpaの10分の1の弾性率である。
図10に示すように、従来構造Aを基準とし、この曲げ剛性を1.00としたときの比率が示されている。この従来構造Aでは、抗張力体を1本の鋼線で構成し、抗張力体の周囲には低弾性率層を設けていない。また、従来構造Bでは、抗張力体を7本の線材により構成したが、同様に抗張力体の周囲には低弾性率層を設けていない。
本発明にかかる実施例Aでは、図1および図2で示した配置に9本の線材31を配置し、その周囲に低弾性率層40を設けてある。また、実施例Bでは、線材31を7本配置してある。なお、実施例および従来構造ともに、光ケーブルの径に対するスロットロッドの径の比率、抗張力体の強度、外被の厚さ材質等は全て共通であり、異なるのは抗張力体30の構成および低弾性率層40の有無のみである。
図10に示すように、従来構造Aを基準として曲げ剛性を1としたときに、実施例Aでは曲げ剛性比は0.75、また、実施例Bでは曲げ剛性比は0.81となり、いずれのケースでも曲げ剛性が低減されていることがわかる。なお、従来構造Bの曲げ剛性が若干小さくなっているのは、抗張力体30を複数本の線材31の撚り構造とした効果によるものと思われる。
以上、前述したスロットロッド20およびスロット型光ファイバケーブル10によれば、略円筒形状の中心に配置される抗張力体30を高弾性体からなる線材31を撚り合わせて形成する際に、最外層の線材31を同一円周上(R1)に配置すると共に、その周囲に抗張力体30と接着して低弾性体からなる低弾性率層40を設けたので、スロットロッド20に対していずれかの方向へ曲げが作用すると、抗張力体30を構成している線材31は曲げ半径が小さくなる方向へ移動する。このため、許容張力を低下させることなくスロットロッド20の曲げ剛性を小さくして、光ケーブル10の可撓性を改善することができることになる。
なお、本発明のスロットロッドは、前述した実施形態に限定されるものでなく、適宜な変形,改良等が可能である。
すなわち、例えば前述した実施の形態においては、鋼鉄線からなる線材31を撚って抗張力体30を形成した場合について説明したが、このほか、ステンレス線、またはFRPや、またはそれらから選択されたものの組み合わせで形成するようにすることもできる。
また、前述した実施の形態においては、スロットロッド20に3本のスロット溝21を設けた場合について説明したが、スロット溝21の本数を限定するものではない。
以上のように、本発明に係るスロットロッドは、略円筒形状のスロットロッド本体の中心に配置される抗張力体を高弾性体からなる線材を撚り合わせて形成する際に、最外層の線材を同一円周上に配置すると共に、その周囲に抗張力体と接着して低弾性体からなる低弾性率層を設けたので、スロットロッドに対していずれかの方向へ曲げが作用すると、抗張力体を構成している鋼撚線は曲げ半径が小さくなる方向へ移動する。このため、許容張力を低下させることなくスロットロッドの曲げ剛性を小さくして、可撓性を改善することができるという効果を有し、略円筒形状の外周面に光ファイバ心線を収容するスロット溝が長手方向に捻回して設けられ、円筒中心に高弾性体からなる線材を撚り合わせて形成される抗張力体を配置したスロットロッドおよびスロット型光ケーブル等として有用である。
本発明の第1実施形態に係るスロットロッドおよびスロット型光ケーブルを示す断面図である。 抗張力体および低弾性率層の拡大断面図である。 図1に示した光ケーブルを曲げた際の抗張力体の変化を示す断面図である。 (A)および(B)は線材間に空隙がある配置の例を示す断面図である。 曲げ実験を行った光ケーブルを示す断面図である。 許容曲げ径で曲げ実験を行った結果を示す表である。 図6の結果をまとめたグラフである。 予期しない曲げ径で曲げ実験を行った結果を示す表である。 図8の結果をまとめたグラフである。 本発明にかかる実施例と従来構造との比較を示した表である。 図10で示した光ケーブルの各部の材料を示す表である。
符号の説明
10 スロット型光ケーブル
11 光ファイバ心線
20 スロットロッド
21 スロット溝
22 スロットロッド本体
22a 外周面
30 抗張力体
31 線材
32 空隙
40 低弾性率層
R1 同一円
R2 外接円

Claims (7)

  1. 略円筒形状のスロットロッド本体の外周面に光ファイバ心線を収容するスロット溝が長手方向に捻回して設けられ、前記スロットロッド本体の中心に高弾性体からなる線材を撚り合わせて形成される抗張力体を配置したスロットロッドであって、
    前記抗張力体を構成する最外層の線材を同一円周上に配置すると共に、その周囲に前記抗張力体と接着して低弾性体からなる低弾性率層を設け、この低弾性率層を前記スロットロッド本体に接着して設けたことを特徴とするスロットロッド。
  2. 前記抗張力体を構成する前記線材間には、互いに相対的移動ができない最密配置よりも大きな空隙を有することを特徴とする請求項1に記載のスロットロッド。
  3. 前記低弾性率層は弾性率が30Mpa〜160Mpaの熱可塑性樹脂で形成されており、断面内における前記低弾性率層の厚みが前記抗張力体の外接円から外側に3.33×(抗張力体の線径/本数)+0.07mm以上であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のスロットロッド。
  4. 前記低弾性率層は弾性率が30Mpa〜160Mpaの熱可塑性樹脂で形成されており、断面内における前記低弾性率層の厚みが前記抗張力体の外接円から外側に6.82×(抗張力体の線径/本数)+0.11mm以上であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のスロットロッド。
  5. 前記高弾性体からなる線材が鋼鉄線、ステンレス線、またはFRP(Fiberglass Reinforced Plastic)のいずれか、またはそれらから選択されたものの組み合わせからなることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のスロットロッド。
  6. 前記抗張力体を前記スロットロッドから引き抜く際に必要な引き抜き力Fが、下式であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載のスロットロッド。
    F≧0.5×M×L
    ここで、M;光ケーブル重量、L;布設長
  7. 請求項1から請求項6のいずれかに記載のスロットロッドと、該スロットロッドのスロット溝に収容された光ファイバ心線と、該光ファイバ心線を前記スロット溝に収容して前記スロットロッドの外周面を覆う外被とを具備したことを特徴とするスロット型光ケーブル。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2018515888A (ja) * 2015-05-12 2018-06-14 江蘇永鼎股▲ふん▼有限公司Jiangsu Etern Company Limited 超フレキシブル室内付随光電気複合ケーブル

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