JP2007010491A - ハニカムフィルタの検査方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 隔壁で仕切られた多数の流路を有する複数のハニカム構造体が、流路方向に接合されてなるとともに、流路の所望部位を封止したハニカムフィルタの流路の健全性を簡単に且つ安価に検査する方法を得る。
【解決手段】 隔壁で仕切られた多数の流路を有する複数のハニカム構造体が流路方向に接合されてなるとともに流路の所望部位を封止したハニカムフィルタの検査方法であって、ハニカムフィルタの流路に検査体を装入して、流路の健全性を確認することを特徴とするハニカムフィルタの検査方法。
【選択図】 図1
【解決手段】 隔壁で仕切られた多数の流路を有する複数のハニカム構造体が流路方向に接合されてなるとともに流路の所望部位を封止したハニカムフィルタの検査方法であって、ハニカムフィルタの流路に検査体を装入して、流路の健全性を確認することを特徴とするハニカムフィルタの検査方法。
【選択図】 図1
Description
本発明は、ディーゼルエンジンやボイラー等の燃焼装置から排出される排気ガス中の微粒子状物質を捕集、除去するのに使用されるセラミックハニカムフィルタの検査方法に関する。
ディーゼルエンジンやボイラー等の燃焼装置から排出される排気ガス中には、炭素を主体とする微粒子状物質(パティキュレート・マター、以下「PM」という)が多量に含まれており、これが大気中に放出されると、人体や環境に悪影響を与える。このため、これらの排気系部品には、PMを捕集、除去するためのフィルタが搭載されている。図2は、ディーゼルエンジンの排気ガス中のPMを捕集、除去する、従来のセラミックハニカムフィルタの一例を示し、(a)は一部を省略した正面模式図、(b)は側断面模式図である。図2において、セラミックハニカムフィルタ20は、多孔質セラミックからなり、外周壁1と、この外周壁1の内側に各々直交する隔壁2で仕切られた多数の流路3、4を有するセラミックハニカム構造体21が、排気ガスの流入側端面7と流出側端面8で交互に封止部5、6で封止されている。
ところで近年、PMの捕集効率を向上させるなどの目的で、図1に示すような流入側の封止部がハニカムフィルタの流入側端面から離れた流路内部に形成されたハニカムフィルタが開発されつつある。例えば、特許文献1には、図1に示す形態のハニカムフィルタ10において、ハニカムフィルタ10は、多孔質の隔壁により仕切られた軸方向に貫通する多数の流路を有する第一のハニカム構造体11Aの片側においてのみ、一部の流路の一方の端部を封止してなる第一のハニカムフィルタ10Aと、多孔質の隔壁により仕切られた軸方向に貫通する多数の流路を有する第二のハニカム構造体11Bの一方の端面において一部の流路の一方の端部を封止し、他方の端面において残余の流路の一方の端部を封止してなる第二のハニカムフィルタ10Bとが、互いの流路の封止部5a、5bにおいて接触しているか、又は接合されて形成されている。
特許文献1に提案される、図1に示す形態のハニカムフィルタは、別々に製造されたハニカム構造体11A、11Bで、ハニカム構造体11Aの流出側端面8aに封止部5aを形成した第一のハニカムフィルタ10Aと、ハニカム構造体11Bの流入側端面7b及び流出側端面8bにそれぞれ封止部5b、6を形成した第二のハニカムフィルタ10Bとを、第一のハニカムフィルタ10Aの封止部5aと第二のハニカムフィルタ10Bの封止部5bにて接合を行っている。第一のハニカムフィルタ10Aと第二のハニカムフィルタ10Bの接合の際には、流路の連続性を保つ為に、何れか一方の封止部5aの貼り合わせ面を凸形状とし、他方の封止部5bの貼り合わせ面をそれに対応した凹部形状とすることにより、または、第一のハニカムフィルタ10Aと第二のハニカムフィルタ10Bとの何れか一方の封止部にピンを設けておき、他方の封止部に当該ピンが嵌合するような孔部を設けておくことによって、位置決めを容易にするとの記載がある。
しかし、このように封止部で精度良く合わせて一体化した場合でも、実際にハニカムフィルタとして使用した場合に、初期状態から圧力損失が高く、使用出来ないハニカムフィルタがあった。本発明者らが原因を調査すると、そのように圧力損失の高いハニカムフィルタは、ハニカム構造体11Aとハニカム構造体11Bの接合部で流路の連続性が保たれていない、すなわち、ハニカム構造体の外周は円筒形状であるために、外周部は良好に接合されている場合でも、ハニカム構造体11Aの流出側端面8aとハニカム構造体11Bの流入側端面7bとの接合部で隔壁がずれてしまい、例えば、図3(図1の矢視断面G−G(拡大図))に示すように、実際にはハニカム構造体11Aの隔壁2aと封止部5aが、ハニカム構造体11Bの流路3bに跨がって、流路3bの断面積(S)を縮小させ、ハニカムフィルタの圧力損失を増加させてしまうことがあることが分かった。
しかし、このように封止部で精度良く合わせて一体化した場合でも、実際にハニカムフィルタとして使用した場合に、初期状態から圧力損失が高く、使用出来ないハニカムフィルタがあった。本発明者らが原因を調査すると、そのように圧力損失の高いハニカムフィルタは、ハニカム構造体11Aとハニカム構造体11Bの接合部で流路の連続性が保たれていない、すなわち、ハニカム構造体の外周は円筒形状であるために、外周部は良好に接合されている場合でも、ハニカム構造体11Aの流出側端面8aとハニカム構造体11Bの流入側端面7bとの接合部で隔壁がずれてしまい、例えば、図3(図1の矢視断面G−G(拡大図))に示すように、実際にはハニカム構造体11Aの隔壁2aと封止部5aが、ハニカム構造体11Bの流路3bに跨がって、流路3bの断面積(S)を縮小させ、ハニカムフィルタの圧力損失を増加させてしまうことがあることが分かった。
従来、ハニカム構造体の軸方向の流路の検査方法としては、ハニカム構造体の一方の端面から光線を照射し、他方の端面に置かれたスクリーンに映る投影像により、流路の検査を行う方法が特許文献2に記載されている。しかし、この検査方法はガソリンエンジン車用の排気ガス浄化用触媒担体のような、流路に封止部の無いハニカム構造体に適したものであり、ハニカムフィルタのような流路の所望部位に封止したものについては、流路を一方の端部から他方の端部まで光が透過しないために封止不良部、もしくは封止の欠損の検査には有効であるが、ハニカム構造体の接合に伴う隔壁のズレの検査には使用できなかった。ハニカムフィルタでも、封止部形成前に流路の検査を行うのであれば適用可能であるが、特に図1に示すような流入側の封止部がハニカムフィルタの流入側端面から離れた流路内部に生成され、且つ封止部で接合するハニカムフィルタの場合には適用できなかった。
また、ハニカムフィルタの検査方法としては、微粒子をハニカムフィルタ内に導入し、ハニカムフィルタ近傍に指向性の良い光を発生させて、前記光がハニカムフィルタから排出される微粒子を照射して可視化することによりハニカムフィルタの隔壁の欠陥を検査する方法が、特許文献3に記載されている。さらに、水粒子を発生させて、その水粒子をハニカムフィルタの流路に導入して、流路から排出される水粒子の粒度分布と粒子数を測定して、隔壁の欠陥を検査する方法が特許文献4に記載されている。
しかし、特許文献3、特許文献4に記載の検査方法は、隔壁の欠陥を検査することは可能であるが、上記のようなハニカム構造体同士を接合させる構造のハニカムフィルタの接合部での隔壁のズレを検査しようとしても、特許文献3や特許文献4の方法では、ハニカムフィルタから排出される可視化された微粒子や水粒子の粒度分布が、隔壁の欠陥によるものか、隔壁のズレにより生じたものか判別がつかなかった。また、微粒子を可視化、或いは粒子の流度分布を測定するための装置が必要となり、検査システムが複雑となって検査コストが上昇するという問題も有していた。
また、ハニカムフィルタの検査方法としては、微粒子をハニカムフィルタ内に導入し、ハニカムフィルタ近傍に指向性の良い光を発生させて、前記光がハニカムフィルタから排出される微粒子を照射して可視化することによりハニカムフィルタの隔壁の欠陥を検査する方法が、特許文献3に記載されている。さらに、水粒子を発生させて、その水粒子をハニカムフィルタの流路に導入して、流路から排出される水粒子の粒度分布と粒子数を測定して、隔壁の欠陥を検査する方法が特許文献4に記載されている。
しかし、特許文献3、特許文献4に記載の検査方法は、隔壁の欠陥を検査することは可能であるが、上記のようなハニカム構造体同士を接合させる構造のハニカムフィルタの接合部での隔壁のズレを検査しようとしても、特許文献3や特許文献4の方法では、ハニカムフィルタから排出される可視化された微粒子や水粒子の粒度分布が、隔壁の欠陥によるものか、隔壁のズレにより生じたものか判別がつかなかった。また、微粒子を可視化、或いは粒子の流度分布を測定するための装置が必要となり、検査システムが複雑となって検査コストが上昇するという問題も有していた。
したがって、本発明の目的は、隔壁で仕切られた多数の流路を有する複数のハニカム構造体が流路方向に接合されてなるとともに流路の所望部位を封止したハニカムフィルタの流路の健全性を簡単に且つ安価に検査する方法を得ることにある。
本発明のハニカムフィルタの検査方法は、隔壁で仕切られた多数の流路を有する複数のハニカム構造体が流路方向に接合されてなるとともに流路の所望部位を封止したハニカムフィルタの検査方法であって、前記ハニカムフィルタの流路に検査体を装入して流路の健全性を確認することを特徴とする。前記検査体が棒状体であると好ましい。前記検査体は前記ハニカムフィルタの流路の軸方向垂直断面の最大内接円の45〜90%の直径であると好ましい。より好ましくは60〜85%である。
前記検査体が可撓部材であると好ましい。前記検査体が鋼線であると好ましい。前記検査体の表面粗さが最大高さで0.1〜50μmであると好ましい。さらに、前記検査体の長さが前記ハニカムフィルタの長さの50%〜100%であることが好ましい。前記検査体の端面角部に面取り或いは曲面部が形成されていることが好ましい。
前記検査体が可撓部材であると好ましい。前記検査体が鋼線であると好ましい。前記検査体の表面粗さが最大高さで0.1〜50μmであると好ましい。さらに、前記検査体の長さが前記ハニカムフィルタの長さの50%〜100%であることが好ましい。前記検査体の端面角部に面取り或いは曲面部が形成されていることが好ましい。
上記の検査方法を用いることにより、ハニカム構造体の接合部での封止部が形成されていない流路の開放端部より検査体を装入し、ハニカム構造体の接合部分にズレがある場合には、検査体が接合部の隔壁のズレによりそれ以上先には挿入できないために、複数のハニカム構造体が流路方向に接合されてなるとともに流路の所望部位を封止したハニカムフィルタにおいて、実際に使用する前に隔壁のズレに伴う高い圧力損失を有する可能性のあるハニカムフィルタを判定することができる。
前記検査体が棒状体であると好ましいのは、ハニカム構造体の接合部の位置は端面から比較的中の方に位置するためにハニカム構造体流路の内部まで検査体を装入する必要があるために、このような形状が好ましい。
前記検査体は前記ハニカムフィルタの流路の軸方向垂直断面の最大内接円の45〜90%の直径であると好ましいのは、検査体の直径が流路の軸方向垂直断面最大内接円の45%よりも小さい場合、隔壁のズレがある場合でも検査体が接合部を通過して、正確な判定が出来ない恐れがあるからである。また、検査体の直径が流路の軸方向垂直断面の最大内接円の90%よりも大きい場合、検査体と隔壁との隙間が小さくなり過ぎ、検査体をハニカム構造体に装入する時に検査体と隔壁とが接触しながら進む為に、検査体と接触により、隔壁の表面が削れて隔壁の強度が低下し、破損しやすくなるためである。
前記検査体が可撓部材であると好ましいのは、ハニカム構造体に形成されている流路は実際には真直ぐではなく、ある程度曲がっている可能性があり、可撓性のある部材を用いると流路の曲がりに倣って検査体が曲がりながら流路中を進行することができ、隔壁の曲がりに伴い検査体が流路を進行出来なくなり、接合部のズレと誤認されることを防ぐことが出来る。また、可撓性のない検査体が隔壁の曲がりに追随できずに隔壁を破損することも防ぐことが出来る。前記検査体の材質としては、金属、樹脂、木材等の材質を適用可能であるが、特に鋼線や鉄線であると好ましいのは、可撓性を有するとともに安易に入手可能だからである。
前記検査体の表面粗さが最大高さで0.1〜50μmであると好ましいのは、隔壁表面には細孔が形成されており、検査体の表面に凹凸があると隔壁表面の細孔の凹凸と接触し、隔壁表面の凹凸を破壊しながら進む可能性もあり、検査体の表面粗さは最大高さで0.1〜50μmが好ましい。
前記検査体の長さが前記ハニカムフィルタの長さの50%〜100%であることが好ましいのは、ハニカム構造体の接合部の位置は端面から離れた位置に配置される、検査体の長さがハニカムフィルタの長さの50%以上であれば、ハニカムフィルタの流入側、流出側端面の両端面から検査体を装入しても、ハニカム構造体の接合部の位置に到達できるからであり、さらに、ハニカム構造体の接合部の位置は端面には存在しない、検査体の長さはハニカムフィルタの長さの100%を超える必要はないのである。
前記検査体の端面角部に面取り或いは曲面部が形成されていることが好ましいのは、検査体をハニカム構造体に装入する時、検査体の端面角部に面取り或いは曲面部が形成されていることで、検査体と隔壁とが接触し難くなり、また、検査体と隔壁とが接触しても隔壁が壊れ難くなるからである。
前記検査体が棒状体であると好ましいのは、ハニカム構造体の接合部の位置は端面から比較的中の方に位置するためにハニカム構造体流路の内部まで検査体を装入する必要があるために、このような形状が好ましい。
前記検査体は前記ハニカムフィルタの流路の軸方向垂直断面の最大内接円の45〜90%の直径であると好ましいのは、検査体の直径が流路の軸方向垂直断面最大内接円の45%よりも小さい場合、隔壁のズレがある場合でも検査体が接合部を通過して、正確な判定が出来ない恐れがあるからである。また、検査体の直径が流路の軸方向垂直断面の最大内接円の90%よりも大きい場合、検査体と隔壁との隙間が小さくなり過ぎ、検査体をハニカム構造体に装入する時に検査体と隔壁とが接触しながら進む為に、検査体と接触により、隔壁の表面が削れて隔壁の強度が低下し、破損しやすくなるためである。
前記検査体が可撓部材であると好ましいのは、ハニカム構造体に形成されている流路は実際には真直ぐではなく、ある程度曲がっている可能性があり、可撓性のある部材を用いると流路の曲がりに倣って検査体が曲がりながら流路中を進行することができ、隔壁の曲がりに伴い検査体が流路を進行出来なくなり、接合部のズレと誤認されることを防ぐことが出来る。また、可撓性のない検査体が隔壁の曲がりに追随できずに隔壁を破損することも防ぐことが出来る。前記検査体の材質としては、金属、樹脂、木材等の材質を適用可能であるが、特に鋼線や鉄線であると好ましいのは、可撓性を有するとともに安易に入手可能だからである。
前記検査体の表面粗さが最大高さで0.1〜50μmであると好ましいのは、隔壁表面には細孔が形成されており、検査体の表面に凹凸があると隔壁表面の細孔の凹凸と接触し、隔壁表面の凹凸を破壊しながら進む可能性もあり、検査体の表面粗さは最大高さで0.1〜50μmが好ましい。
前記検査体の長さが前記ハニカムフィルタの長さの50%〜100%であることが好ましいのは、ハニカム構造体の接合部の位置は端面から離れた位置に配置される、検査体の長さがハニカムフィルタの長さの50%以上であれば、ハニカムフィルタの流入側、流出側端面の両端面から検査体を装入しても、ハニカム構造体の接合部の位置に到達できるからであり、さらに、ハニカム構造体の接合部の位置は端面には存在しない、検査体の長さはハニカムフィルタの長さの100%を超える必要はないのである。
前記検査体の端面角部に面取り或いは曲面部が形成されていることが好ましいのは、検査体をハニカム構造体に装入する時、検査体の端面角部に面取り或いは曲面部が形成されていることで、検査体と隔壁とが接触し難くなり、また、検査体と隔壁とが接触しても隔壁が壊れ難くなるからである。
本発明のハニカムフィルタの検査方法によれば、隔壁で仕切られた多数の流路を有する複数のハニカム構造体が流路方向に接合されてなるとともに流路の所望部位を封止したハニカムフィルタの流路に検査体を装入して流路の健全性を確認することから、ハニカム構造体同士の接合部に生じる隔壁のズレに伴って生じるハニカムフィルタの圧力損失の上昇を簡単に安価に判定することができる。
以下、本発明の実施の形態の例を、図面に基づき詳細に説明する。
(実施の形態1)
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態に実施例を用いて詳細に説明する。
(実施例1)
本発明の実施例1において、図1に示すセラミックハニカムフィルタを作成した。セラミックハニカムフィルタ10は、コージェライト質セラミックスからなり、外径267mm、長さ304.4mm、隔壁厚さ0.3mm、隔壁ピッチ1.5mmである。流入側封止部は、流入側端面から92mmの位置に設けられている。このセラミックハニカムフィルタは、一方の端面に封止部5aを有する第1のセラミックハニカム構造体11Aと、両端面に封止部5b及び6を有する第2のセラミックハニカム構造体11Bを、封止部において流路方向に接合して一体化されている。
(実施例1)
本発明の実施例1において、図1に示すセラミックハニカムフィルタを作成した。セラミックハニカムフィルタ10は、コージェライト質セラミックスからなり、外径267mm、長さ304.4mm、隔壁厚さ0.3mm、隔壁ピッチ1.5mmである。流入側封止部は、流入側端面から92mmの位置に設けられている。このセラミックハニカムフィルタは、一方の端面に封止部5aを有する第1のセラミックハニカム構造体11Aと、両端面に封止部5b及び6を有する第2のセラミックハニカム構造体11Bを、封止部において流路方向に接合して一体化されている。
実施例1に用いられるセラミックハニカムフィルタ10の製造方法について図4で説明する。カオリン、タルク、溶融シリカ、水酸化アルミ、アルミナなどの粉末を調整して、コージェライト生成原料粉末とし、これに、成形助剤としてメチルセルロースを、また造孔剤としてグラファイト及び有機発泡剤を適量添加し、乾式で十分混合した後、規定量の水を注水し、さらに十分な混練を行って可塑性を有するセラミック坏土を作成する。次に、このセラミック坏土をハニカム構造体用押出成形用金型を使用して、押出すことにより、外周壁の内側に隔壁2で仕切られた多数の流路3、4を有し、外周壁と隔壁が一体的に形成されたハニカム構造の成形体を製造する。次いで、この成形体をマイクロ波乾燥炉を用いて、加熱して、乾燥を行った後焼成し、外径267mm、長さ100mm、壁厚0.3mm、ピッチ1.5mmのハニカム構造体11Aと、外径267mm、長さ204mm、壁厚0.3mm、ピッチ1.5mmのハニカム構造体11Bとした(図4(a))。
次に、ハニカム構造体11Aの端面8aを図5に示すようにマスキングフィルム21を接着剤で貼り付けた後(図5(a))、市松模様となるように穿孔し(図5(b))、容器23に収容したスラリー状の封止部材22に端面8aを浸漬する(図5(c))ことで、コーディエライト化原料からなるスラリー状の封止部材を穿孔部を通して浸入させ、マスキングフィルム21を除去(図5(d))して、流入側封止部5aを形成する(図5(e))。この封止部5aの長さはハニカム構造体11Aの端面8aから8mmとした。このとき、マスキングフィルムの厚さを調整することにより、突出高さ0.5mmの突出部51を封止部5aに形成した。一方、同様の方法により、ハニカム構造体11Bの流入部端面7bと流出部端面8bにマスキングフィルム21を接着剤で貼り付けた後、市松模様となるように穿孔し、続いて、容器23に収容したスラリー状の封止部材22に流入部端面7bを浸漬することで、スラリー状の封止部材を穿孔部を通して浸入させ、突出部51を有する流入側封止部5bを形成する。同様に、流出部端面8bをスラリー状の封止部材22に浸漬して、流出側封止部6を形成する(図4(b))。封止部5bの長さは端面7bから8mm、封止部6の長さは端面8bから12mmとした。
次に、ハニカム構造体11A、11Bの流路数箇所内に金属製位置合わせピンを入れて、各流路が一致するようにハニカム構造体11A、11Bを位置決めした後、ハニカム構造体11Aと11Bを相対的に僅かに回転させて、ハニカム構造体11Aに形成された突出部51を有する封止部5aとハニカム構造体11Bに形成された封止部5bとを互いに、突き合わせた後に圧着し、封止部5aと5bを一体化させる(図4(c))。その後、乾燥、金属製位置合わせピンを除去し、焼成を行うことにより、封止部5aと5b、更には封止部5a及び5bと隔壁とをコーディエライト焼成反応により接合させ、ハニカム構造体11Aと11Bを一体化させる。
上記のように二つのハニカム構造体11A、11Bを流路方向に接合することによって、外径267mm、長さ304.4mm、隔壁厚さ0.3mm、隔壁ピッチ1.5mmの寸法を有し、排気ガス流入側の封止部を、ハニカムフィルタの排気ガス流入側端面からフィルタ内部に配置させることにより流入側封止部の排気ガス上流側に空間が確実に形成される構造のハニカムフィルタを得た。同様の方法で、5個のハニカムフィルタを作成し、それぞれ試験体1〜試験体5とした。
また、試験比較の為に、次のような、一つのハニカム構造体の流路の所望部位を封止したハニカムフィルタを作成した。外径267mm、長さ304.4mm、隔壁厚さ0.3mm、隔壁ピッチ1.5mmの寸法を有するコージェライト質ハニカム構造体を形成した後、コージェライト組成の粉末に所定量の有機バインダと水を混合し、保形性のあるペーストを調整して、ペースト注入器によりハニカム構造体の流入側端面より92mmの位置に流入側封止部を有し、流出側封止部はハニカム構造体の流出側端面に形成されている比較体1を作成した。
また、試験比較の為に、次のような、一つのハニカム構造体の流路の所望部位を封止したハニカムフィルタを作成した。外径267mm、長さ304.4mm、隔壁厚さ0.3mm、隔壁ピッチ1.5mmの寸法を有するコージェライト質ハニカム構造体を形成した後、コージェライト組成の粉末に所定量の有機バインダと水を混合し、保形性のあるペーストを調整して、ペースト注入器によりハニカム構造体の流入側端面より92mmの位置に流入側封止部を有し、流出側封止部はハニカム構造体の流出側端面に形成されている比較体1を作成した。
上記のそれぞれのハニカムフィルタ5個について、本発明のハニカムフィルタの検査方法を実施した。ハニカムフィルタの流入側の端面7aの開口流路3aから、任意の流路20箇所にそれぞれ表1に示す直径で、長さ250mmのステンレス鋼製の棒状部材を装入し、接合部である流出側端面から200mm以上の位置まで20箇所のうち何箇所挿入できるかを調べ、挿入することができた流路数を表1に示す。さらにハニカムフィルタのそれぞれの圧力損失を、比較体の圧力損失を100として相対比較を行い、併せて表1に示す。
ここで、圧力損失の測定には、圧力損失試験装置を用い、ハニカムフィルタに流量7.5Nm3/minとして空気を流し、ハニカムフィルタの空気の流入側と流出側の差圧を測定することで圧力損失を測定した。
ここで、圧力損失の測定には、圧力損失試験装置を用い、ハニカムフィルタに流量7.5Nm3/minとして空気を流し、ハニカムフィルタの空気の流入側と流出側の差圧を測定することで圧力損失を測定した。
表1から明かなように、本発明の検査方法を用いることにより、流路の健全性が容易に検査でき、前記した圧力損失試験装置を用いることなく、隔壁のズレに伴い生じる圧力損失の高いハニカムフィルタを簡単に判別することが出来る。特に、検査体の直径が、流路の軸方向垂直断面の最大内接円の45〜90%の好ましい範囲である1.0mm、0.8mm、0.6mmを用いた場合、容易に圧力損失の高いハニカムフィルタを判別することが出来る。尚、検査体の直径が、流路の軸方向垂直断面の最大内接円の90%を超える場合である1.1mmを用いた場合は、容易に圧力損失の高いハニカムフィルタを判別することは出来たが、隔壁を破損した箇所があった。
上記実施例では、複数のハニカム構造体が流路方向に接合されてなるとともに、流入側封止部がハニカムフィルタの流入側端面から離れて形成されているハニカムフィルタの例を用いて説明したが、本発明の作用効果からすれば、複数のハニカム構造体が流路方向に接合されてなるとともに、流出側封止部がハニカムフィルタの流出側端面から離れて形成されているハニカムフィルタであっても同様の作用効果が得られることは言うまでもない。
10、20:セラミックハニカムフィルタ(ハニカムフィルタ)
11A、11B、21:セラミックハニカム構造体(ハニカム構造体)
1:外周壁
2、2a、2b:隔壁
3、3a、3b、4、4a、4b:流路
5、5a、5b、6:封止部
7、7a、7b:流入側端面
8、8a、8b:流出側端面
51:突出部
S:流路断面積
11A、11B、21:セラミックハニカム構造体(ハニカム構造体)
1:外周壁
2、2a、2b:隔壁
3、3a、3b、4、4a、4b:流路
5、5a、5b、6:封止部
7、7a、7b:流入側端面
8、8a、8b:流出側端面
51:突出部
S:流路断面積
Claims (8)
- 隔壁で仕切られた多数の流路を有する複数のハニカム構造体が流路方向に接合されてなるとともに流路の所望部位を封止したハニカムフィルタの検査方法であって、前記ハニカムフィルタの流路に検査体を装入して流路の健全性を確認することを特徴とするハニカムフィルタの検査方法。
- 前記検査体が棒状体であることを特徴とする請求項1に記載のハニカムフィルタの検査方法。
- 前記検査体は前記ハニカムフィルタの流路の軸方向垂直断面の最大内接円の45〜90%の直径であることを特徴とする請求項1又は2に記載のハニカムフィルタの検査方法。
- 前記検査体が可撓部材であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のハニカムフィルタの検査方法。
- 前記検査体が鋼線であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のハニカムフィルタの検査方法。
- 前記検査体の表面粗さが最大高さで0.1〜50μmであることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のハニカムフィルタの検査方法。
- 前記検査体の長さが前記ハニカムフィルタの長さの50%〜100%であることを特徴とする請求項1乃至請求項6いずれかに記載のハニカムフィルタの検査方法。
- 前記検査体の端面角部に面取り或いは曲面部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載のハニカムフィルタの検査方法。
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JP2005191859A JP2007010491A (ja) | 2005-06-30 | 2005-06-30 | ハニカムフィルタの検査方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2012130842A (ja) * | 2010-12-20 | 2012-07-12 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 逆浸透膜淡水化装置及び逆浸透膜淡水化装置の検査方法 |
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2005
- 2005-06-30 JP JP2005191859A patent/JP2007010491A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2012130842A (ja) * | 2010-12-20 | 2012-07-12 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 逆浸透膜淡水化装置及び逆浸透膜淡水化装置の検査方法 |
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