JP2007010490A - 雑音解析装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 デジタル伝送信号に含まれる雑音成分の統計的性質を解析することができる雑音解析装置を提供すること。
【解決手段】 雑音解析装置10は、被測定雑音成分を含むデジタル伝送信号を入力し、所定の帯域幅の信号を通過させる帯域通過フィルタ11と、信号を増幅する増幅器12と、周波数を変換する周波数変換部13と、周波数変換されたアナログ信号のデータをデジタル信号のデータに変換するA/D変換部14と、デジタル信号のデータを記録する記録部15と、記録部15からデジタル信号のデータを読み出して統計量を演算する演算部16と、演算結果を表示する表示部17とを備える。
【選択図】 図1
【解決手段】 雑音解析装置10は、被測定雑音成分を含むデジタル伝送信号を入力し、所定の帯域幅の信号を通過させる帯域通過フィルタ11と、信号を増幅する増幅器12と、周波数を変換する周波数変換部13と、周波数変換されたアナログ信号のデータをデジタル信号のデータに変換するA/D変換部14と、デジタル信号のデータを記録する記録部15と、記録部15からデジタル信号のデータを読み出して統計量を演算する演算部16と、演算結果を表示する表示部17とを備える。
【選択図】 図1
Description
本発明は、デジタル伝送信号に含まれる雑音成分の統計的性質を解析する雑音解析装置に関する。
従来、デジタル信号を伝送するシステムの性能を評価する試験としては、ビット誤り率(Bit Error Rate、以下「BER」という。)特性の評価試験が知られている。デジタル伝送信号には雑音成分が含まれており、雑音成分はデータ伝送における妨害となりBER特性に影響を与える。雑音成分の特性を解析するには、スペクトラムアナライザやオシロスコープを用いて周波数特性を分析する手法が一般的である。また、計算機シミュレーションによって雑音成分の特性を解析する雑音解析装置も種々提案されている(例えば、特許文献1及び2参照。)。
まず、特許文献1に記載された雑音解析装置は、雑音源の種類を入力するパラメータ入力部と、雑音源の等価電源電圧の大きさを計算する等価電源計算部と、等価電源電圧を入力したときの出力スペクトルを計算する出力スペクトル計算部とを備え、回路接続パラメータや素子パラメータを入力するだけで、その出力雑音を解析することができるようになっている。
次に、特許文献2に記載された雑音解析装置は、雑音源の解析条件を指定する入力手段と、発振周波数や周期的定常解を演算する周期的定常解演算手段と、周期的線形時変システムに雑音源を付加する雑音源付加手段と、雑音源を付加した周期的線形時変システムの雑音源から出力までの伝達関数を演算する時変伝達関数演算手段と、観測する周波数に折り返す時変伝達関数のパワーを各雑音源に加算する折り返し成分演算手段と、雑音を解析した結果を表示する出力手段とを備え、雑音源毎の雑音や、伝達関数の次数毎の雑音を別々に解析することができるようになっている。
しかしながら、特許文献1及び2に示された従来の雑音解析装置は、デジタル伝送信号に含まれる雑音成分の特徴を定量的に検出することができるが、増幅器や回路素子の非線形性によって発生する相互変調歪み成分を含むデジタル伝送信号の雑音成分の統計解析はできなかった。以下、具体的に説明する。
非線形性によって相互変調歪みが発生しやすいデジタル伝送信号としては、例えば地上デジタル放送や無線LAN(Local Area Network)等で用いられるOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交周波数分割多重)信号がある。以下、OFDM信号を例に挙げ、相互変調歪みについて図7を用いて説明する。図7(a)及び(b)は、それぞれ、線形領域及び非線形領域におけるOFDM信号のスペクトラム例を示す模式図である。また、図7(c)は、相互変調歪みの発生原理を説明するためのスペクトラム例を示す模式図である。
地上デジタル放送で用いられるOFDM信号は、例えば図7(a)に示すように、伝送帯域幅がfL〜fHの連続した複数波からなっており、線形領域においては雑音成分として熱雑音成分を含んでいる。熱雑音成分は、その振幅データが正規分布に従うことが知られており、理論的な解析方法は周知である。一方、OFDM信号の増幅率が増大された非線形領域においては、図7(b)に示すように熱雑音成分に加えて相互変調歪み成分が発生し、これらは伝送系における妨害波となるので、OFDM信号のBER特性を劣化させてしまう。
相互変調歪みは、近接した複数の周波数の信号が非線形回路を通った場合に発生する歪みであり、例えば周波数f1及びf2の信号が非線形回路を通った場合、mf1±nf2(m、nは整数)の周波数の信号が現れ、デジタル伝送信号の妨害となってしまう。m±nを相互変調の次数と呼び、図7(c)に示すように、奇数次の相互変調歪み成分が、周波数f1及びf2の信号の近傍に現れる。
非線形性が顕著になるに従って、奇数次の相互変調歪み成分の中でも特に3次関数で表される相互変調歪み成分(CTB:Composite Triple Beat)、すなわち図7(c)においては2f1−f2、2f2−f1の周波数の相互変調歪み成分の影響度合いが大きくなり、周波数f1及びf2のデジタル伝送信号のBER特性を顕著に劣化させることとなる。
また、相互変調歪み成分は、伝送帯域のBER特性を劣化させるだけでなく、伝送帯域に隣接する周波数領域においても影響を及ぼす。例えば、周波数fHよりも高い周波数領域にケーブルテレビの伝送帯域を設定した場合でも相互変調歪み成分による影響を受け、ケーブルテレビの伝送信号のBER特性が劣化してしまう。
以上のように、相互変調歪み成分を含む雑音成分とBER特性とは密接な関係を有しており、雑音成分を解析することによりBER特性を推定することは、デジタル信号の伝送特性を推定する上で重要な課題であるが、従来の雑音解析装置は、相互変調歪み成分に係る解析、例えば相互変調歪み成分の統計的性質の解析はできないので、BER特性を精度よく推定するためのデータを提供できるものではなかった。
本発明は、従来の課題を解決するためになされたものであり、デジタル伝送信号に含まれる雑音成分の統計的性質を解析することができる雑音解析装置を提供するものである。
本発明の雑音解析装置は、デジタル伝送信号に含まれる雑音成分の振幅データを取得する雑音振幅データ取得手段と、前記雑音成分の振幅データに係る所定の統計量を算出する統計量算出手段と、前記統計量に基づいて前記雑音成分の振幅データを正規化し、正規化した正規化振幅の累積確率分布を算出する累積確率分布算出手段とを備えた構成を有している。
この構成により、本発明の雑音解析装置は、統計量算出手段が、雑音成分の振幅データに係る所定の統計量を算出し、累積確率分布算出手段が、統計量に基づいて雑音成分の振幅データを正規化し、正規化した正規化振幅の累積確率分布を算出するので、デジタル伝送信号に含まれる雑音成分の統計的性質を解析することができる。
また、本発明の雑音解析装置は、前記雑音成分の正規化振幅の累積確率分布と予め定められた基準累積確率分布との比を算出する比算出手段を備えた構成を有している。
この構成により、本発明の雑音解析装置は、雑音成分の正規化振幅の累積確率分布と予め定められた基準累積確率分布との比を算出することができる。
さらに、本発明の雑音解析装置は、前記デジタル伝送信号が、熱雑音成分を含み、前記基準累積確率分布は、前記熱雑音成分の振幅の累積確率分布であり、前記比算出手段は、前記雑音成分の正規化振幅の累積確率分布と前記熱雑音成分の振幅の累積確率分布との比を算出する構成を有している。
この構成により、本発明の雑音解析装置は、比算出手段が、雑音成分の正規化振幅の累積確率分布と熱雑音成分の振幅の累積確率分布との比を算出するので、熱雑音成分の妨害特性との比較ができる。
さらに、本発明の雑音解析装置は、前記デジタル伝送信号が、相互変調歪み成分を含み、前記雑音成分の正規化振幅の累積確率分布は、前記相互変調歪み成分の正規化振幅の累積確率分布であり、前記比算出手段は、前記相互変調歪み成分の正規化振幅の累積確率分布と前記熱雑音成分の振幅の累積確率分布との比を算出する構成を有している。
この構成により、本発明の雑音解析装置は、比算出手段が、相互変調歪み成分の正規化振幅の累積確率分布と熱雑音成分の振幅の累積確率分布との比を算出するので、相互変調歪み成分がデジタル伝送信号の妨害となる割合を算出することができ、また、熱雑音成分の振幅の累積確率分布に対する相互変調歪み成分の正規化振幅の累積確率分布の乖離を定量的に示すことができる。
さらに、本発明の雑音解析装置は、前記雑音成分の正規化振幅の累積確率分布及び前記基準累積確率分布のデータを所定の確率紙を模した画面に表示する表示手段を備えた構成を有している。
この構成により、本発明の雑音解析装置は、表示手段が、雑音成分の正規化振幅の累積確率分布及び基準累積確率分布のデータを所定の確率紙を模した画面に表示するので、雑音成分の正規化振幅の累積確率分布と基準累積確率分布との比を定量的に示すことができる。
本発明は、デジタル伝送信号に含まれる雑音成分の統計的性質を解析することができる雑音解析装置を提供することができるものである。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
まず、本実施の形態の雑音解析装置の構成について図1を用いて説明する。図1は、本実施の形態に係る雑音解析装置のブロック図である。
図1に示すように、本実施の形態の雑音解析装置10は、被測定雑音成分を含むデジタル伝送信号を入力し、所定の帯域幅の信号を通過させる帯域通過フィルタ11と、信号を増幅する増幅器12と、周波数を変換する周波数変換部13と、周波数変換されたアナログ信号のデータをデジタル信号のデータに変換するアナログデジタル変換部(以下「A/D変換部」という。)14と、デジタル信号のデータを記録する記録部15と、記録部15からデジタル信号のデータを読み出して所定の統計量を演算する演算部16と、演算結果を表示する表示部17とを備えている。
帯域通過フィルタ11は、例えば地上デジタル放送波がOFDM信号によって伝送される周波数帯域(以下「伝送帯域」という。)の信号に含まれる雑音成分を通過させるようになっている。増幅器12は、帯域通過フィルタ11を通過した伝送帯域の雑音成分を増幅するようになっている。ここで、雑音成分は、線形領域において熱雑音成分を含み、非線形領域において相互変調歪み成分及び熱雑音成分を含む。この相互変調歪み成分及び熱雑音成分は、デジタル伝送信号の伝送系で発生する妨害波である。
周波数変換部13は、局部発振信号を生成する局部発振器13aと、増幅された伝送帯域の雑音成分と局部発振信号とを混合するミキサ13bとを備え、伝送帯域の雑音成分を中間周波数(IF)の信号に変換するようになっている。
A/D変換部14は、中間周波数に変換されたアナログ信号である伝送帯域の雑音成分の振幅データを取得し、取得した振幅データをデジタル値に変換するようになっている。なお、A/D変換部14は、本発明の雑音振幅データ取得手段を構成している。
記録部15は、例えば半導体メモリで構成され、A/D変換部14によってデジタル値に変換された雑音成分の振幅データを記録するようになっている。
演算部16は、例えばCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read−Only Memory)、RAM(Random−Access Memory)等で構成され、雑音成分の振幅データを記録部15から読み出し、振幅データの平均値、分散値及び標準偏差等の統計量を演算するようになっている。なお、標準偏差は、記号σで表記する。
また、演算部16は、演算によって求めた統計量に基づいて雑音成分の振幅のデータを正規化し、正規化した振幅(以下「正規化振幅」という。)の累積確率分布を求め、正規化振幅の累積確率分布と、予め定められた基準累積確率分布、例えば正規分布との比を算出するようになっている。なお、演算部16は、演算した統計量や、ある正規化振幅における累積確率、正規化振幅の累積確率分布と正規分布との比等のデータを、表示部17及び外部の装置に出力するようになっている。また、演算部16は、本発明の統計量算出手段、累積確率分布算出手段及び比算出手段を構成している。
表示部17は、例えば液晶ディスプレイで構成され、例えば正規確率紙を模した画面を表示して、正規化振幅の累積確率分布と、正規分布とを比較するデータを表示するようになっている。また、表示部17は、演算部16によって演算された統計量や、ある正規化振幅における累積確率、正規化振幅の累積確率分布と正規分布との比等のデータを表示することができるようになっている。なお、表示部17は、正規確率紙を模した画面のみを表示するものに限定されず、演算部16によって処理される統計量に応じた確率紙を模した画面を表示する構成としてもよい。また、表示部17は、本発明の表示手段を構成している。
次に、本実施の形態の雑音解析装置10の動作について、図1〜図4を用いて説明する。
図2は、本実施の形態の雑音解析装置10に信号源としてのOFDM信号発生装置20を接続し、地上デジタル放送のOFDM信号を非線形増幅した際に発生する相互変調歪み成分の特性を解析する例を示す図である。OFDM信号発生装置20は、地上デジタル放送のOFDM信号を発生するOFDM信号発生器21と、増幅器23の入力レベルを設定する減衰器22と、OFDM信号を増幅する増幅器23とを備えている。
また、図3は、雑音解析で用いた地上デジタル放送のOFDM信号のスペクトラムを示す図であり、図3(a)は、増幅器23に入力されるOFDM信号のスペクトラムを示し、図3(b)は、増幅器23から出力されるOFDM信号のスペクトラム、すなわち相互変調歪み成分を含むスペクトラムを示す図である。
まず、雑音解析に用いたOFDM信号について図3を用いて説明する。図3(a)に示すように、地上デジタル放送のOFDM信号は、地上デジタル放送で使用されるUHF(Ultra High Frequency)帯の19ch(中心周波数509MHz)から27ch(同557MHz)までの連続した9波の信号である。
図3(a)に示すように、増幅器23に入力されるOFDM信号の電力レベルは、OFDM信号の周波数が高い側に隣接するチャンネル帯域(以下「右側隣接伝送チャンネル」という。)において、雑音電力レベルとの差が約55dBであった。増幅器23に入力されるOFDM信号の電力レベルを減衰器22によって変化させたものが図3(b)に示すスペクトラムであり、右側隣接伝送チャンネルにおける雑音電力レベルとの差を約35dBとした。
前述のように設定されたOFDM信号は、雑音解析装置10(図1参照)に入力され、帯域通過フィルタ11及び増幅器12を介して周波数変換部13に入力される。ここで、雑音解析装置10によって解析される被解析雑音成分として、620MHz付近に発生する歪み成分、すなわちOFDM信号のCTBとし、周波数変換部13からの出力が、中心周波数10MHz、帯域幅6MHzの中間周波数帯の信号となるよう周波数変換部13によって周波数変換した。
次いで、被解析雑音成分の信号は、A/D変換部14によって標本化定理に基づいてデジタル信号に変換され、被解析雑音成分の振幅データが例えば107個取得される。このサンプルデータは記録部15によって記録される。
引き続き、演算部16によって、被解析雑音成分の振幅データの全サンプルデータが記録部15から読み出され、被解析雑音成分の統計的性質を把握するため、振幅データの平均値、分散値及び標準偏差σが取得される。
さらに、演算部16によって、被解析雑音成分の振幅データの全サンプルが正規化され、振幅データの平均値が0、標準偏差σが1とされる。この正規化処理によって、被解析雑音成分と、正規分布する熱雑音成分との統計的性質の比較が可能となる。また、演算部16によって、被解析雑音成分の正規化振幅の累積確率分布(以下「振幅分布」という。)が算出される。
そして、表示部17によって、正規確率紙を模した画面と共に、被解析雑音成分の正規化振幅の振幅分布と、正規分布する熱雑音成分とのグラフが、例えば図4に示すように表示される。図4において、横軸は正規化振幅を示し、縦軸は累積確率を示している。また、実線は正規分布する熱雑音成分のデータ、破線はOFDM信号のCTBを解析的に導出した理論値、丸印は実験で取得し統計処理したOFDM信号のCTBの測定値を示している。
図4に示すように、CTBの測定値は、解析的に導出したCTBの理論値とよく一致し、正規化振幅の絶対値が大きい範囲で正規分布から大きく乖離していることを示している。これは、OFDM信号のCTBが、正規分布する熱雑音成分と同じ電力であっても、デジタル変調信号のBER特性の劣化への影響が大きくなることを意味している。
次に、歪み成分のデジタル伝送信号への妨害の影響を送受信機を用いて測定した。CTBの大きさをパラメータとして、QAM(Quadrature Amplitude Modulation:直交振幅変調)信号の搬送波対雑音電力比(Carrier to Noise ratio、以下「CNR」という。)に対するBER特性を測定した。ここでは、QAM信号として1024QAM信号を例に挙げる。なお、1024QAM信号としては、グレイ(Gray)符号配置されているものを用いた。
図5は、QAM信号の伝送特性を測定するための構成例を示すブロック図である。図5(a)に示すように、QAM信号を出力する送信機としてのQAM変調器31と、非線形歪み成分を含む信号を発生する非線形歪発生器32と、QAM変調器31の出力信号と非線形歪発生器32の出力信号とを加算する加算器33と、熱雑音信号を発生する熱雑音発生器34と、加算器33の出力信号と熱雑音信号とを加算する加算器35と、QAM信号を復調する受信機としてのQAM復調器36と、BER特性を表示するBER表示器37とを備えた構成でQAM信号の伝送特性を測定した。
図5(b)に示す非線形歪発生器32は、前述したOFDM信号発生装置20(図2参照)と、雑音解析装置10(図1参照)に含まれる帯域通過フィルタ11、局部発振器13a及びミキサ13bとを備え、非線形歪み成分を含む信号を発生するようになっている。ここで、非線形歪みとは、増幅器や回路素子の非線形性によって発生する相互変調歪みをいい、CTBを含む。このCTBは、雑音解析装置10の動作説明において被解析雑音成分とした620MHz付近に発生するOFDM信号の3次の相互変調歪みとし、ミキサ13bに入力される。そして、ミキサ13bからは、中心周波数10MHz、帯域幅6MHzの中間周波数帯の信号が出力されるようになっている。
QAM変調器31からのQAM信号に、非線形歪み成分及び熱雑音成分が妨害波として加えられQAM復調器36に入力される。QAM復調器36の入力にスペクトラムアナライザを接続し、スペクトラムアナライザで雑音電力密度(dBm/Hz)を測定して、QAM信号のシンボルレートの帯域幅で換算することにより妨害波電力を求めた。CTBの値はQAM信号の平均電力に対する妨害波電力の相対値とした。
図6は、CNRと1024QAM信号のBER特性との関係を示した図であり、OFDM信号の9波から発生した歪みの影響を示している。図6において、三角印、四角印及びX印でそれぞれプロットしたデータは、CTBの大きさをパラメータとして、CNR対1024QAM信号のBER特性を測定した結果を示したものである。また、黒丸でプロットしたデータは、熱雑音成分のみの場合のBER特性の測定値を示している。また、実線は、1024QAM信号のBER特性の理論値を示している。
図6に示すように、CNRが低くなり熱雑音成分の割合が高くなると、CTBによるBER特性は熱雑音成分によるBER特性に近づく。このことは熱雑音成分とCTBとが畳み込まれる場合の雑音成分の統計的性質を表しており、熱雑音成分の割合が高くなるにつれて妨害波が正規分布に近くなることを示している。
以上のように、本実施の形態の雑音解析装置10によれば、演算部16は、CTBの統計量を算出し、統計量に基づいてCTBの振幅データを正規化し、正規化した正規化振幅の累積確率分布を算出する構成としたので、デジタル伝送信号に含まれる雑音成分の統計的性質を解析することができる。
また、本実施の形態の雑音解析装置10によれば、演算部16は、CTBの正規化振幅の累積確率分布と熱雑音成分の振幅の累積確率分布との比を算出する構成としたので、CTBと熱雑音成分との比を定量的に示すことができる。
さらに、本実施の形態の雑音解析装置10によれば、表示部17は、CTBの正規化振幅の累積確率分布及び熱雑音成分の振幅の累積確率分布のデータを正規確率紙を模した画面に表示する構成としたので、熱雑音成分からのCTBの乖離を定量的に示すことができ、従来の雑音解析に用いられるスペクトラムアナライザでは示せない特性を表示することができる。
さらに、本実施の形態の雑音解析装置10によれば、相互変調歪み成分の統計的性質の解析ができるので、BER特性を精度よく推定するためのデータを提供することができる。
なお、本実施の形態において、CTBの正規化振幅の累積確率分布を解析する構成を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、3次以外の相互変調歪みを解析する構成であってもよいし、相互変調歪み以外の雑音成分を解析する構成であってもよい。
また、本実施の形態において、デジタル伝送信号としてOFDM信号を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
10 雑音解析装置
11 帯域通過フィルタ
12、23 増幅器
13 周波数変換部
13a 局部発振器
13b ミキサ
14 A/D変換部(雑音振幅データ取得手段)
15 記録部
16 演算部(統計量算出手段、累積確率分布算出手段、比算出手段)
17 表示部(表示手段)
20 OFDM信号発生装置
21 OFDM信号発生器
22 減衰器
31 QAM変調器
32 非線形歪発生器
33、35 加算器
34 熱雑音発生器
36 QAM復調器
37 BER表示器
11 帯域通過フィルタ
12、23 増幅器
13 周波数変換部
13a 局部発振器
13b ミキサ
14 A/D変換部(雑音振幅データ取得手段)
15 記録部
16 演算部(統計量算出手段、累積確率分布算出手段、比算出手段)
17 表示部(表示手段)
20 OFDM信号発生装置
21 OFDM信号発生器
22 減衰器
31 QAM変調器
32 非線形歪発生器
33、35 加算器
34 熱雑音発生器
36 QAM復調器
37 BER表示器
Claims (5)
- デジタル伝送信号に含まれる雑音成分の振幅データを取得する雑音振幅データ取得手段と、前記雑音成分の振幅データに係る所定の統計量を算出する統計量算出手段と、前記統計量に基づいて前記雑音成分の振幅データを正規化し、正規化した正規化振幅の累積確率分布を算出する累積確率分布算出手段とを備えたことを特徴とする雑音解析装置。
- 前記雑音成分の正規化振幅の累積確率分布と予め定められた基準累積確率分布との比を算出する比算出手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の雑音解析装置。
- 前記デジタル伝送信号は、熱雑音成分を含み、前記基準累積確率分布は、前記熱雑音成分の振幅の累積確率分布であり、前記比算出手段は、前記雑音成分の正規化振幅の累積確率分布と前記熱雑音成分の振幅の累積確率分布との比を算出することを特徴とする請求項2に記載の雑音解析装置。
- 前記デジタル伝送信号は、相互変調歪み成分を含み、前記比算出手段は、前記相互変調歪み成分の正規化振幅の累積確率分布と前記熱雑音成分の振幅の累積確率分布との比を算出することを特徴とする請求項3に記載の雑音解析装置。
- 前記雑音成分の正規化振幅の累積確率分布及び前記基準累積確率分布のデータを所定の確率紙を模した画面に表示する表示手段を備えたことを特徴とする請求項2から請求項4までのいずれか1項に記載の雑音解析装置。
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