JP2007009955A - 無段変速機 - Google Patents

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Abstract

【課題】無段変速機の軸方向寸法を小さくすることができるようにする。
【解決手段】入力ディスク17、出力ディスク19及びパワーローラ20を備え、入力軸16を介して伝達された回転を、無段に変速して出力するトロイダル式の無段変速装置12と、無段変速装置12に隣接させて配設されたプラネタリギヤ機構13と、入力軸16を介して伝達された回転に基づいて駆動され、油をアクチュエータに供給するオイルポンプと、無段変速装置12とプラネタリギヤ機構13との間に配設され、オイルポンプに入力軸16の回転を伝達する回転伝動部を有する。そして、無段変速装置12及びプラネタリギヤ機構13は第1軸に、オイルポンプは第1軸と平行な第2軸に配設される。この場合、入力軸16上にオイルポンプを配設する必要がない。
【選択図】図1

Description

本発明は、無段変速機に関するものである。
従来、トロイダル式の無段変速機においては、トロイダル式の無段変速装置とプラネタリギヤ機構とを組み合わせることによって形成され、トルク循環を利用して前記無段変速装置によって得られた変速比をプラネタリギヤ機構によって増幅し、広範囲の出力用の変速比(以下「出力変速比」という。)を達成するようになっている。
そのために、入力軸と前記無段変速装置とが接続され、該無段変速装置とプラネタリギヤ機構とが接続され、プラネタリギヤ機構と出力軸とが接続される。
そして、モードをローモードとハイモードとで切り換えるために、前記プラネタリギヤ機構と出力軸との間にモード切換装置が配設され、該モード切換装置は、係脱自在に配設されたローモード用及びハイモード用の各クラッチを備え、該各クラッチを選択的に係合させることによって、前記プラネタリギヤ機構のローモード用の出力ギヤ又はハイモード用の出力ギヤを出力軸に接続し、所定の出力変速比の回転を出力軸に出力するようになっている(例えば、特許文献1参照。)。
また、前記無段変速装置の変速比を変更したり、各クラッチを係脱したりするために油圧回路が形成され、該油圧回路において、オイルポンプから吐出された油が各アクチュエータに供給されるようになっている。
国際公開第WO03/100295A1号パンフレット
しかしながら、前記従来の無段変速機においては、前記オイルポンプを、例えば、入力軸を介して入力される回転によって作動させようとすると、入力軸上にオイルポンプを配設する必要があり、その場合、無段変速機の軸方向寸法が大きくなってしまう。
本発明は、前記従来の無段変速機の問題点を解決して、軸方向寸法を小さくすることができる無段変速機を提供することを目的とする。
そのために、本発明の無段変速機においては、入力ディスク、出力ディスク、及び前記入力ディスクと出力ディスクとの間に配設されたパワーローラを備え、入力軸を介して伝達された回転を、無段に変速して出力するトロイダル式の無段変速装置と、該無段変速装置に隣接させて配設され、前記出力ディスクから出力された回転を受け、出力軸に伝達するプラネタリギヤ機構と、前記入力軸を介して伝達された回転に基づいて駆動され、油を所定のアクチュエータに供給するオイルポンプと、前記無段変速装置とプラネタリギヤ機構との間に配設され、前記オイルポンプに入力軸の回転を伝達する回転伝動部とを有する。
そして、前記無段変速装置及びプラネタリギヤ機構は第1軸に、前記オイルポンプは第1軸と平行な第2軸に配設される。
本発明の他の無段変速機においては、さらに、前記オイルポンプは、前記プラネタリギヤ機構の径方向外方に配設される。
本発明の更に他の無段変速機においては、さらに、前記無段変速装置とプラネタリギヤ機構との間に、無段変速装置及びプラネタリギヤ機構より径が小さいくびれ部が形成される。そして、該くびれ部において、前記無段変速装置及びプラネタリギヤ機構とオイルポンプとが前記回転伝動部によって連結される。
本発明の更に他の無段変速機においては、さらに、前記プラネタリギヤ機構は、一つの要素に前記無段変速装置から出力された回転が入力され、他の一つの要素に入力軸の回転が入力され、前記他の一つの要素は前記入力ディスクと連結される。そして、前記くびれ部は前記他の一つの要素と入力ディスクとの間に形成される。また、前記くびれ部に、前記無段変速装置及びプラネタリギヤ機構を回転自在に支持する回転支持部材が配設される。
本発明の更に他の無段変速機においては、さらに、前記回転伝動部は、前記オイルポンプの回転速度を入力軸の回転速度より高くする。
本発明の更に他の無段変速機においては、さらに、前記オイルポンプはバルブボディに直接組み付けられる。そして、油を濾(ろ)過するストレーナが、その排出口を前記オイルポンプの吸引口に直接臨ませて配設される。
本発明によれば、無段変速機においては、入力ディスク、出力ディスク、及び前記入力ディスクと出力ディスクとの間に配設されたパワーローラを備え、入力軸を介して伝達された回転を、無段に変速して出力するトロイダル式の無段変速装置と、該無段変速装置に隣接させて配設され、前記出力ディスクから出力された回転を受け、出力軸に伝達するプラネタリギヤ機構と、前記入力軸を介して伝達された回転に基づいて駆動され、油を所定のアクチュエータに供給するオイルポンプと、前記無段変速装置とプラネタリギヤ機構との間に配設され、前記オイルポンプに入力軸の回転を伝達する回転伝動部とを有する。
そして、前記無段変速装置及びプラネタリギヤ機構は第1軸に、前記オイルポンプは第1軸と平行な第2軸に配設される。
この場合、前記無段変速装置及びギヤ機構は第1軸に、前記オイルポンプは第1軸と平行な第2軸に配設されるので、入力軸上にオイルポンプを配設する必要がない。その結果、無段変速機の軸方向寸法を小さくすることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図2は本発明の実施の形態における無段変速機の概念図である。
図において、11はトロイダル式の無段変速機(IVT)であり、該無段変速機11は、トロイダル式の無段変速装置(バリエータ)12、ギヤ機構としてのプラネタリギヤ機構13、反転ギヤ機構14、モード切換装置15等を備える。なお、前記トロイダル式の無段変速装置には、ハーフトロイダル式及びフルトロイダル式の無段変速装置があり、本実施の形態においては、フルトロイダル式の無段変速装置について説明する。
前記無段変速装置12は、回転自在に、かつ、互いに対向させて配設されるとともに、入力軸16と連結され、前方(図において左方)及び後方(図において右方)に配設された二つの入力ディスク17、該各入力ディスク17間において、各入力ディスク17と対向させて回転自在に配設され、第1の伝動軸としての中空軸18と連結された出力ディスク19、並びに前記各入力ディスク17及び出力ディスク19によって挟持された中間転動体としての2列のパワーローラ20を備える。
前記入力軸16は、車両駆動源としての図示されないエンジンの出力軸と連結され、エンジンを駆動することによって発生させられた回転が伝達される。なお、車両駆動源として、前記エンジンに代えてモータ等を使用することができる。
前記各入力ディスク17及び出力ディスク19は、それぞれ対向する円形の一部を構成する円弧状の凹溝17a、19aを備え、各パワーローラ20を挟むことによって、二つのキャビティを備えたダブルキャビティを形成する。したがって、入力ディスク17同士のスラスト力を打ち消すことができる。なお、本実施の形態においては、フルトロイダル式の無段変速装置が使用されるので、各パワーローラ20の傾転中心が各キャビティの中心に置かれる。
前記パワーローラ20は、無段変速装置12の中心軸に対して直角の方向にシフトさせることによって傾斜させられ、入力ディスク17及び出力ディスク19との各接触半径を変更する。これにより、無段変速装置12は、入力軸16を介して入力ディスク17に入力された回転を、無段に連続して変速し、出力ディスク19から中空軸18に出力する。本実施の形態においては、入力軸16の回転速度を入力速度niとし、中空軸18の回転速度を出力速度noとしたとき、入力速度niに対する出力速度noの比で表される変速比γは、−0.4〜−2.5にされる。なお、入力ディスク17に正方向の回転が入力されると、出力ディスク19が反転させられ、出力ディスク19から逆方向の回転が出力されるので、前記変速比γは負の値を採る。
前記プラネタリギヤ機構13は、ハイモード用として使用されるギヤユニット21及びローモード用として使用されるギヤユニット22を備える。前記ギヤユニット21は、第1、第2のサンギヤS1、S2、該第1、第2のサンギヤS1、S2とそれぞれ噛(し)合する第1、第2のピニオンP1、P2、及び該第1、第2のピニオンP1、P2を回転自在に支持する第1のキャリヤとしてのフロントキャリヤCRFの各要素を備える。また、前記ギヤユニット22は、シンプルプラネタリギヤから成り、第3のサンギヤS3、該第3のサンギヤS3と対向させて配設された第1のリングギヤR3、前記第3のサンギヤS3及び第1のリングギヤR3と噛合する第3のピニオンP3、並びに該第3のピニオンP3を回転自在に支持する第2のキャリヤとしてのリヤキャリヤCRRの各要素を備える。
そして、第1、第2のピニオンP1、P2は、一体構造を有する共通のロングピニオンから成り、共通の図示されないピニオンシャフトに対して回転自在に支持され、前記フロントキャリヤCRFは第1のリングギヤR3と連結される。また、前記フロントキャリヤCRFは、後方の入力ディスク17に直接連結されるとともに、入力軸16を介して前方の入力ディスク17に間接的に連結され、前記入力軸16を介して入力された入力速度niの回転が伝達される。
前記第1のサンギヤS1は、中空軸18を介して出力ディスク19と連結され、入力ギヤとして機能し、無段変速装置12によって変速され、出力された出力速度noの回転が入力される。そして、前記第2のサンギヤS2は、第2の伝動軸としての中空軸26を介して、第3のサンギヤS3と連結されるとともに、更にモード切換装置15のハイモード用の摩擦係合要素としてのハイクラッチHを介して出力軸23と連結される。この場合、前記第2、第3のサンギヤS2、S3によってハイモード用の出力ギヤが構成される。なお、車両を前進させようとしてエンジンを正方向に駆動したとき、出力軸23は逆方向に回転させられる。そこで、出力軸23は、図示されない反転用のギヤを介して差動装置としての図示されないディファレンシャル装置と連結され、前記反転用のギヤによって正方向に反転させられた回転がディファレンシャル装置に伝達され、更に図示されない駆動輪に伝達される。本実施の形態においては、反転用のギヤがディファレンシャル装置と別に配設されるようになっているが、反転用のギヤをディファレンシャル装置内に配設することができる。
前記反転ギヤ機構14は、デュアルプラネタリギヤから成り、第4のサンギヤS0、該第4のサンギヤS0と対向させて配設され、無段変速機11を収容するケース10に固定された第2のリングギヤR0、互い噛合する第4、第5のピニオンP4、P5、及び該第4、第5のピニオンP4、P5を回転自在に支持する前記リヤキャリヤCRRを備える。該リヤキャリヤCRRは、ギヤユニット22及び反転ギヤ機構14によって共用される。
前記第4のピニオンP4は径方向内方において第4のサンギヤS0と、第5のピニオンP5は径方向外方において第2のリングギヤR0と噛合させられる。そして、第4のサンギヤS0は、モード切換装置15のローモード用の摩擦係合要素としてのロークラッチLを介して出力軸23と連結される。前記第4のサンギヤS0によってローモード用の出力ギヤが構成される。
また、前記モード切換装置15は、前記ロークラッチL及びハイクラッチHを備えるとともに、ロークラッチL及びハイクラッチHを係脱させるためのアクチュエータとして、図示されない第1、第2の油圧サーボを備える。なお、前記ロークラッチL及びハイクラッチHによって第1、第2のクラッチが構成される。
次に、前記構成の無段変速機11の動作について説明する。
図3は本発明の実施の形態における無段変速機の動作を示す第1の速度線図、図4は本発明の実施の形態における無段変速機の動作を示す第2の速度線図、図5は本発明の実施の形態における変速特性図である。なお、図5において、横軸に変速比γを、縦軸に出力変速比ηを採ってある。該変速比ηは、出力軸23(図2)の回転速度を出力速度nとしたとき、前記入力速度niに対する出力速度nの比で表される。
この場合、ローモードにおいては、第4のサンギヤS0の回転速度と等しい出力速度nが無段変速機11の出力速度NLとなり、ハイモードにおいては、第2、第3のサンギヤS2、S3の回転速度と等しい出力速度nが無段変速機11の出力速度NHとなる。
そして、第1のピニオンP1に対する第1のサンギヤS1のギヤ比をz1とし、第2のピニオンP2に対する第2のサンギヤS2のギヤ比をz2としたとき、本実施の形態においては、前記ギヤ比z1、z2を互いに異ならせて設定し、前記出力速度noと出力速度NHとを異ならせるようにしている。なお、前記ギヤ比z1、z2を等しくし、前記出力速度noと出力速度NHとを等しくすることもできる。
前記第1の速度線図は、第1のサンギヤS1、第4のサンギヤS0、第2のリングギヤR0、リヤキャリヤCRR、フロントキャリヤCRF及び第1のリングギヤR3の各回転状態を、第2の速度線図は、第1のサンギヤS1、第2、第3のサンギヤS2、S3、フロントキャリヤCRF及び第1のリングギヤR3の各回転状態を示す。なお、第1、第2の速度線図において、右方に向けて延びる矢印は正方向の回転状態を、左方に向けて延びる矢印は逆方向の回転状態を表す。
まず、操作者である運転者が、所定の図示されない操作部を操作してローモードを設定すると、図示されない油圧回路において前記第1の油圧サーボに油が供給されてロークラッチLが係合させられ、前記第2の油圧サーボから油が排出されてハイクラッチHが解放される。これに伴って、図3に示されるように、前記エンジンの出力軸と連結された入力軸16を介して、エンジンの回転がフロントキャリヤCRF及び第1のリングギヤR3に伝達され、フロントキャリヤCRF及び第1のリングギヤR3は入力速度niで回転させられる。同時に、無段変速装置12に前記入力速度niの回転が伝達され、無段変速装置12によって変速され、反転させられた出力速度noの回転が、第1のサンギヤS1に伝達される。
このとき、第2、第3のサンギヤS2、S3が一体に連結されているので、プラネタリギヤ機構13においてトルク循環が行われ、前記フロントキャリヤCRF及び第1のリングギヤR3の回転と、第1のサンギヤS1の回転とが合成され、リヤキャリヤCRRに正方向の回転速度ncの回転が出力される。そして、第4のサンギヤS0に、反転させられた逆方向の出力速度NLの回転が出力され、ロークラッチLを介して出力軸23に出力される。
次に、前記無段変速装置12において、パワーローラ20の傾きが変更され、変速比γが負の方向において小さいアンダードライブ(U/D)側の変速から変速比γが負の方向において大きいオーバドライブ(O/D)側の変速に変化すると、出力速度noが負の方向において高くなり、それに伴って、回転速度ncが正の方向において低くなり、出力速度NLが負の方向において低くなる。その結果、図5に示されるように、出力変速比ηが負の方向において小さくなり、車両を前進させる際の駆動輪の回転速度、すなわち、前進出力速度が低くなり、車速が低くなる。
続いて、無段変速装置12がギヤニュートラル位置(GN)に置かれると、回転速度ncが零(0)になり、トルクを無限に発散する状態が形成される。これに伴って、出力速度NL、出力変速比η及び車速がいずれも零になる。
さらに、パワーローラ20の傾きが変更され、変速比γが負の方向において更に大きくされ、無段変速装置12が更にオーバドライブ側に変速されると、回転速度ncが負の方向において高くなり、出力速度NLが正の方向において高くなり、出力変速比ηが正の方向において大きくなり、車両を後進させる際の回転速度、すなわち、後進出力速度が高くなり、後進車速が高くなる。
次に、運転者が、前記操作部を操作してハイモードを設定すると、前記油圧回路において前記第2の油圧サーボに油が供給されてハイクラッチHが係合させられ、前記第1の油圧サーボから油が排出されてロークラッチLが解放される。これに伴って、図4に示されるように、前記入力軸16を介して、エンジンの回転がフロントキャリヤCRF及び第1のリングギヤR3に伝達され、フロントキャリヤCRF及び第1のリングギヤR3は入力速度niで回転させられる。同時に、無段変速装置12に前記入力速度niの回転が伝達され、無段変速装置12によって変速され、反転させられた出力速度noの回転が、前記第1のサンギヤS1に伝達される。
このとき、プラネタリギヤ機構13において、前記フロントキャリヤCRF及び第1のリングギヤR3の回転と、第1のサンギヤS1の回転とが合成され、第2、第3のサンギヤS2、S3に反転させられた出力速度NHの回転が出力され、ハイクラッチHを介して出力軸23に出力される。なお、この場合、ロークラッチLが解放されているので、前記第4のサンギヤS0は空転する。
そして、前記無段変速装置12において、パワーローラ20の傾きが変更され、アンダードライブ側の変速からオーバドライブ側の変速に変化すると、出力速度noが負の方向において高くなり、それに伴って、出力速度NHが負の方向において高くなる。その結果、図5に示されるように、出力変速比ηが負の方向において大きくなり、車両を前進させる際の前進出力速度が高くなり、車速が高くなる。
この場合、図5に示されるように、ローモードにおいて、無段変速装置12が最もオーバドライブ側の点pt1に置かれると、変速比γは、約−2.5になり、出力変速比ηは約0.25になる。そして、無段変速装置12がアンダードライブ側に連続して変移すると、変速比γは負の方向において徐々に小さくなり、変速比γが約−1.8になり、無段変速機11がギヤニュートラル位置に置かれると、出力変速比ηが零になる。
続いて、無段変速装置12が更にアンダードライブ側に変移すると、変速比γが負の方向において小さくなるのに伴って、出力変速比ηが負の方向において大きくなり、無段変速装置12が最もアンダードライブ側の点pt2に到達し、前記速度比γが約−0.4になると、出力変速比ηは約−0.5になる。
そして、この状態でモードがローモードからハイモードに切り換えられると、該ハイモードにおいて、前記変速比γは約−0.4になり、出力変速比ηは約−0.5になり、無段変速装置12がオーバドライブ側に連続して変移すると、変速比γ及び出力変速比ηは負の方向において徐々に大きくなる。
続いて、無段変速装置12が最もオーバドライブ側の点pt3に到達し、前記速度比γが約−2.5になると、出力変速比ηは最大変速比ηmaxである約−2.75になる。
次に、前記構成の無段変速機11の構造について説明する。
図1は本発明の実施の形態における無段変速機の要部を示す断面図、図6は本発明の実施の形態におけるオイルポンプの配設状態を示す概念図、図7は本発明の実施の形態におけるオイルポンプの配設状態を示す底面図である。
図において、10はケースであり、該ケース10は、第1のケースとしてのハウジング31、第2のケースとしてのフロントケース32、第3のケースとしてのリヤケース33、第4のケースとしてのオイルパン34等を備え、それぞれ固定部材としての図示されないボルトによって連結される。前記ハウジング31は、エンジンのトルク変動を吸収するための図示されないタンパ装置を収容し、フロントケース32及びリヤケース33から成る変速機構部ケースは、無段変速装置12、プラネタリギヤ機構13、反転ギヤ機構14(図2)、モード切換装置15等の変速機構部を収容する。なお、前記リヤケース33によって第1のケーシングが、フロントケース32によって第2のケーシングが構成される。また、前記リヤケース33に前記第1、第2の油圧サーボが収容される。
前記オイルパン34内には、図示されない油が所定の深さで収容され、無段変速装置12の下方に、第1のブロックとしてのバルブボディ80が、プラネタリギヤ機構13及び反転ギヤ機構14の下方に、油供給源としてのオイルポンプ81及び第2のブロックとしてのバルブボディ82が配設される。前記バルブボディ80、82によって油圧回路ブロックが構成される。また、前記オイルポンプ81をバルブボディ82に直接組み付けることによって油圧ユニット83が構成される。なお、前記バルブボディ80、82は、図示されない所定の固定部材によって互いに固定され、前記バルブボディ80はフロントケース32の所定の箇所に組み付けられる。前記無段変速装置12、プラネタリギヤ機構13、反転ギヤ機構14、モード切換装置15等は第1軸に配設され、オイルポンプ81は第1軸と平行な第2軸に配設される。
前記バルブボディ80に、各パワーローラ20を駆動するために、該各パワーローラ20ごとに第1の駆動用シリンダとして形成されたリアクションシリンダ79、該リアクションシリンダ79に供給される油圧を調整する調圧弁84等が一体に形成される。また、前記バルブボディ82に、油圧回路における元圧を調整するレギュレータ弁85、前記第1、第2の油圧サーボに油圧を供給するための図示されない油圧サーボ用の調圧弁等が配設される。
この場合、前記第1、第2の油圧サーボのほか、調圧弁84、レギュレータ弁85、油圧サーボ用の調圧弁等によってアクチュエータが構成され、前記オイルポンプ81から吐出された油が前記調圧弁84、レギュレータ弁85、油圧サーボ用の調圧弁等に供給される。各アクチュエータは、類型化され、前記調圧弁84は、油圧の調整の精度を高くする必要性が比較的小さく、第1の類型のアクチュエータに属し、前記レギュレータ弁85、油圧サーボ用の調圧弁等は、油圧の調整の精度を高くする必要性が比較的大きく、第2の類型のアクチュエータに属する。
前記リアクションシリンダ79は、バルブボディ80に切削等によって形成されたシリンダ部87、該シリンダ部87内において摺(しゅう)動自在に配設されたピストン88、該ピストン88のヘッド側に形成された第1の油室91、及び前記ピストン88のロッド89側に形成された第2の油室92を備える。
この場合、リアクションシリンダ79は、バルブボディ80と一体に形成されるので、油圧回路を小型化することができるだけでなく、油圧回路を簡素化することができる。
また、本実施の形態においては、第1の類型のアクチュエータはバルブボディ80に、第2の類型のアクチュエータはバルブボディ82に配設されるので、バルブボディ80において、リアクションシリンダ79を駆動するのに伴って、反力がバルブボディ80に加わり、バルブボディ80に歪(ひず)みが発生しても、該歪みの影響がバルブボディ82に及ぶのを防止することができる。したがって、第2の類型のアクチュエータ、本実施の形態においては、レギュレータ弁85によって元圧を調整する精度を高くすることができる。
また、前記オイルポンプ81は、入力軸16からの回転が入力されるシャフト95、該シャフト95に取り付けられ、環状の油室96内において回転させられる回転体としてのギヤ97、前記油室96と連通させられ、油を吸引するための吸引口98、油を吐出するための吐出口99等を備える。そして、前記オイルポンプ81は、吐出口99をバルブボディ82の所定の箇所、例えば、レギュレータ弁85の入力ポートに直接連通させて、バルブボディ82に組み付けられる。
さらに、ストレーナ101は、その排出口を前記吸引口98に直接臨ませて配設され、オイルポンプ81に組み付けられ、排出口と吸引口98とが直接連通させられ、また、ストレーナ101の下面に吸引口102が形成される。したがって、ストレーナ101は、吸入口102を介して吸引した油を濾過し、オイルポンプ81に供給する。
ところで、ダンパ装置は、エンジンの出力軸と連結され、エンジンを駆動することによって発生させられたトルクを、トルク変動を吸収しながら、無段変速装置12に伝達する。
そのために、ダンパ装置の出力軸と入力軸16とが連結され、該入力軸16の前端部(図において左端部)に第2の駆動用シリンダとしてのエンドロードシリンダ35を介して、前方(図において左方)の入力ディスク17が連結され、入力軸16の後端部(図において右端部)にギヤユニット21を介して後方(図において右方)の入力ディスク17が連結される。
前記エンドロードシリンダ35は、断面が「U」字状の形状を有する環状のシリンダ本体71、及び該シリンダ本体71内において摺動自在に配設されたピストン72を備え、前記シリンダ本体71とピストン72との間に油室73が形成される。そして、前記シリンダ本体71の内周縁が入力軸16に固定され、前記ピストン72の後端面(図において右端面)が前方の入力ディスク17の前端面(図において左端面)に固定される。
また、ギヤユニット21のフロントキャリヤCRFは、キャリヤ本体42、及び該キャリヤ本体42と一体に連結されたキャリヤカバー43から成る。前記キャリヤ本体42は、前端(図において左端)において、環状のプレート74に対して回転支持部材としてのベアリング75を介して回転自在に支持され、かつ、前記後方の入力ディスク17と係合させられて連結され、軸方向における中央において、入力軸16とスプライン係合させられるとともに、後端(図において右端)において、固定部材としてのナット45を締め付けることによって、入力軸16の後端部に固定される。
そして、前記プレート74は、バルブボディ80と一体に形成されて、フロントケース32に組み付けられる。したがって、無段変速装置12及びプラネタリギヤ機構13は、サブアッセンブリとしてプレート74に組み付けられ、更にフロントケース32に組み付けられることになる。また、前記後方の入力ディスク17とプレート74との間には、前記ベアリング75と並列にワンウェイクラッチ44が配設され、該ワンウェイクラッチ44は、入力ディスク17が逆方向に回転するのを防止する。なお、図1において、17a、19aは凹溝である。
前記キャリヤ本体42とキャリヤカバー43との間にピニオンシャフト46が架設され、第1、第2のピニオンP1、P2は、前記ピニオンシャフト46に対して、回転支持部材としてのニードルベアリング47によって回転自在に支持される。本実施の形態においては、回転支持部材として、ニードルベアリング47が使用されるようになっているが、該ニードルベアリング47に代えてブシュを使用することができる。また、本実施の形態において、前記第1、第2のピニオンP1、P2は互いにわずかに異なる数の歯を備える。なお、前記第1、第2のピニオンP1、P2の歯の数を等しくすることもできる。
前記無段変速装置12において、出力ディスク19の内周縁に筒状体76が取り付けられ、出力ディスク19は、入力軸16に対して、回転支持部材としてのニードルベアリング77によって回転自在に支持される。そして、前記筒状体76の後端と中空軸18の前端とがスプライン係合させられ、中空軸18の後端に前記第1のサンギヤS1が形成される。前記中空軸18は、入力軸16に対して、回転支持部材としてのニードルベアリング38、39によって回転自在に支持される。
また、前記中空軸26は、入力軸16に対して、回転支持部材としてのニードルベアリング40によって回転自在に支持される。そして、前記中空軸26の前端に前記第2のサンギヤS2が形成され、中空軸26の後端にハイクラッチHが連結される。
ところで、前記無段変速装置12の変速比γを変更したり、ロークラッチL、ハイクラッチH等を係脱したり、エンドロードシリンダ35、リアクションシリンダ79等を駆動したりするために前記油圧回路が形成され、該油圧回路において、オイルポンプ81から吐出された油が、前記各アクチュエータに供給されるようになっている。
そして、前述されたように、無段変速装置12、プラネタリギヤ機構13等が第1軸に、前記オイルポンプ81が第2軸に配設され、プラネタリギヤ機構13とオイルポンプ81とが軸方向においてオーバラップさせられる。そのために、無段変速機11の軸方向における所定の箇所、本実施の形態においては、無段変速装置12とプラネタリギヤ機構13との間、特に、フロントキャリヤCRFと入力ディスク17との間に、他の部分(無段変速装置12及びプラネタリギヤ機構13)より径の小さいくびれ部105が形成され、該くびれ部105に、前記ベアリング75及び駆動側の回転要素としてのスプロケット106が配設される。また、前記バルブボディ80とオイルポンプ81との間に、所定の隙(すき)間107が形成され、該隙間107に、従動側の回転要素としてのスプロケット108が配設され、該スプロケット108は前記シャフト95の前端に取り付けられる。そして、前記スプロケット106、108間に伝動体としてのチェーン109が張設される。なお、前記スプロケット106は、前記くびれ部105において、後方の入力ディスク17とキャリヤ本体42とを連結する筒状の連結部の外周面に取り付けられる。また、本実施の形態においては、プラネタリギヤ機構13とオイルポンプ81とを軸方向においてオーバラップさせるようになっているが、無段変速装置12とオイルポンプ81とを軸方向においてオーバラップさせるようにすることもできる。
したがって、入力軸16に伝達された回転は、スプロケット106、チェーン109及びスプロケット108を介してシャフト95に伝達され、オイルポンプ81を作動させる。この場合、スプロケット108の径はスプロケット106の径より小さくされるので、オイルポンプ81の回転速度が入力速度niより高くなり、増速させられる。したがって、オイルポンプ81による油の吐出量を十分に確保することができる。
なお、前記スプロケット106、108及びチェーン109によって、無段変速装置12及びプラネタリギヤ機構13とオイルポンプ81とを連結する回転伝動部が形成される。本実施の形態においては、スプロケット106、108及びチェーン109によって回転伝動部が形成されるようになっているが、該回転伝動部として、スプロケット106、108及びチェーン109に代えて、歯車機構を配設することができる。その場合、歯車機構は、駆動側の回転要素としての第1の歯車、従動側の回転要素としての第2の歯車及び伝動体としてのアイドル歯車を備え、第1の歯車を回転させることによって、第2の歯車を同じ方向に回転させることができる。
このように、本実施の形態においては、無段変速装置12及びプラネタリギヤ機構13が第1軸に、オイルポンプ81が第2軸に配設され、入力軸16上にオイルポンプ81を配設する必要がない。その結果、無段変速機11の軸方向寸法を小さくすることができ、無段変速機11を小型化することができる。また、オイルポンプ81のケースを、他の部品と関係なく設計することができるので、無用にオイルポンプ81の径方向寸法を大きくする必要がなくなり、オイルポンプ81を小型化することができる。したがって、無段変速機11を一層小型化することができる。
また、前記くびれ部105にスプロケット106が配設されるので、スプロケット106の径を必要なだけの値にすることができる。したがって、無段変速機11の径方向寸法を小さくすることができるだけでなく、オイルポンプ81を駆動するときに入力軸16側、すなわち、エンジンに加わる負荷を小さくすることができる。
また、回転伝動部として、スプロケット106、108及びチェーン109が使用される場合、くびれ部105に配設されたスプロケット106の径を小さくすることができる。したがって、チェーン109の走行速度を低くすることができるので、チェーン109の耐久性を向上させることができるとともに、スプロケット106、108と噛合する部分の遠心力を小さくすることができ、チェーン109の径方向への広がりを小さくすることができる。その結果、チェーン109と周囲の部品とのクリアランスを小さくすることができ、無段変速機11の径方向寸法を小さくすることができる。
さらに、前記オイルポンプ81がバルブボディ82に直接組み付けられ、ストレーナ101の排出口が吸引口98に直接臨ませて配設されるので、油圧回路を小型化することができ、無段変速機11を小型化することができる。また、オイルポンプ81とバルブボディ82との間の油路、及びストレーナ101とオイルポンプ81との間の油路を短くすることができるので、油漏れが発生するのを抑制することができるだけでなく、オイルポンプ81及びバルブボディ82の搭載性を向上させることができる。
しかも、オイルポンプ81が、プラネタリギヤ機構13の径方向外方に配設されるので、オイルポンプ81とリアクションシリンダ79とが干渉しない。したがって、オイルポンプ81及びリアクションシリンダ79を径方向においてオーバラップさせることができ、無段変速機11の軸方向寸法を小さくすることができる。
また、前記ベアリング75は、前記くびれ部105において前記無段変速装置12及びプラネタリギヤ機構13を回転自在に支持するので、ベアリング75の径方向寸法を小さくすることができる。したがって、ベアリング75の外輪と内輪との相対速度を低くすることができる。その結果、ベアリング75がボール又はローラを備える場合、ボール又はローラの周速度を低くすることができるので、ベアリング75の耐久性を向上させることができる。
また、前記無段変速装置12及びプラネタリギヤ機構13が、入力ディスク17とフロントキャリヤCRFとの間で回転自在に支持されるので、無段変速装置12及びプラネタリギヤ機構13で支持機構を共有することができる。したがって、無段変速機11の軸方向寸法を小さくすることができる。
しかも、ベアリング75に隣接させてスプロケット106が配設されるので、スプロケット106、108及びチェーン109を安定させて作動させることができる。したがって、オイルポンプ81に不用な力が作用するのを防止することができるので、ギヤ97の片当たりが発生するのを防止することができ、オイルポンプ81の耐久性を向上させることができる。さらに、ベアリング75に隣接させてスプロケット106が配設されるので、第1軸から第2軸に回転を伝達するに当たり、第1軸の支持精度を高くすることができる。したがって、第1軸と第2軸との軸間距離が一定になるので、スプロケット106、108とチェーン109との噛合に伴って異音が発生するのを抑制することができる。また、チェーン109が不用に伸びたり、遊びが生じたりしないので、回転伝動部の耐久性を向上させることができる。
ところで、前述されたように、前記ロークラッチL及びハイクラッチHを係脱させるために、第1、第2の油圧サーボに油を供給する必要があり、バルブボディ82に前記油圧サーボ用の調圧弁が配設され、該油圧サーボ用の調圧弁において調圧された油が第1、第2の油圧サーボに供給されるようになっている。また、前述されたように、バルブボディ82はフロントケース32に組み付けられる。
そこで、バルブボディ82内に油圧サーボ用の調圧弁の出力ポートと接続させて油路を形成し、フロントケース32の壁内に、フロントケース32の壁に沿って延在させて油路を形成し、リヤケース33の壁内に、リヤケース33の壁に沿って延在させ、第1、第2の油圧サーボと連通させて油路を形成し、前記油圧サーボ用の調圧弁において調圧された油を、前記各油路を介して第1、第2の油圧サーボに供給することが考えられる。
ところが、その場合、前記各油路を介して第1、第2の油圧サーボに油を供給しようとすると、前記油圧サーボ用の調圧弁から第1、第2の油圧サーボまでの油路が長くなり、管路抵抗が大きくなるので、第1、第2の油圧サーボに供給される油圧がその分低下してしまう。その結果、第1、第2の油圧サーボだけでなく、ロークラッチL及びハイクラッチHの応答性が低くなってしまう。
そこで、本実施の形態においては、管路抵抗を小さくすることができるように、油圧サーボ用の調圧弁から第1、第2の油圧サーボまでの油路における所定の箇所を、フロントケース32の壁外に形成するようにしている。この場合、前記油圧サーボ用の調圧弁は油を供給する側の油供給要素を、第1、第2の油圧サーボは油が供給される側の油被供給要素を構成する。また、前記オイルポンプ81及びバルブボディ82によって油供給部が構成される。
図8は本発明の実施の形態における油路の構造を示す断面図である。
図において、111は、バルブボディ82内に形成され、前記油圧サーボ用の調圧弁と接続された第1の油路、112は、リヤケース33内に形成され、第1、第2の油圧サーボと接続された第2の油路、115は、前記バルブボディ82とリヤケース33との間に、直接架設され、前記第1、第2の油路111、112間を短絡し、連結する配管であり、前記油圧サーボ用の調圧弁によって調圧された油は、第1の油路111を通り、配管115を通った後、第2の油路112を通り、第1、第2の油圧サーボに供給される。なお、前記配管115は、鉄、アルミニウム等の金属又は樹脂によって形成される。また、フロントケース32とリヤケース33とを連結するために、リヤケース33の端面とフロントケース32の端面とが対向させられ、前記第2の油路112の開口部に対応させて、フロントケース32に貫通孔116が形成され、該貫通孔116を貫通して前記配管115が配設される。
この場合、油は、バルブボディ82内から、フロントケース32の壁内を経由することなく、リヤケース33内に供給されるので、油圧サーボ用の調圧弁から第1、第2の油圧サーボまでの油路を短くすることができ、管路抵抗を小さくすることができる。したがって、第1、第2の油圧サーボに供給される油圧が低下するのを防止することができるので、第1、第2の油圧サーボの応答性を高くすることができるだけでなく、ロークラッチL及びハイクラッチHの応答性を高くすることができる。
ところで、前記配管115は、フロントケース32の壁外において、第1、第2の油路111、112間を連結するようになっている。したがって、バルブボディ82をフロントケース32に組み付ける際、フロントケース32とリヤケース33とを固定する際等に、組付け誤差が発生すると、バルブボディ82と配管115との連結状態、及びリヤケース33と配管115との連結状態が悪くなってしまう。
また、車両が置かれた環境である雰囲気温度、無段変速機11(図1)を構成する各要素の温度、第1、第2の油路111、112等を流れる油の温度等によって、バルブボディ82及びリヤケース33が熱膨張したときにも、バルブボディ82とリヤケース33とが相対的に移動し、バルブボディ82と配管115との連結状態、及びリヤケース33と配管115との連結状態が悪くなってしまう。
その場合、バルブボディ82と配管115との間、及びリヤケース33と配管115との間のシール状態が悪くなって、油が漏れる恐れがある。
そこで、配管115の一方の端部121をバルブボディ82に対して第1の方向に移動自在に配設し、配管115の他方の端部122を、リヤケース33に対して、前記第1の方向と異なる第2の方向に移動自在に配設するようにしている。本実施の形態において、第1の方向は軸方向とされ、第2の方向は、前記端部122を軸方向に対して垂直の方向とされる。したがって、第1、第2の方向は互いに直角の方向にされる。
そのために、前記バルブボディ82における第1の油路111の開口部に、所定の内径d1及び深さw1を有する第1の穴123が形成され、該第1の穴123内に前記端部121が挿入される。また、前記リヤケース33における第2の油路112の開口部に、所定の内径d2及び深さw2を有する第2の穴124が形成され、該第2の穴124内に前記端部122が挿入される。
そして、前記端部121の外周面に環状の溝131が形成され、該溝131に第1のシール部材としてのOリング126が配設され、該Oリング126によって端部121の外周面と前記第1の穴123の内周面との間がシールされる。そして、端部121が第1の穴123の底面に当接することがないように、端部121の端面と第1の穴123の底面との間に第1のクリアランスρ1が形成される。
また、前記端部122に、径方向外方に突出させて環状のフランジ128が形成されるとともに、前記端部122の端面に凹部132が形成され、該凹部132に第2のシール部材としてのOリング127が配設され、該Oリング127によって前記端部122の端面と第2の穴124の底面との間がシールされる。そして、フランジ128の外周面が第2の穴124の内周面に当接することがないように、フランジ128の外周面と第2の穴124の内周面との間に第2のクリアランスρ2が形成される。
したがって、バルブボディ82とリヤケース33とが第1の方向において相対的に移動し、例えば、バルブボディ82とリヤケース33とが近接したり、離れたりすると、第1のクリアランスρ1を変化させて、端部121が第1の穴123内を移動し、バルブボディ82とリヤケース33とが第2の方向にずれると、第2のクリアランスρ2を変化させて端部122が第2の穴124内を移動する。
この間、Oリング126は、端部121の外周面と前記第1の穴123の内周面との間を十分にシールし、Oリング127は、端部122の端面と第2の穴124の底面との間を十分にシールする。したがって、バルブボディ82と配管115との間、及びリヤケース33と配管115との間のシール状態が悪くなることがなく、油が漏れるのを防止することができる。
なお、前記端部121が第1の穴123内を移動するのに伴って、端部122の端面と第2の穴124の底面とが離れることがないように、貫通孔116の内径d3がフランジ128の外径より所定の値だけ小さくされ、フロントケース32の端面にフランジ128に対応させて規制部としての抜止め部134が形成される。
また、端部122が第2の穴124内を移動するのに伴って、フロントケース32と配管115とが干渉することがないように、貫通孔116の内周面と配管115の外周面との間に所定のクリアランスρ3が形成される。
本発明の実施の形態における無段変速機の要部を示す断面図である。 本発明の実施の形態における無段変速機の概念図である。 本発明の実施の形態における無段変速機の動作を示す第1の速度線図である。 本発明の実施の形態における無段変速機の動作を示す第2の速度線図である。 本発明の実施の形態における変速特性図である。 本発明の実施の形態におけるオイルポンプの配設状態を示す概念図である。 本発明の実施の形態におけるオイルポンプの配設状態を示す底面図である。 本発明の実施の形態における油路の構造を示す断面図である。
符号の説明
10 ケース
11 無段変速機
12 無段変速装置
13 プラネタリギヤ機構
16 入力軸
17 入力ディスク
19 出力ディスク
20 パワーローラ
23 出力軸
81 オイルポンプ
82 バルブボディ
84 調圧弁
85 レギュレータ弁
98 吸引口
101 ストレーナ
105 くびれ部
106、108 スプロケット
109 チェーン

Claims (6)

  1. 入力ディスク、出力ディスク、及び前記入力ディスクと出力ディスクとの間に配設されたパワーローラを備え、入力軸を介して伝達された回転を、無段に変速して出力するトロイダル式の無段変速装置と、該無段変速装置に隣接させて配設され、前記出力ディスクから出力された回転を受け、出力軸に伝達するプラネタリギヤ機構と、前記入力軸を介して伝達された回転に基づいて駆動され、油を所定のアクチュエータに供給するオイルポンプと、前記無段変速装置とプラネタリギヤ機構との間に配設され、前記オイルポンプに入力軸の回転を伝達する回転伝動部とを有するとともに、前記無段変速装置及びプラネタリギヤ機構は第1軸に、前記オイルポンプは第1軸と平行な第2軸に配設されることを特徴とする無段変速機。
  2. 前記オイルポンプは、前記プラネタリギヤ機構の径方向外方に配設される請求項1に記載の無段変速機。
  3. 前記無段変速装置とプラネタリギヤ機構との間に、無段変速装置及びプラネタリギヤ機構より径が小さいくびれ部が形成され、該くびれ部において、前記無段変速装置及びプラネタリギヤ機構とオイルポンプとが前記回転伝動部によって連結される請求項1に記載の無段変速機。
  4. 前記プラネタリギヤ機構は、一つの要素に前記無段変速装置から出力された回転が入力され、他の一つの要素に入力軸の回転が入力され、前記他の一つの要素は前記入力ディスクと連結されるとともに、前記くびれ部は前記他の一つの要素と入力ディスクとの間に形成され、前記くびれ部に、前記無段変速装置及びプラネタリギヤ機構を回転自在に支持する回転支持部材が配設される請求項3に記載の無段変速機。
  5. 前記回転伝動部は、前記オイルポンプの回転速度を入力軸の回転速度より高くする請求項1に記載の無段変速機。
  6. 前記オイルポンプはバルブボディに直接組み付けられ、油を濾過するストレーナが、その排出口を前記オイルポンプの吸引口に直接臨ませて配設される請求項1に記載の無段変速機。
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