JP2007009233A - 表面処理鋼板 - Google Patents

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Abstract

【課題】低コストで製造可能な単層皮膜で、かつ、六価クロムを含有する場合と同等の耐食性をもつ表面処理鋼板を提供する。
【解決手段】亜鉛系めっき鋼板またはアルミニウム系めっき鋼板の表面に、水性エポキシ樹脂(a)、水性ウレタン樹脂(b)、メルカプト基を有するシランカップリング剤(c)、リン酸化合物(d)を含有し、(a)と(b)の合計量の全固形分100質量部に対して(c)が1〜300質量部、(d)が0.1〜50質量部で、かつ、(a)の固形分質量/(b)の固形分質量が95/5〜5/95である表面処理組成物を塗布し、乾燥することにより鋼板の表面に形成される皮膜厚が0.01μm〜5μmの表面処理皮膜を有する表面処理鋼板。さらに、前記表面処理組成物は、Co化合物を、(a)と(b)の合計量の全固形分100質量部に対して固形分で0.01〜50質量部含有することが可能である。
【選択図】なし

Description

本発明は、自動車、家電、建材等の用途に好適な、六価クロム等の有害物質を全く含まない、耐白錆性及び耐水性を有する非クロム型表面処理鋼板に関するものである。
家電製品用鋼板、建材用鋼板、自動車用鋼板には、従来から亜鉛系めっき鋼板またはアルミニウム系めっき鋼板の表面に、耐食性(耐白錆性、耐赤錆性)を向上させる目的で、クロム酸、重クロム酸またはその塩類を主要成分とした六価クロムを含有する処理液によるクロメート処理が施された鋼板が幅広く用いられている。このクロメート処理は耐食性に優れ且つ比較的簡単に行うことができる経済的な処理方法である。しかしながら、クロメート処理による皮膜は、公害規制物質である六価クロムを含有しているため好ましくなく、六価クロムを用いない表面処理鋼板が要望されている。
このような現状から、亜鉛系めっき鋼板の白錆発生を防止することを目的として、クロメート処理に代わるクロメートフリー処理技術が数多く提案されている。例えば、・クロム酸と同じIVA族に属するモリブデン酸、タングステン酸の不動態化作用を狙った方法、・Ti,Zr、V、Mn、Ni、Coなどの遷移金属やLa、Ceなどの希土類元素の金属塩を用いる方法、・タンニン酸などの多価フェノールカルボン酸やS、Nを含む化合物などのキレート剤をベースとする方法、・シランカップリング剤を用いてポリシロキサン皮膜を形成した方法、あるいはこれらを組み合わせた方法があり、浸漬、塗布、電解処理などの方法により薄膜を生成させている。
具体的には、
(1)水性樹脂とシランカップリング剤とリン酸化合物を含有する皮膜を下層成分としてその上層に微粒子シリカを含有する有機樹脂皮膜を形成する方法(特許文献1)や、二層皮膜の上層に自己補修性防錆顔料を含む有機樹脂を形成させ、6価クロム同等の腐食の起点での保護皮膜形成させる方法(特許文献2)
(2)ポリビニルフェノール誘導体と酸成分、シランカップリング剤を配合した処理液から単層皮膜を形成する方法(特許文献3、特許文献4)や、ポリビニルフェノール誘導体などの有機樹脂と酸成分、バナジウム化合物等を配合した処理液から単層皮膜を形成する方法(特許文献5、特許文献6)
(3)水性樹脂とチオカルボニル基とバナジン酸化合物とリン酸を含む皮膜を形成する方法(特許文献7、特許文献8、特許文献9)
(4)Tiなどの金属化合物とフッ化物、リン酸化合物、有機樹脂等を含む処理液から皮膜を形成する方法(特許文献10、特許文献11、特許文献12)
(5)Ce、La、Y等の希土類元素とTi、Zr元素の複合皮膜を形成し、その皮膜中でめっき界面側に酸化物層、表面側に水酸化物層を濃化させる方法(特許文献13)や、CeとSi酸化物の複合皮膜を形成する方法(特許文献14)
が開示されている。
特許3477174号公報 特許3412538号公報 特開2003−13252号公報 特開平11−106945号公報 特開2001−181860号公報 特開2003−277945号公報 特許3549455号公報 特開2000−248380号公報 WO99−42639号公報 特許3302677号公報 特許3305703号公報 特開2002−105658号公報 特開2001−234358号公報 特許3596665公報
しかしながら、特許文献1及び2(上記(1))に記載の方法は、二層皮膜とし、下層皮膜でめっき表面との密着性を、上層皮膜で腐食因子抑制という機能を付与し、耐食性を得る手法であるが、二層皮膜のため製造可能なラインが限定される、コストアップにつながるという欠点がある。
特許文献3〜6(上記(2))に記載の方法は、単層皮膜であるが、クロメート皮膜同等の耐食性を得るための必要な酸成分が多くなり、皮膜中に残存するリン酸などの酸成分が湿潤環境下で吸水し皮膜が白化してしまい耐水性が劣り、耐食性とのバランスが取れない。また、バナジウム化合物を用いる場合は、湿潤環境でバナジウム成分が溶出しやすく皮膜が黄変してしまう。
特許文献7〜9(上記(3))に記載の方法では、チオカルボニル基などのイオウ原子を含む化合物が亜鉛などの金属表面へ吸着しやすく、リン酸の作用により活性化された金属表面に吸着して防錆効果を発揮するが、特に薄膜の場合において防錆効果が十分ではない。さらにバナジウム化合物を添加することより耐食性を補うことは可能であるが、上記同様に湿潤環境でバナジウム成分が溶出しやすく皮膜が黄変するという問題がある。
特許文献10〜12(上記(4))に記載の方法は、リン酸およびフッ化物がめっき表面をエッチングすることで活性化させ、Tiなどの金属化合物の複合皮膜をめっき界面に強固に結合させることによって耐食性が得られる。しかし、フッ化物はエッチング能が高く不均一なエッチングになるため、皮膜外観にムラが生じやすいと同時にエッチング不足の部分は耐食性が劣る。
特許文献13、14(上記(5))に記載の金属酸化物・金属水酸化物による複合皮膜は、めっき表面を完全に被覆することは難しく、一時的に防錆効果はあるものの耐食性は不十分である。
本発明は、上記の事情に鑑み、特にライン制約を受けにくく低コストで製造可能な単層皮膜で、かつ、六価クロムを含有する場合と同等の耐食性(耐白錆性及び耐水性)をもつ表面処理鋼板を提供することを目的とする。
本発明者らは、すでに、単層皮膜で優れた耐白錆性を発現させるために、皮膜構造として、単層皮膜内、皮膜上部に腐食因子の拡散障壁となる高バリア層(有機リッチ層)、皮膜下部にめっき皮膜表層を不活性化させためっき金属との反応層(無機リッチ層=難溶性化合物層)を構成させた擬似二層構造が最も効果的であることを見出し特許出願を行った(特開2003−105554号公報)。
さらに、有機樹脂成分を、エポキシ基含有樹脂(A)と、第1級、第2級アミン化合物(B)と、活性水素を有するヒドラジン誘導体(C)とを反応させる事により得られる変性エポキシ樹脂(D)を水中に分散してなる水性エポキシ樹脂分散液(a)と、ウレタン樹脂の水分散体(b)にすることによって、さらなる耐白錆性向上効果が得られることを、また、Co化合物を添加することによって、特にアルカリ脱脂後においても優れた耐白錆性を有することを見出し、特許出願を行った(特開2004−23716号公報)。
しかしながら、上記技術では湿潤環境下において皮膜が白化傾向にあることもわかった。そこで、上記知見をもとに、さらに鋭意検討した結果、メルカプト基を有するシランカップリング剤を特定範囲の比率で配合することにより、これまでの耐白錆性を維持したまま優れた耐水性が得られことを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、このような知見に基づきなされたもので、その特徴は以下のとおりである。
[1]亜鉛系めっき鋼板またはアルミニウム系めっき鋼板の表面に、水性エポキシ樹脂(a)、水性ウレタン樹脂(b)、メルカプト基を有するシランカップリング剤(c)、リン酸化合物(d)を含有し、(a)と(b)の合計量の全固形分100質量部に対して(c)が1〜300質量部、(d)が0.1〜50質量部で、かつ、(a)の固形分質量/(b)の固形分質量が95/5〜5/95である表面処理組成物を塗布し、乾燥することにより鋼板の表面に形成される皮膜厚が0.01μm〜5μmの表面処理皮膜を有することを特徴とする表面処理鋼板。
[2]前記[1]において、前記表面処理組成物は、さらにCo化合物を、水性エポキシ樹脂(a)と水性ウレタン樹脂(b)の合計量の全固形分100質量部に対して0.01〜50質量部含有することを特徴とする表面処理鋼板。
本発明によれば、耐白錆性及び耐水性に優れた表面処理鋼板を提供することが可能となる。また、本発明の表面処理鋼板は、上記性能を有する上に、六価クロム等の有害物質を全く含まないので、環境面からも優れた材料といえる。そして、ライン制約を受けることなく、低コストで製造可能である。
以下、本発明の詳細とその限定理由を説明する。
本発明の表面処理鋼板のベースとなる鋼板は、亜鉛系めっき鋼板またはアルミニウム系めっき鋼板である。
亜鉛系めっき鋼板としては、亜鉛めっき鋼板、Zn−Niめっき鋼板、Zn−Feめっき鋼板(電気めっき、合金化溶融亜鉛めっき)、Zn−Crめっき鋼板、Zn−Mnめっき鋼板、Zn−Coめっき鋼板、Zn−Co−Cr合金めっき鋼板、Zn−Cr−Niめっき鋼板、Zn−Cr−Feめっき鋼板、Zn−Al−Mgめっき鋼板(例えばZn−6%Al−3%Mg合金めっき鋼板、Zn−11%Al−3%Mg合金めっき鋼板)、Zn−Alめっき鋼板(例えば、Zn−5%Al合金めっき鋼板、Zn−55%Al合金めっき鋼板)である。さらにこれらのめっき層に少量の異種金属元素あるいは不純物としてニッケル、コバルト、マンガン、鉄、モリブデン、タングステン、チタン、クロム、アルミニウム、マグネシウム、鉛、アンチモン、錫、銅の1種または2種以上を含有しためっき鋼板および/またはシリカなどの金属酸化物、ポリマーなどを分散しためっき鋼板(例えば、Zn−SiO2分散めっき鋼板)などを用いることもできる。
また、上記のようなめっきのうち、同種または異種のものを2層以上めっきした複層めっき鋼板を用いることもできる。
アルミニウム系めっき鋼板としては、アルミニウムめっき鋼板、Al−Siめっき鋼板である。
また、めっき鋼板としては、鋼板面にあらかじめNiなどの薄目付けのめっきを施し、その上に上記のような各種めっきを施したものであってもよい。めっきの方法としては、電解法(水溶液中での電解、非水溶媒中での電解)、溶融法、気相法のうち、実施可能ないずれの方法も採用することができる。さらに、めっきの黒変を防止する目的(耐黒変性)で、めっき皮膜中に0.1〜2000ppmのNi,Co,Feの微量元素を析出させるたり、あるいは、めっきの表面にNi,Co,Feを含むアルカリもしくは酸性水溶液による表面調整処理を施し、これらの元素を析出させるようにしてもよい。
優れた耐食性と耐黒変性を両立させるためには、縮合りん酸を主成分とするCL−342(日本パーカライジング製)の水溶液中Ni,Co,Fe量が0.5〜50ppmであることが好ましく、より好ましくは1〜20ppmである。また、美麗な外観を得るためには、上記CL−342が5〜50g/lであることが好ましく、より好ましくは、20〜30g/lである。
次に、上記亜鉛系めっき鋼板またはアルミニウム系めっき鋼板の表面に形成される表面処理皮膜およびこの皮膜形成用の表面処理組成物について説明する。
本発明の表面処理鋼板において亜鉛系めっき鋼板またはアルミニウム系めっき鋼板の表面に形成される表面処理皮膜は、水性エポキシ樹脂(a)と、水性ウレタン樹脂(b)と、メルカプト基を有するシランカップリング剤(c)と、リン酸化合物(d)を含有する表面処理組成物を塗布し、乾燥することにより形成された表面処理皮膜である。
ここで、まず、水性エポキシ樹脂(a)について説明する。
水性エポキシ樹脂(a)はエポキシ基含有樹脂(A)に第1級、第2級アミン化合物(B)を反応させてなる生成物を使用したエポキシエマルションである。
エポキシ基含有樹脂(A)は、分子中にエポキシ基を1個以上含有する樹脂であり、例えば、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、エポキシ基含有モノマーとその他のモノマーとを共重合してなるアクリル系共重合体樹脂、エポキシ基を有するポリブタジエン樹脂、エポキシ基を有するポリウレタン樹脂及びこれらの樹脂の付加物もしくは縮合物を1種で、又は2種以上混合して使用することができる。
上記エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ノボラック型フェノールなどのポリフェノール類とエピクロルヒドリンなどのエピハロヒドリンとを反応させてグリシジル基を導入してなるか、このグリシジル基導入反応生成物にさらにポリフェノール類を反応させて分子量を増大させてなる芳香族エポキシ樹脂、さらには脂肪族エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂などが挙げられ、これらは1種で、または2種以上混合して使用する事ができる。これらのエポキシ樹脂は、特に低温での被覆形成性を必要とする場合には数平均分子量が1,500以上であることが好適である。
上記変性エポキシ樹脂としては、上記エポキシ樹脂中のエポキシ基または水酸基に各種変性剤を反応させた樹脂を挙げることができる。例えば、乾性油脂肪酸を反応させたエポキシエステル樹脂、アクリル酸又はメタクリル酸などを含有する重合性不飽和モノマー成分で変性したエポキシアクリレート樹脂、イソシアネート化合物を反応させたウレタン変性エポキシ樹脂などである。
上記アクリル系共重合体樹脂としては、エポキシ基を有する不飽和モノマーとアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルを必須とする重合性不飽和モノマー成分を溶液重合法、エマルション重合法又は懸濁重合法等によって合成される樹脂を挙げることができ、上記重合性不飽和モノマー成分としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−、iso−もしくはtert―ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレートなどのアクリル酸又はメタクリル酸の炭素数1〜24のアルキルエステル、アクリル酸、メタクリル酸、スチレン、ビニルトルエン、アクリルアミド、アクリロニトリル、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミドの炭素数1〜4アルキルエーテル化物、N、N−ジエチルアミノエチルメタクリレートなどを挙げることができる。
エポキシ基を有する不飽和モノマーとしてはグリシジルメタアクリレート、グリシジルアクリレート、3,4エポキシシクロヘキシル−1−メチル(メタ)アクリレート等エポキシ基と重合性不飽和基を持つものであれば、特に制限されるものではない。
また、アクリル系共重合体樹脂はポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などによって変性させた樹脂とすることもできる。
エポキシ基含有樹脂(A)として特に好ましいのは、ビスフェノールAとエピパロヒドリンとの反応生成物であるビスフェノールA型エポキシ樹脂であり、該樹脂の製造法は当業界において周知の事柄である。
上記(B)成分である第1級、第2級アミン化合物は、エポキシ基含有樹脂の水分散性を発現する為に必須のものである。その具体例としては、モノエチルアミン、モノn-またはiso-プロピルアミン、モノn-またはiso-ブチルアミン、モノエタノールアミン、ネオペンタノールアミン、2−アミノプロパノール、3−アミノプロパノール、2−ヒドロキシ−2´(アミノプロポキシ)エチルエーテル等の第1級アミン化合物、ジエチルアミン、ジブチルアミン、メチルエチルアミン、ジエタノールアミン、ジ−n−または−ios−プロパノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミンなどの第2級アミン化合物等が挙げられる。その中でも特に反応のし易さ、制御、水分散性の観点からジエタノールアミンを用いるのが好適である。
また変性する量はエポキシ樹脂中のエポキシ基に対して20モル%以上、好ましくは40モル%以上、より好ましくは50〜60モル%の範囲である事が水分散性、防食性の点で好ましい。
水性エポキシ樹脂(a)を得るためには、エポキシ基含有樹脂(A)と第1級、第2級アミン化合物(B)との反応が通常10〜300℃、好ましくは50〜150℃の温度で約1〜8時間程度であることが望ましい。この反応は有機溶剤を加えて行ってもよく、使用する有機溶剤の種類は特に限定されない。例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、エタノール、ブタノール、2−エチルヘキシルアルコール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等の水酸基を含有するアルコール類やエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のエステル類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素等を例示でき、これらの1種または2種以上を使用することができる。また、これらのなかでエポキシ樹脂との溶解性、塗膜形成性等の面からは、ケトン系またはエーテル系の溶剤が特に好ましい。
水性エポキシ樹脂(a)に含まれるアミノ基に対して、周知の中和剤である酢酸、蟻酸、燐酸等を用いて中和、水分散する事が可能である。その中和当量は特に制限されるものではないが、アミノ基に対して0.2〜0.8当量、好ましくは0.3〜0.7当量、より好ましくは0.4〜0.6当量が分散液性状、耐水性の点で最適である。
本発明の水性エポキシ樹脂はそのまま塗布乾燥することにより、金属、木材などとの密着性のよい皮膜を形成できるが、より緻密なバリア皮膜を形成するためには、本発明の水性エポキシ樹脂に硬化剤を配合し、有機皮膜を加熱硬化させることが望ましい。硬化剤としては、ポリイソシアネート化合物、アミノ樹脂化合物などを挙げることができる。
上記ポリイソシアネート化合物は、1分子中に少なくとも2個のイソシアネート基を有する化合物であり、脂肪族イソシアネート化合物、脂環族イソシアネート化合物(複素環を含む)、芳香族イソシアネート化合物、これらのイソシアネート化合物を多価アルコールで部分反応させた化合物などを挙げることができ、これらのポリイソシアネート化合物中のイソシアネート基の一部又は全部がブロック剤によりブロックされていてもよい。
ポリイソシアネート化合物としては、例えば以下のものが例示できる。
m−またはp−フェニレンジイソシアネート、2,4−または2,6−トリレンジイソシアネート、o−またはp−キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、上記の化合物単独またはそれらの混合物と多価アルコール(エチレングリコール、プロピレングリコールなどの2価アルコール類、グリセリン、トリメチロールプロパンなどの3価アルコール、ペンタエリスリトールなどの4価アルコール、ソルビトール、ジペンタエリスリトールなどの6価アルコールなど)との反応生成物であって、1分子中に少なくとも2個のイソシアネートが残存する化合物である。これらのポリイソシアネート化合物は、1種を単独で、または2種以上を混合して使用できる。
また、ブロック剤としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、オクチルアルコールなどの脂肪族モノアルコール類、エチレングリコールおよび/またはジエチレングリコールのモノエーテル類、例えば、メチル、エチル、プロピル(n−,iso)、ブチル(n−,iso,sec)などのモノエーテル類、フェノール、クレゾールなどの芳香族アルコール類、アセトオキシム、メチルエチルケトンオキシムなどのオキシム類などが使用でき、これらの1種または2種以上と前記ポリイソシアネート化合物とを反応させることにより、少なくとも常温下で安定に保護されたポリイソシアネート化合物を得ることができる。
上記アミノ樹脂としては、メラミン、尿素、ベンゾグアナミン、アセトグアナミン、ステログアナミン、スピログアナミン、ジシアンジアミド等のアミノ成分とアルデヒドとの反応によって得られるメチロール化アミノ樹脂があげられる。アルデヒドとしては、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンツアルデヒド等がある。また、このメチロール化アミノ樹脂を適当なアルコールによってエーテル化したものも使用でき、エーテル化に用いられるアルコールの例としてはメチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、i−ブチルアルコール、2−エチルブタノール、2−エチルヘキサノールなどが挙げられる。アミノ樹脂としては、なかでもメチロール基の少なくとも一部をアルキルエーテル化したメチロール化メラミン樹脂が好適である。
さらに、低温架橋性を増大させるため公知の硬化促進触媒を使用することが望ましい。硬化剤としてポリイソシアネート化合物を用いる場合の硬化促進触媒としては、例えば、N−エチルモルホリン、ジブチル錫ジラウレート、ナフテン酸コバルト、塩化第1スズ、ナフテン酸亜鉛、硝酸ビスマスなどが使用できる。硬化剤としてアミノ樹脂を用いる場合の硬化促進触媒としては、例えば、りん酸、スルホン酸化合物又はスルホン酸化合物のアミン中和物が好適に用いられる。スルホン酸化合物の代表例としては、p−トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ジノニルナフタレンスルホン酸、ジノニルナフタレンジスルホン酸などを挙げることができる。スルホン酸化合物のアミン中和物におけるアミンとしては、1級アミン、2級アミン、3級アミンのいずれであってもよい。
次に上記(b)の成分である水性ウレタン樹脂について説明する。
水性ウレタン樹脂としては、ポリイソシアネート化合物と、ポリエーテルジオール、ポリエステルジオール等のポリヒドロキシ化合物を反応させてなる生成物を使用したウレタンエマルションである。
ウレタンエマルションは、例えば、分子内にイソシアネート基と反応し得る活性水素を持たない親水性有機溶剤の存在下または非存在下で、ポリイソシアネート化合物とポリヒドロキシ化合物とを、水酸基に対しイソシアネート基過剰で反応させることにより容易に得ることができ、必要に応じて該ポリマーとアミンと水とを混合してアミン伸長反応を行なった後、ノニオン性あるいはイオン性の乳化剤と混合して水を加えることで乳化分散させ、必要により前記有機溶剤を留去することにより得ることができる。
また、ウレタン樹脂骨格中にノニオン性、アニオン性又はカチオン性の親水性基を有するポリオールを用いることにより、乳化剤を用いずにウレタンエマルションが得られる。
上記ポリイソシアネート化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の如き脂肪族ジイソシアネート類、水素添加キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の如き環状脂肪族ジイソシアネート類、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート等の如き芳香族ジイソシアネート類等の有機ジイソシアネート類、又は上記有機ジイソシアネート類同志の環化重合体、更には上記有機ジイソシアネート類のイソシアヌレート・ビウレット体等が挙げられる。
水性ウレタン樹脂としては、なかでも水性エポキシ樹脂との混合安定性から、ノニオン性もしくは、カチオン性ポリウレタンエマルションが好適である。
本発明の表面処理組成物中の水性エポキシ樹脂(a)に対する水性ウレタン樹脂(b)の配合量は、固形分質量比として95/5〜5/95、好ましくは75/25〜25/75である。水性ウレタン樹脂を含有することにより、未添加の場合と比べ、耐白錆性を効果的に防ぐことができる。この理由は、水性ウレタン樹脂を特定比率、配合することにより表面処理組成物の造膜性が向上し、腐食因子の透過抑制ができ、また皮膜中の防錆成分の流出を防ぐことにより白錆発生を抑えることができると考えられる。
表面処理組成物には上述した特定の水分散性樹脂以外にその他の水分散性樹脂および/または水溶性樹脂として、例えばアクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、エチレン系樹脂、アルキッド系樹脂、フェノール樹脂、オレフィン系樹脂の2種以上を全樹脂固形分中での割合で25質量部程度を上限として配合してもよい。
次に、上記(c)の成分であるメルカプト基を有するシランカップリング剤について説明する。シランカップリング剤には他にグリシジル基やアミノ基、メルカプト基などの官能基を有するものがある。耐食性については、いずれのシランカップリング剤も効果があるものの、優れた耐水性も併せもつという観点からは、特にメルカプト基を有するシランカップリング剤が好ましい。耐食性が優れる理由としては水溶液中のシランカップリグ剤が加水分解することにより生じたシラノール基(Si−OH)がめっき皮膜表面と水素結合をし、優れた密着性を付与することが考えられるので、官能基による影響は小さい。しかし、メルカプト基にのみ、皮膜中に残存するリン酸イオン等のアニオン成分を不活性化する作用があるために、湿潤環境下における残存アニオン成分の悪影響を抑制する効果があると考えられる。このようなシランカップリング剤としては、例えば、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどが挙げられ、具体的には、信越化学(株)製「KBM−802」、「KBM−803」などを用いることができる。また、これらの1種を単独でまたは2種類を混合して使用することができ、他の官能基を有するシランカップリング剤と併用することも可能である。
シランカップリング剤の配合量は、上記水性樹脂の全固形分(水性エポキシ樹脂(a)と水性ウレタン樹脂(b)の合計量)100質量部に対して、好ましくは1〜300質量部、より好ましくは5〜100質量部、さらに好ましくは、15〜50質量部とする。シランカップリング剤の配合量が1質量部未満では耐水性が劣り、一方300質量部を超えると十分な皮膜が形成できないため、水分散性樹脂との密着性とバリア性を高める効果が発揮できず耐食性が低下する。
次にリン酸化合物(d)について説明する。リン酸化合物(d)としては、リン酸イオンの骨格や縮合度等の限定はなく次亜リン酸、亜リン酸、オルトリン酸、ポリリン酸とそれらの塩を使用できる。このリン酸化合物は不活性なめっき皮膜表面に作用して金属表面を活性化させる作用を有する。そして、このように活性化されためっき金属表面と皮膜形成樹脂との密着性がシランカップリング剤を介して著しく向上する結果、耐食性が顕著に向上する。
リン酸化合物の配合量は、水性樹脂の全固形分(水性エポキシ樹脂(a)と水性ウレタン樹脂(b)の合計量)100質量部に対して、好ましくは0.1〜50質量部、より好ましくは1〜40質量部、さらに好ましくは5〜30質量部とする。リン酸化合物が0.1質量部未満では耐食性が劣り、一方、50質量部超では皮膜形成後の外観ムラが生じやすい。
さらに、本発明においては、表面処理組成物中に、アルカリ脱脂後耐食性および耐黒変性向上を目的として、Co化合物を配合することが好ましい。Coの供給源としては、例えば硝酸Co、硫酸Co、塩化Co等を挙げることができ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。Coを配合することにより特にアルカリ脱脂後の耐食性が向上する理由は、アルカリ脱脂の際に下層皮膜中成分であるリン酸化合物の溶出が抑制されるためであると考えられる。皮膜中のリン酸化合物は腐食環境下で、リン酸イオンとなって溶出金属と錯形成反応を起こすことにより保護皮膜を形成するため、アルカリ脱脂後のリン酸化合物の溶出を抑制することにより、アルカリ脱脂後でも優れた耐食性を有する。
Coの配合量は、水性樹脂の全固形分(水性エポキシ樹脂(a)と水性ウレタン樹脂(b)の合計量)100質量部に対して、0.01〜50質量部、好ましくは0.5〜40質量部、さらに好ましくは1〜30質量部とする。Coの配合量が0.01質量部未満では耐食性の向上効果が十分でなく、一方、50質量部を超えると処理液との反応性が強くなり外観ムラを生じやすくなる。
また、表面処理組成物には、皮膜の加工性(耐疵つき性)や連続磨耗性を向上させるために、必要に応じて潤滑剤を配合することができる。この潤滑剤としては、例えば、ポリオール化合物と脂肪酸とのエステル化物である脂肪酸エステルワックス、シリコン系ワックス、フッ素系ワックス、ポリエチレンなどのポリオレフィンワックス、ラノリン系ワックス、モンタンワックス、マイクロクリスタリンワックス及びカルナウバワックスなどを挙げることができ特に限定はされない。また潤滑剤は、1種又は2種以上を混合して使用することも可能である。
潤滑剤の配合量は上記水性エポキシ樹脂(a)と水性ウレタン樹脂(b)の合計量の全固形分100質量部に対して、0.1〜20質量部、好ましくは0.3〜10質量部の範囲で使用される。上記潤滑性剤の量が、0.1質量部未満では得られる塗膜の滑り性が低く、厳しい加工を行った時に塗膜に傷が付きやすい、一方、潤滑性剤の量が、20質量部を超えると得られる塗膜の塗装性が低下するので好ましくない。
以上のような表面処理組成物により形成される表面処理皮膜の乾燥膜厚が0.01μm〜5μm、好ましくは0.1〜3μm、さらに好ましくは0.3〜2μmとする。乾燥膜厚が0.01μm未満では耐食性が不十分であり、一方、5μmを超えると導電性が低下する。また、以上述べた表面処理皮膜の上層には、第2層皮膜として有機樹脂皮膜を形成することができる。この場合、第2層である有機樹脂皮膜の皮膜厚を0.01μm以上5μm未満にするとともに、第1層皮膜である上記表面処理皮膜の膜厚を0.01μm以上5μm未満とし、両皮膜の合計が5μmを超えないようにすることが好ましい。
次に本発明の表面処理鋼板の製造方法について説明する。
本発明の表面処理鋼板は、上記からなる表面処理組成物(処理液)を亜鉛系めっき鋼板またはアルミニウム系めっき鋼板の表面に塗布し、加熱乾燥させることにより製造される。
なお、めっき鋼板の表面は、上記処理液を塗布する前に必要に応じてアルカリ脱脂処理し、さらに密着性、耐食性を向上させるために表面調整処理等の前処理を施すことができる。
このように、上述した組成を有する表面処理組成物(処理液)を乾燥皮膜厚が上記範囲となるようにめっき鋼板に塗布し、水洗することなく加熱乾燥させる。この時、表面処理組成物(処理液)はpH0.5〜6、好ましくは1〜4に調整することが好ましい。表面処理組成物のpHが0.5未満では処理液の反応性が強すぎるため外観ムラが生じ、一方、pHが6を超えると処理液の反応性が低くなり、めっき金属と皮膜との結合が不十分となり、耐食性が低下する。
表面処理組成物をめっき鋼板面に形成する方法としては塗布法、浸漬法、スプレー法のいずれでもよい。塗布処理方法としては、ロールコーター(3ロール方式、2ロール方式など)、スクイズコーター、ダイコーターなどいずれの方法でもよい。また、スクイズコーターなどによる塗布処理、あるいは浸せき処理、スプレー処理の後に、エアナイフ法やロール絞り法により塗布量の調整、外観の均一化、膜厚の均一化を行うことも可能である。
表面処理組成物をコーティングした後は、水洗することなく加熱乾燥を行う。加熱乾燥手段としては、ドライヤー、熱風炉、高周波誘導加熱炉、赤外線炉などを用いることができる。加熱処理は、到達板温で40℃〜300℃の範囲で行うことが好ましい。さらに好ましくは、50℃〜250℃の範囲である。40℃未満では皮膜中の水分が多量に残り、耐食性が不十分となる。また、300℃を越えると非経済的であるばかりでなく、皮膜に欠陥が生じ耐食性が低下する。
また、上記のようにして形成された表面処理皮膜の上層に第2層皮膜を形成することも可能で、第2層皮膜として有機樹脂皮膜を形成する場合には、第2層皮膜用の処理組成物を上述した膜厚となるように上記表面処理皮膜面に塗布し、乾燥させる。処理組成物の塗布や加熱乾燥は、上述した表面処理の形成に用いた方法に準じて行えばよい。
なお、以上述べた第1層(2層皮膜の場合は第1層+第2層皮膜)は、めっき鋼板の片面のみに形成してもよいし、両面に形成してもよい。
次に、実施例および比較例をあげて本発明を具体的に説明する。なお、以下に記す「%」はいずれも質量基準によるものとする。
表面処理組成物用の樹脂組成物として表1に示す水性エポキシ樹脂および水性ウレタン樹脂を用い、これに表2に示すシランカップリング剤、表3に示すリン酸化合物、表4に示す金属化合物を適宜配合し、さらにアンモニア水、硝酸、酢酸、硫酸、リン酸、ヘキサフルオロ金属酸等でpHが0.5〜6にした後、塗料用分散機(サンドグラインダー)を用いて所要時間攪拌し、表面処理組成物を調製した。
Figure 2007009233
Figure 2007009233
Figure 2007009233
Figure 2007009233
次いで、表5に示す冷延鋼板をベースとした家電、建材、自動車部品用の表面処理鋼板であるめっき鋼板を処理原板として用い、このめっき鋼板の表面をアルカリ脱脂処理、水洗乾燥した後、所定の上記表面処理組成物をロールコーターにより塗布し、水洗することなく各種温度で加熱乾燥した。なお、鋼板の板厚は、評価の目的に応じて所定の板厚を採用した。皮膜の膜厚は、表面処理組成物の固形分(加熱残分)、または塗布条件(ロールの圧下力、回転速度など)により調整した。
Figure 2007009233
以上により得られた表面処理鋼板に対して品質性能(皮膜外観、耐白錆性、アルカリ脱脂後耐城錆性、耐水性、導電性、塗料密着性)の各試験を行った。結果を表6に示す。なお、品質性能の試験方法及び評価基準は、以下の通りである。
(1)耐白錆性
各サンプルについて、塩水噴霧試験(JIS−Z−2371)を施し、120時間および240時間経過後の白錆面積率で評価した。
評価基準は以下の通りである。
◎ :白錆面積率5%未満
○ :白錆面積率5%以上、10%未満
○−:白錆面積率10%以上、25%未満
△ :白錆面積率25%以上、50%未満
× :白錆面積率50%以上、100%以下
(2)アルカリ脱脂後耐白錆性
各サンプルについて、アルカリ脱脂後の塩水噴霧試験(JIS−Z−2371)を施し、72時間経過後の白錆面積率で評価した。
評価基準は以下の通りである。
◎ :白錆面積率5%未満
○ :白錆面積率5%以上、10%未満
○−:白錆面積率10%以上、25%未満
△ :白錆面積率25%以上、50%未満
× :白錆面積率50%以上、100%以下
(3)耐水性
各サンプルにろ紙を接触させた状態で60℃に加温した純水に30秒浸漬し、取り出し後濡れたろ紙が鋼板に十分に接触した状態で90秒放置した。その後、紙を取り除き水分を拭き取り、サンプル表面を目視で観察し下記基準にしたがって評価をした。
○ :白化なし
△ :斜めからみると確認できる白化
× :明らかな白化(斜めからみなくても確認できる)
(4)耐黒変性
各サンプルについて、80℃×98%RHの環境下で1日放置した後、色調変化ΔL(「試験後のL値」−「試験前のL値」)にて評価した。その評価基準は以下のとおりである。
◎ :ΔL≧−1
○ :−1>ΔL≧−2
△ :−2>ΔL≧−3
× :ΔL<−3
(5)導電性
JIS C2550により層間絶縁抵抗値を測定した。評価基準は以下の通りである。
○ :3Ω・cm2/枚 以下
△ :3〜5Ω・cm2/枚
× :5Ω・cm2/枚 超え
Figure 2007009233
表6より、本発明例はいずれの性能も優れていることがわかる。特に、発明例3、7〜15はベースめっき種を変更した結果であるが、いずれにおいても上記効果が得られていることがわかる。また、金属化合物の添加した本発明例では、耐黒変性、アルカリ脱脂後耐白錆性に対して効果が見られ、特にCoを添加した場合にその効果が大きいことがわかる。
一方、比較例1、9、12は、水性樹脂、シランカップリング剤、リン酸化合物のいずれかを添加していないため、耐白錆性が劣っている。
比較例3〜8では、本発明範囲内のメルカプト基を有するシランカップリング剤を使用せずに、別のシランカップリング剤を使用しているため耐水性が劣っている。
比較例10、11は、エポキシ樹脂とウレタン樹脂を併用していないため、耐白錆性が劣っている。
比較例2、13は、それぞれシランカップリング剤もしくはリン酸化合物を本発明範囲外で過剰に添加しているため、耐白錆性や耐水性が低下している。
比較例14は皮膜厚が本発明範囲外のため、導電性が劣っている。すなわち、発明例3、28〜30は皮膜厚の影響を示しており皮膜が厚い方が耐白錆性には有利であるが、厚すぎると導電性が低下することがわかる。
本発明の表面処理鋼板は、耐白錆性、耐水性、耐黒変性、導電性に優れるので、家電製品用鋼板、建材用鋼板、自動車用鋼板として最適であることは勿論、それら以外にも、上記鋼板特性が要求される用途に対して用いることができる。

Claims (2)

  1. 亜鉛系めっき鋼板またはアルミニウム系めっき鋼板の表面に、
    水性エポキシ樹脂(a)、水性ウレタン樹脂(b)、メルカプト基を有するシランカップリング剤(c)、リン酸化合物(d)を含有し、(a)と(b)の合計量の全固形分100質量部に対して(c)が1〜300質量部、(d)が0.1〜50質量部で、かつ、(a)の固形分質量/(b)の固形分質量が95/5〜5/95である表面処理組成物を塗布し、乾燥することにより鋼板の表面に形成される皮膜厚が0.01μm〜5μmの表面処理皮膜を有することを特徴とする表面処理鋼板。
  2. 前記表面処理組成物は、さらにCo化合物を、水性エポキシ樹脂(a)と水性ウレタン樹脂(b)の合計量の全固形分100質量部に対して0.01〜50質量部含有することを特徴とする請求項1に記載の表面処理鋼板。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2020066793A (ja) * 2018-10-26 2020-04-30 Jfeスチール株式会社 表面処理液、表面処理鋼板の製造方法、および表面処理鋼板

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