JP2007009094A - フォトニック結晶を用いた発光体 - Google Patents
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Abstract
【課題】励起光により励起され励起光とは異なる波長の光を効率的に発光できる発光体を提供する。
【解決手段】ファイバー形状をなし、その横断面において周期的に形成された孔を有し、励起光を透過する第1の媒質と、前記第1の媒質中の孔を満たして充填され、励起光を吸収して励起光と異なる波長の光を発光する発光物質を含有する第2の媒質とを有することを特徴とする発光体。
【選択図】 図1
【解決手段】ファイバー形状をなし、その横断面において周期的に形成された孔を有し、励起光を透過する第1の媒質と、前記第1の媒質中の孔を満たして充填され、励起光を吸収して励起光と異なる波長の光を発光する発光物質を含有する第2の媒質とを有することを特徴とする発光体。
【選択図】 図1
Description
本発明は、フォトニック結晶を用い、励起光により励起され励起光とは異なる波長の光を発光する発光体に関し、特にレーザー装置や増幅装置として利用される発光体に関する。
近年、フォトニック結晶と呼ばれる構造体が注目を集めており、各種機関において研究開発が行われている。フォトニック結晶は、屈折率の異なる媒質が光の波長程度の間隔で周期的に配置されている構造を持ち、その周期構造を制御することにより、ある波長域の光の伝搬が抑制される現象、いわゆるフォットニックバンドギャップが発生する。この現象を利用すれば、光をある領域に閉じ込めたり光の伝搬を制御したりすることができる。こうしたフォトニック結晶を利用すれば、超小型光回路、スーパープリズム、しきい値の小さいレーザー、超小型共振器などを実現できる可能性があり、様々な応用分野への適用が期待されている。フォトニック結晶において、周期構造を構成する材料の屈折率の差が大きいほうがフォトニックバンドギャップは大きくなることが期待でき、これまでに半導体や酸化物と空気(孔)とを組み合わせたフォトニック結晶が数多く検討されている。
フォトニック結晶を作製する方法の中でも任意形状を制御性良く作製することができるのは半導体の微細加工技術を用いる方法であり、1〜3次元のフォトニック結晶の作製が数多く行われている。しかし、このような方法では、光リソグラフィーによる現像やイオンビームによるエッチングなどを繰り返す必要があるなど手間がかかる上、作製できるフォトニック結晶の大きさは光リソグラフィーやエッチング装置の大きさにより制限されるという問題がある。
それに対し、2次元のフォトニック結晶に関しては、比較的容易に周期構造を作製できる方法がある。例えば、酸性電解溶液中で材料に電圧を加えることにより多孔質皮膜を作製する方法(陽極酸化法と呼ばれる)を用いると、孔が周期的に設けられた大面積の2次元フォトニック結晶構造を持つ皮膜を得ることができる。この方法では被加工材料および酸性電解溶液を入れる容器を大きくすることが比較的容易なので、大面積の2次元フォトニック結晶構造を持つ皮膜を作製できると考えられる。
また、陽極酸化により作製された2次元周期構造を持つフォトニック結晶(アルミナナノホール)と、アルミナナノホールに充填された蛍光体とを有する蛍光シートが提案されている(特許文献1)。特許文献1には、この蛍光シートの裏面から励起光を照射したときにシートに平行な方向よりも垂直な方向への発光効率が高く、分解能に優れた蛍光面などとして用いられることが記載されている。
特開2001−166717号公報
しかし、陽極酸化で作製される2次元フォトニック結晶は大面積を実現できる反面、周期構造に垂直な方向の厚さは約500μmまでと小さいという欠点がある。ここで、外部から励起光を照射する固体レーザー用のレーザー媒質に2次元フォトニック結晶構造を持つ材料を適用しようとした場合、周期構造に垂直な方向の発光体の長さは少なくとも1mm以上、好ましくは10mm以上であることが必要とされる。ところが、陽極酸化を用いたフォトニック結晶の製造方法では、こうした大型のレーザー媒質を作製することが困難である。また、レーザー装置の場合、励起光がレーザー媒質の内部まで進入することが好ましい。しかし、陽極酸化により生成するアルミナは多結晶体であるため、光が散乱されて励起光の進入が阻害されるという問題がある。さらに、アルミナナノホールに蛍光体を充填した場合、充填する前のアルミナと空気との屈折率の差に比べて、アルミナと蛍光体との屈折率の差は小さくなる場合が多い。このように2種の媒質の屈折率の差が小さいと、フォトニックバンドギャップが狭くなったり反射率が小さくなったりするため、フォトニック結晶による光の閉じ込め効果が小さくなるという問題も発生する。
本発明の目的は、励起光により励起され励起光とは異なる波長の光を効率的に発光できる発光体を提供することにある。
本発明の一態様に係る発光体は、ファイバー形状をなし、その横断面において周期的に形成された孔を有し、励起光を透過する第1の媒質と、前記第1の媒質中の孔を満たして充填され、励起光を吸収して励起光と異なる波長の光を発光する発光物質を含有する第2の媒質とを有することを特徴とする。
本発明の他の態様に係る発光体は、ファイバー形状をなし、その横断面において周期的に形成された孔を有し、励起光を透過する第1の媒質と、前記第1の媒質中に添加され、励起光を吸収して励起光と異なる波長の光を発光する発光物質とを有することを特徴とする。
本発明のさらに他の態様に係る発光体は、ファイバー形状をなし、その横断面において周期的に形成された孔を有し、励起光を透過する第1の媒質と、前記孔に面する前記第1の媒質の壁面に形成され、励起光を吸収して励起光と異なる波長の光を発光する発光物質を含有する第2の媒質とを有することを特徴とする。
本発明のさらに他の態様に係る発光体は、平面形状をなし、その面内において周期的に形成された孔を有し、励起光を透過する第1の媒質と、前記第1の媒質の面内に形成された孔の中央部に前記第1の媒質と離間して形成され、励起光を吸収して励起光と異なる波長の光を発光する発光物質を含有する第2の媒質とを有することを特徴とする。
本発明によれば、励起光により励起され励起光とは異なる波長の光を効率的に発光できる発光体を提供することができる。
本発明の実施形態に係る発光体は、フォトニック結晶を含み、励起光により励起され励起光とは異なる波長の光を発光するものであり、レーザー装置または増幅装置に用いられる。
以下、本発明の実施形態に係る発光体の構造を、図面を参照しながら説明する。
(第1の実施形態)
図1および図2に、本発明の第1の実施形態に係る発光体10の横断面図および斜視図を示す。図1および図2において、第1の媒質11はファイバー形状をなし、その横断面において周期的に形成された孔11aを有し、励起光を透過する。フォトニックバンドギャップの効果を得るためには孔11aの周期構造は5周期以上が好ましく、10周期以上がより好ましく、15周期以上がさらに好ましい。この図では、孔11aの形状は第1の媒質11を長さ方向に沿って貫通する円柱状であるが、孔11aの形状は三角柱、四角柱または多角柱でもよい。また、第1の媒質11中の孔11aの配置は三角格子をなしているが、ハニカム格子でもよい。第2の媒質12は第1の媒質11中の孔11aを満たして充填されている。したがって、第1の媒質11の横断面においては、第2の媒質12が周期的に配置されている。第2の媒質12は励起光を吸収して励起光と異なる波長の光を発光する発光物質を含有する。
(第1の実施形態)
図1および図2に、本発明の第1の実施形態に係る発光体10の横断面図および斜視図を示す。図1および図2において、第1の媒質11はファイバー形状をなし、その横断面において周期的に形成された孔11aを有し、励起光を透過する。フォトニックバンドギャップの効果を得るためには孔11aの周期構造は5周期以上が好ましく、10周期以上がより好ましく、15周期以上がさらに好ましい。この図では、孔11aの形状は第1の媒質11を長さ方向に沿って貫通する円柱状であるが、孔11aの形状は三角柱、四角柱または多角柱でもよい。また、第1の媒質11中の孔11aの配置は三角格子をなしているが、ハニカム格子でもよい。第2の媒質12は第1の媒質11中の孔11aを満たして充填されている。したがって、第1の媒質11の横断面においては、第2の媒質12が周期的に配置されている。第2の媒質12は励起光を吸収して励起光と異なる波長の光を発光する発光物質を含有する。
この発光体10に対しては、ファイバー形状をなす第1の媒質11の側面に沿って励起光源を設け、第2の媒質12に含有される発光物質を励起して発光させる。発光は主に第1の媒質11の長さ方向に進行し、第1の媒質11の端面から発せられる。
励起光を第2の媒質12へ効率よく到達させるために、第1の媒質11の励起光に対する透過率は60%以上が好ましく、70%以上がより好ましく、80%以上がさらに好ましい。励起光を効率よく吸収するためには、第2の媒質12の吸光度は、0.1以上が好ましく、0.5以上がより好ましく、1以上がさらに好ましい。
大出力のレーザー発振を行うためには、ファイバー形状をなす発光体の長さは長いほうがよく、1mm以上が好ましく、10mm以上がより好ましく、50mm以上がさらに好ましい。発光体に柔軟性がなく巻き取りなどを行えない場合には、レーザー装置または増幅装置の大きさに制限があるため、長くても1m以内が好ましい。一方、発光体に柔軟性がある場合には、発光体を円形に巻き取ってレーザー装置または増幅装置に設置できるため、長さに上限はない。
大出力のレーザー発振を行うために、発光体の断面積も大きいほうがよい。発光体の断面が円形の場合、その直径は100μm以上が好ましく、1mm以上がより好ましく、10mm以上がさらに好ましい。ただし、直径が大きすぎると発光体内部に到達する励起光の量が減るため、直径は500mm以内が好ましく、200mm以内がより好ましく、100mm以内がさらに好ましい。なお、小さな断面積を持つ発光体を作製し、複数の発光体を束ねて実効的な断面積を増やしてもよい。
本発明の第1の実施形態に係る発光体10において、第2の媒質12に含有されている発光物質は、第1の媒質11の横断面における第2の媒質12の周期構造によって決定されるフォトニックバンドギャップに対応する波長の光を発光することが好ましい。このような条件を満たすためには、発光物質からの発光波長に合わせて、図1に示す第2の媒質12のピッチaおよび第2の媒質12の直径dを適切に設定する。逆に、第2の媒質12のピッチaおよび第2の媒質12の直径dに応じて、適切な発光物質を選択してもよい。
(第2の実施形態)
図3に、本発明の第2の実施形態に係る発光体20の横断面図を示す。図3において、第1の媒質21はファイバー形状をなし、その横断面において周期的に形成された孔21aを有し、励起光を透過する。第1の媒質21中には、励起光を吸収して励起光と異なる波長の光を発光する発光物質が添加されている。第2の実施形態では、孔21aには他の媒質である空気が存在する。すなわち、第2の実施形態では、発光物質を含有する媒質と発光物質を含有しない媒質との配置が、第1の実施形態とは逆になっている。
図3に、本発明の第2の実施形態に係る発光体20の横断面図を示す。図3において、第1の媒質21はファイバー形状をなし、その横断面において周期的に形成された孔21aを有し、励起光を透過する。第1の媒質21中には、励起光を吸収して励起光と異なる波長の光を発光する発光物質が添加されている。第2の実施形態では、孔21aには他の媒質である空気が存在する。すなわち、第2の実施形態では、発光物質を含有する媒質と発光物質を含有しない媒質との配置が、第1の実施形態とは逆になっている。
本発明の第2の実施形態において、第1の媒質21中に添加されている発光物質は、第1の媒質21の横断面における孔21aの周期構造によって決定されるフォトニックバンドギャップに対応する波長の光を発光することが好ましい。この場合、発光物質からの発光波長と、図3に示す孔21aのピッチaおよび孔21aの直径dとの関係を適切に設定する。
(第3の実施形態)
図4および図5に、本発明の第3の実施形態に係る発光体30の横断面図および縦断面図を示す。図4および図5において、第1の媒質31はファイバー形状をなし、その横断面において周期的に形成された孔31aを有し、励起光を透過する。第2の媒質32は、孔31aに面する第1の媒質31の壁面に形成されている。したがって、孔31a中に存在する他の媒質である空気の周囲に第2の媒質32が設けられている。第2の媒質32は、励起光を吸収して励起光と異なる波長の光を発光する発光物質を含有する。
図4および図5に、本発明の第3の実施形態に係る発光体30の横断面図および縦断面図を示す。図4および図5において、第1の媒質31はファイバー形状をなし、その横断面において周期的に形成された孔31aを有し、励起光を透過する。第2の媒質32は、孔31aに面する第1の媒質31の壁面に形成されている。したがって、孔31a中に存在する他の媒質である空気の周囲に第2の媒質32が設けられている。第2の媒質32は、励起光を吸収して励起光と異なる波長の光を発光する発光物質を含有する。
本発明の第3の実施形態において、第2の媒質32に含有されている発光物質は、第1の媒質31の横断面における孔31aおよび第2の媒質32の周期構造によって決定されるフォトニックバンドギャップに対応する波長の光を発光することが好ましい。この場合、発光物質からの発光波長と、図5に示す孔31aのピッチa、第2の媒質32の外径rおよび第2の媒質32の内径dとの関係を適切に設定する。
ここで、第1の実施形態においてフォトニックバンドギャップを大きくするためには、第1の媒質11と第2の媒質12との屈折率の差がある程度大きくするのがよいが、このような条件を満たす第1の媒質11と第2の媒質12の組み合わせは限定される。これに対して、第3の実施形態においては、第2の媒質32の体積を小さくすれば、第1の媒質31の横断面における孔31aの周期構造によって決定されるフォトニックバンドギャップへの影響を小さくすることができる。これにより、第2の媒質32中に含有させる発光物質の選択の自由度も大きくなる。図4に示すように、第2の媒質32の形状が中空円柱状である場合、第2の媒質32の体積を小さくするように、r/dの比は1.2が好ましく、1.1以下がより好ましく、1.05以下がさらに好ましい。
(第4の実施形態)
図6に、本発明の第4の実施形態に係る発光体40の平面図を示す。図6において、第1の媒質41は平面形状をなし、その面内において孔41aが周期的に形成されており、励起光を透過する。第2の媒質42は、第1の媒質41の面内に形成された孔41aの中央部に第1の媒質41と離間して形成されている。したがって、第2の媒質42の周囲に、孔41a中に存在する他の媒質である空気が設けられている。第2の媒質42は励起光を吸収して励起光と異なる波長の光を発光する発光物質を含有する。
図6に、本発明の第4の実施形態に係る発光体40の平面図を示す。図6において、第1の媒質41は平面形状をなし、その面内において孔41aが周期的に形成されており、励起光を透過する。第2の媒質42は、第1の媒質41の面内に形成された孔41aの中央部に第1の媒質41と離間して形成されている。したがって、第2の媒質42の周囲に、孔41a中に存在する他の媒質である空気が設けられている。第2の媒質42は励起光を吸収して励起光と異なる波長の光を発光する発光物質を含有する。
本発明の第4の実施形態において、第2の媒質42に含有されている発光物質は、第1の媒質41の面内における孔41aおよび第2の媒質42の周期構造によって決定されるフォトニックバンドギャップに対応する波長の光を発光することが好ましい。この場合、発光物質からの発光波長と、図6に示す孔41aのピッチa、孔41aの径dおよび第2の媒質42の外径rとの関係を適切に設定する。
第4の実施形態においても、第3の実施形態と同様に、第2の媒質42の体積を小さくすれば、第1の媒質41の面内における孔41aの周期構造によって決定されるフォトニックバンドギャップへの影響を小さくすることができる。これにより、第2の媒質42中に含有させる発光物質の選択の自由度も大きくなる。図6に示すように、第2の媒質42の形状が円柱状である場合、第2の媒質42の体積を小さくするように、d/rの比は10以上が好ましく、15以上がより好ましく、20以上がさらに好ましい。
(製造方法)
次に、本発明の各実施形態に係る発光体の製造方法を説明する。
本発明の第1の実施形態では、以下の2つの製造方法を用いることができる。第1の製造方法では、第1の媒質中に孔の周期構造を形成した後、孔に第2の媒質を充填する。第1の媒質中に孔を形成する方法としてはフォトニック結晶ファイバーと呼ばれる、フォトニック結晶構造を持つ光ファイバーと同様な製造方法を用いる。すなわち、第1の媒質からなる中空管を複数束ねて高温中で融着および線引加工することにより長尺の孔が周期的に設けられたフォトニック結晶を得る。第2の媒質を液体で用いる場合、ファイバー形状のフォトニック結晶の一端を第2の媒質の液体中に浸し、毛細管現象により孔中に吸収させることにより第1の実施形態に係る発光体を得ることができる。第2の媒質を固体で用いる場合、液体状態の第2の媒質の原料を上述と同様に毛細管現象により孔内に吸収させた後、電気炉中で熱処理することにより固化する。この場合、第2の媒質は熱処理中に溶媒が蒸発するために多孔体となるが、より緻密化するために、さらに液体状態の第2の媒質の原料を吸収させ熱処理を行う工程を繰り返す。第2の製造方法では、中空形状の第1の媒質の管に、中実形状の第2の媒質の線材を挿入して、高温中で融着および線引加工する。この場合、第1の媒質と第2の媒質の融点が近い方が融着加工しやすいため、第2の媒質は第1の媒質と同様の材料中に発光中心となる遷移金属または希土類の元素を添加したものを用いるとよい。
次に、本発明の各実施形態に係る発光体の製造方法を説明する。
本発明の第1の実施形態では、以下の2つの製造方法を用いることができる。第1の製造方法では、第1の媒質中に孔の周期構造を形成した後、孔に第2の媒質を充填する。第1の媒質中に孔を形成する方法としてはフォトニック結晶ファイバーと呼ばれる、フォトニック結晶構造を持つ光ファイバーと同様な製造方法を用いる。すなわち、第1の媒質からなる中空管を複数束ねて高温中で融着および線引加工することにより長尺の孔が周期的に設けられたフォトニック結晶を得る。第2の媒質を液体で用いる場合、ファイバー形状のフォトニック結晶の一端を第2の媒質の液体中に浸し、毛細管現象により孔中に吸収させることにより第1の実施形態に係る発光体を得ることができる。第2の媒質を固体で用いる場合、液体状態の第2の媒質の原料を上述と同様に毛細管現象により孔内に吸収させた後、電気炉中で熱処理することにより固化する。この場合、第2の媒質は熱処理中に溶媒が蒸発するために多孔体となるが、より緻密化するために、さらに液体状態の第2の媒質の原料を吸収させ熱処理を行う工程を繰り返す。第2の製造方法では、中空形状の第1の媒質の管に、中実形状の第2の媒質の線材を挿入して、高温中で融着および線引加工する。この場合、第1の媒質と第2の媒質の融点が近い方が融着加工しやすいため、第2の媒質は第1の媒質と同様の材料中に発光中心となる遷移金属または希土類の元素を添加したものを用いるとよい。
本発明の第2の実施形態では、第1の実施形態と同様にフォトニック結晶ファイバーの製造方法を適用することができる。すなわち、発光物質を添加した第1の媒質からなる中空形状の管を複数束ねて高温中で融着および線引加工することにより、第2の実施形態に係る発光体を得ることができる。励起光の透過率は高い方が好ましいため、孔内に他の材料を充填しないほうが好ましい。
本発明の第3の実施形態では、第1の媒質中に孔の周期構造を形成した後、孔に面する第1の媒質の壁面に第2の媒質を形成する。第2の媒質を形成する方法には例えば以下の2つの方法を用いる。第1の製造方法は、第2の媒質の原料を孔に浸透させ、乾燥または真空引きすることにより、第1の媒質の壁面に前駆体を形成した後、仮焼や本焼といった熱処理を行うことにより固化し薄膜形状の第2の媒質を得る。予めフォトニックバンドギャップの異なる様々な周期構造を持つ第1の媒質と孔内に存在する空気からなるフォトニック結晶を作製しておけば、第2の媒質からの発光波長に合わせてフォトニック結晶を選ぶことができ、多種類の発光体を制御性よく得ることができる。これに対し、フォトニックバンドギャップと発光波長の関係といった仕様が確定しており、発光体を大量生産したい場合には、第2の製造方法を用いることができる。すなわち、フォトニック結晶ファイバーを呼ばれる、フォトニック結晶構造を持つ光ファイバーと同様の製造方法を用いる。この場合、中空形状の第1の媒質の管に中空形状の第2の媒質の管を挿入した大型の原材料を束ねて高温中で融着および線引加工することにより長尺のフォトニック結晶を得る。
本発明の第4の実施形態では、光リソグラフィーと薄膜形成技術により、平面形状をなす第1の媒質中に孔の周期構造を形成した後、孔の中央部に第1の媒質と離間して第2の媒質を形成する。
次に、図面を参照しながら本発明の実施の形態を詳細に説明する。
(実施例1)
本実施例に係る発光体10は、図1に示す横断面図および図2に示す斜視図を有する。第1の媒質11はファイバー形状をなし、その横断面において周期的に形成された孔11aを有する。第2の媒質12は第1の媒質11中の孔11aを満たして充填されている。第1の媒質11は石英であり、第2の媒質12は発光物質として色素であるローダミン590を溶解したエタノール溶液である。第2の媒質12は第1の媒質11の横断面において三角格子の位置に配置されており、この構造によりフォトニック結晶を形成している。本実施例では、第2の媒質12のピッチaは0.84μm、第2の媒質12の直径dは0.59μmである。
(実施例1)
本実施例に係る発光体10は、図1に示す横断面図および図2に示す斜視図を有する。第1の媒質11はファイバー形状をなし、その横断面において周期的に形成された孔11aを有する。第2の媒質12は第1の媒質11中の孔11aを満たして充填されている。第1の媒質11は石英であり、第2の媒質12は発光物質として色素であるローダミン590を溶解したエタノール溶液である。第2の媒質12は第1の媒質11の横断面において三角格子の位置に配置されており、この構造によりフォトニック結晶を形成している。本実施例では、第2の媒質12のピッチaは0.84μm、第2の媒質12の直径dは0.59μmである。
本実施例に係る発光体10の製造方法を説明する。まず、図7の斜視図に概略的に示すように、石英管を三角格子の配置で束ねて高温中で線引きすることにより、第1の媒質11である石英と、石英の横断面に周期的に形成された孔11a中に存在する空気とで構成されるフォトニック結晶ファイバー5を作製した。このフォトニック結晶ファイバー5の外径は125μmである。
このフォトニック結晶ファイバー5を30mmの長さにカットした。図8(a)にフォトニック結晶ファイバー5の縦断面図を示す。このフォトニック結晶ファイバー5の一端から約5mmの部分を、1×10-2mol/Lのローダミン590のメタノール溶液中に浸し、図8(b)に示すように毛細管現象により孔11aの全域に色素溶液を浸透させて石英と色素溶液とからなる発光体10を得た。この発光体10を空気中に放置すると、孔11aの中の色素溶液が蒸発する。これを防止するために、図9に示すように、この発光体10を縦10mm、横30mm、長さ60mmの石英セル15内に設置し、封止した。この発光体10に、第1の媒質11の側面に沿って配置した励起光源であるキセノンガスを用いたフラッシュランプ50から紫外線を照射したところ、発光体10の端部から波長0.59μm付近にピークを持つ光を取り出せることがわかった。
(実施例2)
本実施例に係る発光体10も、図1に示す横断面図および図2に示す斜視図を有する。第1の媒質11はファイバー形状をなし、その横断面において周期的に形成された孔11aを有する。第2の媒質12は第1の媒質11中の孔11aを満たして充填されている。第1の媒質11は石英であり、第2の媒質12は発光物質として色素であるローダミン610を分散させたSOG(スピンオンガラス)である。第2の媒質12は第1の媒質11の横断面において三角格子の位置に配置されており、この構造によりフォトニック結晶を形成している。本実施例では、第2の媒質12のピッチaは0.84μm、第2の媒質12の直径dは0.59μmである。
本実施例に係る発光体10も、図1に示す横断面図および図2に示す斜視図を有する。第1の媒質11はファイバー形状をなし、その横断面において周期的に形成された孔11aを有する。第2の媒質12は第1の媒質11中の孔11aを満たして充填されている。第1の媒質11は石英であり、第2の媒質12は発光物質として色素であるローダミン610を分散させたSOG(スピンオンガラス)である。第2の媒質12は第1の媒質11の横断面において三角格子の位置に配置されており、この構造によりフォトニック結晶を形成している。本実施例では、第2の媒質12のピッチaは0.84μm、第2の媒質12の直径dは0.59μmである。
本実施例に係る発光体10の製造方法を説明する。まず、図7の斜視図に概略的に示すように、石英管を三角格子の配置で束ねて高温中で線引きすることにより第1の媒質11である石英と、石英の横断面に周期的に形成された孔11a中に存在する空気とで構成されるフォトニック結晶ファイバー5を作製した。このフォトニック結晶ファイバー5の外径は125μmである。
このフォトニック結晶ファイバー5を50mmの長さにカットした。図8(a)にフォトニック結晶ファイバー5の縦断面図を示す。このフォトニック結晶ファイバー5の一端から約5mmの部分を、1×10-2mol/Lの濃度のローダミン610を含むSOG/アルコール溶液中に浸し、毛細管現象により孔11aの全域に色素溶液を浸透させた。このファイバーを電気炉中で120℃、10分間の熱処理を行った。溶液を吸収させる工程と熱処理工程を3回繰り返した。このファイバーから、色素濃度が不均一な両端部を切断して、長さを30mmにした。こうして、図8(b)に示すように、石英と色素含有SOGとからなる発光体10を得た。
図10に示すように、この発光体10に、第1の媒質11の側面に沿って配置した励起光源であるキセノンガスを用いたフラッシュランプ50から紫外線を照射したところ、発光体10の端部から波長0.61μm付近にピークを持つ光を取り出せることがわかった。
(実施例3)
本実施例に係る発光体10も、図1に示す横断面図および図2に示す斜視図を有する。第1の媒質11はファイバー形状をなし、その横断面において周期的に形成された孔11aを有する。第2の媒質12は第1の媒質11中の孔11aを満たして充填されている。第1の媒質11は石英であり、第2の媒質12は発光物質としてNdを分散させた石英(Nd:石英)である。第2の媒質12は第1の媒質11の横断面において三角格子の位置に配置されており、この構造によりフォトニック結晶を形成している。本実施例では、第2の媒質12のピッチaは1.50μm、第2の媒質12の直径dは1.05μmである。
本実施例に係る発光体10も、図1に示す横断面図および図2に示す斜視図を有する。第1の媒質11はファイバー形状をなし、その横断面において周期的に形成された孔11aを有する。第2の媒質12は第1の媒質11中の孔11aを満たして充填されている。第1の媒質11は石英であり、第2の媒質12は発光物質としてNdを分散させた石英(Nd:石英)である。第2の媒質12は第1の媒質11の横断面において三角格子の位置に配置されており、この構造によりフォトニック結晶を形成している。本実施例では、第2の媒質12のピッチaは1.50μm、第2の媒質12の直径dは1.05μmである。
本実施例に係る発光体10の製造方法を説明する。まず、図11の縦断面図を示すように、石英管1中に中実形状のNdが添加された石英棒2を挿入し、これらを三角格子の配置で束ねた。これを高温中で線引きすることによりフォトニック結晶ファイバーを作製した。このフォトニック結晶ファイバーの外径は125μmである。次に、このフォトニック結晶ファイバーを長さ30mmに切断し、第1の媒質11である石英と、第2の媒質12であるNd:石英ガラスからなる発光体10を得た。
図10と同様に、この発光体10に、第1の媒質11の側面に沿って配置した励起光源であるキセノンガスを用いたフラッシュランプ50から紫外線を照射したところ、発光体10の端部から波長1.05μm付近にピークを持つ光を取り出せることがわかった。
(実施例4)
本実施例に係る発光体20は、図3に示す横断面図を有する。第1の媒質21はファイバー形状をなし、その横断面において周期的に形成された孔21aを有する。第1の媒質21中には、励起光を吸収して励起光と異なる波長の光を発光する発光物質が添加されている。第1の媒質21は石英ガラスであり、その中に発光物質であるNdが添加されている。孔21aの内部には空気が存在する。孔21aは第1の媒質21の横断面において三角格子の位置に配置されており、この構造によりフォトニック結晶を形成している。本実施例では、孔21aのピッチaは1.50μm、孔21aの直径dは1.05μmである。
本実施例に係る発光体20は、図3に示す横断面図を有する。第1の媒質21はファイバー形状をなし、その横断面において周期的に形成された孔21aを有する。第1の媒質21中には、励起光を吸収して励起光と異なる波長の光を発光する発光物質が添加されている。第1の媒質21は石英ガラスであり、その中に発光物質であるNdが添加されている。孔21aの内部には空気が存在する。孔21aは第1の媒質21の横断面において三角格子の位置に配置されており、この構造によりフォトニック結晶を形成している。本実施例では、孔21aのピッチaは1.50μm、孔21aの直径dは1.05μmである。
本実施例に係る発光体10を製造するには、実施例1と同様なフォトニック結晶ファイバーの製造方法を用いた。すなわちNdが添加された石英管を三角格子の配置で束ねて高温中で融着および線引き加工することにより、発光物質を添加した第1の媒質21であるNd:石英ガラスと、孔21a内に存在する他の媒質である空気とからなるフォトニック結晶ファイバーを作製した。このフォトニック結晶ファイバーの外径は125μmである。このファイバーを30mmに切断して発光体20を得た。
図10と同様に、この発光体20に、第1の媒質の側面に沿って配置した励起光源であるキセノンガスを用いたフラッシュランプから紫外線を照射したところ、発光体20の端部から波長1.05μm付近にピークを持つ光を取り出せることがわかった。
(実施例5)
本実施例に係る発光体30は、図4に示す横断面図および図5に示す縦断面図を有する。第1の媒質31はファイバー形状をなし、その横断面において周期的に形成された孔31aを有する。第2の媒質32は、孔31aに面する第1の媒質31の壁面に形成されている。したがって、孔31a中に存在する他の媒質である空気の周囲に第2の媒質32が設けられている。第2の媒質32は、励起光を吸収して励起光と異なる波長の光を発光する発光物質を含有する。本実施例では、第1の媒質31は石英であり、第2の媒質32は発光物質として色素であるローダミン610を分散させたSOG(スピンオンガラス)である。第2の媒質32および孔31aは第1の媒質31の横断面において三角格子の位置に配置されており、この構造によりフォトニック結晶を形成している。本実施例では、孔31aのピッチaは0.84μm、第2の媒質32の外径rは0.70μm、第2の媒質32の内径dは0.59μmである。
本実施例に係る発光体30は、図4に示す横断面図および図5に示す縦断面図を有する。第1の媒質31はファイバー形状をなし、その横断面において周期的に形成された孔31aを有する。第2の媒質32は、孔31aに面する第1の媒質31の壁面に形成されている。したがって、孔31a中に存在する他の媒質である空気の周囲に第2の媒質32が設けられている。第2の媒質32は、励起光を吸収して励起光と異なる波長の光を発光する発光物質を含有する。本実施例では、第1の媒質31は石英であり、第2の媒質32は発光物質として色素であるローダミン610を分散させたSOG(スピンオンガラス)である。第2の媒質32および孔31aは第1の媒質31の横断面において三角格子の位置に配置されており、この構造によりフォトニック結晶を形成している。本実施例では、孔31aのピッチaは0.84μm、第2の媒質32の外径rは0.70μm、第2の媒質32の内径dは0.59μmである。
本実施例に係る発光体30の製造方法を説明する。まず、石英管を三角格子の配置で束ねて高温中で線引きすることにより、図12(a)の縦断面図に示すように、第1の媒質31である石英と、石英の横断面に周期的に形成された孔31a中に存在する空気とで構成されるフォトニック結晶ファイバー6を作製した。このフォトニック結晶ファイバー6の外径は125μmである。
このフォトニック結晶ファイバー6を50mmの長さにカットした。このフォトニック結晶ファイバー6の一端から約5mmの部分を、1×10-2mol/Lの濃度のローダミン610を含むSOG/アルコール溶液中に浸し、図12(b)に示すように、毛細管現象により孔11aの全域に色素含有SOG溶液7を浸透させた。次に、フォトニック結晶ファイバー6の端部を色素含有SOG溶液から引き上げ、フォトニック結晶ファイバー6の他端を、チューブを介してロータリーポンプに接続し、5秒間真空引きを行い、孔31aに面する第1の媒質31の内壁に厚さ30nmの色素含有SOG膜を形成した。これを1時間乾燥させて色素含有SOG膜を固化させた。このファイバーから、SOGの厚さが不均一な両端部を切断して、長さを30mmにした。こうして、図12(c)に示すように、石英からなる第1の媒質31と、孔31aに面する第1の媒質31の内壁に形成された膜状の色素含有SOGからなる第2の媒質32とを有する発光体30を得た。
図13の斜視図を示すように、この発光体30に、第1の媒質31の側面に沿って配置した励起光源であるキセノンガスを用いたフラッシュランプ50から紫外線を照射したところ、発光体30の端部から波長0.61μm付近にピークを持つ光を取り出せることがわかった。
(実施例6)
本実施例に係る発光体30も、図4に示す横断面図および図5に示す縦断面図を有する。第1の媒質31はファイバー形状をなし、その横断面において周期的に形成された孔31aを有する。第2の媒質32は、孔31aに面する第1の媒質31の壁面に形成されている。第1の媒質31は石英であり、第2の媒質32は発光物質としてNdを分散させた石英(Nd:石英)である。第2の媒質32および孔31aは第1の媒質31の横断面において三角格子の位置に配置されており、この構造によりフォトニック結晶を形成している。本実施例では、孔31aのピッチaは1.50μm、第2の媒質32の外径rは1.26μm、第2の媒質32の内径dは1.05μmである。
本実施例に係る発光体30も、図4に示す横断面図および図5に示す縦断面図を有する。第1の媒質31はファイバー形状をなし、その横断面において周期的に形成された孔31aを有する。第2の媒質32は、孔31aに面する第1の媒質31の壁面に形成されている。第1の媒質31は石英であり、第2の媒質32は発光物質としてNdを分散させた石英(Nd:石英)である。第2の媒質32および孔31aは第1の媒質31の横断面において三角格子の位置に配置されており、この構造によりフォトニック結晶を形成している。本実施例では、孔31aのピッチaは1.50μm、第2の媒質32の外径rは1.26μm、第2の媒質32の内径dは1.05μmである。
本実施例に係る発光体30の製造方法を説明する。まず、実施例5と同様な方法により、第1の媒質である石英と、石英の横断面に周期的に形成された孔中に存在する空気とで構成されるフォトニック結晶ファイバーを作製した。このフォトニック結晶ファイバーの外径は125μmである。このフォトニック結晶ファイバーを50mmの長さにカットした。このフォトニック結晶ファイバーの一端から約5mmの部分を、シリコンアルコキシド、ネオジウムアルコキシド、アルコールを含む有機金属溶液中に浸して毛細管現象により孔全域に有機金属溶液を浸透させた。次に、フォトニック結晶ファイバーの端部を有機金属溶液から引き上げ、フォトニック結晶ファイバーの他端を、チューブを介してロータリーポンプに接続し、5秒間真空引きした。フォトニック結晶ファイバーを電気炉に入れて50℃で乾燥し、孔に面する第1の媒質の内壁に前駆体を形成した。上記のようなプロセスを繰り返すことにより、第1の媒質の内壁に形成される前駆体の厚さを調節した。次に、フォトニック結晶ファイバーを電気炉に入れて500〜800℃で3時間、本焼することにより、第2の媒質として厚さt(=(r−d)/2)が100nmであるNd:石英ガラスの薄膜を形成した。石英ガラス薄膜中のNdの濃度は1wt%であった。この製造方法はゾルゲル法と呼ばれ、比較的低温で第2の媒質を成膜することができる。このファイバーから、Nd:石英ガラスの厚さが不均一な両端部を切断し、長さを30mmにした。こうして、石英からなる第1の媒質と、孔に面する第1の媒質の内壁に形成された膜状のNd:石英ガラスからなる第2の媒質とを有する発光体を得た。
図13と同様に、発光体30に、第1の媒質31の側面に沿って配置した励起光源であるキセノンガスを用いたフラッシュランプ50から紫外線を照射したところ、発光体30の端部から波長1.05μm付近にピークを持つ光を取り出せることがわかった。
なお、本実施例では、発光物質を含有する第2の媒質としてNd:石英ガラスを用いたが、その他の遷移金属または希土類元素を添加した石英ガラスも用いることができる。これらの薄膜もゾルゲル法を用いて作製することができる。フォトニックバンドギャップの異なるフォトニック結晶ファイバーを予め用意しておき、そのフォトニックバンドギャップに合った発光波長を持つ遷移金属または希土類元素を選べば、様々な発光波長を持つ発光体を容易に得ることができる。
(実施例7)
実施例6では、まずフォトニック結晶ファイバーを作製した後、発光物質を含有する第2の媒質の薄膜層を形成しており、多種類の発光体を得るのに適している。これに対し、フォトニックバンドギャップや発光波長の関係といった仕様が確定した発光体を大量生産したい場合には、以下において説明する本実施例に係る発光体の製造方法を適用することもできる。
実施例6では、まずフォトニック結晶ファイバーを作製した後、発光物質を含有する第2の媒質の薄膜層を形成しており、多種類の発光体を得るのに適している。これに対し、フォトニックバンドギャップや発光波長の関係といった仕様が確定した発光体を大量生産したい場合には、以下において説明する本実施例に係る発光体の製造方法を適用することもできる。
本実施例に係る発光体30も、図4に示す横断面図および図5に示す縦断面図を有する。第1の媒質31はファイバー形状をなし、その横断面において周期的に形成された孔31aを有する。第2の媒質32は、孔31aに面する第1の媒質31の壁面に形成されている。第1の媒質31は石英であり、第2の媒質32は発光物質としてNdを分散させた石英(Nd:石英)である。
本実施例では、第1の媒質となる石英管の内部に第2の媒質となるNdを添加した石英管を挿入し、これらを束ねて高温中で線引加工を行った。こうして、外径125μm、長さ100mの、第1の媒質31である石英と、第2の媒質32であるNdを添加した石英ガラスとを有するフォトニック結晶ファイバーを得た。このファイバーを30mmの長さに切断して発光体を得た。
図13と同様に、発光体30に、第1の媒質31の側面に沿って配置した励起光源であるキセノンガスを用いたフラッシュランプ50から紫外線を照射したところ、発光体30の端部から波長1.05μm付近にピークを持つ光を取り出せることがわかった。
(実施例8)
本実施例に係る発光体30も、図4に示す横断面図および図5に示す縦断面図を有する。第1の媒質31はファイバー形状をなし、その横断面において周期的に形成された孔31aを有する。第2の媒質32は、孔31aに面する第1の媒質31の壁面に形成されている。第1の媒質31は石英であり、第2の媒質32は発光物質としてNdを分散させたイットリウムアルミニウムガーネット膜(Nd:YAG)である。本実施例では、孔31aのピッチaは1.51μm、第2の媒質32の外径rは1.27μm、第2の媒質32の内径dは1.06μmである。
本実施例に係る発光体30も、図4に示す横断面図および図5に示す縦断面図を有する。第1の媒質31はファイバー形状をなし、その横断面において周期的に形成された孔31aを有する。第2の媒質32は、孔31aに面する第1の媒質31の壁面に形成されている。第1の媒質31は石英であり、第2の媒質32は発光物質としてNdを分散させたイットリウムアルミニウムガーネット膜(Nd:YAG)である。本実施例では、孔31aのピッチaは1.51μm、第2の媒質32の外径rは1.27μm、第2の媒質32の内径dは1.06μmである。
本実施例に係る発光体30の製造方法を説明する。まず、実施例5と同様な方法により、第1の媒質である石英と、石英の横断面に周期的に形成された孔中に存在する空気とで構成されるフォトニック結晶ファイバーを作製した。このフォトニック結晶ファイバーの外径は125μmである。このフォトニック結晶ファイバーを50mmの長さにカットした。このフォトニック結晶ファイバーの一端から約5mmの部分を、オクチル酸イットリウム、オクチル酸ネオジウム、オクチル酸アルミニウム、テレピン油、酢酸ブチル、酢酸エチルを含む有機金属溶液中に浸し、孔の全域に有機金属溶液を浸透させた。次に、フォトニック結晶ファイバーの端部を有機金属溶液から引き上げ、フォトニック結晶ファイバーの他端を、チューブを介してロータリーポンプに接続し、5秒間真空引きした。フォトニック結晶ファイバーを電気炉に入れて200℃で乾燥し、孔に面する第1の媒質の内壁に前駆体を形成した。上記のようなプロセスを繰り返すことにより、第1の媒質の内壁に形成される前駆体の厚さを調節した。次に、フォトニック結晶ファイバーを電気炉に入れて大気中にて500〜800℃で3時間、本焼することにより、厚さtが110nmであるNd:YAGの薄膜を作製した。このような有機金属溶液を用いた製造方法は、MOD(Metal Organic Deposition)法と呼ばれ、第2の媒質を高品質な膜として成膜できる。このファイバーから、Nd:YAG薄膜の厚さが不均一で結晶性が悪い両端部を切断し、長さを30mmにした。こうして、石英からなる第1の媒質と、孔に面する第1の媒質の内壁に形成された膜状のNd:YAGからなる第2の媒質とを有する発光体を得た。
図13と同様に、発光体30に、第1の媒質31の側面に沿って配置した励起光源であるキセノンガスを用いたフラッシュランプ50から紫外線を照射したところ、発光体30の端部から波長1.06μm付近にピークを持つ光を取り出せることがわかった。
(実施例9)
本実施例に係る発光体40は、図6に示す平面図を有する。第1の媒質41は平面形状をなし、その面内において孔41aが周期的に形成されている。第2の媒質42は、第1の媒質41の面内に形成された孔41aの中央部に第1の媒質41と離間して形成されている。したがって、第2の媒質42の周囲に孔41a内に存在する他の媒質である空気が設けられている。第2の媒質42は、励起光を吸収して励起光と異なる波長の光を発光する発光物質を含有する。本実施例では、第1の媒質41はSiO2であり、第2の媒質42はNdが添加されたSiO2(Nd:SiO2)である。孔41aおよび第2の媒質42は第1の媒質41の横断面において三角格子の位置に配置されており、この構造によりフォトニック結晶を形成している。本実施例では、孔41aのピッチaは1.5μm、孔41aの径dは1.05μm、第2の媒質42の外径rは100nmである。
本実施例に係る発光体40は、図6に示す平面図を有する。第1の媒質41は平面形状をなし、その面内において孔41aが周期的に形成されている。第2の媒質42は、第1の媒質41の面内に形成された孔41aの中央部に第1の媒質41と離間して形成されている。したがって、第2の媒質42の周囲に孔41a内に存在する他の媒質である空気が設けられている。第2の媒質42は、励起光を吸収して励起光と異なる波長の光を発光する発光物質を含有する。本実施例では、第1の媒質41はSiO2であり、第2の媒質42はNdが添加されたSiO2(Nd:SiO2)である。孔41aおよび第2の媒質42は第1の媒質41の横断面において三角格子の位置に配置されており、この構造によりフォトニック結晶を形成している。本実施例では、孔41aのピッチaは1.5μm、孔41aの径dは1.05μm、第2の媒質42の外径rは100nmである。
本実施例に係る発光体40の製造方法を説明する。図14(a)に示すように、Si基板8を酸素雰囲気中で熱処理し、Si基板8上に厚さ100nmのSiO2膜を形成した。図14(b)に示すように、光リソグラフィーによりSiO2膜の一部を選択的にエッチングして、第1の媒質41の面内に孔41aを周期的に形成した。その後、レジストを除去した。図14(c)に示すように、スパッタリング法により厚さ50nmのNd:SiO2膜を成膜した後、光リソグラフィーによりパターニングを行い、孔41aの中央部に直径100nmの第2の媒質42を形成した。その後、レジストを除去した。こうして、石英からなる第1の媒質41と、第1の媒質41の面内に形成された孔41aの中央部に第1の媒質41と離間して形成されたNd:SiO2からなる第2の媒質42とを有する発光体40を得た。
この発光体40をキセノンフラッシュランプで励起したところ、波長1.05μm付近にピークを持つ光を取り出せることがわかった。
(その他の実施形態)
上述したように実施例に基づいて本発明を説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。たとえば、励起光を透過する媒質として石英以外にも、アルミニウム酸化物、チタン酸化物、ジルコニウム酸化物、タンタル酸化物、ハフニウム酸化物、ニオブ酸化物などの材料を用いることができる。発光物質を含有する媒質として、各種ローダミン、クマリン、キトンなどの色素を分散させたプラスチックおよびSOG、Crを添加したアルミニウム酸化物、その他の遷移金属または希土類元素を添加したアルミニウム酸化物、チタン酸化物、ジルコニウム酸化物、タンタル酸化物、ハフニウム酸化物、ニオブ酸化物、リチウムニオブ酸化物、リチウムタンタル酸化物、イットリウムバナジウム酸化物を用いることができる。第2の媒質の薄膜を形成する方法として、ゾルゲル法やMOD法のほか、原料の一部としてトリフルオロ酢酸を用いたTFA−MOD法を用いることもできる。MOD法においては、原料としてオクチル酸、カプリル酸、デカン酸、ナフテン酸などの塩からなる有機金属化合物を用いることができる。また、フォトニック結晶を構成する周期構造として円形の媒質が三角格子で配置された構造を代表例として記したが、これに限定されず、三角形状、四角形状、ハニカム形状、その他の多角形状の媒質が周期的に配置された構造でもよい。
上述したように実施例に基づいて本発明を説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。たとえば、励起光を透過する媒質として石英以外にも、アルミニウム酸化物、チタン酸化物、ジルコニウム酸化物、タンタル酸化物、ハフニウム酸化物、ニオブ酸化物などの材料を用いることができる。発光物質を含有する媒質として、各種ローダミン、クマリン、キトンなどの色素を分散させたプラスチックおよびSOG、Crを添加したアルミニウム酸化物、その他の遷移金属または希土類元素を添加したアルミニウム酸化物、チタン酸化物、ジルコニウム酸化物、タンタル酸化物、ハフニウム酸化物、ニオブ酸化物、リチウムニオブ酸化物、リチウムタンタル酸化物、イットリウムバナジウム酸化物を用いることができる。第2の媒質の薄膜を形成する方法として、ゾルゲル法やMOD法のほか、原料の一部としてトリフルオロ酢酸を用いたTFA−MOD法を用いることもできる。MOD法においては、原料としてオクチル酸、カプリル酸、デカン酸、ナフテン酸などの塩からなる有機金属化合物を用いることができる。また、フォトニック結晶を構成する周期構造として円形の媒質が三角格子で配置された構造を代表例として記したが、これに限定されず、三角形状、四角形状、ハニカム形状、その他の多角形状の媒質が周期的に配置された構造でもよい。
10、20、30、40…発光体、11、21、31、41…第1の媒質、11a、21a、31a、41a…孔(空気)、12、32、42…第2の媒質、15…石英セル、50…フラッシュランプ、1…石英管、2…石英棒、5、6…フォトニック結晶ファイバー、7…色素含有SOG溶液、8…Si基板。
Claims (8)
- ファイバー形状をなし、その横断面において周期的に形成された孔を有し、励起光を透過する第1の媒質と、
前記第1の媒質中の孔を満たして充填され、励起光を吸収して励起光と異なる波長の光を発光する発光物質を含有する第2の媒質と
を有することを特徴とする発光体。 - 前記第2の媒質に含有されている発光物質は、前記第1の媒質の横断面における前記第2の媒質の周期構造によって決定されるフォトニックバンドギャップに対応する波長の光を発光することを特徴とする請求項1に記載の発光体。
- ファイバー形状をなし、その横断面において周期的に形成された孔を有し、励起光を透過する第1の媒質と、
前記第1の媒質中に添加され、励起光を吸収して励起光と異なる波長の光を発光する発光物質と
を有することを特徴とする発光体。 - 前記第1の媒質中に添加されている前記発光物質は、前記第1の媒質の横断面における前記孔の周期構造によって決定されるフォトニックバンドギャップに対応する波長の光を発光することを特徴とする請求項3に記載の発光体。
- ファイバー形状をなし、その横断面において周期的に形成された孔を有し、励起光を透過する第1の媒質と、
前記孔に面する前記第1の媒質の壁面に形成され、励起光を吸収して励起光と異なる波長の光を発光する発光物質を含有する第2の媒質と
を有することを特徴とする発光体。 - 前記第2の媒質に含有されている発光物質は、前記第1の媒質と第1の媒質の横断面における前記孔の周期構造によって決定されるフォトニックバンドギャップに対応する波長の光を発光することを特徴とする請求項5に記載の発光体。
- 前記ファイバー形状をなす第1の媒質の側面に沿って、励起光源が設けられていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の発光体。
- 平面形状をなし、その面内において孔が周期的に形成されており、励起光を透過する第1の媒質と、
前記第1の媒質の面内に形成された孔の中央部に前記第1の媒質と離間して形成され、励起光を吸収して励起光と異なる波長の光を発光する発光物質を含有する第2の媒質と
を有することを特徴とする発光体。
Priority Applications (1)
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JP2005193137A JP2007009094A (ja) | 2005-06-30 | 2005-06-30 | フォトニック結晶を用いた発光体 |
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