JP2007007929A - セルロースエステル光学フィルムの製造方法及びセルロースエステル光学フィルム - Google Patents
セルロースエステル光学フィルムの製造方法及びセルロースエステル光学フィルム Download PDFInfo
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Abstract
【課題】 回収セルロースエステルを再利用し、光学フィルムとしての十分な機械特性及び溶融成形性を備えると共に、省資源化及び資源の有効利用率を高めた溶融流延法で形成されたセルロースエステル光学フィルムの製造方法を提供することにある。
【解決手段】 未加熱セルロースエステルA、回収セルロースエステルB及び添加剤を含有する混合物を加熱溶融押出しするセルロースエステル光学フィルムの製造方法で、該混合物の下式(1)のセルロースエステルの重量平均分子量比Mwが、0.8以上、1.0以下であることを特徴とするセルロースエステル光学フィルムの製造方法。
式(1)セルロースエステルの重量平均分子量比Mw=(MA×a+MB×b)/MA
〔式中、MAは未加熱のセルロースエステルAの重量平均分子量、MBは加熱溶融済みの回収セルロースエステルBの重量平均分子量、a、bはそれぞれの比率を表す。〕
【選択図】 なし
【解決手段】 未加熱セルロースエステルA、回収セルロースエステルB及び添加剤を含有する混合物を加熱溶融押出しするセルロースエステル光学フィルムの製造方法で、該混合物の下式(1)のセルロースエステルの重量平均分子量比Mwが、0.8以上、1.0以下であることを特徴とするセルロースエステル光学フィルムの製造方法。
式(1)セルロースエステルの重量平均分子量比Mw=(MA×a+MB×b)/MA
〔式中、MAは未加熱のセルロースエステルAの重量平均分子量、MBは加熱溶融済みの回収セルロースエステルBの重量平均分子量、a、bはそれぞれの比率を表す。〕
【選択図】 なし
Description
本発明は、溶融流延法で製造されたセルロースエステル光学フィルムの再利用に関するものであり、詳しくは、溶融流延法でセルロースエステル光学フィルムを製造する際に生じる溶融済みセルロースエステル光学フィルムの端部、切り屑、塊状溶融物等の効率的な再利用方法により製造されたセルロースエステル光学フィルムの製造方法とそれにより得られたセルロースエステル光学フィルムに関するものである。
セルロースエステルフィルムの製造方法としては、大別して、セルロースエステルや添加剤を有機溶媒等に溶解したドープを調製した後、このドープを無端ベルト等の上に流延して製造する溶液流延法と、セルロースエステルと添加剤等を200〜300℃に加熱、溶融し、その溶融物を押し出し方式のコータ等を用いて、ロール上や無端ベルト上に押し出して流延する溶融流延法が挙げられる。
これらのセルロースエステルフィルムの製造方法では、その製造過程で、1)所望の特性を備えていない部分、例えば、製膜開始直後や条件調整中のセルロースエステルフィルム、広幅のセルロースエステルフィルムを製膜する際、両端部に付与するナーリング加工部や、2)広幅原反を規定の幅にスリッティングする際に生じる端部(耳部ともいう)や切り屑、3)セルロースエステルフィルムの基準を満たしていない不良品や、故障の発生箇所等の製膜された後、製品に供さない部分(以下、返材ともいう)が発生する。
近年では、限られた資源を有効に活用して、環境適性を高めるという観点から、上記の様な返材を有効利用する試みが盛んになされている。
例えば、セルロースエステル、添加剤及び有機溶媒を混合溶解し、更に再使用可能なセルロースエステルを破砕したチップ(返材)を用いたセルロースエステルドープの調製方法(例えば、特許文献1参照。)が提案されている。しかしながら、特許文献1に記載の方法は、上述の多量の有機溶媒等を用いる溶液流延法であり、環境適性を求める観点からは決して望ましい方法であるとは言い難い。
一方、溶融流延法においても、上記返材を再利用することが考えられ、例えば、回収した返材がフィルム状である場合には、これらをチップに断裁し、また、塊状物の場合はこれらを粉砕し、再溶融した後、固型化(ペレット化)される。この回収して固型化されたセルロースエステル(以下、回収セルロースエステルまたは、回収チップという)を、同じ品種のセルロースエステルフィルムを製造する際に、未加熱の新しいセルロースエステル(以下、バージンセルロースエステルまたはバージンチップともいう)と共に投入して、溶融押出してセルロースエステルフィルムを得る方法が検討されている。しかしながら、回収セルロースエステルは、バージンセルロースエステルとは異なり、既に少なくとも1回の加熱溶融及び製膜処理を経ており、特に、高温下での加熱溶融に伴う性能劣化を受けているため、物性値あるいは特性値の規定や制御を全く行わず、無制限に両者を混合して製膜したセルロースエステルフィルムでは、機械特性や光学特性が著しく低下を招く結果となる。また、回収セルロースエステル中の添加剤等の分解物が、フィルム製造時に揮発、析出、発泡等を生じ、フィルムの品質低下を招くこともある。
上記のような性能変動を起こすことなく、返材の再利用を高めるため、例えば、2種以上の回収プラスチックを溶融混合した後、ビニル単量体と溶融混練重合して、グラフト重合体を得る方法が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。しかし、この特許文献2に記載の方法では、再利用に際し加熱溶融工程を経るため、重合と同時に樹脂の劣化も起こる。また、低分子成分の残留、揮発、分解により、形成されたフィルムの機械特性、光学特性が低下するという課題を抱えている。
また、使用済み製品樹脂(返材)を破砕後、添加剤を加えて溶融押出して再ペレット化し、これを原料の一部として使用する写真感光材料用射出成形品のリサイクル方法が提案されている(例えば、特許文献3参照。)。しかし、特許文献3に記載の方法は、レンズ付きフィルムユニットの外装樹脂部品のリサイクルに関する提案であり、また、再利用に際し、原材料の再生工程で加熱溶融工程による加熱処理を受けるため、回収樹脂の劣化が大きく、回収樹脂の使用できる比率が低下するといった問題があり、また、特許文献3には、セルロースエステルフィルムの返材を再利用する方法に関しては、一切の記載や示唆が見られない。
特開2002−161143号公報
特開平7−118314号公報
特開2002−72419号公報
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、回収セルロースエステルを再利用し、光学フィルムとしての十分な機械特性及び溶融成形性を備えると共に、省資源化及び資源の有効利用率を高めた溶融流延法で形成するセルロースエステル光学フィルムの製造方法とそれにより得られたセルロースエステル光学フィルムを提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成される。
(請求項1)
未加熱のセルロースエステルA、加熱溶融済みの回収セルロースエステルB及び少なくとも1種の添加剤を含有する混合物を加熱溶融押出しするセルロースエステル光学フィルムの製造方法であって、該混合物における下式(1)で表されるセルロースエステルの重量平均分子量比Mwが、0.8以上、1.0以下であることを特徴とするセルロースエステル光学フィルムの製造方法。
未加熱のセルロースエステルA、加熱溶融済みの回収セルロースエステルB及び少なくとも1種の添加剤を含有する混合物を加熱溶融押出しするセルロースエステル光学フィルムの製造方法であって、該混合物における下式(1)で表されるセルロースエステルの重量平均分子量比Mwが、0.8以上、1.0以下であることを特徴とするセルロースエステル光学フィルムの製造方法。
式(1)
セルロースエステルの重量平均分子量比Mw=(MA×a+MB×b)/MA
〔式中、MAは未加熱のセルロースエステルAの重量平均分子量、MBは加熱溶融済みの回収セルロースエステルBの重量平均分子量、aは全セルロースエステルにおける未加熱のセルロースエステルAの比率、bは全セルロースエステルにおける加熱溶融済みの回収セルロースエステルBの比率を表す。〕
(請求項2)
前記セルロースエステルAは、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートフタレート及びセルロースフタレートから選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項1記載のセルロースエステル光学フィルムの製造方法。
セルロースエステルの重量平均分子量比Mw=(MA×a+MB×b)/MA
〔式中、MAは未加熱のセルロースエステルAの重量平均分子量、MBは加熱溶融済みの回収セルロースエステルBの重量平均分子量、aは全セルロースエステルにおける未加熱のセルロースエステルAの比率、bは全セルロースエステルにおける加熱溶融済みの回収セルロースエステルBの比率を表す。〕
(請求項2)
前記セルロースエステルAは、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートフタレート及びセルロースフタレートから選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項1記載のセルロースエステル光学フィルムの製造方法。
(請求項3)
前記回収セルロースエステルBは、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートフタレート及びセルロースフタレートから選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項1記載のセルロースエステル光学フィルムの製造方法。
前記回収セルロースエステルBは、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートフタレート及びセルロースフタレートから選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項1記載のセルロースエステル光学フィルムの製造方法。
(請求項4)
前記添加剤は、可塑剤、酸化防止剤、酸捕捉剤、光安定剤、過酸化物分解剤、ラジカル捕捉剤、金属不活性化剤、紫外線吸収剤、マット剤、染料及び顔料から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のセルロースエステル光学フィルムの製造方法。
前記添加剤は、可塑剤、酸化防止剤、酸捕捉剤、光安定剤、過酸化物分解剤、ラジカル捕捉剤、金属不活性化剤、紫外線吸収剤、マット剤、染料及び顔料から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のセルロースエステル光学フィルムの製造方法。
(請求項5)
請求項1〜4のいずれか1項に記載のセルロースエステル光学フィルムの製造方法により製造されることを特徴とするセルロースエステル光学フィルム。
請求項1〜4のいずれか1項に記載のセルロースエステル光学フィルムの製造方法により製造されることを特徴とするセルロースエステル光学フィルム。
本発明によれば、回収セルロースエステルを再利用し、光学フィルムとしての十分な機械特性及び溶融成形性を備えると共に、省資源化及び資源の有効利用率を高めた溶融流延法で形成されたセルロースエステル光学フィルムの製造方法とそれにより得られたセルロースエステル光学フィルムを提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、未加熱のセルロースエステルA、加熱溶融済みの回収セルロースエステルB及び少なくとも1種の添加剤を含有する混合物を加熱溶融押出しするセルロースエステル光学フィルムの製造方法であって、該混合物における前式(1)で表されるセルロースエステルの重量平均分子量比Mwaveが、0.8以上、1.0以下であることを特徴とするセルロースエステル光学フィルムの製造方法により、光学フィルムとしての十分な機械特性及び溶融成形性を備えると共に、省資源化及び資源の有効利用率を高めた溶融流延法で形成されたセルロースエステル光学フィルムの製造方法を実現できることを見出し、本発明に至った次第である。
一般に、セルロースエステルは加熱溶融処理を施した際、180℃〜220℃程度から熱分解が始まり、分子量が低下する。セルロースエステルのこの様な加熱溶融処理による分子量の低下に伴い、光学特性(例えば、着色等)や機械的強度、例えば、破断強度や折り曲げ耐性が低下する。したがって、この様な少なくとも1度の加熱溶融処理を経ている回収セルロースエステルとバージンセルロースエステルとを混合してセルロースエステル光学フィルムを作製する場合、混合する分子量変動を起こしている回収セルロースエステルの比率に従って、得られるセルロースエステル光学フィルムの特性に影響を与えることとなる。本発明者は、回収セルロースエステルとバージンセルロースエステルとの最適条件について鋭意検討を行った結果、特に、加熱溶融法により作製されるセルロースエステル光学フィルムにおいては、重量平均分子量の設定が極めて重要な制御因子であり、バージンセルロースエステルの重量平均分子量に対し、回収セルロースエステルとバージンセルロースエステルとを混合物の重量平均分子量比率Mwaveを0.8〜1.0の範囲内となるように回収セルロースエステルの添加量を制御することにより、バージンセルロースエステルの持つ機械特性(破断強度や折り曲げ耐性)及び溶融成形性を維持できると共に、最適な比率で回収セルロースエステルを使用することにより、省資源化の推進、資源の有効活用及び環境適性改善に大きく貢献することができることを見出した。
なお、本発明のセルロースエステル光学フィルムの製造方法において、回収セルロースエステルの添加比率は、一概に特定の範囲に決定されるものではなく、使用する回収セルロースエステルの特性(例えば、加熱溶融処理回数、重量平均分子量値)に準じて、重量平均分子量比率Mwaveが0.8〜1.0の範囲となるようにその添加比率が適宜決定されるが、本発明においては、得られるセルロースエステルの機械特性と省資源化の効率を考慮すると、0.80〜0.95であることが好ましく、より好ましく0.80〜0.91であり、更に好ましくは0.80〜0.88であり、特に好ましくは0.82〜0.87である。
以下、本発明のセルロースエステル光学フィルムの製造方法の詳細について説明する。
《セルロースエステルフィルム》
(溶融流延法)
本発明のセルロースエステル光学フィルムは、溶融流延によって形成されたセルロースエステルフィルムである。本発明における溶融流延とは、有機溶媒等を用いずに、セルロースエステルを流動性を示す温度まで加熱溶融し、その後、流動性のセルロースエステルを流延する方法である。
(溶融流延法)
本発明のセルロースエステル光学フィルムは、溶融流延によって形成されたセルロースエステルフィルムである。本発明における溶融流延とは、有機溶媒等を用いずに、セルロースエステルを流動性を示す温度まで加熱溶融し、その後、流動性のセルロースエステルを流延する方法である。
加熱溶融してフィルムを成形する方法としては、例えば、溶融押出成形法、プレス成形法、インフレーション法、射出成形法、ブロー成形法、延伸成形法などが挙げられるが、本発明においては、機械的強度及び表面精度などに優れる光学フィルム得られる観点から、溶融押出成型法を用いることを特徴とする。
なお、本発明においては、セルロースエステルフィルムの構成材料が加熱されて、その流動性を発現させた後、ドラムまたはエンドレスベルト上に押し出して製膜する工程までを、溶融流延製膜工程に包含される。
(セルロースエステル)
本発明のセルロースエステル光学フィルムの製造方法においては、本発明に係る未加熱のセルロースエステルA及び加熱溶融済みの回収セルロースエステルBは、同種であっても異種であってもよいが、安定した品質が得られる観点からは、同種のセルロースエステルとすることが好ましい。
本発明のセルロースエステル光学フィルムの製造方法においては、本発明に係る未加熱のセルロースエステルA及び加熱溶融済みの回収セルロースエステルBは、同種であっても異種であってもよいが、安定した品質が得られる観点からは、同種のセルロースエステルとすることが好ましい。
本発明のセルロースエステル光学フィルムを構成するセルロースエステルは、セルロースエステル構造を示し、脂肪酸アシル基及び置換もしくは無置換の芳香族アシル基から選ばれる少なくとも1つの構造を含むセルロースの単独または混合酸エステルである。
以下、本発明の目的を満たす上で有用なセルロースエステルについて例示するが、これらに限定されるものではない。
上記芳香族アシル基において、芳香族環がベンゼン環であるとき、ベンゼン環の置換基の例として、ハロゲン原子、シアノ、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アシル基、カルボンアミド基、スルホンアミド基、ウレイド基、アラルキル基、ニトロ、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、アシルオキシ基、アルケニル基、アルキニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルキルオキシスルホニル基、アリールオキシスルホニル基、アルキルスルホニルオキシ基及びアリールオキシスルホニル基、−S−R、−NH−CO−OR、−PH−R、−P(−R)2、−PH−O−R、−P(−R)(−O−R)、−P(−O−R)2、−PH(=O)−R−P(=O)(−R)2、−PH(=O)−O−R、−P(=O)(−R)(−O−R)、−P(=O)(−O−R)2、−O−PH(=O)−R、−O−P(=O)(−R)2−O−PH(=O)−O−R、−O−P(=O)(−R)(−O−R)、−O−P(=O)(−O−R)2、−NH−PH(=O)−R、−NH−P(=O)(−R)(−O−R)、−NH−P(=O)(−O−R)2、−SiH2−R、−SiH(−R)2、−Si(−R)3、−O−SiH2−R、−O−SiH(−R)2及び−O−Si(−R)3が含まれる。
上記Rは、脂肪族基、芳香族基またはヘテロ環基である。置換基の数は、1個〜5個であることが好ましく、1個〜4個であることがより好ましく、1個〜3個であることが更に好ましく、1個または2個であることが最も好ましい。
置換基としては、ハロゲン原子、シアノ、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アシル基、カルボンアミド基、スルホンアミド基及びウレイド基が好ましく、ハロゲン原子、シアノ、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基及びカルボンアミド基がより好ましく、ハロゲン原子、シアノ、アルキル基、アルコキシ基及びアリールオキシ基が更に好ましく、ハロゲン原子、アルキル基及びアルコキシ基が最も好ましい。
上記ハロゲン原子には、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が含まれる。上記アルキル基は、環状構造或いは分岐を有していてもよい。アルキル基の炭素原子数は、1〜20であることが好ましく、1〜12であることがより好ましく、1〜6であることが更に好ましく、1〜4であることが最も好ましい。アルキル基の例としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、ヘキシル、シクロヘキシル、オクチル及び2−エチルヘキシルが含まれる。上記アルコキシ基は、環状構造或いは分岐を有していてもよい。アルコキシ基の炭素原子数は、1〜20であることが好ましく、1〜12であることがより好ましく、1〜6であることが更に好ましく、1〜4であることが最も好ましい。アルコキシ基は、更に別のアルコキシ基で置換されていてもよい。アルコキシ基の例には、メトキシ、エトキシ、2−メトキシエトキシ、2−メトキシ−2−エトキシエトキシ、ブチルオキシ、ヘキシルオキシ及びオクチルオキシが含まれる。
上記アリール基の炭素原子数は、6〜20であることが好ましく、6〜12であることが更に好ましい。アリール基の例には、フェニル及びナフチルが含まれる。上記アリールオキシ基の炭素原子数は、6〜20であることが好ましく、6〜12であることが更に好ましい。アリールオキシ基の例には、フェノキシ及びナフトキシが含まれる。上記アシル基の炭素原子数は、1〜20であることが好ましく、1〜12であることが更に好ましい。アシル基の例には、ホルミル、アセチル及びベンゾイルが含まれる。上記カルボンアミド基の炭素原子数は、1〜20であることが好ましく、1〜12であることが更に好ましい。カルボンアミド基の例には、アセトアミド及びベンズアミドが含まれる。上記スルホンアミド基の炭素原子数は、1〜20であることが好ましく、1〜12であることが更に好ましい。スルホンアミド基の例には、メタンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアミド及びp−トルエンスルホンアミドが含まれる。上記ウレイド基の炭素原子数は、1〜20であることが好ましく、1〜12であることが更に好ましい。ウレイド基の例には、(無置換)ウレイドが含まれる。
上記アラルキル基の炭素原子数は、7〜20であることが好ましく、7〜12であることが更に好ましい。アラルキル基の例には、ベンジル、フェネチル及びナフチルメチルが含まれる。上記アルコキシカルボニル基の炭素原子数は、1〜20であることが好ましく、2〜12であることが更に好ましい。アルコキシカルボニル基の例には、メトキシカルボニルが含まれる。上記アリールオキシカルボニル基の炭素原子数は、7〜20であることが好ましく、7〜12であることが更に好ましい。アリールオキシカルボニル基の例には、フェノキシカルボニルが含まれる。上記アラルキルオキシカルボニル基の炭素原子数は、8〜20であることが好ましく、8〜12であることが更に好ましい。アラルキルオキシカルボニル基の例には、ベンジルオキシカルボニルが含まれる。上記カルバモイル基の炭素原子数は、1〜20であることが好ましく、1〜12であることが更に好ましい。カルバモイル基の例には、(無置換)カルバモイル及びN−メチルカルバモイルが含まれる。上記スルファモイル基の炭素原子数は、20以下であることが好ましく、12以下であることが更に好ましい。スルファモイル基の例には、(無置換)スルファモイル及びN−メチルスルファモイルが含まれる。上記アシルオキシ基の炭素原子数は、1〜20であることが好ましく、2〜12であることが更に好ましい。アシルオキシ基の例には、アセトキシ及びベンゾイルオキシが含まれる。
上記アルケニル基の炭素原子数は、2〜20であることが好ましく、2〜12であることが更に好ましい。アルケニル基の例には、ビニル、アリル及びイソプロペニルが含まれる。上記アルキニル基の炭素原子数は、2〜20であることが好ましく、2〜12であることが更に好ましい。アルキニル基の例には、チエニルが含まれる。上記アルキルスルホニル基の炭素原子数は、1〜20であることが好ましく、1〜12であることが更に好ましい。上記アリールスルホニル基の炭素原子数は、6〜20であることが好ましく、6〜12であることが更に好ましい。上記アルキルオキシスルホニル基の炭素原子数は、1〜20であることが好ましく、1〜12であることが更に好ましい。上記アリールオキシスルホニル基の炭素原子数は、6〜20であることが好ましく、6〜12であることが更に好ましい。上記アルキルスルホニルオキシ基の炭素原子数は、1〜20であることが好ましく、1〜12であることが更に好ましい。上記アリールオキシスルホニル基の炭素原子数は、6〜20であることが好ましく、6〜12であることが更に好ましい。
本発明のセルロースエステルにおいて、セルロースの水酸基部分の水素原子が脂肪族アシル基との脂肪酸エステルであるとき、脂肪族アシル基は炭素原子数が2〜20で具体的にはアセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、ピバロイル、ヘキサノイル、オクタノイル、ラウロイル、ステアロイル等が挙げられる。
本発明において、前記脂肪族アシル基とは更に置換基を有するものも包含する意味であり、置換基としては上述の芳香族アシル基において、芳香族環がベンゼン環であるとき、ベンゼン環の置換基として例示したものが挙げられる。また、上記セルロースエステルのエステル化された置換基が芳香環であるとき、芳香族環に置換する置換基Xの数は0または1〜5個であり、好ましくは1〜3個で、特に好ましいのは1または2個である。更に、芳香族環に置換する置換基の数が2個以上の時、互いに同じでも異なっていてもよいが、また、互いに連結して縮合多環化合物(例えばナフタレン、インデン、インダン、フェナントレン、キノリン、イソキノリン、クロメン、クロマン、フタラジン、アクリジン、インドール、インドリンなど)を形成してもよい。
本発明に係るセルロースエステルにおいて、置換もしくは無置換の脂肪族アシル基、置換もしくは無置換の芳香族アシル基の少なくとも1種が選択された構造を有することが本発明のセルロースエステルに用いられ、これらは、セルロースの単独または混合酸エステルでもよく、二種以上のセルロースエステルを混合して用いてもよい。
本発明のセルロースエステル光学フィルムを構成するセルロースエステルA及び回収セルロースBにおいて、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートフタレート、及びセルロースフタレートから選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
これらの中で特に好ましいセルロースエステルは、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート、セルロースアセテートプロピオネートやセルロースアセテートブチレートが挙げられる。
本発明に係るセルロースエステルにおいて、セルロースアセテートプロピオネートやセルロースアセテートブチレートの低級脂肪酸エステルは炭素原子数2〜4のアシル基を置換基として有し、アセチル基の置換度をXとし、プロピオニル基またはブチリル基の置換度をYとした時、下記式(I)及び(II)を同時に満たすセルロースエステルを含むことが好ましい。
式(I)
2.6≦X+Y≦3.0
式(II)
0≦X≦2.5
特に、セルロースアセテートプロピオネートが好ましく用いられ、より好ましくは1.9≦X≦2.5であり、0.1≦Y≦0.9である。上記アシル基で置換されていない部分は、通常水酸基として存在しているものである。これらは公知の方法で合成することができる。
2.6≦X+Y≦3.0
式(II)
0≦X≦2.5
特に、セルロースアセテートプロピオネートが好ましく用いられ、より好ましくは1.9≦X≦2.5であり、0.1≦Y≦0.9である。上記アシル基で置換されていない部分は、通常水酸基として存在しているものである。これらは公知の方法で合成することができる。
更に、本発明に係るセルロースエステルは、重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn比が1.5〜5.5のものが好ましく用いられ、特に好ましくは2.0〜5.0であり、更に好ましくは2.5〜5.0であり、更に好ましくは3.0〜5.0のセルロースエステルが好ましく用いられる。
本発明に係るセルロースエステルの原料セルロースは、木材パルプでも綿花リンターでもよく、木材パルプは針葉樹でも広葉樹でもよいが、針葉樹の方がより好ましい。製膜の際の剥離性の点からは綿花リンターが好ましく用いられる。これらから作られたセルロースエステルは適宜混合して、或いは単独で使用することができる。例えば、綿花リンター由来セルロースエステル:木材パルプ(針葉樹)由来セルロースエステル:木材パルプ(広葉樹)由来セルロースエステルの比率が100:0:0、90:10:0、85:15:0、50:50:0、20:80:0、10:90:0、0:100:0、0:0:100、80:10:10、85:0:15、40:30:30で用いることができる。
(回収セルロースエステル)
本発明における回収セルロースエステルとは、溶融流延法で製造されるセルロースエステル光学フィルムにおいて、少なくとも1回の加熱溶融処理が施されたセルロースエステルであり、最終的に製品フィルムとして使用されないものをいい、セルロースエステル単体または2種以上のセルロースエステルの混合物の他に、可塑剤や酸化防止剤といった添加剤または他の高分子材料を含有していてもよい。回収セルロースエステルとしては、例えば、
1)所望の特性を備えていない部分、例えば、製膜開始直後や条件調整時期に製膜したセルロースエステルフィルム、
2)広幅のセルロースエステルフィルムを製膜する際、延伸時にテンター等の把持部分や両端部に付与したナーリング加工部分、
3)広幅原反を規定の幅にスリッティングする際に生じる端部や切り屑、
4)セルロースエステルフィルムの基準を満たしていない不良品や、故障の発生箇所等の製膜された後、製品に供さない部分、
5)ロール状に積層したセルロースエステル光学フィルムの加工時に、ロールの芯部に残った部分、
等であり、返材とも呼ばれている。
本発明における回収セルロースエステルとは、溶融流延法で製造されるセルロースエステル光学フィルムにおいて、少なくとも1回の加熱溶融処理が施されたセルロースエステルであり、最終的に製品フィルムとして使用されないものをいい、セルロースエステル単体または2種以上のセルロースエステルの混合物の他に、可塑剤や酸化防止剤といった添加剤または他の高分子材料を含有していてもよい。回収セルロースエステルとしては、例えば、
1)所望の特性を備えていない部分、例えば、製膜開始直後や条件調整時期に製膜したセルロースエステルフィルム、
2)広幅のセルロースエステルフィルムを製膜する際、延伸時にテンター等の把持部分や両端部に付与したナーリング加工部分、
3)広幅原反を規定の幅にスリッティングする際に生じる端部や切り屑、
4)セルロースエステルフィルムの基準を満たしていない不良品や、故障の発生箇所等の製膜された後、製品に供さない部分、
5)ロール状に積層したセルロースエステル光学フィルムの加工時に、ロールの芯部に残った部分、
等であり、返材とも呼ばれている。
これらの回収セルロースエステルは、必要に応じて断裁、粉砕、圧縮成形、造粒等の処理を行った後、同じ品種のセルロースエステル光学フィルム用原料として、または異なる品種のセルロースエステル光学フィルム用原料として再利用される。
《添加剤》
本発明のセルロースエステル光学フィルムの製造方法では、未加熱のセルロースエステルA、加熱溶融済みの回収セルロースエステルB及び少なくとも1種の添加剤を含有する混合物(以下、フィルム構成材料ともいう)を加熱溶融押出して得られる。該添加剤としては、特に制限はないが、可塑剤、酸化防止剤、酸捕捉剤、光安定剤、過酸化物分解剤、ラジカル捕捉剤、金属不活性化剤、紫外線吸収剤、マット剤、染料及び顔料から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
本発明のセルロースエステル光学フィルムの製造方法では、未加熱のセルロースエステルA、加熱溶融済みの回収セルロースエステルB及び少なくとも1種の添加剤を含有する混合物(以下、フィルム構成材料ともいう)を加熱溶融押出して得られる。該添加剤としては、特に制限はないが、可塑剤、酸化防止剤、酸捕捉剤、光安定剤、過酸化物分解剤、ラジカル捕捉剤、金属不活性化剤、紫外線吸収剤、マット剤、染料及び顔料から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
本発明に係る添加剤は、セルロースエステル光学フィルムの構成材料に対する酸化防止、分解して発生した酸の捕捉、光または熱によるラジカル種基因の分解反応を抑制または禁止する等、様々な分解反応を含めて、フィルムの着色や分子量低下に代表される変質や機械特性の劣化、あるいは構成材料の分解に伴い発生する揮発成分を抑制することを一つの目的としている。
特に、加熱溶融法によるセルロースエステル光学フィルムの製造過程においては、フィルム構成材料の加熱溶融処理により、高温環境に晒されることによる分解反応が著しくなり、この分解反応によって、着色度の上昇や分子量の低下に由来したフィルム構成材料の強度劣化を伴うことがある。また、この様なフィルム構成材料の分解等により、好ましくない揮発成分の発生も併発することもある。
上記のような課題に対し、フィルム構成材料を加熱溶融するときに、本発明に係る添加剤を共存させることで、フィルム構成材料の劣化や分解に起因する強度劣化を抑制し、形成されたセルロースエステル光学フィルムの所望の強度を維持できる。特に、本発明のセルロースエステル光学フィルムの製造方法の特徴であるセルロースエステルの一部に回収セルロースエステルを用いる場合には、特に顕著な効果を発現する。
また、本発明に係る添加剤の添加により、加熱溶融時における可視光領域での着色物生成を抑制すること、あるいは揮発成分がフィルム中に混入することによって生じる透過率やヘイズ値といった光学フィルムの光学特性への影響を抑制することができる。特に、本発明のセルロースエステル光学フィルムを液晶表示装置に適用する場合、液晶表示画像へのヘイズの影響を考慮すると、好ましいヘイズ値は1%未満であり、より好ましくは0.5%未満である。
また、本発明のセルロースエステル光学フィルムの製造方法では、製膜工程、あるいはリターデーションを付与する工程においては、本発明に係る添加剤を共存させることにより、前述のようにフィルム構成材料の強度劣化を抑制し、またフィルム材料の固有強度を維持することができ、その結果、フィルム構成材料の著しい劣化により脆くなったり、延伸工程において破断が生じたり、あるいはリターデーション値の制御ができなくなる等のセルロースエステル光学フィルムの製造過程で生じる各課題の発生を防止することができる。
一方、本発明のセルロースエステル光学フィルムの製造方法において、より高品質を特性、特に、空気中の酸素による劣化反応を防止し、機械的強度の向上や着色を防止する観点から、本発明に係る添加剤(特に、酸化防止剤、酸補足剤、過酸化物分解剤、ラジカル補足剤等)の安定化作用に加えて、空気中の酸素濃度を低減させる手段を併用することが好ましい。
上記の空気中の酸素濃度を低減させる手段としては、例えば、不活性ガスとして窒素やアルゴンを使用する方法、減圧〜真空により脱気操作を行う方法、密閉環境下による製膜操作が挙げられる。本発明のセルロースエステル光学フィルムの製造方法において、成膜過程は、添加剤を存在させると共に、上記3つの手段のうち、少なくとも1つの方法を併用することが好ましい。
本発明のセルロースエステル光学フィルムは、液晶表示装置の偏光板保護フィルムとして活用するため、偏光板や偏光板を構成する偏光子に対して長期間わたり保存した際の安定性を、より一層向上させる観点からも、フィルム構成材料中に本発明に係る添加剤が存在することが好ましい。
以下、本発明に係る各添加剤の詳細について説明する。
(可塑剤)
本発明のセルロースエステル光学フィルムでは、可塑剤として知られる化合物を添加することにより、機械的特性の向上、柔軟性の付与、耐吸水性の付与、水分透過率の低減等の光学フィルムに求められる主要特性を向上あるいは維持することができる。
本発明のセルロースエステル光学フィルムでは、可塑剤として知られる化合物を添加することにより、機械的特性の向上、柔軟性の付与、耐吸水性の付与、水分透過率の低減等の光学フィルムに求められる主要特性を向上あるいは維持することができる。
更には、溶融流延工程において、セルロースエステル単独のガラス転移温度よりも、可塑剤を添加することによりフィルム構成材料の溶融温度を低下させることができ、または同じ加熱温度でも、可塑剤を含有させることによりセルロースエステル単独よりもフィルム構成材料の粘度が低下することができ、セルロースエステルの加熱分解を抑制すると共に、粘度低下により製膜安定性が向上し、高い塗膜均一性を有するセルロースエステル光学フィルムを得ることができる。
ここで、本発明でいうフィルム構成材料の溶融温度とは、フィルム構成材料が加熱され流動性が発現するときの温度を意味する。セルロースエステル単独では、ガラス転移温度よりも低いと、フィルム製膜に必要な流動状態は発現しない。しかしながら、セルロースエステルは、ガラス転移温度以上において、熱量の吸収により弾性率或いは粘度が低下し、流動性が発現する。フィルム構成材料を溶融させるためには、添加する可塑剤がセルロースエステルのガラス転移温度よりも低い融点またはガラス転移温度をもつことが上記目的を満たすために好ましい。
本発明に好ましく適用できる可塑剤としては、例えば、リン酸エステル誘導体、カルボン酸エステル誘導体が挙げられる。また、特開2003−12859号に記載の重量平均分子量が500以上、10000以下であるエチレン性不飽和モノマーを重合して得られるポリマー、アクリル系ポリマー、芳香環を側鎖に有するアクリル系ポリマーまたはシクロヘキシル基を側鎖に有するアクリル系ポリマーなども好ましく用いられる。
リン酸エステル誘導体としては、例えば、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、フェニルジフェニルホスフェート等を挙げることができる。
カルボン酸エステル誘導体としては、具体的には、フタル酸エステル及びクエン酸エステル等が挙げられ、フタル酸エステル誘導体としては、例えば、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート、ジオクチルフタレート及びジエチルヘキシルフタレート等、またクエン酸エステルとしてはクエン酸アセチルトリエチル及びクエン酸アセチルトリブチルを挙げることができる。
その他、オレイン酸ブチル、リシノール酸メチルアセチル、セバチン酸ジブチル、トリアセチン、トリメチロールプロパントリベンゾエート等も挙げられる。アルキルフタリルアルキルグリコレートもこの目的で好ましく用いられる。アルキルフタリルアルキルグリコレートのアルキルは炭素原子数1〜8のアルキル基である。アルキルフタリルアルキルグリコレートとしてはメチルフタリルメチルグリコレート、エチルフタリルエチルグリコレート、プロピルフタリルプロピルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート、オクチルフタリルオクチルグリコレート、メチルフタリルエチルグリコレート、エチルフタリルメチルグリコレート、エチルフタリルプロピルグリコレート、プロピルフタリルエチルグリコレート、メチルフタリルプロピルグリコレート、メチルフタリルブチルグリコレート、エチルフタリルブチルグリコレート、ブチルフタリルメチルグリコレート、ブチルフタリルエチルグリコレート、プロピルフタリルブチルグリコレート、ブチルフタリルプロピルグリコレート、メチルフタリルオクチルグリコレート、エチルフタリルオクチルグリコレート、オクチルフタリルメチルグリコレート、オクチルフタリルエチルグリコレート等を挙げることが出来、メチルフタリルメチルグリコレート、エチルフタリルエチルグリコレート、プロピルフタリルプロピルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート、オクチルフタリルオクチルグリコレートが好ましく、特にエチルフタリルエチルグリコレートが好ましく用いられる。また、これらアルキルフタリルアルキルグリコレート等を2種以上混合して使用してもよい。
これらの可塑剤の添加量は、セルロースエステル光学フィルムを構成するセルロースエステル成分に対して、0.5質量%以上、50質量%未満の範囲で使用することが好ましく、より好ましくは1質量%以上、30質量%未満の範囲、更に好ましくは1質量%以上、11質量%未満の範囲にある。
本発明においては、上記可塑剤の中でも、特に、加熱溶融時に揮発成分を生成しない化合物であることが好ましい。具体的には、特表平6−501040号に記載されている不揮発性燐酸エステルが挙げられ、例えば、アリーレンビス(ジアリールホスフェート)エステルや上記例示化合物に記載のトリメチロールプロパントリベンゾエート等が好ましいが、これらに限定されるものではない。
一般に、揮発成分の生成が可塑剤の熱分解に起因するとき、可塑剤の熱分解温度Td(1.0)は、成分が1.0質量%減少したときの温度と定義され、この可塑剤の熱分解温度Tdはフィルム形成材料の溶融温度よりも高いことが求められる。可塑剤のセルロースエステルに対する添加量は、他の添加剤よりも相対的に多い場合があり、この可塑剤の揮発成分は、得られる光学フィルムの品質に与える影響が大きいため、最適の熱分解温度Tdの可塑剤の選択が重要となる。なお、熱分解温度Td(1.0)は、市販の示差熱重量分析(TG−DTA)装置で測定することができる。
(酸化防止剤)
本発明のセルロースエステル光学フィルムに適用可能な酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、耐熱加工安定剤、酸素スカベンジャー等が挙げられ、これらの中でもフェノール系酸化防止剤、特にアルキル置換フェノール系酸化防止剤が好ましい。その中でも、ヒンダードフェノール酸化防止剤化合物がより好ましく、例えば、米国特許第4,839,405号明細書の第12〜14欄に記載されているものなどの、2,6−ジアルキルフェノール誘導体化合物が含まれる。
本発明のセルロースエステル光学フィルムに適用可能な酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、耐熱加工安定剤、酸素スカベンジャー等が挙げられ、これらの中でもフェノール系酸化防止剤、特にアルキル置換フェノール系酸化防止剤が好ましい。その中でも、ヒンダードフェノール酸化防止剤化合物がより好ましく、例えば、米国特許第4,839,405号明細書の第12〜14欄に記載されているものなどの、2,6−ジアルキルフェノール誘導体化合物が含まれる。
これらの酸化防止剤を配合することにより、透明性、耐熱性等を低下させることなく、加熱溶融時の熱や酸化劣化等によるセルロースエステル光学フィルムの着色や機械特性の低下を防止できる。これらの酸化防止剤は、それぞれ単独で、或いは2種以上を組み合わせて用いることができ、その配合量は、本発明の目的を損なわない範囲で適宜選択されるが、本発明に係る総セルロースエステル100質量部に対し、好ましくは0.001〜5質量部、より好ましくは0.01〜1質量部である。
本発明で好ましく用いることができるヒンダードフェノール酸化防止剤は、既知の化合物であり、例えば、米国特許第4,839,405号明細書の第12〜14欄に記載されているものなどの、2,6−ジアルキルフェノール誘導体化合物が含まれる。
このような化合物としては、以下一般式(1)で表される化合物が挙げられる。
上記一般式(1)において、R1、R2及びR3は、それぞれ置換もしくは無置換のアルキル基を表す。ヒンダードフェノール化合物の具体例には、n−オクタデシル3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、n−オクタデシル 3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−アセテート、n−オクタデシル3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、n−ヘキシル3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルベンゾエート、n−ドデシル3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルベンゾエート、ネオ−ドデシル3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ドデシルβ(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、エチルα−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)イソブチレート、オクタデシルα−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)イソブチレート、オクタデシルα−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2−(n−オクチルチオ)エチル3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンゾエート、2−(n−オクチルチオ)エチル3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−フェニルアセテート、2−(n−オクタデシルチオ)エチル3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルアセテート、2−(n−オクタデシルチオ)エチル3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンゾエート、2−(2−ヒドロキシエチルチオ)エチル3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、ジエチルグリコールビス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−フェニル)プロピオネート、2−(n−オクタデシルチオ)エチル3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ステアルアミドN,N−ビス−[エチレン3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、n−ブチルイミノN,N−ビス−[エチレン3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2−(2−ステアロイルオキシエチルチオ)エチル3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、2−(2−ステアロイルオキシエチルチオ)エチル7−(3−メチル−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ヘプタノエート、1,2−プロピレングリコールビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、エチレングリコールビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ネオペンチルグリコールビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、エチレングリコールビス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルアセテート)、グリセリン−l−n−オクタデカノエート−2,3−ビス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルアセテート)、ペンタエリスリトール−テトラキス−[3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,1,1−トリメチロールエタン−トリス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ソルビトールヘキサ−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2−ヒドロキシエチル7−(3−メチル−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2−ステアロイルオキシエチル7−(3−メチル−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ヘプタノエート、1,6−n−ヘキサンジオール−ビス[(3′,5′−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ペンタエリトリトール−テトラキス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)が含まれる。上記タイプのヒンダードフェノール系酸化防止剤化合物は、例えば、Ciba Specialty Chemicals社から、Irganox1076、Irganox1010という商品名で市販されている。
(酸捕捉剤)
本発明のセルロースエステル光学フィルムに適用可能な酸捕捉剤としては、米国特許第4,137,201号明細書に記載されているエポキシ化合物を含む酸補足剤を挙げることができる。このような酸捕捉剤としてのエポキシ化合物は、当該技術分野において既知であり、種々のポリグリコールのジグリシジルエーテル、特にポリグリコール1モル当たりに約8〜40モルのエチレンオキシドなどの縮合によって誘導されるポリグリコール、グリセロールのジグリシジルエーテルなど、金属エポキシ化合物、エポキシ化エーテル縮合生成物、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル(例えば、4,4′−ジヒドロキシジフェニルジメチルメタン等)、エポキシ化不飽和脂肪酸エステル(特に、炭素数2〜22、脂肪酸2〜4個程度のアルキルのエステル、例えば、ブチルエポキシステアレート等)、及び種々のエポキシ化長鎖脂肪酸トリグリセリド(例えば、エポキシ化大豆油などの組成物によって代表されるエポキシ化植物油及び他の不飽和天然油(これらは時としてエポキシ化天然グリセリドまたは不飽和脂肪酸と称され、これらの脂肪酸は一般に12〜22個の炭素原子を含有している))が含まれる。
本発明のセルロースエステル光学フィルムに適用可能な酸捕捉剤としては、米国特許第4,137,201号明細書に記載されているエポキシ化合物を含む酸補足剤を挙げることができる。このような酸捕捉剤としてのエポキシ化合物は、当該技術分野において既知であり、種々のポリグリコールのジグリシジルエーテル、特にポリグリコール1モル当たりに約8〜40モルのエチレンオキシドなどの縮合によって誘導されるポリグリコール、グリセロールのジグリシジルエーテルなど、金属エポキシ化合物、エポキシ化エーテル縮合生成物、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル(例えば、4,4′−ジヒドロキシジフェニルジメチルメタン等)、エポキシ化不飽和脂肪酸エステル(特に、炭素数2〜22、脂肪酸2〜4個程度のアルキルのエステル、例えば、ブチルエポキシステアレート等)、及び種々のエポキシ化長鎖脂肪酸トリグリセリド(例えば、エポキシ化大豆油などの組成物によって代表されるエポキシ化植物油及び他の不飽和天然油(これらは時としてエポキシ化天然グリセリドまたは不飽和脂肪酸と称され、これらの脂肪酸は一般に12〜22個の炭素原子を含有している))が含まれる。
特に好ましいのは、市販のエポキシ基含有エポキシド樹脂化合物(例えば、EPON 815c)及び下記一般式(2)で表されるエポキシ化エーテルオリゴマー縮合生成物を挙げることができる。
上記一般式(2)において、nは0〜12の整数を表す。
また、本発明のセルロースエステル光学フィルムに用いられるその他の酸捕捉剤としては、特開平5−194788号公報の段落87〜105に記載されている化合物が挙げられる。
(光安定剤)
光安定剤としては、ヒンダードアミン光安定剤(HALS)が挙げられ、これは既知の化合物であり、例えば、米国特許第4,619,956号明細書の第5〜11欄及び米国特許第4,839,405号明細書の第3〜5欄に記載されているように、2,2,6,6−テトラアルキルピペリジン化合物、またはそれらの酸付加塩もしくはそれらと金属化合物との錯体が含まれる。
光安定剤としては、ヒンダードアミン光安定剤(HALS)が挙げられ、これは既知の化合物であり、例えば、米国特許第4,619,956号明細書の第5〜11欄及び米国特許第4,839,405号明細書の第3〜5欄に記載されているように、2,2,6,6−テトラアルキルピペリジン化合物、またはそれらの酸付加塩もしくはそれらと金属化合物との錯体が含まれる。
このような化合物として、下記一般式(3)で表される化合物が挙げられる。
上記一般式(3)において、R1及びR2は、それぞれ水素原子または置換基である。
ヒンダードアミン光安定剤化合物の具体例としては、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−アリル−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−ベンジル−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−(4−t−ブチル−2−ブテニル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−エチル−4−サリチロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−メタクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル−β(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、1−ベンジル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニルマレイネート(maleinate)、(ジ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−アジペート、(ジ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−セバケート、(ジ−1,2,3,6−テトラメチル−2,6−ジエチル−ピペリジン−4−イル)−セバケート、(ジ−1−アリル−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−4−イル)−フタレート、1−アセチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル−アセテート、トリメリト酸−トリ−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)エステル、1−アクリロイル−4−ベンジルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ジブチル−マロン酸−ジ−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−ピペリジン−4−イル)−エステル、ジベンジル−マロン酸−ジ−(1,2,3,6−テトラメチル−2,6−ジエチル−ピペリジン−4−イル)−エステル、ジメチル−ビス−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−オキシ)−シラン,トリス−(1−プロピル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−ホスフィット、トリス−(1−プロピル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−ホスフェート,N,N′−ビス−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−ヘキサメチレン−1,6−ジアミン、N,N′−ビス−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−ヘキサメチレン−1,6−ジアセトアミド、1−アセチル−4−(N−シクロヘキシルアセトアミド)−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン、4−ベンジルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、N,N′−ビス−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−N,N′−ジブチル−アジパミド、N,N′−ビス−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−N,N′−ジシクロヘキシル−(2−ヒドロキシプロピレン)、N,N′−ビス−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−p−キシリレン−ジアミン、4−(ビス−2−ヒドロキシエチル)−アミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、4−メタクリルアミド−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、α−シアノ−β−メチル−β−[N−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)]−アミノ−アクリル酸メチルエステル。
好ましいヒンダードアミン光安定剤の例には、以下のHALS−1及びHALS−2が挙げられる。
(紫外線吸収剤)
本発明のセルロースエステル光学フィルムに適用する紫外線吸収剤としては、偏光子や表示装置の紫外線に対する劣化防止の観点から、波長370nm以下の紫外線の吸収能に優れ、かつ液晶表示性の観点から、波長400nm以上の可視光の吸収が少ないものが好ましく、例えば、オキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物等を挙げることができるが、その中でも、ベンゾフェノン系化合物や着色の少ないベンゾトリアゾール系化合物が好ましい。また、特開平10−182621号公報、特開平8−337574号公報に記載の紫外線吸収剤、特開平6−148430号公報に記載の高分子紫外線吸収剤を用いてもよい。
本発明のセルロースエステル光学フィルムに適用する紫外線吸収剤としては、偏光子や表示装置の紫外線に対する劣化防止の観点から、波長370nm以下の紫外線の吸収能に優れ、かつ液晶表示性の観点から、波長400nm以上の可視光の吸収が少ないものが好ましく、例えば、オキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物等を挙げることができるが、その中でも、ベンゾフェノン系化合物や着色の少ないベンゾトリアゾール系化合物が好ましい。また、特開平10−182621号公報、特開平8−337574号公報に記載の紫外線吸収剤、特開平6−148430号公報に記載の高分子紫外線吸収剤を用いてもよい。
有用なベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤の具体例として、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−tert−ブチル−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−(3″,4″,5″,6″−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2−メチレンビス(4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール)、2−(2′−ヒドロキシ−3′−tert−ブチル−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(直鎖及び側鎖ドデシル)−4−メチルフェノール、オクチル−3−〔3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル〕プロピオネートと2−エチルヘキシル−3−〔3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル〕プロピオネートの混合物等を挙げることができるが、これらに限定されない。
また、市販品としては、チヌビン(TINUVIN)109、チヌビン(TINUVIN)171、チヌビン(TINUVIN)326(いずれもチバ−スペシャルティ−ケミカルズ社製)を用いることもできる。
ベンゾフェノン系化合物の具体例として、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン、ビス(2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイルフェニルメタン)等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
本発明においては、紫外線吸収剤は全セルロースエステルの0.1〜20質量%添加することが好ましく、更に0.5〜10質量%添加することが好ましく、更に1〜5質量%添加することが好ましい。これらは2種以上を併用してもよい。
(マット剤)
本発明のセルロースエステル光学フィルムでは、滑り性を付与するためにマット剤等の微粒子を添加することができ、微粒子としては、無機化合物の微粒子または有機化合物の微粒子が挙げられる。
本発明のセルロースエステル光学フィルムでは、滑り性を付与するためにマット剤等の微粒子を添加することができ、微粒子としては、無機化合物の微粒子または有機化合物の微粒子が挙げられる。
マット剤はできるだけ微粒子のものが好ましく、微粒子マット剤としては、例えば、二酸化ケイ素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、焼成ケイ酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、リン酸カルシウム等の無機微粒子や架橋高分子微粒子を挙げることができる。中でも、二酸化ケイ素は、セルロースエステル光学フィルムのヘイズを低くできるので好ましい。
二酸化ケイ素のような微粒子は有機物により表面処理されている場合が多いが、このようなものはフィルムのヘイズを低下できるためより好ましい。表面処理で好ましい有機物としては、ハロシラン類、アルコキシシラン類、シラザン、シロキサンなどが挙げられる。
微粒子の平均粒径は大きい方が滑り性効果が大きく、逆に平均粒径の小さい微粒子は透明性に優れる。また、微粒子の二次粒子の平均粒径は0.05〜1.0μmの範囲である。好ましい微粒子の二次粒子の平均粒径は5〜50nmが好ましく、更に好ましくは、7〜14nmである。これらの微粒子はセルロースエステルフィルム中では、セルロースエステルフィルム表面に0.01〜1.0μmの凹凸を生成させる為に好ましく用いられる。微粒子の含有量は、セルロースエステルに対して0.005〜0.3質量%が好ましい。
二酸化ケイ素の微粒子としては、日本アエロジル(株)製のアエロジル(AEROSIL)200、200V、300、R972、R972V、R974、R202、R812、OX50、TT600等を挙げることができ、好ましくはアエロジル200V、R972、R972V、R974、R202、R812である。これらの微粒子は2種以上併用してもよい。2種以上併用する場合、任意の割合で混合して使用することができる。この場合、平均粒径や材質の異なる微粒子、例えば、アエロジル200VとR972Vを質量比で0.1:99.9〜99.9:0.1の範囲で使用できる。
〈リターデーション制御剤〉
上記マット剤として用いられる微粒子は、別の目的として、フィルムの強度向上のために用いることもできる。また、微粒子が複屈折性を有する場合、例えば、国際公開番号WO01/025264号パンフレットや特開2004−35347号公報に記載の微粒子を挙げることができる。また、リターデーションの発現方法を活用して、延伸工程により本発明のセルロースエステル光学フィルム中で微粒子が配向することによって、セルロースエステルと該微粒子との各々由来のリターデーション値を複合することができることから、液晶表示装置の表示品質向上のために用いてもよい。
上記マット剤として用いられる微粒子は、別の目的として、フィルムの強度向上のために用いることもできる。また、微粒子が複屈折性を有する場合、例えば、国際公開番号WO01/025264号パンフレットや特開2004−35347号公報に記載の微粒子を挙げることができる。また、リターデーションの発現方法を活用して、延伸工程により本発明のセルロースエステル光学フィルム中で微粒子が配向することによって、セルロースエステルと該微粒子との各々由来のリターデーション値を複合することができることから、液晶表示装置の表示品質向上のために用いてもよい。
また、セルロースエステル光学フィルム中の上記微粒子の存在は、本発明のセルロースエステル光学フィルムを構成するセルロースエステル自身の配向性において向上できる場合に適用することもできる。
また、本発明のセルロースエステル光学フィルムにおいては、配向膜を形成して液晶層を設け、光学フィルムと液晶層由来のリターデーションを複合化して光学補償能を付与して液晶表示品質の向上のために偏光板加工を行い用いてもよい。リターデーションを調節するために添加する化合物は、欧州特許第911,656A2号明細書に記載されているような、二つ以上の芳香族環を有する芳香族化合物をリターデーション制御剤として使用することもできる。また二種類以上の芳香族化合物を併用してもよい。該芳香族化合物の芳香族環には、芳香族炭化水素環に加えて、芳香族性ヘテロ環を含む。芳香族性ヘテロ環であることが特に好ましく、芳香族性ヘテロ環は一般に、不飽和ヘテロ環である。中でも1,3,5−トリアジン環が特に好ましい。
(その他の添加剤)
本発明のセルロースエステル光学フィルムにおいては、上記説明した各添加剤の他に、過酸化物分解剤、ラジカル捕捉剤、金属不活性化剤、染料、顔料を添加剤として用いることが好ましい。これらは、特開平3−199201号公報、特開平5−1907073号公報、特開平5−194789号公報、特開平5−271471号公報、特開平6−107854号公報などに記載されている。
本発明のセルロースエステル光学フィルムにおいては、上記説明した各添加剤の他に、過酸化物分解剤、ラジカル捕捉剤、金属不活性化剤、染料、顔料を添加剤として用いることが好ましい。これらは、特開平3−199201号公報、特開平5−1907073号公報、特開平5−194789号公報、特開平5−271471号公報、特開平6−107854号公報などに記載されている。
〈過酸化物分解剤〉
過酸化物分解剤としては、ラジカル連鎖禁止剤が好ましく、特に、前記のヒンダードフェノール系或いはヒンダードアミン系酸化防止剤が好ましい。また、2種以上のものを併用してもよく、例えばヒンダードフェノール系酸化防止剤とチオエーテル類の酸化防止剤との併用も良い。更に、分子中に上記構造単位、例えば、ヒンダードフェノール構造単位とヒンダードアミン構造単位を含んでいるものも好ましい例として挙げることができる。具体的化合物としては、例えば、特開平5−194788号公報に記載の一般式(A−I)、(A−II)、(A−III)で表される化合物を挙げることができる。
過酸化物分解剤としては、ラジカル連鎖禁止剤が好ましく、特に、前記のヒンダードフェノール系或いはヒンダードアミン系酸化防止剤が好ましい。また、2種以上のものを併用してもよく、例えばヒンダードフェノール系酸化防止剤とチオエーテル類の酸化防止剤との併用も良い。更に、分子中に上記構造単位、例えば、ヒンダードフェノール構造単位とヒンダードアミン構造単位を含んでいるものも好ましい例として挙げることができる。具体的化合物としては、例えば、特開平5−194788号公報に記載の一般式(A−I)、(A−II)、(A−III)で表される化合物を挙げることができる。
〈ラジカル補足剤〉
本発明においてラジカル捕捉剤とは、化学反応過程で生成する活性な遊離基と反応して不活性化する物質であり、広い意味では重合禁止剤も含まれる。具体的には、ヨウ素、塩化鉄(III)、塩化第一銅、クロルアニル、テトラエチル−p−フェニレンジアミンなどが好ましい。なお、ラジカル捕捉剤については、J.C.Bevington著「ラジカル重合」東京化学同人(1966)、特開平5−194788号、特開平8−15520号および同8−20604号に詳しい記載があり、それらを参考にすることができる。
本発明においてラジカル捕捉剤とは、化学反応過程で生成する活性な遊離基と反応して不活性化する物質であり、広い意味では重合禁止剤も含まれる。具体的には、ヨウ素、塩化鉄(III)、塩化第一銅、クロルアニル、テトラエチル−p−フェニレンジアミンなどが好ましい。なお、ラジカル捕捉剤については、J.C.Bevington著「ラジカル重合」東京化学同人(1966)、特開平5−194788号、特開平8−15520号および同8−20604号に詳しい記載があり、それらを参考にすることができる。
〈金属不活性化剤〉
金属不活性化剤としては、例えば、特開平5−194788号公報に記載の一般式(C−I)、(C−II)、(C−III)で表される化合物を挙げることができ、また、市販品としては、例えば、NAUGARD XL−1(ユニロイヤル)、MARK CDA−1(アデカ・アーガス)、MARK CDA−6(アデカ・アーガス)、IRGANOX MD−1024(チバガイギー)、CU−NOX(三井東圧)等が挙げられる。
金属不活性化剤としては、例えば、特開平5−194788号公報に記載の一般式(C−I)、(C−II)、(C−III)で表される化合物を挙げることができ、また、市販品としては、例えば、NAUGARD XL−1(ユニロイヤル)、MARK CDA−1(アデカ・アーガス)、MARK CDA−6(アデカ・アーガス)、IRGANOX MD−1024(チバガイギー)、CU−NOX(三井東圧)等が挙げられる。
〈染料、顔料〉
本発明においては、フィルムの色味を調整するために、例えば、青色染料等を添加剤として用いてもよい。好ましい染料としてはアンスラキノン系染料が挙げられる。アンスラキノン系染料は、アンスラキノンの1位から8位迄の位置に任意の置換基を有することが出来る。好ましい置換基としては、置換されても良いアニリノ基、ヒドロキシル基、アミノ基、ニトロ基、または水素原子が挙げられる。これらの染料のフィルムへの添加量はフィルムの透明性を維持するため0.1〜1000μg/m2、好ましくは10〜100μg/m2である。また、顔料に関しても、公知の顔料から目的に応じて適宜選択して用いることができる。
本発明においては、フィルムの色味を調整するために、例えば、青色染料等を添加剤として用いてもよい。好ましい染料としてはアンスラキノン系染料が挙げられる。アンスラキノン系染料は、アンスラキノンの1位から8位迄の位置に任意の置換基を有することが出来る。好ましい置換基としては、置換されても良いアニリノ基、ヒドロキシル基、アミノ基、ニトロ基、または水素原子が挙げられる。これらの染料のフィルムへの添加量はフィルムの透明性を維持するため0.1〜1000μg/m2、好ましくは10〜100μg/m2である。また、顔料に関しても、公知の顔料から目的に応じて適宜選択して用いることができる。
(高分子材料)
本発明の光学フィルムはセルロースエステル以外の高分子材料やオリゴマーを適宜選択して混合してもよい。前述の高分子材料やオリゴマーはセルロースエステルと相溶性に優れるものが好ましく、フィルムにしたときの透過率が80%以上、更に好ましくは90%以上、更に好ましくは92%以上であることが好ましい。セルロースエステル以外の高分子材料やオリゴマーの少なくとも1種以上を混合する目的は、加熱溶融時の粘度制御やフィルム加工後のフィルム物性を向上するために行う意味を含んでいる。この場合は、上述のその他添加剤として含むことができる。
本発明の光学フィルムはセルロースエステル以外の高分子材料やオリゴマーを適宜選択して混合してもよい。前述の高分子材料やオリゴマーはセルロースエステルと相溶性に優れるものが好ましく、フィルムにしたときの透過率が80%以上、更に好ましくは90%以上、更に好ましくは92%以上であることが好ましい。セルロースエステル以外の高分子材料やオリゴマーの少なくとも1種以上を混合する目的は、加熱溶融時の粘度制御やフィルム加工後のフィルム物性を向上するために行う意味を含んでいる。この場合は、上述のその他添加剤として含むことができる。
《乾燥処理》
本発明のセルロースエステル光学フィルムの製造に際しては、本発明に係るセルロースエステルA、添加剤、高分子材料、回収セルロースエステルB等は、加熱溶融前または加熱溶融時に乾燥状態にあることが望ましい。ここでいう乾燥とは、溶融材料のいずれかが吸湿した水分の他に、セルロースエステルと添加剤の混合物の調製時に用いた水または溶媒、あるいは添加剤の合成時に混入している溶媒のいずれかを除去する操作を指す。
本発明のセルロースエステル光学フィルムの製造に際しては、本発明に係るセルロースエステルA、添加剤、高分子材料、回収セルロースエステルB等は、加熱溶融前または加熱溶融時に乾燥状態にあることが望ましい。ここでいう乾燥とは、溶融材料のいずれかが吸湿した水分の他に、セルロースエステルと添加剤の混合物の調製時に用いた水または溶媒、あるいは添加剤の合成時に混入している溶媒のいずれかを除去する操作を指す。
これらの水分や溶剤を除去する方法としては、公知の乾燥方法が適用することができ、例えば、加熱法、減圧法、加熱減圧法等の方法を適用することができ、これらの操作は空気中または不活性ガスとして窒素を選択した雰囲気下で行ってもよい。これらの公知の乾燥方法を行うとき、材料が分解しない温度領域で行うことが、安定したフィルム品質を得る上で好ましい。
上記のような乾燥処理を行った後の残存する水分または溶媒量としては、各々フィルム構成材料の全質量に対して10質量%以下、好ましくは5質量%以下、より好ましくは1質量%以下、更に好ましくは0.1質量%以下にすることである。このときの乾燥温度は、100℃以上で、乾燥する材料のTg以下であることが好ましい。材料同士の融着を回避する観点を含めると、乾燥温度は、より好ましくは100℃以上、(Tg−5)℃以下、更に好ましくは110℃以上、(Tg−20)℃以下である。好ましい乾燥時間は0.5〜24時間、より好ましくは1〜18時間、更に好ましくは1.5〜12時間である。これらの範囲よりも低いと乾燥が不十分であったり、または乾燥時間がかかり過ぎることがある。また乾燥する材料にTgが存在するときには、Tgよりも高い乾燥温度に加熱すると、材料が融着して取り扱いが困難になることがある。
乾燥工程は2段階以上に分離してもよく、例えば、予備乾燥工程による材料の保管と、溶融製膜する直前〜1週間前の間に行う直前乾燥工程を介して溶融製膜してもよい。
次いで、本発明のセルロースエステル光学フィルムを製造する加熱溶融工程について説明する。
(製膜)
本発明のセルロースエステル光学フィルムの製造方法は、例えば、バージンセルロースエステルA、添加剤及び回収セルロースエステルBの混合物を、熱風乾燥または真空乾燥した後、溶融押出し、T型ダイよりフィルム状に押出して、静電印加法等により冷却ドラムに密着させ、冷却固化させ、未延伸フィルムを得る。冷却ドラムの温度は90〜150℃に維持されていることが好ましい。
本発明のセルロースエステル光学フィルムの製造方法は、例えば、バージンセルロースエステルA、添加剤及び回収セルロースエステルBの混合物を、熱風乾燥または真空乾燥した後、溶融押出し、T型ダイよりフィルム状に押出して、静電印加法等により冷却ドラムに密着させ、冷却固化させ、未延伸フィルムを得る。冷却ドラムの温度は90〜150℃に維持されていることが好ましい。
溶融押出しは、一軸押出し機、二軸押出し機、更には二軸押出し機の下流に一軸押出し機を連結して用いてもよい。更に、原料タンク、原料の投入部、押出し機内といった原料の供給、溶融工程を、窒素ガス等の不活性ガスで置換、あるいは減圧することが好ましい。
本発明のセルロースエステル光学フィルムを偏光板保護フィルムとして偏光板を作製した場合、セルロースエステルフィルムは、幅手方向もしくは製膜方向に延伸製膜されたフィルムであることが特に好ましい。
前述の冷却ドラムから剥離され、得られた未延伸フィルムを複数のロール群及び/または赤外線ヒーター等の加熱装置を介してセルロースエステルのガラス転移温度(Tg)からTg+100℃の範囲内に加熱し、一段または多段縦延伸することが好ましい。次に、上記のようにして得られた縦方向に延伸されたセルロースエステルフィルムを、Tg〜Tg−20℃の温度範囲内で横延伸し、次いで熱固定することが好ましい。
横延伸する場合、2つ以上に分割された延伸領域で温度差を1〜50℃の範囲で順次昇温しながら横延伸すると、巾方向の物性の分布が低減でき好ましい。更に横延伸後、フィルムをその最終横延伸温度以下でTg−40℃以上の範囲に0.01〜5分間保持すると巾方向の物性の分布が更に低減でき好ましい。
熱固定は、その最終横延伸温度より高温で、Tg−20℃以下の温度範囲内で通常0.5〜300秒間熱固定する。この際、2つ以上に分割された領域で温度差を1〜100℃の範囲で順次昇温しながら熱固定することが好ましい。
熱固定されたフィルムは、通常Tg以下まで冷却され、フィルム両端のクリップ把持部分をカットし巻き取られる。この際、最終熱固定温度以下、Tg以上の温度範囲内で、横方向及び/または縦方向に0.1〜10%弛緩処理することが好ましい。また冷却は、最終熱固定温度からTgまでを、毎秒100℃以下の冷却速度で徐冷することが好ましい。冷却、弛緩処理する手段は特に限定はなく、従来公知の手段で行えるが、特に複数の温度領域で順次冷却しながらこれらの処理を行うことがフィルムの寸法安定性向上の点で好ましい。尚、冷却速度は、最終熱固定温度をT1、フィルムが最終熱固定温度からTgに達するまでの時間をtとしたとき、(T1−Tg)/tで求めた値である。
これら熱固定条件、冷却、弛緩処理条件のより最適な条件は、フィルムを構成するセルロースエステルにより異なるので、得られた二軸延伸フィルムの物性を測定し、好ましい特性を有するように適宜調整することにより決定すればよい。
(機能性層)
本発明のセルロースエステル光学フィルムの製造に際し、延伸前または延伸後で帯電防止層、ハードコート層、易滑性層、易接着層、防眩層、バリアー層、光学補償層等の機能性層を塗設してもよい。この際、コロナ放電処理、プラズマ処理、薬液処理等の各種表面処理を必要に応じて施すことができる。
本発明のセルロースエステル光学フィルムの製造に際し、延伸前または延伸後で帯電防止層、ハードコート層、易滑性層、易接着層、防眩層、バリアー層、光学補償層等の機能性層を塗設してもよい。この際、コロナ放電処理、プラズマ処理、薬液処理等の各種表面処理を必要に応じて施すことができる。
また、本発明に係る添加剤である可塑剤、紫外線吸収剤、マット剤等の添加物濃度が異なるセルロース樹脂を含む組成物を共押出して、積層構造のセルロースエステルフィルムを作製することもできる。例えば、スキン層/コア層/スキン層といった構成のセルロースエステルフィルムを作ることができる。例えば、マット剤は、スキン層に多く、またはスキン層のみに入れることができる。可塑剤、紫外線吸収剤はスキン層よりもコア層に多く入れることが出来、コア層のみに入れてもよい。また、コア層とスキン層で可塑剤、紫外線吸収剤の種類を変更することも出来、例えば、スキン層に低揮発性の可塑剤及び/または紫外線吸収剤を含ませ、コア層に可塑性に優れた可塑剤、或いは紫外線吸収性に優れた紫外線吸収剤を添加することもできる。スキン層とコア層のTgが異なっていても良く、スキン層のTgよりコア層のTgが低いことが好ましい。また、溶融流延時のセルロースエステルを含む溶融物の粘度もスキン層とコア層で異なっていても良く、スキン層の粘度>コア層の粘度でも、コア層の粘度≧スキン層の粘度でもよい。
本発明のセルロースエステル光学フィルムは、偏光板保護フィルム用として用いることができる。偏光板保護フィルムとして用いる場合、偏光板の作製方法は特に限定されず、一般的な方法で作製することができる。得られた光学フィルムをアルカリ処理し、ポリビニルアルコールフィルムを沃素溶液中に浸漬延伸して作製した偏光子の両面に完全鹸化ポリビニルアルコール水溶液を用いて、偏光子の両面に偏光板保護フィルムを貼り合わせる方法があり、少なくとの片面に本発明の偏光板保護フィルムである光学フィルムが偏光子に直接貼合できる観点で好ましい。
また、上記アルカリ処理の代わりに特開平6−94915号、同6−118232号に記載されているような易接着加工を施して偏光板加工を行ってもよい。
偏光板は偏光子及びその両面を保護する保護フィルムで構成されており、更に該偏光板の一方の面にプロテクトフィルムを、反対面にセパレートフィルムを貼合して構成することができる。プロテクトフィルム及びセパレートフィルムは偏光板出荷時、製品検査時等において偏光板を保護する目的で用いられる。この場合、プロテクトフィルムは、偏光板の表面を保護する目的で貼合され、偏光板を液晶板へ貼合する面の反対面側に用いられる。また、セパレートフィルムは液晶板へ貼合する接着層をカバーする目的で用いられ、偏光板を液晶セルへ貼合する面側に用いられる。
(フィルム構成材料)
溶融流延法による本発明のセルロースエステル光学フィルムの製造方法において、フィルム構成材料とは、フィルムを構成するセルロースエステルA、回収セルロースエステルB、可塑剤、酸化防止剤が挙げられ、必要に応じて紫外線吸収剤、滑り剤としてマット剤やフィルムの強度や光学的の制御のために上記微粒子を添加してもよく、また上述のリターデーション制御剤を添加してもよい。
溶融流延法による本発明のセルロースエステル光学フィルムの製造方法において、フィルム構成材料とは、フィルムを構成するセルロースエステルA、回収セルロースエステルB、可塑剤、酸化防止剤が挙げられ、必要に応じて紫外線吸収剤、滑り剤としてマット剤やフィルムの強度や光学的の制御のために上記微粒子を添加してもよく、また上述のリターデーション制御剤を添加してもよい。
フィルム構成材料は溶融及び製膜工程において、揮発成分が少ないまたは発生しないことが求められる。これは、加熱溶融時に発泡して、フィルム内部の欠陥やフィルム表面の平面性劣化を引き起こすことがあるためである。
フィルム構成材料が溶融されるときの揮発成分の含有量は1質量%以下、好ましくは0.5質量%以下、好ましくは0.2質量%以下、更に好ましくは0.1質量%以下のものであることが望ましい。本発明においては、示差熱重量測定装置(セイコー電子工業社製TG/DTA200)を用いて、30℃から350℃までの加熱減量を求め、その量を揮発成分の含有量とする。
(延伸操作、屈折率制御)
次に延伸工程について説明する。
次に延伸工程について説明する。
本発明のセルロースエステルを用いた光学フィルムは、最適な溶融粘度により製造されることから、延伸等の後処理を行わなくても平面性の高いフィルムを得ることができる。
しかし、一層、平面性を向上させるため、また生産性を高めるために、ダイから吐出・冷却固化されたフィルムは、横延伸や縦延伸、あるいは特開2004−226465号公報に開示されているような、斜め方向の延伸を行うことが好ましい。延伸操作を行うことによって、複屈折値を制御したり、平面性を向上させたり、生産速度を向上させることができる。これらの延伸は、複数回行っても良く、複数回行う際には、同時であっても逐次であっても良い。複数回の延伸を行った際には、全ての延伸倍率の積が、最終延伸倍率となる。例えば、2倍の延伸を2回行えば、最終延伸倍率は4倍となる。
本発明のセルロースエステルは、未延伸でも平面性の高い溶融製膜フィルムが得られるだけでなく、高倍率延伸が可能であるため、延伸によってさらに平面性の高いフィルムに加工することもできるし、フィルムの力学特性を改善することもできるし、また生産性を高めることもできる。したがって、高品質な光学フィルムを、生産性よく製造することができる。
なおセルロースエステルは、延伸された方向に対して屈折率が上昇し、遅相軸が形成される。したがって、最終的に得られるフィルムが満たすべき光学特性の範囲内で延伸操作が行われる。
フィルム面内のリターデーション値(以後Roと記載することがある)をなるべく低減したい場合には、2軸延伸することが好ましい。1回目の延伸軸と直交する方向に、同倍率程度の延伸を行うにより、1回目の延伸による複屈折の発生がキャンセルされ、光学等方性のフィルムを得ることができる。
他方で、液晶ディスプレイの視野角を拡大する効果のあるような位相差フィルムを得る場合には、1回目の延伸と2回目の延伸の比率を変化させ、どちらか一方の延伸倍率が他方の延伸倍率よりも大きくなるように延伸することで光学異方性のフィルムを得ることができる。その際の幅手方向と長手方向との延伸倍率比は1.1〜2.0が好ましく、より好ましくは1.2〜1.5である。
複数回の延伸を行う際には、長手方向から延伸しても、幅手方向から延伸しても良いが、幅手方向の延伸工程を経たのちにはフィルムの搬送幅が大きくなり、搬送装置の大型化を招くため、長手方向の延伸の後に幅手方向の延伸を行うことが好ましい。
また、光学フィルムの最終延伸倍率は1.5〜4.0倍であることが好ましい。1.5倍未満では、得られるフィルムの平面性が十分でないことがある。他方、4.0倍よりも大きく延伸することは、本発明のセルロースエステルを用いても困難であり、延伸工程中で破断が起きる可能性が高くなるため好ましくない。より好ましくは1.5〜3.0倍に延伸されたものである。本発明では、最終延伸倍率とは、長手方向、幅手方向の延伸倍率の積を意味する。
まず、長手方向(MD)の延伸方法について説明する。
バレルから押出され、冷却ドラムに密着させられた後、冷却ドラムから剥離されたフィルムは、1つまたは複数のロール群及び/または赤外線ヒーター等の加熱装置を介して、再度加熱して長手方向に一段または多段MD延伸してもよい。
延伸する際は、本発明のフィルムのガラス転移温度をTgとすると(Tg−30)〜(Tg+100)℃、より好ましくは(Tg−20)〜(Tg+80)℃の範囲内で加熱して搬送方向(長手方向;MD)あるいは幅手方向(TD)に延伸することが好ましい。(Tg−20)〜(Tg+20)℃の温度範囲内で横延伸し次いで熱固定することが好ましい。また延伸工程の後、緩和処理を行うことも好ましい。
光学フィルムのTgは、フィルムを構成する材料種及び構成する材料の比率によって制御することができる。本発明の用途においてはフィルムの乾燥時のTgは110℃以上が好ましく、さらに120℃以上が好ましい。これは液晶表示装置に本発明の光学フィルムを用いた場合、該フィルムのTgが上記よりも低いと、使用環境の温度や湿度、バックライトの熱による影響によって、フィルム内部に固定された分子の配向状態に影響を与え、リターデーション値及びフィルムとしての寸法安定性や形状に大きな変化を与える可能性が高くなる。また、フィルムの形状を保持できなくなることがある。逆に該フィルムのTgが高過ぎると、フィルム構成材料の分解温度に近づくため製造しにくくなり、フィルム化するときに用いる材料自身の分解によって揮発成分の存在や着色を呈することがある。従ってガラス転移温度は180℃以下、より好ましくは150℃以下であることが好ましい。このとき、フィルムのTgはJIS K7121に記載の方法などによって求めることができる。
次に、幅手方向(TD)の延伸方法について説明する。
TD延伸する場合、2つ以上に分割された延伸領域で温度差を1〜50℃の範囲で順次昇温しながら横延伸すると幅方向の物性の分布が低減でき好ましい。更に横延伸後、フィルムをその最終TD延伸温度以下でTg−40℃以上の範囲に0.01〜5分間保持すると幅方向の物性の分布が更に低減でき好ましい。
熱固定は、その最終TD延伸温度より高温で、Tg−20℃以下の温度範囲内で通常0.5〜300秒間熱固定する。この際、2つ以上に分割された領域で温度差が1〜100℃となる範囲で順次昇温しながら熱固定することが好ましい。
熱固定されたフィルムは通常Tg以下まで冷却され、フィルム両端のクリップ把持部分をカットし巻き取られる。この際、最終熱固定温度以下、Tg以上の温度範囲内で、横方向及び/または縦方向に0.1〜10%弛緩処理することが好ましい。また冷却は、最終熱固定温度からTgまでを、毎秒100℃以下の冷却速度で徐冷することが好ましい。冷却、弛緩処理する手段は特に限定はなく、従来公知の手段で行えるが、特に複数の温度領域で順次冷却しながらこれらの処理を行うことがフィルムの寸法安定性向上の点で好ましい。尚、冷却速度は、最終熱固定温度をT1、フィルムが最終熱固定温度からTgに達するまでの時間をtとした時、(T1−Tg)/tで求めた値である。
これら熱固定条件、冷却、弛緩処理条件のより最適な条件は、フィルムを構成するセルロースエステルや可塑剤等の添加剤種により異なるので、得られた二軸延伸フィルムの物性を測定し、好ましい特性を有するように適宜調整することにより決定すればよい。
本発明に係る光学フィルムの面内リターデーション値(Ro)および厚さ方向のレタデーション値(Rth)は、偏光子保護フィルムとして用いる場合には0≦Ro、Rth≦70nmであることが好ましい。より好ましくは0≦Ro≦20nmかつ0≦Rth≦50nmであリ、より好ましくは0≦Ro≦10nmかつ0≦Rth≦30nmである。VAモードの液晶パネルの位相差フィルム(液晶パネルの両側に2枚使用する場合)として用いる場合には、30≦Ro≦100nmかつ70≦Rth≦400nmであリ、より好ましくは35≦Ro≦65nmかつ90≦Rth≦180nmである。位相差を液晶パネルの片側のフィルムのみで稼ぐ場合には、この倍の位相差を有していることが好ましい。
また、Rthの変動や分布の幅は±10%未満であることが好ましく、より好ましくは±5%未満である。更に好ましくは±1%未満であることが好ましく、最も好ましくはRthの変動がないことである。
なおリターデーション値Ro、Rthは以下の式によって求めることが出来る。
Ro=(nx−ny)×d
Rth=((nx+ny)/2−nz)×d
ここにおいて、dはフィルムの厚み(nm)、屈折率nx(フィルムの面内の最大の屈折率、遅相軸方向の屈折率ともいう)、ny(フィルム面内で遅相軸に直角な方向の屈折率)、nz(厚み方向におけるフィルムの屈折率)である。
Rth=((nx+ny)/2−nz)×d
ここにおいて、dはフィルムの厚み(nm)、屈折率nx(フィルムの面内の最大の屈折率、遅相軸方向の屈折率ともいう)、ny(フィルム面内で遅相軸に直角な方向の屈折率)、nz(厚み方向におけるフィルムの屈折率)である。
尚、リターデーション値(Ro)、(Rth)は自動複屈折率計を用いて測定することが出来る。例えば、KOBRA−21ADH(王子計測機器(株))を用いて、23℃、55%RHの環境下で、波長590nmで求めることが出来る。
また、遅相軸はフィルムの幅手方向±1°若しくは長手方向±1°にあることが好ましい。より好ましくは幅手方向または長手方向に対してに±0.7°、更に好ましくは幅手方向または長手方向に対して±0.5°である。このような範囲とすることで、得られる液晶ディスプレイのコントラストを高めることができる。
本発明の光学フィルムは製膜工程で実質的に溶媒を使用することがないため、製膜後巻き取られた光学フィルムに含まれる残留有機溶媒量は安定して0.1質量%未満であり、これによって従来以上に安定した平面性とRthをもつ光学フィルムを提供することが可能である。特に100m以上の長尺の巻物においても安定した平面性とRthを持つ光学フィルムを提供することが可能となる。該光学フィルムは巻きの長さについては特に制限はなく、1500m、2500m、5000mであっても好ましく用いられる。
溶液流延法で作製されたセルロースエステルフィルムの残留有機溶媒量(%)を0.1質量%以下とすることは困難であり、そのためには長い乾燥工程が必要であるが、この方法によれば安いコストで極めて低い残留有機溶媒含有量のセルロースエステルフィルムを得ることが出来、光学フィルムとして優れた特性を持つセルロースエステルフィルムを得ることが出来る。
また、製膜工程において、カットされたフィルム両端のクリップ把持部分は、粉砕処理された後、或いは必要に応じて造粒処理を行った後、同じ品種のフィルム用原料としてまたは異なる品種のフィルム用原料として再利用してもよい。
本発明のセルロースエステル光学フィルムを偏光板保護フィルムとした場合、該保護フィルムの厚さは10〜500μmが好ましい。特に20μm以上、更には35μm以上が好ましい。また、150μm以下、更には120μm以下が好ましい。特に好ましくは25以上〜90μmが好ましい。上記領域よりも光学フィルムが厚いと偏光板加工後の偏光板が厚くなり過ぎ、ノート型パソコンやモバイル型電子機器に用いる液晶表示においては、特に薄型軽量の目的には適さない。一方、上記領域よりも薄いと、リターデーションの発現が困難となること、フィルムの透湿性が高くなり偏光子に対して湿度から保護する能力が低下してしまうために好ましくない。
(光学フィルム)
本発明において、光学フィルムとは、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ等の各種表示装置に用いられる機能フィルムのことであり、特に偏光板保護フィルム、位相差フィルム、反射防止フィルム、輝度向上フィルム、視野角拡大等の光学補償フィルム等を含む。
本発明において、光学フィルムとは、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ等の各種表示装置に用いられる機能フィルムのことであり、特に偏光板保護フィルム、位相差フィルム、反射防止フィルム、輝度向上フィルム、視野角拡大等の光学補償フィルム等を含む。
本発明のセルロースエステル光学フィルムを用いた偏光板、それを用いた液晶表示装置について説明する。
(偏光板)
偏光板は一般的な方法で作製することが出来る。本発明のセルロースエステル光学フィルムの裏面側をアルカリ鹸化処理し、処理した光学フィルムを、ヨウ素溶液中に浸漬延伸して作製した偏光子の少なくとも一方の面に、完全鹸化型ポリビニルアルコール水溶液を用いて貼り合わせることが好ましい。もう一方の面にも本発明の光学フィルムを用いても、別の偏光板保護フィルムを用いてもよい。本発明の光学フィルムに対して、もう一方の面に用いられる偏光板保護フィルムは市販のセルロースエステルフィルム(偏光板保護フィルム、位相差フィルム)を用いることが出来る。例えば、市販のセルロースエステルフィルムとして、KC8UX2M、KC4UX、KC5UX、KC4UY、KC8UY、KC12UR、KC8UCR−3、KC8UCR−4、KC8UY−HA、KC8UX−RHA(以上、コニカミノルタオプト(株)製)等が好ましく用いられる。或いは更にディスコチック液晶、棒状液晶、コレステリック液晶などの液晶化合物を配向させて形成した光学異方層を有している光学補償フィルムを兼ねる偏光板保護フィルムを用いることも好ましい。例えば、特開2003−98348記載の方法で光学異方性層を形成することが出来る。本発明の光学フィルムと組み合わせて使用することによって、平面性に優れ、安定した視野角拡大効果を有する偏光板を得ることが出来る。或いは、セルロースエステルフィルム以外の環状オレフィン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート等のフィルムをもう一方の面の偏光板保護フィルムとして用いてもよい。この場合は、ケン化適性が低い為、適当な接着層を介して偏光板に接着加工することが好ましい。
偏光板は一般的な方法で作製することが出来る。本発明のセルロースエステル光学フィルムの裏面側をアルカリ鹸化処理し、処理した光学フィルムを、ヨウ素溶液中に浸漬延伸して作製した偏光子の少なくとも一方の面に、完全鹸化型ポリビニルアルコール水溶液を用いて貼り合わせることが好ましい。もう一方の面にも本発明の光学フィルムを用いても、別の偏光板保護フィルムを用いてもよい。本発明の光学フィルムに対して、もう一方の面に用いられる偏光板保護フィルムは市販のセルロースエステルフィルム(偏光板保護フィルム、位相差フィルム)を用いることが出来る。例えば、市販のセルロースエステルフィルムとして、KC8UX2M、KC4UX、KC5UX、KC4UY、KC8UY、KC12UR、KC8UCR−3、KC8UCR−4、KC8UY−HA、KC8UX−RHA(以上、コニカミノルタオプト(株)製)等が好ましく用いられる。或いは更にディスコチック液晶、棒状液晶、コレステリック液晶などの液晶化合物を配向させて形成した光学異方層を有している光学補償フィルムを兼ねる偏光板保護フィルムを用いることも好ましい。例えば、特開2003−98348記載の方法で光学異方性層を形成することが出来る。本発明の光学フィルムと組み合わせて使用することによって、平面性に優れ、安定した視野角拡大効果を有する偏光板を得ることが出来る。或いは、セルロースエステルフィルム以外の環状オレフィン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート等のフィルムをもう一方の面の偏光板保護フィルムとして用いてもよい。この場合は、ケン化適性が低い為、適当な接着層を介して偏光板に接着加工することが好ましい。
偏光板の主たる構成要素である偏光子とは、一定方向の偏波面の光だけを通す素子であり、現在知られている代表的な偏光膜は、ポリビニルアルコール系偏光フィルムで、これはポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素を染色させたものと二色性染料を染色させたものがある。偏光膜は、ポリビニルアルコール水溶液を製膜し、これを一軸延伸させて染色するか、染色した後一軸延伸してから、好ましくはホウ素化合物で耐久性処理を行ったものが用いられている。偏光膜の膜厚は5〜40μm、好ましくは5〜30μmであり、特に好ましくは5〜20μmである。該偏光膜の面上に、本発明の光学フィルムの片面を貼り合わせて偏光板を形成する。好ましくは完全鹸化ポリビニルアルコール等を主成分とする水系の接着剤によって貼り合わせる。また、ケン化適性の低いセルロースエステルフィルム以外の樹脂フィルムの場合は、適当な粘着層を介して偏光板に接着加工することが出来る。
偏光子は一軸方向(通常は長手方向)に延伸されているため、偏光板を高温高湿の環境下に置くと延伸方向(通常は長手方向)は縮み、延伸と垂直方向(通常は幅方向)には伸びる。偏光板保護用フィルムの膜厚が薄くなるほど偏光板の伸縮率は大きくなり、特に偏光膜の延伸方向の収縮量が大きい。通常、偏光膜の延伸方向は偏光板保護用フィルムの流延方向(MD方向)と貼り合わせるため、偏光板保護用フィルムを薄膜化する場合は、特に流延方向の伸縮率を抑える事が重要である。本発明の光学フィルムは寸法安定に優れる為、このような偏光板保護フィルムとして好適に使用される。
偏光板は、更に該偏光板の一方の面にプロテクトフィルムを、反対面にセパレートフィルムを貼合して構成することが出来る。プロテクトフィルム及びセパレートフィルムは偏光板出荷時、製品検査時等において偏光板を保護する目的で用いられる。この場合、プロテクトフィルムは、偏光板の表面を保護する目的で貼合され、偏光板を液晶板へ貼合する面の反対面側に用いられる。また、セパレートフィルムは液晶板へ貼合する接着層をカバーする目的で用いられ、偏光板を液晶セルへ貼合する面側に用いられる。
(液晶表示装置)
液晶表示装置には通常2枚の偏光板の間に液晶を含む基板が配置されているが、本発明の光学フィルムを適用した偏光板保護フィルム、位相差フィルムは平面性・リターデーションの均一性が高いため、どの部位に配置しても優れた表示性が得られる。液晶表示装置の表示側最表面の偏光板保護フィルムには、クリアハードコート層、防眩層、反射防止層等が設けられた偏光板保護フィルムをこの部分に用いることが好ましい。また光学補償層を設けた位相差フィルムや、延伸操作等によりそれ自身に適切な光学補償能を付与した位相差フィルムの場合には、液晶セルと接する部位に配置することで、優れた表示性が得られる。特にマルチドメイン型の液晶表示装置、より好ましくは複屈折モードによってマルチドメイン型の液晶表示装置に使用することが本発明の効果をより発揮することが出来る。
液晶表示装置には通常2枚の偏光板の間に液晶を含む基板が配置されているが、本発明の光学フィルムを適用した偏光板保護フィルム、位相差フィルムは平面性・リターデーションの均一性が高いため、どの部位に配置しても優れた表示性が得られる。液晶表示装置の表示側最表面の偏光板保護フィルムには、クリアハードコート層、防眩層、反射防止層等が設けられた偏光板保護フィルムをこの部分に用いることが好ましい。また光学補償層を設けた位相差フィルムや、延伸操作等によりそれ自身に適切な光学補償能を付与した位相差フィルムの場合には、液晶セルと接する部位に配置することで、優れた表示性が得られる。特にマルチドメイン型の液晶表示装置、より好ましくは複屈折モードによってマルチドメイン型の液晶表示装置に使用することが本発明の効果をより発揮することが出来る。
マルチドメイン化とは、1画素を構成する液晶セルをさらに複数に分割する方式であり、視野角依存性の改善・画像表示の対称性の向上にも適しており、種々の方式が報告されている「置田、山内:液晶,6(3),303(2002)」。該液晶表示セルは、「山田、山原:液晶,7(2),184(2003)」にも示されており、これらに限定される訳ではない。
表示セルの表示品質は、人の観察において左右対称であることが好ましい。従って、表示セルが液晶表示セルである場合、実質的に観察側の対称性を優先してドメインをマルチ化することが出来る。ドメインの分割は、公知の方法を採用することが出来、2分割法、より好ましくは4分割法によって、公知の液晶モードの性質を考慮して決定出来る。
本発明の偏光板は垂直配向モードに代表されるMVA(Multi−domein Vertical Alignment)モード、特に4分割されたMVAモード、電極配置によってマルチドメイン化された公知のPVA(Patterned Vertical Alignment)モード、電極配置とカイラル能を融合したCPA(Continuous Pinwheel Alignment)モードに効果的に用いることが出来る。また、OCB(Optical Compensated Bend)モードへの適合においても光学的に二軸性を有するフィルムの提案が開示されており「T.Miyashita,T.Uchida:J.SID,3(1),29(1995)」、本発明のセルロースエステル光学フィルムを用いた偏光板によって、好ましい効果を発現することも出来る。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
《フィルム構成材料の調製》
〔セルロースエステルA〕
下記の2種類のバージンセルロースエステルを準備した。
〔セルロースエステルA〕
下記の2種類のバージンセルロースエステルを準備した。
A−1:セルロースアセテートプロピオネート CAP482−20(重量平均分子量215000 イーストマンケミカル社製)
A−2:セルロースアセテートプロピオネート(アセチル置換度1.9、プロピオニル基置換度0.8、重量平均分子量198000)
なお、上記の重量平均分子量は、GPC HLC−8220(東ソー社製)を用いた測定により得られた値である。
A−2:セルロースアセテートプロピオネート(アセチル置換度1.9、プロピオニル基置換度0.8、重量平均分子量198000)
なお、上記の重量平均分子量は、GPC HLC−8220(東ソー社製)を用いた測定により得られた値である。
〔可塑剤〕
下記の2種類の可塑剤を用いた。
下記の2種類の可塑剤を用いた。
P−1:トリメチロールプロパントリベンゾエート(旭電化社製)
P−2:ペンタエリスリトールテトラベンゾエート(アルドリッチ社製)
〔酸化防止剤〕
下記の2種類の酸化防止剤を用いた。
P−2:ペンタエリスリトールテトラベンゾエート(アルドリッチ社製)
〔酸化防止剤〕
下記の2種類の酸化防止剤を用いた。
C−1:IRGANOX−1010(チバスペシャルティケミカルズ社製)
C−2:Tinuvin144(チバスペシャルティケミカルズ社製)
〔回収セルロースエステルBの調製〕
(回収セルロースエステルB−1の調製)
120℃で3時間減圧乾燥したセルロースエステルA−1の90質量部と、可塑剤P−1の10質量部とを混合し、2軸溶融押出機を用い、溶融温度250℃、スクリュー回転数400rpmの溶融条件で混合物を調製した。この混合物を粉砕、ペレット化し、回収セルロースエステルB−1を得た。このセルロースエステルB−1の重量平均分子量を、GPC HLC−8220(東ソー社製)で測定した結果、92000であった。
C−2:Tinuvin144(チバスペシャルティケミカルズ社製)
〔回収セルロースエステルBの調製〕
(回収セルロースエステルB−1の調製)
120℃で3時間減圧乾燥したセルロースエステルA−1の90質量部と、可塑剤P−1の10質量部とを混合し、2軸溶融押出機を用い、溶融温度250℃、スクリュー回転数400rpmの溶融条件で混合物を調製した。この混合物を粉砕、ペレット化し、回収セルロースエステルB−1を得た。このセルロースエステルB−1の重量平均分子量を、GPC HLC−8220(東ソー社製)で測定した結果、92000であった。
(回収セルロースエステルB−2〜B−4の調製)
上記回収セルロースエステルB−1の調製の調製において、セルロースエステルAの種類、可塑剤の種類、溶融温度、スクリューの回転数を、表1に記載のように変更した以外は同様にして、回収セルロースエステルB−2〜B−4を調製した。各セルロースエステルの重量平均分子量をGPC HLC−8220(東ソー社製)で測定し、得られた結果を表1に示す。
上記回収セルロースエステルB−1の調製の調製において、セルロースエステルAの種類、可塑剤の種類、溶融温度、スクリューの回転数を、表1に記載のように変更した以外は同様にして、回収セルロースエステルB−2〜B−4を調製した。各セルロースエステルの重量平均分子量をGPC HLC−8220(東ソー社製)で測定し、得られた結果を表1に示す。
《セルロースエステル光学フィルムの作製》
下記の方法に従って、セルロースエステル光学フィルムであるフィルム1〜13を作製した。
下記の方法に従って、セルロースエステル光学フィルムであるフィルム1〜13を作製した。
〔フィルム1の作製〕
90℃で5時間減圧乾燥したバージンセルロースエステルAであるセルロースエステルA−1(重量平均分子量:215000)の63質量部と、回収セルロースエステルB−1(重量平均分子量:82000)の7質量部(セルロースエステルAと回収セルロースエステルBの混合比=70:30)と、可塑剤P−1の10質量部と、酸化防止剤C−1の1質量部とを混合し、2軸溶融押出機を用い、溶融温度250℃、スクリュー回転数300rpmの溶融条件で溶融した。この溶融物を膜厚80μmとなるようにTダイよりドラム上に流延し、剥離、巻取りを行い、フィルム1を得た。
90℃で5時間減圧乾燥したバージンセルロースエステルAであるセルロースエステルA−1(重量平均分子量:215000)の63質量部と、回収セルロースエステルB−1(重量平均分子量:82000)の7質量部(セルロースエステルAと回収セルロースエステルBの混合比=70:30)と、可塑剤P−1の10質量部と、酸化防止剤C−1の1質量部とを混合し、2軸溶融押出機を用い、溶融温度250℃、スクリュー回転数300rpmの溶融条件で溶融した。この溶融物を膜厚80μmとなるようにTダイよりドラム上に流延し、剥離、巻取りを行い、フィルム1を得た。
なお、セルロースエステルA−1(重量平均分子量:215000)と、回収セルロースエステルB−1(重量平均分子量:92000)の混合物(混合比70:30)の重量平均分子量は178000、回収セルロースエステルB−1混合前後での重量平均分子量比Mwは0.83であった。
〔フィルム2〜13の作製〕
フィルム1の作製において、セルロースエステルAの種類、回収セルロースエステルBの種類とそれらの混合比率、可塑剤の種類、酸化防止剤の種類及び溶融温度を、表2に記載のように変更した以外は同様にして、フィルム2〜13を作製した。
フィルム1の作製において、セルロースエステルAの種類、回収セルロースエステルBの種類とそれらの混合比率、可塑剤の種類、酸化防止剤の種類及び溶融温度を、表2に記載のように変更した以外は同様にして、フィルム2〜13を作製した。
《セルロースエステル光学フィルムの評価》
〔資源の有効活用率の判定〕
上記フィルム1〜13の作製において、回収セルロースエステルBの使用比率を尺度とし、下記の基準に従って資源の有効活用率を判定した。
〔資源の有効活用率の判定〕
上記フィルム1〜13の作製において、回収セルロースエステルBの使用比率を尺度とし、下記の基準に従って資源の有効活用率を判定した。
◎:回収セルロースエステルBの使用比率が20%以上である
○:回収セルロースエステルBの使用比率が10%以上、20%未満である
△:回収セルロースエステルBの使用比率が1%以上、10%未満である
×:回収セルロースエステルBを全く使用していない
〔破断伸度の評価〕
各フィルムを幅10mmに断裁し、オリエンテック製TENSILONを使用し、JIS K 6251の方法に準拠して、25℃、40%RH環境下における製膜方向の破断伸度を測定した。得られた破断伸度(%)を、下記の基準に従ってランク分けを行って、破断伸度を評価した、
◎:破断伸度が30%以上である
○:破断伸度が20%以上、30%未満である
△:破断伸度が10%以上、20%未満である
×:破断伸度が5%以上、10%未満である
××:破断伸度が5%未満である
〔折り曲げ耐性の評価〕
各フィルムを幅10mmに断裁し、東洋精機製作所製のMIT耐揉疲労試験機を用い、JIS P−8115に準じ、20℃、RH60%の雰囲気下で荷重14.7N(1.5kg重)で引っ張りながら、先端部を連続して折り曲げ、切断するまでの回数を測定し、下記の基準に従って、折り曲げ耐性を評価した。
○:回収セルロースエステルBの使用比率が10%以上、20%未満である
△:回収セルロースエステルBの使用比率が1%以上、10%未満である
×:回収セルロースエステルBを全く使用していない
〔破断伸度の評価〕
各フィルムを幅10mmに断裁し、オリエンテック製TENSILONを使用し、JIS K 6251の方法に準拠して、25℃、40%RH環境下における製膜方向の破断伸度を測定した。得られた破断伸度(%)を、下記の基準に従ってランク分けを行って、破断伸度を評価した、
◎:破断伸度が30%以上である
○:破断伸度が20%以上、30%未満である
△:破断伸度が10%以上、20%未満である
×:破断伸度が5%以上、10%未満である
××:破断伸度が5%未満である
〔折り曲げ耐性の評価〕
各フィルムを幅10mmに断裁し、東洋精機製作所製のMIT耐揉疲労試験機を用い、JIS P−8115に準じ、20℃、RH60%の雰囲気下で荷重14.7N(1.5kg重)で引っ張りながら、先端部を連続して折り曲げ、切断するまでの回数を測定し、下記の基準に従って、折り曲げ耐性を評価した。
◎:折り曲げ回数が41回以上でも破断しなかった
○:折り曲げ回数が31回以上、40回以下で破断した
△:折り曲げ回数が21回以上、30回以下で破断した
×:折り曲げ回数が11回以上、20回以下で破断した
××:入り曲げ回数が10回以下で破断した
以上により得られた結果を、表3に示す。
○:折り曲げ回数が31回以上、40回以下で破断した
△:折り曲げ回数が21回以上、30回以下で破断した
×:折り曲げ回数が11回以上、20回以下で破断した
××:入り曲げ回数が10回以下で破断した
以上により得られた結果を、表3に示す。
表3に記載の結果より明らかなように、回収セルロースエステルを混合し、かつ回収セルロースエステル添加前後での重量平均分子量比Mwを0.8以上、1.0以下とした本発明のフィルムは、回収セルロースの有効利用率を高めることができると共に、破断伸度や折り曲げ耐性が、バージンセルロースエステルを用いたフィルム12、13とほぼ同等レベルを維持していることが分かる。
実施例2
実施例1に記載のフィルム1〜13の作製において、セルロースエステルとしてセルロースアセテートプロピオネートを、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートフタレート、セルロースフタレートにそれぞれ変更した以外は同様にして各フィルムを作製し、実施例1に記載の方法と同様にして評価を行った結果、実施例1に記載の同様の結果を得ることができた。
実施例1に記載のフィルム1〜13の作製において、セルロースエステルとしてセルロースアセテートプロピオネートを、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートフタレート、セルロースフタレートにそれぞれ変更した以外は同様にして各フィルムを作製し、実施例1に記載の方法と同様にして評価を行った結果、実施例1に記載の同様の結果を得ることができた。
実施例3
実施例1に記載のフィルム1〜13の作製において、下記の各添加剤を添加した以外は同様にして各フィルムを作製し、実施例1に記載の方法と同様にして評価を行った結果、実施例1に記載の同様の結果を得ることができた。
実施例1に記載のフィルム1〜13の作製において、下記の各添加剤を添加した以外は同様にして各フィルムを作製し、実施例1に記載の方法と同様にして評価を行った結果、実施例1に記載の同様の結果を得ることができた。
酸捕捉剤:エポキシ基含有エポキシド樹脂化合物(EPON 815c)
光安定剤:ヒンダードアミン光安定剤
過酸化物分解剤:特開平5−194788号公報に記載の一般式(A−I)で表される化合物
ラジカル捕捉剤:テトラエチル−p−フェニレンジアミン
金属不活性化剤:IRGANOX MD−1024(チバガイギー社製)
紫外線吸収剤:チヌビン(TINUVIN)171(チバ−スペシャルティ−ケミカルズ社製)
染料:アンスラキノン系青味染料
光安定剤:ヒンダードアミン光安定剤
過酸化物分解剤:特開平5−194788号公報に記載の一般式(A−I)で表される化合物
ラジカル捕捉剤:テトラエチル−p−フェニレンジアミン
金属不活性化剤:IRGANOX MD−1024(チバガイギー社製)
紫外線吸収剤:チヌビン(TINUVIN)171(チバ−スペシャルティ−ケミカルズ社製)
染料:アンスラキノン系青味染料
Claims (5)
- 未加熱のセルロースエステルA、加熱溶融済みの回収セルロースエステルB及び少なくとも1種の添加剤を含有する混合物を加熱溶融押出しするセルロースエステル光学フィルムの製造方法であって、該混合物における下式(1)で表されるセルロースエステルの重量平均分子量比Mwが、0.8以上、1.0以下であることを特徴とするセルロースエステル光学フィルムの製造方法。
式(1)
セルロースエステルの重量平均分子量比Mw=(MA×a+MB×b)/MA
〔式中、MAは未加熱のセルロースエステルAの重量平均分子量、MBは加熱溶融済みの回収セルロースエステルBの重量平均分子量、aは全セルロースエステルにおける未加熱のセルロースエステルAの比率、bは全セルロースエステルにおける加熱溶融済みの回収セルロースエステルBの比率を表す。〕 - 前記セルロースエステルAは、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートフタレート及びセルロースフタレートから選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項1記載のセルロースエステル光学フィルムの製造方法。
- 前記回収セルロースエステルBは、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートフタレート及びセルロースフタレートから選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項1記載のセルロースエステル光学フィルムの製造方法。
- 前記添加剤は、可塑剤、酸化防止剤、酸捕捉剤、光安定剤、過酸化物分解剤、ラジカル捕捉剤、金属不活性化剤、紫外線吸収剤、マット剤、染料及び顔料から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のセルロースエステル光学フィルムの製造方法。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載のセルロースエステル光学フィルムの製造方法により製造されることを特徴とするセルロースエステル光学フィルム。
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JP2007009052A (ja) * | 2005-06-30 | 2007-01-18 | Konica Minolta Opto Inc | セルロースエステル光学フィルムの製造方法及びセルロースエステル光学フィルム |
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- 2005-06-29 JP JP2005189683A patent/JP2007007929A/ja active Pending
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