JP2007007856A - 放電加工装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】加工用電極と同時にX軸、Y軸およびZ軸の各方向へ駆動しなければならない部分の質量の増加を抑制でき、高速応答性を実現することを可能にし、加工速度、および加工精度の改善が可能な放電加工装置を得る。
【解決手段】ワイヤ状加工用電極を通すための貫通穴を有し、この電極の保持および送り機構を有する電極取付け部1505と、この電極取付け部をすくなくともスラスト方向に非接触に駆動するスラスト駆動部とを有する電極駆動部1509と、放電加工状態を検出する加工状態検出部と、放電加工状態の制御目標を設定する目標値設定部と、加工状態検出部により検出された検出値が、目標値設定部により設定された目標値に一致するように電極駆動部により加工用電極の位置を調製する加工制御部と、電極の保持あるいは送りを調整する電極供給制御部とを有している。
【選択図】 図13

Description

本発明は、加工用電極と被加工物の間に電圧を印加して放電を発生させて加工を行う放電加工装置に関し、特に、電極駆動のX軸、Y軸、Z軸方向の高速応答性を実現し、更に加工精度の向上を図る放電加工装置に関するものである。
加工液中に加工用電極と被加工物を配置し、それらの間に電圧を印加し、放電を発生させ加工を行う放電加工では、安定な加工状態を維持しながら所望の形状を加工するために、加工用電極または被加工物の位置を調整するための駆動装置が構成されている。第17図は例えば「放電加工技術−基礎から将来展望まで−」日刊工業新聞社(1997)、p63〜p64において説明されている従来の放電加工装置の概略構成を示す構成図である。
第17図において、101は加工用電極、102は被加工物、103は加工液、104は加工槽、1201は加工用電極101を取り付ける電極取付け部、501は電極取付け部1201を支持するヘッド部、502は加工用電極101と電極取付け部1201とヘッド部501を駆動するヘッド駆動部、503はコラム部、504は加工用電極101と電極取付け部1201とヘッド部501とヘッド駆動部502とコラム部503とを駆動するコラム駆動部、505はサドル部、506は加工用電極101と電極取付け部1201とヘッド部501とヘッド駆動部502とコラム部503とコラム駆動部504とサドル部505とを駆動するサドル駆動部、507はベッド部である。ヘッド駆動部502、コラム駆動部504、サドル駆動部506は、例えば、ACモータとボールネジから構成され、それぞれは電極をZ方向へ位置決めするための駆動部、Y方向へ位置決めするための駆動部、X方向へ位置決めするための駆動部となる。また、119は加工用電極101と被加工物102に加工エネルギを供給するための加工用電源、120は加工状態を検出するための加工状態検出装置、1202は電極取付け部1201、ヘッド駆動部502、コラム駆動部504、サドル駆動部506のそれぞれに駆動電流を供給し位置決めを行うためのサーボアンプ、1203はサーボアンプ1202および加工用電源119へ指令値を与える制御装置である。さらに、122は加工用電極101と被加工物102との間で進んでいる放電加工プロセスを示す。
第18図は、第17図に示す放電加工装置での放電加工状態を制御するための極間制御系を示す。図において、301は放電加工プロセス部、302は加工状態検出部、303は目標値設定部、304は加工軌跡設定部、1301は加工制御部、1302はXYZ駆動制御部、1303は電流アンプ部、1304はXYZ駆動部であり、1305はXYZ駆動制御部1302と電流アンプ部1303とXYZ駆動部1304からなるXYZ駆動装置である。放電加工プロセス部301は放電加工プロセス122に、加工状態検出部302は加工状態検出装置120に、XYZ駆動制御部1302と電流アンプ部1303はサーボアンプ1202にXYZ駆動部1304はヘッド駆動部502、コラム駆動部504、サドル駆動部506に対応する。また、目標値設定部303、加工軌跡設定部304、加工制御部1301は、制御装置1203に構成される。また、yは放電加工プロセスの状態量、ymは加工状態検出部302で検出された検出値、rは目標値設定部303で設定された目標値、eは目標値rと検出値ymとから求められた偏差、Rpは加工軌跡設定部304で設定された加工軌跡ベクトル、UpはXYZ駆動制御部1302への位置指令値、Ucは電流アンプ部1303への電流指令値、IcはXYZ駆動部1304へ供給される電流量、StはXYZ駆動部1304から得られる位置検出値、MpはXYZ駆動部1304にり操作される電極位置操作量を示す。XYZ駆動制御部1302への位置指令値Upは、偏差eと加工軌跡ベクトルRpより加工制御部1301で求められる。位置指令値Upは、加工軌跡ベクトルRpが直交座標系(XYZ)で与えられるため、同じ直交座標系(XYZ)となる。また、位置検出値StはX方向、Y方向、Z方向の検出値である。したがって、XYZ駆動制御部1302では、位置指令値Upと位置検出値Stとを比較し、電流アンプ部1303への電流指令値Ucを求める。電流指令値Ucは、ヘッド駆動部502、コラム駆動部504、サドル駆動部506の3台の電流アンプにそれぞれ与えられる。すなわち、第18図に示した従来の極間制御系では、加工状態検出部302でたとえば平均極間電圧を検出し、その検出値が所定の目標値と一致するように、XYZ駆動装置1305により加工用電極を移動させ、安定な加工状態を実現しようとしている。
しかしながら、加工状態は不規則に変動しており、安定な加工状態を維持するためにはXYZ駆動装置の高速応答性が重要となる。安定な加工状態を維持できない場合には、短絡状態や集中アーク状態などが頻繁に発生し、加工に寄与する有効な放電状態が減少することで加工速度の低下を招いてしまう。また、短絡状態や集中アーク状態などが頻繁に発生することにより、加工面にクラックやピットが形成されたり、局所的に電極の異常消耗が発生し、その結果、加工面品質の低下や加工精度の悪化を招く。XYZ駆動装置の高速応答性が期待できない場合には、加工中の極間距離が比較的広くなるような加工条件を選ぶことにより、安定な加工状態を維持しようとするため、高精度な加工を実現することが困難となる。
ところで、日本特許2714851号「放電加工制御装置」の特許公報には、上記のような加工電極駆動装置の高速応答性の問題点を解決する一つの手段として、同軸方向に加工用電極及び被加工物のうち少なくとも一方を移動させるために、周波数特性の異なる複数の駆動機構を組み合わせ、その組み合わせた駆動系で極間制御系を構成することが記載されている。しかしながら、X方向、Y方向、Z方向の全ての方向において高速応答を実現できる具体的な駆動機構については述べられておらず、また、安定な加工状態を維持するために利用されるジャンプ動作や揺動動作を伴う場合の加工制御方法あるいは制御装置についても言及されていない。
また、特開平1−234162号公開公報(日本出願)に開示された加工方法では、研削加工機において、従来のモータとボールネジによる工具のワークへの切り込み動作に替えて、磁気軸受スピンドルを備え、スピンドルをあらかじめ決められた目標値に基づいてスピンドル径方向に移動させることで工具へのワークへの切り込み動作を高速に行う方法を考案し、加工能率や加工精度が改善できるとしている。放電加工では、加工用電極は加工軌跡に基づいてXYZ方向に駆動し、その駆動量は放電加工状態に基づいて加工が安定となるように決定しなければならない。また、加工によって駆動量が数μmから数十cmになる場合があり、磁気軸受スピンドルで駆動できる駆動量では加工を行えない場合もある。すなわち、上記特開平1−234162号公開公報に示された加工方法では、駆動方向を制御するような構成になっていないため、放電加工に適用しても良好な加工結果を得ることは困難である。
従来の放電加工装置において、加工用電極101をX軸、Y軸およびZ軸の各方向へ駆動する場合、ヘッド駆動部502は加工用電極101以外に電極取付け部1201とヘッド部502をZ軸方向へ駆動し、コラム駆動部504は加工用電極101以外に電極取付け部1201とヘッド部501とヘッド駆動部502とコラム部503をY軸方向へ駆動し、サドル駆動部506は加工用電極101と電極取付け部1201とヘッド部501とヘッド駆動部502とコラム部503とコラム駆動部504とサドル部505をX軸方向へ駆動する必要がある。このため、それぞれの駆動部の応答性を実現するうえで、加工用電極101以外に加工用電極101と同時にX軸、Y軸およびZ軸の各方向へ駆動する部分の質量の増加を考慮しなければならないという問題点があった。この場合の応答性は、ヘッド駆動部502の応答性>コラム駆動部504の応答性>サドル駆動部506の応答性となり、サドル駆動部506の応答性により加工状態の制御性能が決定され、その結果、加工速度、および加工精度を改善する上で障害となっていた。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、加工用電極と同時にX軸、Y軸およびZ軸の各方向へ駆動しなければならない部分の質量の増加を抑制でき、X軸、Y軸およびZ軸方向の高速応答性を実現することを可能にし、加工速度、および加工精度の改善が可能な放電加工装置を得ることを目的とする。
本発明の第1の構成である放電加工装置は、ワイヤ状加工用電極を通すための貫通穴を有し、該電極の保持および送り機構を有する電極取付け手段と、該電極取付け手段をすくなくともスラスト方向に非接触に駆動するスラスト方向駆動手段とを有する電極駆動手段と、放電加工状態を検出する加工状態検出手段と、放電加工状態の制御目標を設定する目標値設定手段と、該加工状態検出手段により検出された検出値が該目標値設定手段により設定された目標値に一致するように該電極駆動手段により該加工用電極の位置を調整する加工制御手段と、該電極の保持あるいは送りを調整する電極供給制御手段とを備えたものである。これにより、スラスト方向の高応答性を実現し、加工状態が不規則に変動している場合でも常に安定な加工状態を維持することができる。
本発明の第2構成である放電加工装置は、上記第1の構成である放電加工装置において、上記電極駆動手段が有する貫通穴へワイヤ状加工用電極を自動で供給する加工電極自動供給手段を備えたものである。これにより、第1の構成による効果に加えて、穴加工を連続的に効率よく行うことができる。
本発明の第3の構成である放電加工装置は、上記第1または上記第2の構成である放電加工装置におて、上記電極駆動手段には、上記電極取付け手段を回転させるための回転駆動手段を備えたものである。これにより、第1または第2の構成による効果に加えて、穴加工の場合に電極を回転させながら加工を行うことにより、安定な加工を実現することができる。
参考例1
第1図は本発明の参考例1である放電加工装置の概略構成を示す構成図である。図において、101は加工用電極、102は被加工物、103は加工液、104は加工槽、105は電極駆動部、106は加工用電極101を取付ける電極取付け部、107及び108は電極取付け部106をラジアル方向に非接触に支持及び駆動するラジアル電磁石部、109及び110は電極取付け部106のラジアル方向の位置を検出するラジアル方向位置検出部、111及び112は電極取付け部106をスラスト方向に非接触に支持及び駆動するスラスト電磁石部、113は電極取付け部106のスラスト方向の位置を検出するスラスト方向位置検出部、114及び115は電極取付け部106を補助的に支持する補助軸受け部、116は電極取付け部106の一部である絶縁部、117は加工用電極101に加工電流を供給する給電部である。また、118は電極駆動部105の電磁石部へ電流を供給するための電流アンプ、119は加工用電極101と被加工物102に加工エネルギを供給する加工用電源、120は加工状態を検出するための加工状態検出装置、121は電流アンプ118及び加工用電源119へ指令値を与える制御装置である。さらに、122は加工用電極101と被加工物102との間で進んでいる放電加工プロセスを示す。
第2図の(A)は電極駆動部105においてラジアル電磁石部107および108とラジアル方向位置検出部109および110の配置を示す構成図である。第1図および第2図の(A)に示すように、4個のラジアル電磁石部107は電極取付け部106を上部でラジアル方向に非接触に支持及び駆動し、4個のラジアル電磁石部108は電極取付け部106を下部でラジアル方向に非接触に支持及び駆動する。また、それぞれのラジアル電磁石部に対応して上部に4個のラジアル方向位置検出部109と下部に4個のラジアル方向位置検出部110が配置されている。第2図の(B)は電極駆動部105においてスラスト方向に非接触に支持および駆動するスラスト電磁石部111及び112と、スラスト方向の位置を検出するスラスト方向位置検出部113の配置を示す構成図である。第1図及び第2図の(B)に示すように、2個のスラスト電磁石部111および112は電極取付け部106をスラスト方向に非接触に支持及び駆動する。また2個のスラスト方向位置検出部113が配置される。以上のように、ラジアル電磁石部107及び108とラジアル方向位置検出部109及び110により加工用電極をラジアル方向に駆動するラジアル駆動部を構成し、スラスト電磁石部111及び112とスラスト方向位置検出部113により加工用電極をスラスト方向に駆動するスラスト駆動部を構成する。これらにより電極取付け部106を非接触に支持でき、加工用電極101をXYZ軸方向へ微小駆動することができる。
第3図は第1図に示す放電加工装置の放電加工状態を制御するための極間制御系のブロック図である。第3図において、301は放電加工プロセス部、302は加工状態検出部、303は目標値設定部、304は加工軌跡設定部、305は加工制御部、306は電極駆動制御部である。307は電流アンプ部、308は電極駆動部、309は電極駆動制御部306と電流アンプ部307と電極駆動部308とからなる電極駆動装置部である。放電加工プロセス部301は放電加工プロセス122に、加工状態検出部302は加工状態検出装置120に、電流アンプ部307は電流アンプ118に、電極駆動部308は電極駆動部105にそれぞれ対応している。
また、目標値設定部303、加工軌跡設定部304、加工制御部305、電極駆動制御部306は、制御装置121に構成される。また、yは放電加工プロセスの状態量、ymは加工状態検出部302で検出された検出値、rは目標値設定部303で設定された目標値、eは目標値rと検出値ymとから求められた偏差、Rpは加工軌跡設定部で設定された加工軌跡ベクトル、Upは電極駆動制御部306への指令値、Ucは電流アンプ部307への電流指令値、Icは電極駆動部308へ供給される電流量、Smは電極駆動部308から得られる位置検出値、Mpは電極駆動部308により操作される電極位置操作量を示す。
電極駆動制御装置306への位置指令値Upは偏差eと加工軌跡ベクトルRpより加工制御部305で求められる。位置指令値Upは、加工軌跡ベクトルRpが直交座標系(XYZ)で与えられるため、同じ直交座標系(XYZ)となる。一方、位置検出値Smはラジアル方向およびスラスト方向の検出値である。また、電極駆動部308では、第1図および第2図に示すように上部に4個のラジアル電磁石、下部に4個のラジアル電磁石、2個のスラスト電磁石により加工電極を駆動する。したがって、電極駆動制御部306では、位置指令値Upに座標変換を行ない、ラジアル方向及びスラスト方向での位置指令値を求め、位置検出値Smと比較し、電流アンプ部307への電流指令値Ucを求める。電流指令値Ucは、ラジアル電磁石部107及び108の8台の電流アンプと、スラスト電磁石部111及び112用の2台の電流アンプに与えられる。
第4図は第3図に示した極間制御系の動作内容を示す図である。極間制御は、一般にマイクロコンピュータによるソフトウエア処理で実現され、第4図ではk回目の処理を示している。S401は、第3図の加工状態検出部302での処理であり、放電加工プロセスの状態量yをたとえば極間平均電圧ym(k)として検出する。次にS402では該極間平均電圧ym(k)と目標値rから偏差e(k)を求める。すなわち、S402は第3図に示す加工状態検出部302と目標値設定部303の出力から偏差を求める処理である。次に、S403では偏差e(k)に対して比例+積分補償を行い、補償して得られた量と加工軌跡ベクトルRpから指令値Up(k)を求める。ここで、kpは比例ゲイン、kiは積分ゲイン、Up(k)はXYZ軸方向のそれぞれの指令値であり、Up(k)は直交座標系で与えられる。
S404では、Up(k)からラジアル方向およびスラスト方向への座標変換を行い、ラジアル方向およびスラスト方向それぞれの目標値Rm(k)を求める。次に、目標値Rm(k)とラジアル方向位置検出部109、110およびスラスト方向位置検出部113からの検出値Sm(k)より偏差Em(k)を求める。そして、偏差Em(k)に対して比例+積分補償を行い電流アンプ307への指令値Uc(k)を求める。ここで、Tは座標変換行列、Kpmは比例ゲイン、kimは積分ゲインであり、S404での演算は行列演算の形でまとめて記述している。S404の処理は、第3図における電極駆動制御部306で行なわれる。
以上のように、本発明の参考例1である放電加工装置では、電極駆動部105によれば、加工用電極101を取付けた電極取付け部106だけをラジアル電磁石部107、108、スラスト電磁石部111、112によりラジアル方向及びスラスト方向に非接触に駆動するように構成したので、加工用電極101と同時に駆動しなければならない部分の質量増加をおさえることができる。
また、極間制御系では、加工状態検出部302で極間平均電圧ym(k)を検出し、その検出値ym(k)と目標値rと加工軌跡ベクトルRpから加工用電極101の駆動されるべきXYZ座標系での指令値Up(k)を求め、その指令値Up(k)に座標変換を行なうことで電極駆動部105のラジアル駆動部及びスラスト駆動部への目標値Rm(k)を求め、その目標値Rm(k)に従って電極駆動部105により加工用電極101をラジアル方向及びスラスト方向へ移動させるように構成したので、電極駆動部105により加工用電極101を加工軌跡ベクトルRpに従いながらXYZ方向に移動させると同時に、その検出値ym(k)を目標値rに一致させ、安定な加工状態を実現することができる。このため、X軸、Y軸およびZ軸方向の高速応答性を実現することが可能となり、加工状態が不規則に変動している場合にも常に安定な加工状態を維持することができる。したがって、加工速度の改善、さらには加工精度の向上を実現することができる。
以上は、電極駆動部105のラジアル駆動部およびスラスト駆動部に電磁石を用いたが、スラスト駆動部においては加工用電極101や電極取付け部106の自重分をキャンセルするため永久磁石を追加し、永久磁石と電磁石とを組み合わせて電極駆動部105を構成してもよく、上記と同様の作用効果を奏する。
また、以上は、加工状態を平均極間電圧により検出することで極間制御系を構成した場合について説明したが、加工状態を放電パルスの無負荷時間により検出することで極間制御系を構成してもよく、上記と同様の作用効果を奏する。
また、以上は、比例+積分補償を行ったが、比例補償や比例+積分+微分補償などのフィードバック制御系やフィードフォワード制御系などを構成してもよく、上記と同様の作用効果を奏する。
参考例2
第5図は本発明の参考例2である放電加工装置を示す構成図である。第5図において、101〜104、501〜507、1202は従来例に示した構成と同じである。また、118、119、120は参考例1の構成と同一である。また、508はサーボアンプ1202、電極駆動部105の電磁石部へ電流を供給するための電流アンプ118、および加工用電源119へ指令値を与える制御装置である。第5図において、ヘッド部501、ヘッド駆動部502、コラム部503、コラム駆動部504、サドル部505、サドル駆動部506からなる位置調整部は、電極駆動部105の位置を調整する。電極駆動部105はヘッド部501に取付けられ、ヘッド部501はヘッド駆動部502によりZ軸方向へ駆動され、ヘッド駆動部502はコラム部503に取付けられ、コラム部503はコラム駆動部504によりY軸方向へ駆動され、コラム駆動部504はサドル部505に取付けられ、サドル部505はサドル駆動部506によりX軸方向へ駆動される。
ところで、電極駆動部105の駆動範囲は最大数百μm〜1mmくらいであり、加工を進めるうえでその駆動距離が不十分な場合がある。そこで、電極駆動部105とヘッド駆動部502、コラム駆動部504、サドル駆動部506からなる位置調整部とを協調動作させ、加工用電極101と被加工物102の相対位置を調整することで、実質的な駆動範囲を拡大することが可能となる。
第6図は本発明の参考例2である放電加工装置での放電加工状態を制御するための極間制御系のブロック図である。第6図において、第3図と同じ符号は同一または相当を示し、その説明を省略する。601は協調加工制御部、602は位置調整装置部であり、従来のXYZ駆動装置部に相当する。Uplは電極駆動装置部309への指令値、Upsは位置調整装置部602への指令値、Mpは電極駆動装置部309および位置調整装置部602により操作される電極操作量を示す。電極駆動装置部309への指令値Upl、位置調整装置部602への指令値Upsは、偏差eと加工軌跡ベクトルRpにより協調加工制御部601で求める。
すなわち、参考例1である放電加工装置における極間制御系では、加工制御部305で求められた指令値Upに基づき電極駆動装置部309により加工用電極101の位置を調整することで加工プロセスを制御するのに対し、この参考例2である放電加工装置における極間制御系では、協調加工制御部601で求められた指令値Up1及びUpsに基づき電極駆動装置部309及び位置調整装置部602により加工用電極101の位置を調整することで加工プロセスを制御するものである。位置調整装置部602は、例えばACモータとボールネジやリニアモータにより構成することで数百mm以上の駆動範囲を容易に実現することができる。したがって、電極駆動装置部309による加工用電極101の駆動範囲を超えるような加工においても、位置調整装置部602により電極駆動装置部309と被加工物102の相対位置を調整することにより、加工用電極101の駆動範囲を拡大することが可能である。
第7図は協調加工制御部601を詳しく示したブロック図である。図中、603は第1演算部、604は第2演算部、605は第3演算部である。第1演算部603において、電極駆動装置部309及び位置調整装置部602により加工プロセスを制御するため、目標値rと検出値ymとから求められた偏差eと加工軌跡ベクトルRpから加工用電極101の駆動されるべきXYZ座標系での指令値Upを求める。第2演算部604において、指令値Upに基づき電極駆動装置部609への指令値Uplを求める。また、第3演算部605において、指令値Upに基づき位置調整装置部602への指令値Upsを求める。第1演算部603、第2演算部604、第3演算部605における処理は以下で詳しく説明する。
第8図は第6図に示した極間制御系の動作内容を示す。極間制御は、一般にマイクロコンピュータによるソフトウエア処理で実現され、第8図ではk回目の処理を示している。第8図において、S401〜S403は参考例1に示したのものと同じである。S401は、第6図の加工状態検出部302での処理であり、放電加工プロセスの状態量yをたとえば極間平均電圧ym(k)として検出する。次に、S402では極間平均電圧ym(k)と目標値rから偏差eを求める。S403は、第7図の第1演算部603での処理に対応する。すなわち、偏差e(k)に対し比例+積分補償を行ない、補償して得られた量と加工軌跡ベクトルRpから指令値Up(k)を求める。ここで、kpは比例ゲイン、kiは積分ゲイン、Up(k)はXYZ軸方向のそれぞれの指令値であり、Up(k)は直交座標系(XYZ)で与えられる。S701は、第7図の第2演算部604及び第3演算部605での処理に対応する。すなわち、デジタルフィルタFpl(z−1)によりUp(k)にフィルタリングをして指令値Upl(k)を求める処理は第2演算部604で行なわれる。また、デジタルフィルタFps(z−1)によりUp(k)にフィルタリングをして指令値Ups(k)を求める処理は第3演算部605で行なわれる。デジタルフィルタFps(z−1)およびデジタルフィルタFpl(z−1)の特性は、電極駆動装置が加工状態を安定に制御しながら位置調整装置が加工の進行を補償できるように決定する。たとえば、デジタルフィルタFpl(z−1)はカットオフ周波数が数Hz程度のハイパスフィルタ特性、または数Hz程度から数百Hz程度が通過帯域となるバンドパスフィルタ特性、デジタルフィルタFps(z−1)はカットオフ周波数が数Hz程度のローパスフィルタ特性とする。なお、Up1(k)およびUps(k)はXYZ軸方向のそれぞれの指令値からなる。以上S403およびS701は、第6図の協調加工制御部601での処理である。S702は、第6図の電極駆動装置部309での処理、さらに厳密には第3図の電極駆動制御部306での処理に対応する。すなわち、S702では、Upl(k)からラジアル方向およびスラスト方向への座標変換を行い、ラジアル方向およびスラスト方向それぞれの目標値Rm(k)を求める。次に、目標値Rm(k)とラジアル方向およびスラスト方向位置検出部からの検出値Sm(k)より偏差Em(k)を求める。そして、偏差Em(k)に対して比例+積分補償を行い電流アンプへの指令値Uc(k)を求める。ここで、Tは座標変換行列、Kpmは比例ゲイン、Kimは積分ゲインでありS702での演算は行列演算の形でまとめて記述している。以上のソフトウェア処理は、第5図における制御装置508において実現される。
以上のように、本発明の参考例2である放電加工装置では、電極駆動装置部309および位置調整装置部602とが協調して、加工用電極101の位置を調整することで加工プロセスを制御する協調制御器601とを有することにより、電極駆動装置部309により安定な加工状態を実現すると同時に位置調整装置部602により加工の進行に追従して電極駆動装置の位置を調整することで、電極駆動部の駆動距離の制限を受けることなく、加工速度の改善、さらには加工精度の向上を実現することができる。
以上は、電極駆動部105をヘッド駆動部502、コラム駆動部504、サドル駆動部506から成る位置調整部によりXYZ軸方向へ駆動するように構成したが、コラム駆動部504、サドル駆動部506に替えて被加工物102をXYテーブルによりXY方向へ駆動すると共に、電極駆動部105をヘッド部501に取付け、ヘッド駆動部502によりZ軸方向へ駆動できるように構成してもよい。
また、以上は、極間制御のソフトウエア処理を一つのマイクロコンピュータで処理する場合を説明しているが、たとえば電極駆動装置部309におけるS702の処理を別のマイクロコンピュータを用いて極間制御を実現してもよく、上記と同様の作用効果を奏する。
また、以上は、加工状態を平均極間電圧により検出することで極間制御系を構成した場合について説明したが、加工状態を放電パルスの無負荷時間により検出することで極間制御系を構成してもよい。
また、以上は、比例+積分補償を行った場合について説明したが、比例補償や比例+積分+微分補償などのフィードバック制御系やフィードフォワード制御系などを構成してもよい。
参考例3
第9図は本発明の参考例3である放電加工装置での放電加工状態を制御するための極間制御系の一部であり、参考例2に示したものと異なる協調加工制御部のブロック図てある。第9図において、e、Rp、603〜605、Up1、Ups、の機能は実施の形態2に示したものと同じである。801は協調加工制御部、802はジャンプ動作設定部、803はジャンプ動作制御部、804はジャンプ動作モードと加工サーボモードを切替えるためのモード切替え部である。
Rjはジャンプ動作設定部802により設定されたジャンプアップ距離、ジャンプダウン時間、ジャンプ速度などのジャンプ動作設定値、Ujはジャンプ動作設定値Rjに基づいてジャンプ動作制御部803により生成されるジャンプ軌跡指令値、swjはジャンプモードと加工サーボモードを切り替えるためのモード切替え部804への信号、cjは電極駆動装置への指令値Uplをジャンプ動作モード中において一定に保持するたための第2演算部604への信号である。すなわち、ジャンプ動作は位置調整装置部602により行ない、加工サーボモード時の加工制御は電極駆動装置部309および位置調整装置部602が協調して行なう。
以上のように、本発明の参考例3である放電加工装置では、参考例2である放電加工装置を構成する第1演算部603、第2演算部604、第3演算部605に加えてジャンプ動作制御部803、ジャンプ動作と加工サーボを切り替えるためのモード切替え部804を有する協調加工制御部801及びジャンプ動作設定部802を有することにより、加工サーボモード時には実施の形態2である放電加工装置と同様に電極駆動装置部309および位置調整装置部602が協調して加工制御を行ない、ジャンプ動作モード時には位置調整装置部602によりジャンプ動作設定部802に設定されたジャンプ動作設定値Rjに基づいたジャンプ動作を行なう。従って、高速応答が可能な電極駆動装置部309により安定な加工状態を実現すると同時に位置調整装置部602により加工の進行に追従して電極駆動装置の位置を調整することで、電極駆動部の駆動距離の制限を受けることなく、加工速度の改善、加工精度の向上を実現することができる。さらに、電極駆動装置部309の駆動距離の制限を受けることなく、位置調整装置部602によるジャンプ動作により極間に滞在する加工屑を強制的に排出しながら加工することが可能であり、加工深さが深くなっても加工速度の改善、加工精度の向上を実現することができる。
参考例4
第10図は本発明の参考例4である放電加工装置での放電加工状態を制御するための極間制御系の一部であり、参考例2に示したものと異なる協調加工制御部のブロック図である。第10図において、e、Upl、Upsの意味するところは参考例2に示したものと同じである。901は協調加工制御部、902は揺動軌跡設定部、903は揺動制御部、904は加工軌跡設定部、905は加工制御部である。
Rvは揺動軌跡設定部902で設定されている揺動軌跡ベクトル、Rpは加工軌跡設定部904で設定されている加工軌跡ベクトル、cvは揺動軌跡と加工軌跡の同期をとるための信号である。揺動加工では、所定の深さに同期して加工電極101を数μm〜数百μmの大きさで、2次元平面上で円状や四角状などに拡大運動をさせたり、また所定の位置にて3次元曲面上で拡大運動をさせる。揺動軌跡設定部902には数μm〜数百μmの拡大運動からなる揺動軌跡ベクトルRvが設定され、加工軌跡設定部904には加工用電極101を所定の深さ、あるいは所定の位置に移動させるための加工軌跡ベクトルRpが設定される。
そして、偏差eと揺動軌跡ベクトルRvにより揺動制御部903で電極駆動装置部309への指令値Up1を求め、電極駆動部により加工用電極に拡大運動をさせ、安定な加工状態を維持しながら、揺動加工を実現する。また、偏差eと加工軌跡ベクトルRpより加工制御部904で位置調整装置部602への指令値Upsを求め、安定な加工状態を維持しながら所定の深さ、あるいは所定の位置に移動する。この時、揺動制御部903と加工制御部904は信号cvにより同期を取る。
以上のように、本発明の参考例4である放電加工装置では、揺動制御部903、加工制御部905を有する協調加工制御部901、揺動軌跡設定部902、および加工軌跡設定部904を有することにより、位置調整装置部602により加工軌跡設定部904に設定されている加工軌跡ベクトルRpに基づいて加工用電極101の位置を調整すると共に高速応答が可能な電極駆動装置部309により揺動軌跡設定部902で設定されている揺動軌跡ベクトルRvに基づいて揺動運動を行うことができる。したがって、高速応答が可能な電極駆動装置部309により安定な加工状態を維持した揺動運動を実現することが可能となり、加工速度の改善、加工精度の向上を実現することができる。
以上、協調加工制御部901に揺動制御部903を設けて、電極駆動部により揺動加工を行うようにしたが、揺動制御部903と参考例3で説明したジャンプ動作制御部803とを同時に協調加工制御部901に設け、位置調整部によりジャンプ動作を行いながら揺動加工を行うよう構成してもよい。
参考例5
第11図は本発明の参考例5である放電加工装置における電極駆動部を表す概略構成図である。第11図において、106〜117は参考例1に示したものと同じである。1001は電極取付け部106を回転させるためのモータ部、1002はモータ部1001に回転トルクを与える電磁石部、1003は電極取付け部106の回転角度と回転角速度のうち少なくとも1つあるいは両方を検出する回転検出部、1004は電極駆動部である。以上のように、モータ部1001及び電磁石部1002により回転駆動部を構成する。
第12図は第11図に示す電極駆動部を有する放電加工装置での極間制御系の一部であり、参考例1の第3図に示す電極駆動装置部309と異なる電極駆動装置部のブロック図である。第12図において、Up、Mp、306、307、Uc、Smの意味するところは参考例1に示したものと同じである。1101は電極駆動装置部、1102は回転設定部、1103は回転制御部、1104は電流アンプである。1105は第11図の電極駆動部1004に対応する。第12図において、Rrは回転角度と回転角速度のうち少なくとも一つまたは両方の回転設定値、Srは回転検出部1003により検出される検出値、Urは電流アンプへの指令値である。
今、回転設定部1102により、加工用電極101の回転角度Rrが設定されたとする。回転制御部1103は、回転検出部1003で検出された検出値Srが設定値Rrと一致するように電流アンプ1104への指令値Urを決定し、加工用電極101を所定の角度だけ回転させる。また、回転設定部1102により加工用電極101の回転角速度Rrが設定された場合、回転制御部1103は、回転検出部1003で検出された検出値Srが設定値Rrと一致するように電流アンプ1104への指令値Urを決定し、加工用電極101の回転角速度を制御する。
以上のように、本発明の参考例5である放電加工装置では、参考例1である放電加工装置の電極駆動部105及び電極駆動装置部309の構成に加えて、電極取付け部106を回転させるためのモータ部1001、モータ部1001に回転トルクを与える電磁石部1002、電極取付け部106の回転角度と回転角速度のうち少なくとも一つまたは両方を検出する回転検出部1003とから構成される電極駆動部1004と、回転設定部1102、回転制御部1103、電流アンプ1104とから構成される電極駆動装置部1101とを有することにより、回転設定部1102により設定された回転角度Rrに基づいて加工用電極101を所定の角度だけ回転させたり、回転設定部1102により、設定された回転角速度Rrに基づいて加工用電極101の回転角速度を制御することができる。すなわち、加工用電極101の回転位置割り出しや、加工用電極101を回転させながらの加工を実現することができると共に、高速応答が可能な電極駆動装置部1101により安定な加工状態を維持することができ、加工速度の改善、加工精度の向上を実現することができる。
以上の電極駆動装置部1101は、参考例2、3及び4である放電加工装置における電極駆動装置部に替えて放電加工装置を構成してもよい。
実施例1
第13図は本発明の実施例1である放電加工装置の概略を表す構成図である。第13図において、102〜104は従来例に示したものと同じである。また、111〜113、119〜122は参考例1に示したものと同じである。また、1501はワイヤ状加工用電極、1502はワイヤ状加工用電極1501を通すための貫通穴部、1503はワイヤ状加工用電極1501を保持あるいは送るための電極保持/送り部、1504はワイヤ状加工用電極1501をガイドする電極ガイド、1505は先端に電極保持/送り部1503を持ち貫通穴部1502を中央に有する電極取付け部、1506は加工用電源119から加工エネルギを供給するための給電部、1507および1508は電極取付け部1505をXY平面で支持するための軸受け部、1509は電極保持/送り部1503とスラスト電磁石部111及び112よりなる電極駆動部、1510は電極駆動部1509の電磁石部111および112へ電流を供給するための電流アンプ、1511は電極保持/送り部1503へ電流を供給するための電流アンプである。
第13図に示した放電加工装置は、ワイヤ状加工用電極1501を用いて、穴加工を連続的に効率よく行うことができる。すなわち、まずワイヤ状加工用電極1501を貫通穴部1502へ供給する。電極保持/送り部1503によりワイヤ状加工用電極1501を送り、電極先端を所定量だけ電極ガイド1504より送出した状態で電極を保持する。この状態で、加工用電源119よりワイヤ状加工用電極1501と被加工物102に加工エネルギを供給し、加工状態検出装置120と電極駆動部1509と制御装置121により極間制御を行いながら加工を行う。放電加工では一つの穴加工を行う毎にワイヤ状加工用電極1501が消耗し、電極ガイド1504より突き出した電極の長さが短くなる。したがって、電極ガイド1504より突き出した電極長さが次の穴加工を行うに十分な長さにない時は、電極保持/送り部1503により再びワイヤ状加工用電極1501を送り、電極先端を所定量だけ電極ガイド1504より送出した状態で電極を保持し、次の穴加工を行う。第14図は第13図に示す放電加工装置での放電加工状態を制御するための極間制御系、および電極供給制御系のブロック図である。
第14図において、第3図と同じ符号は同一または相当を示し、その説明を省略する。1601は加工軌跡設定部、1602は加工制御部、1603はスラスト駆動制御部、1604は電流アンプ部、1605はスラスト駆動部、1606はスラスト駆動制御部1603と電流アンプ部1604とスラスト駆動部1605とからなるスラスト駆動装置部、1607は電極供給量設定部、1608は電極供給制御部、1609は電流アンプ部、1610は電極保持/送り部、1611は電極供給量設定部1607と電極供給制御部1608と電流アンプ部1609と電極保持/送り部1610とからなる電極保持/送り装置部である。電流アンプ部1604は電流アンプ1510に、スラスト駆動部1605は電極駆動部1509から電極保持/送り部1503を除いた駆動部に、電流アンプ部1609は電流アンプ1511に、電極保持/送り部1610は電極保持/送り部1503にそれぞれ対応している。また、目標値設定部303、加工軌跡設定部1601、加工制御部1602、スラスト駆動制御部1603、電極供給量設定部1607、電極供給制御部1608は、制御装置121に構成される。また、rpは加工軌跡設定部1601で設定された加工深さ、zpはスラスト駆動制御部1603への位置指令値、Umcは電流アンプ部1604への電流指令値、Imcはスラスト駆動部1605へ供給される電流量、Smmはスラスト駆動装置部1606から得られる位置検出値、rlは電極供給量設定部1607で設定された電極供給量、Uscは電流アンプ部1609への電流指令値、Iscは電極保持/送り部1610へ供給される電流量、Ssmは電極保持/送り部1610から得られる位置検出値、Mpはスラスト駆動部1605および電極保持/送り部1610により操作される電極位置操作量を示す。
スラスト駆動装置部1606におけるスラスト駆動制御部1603への位置指令値zpは、偏差eと加工軌跡rpより加工制御部1602で求められる。位置指令値zpは、加工軌跡rpである加工深さは直交座標系(XYZ)で与えられるため、同じ直交座標系(XYZ)となる。また、位置検出値Smmはスラスト方向(z方向)の検出値である。また、スラスト駆動部1605では、第13図に示すように2個のスラスト電磁石により加工用電極を駆動する。したがって、スラスト駆動制御部1603では、位置指令値zpと位置検出値Smmと比較し、電流アンプ部1604への電流指令値Umcを求める。電流指令値Umcはスラスト電磁石部111および112用の2台の電流アンプに与えられる。
一方、電極保持/送り装置部1611における電流アンプ部1609への電流指令値Uscは、電極供給制御部1608により電極供給量設定部1607から得られる電極供給量rlと電極保持/送り部1610から得られる位置検出値Ssmを参照しながら電極保持あるいは送りの状況に応じて求められ、その指令値にしたがって電流量Iscが電極保持/送り部1610へ供給される。
第15図は、第14図に示した電極供給制御系の動作内容を示すフロー図である。電極供給制御系は、一般にマイクロコンピュータによるソフトウエア処理で実現される。なお、第14図に示した極間制御系の動作内容は参考例1におけるスラスト方向の制御と同様であるため説明を省略する。第15図において、S1701では現在、電極送りモードであるか電極保持モードであるかを判断する。電極保持モードの場合にはS1705において加工用電極を保持した状態を維持する。電極送りモードの場合にはS1702において加工用電極の先端が電極ガイド1504よりどれだけ突き出しているかを測定、または推定する。測定する場合は、たとえば電極先端をある規準位置と接触するまでスラスト駆動装置部1606により駆動することで、最初の位置とその駆動量より求めることができる。また、推定する場合には、あらかじめ使用する加工条件における電極消耗量を実測しておけば電極供給量rlから消耗量を差し引くことで求められる。S1703ではS1702で得られた値alと電極供給量rlより実際に電極を送り出すべき量を求め、S1704ではその求められた量だけ加工用電極を電極保持/送り部1610により送り出す。そして、S1705では加工用電極を保持する。
以上のように、この発明の実施例1である放電加工装置では、電極駆動部1509によれば、ワイヤ状加工用電極1501を保持する電極保持/送り部1503と電極取付け部1505をスラスト電磁石部111およびスラスト電磁石部112によりスラスト方向に非接触に駆動するように構成したので、ワイヤ状加工用電極1501と同時に駆動しなければならない部分の質量増加をおさえることができる。そして、スラスト方向の高応答性を実現することが可能となり、加工状態が不規則に変動している場合にも常に安定な加工状態を維持することができる。したがって、加工速度の改善、さらには加工精度の向上を実現することができる。さらに、電極保持/送り部1503によれば、ワイヤ状加工用電極1501を自動的に保持あるいは送ることができるため、穴加工を連続的に効率よく行うことができる。
第16図は本発明の実施例1である別の放電加工装置の特徴ある部分の概略を表す構成図である。第16図において、1801はワイヤ状加工用電極1501を巻いたボビン、1802はワイヤ状加工用電極1501を送出すための加工電極供給部、1803はワイヤ状加工用電極1501を適切な長さで切断するための電極切断部である。連続的に加工を行い、ワイヤ状加工用電極1501が消耗して短くなると、加工電極供給部によりワイヤ状加工用電極1501がボビン1801から自動的に貫通穴部1502へ挿入され、所定の長さを送出した後に電極切断部1803により切断される。そして、次の加工に備えて電極保持/送り部1503により所定の長さだけ電極を電極ガイド1504より送出した状態で電極を保持する。
以上のように、この発明の実施例1である別の放電加工装置では、ワイヤ状加工用電極を巻いたボビン1801と加工電極供給部1802と電極切断部1803により加工用電極の自動供給を可能とし、加工用電極が消耗した時の電極交換を自動で行うことができ、連続した穴加工の自動化を行うことができる。
以上は、電極駆動部1509によりワイヤ状加工用電極1501をスラスト方向に非接触に駆動するように構成したが、参考例2である放電加工装置のように電極駆動部1509の位置をX軸方向、Y軸方向、Z軸方向へ調整できる位置調整部と組み合わせてもよく、上記と同様の効果を奏するとともに実質的な駆動範囲を拡大することが可能となる。
また、以上は、電極駆動部1509によりワイヤ状加工用電極1501をスラスト方向に非接触に駆動するように構成したが、実施の形態5である放電加工装置のように電極取付け部1505を回転させるための回転駆動部を設けてもよく、上記と同様の効果を奏するとともに穴加工の場合に電極を回転させながら加工を行うことでより安定な加工を実現できる。
本発明は放電加工装置に適用され、加工用電極と同時に駆動しなければならない部分の質量増加をおさえ、X軸、Y軸、Z軸の高速応答性を実現することにより、加工速度、加工精度を改善するこができ、例えば穴加工には有効に利用することが可能である。
第1図は本発明の参考例1である放電加工装置の構成を表す断面図である。 第2図は第1図に示した放電加工装置における電極駆動部の電磁石部および位置検出部の配置を示す構成図である。 第3図は第1図に示した放電加工装置における極間制御系を示すブロック図である。 第4図は第3図に示した極間制御系の動作内容を示すフロー図である。 第5図は本発明の参考例2である放電加工装置の構成を表す構成図である。 第6図は第5図に示した放電加工装置における極間制御系を示すブロック図である。 第7図は第6図に示した極間制御系を詳しく示すブロック図である。 第8図は第5図に示した極間制御系の動作内容を示すフロー図である。 第9図は本発明の参考例3である放電加工装置における極間制御系の一部を示すブロック図である。 第10図は本発明の参考例4である放電加工装置における極間制御系の一部を示すブロック図である。 第11図は本発明の参考例5である放電加工装置における電極駆動手段を示す構成図である。 第12図は第11図に示す電極駆動手段を有する放電加工装置における極間制御系の一部を示すフロー図である。 第13図は本発明の実施例1である放電加工装置の概略を示す構成図である。 第14図は第13図に示す放電加工装置での放電加工状態を制御するための極間制御系、及び電極供給制御系のブロック図である。 第15図は第14図に示す電極供給制御系における動作内容を示すフロー図である。 第16図は本発明の実施例1である別の放電加工装置の特徴ある部分の概略を表す構成図である。 第17図は従来の放電加工装置を示す構成図である。 第18図は第17図に示した放電加工装置における極間制御系を示すブロック図である。
符号の説明
102 被加工物
111 スラスト電磁石部
112 スラスト電磁石部
113 スラスト方向位置検出部
119 加工用電源
120 加工状態検出装置
121 制御装置
122 放電加工プロセス
1501 ワイヤ状加工用電極
1502 貫通穴部
1503 電極保持/送り部
1504 電極ガイド
1505 電極取付け部
1509 電極駆動部
1510 電流アンプ
1511 電流アンプ
1601 加工軌跡設定部
1602 加工制御部
1603 スラスト駆動制御部
1604 電流アンプ部
1605 スラスト駆動部
1606 スラスト駆動装置部
1607 電極供給量設定部
1608 電極供給制御部
1609 電流アンプ部
1610 電極保持/送り部
1611 電極保持/送り装置部
1801 ボビン
1802 加工電極供給部
1803 電極切断部

Claims (3)

  1. ワイヤ状加工用電極を通すための貫通穴を有し、該電極の保持および送り機構を有する電極取付け手段と、
    該電極取付け手段をすくなくともスラスト方向に非接触に駆動するスラスト駆動手段とを有する電極駆動手段と、
    放電加工状態を検出する加工状態検出手段と、
    放電加工状態の制御目標を設定する目標値設定手段と、
    該加工状態検出手段により検出された検出値が該目標値設定手段により設定された目標値に一致するように該電極駆動手段により該加工用電極の位置を調製する加工制御手段と、
    該電極の保持あるいは送りを調整する電極供給制御手段とを有する
    ことを特徴とする放電加工装置。
  2. 上記電極駆動手段が有する貫通穴へワイヤ状加工用電極を自動で供給する加工電極自動供給手段を有する
    請求項1に記載の放電加工装置。
  3. 上記電極駆動手段は、上記電極取付け手段を回転させるための回転駆動手段を有する
    請求項1または請求項2に記載の放電加工装置。
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