JP2007006901A - 新規c型肝炎e1およびe2短縮型ポリペプチドならびにこれらを得る方法 - Google Patents

新規c型肝炎e1およびe2短縮型ポリペプチドならびにこれらを得る方法 Download PDF

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Abstract

【課題】短縮型の、分泌形態のC型肝炎ウイルスのE1およびE2タンパク質ならびにそれ
らの単離および組換え生成の提供。
【解決手段】C型肝炎ウイルス(HCV)E1ポリペプチドであって、宿主細胞内で組換え
により発現される場合に該ポリペプチドが増殖培地中に分泌され得るように、その膜スパ
ンドメインの全てまたは一部を欠く、ポリペプチドであって、1つの実施形態において、
前記ポリペプチドが、HCV1E1アミノ酸配列を参照して番号付けされるアミノ酸370付近か
ら始まるそのC末端の少なくとも一部を欠き、別の実施形態において、前記ポリペプチド
が、HCV1 E1アミノ酸配列を参照して番号付けされるアミノ酸360付近から始まるそのC末
端の少なくとも一部を欠く、ポリペプチド。
【選択図】なし

Description

発明の背景
技術分野
本発明は一般にウイルスタンパク質に関する。特に、本発明は、短縮型の、分泌形態の
C型肝炎ウイルスのE1およびE2タンパク質ならびにそれらの単離および組換え生成に関す
る。
発明の背景
C型肝炎ウイルス(HCV)は、ほとんどが輸血および性交渉により伝染する非経口非A
非B型肝炎の主因である。このウイルスは、血液提供者の0.4〜2.0%に存在する。慢性肝
炎が感染の約50%で発症し、これらのうち感染個体の約20%が肝硬変を発症する。肝硬変
はしばしば肝細胞ガンに至る。従って、この疾患の研究および管理は医学的に重要である
HCVのウイルスゲノム配列は、この配列を得る方法が公知であるため公知である。例えば、非特許文献1〜3を参照のこと。特に、HCVは、9.5kbの正センスの一本鎖RNAゲノムを有し、フラビウイルス科のウイルスの一員である。現在、系統発生分析に基づいて、6種類の区別されるが関連するHCVの遺伝子型が存在する(Simmondsら、J.Gen.Virol.(1993)74:2391-2399)。このウイルスは、3000を超えるアミノ酸残基を有する1つのポリタンパク質をコードする(Chooら、Science(1989)244:359-362;Chooら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1991)88:2451-2455;Hanら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1991)88:1711-1715)。このポリタンパク質は、翻訳と同時および翻訳後に、構造および非構造(NS)タンパク質の両者にプロセシングされる。
特に、N末端ヌクレオキャプシドタンパク質(「コア」と呼ばれる)ならびに2種類の
エンベロープ糖タンパク質、「E1」(Eとしても知られる)および「E2」(E2/NS1とし
ても知られる)からなる3種類の推定構造タンパク質が存在する。(E1およびE2を含むHC
Vタンパク質の論考については、Houghtonら、Hepatology(1991)14:381-388を参照のこと
。)E1は32〜35kDa種として検出され、約18kDaの単一エンドH−感受性バンドに変換され
る。対照的に、E2は、免疫沈降の際に、複数種の生成に合致する複雑なパターンを示す(
Grakouiら、J.Virol.(1993)67:1385-1395;Tomeiら、J.Virol.(1993)67:4017-4026)。こ
のHCVエンベロープ糖タンパク質E1およびE2は、共同免疫沈降し得る安定な複合体を形成
する(Grakouiら、J.Virol.(1993)67:1385-1395;Lanfordら、Virology(1993)197:225-235
;Ralstonら、J.Virol.(1993)67:6753-6761)。HCVE1およびE2糖タンパク質は、霊長類の
研究においてそれらが保護的であることが示されているため、非常に興味のあるものであ
る。(Chooら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1994)91:1294-1298)。
HCVビリオンのエンベロープは特徴付けられていないままである。このため、組換えcDN
Aテンプレートを用いる発現研究が、エンベロープ生合成の研究に現在利用可能な唯一の
手段である。E1およびE2は、安定に発現する場合、または一時的なワクシニアウイルス系
で発現する場合、細胞内に保持され、複合糖質を欠く(Spaeteら、Virology(1992)188:819
-830;Ralstonら、J.Virol.(1993)67:6753-6761)。E1およびE2タンパク質は、これらの発
現系において、通常、膜に結合するので、さらなる使用のためのこれらのタンパク質の精
製を容易にするために分泌形態を生成することが望ましい。
インフルエンザウイルス(Svedaら、Cell(1982)30:649-656;Gething および Sambrook
、Nature(1982)300:598-603)および水疱性口内炎ウイルス(RoseおよびBergmann、Cell(1
982)30:753-762)のウイルス細胞表面糖タンパク質の膜貫通ドメインを除去すると、哺乳
動物宿主細胞から短縮型糖タンパク質の分泌が生じることが見出されている。EPO公開第1
39,417号も参照のこと。同様に、バキュロウイルス細胞において発現する場合、短縮型サ
イトメガロウイルスgHが分泌される(1992年2月20日公開の国際公開WO92/02628号)。
哺乳動物細胞から分泌され得る、C末端短縮型HCVE2分子が記述されている。Spaeteら、V
irology(1992)188:819-830。しかし、E1の膜貫通アンカー領域はこれまで解明されておら
ず、従って、分泌のためのHCVE1の短縮型形態の生成は従来開示されていない。さらに、
短縮型の、分泌E1およびE2ポリペプチドの複合体は従来記述されていない。
この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては次のものがある。
国際公開第WO89/04669号パンフレット 国際公開第WO90/11089号パンフレット 国際公開第WO90/14436号パンフレット
(項目1)C型肝炎ウイルス(HCV)E1ポリペプチドであって、宿主細胞内で組換えによ
り発現される場合に該ポリペプチドが増殖培地中に分泌され得るように、その膜スパンド
メインの全てまたは一部を欠く、ポリペプチド。
(項目2)前記ポリペプチドが、HCV1 E1アミノ酸配列を参照して番号付けされるアミノ
酸370付近から始まるそのC末端の少なくとも一部を欠く、請求項1に記載のHCVポリペプ
チド。
(項目3)前記ポリペプチドが、HCV1 E1アミノ酸配列を参照して番号付けされるアミノ
酸360付近から始まるそのC末端の少なくとも一部を欠く、請求項2に記載のポリペプチ
ド。
(項目4)C型肝炎ウイルス(HCV)E2ポリペプチドであって、宿主細胞内で組換えによ
り発現される場合に該ポリペプチドが増殖培地内に分泌され得るように、その膜スパンド
メインの少なくとも一部を欠き、ここで、該ポリペプチドが、HCV1E2アミノ酸配列を参照
して番号付けされるアミノ酸730付近から始まるがしかしアミノ酸699付近を越えて伸びる
ことはないそのC末端の少なくとも一部を欠く、ポリペプチド。
(項目5)前記ポリペプチドがHCV1 E2アミノ酸配列を参照して番号付けされるアミノ酸7
25付近から始まるそのC末端の少なくとも一部を欠く、請求項4に記載のポリペプチド。
(項目6)前記ポリペプチドがHCV1 E2アミノ酸配列を参照して番号付けされるアミノ酸7
15付近から始まるそのC末端の一部を欠く、請求項4に記載のポリペプチド。
(項目7)請求項1に記載のHCVポリペプチドに対するコード配列を含有する、ポリヌク
レオチド。
(項目8)請求項2に記載のHCVポリペプチドに対するコード配列を含有する、ポリヌク
レオチド。
(項目9)請求項3に記載のHCVポリペプチドに対するコード配列を含有する、ポリヌク
レオチド。
(項目10)請求項4に記載のHCVポリペプチドに対するコード配列を含有する、ポリヌ
クレオチド。
(項目11)請求項5に記載のHCVポリペプチドに対するコード配列を含有する、ポリヌ
クレオチド。
(項目12)請求項6に記載のHCVポリペプチドに対するコード配列を含有する、ポリヌ
クレオチド。
(項目13)(a)請求項7に記載のポリヌクレオチド;および
(b)前記コード配列に作動可能に結合され、それにより該コード配列が宿主細胞
内で転写および翻訳され得る、制御エレメント;
を含有する、組換えベクター。
(項目14)(a)請求項8に記載のポリヌクレオチド;および
(b)前記コード配列に作動可能に結合され、それにより該コード配列が宿主細胞
内で転写および翻訳され得る、制御エレメント;
を含有する、組換えベクター。
(項目15)
(a)請求項9に記載のポリヌクレオチド;および
(b)前記コード配列に作動可能に結合され、それにより該コード配列が宿主細胞
内で転写および翻訳され得る、制御エレメント;
を有する、組換えベクター。
(項目16)
(a)請求項10に記載のポリヌクレオチド;および
(b)前記コード配列に作動可能に結合され、それにより該コード配列が宿主細胞
内で転写および翻訳され得る、制御エレメント;
を有する、組換えベクター。
(項目17)
(a)請求項11に記載のポリヌクレオチド;および
(b)前記コード配列に作動可能に結合され、それにより該コード配列が宿主細胞
内で転写および翻訳され得る、制御エレメント;
を有する、組換えベクター。
(項目18)(a)請求項12に記載のポリヌクレオチド;および
(b)前記コード配列に作動可能に結合され、それにより該コード配列が宿主細胞
内で転写および翻訳され得る、制御エレメント;
を有する、組換えベクター。
(項目19)請求項13に記載の組換えベクターで形質転換された宿主細胞。
(項目20)請求項14に記載の組換えベクターで形質転換された宿主細胞。
(項目21)請求項15に記載の組換えベクターで形質転換された宿主細胞。
(項目22)請求項16に記載の組換えベクターで形質転換された宿主細胞。
(項目23)請求項17に記載の組換えベクターで形質転換された宿主細胞。
24)請求項18に記載の組換えベクターで形質転換された宿主細胞。
(項目25)分泌HCVポリペプチドを生成する方法であって、該方法が、以下の工程:
(a)請求項19に記載の宿主細胞集団を提供する工程;および
(b)該細胞集団を該HCVポリペプチドが発現および分泌される条件下で培養する
工程;
を包含する、方法。
(項目26)分泌HCVポリペプチドを生成する方法であって、該方法が、以下の工程:
(a)請求項20に記載の宿主細胞集団を提供する工程;および
(b)該細胞集団を該HCVポリペプチドが発現および分泌される条件下で培養する
工程;
を包含する、方法。
(項目27)分泌HCVポリペプチドを生成する方法であって、該方法が、以下の工程:
(a)請求項21に記載の宿主細胞集団を提供する工程;および
(b)該細胞集団を該HCVポリペプチドが発現および分泌される条件下で培養する
工程;
を包含する、方法。
(項目28)分泌HCVポリペプチドを生成する方法であって、該方法が、以下の工程:
(a)請求項22に記載の宿主細胞集団を提供する工程;および
(b)該細胞集団を該HCVポリペプチドが発現および分泌される条件下で培養する
工程;
を包含する、方法。
(項目29)分泌HCVポリペプチドを生成する方法であって、該方法が、以下の工程:
(a)請求項23に記載の宿主細胞集団を提供する工程;および
(b)該細胞集団を該HCVポリペプチドが発現および分泌される条件下で培養する
工程;
を包含する、方法。
(項目30)分泌HCVポリペプチドを生成する方法であって、該方法が、以下の工程:
(a)請求項24に記載の宿主細胞集団を提供する工程;および
(b)該細胞集団を該HCVポリペプチドが発現および分泌される条件下で培養する
工程;
を包含する、方法。
(項目31)(a)C型肝炎ウイルス(HCV)E1ポリペプチドであって、宿主細胞内で組
換えにより発現される場合に該E1ポリペプチドが増殖培地中に分泌され得るように、その
膜スパンドメインの全てまたは一部を欠く、ポリペプチド;および
(b) C型肝炎ウイルス(HCV)E2ポリペプチドであって、宿主細胞内で組換えに
より発現される場合に該E2ポリペプチドが増殖培地中に分泌され得るように、その膜スパ
ンドメインの全てまたは一部を欠く、ポリペプチド;
を含有する、分泌E1/分泌E2複合体。
(項目32)前記E1ポリペプチドが、HCV1E1アミノ酸配列を参照して番号付けされるアミ
ノ酸370付近から始まるそのC末端の少なくとも一部を欠き、そして前記E2ポリペプチド
がHCV1 E2アミノ酸配列を参照して番号付けされたアミノ酸730付近から始まるそのC末端
の少なくとも一部を欠く、請求項31に記載の分泌E1/分泌E2複合体。
(項目33)前記E1ポリペプチドが、HCV1E1アミノ酸配列を参照して番号付けされるアミ
ノ酸360付近から始まるそのC末端の少なくとも一部を欠き、そして前記E2ポリペプチド
がHCV1 E2アミノ酸配列を参照して番号付けされたアミノ酸725付近から始まるそのC末端
の少なくとも一部を欠く、請求項31に記載の分泌E1/分泌E2複合体。
(項目34)薬学的に受容され得る賦形剤および請求項1に記載のHCV E1ポリペプチドを
含有する、ワクチン組成物。
(項目35)薬学的に受容され得る賦形剤および請求項4に記載のHCV E2ポリペプチドを
含有する、ワクチン組成物。
(項目36)薬学的に受容され得る賦形剤および請求項31に記載のHCV分泌E1/分泌E2
複合体を含有する、ワクチン組成物。
発明の要旨
本発明は、E1およびE2の小胞体(ER)への係留、ならびにE2とE1との共同沈降に重要な
、E1およびE2の配列の解明に基づく。従って、これらの配列の除去は、ER膜内に保持され
るよりもむしろ分泌される短縮型形態の糖タンパク質の生成に役立つ。さらに、短縮は、
E1と会合していないE2の精製およびE2と会合していないE1の精製を容易にする。短縮型E1
およびE2タンパク質は、一緒に発現するか、または発現後に組み合わされる場合、複合体
を形成し得る。
従って、1つの実施態様において、本発明は、宿主細胞において組換えにより発現する
場合、このポリペプチドが増殖培地中に分泌され得るようにその膜スパンドメインの全て
または一部分を欠くHCVE1ポリペプチドに関する。好ましい実施態様において、HCV E1ポ
リペプチドは、HCV1E1アミノ酸配列に関して番号付けられたアミノ酸370またはその付近
もしくはアミノ酸360またはその付近から始まるそのC末端の少なくとも一部分を欠く。
別の実施態様において、本発明は、宿主細胞において組換えにより発現する場合、この
ポリペプチドが増殖培地中に分泌され得るようにその膜スパンドメインの少なくとも一部
分を欠くHCVE2ポリペプチドに関する。ここで、このポリペプチドは、そのC末端の少な
くとも一部分を欠く。この欠失は、HCV1 E2アミノ酸配列に関して番号付けた場合、アミ
ノ酸730またはその付近から始まるがアミノ酸699付近を越えて伸びることはない。特に好
ましい実施態様において、HCVE2ポリペプチドは、HCV1 E2アミノ酸配列に関して番号付け
られたアミノ酸725付近から始まるそのC末端の少なくとも一部分を欠く。
本発明の他の実施態様は、上記ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、これらの
ポリヌクレオチドを含むベクター、このベクターで形質転換された宿主細胞、およびこの
ポリペプチドを組換えにより生成する方法に関する。
さらに別の実施態様において、本発明は、
(a)宿主細胞において組換えにより発現する場合、E1ポリペプチドが増殖培地中に分泌
され得るようにその膜スパンドメインの全てまたは一部分を欠くHCV E1ポリペプチド;お
よび
(b)宿主細胞において組換えにより発現する場合、E2ポリペプチドが増殖培地中に分泌
され得るようにその膜スパンドメインの全てまたは一部分を欠くHCV E2ポリペプチド、
を含む分泌E1/分泌E2複合体に関する。
好ましい実施態様において、この分泌E1/分泌E2複合体は、HCV1 E1アミノ酸配列に関
して番号付けられたアミノ酸360または370付近から始まるそのC末端の少なくとも一部分
を欠くE1ポリペプチド、およびHCV1E2アミノ酸配列に関して番号付けられたアミノ酸725
または730付近から始まるそのC末端の少なくとも一部を欠くE2ポリペプチドを含む。
なおさらなる実施態様において、本発明は、短縮型HCV E1および/またはE2ポリペプチ
ドならびに/あるいはE1およびE2ポリペプチドの複合体を含有するワクチン組成物に関す
る。
本発明のこれらおよび他の実施態様は、本明細書中の開示を考慮することにより、当業
者に容易に想起される。
発明の詳細な説明
本発明の実施は、他に示されない限り、当該技術分野の技術の範囲内にあるウイルス学
、微生物学、分子生物学および組換えDNA技術の通常の方法を用いる。このような技術は
、文献に十分に説明されている。例えば、Sambrookら、MolecularCloning: A Laboratory
Manual(第2版,1989);DNA Cloning: A Practical Approach,第IおよびII巻(D.Glover
編);OligonucleotideSynthesis(N.Gait編,1984);NucleicAcid Hybridization(B.Hames
および S.Higgins編,1985);Transcriptionand Translation(B.Hames および S.Higgin
s編, 1984);AnimalCellCulture(R.Freshney編, 1986);Perbal、A Practical Guide to
MolecularCloning(1984);FundamentalVirology,第2版, 第IおよびII巻(B.N.Fields
およびD.M.Knipe編)を参照のこと。
本明細書中に引用される全ての刊行物、特許および特許出願(前述のものであろうと後
掲のものであろうと)は、その全体が本明細書に参考として援用される。
本明細書および添付の請求の範囲で用いられる場合、単数形「a」、「an」および「the
」は、内容が他に明瞭に示されていない限り、複数の指示物を含む。
I.定義
本発明の説明において以下の用語が用いられ、それらは以下に示されるように定義され
ることを意図されている。
「E1ポリペプチド」は、HCVE1領域に由来する分子を意味する。このような分子は、こ
の領域から物理的に導かれ得、あるいは既知の配列に基づいて組換えまたは合成により生
成され得る。HCV1の成熟E1領域は、このポリタンパク質のアミノ酸192付近から始まり、
アミノ酸383付近まで続く(図1および2を参照)。アミノ酸173付近から191付近にかけて
はE1のシグナル配列として働く。従って、「E1ポリペプチド」は、シグナル配列を含む前
駆体E1タンパク質、またはこの配列を欠く成熟E1ポリペプチドのいずれか、あるいは異種
シグナル配列を有するE1ポリペプチドさえも意味する。さらに、本明細書中で明らかにさ
れるように、E1ポリペプチドは、アミノ酸360〜383位付近に生じるC末端膜アンカー配列
を含む。
「E2ポリペプチド」は、HCVE2領域に由来する分子を意味する。このような分子は、こ
の領域から物理的に導かれ得、あるいは既知の配列に基づいて組換えまたは合成により生
成させ得る。HCV1の成熟E2領域は、アミノ酸384〜385付近から始まると考えられる(図3
および4A〜4Cを参照)。シグナルペプチドはこのポリタンパク質のアミノ酸364付近
から始まる。従って、「E2ポリペプチド」は、シグナル配列を含む前駆体E2タンパク質、
またはこの配列を欠く成熟E2ポリペプチドのいずれか、あるいは異種シグナル配列を有す
るE2ポリペプチドさえも意味する。さらに、本明細書中で明らかにされるように、E2ポリ
ペプチドは、アミノ酸715〜730位付近で生じ、そしてアミノ酸残基746付近まで伸び得る
C末端膜アンカー配列を含む(Linら、J.Virol.(1994)68:5063-5073)。
HCV1に由来する代表的なE1およびE2領域を、それぞれ、図2および4A〜4Cに示す。
本発明の目的ため、E1およびE2領域は、開始メチオニンを1位として、HCV1のゲノムによ
ってコードされるポリタンパク質のアミノ酸番号について定義される。しかし、本明細書
で用いられる「E1ポリペプチド」または「E2ポリペプチド」という用語は、HCV1配列に限
定されないことに注意すべきである。これに関して、別のHCV単離体における対応のE1ま
たはE2領域は、この2つの単離体に由来する配列を、これらの配列が最大に整列するよう
な様式で整列させることにより容易に決定し得る。これは、バージニア大学生化学科から
入手可能なALIGN1.0(WilliamR.Pearson博士あて)のような多くのコンピュータ・ソフ
トウェア・パッケージのうちの任意のものを用いて行い得る。Pearsonら、Proc.Natl.Aca
d.Sci.USA(1988)85:2444-2448を参照のこと。
さらに、本明細書で用いられる「E1ポリペプチド」または「E2ポリペプチド」は、図に
示される通りの配列を有するポリペプチドに限定されない。実際、HCVゲノムは絶え間な
い変化の状態にあり、単離体の間で比較的高い程度の可変性を示す幾つかの可変ドメイン
を含む。本明細書中で立証されるように、重要なことは、ポリペプチドを小胞体に係留さ
せる領域が同定され、その結果このポリペプチドが分泌のためにこの配列の全てまたは一
部分を除去されるように改変され得ることである。これらの用語が、Simmondsら(J.Gen.V
irol.(1993)74:2391-2399)に記述されるHCVの6つの遺伝子型のうちの任意の遺伝子型を
有する単離体を含む、様々なHCV単離体のうちの任意の単離体に由来するE1およびE2ポリ
ペプチドを包含することは、容易に理解される。さらに、この用語は、生成方法に関わり
なく、組換えにより生成されたタンパク質および合成により生成されたタンパク質を含む
任意のこのようなE1またはE2タンパク質を包含する。
加えて、「E1ポリペプチド」および「E2ポリペプチド」という用語は、さらなる内部欠
失、付加および置換(一般的には、自然界で保存性である)のような本来の配列に対する
さらなる改変を含むタンパク質を包含する。これらの改変は、部位特異的変異誘発による
ように計画的であり得るか、あるいは自然に発生する変異事象によるように偶発的であり
得る。これらの改変の全ては、改変E1およびE2ポリペプチドがそれらの意図される目的の
ために機能する限り、本発明に包含される。従って、例えば、E1および/またはE2ポリペ
プチドがワクチン組成物に用いられる場合、改変は免疫学的活性(すなわち、このポリペ
プチドに対する抗体応答を誘発する能力)が失われないようなものでなければならない。
同様に、このポリペプチドが診断目的に用いられる場合、そのような能力が保持されなけ
ればならない。
「その膜スパンドメインの全てまたは一部分を欠く」E1またはE2ポリペプチドは、それ
ぞれ上に定義されるように、C末端を切断して、ポリペプチドを小胞体に会合させるため
に機能する膜アンカー配列の全てまたは一部分を欠失させたE1またはE2ポリペプチドであ
る。従って、このようなポリペプチドは、このタンパク質を発現する生物が培養される増
殖培地中に分泌され得る。短縮型ポリペプチドは、分泌を達成するために必要なだけの膜
アンカー配列を欠くことだけを必要とする。増殖培地中への分泌は、例えば、ポリアクリ
ルアミドゲル電気泳動などを含む多くの検出技術、および実施例に記述されるような免疫
沈降アッセイなどの免疫学的技術を用いて、容易に決定される。E1については、一般に、
(HCV1E1の番号付けに基づいて)アミノ酸370位付近およびそれより上位で終結するポリ
ペプチドはERによって保持され、そのため、増殖培地中に分泌されない。E2については、
(同様にHCV1E2配列の番号付けに基づいて)アミノ酸731位付近およびより上位で終結す
るポリペプチドはERによって保持され、分泌されない。これらのアミノ酸位置は絶対的で
はなく、ある程度変化し得ることに注意すべきである。
本明細書中に、可能な全てのC末端短縮物が例示されているわけではないが、例えばア
ミノ酸351、352、353などで終結するE1ポリペプチド、または例えばアミノ酸716、717、7
18などで終結するE2ポリペプチドのような間に起こる短縮物(intervneningtruncation)も
また本発明に包含されることが理解されるべきである。従って、組換えにより発現する場
合、増殖培地中に分泌され得る、アミノ酸369付近およびそれより下位で終結する全てのE
1ポリペプチド、ならびにアミノ酸730付近およびより下位で終結する全てのE2ポリペプチ
ドが本明細書中に捕捉されることを意図される。
さらに、C末端短縮物は、膜貫通スパンドメインを越えてN末端に広げ得る。このため
、例えば360より下位の位置で発生するE1短縮物、および例えば715より下位の位置で発生
するE2短縮物もまた本発明に包含される。必要なことは、短縮型E1およびE2ポリペプチド
が分泌され、そしてそれらの意図される目的について機能的なままであることである。し
かし、特に好ましいE2構築物は、アミノ酸699位を越えて広がらないC末端短縮物を有す
るE2構築物である。
「分泌E1/分泌E2複合体」は、E1タンパク質とE2タンパク質との複合体であって、その
各々が上述のように膜スパンドメインの全てまたは一部分を欠く複合体を指す。このよう
な複合体におけるE1とE2との会合の様式は重要ではない。実際、このような複合体は、単
に個々に生成された分泌E1およびE2タンパク質を混合することにより、自発的に形成し得
る。同様に、同時に発現する場合、分泌E1および分泌E2タンパク質は培地中において自発
的に複合体を形成し得る。「分泌E1/分泌E2複合体」の形成は、ポリアクリルアミドゲル
電気泳動のような標準的なタンパク質検出技術および免疫沈降のような免疫学的技術を用
いて、容易に決定される。
2つのポリヌクレオチドまたはタンパク質分子は、分子の規定された長さにわたって、
その分子に由来するヌクレオチドまたはアミノ酸の少なくとも約40〜50%、好ましくは少
なくとも約70〜80%、そして最も好ましくは少なくとも約85〜95%が一致する場合、「実
質的に相同」である。本明細書中で用いられる場合、実質的に相同は、特定の核酸または
タンパク質分子との同一性を示す配列を有する分子をも指す。実質的に相同な核酸分子は
、例えば、特定のシステムについて規定されるストリンジェントな条件下のサザンハイブ
リダイゼーション実験において同定され得る。適切なハイブリダイゼーション条件の規定
は、当該分野の技術の範囲内である。例えば、Sambrookら(前出);DNACloning, 第Iお
よびII巻(前出);NucleicAcid Hybridization(前出)を参照のこと。
「単離された」タンパク質またはポリペプチドは、自然界でそのタンパク質が通常会合
している生物全体から分離され、別々にされているタンパク質である。従って、無細胞抽
出物中に含まれるタンパク質は、合成または組換えにより生成されたタンパク質と同様に
、「単離された」タンパク質を構成する。同様に、「単離された」ポリヌクレオチドは、
自然界でその配列が一緒に見出される生物全体から分離され、別々にされている核酸分子
;または、自然界で通常それと会合する配列の全体もしくは一部分を欠いている配列;あ
るいは、自然界でそれが存在するままであるが、それと会合する異種配列(以下に定義さ
れる)を有する配列である。
「コード配列」または選択されたタンパク質を「コードする」配列は、適切な調節配列
の制御下に置かれた場合、インビトロまたはインビボでポリペプチドに転写(DNAの場合
)され、そして翻訳(mRNAの場合)される核酸配列である。コード配列の境界は、5’(
アミノ)末端の開始コドンおよび3’(カルボキシ)末端の翻訳停止コドンによって決定
される。コード配列には、ウイルスのヌクレオチド配列に由来するcDNAおよび合成DNA配
列が含まれるが、これらに限定されない。転写終止配列はコード配列に対して3’側に位
置し得る。
「ポリヌクレオチド」には、ウイルス配列、原核生物配列、ウイルスRNA、真核生物RNA
、真核生物mRNA由来のcDNA、真核生物(例えば、哺乳動物)DNA由来のゲノムDNA配列、お
よび合成DNA配列さえも包含されるが、これらに限定されない。また、この用語は、4−
アセチルシトシン、8−ヒドロキシ−N6−メチルアデノシン、アジリジニルシトシン、
シュードイソシトシン、5−(カルボキシヒドロキシメチル)ウラシル、5−フルオロウ
ラシル、5−ブロモウラシル、5−カルボキシメチルアミノメチル−2−チオウラシル、
5−カルボキシメチルアミノメチルウラシル、ジヒドロウラシル、イノシン、N6−イソ
ペンテニルアデニン、1−メチルアデニン、1−メチルシュードウラシル、1−メチルグ
アニン、1−メチルイノシン、2,2−ジメチルグアニン、2−メチルアデニン、2−メチ
ルグアニン、3−メチルシトシン、5−メチルシトシン、N6−メチルアデニン、7−メ
チルグアニン、5−メチルアミノメチルウラシル、5−メトキシアミノメチル−2−チオ
ウラシル、β−D−マンノシルクエオシン(β-D-mannosylqueosine)、5’−メトキシカ
ルボニルメチルウラシル、5−メトキシウラシル、2−メチルチオ−N6−イソペンテニ
ルアデニン、ウラシル−5−オキシ酢酸メチルエステル、ウラシル−5−オキシ酢酸、オ
キシブトキソシン、シュードウラシル、クエオシン、2−チオシトシン、5−メチル−2
−チオウラシル、2−チオウラシル、4−チオウラシル、5−メチルウラシル、N−ウラ
シル−5−オキシ酢酸メチルエステル、ウラシル−5−オキシ酢酸、シュードウラシル、
クエオシン、2−チオシトシン、および2,6−ジアミノプリンなどの、しかしこれらに限
定されない、DNAおよびRNAの任意の公知の塩基アナログを含む配列も含む。
「制御エレメント」は、宿主細胞においてコード配列の転写および翻訳を集合的に提供
する、プロモーター配列、リボゾーム結合部位、ポリアデニル化シグナル、転写終結配列
、上流調節ドメイン、エンハンサーなどを集合的にいう。所望の遺伝子が転写され、かつ
翻訳され得る限り、これらの制御エレメントの全てが組換えベクター中に常に存在する必
要はない。
RNAポリメラーゼがプロモーター配列に結合し、そしてコード配列をmRNA(これは、次
に、このコード配列によってコードされるポリペプチドに翻訳される)に転写する際、制
御エレメントは細胞においてコード配列の「転写を指向させる」。
「作動可能に連結する」は、そのように記載される構成エレメントがそれらの通常の機
能を発揮するように配置(configure)されるエレメントの配列(arrangement)をいう。従っ
て、コード配列に作動可能に連結される制御エレメントは、RNAポリメラーゼが存在する
場合に、そのコード配列の発現をもたらし得る。制御エレメントは、それらがコード配列
の発現を指向させるように機能する限り、コード配列に隣接する必要はない。従って、例
えば、プロモーター配列とコード配列との間に翻訳されないが転写される介在配列が存在
し得、そしてこのプロモーター配列は依然としてコード配列に「作動可能に連結」してい
るものと考えられる。
核酸分子を記載するために本明細書において用いられる用語「組換え」は、その起源ま
たは操作によって、(1)天然においてそれが結合するポリヌクレオチドの全てまたは一
部と結合していない;および/または(2)天然においてそれが結合しているポリヌクレ
オチド以外のポリヌクレオチドに結合している、ゲノム、cDNA、半合成または合成起源の
ポリヌクレオチドを意味する。タンパク質またはポリペプチドに関して用いられる用語「
組換え」は、組換えポリヌクレオチドの発現により生成されるポリペプチドを意味する。
単一細胞物として培養される原核微生物または真核細胞株を示す「組換え宿主細胞」、「
宿主細胞」、「細胞」、「細胞株」、「細胞培養物」およびその他のそのような用語は相
互に交換可能に用いられ、組換えベクターまたは他の転移DNAのレシピエントとして用い
られ得、または用いられている細胞をいい、そしてトランスフェクトされている元の細胞
の子孫を含む。単一の親細胞の子孫が、偶然のまたは故意の変異に起因して、形態学的に
、あるいは元の親に対するゲノムまたは全DNA相補性(complement)において、完全に同一
である必要がないことが理解される。所望のペプチドをコードするヌクレオチド配列の存
在のような関連のある特性によって特徴付けられて、親に十分に類似する親細胞の子孫は
、この定義より意図される子孫に包含され、そして上記用語によって含まれる。
「ベクター」は、結合されたセグメントの複製および/または発現が生じるようにその
内部に異種ポリヌクレオチドセグメントが結合される、プラスミド、トランスポゾン、フ
ァージなどのレプリコンである。
「脊椎動物被験体」は、ヒトならびに、チンパンジーおよび他の類人猿およびサル種の
ような非ヒト霊長類;ウシ、ヒツジ、ブタ、ヤギおよびウマのような家畜;イヌおよびネ
コのような家禽;マウス、ラットおよびモルモットのような齧歯類を含む実験動物;ニワ
トリ、七面鳥および他のキジ類鳥類、アヒル、ガチョウなどの家禽、野鳥および競技用鳥
を含む鳥類を含むが、これらに限定されない亜門の任意のメンバーを意味する。この用語
は特定の年齢は示さない。従って、成体および新生個体の両者が含まれることが意図され
る。上記のシステムは任意の上記脊椎動物種において用いられることが意図される。なぜ
なら、これは、これらの脊椎動物全ての免疫系が同様に作動するからである。
II.発明の実施様式
本発明は、C末端が短縮されており、その結果、宿主細胞内で組換えにより生成したと
きに、増殖培地中に分泌され得る新規E1およびE2ポリペプチドの発見に基づく。この分泌
されたポリペプチドはまた、驚くべきことに、互いに複合体を形成し得る。本明細書中に
示されるように、E1およびE2の共同沈降する能力は膜スパンドメイン(membranespanning
domain)除去の際に失われるため、この相互作用は予期されない。
特に、E2/NS2領域を含む順次伸長されたテンプレートの過性トランスフェクションの分
析により、異なるC末端を有する3種類のE2種についての証拠が提供された。形態の1つ
は、より大きな2つの種がそれぞれアミノ酸809および1026で終結する下流のNS2AおよびN
S2A/NS2Bタンパク質との融合体を示したのに対して、アミノ酸729で終結するE2であった
。同じE2テンプレートを用いて、E1の共同免疫沈降に重要であるE2の領域が規定され、こ
れはまたE2の分泌を妨げる。同様に、E1の膜スパンドメインが同定された。
より具体的には、おそらくE1をER膜へアンカーするように作用する膜スパンドメインが
、アミノ酸360〜383位付近に同定されている。この膜スパンドメインの部分を欠く、多く
のC末端短縮型E1ポリペプチドが構築されている。(図5を参照のこと)。アミノ酸370
位およびそれ以降で終結するE1ポリペプチドは、組換えにより発現したときに、増殖培地
内に分泌されないことが見出されている。
同様に、図6に示されるC末端短縮物を含む一連のE2分子を組換えにより発現させ、そ
して形質転換細胞由来の培養培地をE2ポリペプチドの存在について試験して、どの短縮構
築物が分泌可能であるかを決定した。730位以降のアミノ酸で終結する分子は増殖培地中
に分泌されず、そしておそらくER膜内に保持されることが見出されている。(アミノ酸73
0位で終結する構築物について、少量の分泌が観察されることに留意すべきである)。E2
の分泌とそのE1との会合との間の逆の関係も見出されている。従って、分泌可能なE2ポリ
ペプチドは、溶解物由来のE1と共同沈降しないが、分泌されないE2ポリペプチドは、溶解
物由来のE1と共同沈降する。
しかし、驚くべきことに、E1およびE2ポリペプチドの分泌形態が同時発現される場合、
分泌されたポリペプチドは、E1またはE2のいずれかに対する抗体を用いて検出可能な複合
体を形成し得る。このような複合体形成は、それが、C末端膜アンカーの除去にもかかわ
らず、それらの相互作用のために重要なE1およびE2の領域が保持されることを示すので、
重要である。
これらの発見は、E1、E2および分泌されたE1/E2複合体を、将来的に使用するために精
製する効率的な方法を提供する。特に、分泌されたタンパク質は、細胞内で発現されたタ
ンパク質よりも容易に精製される。同様に、上述のように、天然のE1およびE2タンパク質
は複合体を形成することが知られているので、本明細書に記載される発明は、他方のタン
パク質を含まないE1またはE2のいずれかを得る方法を提供する。さらに、E1/E2複合体が
所望であれば、自発的な複合体形成のために、分泌されたタンパク質は同時発現されるか
または一緒に混合(培地中で、あるいは精製または半精製形態で)され得る。
短縮E1およびE2ポリペプチドを、様々な技術を用いて生成し得る。例えば、当該分野に
おいて周知の組換え技術を用いてポリペプチドを生成し得る。これに関して、HCVゲノム
の既知の配列に基づいてオリゴヌクレオチドプローブを案出し、そしてゲノムまたはcDNA
ライブラリーをE1およびE2遺伝子についてのプローブするために用い得る。次いで、この
遺伝子を標準技術を用いてさらに単離し、そして例えば、制限酵素を用いて完全長配列の
所望の部分でこの遺伝子を切断し得る。同様に、フェノール抽出のような公知技術を用い
て、E1およびE2遺伝子をこれらを含む細胞および組織から直接単離し、そしてこの配列を
さらに操作して所望の短縮物を生じ得る。DNAの取得および単離に用いられる技術の記載
については、例えば、Sambrookら(前出)を参照のこと。最後に、短縮型E1およびE2ポリ
ペプチドをコードする遺伝子を、既知の配列に基づいて、合成により生成し得る。ヌクレ
オチド配列を、所望の特定アミノ酸配列に対する適切なコドンを用いて設計し得る。一般
には、その配列を発現させることが意図される宿主のために好ましいコドンが選択される
。完全な配列は、一般に、標準法により調製された重複オリゴヌクレオチドから組み立て
られ、そして完全なコード配列に組み立てられる。例えば、Edge(1981)Nature292:756;N
ambairら、(1984)Science223:1299;Jayら、(1984)J.Biol.Chem.259:6311を参照のこと
一旦所望のタンパク質に対するコード配列が単離されるかまたは合成されると、それら
を発現のための任意の適切なベクターまたはレプリコンにクローン化し得る。多くのクロ
ーニングベクターが当業者に公知であり、そして適当なクローニングベクターの選択は好
みの問題である。クローニングのための組換えDNAベクターおよびそれらが形質転換可能
な宿主細胞の例には、バクテリオファージλ(E. coli)、pBR322(E. coli)、pACYC177
(E.coli)、pKT230(グラム陰性細菌)、pGV1106(グラム陰性細菌)、pLAFR1(グラム
陰性細菌)、pME290(非E.coliグラム陰性細菌)、pHV14(E.coliおよびBacillus subti
lis)、pBD9(Bacillus)、pIJ61(Streptomyces)、pUC6(Streptomyces)、YIp5(Sacc
haromyces)、YCp19(Saccharomyces)およびウシパピローマウイルス(哺乳動物細胞)
が含まれる。一般的には、DNACloning:第IおよびII巻(前出);Sambrookら(前出);B.Per
bal(前出)を参照のこと。
バキュロウイルス系のような昆虫細胞発現系も使用され得、そして当業者に公知であり
、例えば、SummersおよびSmith,TexasAgricultural Experiment Station BulletinNo.15
55(1987)に記載されている。バキュロウイルス/昆虫細胞発現系のための材料および方法
は、とりわけInvitrogen,SanDiego CAからキット形態(「MaxBac」キット)で市販され
ている。
Tomeiら、J.Virol.(1993)67:4017-4026およびSelbyら、J.Gen.Virol.(1993)74:1103-11
13に記載されるワクシニアベースの感染/トランスフェクション系のようなウイルス系も
、本発明に関して用途が見出される。この系においては、まず、バクテリオファージT7RN
Aポリメラーゼをコードするワクシニアウイルス組換え体を用いて、細胞をインビトロで
トランスフェクトする。このポリメラーゼは、T7プロモーターを有するテンプレートのみ
を転写する卓越した特異性を示す。感染の後、T7プロモーターによって駆動された目的の
DNAで細胞をトランスフェクトする。ワクシニアウイルス組換え体から細胞質中で発現さ
れたポリメラーゼは、トランスフェクトされたDNAをRNAに転写し、次いでこのRNAは宿主
の翻訳機構によりタンパク質に翻訳される。この方法は、多量のRNAおよびその翻訳産物
の高レベルの一過性細胞質生成を提供する。
遺伝子をプロモーター、リボソーム結合部位(細菌性発現のために)および、任意に、
オペレーター(本明細書において集合的に「制御」エレメントといわれる)の制御下に置
き、この発現構築物を含有するベクターで形質転換された宿主細胞において、所望のE1ま
たはE2ポリペプチドをコードするDNA配列をRNAに転写し得る。コード配列は、シグナルペ
プチドまたはリーダー配列を含有していてもいなくてもよい。本発明に関しては、天然に
生じるシグナルペプチドまたは異種配列の両方を用い得る。リーダー配列は、翻訳後プロ
セシングにおいて、宿主によって除去され得る。米国特許第4,431,739号;同第4,425,437
号;同第4,338,397号を参照のこと。
宿主細胞の増殖に比較して、タンパク質配列の発現の調節を可能にする他の調節配列も
望ましくあり得る。このような調節配列は当業者に公知であり、その例には、調節化合物
の存在を含む、化学的または物理的刺激に応答して遺伝子の発現の開始または停止を引き
起こす調節配列が含まれる。他のタイプの調節エレメント、例えばエンハンサー配列、も
ベクター内に存在し得る。
制御配列および他の調節配列は、上記のクローニングベクターのようなベクターに挿入
する前に、コード配列に連結され得る。あるいは、すでに制御配列および適切な制限部位
を含有する発現ベクターに、コード配列を直接クローン化し得る。
いくつかの場合には、コード配列を、それが適切な方向で制御配列に結合され得るよう
に、すなわち、適切なリーディングフレームを維持するために、改変することが必要であ
り得る。E1またはE2タンパク質の変異体またはアナログを生成することがまた、望ましく
あり得る。変異体またはアナログは、タンパク質をコードする配列の一部を欠失させるこ
とにより、配列の挿入により、および/または配列内の1以上のヌクレオチドの置換によ
り調製され得る。部位特異的変異誘発のようなヌクレオチド配列を改変するための技術は
、当業者に周知である。Sambrookら(前出);DNACloning,第IおよびII巻(前出);Nuc
leic AcidHybridization(前出)を参照のこと。
次に、発現ベクターを適切な宿主細胞の形質転換に用いる。多くの哺乳動物細胞株が当
該分野において公知であり、そしてこれには、これらに限定されるものではないが、チャ
イニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、HeLa細胞、ベビーハムスター腎臓(BHK)細胞、サ
ル腎臓細胞(COS)、ヒト肝細胞ガン細胞(例えば、HepG2)、Madin-Darbyウシ腎臓(「
MDBK」)細胞およびその他のようなアメリカンタイプカルチャーコレクション(ATCC)か
ら入手可能な不死化細胞株が含まれる。同様に、E.coli、Bacillus subtilis、およびStr
eptococcus spp.のような細菌宿主に、本発明の発現構築物に関して用途が見出される。
本発明において有用な酵母宿主には、とりわけ、Saccharomycescerevisiae、Candida alb
icans、Candidamaltosa、Hansenula polymorpha、Kluyveromycesfragilis、Kluyveromyc
es lactis、Pichiaguillerimondii、Pichia pastoris、Schizosaccharomycespombeおよ
びYarrowialipolyticaが含まれる。バキュロウイルス発現ベクターと共に用いる昆虫細
胞には、とりわけ、Aedesaegypti、Autographacalifornica、Bombyx mori、Drosophila
melanogaster、Spodopterafrugiperda、およびTrichoplusianiが含まれる。選択された
発現系および宿主により、上記発現ベクターで形質転換された宿主細胞を、目的のタンパ
ク質が発現される条件下で増殖させることにより本発明のタンパク質が生成される。次い
で、このタンパク質を宿主細胞から単離して精製する。本発明はE1およびE2ポリペプチド
の分泌を提供するので、タンパク質を培地から直接精製し得る。適切な増殖条件および回
収方法の選択は当該技術分野の技術の範囲内にある。
本発明のE1およびE2ポリペプチドはまた、既知アミノ酸配列に基づいて、タンパク質合
成の従来の方法を用いて生成し得る。一般に、これらの方法は成長するペプチド鎖への1
以上のアミノ酸の逐次付加を用いる。通常、最初のアミノ酸のアミノ基またはカルボキシ
ル基のいずれかが適切な保護基で保護される。次いで、保護された、または誘導体化され
たアミノ酸を、適切に保護された相補(アミノまたはカルボキシル)基を有する配列中の
次のアミノ酸を付加することにより、アミド結合の形成を可能にする条件下で、不活性固
体支持体に結合させるか、または溶液中で利用し得る。次に、新たに付加されたアミノ酸
残基から保護基を除去した後、次の(適切に保護された)アミノ酸を付加し、以下同様。
所望のアミノ酸を正しい配列に結合した後、あらゆる残留保護基(および、固相合成技術
が用いられる場合にはあらゆる固体支持体)を順次または同時に除去して最終ポリペプチ
ドを得る。この一般的な手順の簡単な改変により、例えば、保護されたトリペプチドを適
正に保護されたジペプチドと(キラル中心をラセミ化しない条件下で)カップリングさせ
て、脱保護後にペンタペプチドを形成することにより、1つより多くのアミノ酸を同時に
成長鎖に付加し得る。例えば、固相ペプチド合成技術については、J.M.StewartおよびJ.D
.Young,SolidPhasePeptide Synthesis,第2版, Pierce Chemical Co.,Rockford,IL(1984
)ならびにG.BaranyおよびR.B.Merrifield,ThePeptides:Analysis,Synthesis,Biology,E.
GrossおよびJ.Meienhofer編,第2巻, AcademicPress,New York(1980),3-254頁;そして
古典的溶液合成については、M.Bodansky,Principles of PeptideSynthesis,Springer-Ver
lag,Berlin(1984)ならびにE.GrossおよびJ.Meienhofer編,ThePeptides:Analysis,Synthes
is,Biology,前出,第1巻を参照のこと。
上に説明されるように、本発明は、分泌E1/分泌E2複合体の製造方法も提供する。この
ような複合体は、例えば、E1およびE2短縮タンパク質をコードする構築物で宿主細胞を同
時トランスフェクトすることにより、容易に生成し得る。同時トランスフェクションは、
トランスまたはシスのいずれか、すなわち、別々のベクターを用いることにより、または
E1およびE2遺伝子の両方を有する単一のベクターを用いることにより達成され得る。単一
のベクターを用いて行う場合には、両方の遺伝子を一組の制御エレメントで駆動させ得、
あるいは、これらの遺伝子が、ベクター上に、個別の制御エレメントで駆動される個別の
発現カセット内に存在し得る。発現に続いて、分泌されたE1およびE2タンパク質が自発的
に会合する。あるいは、別々に生成した、精製または半精製形態のいずれかの個々のタン
パク質を一緒に混合することにより、あるいは、タンパク質を発現する宿主細胞が培養さ
れた培養培地を混合することによってさえも複合体を形成し得る。
本発明の新規の分泌されたE1およびE2ポリペプチド、それらの複合体、またはそれらをコ
ードするポリヌクレオチドは、多くの診断および治療目的のために用い得る。例えば、こ
のタンパク質およびポリヌクレオチドを、様々なアッセイにおいて用いて、HCV疾患の診
断を助けるために生物学的サンプル中のE1およびE2タンパク質の存在を決定し得る。E1お
よびE2ポリペプチドならびにこのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドはまた、個
別に、または組み合わせて、ワクチン組成物、例えば、予防(すなわち、感染を予防する
ための)または治療(感染後にHCVを治療するための)ワクチンにおいて用い得る。実際
、このような分泌されたエンベロープ糖タンパク質は、免疫応答の生成において、分泌可
能な分子が対応する細胞内タンパク質よりも有効であり得る核酸免疫において特に有用で
ある。これらのワクチンは、1より多いウイルス単離物由来のE1およびE2タンパク質のよ
うな、1以上のE1およびE2タンパク質(またはこれらのタンパク質をコードするヌクレオ
チド配列)の混合物を含み得る。このワクチンはまた、他の抗原および免疫調節剤、例え
ば、IL-2、改変IL-2(cys125→ser125)、GM-CSF、IL-12、γ−インターフェロン、IP-10
、MIP1βおよびRANTESを含むがこれらに限定されない、免疫グロブリン、サイトカイン、
リンホカイン、およびケモカインと組み合わせて投与され得る。
ワクチンは、一般に、水、生理食塩水、グリセロール、エタノールなどの、1以上の「
薬学的に受容可能な賦形剤またはビヒクル」を含有する。さらに、このようなビヒクル中
には、加湿剤または乳化剤、pH緩衝化物質などの補助物質が存在し得る。
それ自体が組成物を受ける個体に対して有害な抗体の生成を誘導しない分子であるキャ
リアが任意に存在する。適切なキャリアは、代表的には、タンパク質、多糖、ポリ乳酸、
ポリグリコール酸、ポリマーアミノ酸、アミノ酸コポリマー、(油滴またはリポソームの
ような)脂質凝集物、および不活性ウイルス粒子のような、大きな、徐々に代謝される巨
大分子である。このようなキャリアは当業者に周知である。さらに、HCVポリペプチドを
、ジフテリア、破傷風、コレラなどに由来するトキソイドのような細菌性トキソイドと結
合させ得る。
アジュバントもまたワクチンの有効性を増強するために用い得る。このようなアジュバ
ントには、(1)水酸化アルミニウム、リン酸アルミニウム、硫酸アルミニウムなどのア
ルミニウム塩(alum);(2)例えば(a)Model110Y微小流動体化装置(microfluidiz
er、Microfluidics,Newton,MA)のような微小流動体化装置を用いてサブミクロン粒子に
処方された、5%Squalene、0.5%Tween80、および0.5%Span85を含有する(必要ではな
いが、様々な量のMTP-PE(下記参照)を任意に含有する)MF59(国際公開第WO90/14837号
)、(b)サブミクロンエマルジョンに微小流動体化されるか、またはより大きな粒径の
エマルジョンが生じるようにボルテックスされるかのいずれかの、10%Squalane、0.4%T
ween80、5%pluronic−ブロックポリマーL121、およびthr-MDP(下記参照)を含有するS
AF、ならびに(c)2%Squalene、0.2%Tween80、ならびのモノホスホリリピッドA(MP
L)、トレハロースジミコレート(TDM)、および細胞壁骨格(CWS)から選択される1以
上の細菌細胞壁成分、好ましくはMPL+CWS(DetoxTM)を含有するRibiTMアジュバント
システム(RAS)(RibiImmunochem,Hamilton, MT)のような(ムラミルペプチド(下記参
照)または細菌細胞壁成分のような他の特定の免疫刺激剤を含み、または含まない)水中
油エマルジョン製剤;(3)アジュバント、StimulonTM(CambridgeBioscience,Worcest
er,MA)またはISCOM(免疫刺激複合体)のようなそれらから生成する粒子サポニンを使用
し得る;(4)完全フロイントアジュバント(CFA)および不完全フロイントアジュバン
ト(IFA);(5)インターロイキン(IL-1、IL-2など)、マクロファージコロニー刺激
因子(M-CSF)、腫瘍壊死因子(TNF)などのサイトカイン;ならびに(6)組成物の有効
性を増強する免疫刺激剤として作用する他の物質が含まれるが、これらに限定されない。
alumおよびMF59が好ましい。
ムラミルペプチドには、N−アセチル−ムラミル−L−トレオニル−D−イソグルタミ
ン(thr-MDP)、N−アセチル−ノルムラミル−L−アラニル−D−イソグルタミン(N-ac
teyl-normuramyl-L-alanyl-D-isogluatme)(nor-MDP)、N−アセチルムラミル−L−ア
ラニル−D−イソグルタミニル−L−アラニン−2−(1’−2’−ジパルミトイル−s
n−グリセロ−3−ヒドロキシホスホリルオキシ)−エチルアミン(N-acetylmuramyl-L-a
lanyl-D-isogluatminyl-L-alanine-2-(1'-2'-dipalmitoyl-sn-glycero-3-huydroxyphosph
oryloxy)-ethylamine)(MTP-PE)などが含まれるが、これらに限定されない。
典型的に、ワクチン組成物は、溶液またば懸濁液のいずれかとして注射可能に調製され
る;液体ビヒクル中の溶液または懸濁液に適切な固体形態もまた注射の前に調製され得る
。調製物はまた、上記のように、増強されるアジュバント効果のためにリポソーム中に乳
化もしくはカプセル化され得る。
ワクチンは、治療有効量のE1および/またはE2短縮型タンパク質、またはこのタンパク
質の複合体、またはタンパク質をコードするヌクレオチド配列、ならびに上記成分の他の
いかなるものも必要に応じて包含する。「治療有効量」は、投与される個体において免疫
学的応答を誘導するE1および/またはE2短縮型タンパク質の量を意味する。このような応
答は、一般に、被験体における、ワクチンに対する分泌性免疫応答、細胞性免疫応答およ
び/または抗体媒介性免疫応答の発生を生じる。通常、このような応答には、以下の効果
の1つ以上が含まれるが、これらに限定されない;免疫グロブリンA、D、E、Gまたは
Mのような任意の免疫学的クラスに由来する抗体の生成;BおよびTリンパ球の増殖;免
疫学的細胞に対する活性化シグナル、増殖シグナルおよび分化シグナルの供給;ヘルパー
T細胞、抑制T細胞、および/または細胞障害性T細胞および/またはγδT細胞集団の
拡張。
好ましくは、有効量は疾患症状の処置または予防をもたらすに十分な量である。必要と
される正確な量は、処置される被験体に依存して変化する;特に、処置される個体の年齢
および一般的な状態;個体の免疫系が抗体を合成し得る能力;所望の防御の程度;処置す
る状態の重篤度;選択される特定のHCVポリペプチド、およびその投与様式。適切な有効
量は当業者により容易に決定され得る。「治療有効量」は、日常的な試行により決定され
得る比較的広範な範囲内にある。
一旦処方されると、ワクチンは、通常、非経口的に、例えば、皮下または筋肉内のいず
れかで注射することにより投与される。他の投与様式に適切なさらなる処方物には、経口
処方物および肺処方物、坐剤、ならびに経皮塗布物が含まれる。投薬処置は、単回用量ス
ケジュールまたは複数回用量スケジュールであり得る。ワクチンは、他の免疫調節剤と組
み合わせて投与され得る。
上に説明するように、切断され、分泌されたタンパク質をコードするポリヌクレオチド
を含有するワクチンは、核酸免疫に用いられ得る。このような方法は、1つ以上のE1およ
び/またはE2ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを、これらのタンパク質をイン
ビボで発現させるために宿主細胞に導入する工程を包含する。このポリヌクレオチドは、
例えば注射、吸入などによりレシピエント被験体に直接導入され得るか、または宿主から
取り出された細胞にエクソビボで導入され得る。後者の場合、形質転換細胞を被験体内に
再導入してポリヌクレオチドによってコードされるタンパク質に対して免疫応答を開始し
得る。核酸免疫の方法は当該技術分野において公知であり、例えば、国際公開第WO93/147
78号(1993年8月5日公開);国際公報第WO90/11092号(1990年10月4日公開);Wangら
、Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1993)90:4156-4160;Tangら、Nature(1992)356:152-154;お
よびUlmerら、Science(1993)259:1745-1749に開示されている。一般に、このポリヌクレ
オチドは、リポソーム内にカプセル化されて上記のようなワクチン組成物中に処方される
ベクターとして投与される。
III.実験
以下は、本発明を行うための具体的な実施態様の例である。これらの例は例証を目的と
してのみ提示されるものであり、そしていかなる意味においても本発明の範囲を限定する
ことを意図しない。
用いられる数字(例えば、量、温度など)に関して正確を期する努力はなされているが
、幾つかの実験上の誤差および偏差がもちろん考慮される。
材料および方法
細胞および一時的発現
BSC40細胞およびチンパンジー線維芽細胞F503(Perotら、J.Gen.Virol.(1992)73:3281-3
284)を以前に記載されたように(Selbyら、J.Gen.Virol.(1993)74:1103-1113)、感染/ト
ランスフェクション実験に用いた。簡潔に述べると、60mmディッシュ中の細胞のサブコン
フルエントな(subconfluent)単層を、血清非含有DMEにおいてVVT7(moi=10)で感染させ
た。30〜60分後、以下に記載のように、接種物を除去してpTM1ベクター(Elroy-Steinおよ
びMoss,Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1990)87:6743-6747)にクローン化した適当なcDNAテン
プレートで置き換えた。ベクターDNAをリポフェクチン(BRL)またはリポフェクタミン(
BRL)のいずれかと複合体化させた。トランスフェクションの2.5〜3時間後、このDNAを
除去し、そしてmet/cys−欠乏DME中で30分間、細胞を栄養不足の状態にした。約100〜200
μCiの35S−ExpressLabel(NEN)を細胞に3〜4時間添加した。この細胞を1×溶解
緩衝液(100mM NaCl、20mMTris-HCl pH7.5、1mM EDTA、0.5%NP40、0.5%デオキシコ
レートおよび100mM PMSF、0.5μg/mlロイペプチン、および2mg/mlアプロチニン)中で
溶解し、氷上に10分間保存し、そして遠心分離(15,000×g、5分間)により澄明化した
。溶解物をプロテインAセファロース(BioRad)上に固定化した指定された抗体を用いて
免疫沈降した。
HCVテンプレート
E1およびE2テンプレートの全てをPCRによって生成し、そして配列決定により確認した
。メチオニン残基およびNcoI部位を含有する適切な5’プライマーを、終止コドン、指定
されたエンベロープ終点および最後に、E1についてはBamHI部位を有する3’プライマー
と共に用いた。両方のオリゴは、NcoIおよびBamHI酵素によるより効率的な消化を容易に
するため、その末端に非特異的配列を有した。消化されたPCRフラグメントを、NcoI/BamH
Iで消化したpTM1(Elroy-SteinおよびMoss,Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1990)87:6743-6747)
に連結した。このpTM1ベクターは、指定されたDNAによってコードされる第1メチオニン
残基に対応するNcolクローン化部位に隣接するT7プロモーターおよびEMCリーダーを有す
る。E2テンプレートをNcolおよびAsclで消化し、Ncol(部分的)/Ascl−pTM1−CE2(Selby
ら、J.Gen.Virol.(1993)74:1103-1113)にクローン化して、アミノ酸1で翻訳が始まり、
コア、E1および指定されたE2領域をコードするHクローンを作製した。短縮型E1ポリペプ
チドについては、コードテンプレートはメチオニン残基で始まり、次いでイソロイシン、
次いでアミノ酸172が続いた。短縮型E2構築物については、364位のメチオニンをこの構築
物におけるN末端として用いた。可能性のあるクローンを同定しそしてDNAを増幅した後
、全てを配列決定した。配列決定により、全てのE1クローンが正しいことが示された。E2
クローンのほとんどは、E2内の単一のロイシン残基の欠損を除いて正しい配列を示した。
この欠損は、それがC末端の近傍になかったため、結果に影響しなかった。
免疫沈降
免疫沈降は、沈降物を100mMの代わりに500mMのNaClを含有する溶解緩衝液で少なくとも
1回洗浄したことを除いてSelbyら、J.Gen.Virol.(1993)74:1103-1113に記載されるよう
に、トランスフェクトした細胞由来の培地で行った。この沈降物をラエムリ(Laemmli)緩
衝液中に再懸濁させ、沸騰させて、12.5%または15%アクリルアミドゲル上で分析した。
ゲルを強化し(Amplify、Amersham)、乾燥させて−80℃でフィルムに露出した。用いた抗
血清は、Selbyら、J.Gen.Virol.(1993)74:1103-1113に以前に記載された。免疫沈降物の
エンドH処理は、製造者(OxfordGlycosystems)の仕様書に従って行った。
分泌されたE1およびE2タンパク質の免疫沈降については、トランスフェクトした細胞か
ら回収した培地をマイクロ遠心分離し、それぞれプロテインGセファロース(Pharmacia)
またはプロテインAセファロース(Sigma)に固定化されたモノクローナル抗−E1抗体また
はウサギポリクローナル抗−E2抗体のいずれかを含有するチューブ内で免疫沈降した。4
℃で一晩インキュベートした後、セファロースAb−Ag複合体を、溶解緩衝液で2回、
500mM NaClを含有する溶解緩衝液で1回、そして最後に120mMTris、8.0で洗浄した。全
ての液体を吸引した後、約30μlのラエムリサンプル緩衝液を添加し、サンプルを沸騰さ
せ、次いで12.5%アクリルアミドゲル上にのせた。電気泳動後、このゲルを固定し、増幅
して3MM上で乾燥させた。乾燥したゲルを増感スクリーンを用いてフィルムに露出した。
トランスフェクション制御はβ−ガラクトシダーゼcDNA(pTM1-β-gal)のテンプレートを
用いて行った。
NS2B配列決定
BSC40細胞を35S-met(NEN)で標識したpE21006でトランスフェクトし、そしてプ
ロテアーゼインヒビターを含有する溶解緩衝液で溶解した。澄明化した溶解物をウサギ抗
−E2で一晩沈降させ、洗浄して15%アクリルアミドゲル上で分析した。次いで、このゲル
を20%メタノール/1×ランニング緩衝液中において50ボルトで2時間、PVDFに移した。
NS2Bを含む領域をオートラジオグラフィによって同定し、切除した。NS2Bを、AppliedBio
systems 470A気相シーケンサーで連続エドマン分解により配列決定した(Speicher,(1989
).Microsequencing withPVDF membranes:Efficient electroblotting,direct protein a
dsorptionandsequencer program modifications.in Techniques in Protein Chemistry.
T.E.Hugli編、AcademicPress,San Diego,CA.24-35頁)。塩化ブチル含有画分をエバポレ
ートし、シンチレーション液を用いて計数した。
実施例1
E1の分泌/保持
上に説明したように、PCRを用いて、一連のE1テンプレートをpTM1内に生成させた(図
5)。特に、HCVポリタンパク質のメチオニン残基−イソロイシン−アミノ酸172で始まり
、そしてアミノ酸330、およびアミノ酸380まで10アミノ酸ずつ増加させたクローンのコー
ドテンプレートを生成させた。アミノ酸173から191は、明らかにシグナル配列としての役
割を果たすコアのC末端に相当する。成熟E1は、シグナル配列の切断後、このポリタンパ
ク質のアミノ酸192で始まると考えられる。
抗−E1免疫反応性物質を、アミノ酸360までのテンプレートでトランスフェクトした細
胞の培地中で回収した。アミノ酸370および380で終結するクローンでトランスフェクトし
た細胞の培地中にはE1は検出されなかった。
実施例2
E2の分泌/保持
PCRを用いて、一連のE2テンプレートもまた、pTM1で生成させた(図6)。特に、E2の
最初のコードアミノ酸は364位のメチオニンに相当し、これを構築物においてN末端とし
て用いた。アミノ酸364はE2シグナルペプチドの開始近傍に対応する(Hijikataら、Proc.
Natl.Acad.Sci.USA(1991)88:5547-5551;Ralstonら、J.Virol.(1993)67:6753-6761)。成
熟E2はアミノ酸385で始まると考えられる。スタッガーな(staggered)互い違いのC末端は
アミノ酸661から1006までおよんだ。特に、このクローンはアミノ酸661、699、710、715
、720、725、730、760、780、807、837、906、および1006で終結した。
抗−E2免疫反応性物質が725までのテンプレートでトランスフェクトした細胞の培地中
で回収された。少量のE2がアミノ酸730で終結するクローンでトランスフェクトした培地
中で検出された。730を越えるアミノ酸で終結するクローンでトランスフェクトされた細
胞の培地中ではE2はほとんど、もしくは全く検出されなかった。730の直前の配列は、完
全に疎水性の、膜アンカー配列を連想させるものである。従って、715と730との間の配列
およびアミノ酸残基746付近まで広がる配列(Linら、J.Virol.(1994)68:5063-5073を参照
のこと)は、E2のERへの固定に作用し、分泌を妨げるようである。
アミノ酸383alaから715lysまでを含むさらなる分泌E2分子を作製した。このE2分
子は、以下のように、チャイニーズハムスター卵巣細胞/ジヒドロ葉酸レダクターゼ(CH
O/DHFR)発現系を用いて発現させた。HCV1のアミノ酸383からアミノ酸715までのHCVE2のD
NAフラグメントをPCRにより生成し、次いで強力なマウスサイトメガロウイルス初期(MCM
V ie)プロモーターおよび選択マーカーDHFRを含むpMHベクターに連結してプラスミドpMH
E2-715を得た(図7を参照のこと)。次いで、このプラスミドを以下のようにCHO細胞株
であるDg44に安定にトランスフェクトした。10cmディッシュ上の1×10細胞にトランス
フェクトするため、100μgのDNAをリポフェクチン(Gibco-BRL)と組み合わせた。これら
の細胞をトランスフェクトし、非選択培地(ハムの栄養混合液F-12、JRHBiosciencesシリ
ーズ番号51、プロリン、グルタミンおよびピルビン酸ナトリウム)中で24時間インキュベ
ートした後、ウシ胎児血清を補充した非選択培地中で24時間、回復させた。次いで、この
非選択培地を、透析したウシ胎児血清を補充した選択培地(ハムの栄養混合液F-12、JRHB
iosciencesシリーズ番号52、プロリン、グルタミン、およびピルビン酸ナトリウム)で置
き換えた。この培地を、コロニーが形成され始めるまで、3〜4日毎に交換した。
DG44細胞株は内因性DHFR活性を欠損している。従って、DHFR遺伝子を有するpMHE2-715
プラスミドでトランスフェクトした細胞のみが、ヒポキサンチン、アミノプテリンおよび
チミジンを欠損する選択培地中で増殖され得、そしてコロニーを形成し得る。約2200のコ
ロニーを取り出し、96−ウェルプレート中で増殖させた。5日後、これらのコロニーが集
密状態に達したとき、その培地を分泌されたE2についてELISAによりアッセイした。このE
LISAでは、E2の直線決定基に対して捕捉抗体として惹起されるモノクローナル抗体3E5-1
、および標準としてCHO細胞中に発現され、モノクローナル抗体(E2の構造決定基に反応
性の5E5H7)アフィニティカラムから精製されるE3を用いた。上位83の発現クローンを24
−ウェルプレートに拡張した。一旦、24−ウェルプレート中で集密状態を達成したら、そ
の培地をアッセイし、次いで上位41のクローンを6−ウェルプレートに拡張した。これら
のクローンが集密状態に達したとき、その培地をアッセイし、そして上位21のクローンを
75cm2フラスコに拡張した。この時点で、モノクローナル抗体3E5-1を用いるELISAおよび
蛍光免疫染色により発現を確認した。5つのクローンは、100%のその細胞蛍光性を有し
た。両方のアッセイに基づき、限界希釈によって精製されるべき上位3つのクローンを選
択した。
上位7つのクローンをプールし、そして一連のメトトレキセート(MTX)濃度で増殖さ
せるため10cmディッシュ内にプレートした。MTXはDHFRのインヒビターである。培養細胞
の集団のうち、DHFRを過剰発現する変異体クローンが、毒性MTXに耐性である。CHO細胞に
トランスフェクトされたプラスミド上の他の遺伝子がDHFR遺伝子と共に同時増幅し得るこ
とが観察されている。HCVE2を発現する細胞が、最終濃度10、20、50、100、200nM MTXを
有する選択培地中で増幅した。コロニーは、10および20nM MTX培地のみで増殖した。これ
らの384のコロニーを取り出し、拡張させて、そして以前に最初の選択において行ったよ
うに発現についてチェックした。追随(adherent)培養において、上位増幅クローンは上位
非増幅クローンよりも31%高い発現レベルを有し、100%蛍光を発した。
実施例3
E2:E1共同免疫沈降
E2またはE1に対して単反応性の抗血清を用いてE1をE2と共に免疫沈降する(Grakouiら、
J.Virol.(1993)67:1385-1395;Lanfordら、Virology(1993)197:225-235;Ralstonら、J.V
irol.(1993)67:6753-6761)。この相互作用は、0.5%SDS(Grakouiら、J.Virol.(1993)67:1
385-1395)または高塩/非イオン性界面活性剤(Ralstonら、J.Virol.(1993)67:6753-6761
;GlazerおよびSelby,未公開の観察)による分解に耐性であるため、非常に強い。この
相互作用に重要なE2の領域を決定するために、Hテンプレート(コアからE2)を有するBS
C40細胞をトランスフェクトし、そして放射標識した溶解物をウサギポリクローナル抗−E
2抗血清で免疫沈降させた。アミノ酸730、760、および780で終結するテンプレートによっ
てコードされるE2種は、E1と会合した。730と1006との間の全てのテンプレートでのE1共
同沈降には量的な差異はなかった。対照的に、661、699、710、715、720、および725のテ
ンプレートによってコードされたE2種は、有意にE1と共同沈降できなかった。コントロー
ルとして、同じ溶解物を患者抗血清LLで免疫沈降させた。全てのテンプレート由来のE1タ
ンパク質は明らかにLLと共同沈降した;E2タンパク質はテンプレート661Hを除いて効率的
に沈降した。E2661の検出が比較的劣ることが一貫して観察されており、これはおそら
くこのタンパク質のより長いものと比較して異なる構造によるものである。
従って、アミノ酸715と730との間の配列が効率のよいE1会合に重要である。このC末端
アンカーの除去が、通常E1とE2との間に見られる会合を不可能にするようである。しかし
、両方のエンベロープが分泌される場合、幾らかの会合が生じるようである。この結果は
上に示されるE2に関する分泌データと反対であり、それゆえE2の分泌とE1に対するE2の相
互作用との間の逆関係が確立される。
実施例4
短縮型E1およびE2複合体の形成
上述のように生成されたE1およびE2の短縮型が、お互いに会合可能であるか否かを試験
するために、C末端がアミノ酸360で切断されているE1ポリペプチドをコードする構築物
を、C末端がアミノ酸715で切断されているE2ポリペプチドまたはC末端がアミノ酸725で
切断されているE2ポリペプチドをコードする構築物と同時トランスフェクトした。上述の
ように細胞を形質転換し、そして培地を集めた。抗E2モノクローナル抗体を用いてE1/E2
複合体が明瞭に観察され、ここではE1が共同沈降した。モノクローナル抗E1を用いる逆沈
降では、前述の沈降と比較して、非常に少ないE1が生じた。同様の観察が、Ralstonら、J
.Virol.(1993)67:6753-6761において、非短縮型構築物に関してなされた。このような複
合体形成は、重要である。なぜなら、複合体形成は、膜スパンドメインの全てまたは一部
の除去にもかかわらず、それらの相互作用に重要なE1およびE2の領域が保持されているこ
とを示すからである。
実施例5
多数のE2種:エンドH研究
E2のエンドF処理から3つのE2バンドが得られた。これは、1種より多くのE2種が、終
点は未確定のままではあるものの存在することを示唆している(Grakouiら、J.Virol.(199
3)67:1385-1395)。さらに、E2およびNS2抗血清の両者と反応する高分子量のバンドが、可
能性のあるE2−NS2種についての推測を導いた(Grakouiら、J.Virol.(1993)67:1385-1395
;Tomeiら、J.Virol.(1993)67:4017-4026)。エンドH処理を、これら3種のE2糖タンパク
質を明確にするために用いた。エンドHは、一過性の発現系において未成熟の高マンノー
ス糖タンパク質のみが観察されるようなこれらの実験に適切なデグリコシダーゼである(S
paeteら、Virology(1992)188:819-830;Ralstonら、J.Virol.(1993)67:6753-6761)。テン
プレートE2661からE2730によってコードされるE2タンパク質のエンドH処理により
、伸長されたテンプレートに付随的にサイズが増大する単一のバンドが生じた。エンドH
処理された、テンプレートE2760、E2780、およびE2807によってコードされるE2
タンパク質は、より長いテンプレートと比較した場合、アミノ酸807でサイズの増大が停
止するさらなるバンドを示した。これらのデータは、E2の1つの形態がアミノ酸730付近
で終結することを示唆する。最近のデータは、E2がアミノ酸746付近で終結し得ることを
示唆する(Linら、J.Virol.(1994)68:5063-5073を参照のこと)。E2の第2の形態はアミノ
酸807位付近で終結するように思われる。テンプレートE2906およびE21006に対し
ては、前の二重鎖よりもより高い位置に移動する第3のバンドが注目された。これら2つ
のテンプレート由来のバンドのサイズは、テンプレート全体によってコードされるE2分子
と一致した。pTM1−HCV中のE2−NS2融合物の移動度は、E21006に対して僅かに減少し
た。これらの観察は、NS2/NS3連結部と一致するアミノ酸1026で終結するE2の第3形態と
一致する(Grakouiら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1993)90:10583-10587)。
NS2はNS3に先行することが同定されている(Grakouiら、J.Virol.(1993)67:1385-1395;
Hijikataら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1993)90:10773-10777;Selbyら、J.Gen.Virol.(19
93)74:1103-1113)。ここに示される結果および他の最近の報告に示される結果(Linら、J.
Virol.(1994)68:5063-5073)は、ディファレンシャルな前駆体プロセシングを支持する。
この差別的な前駆体プロセシングにより、アミノ酸730〜746を越えるE2の伸長はNS2とのE
2融合物を示す。本発明者らは、エンドH実験によって予測されるおよびアミノ酸730〜74
6および807の間の小さなタンパク質コード領域がNS2Aに対応し、一方、その下流タンパク
質がNS2Bであることを仮に提案する。この名称はFlaviviridaeの間のタンパク質の類似の
系統化に基づく。NS2Bのように、NS2Aがポリタンパク質から独立に切断されないことが可
能であり、そしてNS2Aが実際に非構造タンパク質であるか否かは決定されるものとして残
る。
実施例6
NS2B:E2:共同免疫沈降およびNS2BのN末端
患者血清LLは、テンプレートE2906およびE21006でのトランスフェクションから
E2糖タンパク質ならびに14kDaおよび21kDaの他の2種を検出した。これらの後者の種はNS
2Bに相当する。これは、サイズの相違がテンプレートの長さの相違に完全に相関し、そし
て23kDaのNS2Bが完全長HCVテンプレート、pTM1−HCVから検出されたためである(Selbyら
、J.Gen.Virol.(1993)74:1103-1113)。抗E2抗体が同じ溶解物を免疫沈降するために用い
られた場合には、NS2BはE2と共同沈降した。これらの条件下で、E1もまた共同免疫沈降し
た。さらに、より大きな抗E2反応性種もまた、906、1006およびpTM1−HCV沈降において見
られ、これはNS2Aおよび異なる長さのNS2BとのE2融合物に相当する。
様々なE2テンプレートを用いて、本発明者らは、NS2Bの共同沈降に重要なE2の1つの領
域を明確にした。アミノ酸699、730、760、780および807で終結するE2テンプレートを、
アミノ酸730〜3011をコードするpTM1−NS25(Selbyら、J.Gen.Virol.(1993)74:1103-1113)
と共に同時トランスフェクトした。pTM1−NS25は、このテンプレートがNS2をコードする
ことが以前に決定されており、そして独立したテンプレートがE2:NS2B相互作用に重要な
配列を明確にするためにNS2B発現に必要とされるために用いられた。抗E2抗体は、E2タン
パク質を免疫沈降し、そしてまた、E2699テンプレートでトランスフェクトしたものを
除く全ての溶解物由来のNS2B(23kDa)およびおそらくNS4B(27kDa)を共同沈降した。ポ
ジティブコントロールとして、E21006テンプレートに由来する短縮型NS2BをE2と共に
共同沈降させた。これらのデータは、アミノ酸699から730がE2とのNS2BおよびNS4Bの会合
に重要であることを示す。
NS2Bを共同沈降させる抗E2抗体は、アミノ酸662で終結するSOD−E2融合物に対して作製
された。これは、NS2B検出の原因としてのNS2Bに対する交差反応性の可能性を排除する。
このNS2Bバンドは、そのエンドH処理に対する非感受性によって証明されるように、グリ
コシル化されなかった。NS2Bの共同沈降はバックグランドがほとんどなく、かつ効率的で
あったため、この会合特性をNS2BのN末端の放射性配列決定のために用いた。E21006
トランスフェクション由来の35S−メチオニン標識溶解物の免疫沈降物を、15%アクリ
ルアミドゲル上で分析し、そして配列決定のためにPVDFにトランスファーした。残基810
から18アミノ酸離れたメチオニン残基を参照として用いて、NS2Bのアミノ末端をアミノ酸
810として同定した。この割り当ては、E2欠失テンプレートからのエンドHパターンに基
づく推定E2C末端と一致し、そしてGrakouiら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1993)90:10583-
10587およびMizushimaら、J.Virol.(1994)68:2731-2734(1994)によって最近報告された切
断部位を確認する。推定NS2A末端は、それが独立したタンパク質として存在する場合には
、アミノ酸730および809として存在することが予想される。
このように、新規の分泌されたE1およびE2形態が開示される。本発明の好ましい態様が
いくらか詳細に説明されているが、添付の請求の範囲によって定義される本発明の精神お
よび範囲から逸脱することなく明らかな変形がなされ得ることが理解される。
図1は、HCV1のE1領域の概略図である。 図2は、N末端シグナル配列およびC末端膜アンカードメインを含む、HCV1 E1のヌクレオチド配列および対応のアミノ酸配列を示す。 図3は、HCV1のE2領域の概略図である。 図4Aは、E2のN末端シグナル配列およびE2のC末端膜アンカードメインを含む、HCV1E2/NS2領域のヌクレオチド配列および対応のアミノ酸配列を示す。 図4Bは、E2のN末端シグナル配列およびE2のC末端膜アンカードメインを含む、HCV1E2/NS2領域のヌクレオチド配列および対応のアミノ酸配列を示す。 図4Cは、E2のN末端シグナル配列およびE2のC末端膜アンカードメインを含む、HCV1 E2/NS2領域のヌクレオチド配列および対応のアミノ酸配列を示す。 図5は、実施例においてトランスフェクションに用いられたHCV E1 cDNAテンプレートを示す。コアからNS2領域にかけては上部に示され、正確な比率で描かれている;遠位のNS3からNS5にかけては正確な比率で描かれていない。用いられたテンプレートを十分に示すため、E1領域が拡大されている。右側の数字は、各テンプレートにおいて用いられたアミノ酸の終点を示す。 図6は、実施例においてトランスフェクションに用いられたHCV E2 cDNAテンプレートを示す。コアからNS2領域にかけては上部に示され、正確な比率で描かれている;遠位のNS3からNS5にかけては正確な比率で描かれていない。用いられたテンプレートをより十分に示すため、E2/NS2領域が拡大されている。左側の欄は、各テンプレートに用いられたアミノ酸の終点を示す。 図7は、HCV1のアミノ酸383〜715を有する短縮型E2タンパク質をコードする遺伝子を含む、プラスミドpMHE2-715を示す。このベクターには、SV40複製起点、マウスサイトメガロウイルスの即時型プロモーター(MCMVie)、tpaリーダー、SV40ポリアデニル化シグナルおよび選択のためのDHFRcDNAも存在する。
(配列表)

Claims (11)

  1. C型肝炎ウイルス(HCV)E2ポリペプチドであって、宿主細胞内で組換えにより発現される場合に該ポリペプチドが増殖培地内に分泌され得るように、少なくともC末端を欠き、ここで、該ポリペプチドが、HCV1 E2アミノ酸配列を参照して番号付けされるアミノ酸715から始まるC末端を少なくとも欠く、ポリペプチド。
  2. 前記ポリペプチドがHCV1 E2アミノ酸配列を参照して番号付けされるアミノ酸725から始まるそのC末端部分を欠く、請求項1に記載のHCVポリペプチド。
  3. 請求項1に記載のポリペプチドであって、ここで、該ポリペプチドのN末端が、HCV1 E2アミノ酸配列を参照して番号付けされるアミノ酸383である、ポリペプチド。
  4. 請求項1に記載のHCVポリペプチドに対するコード配列を含有する、ポリヌクレオチド。
  5. 請求項2に記載のHCVポリペプチドに対するコード配列を含有する、ポリヌクレオチド。
  6. (a)請求項4に記載のポリヌクレオチド;および
    (b)前記コード配列に作動可能に結合され、それにより該コード配列が宿主細胞内で転写および翻訳され得る、制御エレメント;
    を含む、組換えベクター。
  7. (a)請求項5に記載のポリヌクレオチド;および
    (b)前記コード配列に作動可能に結合され、それにより該コード配列が宿主細胞内で転写および翻訳され得る、制御エレメント;
    を含む、組換えベクター。
  8. 請求項5に記載の組換えベクターで形質転換された宿主細胞。
  9. 請求項6に記載の組換えベクターで形質転換された宿主細胞。
  10. 分泌HCVポリペプチドを生成する方法であって、該方法が、以下の工程:
    (a)請求項7に記載の宿主細胞集団を提供する工程;および
    (b)該細胞集団を該HCVポリペプチドが発現および分泌される条件下で培養する工程;
    を包含する、方法。
  11. 分泌HCVポリペプチドを生成する方法であって、該方法が、以下の工程:
    (a)請求項8に記載の宿主細胞集団を提供する工程;および
    (b)該細胞集団を該HCVポリペプチドが発現および分泌される条件下で培養する工程;
    を包含する、方法。
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