以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。図1には、本実施の形態に係る情報埋め込み装置10の要部の概略構成を示している。なお、情報埋め込み装置10としては、パーソナルコンピュータやワークステーションなどの各種の画像処理装置を適用することができ、また、プリントサーバなどのサーバを用いて構成することもできる。
情報埋め込み装置10は、印刷出力部12を備えている。この印刷出力部12は、電子写真プロセスを適用して、記録紙などの画像形成媒体に、画像や文字列などのコンテンツを記録可能となっている。
これにより、例えば、図2に示すように、記録紙14に画像16を形成した印刷文書などの印刷出力を得ることができる。すなわち、情報埋め込み装置10は、基本的構成が印刷システムによって形成されている。
また、情報埋め込み装置10では、画像16が含まれるときに、この画像16に濃度変換を行うことによる第一の付加情報埋め込みと、潜像による第二の付加情報の埋め込みを行った画像16Aを形成した印刷物18の形成が可能となっている。このとき、本実施の形態に適用した情報埋め込み装置10では、可視光領域で同等の色(同呈色)となるドット配列を形成すると共に、このドット配列に、赤外光などの非可視光領域で光吸収性を有する色材を用いることにより、第二の付加情報に基づいた潜像を形成するようにしている。
これにより、画像16Aを形成している印刷物18が複写されたときに、第二の付加情報が消失すると共に、第二の付加情報が消失することにより、複写物上から第一の付加情報の復元が困難となるようにして、実質的に第一の付加情報が消失してしまうようにしている。
ここから、以下では、第一の付加情報を第一のイメージ情報とし、第一のイメージ情報の復元を規制可能とする第二の付加情報を第二のイメージ情報として説明する。
図1に示すように、情報埋め込み装置10は、第一イメージ情報埋め込み部20と第二イメージ情報埋め込み部22を含んで形成されており、まず、第一イメージ情報埋め込み部20による第一の付加情報となる第一のイメージ情報の埋め込みを説明する。
図1及び図3(A)に示すように、情報埋め込み装置10には、画像データ入力部24が形成されており、情報埋め込み装置10では、情報埋め込みを行う対象画像(埋め込み対象画像:画像16)を含む画像データが、画像データ入力部24から入力されるようになっている。
この画像データ入力部24での画像データの入力は、ネットワーク通信などの通信機能などを用いて行うものであっても良く、また、各種の記録メディアに記録されて入力されるなど、任意の手法で画像データを取得する構成を適用することができる。また、画像データ入力部24に入力される画像データは、多値データであり、モノクロなどの単色画像であっても良く、カラー画像であっても良い。また、画像データは、デジタルカメラなどで撮影された画像の画像データ、スキャナなどによって読み取られた画像データなどであってもよく、また、パーソナルコンピュータなどによって作成されたCG(Computer Graphics)などであっても良い。
情報埋め込み装置10には、第一のイメージ情報を形成する第一の付加情報及び、第二のイメージ情報を形成する第二の付加情報が入力される付加情報入力部26が設けられている。なお、第一及び第二の付加情報としては、第一の付加情報が、印刷出力した文書の内容などを含み、第二の付加情報が、文書の真偽性(真正性)の判定のための内容を含むものであってもよく、また、これに限らず、任意の情報及び情報の組み合わせを適用することができるが、第一の付加情報と第二の付加情報は、互いに関連付けられていることがより好ましい。
このような第一の付加情報と第二の付加情報としては、一つの付加情報を分割したものであってもよく、また、第一の付加情報を符号化するときに暗号鍵を用い、この暗号鍵に対する復号鍵を第二の付加情報とすることもできる。
付加情報入力部26への第一及び第二の付加情報の入力は、パーソナルコンピュータなどから通信などによって行われるものであっても良く、キーボードなどの入力デバイスから入力されてもよく、さらに、各種の記憶メディアを用いて入力するなど、任意の取得方法を適用することができる。また、付加情報は、文字列、数字、あるいは画像データなど任意の情報(データ)を適用することができる。
図3(A)に示すように、第一イメージ情報埋め込み部20には、ワークメモリとなる画像データ格納部28が設けられ、図1及び図3(A)に示すように、情報埋め込み装置10には、パターンサイズ入力部30、埋め込み強度入力部32、パターン減衰率入力部34が設けられている。また、図3(A)に示すように、イメージ情報埋め込み部20には、パターン作成部36、付加情報符号化部38、埋め込み位置制御部40、パターン選択部42、パターン重畳部44が形成されている。
パターンサイズ入力部30、埋め込み強度入力部32及びパターン減衰率入力部34には、図示しないキーボードなどの入力デバイスや、パーソナルコンピュータなどの情報処理装置から、第一のイメージ情報(第一の付加情報)を埋め込むときのパターンサイズの指定、埋め込み強度の指定及びパターン減衰率がそれぞれ入力される。なお、これらは予め設定されている固定値を用いるものであっても良く、このときには、パターンサイズ入力部30、埋め込み強度入力部32ないしパターン減衰率入力部34を省略することもできる。
パターン作成部36は、入力ないし設定されたパターンサイズ、埋め込み強度及びパターン減衰率に基づき、2つのパターンを作成するようにしている。
付加情報符号化部38は、入力された付加情報に対して所定の符号化処理を施して、画像データ(埋め込み対象の画像16の画像データ)に埋め込む。
埋め込み位置制御部40は、予め定められている埋め込みフォーマットに基づいて、画像データ格納部28に格納している画像データへの情報埋め込み位置を設定する。これと共に、埋め込み位置制御部40は、その位置が所定の行又は列を示している場合、パターン選択部42へ制御信号を出力する。
パターン選択部42は、付加情報符号化部38で第一の付加情報に基づいて作成された第一のイメージ情報及び、埋め込み位置制御部40からの制御信号に基づいて、パターン作成部36で作成した2つのパターンのうちの一方を選択する。例えば、埋め込み位置制御部40からの制御信号がアクティブでないときには、付加情報符号化部38が出力する符号化された第一のイメージ情報を基に、2つのパターンのうちの一つを選択し、埋め込み位置制御部40からの制御信号がアクティブであるときには、2つのパターンのうちの予め定めている一方を常に選択する。なお、このパターンを同期パターンとする。
パターン重畳部44は、埋め込み位置制御部40が指定した画像データ格納部28のアドレスに存在する画像ブロックに対して、パターン選択部42が選択したパターンを例えば加算して重畳することにより、該当パターンを画像データ(画像ブロック)中に埋め込む。なお、加算値が最大値(例えば255)を超えたときは、その値を最大値(255)にし、加算値が負の値になったときには、その値を0にする。
印刷出力部12は、プリンタなどの出力機器を含み、付加情報(第一及び第二の付加情報)を埋め込んだ画像データに基づいた画像の印刷出力を実行する。
ここで、情報埋め込み装置10での第一の付加情報(第一のイメージ情報)の埋め込みの一例を具体的に説明する。
パターン作成部36は、パターンサイズン入力部30、埋め込み強度入力部32、パターン減衰率入力部34からの入力、設定された値に基づいて2つのパターンを作成する。この2つのパターンは、以下の特徴を持つものとしている。
「2つのパターンの画素同士を加算すると全ての要素が0となる。」
「それぞれのパターン中の全画素を加算すると0となる。」
「それぞれのパターンは中心分を通り方向が異なる2本以上のエッジと呼ばれる不連続な画素値を備える。なお、エッジの方向は例えば垂直線と水平線に沿った方向とすることができる。」
「各々のパターンの持つ画素値の絶対値は中心で最も大きく、中心から離れるほど小さくなる。」
また、形状に関して、ここでは、
「ともにn×m画素の同サイズの長方形ブロックで形成されている。」
という特徴を有しているものとしている。
図4(A)から図4(D)には、埋め込むパターンの一例を示しており、図4(A)は付加情報“1”を意味する基本パターン、図4(B)は付加情報“0”を意味する基本パターンとし、これらの双方の全要素に、(1)式ないし(2)式などの所定の演算式が乗ぜられる。
×Cexp(−α(|x|+|y|)) ・・・(1)
×Cexp(−α(x2+y2)) ・・・(2)
なお、(1)式、(2)式において、Cは埋め込み強度、αはパターン減衰率であり、xは横軸、yは縦軸の座標を表し、パターンの中心を原点としている。
これによって、例えば、図4(C)又は図4(D)に示す単位ブロック(ブロック48)のパターンが作成される。なお、図4(C)及び図4(D)では、濃度の相違をハッチングの違いによって示している。
ここで、基本パターンのサイズは、パターンサイズ入力部30で設定される。例えば、図4(A)〜図4(D)では、パターンサイズを8×8としている。 これらのパターンの特徴は、画質への影響をできうる限り抑えながら、かつ、その検出を容易にするためのものであり、埋め込み情報の検出(復号)側の構成に応じて容易に検出が可能となるようにしている。
なお、パターンサイズや、パターン減衰率α、埋め込み強度Cなどのパラメータは、通常、各出力機器の画質や検出率を考慮して設定することになるが、埋め込み情報の検出側ではこれらのパラメータを事前に知る必要がないようにしている。
また、埋め込むパターンは、図4(A)〜図4(D)及び(1)式、(2)式に示すものに限らず、例えば、(1)式や(2)式に換えて三角波などや任意の関数を適用することができ、さらに、これらの式中の指数関数部分を省略したり、これらの式を用いずに図4(A)及び図4(B)に示すパターンをそのまま用いるものであっても良い。
また、図4(A)〜図4(D)では、エッジ方向として垂直方向及び水平方向としているが、例えば、45°方向と135°方向のエッジなど、付加情報を抽出する側との間でエッジの抽出方向を合わせておけば任意の方向を適用することができる。
ここで、第一の付加情報を埋め込みときには、例えば、第一の付加情報を予め規定した符号化方式によって符号処理を施しバイナリデータを生成し、ブロック48ごとに2つのパターンを選択することにより、情報埋め込みを行う。これにより、画像16に濃度変換を施して第一のイメージ情報を埋め込む。
なお、符号化方式は、任意の方式を適用することができる。また、ここでは、本出願人が、特開2004−140764号公報、特開2004−147253号公報などで提案している埋め込み方法を適用しているが、第一のイメージ情報の埋め込み方法は、これに限るものではなく、画像16を縦横に分割することにより生成される単位ブロックごとに、付加情報に基づいた濃度変換を行うものであれば、任意の埋め込み方法を適用することができる。
一方、前記したごとく、情報埋め込み装置10に設けられている印刷出力部12は、プロセスカラーであるC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)及びK(ブラック)の各色トナーを用い、電子写真プロセスによって形成するC、M、Y、Kの各色のトナー像を重畳させて記録紙に転写・定着を行うことにより、記録紙に画像を記録する。なお、このような印刷出力部12の基本的構成は、従来公知の一般的構成を適用でき、ここでは詳細な説明を省略する。
図3(B)に示すように、情報埋め込み装置10の第二イメージ情報埋め込み部22は、RIP処理部64を含んでおり、このRIP処理部64で、画像データを、C、M、Y、Kの各色版のラスタデータに展開するRIP処理を行う。情報埋め込み装置10では、RIP処理されて生成されたラスタデータを、印刷出力部12へ出力することにより、印刷文書などの印刷出力が得られるようになっている。
ところで、情報埋め込み装置10では、一例として第二の付加情報に基づいてドットパターンを生成し、このドットパターンを第二のイメージ情報として、第一のイメージ情報を埋め込んだ画像に埋め込むことにより、第一のイメージ情報と第二のイメージ情報を埋め込んだ画像16Aが記録された印刷物18が印刷出力されるようにしている。
一般に、印刷出力部12で画像形成に用いられるC、M、Y、Kの各色のトナーのそれぞれは、可視光領域で所定の光吸収特性を有していると共に、K色のトナーは、カーボンブラックが用いられ、非可視光領域である赤外領域においても光吸収特性を有している。また、可視光領域では、C、M、Yの3色のトナーを用いることにより、K色のトナーとほぼ同等の黒色を形成することができる。
ここから、情報埋め込み装置10に設けている第二イメージ情報埋め込み部22では、C、M、Yのトナーを用いた黒色(以下、プロセスKとする)と、Kのトナーを用いた黒色(以下、ピュアKとする)を用いることにより、所定の可視画像と共に、可視光では視認が困難であるが赤外光によって視認可能となる潜像を形成して、形成した潜像を、埋め込み対象となる画像16に重畳して形成することにより、第一のイメージ情報と共に第二のイメージ情報を埋め込んだ画像16Aを形成するようにしている。
このとき、情報埋め込み装置10では、一例として、可視画像をプロセスKによって形成したドットと、ピュアKによって形成したドットによるドット配列として、このドット配列中でピュアKで形成したドットパターンで潜像を形成するようにしている。
また、情報埋め込み装置10の第二イメージ情報埋め込み部22に設けているRIP処理部64では、第一イメージ情報埋め込み部20で第一のイメージ情報を埋め込んだ画像データからC、M、Yの3色を用いたラスタデータを生成する。すなわち、RIP処理部64では、第一のイメージ情報が埋め込まれた画像データが入力されると、該当画像データに対するRIP処理を実行するときに、K(ブラック)色を、ピュアKを用いず、プロセスKで形成されるようにしている。
これにより、第一のイメージ情報を埋め込んだ画像を含む画像データに基づいて、C、M、Yの3色のラスタデータが生成されるようにし、第一のイメージ情報を埋め込んだ画像を形成する画素が、第二のイメージ情報として埋め込まれる潜像に混じることがないようにしている。
ここで、プロセスKとピュアKを用いた第二の付加情報である第二のイメージ情報の埋め込みを説明する。
図3(B)に示すように、情報埋め込み装置10の第二イメージ情報埋め込み部22には、コード変換部66、パターン取得部68及び画像生成部70と共に、画像合成部72が形成されている。
パターン取得部68は、第一イメージ情報埋め込み部20からブロック48のパターンサイズを取得して、第二のイメージ情報を埋め込むときのドット配列を設定する。
図5(A)に示すように、第一のイメージ情報が埋め込まれるブロック48は、縦横に配列されており、互いに隣接するブロック48の境界を境界部(境界線74)としたときに、この境界線74が格子状となっている。また、各ブロック48は、この境界線74に囲まれた領域となっている。なお、図5(A)では、破線でエッジを示している。
情報埋め込み装置10では、格子状の境界線74の交点に、第二のイメージ情報を形成するドット76を配置する。このときに、ドット76は、隣接するブロック48のそれぞれに跨るように形成される。すなわち、各ブロック48は、四隅の頂部にドット76が形成されるようになっており、これにより、本実施の形態では、一例としてひとつのドット76が、4画素分のサイズとなるようにしている。
このような各ドット76の位置は、ブロック48のブロックサイズ及び位置によって定まる。
ここから、パターン取得部68は、第一イメージ情報埋め込み部20から、ブロックサイズ及び位置座標を取得し、ドット76の縦横の数及び、各ドット76の位置座標を、ドット配列として設定する。
一方、情報埋め込み装置10では、第二の付加情報が、付加情報入力部26からコード変換部66に入力される。コード変換部66では、この第二の付加情報を、予め設定している符号化コードに変換する。このとき、コード変換部66では、第二の付加情報が単色のドットパターンとなるようにコード変換を行う。なお、第二の付加情報として、そのままで、単色のドット配列が形成可能となる文字やシンボル、単色画像などを用いるときには、コード変換部66を省略することもできる。
画像生成部70では、コード変換部66で設定したドットパターン及び、パターン取得部68で設定したドット配列に基づいて、第二のイメージ情報として埋め込むドット76のパターン画像の画像データを生成する。
このとき、画像生成部70では、コード変換部66で生成したドットパターンの各ドットをピュアKで形成するようにすると共に、ドット配列上で非ドットパターン位置にプロセスKでドットを形成するように画像データを生成する。
これにより、例えば、コード変換部66では、例えば、図6(A)に示すごときドットパターン78を生成する。また、画像生成部70では、図6(B)に示すように、ドットパターン78に基づいて、ピュアKを用いるドット76Aと、プロセスKを用いるドット76Bを、境界線74の交点に配置したドット配列画像の画像データを生成する。なお、図6(B)では、ハッチングの差によってドット76Aとドット76Bを区別している。
このようなドット76によるドットパターンを形成することにより、図5(B)に示すように、各ドット76の位置から、ブロック48の領域(図5(B)で破線で示す領域)を的確に把握することができる。
画像生成部70で生成されたパターン画像の画像データは、RIP処理部64へ出力されることにより、RIP処理が実行され、C、M、Y、Kのラスタデータを生成する。
すなわち、RIP処理部64では、プロセスKのドット76Bを形成可能とするC、M、Yのラスタデータと、ピュアKのドット76Aを形成可能とするKのラスタデータを生成する。
画像合成部72では、第一のイメージ情報が埋め込まれた画像データから生成したC、M、Yの各ラスタデータと、パターン画像の画像データから生成されたC、M、Yのラスタデータを、各色ごとに合成する。
これにより、情報埋め込み装置10では、第一の付加情報となる第一のイメージ情報と、第二の付加情報となる第二のイメージ情報が埋め込まれた画像16Aを形成可能とするC、M、Y、Kのラスタデータが得られる。
情報埋め込み装置10では、このラスタデータを、印刷出力部12へ出力することにより、第一のイメージ情報と第二のイメージ情報が埋め込まれた画像16Aを含む印刷物18の印刷出力が可能となる。
次に、情報埋め込み装置10によって第一のイメージ情報及び第二のイメージ情報が埋め込まれた画像16Aからの、第一のイメージ情報(第一の付加情報)及び第二のイメージ情報(第二の付加情報)の抽出を説明する。
図7(A)から図7(C)には、付加情報の抽出(復号)に用いる情報復号装置100の概略構成を示している。この情報復号装置100は、第二イメージ情報復号化部102、第一イメージ情報復号化部104及び、復号結果を出力する付加情報出力部106を含んで形成されている。また、情報復号装置100には、画像16(16A)等が形成されている印刷物18等を読み込むスキャナユニット108が設けられている。
情報復号装置100としては、図7(A)に示すように、スキャナユニット108から入力される所定の画像データから第二のイメージ情報を抽出して付加情報出力部106へ出力する第二イメージ情報復号化部102Aと、スキャナユニット108から入力される画像データから第一のイメージ情報を抽出して付加情報出力部106へ出力する第一イメージ情報復号化部104Aと、を備えた情報復号装置100A、図7(B)に示すように、画像データから抽出した第二のイメージ情報を付加情報出力部106と共に第一イメージ情報復号化部104(第一イメージ情報復号化部104B)へ出力する第二イメージ情報復号化部102Bと、画像データと第二のイメージ情報に基づいて第一のイメージ情報を復号して付加情報出力部106へ出力する第一イメージ情報復号化部104Bと、を備えた情報復号装置100B及び、図7(C)に示すように、画像データから抽出した第二のイメージ情報を第一イメージ情報復号化部104(第一イメージ情報復号化部104C)へ出力する第二イメージ情報復号化部102Cと、画像データと第二のイメージ情報に基づいて、付加情報としている第一のイメージ情報を付加情報出力部106へ出力する第一イメージ情報復号化部104Cと、を備えた情報復号装置100Cを適用することができる。
なお、以下では、特に区別しないときには、情報復号装置100A、100B、100Cを情報復号装置100、第二イメージ情報復号化部102A、102B、102Cを第二イメージ情報復号化部102及び、第一イメージ情報復号化部104A、104B、104Cを第一イメージ情報復号化部104として説明する。
このような、情報復号装置100としては、パーソナルコンピュータやワークステーションなどの情報処理端末に、所定のハードウエア、インターフェイス、プログラム等を組み込んで形成することができる。また、情報復号装置100としては、これに限らず、画像処理機能と画像読み取り機能を備えた複写機や複合機などの画像処理装置に、所定のハードウエア、インターフェイスやプログラムを付加して用いることも可能である。
ここで、まず、画像16から、第一の付加情報である第一のイメージ情報の抽出を説明する。なお、図8(A)、図8(B)は、情報復号装置100Aに適用される第二イメージ情報復号化部102A及び、第一イメージ情報復号化部104Aの概略構成を示し、図9(A)、図9(B)は、情報復号装置100Bに適用される第二イメージ情報復号化部102B及び、第一イメージ情報復号化部104Bの概略構成を示し、図10(A)、図10(B)は、情報復号装置100Cに適用される第二イメージ情報復号化部102C及び、第一イメージ情報復号化部104Cの概略構成を示している。
図8(B)に示すように、第一イメージ情報復号化部104Aには、画像データ格納部110、入力画像傾き補正部112、ブロックサイズ推定部114、ブロック位置検出部116、イメージ情報識別部118及びイメージ情報復号部120が含まれている。
また、図7(A)〜図7(C)に示すように、スキャナユニット108には、可視画像読み込み部122が設けられている。この可視画像読み込み部122では、例えば、CCDラインセンサ、CCDエリアセンサなどの一般的構成の受光素子を用いて、印刷物18に形成されている画像16などの可視画像を読み込んで、カラー画像データ(例えば、R、G、Bの各色成分の画像データ、以下、単に画像データとする)を出力する。
スキャナユニット108の可視画像読み込み部122によって読み込まれる印刷物18等の画像データは、イメージ情報復号化部104(104A〜104C)に入力される。これにより、情報埋め込み装置10の印刷出力した印刷物18や、この印刷出力(印刷物18など)を複写機などによって複写した複写物を原稿として、この原稿に記録された画像を読み取ることにより、原稿の記録画像に応じた画像データが画像データ格納部110に格納可能となる(図8(B)参照)。なお、画像データ格納部110は、処理途中の画像データを一時的に格納するワークメモリとなっている。
図8(B)に示す入力画像傾き補正部112は、読み込まれた画像データ中の画像の傾きを検出し、検出結果に基づいて傾き補正を施す。このような処理は、例えば、画像データに応じた画像を回転させ、垂直方向及び水平方向に投影させ、その投影波形の高さが所定の閾値以上となる範囲が、最小となる回転角度を、画像データの傾き角度として推定し、推定した傾き角度に応じて画像を回転するように画像データを補正する。
ブロックサイズ推定部114は、傾き補正された画像データから、付加情報が第一のイメージ情報として埋め込まれているブロックサイズを判定する。なお、イメージ情報を埋め込んだときのブロックサイズが、画像読み込みを行ったときのブロックサイズと異なることがあり、ブロックサイズ推定部114では、スキャナユニット108で読み込んだ画像データ上でのブロックサイズを推定する。
このときのブロックサイズの推定は、埋め込んだパターンが、所定方向(例えば、垂直方向ないし水平方向)のエッジ成分を有するという特徴を利用して、傾き補正された画像データからエッジを抽出してエッジ抽出画像を生成し、エッジ抽出画像から垂直・水平方向のエッジ成分を取り出した画像を生成し、その画像の自己相関関数のピーク値からブロックサイズを推定する。
ブロック位置検出部116は、ブロックサイズ推定部114で推定されたブロックサイズに基づいて、イメージ情報のパターンが埋め込まれているブロック位置を検出する。
このときのブロック位置の検出は、例えば、前記した2つのパターンの一方のパターンから正か負かの極性情報だけを抽出して作成したマスク画像と、イメージ情報が埋め込まれた画像との相関性を利用し、ブロックサイズ推定部114で推定したブロックサイズに基づいてマスク画像を生成し、このマスク画像と画像データとの間で相関演算を行い、その相関演算結果の画像から、その値が極大値または極小値となる点だけを抽出し、それらを垂直方向及び水平方向に投影して、その投影波形と、ブロックサイズ推定部114で推定したブロックサイズとから得られる。
なお、前記した2つのパターンは、極性が逆のパターンであり、それぞれのパターンから作成したマスク画像は、極大値・極小値が逆転するものであることから、何れか一方のパターンを用いるのみでブロック位置検出を行うことができる。
イメージ情報識別部118は、イメージ情報復号部120によって制御されて、ブロックサイズ推定部114及びブロック位置検出部116によって位置及び大きさが検出されたブロックに埋め込まれている第一のイメージ情報を識別する。
このときの第一のイメージ情報の識別処理は、例えば、所定方向のエッジにより4つに分割された領域の画素値の総和の大小関係を利用して行う。
イメージ情報復号部120は、予め規定されたフォーマットにしたがい、イメージ情報識別部118により識別された個々の情報を組み立て、復号化することにより、第一のイメージ情報として埋め込まれている元の付加情報(第一の付加情報)を復元する。
ここで、イメージ情報復号化部104の構成の一例を具体的に説明する。
ブロックサイズ推定部114は、Sobel型フィルタなどの微分フィルタを用いて、読み込まれた画像データからエッジ抽出画像を得る。なお、エッジの抽出は、Sobel型フィルタに限らず、Prewitt型やKirsh型などのフィルタを用いることができる。
また、ブロックサイズ推定部114では、エッジ抽出画像から、所定方向(ここでは一例として水平方向及び垂直方向)のエッジ成分を抽出する。図11(A)には、このときの一例とするマスク(マスク画像)124の概略を示しており、この十字型のマスク124との間での相互相関を算出する方法を用いることができ、これにより、特に水平・垂直成分のエッジや、その交点が強調されたエッジ画像を得ることができる。
イメージ情報のパターンが垂直、水平方向のエッジが存在しているパターンであれば、図4(C)、図4(D)に示す矩形パターンの中心を通る格子状のエッジが存在し、このパターンから得られるエッジと、元の画像に存在する垂直、水平方向のエッジがエッジ画像中に存在する。
さらに、ブロックサイズ推定部114では、生成したエッジ画像から自己相互相関を求める。この自己相互相関によって、第一のイメージ情報のパターンから得られるエッジのみを抽出することができる。このときに求める自己相関のオフセット範囲としては、通常、(2、2)〜(20、20)程度で計算すれば十分と言える。
このエッジ画像には、ほぼ等間隔に並んだ縦横方向の線分が抽出されているため、自己相関関数が最大となるオフセットを検出すれば、それが拡大/縮小後のブロックサイズと一致しているとみなすことができ、ここから、自己相関関数が最大となるオフセットをブロックサイズとして推定することができる。なお、オフセットとして、(0,0)、(0,1)、(1,0)、(1,1)を計算から除外しているのは、画像の自己相関の性質として、これらのオフセットでの自己相関値が高くなるという性質があり、また、通常、ブロックサイズとしてこのような小さい値はありえず、さらに、このような値をブロックサイズとして適用しないことに基づいている。
このように、イメージ情報を埋め込んだときのパターンサイズ、出力時の解像度、入力時の解像度などが未知であっても、印刷出力の画像データから付加情報のデコードに必要なブロックサイズを得ることができる。
なお、ここで得られるブロックサイズの値は整数値であることに注意しなければならず、プリンタとスキャナの組み合わせでは、400dpi、600dpi、1200dpiなどの解像度となることが多く、解像度変換された埋め込み画像上でのブロックサイズも整数となることが多い。しかし、デジタルカメラで画像読み取りを行うときの読み取り解像度は、デジタルカメラと被写体である印刷出力との距離に依存するので、ブロックサイズは整数となるとは限らず、このようなときには、ブロックサイズ推定部114で推定したブロックサイズは、近似値といえるものであり、情報復号装置100(イメージ情報復号化部104)では、ブロック位置検出部116でブロックサイズが補正されるようにしている。
ブロック位置検出部116は、ブロックサイズ推定部114で推定したブロックサイズに基づいてマスク画像を生成する。図11(B)、図11(C)には、そのマスク画像の一例を示している。例えば、ブロックサイズが偶数の時には、図11(B)に示すマスク(マスク画像)126を生成し、ブロックサイズが奇数の時には、図11(C)に示すマスク(マスク画像)128を生成する。これらのマスク126、128の特徴は、水平、垂直軸で4つの領域に分割したときに、右上と左下の領域は、すべて”+1”、右下と左上の領域はすべて”−1”としており、これは、2つの埋め込みパターンの一方から正か負かの極性情報のみを抽出したものに等しい。ただし、ブロックサイズが奇数であったときには、垂直・水平軸に重なる部分を、”0”とし、図4(A)〜(D)に示すパターンに対応するようにしている。
ブロック位置検出部116では、マスク画像を生成すると、このマスク画像と画像データの間で相互相関を演算して相関画像を作成する。図2(A)〜図2(D)に示す付加画像のパターンと、図11(A)に示すマスク画像124を比較してわかるように、相関値は、付加情報“1”が埋め込まれているブロック48とマスク画像124がちょうど重なったときに極大となりやすく、逆に付加情報“0”が埋め込まれているブロック48とマスク画像124がちょうど重なったときに極小になりやすい。
この傾向は、埋め込み前のブロック48の位置に対応する元画像が平坦であったときに、特にそうなりやすい。逆に埋め込み前のブロック48の位置に対応する元画像が局所的なエッジを持っていると、必ずしも埋め込みブロック48とマスク画像124がちょうど重なったところで極大または極小になるとは限らないが、この影響は、投影法によって軽減することができ、極端にエッジの多い画像でなければ問題となることがない。
ブロック位置検出部116では、相関画像を生成すると、生成した相関画像から極大または極小となる点のみを取り出す。極大点の抽出(取り出し)は、相関値画像をラスタスキャン順に走査しながら、3×3のウインド内で画素値を比較し、最大値を示す画素位置以外は、すべて極大値の候補でないことを示すマークを付加する。さらに、最大値を示す画素位置が既にマークされているときには、その画素位置も極大値となりえないので、マークを付加する。
この処理を、相関画像の左上から右下まで行い、この結果、マークされていない画素位置が極大値を示す位置となるので、マークされた位置の画素値をすべて“0”にすることで、極大値が存在する位置と、その極大値が抽出される。
また、極小値の抽出は、相関画像を反転してから、極大値を抽出したときと同様の処理を行えば、極小値の存在する位置と、その極小値のみが抽出される。そして、極大値画像と極小値画像を加算すれば、極値画像が得られる。
図12には、ブロック位置検出部116で作成される極値画像の一例及び、極値画像からブロック位置を求める処理の一例を示している。この図12では、極大値及び極小値を白丸で示しており、極大値及び極小値は、各パターンのほぼ中心位置で検出される。このとき、極値画像は、垂直方向及び水平方向の投影波形は、各ブロックが縦横(水平方向及び垂直方向)に配置されていることから、一定間隔のピークを持つ。
ブロック位置検出部116では、この水平方向及び垂直方向の投影波形のピーク位置から、ブロック位置を推定することにより、正確なブロック位置の推定が可能となっている。
すなわち、一番端のピーク位置を最初に求め、そこからブロックサイズ推定位置114で求めた(ブロックサイズ)±(許容値δ)の範囲で、次のピーク位置を順に探すことで、垂直方向又は水平方向のピーク位置を検出し、垂直・水平方向のピーク位置の組み合わせを各ブロック位置とすればよい。このとき、許容値δの値としては、ブロックサイズが8以下であれば1程度、ブロックサイズが8より大きければ2程度とすることが好ましい。
ここで、元画像に局所的な強いエッジがあると、それを含むブロックから求めた極大位置又は極小位置は、平坦な部分から求めた極値の位置間隔からずれてしまっている可能性がある。しかし、このばらつきは、極値画像の投影法と、ピーク位置を一定間隔で検索することにより、大幅に軽減される。
一方、イメージ情報識別部118は、ブロックサイズ情報を元に、ブロック48を縦横方向に4つの領域に分割した計算ウインドを設定する。この計算ウインドのサイズは、ブロックサイズ推定部114で推定したブロックサイズに等しく、図13(A)、図13(B)に示すように、水平・垂直軸で領域4つの領域R1、R2、R3、R4に分割されている。なお、図13(B)に示すように、ブロックサイズが奇数の時は、垂直・水平軸に重なる部分は、領域R1〜R4に含まない。
イメージ情報識別部118は、ブロック位置検出部116で検出したブロックに対して、前記計算ウインドを適用して、領域R1〜R4のそれぞれに含まれる画素値の総和を求める。なお、以下では、領域R1〜R4のそれぞれでの画素値の総和を総和値r1、r2、r3、r4とする。
ここで、イメージ情報識別部118では、総和値r1〜r4の大小関係から、付加情報が“1”であるか“0”であるか、あるいは判定不能かを判別する。
このときの判定方法は、
(1) (r2>r1)&(r2>r4)&(r3>r1)&(r3>r4)であるなら、付加情報=“1”。
(2) (1)でないとき、もし、(r1>r2)&(r1>r3)&(r4>r2)&(r4>r3)であるなら、付加情報=“0”。
(3) (2)でないとき、もし、(r2>r4)&(r4>r3)&(r3>r11)であるなら、付加情報=“1”。
(4) (3)でないとき、もし、(r4>r2)&(r2>r1)&(r1>r3)であるなら、付加情報=“0”。
(5) (4)でないとき、もし、(r3>r4)&(r4>r2)&(r2>r1)であるなら、付加情報=“1”。
(6) (5)でないとき、もし、(r4>r3)&(r3>r1)&(r1>r2)であるなら、付加情報=“0”。
(7) (6)でないとき、もし、(r3>r1)&(r1>r2)&(r2>r4)であるなら、付加情報=“1”。
(8) (7)でないとき、もし、(r1>r3)&(r3>r4)&(r4>r2)であるなら、付加情報=“0”。
(9) (8)でないとき、もし、(r2>r1)&(r1>r3)&(r3>r4)であるなら、付加情報=“1”。
(10) (9)でないとき、もし、(r1>r2)&(r2>r4)&(r4>r3)であるなら、付加情報=“0”。
(11) (10)でないとき、付加情報は判別不能。
としている。
図14(A)〜図14(F)には、イメージ情報識別部118での識別結果の概略を示している。なお、図14(A)〜図14(F)では、値の小さい側(領域)にハッチングを施している。
付加情報の識別判断は、元のブロックが平坦であれば、そこに付加情報“1”を埋め込んだとき、領域R2、R3の画素値が大きくなり、領域R1、R4の画素値が小さくなる(図14(A)参照)。このため、印刷出力をスキャン又はデジタルカメラによる撮影などによって画像データを読み取ったときにも、総和値r1〜r4の間では、(r2>r1)&(r2>r4)&(r3>r1)&(r3>r4)が成立する確立が高いと解釈することができる。
逆に、付加情報“0”を埋め込んだときには、領域R1、R4の画素値が大きくなり、領域R2、R3の画素値が小さくなる(図14(B)参照)。これにより、総和値r1〜r4の間では、(r1>r2)&(r1>r3)&(r4>r2)&(r4>r3)が成立する確立が高い。
これに対して、画像のエッジを含む部分では、上記した単純な解釈で判断することができないときが多い。ここから、元画像の水平方向にステップエッジがあるときと、垂直方向にステップエッジがあるときを考慮して、付加情報の予測制度を高めるようにしている。
具体的には、元画像の埋め込み対象のブロックが、図14(C)のように、水平方向にステップエッジを持つときに、付加情報“1”を埋め込み、読み取った画像データでも、そのブロックでステップエッジが小さければ、(r2>r1)&(r2>r4)&(r3>r1)&(r3>r4)が成立している確立が高いが、ステップエッジが大きければ、(r3>r4)&(r4>r2)&(r2>r1)が成立している確立が高いと考えられ、これに基づいて判定条件を設定している。
また、図14(D)に示すように水平方向のステップエッジがあるときや、図14(E)、図14(F)に示すように垂直方向のステップエッジが存在するときにも、同様にして判定条件を設定している。
このとき、イメージ情報識別部118では、各領域R1〜R4の画素値の総和値r1〜r4の大小を比較することにより、元画像のステップエッジの境界線は、ブロック48の中心でなくても問題が生じることがないようにしている。また、ステップエッジが多少斜めであっても、正しく識別できる可能性が高くなっている。
なお、4つの領域R1〜R4のうちの一つのみに大きなエッジがあると、判別が難しくなるが、このときには、“1”又は“0”以外の識別値として、“リジェクト”の値を設けるようにしてもよく、また、判別不能時には強制的に“1”又は“0”と判断し、誤り訂正符合により復号しても良い。
一方、イメージ情報復号部120では、ブロック位置検出部116で検出したブロック位置から順次イメージ情報識別部118からの識別値を得て、予め規定した復号化方式を用いて第一のイメージ情報から第一の付加情報を復元する。なお、このときに用いる復号化方式は、任意の方式を適用することができる。
これにより、元画像に第一のイメージ情報として埋め込まれている付加情報(第一の付加情報)を解読することが可能となる。さらに、情報埋め込み方式では一般的に使用される誤訂正符号化等を用いることにより、付加情報の取得の確実性を高めることができる。
一方、図7(A)〜図7(C)に示すように、スキャナユニット108には、赤外画像読み込み部130が設けられている。前記した可視画像読み込み部122は、可視光を用いる一般的構成であるのに対して、赤外画像読み込み部130は、非可視光として赤外光を適用して、赤外光を含む光源を用い、また、所定波長の赤外光を受光する受光素子を用いて画像読み込みを行う。
一般に、電子写真プロセスによる画像形成に用いられるプロセスカラーのうち、C、M、Yの各色のトナーは、赤外光に対する光吸収特性はほぼ一定で光吸収性が低くなっている(光吸収性を有していない)のに対し、K(ピュアK)のトナーは、所定波長の赤外光に対して、光吸収率が高くなっている。
赤外画像読み込み部130では、この波長ないしこの波長を含む所定領域の赤外光を受光素子によって検出可能となっている。これにより、赤外画像読み込み部130では、ピュアKによって形成された画像に応じた画像データを出力する。このとき、スキャナユニット108では、可視画像読み込み部122と同じ倍率で赤外画像読み込み部130での画像読み込みを行う。
情報埋め込み装置10では、第二の付加情報となる第二のイメージ情報を、ピュアKを用いて印刷物18に潜像として形成するようになっており、スキャナユニット108は、赤外画像読み込み部130を設けることにより、印刷物18の背に形成されている潜像の読み込みが可能となっている。
図8(A)に示すように、情報復号装置100Aでは、スキャナユニット108の赤外画像読み込み部130で読み込まれた潜像(赤外画像)に応じた画像データが、第二イメージ情報復号化部102Aへ入力される。
第二イメージ情報復号化部102Aには、画像データ格納部132が設けられていると共に、コード変換部136が形成されている。情報埋め込み装置10では、潜像として第二の付加情報に基づいたドット76Aのパターン画像を形成するようになっており、第二イメージ情報復号化部102Aには、赤外画像読み込み部130で読み込まれたパターン画像に応じた画像データが、画像データ格納部132に格納される。
コード変換部136では、画像データ格納部132に格納される画像データからパターン画像を取得する。すなわち、画像データ格納部132に格納される画像データは、潜像が記録されている画像16(16A)の位置、画像16上のドット76Aの位置が含まれており、各ドット76Aの位置を容易に取得することができる。また、第一の付加情報を埋め込む単位ブロック(ブロック48)の交点に第一のドット及び第二のドットが埋め込まれていることから、各ドット76Aの位置からドット76Bの位置も容易に取得(推定)できる。
また、コード変換部136では、パターン画像として形成されているコード(例えばドット76Aをコード“1”、ドット76Bをコード“0”とする)を特定し、特定したコードから第二のイメージ情報として埋め込まれている第二の付加情報を取得する。
この際、パターン画像が回転している場合もあるが、図5(A)及び図6(B)に示しているような配置であるため、公知の技術であるFFT(高速フーリエ変換)を用いた回転角推定方法や、画像を微小角ずつ回転させ、水平、垂直方向に投影する方法などで容易に回転角の推定を行うことができ、推定された回転角を用いれば、回転しているパターン画像も、図6(B)に示す状態とすることができる。なお、回転角の推定は、これらに限るものではない。
これにより、第二イメージ情報復号化部102Aでは、画像16Aに潜像として埋め込まれている第二の付加情報の復号を行う。なお、文字、シンボル、キャラクタなどの画像を、そのままパターン画像に設定しているときには、コード変換を行うまでもなく、パターン画像から、第二の付加情報を容易に取得することができる。
コード変換部136では、復号した第二の付加情報を付加情報出力部106へ出力する。この付加情報出力部106は、例えば、第二の付加情報を、図示しないディスプレイに表示したり、印刷出力することにより、第二の付加情報を出力する。なお、付加情報出力部106としては、後述する第一の付加情報と共に、ディスプレイに表示したり、所定のフォームで記録紙などに印刷出力するなどの任意の構成を適用することができる。
さらに、付加情報出力部106で、第一の付加情報及び第二の付加情報が揃って初めて意味のある情報(付加情報)が生成される仕組みをもっても良い。例えば、情報を埋め込むときに、一つの付加情報を、第一の付加情報と第二の付加情報に分割されているときなどでは、第一の付加情報と第二の付加情報を得た後に合成することにより、元の付加情報が得られる。
これにより、仮に、第一の付加情報又は第二の付加情報の何れか一方を復号することができなれければ、付加情報出力部106から、意味のある付加情報(元の付加情報)を出力することができなくなる。
次に、図7(B)に示す、情報復号装置100Bの説明を行う。なお、情報復号装置100Bにおいて、前記した情報復号装置100Aと同等の構成については、その説明を省略する。
情報復号装置100Bでは、第二イメージ情報復号化部102Bで得た第二の付加情報を付加情報出力部106へ出力すると共に、第二イメージ情報復号化部102Bで得られたドット配列情報を、第一イメージ情報復号化部104Bへ出力する。第一イメージ情報復号化部104Bでは、第二イメージ情報復号化部102Bから入力されたドット配列情報に基づいて、第一のイメージ情報を復号化する。
図9(A)には、情報復号装置100Bに適用される第二イメージ情報復号化部102Bの概略構成を示している。この第二イメージ情報復号化部102Bは、前記した第二イメージ情報復号化部102A(図8(A)参照)に、ドット配列情報生成部134が加えられた構成となっている。
ドット配列情報生成部134には、コード変換部136で得られた各ドット76A、76Bの座標データ及び回転各が入力される。ドット配列情報生成部134では、入力された情報から回転後の各ドット76A、76Bの座標データを生成し、第一イメージ情報復号化部104Bへ、各ドット76の回転角情報及び回転後の座標データをドット配列情報として出力する。
図9(B)には、情報復号装置100Bに適用される第一イメージ情報復号化部104Bの概略構成を示している。第一イメージ情報復号化部104Bは、前記した第一イメージ情報復号化部104A(図8(B)参照)から、入力画像傾き補正部112、ブロックサイズ推定部114及びブロック位置検出部116が省かれ、第二入力画像傾き補正部138、第二ブロック位置検出部104が設けられた構成となっている。
第二入力画像傾き補正部138には、第二イメージ情報復号化部102Bからドット配列情報が入力されるようになっており、第二入力画像傾き補正部138では、ドット配列情報の回転角情報に基づき、画像データ格納部110に格納されている可視画像に対して回転処理を施し、回転処理を施した可視画像の画像データを画像データ格納部110に格納する。
第二ブロック位置検出部140では、ドット配列情報の第一のドット(ドット76A)及び第二のドット(ドット76B)の座標データを用い、ブロック位置を検出する。
これは、図5(A)に示すように、ドット76A、76Bが第一の付加情報を埋め込んでいる単位ブロック48の交点に配置されていることから、イメージ情報識別部118に入力される領域(サイズ)が、図5(B)において点線で示していることから容易に推定できるためである。
次に、図7(C)に示す、情報復号装置100Cの説明を行う。なお、情報復号装置100Cにおいて、前記した情報復号装置100A、100Bと同等の構成については、その説明を省略する。
情報復号装置100Cでは、第二イメージ情報復号化部102Cでの復号結果が、第一イメージ情報復号化部104Cへ入力される。すなわち、情報復号装置100Cでは、第二のイメージ情報に基づいて第一のイメージ情報の復号を行い、復号した第一のイメージ情報が、付加情報として出力されるようになっている。
図10(A)には、情報復号装置100Cに適用される第二イメージ情報復号化部102Cの概略構成を示しており、第二イメージ情報復号化部102Cでは、コード変換部136の出力(復号結果)が、第一イメージ情報復号化部104Cへ出力されるようになっている。
図10(B)には、情報復号装置100Cに適用される第一イメージ情報復号化部104Cの概略構成を示しており、第一イメージ情報復号化部104Cは、前記した第一イメージ情報復号化部104A(図8(B)参照)に類似した構成となっているが、第二イメージ情報復号化部102Cの復号結果が、イメージ情報復号部120に入力されるようになっている。
この第一イメージ情報復号化部104Cのイメージ情報復号部120では、ブロック位置検出部116で検出したブロック位置から順次イメージ情報識別部118からの識別値を得て、予め規定している復号化方式に、第二の付加情報を復号鍵として用いて復号化を行うことにより、第一のイメージ情報から第一の付加情報を復元する。
すなわち、情報復号装置100Cでは、第一の付加情報が所定の暗号鍵によって符号化されて埋め込まれて、この暗号鍵に対する復号鍵が第二の付加情報として埋め込まれているときに、第一の付加情報の復号化を行うことができるようになっている。
ここで、情報埋め込み装置10を用いた第一及び第二の付加情報の埋め込み処理と、情報復号装置100(情報復号装置100A〜100C)を用いた第一及び第二の付加情報の復号処理の流れを説明する。
情報埋め込み装置10では、情報埋め込みの対象となる画像16を含む画像データが入力されると共に、第一及び第二の付加情報が入力され、さらに、パターンサイズ、埋め込み強度、パターン減衰率が、入力されて、情報埋め込み及び情報を埋め込んだ印刷物18の出力処理が指示されることにより、情報埋め込み処理及び、印刷出力を実行する。
図15には、情報埋め込み装置10での情報埋め込み処理の一例を示しており、このフローチャートでは、最初のステップ200で、入力された画像データ、第一及び第二の付加情報、パターンサイズ、埋め込み強度、パターン減衰率を読み込み、次のステップ202では、第一のイメージ情報として画像16に第一の付加情報を埋め込むときの、埋め込み強度C、パターン減衰率α、ブロック48のサイズなどの埋め込み条件の設定を行う。
ステップ204では、イメージ情報の符号化処理を行う。この符号化処理としては、例えば、第一の付加情報に対して二値情報に変換する二値化処理を実行すると共に、誤り符号化処理を行う。この後、埋め込み条件に応じて二つのパターンの生成を行うと、ステップ206では、二つのパターンを選択しながら、ブロック48に対応する画像データの画像ブロックに、選択したパターンを重畳する。これにより、画像16に第一のイメージ情報を埋め込んだ画像データを生成する。
一方、ステップ208では、埋め込み対象の画像16に配置するブロック48の数などに基づいて、第二の付加情報となる第二のイメージ情報を形成するドット配列を生成する。
また、ステップ210では、コード変換等を施すことにより第二の付加情報に基づいたドットパターンを形成し、このドットパターンとドット配列から潜像となるドット76Aによるパターン画像の画像データを生成する。このとき、画像データは、ピュアK(プロセスカラーのK)でドット76Aを形成するように画像データを生成する。
この後、ステップ212では、ドット配列上で非ドット76Aとなる位置にドット76Bを配置する画像データを生成する。このとき、プロセスK(プロセスカラーのC、M、Y)でドット76Bを形成するように画像データを生成する。なお、第一のイメージ情報を埋め込んだ画像データの生成(ステップ202〜206)と、第二のイメージ情報となる画像データの生成(ステップ208〜212)は、並行して行うものであっても良い。
このようにして、第一のイメージ情報を埋め込んだ画像データ及び、第二のイメージ情報を形成する画像データを生成すると、ステップ214では、まず、第一のイメージ情報を含む画像データに対して所定の画像処理及びRIP処理を施すことにより、C、M、Yのラスタデータを生成する。すなわち、K色をC、M、Yのプロセスカラーによって印刷出力可能とするラスタデータを生成する。
また、ステップ216では、第二のイメージ情報を形成する画像データに対して、所定の画像処理及びRIP処理を施すことにより、C、M、Y、Kのラスタデータを生成する。このときに、ドット76Aを形成可能とするK色のラスタデータを、ドット76Bを形成可能とするC、M、Yのラスタデータを生成する。
次に、ステップ218では、画像16にイメージ情報を埋め込んだ画像データから生成したC、M、Yのラスタデータと、第二のイメージ情報を形成するC、M、Yのラスタデータを、各色ごとに合成することにより、C、M、Yのラスタデータを生成することにより、C、M、Y及びKのラスタデータを取得する。
この後、C、M、Y、Kのラスタデータを印刷出力部12へ出力することにより、この画像データに基づいた印刷処理を実行する(ステップ220)。
これにより、画像16に第一のイメージ情報と第二のイメージ情報を埋め込んだ画像16Aが形成された印刷物18を得ることができる。すなわち、図16に示すように、印刷物18に形成される画像16Aは、ブロック48のパターンサイズに対応する画像ブロック(ブロック48)ごとに、符号化した第一の付加情報の各ビット値に対応した濃度変換が行われることにより第一のイメージ情報が埋め込まれる。また、画像16Aは、ブロック48の四隅の頂部に対応する位置に、第二のイメージ情報を形成するドット76が形成される。このとき、ドット76が、ピュアKを用いたドット76Aと、プロセスKによるドット76Bとによって形成することにより、ドット76A、76Bによる可視画像と、ドット76Aによる不可視画像とが形成される。
このようにして画像16Aが形成された印刷物18から、画像16Aに埋め込まれている第一のイメージ情報(第一の付加情報)及び第二のイメージ情報(第二の付加情報)を復号するときには、スキャナユニット108が設けられている情報復号装置100(100A〜100C)を用いることができる。
このスキャナユニット108には、可視画像を読み込む一般的構成の可視画像読み込み部122に加え、赤外画像読み込み部130が設けられており、これにより、画像16Aの可視画像と共に、画像16Aに第二のイメージ情報として形成されている潜像の読み込みが可能となっている。
ここで、スキャナユニット108を用いた情報復号装置100での復号処理を説明する。情報復号装置100(100A〜100C)では、スキャナユニット108に、印刷物18などの復号対象の原稿が装填された状態で、復号処理の開始が指示されることにより、情報復号処理を実行する。
図17には、情報復号処理の概略を示しており、情報復号装置100(100A〜100C)では、復号処理が指示されると、最初のステップ230で、スキャナユニット108を作動させ、赤外画像読み込み部130を用いて、原稿に記録されている赤外画像の読み込みを行う。このとき、原稿が第二のイメージ情報の形成された印刷物18であれば、第二のイメージ情報に応じた潜像の画像データが読み込まれる。
また、ステップ232では、スキャナユニット108の可視画像読み込み部122を用いて、原稿に記録されている可視的に形成されている画像を読み込む。すなわち、原稿からの通常の画像読み込みを行う。
原稿から可視画像と共に赤外画像を読み込むと、次のステップ234では、第二のイメージ情報の復号処理を行う。
図18(A)には、第二のイメージ情報の復号処理の概略を示しており、情報復号装置100では、ステップ240で赤外画像読み込み部130で読み込んだ赤外画像の画像データから、原稿に記録されている赤外画像がドットパターンであるか否かを確認する。すなわち、赤外画像が第二のイメージ情報であるか否かを確認する。
情報埋め込み装置10では、第二の付加情報に基づいてドットパターンを形成し、形成したドットパターンに応じたパターン画像を、画像16Aに形成するようにしており、ここから、例えば、赤外画像の画像データから得られる画像が、複数のドット76Aによって形成されるものであり、かつ、ドット76Aの縦、横の配列がそれぞれ、所定間隔又は所定間隔の倍数(正数倍)であるか否かから、赤外画像が第二のイメージ情報となるドットパターンであるか否かを判断することができる。
例えば、図16に示すドット76(ドット76A、76B)が形成され、さらに、他の画像がプロセスカラーのC、M、Yによって形成されているときには、図19に示すように、赤外画像として、ピュアKによって記録されているドット76Aのみの画像の画像データが得られる。
このドット76Aは、格子状の境界線74の交点に形成されているので、縦及び横方向に隣接するドット76Aの間隔は、それぞれの方向に沿った境界線47の間隔又は境界線47の間隔の整数倍となっている。
ここから、図18(A)のフローチャートでは、赤外画像がドットパターンであると、ステップ240で肯定判定してステップ242へ移行する。このステップ242では、画像データによって形成されるドットパターンに対して、所定のコード変換を行うことにより、第二のイメージ情報として形成されている第二の付加情報を取得(復号)する。
このようにして、第二のイメージ情報として形成されている第二の付加情報を取得すると、情報復号装置100Aでは、ステップ244で、取得した第二の付加情報を付加情報出力部106へ出力する。
また、情報復号装置100Bでは、ステップ244で、取得した第二の付加情報を、付加情報出力部106へ出力するのに加えて、第二のイメージ情報を復号する際に得られるドット配列情報を、第一イメージ情報復号化部104Bへ出力する。
また、情報復号装置100Cでは、ステップ244において、取得した第二の付加情報を、第一イメージ情報復号化部104Cのイメージ情報復号部120へ出力する。
なお、図18(A)のフローチャートでは、赤外画像がドットパターンでなければ、ステップ240で否定判定されることになり、これにより、処理を終了し、第二の付加情報に該当する情報が出力されない。
このようにして、赤外画像に対する処理を終了すると、図17のフローチャートでは、ステップ236へ移行して、第一のイメージ情報の復号処理を開始する。
図18(B)には、イメージ情報復号処理の概略を示しており、このフローチャートでは、ステップ260で、可視画像データに基づいて、画像16Aに形成されている第一のイメージ情報の復号を行い、第一のイメージ情報の復号を行うと、次のステップ262では、イメージ情報が的確に復号されたか否かを確認し、復号されているときには、ステップ262で肯定判定してステップ264へ移行する。これにより、情報復号装置100Aでは、復号された付加情報を付加情報出力部106へ出力する。
また、情報復号装置100Bでは、第二イメージ情報復号化部102Bから入力されるドット配列情報を基にブロック位置を検出し、上記ステップ260で復号化を行う。
また、情報復号装置100Cでは、第二イメージ情報復号化部102Cの復号結果を復号鍵として、復号化処理を行うことで、ステップ260で第一のイメージ情報の復号化を行う。
図17のフローチャートにおいて、第一のイメージ情報の復号処理を終了すると、情報復号装置100Aでは、ステップ238へ移行して、復号した第二のイメージ情報から、第二の付加情報を復号し、この第二の付加情報を及び、第一のイメージ情報から復号した第一の付加情報を出力する。
このとき、情報復元装置100Aで復元された第一の付加情報と第二の付加情報が揃わなければ、元の付加情報が得られない仕組みであれば、付加情報の復元の制限や複写防止を図ることができる。
また、情報復元装置100B、100Cでは、第二の付加情報の復号ができなければ、第一の付加情報の復元も困難となり、第二の付加情報によって付加情報の復元の制限や複製防止を図ることができる。
すなわち、第二のイメージ情報を的確に検出できなければ、第二のイメージ情報が示す付加情報は勿論、第一のイメージ情報が示す付加情報の復号も困難となる。このとき、形式的に第一の付加情報が復号されても、実質的に意味のない情報となる。
一方、第二のイメージ情報は、赤外画像として不可視的に形成されているので、例えば、第二のイメージ情報が形成された画像16Aが記録されている印刷物18を複写した、複写物では、ドット76の全てが同一の色材の組合わせで形成されてしまうのは勿論、画像16に含まれる黒色も同一の色材で形成されてしまう。
この複写物をスキャナユニット108の赤外画像読み込み部130で読み込むことができるが、元のドット76Aのみを読み込むことが困難となり、第二のイメージ情報として形成している本来の潜像が消失してしまうことになる。
したがって、第二のイメージ情報を検出することができるか否かによって、情報復号装置100(情報復号装置100A〜100C)で付加情報の読み込みを行う対象とする原稿が、印刷物18であるか、印刷物18の複写物であるかの判断が可能となる。
なお、本実施の形態では、情報復号装置100Aで第二のイメージ情報を検出できなかったときに、付加情報出力部106から適切な出力が行われないようにしたが、印刷物18の複写物であっても、ドット76を含む画像の読み取りが可能であるので、ここから、第一のイメージ情報の復号が可能であるので、第一のイメージ情報の復号のみを行うようにしても良い。すなわち、原稿が印刷物18の複製物であるか否かの判断に、情報復号装置100Aを用いるようにしてもよい。
このように、本実施の形態では。濃度変換によって第一のイメージ情報埋め込んだ画像の所定位置に、第二のイメージ情報として、ドット配列によって可視的に形成した画像中に潜像を形成しているので、潜像を的確に検出できなければ、イメージ情報の的確な復号も困難となるようにしている。
これにより、画像中に、濃度変換によって付加情報を埋め込んだときにも、複写などによって付加情報が復号不能となる完全崩壊型とすることができ、したがって、従来は、複写物からの復号が可能となっているイメージ情報が復号されてしまうのと確実に防止することができる。
なお、以上説明した本実施の形態は、本発明の一例を示すものであり、本発明の構成を限定するものではない。例えば、本実施の形態では、第二のイメージ情報を、第二の付加情報を用いて形成するようにしているが、この第二のイメージ情報は、第一のイメージ情報に関連付けて、第一のイメージ情報の復号に適用されるように形成するものであっても良い。
例えば、図20に示すように、潜像を形成するドット76Aを所定間隔の格子状となるように配列したパターン画像80として、このパターン画像80のドット76Aを、イメージ情報を復号するときの同期パターンとして用いるようにしても良い。
また、本実施の形態では、1ビット分の情報埋め込みに用いるブロック48が、縦方向及び横方向に沿って接するように配置し、隣接するブロック48の境界線74の交点にドット76を形成するようにしたが、ブロックの配置及びドットの位置はこれに限るものではない。
ブロック48の配置としては、図21に示すように、隣接するブロック48の間に、所定間隔(所定画素分)で情報埋め込み(濃度変換)に用いない不感帯82(図21でブロック48の周縁の境界線74の間の領域)を設けるようにしても良い。このときには、不感帯82の交点にドット76を配置するようにしても良い。
すなわち、第二の付加情報に基づいた可視画像及び不可視画像を形成するドットの位置としては、濃度変化に用いる矩形状の単位ブロックの頂部ないし単位ブロックの頂部に隣接する位置を用いることができる。
また、本実施の形態では、イメージ情報の埋め込みに、互いの画素同士を加算すると0になる、自身の全画素を加算すると0になる、中心部を通り方向が異なり画素値が不連続となる2本のエッジを備える、中心で画素値の絶対値が最も大きくなり周辺部へ向けて小さくなる、という特性を有する2つのパターンを用いてブロック48ごとに、イメージ情報に基づいたビット値を埋め込むようにしているが、本発明は、矩形形状の単位ブロックごとに濃度変換を行う任意の構成を適用することができる。
一方、本実施の形態では、画像16に埋め込んでいる付加情報の復号を規制するために、可視画像として形成しているドット配列(ドット配列画像)に、潜像を形成するようにしているが、本発明は、これに限らず、画像に基づいた情報の取得の規制に適用することができる。
例えば、画像を所定のブロックサイズで分割し、ブロック毎の画像の画素値、濃度値、彩度値などの特徴量(特徴量の平均値)に基づいて、元の画像を特定するコードなどを設定することがある。
すなわち、ブロック毎の画像の特徴量として、画素値の平均値を用い、元の画像の特定に用いるコードを設定するときに、分割した各ブロックごとの画素値の平均値を算出し、算出した平均値としきい値又は、基準ブロックの平均値の差が正となるか負となるかに基づいてビット値(0又は1)を設定し、設定したビット値の並びからコードを設定する。
このときに、元の画像をC、M、Yによって記録すると共に、予め設定したドット配列で、ドット76(ドット76Aとドット76B)を形成する。このときに、ドット76Aを用いて潜像を形成しておく。
これにより、元の画像を特定可能とするコードが抽出されるのを防止する第二のイメージ情報として用いることができる。
このように、可視画像のドット配列を、可視画像では同一の色で見えるが、一方が不可視光領域で光吸収性を有する色材を用いて形成する。このときに、ドット配列に合わせたパターンで潜像を記録することにより、潜像を用いなければ、画像に含まれる情報の取得を困難とする、第二のイメージ情報を形成することができる。