本発明の最良の形態を、添付図面に従って説明する。
なお、図面に示した最良の形態は、本発明をビデオカメラにおけるバッテリパックの取付構造に適用したものである。
そして、「ビデオカメラ」が特許請求の範囲で記載した「電子機器」に相当する。また、後述する「ビデオライト」「充電器」も特許請求の範囲で記載した「電子機器」に、また、「乾電池パック」も特許請求の範囲で記載した「バッテリパック」にそれぞれ相当する。
また、以下に説明するビデオカメラは、通常使用される状態において、カメラ本体の上部にレンズ鏡筒が位置し、その右側面にバッテリパックが着脱自在に装着されるタイプのものである。そのため、以下の説明においても、この向きを基準にして説明するものとし、各図において矢印で示す、U方向、D方向、L方向、R方向、F方向、B方向は、それぞれ、上方、下方、左方、右方、前方、後方を意味する。また、バッテリパックの向き(方向性)については、本来、一義的なものはないが、上述のビデオカメラに装着される場合について説明するため、これと同じ向き(方向性)でバッテリパックについても説明するものとする。
ビデオカメラ1は直方体状のカメラ本体2と、該カメラ本体2の上部に設けられたレンズ鏡筒3と、カメラ本体2の左面に設けられた表示パネル(図示は省略する。)などを有する。
また、カメラ本体2の右面には扁平な凹状のバッテリ装着部10となっており、4つの枠体(前枠体11、後枠体12、上枠体13、下枠体14)により囲まれている(図1、図2参照)。
該バッテリ装着部10は正面(右方)から見て矩形を呈し、その大きさはここに装着されるバッテリパック100の正面投影形状よりも僅かに大きく形成され、また、前枠体11の内面(後面)11a及び後枠体12の内面(前面)12aの上端及び下端にそれぞれ寄った位置には、左右方向に延びる小リブ16、16、・・・がそれぞれ設けられ、該小リブ16の突出量は僅かであり、かつ、その突出量はバッテリ装着部10の底面15に行くにしたがい僅かに大きく、すなわち、テーパ状に形成され、その底面15において対向する小リブ16、16の間の間隔はバッテリパック100の前後幅寸法とほぼ同じか又は僅かに小さく形成されている(図3参照)。
バッテリ装着部10を構成する上枠体13の前部底面13a側には、上記バッテリパック100の端子(以下「バッテリ側端子」という。)120と接続するための端子(以下「本体側端子」という。)30が設けられ、また、下枠体14の中央にはバッテリパック100をバッテリ装着部10に保持するためのロック機構40が設けられている(図1参照)。
先ず、当該ビデオカメラ1に使用されるバッテリパック100について説明する。
バッテリパック100は、直方体状のバッテリケース101と、該バッテリケース101に収納されたバッテリセル102、102と、当該バッテリパック100の残量などを計算し記憶するICチップ103などがマウントされた基板104と、該基板104に取着され上記本体側端子30と接続するバッテリ側端子120とを有する(図4参照)。
ここで、バッテリパック100には、主にその容量の違いから複数タイプのものがあり、図1、図3乃至図9、図13乃至図16に示すものは標準容量タイプのものであり、複数タイプあるバッテリパック100のうち外形が最も小さい(厚みが薄い)ものである。
そして、バッテリケース101は正面ケース105と背面ケース106とから成り(図4参照)、背面ケース106は上記複数タイプあるバッテリパック100において大きさな同じであるが、正面ケース105はその大きさ(厚さ)が相違する(図37乃至図40参照)。
背面ケース106の上面前部は他の部分より一段低い凹所107が形成され、該凹所107には正面側(右方)及び背面側(左方)に開口する矩形切欠108が形成され、該矩形切欠108に上記バッテリ側端子120が正面側(右方)からスライドされて取着されるようになっており、該矩形切欠108に取着されたバッテリ側端子120の上面は上記凹所107以外の部分とほぼ面一になるようになっている(図9参照)。
背面ケース106の矩形切欠108の前後側縁には、上方へ突出して左右方向に延びるリブ(以下「端子位置決めリブ」という。)109、109がそれぞれ形成されており、該端子位置決めリブ109、109の左端は背面ケース106の背面106aまでは達せず、該底面106aよりやや右方へ寄った位置まで形成されているとともに、これら2つの端子位置決めリブ109、109の上面はバッテリ側端子の上面および背面ケース106の上記凹所107以外の部分とほぼ面一となっている(図9参照)。
また、2つの端子位置決めリブ109、109の間の間隔は上記バッテリ側端子120の前後方向の寸法とほぼ同じに形成されており、2つの端子位置決めリブ109、109は取着されたバッテリ側端子120の右側縁部よりもやや右方へ延び、その左端は互いに反対方向(前後方向)に延びる小突条110、110が一体に形成されている。かかる小突条110、110および上記端子位置決めリブ109、109などのように当該バッテリ側端子120の近傍に形成された凸部は後述するように、当該バッテリパック100の種別を判別するための判別子111、111、・・・となっている(図7参照)。
上記端子位置決めリブ109の右端部109aは正面ケース105が背面ケース106と組み合わされたときに背面ケース106側にやや覆い被さるようになっており、かかる端子位置決めリブ109の右端部109aは後に詳述するように、当該バッテリパック100がカメラ本体2のバッテリ装着部10に装着されたときの上側の被係止部112の1つになっている(図8参照)。
また、背面ケース106の上面後側角部には、上方及び後方に開口する比較的小さな小凹部113が設けられ、かかる小凹部113は、当該バッテリパック100がバッテリ装着部10に装着されたときの上側の被係止部112の1つになっている(図8参照)。
さらに、背面ケース106の下面106bには前後方向に延びる凹条の被ロック溝114が形成され、カメラ本体2側のロック機構40のロック爪41(後述する。)が係止するようになっており、被ロック溝114はバッテリパックの100の下側の被係止部112になっている(図6参照)。
このように、バッテリパック100側の各所の被係止部112(端子位置決めリブ109の右端部109a、小凹部113および被ロック溝114)を背面ケース106、すなわち、一部品に設けることにより、バッテリ装着部10に装着されたときのバッテリパック100の位置精度を高くすることができる(図15参照)。
すなわち、バッテリパック100のバッテリ装着部10への装着は、背面ケース106の背面(左面)106aがバッテリ装着部10の底面15に接触するとともに(図15参照)、バッテリパック100側の各所の被係止部112(端子位置決めリブ109の右端部109a、小凹部113および被ロック溝114)がバッテリ装着部10側の対応する係止部(後述する庇部17、小凸部20およびロック爪41)に係止されることにより為されるが、その複数の被係止部112、112、・・・が、たとえば、背面ケース106と正面ケース105などのように別部品に設けられると、背面ケース106と正面ケース105との組み立てが精度良く為されないと係止状態にガタが生ずるとともに、バッテリ側端子120と本体側端子30との結合状態に不具合が生じてしまうからである。
そこで、上記バッテリパック100のように、一部品(背面ケース106)に上述のような位置決め用の被係止部112を集中して形成することによりバッテリパック100のの装着状態における位置決めを精度良くすることができ、また、これにより、背面ケース106と正面ケース105との組み合わせ精度をラフにすることができる。
また、正面ケース105の上面前部であって、上記バッテリ側端子120に対応する部位には、背面ケース106の凹所107とほぼ面一になる凹所115が形成され、該凹所115の左側縁にはバッテリ側端子120を右方から押さえる端子押えリブ116が形成されている(図7乃至図9参照)。
この端子押えリブ116の前後方向の長さは、上記背面ケース106の2つの端子位置決めリブ109、109の間の間隔、すなわち、バッテリ側端子120の前後方向の寸法とほぼ同じに形成されており、これにより、端子押えリブ116は、正面ケース105を背面ケース106に組み立てたとき、上記2つの端子位置決めリブ109、109間に位置されてバッテリ側端子120を左方から押さえるとともに、背面ケース106の2つの端子位置決めリブ109、109が端子押えリブ116よりも僅かに右方に突出されていて、上述のように、被係止部112、112となるようになっている(図8参照)。
このような標準容量タイプのバッテリパック100にはバッテリケース101内に2つの扁平直方体状のバッテリセル102、102が前後に並んで収納され、これらの上部に上記基板104が取着され、該基板104にはその前側部分に上記バッテリ側端子120が、また、後側部分に上記ICチップ103などがマウントされている(図4参照)。
このように、バッテリパック100に対して一方に偏倚させた位置にバッテリ側端子120を配設するようにしたので、これと反対側の部分に比較的大きな空間を設けることができ、ICチップ103などの電子部品の配置を可能とし、スペースの効率化を図ることができる。特に、バッテリセル102が扁平直方体をしたものにあっては、これをバッテリケース101内に配列したときにデッドスペースができず、バッテリパック100としてバッテリセル102、102を効率よく配置することができる反面、バッテリ側端子120、基板104上のICチップ103などバッテリセル102から突出するものを配設するスペースの確保が困難であるが、上述のように、バッテリ側端子120をバッテリパック100に対して偏倚した位置に配置することによりスペースの有効利用を行うことができる(図4、図7参照)。
また、バッテリ側端子120をバッテリパック100に対して偏倚した位置に設けることにより、カメラ本体2への装着において誤装着を防止することもできる。
なお、バッテリ側端子120及びその受け側である矩形切欠108の詳細な形状および両者の組み立て方法などについては、後に詳述する。
次に、カメラ本体2のバッテリ装着部10の詳細について説明する。
カメラ本体2のバッテリ装着部10の底面15までの寸法は上記バッテリケース101の背面ケース106の厚さ(左右方向の厚さ)よりやや大きく形成され、これにより、バッテリパック100がバッテリ装着部10に装着された状態で、その背面ケース106はバッテリ装着部10内に位置し、正面ケース105のほとんどの部分はカメラ本体2から突出するようになっている(図3、図15参照)。
本体側端子30は上記バッテリ側端子120に対向する位置、すなわち、上枠体13内面(下面)と底面15との角部であって、上斜め前側の位置に設けられている(図10参照)。
上枠体13内面13aの開口側縁(右側縁)であって、上記本体側端子30が設けられた位置に対応する部位には、下方に突出する庇部17が形成され、該庇部17とバッテリ装着部10の底面15との間の寸法は、上記背面ケース106の背面106aと端子位置決めリブ109の右端部との間の寸法と同じに形成されている(図15参照)。
これにより、バッテリパック100をバッテリ装着部10に装着して、端子位置決めリブ109の右端部109aを庇部17に係止したときに、両者間にガタツキがなく、よって、装着状態においてバッテリパック100の上部前側部位においてガタツキのない状態での係止が為されるようになっている(図15参照)。
庇部17の後端からバッテリ装着部10の底面15(左方)に向かって突条(以下、「阻止突条」という。)18が一体に形成され、該阻止突条18の先端は底面15から適宜離間した位置までとなっており(図10参照)、上記バッテリパック100の背面ケース106の上記判別子111と干渉しないようになっている。
かかる阻止突条18および後述する本体側端子30の近傍に形成される小突部18aは、後述するように、バッテリパック100の装着の可否を決定する阻止部19となっている。なお、このビデオカメラ1においては上記阻止部19がバッテリパック100の判別子111と干渉しないようになっているので、バッテリ装着部10へのバッテリパック100の装着を「可」としているが、このようなバッテリパック100を装着する機器、たとえば、ビデオライト150(低容量のバッテリパック100は装着できないようになったもの)などにおいては、バッテリパック100の容量の相違により装着を「不可」とする場合もある。
かかる場合、上記阻止部19がバッテリ装着部10の底面15近傍まで延びて、上記判別子111と干渉してその装着を阻止するようにしたものもある。このようなバッテリパック100の装着の可否は上記バッテリパック100側の判別子111と上記阻止部19との形状、位置関係で行うようになっており、その詳細については後述する。
バッテリ装着部10の上枠体13の内面(下面)13aの後側と後枠体12の内面(前面)12aとの角部であって、上記背面ケース106の小凹部113に対応した位置には、該小凹部113にほぼぴったり嵌合する小凸部20が形成され(図10参照)、該小凸部20のバッテリ装着部10の底面15からの形成位置と上記小凹部113の背面ケース106の背面106aからの形成位置とが同じになっており、これにより、バッテリパック100をバッテリ装着部10に装着したときに、バッテリパック100の上部後側部位における係止がガタツキのない状態で為されるようになっている。
バッテリ装着部10の底面15であってその下部中央には矩形の孔(以下「押上プレート配置孔」という。)21が形成され、また、その下枠体14の内面(上面)には上記押上プレート配置孔21に連続して切欠部(以下「ロックレバー配置孔22」という。)が設けられている(図2参照)。
ロック機構40は、バッテリパック100の下面に形成された被ロック溝114に係合するロック爪41を有するロックレバー42とバッテリパック100の底面106aを離脱方向に押圧する押上プレート43と上記ロックレバー42によるロックが解除されたときにバッテリパック100が飛び出さないようにする飛び出し防止レバー44とを有し、これらロックレバー42、押上プレート43及飛び出し防止レバー44は、下枠体14と底面15との角部内側において1つのベースプレート45に同軸状に回動自在に支持されている(図11、図12参照)。
そして、ベースプレート45は下枠体14の内部に収納固定され、上記ロックレバー42は下枠体14の上記ロックレバー配置孔22に、押上プレート43は上記押上プレート配置孔21に、飛び出し防止レバー44はロックレバー配置孔22に連続して形成された矩形状の切欠部(以下「飛び出し防止レバー配置孔」という。)46に、それぞれ配置される(図11参照)。
また、ロックレバー42、押上プレート43、飛び出し防止レバー44を回動自在に支持する回動軸47にはねじりコイルバネ48のコイル部48aが外嵌され、該ねじりコイルバネ48の一方の腕部48bがロックレバー42に、他方の腕部48cが押上プレート43に作用しており、これにより、ロックレバー42は上方に、押上プレート43は右方に回動付勢されている(図12参照)。
ロックレバー42は、その全体が横倒L字状を呈し、その上面片49が上記下枠体14の内面(上面)の一部を為すように形成され、該上面片49の回動中心寄り位置に前後方向に延びる断面三角状のロック爪41が形成され、また、右側面下部に当該ロックレバー42を操作するための操作部50が形成されている(図11、図12参照)。
そして、上記ロック爪41はバッテリ装着部10の底面15からやや右方(正面側)に寄った位置に形成されており、その底面15からの距離は、上記バッテリパック100の被ロック溝114の底面106aからの距離と同じになっていて、これにより、ロック爪41が被ロック溝114に係合したときにバッテリパック100はバッテリ装着部10の底面15に押し付けられるようになっている(図15参照)。
また、ロックレバー42の上面片49の左右両側部には下枠体14のロックレバー配置孔22の縁部に当接する小突起51、51がそれぞれ形成され、該小突起51、51が上記ロックレバー配置孔22の縁部に内側から衝突することにより、上記ねじりコイルバネ48による回動付勢が阻止され、かかる状態では上面片49の上面が下枠体14の上面と面一になるようになっている。
押上プレート43には回動中心から下方へ突出する小片52、52が一体に形成されており、該小片52、52が上記ベースプレート45に当接することにより、上記ねじりコイルバネ48による回動付勢が阻止され、かかる状態では押上プレート43が押上プレート配置孔21よりも右方へ突出した状態になっている(図12参照)。
飛び出し防止レバー44はその回動端部の下面と上記ベースプレート45に形成された突片53との間に圧縮コイルバネ54が縮設されており、これにより、飛び出し防止レバー44は上記ロックレバー42と同様に上方に回動付勢されている(図13乃至図16参照)。なお、図13乃至図16においては、上記バッテリ側端子120および本体側端子30は省略する。
飛び出し防止レバー44の回動端には上方に突出する爪部55が形成され、また、その基端部には前方に突出する回動阻止片56が一体に形成されており、該回動阻止片56がベースプレート45に形成された抑止片57に衝突することにより、上記圧縮コイルバネ54による回動付勢が阻止され、かかる状態では上記爪部55が下枠体14の上面から上方に突出するようになっている(図13乃至図16参照)。
また、飛び出し防止レバー44の爪部55はロックレバー42のロック爪41よりも右方に形成されている(図13乃至図16参照)。
このようにバッテリ装着部10にバッテリパック100が装着されていない状態においては、ロックレバー42のロック爪41及び飛び出し防止レバー44の爪部55が下枠体14の上面から上方へ突出し、押上プレート43がバッテリ装着部10の底面15から右方へ突出した状態となっている(図13乃至図16参照)。
しかして、バッテリ装着部10にバッテリパック100を装着するときは、次のようにして行い、装着されたバッテリパック100は上記ロック機構40によりバッテリ装着部10にロックされた状態で保持される。
先ず、バッテリパック100の上部を左方に傾けた状態で、バッテリ装着部10内に挿入し、バッテリ側端子120(背面ケース106の端子位置決めリブ109及び正面ケース105の端子押えリブ116を含む。)をバッテリ装着部10の庇部17の内側に潜り込ませる。そして、上述したように、バッテリパック100側の判別子111がバッテリ装着部10側の部材(阻止部19)と干渉することがないため、バッテリパック100のバッテリ側端子120、端子位置決めリブ109及び端子押えリブ116を庇部17の奥までに潜り込ませることができる(図13参照)。
このとき、図示は省略したが、上記バッテリ側端子120の端子部材122、122、122と上記本体側端子30の3つの端子片31、31、31とが各別に接合される。
なお、後に詳述するが、バッテリパック100側の判別子111とバッテリ装着部10側の阻止部19とが干渉するように形成しておくことにより、上記バッテリ側端子120をバッテリ装着部10の庇部17の奥までは潜り込ませることができず、よって、バッテリ側端子120の端子部材122と本体側端子30の端子片31とが接合しないようになっている。
また、バッテリ装着部10の阻止部19とバッテリパック100の判別子111とが干渉しても、なお、無理矢理、バッテリパック100を装着しようとすると、上記判別子111が阻止部19を押圧してバッテリ装着部10の上枠体13を撓ませてしまい、その装着を「可」としてしまう場合も万が一あるかもしれない。
しかし、かかる場合にあっても、阻止部19と判別子111とが両端子120、30の近傍に形成されているため、阻止部19を押圧してときに、本体側端子30の押されて押圧方向に逃げてしまい、よって、両端子120、30が結合されることはなく、結局、端子片31と端子部材122とが接触されることはなく、電気的接触を回避することができる。
次に、バッテリパック100の上部(庇部17に係止したバッテリ側端子120部分)を回動支点としてバッテリパック100の下部を左方に回動させてバッテリパック100をバッテリ装着部10に装着する(図14、図15参照)。
このとき、バッテリパック100の下側左側縁部(底面側角部)が上記ロック機構40の飛び出し防止レバー44の爪部55が下方に蹴られた後、該爪部55がバッテリパック100の被ロック溝114内に係合する(図14参照)。
さらに、バッテリパック100の下部をバッテリ装着部10側に押圧していくと、上記飛び出し防止レバー44の爪部55は、被ロック溝114の縁部により蹴られるとともに、ロックレバー42のロック爪41がバッテリパック100の下側左側縁部(底面側角部)により下方に蹴られた後、該ロック爪41が被ロック溝114内に係合して、バッテリパック100の装着が完了する(図15参照)。
また、ロック爪41の被ロック溝114への係合に先立ち、バッテリパック100の底面106aが押上プレート43を左方に回動させて、バッテリパック100の底面106aがバッテリ装着部10の底面15にほぼ面接触するようになっている(図15参照)。
そして、これらロックレバー42、飛び出し防止レバー44及び押上プレート43の回動は、上記ねじりコイルバネ48又は圧縮コイルバネ54の弾発力に抗して為される。
このとき、バッテリ側端子120の端子部材122と本体側端子30の端子片31との接合が為されるとともに、バッテリパック100の上部に設けられた端子位置決めリブ109の右端部109a(被係止部112)が庇部17に係合し、バッテリパック100の小凹部113(被係止部112)がバッテリ装着部10の小凸部20に係合する。
これにより、バッテリパック100の上部においては、端子位置決めリブ109の右端部109a(被係止部112)と庇部17と、小凹部113(被係止部112)と小凸部20とが係合するとともに、バッテリパック100の下部においてはロック爪41と被ロック溝114とが係合することにより、バッテリパック100はバッテリ装着部10に保持される(図15参照)。
ロックレバー42のロック爪41及び飛び出し防止レバー44の爪部55がバッテリパック100を上方へ押圧してバッテリパック100を上枠体13に押し付けることになり、バッテリパック100の上下方向の位置決めが為される(図15参照)。
これにより、バッテリ側端子120が本体側端子30に押し付けられて、安定した端子部材122と端子片31との接合状態が保たれる。特に、バッテリ側端子120及び本体側端子30はバッテリパック100に対して前方へ偏倚した位置に設けられているが、飛び出し防止レバー44も前後方向の中央部よりも前方へ偏倚した位置に設けられているため、すなわち、両端子120、30に対向した位置に飛び出し防止レバー44が設けられているため、その爪部55によりバッテリパック100が上方へ押圧されて、端子部材122及び端子片31は確実な接合状態が確保されるようになっている(図2参照)。
また、バッテリパック100は上記押上プレート43によりその下部が右方に押圧され、これをロック爪41と被ロック溝114との係合により阻止するようになっているため、バッテリパック100の装着方向(左右方向)の位置決めが為され、さらに、バッテリパック100は、これがバッテリ装着部10に装着されたとき、前枠体11の内面(後面)11a及び後枠体12の内面(前面)12aに形成された小リブ16、16、・・・により規制されるため、その前後方向に位置決めが為される(図3参照)。
このようにしてカメラ本体2のバッテリ装着部10に装着されたバッテリパック100は、次のようにして取り外される。
すなわち、先ず、ロックレバー42の操作部50を手指などで押圧してロック機構40のロック解除を行う(図16参照)。
ロックレバー42を操作すると、ロックレバー42がねじりコイルバネ48の弾発力に抗して下方へ回動され、これにより、そのロック爪41はバッテリパック100の被ロック溝114から離脱する。
ロック爪41のバッテリパック100に対するロック解除を行うと、バッテリパック100は押上プレート43によりバッテリパック100の下部が左方に押圧され、バッテリ装着部10の底面15から浮き上がる(図16参照)。
このとき、バッテリパック100の下部がバッテリ装着部10の底面15からやや浮き上がったとき、バッテリパック100の被ロック溝114に飛び出し防止レバー44の爪部55が嵌合する。これにより、バッテリパック100はバッテリ装着部10から浮き上がるものの、飛び出し防止レバー44の爪部55が被ロック溝114に引っ掛かって、バッテリパック100が不用意に飛び出すことがない。特に、ビデオカメラ1の向きを上述の向き(通常撮影状態の向き)のときに、バッテリパック100のロックを解除しても、飛び出し防止レバー44の爪部55が被ロック溝114に引っ掛かって、バッテリパック100がバッテリ装着部10から離脱することはなく、バッテリパック100の落下を防止することができる。
次に、その下部が浮き上がったバッテリパック100を手指などで把持して離脱方向(右方)に抜くことにより、飛び出し防止レバー44の爪部55と被ロック溝114との係合だけなので、バッテリパック100を容易にバッテリ装着部10から離脱させることができる。
次にバッテリ側端子120及びそのバッテリパック100への組み付けについての詳細を説明する。
バッテリ側端子120は上述のように、端子ケース121と該端子ケース121にインサート成形にて設けられた端子部材122、122、122とから成り、端子ケース121は扁平な直方体ブロック状を呈し、その上面及び左面に開口する5つの溝123、123、124、124、124が形成されている(図17乃至図19参照)。
上記5つの溝のうち、前側と後側の2つの溝123、123は他の3つの溝124、124、124よりも溝幅がやや大きく、かつ、長さ、深さともに他の3つの溝124、124、124よりも大きく形成されており、後述するように、本体側端子30との位置決めをするための案内溝123、123となっている(図17乃至図19参照)。
また、上記5つの溝のうち中央の3つの溝124、124、124は、各溝124内において一対の接片125、125が向かい合うように配置された端子配置溝124、124、124となっており、該端子配置溝124、124、124の内部には上記接片125、125が収納される収納空間126が形成されている(図17、図18参照)。なお、図17および図18においては、端子部材122を1つだけ破線で示し、他の2つの端子部材122、122については省略する。
また、このような案内溝123、123及び端子配置溝124、124、124の開口側縁はR面又はテーパ面などのいわゆる面取り加工が施されており、これにより、後述するように本体側端子30の案内片32、32又は端子片31、31、31がこれら各溝123、123、124、124、124に挿入しやすいようになっている(図26乃至図28参照)。
バッテリ側端子120の各端子部材122は、互いに向き合う一対の接片125、125と、これら接片125、125を連結する基片127と、該基片127から接片125、125と反対方向に延びバッテリケース101内に配置される基板104に半田付けされるリード片128とが一体に形成されている(図21、図22参照)。
接片125、125はその基部が上記端子ケース121に埋め込まれ、先端部には互いに近づく方向に突出する半球状の接触凸部125a、125aが形成され、該2つの接触凸部125a、125aは上記収納空間126内において、接触しているが両者に圧力がかかっていない状態(いわゆるゼロ接触状態)で接触しており、バッテリ側端子120の端子配置溝124、124、124を見たときに、そこには2つの接触凸部125a、125aのみが見えるようになっている(図20、図21参照)。
したがって、コンタクト部35を端子配置溝124内に挿入したときに、接触凸部125a、125aにしか接触することはなく、コンタクト部35を2方向(左右方向および上下方向)のどちらから端子配置溝124内にコンタクト部35を挿入しても、接片125、125のバネ特性が同じであり、よって、両端子120、30の接触安定性を確保することができる。もちろん、この効果は、当該端子構造のみに着目した場合のものであり、上記実施の形態におけるビデオカメラ1とバッテリパック100との装着に関しては、ほぼ左右方向からの挿入しか行われていない。
基片127は端子ケース121の右側面に貼着されるように露出して位置され、リード片128は基片127の下縁から延出され、直角に屈曲されて端子ケース121の底面121aとほぼ面一になって右方へ延出されている(図20、図21参照)。
端子ケース121の前後両側面には左右方向に延びるスライド凸部129、129が形成され、該スライド凸部129、129は上記背面ケース106の矩形切欠108の前後両側縁であって端子位置決めリブ109の下側に形成されたスライド溝117、117にスライド嵌合して、バッテリ側端子120が背面ケース106に支持される(図9参照)。
また、背面ケース106の上記スライド溝117、117はその左端が閉塞されており、これにより、バッテリ側端子120をスライド嵌合させたときの左方への位置決めが為される。すなわち、背面ケース106の背面106aからのバッテリ側端子120までの位置が規制されるようになっている。
端子ケース121の右側面と前側面及び右側面と後側面とのそれぞれの角部であって、上記スライド凸部129、129の上側に隣接して切り溝130、130が形成されており、該切り溝130、130は正面ケース105の上記端子押えリブ116の前後両端部から左方へ設けられた突起118、118が嵌合するようになっている(図9参照)。
そして、このようなバッテリ側端子120は3本のリード片128、128、128が上記基板104の所定の位置(前側左角部)半田付けされてバッテリ側端子120が基板104の前側左角部にマウントされる(図4、図7参照)。また、基板104にはICチップ103などの電子部品がバッテリ側端子120がマウントされていない後側の所定の位置にマウントされる(図7参照)。
しかして、バッテリパック100は次のようにして組み立てられる。
すなわち、2つのバッテリセル102、102が前後の並設された状態で結合され、これらバッテリセル102、102の上部に上記バッテリ側端子120及びICチップ103などがマウントされた上記基板104が取着される(図4参照)。
次に、このような基板104が取着されたバッテリセル102、102を背面ケース106内にその右方から挿入する。このとき、バッテリ側端子120を背面ケース106の矩形切欠108内に右方からスライドさせながら挿入する(図7参照)。
そして、上述のように、バッテリ側端子120のスライド凸部129、129を背面ケース106のスライド溝117、117内に挿入する(図7参照)。
最後に、バッテリセル102を覆うように正面ケース105を背面ケース106に合わせて両者を結合する(図8参照)。
このとき、正面ケース105の突起118、118を背面ケース106の切り溝130、130内に嵌合するとともに、端子押えリブ116により端子ケース121の右面を押さえるとともに、その右面に露出した端子部材122の基片127、127、127を覆い隠すことになる。そして、バッテリ側端子120は背面ケース106と正面ケース105とに挟まれるようにして左右方向の位置決めが為される。
正面ケース105と背面ケース106との結合は、両者の開口周縁を合わせた状態で、超音波溶着することにより行う。なお、超音波溶着に限らず、接着剤のよる接着などであっても良い。
このように、バッテリパック100は、背面ケース106、バッテリセル102(バッテリ側端子120、基板104なども含む。)、正面ケース105の3つの部品を一方向からの組み立てだけで構成することができる。
次に、本体側端子30と上記バッテリ側端子120との結合についての詳細を説明する。
先ず、本体側端子30はバッテリ装着部10の上記位置(上枠体13の前部底面側角部)に設けられ、その底面15及び上枠体13の下面13aから立設された3枚の端子片31、31、31と、これら端子片31、31、31を前後から挟むように設けられた2つの案内片32、32と、上枠体13に回動自在に設けられ各端子片31、31、31の上方を覆うように配設された保護プレート33とから成る(図22、図23参照)。
端子片31は、前後方向から見て矩形をした平板状で、その上縁及び左縁が上枠体13に埋設され、また、上枠体13から上方に突出するリード部34が設けられており(図24参照)、上枠体13から露出した部分(下縁及び右縁)が上記バッテリ側端子120の接片125、125に狭持されるコンタクト部35になっており、該コンタクト部35の端側縁は面取り加工が施されている。
そして、3つの端子片31、31、31は上記バッテリ側端子120の端子配置溝124、124、124の形成間隔と同じ形成間隔で形成され、各端子片31の板厚は上記バッテリ側端子120に形成された端子配置溝124の溝幅のほぼ半分に形成されている(図22、図23参照)。
案内片32は、上記端子片31と同様に前後方向から見て矩形を呈し、上枠体13及びバッテリ装着部10の底面15と一体に形成されている(図24参照)。
また、案内片32、32は前後方向から見て端子片31のコンタクト部35よりも大きく、その板厚も端子片31よりも厚く形成されており、また、上記バッテリ側端子120に形成された案内溝123、123の形成間隔と同じ形成間隔で形成され、各案内片32、32の板厚は上記バッテリ側端子120の端子ケース121の案内溝123、123の溝幅よりやや小さく形成されており、該案内片32、32の端側縁は面取り加工が施されている(図23参照)。
このように案内片32は端子片31のコンタクト部35よりも大きく形成されているため、バッテリ側端子120との結合において、コンタクト部35の端子配置溝124への侵入よりも先きに案内片32の案内溝123への侵入が為されるようになっている(図26参照)。
保護プレート33は、上枠体13の内面(下面)前端部にその開口側縁(右側縁)寄り位置に上下方向に回動自在に支持されている(図24、図25参照)。
具体的には、上枠体13の内面(下面)前端部には凹状の保護プレート収納部13bが形成され、また、保護プレート33の前後両側縁に、上記保護プレート収納部13bの右端両側部に回動自在に嵌合する支軸凸部36、36が一体に形成されているとともに、前側の支軸凸部36にねじりコイルバネ37が配設されていて、保護プレート33は後方から見て反時計回り方向に付勢されている(図24、図25参照)。
保護プレート33の回動支点部には上枠体13に当接して上記反時計回り方向の回動を阻止する回動阻止部38、38(図面では1つのみ示す。)が設けられており、保護プレート33はその回動端が左斜め下方(ほぼ45°)を向いた位置において反時計回り方向側の回動端となっている(図10(a)、図24、図29参照)。なお、保護プレート33の時計回り側の回動端は、上枠体13の保護プレート収納部13b内に収納された位置であり、ほぼ水平になった位置となっている(図10(b)参照)。
保護プレート33はその前後方向の大きさが上記2つの案内片32、32の間隔より僅かに小さく、常に2つの案内片32、32の間で回動するようになっているとともに、上記端子片31に対応する位置には回動端側縁に開口するスリット39、39、39が形成されており、これにより、上方へ回動されたときにこれらスリット39、39、39に各端子片31、31、31が挿通されて保護プレート33の回動を許容するとともに、回動したときに端子片31、31、31が露出されるようになっている(図10、図22、図23参照)。なお、図10(a)は保護プレート33を回動した状態を示し、図10(b)は保護プレートを回動していない状態を示す。
そして、保護プレート33に外力がかかっていない場合には、保護プレート33の反時計回り方向における回動端にあって、2つの案内片32、32の角部が保護プレート33の回動端縁の両側部を前後から覆った状態となっており(図24参照)、また、この状態では、上記各端子片31、31、31のコンタクト部35、35、35の角部が上記各スリット39、39、39内にやや嵌合された状態となっている(図25参照)。
そして、詳細は後述するが、バッテリ装着部10にバッテリパック100が装着されると、バッテリ側端子120の端子ケース121が上記保護プレート33を押圧して、ねじりコイルバネ37の弾発力に抗して保護プレート33は時計回り方向に回動して、上枠体13の保護プレート収納部13bに位置される(図29参照)。
これにより、本体側端子30のコンタクト部35、35、35が露出されるとともに、端子ケース121の端子配置溝124、124、124に相対的に侵入して一対の接片125、125に狭持され、電気的接触が図られる(図28参照)。
このように、保護プレート33は外力が掛かっていない状態においては、コンタクト部35、35、35を覆うようになっているため、コンタクト部35、35、35が露出することなく、異物の付着を防止することができる(図25参照)。
また、当該本体側端子30に何らかの衝突、たとえば、誤った向きでバッテリパック100が装着されようとしたとき(誤装着)など、バッテリ側端子120でない部材が本体側端子30に衝突する可能性がある。
このようなときにあっても、案内片32、32はコンタクト部35、35、35より大きく形成しているため、その外力は案内片32、32に主に作用し、コンタクト部35、35、35に直接外力が作用することはなく、よって、コンタクト部35、35、35の変形防止となっている。
また、比較的小さな異物が、本体側端子30に衝突したときは、上記保護プレート33があることにより、端子片31(コンタクト部35)より先に、保護プレート33に衝突するため、その外力は緩和され、コンタクト部35に直接大きな外力が掛かることはない。
また、上述のように、保護プレート33は2つの案内片32、32の間に挟まれた状態で設けられているため、保護プレート33に前後方向の成分を持った外力が掛かったときは、保護プレート33を支えるように案内片32、32が作用し、さらに、上述のように3つのスリット39、39、39内に3つのコンタクト部35、35、35が挿入されているため、保護プレート33の前後方向の変位に対してはその外力が各スリット39、39、39を介して3つのコンタクト部35、35、35に掛かるため、1つのコンタクト部35に集中して外力が掛かることはなく、この点からも、コンタクト部35、35、35の変形を防止することができる。
なお、このような本体側端子30は、上記実施の形態のように、上枠体13の当該部分に案内片32、32を一体に形成し、端子片31、31、31をインサート成形により一体に形成し、また、保護プレート33を回動自在に設けるようにしても良いし、或いは別部材として所定の形状のベース部材に各部を成形又は形成して、かかる別部材を端子アッシーとして上枠体13に取着するようにしても良い。
次に、バッテリパック100のバッテリ装着部10への装着によるバッテリ側端子120と本体側端子30との接続について説明する。
先ず、バッテリパック100は上述のようにバッテリ装着部10に対してバッテリ側端子120(端子位置決めリブ109、端子押えリブ116を含む。)を上枠体13の庇部17に潜らせるように斜めに位置させ、本体側端子30とバッテリ側端子120とを対向させる。
次に、上記庇部17にバッテリ側端子120を潜らせると(図13参照)、本体側端子30の案内片32、32がバッテリ側端子120の案内溝123、123に相対的に挿入される(図26参照)。このとき、案内溝123、123の開口側縁が面取りされ、また、案内片32、32の端側縁も面取りされているため、両者の引き込みが容易になっている。
かかる状態は、案内片32、32が案内溝123、123に僅かに挿入された状態であり、これにより、本体側端子30に対するバッテリ側端子120の位置決めが為される。このように、接片125、125とコンタクト部35、35、35との接触に先立ち、モールド部材からなる案内片32、32及び案内溝123、123が嵌合されるため、精度良く形成された部材にて位置決めを行うことができ、よって、両端子120、30の接片125、125とコンタクト部35とが接触する前において両端子120、30の位置決めが精度良く為され、その後に為される接片125、125とコンタクト部35との接触を精度良く行うことができる。
この状態から、バッテリパック100をその下部を回動させて、バッテリ装着部10に装着する。バッテリパック100の回動はバッテリケース101の背面ケース106の被係止部を上記庇部17に引っ掛け、該部位を回動支点として為される(図14参照)。
そして、バッテリ側端子120の端子配置溝124、124、124内に本体側端子30のコンタクト部35が相対的に侵入し(図27参照)、コンタクト部35が2つの接触凸部125a、125aに接触してこれを押し退け、接片125、125を可撓させて、これにコンタクト部35を狭持させ、これにより、バッテリ側端子120と本体側端子30との電気的接続が図られる(図28参照)。
また、このときのコンタクト部35及び接片125、125は、コンタクト部35はその面方向に相対的に移動し、2つの接片125、125は先端部(接触凸部125a、125a)が押し拡げられるように可撓するため、両者間には無理な力が働かず、よって、コンタクト部35及び接片125、125が変形されることはない。
さらに、このようなバッテリ側端子120及び本体側端子30は、バッテリ側端子120の2方向に開口した端子配置溝124、124、124とほぼ直角な角部を有する平板状のコンタクト部35、35、35との接触であるため、両端子120、30の結合方向は左右方向及び上下方向を含む90°の範囲でで可能である。
すなわち、バッテリ側端子120と本体側端子30だけの構造で見れば、バッテリ側端子120を本体側端子30に対して、左方又は下方、或いはこれらを含む左斜め下方から結合することができ、ほぼ90°の範囲からの結合を可能とし、しかも、そのいずれの方向からの結合においても、コンタクト部35と接片125、125とには無理な力が働かず、よって、コンタクト部35及び接片125、125が変形されることはない。
もちろん、上記バッテリパック100とカメラ本体2のバッテリ装着部10との関係においては、バッテリ側端子120をほぼ左方から本体側端子30に結合させるようにしたものであり、このバッテリ側端子120及び本体側端子30の構造を十分に生かし切れていないと言えるかもしれない。
しかし、上記バッテリパック100とバッテリ装着部10との装着は回動であり、両端子120、30の結合は少なくとも一方向だけの方向成分でないので、当該端子構造を採用することにより、両端子120、30のコンタクト部35と接片125、125との接触において無理な力が掛からず、変形しないようになっていると言える。
また、接片125、125の先端部に接触凸部125a、125aを設けて、該接触凸部125a、125aがコンタクト部35に接触するようにしたので、上記2方向を含む90°の範囲での両端子120、30の結合をさらに可能にしている。
すなわち、コンタクト部35が接片125、125を押し拡げながら侵入して行くが、コンタクト部35が接触するのは接触凸部125a、125aであるため、上記2方向を含む90°の範囲からのいずれの方向からの両端子120、30の結合でも同じ状態で受け入れることができ、よって、両端子120、30の結合を容易にしている。
さらに、接片125、125の先端部に接触凸部125a、125aを設けたので、接片125、125とコンタクト部35との前後方向における位置が多少ずれても、両端子(接片125、125とコンタクト部35)の安定した接続状態を保持することができる。
次に、両端子120、30の結合に関して、接片125、125とコンタクト部35との接触状態に影響を与える端子部材122の材質および厚さについて考察する。
なお、端子片31は黄銅(厚さ:t=0.35mm)でその接触部に0.76μmの金メッキを施したものである。なお、端子片31の材質として黄銅を選定したのは、接続端子の接点として、黄銅、リン青銅、ベリリウム銅が一般できである、コスト、加工性の点を考慮するものである。
また、金メッキに関しては、その下地としてニッケル層を用い、0.76μmとしたのは、本来、端子接点としては0.3μm以上あれば十分と考えられるが、バッテリパック100とビデオカメラ1との使用状況を考慮したとき、その繰り返し挿抜が頻繁であり、安全率を高めに設定したためである。
これにより、このようなビデオカメラ1とバッテリパックの端子構造に適用されても、その接触凸部125a、125aの金メッキの消耗は通常の使用状況において十分耐え得ることができ、接触安定性を確保することができる。
なお、0.76μmの金メッキは主に接触部、すなわち、コンタクト部35における層厚であり、リード部34は金メッキ層厚0.1μm以下とすることが好ましい。これは、半田付けしたときに半田とリード部34とを融合させ、両者の電気的接続安定性を確保するためである。
そして、端子部材122については、4つの試料について試験して、1つに選定した。かかる試料の材質としては、上述のように、3つの材料(黄銅、リン青銅、ベリリウム銅)が考えられるが、接片125、125のバネ力を考慮するとき、リン青銅又はベリリウム銅が好ましいため、この2者について試験を行った。
試料1は材質がリン青銅(厚さ:t=0.2mm)、接触部に0.76μmの金メッキを施し、試料2は材質がリン青銅(厚さ:t=0.15mm)、接触部に0.76μmの金メッキを施し、試料3は材質がベリリウム銅(厚さ:t=0.2mm)、接触部に0.76μmの金メッキを施し、試料4は材質がベリリウム銅(厚さ:t=0.15mm)、接触部に0.76μmの金メッキを施した。なお、金メッキについては上記端子部材122と同様に、その下地としてニッケル層を用い、また、層厚を0.76μmとして理由も同じである。また、端子部材122の0.76μmの金メッキは主に接触部、すなわち、接片125、125の接触凸部125a、125aにおける層厚であり、リード片128は金メッキ層厚0.1μm以下とすることが好ましい。
試験方法は、端子片31の端子部材122に対する挿抜試験とし、7000回耐久で行った。
試験項目は、接触抵抗、総合嵌合力、総合離脱力および外観検査で、前3者の試験項目は、初回〜7000回までの所定回数時における各値を、また、外観検査は7000回耐久後の目視観察による。
なお、接触抵抗は四端子法を用いて測定し、開放電圧20mV以下、短絡電流100mA以下で、規格値を20mΩmaxとする。
総合嵌合力は両端子120、30を嵌合(結合)し、そのときの嵌合力を測定し、嵌合力を10N(ニュートン)maxとする。
総合離脱力は両端子120、30の嵌合(結合)を解除し、そのときの離脱力を測定し、離脱力を0.3N(ニュートン)minとする。
前3者の試験項目についての試験結果を図31乃至図33に示す。
試料1については、接触抵抗のバラツキも少なく安定しており(図31参照)、挿抜力も安定していて良い値が得られた(図32、図33参照)。また、外観検査においても、接片125、125の接触凸部125a、125aが適量に摩耗し、問題視するような現象は見られなかった。
試料2については、接触抵抗は7000回耐久においてバラツキが大きく、総合嵌合力が弱かった(図32参照)。また、外観検査においては、接触キズ跡が少なく、総合嵌合力が弱い分、接触圧が乏しく、接触抵抗に問題があることが観察された。
試料3については、接触抵抗、総合嵌合力については問題視するようなことはなかったが、離脱力の7000回耐久での変動が大きく、離脱時のいわゆる「ゴリ感」が生じやすかった。また、外観検査においても、離脱力の変動が大きい分、端子片31の擦りキズが多く、また、その分、端子部材122側の接触凸部125a、125aの摩耗が激しかった。
試料4については、総合嵌合力が小さく、接触抵抗については比較的安定しているものの、未だ、接触抵抗値に問題が生じる可能性を秘めているといえる。また、外観検査においては、総合嵌合力が小さい分、接触キズ跡も少なかった。
以上のことから、上記4つの試料においては、試料1が最も適していると考察することができる。
さらに、ベリリウム銅に関しては、これに金メッキを施す場合、いわゆる後メッキ(所定の形状に加工した後のメッキ処理)しかできない(難しい)ため、これも、選定の理由とした。
すなわち、ベリリウム銅は、一般に、金メッキを施した後、成形すること(折り曲げなどのプレス加工を行うこと)が困難であり、上述のような端子部材122の形状にあっては、成形後の形状が接触凸部125a、125aで接触しており、このような接触部があるものについては後メッキを施すと該接触部が接触した状態で金メッキが施されてしまうからである。
なお、上記4つの試料に関しては、上記規格値(接触抵抗:20mΩmax、嵌合力:10Nmax、離脱力:0.3Nmin)を満足するものであり、いずれを選定しても格別問題となることはないが、さらなる悪条件を考慮するとき、よりよい結果が得られた試料1を選定することが好ましい。
さらに、端子部材122の材質として試料1を選定した場合の接片125、125のバネ力による接触圧に関して考察する(図34乃至図36参照)。
その前に、端子部材122およびこれが配設される端子配置溝124の寸法などについて明記する(図34、図35参照)。
端子部材122の接片125、125は、上述のように板厚t=0.2mm、幅寸法w=1.2mmで、埋設部から露出された部分の長さl=3.9mmであり、その先端から0.45mm基片127側に寄った位置を中心に上記接触凸部125a、125aがr=0.3mmで形成されている(図34、図35参照)。また、接片125、125は埋設部から互いに近づくように延びその長さ方向のほぼ中央部で互いに平行になるように屈曲されており、互いに屈曲された部分から先端までの間における両者の間隔は0.6mmに形成され、これにより、先端部における接触凸部125aと125aとがゼロ接触するようになっている(図21参照)。
端子配置溝124の開口幅は0.45mmに形成され、上記コンタクト部35が板厚t=0.35mmとなっており、よって、コンタクト部35が端子配置溝124内に標準位置(真ん中)で侵入したときは、端子配置溝124の内縁とコンタクト部35との間の間隔は(0.45−0.35)/2=0.05mmとなっている(図34、図35参照)。
このとき、2つの接片125、125はほぼ同じ撓みが生じ、その変位量は0.175mmである。また、そのときの接触圧は1.0091Nとなっている。(図36参照)。
ところで、端子配置溝124内の一方に偏倚してコンタクト部35が侵入されたときは、一方の接片125に最大の変位量が、他方の接片125には最小の変位量が生じ、そのときのそれぞれの接触圧は1.4416N、0.4609Nとなっている(図36参照)。
したがって、上記試料1の材料(リン青銅)を用いた場合、コンタクト部35との接触において、その接触圧は最大で1.4416N、最小で0.4609Nであり、接触圧としては十分であることが解った。
金メッキを施した接点の場合、一般的には、0.0981N〜0.1961Nあれば、接触圧力として十分であり、上記試料1の場合には、それ以上の接触圧力がかかっており、過剰であるかのようにも見受けられる。
しかし、この端子構造はバッテリパック100とビデオカメラ1との電気的接触に適用されることを前提とするものであり、その挿抜回数が多く、金メッキが摩耗されることが容易に予想される。
そのため、万が一、金メッキが摩耗し、下地層であるニッケル層が露出された場合でも、その接触抵抗値を規格値以下に確保することが必要である。
そこで、一般にニッケルの接触圧力は0.5884Nくらいあれば規定値の接触抵抗を確保することができると言われているため、一方の接片125では上記最小値の0.4609Nであるが、他方の接片125では最大値の1.4416Nを確保することにより、金メッキが摩耗されたときにおいても接触抵抗値において規定値を満足するようにしたのである(図36参照)。
なお、検査項目として、他に、絶縁抵抗、耐電圧を行ったが、上記4つの試料ともに規定値内に収っており、また、格別な相違は見られなかった。
さらに、耐環境性能として、耐湿性、温度サイクル、塩水噴霧などにおいて電気的性能、機械的性能の検査も行ったが、格別な相違は得られなかった。
次に、上記実施の形態において、バッテリ側端子120を有するもの(装着部品)としてバッテリパック100を、また、本体側端子30を有するもの(本体側機器)としてビデオカメラ1を例に挙げて説明したが、バッテリ側端子120を有するもの(装着部品)としてはバッテリパック100の他に乾電池パック140などがあり、また、本体側端子30を有するもの(本体側機器)としてはビデオカメラ1の他に、ビデオライト150、充電器160などがある(図37乃至図40参照)。
さらに、バッテリパック100についてはその容量の相違により複数のタイプのものがあり、ビデオカメラ1についても、充電機能を備えた充電対応タイプ1Aと充電機能を備えない充電未対応タイプ1Bがある(図37乃至図40参照)。
このようなバッテリ側端子120を有するすべてのもの(複数タイプのバッテリパック100や乾電池パック140など)が本体側端子30を有する機器(ビデオカメラ1(充電対応タイプ1A、充電未対応タイプ1B)、ビデオライト150や充電器160など)に装着できると不具合を生じる場合がある。
例えば、乾電池パック140はビデオカメラ1B(充電未対応タイプ)には装着可能であるが、ビデオカメラ1A(充電対応タイプ)や充電器160に対しては装着を「不可」とする必要があり、また、ビデオライト150でも高容量専用タイプ150Aのものについてはバッテリパック100のうち高容量バッテリパック100Hのみ装着を「可」として、他の低容量バッテリパック100L、標準容量バッテリパック100Sや乾電池パック140の装着は「不可」にする必要がある。
ここで、ビデオカメラ1の充電対応タイプ1Aとは、カメラ本体2にDCin端子を備え、該DCin端子にDCinジャックを接続したときは、バッテリ装着部10に装着したバッテリパック100を充電しながらカメラ本体2を駆動できるもので、ビデオカメラ1の充電未対応タイプ1Bとは、このような充電機能を持たないものである。ちなみに上記実施の形態で例示したビデオカメラ1は充電対応タイプ1Aのものであり、上記乾電池パック140が装着できないタイプのものである。
そして、このようなバッテリ側端子120を有するものの本体側端子30を有する機器への装着の可否を判断するとともに、装着が「不可」である場合にその装着を防止する必要がある。
そこで、上記バッテリ側端子120の近傍に判別子111を設けるとともに、本体側端子30の近傍の対応する部位にバッテリパック100などの装着を阻止する上記阻止部19を設ける。
以下に、バッテリ側端子120の判別子111と本体側端子30の阻止部19の具体例を示す。
バッテリ側端子120の判別子111の種類には、たとえば、Lタイプ、Sタイプ、Hタイプ、Dタイプの4種類があり、Lタイプ判別子111Lは低容量タイプのバッテリパック100Lに、Sタイプ判別子111Sは標準容量タイプのバッテリパック100Sに、Hタイプ判別子111Hは高容量タイプのバッテリパック100Hに、また、Dタイプ判別子111Dは乾電池パック140に適用されている(図37乃至図40参照)。
また、本体側端子30の阻止部19の種類には、タイプ I、タイプII、タイプIII、タイプIVの4種類があり、阻止部タイプ Iは充電対応タイプのビデオカメラ1A(充電器160も同じ。)に、阻止部タイプIIは充電未対応タイプのビデオカメラ1Bに、阻止部タイプIIIは高容量専用ビデオライト150Aに、また、阻止部タイプIVは低容量不可ビデオライト150Bに適用されている(図37乃至図40参照)。
標準容量バッテリパック100Sに適用されているSタイプ判別子111Sは、上述のような構造であり、背面ケース106の背面106aよりやや右方へ寄った位置まで形成された端子位置決めリブ109の左端から互いに反対方向(前後方向)に延びるように小突条110が形成されている(図37乃至図40参照)。
低容量バッテリパック100Lに適用されたLタイプ判別子111Lは、上記Sタイプ判別子111Sの端子位置決めリブ109の左端に形成された小突条110が背面ケース106の背面106aまで延び、よって、Lタイプ判別子111Lの小突条110Lは背面ケース106の背面106aに連続して形成されている(図37乃至図40参照)。
高容量バッテリパック100Hに適用されたHタイプ判別子111Hは、上記Sタイプ判別子111SやLタイプ判別子111Lのような互いに反対方向(前後方向)に延びる小突条110、110Lが形成されていないものである(図37乃至図40参照)。
乾電池パック140に適用されたDタイプ判別子111Dは、上記Hタイプ判別子111Hと同様に端子位置決めリブ109の左端部からは小突条110、110Lは形成されていないが、正面ケース105の形成された端子押えリブ116の中央部から右方に延びる判別リブ141が一体に形成されている(図37乃至図40参照)。
次に、各阻止部19についてその構造を説明しつつ、上記各判別子111との組み合わせについても説明する。
まず、本体側端子30の阻止部タイプ Iは、上記実施の形態にかかるビデオカメラ1(充電対応タイプ1A)に適用したものであり、バッテリ装着部10の上枠体13に形成した庇部17と該庇部17の後端から左方に延びるように形成した上記阻止突条18とから成る(図37参照)。
このような阻止部タイプ Iにあっては、庇部17の中央部がDタイプ判別子111Dの判別リブ141と干渉するため、その装着を「不可」とし、他のタイプの判別子111とは干渉する部分がなく、その装着を「可」とする。
したがって、この阻止部タイプ Iが適用された充電対応タイプのビデオカメラ1Aには乾電池パック140を装着することはできず、よって、乾電池パック140を誤って充電してしまうような事故を防止することができる。他方、他のタイプの判別子111L、111S、111Hが適用されたバッテリパック100L、100S、100Hはその容量の高低にかかわらず、バッテリ装着部10に装着することができる(図37参照)。
阻止部タイプIIにあっては、庇部17の中央部に切欠17aが形成されており、これにより、Dタイプ判別子111Dの判別リブ141と干渉しないため、その装着を「可」とするとともに、他のタイプの判別子111L、111S、111Hとも干渉する部分がなく、結局すべてのタイプの判別子111L、111S、111Hの装着を「可」とする(図38参照)。
したがって、この阻止部タイプIIが適用された充電未対応タイプのビデオカメラ1Bには、すべての低容量バッテリパック100L、標準容量バッテリパック100S、高容量バッテリパック100Hおよび乾電池パック140を装着することができる(図38参照)。
阻止部タイプIIIにあっては、庇部17の後端から底面15(左方)に向かって形成された阻止突条18の端部はバッテリ装着部10の底面15まで達しており、また、該阻止突条18の前方にも阻止突条18が上記底面15から一体に形成されている。そして2つの阻止突条18の間隔は上記バッテリ側端子120を前後から挟むように設けられた2つの端子位置決めリブ109、109の間の間隔とほぼ同じに形成されている(図39参照)。
このような阻止部タイプIIIにあっては、庇部17の中央部がDタイプ判別子111Dの判別リブ141と干渉するためその装着を「不可」とし、また、Lタイプ判別子111LおよびSタイプ判別子111Sはこれらの端子位置決めリブ109の左端から互いに反対方向(前後方向)に延びる小突条110、110Lが上記阻止突条18、18に干渉するためその装着も「不可」とする。そして、Hタイプ判別子111Hについては、阻止部タイプIIIと干渉する部分がなく、したがって、その装着を「可」とする(図39参照)。
したがって、この阻止部タイプIIIが適用された高容量専用ビデオライト150Aには、低容量バッテリパック100L、標準容量バッテリパック100Sおよび乾電池パック140を装着することはできず、高容量バッテリパック100Hのみ高容量専用ビデオライト150Aに装着することができる(図39参照)。
阻止部タイプIVにあっては、上記阻止部タイプ Iと同様に庇部17の後端から底面15(左方)に向かって形成された阻止突条18はバッテリ装着部10の底面15までは達していないが、その延長上のバッテリ装着部10の底面15に接する部位に小突部18aが形成され、また、該小突部18aの前方にも小突部18aが上記底面15から一体に形成されている。そして2つの小突部18a、18aの間隔は上記バッテリ側端子120を前後から挟むように設けられた2つの端子位置決めリブ109、109の間の間隔とほぼ同じに形成されている(図40参照)。
このような阻止部タイプIVにあっては、庇部17の中央部がDタイプ判別子111Dの判別リブ141と干渉するためその装着を「不可」とし、また、Lタイプ判別子111Lはその端子位置決めリブ109、109の左端から互いに反対方向(前後方向)に延びる小突条110L、110Lが上記小突部18a、18aに干渉するためその装着も「不可」とする。そして、Sタイプ判別子111Sはその端子位置決めリブ109、109の左端から互いに反対方向(前後方向)に延びる小突条110、110がバッテリパック100Sの底面106aからやや離間した位置に形成されているため、阻止部タイプIVと干渉する部分がなく、よって、その装着を「可」とする。また、Hタイプ判別子111Hについては、阻止部タイプIVと干渉する部分がなく、したがって、その装着も「可」とする(図40参照)。
したがって、この阻止部タイプIVが適用された低容量不可ビデオライト150Bには、低容量バッテリパック100Lおよび乾電池パック140が装着されることはなく、標準容量バッテリパック100Sおよび高容量バッテリパック100Hを装着することができる(図40参照)。
なお、図示は省略したが、阻止部タイプIVの小突部18aの近傍には検出スイッチが配設され、Sタイプ判別子111Sの小突条110の有無を検出し、Sタイプ判別子111SかLタイプ判別子111Lかを判断する。
そして、上記低容量不可ビデオライト150Bは2つの電球が備えられ、高容量バッテリパック100Hが装着されたときは2つの電球が、標準容量バッテリパック100Sが装着されたときは、1つの電球が点灯するようになっている。
このように、バッテリ側端子120および本体側端子30の近傍にそれぞれ判別子111および阻止部19を設けることにより、バッテリ側端子120と本体側端子30とが接続する前にその装着の可否を判別することができて、「不可」の場合には確実に両端子120、30の結合を回避することができる。すなわち、万が一、誤装着されてしまっても、両端子120、30の近傍に上記判別子及び阻止部を設けたので、両端子120、30の結合は免れ、したがって、端子部材122と端子片31との接触を回避することができる。
なお、上記判別子111および阻止部19の形状およびその形成位置は例示であり、これに限らず、バッテリ側端子120および本体側端子30の近傍に判別子111および阻止部19を設けるようにすればよく、また、これらが適用されるものは、バッテリパック100、乾電池パック140やビデオカメラ1(1A、1B)、ビデオライト150、充電器160などに限らず、種々のものが考えられる。
なお、上記実施の形態において示した各部の具体的な形状乃至構造は、本発明を実施するに当たっての具体化のほんの一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されることがあってはならないものである。
1…ビデオカメラ(電子機器)、100…バッテリパック、102…バッテリセル、104…基板、105…正面ケース(表面ケース)、106…背面ケース(表面ケース)、107…凹所(凹部)、120…バッテリ側端子(複数の端子)、121…端子ケース、123…案内溝、124…端子配置溝、125…接片、125a…接触凸部(凸部)