JP2007004565A - 個人環境を制御するための方法及び装置 - Google Patents

個人環境を制御するための方法及び装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ネットワークを利用する際に、その構成によらずユーザが希望する固有の環境条件を常に簡単かつ適切に設定できるようにして、ユーザの負担を大幅に軽減する。
【解決手段】LAN L1,L2に接続された通信機器N1,N2及び住環境機器H11,H21の能力を定義する機器プロファイル及び機器種別プロファイルを環境制御エージェント装置A1,A2に記憶すると共に、ユーザが希望する環境条件を定義する個人環境プロファイルを個人環境プロファイル管理サーバS1に登録する。そして、ユーザの個人環境設定要求に応じて、当該ユーザに対応する個人環境プロファイルを上記個人環境プロファイル管理サーバS1から読み出し、この個人環境プロファイルと上記機器種別プロファイル及び機器プロファイルとをもとに、上記ユーザが希望する環境条件を実現可能な機器を選択する。そして、この選択された機器に対し上記環境条件を設定する。
【選択図】図8

Description

この発明は、ユーザごとに、ネットワーク上における通信品質やセキュリティ等の通信環境、或いは室温や照明の明るさ等の住環境等の個人環境を制御するための方法及び装置に関する。
最近、オフィスや事業所等においては、ユーザが固定された場所で執務を行うのではなく、必要に応じて場所を移動して執務を行うことが多くなってきている。このようなユーザにとっては、移動先においても常に同一の環境下で作業を行えると大変便利である。そこで従来では、ユーザが使用するパーソナル・コンピュータ等の端末の通信環境を、移動先に設置されている複数の端末にも設定できるようにする技術が提案されている(例えば特許文献1を参照。)。
特開平06−188978号公報
ところが、上記従来提案されている技術は、ユーザの移動に応じてその移動先の端末に対し同一の通信環境を設定するものに過ぎない。このため、例えば移動先の端末がLAN(Local Area Network)等のネットワークに接続されており、このネットワークにおいてもユーザが希望する通信環境を実現しようとすると、ユーザ自身がネットワークを構成するルータやゲートウエイ等の通信機器に対し転送先やセキュリティ等の通信環境の設定を行わなければならなかった。また、一つのネットワークに対し通信環境を設定しても、当該ネットワークの構成が変更された場合にはユーザ自身が再度設定し直さなければならない。このため、ユーザにとっては作業が著しく面倒で負担が大きかった。
さらに、ユーザによっては、執務場所の室温や照明の明るさ等の住環境を自身が希望する条件に設定することを要求する場合がある。しかし、従来では移動先においてユーザ自身がその都度住環境を設定する操作を行う必要があり、これについても操作が著しく面倒だった。
この発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、ネットワークを利用する際に、その構成によらずユーザが希望する固有の環境条件を常に簡単かつ適切に設定できるようにし、これによりユーザの作業負担の大幅軽減を可能にした個人環境を制御する方法とその装置を提供することにある。
上記目的を達成するためにこの発明は、ユーザの利用が想定される場所に設置された複数の機器と、ユーザが操作可能な個人環境制御装置との間を通信ネットワークを介して接続したシステムで使用される個別環境制御方法であって、
上記個人環境制御装置において、上記複数の機器の能力を定義する機器プロファイルを保存すると共に、上記ユーザが希望する環境条件を定義する個人環境プロファイルを保存する。そして、先ず上記ユーザによる個人環境の設定要求に応じて当該ユーザに対応する個人環境プロファイルを選択し、次にこの選択された個人環境プロファイルと上記保存された機器プロファイルとをもとに上記複数の機器の中から上記ユーザが希望する環境条件を実現可能な機器を選択し、この選択された機器に対し上記個人環境プロファイルに定義された環境条件を設定するようにしたものである。
したがってこの発明によれば、個人環境制御装置にユーザが希望する環境条件を定義する個人環境プロファイルを一旦保存しておけば、以後通信ネットワークを新たに利用する場合でも、また通信ネットワークの構成が変更された場合でも、ユーザは希望する環境条件を通信ネットワークに対し自ら設定する必要がなくなり、これによりユーザの作業負担は大幅に軽減される。
個別環境条件を設定する際の具体例として次のようなものが考えられる。
第1の例は、通信ネットワークに接続された通信機器の能力を定義する通信機器プロファイルを保存すると共に、ユーザが上記通信ネットワークを利用する際に希望する通信環境条件を定義する個人環境プロファイルを保存する。そして、上記保存された個人環境プロファイル及び機器プロファイルに基づいて、複数の機器の中から上記ユーザが希望する通信環境条件を実現可能な通信機器を選択し、この選択された通信機器に対し上記個人環境プロファイルに定義された通信環境条件を設定するものである。
このようにすると、通信ネットワークに接続された通信機器の中から、ユーザが希望する通信環境条件に対応する通信機器が自動的に選択されて通信環境条件が設定される。このため、ユーザは面倒な設定操作を行うことなく、即時自身が希望する通信環境下でネットワークを利用することが可能となる。
第2の例は、ユーザの利用場所の住環境を制御する住環境機器の能力を定義する住環境機器プロファイルを保存すると共に、ユーザが通信ネットワークを利用する際の利用場所の住環境条件を定義する個人環境プロファイルを保存する。そして、上記保存された個人環境プロファイル及び住環境機器プロファイルに基づいて、複数の機器の中からユーザが希望する住環境条件を実現可能な住環境機器を選択し、この選択された住環境機器に対し上記個人環境プロファイルに定義された住環境条件を設定するようにしたものである。
このようにすると、例えばエアコンや照明機器等の住環境機器の中から、ユーザが希望する住環境条件を実現可能な機器が自動的に選択されて温度や照度等の住環境条件が設定される。このため、ユーザは面倒な設定操作を行うことなく、即時自身が希望する住環境下でネットワークを利用することが可能となる。
またこの発明は、ユーザが希望する環境条件にユーザ間の優先度を表す情報を含めた個人環境プロファイルを保存しておき、環境条件を設定する際に、複数のユーザによる個人環境の設定要求に応じて共通の機器が選択され、かつ当該複数のユーザが希望する環境条件が相互に異なる場合には、当該環境条件に含まれる優先度を表す情報に基づいて、上記選択された共通の機器に対し優先度の高いユーザの環境条件を設定することを特徴とする。
このようにすると、複数のユーザにより異なる環境条件の設定要求がなされた場合でも、混乱を生じることなく機器に対し環境条件を設定することが可能となる。
さらにこの発明は、機器を選択する際に、複数の機器の中からユーザが希望する環境条件を実現可能な機器が選択されなかった場合に、その旨のメッセージをユーザに報知することも特徴とする。このようにすると、ユーザは自身が希望する環境条件を設定できないことを知ることができる。なお、この場合、設定可能な推奨環境条件を併せて報知するようにしてもよい。このようにすると、ユーザは推奨された環境条件を自身で機器に設定することが可能となる。
要するにこの発明によれば、ネットワークを利用する際に、その構成によらずユーザが希望する固有の環境条件を常に簡単かつ適切に設定することができるようになり、これによりユーザの作業負担の大幅軽減を可能にした個人環境を制御する方法とその装置を提供することができる。
以下、図面を参照してこの発明に係わる個人環境制御方法及び個人環境制御装置の実施形態を説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係わるネットワークシステムの概略構成図である。このシステムは、ローカルネットワークとしての複数のLAN(Local Area Network)L1,L2を、それぞれネットワーク間接続装置としてのゲートウエイN1及びホームルータN2を介して外部の広域ネットワークであるWAN(Wide Area Network)W1に接続したものである。
ゲートウエイN1及びホームルータN2は種類が異なり、異なる設定方式に対応する。例えば、ゲートウエイN1はtelnetに対応し、ホームルータN2はHTTP(Hypertext Transfer Protocol)に対応する。telnetとHTTPでは設定要求メッセージの内容が異なる。
LAN L1は例えばオフィスに敷設され、オフィス内に設置されたパーソナル・コンピュータ等の情報端末やプリンタ等の周辺機器に加え、空調機(以後エアコンと略称する)H11や図示しない照明機器等の住環境機器が上記LAN L1に接続される。一方、LAN L2は例えば家庭内に敷設され、家庭内で使用されるパーソナル・コンピュータ等の情報端末を始め、エアコンH21等の住環境機器が上記LAN L2に接続される。上記エアコンH11,H21は別の機種からなり、制御方式が互いに異なる。
WAN W1には、この発明に係わる新たな装置として個人環境プロファイル管理サーバS1が接続される。この個人環境プロファイル管理サーバS1は記憶装置を備え、この記憶装置には上記LAN L1,L2に対し利用登録を行ったユーザの個人環境プロファイルがユーザ別に格納される。
個人環境プロファイルは、ユーザの識別情報(ユーザID)に対応付けてユーザが希望する環境条件を定義したものである。例えば、図9に示すようにユーザIDに対応付けて制御パラメータリストを作成し、このリストに複数のパラメータを記述している。各パラメータは、「パラメータ名」と「パラメータ値」とから構成される。パラメータ名としては、例えば通信環境を定義する「VoIP優先度」や「Web優先度」、住環境を定義する「室温」が記述される。パラメータ値としては、上記VoIP優先度及びWeb優先度の指定値、室温の指定値が記述される。
ところで、上記LAN L1,L2にはそれぞれ、個人環境制御装置としての環境制御エージェント装置A1,A2が接続される。環境制御エージェント装置A1,A2はそれぞれ対応するLAN L1,L2に対し、当該LAN L1,L2を利用しようとするユーザが希望する環境条件を設定するもので、以下のような機能を備えている。図2はその機能構成を示すブロック図である。
すなわち、環境制御エージェント装置A1,A2は環境制御部E1を備える。この環境制御部E1には、ネットワーク構成管理部(NW構成管理部)M1と、複数の要求変換部C1〜Cnと、通信インタフェース(通信I/F)T1が接続される。なお、これらの機能はいずれもマイクロコンピュータにプログラムを実行させることにより実現される。
NW構成管理部M1は、対応するLANの構成を管理するもので、LANに接続された各機器の機器プロファイルと、機器種別プロファイルを記憶する。機器プロファイルは、例えば図10に示すように、LANに接続された機器ごとにその「機器ID」、「機器種別ID」及び「設置場所」等を記述したものである。
機器種別プロファイルは、LANに接続された各機器のパラメータを機器種別ごとに記述したもので、例えば図11に示すように機器種別IDに対応付けて制御パラメータリストを記述している。制御パラメータリストには制御可能な一つ又は複数のパラメータが含まれる。各パラメータは、「パラメータ名」、「パラメータ型」、「パラメータ値域」及び「有効範囲」により表される。「有効範囲」は、そのパラメータが影響を与える範囲を表すもので、「部屋名」又は「LAN全体」等として記述される。
環境制御部E1は、個人環境プロファイルの登録制御機能と、機器に対する個人環境制御機能とを備える。個人環境プロファイルの登録制御機能は、ユーザによる登録操作に応じ、当該ユーザの入力に応じて生成した個人環境プロファイルを個人環境プロファイル管理サーバS1に登録する制御を実行する。
個人環境制御機能は、ユーザの利用要求に応じて、個人環境プロファイル管理サーバS1から当該ユーザに対応する個人環境プロファイルを検索する。そして、この検索された個人環境プロファイルと、上記NW構成管理部M1に記憶された機器プロファイル及び機器種別プロファイルとに基づいて、LAN内の各機器の中から制御対象として適切な機器を選択し、この選択された機器に対しユーザ個人の環境条件を設定する制御を行う。
要求変換部C1〜Cnは、LANに接続された各機器の機器種別に対応して設けられる。要求変換部C1〜Cnは、環境制御部E1に対して共通の機器制御のための共通のインタフェースを提供する。そして、当該共通インタフェースを介して環境制御部E1から受け付けた環境設定要求を、制御対象の各機器固有のメッセージ形式に変換し、この形式が変換された環境設定要求を制御対象の機器に与える。
通信インタフェースT1は、上記環境制御部E1と個人環境プロファイル管理サーバS1との間で個人環境プロファイルの登録及び検索のための情報転送を行う。またそれと共に、上記要求変換部C1〜Cnにより生成された環境設定要求をLANを介して制御対象の機器へ送信する。
なお、上記通信機器としてのゲートウエイN1及びホームルータN2、住環境機器としてエアコンH11,H21や照明機器(図示せず)、及び環境制御エージェント装置A1,A2は、いずれもIP(Internet Protocol)に対応する。
次に、以上の構成に基づいてこの実施形態に係わる動作を説明する。
(1)個人環境プロファイルの登録
ここでは、ユーザがLAN L1の利用に先立ち当該LAN L1の環境制御エージェント装置A1において登録操作を行った場合を例にとって説明する。図3は環境制御エージェント装置A1における個人環境プロファイル登録制御の手順と内容を示すフローチャート、図7はネットワークシステムにおけるその制御シーケンスを示す図である。
環境制御エージェント装置A1は、環境制御部E1においてユーザによる個人環境プロファイルの登録操作をステップ3aで監視している。この状態で、ユーザがLAN L1を利用するべく環境制御エージェント装置A1において個人環境プロファイル7aの入力操作を行うと、環境制御部E1はステップ3bに移行してユーザが入力した個人環境プロファイル7aを受け付ける。そして、すべての情報入力の終了をステップ3cで検出すると、ステップ3dにおいて、上記入力された個人環境プロファイルをその登録要求7bと共に個人環境プロファイル管理サーバS1に向け送信する。
個人環境プロファイル管理サーバS1は、上記登録要求の到来に応じ、当該登録要求と共に受信された個人環境プロファイルを記憶装置に格納する。そして、この個人環境プロファイルを登録元のLAN L1はもとより、他のすべてのLAN L2,…から参照可能な状態に設定する。この登録処理が終了すると、個人環境プロファイル管理サーバS1は登録要求元の環境制御エージェント装置A1に向け登録終了通知7cを返送する。
環境制御エージェント装置A1は、環境制御部E1によりステップ3eで登録終了通知7cの返送を監視し、登録終了通知7cが受信されるとユーザにその旨を報知して登録制御を終了する。
(2)個人環境の設定制御
ここでは、LAN L1を利用するべくユーザが個人環境の設定を要求する場合を例にとって説明する。図4乃至図6は環境制御エージェント装置A1における個人環境設定制御の手順と内容を示すフローチャート、図8はネットワークシステムにおけるその制御シーケンスを示す図である。
LAN L1を利用する際にユーザは、自身が使用する情報端末から環境制御エージェント装置A1に対しユーザ利用通知8aを入力し、続いてID及びパスワードの入力等によりユーザ認証を要求する。環境制御エージェント装置A1の環境制御部E1は、ステップ4aで上記ユーザ利用通知8aの入力を検出すると、ステップ4bによりユーザ認証処理を実行する。この認証処理の結果、ユーザの正当性が確認できなかった場合には、そのまま制御手順を終了する。
一方、正当なユーザであることが確認されると、環境制御部E1はステップ4cからステップ4dに移行し、ここで上記ユーザのユーザIDと当該ユーザが使用する情報端末の機器IDとを関連付けた利用状況の登録要求8bを生成して、NW構成管理部M1に登録する。この結果NW構成管理部M1では、機器プロファイルに基づいて、上記ユーザIDと、当該ユーザが使用する情報端末の機器IDと、当該ユーザの存在場所を表す情報(例えば部屋名)とが相互に対応付けられて記憶される。この記憶処理が終了すると、NW構成管理部M1からは登録完了通知8cが返送される。
上記登録完了通知8cの返送をステップ4eで検出すると環境制御部E1は、次にステップ4fにより個人環境プロファイル管理サーバS1に対し個人環境プロファイルの取得要求8dを送信する。個人環境プロファイル管理サーバS1は、上記取得要求8dが到来すると当該要求に含まれるユーザIDを引数として対応する個人環境プロファイルを読み出し、この読み出された個人環境プロファイル8eを要求元の環境制御エージェント装置A1へ回答する。
環境制御部E1は、上記個人環境プロファイル8eをステップ4gで受信するとステップ4hに移行し、このステップ4hで上記受信された個人環境プロファイルの内容を引数としてNW構成管理部M1に対し当該ユーザが希望する個人環境を実現可能な適応機器の検索要求8fを与える。この検索要求8fを受け取るとNW構成管理部M1は、ステップ4iにおいて適応機器の検索処理を以下のように実行する。
すなわち、NW構成管理部M1は図6に示すように、先ずステップ6aにより、上記与えられた個人環境プロファイルを、記憶されている機器種別プロファイルの制御パラメータリストの値と比較する。そしてステップ6bにより、上記個人環境プロファイルに記述されたユーザの希望環境条件を実現可能な機器種別IDを、上記機器種別プロファイルから抽出する。
続いてNW構成管理部M1は、ステップ6cにより、以下の条件を満たす機器の機器IDを機器プロファイルより抽出する。
条件1;上記抽出された機器種別に属する機器。
条件2;機器種別プロファイルに記述された制御パラメータの「有効範囲」の値が「部屋」である場合には、ユーザの存在位置に対応する部屋に設置されている機器。
以上の抽出処理を終了するとNW構成管理部M1は、該当する適当な機器を抽出できたか否か、つまり抽出が成功したか否かを図5に示すようにステップ5aで判定する。この判定の結果、適当な機器が抽出されなかった場合には、ステップ5bによりその旨のメッセージをユーザが使用する情報端末へ送ってユーザに報知する。
これに対し適当な機器が抽出できた場合には、NW構成管理部M1はステップ5cにより抽出された機器は単数であるか複数であるかを判定し、この抽出された機器のリストをそのプロファイルと共にユーザが使用する情報端末へ送ってユーザに提示する。この提示に対してユーザが希望する機器を選択操作し、その選択情報が返送されると、NW構成管理部M1はこの返送された選択情報をもとにステップ5dで機器の絞り込み処理を行う。なお、この絞り込み処理においては、ユーザに対し機器リストを提示せずに、抽出された複数の機器の中からユーザが希望する環境条件に最も近い機器を一つ選択するようにしてもよい。
以上の抽出及び絞り込み処理により、例えば通信機器としてゲートウエイN1が、また住環境機器としてエアコンH11がそれぞれ選択される。そして、NW構成管理部M1は、上記選択された機器の機器ID及び当該機器が属する機器種別IDを含む回答情報8gを環境制御部E1に通知する。
環境制御部E1は、上記回答情報8gを受け取ると、ステップ5eにおいて当該回答情報8gに記載された機器種別IDをもとに、当該機機種別に対応する要求変換部を複数の要求変換部C1〜Cnの中から選択する。そして、ステップ5fにおいて、ユーザの個人環境プロファイルをもとに共通の形式により環境設定要求8hを生成し、この生成された環境設定要求8hを上記選択された要求変換部C1,C2に与える。
例えば、いまゲートウエイN1の機器種別に対応する要求変換部として要求変換部C1が選択されたとすると、環境制御部E1からこの要求変換部C1に対し設定要求8hが与えられる。要求変換部C1では、ステップ5gにおいて、上記与えられた共通の形式の設定要求8hを、ゲートウエイN1に対応可能なメッセージ形式に変換し、この変換された設定要求8iをステップ5hによりゲートウエイN1に送信する。この結果ゲートウエイN1には、ユーザが希望する通信環境を実現するための動作条件が設定される。
そして、上記ゲートウエイN1から要求変換部C1に設定完了通知8jが返送され、さらに要求変換部C1から環境制御部E1に設定終了通知8kが知らされると、環境制御部E1はステップ5iからステップ5jに移行して、ここで制御対象のすべての機器に対し環境条件の設定が完了したか否かを判定する。この判定の結果、未設定の機器が残っていればステップ5eに戻り、上記ステップ5e〜ステップ5iによる設定制御を繰り返し実行する。
例えば、ここでは上記したように住環境機器としてエアコンH11が選択されているため、ステップ5eにおいて上記エアコンH11の機器種別に対応する要求変換部C2が選択され、環境制御部E1からこの要求変換部C2に対し共通の形式の設定要求8lが与えられる。要求変換部C2は、ステップ5gにおいて、上記与えられた共通の形式の設定要求8lを、エアコンH11に対応可能なメッセージ形式に変換し、この変換された設定要求8mをステップ5hによりエアコンH11に送信する。この結果エアコンH11には、ユーザが希望する通信環境を実現するための動作条件、例えば温度が設定される。
そして、上記エアコンH11から要求変換部C2に設定完了通知8nが返送され、さらに要求変換部C2から環境制御部E1に設定終了通知8oが知らされると、環境制御部E1はステップ5jで未設定の機器が残っているか否かを判定する。そして、この判定の結果制御対象のすべて機器に対する設定制御が終了したことを確認すると、環境制御部E1はユーザの個別環境プロファイルに応じた一連の環境設定制御を終了する。
なお、LAN L1,L2の構成が変更された場合には、NW構成管理部M1に記憶された機器種別プロファイル及び機器プロファイルがMIB(Management Information Base)等に基づいて自動的に更新される。また、エアコンH11,H21等の住環境機器の設置場所については、ユーザによる手入力操作により更新される。
以上述べたようにこの実施形態では、LAN L1,L2に接続された通信機器N1,N2及び住環境機器H11,H21の能力を定義する機器プロファイル及び機器種別プロファイルを環境制御エージェント装置A1,A2のNW構成管理部M1に記憶すると共に、ユーザが希望する環境条件を定義する個人環境プロファイルを個人環境プロファイル管理サーバS1に記憶する。そして、ユーザの個人環境設定要求に応じて、当該ユーザに対応する個人環境プロファイルを上記個人環境プロファイル管理サーバS1から読み出し、この読み出された個人環境プロファイルと、上記記憶された機器種別プロファイル及び機器プロファイルとをもとに、上記ユーザが希望する環境条件を実現可能な通信機器及び住環境機器を選択する。そして、この選択された機器に対し上記個人環境プロファイルに定義された環境条件を設定するようにしている。
したがって、ユーザの個人環境プロファイルを一度登録すれば、以後当該ユーザがLAN L1,L2を新規に利用する場合でも、またLAN L1,L2の構成が変更された後に当該LAN L1,L2をユーザが再度利用する場合でも、ユーザはその都度通信機器及び住環境機器に対し希望する環境条件を自ら設定する必要がなくなり、これによりユーザの作業負担は大幅に軽減される。
また、制御対象の機器の種別に対応して要求変換部C1〜Cnを備え、共通の形式で生成された環境設定要求をこの要求変換部C1〜Cnにより制御対象の機器の種別に対応したメッセージ形式に変換したのち、制御対象の機器に供給するようにしている。このため環境制御部E1は、制御対象の機器の種別を何ら意識することなく環境設定要求を生成することが可能となり、これにより環境制御部E1の処理を簡略化することができる。
さらに、ユーザが希望する環境条件を実現可能な機器を抽出できなかった場合に、その旨のメッセージをユーザに報知するようにしている。このようにすると、ユーザは自身が希望する環境条件を設定できないことを明確に認識することができる。また、ユーザが希望する環境条件を実現可能な機器が複数抽出された場合にも、その旨のメッセージと機器リストをユーザに提示し、ユーザが希望する機器を選択指定するようにしている。このため、ユーザにとってより都合のよい機器を選択できる。
なお、この発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、前記実施形態ではユーザの個人環境プロファイルをすべて個人環境プロファイル管理サーバS1に登録して一括管理するようにしたが、各LAN L1,L2の環境制御エージェント装置A1,A2にそれぞれ記憶させて分散管理するようにしてもよい。また、環境制御エージェント装置A1,A2は他の機器とその機能を縮退させても構わない。
また前記実施形態では、LANに接続された各通信機器、住環境機器及び環境制御エージェント装置をいずれもIP対応機器とした場合を例にとって説明したが、各機器とLANとの間に適切な転送装置を介在させることにより、各機器を非IP対応機器とすることも可能である。
さらに、ユーザが希望する環境条件にユーザ間の優先度を表す情報を含めた個人環境プロファイルを保存しておき、環境条件を設定する際に、複数のユーザによる個人環境の設定要求に応じて共通の機器が選択され、かつ当該複数のユーザが希望する環境条件が相互に異なる場合には、当該環境条件に含まれる優先度を表す情報に基づいて、上記選択された共通の機器に対し優先度の高いユーザの環境条件を設定するように構成するとよい。このようにすると、複数のユーザにより異なる環境条件の設定要求がなされた場合でも、混乱を生じることなく機器に対し環境条件を設定することが可能となる。
さらに、前記実施形態では通信機器及び住環境機器の両方を制御する場合を例にとって説明したが、いずれか一方のみを制御するようにしてもよい。その他、ネットワーク構成、通信機器及び住環境機器の種類、個人環境プロファイル、機器プロファイル及び機器種別プロファイルの構成内容、個人環境プロファイル登録制御の手順と内容、個人環境制御の手順と内容等についても、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。
要するにこの発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
この発明に係わる個人環境制御方法の一実施形態を実施するシステムの概略構成図。 図1に示したシステムにおける環境制御エージェント装置の要部の機能構成を示すブロック図。 図2に示した環境制御エージェント装置における個人環境プロファイル設定制御手順と制御内容を示すフローチャート。 図2に示した環境制御エージェント装置における個人環境設定制御手順と制御内容の前半部分を示すフローチャート。 図2に示した環境制御エージェント装置における個人環境設定制御手順と制御内容の後半部分を示すフローチャート。 図4に示した個人環境設定制御手順のうち適応機器検索処理の手順と内容を示すフローチャート。 図3に示した個人環境プロファイル設定制御により実現される個人環境プロファイル登録シーケンスを示す図。 図4乃至図6に示した個人環境設定制御により実現される個人環境制御シーケンスを示す図。 図3に示す個人環境プロファイル設定制御により登録される個人環境プロファイルの一例を示す図。 図4乃至図6に示した個人環境設定制御において使用される機器プロファイルの一例を示す図。 図4乃至図6に示した個人環境設定制御において使用される機器種別プロファイルの一例を示す図。
符号の説明
W1…WAN、L1,L2…LAN、N1…ゲートウエイ、N2…ホームルータ、A1,A2…環境制御エージェント装置、H1,H2…エアコン、S1…個人環境プロファイル管理サーバ、E1…環境制御部、M1…ネットワーク構成管理部、C1〜Cn…要求変換部、T1…通信インタフェース。

Claims (10)

  1. ユーザの利用が想定される場所に設置された複数の機器と、ユーザが操作可能な個人環境制御装置との間を通信ネットワークを介して接続したシステムで使用される個別環境制御方法であって、
    前記個人環境制御装置が、前記複数の機器の能力を定義する機器プロファイルを保存する過程と、
    前記個人環境制御装置が、前記ユーザが希望する環境条件を定義する個人環境プロファイルを保存する過程と、
    前記個人環境制御装置が、前記ユーザによる個人環境の設定要求に応じて当該ユーザに対応する個人環境プロファイルを選択する過程と、
    前記個人環境制御装置が、前記選択された個人環境プロファイルと前記保存された機器プロファイルとに基づいて、前記複数の機器の中から前記ユーザが希望する環境条件を実現可能な機器を選択する過程と、
    前記個人環境制御装置が、前記選択された機器に対し前記個人環境プロファイルに定義された環境条件を設定する過程と
    を具備することを特徴とする個人環境制御方法。
  2. 前記機器プロファイルを保存する過程は、前記通信ネットワークに接続された通信機器の能力を定義する通信機器プロファイルを保存し、
    前記個人環境プロファイルを保存する過程は、ユーザが前記通信ネットワークを利用する際に希望する通信環境条件を定義する個人環境プロファイルを保存し、
    前記機器を選択する過程は、前記保存された個人環境プロファイル及び機器プロファイルに基づいて、前記複数の機器の中から、前記ユーザが希望する通信環境条件を実現可能な通信機器を選択し、
    前記環境条件を設定する過程は、前記選択された通信機器に対し前記個人環境プロファイルに定義された通信環境条件を設定することを特徴とする請求項1記載の個人環境制御方法。
  3. 前記機器プロファイルを保存する過程は、ユーザの利用場所の住環境を制御する住環境機器の能力を定義する住環境機器プロファイルを保存し、
    前記個人環境プロファイルを保存する過程は、ユーザが前記通信ネットワークを利用する際の利用場所の住環境条件を定義する個人環境プロファイルを保存し、
    前記機器を選択する過程は、前記保存された個人環境プロファイル及び住環境機器プロファイルに基づいて、前記複数の機器の中から、前記ユーザが希望する住環境条件を実現可能な住環境機器を選択し、
    前記環境条件を設定する過程は、前記選択された住環境機器に対し前記個人環境プロファイルに定義された住環境条件を設定することを特徴とする請求項1記載の個人環境制御方法。
  4. 前記個人環境プロファイルを保存する過程は、ユーザが希望する環境条件にユーザ間の優先度を表す情報を含めた個人環境プロファイルを保存し、
    前記環境条件を設定する過程は、複数のユーザによる個人環境の設定要求に応じて共通の機器が選択され、かつ当該複数のユーザが希望する環境条件が相互に異なる場合には、当該環境条件に含まれる優先度を表す情報に基づき、前記選択された共通の機器に対し優先度の高いユーザの環境条件を設定することを特徴とする請求項1記載の個人環境制御方法。
  5. 前記機器を選択する過程において、複数の機器の中から前記ユーザが希望する環境条件を実現可能な機器が選択されなかった場合には、その旨のメッセージをユーザに報知する過程を、さらに具備することを特徴とする請求項1記載の個人環境制御方法。
  6. ユーザの利用が想定される場所に設置された複数の機器に対し通信ネットワークを介して接続される、ユーザが操作可能な個人環境制御装置であって、
    前記複数の機器の能力を定義する機器プロファイルを記憶する第1の記憶手段と、
    前記ユーザが希望する環境条件を定義する個人環境プロファイルを記憶する第2の記憶手段と、
    前記ユーザによる個人環境の設定要求に応じて、当該ユーザに対応する個人環境プロファイルを前記第2の記憶手段から選択する手段と、
    前記選択された個人環境プロファイルと、前記第1の記憶手段に保存された機器プロファイルとに基づいて、前記複数の機器の中から前記ユーザが希望する環境条件を実現可能な機器を選択する手段と、
    前記選択された機器に対し、前記個人環境プロファイルに定義された環境条件を前記通信ネットワークを介して設定する手段と
    を具備することを特徴とする個人環境制御装置。
  7. 前記第1の記憶手段は、前記通信ネットワークに接続された通信機器の能力を定義する通信機器プロファイルを記憶し、
    前記第2の記憶手段は、ユーザが前記通信ネットワークを利用する際に希望する通信環境条件を定義する個人環境プロファイルを記憶し、
    前記機器を選択する手段は、前記記憶された個人環境プロファイル及び機器プロファイルに基づいて、前記複数の機器の中から、前記ユーザが希望する通信環境条件を実現可能な通信機器を選択し、
    前記環境条件を設定する手段は、前記選択された通信機器に対し前記個人環境プロファイルに定義された通信環境条件を設定することを特徴とする請求項6記載の個人環境制御装置。
  8. 前記第1の記憶手段は、ユーザの利用場所の住環境を制御する住環境機器の能力を定義する住環境機器プロファイルを記憶し、
    前記第2の記憶手段は、ユーザが前記通信ネットワークを利用する際の利用場所の住環境条件を定義する個人環境プロファイルを記憶し、
    前記機器を選択する手段は、前記記憶された個人環境プロファイル及び機器プロファイルに基づいて、前記複数の機器の中から、前記ユーザが希望する住環境条件を実現可能な住環境機器を選択し、
    前記環境条件を設定する手段は、前記選択された住環境機器に対し前記個人環境プロファイルに定義された住環境条件を設定することを特徴とする請求項6記載の個人環境制御装置。
  9. 前記第2の記憶手段は、ユーザが希望する環境条件にユーザ間の優先度を表す情報を含めた個人環境プロファイルを記憶し、
    前記環境条件を設定する手段は、複数のユーザによる個人環境の設定要求に応じて共通の機器が選択され、かつ当該複数のユーザが希望する環境条件が相互に異なる場合には、当該環境条件に含まれる優先度を表す情報に基づいて、前記選択された共通の機器に対し優先度の高いユーザの環境条件を設定することを特徴とする請求項6記載の個人環境制御装置。
  10. 前記機器を選択する手段は、前記複数の機器の中からユーザが希望する環境条件を実現可能な機器が選択できなかった場合に、その旨のメッセージをユーザに報知することを特徴とする請求項6記載の個人環境制御装置。
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