JP2007004084A - 調光装置及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 意匠性の高い新規構造を有する調光装置を提供する。
【解決手段】 本発明の一態様に係る調光装置は、二枚の透明板1、2の間に光学素子3と透明固体層8が備えられ、光学素子3には、一対の透明電極付き透明基板31、32が対向して備えられ、透明電極33、34への電気的制御により光透過状態を可変可能な調光層35が配置された調光装置であって、光学素子3の表側と裏側の表示面をそれぞれ覆うように透明固体層8が配置され、一対の透明電極33、34にそれぞれ導電接続されるステンレスからなる接続配線4を備え、接続配線4は、その両端が透明板1、2の外端にそれぞれ至るように配設されている。
【選択図】図1
【解決手段】 本発明の一態様に係る調光装置は、二枚の透明板1、2の間に光学素子3と透明固体層8が備えられ、光学素子3には、一対の透明電極付き透明基板31、32が対向して備えられ、透明電極33、34への電気的制御により光透過状態を可変可能な調光層35が配置された調光装置であって、光学素子3の表側と裏側の表示面をそれぞれ覆うように透明固体層8が配置され、一対の透明電極33、34にそれぞれ導電接続されるステンレスからなる接続配線4を備え、接続配線4は、その両端が透明板1、2の外端にそれぞれ至るように配設されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、調光装置及びその製造方法に関する。
電気的制御によって光の透過状態を制御する光学素子を備えた調光装置が知られている。このような調光装置は、光の透過状態をコントロールすることにより、利用者の視野を遮蔽したり開放したりすることができるので、室内の間仕切り、外窓等の建材用途として用いられている。自動車のサンルーフやサンバイザー用途としての利用についても提案されている(非特許文献1)。
上記調光装置に用いられる光学素子としては、エレクトロクロミック素子を使用したものや、透過−散乱型の動作モードを備えた液晶/高分子複合体を用いた液晶光学素子(Liquid Crystal Polymer Composite)が知られている(特許文献1)。液晶/高分子複合体は、高分子と液晶間や液晶内部のドメインでの屈折率差によって光の制御を行う。
液晶/高分子複合体を用いた液晶光学素子を内蔵した調光装置として、光学素子の両側に一対の透明板を配設するものが開示されている(特許文献2)。
図6は、上記特許文献2に記載の調光装置の構成を模式的に示した断面図である。この調光装置100は、透明電極133をそれぞれ備える一対の透明基板131間に液晶/高分子複合体からなる調光層135を挟持した液晶光学素子103、この液晶光学素子103を挟持する一対の透明板101等を備えている。また、一対の透明板101の間隙における外端には、液晶光学素子103の透明電極133と導電接続される端子104が備えられている。端子104は、外部の駆動回路と接続して、液晶光学素子103に電圧を供給する役割を担う。
図6は、上記特許文献2に記載の調光装置の構成を模式的に示した断面図である。この調光装置100は、透明電極133をそれぞれ備える一対の透明基板131間に液晶/高分子複合体からなる調光層135を挟持した液晶光学素子103、この液晶光学素子103を挟持する一対の透明板101等を備えている。また、一対の透明板101の間隙における外端には、液晶光学素子103の透明電極133と導電接続される端子104が備えられている。端子104は、外部の駆動回路と接続して、液晶光学素子103に電圧を供給する役割を担う。
調光装置の別の例として、一対の透明板に複数の液晶光学素子を挟持した例が提案されている(特許文献3)。特許文献3によれば、液晶光学素子と、一対の透明板の端部に設けられた太陽電池とを、一対の透明板上に形成された透明導電膜を介して電気的に接続することにより可視光の透過率を制御可能である旨が記載されている。
米国特許第5188760号明細書
特開平2−24630号公報
特開昭62−115416号公報
高分子液晶調光材料 工業材料 18〜50頁、Vol.40、No.3、1992年(日刊工業新聞社)
近年、調光装置は、様々な用途への応用展開が期待されている。一方で、調光装置は、一対の透明板に光学素子を挟持した構造ゆえ、意匠性を兼ね備えることが重要である。
そこで、上記特許文献2に記載のように、一対の透明板101に、これよりやや大きさの小さい液晶光学素子103を配設し、非透明材料である端子104を一対の透明板101の端部の非視認領域に設けることが理想的である。しかしながら、大型化のニーズに応える場合には、内蔵する光学素子自体も大きくする必要があった。また、調光装置の中央部領域のみに調光機能を持たせたいニーズに対しても、光学素子自体を大きくする必要があった。光学素子自体を大きくすると、製造歩留まりが低下するのみならず、ニーズに応じた特別の製造設備等を要するという問題が生じる。
また、上記特許文献3に記載のように、一対の透明板に透明導電膜を形成し、この透明導電膜をパターニングすることにより複数の液晶光学素子に電圧を供給するように構成すれば、電圧供給手段である透明導電膜が視認されないので理想的である。しかしながら、この調光装置においては、光学素子を挟持する一対の透明板上に透明導電膜をスパッタリング等で形成し、さらにフォトリソグラフィー工程やレーザエッチング等の工程により所望のパターンとなるようにパターン形成する必要がある。従って、透明板の大きさに応じた製造設備を用意する必要がある。また、製造設備の点から、大型化のニーズに応えるのは困難である。それに加え、上記特許文献3に記載の調光装置には、一対の透明板上にどのように液晶光学素子を搭載するかについて記載されておらず、いわんや一対の透明板上に形成された透明導電膜と、液晶光学素子とを接続する方法について何ら開示されていない。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、調光装置の大きさ如何に関わらず製造コストを低減可能であって、かつ意匠性の高い新規構造を有する調光装置を提供することである。
本発明の第1の態様に係る調光装置は、透明固体層と、一又は複数の光学素子とが二枚の透明板に挟持され、前記光学素子には、一対の透明電極付き透明基板が対向して備えられ、前記一対の透明電極の間に、当該透明電極への電気的制御により光透過状態を可変可能な調光層が配置された調光装置であって、前記光学素子の表側と裏側の表示面をそれぞれ覆うように前記透明固体層が配置され、前記一対の透明電極にそれぞれ導電接続されるステンレスよりなる接続配線が備えられ、当該接続配線は、その両端が前記透明板の外端にそれぞれ至るように配設されてなるものである。
電機接続配線には、抵抗値の小さい銅配線かアルミ配線を用いるのが一般的である。しかしながら、本発明者らが鋭意検討を重ねたところ、上記態様において本件発明の目的を満足し得ることを見出した。
本発明の第1の態様に係る調光装置によれば、接続配線の両端を透明板の外端にそれぞれ至るように配設することにより、調光装置の設計自由度を大幅に上げることができる。また、調光装置内の調光領域を複数の光学素子に分割することができる。その結果、様々な用途に応用展開が可能な新規構造を有する調光装置を提供することができる。また、上記特許文献3のように透明板の大きさに応じた製造設備を必要としないので、調光装置の大きさ如何に関わらず製造コストを低減できる。また、調光装置内に搭載する光学素子を大型化する必要が無く、製造コストを低減させることができる。また、大型の光学素子を製造する場合に比して、製造歩留まりを向上させることができる。
本発明の第1の態様に係る調光装置によれば、接続配線の両端を透明板の外端にそれぞれ至るように配設することにより、調光装置の設計自由度を大幅に上げることができる。また、調光装置内の調光領域を複数の光学素子に分割することができる。その結果、様々な用途に応用展開が可能な新規構造を有する調光装置を提供することができる。また、上記特許文献3のように透明板の大きさに応じた製造設備を必要としないので、調光装置の大きさ如何に関わらず製造コストを低減できる。また、調光装置内に搭載する光学素子を大型化する必要が無く、製造コストを低減させることができる。また、大型の光学素子を製造する場合に比して、製造歩留まりを向上させることができる。
また、接続配線としてステンレス材料を採用しているので、接続配線の視認性を向上させることができる。その理由は、以下のとおりである。第1にステンレス材料は、銅材料等に比して色調が目立ちにくいためである。第2に、一般的に電気接続配線に用いられる銅配線、アルミ配線等を用いる場合に比して、接続配線の断面積を小さくさせることができるためである。これは、ステンレス材料の耐力が高いためである。これらの結果、視認性を向上させ、かつ意匠性の高い新規構造を有する調光装置を提供することができる。なお、ここでいう「視認性を向上させる」とは、調光装置内部において配設される接続配線が、同一距離から同一条件で視認した場合に、より目立ちにくく、かつ圧迫感を与えない、若しくは視認されないといういずれかの条件を満足させることをいう。
また、ステンレス材料からなる接続配線を用いることにより、一般的に電気接続配線に用いられるアルミ配線や銅配線等を用いる場合に比して、接続配線に荷重を加えた際の接続配線の伸び率を低減させることができる。また、アルミ配線や銅配線等を用いる場合に比して、接続配線に曲げ跡の発生を低減することができる。従って、ステンレス材料からなる接続配線を採用することにより、製造工程中の取扱性を容易化することができる。また、ステンレス材料は、耐食性能が高く長期耐久性を確保しやすい点においても優れている。
本発明の第2の態様に係る調光装置は、透明固体層と、一又は複数の光学素子とが二枚の透明板の間に挟持され、前記光学素子には、一対の透明電極付き透明基板が対向して備えられ、前記一対の透明電極の間に、当該透明電極への電気的制御により光透過状態を可変可能な調光層が配置された調光装置であって、前記光学素子の表側と裏側の表示面をそれぞれ覆うように前記透明固体層が配置され、前記一対の透明電極にそれぞれ導電接続される接続配線が備えられ、当該接続配線は、その両端が前記透明板の外端にそれぞれ至るように配設され、かつ、前記接続配線の耐力が100MPa以上であるものである。
本発明の第2の態様に係る調光装置によれば、上記第1の態様に係る調光装置と同様の理由により、調光装置の設計自由度を大幅に上げることができる。また、様々な用途に応
用展開が可能な新規構造を有する調光装置を提供することができる。さらに、調光装置内に搭載する光学素子を大型化する必要が無く、製造コストを低減させることができる。また、大型の光学素子を製造する場合に比して、製造歩留まりを向上させることができる。
用展開が可能な新規構造を有する調光装置を提供することができる。さらに、調光装置内に搭載する光学素子を大型化する必要が無く、製造コストを低減させることができる。また、大型の光学素子を製造する場合に比して、製造歩留まりを向上させることができる。
また、接続配線として耐力が100MPa以上のものを用いているので、接続配線の視認性を向上させることができる。これは、上記範囲外のものに比して、接続配線をより細線化させることができるためである。また、耐力を100MPa以上とすることにより、取扱時に接続配線に曲げ跡が生じにくくするのに十分な弾性限度を得ることができる。また、耐力を100MPa以上とすることにより、接続配線に略直線性を確保するために荷重を加えても、伸び率を低減させることができるのに十分な縦弾性係数を得ることができる。従って、取扱性を向上させることができる。なお、本明細書において耐力とは、図7(a)に示すように、比例限度点であるP点以上の応力−歪み曲線において、残留ひずみを0.2%発生させるときの応力σ0.2(図7(a)中のQ点)と定義する。なお、降伏点を持つ材料については、耐力を降伏点と読み替えるものとする。降伏点は図7(b)に示すように、顕著な応力の低下点σyuの値と定義する(物理学辞典 初版 培風館発行 p672)。
本発明の第3の態様に係る調光装置は、上記態様において、前記接続配線が、一端から他端にかけて略一直線状であるものである。これにより、調光装置の意匠性を向上させることができる。また、製造工程をより簡易化させることができる。なお、ここでいう「略一直線状」とは、全体に亘って観察したときに概ね直線性が確保されている状態をいい、一部領域における厳密な直線性等は要求されない。
本発明の第4の態様に係る調光装置は、上記態様において、1本の前記接続配線が、複数の前記光学素子の前記一対の透明基板に固設されてなるものである。これにより、構造上の強度を高めることができる。また、複数の光学素子に導電接続させるようにすれば、接続配線の本数を低減し、接続配線を目立たなくさせることができる。
本発明の第5の態様に係る調光装置は、上記態様において、前記一対の透明板の面形状が略矩形であり、前記接続配線が前記一対の透明板の一辺と略平行に配置されてなるものである。これにより、意匠性をより効果的に向上させることができる。
本発明の第6の態様に係る調光装置は、上記態様において、前記接続配線が、その表面が艶消し処理されているものである。これにより、接続配線の視認性を向上させ、調光装置の意匠性を高めることができる。
本発明の第7の態様に係る調光装置の製造方法は、二枚の透明板の間に光学素子を備えた調光装置の製造方法であって、前記光学素子として、一対の透明電極付き透明基板が対向して備えられ、前記一対の透明電極の間に、当該透明電極への電気的制御により光透過状態を可変可能な調光層が配置されたものを用意し、前記光学素子の前記一対の透明電極にそれぞれ導電接続し、前記二枚の透明板の外端まで延設され、かつ耐力が100MPa以上である材料からなる接続配線を、前記一対の透明電極付き透明基板の任意の透明基板上に固設し、前記光学素子と、前記二枚の透明板の少なくとも一方とを固定し、前記一対の透明板の間隙に液状樹脂材料を注入し、前記接続配線が略直線状になるように前記接続配線の両端部に荷重をかけながら、前記液状樹脂材料を硬化させるものである。
本発明の第7の態様に係る調光装置の製造方法によれば、接続配線に張力をかけながら液状樹脂材料を硬化せしめているので、接続配線をたるまずにまっすぐに配設することができる。また、大型化した場合であっても、簡便に接続配線を配設可能である。また、液成樹脂材料を用いることにより、上記特許文献2に記載のシート状の接着層を形成する場合に比して効率的に透明固体層を形成することができる。特に、複数の光学素子及び接続配線を備える複雑な構造においても、簡便に透明固体層を形成することができる。さらに、一対の透明板の間隙に形成される空間に液状樹脂材料を充填して硬化することにより、外部からの衝撃等を緩和して光学素子を効果的に保護することができる調光装置を製造することができる。
本発明の第8の態様に係る調光装置の製造方法は、前記光学素子と前記二枚の透明板の少なくとも一方とを固定する際に、前記接続配線が複数の前記光学素子に亘って固設されている場合には、複数の前記光学素子の間に配置される接続配線部分が略直線状となるように、当該接続配線部が略直線状になるように張力を与えながら前記光学素子を前記二枚の透明板の少なくとも一方と固定する。これにより、複数の光学素子に固設されている接続配線の視認性を向上させ、調光装置の意匠性を高めることができる。
本発明によれば、調光装置の大きさ如何に関わらず製造コストの低減が可能であって、かつ意匠性の高い新規構造を有する調光装置を提供することができるという優れた効果がある。
以下、本発明を適用した実施形態1の一例について説明する。なお、本発明の趣旨に合致する限り、他の実施形態1も本発明の範疇に属し得ることは言うまでもない。また、以下に説明する図中の各部材のサイズは、説明の便宜上のものであり、各部材の比率等は実際とは異なる。また、本出願人により先に出願した特願2005−15005号公報に開示した技術を適宜適用することができる。
図1(a)及び図1(b)は、本実施形態1に係る調光装置の構成を模式的に示す斜視図である。本実施形態1に係る調光装置10は、同図に示すように、一対の透明板たる第1透明板1及び第2透明板2、光学素子たる液晶光学素子3、接続配線4、フレーム5等が備えられている。
第1透明板1及び第2透明板2(以降、これらをまとめて「第1透明板1等」とも言う)は、略同一の大きさの矩形状の平面体からなり、互いに対向配置されている。調光装置10の内部を保護し、筐体として機能するように調光装置10の前面と背面に配置されている。なお、第1透明板1及び第2透明板2は、平面体からなるものに限定されず、例えばそれぞれ独立に曲面状のものを用いてもよい。また、第1透明板1等の形状としては、用途やニーズに応じて例えば円形状等の任意の形状に変更することができる。
第1透明板1等は、液晶光学素子3のための保護プレートとして機能するため、不撓性透明板が使用されることが好ましい。第1透明板1等は、ガラス若しくはポリカーボネートなどの透明樹脂を用いることができる。調光装置10の設置場所や用途に応じて、適切な材料を選択する。軽量化の観点からは、樹脂を利用することが好ましい。公共的な場所に設置する場合などにおいては、表面に傷がつきにくく、強度の点で優れたガラス板を使用することが好ましい。車両用に使用される強化ガラス、風冷強化法や化学強化法で製造した通常の強化ガラスを適用してもよい。また、二枚のガラスを樹脂層を介して積層したガラス構造を用いてもよい。必要に応じて第1透明板1等の外側表面にARコート(Anti Reflection Coating)付フィルム等を貼り合わせてもよい。
液晶光学素子3は、第1透明板1と第2透明板2との間隙に配設されている。本実施形態1においては、縦2×横2の合計4個の略同一サイズの矩形状の液晶光学素子3が並設されている。各液晶光学素子3のそれぞれを第1透明板1あるいは第2透明板2を介して視認可能なように互いに重ならないように略同一平面上に配設されている。液晶光学素子3の詳細な構造については、後述する。
液晶光学素子3には、それぞれ単数若しくは複数の調光領域6が設けられている。この調光領域6は、電気的制御により光線透過状態と光線散乱状態とを制御することができ、利用者は第1透明板1又は第2透明板2を介して光線透過状態と光線散乱状態とを視認することができる。図1(a)は、液晶光学素子3への電圧非印加時の調光装置10の概観斜視図である。調光領域6は光線透過状態を示しており、第1透明板1等と一体的になって透明な一枚のガラスであるかのように見える。
一方、図1(b)は、液晶光学素子3に電圧を印加した時の調光装置10の概観斜視図である。調光領域6は光線散乱状態を示し、第1透明板1又は第2透明板2を介して調光領域6を視認することができる。図1(b)に示す例においては、各液晶光学素子3の調光領域6の形状を円形とした。なお、本実施形態1においては、電圧非印加時に光線透過状態、電圧印加時に光線散乱状態となるリバースモードの例について説明したが、用途に応じてこの逆となるノーマルモードとなるように構成してもよい。また、透過・散乱の2値変化ではなく、透過率を変化させるようにしてもよい。例えば、透過率100%〜透過率10%の範囲を任意に変化させるように構成してもよい。
フレーム5は、図1において対向配置された第1透明板1と第2透明板2の左右両端部を挟持し、第1透明板1及び第2透明板2を支持する役割を担う。利用者が、第1透明板1及び第2透明板2の両側、用途によってはどちらか一方の側から液晶光学素子3の調光領域6aを視認可能なように、フレームの一部が設置面に対して取付け用器具(不図示)等を介して固定されている。このようにすることにより、調光装置10を容易かつ安定的に設置することができる。なお、フレーム5は、対向配置された第1透明板1と第2透明板2の左右両端部を挟持する構造に代えて、第1透明板1及び第2透明板2の全外周部に設けたり、一辺端部のみに設けたりしてもよい。
接続配線4は、フレーム5に挟持された第1透明板1等の端部から端部に亘って合計8本が、略直線状に、かつ互いに平行に配設されている。接続配線4を略直線状にすることにより、意匠性を向上させることができるとともに、製造工程を簡易化させることができる。また、互いに平行に配設することにより、より効果的に意匠性を高めることができる。さらに、第1透明板1等の一辺と略平行に接続配線を配設することにより意匠性を効果的に高めることができる。この接続配線4は、第1透明板1及び第2透明板2と離間した位置であって、視認可能領域にある2つの液晶光学素子3の内部及び後述する透明固体層8を縦断するように配設されている。ここで、視認可能領域とは、フレーム5等の他の部材により、第1透明板及び第2透明板2が挟持等されている領域以外の第1透明板1及び第2透明板2の領域をいう。
接続配線4は、液晶光学素子3の内部において後述する透明電極と導電接続されている。フレーム5内に挟持された第1透明板1と第2透明板2には、接続配線4と外部駆動回路(不図示)を接続するための端子部(不図示)が設けられ、この端子部を介してフレーム5内に内蔵された外部駆動回路と接続される。この外部駆動回路からの信号によって、接続配線4を介して液晶光学素子3に電圧が印加される。液晶光学素子3上への接続配線4の配置構成等については、後述する。
接続配線4としては、ステンレスの薄片状又は線状の導体を用いることができる。接続配線としてステンレスを採用しているので、接続配線の視認性を向上させることができる。その理由は、以下のとおりである。第1にステンレス材料は、銅材料等に比して色調が目立ちにくいためである。第2に、銅配線、アルミ配線等を用いる場合に比して、接続配線の配線幅を細線化させることができるためである。これは、ステンレス材料の耐力が高いためである。これらの結果、視認性を向上させ、かつ意匠性の高い新規構造を有する調光装置を提供することができる。なお、ここでいう「視認性を向上させる」とは、調光装置内部において配設される接続配線が、同一距離から同一条件で視認した場合に、より目立ちにくく、かつ圧迫感を与えない、若しくは視認されないといういずれかの条件を満足させることをいう。
また、ステンレス材料からなる接続配線を用いることにより、一般的に電気接続配線に用いられるアルミ配線や銅配線等を用いる場合に比して、接続配線に荷重を加えた際の接続配線の伸び率を低減させることができる。また、一般的に電気接続配線に用いられるアルミ配線や銅配線等を用いる場合に比して、接続配線に曲げ跡の発生を低減することができる。従って、ステンレス材料からなる接続配線を採用することにより、製造工程中の取扱性を容易化することができる。また、ステンレス材料は、耐食性能が高く長期耐久性を確保しやすい点においても優れている。具体的なステンレス材料としては、例えば、オーステナイト系、オーステナイト−フェライト系、フェライト系等を使用することができる。入手しやすさ等の面では、ステンレス鋼として最も広く使用されているSUS304が好適である。
図1の第1透明板1等のサイズは、例えば、横510mm×縦470mm、液晶光学素子3のサイズは横220mm×縦220mmとすることができる。調光装置10の厚みは、例えば10mm程度とすることができる。また、調光装置10内部に並設する液晶光学素子の数としては、上記図1に示すように縦2×横2の4個とする他、縦3×横2の6個、縦3×横3の9個、縦4×横3の12個、縦4×横4の16個等任意に設けることができる。また、縦、横に配列させずにランダムに配設してもよい。
本実施形態1に係る調光装置10によれば、一対の透明板の端部から端部に亘って接続配線4を配設する構成とすることにより、調光装置の設計自由度を大幅に上げることができる。その結果、様々なニーズに応じた調光装置を提供することができる。また、一対の透明板の間隙に複数の液晶光学素子3を備えることにより、調光領域6を複数の液晶光学素子3により分割することができる。その結果、液晶光学素子3自体を大型化する必要がなく、特別の製造装置を必要としない。また、大型の液晶光学素子を製造する場合に比して、製造歩留まりを向上させることができる。
なお、図1に示す調光装置10は一例であって、これに限定されるものではない。例えば、液晶光学素子3の形成位置は、第1透明板1と第2透明板2との間隙内の少なくとも一部の領域に形成されていればよい。また、各液晶光学素子3の調光領域6の形状も、各液晶光学素子3毎に変更可能である。各液晶光学素子3の調光領域6は、図1(b)に示すように1つである必要は無く複数に分割されていてもよい。調光領域6の形状としては、円形状等の図形の他、会社のロゴ等の記号や文字等の様々なパターンとすることができる。また、液晶光学素子3の個数が4つである例について説明したが、これに限定されるものではなく、1又は複数の液晶光学素子を備えることができる。また、接続配線4は、液晶光学素子3の後述する透明電極と導電接続され、かつ、互いに対向する第1透明板1及び第2透明板2の一辺の外端に亘って延設されていればよく、上記図1の態様に限定されるものではない。
図2は、図1(a)のA−A'切断部断面図である。同図に示すように、第1透明板1と液晶光学素子3、第2透明板2と液晶光学素子3とは、それぞれ間隙を持って対向配置されており、第1透明板1と第2透明板2との間隙に形成される空間に外部からの衝撃を緩和する透明固体層8が充填されている。すなわち、透明固体層8は、第1透明板1及び第2透明板2と、液晶光学素子3とが対向する間隙、第1透明板1と第2透明板2とが液晶光学素子3を介さずに直接対向している間隙に充填されている。
充填される透明固体層8の厚みは、用途に応じた構造上の強度、液晶光学素子3への応力の低減の観点などから適切な値となるように設定する。例えば、第1透明板1と液晶光学素子との離間距離を1mmとし、この間隙に透明固体層8を充填することができる。また、透明固体層8は、液晶光学素子3、第1透明板1、第2透明板2のそれぞれと固着するように接着能を有していることが好ましい。ここで「固着」とは、実質的に剥離不能に固定される場合のみならず、所定以上の外力によって剥離可能に接着されている場合を含む。
透明固体層8は、可視域において光透過性が高いものが好ましい。また、第1透明板1及び第2透明板2と、液晶光学素子3とが一体となって一枚のガラス板であるかのように見えるように、透明固体層8の屈折率は、液晶光学素子3、第1透明板1、第2透明板2の接触面の屈折率に近似するものであることが好ましい。
また、透明固体層8は、液状樹脂材料を第1透明板1と第2透明板2との間隙に形成された空間に注入し、注入後に硬化することができるものが好ましい。これにより液晶光学素子3への応力を効果的に抑制する透明固体層を効率的に形成することができる。また、硬化による収縮の小さいものを選択することが好ましい。液状樹脂材料としては、重合性化合物と重合開始剤を少なくとも含むものであることが特に好ましい。硬化手段としては、熱によるもの、光によるものが好ましい。なお、透明固体層8の中にはゲル状のものも含まれる。
透明固体層8を構成する主成分の樹脂として、シリコーン、(メタ)アクリル、ウレタンなどを挙げることができる。製造工程の簡易性から、好ましい透明樹脂の一つは、(メタ)アクリル樹脂である。例えば、Tgが−10℃、ピークtanδ値1.2、可視透過率92%といった樹脂を用いることができる。
透明固体層8を形成する液状樹脂組成物として、重合性単量体を用いる場合には、重合開始剤を添加する。重合開始剤としては、公知のものから適宜選択できる。また、透明固体層8には、本発明の趣旨に反しない範囲において、オリゴマー成分を含有させることができる。これにより、透明固体層8の重合時の収縮を抑制することができ、応力の分散、吸収をより効果的に達成することができる。
透明固体層8を熱硬化により得る場合には、硬化温度が調光装置10を使用する温度範囲内にあるものであることがより好ましい。これにより異なる部材間での熱膨張係数差による残留応力の発生を低減させ、液晶光学素子3にかかる応力を低減することができる。この残留応力は、調光装置10を大型化するにつれて深刻となるが、硬化温度が調光装置10を使用する温度範囲内のものを用いることによりこの問題をより効果的に回避することができる。
液晶光学素子3と第1透明板1及び第2透明板2との間隙には、透明固体層8以外の光学部材を配置してもよい。ただし、これらの光学部材は空気層を介在しないように配設することが好ましい。これにより屈折率の変化による光の反射を抑制することができる。透明固体層8以外の光学部材としては、平面状のUVカットフィルムを第1透明板1及び第2透明板2の内面に貼り付けたりする例を挙げることができる。
本実施形態1に係る透明固体層8は、第1透明板1等の実質的全面にわたって形成されているので、調光領域全面への第1透明板1等を介した外力の印加を効果的に抑制することができる。また、同一の材料が第1透明板1等の全面にわたって形成されていることによって、調光装置10における透明領域の一体感が損なわれるのを防止することができる。
次に、液晶光学素子3の構造について説明する。図3は、本実施形態1に係る液晶光学素子3の構成の一例を示す模式的断面図であり、図1におけるB−B'切断部断面図である。同図に示すように、本実施形態1に係る液晶光学素子3は、第1の透明基板31、第2の透明基板32、第1透明電極33、第2透明電極34、調光層35、スペーサ36、周辺シール37、第1配向膜38、第2配向膜39等を備えている。なお、透明固体層8の例として、液状樹脂材料を用いる例について説明したが、これに限定されず、本発明の趣旨に反しない限り公知のものを用いることができる。例えば、シート状の接着性のあるものを用いてもよい。
第1の透明基板31と第2の透明基板32とは、略同一の大きさの矩形状のものからなり、互いに所定の間隙を持って対向配置されている。また,第1の透明基板31及び第2の透明基板32の一辺近傍に互いに非対向領域が形成されるように,透明基板を平行にずらして対向配置されている。すなわち、第1の透明基板31上の一辺近傍に第2の透明基板32と対向しない第1非対向領域31aが,第2の透明基板32上の一辺近傍に第1の透明基板31と対向しない第2非対向領域32aが形成されている。この第1非対向領域31a、第2非対向領域32aには、前述の接続配線4が固設されている。これにより、接続配線4の厚み方向の設計自由度を高めることができる。特に、液晶/高分子複合体からなる調光層35のように第1の透明基板31と第2の透明基板32との離間距離が小さい場合に有用である。また、液晶光学素子に接続配線を固設する製造工程の簡易化を図ることができる。
第1非対向領域31a及び第2非対向領域32aの幅は、配設される接続配線4の本数に応じて適宜決定する。例えば、2本の接続配線4を配設する場合には、幅を7mm程度とすることができる。第1の透明基板31及び第2の透明基板32としては、透明なガラス基板、ポリエステルフィルム等のフィルム基板、これらの組み合わせからなる基板等を用いることができる。なお、第1の透明基板31及び第2の透明基板32の形状として、矩形状のものを例に挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、例えば円形状のものを用いてもよい。
第1の透明基板31及び第2の透明基板32の、それぞれの主面のうち双方が対向する面上には、それぞれ第1透明電極33、第2透明電極34のパターンが形成されている。本実施形態1においては、図1に示すように1つの円形状となるようにパターン形成されている。このパターンに応じて、所望の画像を表示することができる。この第1透明電極33及び第2透明電極34としては、ITO(酸化インジウム−酸化スズ)や酸化スズなどの金属酸化物の膜等を用いることができる。例えば、第1の透明基板31及び第2の透明基板32にガラス基板を用い、第1透明電極33及び第2透明電極34としてITO(酸化インジウム−酸化スズ)や酸化スズなどの金属酸化物の膜を設けた、いわゆる透明導電膜付きガラスや、ポリエチレンテレフタレート(PET)にITO膜を設けた透明導電膜付きポリエステルフィルム、あるいは、透明導電膜付きPES等が使用される。
第1透明電極33及び第2透明電極34上には、調光層35と接し、かつ調光層35中の液晶を配向せしめる第1配向膜38、第2配向膜39がそれぞれ設けられている。第1配向膜38及び第2配向膜39は、液晶を基板面に対して垂直の方向に配向せしめる役割を担う。なお、液晶を基板面に対して垂直配向に制御できれば必ずしも配向膜を備えていなくてもよい。例えば、第1透明電極33又は第2透明電極34の表面を直接研磨したものを用いたり、電極表面に液晶を配向させる機能を付与したものを用いてもよい。
第1の透明基板31と第2の透明基板32の間には、図3に示すように、電気光学機能層たる調光層35及びスペーサ36が挟持せしめられている。スペーサ36は、液晶セルの厚みを規定する役割を担う。すなわち、スペーサ36によって基板間に挟持される調光層35の厚みが規定される。スペーサ36の材料としては、例えば、ガラス粒子、樹脂粒子、アルミナ粒子、ガラスファイバー、フィルムを用いることができる。スペーサの形状としては、球状スペーサ、ファイバー型スペーサ、柱状のスペーサ、フォトリソグラフィー法により形成されるスペーサ等を用いることができる。
調光層35の厚さは、本実施形態1のように液晶/高分子複合体層からなる場合には、通常、1〜50μmであり、より好ましくは5〜30μmである。間隔が小さすぎるとコントラストが低下し、逆に間隔が大きすぎると駆動電圧が上昇してしまうためである。調光層35に含有される高分子は、複数の柱状樹脂の集合体からなる。調光層における高分子の含有量は、7wt%以上とすることが好ましい。
調光層35の構成成分である液晶は、光線透過状態における液晶の配向方向が、基板面の法線方向に略一致するようにする。液晶を垂直配向にすることにより、液晶光学素子の光線透過状態をより良好に保つことができる。本実施形態1においては、リバースモードを採用しているので、第1透明電極33及び第2の電極に電圧を印加していないときには、液晶が配向して光線透過状態となる。
一方、第1透明電極33及び第2透明電極34に電圧を印加すると電極間の電界により液晶がランダムに配向し、光線散乱状態となる。このように電圧の印加、非印加によって光線散乱状態と光線透過状態とを制御することができるので、第1透明電極33、及び第2透明電極34の形成パターンに応じて所望の画像を表示することができる。
液晶の種類としては、ネマチック液晶、コレステリック液晶、スメクチック液晶及び強誘電性液晶などを用いることができる。中でも、ネマチック液晶を用いることが好ましい。ネマチック液晶は、他の液晶に比して液晶温度範囲が広く、粘性が小さいため、液晶素子の動作温度範囲を広く、かつ動作速度を大きくすることができるからである。液晶の誘電率異方性は負とした場合は、液晶の配向性を垂直配向として用いる。
液晶化合物としては、一般的な表示材料として、あるいは電界駆動型表示素子の材料として使用される種々のものを使用可能である。具体的には、ビフェニル系、フェニルベンゾエート系、シクロヘキシルベンゼン系、アゾキシベンゼン系、アゾベンゼン系、アゾメチン系、ターフェニル系、ビフェニルベンゾエート系、シクロヘキシルビフェニル系、フェニルピリジン系、シクロヘキシルピリミジン系、コレステロール系等を挙げることができる。
液晶化合物は、一般的に使用されている場合と同様に、単独で使用する必要はなく、二種類以上の液晶化合物を組み合わせて使用してもよい。また、電界による表示を目的とする場合は、上記の液晶化合物の中でも誘電率異方性が負のものを用いるのが好ましい。また駆動電圧を低下させるためには、誘電率異方性の絶対値が大きいものを用いるのが好ましい。誘電率異方性の絶対値が大きい液晶化合物としてはシアノ基やフッ素や塩素などのハロゲン原子を置換基として有する化合物が化学的安定性から用いられる。駆動電圧の低下を重視する場合にはシアノ基を置換基として有する化合物、信頼性を重視する場合にはフッ素原子を置換基として有する化合物が用いられる。
調光層35は、コントラスト比や安定性の向上を目的として、種々の化合物が添加されていてもよい。例えば、コントラストの向上を目的として、アントラキノン系、スチリル系、アゾメチン系、アゾ系等の各種二色性色素を使用できる。その場合、二色性色素は、基本的に液晶化合物と相溶し、高分子化合物とは不相溶であることが好ましい。このほか、酸化防止剤、紫外線吸収剤、各種可塑剤も、安定性や耐久性向上の点から好ましく使用される。
本実施形態1に係る液晶光学素子3においては、上述したとおり調光層35が光学的機能を発現する上での主構成要素となる。調光層35は、調光層の前駆体の混合液(以下、単に「混合液」とも言う)から形成される。この混合液の状態から、相分離のプロセスを経て、光学的に機能し得る良好な調光層35を形成することが重要である。相分離が十分でない場合は、液晶を動作させるための駆動電圧が上昇したり、液晶光学素子3として動作しなくなる等の不具合を生じる。なお、相分離構造とは、相分離プロセスを経て形成され、電気光学的特性・機能を発現することができる液晶セル内部の構造を意味している。
液晶/高分子複合体の相分離構造の微細形状は、調光層35の前駆体の混合液を構成する化合物の種類、性質、混合比等によって種々変えることができる。用いる材料の組み合わせや混合比は、透過−散乱特性等の光学特性や、駆動電圧の大きさ、電子光学素子として求められる信頼性の程度を考慮して決定する。調光層35の前駆体の混合液としては、上述した調光層35が得られるものであれば特に限定されないが、液晶化合物と重合性化合物が含有されたものから形成される。透過−散乱の電気光学特性が均一な高品位な調光層35を得るために、配合物の種類及び混合比を適宜選択して、前駆体の混合液が均一な液晶層を示すようにすることが好ましい。
次に、接続配線の構造について詳述する。図3に示すように、各液晶光学素子3には、4本の接続配線が配設されている。これら4本の接続配線のうち第1の透明基板31上の第1非対向領域31aに2本、第2の透明基板32上の第2非対向領域32aに残りの2本が配設されている。説明の便宜上、第1の透明基板31の端部側に配設されている接続配線を第1接続配線4a、これに隣接する接続配線を第2接続配線4bとする。また、第2の透明基板32の内部側に配設されている接続配線を第3接続配線4c、これに隣接する接続配線を第4接続配線4dとする。これらの接続配線は、第1の透明基板31上の第1非対向領域31a、第2の透明基板32上の第2非対向領域32aの長手方向に固設することが好ましい。これにより、液晶光学素子3と接続配線4との固設部位を多くし、構造上の強度を高めることができる。
第1の透明基板31上の第1非対向領域31aに形成されている2本の接続配線4のうち、調光層35との離間距離が大きい第1接続配線4aは、第1透明電極33上に絶縁層41を形成し、この絶縁層41上に異方性導電フィルム(ACF;Anisotropic Conductive Film)(不図示)を介して固定されている。従って、第1接続配線4aは、同図に示す第1透明電極33と導電接続されていない。一方、調光層35との離間距離が小さい第2接続配線4bは、絶縁層41を介さずに直接第1透明電極33上にACFにより配設されている。従って、第2接続配線4bは、同図に示す第1透明電極33と導電接続されている。
第1接続配線4aは、当該配線が固設されている図3に示されていないもう一つの別の液晶光学素子3の第1透明電極33と導電接続される。一方、第2接続配線4bは、当該配線が固設されている図3に示されていないもう一つの別の液晶光学素子3の第1透明電極33とは導電接続されていない。第2の透明基板32の第2非対向領域32aにおいても、同様に第3接続配線4cと図3に図示されている液晶光学素子3の第2透明電極34とが導電接続されている。そして、第4接続配線4dは、当該配線が固設されている図3に示されていないもう一つの別の液晶光学素子3の第2透明電極34と導電接続される。このように構成することにより、各液晶光学素子3の第1透明電極33、第2透明電極34にそれぞれ1本の接続配線4が接続され、不図示の駆動回路からの信号に応じて、各液晶光学素子3の調光機能をそれぞれ独立に制御することができる。
なお、各液晶光学素子3の調光機能を独立に制御する必要がない場合には、複数の液晶光学素子における第1透明電極33及び第2透明電極34のそれぞれと一の接続配線とが導電接続されるように構成してもよい。このようにすることにより、接続配線4の本数を低減し、製造プロセスを簡易化できる。また、第1透明板1及び第2透明板2のそれぞれに接続配線4を配置する形態に代えて、一の透明板のみに接続配線を配設し、トランスファー電極を用いてもう一方の透明板の電極と導電性を取るように構成してもよい。
接続配線4は、図1に示すように略直線状に配設されていることが好ましい。このようにすることにより、製造工程を簡易化させることができるとともに、調光装置の意匠性を向上させることができる。ただし、液晶光学素子3との接着性が担保される範囲内で、調光装置のデザインによっては、第1の透明基板1等の2辺に亘るように配設したり、1本の接続配線に複数の液晶光学素子3が固設されている場合において、一の液晶光学素子においてはX方向に、他の液晶光学素子においてはY方向になるように配設したりしてもよい。
接続配線4の形状は、図3に示すように、第1透明電極33との接続面が平坦なものを用いることが好ましい。これにより、透明電極3との接触面積を広くすることができ、コンタクト抵抗を低減することができる。例えば、リボン配線(平角線)を接続配線4として利用できる。この場合、接続配線4の断面は図3に示すように略小判状または隅切りをした長方形となる。これにより、占積率が一般的な丸線よりも向上することができるため、低抵抗化を図ることができる。
図4は、液晶光学素子の構成の一例を示す模式的部分拡大図である。同図に示すように、接続配線4の厚みをD、幅をWとする。なお、接続配線4の厚みDとは、第1の透明基板31等の表面からの接続配線4の高さである。接続配線4の幅Wとは、図4の断面図における第1の透明基板31等との当接距離である。すなわち、図4の断面図における接続配線4の長辺が幅Wとなり、短辺が厚みDとなる。従って、接続配線4の幅Wを広くすると、透明電極3との接触面積を向上することができ、接触抵抗を低減することができる。また、接続配線4の厚みDを厚くすると、同じ幅であっても配線抵抗を低減することができる。接続配線の幅Wが狭いと、外部から視認されにくくなる。
接続配線4の配線幅Wと厚みDは、接続配線の材質、調光装置の用途等に応じて適宜選定する。例えば、接続配線としてSUS304を用い、配線幅Wを0.3mm、厚みDを0.1mmとすることができる。なお、接続配線4に印加する印加電圧は、この例においては例えば40Vとすることができる。
なお、接続配線4の側面は完全に平坦である必要はなく、網目状金属やメッシュ状金属板であってもよい。接続配線4は配線方向において液晶光学素子3の幅全体で第1透明電極33等と接触させることにより接触面積を広くすることができる。
接続配線4を塩酸等により処理することにより艶消し処理を行ってもよい。また、接続配線4の外側側面に、黒色または暗色の被膜を設けてもよい。これにより、入射光を吸収するため外部から視認されにくくなり、第1透明板1、液晶光学素子3等の透明性を損なうことのない調光装置を提供することができる。数メートル〜十数メートル離間した位置から利用する場合には、接続配線4を視認されないようにすることもできる。その結果、調光装置10の全体が一様に透明なガラス板として認識される。そして、液晶光学素子3に電圧を印加することにより、何もないガラス板から何らかの表示を突然に浮き上がらせることができる。なお、接続配線4を被膜する場合には、導電性のものを用いることが好ましい。これにより、接触面積を広くすることができる。
接続配線4上には、図3に示すように透明保護層43が被覆されている。これにより、透明固体層8とACF(不図示)等が化学的に反応して、接続配線4の接着性が低下したり、透明固体層8が部分的に白濁等が生じたりするのを防止することができる。また、透明保護層43で接続部を覆うことにより、一度接続させた接続配線4と第1透明電極33とが剥がれるのを防ぐことができる。透明保護層43は、外部から視認されないように透明性の高いものを用いることが好ましい。また、液晶光学素子3の内部に侵入する水分の移動を防止できる耐湿性のある樹脂材料を選定することが好ましい。さらに、透明保護層43の屈折率と、透明固体層8の屈折率は同一若しくは近いものを使用することが好ましい。屈折率差が大きいと、透明保護層が設けられている領域の透過光が屈折してしまい透明品位が低下する。
次に、本実施形態1に係る調光装置10の製造方法について説明する。なお、以下に説明する製造方法は典型的な一例であり、本発明の趣旨に反しない限り他の製造方法を採用することができることは言うまでもない。
液晶光学素子3の製造方法から説明する。まず、第1の透明基板31及び第2の透明基板32にそれぞれ第1透明電極33及び第2透明電極34、第1配向膜38、第2配向膜39、絶縁層41等を形成する(図3参照)。絶縁層41の形成位置は、図3に示すように、第1の透明基板31における第1非対向領域31aの第1透明電極33上、及び第2の透明基板32における第2非対向領域32aの第2透明電極上の接続配線4を配設する位置であって、当該接続配線と導電接続させない部分に形成する。絶縁層41と配向膜38の形成を、同一材料で同時に行ってもよい。
その後、第1の透明基板31の配向膜形成面側に散布機を用いてスペーサ36を散布する。第2の透明基板32には、シール材37を塗布する。第1の透明基板31と第2の透明基板32とは、アライメントマークなどを用い位置合わせを行った後、加熱圧着する。圧着後の基板間は、スペーサ36によって保持される。次に、調光層35の前駆体となる混合液を基板間に注入して封止する。封止方法としては、公知の方法を利用することができる。
その後、調光層35の前駆体の混合液に外部刺激を加え、調光層35を形成する。外部刺激としては、可視光線、紫外線、電子線等の光線照射や、熱等を挙げることができる。中でも、重合時の温度を容易に制御することができる観点から、光照射とすることが好ましい。光照射のうちでも、取り扱い性、製造容易性等の観点から、紫外線を用いることがより好ましい。
光重合により調光層35の前駆体の混合液を相分離させて調光層35を得る、いわゆる光重合相分離法の場合には、光源として高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、メタルハライドランプ等を使用することができる。
光照射により調光層35の前駆体の混合液を重合せしめる場合の光照射条件は、重合性モノマーの種類に応じて設定する。混合液に直接照射する際の照射光の強度としては、1〜400mW/cm2とすることが好ましい。1mW/cm2未満では、相分離速度が遅くなって散乱強度が低下し、400mW/cm2を超えると、光反応により分解反応が起こって保持率の低下が起こるためである。
光照射時の温度は、混合液が液晶相を示すことができる温度範囲とすることが好ましい。混合液が相溶状態を示す相溶温度以下で重合した場合は、光重合の前に相分離が起こり、液晶が不均一な状態の液晶/高分子複合体となってしまう恐れがあるためである。また、混合液の温度が高すぎると、混合液が液晶相から等方相に相転移し、液晶光学素子の散乱−透過の電気光学特性を確保することができない恐れがあるためである。混合液が液晶相を示すことができる液晶温度範囲の好ましい範囲は、−10〜60℃、より好ましくは0〜50℃である。重合時は、液晶光学素子10の全面を均一な条件(光照射及び重合温度)の下に重合させるために、恒温槽等を用いて一定の環境下で行うことが好ましい。
重合開始剤としては、公知の重合触媒から適宜選択できるが、光重合の場合は、ベンゾインエーテル系、アセトフェノン系、フォスフィンオキサイド系などの一般に光重合に用いられる光重合開始剤を使用できる。熱重合の場合は、重合部位の種類に応じて、パーオキサイド系、チオール系、アミン系、酸無水物系などの熱重合開始剤を使用でき、また、必要に応じてアミン類などの硬化助剤も使用できる。
重合開始剤の含有量は、重合性モノマーの合計量100重量部に対して、通常、0.1〜20重量部であり、0.1〜10重量部以下が好ましい。重合後の高分子(重合体)において、高い分子量や高い比抵抗が要求される場合、0.1〜5重量部とすることがさらに好ましい。重合開始剤の含有量が20重量部を超えると、混合液の相溶性を阻害するので好ましくない。
また、重合開始剤の含有量が0.1重量部未満の場合、混合溶液に含まれる重合性モノマーを重合させても、重合性モノマーが十分に重合することができない。所望の相分離構造を形成できないことになる。よって、上記の範囲を満足することが好ましい。また、電界印加/非印加時の液晶光学素子のコントラスト比を向上させるために、混合溶液に公知のカイラル剤を添加することもできる。以上のようにして、液晶光学素子3を製造する。
図5(a)は、本実施形態1に係る調光装置10の部分分解斜視図、図5(b)は接続配線4を略直線状に配設する方法の一例を示す説明図である。説明の便宜上、図5(a)に図示されている二つの液晶光学素子3のうちの右側を第1液晶光学素子3a、左側を第2液晶光学素子3bとする。また、図5(a)に図示されている4本の接続配線を図3と同様に、図中の手前側から、第1接続配線4a、第2接続配線4b、第3接続配線4c、及び第4接続配線4dとする。
上記工程により製造した第1液晶光学素子3a及び第2液晶光学素子3bを構成する第1の透明基板31の第1非対向領域31a上に、第1接続配線4a及び第2接続配線4bを互いに平行となるように略直線状に固設する。固設手段としては、例えばACFを用いることができる。ACFとは、金やニッケルコーティングした微小樹脂や無機材料の表面導電ビーズを含有した熱硬化性又は熱可塑性の樹脂シート材料である。この樹脂シート材料を導通する2つの導体間に設置して、加熱圧着しながら樹脂を硬化又は成形する。これにより導体間に表面導電ビーズが接することで導通をとることができる。
本実施形態1においては、液晶光学素子3に備えられた一対の透明電極がそれぞれ1本の接続配線4と導電接続されるように構成する。すなわち、各液晶光学素子に固設されている4本の接続配線4のうち2本は、絶縁層41を透明電極との間に配置させ、接続配線4と透明電極とが導電接続されないように構成されている。
図5(a)の例では、以下のように接続配線4が配設されている。すなわち、第1接続配線4a及び第2接続配線4bの第1透明基板31上への固設に際して、第1接続配線4aは、第1液晶光学素子3aに備えられた第1透明電極33と導電接続されるように、当該第1透明電極33上にACFを介して固設されている。また、この第1接続配線4aは、第2液晶光学素子3bに備えられた第1透明電極33と導電接続されないように、当該第1透明電極33上に形成された絶縁層41上にACFを介して固設されている。第2接続配線4bについても同様である。すなわち、第2接続配線4bは、第2液晶光学素子3bに備えられた第1透明電極33と導電接続されるように、当該第1透明電極33上にACFを介して固設する。また、この第2接続配線4bは、第1液晶光学素子3aに備えられた第1透明電極33と導電接続されないように、当該第2透明電極上に形成された絶縁層41上にACFを介して固設されている。第3接続配線4c及び第4接続配線4dについても上記と同様である。
なお、絶縁層41上に固設する接続配線の固設手段としては、本発明の趣旨に反しない限りにおいて、公知の接着剤を用いることができる。また、第1透明電極33又は第2透明電極34上に固設する接続配線の固設には、ACFに代えて半田、銀ペースト系接着剤を用いてもよい。また、上記のように絶縁層41を設ける構成に代えて、第1透明電極33、第2透明電極を所望の導電接続が得られるようにパターニングするようにしてもよい。
液晶光学素子3に接続配線4を形成後、接続配線4及び接着に用いたACFを被覆するように透明保護層43をディスペンサ等により塗布する。透明保護層43としては、透過性が高く、透明固体層8や第1の透明基板31、第2の透明基板32の屈折率とできるだけ近いものを用いることが好ましい。また、透明固体層8が液状樹脂材料である場合に、液状樹脂材料と反応して白濁等が生じないものを選定する。
続いて、洗浄済みの第1透明板1及び第2透明板2の外周部に両面テープ22を貼り付ける。両面テープ22の幅は、例えば10mmとする。両面テープ22の厚みは、液晶光学素子3の厚み、液晶光学素子3と第1透明板1との離間距離、及び液晶光学素子3と第2透明板2との離間距離に応じて調整する。両面テープ22の材質は、第1透明板1等との接着性が良好であり、液状樹脂材料を注入した場合に剥がれの生じないものであり、かつ、透明固体層8と化学的反応を起こさないものであれば特に限定されずに用いることができる。両面テープ22の側面に、液状樹脂材料と濡れ性の高い材料、すなわちその液状樹脂に対する接触角が小さくできるような樹脂を塗布することが好ましい。これにより、液状樹脂材料の注入時に不要な気泡の発生を効果的に低減することができる。また、接続配線4が両面テープ22を縦断する位置において、厚み方向に差異が生じないようにすることができるので、柔軟性のある両面テープ22を用いることが好ましい。
次に、液晶光学素子3のコーナー部である4隅に、離間部材(不図示)21を固設する。固設手段としては、本発明の趣旨に反しない限り公知の接着剤を用いることができる。例えば、透明固体層8を構成する液状樹脂材料を接着剤として貼り付ける。この離間部材21は、透明性を有するものを用いる。特に好ましくは、透明固体層8を構成する材料と同一のものを用いる。これにより、透明固体層8と離間部材21との屈折率を同一にすることができる。
透明固体層8を構成する材料と同一材料からなる離間部材21は、例えば以下のようにして製造することができる。すなわち、離間部材21と接着しないフィルムを貼着したガラス板を2つ用意し、所望の離間距離に応じてこれらのガラスを対向させる。そして、これらの対向基板間に液状樹脂材料を充填して硬化せしめ、その後に剥離し、所望の大きさに切断することにより離間部材21を得ることができる。離間部材21の厚みは、例えば1mm、大きさは縦10mm×横10mmとすることができる。
次に、離間部材21が貼着された液晶光学素子3を第1透明板1に固定する位置を決め、第1透明板1との当接面に液状樹脂材料を塗布し、第1透明板1上の所望の位置に配置して、液状樹脂材料を硬化せしめる。これにより、第1透明基板1上に液晶光学素子3を固定することができる。第1透明板1上に液晶光学素子3を固定させる際には、図5(a)に示すように、第1液晶光学素子3a及び第2液晶光学素子3bとの間に配設された接続配線4にたるみがでないように第1液晶光学素子3a及び第2液晶光学素子3bとを互いに反対方向に張力をかけながら固定させる。この際、加える荷重と、配線の太さとヤング率の関係から導出される接続配線の伸び量を考慮に入れ、伸び量が問題とならないように注意する必要がある。
離間部材21として、上記液状樹脂材料の硬化物に代えて、透明性の高い両面接着剤等を用いてもよい。また、液晶光学素子3との接着性の程度や、後述する透明固体層8の硬化時に加える荷重等に対する接着力が十分なものとなるように、離間部材21の接着面積を大きく取ったり、液晶光学素子3と第1透明板1の間隙全面に配設してもよい。
その後、第1透明板1の外周部に貼り付けた両面テープ22の4辺の保護紙を剥がし、第2透明板2が第1透明板1と対向するように位置合わせをして貼り合わせる。
一方で透明固体層8を形成する液状樹脂材料を用意する。重合性単量体からなる液状樹脂材料に、紫外線吸収剤を添加して均一になるまで混合する。重合性単量体と同一成分又は異なる成分のオリゴマー成分を添加して混合してもよい。オリゴマー成分を添加することにより、重合時の収縮を抑制することができる。その結果、硬化によって加わる光学素子への応力を低減できる。次いで、重合開始剤を添加する。重合開始剤は、調光装置10内に注入する直前に添加することが好ましい。対向して貼り合わせた両面テープ22に針を2本差込み、片側を真空引きすることによりもう一本の針より液状樹脂材料を注入する。内部の空気層がなくなった時点で片側の針を抜く。液状樹脂材料の注入量は、液状樹脂材料の硬化収縮量を計算し、第1透明板1と第2透明板とが平行になるように注入する。
その後、調光装置10を常温で静置し、液状樹脂材料を硬化せしめて硬化性の透明固体層8を得る。この際、図5(b)に示すように、接続配線4の両側にR形状を有するスペーサ25を設置し、接続配線4をスペーサ25に這わせるようにし、鉛直方向に均等重量の錘26をつるすことにより等荷重をかけ、接続配線4に所定の張力が生ずるようにする。両側に加える荷重はバランスをとる観点から等荷重することが好ましい。このようにすることにより、接続配線4をたるませずにまっすぐに配設することができる。錘26に代えてバネで両側から接続配線4を引っ張るようにしてもよい。接続配線4として用いるステンレス材料の種類、配線幅、配線形状の選定に当っては、この製造工程において加える荷重に十分耐えうるようなものを選ぶ必要がある。以上のようにして、上記実施形態1に係る調光装置10を製造することができる。
接続配線4の両端にかける荷重の大きさは、接続配線幅、配線形状、ステンレス材料の種類により変動するが、接続配線の直線性の確保ができる最小の荷重をかけることがより好ましい。このようにすることにより、接続配線4の伸び率を最小限に抑え、第1の透明基板31等の剥離を防止することができる。接続配線にかける応力の上限は、使用するステンレス材料の種類により変化するが、伸びが使用する長さの全長に対して5mm以内になるようにすることが好ましく、3mm以内とすることがより好ましく、1mm以内とすることがさらに好ましい。全長に対する伸びが5mm以上となると、電極接合部での剥離や光学部材の位置ずれ等の問題が発生する恐れがあるためである。
上記実施態様では、二枚の透明板の間隙に形成された空間に、液状樹脂材料を徐々に注入し、一以上の光学素子を埋め込んだ構造を形成した例について説明した。この他、二枚の透明板の間隙に形成された空間に、フィルム状の樹脂を配置することで二枚の透明板の間隙に一以上の光学素子を埋め込んだ構造を形成してもよい。また、以下のような製造方法を採用することもできる。
まず、一方の透明板の周辺にスペーサを含むシールを形成する。この際、シールは最終目標値よりもあらかじめ高く形成しておき、圧着後に所定の高さになるように設定する。その透明板の面上に透明板の板面と離間できるように、所定の厚みの透明離間部材を複数配置し、その複数の透明離間部材の上に光学素子を配置する。このとき、光学素子と透明板との間には、透明離間部材の厚みに応じた隙間が形成される。光学素子は、透明板の面内の所定の位置に配置する。その位置に応じて、透明離間部材を配置する。また、光学素子が置かれていない面内にスペーサを配置しておくことが好ましい。
光学素子は、必要に応じて、一枚の透明板に対して面内に複数併設する。光学素子の面形状が矩形である場合、その四隅に透明離間部材をそれぞれ一つずつ設けることが好ましい。光学素子が非矩形である場合、その形状に応じて、透明板との平行性を保って配置することができるように透明離間部材を適宜配置し、光学素子を透明板の上に配置する。さらに、光学素子の上面側に透明離間部材を配置する。このとき、光学素子の上面・下面の対応する同一箇所に透明離間部材を設置することが好ましい。スペーサと合わせて、両透明板を保持することができる。この場合において、周辺のシールの高さ(厚み)は、光学素子の高さよりも高いことが必要であり、後に滴下する液状樹脂材料の量を勘案してその高さをあらかじめ設定しておく。
光学素子を配置した後に、液状樹脂材料を透明板の中央付近に滴下する。一枚の透明板に4枚の光学素子を配置する場合、その4枚の光学素子の中央付近に滴下することができる。あるいは、複数の光学素子の間の空間に滴下することができる。一枚の透明板に対して、一枚の光学素子を配置する場合、滴下位置は光学素子の周辺、上面のいずれでもよいが、液状樹脂材料が均等に流れやすい箇所を選択することが好ましい。
液状樹脂材料の滴下量は、最終的に形成しようとする合わせ構造における、二つの透明板の間の空間を占める体積を算定して決定する。液状樹脂材料は、高精度のディスペンサを用いて、上述したように、一方の透明板上または光学素子の周辺近傍に滴下する。この状態とした一方の透明板を、真空チャンバー内に置き、他の透明板をその真空チャンバー内で、一方の透明板と徐々に重ねあわせる。最終的には両方の基板を周辺のシール部分で密着させる。その後、真空状態をブレイクし、常大気圧下に、前記密着させた二つの透明板を置く。すると、密着させた二つの透明板の内外の圧力差により、内部の真空部に液状樹脂材料が流動して、内部空間全体に行き渡り、かつ、透明離間部材及び/又はスペーサによって定められた高さの位置で両透明板が接着し、液状樹脂材料で一体化された合わせ構造体を形成することができる。
なお、上記工程で、一方の透明板と他の透明板のいずれに、光学素子とシールを配置しておくかは、合わせ構造体の全体の大きさ、厚み、光学素子の大きさ、厚みなどによって変わり得るが、表裏の透明板のいずれに光学素子をあらかじめ配置するか、と、表裏の透明板のいずれにシールをあらかじめ配置するかの組み合わせは、基本的に任意である。また、この方法の場合、真空のプロセスを利用するので、液状樹脂材料は非揮発性の化合物を主成分とすることが好ましい。例えば、アクリルオリゴマーが挙げられる。
[実験例]
次に、液晶光学素子3に各種接続配線4を固設させた場合の接続配線4の視認性について評価した結果について説明する。サンプルとしては、上記方法により製造した液晶光学素子3に、下記表1に示す各種接続配線を固設したものを用いた。評価は、室内における蛍光灯の存在下、接続配線付き液晶光学素子3の主面から2m離間した位置から官能評価することにより行った。接続配線の視認性評価の基準は、接続配線が視認されにくく(視認されない場合も含む)、圧迫感を与えないものを良好、やや目立つものの圧迫感を感じないものをやや良好、接続配線が目立つものを不良と判定した。
次に、液晶光学素子3に各種接続配線4を固設させた場合の接続配線4の視認性について評価した結果について説明する。サンプルとしては、上記方法により製造した液晶光学素子3に、下記表1に示す各種接続配線を固設したものを用いた。評価は、室内における蛍光灯の存在下、接続配線付き液晶光学素子3の主面から2m離間した位置から官能評価することにより行った。接続配線の視認性評価の基準は、接続配線が視認されにくく(視認されない場合も含む)、圧迫感を与えないものを良好、やや目立つものの圧迫感を感じないものをやや良好、接続配線が目立つものを不良と判定した。
上記表1の結果より、接続配線4としてステンレス(SUS304)を用いることにより、2m離間したい位置から視認されにくく、視認性が良好であるという結果を得た。一方、接続配線として銅を用いた場合、薄茶色系あるいは茶色系のものを被覆したり、艶消し処理を施した場合であっても、実験例1に係るステンレス配線に及ぶものはなかった。接続配線としてニッケルを用いた場合においても、実験例1に係るステンレス配線に及ばなかった。
[実施形態2]
次に、上記実施形態1に係る調光装置10に備えられた接続配線4とは異なる例について説明する。なお、以降の説明において、前記実施形態1と同一の要素部材は、同一符号を付し、適宜その説明を省略する。
次に、上記実施形態1に係る調光装置10に備えられた接続配線4とは異なる例について説明する。なお、以降の説明において、前記実施形態1と同一の要素部材は、同一符号を付し、適宜その説明を省略する。
本実施形態2に係る調光装置50は、基本的な構成及び製造方法は上記実施形態1と同様であるが、以下の点が異なっている。すなわち、上記実施形態1に係る調光装置10は、接続配線材料がステンレスであったのに対し、本実施形態2に係る調光装置50は、接続配線が耐力が100MPa以上のものである点が異なる。
耐力が100MPa以上の金属類の薄片状又は線状の導体を用いることにより、接続配線の視認性を向上させることができる。これは、上記範囲外のものに比して、接続配線をより細線化させることができるためである。その結果、視認性を向上させ、かつ意匠性の高い新規構造を有する調光装置を提供することができる。また、耐力を100MPa以上とすることにより、取扱時に接続配線に曲げ跡が生じにくくするのに十分な弾性限度を確保することができる。また、耐力を100MPa以上とすることにより、接続配線に略直線性を確保するために荷重を加えても、伸び率を低減させることができるのに十分な縦弾性係数を確保することができる。伸び率を低減させることにより、接続配線の直線性を十分に確保し意匠性を向上させることができるとともに、ACF等の接着部分の剥離等を抑制できる。また、透明固体層8を硬化した後、接続配線4のテンションを開放した際に不具合が発生しにくい。
接続配線の耐力のより好ましい範囲は、200MPa以上であり、さらに好ましい範囲は300MPa以上である。耐力は高ければ高いほど好ましいが、現状、容易に入手可能な導電性材料として、1000MPa以下のものを好適に用いることができる。耐力が100MPa以上の金属類の好適な材料としては、例えば、SUS301(>21×9.8MPa)、SUS303(>21×9.8MPa)、SUS304(>21×9.8MPa)、SUS431(>60×9.8MPa)、等を挙げることができる(化学便覧 基礎編I 改定5版 日本化学会編 丸善株式会社)。また、マグネシウム合金として、例えば、JIS記号がMP1(>10.7×9.8MPa),MP4(>24.5×9.8MPa)、MT1(23.5×9.8MPa),MB1(>23.5×9.8MPa)、MS1(>23.5×9.8MPa)のものを挙げることができる。さらに、チタン合金として、例えば、JIS記号がTA6400(>84.2×9.8MPa)、TR6400E(>81.1×9.8MPa)のものを挙げることができる。また、ニッケル合金として、例えば、合金番号がNW2200(>38.8×9.8MPa)、NW5500(>91.8×9.8MPa)、NW0001(>70.4×9.8MPa)のものを挙げることができる。
接続配線4の視認性を向上させる観点から、接続配線4の外面は非反射性の色とすることが好ましい。例えば、接続配線4の外側側面に、黒色または暗色の被膜を設けたり、塩酸等により処理することにより艶消し処理を行うことができる。これにより、入射光を吸収するため外部から視認されにくくなり、第1透明板1、液晶光学素子3等の透明性を損なうことのない調光装置を提供することができる。数メートル〜十数メートル離間した位置から利用する場合には、接続配線4が視認されないようにすることもできる。なお、接続配線4を被膜する場合には、導電性のものを用いることが好ましい。これにより、接触面積を広くすることができる。
本発明によれば、複数の光学素子を任意の場所に配設可能であるので、様々なニーズに対応可能である。また、大型調光装置の場合であっても、光学素子自体は小型のものを搭載することができるので、製造歩留まりを改善できる。また、大型光学素子を製造するための特別の装置を用意する必要がない。また、接続配線として、ステンレス材料、若しくは、耐力が100MPa以上の金属類を用いることにより、意匠性の高い調光装置を提供することができる。
上記実施形態においては、光学素子として液晶/高分子複合体からなる透過−散乱型の液晶光学素子3の例について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば以下のものを用いることができる。すなわち、液晶と偏光膜とを組み合わせた透過率可変型液晶光学素子、2色性染料入の液晶による透過率可変型液晶光学素子、エレクトロクロミック物質を用いたエレクトロクロミック光学素子、電気泳動現象を利用した電気泳動光学素子等である。また、光学素子としてドットマトリックス型の光学素子またはセグメント方式の光学素子を用いることができる。
本発明に係る調光装置は、窓、天窓、間仕切り、扉等の建築の内装・外装の材料、サイン、広告層用媒体等とすることができる。その他、自動車の窓、サンルーフ等の特殊な窓の材料、大型の間仕切り装置に使用することができる。特に、図形やパターンを組み合わせて表示したり、文字などを表示させて、利用者に情報を提供するようにすることができるので、大型公衆表示装置に適している。例えば、天気予報、時刻表示、建物内の案内情報、予告、危険表示等である。
本発明に係る調光装置は、透明なガラス状のところに、任意のタイミングで文字や図形を浮かび上がらせることができるので、利用者の注意を喚起したり、注目を集めたりすることができる。従って、調光領域6のパターンとして会社のロゴや商品名等を用いて広告表示に用いたり、標語や警告等の注意喚起のための掲示板、警告表示等として利用してもよい。また、第1透明板1等に必要に応じて、文字等の装飾を施してもよい。例えば、調光領域6に相当する第1透明板1上に文字等を印字しておき、音楽に合わせて調光領域の光線透過状態を制御してもよい。このようにすることにより、利用者の注目を調光領域6に集め、宣伝等の効果をより高めることができる。
上述した図1の態様においては、光学素子の縦横の配列が2×2であり、総数が4パネルであった。本発明においては、装置全体の強度、製造上の容易さの範囲で、その枚数を増設し、6×6、8×8、それ以上の光学素子を並設することができる。この場合、それぞれのパネルを単位としてオン・オフさせ、全体としてキャラクターや模様を表示させることができる。例えば、広告・宣伝の目的で、社名を上下方向又は左右方向に連続的に移動しているかのように表示させることができる。このようにして、"流れ文字"の表示を本発明の調光装置において実現することができる。あるいは、"流れ文字"をパネル面上で可能な任意の方向に動かしたり、特定のタイミング毎に表示を切り替えて、表示させることもできる。いずれも透明表示体としての意匠性を発現することができるので視認性が良好である。
本発明に係る調光装置は、上述した方法により接続配線4が数m離間したところから視認されないように設計すれば、調光領域3aが光線透過状態であるときには一枚のガラス板であるかのように見える。従って、本発明に係る調光装置は、店舗用の高い意匠性を兼ね備えるガラスなどに用いることができる。
また、本発明に係る調光装置を単に調光面の全体の光透過率を制御する用途として利用することもできる。従来にはない、大面積であって、高い透明性と高品位の表示機能を持つ調光装置を容易に製造することができる。また、本発明に係る調光装置は、カラーフィルタ、赤外線カットフィルタ、紫外線カットフィルタを積層したり、裏面に鏡を積層することもできる。この外、本発明の効果を損しない範囲内で種々の応用が可能である。
1 第1透明板
2 第2透明板
3 液晶光学素子
4 接続配線
5 フレーム
6 調光領域
8 透明固体層
10 調光装置
21 離間部材
22 両面接着テープ
25 R形状を有するスペーサ
26 錘
31 第1の透明基板
32 第2の透明基板
33 第1電極
34 第2電極
35 調光層
36 スペーサ
37 シール材
38 第1配向膜
39 第2配向膜
41 絶縁層
43 透明保護層
2 第2透明板
3 液晶光学素子
4 接続配線
5 フレーム
6 調光領域
8 透明固体層
10 調光装置
21 離間部材
22 両面接着テープ
25 R形状を有するスペーサ
26 錘
31 第1の透明基板
32 第2の透明基板
33 第1電極
34 第2電極
35 調光層
36 スペーサ
37 シール材
38 第1配向膜
39 第2配向膜
41 絶縁層
43 透明保護層
Claims (8)
- 透明固体層と、一又は複数の光学素子とが二枚の透明板の間に挟持され、
前記光学素子には、一対の透明電極付き透明基板が対向して備えられ、前記一対の透明電極の間に、当該透明電極への電気的制御により光透過状態を可変可能な調光層が配置された調光装置であって、
前記光学素子の表側と裏側の表示面をそれぞれ覆うように前記透明固体層が配置され、
前記一対の透明電極にそれぞれ導電接続されるステンレスよりなる接続配線が備えられ、
当該接続配線は、その両端が前記透明板の外端にそれぞれ至るように配設されてなる調光装置。 - 透明固体層と、一又は複数の光学素子とが二枚の透明板の間に挟持され、
前記光学素子には、一対の透明電極付き透明基板が対向して備えられ、前記一対の透明電極の間に、当該透明電極への電気的制御により光透過状態を可変可能な調光層が配置された調光装置であって、
前記光学素子の表側と裏側の表示面をそれぞれ覆うように前記透明固体層が配置され、
前記一対の透明電極にそれぞれ導電接続される接続配線が備えられ、
当該接続配線は、その両端が前記透明板の外端にそれぞれ至るように配設され、かつ、前記接続配線の耐力が100MPa以上である調光装置。 - 前記接続配線は、一端から他端にかけて略一直線状である請求項1又は2に記載の調光装置。
- 1本の前記接続配線が、複数の前記光学素子の前記一対の透明基板に固設されてなる請求項1、2又は3に記載の調光装置。
- 前記一対の透明板の面形状が略矩形であり、前記接続配線が前記一対の透明板の一辺と略平行に配置されてなる請求項1〜4のいずれか1項に記載の調光装置。
- 前記接続配線は、その表面が艶消し処理されているものである請求項1〜5のいずれか1項に記載の調光装置。
- 二枚の透明板の間に光学素子を備えた調光装置の製造方法であって、
前記光学素子として、一対の透明電極付き透明基板が対向して備えられ、前記一対の透明電極の間に、当該透明電極への電気的制御により光透過状態を可変可能な調光層が配置されたものを用意し、
前記光学素子の前記一対の透明電極にそれぞれ導電接続し、前記二枚の透明板の外端まで延設され、かつ耐力が100MPa以上である材料からなる接続配線を、前記一対の透明電極付き透明基板の任意の透明基板上に固設し、
前記光学素子と、前記二枚の透明板の少なくとも一方とを固定し、
前記一対の透明板の間隙に液状樹脂材料を注入し、
前記接続配線が略直線状になるように前記接続配線の両端部に荷重をかけながら、前記液状樹脂材料を硬化させる調光装置の製造方法。 - 前記光学素子と前記二枚の透明板の少なくとも一方とを固定する際に、前記接続配線が複数の前記光学素子に亘って固設されている場合には、複数の前記光学素子の間に配置される接続配線部分が略直線状になるように張力を与えながら前記光学素子を前記二枚の透明板の少なくとも一方と固定する請求項7に記載の調光装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005187453A JP2007004084A (ja) | 2005-06-27 | 2005-06-27 | 調光装置及びその製造方法 |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2012026157A (ja) * | 2010-07-23 | 2012-02-09 | Taisei Corp | 反射材 |
JP2020518016A (ja) * | 2017-04-25 | 2020-06-18 | エルジー・ケム・リミテッド | 光学デバイス |
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-
2005
- 2005-06-27 JP JP2005187453A patent/JP2007004084A/ja active Pending
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