JP2007003955A - レンズ基板、レンズ基板の製造方法、透過型スクリーンおよびリア型プロジェクタ - Google Patents

レンズ基板、レンズ基板の製造方法、透過型スクリーンおよびリア型プロジェクタ Download PDF

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Abstract

【課題】コントラストに優れるとともに、高輝度の画像を表示することが可能なリア型プロジェクタの提供、当該リア型プロジェクタに好適に適用できるレンズ基板、透過型スクリーンの提供、及び当該レンズ基板を効率良く製造できる製造方法の提供。
【解決手段】本発明のレンズ基板は、複数の凸レンズを有するレンズ基板であって、凸レンズが設けられている面側に着色部を有し、凸レンズの頂部付近に、前記凸レンズが設けられている面側の他の部位よりも着色剤濃度が低い低着色濃度部を有することを特徴とする。レンズ基板を平面視したときの前記レンズの幅をW[μm]、レンズ基板を平面視したときの前記低着色濃度部の幅をW[μm]としたとき、0.1≦W/W≦0.99の関係を満足する。
【選択図】図1

Description

本発明は、レンズ基板、レンズ基板の製造方法、透過型スクリーンおよびリア型プロジェクタに関するものである。
近年、リア型プロジェクタ(背面投射型プロジェクションテレビ)は、ホームシアター用モニター、大画面テレビ等に好適なディスプレイとして、需要が高まりつつある。
このようなリア型プロジェクタでは、画像のコントラストを高めるために、映像光の強度の低下を抑えつつ、外光反射を抑えることが求められる。
このような目的を達成するために、レンチキュラレンズの光の入射面に、着色剤が混合、分散された成形樹脂を用いて形成された着色層を備えるレンチキュラレンズ基板が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、このようなレンチキュラレンズ基板を用いたリア型プロジェクタは、液晶テレビ、プラズマディスプレイパネル(PDP)に比べて、十分な輝度を得るのが困難であるという問題点があった。
特開平11−125704号公報(第5頁左欄第23〜25行目、第7頁左欄第1〜7行目、図12、図1〜図3、図11)
本発明の目的は、コントラストに優れるとともに、高輝度の画像を表示することが可能なリア型プロジェクタを提供すること、このようなリア型プロジェクタに好適に適用することができるレンズ基板、透過型スクリーンを提供すること、また、当該レンズ基板を効率良く製造することができる製造方法を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明のレンズ基板は、複数の凸レンズを有するレンズ基板であって、
前記凸レンズが設けられている面側に着色部を有し、
前記凸レンズの頂部付近に、前記凸レンズが設けられている面側の他の部位よりも着色剤濃度が低い低着色濃度部を有することを特徴とする。
これにより、外光が出射側に反射するのを防止するとともに、低着色濃度部において入射した光を多く透過することができる。その結果、コントラストに優れるとともに、高輝度の画像を得ることができる。
本発明のレンズ基板では、レンズ基板を平面視したときの前記レンズの幅をW[μm]、レンズ基板を平面視したときの前記低着色濃度部の幅をW[μm]としたとき、0.1≦W/W≦0.99の関係を満足することが好ましい。
このような関係を満足することにより、外光の反射によるコントラストの低下をより確実に防止するとともに、投影される画像の輝度をさらに優れたものとすることができる。
本発明のレンズ基板は、マイクロレンズ基板であることが好ましい。
これにより、レンズ基板を透過型スクリーン、リア型プロジェクタに適応した場合における視野角特性を特に優れたものとすることができる。
本発明のレンズ基板の製造方法は、
着色剤を付与し、前記凸レンズが設けられている面側を着色する着色剤付与工程と、
前記凸レンズの頂部付近を脱色し、低着色濃度部を形成する工程とを有することを特徴とする。
これにより、簡便に着色部と低着色濃度部とを備えたレンズ基板を形成することができる。
本発明のレンズ基板の製造方法では、前記脱色は、オゾンを用いて行うことが好ましい。
これにより、凸レンズの頂部付近の着色剤を選択的に分解することができ、より確実に低着色濃度部を形成することができる。
本発明のレンズ基板の製造方法は、
前記凸レンズの頂部付近を冷却した状態で、前記凸レンズが設けられている面側に、前記着色剤を付与する着色剤付与工程を有することを特徴とする。
これにより、着色液の浸透速度をコントロールすることができ、容易に低着色濃度部を形成することができる。
本発明のレンズ基板の製造方法では、前記着色剤付与工程の後、前記凸レンズの頂部付近を脱色する工程を有することが好ましい。
これにより、より確実に低着色濃度部を形成することができとともに、光の利用効率をより高いものとすることができる。
本発明のレンズ基板の製造方法は、
前記凸レンズの頂部付近に、前記着色剤が接触するのを阻害するマスク材を付与する工程と、
前記凸レンズが設けられている面側に、前記着色剤を付与する着色剤付与工程とを有することを特徴とする。
これにより、簡便に着色部と低着色濃度部とを備えたレンズ基板を形成することができる。また、マスク材を用いることにより、着色の速度を低下させたり、着色そのものを阻害することができ、低着色濃度部中に含まれる着色剤の濃度をより小さいものとすることができる。その結果、低着色濃度部の光の透過率がより高いものとすることができ、光の利用効率がさらに向上する。
本発明のレンズ基板の製造方法では、前記マスク材は、主として、防染剤で構成されたものであり、かつ、
前記着色剤は、染料を含むものであることが好ましい。
これにより、より確実に低着色濃度部を形成することができる。
本発明のレンズ基板の製造方法は、
前記凸レンズが設けられている面と対向するように、前記凸レンズの頂部付近が着色するのを阻害する着色阻害部材を設置する工程と、
前記阻害部材を設置した状態で、前記凸レンズが設けられている面側に、前記着色剤を付与する着色剤付与工程とを有することを特徴とする。
これにより、簡便に着色部と低着色濃度部とを備えたレンズ基板を形成することができる。また、阻害部材を用いることにより、着色の速度を低下させたり、着色そのものを阻害することができ、低着色濃度部中に含まれる着色剤の濃度をより小さいものとすることができる。その結果、低着色濃度部の光の透過率がより高いものとすることができ、光の利用効率がさらに向上する。
本発明のレンズ基板の製造方法では、前記着色剤付与工程の後、前記凸レンズの頂部付近を脱色する工程を有することが好ましい。
これにより、より確実に低着色濃度部を形成することができとともに、光の利用効率をより高いものとすることができる。
本発明のレンズ基板の製造方法では、前記着色剤付与工程において、前記凸レンズの頂部付近を冷却した状態で着色剤を付与することが好ましい。
これにより、より確実に低着色濃度部を形成することができる。
本発明のレンズ基板の製造方法では、前記着色剤付与工程において、前記着色剤とベンジルアルコールとを含む着色液を付与することが好ましい。
これにより、容易かつ確実に着色部(特に、均一な厚さの着色部)を形成することができる。
本発明の透過型スクリーンは、本発明のレンズ基板を備えたことを特徴とする。
これにより、コントラストに優れるとともに、高輝度の画像を得ることが可能な透過型スクリーンを提供することができる。
本発明のリア型プロジェクタは、本発明の透過型スクリーンを備えたことを特徴とする。
これにより、コントラストに優れるとともに、高輝度の画像を得ることが可能なリア型プロジェクタを提供することができる。
以下、本発明のレンズ基板、レンズ基板の製造方法、透過型スクリーンおよびリア型プロジェクタについて、添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
まず、本発明のレンズ基板および透過型スクリーンの構成について説明する。
図1は、本発明のレンズ基板(マイクロレンズ基板)を示す模式的な縦断面図、図2は、図1に示すレンズ基板の平面図である。なお、以下の説明では、図1中の左側を「(光の)入射側」、右側を「(光の)出射側」と言う。また、本発明においては、特に断りのない限り、「(光の)入射側」、「(光の)出射側」とは、それぞれ、画像光(映像光)を得るための光の「入射側」、「出射側」のことを指し、外光等の「入射側」、「出射側」のことを指すものではない。
マイクロレンズ基板(レンズ基板)1は、後述する透過型スクリーン10を構成する部材であり、図1に示すように、複数個のマイクロレンズ21を備えた基板本体2に対し、マイクロレンズ基板1の光の入射側(すなわち、マイクロレンズ21の光の入射側)には、着色部(外光吸収部)22と低着色濃度部24とが設けられている。
また、必要に応じて基板本体2の中には、光源からの入射光を拡散させるために、拡散材として、例えばポリスチレンビーズ、ガラスビーズ、有機架橋ポリマー等が含まれていてもよい。なお、拡散材は樹脂の全体(基材本体2全体)に含まれるものであってもよいし、一部にのみに含まれるものであってもよい。
基板本体2の構成材料は、特に限定されないが、主として樹脂材料で構成され、均一な屈折率を有する透明な材料で構成されている。
基板本体2の具体的な構成材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等のポリオレフィン、環状ポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド(例:ナイロン6、ナイロン46、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6−12、ナイロン6−66)、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート(PC)、ポリ−(4−メチルペンテン−1)、アイオノマー、アクリル系樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリオキシメチレン、ポリビニルアルコール(PVA)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリシクロヘキサンテレフタレート(PCT)等のポリエステル、ポリエーテル、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド、ポリアセタール(POM)、ポリフェニレンオキシド、変性ポリフェニレンオキシド、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、芳香族ポリエステル(液晶ポリマー)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、その他フッ素系樹脂、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、トランスポリイソプレン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマー、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル、シリコーン系樹脂、ウレタン系樹脂等、またはこれらを主とする共重合体、ブレンド体、ポリマーアロイ等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて(例えば、ブレンド樹脂、ポリマーアロイ、積層体等として)用いることができるが、中でも、透明性の観点から、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、アクリル系樹脂が好ましいが、その中でも特にアクリル樹脂が好ましい。アクリル系樹脂は、優れた透明性を有し、かつ、耐熱性、耐光性、加工性、成形した際の寸法精度、機械的強度等にも優れるため、レンズ基板(基板本体)の構成材料に適しているものの、従来の着色方法では、着色が困難であった。これに対し、後述するような着色方法を用いることにより、このような難着色性(特に、難染色性)のアクリル系樹脂で構成された基板本体に対しても、容易かつ確実に着色部を形成することができる。したがって、本発明において、主としてアクリル系樹脂で構成された基板本体を用いることにより、各種特性が特に優れ、かつ、信頼性にも優れたレンズ基板(マイクロレンズ基板)を提供することができる。また、アクリル系樹脂は、一般的に、比較的安価であり、製造コストの面からも有利である。
アクリル系樹脂としては、例えば、アクリル酸またはその誘導体(例えば、アクリル酸エステル)を構成モノマーとしたアクリル樹脂、メタクリル酸またはその誘導体(例えば、メタクリル酸エステル)を構成モノマーとしたメタクリル樹脂の他に、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体等の(メタ)アクリル酸またはその誘導体を構成モノマーとして含む共重合体等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
基板本体2を構成する樹脂材料(固化した状態の樹脂材料)は、一般に、各種気体(マイクロレンズ基板1が用いられる雰囲気)より大きな絶対屈折率を有するものであるが、絶対屈折率の具体的な値は、1.35〜2.00であるのが好ましく、1.40〜1.60であるのがより好ましく、1.45〜1.55であるのがさらに好ましい。樹脂材料の絶対屈折率が前記範囲内の値であると、投影される画像の輝度を十分に高いものとしつつ、視野角特性を特に優れたものとすることができる。
マイクロレンズ基板1は、光の入射する面側に凸面を有する凸レンズとしてのマイクロレンズ21を複数個備えている。
本実施形態において、マイクロレンズ21は、マイクロレンズ基板1を平面視した際の縦幅(鉛直方向の幅)が横幅(水平方向の幅)よりも小さい扁平形状(略楕円形、略俵形)を有している。マイクロレンズ21がこのような形状を有することにより、モアレ等の不都合の発生を効果的に防止しつつ、視野角特性を特に優れたものとすることができる。特に、水平方向および鉛直方向の視野角特性をともに優れたものとすることができる。また、投影される画像の輝度をより高いものとすることができる。
平面視したときのマイクロレンズ21の短軸方向(縦方向)の長さをX[μm]、長軸方向(横方向)の長さをY[μm]としたとき、0.10≦X/Y≦0.99の関係を満足するのが好ましく、0.50≦X/Y≦0.95の関係を満足するのがより好ましく、0.60≦X/Y≦0.80の関係を満足するのがさらに好ましい。上記のような関係を満足することにより、上述したような効果がさらに顕著なものとなる。
平面視したときのマイクロレンズ21の短軸方向の長さ(マイクロレンズ21の幅)は、10〜500μmであるのが好ましく、30〜300μmであるのがより好ましく、50〜100μmであるのがさらに好ましい。マイクロレンズ21の短軸方向の長さが前記範囲内の値であると、モアレ等の不都合の発生を効果的に防止しつつ、スクリーンに投影される画像において十分な解像度を得ることができるとともに、マイクロレンズ基板1(透過型スクリーン10)の生産性をさらに高めることができる。
また、平面視したときのマイクロレンズ21の長軸方向の長さは、15〜750μmであるのが好ましく、45〜450μmであるのがより好ましく、70〜150μmであるのがさらに好ましい。マイクロレンズ21の短軸方向の長さが前記範囲内の値であると、モアレ等の不都合の発生を効果的に防止しつつ、スクリーンに投影される画像において十分な解像度を得ることができるとともに、マイクロレンズ基板1(透過型スクリーン10)の生産性をさらに高めることができる。
また、マイクロレンズ21の曲率半径は、7.5〜375μmであるのが好ましく、22.5〜225μmであるのがより好ましく、35〜75μmであるのがさらに好ましい。マイクロレンズ21の曲率半径が前記範囲内の値であると、視野角特性を特に優れたものとすることができる。特に、水平方向および鉛直方向の視野角特性をともに優れたものとすることができる。なお、マイクロレンズ21は、短軸方向についての曲率半径と、長軸方向の曲率半径が異なるものであってもよいが、このような場合、短軸方向の曲率半径が上記の範囲内の値であるのが好ましい。
また、マイクロレンズ21の高さ(凸部としてのマイクロレンズ21の高さ)は、2〜230μmであるのが好ましく、7〜140μmであるのがより好ましく、12〜45μmであるのがさらに好ましい。マイクロレンズ21の高さが前記範囲内の値であると、視野角特性を、特に優れたものとすることができる。
また、マイクロレンズ21の高さをH[μm]、マイクロレンズ21の短軸方向の長さをX[μm]としたとき、1.0≦X/H≦2.7の関係を満足するのが好ましく、1.1≦X/H≦2.3の関係を満足するのがより好ましく、1.3≦X/H≦2.1の関係を満足するのがさらに好ましい。このような関係を満足することにより、光の干渉によるモアレの発生を効果的に防止しつつ、視野角特性を特に優れたものとすることができる。
また、これら複数個のマイクロレンズ21は、千鳥状(千鳥格子状)に配列している。このようにマイクロレンズ21が配列することにより、モアレ等の不都合の発生を効果的に防止することができる。これに対し、例えば、マイクロレンズが正方格子状等に配列したものであると、マイクロレンズ21の大きさ等によっては、モアレ等の不都合の発生を十分に防止することが困難となる場合がある。また、マイクロレンズをランダムに配した場合、マイクロレンズ21の大きさ等によっては、マイクロレンズが形成されている有効領域におけるマイクロレンズの占有率を十分に高めるのが困難となり、マイクロレンズ基板の光の透過率(光の利用効率)を十分に高めるのが困難となり、得られる画像が暗いものとなる。
上記のように、マイクロレンズ21は、マイクロレンズ基板1を平面視したときに、千鳥格子状に配列しているが、複数のマイクロレンズ21で構成される第1の行25と、それに隣接する第2の行26とが、縦方向に半ピッチ分だけずれているのが好ましい。これにより、光の干渉によるモアレの発生等をより効果的に防止するとともに、かつ、視野角特性を特に優れたものとすることができる。
上記のように、マイクロレンズの形状や配列方式、占有率等を厳密に規定することにより、光の干渉によるモアレの発生を効果的に防止しつつ、視野角特性等を特に優れたものとすることができる。
また、前述したように、マイクロレンズ基板1の光の入射側、すなわち、マイクロレンズ21が設けられた面の表面付近に、着色部22と、該着色部22よりも後述する着色剤の濃度(着色濃度)が低い低着色濃度部24とが設けられている。
着色部22は、入射側から入射した光を十分に透過することができるとともに、外光(例えば、光の出射側等から不本意に入射した外光等)が、出射側に反射するのを防止する機能を有する。
着色部22の平均厚さは、特に限定されないが、50μm以下であるのが好ましく、10μm以下であるのがより好ましい。
低着色濃度部24は、マイクロレンズ21の頂部付近に設けられており、前述した着色部22よりも、着色濃度が低い部位である。低着色濃度部24は、着色濃度が低いことから、着色部22よりも多くの入射光を透過することができる。
このように、本発明では、レンズ部の頂部付近に、着色部よりも着色濃度の低い低着色濃度部とを有している点に特徴を有している。レンズ部の頂部付近は、表示される画像の輝度に大きく寄与する部分であって、レンズ部の頂部付近の着色剤の濃度を低くすることによって、正面輝度を向上させることができる。それとともに、レンズ部の頂部付近以外の部位に着色部を有していると、外光が出射側に反射するのを防止することができ、コントラストを優れたものとすることができる。すなわち、コントラストに優れるとともに、高輝度の画像を得ることができる。
低着色濃度部24は、後に詳述するような方法により形成することができ、その形状は特に限定されないが、マイクロレンズ基板1を平面視した際におけるその形状(平面視形状)が、略円形であるのが好ましい。
また、マイクロレンズ基板1を平面視したときのマイクロレンズ21の幅をW[μm]、マイクロレンズ基板1を平面視したときの前記低着色濃度部の幅をW[μm]としたとき、0.1≦W/W≦0.99の関係を満足するのが好ましく、0.3≦W/W≦0.8の関係を満足するのがより好ましい。このような関係を満足することにより、外光の反射によるコントラストの低下をより確実に防止するとともに、投影される画像の輝度をさらに優れたものとすることができる。
また、低着色濃度部24の着色濃度をC[wt%]、着色部22(マイクロレンズが設けられている面側の低着色濃度部24以外の部位)の着色濃度をC[wt%]としたとき、C/C<1の関係を満足するのが好ましく、0.1≦C/C≦0.9の関係を満足するのがより好ましい。このような関係を満足することにより、コントラストと輝度とのバランスのとれた画像をより効果的に得ることができる。なお、着色濃度比C/Cは、正確には測定することは不可能であるが、顕微鏡で拡大して観察することにより感覚的な差として求めることができる。
また、マイクロレンズ基板を平面視したとき、1個のマイクロレンズ21が占める面積をS[μm]、当該マイクロレンズ21における低着色濃度部24が占める面積をS[μm]としたとき、0.1≦S/S≦0.99の関係を満足するのが好ましく、0.5≦S/S≦0.95の関係を満足するのがより好ましく、0.75≦S/S≦0.9の関係を満足するのがさらに好ましい。このような関係を満足することにより、外光の反射によるコントラストの低下をより確実に防止するとともに、投影される画像の輝度をさらに優れたものとすることができる。
上記のようなマイクロレンズ基板1は、いかなる方法で製造されたものであってもよいが、以下に述べるような方法により、好適に製造することができる。
[マイクロレンズ基板の製造方法−第1の方法]
以下、マイクロレンズ基板1の製造方法の一例として、第1の方法(第1実施形態)について説明する。
まず、本実施形態の製造方法において用いる凹部付き基板(マイクロレンズ形成用凹部付き基板)6、および、その製造方法について説明する。
図3は、マイクロレンズ基板の製造に用いる凹部付き基板を示す模式的な縦断面図、図4は、図3に示す凹部付き基板の製造方法を示す模式的な縦断面図である。なお、凹部付き基板の製造においては、実際には基板上に多数の凹部(マイクロレンズ形成用凹部)を形成し、マイクロレンズ基板の製造においては、実際には基板上に多数のマイクロレンズ(凸レンズ)を形成するが、ここでは、説明をわかりやすくするために、その一部分を強調して示した。
凹部付き基板(マイクロレンズ形成用凹部付き基板)6は、いかなる材料で構成されたものであってもよいが、たわみを生じ難く、傷つき難い材料で構成されたものであるのが好ましい。凹部付き基板6の構成材料としては、例えば、ソーダガラス、結晶性ガラス、石英ガラス、鉛ガラス、カリウムガラス、ホウケイ酸ガラス、無アルカリガラス等が挙げられる。中でも、凹部付き基板6の構成材料としては、ソーダガラス、結晶性ガラス(例えば、ネオセラム等)、無アルカリガラスが好ましい。ソーダガラス、結晶性ガラス、無アルカリガラスは、加工が容易であるとともに、比較的安価であり、製造コストの面からも有利である。
凹部付き基板(マイクロレンズ形成用凹部付き基板)6は、マイクロレンズ21の配列方式に対応する方式(転写された位置関係)で配列した、複数個の凹部(マイクロレンズ形成用凹部)61を備えている。そして、これらの凹部61は、マイクロレンズ21が凸部であるのに対し凹部であり、マイクロレンズ21に対応する形状(転写された形状である以外は実質的に同一の形状)、寸法を有している。
より詳しく説明すると、本実施形態において、凹部(マイクロレンズ形成用凹部)61は、凹部付き基板6を平面視した際の縦幅(鉛直方向の幅)が横幅(水平方向の幅)よりも小さい扁平形状(略楕円形、略俵形)を有している。凹部61がこのような形状を有することにより、モアレ等の不都合の発生を効果的に防止しつつ、視野角特性を特に優れたものとすることができるマイクロレンズ基板1の製造に好適に用いることができる。
また、平面視したときの凹部61の短軸方向(縦方向)の長さをX[μm]、長軸方向(横方向)の長さをY[μm]としたとき、0.10≦X/Y≦0.99の関係を満足するのが好ましく、0.50≦X/Y≦0.95の関係を満足するのがより好ましく、0.60≦X/Y≦0.80の関係を満足するのがさらに好ましい。上記のような関係を満足することにより、上述したような効果がさらに顕著なものとなる。
また、平面視したときの凹部61の短軸方向の長さ(凹部61の幅)は、10〜500μmであるのが好ましく、30〜300μmであるのがより好ましく、50〜100μmであるのがさらに好ましい。凹部61の短軸方向の長さが前記範囲内の値であると、モアレ等の不都合の発生を効果的に防止しつつ、スクリーンに投影される画像において十分な解像度を得ることができるとともに、マイクロレンズ基板1(凹部付き基板6)の生産性をさらに高めることができる。
また、平面視したときの凹部61の長軸方向の長さは、15〜750μmであるのが好ましく、45〜450μmであるのがより好ましく、70〜150μmであるのがさらに好ましい。凹部61の短軸方向の長さが前記範囲内の値であると、モアレ等の不都合の発生を効果的に防止しつつ、スクリーンに投影される画像において十分な解像度を得ることができるとともに、マイクロレンズ基板1(凹部付き基板6)の生産性をさらに高めることができる。
また、凹部61の曲率半径は、7.5〜375μmであるのが好ましく、22.5〜225μmであるのがより好ましく、35〜75μmであるのがさらに好ましい。凹部61の曲率半径が前記範囲内の値であると、視野角特性を特に優れたものとすることができる。特に、水平方向および鉛直方向の視野角特性をともに優れたものとすることができる。なお、凹部61は、短軸方向についての曲率半径と、長軸方向の曲率半径が異なるものであってもよいが、このような場合、短軸方向の曲率半径が上記の範囲内の値であるのが好ましい。
また、凹部61の深さは、7.5〜375μmであるのが好ましく、22.5〜225μmであるのがより好ましく、35〜75μmであるのがさらに好ましい。凹部61の深さが前記範囲内の値であると、マイクロレンズ基板1における視野角特性を、特に優れたものとすることができる。
また、凹部61の深さをD[μm]、凹部61の短軸方向の長さをX[μm]としたとき、0.9≦X/D≦2.6の関係を満足するのが好ましく、1.0≦X/D≦2.2の関係を満足するのがより好ましく、1.2≦X/D≦2.0の関係を満足するのがさらに好ましい。このような関係を満足することにより、光の干渉によるモアレの発生を効果的に防止しつつ、視野角特性を特に優れたものとすることができる。
また、これら複数個の凹部61は、千鳥格子状に配列している。このように凹部61が配列することにより、モアレ等の不都合の発生を効果的に防止することができる。これに対し、例えば、凹部が正方格子状等に配列したものであると、凹部(マイクロレンズ)の大きさ等によっては、モアレ等の不都合の発生を十分に防止することが困難となる。また、凹部をランダムに配した場合、凹部(マイクロレンズ)の大きさ等によっては、凹部が形成されている有効領域における凹部の占有率を十分に高めるのが困難となり、マイクロレンズ基板の光の透過率(光の利用効率)を十分に高めるのが困難となり、得られる画像が暗いものとなる。
また、上記のように、凹部61は、凹部付き基板6を平面視したときに、千鳥格子状に配列しているが、複数の凹部61で構成される第1の行と、それに隣接する第2の行とが、縦方向に半ピッチ分だけずれているのが好ましい。これにより、光の干渉によるモアレの発生等をより効果的に防止するとともに、かつ、視野角特性を特に優れたものとすることができる。
なお、上記の説明では、凹部61が、マイクロレンズ21と、実質的に同一の形状(寸法)、配列方式を有しているものとして説明したが、例えば、基板本体2(基板2’)の構成材料が収縮し易いものである場合(基板本体2を構成する樹脂材料が固化等により収縮する場合)、その収縮率等を考慮し、マイクロレンズ21と凹部61とについて、これらの間で、形状(寸法)、占有率等が異なるようにしてもよい。
次に、凹部付き基板の製造方法について、図4を参照しながら説明する。なお、実際には基板上に多数のマイクロレンズ形成用凹部を形成するが、ここでは、説明をわかりやすくするために、その一部分を強調して示した。
まず、凹部付き基板6を製造するに際し、基板7を用意する。
この基板7は、厚さが均一で、たわみや傷のないものが好適に用いられる。また、基板7は、洗浄等により、その表面が清浄化されているものが好ましい。
<A1>用意した基板7の表面に、多数個の初期孔(開口部)81を有するマスク8を形成するとともに、基板7の裏面(マスク8が形成される面と反対側の面)に裏面保護膜89を形成する(マスキング工程、図4(a)、図4(b)参照)。
特に、本実施形態では、まず、図4(a)に示すように、用意した基板7の裏面に裏面保護膜89を形成するとともに、基板7の表面にマスク形成用膜8’を形成し(マスク形成用膜形成工程)、その後、図4(b)に示すように、マスク形成用膜8’に初期孔81を形成すること(初期孔形成工程)によりマスク8を得る。マスク形成用膜8’および裏面保護膜89は同時に形成することもできる。
マスク形成用膜8’は、レーザ光の照射等により、後述する初期孔81を形成することができるとともに、後述するエッチング工程におけるエッチングに対する耐性を有するものが好ましい。換言すれば、マスク形成用膜8’(マスク8)は、エッチングレートが、基板7と略等しいか、または、基板7に比べて小さくなるように構成されるのが好ましい。
かかる観点からは、マスク形成用膜8’(マスク8)を構成する材料としては、例えばCr、Au、Ni、Ti、Pt等の金属やこれらから選択される2種以上を含む合金、前記金属の酸化物(金属酸化物)、シリコン、樹脂等が挙げられる。
また、マスク形成用膜8’(マスク8)は、例えば、実質的に均一な組成を有するものであってもよいし、異なる複数の層を有する積層体等であってもよい。
上記のように、マスク形成用膜8’(マスク8)の構成は、特に限定されるものではないが、主としてクロムで構成される層と、主として酸化クロムで構成される層とを有する積層体であるのが好ましい。このような構成のマスク形成用膜8’は、後述するようなレーザ光の照射等により、所望の形状の開口部を容易かつ確実に形成することができるものであり、また、このような構成のマスク形成用膜8’を用いて得られるマスク8は、様々な組成のエッチング液に対して優れた安定性を有している(後述するエッチング工程において基板7をより確実に保護することができる)。また、マスク形成用膜8’(マスク8)のが上記のような構成のものであると、例えば、後述するエッチング工程において、エッチング液として一水素二フッ化アンモニウムを含む液体を好適に用いることができる。一水素二フッ化アンモニウムは毒劇物ではないため、作業中の人体や環境への影響をより確実に防止することができる。また、上記のような構成のマスク形成用膜8’(マスク8)は、マスクの内部応力を効率良く緩和することができ、基板7との密着性(特に、エッチング工程における密着性)に特に優れている。このようなことから、上記のような構成のマスク形成用膜8’(マスク8)を用いることにより、所望の形状の凹部61を容易かつ確実に形成することができる。
マスク形成用膜8’の形成方法は特に限定されないが、マスク形成用膜8’(マスク8)をクロム(Cr)、金(Au)等の金属材料(合金を含む)や金属酸化物(例えば酸化クロム)で構成されたものとする場合、マスク形成用膜8’は、例えば、蒸着法やスパッタリング法等により、好適に形成することができる。また、マスク形成用膜8’(マスク8)をシリコンで構成されたものとする場合、マスク形成用膜8’は、例えば、スパッタリング法やCVD法等により、好適に形成することができる。
マスク形成用膜8’(マスク8)の厚さは、マスク形成用膜8’(マスク8)を構成する材料によっても異なるが、0.01〜2.0μm程度が好ましく、0.03〜0.2μm程度がより好ましい。厚さが前記下限値未満であると、マスク形成用膜8’の構成材料等によっては、後述する初期孔形成工程(開口部形成工程)において形成される初期孔81の形状が歪んでしまう可能性がある。また、後述するエッチング工程でウェットエッチングを施す際に、基板7のマスクした部分を十分に保護できない可能性がある。一方、上限値を超えると、マスク形成用膜8’の構成材料等によっては、後述する初期孔形成工程において、貫通する初期孔81を形成するのが困難になるほか、マスク形成用膜8’(マスク8)の内部応力によりマスク形成用膜8’(マスク8)が剥がれ易くなる場合がある。
裏面保護膜89は、次工程以降で基板7の裏面を保護するためのものである。この裏面保護膜89により、基板7の裏面の侵食、劣化等が好適に防止される。この裏面保護膜89は、例えば、マスク形成用膜8’(マスク8)と同様の構成を有している。このため、裏面保護膜89は、マスク形成用膜8’の形成と同時に、マスク形成用膜8’と同様に設けることができる。
次に、図4(b)に示すように、マスク形成用膜8’に、複数個の初期孔(開口部)81を形成し、マスク8を得る(初期孔形成工程)。本工程で形成される初期孔81は、後述するエッチングの際のマスク開口として機能するものである。
初期孔81の形成方法は、特に限定されないが、レーザ光の照射による方法であるのが好ましい。これにより、所望のパターンに配列した所望の形状の初期孔81を容易かつ精確に形成することができる。その結果、凹部61の形状、配列方式等をより確実に制御することができる。また、初期孔81をレーザの照射により形成することにより、凹部付き基板を生産性良く製造することができる。特に、大面積の基板にも簡単に凹部を形成することができる。また、レーザ光の照射により初期孔81を形成する場合、その照射条件を制御することにより、後述するような初期凹部71を形成することなく初期孔81のみを形成したり、初期孔81とともに、形状、大きさ、深さのばらつきの小さい初期凹部71を、容易かつ確実に形成することができる。また、レーザ光の照射でマスク形成用膜8’に初期孔81を形成することで、従来のようなフォトリソグラフィ法によってレジスト膜に開口部を形成する場合に比べて、簡単かつ安価に開口部(初期孔81)を形成することができる。
また、レーザ光の照射により初期孔81を形成する場合、使用するレーザ光の種類は、特に限定されないが、ルビーレーザ、半導体レーザ、YAGレーザ、フェムト秒レーザ、ガラスレーザ、YVOレーザ、Ne−Heレーザ、Arレーザ、COレーザ、エキシマレーザ等が挙げられる。また、各レーザのSHG、THG、FHG等の波長を使っても良い。
マスク形成用膜8’に初期孔81を形成するとき、図4(b)に示すように、マスク形成用膜8’だけでなく基板7の表面の一部も同時に除去し、初期凹部71を形成してもよい。これにより、後述するエッチング工程でエッチングを施す際に、エッチング液との接触面積が大きくなり、侵食を好適に開始することができる。また、この初期凹部71の深さの調整により、凹部61の深さ(レンズの最大厚さ)を調整することもできる。初期凹部71の深さは、特に限定されないが、5μm以下とするのが好ましく、0.1〜0.5μm程度とするのがより好ましい。なお、初期孔81の形成をレーザの照射により行う場合、初期孔81とともに形成される複数個の初期凹部71について、深さのばらつきをより確実に小さくすることができる。これにより、凹部付き基板6を構成する各凹部61の深さのばらつきも小さくなり、最終的に得られるマイクロレンズ基板1の各マイクロレンズ21の大きさ、形状のばらつきも小さくなる。その結果、各マイクロレンズ21の直径、焦点距離、レンズ厚さのばらつきを特に小さくさせることができる。
本工程で形成する初期孔81は、その形状、大きさは特に限定されないが、略円形で、その直径が、0.8〜20μmであるのが好ましく、1.0〜10μmであるのがより好ましく、1.5〜4μmであるのがさらに好ましい。初期孔81の直径が前記範囲内の値であると、後述するエッチング工程において、前述したような形状の凹部61を確実に形成することができる。ただし、初期孔81が、略楕円形のように扁平形状のものである場合、短軸方向の長さを、直径の値として代用することができる。すなわち、本工程で形成する初期孔81が扁平形状のものである場合、初期孔81の幅(短軸方向の長さ)は、特に限定されないが、0.8〜20μmであるのが好ましく、1.0〜10μmであるのがより好ましく、1.5〜4μmであるのがさらに好ましい。初期孔81の幅が前記範囲内の値であると、後述するエッチング工程において、前述したような形状の凹部61を確実に形成することができる。
また、本工程で形成する初期孔81が扁平形状のものである場合、初期孔81の長さ(長軸方向の長さ)は、0.9〜30μmであるのが好ましく、1.5〜15μmであるのがより好ましく、2.0〜6μmであるのがさらに好ましい。初期孔81の長さが前記範囲内の値であると、後述するエッチング工程において、前述したような形状の凹部61をより確実に形成することができる。
また、マスク形成用膜8’に対してレーザ光の照射で初期孔81を形成するだけでなく、例えば、基板7にマスク形成用膜8’を形成する際に、予め基板7上に所定パターンで異物を配しておき、その上にマスク形成用膜8’を形成することでマスク形成用膜8’に積極的に欠陥を形成し、当該欠陥を初期孔81としてもよい。
<A2>次に、図4(c)に示すように、初期孔81が形成されたマスク8を用いて基板7にエッチングを施し、基板7上に多数の凹部61を形成する(エッチング工程)。
エッチングの方法は、特に限定されず、例えば、ウェットエッチング、ドライエッチング等が挙げられる。以下の説明では、ウェットエッチングを用いる場合を例に挙げて説明する。
初期孔81が形成されたマスク8で被覆された基板7に対して、エッチング(ウェットエッチング)を施すことにより、図4(c)に示すように、基板7は、マスク8が存在しない部分より食刻され、基板7上に多数の凹部61が形成される。上述したように、マスク8に形成された初期孔81が千鳥状(千鳥格子状)の配置であるため、形成される凹部61は、基板7の表面に千鳥状(千鳥格子状)に配置されたものとなる。
また、本実施形態では、前記工程<A1>でマスク形成用膜8’に初期孔81を形成した際(マスク8を形成した際)に、基板7の表面に初期凹部71を形成している。これにより、エッチングの際、エッチング液との接触面積が大きくなり、侵食を好適に開始することができる。
また、ウェットエッチング法を用いると、凹部61を好適に形成できる。そして、エッチング液として、例えば、一水素二フッ化アンモニウムを含むエッチング液を用いると、基板7をより選択的に食刻することができ、凹部61を好適に形成することができる。
マスク8(マスク形成用膜8’)が主としてクロムで構成されたものである場合、フッ酸系エッチング液としては、一水素二フッ化アンモニウムを含む液体が特に好適である。一水素二フッ化アンモニウム溶液は毒劇物ではないため、作業中の人体や環境への影響を防止することができる。また、エッチング液として、一水素二フッ化アンモニウムを用いる場合、該エッチング液中には、例えば、過酸化水素が含まれていてもよい。これにより、エッチングスピートをより速くすることができる。
また、ウェットエッチングによれば、ドライエッチングに比べて簡単な装置で処理を行うことができ、さらに、一度に多くの基板に対して処理を行うことができる。これにより生産性が向上し、安価に凹部付き基板6を提供することができる。
<A3>次に、図4(d)に示すように、マスク8を除去する(マスク除去工程)。また、この際、マスク8の除去とともに、裏面保護膜89も除去することにより、凹部付き基板6が得られる。
マスク8が、前述したような主としてクロムで構成される層と、主として酸化クロムで構成される層とを有する積層体である場合、マスク8の除去は、例えば、硝酸第二セリウムアンモニウムと過塩素酸とを含む混合物を用いたエッチングにより行うことができる。
また、例えば、凹部付き基板6の凹部61が設けられている面側に、離型処理を施してもよい。これにより、後に詳述するマイクロレンズ基板1の製造方法において、基板本体2が有するマイクロレンズ21にカケ等の欠陥が生じるのを十分に防止しつつ、凹部付き基板6を容易に取り外すことができる。離型処理としては、アルキルポリシロキサン等のシリコーン系樹脂、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂等の離型性を有する物質で構成される被膜の形成、ヘキサメチルジシラザン([(CHSi]NH)等のシリル化剤による表面処理、フッ素系ガスによる表面処理等が挙げられる。
以上により、図4(d)および図3に示すように、基板7上に多数の凹部61が千鳥状に形成された凹部付き基板6が得られる。
基板7上に千鳥状に配された複数個の凹部61を形成する方法は、特に限定されないが、上述したような方法(レーザ光の照射によりマスク形成用膜8’に初期孔81を形成してマスク8を得、その後、そのマスク8を用いてエッチングを行うことにより、基板7上に凹部61を形成する方法)により形成した場合、以下のような効果が得られる。
すなわち、レーザ光の照射によりマスク形成用膜8’に初期孔81を形成することで、従来のようなフォトリソグラフィ法によって開口部を形成する場合に比べて簡単かつ安価に、所定パターンで開口部(初期孔81)を有するマスクを得ることができる。これにより生産性が向上し、安価に凹部付き基板6を提供することができる。
また、上述したような方法によれば、大型の基板に対する処理も容易に行うことができる。大型の基板を製造する場合に、従来のように複数の基板を貼り合わせる必要がなくなり、貼り合わせの継ぎ目をなくすことができる。これにより高品質で大型の凹部付き基板(マイクロレンズ基板)を簡便な方法で安価に製造することができる。
また、初期孔81の形成をレーザの照射により行う場合、形成される初期孔81の形状、大きさ、配列等を、容易かつ確実に管理することができる。
次に、上述した凹部付き基板6を用いて、マイクロレンズ基板1を製造する方法について説明する。
図5、図6は、図1に示すマイクロレンズ基板の製造方法の第1実施形態を示す模式的な縦断面図である。なお、以下の説明では、図5、図6中の下側を「(光の)入射側」、上側を「(光の)出射側」と言う。
本実施形態の製造方法では、マイクロレンズが設けられている面側に、後に詳述する着色液を付与して、マイクロレンズが設けられている面を着色した後、当該マイクロレンズの頂部付近の着色剤を選択的に分解することにより、着色部22および低着色濃度部24を有するマイクロレンズ21を形成する。
<B1>まず、図5(a)に示すように、凹部付き基板6の凹部61が形成された側の面に、流動性を有する状態の樹脂材料23(例えば、軟化状態の樹脂材料23、未重合(未硬化)の樹脂材料23)を付与し、樹脂材料23を平板11で押圧する。特に、本実施形態では、凹部付き基板6と、平板11との間に、スペーサー20を配した状態で、樹脂材料23を押圧する。これにより、形成されるマイクロレンズ基板1の厚さをより確実に制御することができ、最終的に得られるマイクロレンズ基板1での、マイクロレンズ21の焦点の位置をより確実に制御することができ、色ムラ等の不都合の発生をより効果的に防止することができる。
スペーサー20は、樹脂材料23(固化後の樹脂材料23)と同程度の屈折率を有する材料で構成されている。このような材料で構成されたスペーサー20を用いることにより、凹部付き基板6の凹部61が形成された部位にスペーサー20が配された場合であっても、スペーサー20が得られるマイクロレンズ基板1の光学特性に悪影響を及ぼすのを効果的に防止することができる。これにより、凹部付き基板6の主面(凹部が形成された面側)の有効領域のほぼ全体にわたって、比較的多くのスペーサー20を配することが可能となり、結果として、凹部付き基板6、平板11のたわみ等による影響を効果的に排除し、得られるマイクロレンズ基板1の厚さをより確実に制御することができる。
上述したように、スペーサー20は、樹脂材料23(固化後の樹脂材料23)と同程度の屈折率を有する材料で構成されているが、より具体的には、スペーサー20の構成材料の絶対屈折率と固化後の樹脂材料23の絶対屈折率との差の絶対値が、0.20以下であるのが好ましく、0.10以下であるのがより好ましく、0.02以下であるのがさらに好ましく、固化後の樹脂材料23とスペーサー20とが同一の材料で構成されたものであるのが最も好ましい。
スペーサー20の形状は、特に限定されないが、略球状、略円柱状であるのが好ましい。スペーサー20がこのような形状のものである場合、その直径は、10〜300μmであるのが好ましく、30〜200μmであるのがより好ましく、30〜170μmであるのがさらに好ましい。
なお、上記のようにスペーサー20を用いる場合、樹脂材料23を固化する際に、凹部付き基板6と平板11との間にスペーサー20が配されていればよく、スペーサー20を供給するタイミングは特に限定されない。例えば、凹部付き基板6の凹部61が形成された側の面に、付与する樹脂として予めスペーサー20が分散された樹脂材料23を用いてもよいし、凹部付き基板6上にスペーサー20を配した状態で樹脂材料23を付与してもよいし、樹脂材料23の供給後にスペーサー20を付与してもよい。
また、平板11は、樹脂材料23を押圧する側の面に、前述したような離型処理が施されたものであってもよい。これにより、後述する工程において、平板11を効率良く基板2’の表面から取り除くことができる。
<B2>次に、樹脂材料23を固化(ただし、硬化(重合)を含む)させ、その後、平板11を取り除く(図5(b)参照)。これにより、凹部61に充填された樹脂で構成されたマイクロレンズ21’(着色部22および低着色濃度部24を有していないマイクロレンズ21’)を備えた基板2’が得られる。
樹脂材料23の固化を硬化(重合)により行う場合、その方法としては、例えば、紫外線等の光の照射、電子線の照射、加熱等の方法が挙げられる。
<B3>次に、図5(c)に示すように、基板2’を、凹部付き基板6から取り外す。
なおここで、必要に応じて樹脂材料23の中には、光源からの入射光を拡散させるために、拡散材として例えばポリスチレンビーズ、ガラスビーズ、有機架橋ポリマーなどを混ぜても良い。ここで拡散材は樹脂材料23全体に混入しても良いし、一部にのみ混入しても良い。拡散材の量は特に限定するものではないが、視野角特性の観点から、Haze(くもり度:Td/Tt、Td:拡散光線透過率、Tt:全光線透過率)が、例えば30〜99%になるようにすることが好ましい。
<B4>次に、マイクロレンズ用凹部付き基板6から取り外された基板2’に対して着色液を付与することにより、基板2’のマイクロレンズ21’が形成されている面側に着色部22’(低着色濃度部24が形成されていない着色部22’)を形成し、基板2”を得る(図6(d)参照)。
着色液としては、着色剤とベンジルアルコールとを含むものを用いることができる。このような着色液を用いることにより、基板本体の着色を容易かつ確実に行うことができる。特に、アクリル系樹脂のように、従来の着色方法では着色が困難であった材料で構成された基板本体に対しても、容易かつ確実に着色を施すことができる。これは、以下のような理由によるものであると考えられる。
すなわち、ベンジルアルコールを含む着色液を用いることにより、着色液中のベンジルアルコールが基板本体中に深く侵入、拡散し、基板本体を構成する分子の結合(分子間結合)を緩め、着色剤が侵入するための空間を確保する。そして、ベンジルアルコールにより確保された空間に着色剤が容易に、深く入りこむことにより、前記空間(着色剤のための座席(着色座席)に例えることができる)に着色剤が保持され、基板本体が着色され、また容易に脱離しない。
また、上記のような着色液を用いることにより、均一な濃度の着色部を容易かつ確実に形成することができる。特に、着色に供される基板本体(ワーク)が、その表面にマイクロレンズのような微細な構造を有するもの(二次元方向への凹凸の周期がいずれも小さいもの)、また、着色されるべき領域が大面積のものであっても、樹脂の重合の不均一に伴う欠陥があっても、ベンジルアルコールが樹脂の分子の結合そのものを緩めることができるため、均一な濃度で(透過率のムラなく)着色部を形成することができる。
なお、ここで、アクリル樹脂に対して、ベンジルアルコールは特に前述の着色座席を確保する働きが強い。このために着色剤をより効率的に基板本体に取りこむことが可能となる。
着色液の付与方法としては、例えば、ドクターブレード、スピンコート、刷毛塗り、スプレー塗装、静電塗装、電着塗装、ロールコーター、捺染等の各種塗布法や、基板本体2を着色液中に浸漬するディッピング等の方法が挙げられるが、中でも、ディッピング(特に、浸染)が好ましい。これにより、容易かつ確実に着色部22’(特に、均一な濃度の着色部22)を形成することができる。また、特に、着色液の付与を浸染により行う場合、着色液が付与される基板本体2が、アクリル系樹脂のような、従来の方法では、着色するのが困難であった材料で構成されたものであっても、容易かつ確実に着色することができる。これは、ベンジルアルコールと浸染に用いることができる染料が溶液中に十二分に存在しているため、ベンジルアルコールが十分に着色座席を確保し、着色が容易に、且つ、大面積においても均一に行うことができるためである。
着色液を付与する工程は、着色液および/または基板本体2を、60〜100℃とした状態で行うのが好ましい。これにより、大面積でも均一にベンジルアルコールの着色座席の確保を促進させ、さらには着色速度を上げ、効率良く着色部22’を形成することができる。
また、着色液を付与する工程は、例えば、雰囲気圧を高めた状態(加圧した状態)で行ってもよい。これにより、着色液の基板本体内部への侵入を促進することができ、結果として、着色部22’を短時間で効率良く形成することができる。
なお、着色液の付与は、必要に応じて(例えば、形成すべき着色部22の濃度を濃くしたい場合等においては)、複数回繰り返し行ってもよい。
また、着色液の付与後、必要に応じて、加熱、冷却等の熱処理、光照射、雰囲気の加圧、減圧等の処理を施してもよい。これにより、着色部22の定着(安定化)を促進することができる。
以下、本工程で用いる着色液についてより詳細に説明する。
着色液中におけるベンジルアルコールの含有率は、特に限定されないが、0.01〜10.0wt%であるのが好ましく、0.05〜8.0wt%であるのがより好ましく、0.1〜5.0wt%であるのがさらに好ましい。ベンジルアルコールの含有率が上記範囲内の値であると、着色部22を形成すべき基板本体に対する悪影響の発生(例えば、基板の構成材料の劣化等)をより効果的に防止しつつ、容易かつ確実に好適な着色部22を形成することができる。
着色液中に含まれる着色剤は、各種染料、各種顔料等、いかなるものであってもよいが、染料であるのが好ましく、分散染料および/またはカチオン系染料であるのがより好ましく、分散染料であるのがさらに好ましい。これにより、着色部を形成すべき基板本体に対する悪影響の発生(例えば、基板の構成材料の劣化等)を十分に防止しつつ、効率良く着色部を形成することができる。特に、着色液が付与される基板本体2が、アクリル系樹脂のような、従来の方法では、着色するのが困難であった材料で構成されたものであっても、容易かつ確実に着色することができる。これは、上記のような着色剤が、アクリル系樹脂等が有するエステル基(エステル結合)を染着座席とするために、より着色しやすいためであると考えられる。
また、着色液は、上記成分の他に、界面活性剤を含むものであるのが好ましい。これにより、着色剤を、安定的に、均一に分散させることができ、着色液が付与される基板本体2が、アクリル系樹脂のような、従来の方法では、着色するのが困難であった材料で構成されたものであっても、容易かつ確実に着色することができる。界面活性剤としては、例えば、非イオン系(ノニオン系)、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。非イオン系(ノニオン系)界面活性剤としては、例えば、エーテル系界面活性剤、エステル系界面活性剤、エーテルエステル系界面活性剤、含窒素系界面活性剤等が挙げられ、より具体的には、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等が挙げられる。また、アニオン系界面活性剤としては、例えば、各種ロジン、各種カルボン酸塩、各種硫酸エステル塩、各種スルホン酸塩、各種リン酸エステル塩等が挙げられ、より具体的には、ガムロジン、重合ロジン、不均一化ロジン、マレイン化ロジン、フマール化ロジン、マレイン化ロジンペンタエステル、マレイン化ロジングリセリンエステル、トリステアリン酸塩(例えば、アルミニウム塩等の金属塩等)、ジステアリン酸塩(例えば、アルミニウム塩、バリウム塩等の金属塩等)、ステアリン酸塩(例えば、カルシウム塩、鉛塩、亜鉛塩等の金属塩等)、リノレン酸塩(例えば、コバルト塩、マンガン塩、鉛塩、亜鉛塩等の金属塩等)、オクタン酸塩(例えば、アルミニウム塩、カルシウム塩、コバルト塩等の金属塩等)、オレイン酸塩(例えば、カルシウム塩、コバルト塩等の金属塩等)、パルミチン酸塩(例えば、亜鉛塩等の金属塩等)、ナフテン酸塩(例えば、カルシウム塩、コバルト塩、マンガン塩、鉛塩、亜鉛塩等の金属塩等)、レジン酸塩(例えば、カルシウム塩、コバルト塩、マンガン鉛塩、亜鉛塩等の金属塩等)、ポリアクリル酸塩(例えば、ナトリウム塩等の金属塩等)、ポリメタクリル酸塩(例えば、ナトリウム塩等の金属塩等)、ポリマレイン酸塩(例えば、ナトリウム塩等の金属塩等)、アクリル酸−マレイン酸共重合体塩(例えば、ナトリウム塩等の金属塩等)、セルロース、ドデシルベンゼンスルホン酸塩(例えば、ナトリウム塩)、アルキルスルホン酸塩、ポリスチレンスルホン酸塩(例えば、ナトリウム塩等の金属塩等)、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩(例えば、ナトリウム塩等の金属塩等)等が挙げられる。また、カチオン系界面活性剤としては、例えば、1級アンモニウム塩、2級アンモニウム塩、3級アンモニウム塩、4級アンモニウム塩等の各種アンモニウム塩等が挙げられ、より具体的には、(モノ)アルキルアミン塩、ジアルキルアミン塩、トリアルキルアミン塩、テトラアルキルアミン塩、ベンザルコニウム塩、アルキルピリジウム塩、イミダゾリニウム塩等が挙げられる。また、両性界面活性剤としては、例えば、カルボキシベタイン、スルホベタイン等の各種ベタイン、各種アミノカルボン酸、各種リン酸エステル塩等が挙げられる。
以上、説明したように、本実施形態の製造方法では、着色液にベンジルアルコールを含むことにより、着色が困難なアクリル樹脂を基板に用いた場合でも、容易に、かつ、大面積でも均一な着色を可能とすることができる。
<B5>次に、基板2”の着色部22’が形成されたマイクロレンズ21”の頂部付近の着色剤を脱色し、低着色濃度部24を形成する(低着色濃度部形成工程)。これにより、図1に示すような、マイクロレンズ基板1(本発明のレンズ基板)が得られる。
本実施形態では、図6(e)に示すように、マイクロレンズ21”の頂部付近をオゾン水3に接触させることにより、マイクロレンズ21”の頂部付近の着色剤を脱色し、低着色濃度部24を形成する。これにより、マイクロレンズ21”の頂部付近の着色剤を選択的に脱色することができ、より確実に低着色濃度部24を形成することができる。
オゾン水のオゾン濃度は、特限定されないが、1〜35ppmであるのが好ましく、5〜30ppmであるのがより好ましい。これにより、効率良く低着色濃度部24を形成することができる。
また、このオゾン濃度と接触させる処理時間を変化させることにより、低着色濃度部の濃度を任意に変化させることができる。
なお、低着色濃度部24を形成すべき部位以外の部位にマスク材を付与した後に、オゾン水を付与してもよい。これにより、より確実にマイクロレンズ21”の頂部付近に低着色濃度部24を形成することができる。
なお、本明細書において、「脱色」とは、着色剤の分解や、着色剤の除去等を意味し、色が薄くなる退色も含むものである。
[マイクロレンズ基板の製造方法−第2の方法]
次に、マイクロレンズ基板1の製造方法の一例として、第2の方法(第2実施形態)について説明する。以下、本実施形態について、前述した実施形態との違いを中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。
図7は、図1に示すマイクロレンズ基板の製造方法の第2実施形態を示す模式的な縦断面図である。なお、以下の説明では、図7中の下側を「(光の)入射側」、上側を「(光の)出射側」と言う。
本実施形態では、前述した第1実施形態と同様にして得られた、着色部22および低着色濃度部24を有していないマイクロレンズ21’を備えた基板2’の、マイクロレンズ21’の頂部付近を冷却した後、上記着色液をマイクロレンズ21’が設けられている面側に付与する。
<C1>まず、前述した第1実施形態と同様にして、図5(c)に示すような基板2’を得る。
<C2>次に、図7(d)に示すように、冷却部材4を用いて、基板2’のマイクロレンズ21’の頂部付近を冷却する。
<C3>マイクロレンズ21’の頂部付近を冷却した状態(すなわち、マイクロレンズ21’の頂部付近が他の部位よりも温度が低い状態)で、基板2’のマイクロレンズ21’が設けられている面に、前述した着色液を付与し、基板2’のマイクロレンズ21’が形成されている面を着色する。このとき、マイクロレンズ21’の頂部付近は、他の部位よりも温度が低いため、着色液の浸透速度(染色速度)が遅くなっている。このため、マイクロレンズ21’の頂部付近の着色濃度は、他の部位の着色濃度よりも低くなる。これにより、マイクロレンズ21’の頂部付近に低着色濃度部24が形成される。これにより、図1に示すようなマイクロレンズ基板1(本発明のレンズ基板)が得られる。
このように、マイクロレンズの頂部付近を冷却することで着色液の浸透速度をコントロールすることにより、容易に低着色濃度部を形成することができる。
[マイクロレンズ基板の製造方法−第3の方法]
次に、マイクロレンズ基板1の製造方法の一例として、第3の方法(第3実施形態)について説明する。以下、本実施形態について、前述した実施形態との違いを中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。
本実施形態では、前述した第1実施形態と同様にして得られた、着色部22および低着色濃度部24を有していないマイクロレンズ21’を備えた基板2’の、マイクロレンズ21’の頂部付近の低着色濃度部24を形成すべき部位に、着色を阻害するマスクを形成した後、前述した着色液をマイクロレンズ21’が設けられている面側に付与する。
図8は、図1に示すマイクロレンズ基板の製造方法の第3実施形態を示す模式的な縦断面図である。なお、以下の説明では、図8中の下側を「(光の)入射側」、上側を「(光の)出射側」と言う。
<D1>まず、前述した第1実施形態と同様にして、図5(c)に示すような基板2’を得る。
<D2>次に、図8(d)に示すように、マイクロレンズ21’の頂部付近に形成される低着色濃度部24に対応する部位に、着色するのを阻害するマスク材9を付与する(マスク材付与工程)。
このようなマスク材9を構成する材料としては、例えば、レジスト材、フッ素樹脂、各種粘接着剤、各種撥水剤や撥水樹脂、水溶性の糊等が挙げられる。中でも、着色剤として染色液を用いた場合、マスク材9を構成する材料として、防染剤(防染剤を含む糊)を用いるのが好ましい。これにより、より確実に、かつ、容易に低着色濃度部24を形成することができる。
マスク材9を形成する方法としては、特に限定されず、例えば、ロールコーター、刷毛塗り、ドクターブレード、転写、フレキソ印刷などの各種印刷法等が挙げられる。
<D3>次に、基板2’のマイクロレンズ21’が設けられている面に、前述した着色液を付与し、基板2’のマイクロレンズ21’が形成されている面を着色する。このとき、マイクロレンズ21’の頂部付近は、マスク材9が形成されているため、着色液が浸透しないか、または、着色液の浸透速度(染色速度)が遅くなっている。このため、マイクロレンズ21’の頂部付近の着色濃度は、他の部位の着色濃度よりも低くなる。これにより、マイクロレンズ21’の頂部付近に低着色濃度部24が形成される。
<D4>その後、マスク材9を除去し、図1に示すようなマイクロレンズ基板1(本発明のレンズ基板)が得られる。
このように、マスク材9を用いることにより、簡便に着色部22と低着色濃度部24とを備えたマイクロレンズ基板1を形成することができる。また、マスク材9を用いた場合、低着色濃度部24中に含まれる着色剤の濃度をより小さいものとすることができる。その結果、低着色濃度部24の光の透過率がより高いものとすることができ、光の利用効率がさらに向上する。
なお、上記説明では、マスク材9を除去するものとして説明したが、マスク材9は、実質的に透明で、着色液で着色されないか、または基板2’の着色部22よりも着色剤の濃度が薄いものであれば、除去しなくてもよい。
なお、上記第1の方法、第2の方法および第3の方法を組み合わせて用いてもよい。これにより、より確実に低着色濃度部を形成することができる。
[マイクロレンズ基板の製造方法−第4の方法]
次に、マイクロレンズ基板1の製造方法の一例として、第4の方法(第4実施形態)について説明する。以下、本実施形態について、前述した実施形態との違いを中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。
本実施形態では、前述した第1実施形態と同様にして得られた、着色部22および低着色濃度部24を有していないマイクロレンズ21’を備えた基板2’に対向するように、マイクロレンズ21’の頂部付近が着色するのを阻害する着色阻害部材を設置し、この着色阻害部材とマイクロレンズ21’の頂部付近に接触させた状態で、着色液をマイクロレンズ21’が設けられている面側に付与する。
図9は、図1に示すマイクロレンズ基板の製造方法の第4実施形態を示す模式的な縦断面図である。なお、以下の説明では、図9中の下側を「(光の)入射側」、上側を「(光の)出射側」と言う。
<E1>まず、前述した第1実施形態と同様にして、図5(c)に示すような基板2’を得る。
<E2>次に、図9(d)に示すように、基板2’に対向するように、着色阻害部材40を設置し、マイクロレンズ21’の頂部付近と着色阻害部材40とが接触するようにする。
<E3>この状態で基板2’のマイクロレンズ21’が設けられている面に、前述した着色液を付与し、基板2’のマイクロレンズ21’が形成されている面を着色する。このとき、マイクロレンズ21’の頂部付近は、着色阻害部材40が遮蔽板となって、着色液の供給が遅くなっている(着色速度の低下)。このため、マイクロレンズ21’の頂部付近の着色濃度は、他の部位の着色濃度よりも低くなる。これにより、マイクロレンズ21’の頂部付近に低着色濃度部24が形成される。これにより、図1に示すようなマイクロレンズ基板1(本発明のレンズ基板)が得られる。
なお、着色阻害部材40とマイクロレンズ21’の頂部付近とは、接触してなくてもよい。この場合、基板2’とマスク部材の間の距離を変化させることにより、着色速度を変化させることができ、任意の濃度差を形成することができる。
このように、基板2’に対向してマスク部材を設置することで着色液の供給速度を変えられることにより、容易に低着色濃度部を形成することができる。
[透過型スクリーン]
次に、上述したようなマイクロレンズ基板1を備えた透過型スクリーン10について説明する。
図10は、図1に示すマイクロレンズ基板を備えた、本発明の透過型スクリーンの好適な実施形態を示す模式的な縦断面図である。なお、以下の説明では、図9中の左側を「(光の)入射側」、右側を「(光の)出射側」と言う。
図10に示すように、透過型スクリーン10は、フレネルレンズ部5と、前述したマイクロレンズ基板1とを備えている。フレネルレンズ部5は、光(画像光)の入射側に設置されており、フレネルレンズ部5を透過した光が、マイクロレンズ基板1に入射する構成になっている。
フレネルレンズ部5は、出射側表面に、ほぼ同心円状に形成されたプリズム形状のフレネルレンズ51を有している。このフレネルレンズ部5は、投射レンズ(図示せず)からの画像光を屈折させ、マイクロレンズ基板1の主面の垂直方向に平行な平行光Laにするものである。
以上のように構成された透過型スクリーン10では、投射レンズからの映像光が、フレネルレンズ部5によって屈折し、平行光Laとなる。そして、この平行光Laは、マイクロレンズ基板1の着色部が形成された面側からに入射し、各マイクロレンズ21によって一旦集光する。その後、集光した光は、拡散し、観察者に平面画像として観測される。
[リア型プロジェクタ]
以下、前記透過型スクリーンを用いたリア型プロジェクタについて説明する。
図11は、本発明のリア型プロジェクタの構成を模式的に示す図である。
同図に示すように、リア型プロジェクタ300は、投写光学ユニット310と、導光ミラー320と、透過型スクリーン10とが筐体340に配置された構成を有している。
そして、このリア型プロジェクタ300は、上記のような透過型スクリーン10を備えているので、高輝度でコントラストに優れた画像を得ることができる。さらに、上記のようなマイクロレンズ基板1(透過型スクリーン10)を備えているので、視野角特性等も特に優れたものとなる。
また、特に、前述したマイクロレンズ基板1では、楕円形状のマイクロレンズ21が千鳥状(千鳥格子状)に配されているので、リア型プロジェクタ300では、モアレ等の問題が特に発生し難い。
以上、本発明のレンズ基板、レンズ基板の製造方法、透過型スクリーンおよびリア型プロジェクタについて、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。
例えば、レンズ基板、透過型スクリーン、リア型プロジェクタを構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。
また、低着色濃度部の形成は、前述した実施形態に限定されない。例えば、レンズが設けられている面を着色した後、レンズの頂部付近を物理的に除去することにより低着色濃度部を形成してもよい。すなわち、レンズの頂部付近に形成された着色部を、例えば、レーザ光の照射、機械的な切除、研削、研磨等によって除去し、着色されていない部位をレンズ表面に露出させ、これを低着色濃度部としてもよい。このようにして形成された低着色濃度部は、実質的に着色剤を含んでいないから、光の透過率がより高いものとなり、得られるマイクロレンズ基板は、光の利用効率に優れたものとなる。
また、前述した実施形態では、スペーサーとして、樹脂(固化後の樹脂)と同程度の屈折率を有するものを用いるものとして説明したが、スペーサーは、実質的に、凹部付き基板の凹部が形成されていない領域のみ(非有効領域)に配されるものである場合、樹脂(固化後の樹脂)と同程度の屈折率を有するものでなくてもよい。また、マイクロレンズ基板の製造に際して、上記のようなスペーサーは必ずしも用いなくてもよい。
また、前述した実施形態では、凹部付き基板の表面に樹脂を付与するものとして説明したが、例えば、平板の表面に樹脂を付与し、これを凹部付き基板で押圧することにより、マイクロレンズ基板を製造してもよい。
また、前述した実施形態では、マイクロレンズ用凹部付き基板の製造方法の初期孔形成工程において、初期孔81とともに、基板7に初期凹部71を形成するものとして説明したが、このような初期凹部71は形成されなくてもよい。初期孔81の形成条件(例えば、レーザのエネルギー強度、ビーム径、照射時間等)を適宜調整することにより、所望の形状の初期凹部71を形成したり、初期凹部71が形成されないように初期孔81のみを選択的に形成することができる。
また、前述した実施形態では、低着色濃度部と着色部とが、明確に分かれているものとして説明したが、例えば、低着色濃度部と着色部とは、その界面が明確でなくてもよい。すなわち、レンズ中央からレンズ外側に向かって、着色濃度が傾斜的に変化するものであってもよい。
また、本発明のレンズ基板は、必要に応じて遮光層としてブラックマトリックスを備えてもよい。
また、前述した実施形態では、マイクロレンズ基板におけるマイクロレンズ、および、凹部付き基板における凹部は、千鳥状に配列したものとして説明したが、マイクロレンズ、凹部の配列はいかなるものであってもよく、例えば、正方格子状、ハニカム状に配列したものであってもよい。また、マイクロレンズ、凹部は、ランダムに形成されたものであってもよい。
また、前述した実施形態では、透過型スクリーンが、マイクロレンズ基板(レンズ基板)とフレネルレンズとを備えるものとして説明したが、本発明の透過型スクリーンは、必ずしも、フレネルレンズを備えたものでなくてもよい。例えば、本発明の透過型スクリーンは、実質的に、本発明のレンズ基板のみで構成されたものであってもよい。
また、前述した実施形態では、視野角上の観点から、より望ましい形状のレンズ部として、マイクロレンズを備えた構成について説明したが、レンズ基板を構成するレンズ部(レンズ)は、これに限定されず、例えば、レンチキュラレンズであってもよい。レンチキュラレンズを使用することにより、レンズ部の製造工程を簡略化することができ、また、透過型スクリーンの生産性を向上させることができる。レンズ部として、レンチキュラレンズを使用する場合、ブラックマトリックスの代わりにストライプ状の遮光層(ブラックストライプ)が形成される。このような構成においても、前記実施形態と同様の作用・効果が得られる。
また、前述した実施形態では、レンズ基板は、透過型スクリーン、リア型プロジェクタを構成する部材であるものとして説明したが、本発明のレンズ基板は、透過型スクリーン、リア型プロジェクタに適用されるものに限定されず、いかなる用途のものであってもよい。例えば、本発明のレンズ付き基板は、投射型表示装置(フロントプロジェクタ)の液晶ライトバルブの構成部材に適用されるものであってもよい。
[レンズ基板および透過型スクリーンの作製]
(実施例1)
以下のように、マイクロレンズ形成用の凹部を備えた凹部付き基板を製造した。
まず、基板として、横1.2m×縦0.7m角、厚さ4.8mmのソーダガラス基板(絶対屈折率n:1.50)を用意した。
このソーダガラス基板を、4wt%の一水素二フッ化アンモニウムと、8wt%の過酸化水素とを含む洗浄液に浸漬して6μmエッチングを行い、その表面を清浄化した。
その後、純水洗浄およびNガスを用いた乾燥(純水の除去)を行った。
次に、このソーダガラス基板上に、スパッタリング法にて、クロム/酸化クロムの積層体(クロムの外表面側に酸化クロムが積層された積層体)を形成した。すなわち、ソーダガラス基板の表面に、クロム/酸化クロムの積層体で構成されたのマスク形成用膜および裏面保護膜を形成した。クロム層の厚さは0.03μm、酸化クロム層の厚さは0.01μmであった。
次に、マスク形成用膜に対してレーザ加工を行い、マスク形成用膜の中央部113cm×65cmの範囲に多数の初期孔を形成し、マスクとした。
なお、レーザ加工は、エキシマレーザを用いて、エネルギ密度1.2J/cm、加工点でのビーム直径2μm、走査速度0.1m/秒という条件で行った。
これにより、マスク形成用膜の上記範囲全面に亘って、所定の長さを有する初期孔が、千鳥状に配されたパターンで形成された。初期孔の平均幅は2μmであり、平均長さは2μmであった。
次に、ソーダガラス基板にウェットエッチングを施し、ソーダガラス基板上に多数の平面視したときの形状が扁平形状(略楕円形状)の凹部(マイクロレンズ形成用凹部)を形成した。形成された多数の凹部は、互いにほぼ同一の形状を有していた。形成された凹部の短軸方向の長さ(ピッチ)は54μm、長軸方向の長さは72μm、曲率半径は40μm、深さは40μmであった。また、凹部が形成されている有効領域における凹部の占有率は100%であった。
なお、ウェットエッチングは、エッチング液として、4wt%の一水素二フッ化アンモニウムと、8wt%の過酸化水素とを含む水溶液を用い、浸漬時間は2.0時間とした。
次に、硝酸第二セリウムアンモニウムと過塩素酸との混合物を用いてエッチングすることにより、マスクおよび裏面保護膜を除去した。
次に、純水洗浄およびNガスを用いた乾燥(純水の除去)を行った。
その後、基板の凹部が形成されている面側に、ヘキサメチルジシラザンによる気相表面処理(シリル化処理)を行い、離型処理部を形成した。
これにより、図2に示すような、ソーダガラス基板上に、マイクロレンズ形成用の多数の凹部が千鳥状に配列された凹部付き基板を得た。得られた凹部付き基板を平面視したときに、凹部が形成されている有効領域において、凹部が占める面積の割合が97%であった。
次に、凹部付き基板の凹部が形成された側の面に、未重合(未硬化)のアクリル系樹脂(PMMA樹脂(メタクリル樹脂))を付与した。この際、アクリル系樹脂(PMMA樹脂(メタクリル樹脂))の硬化物で構成された略球形状のスペーサー(直径50μm)を、凹部付き基板のほぼ全面に配しておいた。また、スペーサーは、約3個/cmの割合で配した。
次に、ソーダガラスで構成された平板で、前記アクリル系樹脂を押圧した。この際、平板とアクリル系樹脂との間に、空気が侵入しないようにした。また、平板としては、アクリル系樹脂を押圧する側の面に、ヘキサメチルジシラザンによる気相表面処理(離型処理)が施されたものを用いた。
その後、120℃に加熱することにより、アクリル系樹脂を硬化させ、多数個のマイクロレンズ(着色部および低着色濃度部を有さないマイクロレンズ)を備えた基板を得た。得られた基板(硬化後の樹脂)の屈折率nは、1.51であった。また、得られた基板の樹脂層(マイクロレンズを除く部分)の厚さは50μmであった。また、扁平形状(略楕円形状)のマイクロレンズは、その短軸方向の長さ(直径)が54μm、長軸方向の長さが72μm、曲率半径が40μm、高さが40μmであった。また、マイクロレンズが形成されている有効領域におけるマイクロレンズの占有率は100%であった。
次に、平板と凹部付き基板とを取り除き、基板本体を得た。
その後、基板本体に対して、浸染により着色液を付与した。このとき、マイクロレンズが形成された面側全体が着色液に接触し、かつ、マイクロレンズが形成された面とは反対側の面には着色液が接触しないようにした。また、着色液を付与する際の基板本体および着色液の温度は、90℃に調整した。着色液としては、分散染料(Blue(双葉産業製)):2重量部、分散染料(Red(双葉産業製)):0.1重量部、分散染料(Yellow(双葉産業製)):0.05重量部、ベンジルアルコール:10重量部、界面活性剤:2重量部、純水:1000重量部の混合物を用いた。
上記のような条件で、基板本体と着色液とを20分間接触させた後、着色液が貯留された槽から、基板本体を取り出し、十分水洗した後、乾燥させた。
その後、オゾン水に、マイクロレンズの頂部付近を浸漬させた。オゾン水としては、オゾン濃度が25ppmのものを連続的に供給できるようにした。なお、処理時間は、2分であった。
その後、純水洗浄およびNガスを用いた乾燥(純水の除去)を行うことにより、着色部および低着色濃度部が形成されたマイクロレンズ基板を得た。なお、低着色濃度部および着色部を顕微鏡で拡大して、着色濃度を比較したところ、低着色部以外の着色部の濃度Cを1とした時の、低着色部の濃度Cの比C/Cは0.5であった。
以上のようにして製造されたマイクロレンズ基板と、押出成形により作製したフレネルレンズ部とを組み立てることにより、図10に示すような透過型スクリーンを得た。
(実施例2、3)
実施例1と同様のプロセスで、着色部まで形成した基板を用い、オゾン水の濃度およびオゾン水への浸漬時間を変更することにより、低着色濃度部における着色濃度を表1に示すように変更した以外は、前記実施例1と同様にしてマイクロレンズ基板、透過型スクリーンを製造した。
(実施例4)
まず、前記実施例1と同様にして基板本体を得た。
次に、基板本体のマイクロレンズの頂部付近に20℃の冷却水を内部に循環させた冷却部材を接触させた。
その後、基板本体に対して、浸染により着色液を付与した。このとき、マイクロレンズが形成された面側全体が着色液に接触し、かつ、マイクロレンズが形成された面とは反対側の面には着色液が接触しないようにした。また、着色液を付与する際の着色液の温度は、90℃に調整した。着色液としては、分散染料(Blue(双葉産業製)):2重量部、分散染料(Red(双葉産業製)):0.1重量部、分散染料(Yellow(双葉産業製)):0.05重量部、ベンジルアルコール:10重量部、界面活性剤:2重量部、純水:1000重量部の混合物を用いた。
上記のような条件で、基板本体と着色液とを20分間接触させた後、着色液が貯留された槽から、基板本体を取り出し、十分水洗した後、乾燥させた。
その後、純水洗浄およびNガスを用いた乾燥(純水の除去)を行うことにより、着色部および低着色濃度部が形成されたマイクロレンズ基板を得た。
その後、以上のようにして製造されたマイクロレンズ基板を用いて、前記実施例1と同様にして、透過型スクリーンを製造した。
(実施例5、6)
実施例4と同様のプロセスで、着色部まで形成した基板を用い、レンズ頂部付近の冷却温度および着色液の温度、浸染時間を変更することにより、低着色濃度部における着色濃度を表1に示すように変更した以外は、前記実施例4と同様にしてマイクロレンズ基板、透過型スクリーンを製造した。
(実施例7)
まず、前記実施例1と同様にして基板本体を得た。
次に、基板本体のマイクロレンズの頂部付近の低着色濃度部を形成すべき部位に、防染材を含む糊で構成されたマスク材を転写により付与し乾燥させた。
その後、基板本体に対して、浸染により着色液を付与した。このとき、マイクロレンズが形成された面側全体(マスク材が付与されている部位以外)が着色液に接触し、かつ、マイクロレンズが形成された面とは反対側の面には着色液が接触しないようにした。また、着色液を付与する際の基板本体および着色液の温度は、90℃に調整した。着色液としては、分散染料(Blue(双葉産業製)):2重量部、分散染料(Red(双葉産業製)):0.1重量部、分散染料(Yellow(双葉産業製)):0.05重量部、ベンジルアルコール:10重量部、界面活性剤:2重量部、純水:1000重量部の混合物を用いた。
上記のような条件で、基板本体と着色液とを20分間接触させた後、着色液が貯留された槽から、基板本体を取り出し、十分水洗した後、乾燥させた。
その後、マスク材を洗浄により除去し、そして、純水洗浄およびNガスを用いた乾燥(純水の除去)を行うことにより、着色部および低着色濃度部が形成されたマイクロレンズ基板を得た。
その後、以上のようにして製造されたマイクロレンズ基板を用いて、前記実施例1と同様にして、透過型スクリーンを製造した。
(実施例8、9)
実施例7と同様のプロセスで、着色部まで形成した基板を用い、転写条件を変えることにより、マイクロレンズ上へのマスク材の形成領域(マイクロレンズに面積対するマスク材の形成面積)を変えるとともに、着色液の温度、浸染時間を変更することにより、低着色濃度部における着色濃度を表1に示すように変更した以外は、前記実施例4と同様にしてマイクロレンズ基板、透過型スクリーンを製造した。
(実施例10)
まず、前記実施例1と同様にして基板本体を得た。
次に、基板本体に相対するように着色阻害部材としてSUS板を設置した。このときマイクロレンズの頂部とマスク板の間が2mmになるように間隔を置いた。
その後、基板本体に対して、浸染により着色液を付与した。このとき、マイクロレンズが形成された面側全体が着色液に接触し、かつ、マイクロレンズが形成された面とは反対側の面には着色液が接触しないようにした。また、着色液を付与する際の着色液の温度は、90℃に調整した。着色液としては、分散染料(Blue(双葉産業製)):2重量部、分散染料(Red(双葉産業製)):0.1重量部、分散染料(Yellow(双葉産業製)):0.05重量部、ベンジルアルコール:10重量部、界面活性剤:2重量部、純水:1000重量部の混合物を用いた。
上記のような条件で、基板本体と着色液とを20分間接触させた後、着色液が貯留された槽から、基板本体を取り出し、十分水洗した後、乾燥させた。
その後、純水洗浄およびNガスを用いた乾燥(純水の除去)を行うことにより、着色部および低着色濃度部が形成されたマイクロレンズ基板を得た。
その後、以上のようにして製造されたマイクロレンズ基板を用いて、前記実施例1と同様にして、透過型スクリーンを製造した。
(実施例11、12)
実施例10と同様のプロセスで、着色部まで形成した基板を用い、着色液の温度、浸染時間を変更することにより、低着色濃度部における着色濃度を表1に示すように変更した以外は、前記実施例4と同様にしてマイクロレンズ基板、透過型スクリーンを製造した。
(比較例1)
オゾン水による着色剤の分解を行わなかった以外は、前記実施例1と同様にしてマイクロレンズ基板、透過型スクリーンを製造した。
(比較例2)
着色液の温度、浸染時間を変更することにより、着色部の濃度を変更した以外は、前記比較例1と同様にしてマイクロレンズ基板、透過型スクリーンを製造した。
(比較例3)
着色液の付与を行わず、基板本体をそのままマイクロレンズ基板とした以外は、前記実施例1と同様にして透過型スクリーンを製造した。
(比較例4)
以下に述べるように、特開平11−125704号公報に記載の方法に従い、レンチキュラレンズ基板を製造した。
まず、図12に示すように、連続したフィルム状のアクリル系樹脂で構成されたベース部材T15が巻かれたロールT51と、ベース部材T15の片面(入光側)に、溶剤で希釈した透明かつ非着色の未重合(未硬化)のアクリル系樹脂(透明樹脂)T12AをコーティングするコータT52と、ベース部材T15にコーティングされた透明樹脂T12Aを乾燥させる乾燥機T53と、レンチキュラレンズ形状の型が形成された金型ロールT54と、その金型ロールT54に、着色された未重合(未硬化)のアクリル系樹脂(着色樹脂)T13を塗工するディスペンサT55と、金型ロールT54に着色樹脂T13、透明樹脂T12Aを挟んで、ベース部材T15をニップするニップロールT56と、金型ロールT54の型内の着色樹脂T13、透明樹脂T12AにUVを照射するUVランプT57と、成形されたレンチキュラレンズ基板(レンチキュラレンズシート)T10を金型ロールT54から離型する離型ロールT58などとを備えたレンチキュラレンズ基板製造装置T50を用意した。
このレンチキュラレンズ基板製造装置T50において、フィルム状のベース部材T15に、コータT52を用いて、高粘度の透明樹脂T12Aを、溶剤希釈してコートした(透明樹脂コート工程)後に、乾燥機T53によって、温風乾燥して(溶剤乾燥工程)、流動性を抑えた、透明樹脂層を形成した。
次に、着色樹脂T13を、金型ロールT54に塗工して、その着色樹脂T13が塗工された金型ロールT54に、ニップロールT56によって、透明樹脂T12Aがコートされたベース部材T15を、着色樹脂T13と透明樹脂T12Aが積層されるようにしてニップした。
その後に、UVランプT57によって、ベース部材T15側から、紫外線を照射して(照射工程)、着色樹脂T13と透明樹脂T12Aとを硬化させた。最後に、金型ロールT54から、ベース部材T15に着色樹脂T13と透明樹脂T12Aからなるレンズ部T12が形成されたレンチキュラレンズ基板T10を剥離し、レンチキュラレンズ基板T10を得た。
得られたレンチキュラレンズ基板T10は、1.2m×0.7m角で、中央部113cm×65cmの範囲に多数の直線状のレンチキュラレンズが、互いに平行になるように形成されたものであった。また、得られたレンチキュラレンズ基板の樹脂層の厚さは1mmであった。また、着色部の濃度は、Y値(D65/2°視野)で約65%であった。また、隣接する溝−溝間(レンズ間)のピッチは、70μmであった。また、形成されたレンチキュラレンズは、互いにほぼ同一の曲率半径(35μm)を有するものであった。
なお、ベース部材T15、透明樹脂T12A、着色樹脂T13を構成するアクリル系樹脂としては、PMMA樹脂(メタクリル樹脂)を用いた。また、着色樹脂T13としては、一般的にTint材と呼ばれる顔料をベース部材に事前に練り込んだものを用いた。また樹脂中には拡散材が混入されているが、比較のため、他の水準と同様Haze70%とした。
前記各実施例および各比較例について、マイクロレンズ基板の製造に用いた凹部付き基板が有する凹部の形状、配列パターン、製造されたマイクロレンズ基板が有するマイクロレンズの形状、配列パターン、着色部、低着色濃度部の構成等を表1にまとめて示す。なお、比較例3については、マイクロレンズに関する欄にレンチキュラレンズの条件を示した。
Figure 2007003955
[透過率の測定]
前記各実施例および各比較例の透過型スクリーンを用いて透過率を測定した。透過率は島津製作所製の分光光度計UV−3100を用い、全光線透過率を測定し、Y値を比較した。
同一の光透過性能(透過率)を持つスクリーンにおいては、後述するコントラストが高いほど、光効率が高いと言える。
[リア型プロジェクタの作製]
前記各実施例および各比較例の透過型スクリーンを用いて、図11に示すようなリア型プロジェクタを、それぞれ作製した。
[コントラストの評価]
前記各実施例および各比較例のリア型プロジェタについて、コントラストの評価を行った。
コントラスト(CNT)として、明室において413lxの全白光が入射した時の白表示の正面輝度(白輝度)LW[cd/m]と、明室において光源を全消灯した時の黒表示の正面輝度(黒輝度)LB[cd/m]との比LW/LBを求めた。なお、明室での測定は、外光照度が約185lxの環境下で行った。なお、求めたLW/LBを以下の4段階の基準に従い、評価した。
◎:LW/LBが300以上。
○:LW/LBが250以上、300未満。
△:LW/LBが200以上、250未満。
×:LW/LBが200未満。
[視野角の測定]
前記各実施例および各比較例のリア型プロジェクタの透過型スクリーンにサンプル画像を表示させた状態で、水平方向の正面から30°傾いた位置で画像を観察し、以下の4段階の基準に従い、評価した。なお、画像の色再現性の優劣も評価に含めた。
◎:非常に鮮明な画像が得られた。
○:十分に鮮明な画像が得られた。
△:やや鮮明さに劣る画像が得られた。
×:不鮮明な画像が得られた。
[回折光、モアレ、色ムラの評価]
前記各実施例および各比較例のリア型プロジェクタの透過型スクリーンにサンプル画像を表示させた。表示された画像について、回折光、モアレ、色ムラの発生状況を以下の4段階の基準に従い評価した。なお、画像の色再現性の優劣も色ムラの評価に含めた。
◎:回折光、モアレ、色ムラが全く認められない。
○:回折光、モアレ、色ムラがほとんど認められない。
△:回折光、モアレ、色ムラのうち少なくとも一つがわずかに認められる。
×:回折光、モアレ、色ムラのうち少なくとも一つが顕著に認められる。
これらの結果を表2にまとめて示す。
Figure 2007003955
表2から明らかなように、本発明では、比較例1に示した低着色濃度部を有さないものと比べて、いずれも、高輝度の画像が得られる(光の利用効率に優れる)とともに、優れたコントラストが得られ、また、視野角特性にも優れていた。また、本発明では、回折光、モアレ、色ムラのない優れた画像を表示することができた。すなわち、本発明では、優れた画像を安定的に表示することができた。これに対し、比較例では、満足な結果が得られなかった。
本発明のレンズ基板(マイクロレンズ基板)を示す模式的な縦断面図である。 図1に示すレンズ基板の平面図である。 レンズ基板(マイクロレンズ基板)の製造に用いる凹部付き基板を示す模式的な縦断面図である。 図3に示す凹部付き基板の製造方法を示す模式的な縦断面図である。 図1に示すレンズ基板(マイクロレンズ基板)の製造方法の一例を示す模式的な縦断面図である。 図1に示すレンズ基板(マイクロレンズ基板)の製造方法の一例を示す模式的な縦断面図である。 図1に示すレンズ基板(マイクロレンズ基板)の製造方法の一例を示す模式的な縦断面図である。 図1に示すレンズ基板(マイクロレンズ基板)の製造方法の一例を示す模式的な縦断面図である。 図1に示すレンズ基板(マイクロレンズ基板)の製造方法の一例を示す模式的な縦断面図である。 図1に示すレンズ基板(マイクロレンズ基板)を備えた、本発明の透過型スクリーンの好適な実施形態を示す模式的な縦断面図である。 本発明の透過型スクリーンを適用したリア型プロジェクタを模式的に示す図である。 比較例でのレンチキュラレンズ基板の製造に用いた製造装置の構成を示す図である。
符号の説明
1…マイクロレンズ基板 2…基板本体 2’、2”…基板 21…マイクロレンズ(凸レンズ) 212…中心 22、22’…着色部(外光吸収部) 23…樹脂材料 24…低着色濃度部 25…第1の行 26…第2の行 21’、21”…マイクロレンズ 3…オゾン水 4…冷却部材 40…着色阻害部材 5…フレネルレンズ部 51…フレネルレンズ 6…凹部付き基板(マイクロレンズ形成用凹部付き基板) 61…凹部(マイクロレンズ形成用凹部) 7…基板 71…初期凹部 8…マスク 8’…マスク形成用膜 81…初期孔(開口部) 89…裏面保護膜 9…マスク材 11…平板 10…透過型スクリーン 20…スペーサー 300…リア型プロジェクタ 310…投写光学ユニット 320…導光ミラー 340…筐体 T50…レンチキュラレンズ基板製造装置 T10…レンチキュラレンズ基板(レンチキュラレンズシート) T12A…透明かつ非着色の未重合(未硬化)のアクリル系樹脂(透明樹脂) T13…未重合(未硬化)のアクリル系樹脂(着色樹脂) T15…ベース部材 T51…ロール T52…コータ T53…乾燥機 T54…金型ロール T55…ディスペンサ T56…ニップロール T57…UVランプ T58…離型ロール

Claims (15)

  1. 複数の凸レンズを有するレンズ基板であって、
    前記凸レンズが設けられている面側に着色部を有し、
    前記凸レンズの頂部付近に、前記凸レンズが設けられている面側の他の部位よりも着色剤濃度が低い低着色濃度部を有することを特徴とするレンズ基板。
  2. レンズ基板を平面視したときの前記レンズの幅をW[μm]、レンズ基板を平面視したときの前記低着色濃度部の幅をW[μm]としたとき、0.1≦W/W≦0.99の関係を満足する請求項1に記載のレンズ基板。
  3. 前記レンズ基板は、マイクロレンズ基板である請求項1または2に記載のレンズ基板。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載のレンズ基板を製造する方法であって、
    着色剤を付与し、前記凸レンズが設けられている面側を着色する着色剤付与工程と、
    前記凸レンズの頂部付近を脱色し、低着色濃度部を形成する工程とを有することを特徴とするレンズ基板の製造方法。
  5. 前記脱色は、オゾンを用いて行う請求項4に記載のレンズ基板の製造方法。
  6. 請求項1ないし3のいずれかに記載のレンズ基板を製造する方法であって、
    前記凸レンズの頂部付近を冷却した状態で、前記凸レンズが設けられている面側に、前記着色剤を付与する着色剤付与工程を有することを特徴とするレンズ基板の製造方法。
  7. 前記着色剤付与工程の後、前記凸レンズの頂部付近を脱色する工程を有する請求項6に記載のレンズ基板の製造方法。
  8. 請求項1ないし3のいずれかに記載のレンズ基板を製造する方法であって、
    前記凸レンズの頂部付近に、前記着色剤が接触するのを阻害するマスク材を付与する工程と、
    前記凸レンズが設けられている面側に、前記着色剤を付与する着色剤付与工程とを有することを特徴とするレンズ基板の製造方法。
  9. 前記マスク材は、主として、防染剤で構成されたものであり、かつ、
    前記着色剤は、染料を含むものである請求項8に記載のレンズ基板の製造方法。
  10. 請求項1ないし3のいずれかに記載のレンズ基板を製造する方法であって、
    前記凸レンズが設けられている面と対向するように、前記凸レンズの頂部付近が着色するのを阻害する着色阻害部材を設置する工程と、
    前記阻害部材を設置した状態で、前記凸レンズが設けられている面側に、前記着色剤を付与する着色剤付与工程とを有することを特徴とするレンズ基板の製造方法。
  11. 前記着色剤付与工程の後、前記凸レンズの頂部付近を脱色する工程を有する請求項8ないし10のいずれかに記載のレンズ基板の製造方法。
  12. 前記着色剤付与工程において、前記凸レンズの頂部付近を冷却した状態で着色剤を付与する請求項8ないし11のいずれかに記載のレンズ基板の製造方法。
  13. 前記着色剤付与工程において、前記着色剤とベンジルアルコールとを含む着色液を付与する請求項4ないし12のいずれかに記載のレンズ基板の製造方法。
  14. 請求項1ないし3のいずれかに記載のレンズ基板を備えたことを特徴とする透過型スクリーン。
  15. 請求項14に記載の透過型スクリーンを備えたことを特徴とするリア型プロジェクタ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011515239A (ja) * 2008-02-05 2011-05-19 セリグラフ インコーポレイテッド 向上した鮮明度および奥行きを有する画像を表示するための印刷物品

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