JP2007003584A - 液晶光学素子およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】
液晶セル内部の発泡を抑制した高品位の液晶光学素子を提供する。
【解決手段】
本発明の一態様にかかる液晶光学素子100は、一方が少なくとも透明な一対の電極102付き基板101を有する液晶光学素子100であって、一対の基板101間を接着する接着材104と、一対の基板101と接着材104とで形成された空間に封入された液晶/硬化物の複合体層107であって、電極102間に電圧を印加することにより透明状態から散乱状態に切り替わる液晶/硬化物複合体層107と、一対の基板101と接着材104とで形成された空間に配置され、基板間隔よりも小さい非熱可塑性樹脂のスペーサ105とを備え、前記一対の基板の中央における基板間隔は、基板間隔は、接着材104の高さよりも大きいものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、液晶光学素子に関し、特に液晶/硬化物複合体を備える液晶光学素子及びその製造方法に関する。
液晶光学素子は、低消費電力および薄型かつ軽量という利点を有することから、携帯端末機器、音響映像機器などの表示素子として広く使用されている。その中で、近年、電界により液晶分子の配列を制御して、光散乱状態を変化させる表示方式の液晶光学素子が提案されている(例えば、特許文献1〜2参照)。
この液晶光学素子は、液晶と透明な高分子とを複合して、高分子と液晶、または液晶内部の微小領域間の屈折率差を生じさせる透過−散乱型の光学素子である。液晶/高分子複合体素子、液晶/樹脂複合体素子などと呼ばれている。この素子は、TN型液晶パネル等の従来方式と異なり、原理的に偏光板を必要としない。したがって、光の吸収損失が少なく、かつ高い散乱特性を有し、素子全体における光の利用効率が高い。この液晶光学素子の中で、電圧非印加時に散乱状態、電圧印加時には透明状態のものが商用化されている。
このような液晶光学素子の製造方法として、一対の基板と接着材とで形成された空間に液晶と光硬化性化合物の混合物を注入し、光を照射することによって、液晶/硬化物複合体を形成する方法が知られている(特許文献3参照)。
この場合、光を照射し、液晶と光硬化性化合物の混合物が液晶/硬化物複合体へと重縮合するに伴い、その体積が小さくなってしまう。したがって、図5に示すように、両基板11の間隔を規定するスペーサ12は、両基板11に押しつぶされることとなる。このため、スペーサ12が両基板11を押し上げる反発力により両基板11と接着材15からなる空間、液晶セル内部の圧力が低下し、液晶/硬化物の複合体層14中に泡16が発生してしまうという問題があった。
米国特許公報第5188760号明細書 国際公開第92/19695号パンフレット 特開2000−119656号公報
このように、従来の液晶光学素子では、その液晶/硬化物複合体中に泡が発生してしまい、高品位の液晶光学素子を製造することができなかった。本発明は、上記のような事情を背景としてなされたものであって、本発明の目的は、高品位な液晶光学素子を提供することである。
本発明の第1の態様にかかる液晶光学素子は、一方が少なくとも透明な一対の電極付き基板を有する液晶光学素子であって、前記一対の基板を接着する接着材と、前記一対の基板と前記接着材とで形成された空間に封入された液晶/硬化物複合体であって、前記電極間に電圧を印加することにより透明状態から散乱状態に切り替わる液晶/硬化物複合体と、前記一対の基板と前記接着材とで形成された空間に配置され、前記一対の基板の基板間隔よりも小さい非熱可塑性樹脂のスペーサとを備え、前記一対の基板の中央における基板間隔は、前記接着材の高さよりも大きいものである。このような構成を有することによって、液晶光学素子内部の発泡を抑制することができる。
本発明の第2の態様にかかる液晶光学素子は、上記の液晶光学素子において、前記一対の基板と前記接着材とで形成された空間に配置され、前記基板間隔と等しい高さの熱可塑性樹脂の柱構造を備えるものである。このような構成を有することによって、耐衝撃性を向上させ、簡便に液晶光学素子内部の発泡を抑制することができる。
本発明の第3の態様にかかる液晶光学素子は、上記の液晶光学素子において、一対の基板と柱構造とがそれぞれ接着しているものである。このような構成を有することによって、さらに耐衝撃性を向上させ、簡便に液晶光学素子内部の発泡を抑制することができる。
本発明の第4の態様にかかる液晶光学素子は、上記の液晶光学素子において、前記硬化物が光硬化性化合物の硬化物であるものである。これによって、簡便に液晶内部の発泡を抑制することができる構造を形成することができる。
本発明の第5の態様にかかる液晶光学素子は、前記液晶は負の誘電異方性を有し、前記液晶を基板面に垂直に配向させる配向膜が少なくとも一方の基板に備えられているものである。これによって、液晶光学素子の表示特性を向上させることができる。
本発明の第6の態様にかかる液晶光学素子の製造方法は、一方が少なくとも透明な一対の電極付き基板を有する液晶光学素子の製造方法であって、前記基板の少なくとも一方に非熱可塑性樹脂のスペーサを配置し、前記一方の基板と他方の基板の周囲を接着材で接着し、前記一対の基板と接着材とで形成された空間に液晶と光硬化性化合物の混合物を注入し、前記接着材及び前記スペーサの高さよりも前記一対の基板の中央における基板間隔が大きくなるように、前記液晶と光硬化性化合物の混合物に光照射して、前記電極間に電圧を印加することにより透明状態から散乱状態に切り替わることができる液晶/硬化物複合体を形成する。これによって、液晶光学素子内部の発泡を抑制することができる。
本発明の第7の態様にかかる液晶光学素子の製造方法は、上記の液晶光学素子の製造方法において、前記一対の基板の少なくとも一方に熱可塑性樹脂を配置し、前記一対の基板を加熱しながら押圧することにより、前記一方の基板と他方の基板の周囲を接着材で接着し、かつ、熱可塑性樹脂の粒子を加熱変形させて柱構造を形成し、前記柱構造が形成された前記基板間に前記液晶と光硬化性化合物の混合物を注入し、前記接着材及び前記スペーサの高さよりも前記一対の基板の中央における基板間隔が大きくなるように前記柱構造を膨潤させる。これによって、簡便に液晶内部の発泡を抑制することができる。
本発明の第8の態様にかかる液晶光学素子の製造方法は、上記の液晶光学素子の製造方法において、前記スペーサ及び前記熱可塑性樹脂を同時に散布する。これによって、製造工程の増加を抑制することができる。
本発明の第9の態様にかかる液晶光学素子の製造方法は、上記の液晶光学素子の製造方法において、熱可塑性樹脂と基板とを接着させる。これによって、さらに耐衝撃性を向上させ、液晶光学素子内部の発泡を抑制することができる。
本発明の第10の態様にかかる液晶光学素子の製造方法は、上記の液晶光学素子の製造方法において、前記柱構造の膨潤は加熱しながら行う。これによって、製造タクトを短縮させることができる。
本発明によれば、高品位の液晶光学素子を提供できる。
以下、本発明を適用可能な実施の形態について説明する。説明の明確化のため、以下の記載は、適宜、省略及び簡略化がなされている。なお、各図において同一の符号を付されたものは同様の要素を示しており、適宜、説明が省略される。
本実施の形態にかかる液晶光学素子の構成の一例について図1を参照して説明する。図1は、本実施の形態にかかる液晶光学素子100の構成の一例を示す断面図である。液晶光学素子100は、基板101、電極102、配向膜103、接着材104、スペーサ105、柱構造106、複合体層107を備えている。
一対の基板101は、それぞれ電極102を有する。一対の基板101としては、例えば、透明なガラス基板でもフィルム基板でもよく、またガラス基板とフィルム基板の組み合わせでもよい。フィルム基板の場合、連続で供給される電極102を形成した基板を2本のゴムロールなどで挟み、連続で製造することができるため、生産性が高い。
また、ガラス基板の場合、電極面内に微量のスペーサ105を散布し、対向させた基板の4辺をエポキシ樹脂等の接着材104で封止セルとし、2カ所以上の設けた接着剤104の切り欠きの一方を液晶と硬化性化合物の混合物に浸し、他方より吸引することでセル内に混合物を満たし、硬化させ所望の液晶光学素子を得ることができる。また、真空注入法を用いることもできる。
電極102は、ITOなどの透明導電性膜からなる。電極102は、表示画面に対応して、所定のパターンが形成されている。また、電極102のうち一方が
アルミニウムや誘電体多層膜の反射電極であってもよい。
それぞれの基板101に設けられた電極102上にはそれぞれ、配向膜103が形成される。配向膜103は、後述する液晶を所定の方向に配向させるため、液晶と接するように形成される。両基板101に形成された配向膜103のうち少なくとも一方は、液晶を基板面に垂直に配向させることが好ましい。これにより、表示特性を向上することができる。また、配向膜103に所定の配向処理を施した一対の基板101の配向方向の組み合わせとしては、平行、直交、いずれでもよく、液晶光学素子100の表示面のムラが最小となるよう角度を設定すればよい。
接着材104は、両基板101を接着する。接着材104は両基板101の周囲に沿って配置される。接着材104の高さは、両基板101の間隔よりも低い。すなわち、両基板101の間隔は接着材104の高さよりも大きく、液晶光学素子100の両基板101の中央が膨らんだ太鼓状の形状となっている。
両基板101及び接着材104で形成された空間には、スペーサ105が配置される。スペーサ105は、後述する柱構造106の高さを規定する。スペーサ105は、架橋したアクリル樹脂など従来使用されている非熱可塑性樹脂からなる。スペーサ105は、両基板101の間隔よりも小さい。本実施の形態においては、接着材104の高さは6.2μm、スペーサ105は直径約6μmの球状スペーサ、基板101の中央の間隔は7.5μmである。
また、両基板101及び接着材104で形成された空間には、接着性を有する熱可塑性樹脂からなる柱構造106が配置される。この柱構造106は、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂などの熱可塑性樹脂からなる。柱構造106は、液晶光学素子100の耐衝撃性を向上させる。柱構造106は両基板101と接着しており、柱構造106の高さは両基板101の間隔と等しい。すなわち、両基板101の基板間隔は、柱構造106の高さと一致する。
また、両基板101及び接着材104で形成された空間には液晶と光硬化性化合物の混合物に光照射することにより形成される複合体層107が封入されている。複合体層107は、基板101間に形成された樹脂構造と、垂直配向せしめられた液晶とを備えている。液晶はもっぱら、ドメイン構造を有しており、電圧印加時に散乱するので、散乱表示部と呼ばれる。散乱表示部は電圧非印加時には透明状態であるが、電圧印加時には透過率が変化して散乱状態となる。従って、散乱表示部は電圧によって液晶が動作する動作領域となる。
本発明に用いることのできる液晶としては、一般的な表示材料として、あるいは電界駆動型表示素子の材料として使用されるネマチック液晶などの液晶が使用可能である。これらの液晶は、一般的に使用されている液晶と同様に、単独で使用される必要はなく、2種類以上の液晶を組み合わせて使用してもよい。また、電界による表示を目的とする場合は、液晶の配向方向を垂直にすることで、表示特性の改善ができることから、誘電率異方性が負のものを用いるのが好ましい。しかし、誘電率異方性の極性は、正負どちらを取っていてもよい。また、駆動電圧を低下させるためには、誘電率異方性が大きいほうが好ましい。
本実施の形態に好適な光硬化性化合物について説明する。本実施の形態の液晶光学素子は、液晶と光硬化性化合物の複合体層107を形成する化合物が、少なくとも次の化学式(1)で示される二官能重合性化合物(A)の一種以上、化学式(2)で示される二官能重合性化合物(B)の一種以上及び非重合性の前記液晶を含む混合物に由来する複合体である。
Figure 2007003584
Figure 2007003584
前記二官能重合性化合物(A)は、高分子化合物のなかで、剛直性を有する主骨格成分を形成する。一方、前記二官能重合性化合物(B)は、高分子化合物のなかで、衝撃吸収の役割を果たすことができる柔軟成分を形成する。このような物性の異なる化合物を組み合わせることによって、液晶光学素子100として良好な液晶/硬化性化合物の複合体層107を形成できる。
二官能重合性化合物(A)について説明する。二官能重合性化合物(A)は化学式(1)の条件を満たす化合物であれば、格別に制限はない。このような化合物としてはメソゲンモノマーや液晶モノマー、重合性液晶などといった名称で呼ばれることがあるが、必ずしもそのような化合物に限定されることはなく、非重合性の液晶への溶解性が良好であるものを選択して用いることができる。
例えば、特開平4−227684号公報などに記載されている公知の化合物を適宜選択して使用できる。このような構造を有していると、液晶への溶解性が向上するからである。さらに、二官能重合性化合物(A)は以下のような構造であることが好ましい。
化学式(1)で表される二官能重合性化合物(A)が下記条件を満たす化合物であることが好ましい。
、Aが、それぞれ独立に、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基またはビニルエーテル基である。
、Q、Q、Qが、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい1,4−フェニレン基または1,4−シクロヘキシレン基である。
、Xが、それぞれ独立に、単結合、酸素原子またはエステル結合である。
、Rが、それぞれ独立に、単結合または炭素原子間に一個または複数個のエーテル性酸素原子を有していてもよい直鎖または分枝状炭素数2〜20のアルキレン基である。
、Z、Zが、それぞれ独立に、単結合、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−CH−CH−、−C≡C−、−CH−O−、−O−CH−である。
p、qが、いずれも0であるかまたは一方が0で他方が1である。
また、化学式(1)で表される二官能重合性化合物(A)が下記条件を満たす化合物であることが好ましい。
、Aが、それぞれ独立に、アクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基である。
、Qがいずれも置換基を有していてもよい1,4−フェニレン基であり、Q、Qが、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい1,4−フェニレン基または1,4−シクロヘキシレン基である。
、Z、Zが、それぞれ独立に、単結合、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−CH−CH−または−C≡C−である。
p、qが、いずれも0であるかまたは一方が0で他方が1である。
また、化学式(1)で表される二官能重合性化合物(A)が下記条件を満たす化合物であることが好ましい。
、Aがいずれもアクリロイルオキシ基である。
、Qがいずれも置換基を有していてもよい1,4−フェニレン基であり、Q、Qが、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい1,4−フェニレン基または1,4−シクロヘキシレン基である。
、Rが、それぞれ独立に、直鎖または分枝状炭素数2〜20のアルキレン基である。
が、単結合、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−CH−CH−または−C≡C−であり、Z、Zがいずれも単結合である。
p、qが、いずれも0であるかまたは一方が0で他方が1である。
本発明の液晶光学素子100で用いる液晶/硬化物の複合体層107を形成するための、前記二官能重合性化合物(A)の具体例としては、下記化学式(3)の化合物を例示することができる。
Figure 2007003584
前記二官能重合性化合物(A)は、その性質から液晶性を有する化合物と液晶性を有しない化合物に分けられる。液晶性を有する二官能重合性化合物(A)を混合物の一成分として使用することができる。つまり、液晶性を有しない二官能重合性化合物(A)のみを用いる場合以外に、液晶性を有しない二官能重合性化合物(A)と液晶性を有する二官能重合性化合物(A)を組み合わせて用いたり、液晶性を有する二官能重合性化合物(A)を単独で用いることができる。
次に、二官能重合性化合物(B)について説明する。二官能重合性化合物(B)は、化学式(2)を満たすものであれば格別制限されない。例えば、下記条件を満たす化合物である。
、Aが、それぞれ独立に、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基またはビニルエーテル基である。
が、−R−または−(R−O)−R−である。
ただし、Rは炭素数2〜20の直鎖または分枝状アルキレン基であり、Rは炭素数2〜8の直鎖または分枝状アルキレン基であり、nは1〜10の整数である。
または、Rが炭素数2〜20の直鎖アルキレン基であり、Rが−(CH2)r−、−CH−CH(CH3)−、−CH−CH−CH(CH3)−または−CH−CH−C(CH3−であり(ただし、rは2〜5の整数)、nが1〜6の整数である、化合物である。
前記化合物(B)は、単独で使用することもできるし、あるいは2種類以上組み合わせて使用することもできる。下記化学式(4)に具体例を示す。
Figure 2007003584
二官能重合性化合物(B)は重合性基A,Aを有し、重合性基間を連結するRを有する。Rとしては原子間に単結合を有し分子内回転の自由度の高い基から選択して用いる。このように構成することで、重合された高分子の柔軟性を向上させることができる。また、重合相分離の反応性を高めることにも寄与する。
,A間の炭素原子数、エーテル性酸素原子数が多いほど柔軟性は向上する。一方、液晶との相溶性は原子数が多いほど低下する傾向がある。そのため、原子数を適切に選択する。また、炭素原子数は、混合液を液晶セル内に真空注入する製造方法を採用する場合には、混合液からの揮発性成分の飛散を考慮して8以上、好ましくは11以上とする。エーテル性酸素原子は含まれていても含まれていなくてもよい。エーテル性酸素原子を含んでいる場合は、高分子の柔軟性が向上するので、好ましい。
化学式(B)の化合物は分子内にQのような基を含まないためRに含まれる炭素原子数を増やすことが比較的容易である。この構造の採用により、高分子の柔軟性の向上に大きく寄与する。
重合性モノマーを重合させるためには、重合開始剤を使用することが好ましい。このような重合開始剤としては、公知の重合触媒から適宜選択できるが、光重合相分離法を用いる場合は、ベンゾインエーテル系、アセトフェノン系、フォスフィンオキサイド系などの一般に光重合に用いられる光重合開始剤を使用できる。
さらに、コントラスト比や安定性の向上を目的として、種々の化合物を添加することもできる。たとえば、コントラストの向上を目的として、アントラキノン系、スチリル系、アゾメチン系、アゾ系等の各種二色性色素が使用可能である。その場合、二色性色素は、基本的に液晶化合物と相溶し、高分子化合物とは不相溶であることが好ましい。このほかに、酸化防止剤、紫外線吸収剤、各種可塑剤も、安定性や耐久性向上の点から好ましく使用される。
ここで、上述した液晶光学素子100の動作について説明する。両電極102に電圧を印加すると電極間の電界により液晶がランダムに配向して、複合体層107は散乱状態となる。一方、電極102間に電圧を印加していないときは、液晶が配向しているため、複合体層107は透明状態となる。透明状態の複合体層107は、液晶光学素子100の背面を観察することができる。このように電圧の印加、非印加によって、散乱状態と透明状態が変化するため、形成されている電極102のパターンに応じて所望の画像を表示することができる。
液晶光学素子100の透過−散乱モードとして、電圧印加時に透過状態をとり、電圧非印加時に散乱状態をとるものもある。しかし、液晶光学素子100を使用しないとき(電圧非印加時)は透明であって、液晶光学素子の存在自体が、利用者に目障りになったり、圧迫感を与えることが少なく、開放感を与える液晶光学素子を実現することが好ましいが、どちらの形態をとっていてもよい。
ここで、上述の液晶光学素子100の製造方法について、図2を参照して説明する。図2は、本実施の形態にかかる液晶光学素子100の製造方法を示すフローチャートである。まず、空セルを形成する(ステップS101)。具体的には、両基板101にそれぞれ所定のパターンの電極102を形成する。そして、電極102を覆うように配向膜103を形成する。その後、一方の基板101の配向膜103形成面側にスペーサ105および熱可塑性樹脂の粒子を散布機を用いて散布する。この熱可塑性樹脂の粒子が柱構造106となる。液晶光学素子100を形成するもう一方の基板101には、接着材104を塗布する。
そして2枚の基板101をアライメントマークなどを用い位置あわせを行った後、加熱圧着する。加熱圧着することにより、熱可塑性樹脂の粒子は押しつぶされ、2枚の基板101間を接着する。また、押しつぶされた熱可塑性樹脂の粒子は、耐衝撃性を向上させる柱構造106となる。圧着後の基板101の間隔は、スペーサ105によって規制、保持され、熱可塑性樹脂は基板間隔の高さの柱構造106となる。これによって、耐衝撃性を向上させることができる。上記の工程により、空セルを形成する。
そして、柱構造106を形成した後の2枚の基板101及び接着材104とで形成される空間に、ネマチック液晶と光硬化性化合物の混合物108を注入する(ステップS102)。その後、接着材104及びスペーサ105の高さよりも一対の基板101の中央の間隔を大きくする(ステップS103)。光硬化性化合物に含まれるモノマーにより柱構造106を膨潤させ、その高さをスペーサ105の高さよりも高くすることで容易に実現することができる。すなわち、接着材104及びスペーサ105の高さよりも一対の基板101の間隔が大きくなるように、さらに混合物108を注入する。具体的には、通常の液晶注入よりも長時間液晶を注入する。
図3は、一対の基板の中央における基板間隔と注入時間の関係を表す図である。図3に示すように、注入時間を長くするにつれて、より多くの混合物108がセル内部に注入され、柱構造106が膨潤し、基板間隔が大きくなる。これにより、注入直後のセルは、図4(a)に示す構成となる。例えば、本実施の形態の場合、注入時間を17時間とし、上述したように、スペーサ105の直径が6.0μmで、基板101の中央の間隔を7.5μmとすることができる。また、柱構造106の膨潤は、加熱して行うことが好ましい。これにより、柱構造106の膨潤にかかる時間を短縮することができ、製造タクトを短くすることができる。常温より20℃以上加熱して注入及び基板間隔拡張工程(ステップS103)を行うと、注入時間の短縮と膨潤時間の短縮ができる。また、注入工程の温度に対して、基板間隔拡張工程(ステップS103)の温度を段階的に上げることもできる。
その後、注入口を封止し、紫外線光源などを用いて露光する(ステップS104)。注入口の封止と混合物108の露光とは、同時に行ってもよく、別々に行ってもよい。露光することにより、液晶と光硬化性化合物の混合物108は重縮合し、液晶/硬化物の複合体層107が形成される。これに伴い、液晶と光硬化性化合物の混合物108の体積は小さくなる。これにより、液晶光学素子100は、図4(b)に示す構成となる。すなわち、液晶と光硬化性化合物の混合物108を空セル内に注入した直後(図4(a))の基板間隔よりも、露光後(図4(b))の基板間隔は狭くなる。
しかしながら、上述したように、基板101の中央の間隔はスペーサ105の高さよりも大きくなっている。このため、露光後においても、基板101によりスペーサ105が押しつぶされることはない。したがって、従来の押しつぶされたスペーサ105が両基板101を押し上げる反発力により発生していた液晶セル内部の圧力低下を抑制することができ、複合体層107中の発泡を抑制することができる。したがって、より高品位な液晶光学素子100を製造することができる。
露光前の基板101の間隔は、スペーサ105の高さよりも1μm以上大きいことが好ましい。これによって、露光後にスペーサ105が押しつぶされることにより発生するセル内部の発泡をより確実に抑制することができる。
また、露光後の完成した液晶光学素子100を、高温高湿チャンバーに入れて、信頼性試験を行うことがある。この場合、熱と湿度により液晶光学素子100の接着材104の高さが高くなってしまうことがある。このとき、複合体層107の体積は変化しないため、基板101の中央がへこんでしまうこととなり、スペーサ105を押しつぶしてしまうことがあった。このため、スペーサ105の反発力により複合体層107の内部に泡が発生してしまっていた。
しかしながら、本実施の形態にかかる液晶光学素子100によれば、スペーサ105の高さよりも基板間隔が大きいため、信頼性試験により基板101の中央がへこんでしまったとしても、基板101によりスペーサ105は押しつぶされることがない。したがって、本発明によれば、液晶光学素子100の信頼性の向上も図ることが可能である。
実施例
接着剤104の高さを6.2μmとし、直径6.0μmの球状のスペーサ105を用いて空セルを形成した。この空セルに、50℃で17時間、液晶と光硬化性化合物の混合物を注入し(空間に混合物を充填してから12時間注入作業を継続)、柱構造106を膨潤させた。その後、露光して、スペーサ105の高さよりも基板間隔が大きい液晶光学素子を形成することができた。この場合、複合体層107の内部に泡は発生しなかった。また、上述した信頼性試験後においても、複合体層107の内部で発泡しなかった。
比較例として、上記の実施例と同様に形成した空セルに、50℃で5時間、液晶と光硬化性化合物の混合物を注入した(空間に混合物を充填させるのに5時間要した)。その後、露光すると、スペーサ105の高さよりも基板間隔が狭くなり泡が発生した。
このように、液晶光学素子100を構成する基板101がスペーサ105を押しつぶさないように、接着材104及びスペーサ105よりも基板間隔を大きくすることによって、液晶セル内部の発泡を抑制し、信頼性の高い、高品位な液晶光学素子100を提供することが可能である。
本実施の形態にかかる液晶光学素子の一例の断面図である。 本実施の形態にかかる液晶光学素子の製造方法を説明するためのフローチャートである。 本実施の形態にかかる液晶光学素子の液晶の注入時間に伴う基板間隔の変化を示すグラフである。 本実施の形態にかかる液晶光学素子の製造方法を説明するための断面図である。 従来の液晶光学素子の断面図である。
符号の説明
101 基板
102 電極
103 配向膜
104 接着材
105 スペーサ
106 柱構造
107 複合体層
108 混合物

Claims (10)

  1. 一方が少なくとも透明な一対の電極付き基板を有する液晶光学素子であって、
    前記一対の基板を接着する接着材と、
    前記一対の基板と前記接着材とで形成された空間に封入された液晶/硬化物複合体であって、前記電極間に電圧を印加することにより透明状態から散乱状態に切り替わる液晶/硬化物複合体と、
    前記一対の基板と前記接着材とで形成された空間に配置され、前記一対の基板の基板間隔よりも小さい非熱可塑性樹脂のスペーサとを備え、
    前記一対の基板の中央における基板間隔は、前記接着材の高さよりも大きい液晶光学素子。
  2. 前記一対の基板と前記接着材とで形成された空間に配置され、前記基板間隔と等しい高さの熱可塑性樹脂の柱構造を備える請求項1に記載の液晶光学素子。
  3. 前記一対の基板と前記柱構造とがそれぞれ接着していることを特徴とする請求項1又は2に記載の液晶光学素子。
  4. 前記硬化物が光硬化性化合物の硬化物である請求項1、2又は3に記載の液晶光学素子。
  5. 前記液晶は負の誘電異方性を有し、
    前記液晶を基板面に垂直に配向させる配向膜が少なくとも一方の基板に備えられている請求項1〜4のいずれか1項に記載の液晶光学素子。
  6. 一方が少なくとも透明な一対の電極付き基板を有する液晶光学素子の製造方法であって、
    前記基板の少なくとも一方に非熱可塑性樹脂のスペーサを配置し、
    前記一方の基板と他方の基板の周囲を接着材で接着し、
    前記一対の基板と接着材とで形成された空間に液晶と光硬化性化合物の混合物を注入し、
    前記接着材及び前記スペーサの高さよりも前記一対の基板の中央における基板間隔が大きくなるように、前記液晶と光硬化性化合物の混合物に光照射して、前記電極間に電圧を印加することにより透明状態から散乱状態に切り替わることができる液晶/硬化物複合体を形成する液晶光学素子の製造方法。
  7. 前記一対の基板の少なくとも一方に熱可塑性樹脂を配置し、
    前記一対の基板を加熱しながら押圧することにより、前記一方の基板と他方の基板の周囲を接着材で接着し、かつ、熱可塑性樹脂の粒子を加熱変形させて柱構造を形成し、
    前記柱構造が形成された前記基板間に前記液晶と光硬化性化合物の混合物を注入し、前記接着材及び前記スペーサの高さよりも前記一対の基板の中央における基板間隔が大きくなるように前記柱構造を膨潤させる請求項6に記載の液晶光学素子の製造方法。
  8. 前記スペーサ及び前記熱可塑性樹脂を同時に散布する請求項7に記載液晶光学素子の製造方法。
  9. 前記一対の基板と前記熱可塑性樹脂とを接着させる請求項7又は8に記載の液晶光学素子の製造方法。
  10. 前記柱構造の膨潤は、加熱しながら行う請求項7、8又は9に記載の液晶光学素子の製造方法。
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