JP2007001573A - 電動車両の駆動力制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】前輪Wf,Wfに直列に直結した内燃機関11及び第1モータ12に第1クラッチ13を介してトランスミッション14を接続してなるハイブリッド車両1において、3相のブラシレスDCモータをなす第2モータ16を第2クラッチ15を介してトランスミッション14に接続した。内燃機関11のアイドル停止状態から第2モータ16の駆動力により車両を発進させる場合に、モータ出力制御部18は、車両の走行路面の傾斜角に応じて第2モータ16に要求されるトルクを算出し、第2モータ16の何れかの相の固定子巻線に対する連続通電時間T1を算出する。通電後、第2モータ16の回転数が所定回転数以下か否かを判定し、「YES」の場合、一時的に第2クラッチ15の締結力を緩める。
【選択図】図1
Description
このような問題に対して、例えばストール状態が許容時間を超えて継続している場合には、走行用モータ及びインバータ等の電力装置の保護のためにトルク低減処理を行うと共に、トルク指令の低減制御を行う際に車両の後退速度を制限する電気自動車の駆動制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、例えばストール状態を検出したときに、スイッチング素子をなすトランジスタのジャンクション温度が所定の上限温度に到達するまでに要する時間を算出し、ストール状態の継続時間がこの時間に到達したときには走行用モータに対する電流指令値を制限する電動車両用モータ制御装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。
また、例えば運転者のアクセル操作量が所定値以上の状態でストール状態を検出したときに、走行用モータ及びインバータ等の電力回路の通電量を制限する電気自動車用制御装置が知られている(例えば、特許文献3参照)。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、走行用のモータやインバータ等の電力装置の局部発熱を抑制しつつ、ストール状態からの脱出能力を向上させることが可能な電動車両の駆動力制御装置を提供することを目的とする。
例えば伝達手段とされるクラッチ等においては、クラッチの締結力が一時的に低減させられることにより、対をなすクラッチ板に滑りが生じ、走行用モータ側のクラッチ板が駆動輪側のクラッチ板に対して相対的に回転させられ、走行用モータの通電相が切り替えられる。
これにより、例えば走行用モータに対するトルク指令値や電流指令値を低減させたり、単に通電量を制限する場合に比べて、インバータを構成するスイッチング素子の容量や耐熱限度を増大させたり、走行用モータ及びインバータ等の電力装置を冷却する冷却装置の性能を増大させる必要なしに、走行用モータやインバータ等の電力装置が過熱状態になることを防止しつつ、車両の登坂能力等のストール状態からの脱出能力を向上させることができる。
例えば伝達手段とされるクラッチ等においては、クラッチの締結状態が一時的に解除されることにより、対をなす走行用モータ側のクラッチ板と駆動輪側のクラッチ板とが相対的に回転させられ、走行用モータの通電相が切り替えられる。
これにより、例えば走行用モータに対するトルク指令値や電流指令値を低減させたり、単に通電量を制限する場合に比べて、インバータを構成するスイッチング素子の容量や耐熱限度を増大させたり、走行用モータ及びインバータ等の電力装置を冷却する冷却装置の性能を増大させる必要なしに、走行用モータやインバータ等の電力装置が過熱状態になることを防止しつつ、車両の登坂能力等のストール状態からの脱出能力を向上させることができる。
本実施の形態による電動車両の駆動力制御装置10は、例えば図1および図2に示すように、前輪Wf,Wfに対し、直列に直結した内燃機関(エンジン)11および第1モータ(M/G1)12に第1クラッチ13を介してトランスミッション(T/M)14を接続してなるハイブリッド車両1に搭載されており、第2クラッチ15を介してトランスミッション14に接続された第2モータ16と、バッテリ17と、モータ出力制御部18とを備えて構成され、さらに、モータ出力制御部18は、例えば、第1インバータ21と、第2インバータ22と、バッテリECU23と、モータECU24と、エンジンECU25と、マネージメントECU26とを備えて構成されている。
また、例えば車両のアイドル停止時のように内燃機関11の停止状態から車両を発進させる際には、第1クラッチ13の締結が解除され、かつ、第2クラッチ15が締結力を可変に締結されることで、第2モータ16の駆動力が前輪Wf,Wfに伝達されるようになっている。
ここで、各モータ12,16は、例えば永久磁石を有する回転子と、回転子を回転させる回転磁界を発生する複数相(例えば、3相等)の固定子巻線を有する固定子とを備えたブラシレスDCモータであって、第1モータ12の駆動及び回生作動は、モータECU24からの制御指令を受けて、例えばパルス幅変調(PWM)によるPWMインバータとされる第1インバータ21により行われる。同様に、第2モータ16の駆動は、モータECU24からの制御指令を受けて、例えばパルス幅変調(PWM)によるPWMインバータとされる第2インバータ22により行われる。
また、例えば複数のスイッチング素子がブリッジ接続されてなるブリッジ回路を備える各インバータ21,22は、各スイッチング素子の温度が所定の許容温度を超える、あるいは、超える虞があることを示す温度フェイルの信号を、モータECU24に出力する各信号出力部(図示略)を具備している。
そして、各インバータ21,22には、各モータ12,16と電気エネルギーの授受を行う高圧系のバッテリ17が接続されており、このバッテリ17は、例えば、複数のセルを直列に接続したモジュールを1単位として更に複数個のモジュールを直列に接続したものである。
なお、各インバータ21,22は、バッテリ17に対して並列に接続されている。
このため、モータECU24には、各モータ12,16に備えられた各位置検出器31,32から出力される各モータ12,16の磁極位置の検出信号と、
各インバータ21,22のスイッチング素子の温度に係る温度フェイルの信号とが入力されている。
このため、エンジンECU25には、例えばクランク軸の回転数を検出する回転数センサから出力される検出信号や、油圧センサから出力される検出信号や、車速センサ33から出力される車両の速度の検出信号や、スロットル弁のスロットル開度THを検出するスロットル開度センサ34から出力される検出信号とが入力されている。
そして、マネージメントECU26は、後述するように、例えば走行中の路面の傾斜角を検出し、この傾斜角と車両の運転状態とに応じて、各モータ12,16のトルクを算出し、さらに、各モータ12,16の作動状態(例えば、回転数や温度等)に応じて各クラッチ13,15の締結状態を制御する。
このため、マネージメントECU26には、バッテリECU23から出力されるバッテリ残容量SOCの検出信号と、モータECU24から出力される各モータ12,16の作動状態の情報や、エンジンECU25から出力される内燃機関11の作動状態の情報に加えて、クラッチON/OFFスイッチ35から出力される各クラッチ13,15の締結状態に係る信号と、走行路面の勾配を検出する適宜の勾配センサ36から出力される検出信号とが入力されている。
なお、以下においては、例えば登坂路等において、内燃機関11のアイドル運転が停止された停車状態から、車両を発進させる場合について説明する。この場合には、第1クラッチ13の締結は解除され、かつ、第2クラッチ15が締結力を可変に締結されることで、第2モータ16の駆動力により車両が発進させられる。
先ず、図3に示すステップS01においては、傾斜角センサ34から出力される検出信号に基づき、車両の走行路面の傾斜角を検出する。
次に、ステップS02においては、検出した傾斜角に基づき、第2モータ16に要求される最大発進トルク、つまり車両の後退を防止しつつ、車両を発進させるのに必要な所定値以上のトルクを算出する。
そして、ステップS04においては、第1クラッチ13の締結を解除し、かつ、第2クラッチ15を締結させた状態で、運転者によるアクセル操作量の変化(例えば、アクセルペダルの踏み込み量の変化等)に応じて、算出した連続通電時間T1に亘って、第2モータ16の何れかの相の固定子巻線に対して通電を行う。なお、ここで、通電相とされる第2モータ16の何れかの相の固定子巻線は、第2モータ16の磁極位置に応じて適宜に設定されるものである。
この判定結果が「NO」の場合には、一連の処理を終了する。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS06に進む。
そして、ステップS06においては、第2クラッチ15の締結力を緩めて、一連の処理を終了する。
すなわち、この第1変形例においては、上述した本実施の形態におけるステップS06の代わりに、以下に示すステップS11からステップS13の処理を実行しており、先ず、ステップS11においては、第2クラッチ15の締結を解除し、切断状態に設定する。
次に、ステップS12においては、所定の時間に亘って、この切断状態を維持し、第2モータ16を駆動輪とされる前輪Wf,Wfに対して空転させる。
そして、ステップS13においては、第2クラッチ15を、再度、締結状態に設定して、一連の処理を終了する。
これにより、第2クラッチ15の締結を解除する切断状態の前後において、第2モータ16の通電相を変更することができる。
この場合、第2クラッチ15の締結が解除されると前輪Wf,Wfのみが駆動される前輪駆動状態になり、第2クラッチ15が締結されると前輪Wf,Wf及び後輪Wr,Wrが駆動される4輪駆動状態になる。また、例えば車両の発進時等において、第1クラッチ13の締結が解除され、かつ、第2クラッチ15が締結力を可変に締結されると後輪駆動状態になる。
これらの本実施形態の第3および第4変形例においては、例えば図8に示すように、上述した本実施の形態におけるクラッチON/OFFスイッチ35の代わりにトルクコンバータ41が設けられ、例えばトルクコンバータ41に備えられるロックアップクラッチの締結や締結解除の各状態に係る信号等がマネージメントECU26に入力されている。
例えば上り坂での車両発進時等のストール状態において、第2モータ16への通電量が低減されることで車両が後退し始めるときに、この通電量の低減処理が終了されて第2モータ16が駆動されると、トルクコンバータ41において第2モータ16に接続されたポンプインペラと、車輪(前輪Wf,Wfまたは後輪Wr,Wr)に接続されたタービンランナとの間の回転数の差がトルクコンバータ41のクラッチポイントを超えて大きくなり、この回転数の差に応じて増大するトルクが車輪に伝達されるようになる。
これにより、第2モータ16及び第2インバータ22等の電力装置が過熱状態になることを防止しつつ、車両の登坂能力等のストール状態からの脱出能力を向上させることができる。
15 第2クラッチ(伝達手段)
16 第2モータ(走行用モータ)
24 モータECU(回転数検出手段)
26 マネージメントECU(モータ制御手段)
32 第2位置検出器(回転数検出手段)
36 勾配センサ(傾斜角算出手段)
41 トルクコンバータ(流体継手)
ステップS02 駆動力算出手段
Claims (4)
- 車両の駆動源として内燃機関および走行用モータを備え、
該走行用モータと駆動輪との間に設けられ、前記走行用モータの駆動力を前記駆動輪に伝達する伝達手段であるクラッチと、
車両の運転状態に基づき前記走行用モータの駆動力を算出する駆動力算出手段と、
前記駆動力算出手段により算出される前記駆動力に基づき前記走行用モータを制御するモータ制御手段とを備える電動車両の駆動力制御装置であって、
前記走行用モータの回転数を検出する回転数検出手段を備え、
前記モータ制御手段は、前記走行用モータの何れかの相の固定子巻線に所定時間に亘って連続通電し、且つ前記回転数検出手段により検出される回転数が所定値以下の時には、前記走行用モータの通電相を切り換えるように前記クラッチの締結力を低減又は切断することを特徴とする電動車両の駆動力制御装置。 - 前記モータ制御手段は、前記走行用モータの何れかの相の固定子巻線に所定時間に亘って連続通電し、且つ前記回転数検出手段により検出される回転数が所定値以下の時には、前記駆動輪に対し前記走行用モータが相対的に回転すると共に前記走行用モータの通電相を切り換えるように前記クラッチの締結力を低減又は切断した後に、前記クラッチの締結力を増加させることを特徴とする請求項1に記載の電動車両の駆動力制御装置。
- 前記走行用モータの連続通電所定時間は前記駆動力算出手段により算出された駆動力に基づいて算出されることを特徴とする請求項1または請求項2の何れかに記載の電動車両の駆動力制御装置。
- 路面の傾斜角を算出する傾斜角算出手段を備え、
前記駆動力算出手段は、前記傾斜角算出手段により算出される前記傾斜角に基づき、前記走行用モータの前記駆動力を算出することを特徴とする請求項3に記載の電動車両の駆動力制御装置。
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