JP2007000325A - 歯科用回転切削器具の回転力を利用して練和する歯科用セメントの練和装置及び練和方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 歯科用回転切削器具の回転力を利用することで、簡単に質の良いセメントを作ることを可能とした歯科用セメントの練和装置及び練和方法を提供する。
【解決手段】 練和装置100は、セメント材料のセメント粉と液体とを収容する、先端にノズル2を有する透明のシリンダ1と、該シリンダ内にセメント材料に接する位置まで挿入されるタービン5と、タービン5に連結される回転手段(歯科用回転切削器具)と、からなり、回転手段によりタービン5を回転することによって、シリンダ1内のセメント材料を練和して歯科用セメントを調製する。そして、シリンダ1内にセメントが得られたら、回転手段との連結を解除して、手動でタービン5を押してセメントをノズル2に押圧し、ノズル2を通って歯と詰め物との間に注入する。
【選択図】 図1
【解決手段】 練和装置100は、セメント材料のセメント粉と液体とを収容する、先端にノズル2を有する透明のシリンダ1と、該シリンダ内にセメント材料に接する位置まで挿入されるタービン5と、タービン5に連結される回転手段(歯科用回転切削器具)と、からなり、回転手段によりタービン5を回転することによって、シリンダ1内のセメント材料を練和して歯科用セメントを調製する。そして、シリンダ1内にセメントが得られたら、回転手段との連結を解除して、手動でタービン5を押してセメントをノズル2に押圧し、ノズル2を通って歯と詰め物との間に注入する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、歯の詰め物や被せる物の合着や接着に使用する歯科用セメントを練和すると共に、練和されたセメント泥を修復物の中に入れ、支台歯に圧接後、修復物を合着や接着させる歯科用セメントの練和装置及び練和方法に関する。
歯の詰め物や被せる物の合着や接着に使用する歯科用セメントは、ガラス練板とスパチュラ(鉢とへらと)を使用してセメント粉と液体(例えば、リン酸、グラスアイオノマーセメント、カルボキシレートセメントやレジンセメント)を練和して調製されており、詰め物の合着は、得られたセメントをスパチュラで歯と詰め物の間に注入することによって行われる。
しかしながら、セメント材料のセメント粉と液体の練和には熟練(テクニック)が必要であり、手早くかつ十分に混ぜないと質の良いセメントができない。例えば、質の悪い不良のセメントで合着や接着を行うと、短期間で修復物が脱離してしまう。
また、歯科用セメントは、硬化が開始しないうちに使用する必要があり、歯科用セメントを調製したら手早く、セメント泥を所定の場所に運ばなければならない。例えば、運搬が遅れるとセメントの粘度が高くなって、被膜が厚くなり、正確に作製した修復物が浮いた状態で合着したり、所定の強度も得られない。
したがって、本発明の課題は、上述の現状に鑑み、簡単に質の良い歯科用セメントを作ることができ、また得られたセメント泥を歯と詰め物の間に手早く注入することを可能とした歯科用セメントの練和装置及び練和方法を提供することである。
特に、歯科医院内には、硬い歯牙を切削する歯科用回転切削器具が常に装備されていることから、この回転力を利用して、セメント粉と液体とを練和し、簡単に質の良い歯科用セメントを作ることができる。
以上の課題を解決するため、本発明は、以下のものを提供する。
(1) 先端にノズルを有し、セメント材料を収容する筒体と、前記筒体内に設けられ、歯科用回転切削器具と機構的に接続される練和部材と、を有し、前記筒体内のセメント材料を、歯科用回転切削器具の回転力を利用して、前記練和部材で練和することを特徴とする歯科用セメントの練和装置。
本発明によれば、先端にノズルを有し、セメント材料を収容する筒体としての注射器のような形態をしたものを用いて、この注射器にセメント材料を練和する練和部材が取り付けられた練和装置によって、簡単に、未熟練者等の誰でも、質の良いセメントを作ることができ、また得られたセメント泥を歯と詰め物の間に手早く注入することができる。
ここで、質の良いセメントとは、圧縮強さと引張強さが大きく、被膜厚さが薄いものをいう。これは、圧縮強さと引張強さは、セメント粉の含有率が増えることにより増大するが、セメント粉の含有率が増えると被膜も厚くなり、結果として、得られたセメント泥を歯と詰め物の間に注入しても、詰め物が浮いてしまう場合があるので、圧縮強さ・引張強さと、被膜の厚さと、は相反する関係にある。そこで、セメント粉と液体とのセメント材料の練和を適当に行うことにより、所望の圧縮強さ・引張強さと、所望の被膜の厚さを達成でき、強くて薄いセメント泥を得ることができる。
ここで、質の良いセメントとは、圧縮強さと引張強さが大きく、被膜厚さが薄いものをいう。これは、圧縮強さと引張強さは、セメント粉の含有率が増えることにより増大するが、セメント粉の含有率が増えると被膜も厚くなり、結果として、得られたセメント泥を歯と詰め物の間に注入しても、詰め物が浮いてしまう場合があるので、圧縮強さ・引張強さと、被膜の厚さと、は相反する関係にある。そこで、セメント粉と液体とのセメント材料の練和を適当に行うことにより、所望の圧縮強さ・引張強さと、所望の被膜の厚さを達成でき、強くて薄いセメント泥を得ることができる。
また、セメント泥に圧力をかけながら練和を行い、注入する際にも圧力がかかるので、セメント泥の気泡を少なくすることができる。
なお、歯科用回転切削器具と機構的に接続される練和部材は、歯科用回転切削器具の回転力が練和部材にそのまま伝わることで、練和部材を回転させることができ、その回転力を利用することで、セメント材料を練和することができる。また、歯科用回転切削器具の回転数を変換して練和部材を回転させたり、歯科用回転切削器具の回転を往復動に変換して練和部材を往復動させたりすることで、結果として歯科用回転切削器具の回転力を利用して練和部材で練和することができる。
(2) 前記練和部材は、前記筒体の周方向に回転することを特徴とする歯科用セメントの練和装置。
本発明によれば、筒体の周方向に回転する練和部材を設け、この練和部材によってセメント材料を練和することで、手早くかつ十分にセメント材料を混ぜることができ、質の良いセメントを作ることができる。
(3) 歯科用回転切削器具と機構的に接続される練和部材には、歯科用回転切削器具の回転数を変換する回転数変換手段が接続されることを特徴とする歯科用セメントの練和装置。
本発明によれば、歯科用回転切削器具の回転数を変換する回転数変換手段が接続されることで、練和部材は、歯科用回転切削器具の回転数を、歯科用セメントを練和するのに適した所定の回転数にすることができるので、歯科医院内に常備された歯科用回転切削器具を用いて、手早くかつ十分にセメント材料を混ぜることができ、質の良いセメントを作ることができる。
(4) 前記練和部材は、前記筒体の長手方向に往復動することを特徴とする歯科用セメントの練和装置。
本発明によれば、筒体の長手方向に往復動する練和部材を設け、この練和部材によってセメント材料を練和することで、上記(2)と同様に、手早くかつ十分にセメント材料を混ぜることができ、質の良いセメントを作ることができる。
特に、筒体内で練和部材が往復動されて練和されたセメント泥を練和部材によって筒体から注出し、歯と詰め物の間に注入する際に圧力がかかるので、セメント泥の気泡を少なくすることができる。
(5) 歯科用回転切削器具と機構的に接続される練和部材には、歯科用回転切削器具の回転を往復動に変換する方向変換手段が接続されることを特徴とする歯科用セメントの練和装置。
本発明によれば、歯科用回転切削器具の回転を往復動に変換する方向変換手段が接続されることで、練和部材は、歯科用回転切削器具の回転運動を、歯科用セメントを練和する往復動にすることができるので、歯科医院内に常備された歯科用回転切削器具を用いて、手早くかつ十分にセメント材料を混ぜることができ、質の良いセメントを作ることができる。
(6) 先端にノズルを有し、セメント材料を収容する筒体と、当該筒体内に設けられ、歯科用回転切削器具と機構的に接続された練和部材と、を有する練和装置を用いて、歯科用セメントを練和する練和方法であって、歯科用回転切削器具の回転力を利用して、前記練和部材を筒体の周方向に回転または長手方向に往復動することによって、前記筒体内に収容されたセメント材料を練和することを特徴とする歯科用セメントの練和方法。
本発明によれば、先端にノズルを有する透明の筒体内にセメント材料のセメント粉と液体とを収容し、該筒体内に練和部材をセメント材料に接する位置まで挿入し、該練和部材を駆動手段に連結して、練和部材を筒体の周方向に回転または長手方向に往復動することによって、セメント材料を練和して歯科用セメントを調製することができる。また、然る後に、練和部材と駆動手段の連結を解除して、練和部材を筒体の先端方向に押すことにより筒体内の練和されたセメント泥を押して、該セメント泥を前記ノズルから吐出させて歯と詰め物との間に注入することができる。
本発明によれば、筒体内に挿入された練和部材を駆動手段で駆動して、練和部材の回転又は往復動により筒体内のセメント粉と液体とを機械的に練和するので、セメント材料を短時間で十分に混合することができ、簡単に、未熟練者でも、質の良いセメントを作ることができる。特に、駆動手段として歯科用回転切削器具を用いることで、この回転力を利用して、セメント粉と液体とを練和し、簡単に質の良い歯科用セメントを作ることができる。
また、筒体内でセメントが練和されたら、セメントを練和部材で押すことによって筒体先端のノズルからセメントを注出し、歯と詰め物の間に注入するので、練和したセメントの粘度を高くすることなく、脱泡もでき、手早く注入できることにより、セメントの強度も得られる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳述する。
図1は、本発明の実施の形態に係る歯科用セメントの練和注入装置100を示す断面図である。
本発明の実施の形態に係る歯科用セメントの練和装置100は、注入器本体であるシリンダ1と、該シリンダ1に挿入され、空気圧を羽で受けて回転する練和部材としてのタービン5と、該タービンが連結される回転手段(図示せず)としてのエンジン(モーター)と、からなっている。
シリンダ1は、先端にノズル2を一体に設けた筒体からなり、例えばガラスや透明プラスチック製の注射器本体を使用することができる。なお、シリンダ1は透明・半透明であったり、或いは透明でなくてもよい。シリンダ1内には、セメント粉と液体とで得られるセメント材料が所要量収容される。このセメント材料は、練和して混合を開始すると粘度が高くなって流れづらくなる性質を有するので、練和の初期だけノズル2から漏れ出す可能性があることに気をつければ問題ないが、好ましくは、セメントを調製するに当たって、図示しない適当な治具にシリンダ1をセットして立てた姿勢に設置する。なお、より好ましくは、練和中も、図示しない適当な治具にシリンダ1をセットして立てた姿勢に設置する。さらに、ノズル2には、好ましくは、キャップ3を被せてシリンダ1の先端側を閉じる。
タービン5は、シリンダ1内に入れたセメント材料を練和するためのもので、シリンダ1の内面に狭間隙を開けて位置する外径を有する。タービン5は、シリンダ1内に回転自在に配置され、セメント材料と先端が接触する位置まで挿入される。これにより、シリンダ1内には、タービン5の先端側にセメント材料の練和部4が区画される。タービン5の中心には回転軸6が貫設されており、タービン5は、回転軸6の基端に取り付けられた図示しない回転手段(エンジン)に連結される。
ここで、回転手段としては、各種の駆動方式のものが挙げられるが、歯科医院内に常設されている、歯を削るのに使用する空気圧駆動又は電動モータ駆動の歯科用切削用回転器具を用いることができる。例えば、電動モータ駆動の歯切削用回転器具の場合は、一般に空気圧駆動式ほど速くないので、減速手段を介挿せずに直接取り付けることができる。このような減速手段は、本発明の「回転数変換手段」に相当する。
なお、歯科用回転切削器具としては、フートスウィチ等で回転数をコントルールできるものが好ましい。このように、回転数をコントロールできるタイプのものは、減速手段を必要とせずに、予め設定された歯科用セメントの練和に適した回転数にセットして、歯科用回転切削器具の回転力をそのまま利用して練和部材で練和することが可能となる。
このような構成を有する練和装置100によってセメントを練和するには、治具にセットしたシリンダ1内に材料のセメント粉と液体を入れ、タービン5を回転手段に連結して、タービン5をセメント材料に先端が接触する位置まで挿入する。そして、回転手段のスイッチを入れてタービン5を回転し、シリンダ1内のタービン5の先端側に画成された練和部4のセメント粉と液体をタービン5の回転により練和する。タービン5の回転によってセメント材料を機械的に練和するので、セメント材料を短時間で十分に練和することができ、簡単に質の良いセメントが得られる。
このようにしてシリンダ1内にセメントが得られたら、セメントを入れたままシリンダ1を手で持って修復物や支台歯に運び、ノズル2からキャップ3を外し、ノズル2を患者の修復物や支台歯に運搬する。そして、手でシリンダ1の後端にあたる把持部1a、タービン5の後端にあたる押圧部5a等に指を掛けて、タービン5をシリンダ1の先端方向に押し、タービン5の先端でシリンダ1内のセメントをノズル2に押圧して、ノズル2からセメントを吐出させて歯と詰め物の間に注入する。このようにして、歯と詰め物の間に充填されたセメントが硬化することにより歯と詰め物の合着を得る。
このように、シリンダ1内でセメントが練和されたら、そのままセメント泥をタービン5を使って押して、ノズル2から歯と詰め物の間に注入するので、練和したセメントを粘度を高くすることなく手早く注入でき、セメントの強度も得られる。また、圧力を加えることにより、気泡を少なくすることができる。
図2は、本発明の実施の形態に係る他の歯科用セメントの練和注入装置200を示す断面図である。
本発明の実施の形態に係る歯科用セメントの練和装置200は、図1に示す練和装置100と異なり、回転軸6にアダプタ10が連結され、アダプタ10と図示しない回転手段とが回転軸6'により連結されている。
図2(a)に示すアダプタ10は、例えば、空気圧駆動の歯科用切削用回転器具は、毎分約40〜50万回転の高速の回転速度を有するので、アダプタと回転器具との間にギア減速機などの減速手段(アダプタ10)を介挿して取り付け、タービン5の回転を適当な回転数に減速することができる。また、回転器具による回転動を、アダプタ10によって往復動に変換することも可能である。減速・変換後のタービン5の回転数としては数回転/秒がよく、2〜3回転/秒が好ましい。また、練和時間としての回転時間は90秒程度が好ましく、所望の回転時間が得られるようなタイマーを装着することも可能である。
なお、タービン5の先端側には、得られたセメント泥を注入の際に押出するための押出部5bが突出自在に設けられることで(図2(b)参照)、練和部4内に練和されたセメント泥をノズル2から容易に注出することができる。この押出部5bは、練和中はタービン5の先端側内部に収容されていて、歯と詰め物の間に注入する際に、タービン5の先端側より突出するような形態であればよい(図4参照)。このような押出部5bの突入出を制御するアクチュエータ等の制御手段をタービン5又はアダプタ10に設けたり、ワンタッチで突入出を制御するボタンを設けたりすることができる。
図4は、タービン5の先端側に設けられた押出部5b近傍の部分拡大図である。
押出部5bの突入出の制御は、例えば、タービン5の先端に突出部5b1,5b2をバネ等の付勢手段により付勢しておき(図4(a))、押出部5bが先端側に押し出されるのを契機としてかかる付勢が解除されて、押出部5bが突出するような形態をとることができる(図4(b)参照)。このようにして突出された押出部5bは、シリンダ1の内径よりも小さければ、得られたセメント泥を注入の際に押出することができる。
図3は、本発明の実施の形態に係る他の歯科用セメントの練和注入装置200を示す断面図であり、回転軸6の外径に押出部5bが移動可能に取り付けられている様子を示している。
すなわち、押出部5bは、タービン5の上端と下端とを移動可能なようにタービン5の外径よりも大きく、また、シリンダ1内を移動可能なようにその内径よりも小さければよく、手動又は自動操作によってタービン5の上端と下端とを移動可能である。この押出部5bは、練和中はタービン5の後端側に位置しており、好ましくは押圧部5aによって保持されていて(図3(a)参照)、歯と詰め物の間に注入する際に、タービン5の先端側に位置して、タービン5より突出するような形態であればよい(図3(b)参照)。
図5は、本発明の実施の形態に係る他の歯科用セメントの練和装置300を示す断面図である。図1に示す練和装置100と異なり、練和部材として往復動するピストン8を使用したことが特徴である。ピストン8は、その駆動軸9の基端に設けられた運動変換手段11を介して流体切換バルブ等の図示しない往復動手段に着脱自在に連結される。なお、ピストン8と運動変換手段11とは、駆動軸9によって連結されており、さらに、運動変換手段11と回転手段(図示せず)とは、回転軸6'によって連結されている。
また、アダプタ10は、シリンダ1をセットして保持することができるように、例えば、シリンダの把持部1aをアダプタ10に取り付ける。アダプタ10の下端には、シリンダ1の把持部1aを着脱自在に取り付けることができる取付部が設けられる。これにより、ピストン8の往復運動中もシリンダ1を固定することができ、ピストン8が、シリンダ1の長手方向に往復動することができる。なお、ピストン8は、タービン5のような羽とは異なり、練和部4に充填されているセメント材をピストン8の往復動により練和することができるような筒体であればよい。
図5(a)は、ピストン8の後方にあたる押圧部9aがアダプタ10内に収容されている状態を示しており、運動変換手段11による往復動の始端と終端を押圧部9aによって位置決めすることができる。具体的には、往復動の始端は、図示しないストッパーがアダプタ10内に設置されており、かかるストッパーが押圧部9aの上昇運動を制御することができる。また、往復動の終端は、押圧部9aと把持部1aとによって位置決めすることで、押圧部9aの下降運動を制御することができる。なお、往復動の制御は、かかる押圧部9a、把持部1a、ストッパーの作用によらずに、アダプタ10内に搭載されたマイクロコンピュータ等の処理手段によって制御することもできる。
また、図6は、ピストン8の後方にあたる押圧部9aが運動変換手段11内に収容されている状態を示しており、運動変換手段11内に設置されている図示しない往復動制御手段によって押圧部9aを往復動させることで、結果として、駆動軸9によって連結されているピストン8も往復動することができる。なお、往復動の制御は、前述したのと同様に、図示しないストッパーによる制御やアダプタ10内或いは運動変換手段11内に搭載されたマイクロコンピュータ等の処理手段による制御によって行うことができる。このように、把持部1aをアダプタ10に取り付けておき、運動変換手段11によって回転動を往復動に変換して押圧部9aを往復動させることで、駆動軸9によって連結されているピストン8が図6(a)の状態から図6(b)の状態へと移動することができる。
この練和装置200によれば、往復動手段に連結したピストン8をシリンダ1内に入れて、シリンダ1内のセメント材料に先端が接触する位置まで進めて、往復動手段によりシリンダ1内のピストン8の先端側に画成された練和部4のセメント粉と液体をピストン8の往復動により練和する。ピストン8の往復動によってセメント材料を機械的に練和するので、前述の練和装置100,200と同様、セメント材料を短時間で十分に混合することができ、簡単に質の良いセメントが得られる。
また同様に、シリンダ1内にセメントが得られたら、ピストン8の往復動手段との連結を解除して、ノズル2からキャップ3を外し、シリンダ1を患者の口のところに運び、ピストン8によりシリンダ1内のセメントを押してノズル2に押圧し、ノズル2からセメントを吐出させて歯と詰め物の間に注入することにより、練和したセメントを粘度を高くすることなく手早く注入でき、セメントの強度も得られる。
なお、本発明の実施の形態に係る歯科用セメントの練和装置100〜300においては、タービン5の回転やピストン8の往復動によって生じるシリンダ1内の気圧変動を制御するため、所定の位置に気圧調整弁を設けることもできる。所定の位置とは、シリンダ1の周面、ノズル2の先端、キャップ3等が挙げられる。このような気圧調整弁によって、ノズル2からセメントが漏れ出すことを抑制することができる。依依田
1 シリンダ
2 ノズル
3 キャップ
4 練和部
5 タービン
6,6' 回転軸
9 駆動軸
8 ピストン
9 ロッド
10 アダプタ
100,200,300 練和装置
2 ノズル
3 キャップ
4 練和部
5 タービン
6,6' 回転軸
9 駆動軸
8 ピストン
9 ロッド
10 アダプタ
100,200,300 練和装置
Claims (6)
- 先端にノズルを有し、セメント材料を収容する筒体と、
前記筒体内に設けられ、歯科用回転切削器具と機構的に接続される練和部材と、
を有し、
前記筒体内のセメント材料を、歯科用回転切削器具の回転力を利用して、前記練和部材で練和することを特徴とする歯科用セメントの練和装置。 - 前記練和部材は、前記筒体の周方向に回転することを特徴とする請求項1記載の歯科用セメントの練和装置。
- 歯科用回転切削器具と機構的に接続される練和部材には、歯科用回転切削器具の回転数を変換する回転数変換手段が接続されることを特徴とする請求項1又は2記載の歯科用セメントの練和装置。
- 前記練和部材は、前記筒体の長手方向に往復動することを特徴とする請求項1記載の歯科用セメントの練和装置。
- 歯科用回転切削器具と機構的に接続される練和部材には、歯科用回転切削器具の回転を往復動に変換する方向変換手段が接続されることを特徴とする請求項4記載の歯科用セメントの練和装置。
- 先端にノズルを有し、セメント材料を収容する筒体と、当該筒体内に設けられ、歯科用回転切削器具と機構的に接続される練和部材と、を有する練和装置を用いて、歯科用セメントを練和する練和方法であって、
歯科用回転切削器具の回転力を利用して、前記練和部材を筒体の周方向に回転または長手方向に往復動することによって、前記筒体内に収容されたセメント材料を練和することを特徴とする歯科用セメントの練和方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005183105A JP2007000325A (ja) | 2005-06-23 | 2005-06-23 | 歯科用回転切削器具の回転力を利用して練和する歯科用セメントの練和装置及び練和方法 |
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Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPS5349838A (en) * | 1976-10-18 | 1978-05-06 | Mitsugi Kiyotoo | Injection gun utilizing other power |
JPH03136648A (ja) * | 1989-06-28 | 1991-06-11 | Hans Schreiber | 歯科用の印象材を混合する方法と装置 |
JP2000237208A (ja) * | 1998-12-21 | 2000-09-05 | Ngk Spark Plug Co Ltd | リン酸カルシウム系セメント用混練器具及びリン酸カルシウム系セメント混練物の調製方法 |
-
2005
- 2005-06-23 JP JP2005183105A patent/JP2007000325A/ja active Pending
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