JP2005334024A - 歯牙修復用補助具 - Google Patents

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Abstract

【課題】 歯牙に形成された窩洞内に歯科用修復材の充填や歯科用補綴物の接着剤による固定を行うに際して窩洞の内周面と歯科用修復材や歯科用補綴物との間に空隙が生じないようするために用いられる新規な歯牙修復用補助具を提供する。
【解決手段】 歯牙修復用補助具を、振動発生手段が内蔵された本体1と先端に歯牙の歯面に当接される歯面当接部2aを有し該本体1に係合されて振動発生手段より発生される振動を該歯面当接部2aに伝達する振動伝達部2とで構成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、歯牙に形成された窩洞内に歯科用修復材の充填や歯科用補綴物の接着剤による固定を行うに際して窩洞の内周面と歯科用修復材や歯科用補綴物との間に空隙が生じないようするために用いられる歯牙修復用補助具に関するものである。
一般に、歯科治療においてう蝕された歯牙を修復する方法としては、歯牙のう蝕部を削り取ることにより形成された窩洞内に歯科用コンポジットレジンや歯科用セメント等の歯科用修復材を直接充填する方法や、歯牙のう蝕部を削り取ることにより形成された窩洞内に適用させるためのインレー等の歯科用補綴物を作製し、歯牙に形成された窩洞内にこの歯科用補綴物を歯科用セメントやレジン系の歯科用接着材で固定する方法等が行われている。
そして、歯牙に形成された窩洞内に歯科用修復材を充填する方法によりう蝕された歯牙を修復するには、硬化後の収縮率等の問題から従来は歯科用修復材として比較的粘性の高い歯科用修復材が多用されており、このような比較的粘性の高い歯科用修復材によって修復を行う際には、一般的には歯牙に比較的大きく開口した窩洞を形成し、このような窩洞内に把持部の先端に刃状,ヘラ状,針状,球状等の操作部が設けられているインスツルメントを用いて歯科用修復材を充填していたのである。
しかしながら、近年になって歯牙の削り取る量をできるだけ少なくしようとする治療法が広まり、このような動きに合わせて比較的小さく開口した窩洞の開口部からう蝕部を削り取ることにより窩洞を形成し、このように形成された比較的小さな開口部を有する窩洞内に充填するための歯科用修復材として、フイラーの配合率やフイラー形状の研究によって比較的粘性の低い歯科用修復材が開発されてきた。
このような比較的小さな開口部を有する窩洞内に比較的粘性の低い歯科用修復材を充填する場合には、例えば歯科用修復材を押し棒で押し出す歯科用充填器において、押し棒を駆動源の動力を利用して歯科用修復材の押し出し方向に移動させる歯科用修復材押し出し動作を行うことができる押し棒駆動手段とこの押し棒駆動手段の歯科用修復材押し出し動作を制御する制御手段とを備え、その先端にノズル状のニードルが装着されている器具(例えば、特許文献1参照。)や、容器の先端に外嵌される部位の内面に微小な凹部が形成されていると共に、容器の先端の嵌入部が内嵌された状態で容器の先端の嵌入部の内面を含む内面全面が歯科用修復材が押し出される方向と平行乃至ノズル側に先細り状を成しており歯科用修復材が押し出される方向と直交乃至先拡がり状を成す段差部を有していない形状を成している歯科用修復材注入用ノズル部材が装着されている注射器状の器具(例えば、特許文献2参照。)等を用いて、比較的粘性の低い歯科用修復材をこれらのノズル状のニードルや歯科用修復材注入用ノズル部材の先端から直接窩洞の開口部へと吐出させることによって、このような比較的小さな開口部を有する窩洞内に充填するのである。
しかしながら、前記したような器具を用いることにより比較的粘性の低い歯科用修復材を比較的小さな開口部を有する窩洞内に充填すると、歯科用修復材を充填する際に空気を巻き込んでしまったり、窩洞内の形状が複雑であったり、ニードルやノズルを窩洞内の奥まで挿入することができなかったりするという様々な要因によって、歯科用修復材が充分に窩洞内の隅々にまで行き渡っていない不完全な充填状態となってしまい、窩洞の内周面と歯科用修復材や歯科用補綴物との間に空隙が生じてしまうという問題があった。
一方、歯牙のう蝕部を削り取ることにより形成された窩洞に適用させるためのインレー等の歯科用補綴物を作製し、歯牙に形成された窩洞内にこの歯科用補綴物を歯科用セメントやレジン系の歯科用接着材で固定する方法によりう蝕された歯牙を修復する場合には、窩洞の内周面と歯科用補綴物の外面に歯科用接着材を充分に塗布して固定したとしても、一般的に歯牙に形成された窩洞の形状が複雑であるから作製される歯科用補綴物も複雑な形状となってしまう場合が多く、このため窩洞の内周面と歯科用補綴物の外面も複雑に凹凸が入り組んだ形状となってしまうので、窩洞の内周面と歯科用修復材や歯科用補綴物との間に空隙が生じてしまうという問題があった。
特開2002−143183号公報 特開2003−260065号公報
本発明は、前記従来技術の問題点を解消し、歯牙に形成された窩洞内に歯科用修復材の充填や歯科用補綴物の接着剤による固定を行うに際して窩洞の内周面と歯科用修復材や歯科用補綴物との間に空隙が生じないようするための新規な歯牙修復用補助具を提供することを課題とする。
本発明者らは前記課題を解決すべく鋭意研究の結果、歯牙に形成された窩洞内に歯科用修復材の充填や歯科用補綴物の接着剤による固定を行うに際して、歯牙に形成された窩洞内に歯科用修復材の充填や歯科用補綴物の接着剤による固定を行った後に、歯牙の歯面に直接振動を付与すれば、窩洞の内周面と歯科用修復材や歯科用補綴物との間に存在していた空気に歯牙の歯面に付与された振動が伝達されることにより、空気は徐々に上方へ移動して窩洞の開口部より窩洞外へ放出されるため、窩洞の内周面と歯科用修復材や歯科用補綴物との間に空隙が生じないようすることができることを究明して本発明を完成したのである。
即ち本発明は、歯牙に形成された窩洞内に歯科用修復材の充填や歯科用補綴物の接着剤による固定を行う際にして窩洞の内周面と歯科用修復材や歯科用補綴物との間に空隙が生じないようするために用いられる歯牙修復用補助具であって、振動発生手段が内蔵された本体と、先端に当該歯牙の歯面に当接される歯面当接部を有し該本体に係合されて該振動発生手段より発生される振動を該歯面当接部に伝達する振動伝達部とから構成されることを特徴とする歯牙修復用補助具である。
そして、歯面当接部が発光装置が内蔵されている歯面当接部であったり、振動伝達部が、光透過性を有する合成樹脂で形成されていると共に本体に該振動伝達部の歯面当接部を発光させるための発光装置が内蔵されていたりすれば、窩洞内に充填される歯科用修復材が活性光線を照射されることにより重合硬化する歯科用光重合性修復材である場合には、歯牙の歯面に直接振動を付与する操作と歯科用光重合性修復材に活性光線を照射する操作とを一つの歯牙修復用補助具でできることができて好ましいことも究明したのである。
また、本体が歯科用ハンドピースに着脱自在に保持されるように形成されていると共に、該本体に内蔵された振動発生手段が歯科用ハンドピースの回転駆動力を振動に変換する振動発生手段であれば、既設の歯科用ハンドピースを利用することができて好ましく、また歯面当接部が上顎歯と下顎歯とで咬合され易い偏平状を成していれば、歯面当接部を上顎歯と下顎歯とで咬合することによって歯牙の歯面に直接振動を付与する操作を行っている最中に歯面当接部が歯牙の歯面より外れてしまうことがないと共に振動を確実に歯牙に伝達できるので好ましいことも究明したのである。
本発明に係る歯牙修復用補助具は、前記した構成より成るものであるから、歯牙の歯面に直接振動を付与することにより、窩洞の内周面と歯科用修復材や歯科用補綴物との間に存在する空気に歯牙の歯面に付与された振動が伝達されることにより、空気は徐々に上方へ移動して窩洞の開口部より窩洞外へ放出されるので、窩洞の内周面と歯科用修復材や歯科用補綴物との間には空隙が存在しない良好な状態に歯牙を修復させることができると共に、修復後の歯牙は窩洞の内周面と歯科用修復材や歯科用補綴物との間には空隙が存在しない良好な状態となるので、修復後に歯牙の窩洞内より歯科用修復材や歯科用補綴物が外れてしまったり、窩洞の内周面と歯科用修復材や歯科用補綴物との間に新たなう蝕が発生したりすることを殆ど防止することができるのである。
そして、本発明に係る歯牙修復用補助具は、前記したように非常に簡単な構成となっており、その使用方法も単に歯牙の歯面に当接させて振動をその歯面に付与するだけであるので、術者が新規な本発明に係る歯牙修復用補助具を初めて使用する際でも簡単に取扱うことができると共に、その構成が非常に簡単なものであるので安価に製作できるのである。
また、歯面当接部が発光装置が内蔵されている歯面当接部であったり、振動伝達部が、光透過性を有する合成樹脂で形成されていると共に本体に振動伝達部の歯面当接部を発光させるための発光装置が内蔵されていたりすれば、窩洞内に充填される歯科用修復材が活性光線を照射されることにより重合硬化する歯科用光重合性修復材である場合には、歯牙の歯面に振動を付与する操作と歯科用光重合性修復材に活性光線を照射する操作とが一つの歯牙修復用補助具でできるから、活性光線を照射する際に別の器具を準備する必要がないと共に両方の操作を重複して行うことができるので、治療時間を飛躍的に短縮させることができるのであり、そして特に歯面当接部が発光装置が内蔵されている歯面当接部である場合には、違う波長の範囲を有する活性光線を照射する様々な振動伝達部を複数用意しておけば、違う波長の範囲の活性光線で重合硬化する様々な種類の歯科用光重合性修復材に対応することができて好ましく、また特に振動伝達部が光透過性を有する合成樹脂で形成されていると共に本体に振動伝達部の歯面当接部を発光させるための発光装置が内蔵されている場合には、発光装置は歯牙の歯面より離れたと部位にあるので、発光装置の寿命が延びるので好ましいのである。
更に、本体が歯科用ハンドピースに着脱自在に保持されるように形成されていると共に、本体に内蔵された振動発生手段が歯科用ハンドピースの回転駆動力を振動に変換する振動発生手段であれば、既設の歯科用ハンドピースを利用することができるばかりでなく、別途振動発生手段のための駆動装置や電源装置等を設ける必要がないので安価に製作できて好ましく、また歯面当接部が上顎歯と下顎歯とで咬合され易い偏平状を成していれば、歯面当接部を上顎歯と下顎歯とで咬合することによって歯牙の歯面に直接振動を付与する操作を行っている最中に歯面当接部が歯牙の歯面より外れてしまうことがないばかりか、歯面当接部を上顎歯と下顎歯とで咬合することによって振動発生手段により歯牙の窩洞の内周面と歯科用修復材や歯科用補綴物との間に存在する空気に確実に振動を伝達させることができて好ましいのである。
以下、図面により本発明に係る歯牙修復用補助具について詳細に説明する。
図1は本発明に係る歯牙修復用補助具の1実施例を示す斜視説明図、図2は本発明に係る歯牙修復用補助具の他の実施例を示す斜視説明図、図3は本発明に係る歯牙修復用補助具の更に他の実施例を示す斜視説明図、図4は本発明に係る歯牙修復用補助具の1実施例の使用状態を示す説明図、図5は本発明に係る歯牙修復用補助具の他の実施例の使用状態を示す説明図である。
図面中、1は振動発生手段1aが内蔵された本体であり、振動を発生させると共に後述する振動伝達部2へその振動を伝達させる役目を果たす。
この本体1としては、図1及び図2に示す如く術者が使用する際に把持し易いように円柱状に形成されていたり、また図示しないが術者の手に伝達される振動発生手段1aによる振動を軽減させるためにゴム等の振動吸収材料がその周面に巻き付けて形成されていたりしてもよい。
この本体1に内蔵されている振動発生手段1aとしては、後述する振動伝達部2aに伝達する振動を発生させることができるものであれば特に限定されないが、例えばモータ等の駆動手段とその駆動手段の回転軸に枢支される偏心錘と駆動手段に電源を供給する乾電池又は充電池やスイッチング電源等より成る電源手段と駆動手段を起動させる例えば図1及び図3に示すように本体1の外面に設けられた起動スイッチとを備え、起動スイッチを投入すると駆動手段が偏心錘を回転駆動させて振動を発生させるような振動発生手段1aや、モータ等の駆動手段とその駆動手段の回転軸に枢支される偏心カムとこの偏心カムにより高速で往復運動する振動出力軸と駆動手段に電源を供給する電源手段と駆動手段を起動させる起動スイッチとを備え、起動スイッチを投入すると駆動手段の回転駆動力により振動出力軸が高速で往復運動して振動を発生させるような振動発生手段1aや、電圧を印加することにより超音波振動を発生させる圧電素子等より成る超音波発生部とこの超音波発生部に電源を供給する電源手段と駆動手段を起動させる起動スイッチとを備え、起動スイッチを投入すると超音波発生部が超音波振動を発生させるような振動発生手段1a等を適宜採用することができる。
この本体1に内蔵されている振動発生手段1aが発生する振動としては、本体1の長手方向に対して平行な方向の振動や長手方向に対して直角な方向の振動であっても、これらを組み合わせたような振動であってもよく、またこの振動発生手段1aが発生する振動の周波数は、人間の可聴周波数の範囲内の振動であっても、人間の可聴周波数以上の超音波振動であってもよく、歯科治療において使用される歯科用修復材Rや歯科用補綴物Pの接着剤Bに好適な振動方向及び振動周波数に合わせて振動発生手段1aを構成すればよいのである。
そして、本体1が歯科用ハンドピースHに着脱自在に係合されるように形成されていると共に、本体1に内蔵された振動発生手段1aが歯科用ハンドピースHの回転駆動力を振動に変換する振動発生手段である場合には、例えば図2に示す如く本体1の後述する振動伝達部2が係合される側と反対側の端部が歯科用ハンドピースHの先端側に着脱自在に保持できるように形成されており、より詳しくは例えば本体1の後端側が歯科用ハンドピースHの先端側の回転駆動部に保持されるように形成され、本体1に内蔵された振動発生手段1aは、歯科用ハンドピースHの回転駆動部に保持されて歯科用ハンドピースHの回転駆動力によって回転される回転係合軸とこの回転係合軸にに枢支される偏心錘と備えており、歯科用ハンドピースHが回転駆動されると、歯科用ハンドピースHの回転駆動部に保持された回転係合軸が偏心錘を回転駆動させて振動を発生させるように振動発生手段1aが構成されている。
2は先端に当該歯牙Tの歯面に当接される歯面当接部2aを有し本体1に係合されて振動発生手段1aより発生される振動を歯面当接部2aに伝達する振動伝達部であり、本体1に内蔵された振動発生手段1aにより発生される振動を伝達させて歯面当接部2aに当接された歯牙Tの歯面にその振動を付与する役目を果たす。
この振動伝達部2としては、本体1に係合できるような形状に形成されていると共にその先端に形成された歯面当接部2aに本体1に内蔵された振動発生手段1aの振動を伝達できるようなものであれば何でもよいが、例えば図1〜図5に示す如く細い棒状体の先端に歯面当接部2aが形成されているような形状であれば、口腔内の奥の臼歯の歯牙修復を行う際にも歯面当接部2aの位置の確認ができて好ましく、また振動伝達部2が本体1に係脱自在に係合できるように形成されているので、歯牙修復を行う歯牙に適した形状に形成された振動伝達部2を複数用意して適宜交換したり、振動伝達部2を患者毎に使い捨てにしたりすることができるのである。
この振動伝達部2の歯面当接部2aは、歯牙Tの歯面に当接できるような形状、例えば図2に示す如く単にその振動伝達部2の本体1側に形成された棒状部よりもその直径が太い棒状を成すような形状に形成されていてもよいが、図1及び図3に示す如く歯面当接部2aが上顎歯と下顎歯とで咬合され易い偏平状をなしていれば、歯面当接部2aを上顎歯と下顎歯とで咬合することによって歯牙Tの歯面に振動を付与する操作を行っている最中に歯面当接部2aが歯牙Tの歯面より外れてしまうことがないばかりか、振動発生手段1aにより歯牙Tの窩洞Cの内周面と歯科用修復材Rや歯科用補綴物Pとの間に存在する空気Gに確実に振動を伝達させることができて好ましい。
この振動伝達部2の歯面当接部2aとしては、合成樹脂,シリコーン樹脂や合成ゴム等の比較的難質で歯牙Tに損傷を与え難い素材が好適に採用されるが、本体1に振動伝達部2の歯面当接部2aを発光させるための後述する発光装置3が内蔵されている態様である場合には、振動伝達部2が光透過性を有する合成樹脂で形成されている必要がある。
3は歯面当接部2a又は本体1に内蔵されている発光装置3であり、窩洞C内に充填される歯科用修復材Rが歯科用光重合性修復材である場合には、活性光線を照射することにより歯科用光重合性修復材を重合硬化させる役目を果たす。
この発光装置3が振動伝達部2の歯面当接部2aに内蔵されている態様の場合には、例えば図3に示す如く発光装置3は歯面当接部2aよりその発光される光が外部へ照射できるように配備されており、またこの発光装置3が本体1に内蔵されている態様の場合には、例えば図示しないが発光装置3は本体1の振動伝達部2が係合される部位に向けて発光できるように配備されており、この発光装置3より発光される光が透光性を有する合成樹脂で形成されている振動伝達部2内を経て振動伝達部2の歯面当接部2aより外部へ照射されるのである。
この発光装置3としては、光を発光するものであれば何でもよいが、発変換効率が高く消費電力が少ないLEDが好ましく採用され、そしてこの発光装置3を発光させるための電源は、例えば振動発生手段1aの電源手段より供給してこの発光装置3を発光させるためのスイッチを本体1に別途設ければよいのである。
次に、このような構成の本発明に係る歯牙修復用補助具の使用方法について説明する。
初めに準備として、本体1が歯科用ハンドピースHに着脱自在に係合されるように形成されていると共に本体1に内蔵された振動発生手段1aが歯科用ハンドピースHの回転駆動力を振動に変換する振動発生手段である場合には、本体1を歯科用ハンドピースHに係合させる操作を行う。
このような準備が完了した後に、歯牙Tに形成された窩洞C内に歯科用修復材Rを充填する操作や、歯牙Tに形成された窩洞C内に接着剤Bを塗布した歯科用補綴物Pを挿入する操作を行う。
次に、本発明に係る歯牙修復用補助具の本体1に内蔵された振動発生手段1aを起動させて、振動発生手段1aにより発生した振動を振動伝達部2の歯面当接部2aに伝達させる操作を行う。この際、振動発生手段1aが例えば図1及び図3に示すような本体1の外面に設けられた起動スイッチを備えたような振動発生手段1aである場合には、その起動スイッチを投入することにより振動発生手段1aを起動せればよく、また本体1が歯科用ハンドピースHに着脱自在に係合されるように形成されていると共に、本体1に内蔵された振動発生手段1aが歯科用ハンドピースHの回転駆動力を振動に変換する振動発生手段である場合には、歯科用ハンドピースHを駆動させる操作を行えばよい。
次いで、図4又は図5に示す如く振動伝達部2の歯面当接部2aを歯牙Tの歯面に当接させて歯牙Tの歯面に振動を付与する操作を行う。この際、歯牙Tの歯面に振動が付与されることにより、窩洞Cの内周面と歯科用修復材Rや歯科用補綴物Pとの間に存在する空気Gに歯牙Tの歯面に付与された振動が伝達されることにより、空気Gは徐々に上方へ移動して窩洞Cの開口部より窩洞C外へ放出されるので、窩洞Cの内周面と歯科用修復材Rや歯科用補綴物Pとの間には空隙が存在しない良好な状態に歯牙Tを修復させることができると共に、修復後に歯牙Tの窩洞Cより歯科用修復材Rや歯科用補綴物Pが外れてしまったり、窩洞Cの内周面と歯科用修復材Rや歯科用補綴物Pとの間に新たなう蝕が発生したりすることを殆ど防止することができるのである。
尚、この振動伝達部2の歯面当接部2aを歯牙Tの歯面に当接させて歯牙Tの歯面に振動を付与する操作は、歯牙Tに形成された窩洞C内に歯科用修復材Rを充填する操作と同時に行ってもよい。
そして、前記したような一連の操作により歯牙Tに形成された窩洞Cの内周面と歯科用修復材Rとの間に空隙が存在しない良好な充填状態となった後に、発光装置3が歯面当接部2a又は本体1に内蔵されている場合において、窩洞Cに充填される歯科用修復材Rが歯科用光重合性修復材である場合には、歯牙Tの窩洞C内に良好な状態で充填された歯科用光重合性修復材に発光装置3によって発光される活性光線を照射して、歯科用光重合性修復材を重合硬化させればよいのである。
本発明に係る歯牙修復用補助具の1実施例を示す斜視説明図である。 本発明に係る歯牙修復用補助具の他の実施例を示す斜視説明図である。 本発明に係る歯牙修復用補助具の更に他の実施例を示す斜視説明図である。 本発明に係る歯牙修復用補助具の1実施例の使用状態を示す説明図である。 本発明に係る歯牙修復用補助具の他の実施例の使用状態を示す説明図である。
符号の説明
1 本体
1a 振動発生手段
2 振動伝達部
2a 歯面当接部
3 発光装置
T 歯牙
C 窩洞
R 歯科用修復材
P 歯科用補綴物
B 接着剤
G 空気
H 歯科用ハンドピース

Claims (5)

  1. 歯牙(T)に形成された窩洞(C)内に歯科用修復材(R)の充填や歯科用補綴物(P)の接着剤(B)による固定を行うに際して窩洞(C)の内周面と歯科用修復材(R)や歯科用補綴物(P)との間に空隙(G)が生じないようするために用いられる歯牙修復用補助具であって、振動発生手段(1a)が内蔵された本体(1)と、先端に当該歯牙(T)の歯面に当接される歯面当接部(2a)を有し該本体(1)に係合されて該振動発生手段(1a)より発生される振動を該歯面当接部(2a)に伝達する振動伝達部(2)とから構成されることを特徴とする歯牙修復用補助具。
  2. 歯面当接部(2a)が、発光装置(3)が内蔵されている歯面当接部である請求項1に記載の歯牙修復用補助具。
  3. 振動伝達部(2)が、光透過性を有する合成樹脂で形成されていると共に、本体(1)に該振動伝達部(2)の歯面当接部(2a)を発光させるための発光装置(3)が内蔵されている請求項1に記載の歯牙修復用補助具。
  4. 本体(1)が、歯科用ハンドピース(H)に着脱自在に保持されるように形成されていると共に、該本体(1)に内蔵された振動発生手段(1a)が歯科用ハンドピース(H)の回転駆動力を振動に変換する振動発生手段である請求項1に記載の歯牙修復用補助具。
  5. 歯面当接部(2a)が、上顎歯と下顎歯とで咬合され易い偏平状を成している請求項1から4までのいずれか1項に記載の歯牙修復用補助具。
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