JP2006527331A - クランクケースのためのカバープレート - Google Patents

Abstract

第１のポンプ（４）が、バランスシャフト（６）の動力取出し側端（ＫＳ）に配設され、第２のポンプ（５）が、バランスシャフト（６）の反動力取出し側端（ＫＧＳ）に配設された、カバープレート（１）に軸受けされたバランスシャフト（６）を有する、クランクケースの下面を閉鎖するためのカバープレート（１）を提案する。

Description

本発明は、請求項１の上位概念に記載のクランクケースの下面を閉鎖するためのカバープレートに関する。

特許文献１からは、チャンバを有するクランクケースが公知である。これらのチャンバは、特にオイルリザーブルームとして使用される。特許文献２からは、クランクケースを閉鎖するためのカバープレートが公知である。カバープレートには、補助ユニット、例えば潤滑剤の供給のためのポンプと熱交換器とが配設されている。カバープレートには、潤滑剤を集めるための２つの吸込個所が形成されている。これら吸込個所から、潤滑剤は、カバープレートに統合された通路を介してポンプによって吸い出され、クランクケースのオイルリザーブルームに送られる。ポンプは、２つの吸込チャンバと１つの圧力チャンバとを有する３チャンバポンプとして構成されている。この３チャンバポンプに対する要求が高いこと、例えば内燃機関が傾斜位にある場合にあっても確実な移送をすることが問題である。

特許文献３からは、２つのバランスシャフトを有する内燃機関が公知である。両バランスシャフトの一方は、前記カバープレートに軸受けされている。このバランスシャフトは、平歯車段を介してクランクシャフトによって駆動される。前記の問題性は、カバープレートをこのように構成することによって緩和されない。
独国特許第１９８ ５５ ５６２号明細書 独国特許第１００ ３３ ４１６号明細書 独国特許出願公開第１０３ ０６ １５２．５号明細書

本発明の基本にある課題は、バランスシャフトを有するカバープレートを潤滑剤の送りに関して最適化することにある。

この課題は、請求項１の特長によって解決される。このための実施形態は、下位の請求項に示されている。

本発明によれば、第１のポンプが、バランスシャフトの動力取出し側端に配設され、第２のポンプが、バランスシャフトの反動力取出し側端に配設される。この場合、これらのポンプは、それぞれ１つの第１のギヤと第２のギヤとから構成される。従って、従来技術との違いは、ポンプが、もはや独立したユニットとしてカバープレートに取り付けられるのではなく、バランスシャフトに直接付設されている点にある。第１のポンプと第２のポンプとは、それぞれ直接吸込個所に配設されているので、カバープレートにおける吸込路は、従来技術と比べて短くなっている。本発明の１つの実施形態にあっては、第１のポンプが、平歯車段と第２のポンプ間に配設されることが提案される。この構成によって、最高回転数が高い内燃機関の場合、ポンプ周速の限界値が維持される。選択的に、第１のポンプは、バランスシャフトの入力ギヤと第２のギヤとから構成される。この構成は、入力ギヤの周速がポンプ周速の限界値以下に維持される場合に限り、最高回転数が低い内燃機関のために行なわれる。

ポンプを有するバランスシャフトのカバープレートへの組立てを改善するために、本発明では、第１のギヤの直径が、バランスシャフトを流体案内装置に支持する軸受の直径に相当する。

本発明の本質的な利点は、カバープレートにおける吸込路の廃止もしくは短縮をすることによってカバープレートを簡単に製造することができる点にある。従来技術の３チャンバポンプは、簡単な１チャンバポンプによって置き換えられる、即ち、この１チャンバポンプは、簡単に構成される。バランスシャフトを駆動するための既存の平歯車段は、第１のポンプの構成要素として付加的な機能を担う、即ち集積度が高められる。第１のポンプと第２のポンプとをバランスシャフトに配設することによって、内燃機関の斜行能力を更に与える効果的なドライサンプ潤滑が実現される。

図面に、本発明の２つの実施例を図示し、これを基にして本発明を詳細に説明する。

図１には、動力取出し側ＫＳから見たカバープレートが図示されている。更なる説明は、図２及び図３と関連させて行なう。内燃機関では、動力取出し側ＫＳが、出力を行なう側として定義されている。動力取出し側ＫＳでは、クランクシャフトに、例えばクラッチ及びトランスミッションがフランジ固定される。動力取出し側ＫＳの向かい側に、反動力取出し側ＫＧＳが位置する（図２参照）。図１には、符号１０で出力ギヤが図示されている。この出力ギヤは、クランクシャフトに配設されている。出力ギヤ１０は、バランスシャフト６に配設されている入力ギヤ９と係合する。両ギヤ９及び１０は、平歯車段を構成する。バランスシャフト６は、軸受１１を介して流体案内装置１２内に軸受けされている。この流体案内装置１２を介して、エンジンルームから滴下する潤滑剤が、第１の吸込個所２及び第２の吸込個所３に供給される（図２参照）。バランスシャフト６の動力取出し側端ＫＳに、第１のポンプ４が配設されている。バランスシャフト６の反動力取出し側端ＫＧＳに、第２のポンプ５が配設されている。第１のポンプ４も、第２のポンプ５も、それぞれ１つの第１のギヤ７と第２のギヤ８とから構成される。当然、トロイドポンプを使用することもできる。図２の図の場合、第１のポンプ４は、入力ギヤ９と第２のポンプ５間に存在する。両ポンプ４および５によって、潤滑剤は、両吸込個所２及び３から圧力路１５を介して開口部１３に案内される。圧力路１５は、図２では破線で図示されている。開口部１３を介して潤滑剤は、クランクケースのオイルリザーブルーム内に達する。符号１６は、カバープレート１におけるフィルタ開口部を示す。

反動力取出し側ＫＧＳから見たカバープレート１の外観を図３は示す。両ギヤ７及び８から構成される第２のポンプ５は、潤滑剤を吸込路１４から圧力路１５へと送る。

図１には、断面線ＣＣが書き入れられている。相応の断面図が、図５に図示されている。この断面図から、同様に、第１のポンプ４が吸込路１４から潤滑剤を圧力路１５へと送ることが分かる。

図４は、カバープレート１を経る断面図を示す。吸込路１４と圧力路１５が分かる。この断面図で、流体案内装置１２を見ることができ、この流体案内装置を介して、エンジンルームから滴下する潤滑剤は、第１の吸込個所２と第２の吸込個所３に供給される。流体案内装置１２内に、バランスシャフト６が軸受けされている。

図６は、動力取出し側ＫＳから見たカバープレート１を示す。更なる説明は、図７と共に行なう。この構成の場合、第１のポンプ４は、入力ギヤ９と第２のギヤ８とから構成される。従って、図２の図に対して、第１のギヤ７が廃止される。この構成は、小さい周速のために、即ち回転数レベルの低い内燃機関のために行なわれる。第１のポンプ４は、吸込路１４から、第１の吸込個所２からの潤滑剤を圧力路１５を介して開口部１３へと送る（図７参照）。

本発明の利点は、
−従来技術に対して、吸込個所からポンプへの吸込路が廃止されるか、もしくは短縮され、これから結果として、カバープレートを製造する際の簡単な核心技術が、相応のコストの利点と共に得られること、
−既存の平歯車段が、第１のポンプの構成要素としての付加的な機能を担い、これにより、集積度が高められること、
−従来技術の３チャンバポンプが、簡単な構造を備える１チャンバポンプによって置き換えられること、
−更に、相応の斜行能力を有する確実なドライサンプ潤滑が得られること、
である。

動力取出し側ＫＳから見たカバープレートを示す。 カバープレートの平面図を示す。 反動力取出し側ＫＧＳから見たカバープレートを示す。 カバープレートを経る断面図を示す。 線ＣＣに沿ったカバープレートの断面図を示す。 第２の構成の動力取出し側ＫＳから見たカバープレートを示す。 第２の構成のカバープレートの平面図を示す。

符号の説明

１ カバープレート
２ 第１の吸込個所
３ 第２の吸込個所
４ 第１のポンプ
５ 第２のポンプ
６ バランスシャフト
７ 第１のギヤ
８ 第２のギヤ
９ 入力ギヤ
１０ 出力ギヤ
１１ 軸受
１２ 流体案内装置
１３ 開口部
１４ 吸込路
１５ 圧力路
１６ フィルタ開口部

Claims (5)

1. 潤滑剤を集めるための吸込個所（２，３）と、この吸込個所（２，３）から潤滑剤を吸い出すためのポンプ（４，５）と、カバープレート（１）に軸受けされ、かつクランクシャフトによって駆動されるバランスシャフト（６）とを有する、クランクケースの下面を閉鎖するためのカバープレート（１）において、
   第１のポンプ（４）が、バランスシャフト（６）の動力取出し側端（ＫＳ）に配設され、第２のポンプ（５）が、バランスシャフト（６）の反動力取出し側端（ＫＧＳ）に配設されることを特徴とするカバープレート（１）。
2. 第１のポンプ（４）と第２のポンプ（５）とが、それぞれ１つの第１のギヤ（７）と第２のギヤ（８）とから構成されることを特徴とする請求項１に記載のカバープレート（１）。
3. バランスシャフト（６）の動力取出し側端（ＫＳ）に、クランクシャフトの出力ギヤ（１０）と係合する入力ギヤ（９）が配設され、第１のポンプ（４）が、入力ギヤ（９）と第２のポンプ（５）間に配設されることを特徴とする請求項２に記載のカバープレート（１）。
4. バランスシャフト（６）が、軸受（１１）を介して流体案内装置（１２）内に軸受けされ、第１のギヤ（７）の直径が、軸受（１１）の直径に相当することを特徴とする請求項３に記載のカバープレート（１）。
5. バランスシャフト（６）の動力取出し側端（ＫＳ）に、クランクシャフトの出力ギヤ（１０）と係合する入力ギヤ（９）が配設され、第１のポンプ（４）が、バランスシャフト（６）の入力ギヤ（９）と第２のギヤ（８）とから構成されることを特徴とする請求項２に記載のカバープレート。

Images