JP2006526832A - 画像の補間 - Google Patents

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Abstract

画像のサンプルPi,Potのサンプル値fを補間する方法において、サンプルPi,Potの特定の1つについてサンプル値fの局所的な勾配の方向は、サンプルPi,Potのうちの特定の1つの付近にあるサンプル値fから決定される。インタポレータの入力値aiの位置は、サンプルPi,Potのうちの特定の1つの局所的な勾配8の方向で選択される。サンプルPi,Potのうちの特定の1つについてインタポレータの入力値aiは、インタポレータの入力値aiの付近にある画素値fから補間される。ワープドディスタンス型の補間のためのワープファクタは、インタポレータの入力値aiを使用して決定される。

Description

本発明は、画像の画素の画素値を補間する方法に関する。
さらに、本発明は、ワープドディスタンス式のインタポレータ、及びかかるワープドディスタンス式のインタポレータを有するディスプレイ装置に関する。
ワープドディスタンス(WaDi: Warped Distance)コンセプトは、G.Ramponiによる刊行物“Warped distance for space-variant linear image interpolation”, IEEE Transactions on Image processing, vol.8 no.5, May 1999から知られている。線形補間のためのワープドディスタンスのコンセプトは、線形補間を自然(グラフィックではない)画像の局所的な画素のコンフィギュレーションに適用する。特に、エッジが補間処理によりぼやけるのを防止するのを目的としていた。
WaDiコンセプトは、1次元補間を実行する。水平方向では、補間されたサンプルは、補間されるべきサンプルを挟んでいる2つの隣接する水平方向のサンプルの線形結合である。線形補間は、2つの隣接する水平方向のサンプルに関して補間されるべきサンプルの部分的な位置(すなわち位相)に依存する。ルミナンスエッジにある補間は、位相を局所的にワープすることで調整され、補間されるべきサンプルは、右又は左の入力サンプルの方向に仮想的に移動される。このワープは、ルミナンスエッジが存在する場合には大きく、平滑な部分では小さい。ワープの量を決定するため、補間される必要がある1つの画素の周りの4つの画素が分析され、該サンプルが属する平坦な領域に向かって補間されるべきサンプルが移動されるように非対称な値が計算される。
2次元画像の補間は、水平方向で入力サンプルにWaDiアルゴリズムを実行して補間された水平サンプルを得て、次いで垂直方向で補間された水平サンプルにWaDiアルゴリズムを実行することで得られる。問題は、比較的複雑なアルゴリズムが必要とされることである。
本発明の目的は、より高い性能のアルゴリズムを提供する2次元画像にWaDi補間を実行することにある。
本発明の第一の態様は、請求項1に記載された画像のサンプルのサンプル値を補間する方法を提供する。本発明の第二の態様は、請求項7に記載されたワープドディスタンス式のインタポレータを提供する。本発明の第三の態様は、請求項8に記載されたディスプレイ装置を提供することにある。本発明に係る有利な実施の形態は、従属の請求項に定義されている。
画像のサンプルのサンプル値を補間する方法は、特定の1つのサンプルの近隣にサンプル値から特定の1つのサンプルについて局所的な勾配の方向を決定する。この局所的な勾配は、特定のサンプルの位置でのサンプル値の変化の方法を示している。たとえば、画像が白の左領域と黒の右領域を含み、特定のサンプルが白の領域と黒の領域との間の垂直の境界に近い場合、勾配は白領域の水平方向に向かう。通常、局所的な勾配は、画像のそれぞれの出力サンプルについて決定される。
その後、特定のサンプルの勾配方向に配置されるインタポレータの入力値を使用して、ワープドディスタンスWaDiインタポレータ向けのワープファクタが決定される。次いで、局所的な勾配の方向における特定のサンプルを通して延びるラインで公知のWaDiインタポレータ向けのインタポレータ入力値が選択される。
通常、これらのインタポレータの入力値は、入力サンプルとは一致しないので、インタポレータの入力値は、インタポレータの入力値に隣接する入力のサンプル値から補間される必要がある。
局所的な勾配の方向におけるワープファクタの決定は、水平及び垂直方向で連続してWaDi補間を実行する代わりに、WaDi補間を1つのステップで実行することができるという利点を有している。
請求項2に記載される本発明に係る実施の形態では、WaDi補間は、出力画像がスケーリングされた入力画像であるシステムに適用される。このアプローチは、少なくとも2であるスケーリングファクタについて特に関心があり、このことは、出力サンプル間の距離が入力サンプル間の距離の殆ど半分であることを意味している。2つの連続するサンプル間で経過される時間、又はこれらのサンプルがディスプレイスクリーンの画素で表示されるときにディスプレイスクリーン上の位置を示す場合がある。
この実施の形態では、出力画像は、はじめに、たとえばシンプルな双一次変換を使用することで未処理の補間されたデータを得るために入力画像から粗く補間される。結果的に得られる低域通過バージョンの画像により、勾配の推定が雑音の影響を受けにくくなる。たとえばキュービック補間といった、より複雑な補間が使用されるが、より高い計算上の複雑さとなるといった問題点を有する。局所的な勾配は、出力画素又はシンプルなインタポレータにより供給される未処理の補間されたデータを使用することで決定される。
請求項3に記載される本発明に係る実施の形態では、局所的な勾配は、入力サンプル値を使用することにより入力マップで決定される。発見される局所的な勾配は、出力マップにおける出力サンプルの出力サンプルの位置にマッピングされる。このマッピングは、たとえば、最近接アプローチを使用することによるか、又は線形補間によりかで実行される場合がある。このアプローチは、未処理(生)の補間ステップを必要とせず、したがってより少ない計算上の労力を要する。
請求項4に記載の本発明に係る実施の形態では、サンプルの位置が直交するx、y座標により定義されるマトリクスに配置される。公知のSobel(水平方向微分)フィルタは、局所的な勾配の方向を評価するために使用される。
請求項5に記載の本発明に係る実施の形態では、勾配を決定するために使用される隣接するインタポレータの入力値間の距離は、コヒーレントな補間を提供するために隣接する入力サンプル間の距離に実質的に等しい。
請求項6に記載の本発明に係る実施の形態では、ワープファクタがx座標及びy座標に投影され、WaDiインタポレータを制御して、投影されたワープファクタに従ってx方向及びy方向における距離(時間領域でサンプルをワープするための距離、空間領域で画素をワープするための距離)を修正する。したがって、標準的なWaDiアルゴリズムを2回実行する代わりに、すなわち、はじめに中間的な結果を得るためにx方向で実行し、次いで中間的な結果を使用してy方向で実行する代わりに、1つのワープファクタのコンポーネントは、入力サンプルから補間された出力サンプルを直接的に得るために使用される。
本発明のこれらの態様及び他の態様は、以下に記載される実施の形態を参照して明らかになるであろう。
図1は、従来の2ステップの補間アプローチを示している。
公知の線形補間技術では、2次元の入力画像II(図6参照)は、x方向及びy方向を有する矩形のグリッドに入力サンプルPiが位置されるように、通常等間隔でサンプリングされる入力サンプルPiにより表現される。また、入力サンプルPiは、入力画素Piとも呼ばれ、これは、入力サンプルPiがディスプレイスクリーンDSに表示された場合に(図6参照)、時間的な矩形グリッドがディスプレイスクリーンDSの位置での矩形グリッドを示すという事実に基づいている。入力サンプルPiの値は、入力画素Piの強度を決定する。ディスプレイスクリーンDSに実際に表示されるべき出力サンプルPoは、ディスプレイスクリーンDSの画素に対応する出力画素Poを得るために入力サンプルPiから補間される必要がある。これは、たとえば、マトリクス型ディスプレイのケースのようにディスプレイスクリーンDSの解像度が固定されている場合に、入力画像IIの解像度がディスプレイスクリーンDSの解像度とは異なることが必要とされる。
図1は、入力サンプルPi間で位置される出力サンプルPoの補間を示している。入力画像のサンプルのj番目の行のi番目の入力サンプルPiの値は、f(xi,yj)により示される。出力サンプルPoの値は、fO(x,y)により示される。図1では、出力サンプルPoに最も近い4つの入力サンプルPiが示されている。
はじめに、入力画像IIは、水平方向xで補間される。行yiでは、時間的なサンプルPt1の値ft(x,yj)は、列xiにおける入力サンプルPiの値f(xi,yj)と、列xi+1における入力サンプルPiの値f(xi+1,yj)とを使用して決定される。同様にして、行yj+1では、時間的なサンプルPt2の値ft(xi,yj+1)は、列xiにおける入力サンプルPiの値f(xi,yj+1)と、列xi+1における入力サンプルPiの値f(xi+1,yj+1)とを使用して決定される。次いで、出力画素Poの値fO(x,y)は、時間的なサンプルPt1及びPt2を使用して決定される。
時間的なサンプルPt1及びPt2の値は、以下のように計算される。
Figure 2006526832
ここでSXはxとxiとの間のx方向における距離である。
出力サンプルPoの値は以下のように計算される場合がある。
Figure 2006526832
ここでSYはyとyiとの間のy方向における距離である。
図2は、公知のワープドディスタンスのコンセプトを説明する波形を示している。図1に関して説明されたのと同様に、ワープドディスタンスのコンセプト(更にWaDiとも呼ばれる)は、2ステップで出力サンプルPoの値を決定する。図1に関して説明された線形補間との違いは、距離SX及びSYが入力画像IIの局所的な特徴に従って調整(ワープ)され、補間された出力画像OI(図6参照)の知覚された品質が増加することである。したがって、WaDiは、調整された距離SXによりx方向に線形補間アルゴリズムをはじめに適用して、一時的又は中間的な補間されたサンプルPtを得ることで、入力画像IIを補間する。次いで、WaDiは、調整された距離SYにより中間的な補間されたサンプルPtにy方向で線形補間アルゴリズムを適用して、出力サンプルPoを得る。
WaDiは、ワープファクタAに基づいて距離SX及びSYをワープする。
Figure 2006526832
ここで係数a1〜a4は、補間されるべき出力サンプルPoの近傍における入力サンプル値f(xi,yj)である。WaDiにより実行されるステップに依存して、入力サンプルa1〜a4は、x方向又はy方向にいずれかで配列される。Lは、たとえば8ビットルミナンス信号についてL=256といった、サンプルを表示するために利用可能なレベル数である。
図2は、x方向にけるWaDiを説明するための波形及び入力サンプルPiを示している。
特に、WaDiの目的は、補間処理によりエッジがぼやけるのを防止することにあった。補間されるべき中間的なサンプルPtが出力領域における位置u(図示せず)にある場合、入力領域における出力サンプルPoの対応する位置はx=u/zであり、zはスケーリングファクタである。入力領域は、入力画素Piを含んでおり、出力領域は出力画素Poを含んでいる。断片の位置(fractional position)又は位相は、SX=x−x0であり、x0はxの次の左の入力サンプルPiである。このx0での入力サンプルPiはサンプル値a2を有し、x1での入力サンプルPiは値a3を有し、x-1での入力サンプルPiは値a1を有し、x2での入力サンプルPiは図示される例では1である値a4を有する。シンプルなテント(双一次)カーネルがWaDiの線形補間のベースカーネルとして適用される場合、出力値は、以下のように示される。
Figure 2006526832
ここでx1はxの次の右手の入力サンプルである。
一般的に言えば、補間されたサンプルft(x)は、近傍のサンプルf(x0)及びf(x1)の線形結合であり、この線形結合は、断片の位置(又は位相)SXに依存する。ルミナンスエッジでの補間は、位相SXを局所的にワープすることで調整され、xは右又は左入力サンプルPiに向かって仮想的に移動される。このワープは、ルミナンスエッジが存在する場合に大きく、平滑な部分で小さい。ワープの量を決定するため、補間される必要がある位置xでのサンプルの周りの位置x-1,x0,x1及びx2での4つのサンプルPiが分析され、非対称な値又はワープファクタAが計算される。
Figure 2006526832
ここで、Lは許容されるルミナンスレベルの数(8ビット量子化のケースで256)である。また、x-1は入力サンプルx0に先行する入力サンプルであり、x2は入力サンプルx1に連続する入力サンプルである。S字湾曲状のエッジモデルが適用されるとすると、式(5)における非対称な値Aは、エッジが完全に対称であるときに0であり、エッジがサンプルPtの右(左)手側でより平坦であるときに1(又は−1)に近づく。
補間されるべきサンプルPtは、該サンプルが属する平坦な領域に向かって移動されるべきである。したがって、ワープファクタがA>0であるとき、位相SXが増加する必要があり、ワープファクタがA<0であるとき、位相SXは減少する必要がある。これは、以下のワープ関数により得られる。
Figure 2006526832
ここで、kは制御可能な場合がある一般的なワープの量である。ワープされる位相SX’は、kが範囲[0,1]にある場合に範囲[0,1]のままである。なお、A及びkの値に関わらず、2つの極値SX=0及びSX=1(それぞれSX’=0及びSX’=1)が保持される。ワープされる中間的なサンプルは、WPとして示される。
x方向で公知のWaDiを実行することでワープされた中間的なサンプルWPを決定するために説明されたのと同じ方式で、WaDiは、出力サンプルPoを得るために、y方向においてワープされた中間的なサンプルWPを補間する必要がある。
位相SXを変えることは、まるでワープされたかのように、WaDiの線形フィルタの式を適用する前に、中間又は出力グリッドのそれぞれにおいて、補間されるべきサンプルの位置Pt又はPoを移動することに等価である。実際に、サンプルの最後の位置Pt又はPoは変化せず、アルゴリズムは、補間されるべきサンプルPt又はPoに、まるでワープされた位置にあるかのように得られた値を割り当てる。ファクタkはワープ量を制御し、より大きなkの値は、シャープニング効果を増加させる。位相SXが間隔0〜1にあることを確認するため、ファクタkが≦1に選択される必要がある。しかし、自然画像について、ファクタkは1よりも大きいことが好ましい。|A|は通常小さいので、これらより大きなファクタkでさえ、位相SXはなお1よりも小さい。位相SXが1よりも大きくなる場合には1にクリップされ、0よりも小さくなる場合には0にクリップされる。
本発明に係る実施の形態では、公知のWaDiと比較して、入力画像又は出力画像のいずれかで、局所的な勾配(θ)の方向で、ワープ関数が1度だけ決定される。
図3は、特定の出力サンプルについて、インタポレータの入力値a1〜a4が本発明の実施の形態に従って局所的な勾配の方向にどのように配列される場合があるかを示している。入力サンプルPiは、x,y空間で距離dの間隔で配置される大きなドットにより示されている。出力サンプルPoは、出力グリッドを形成する水平及び垂直ラインの交点により示されている。図3は、例を通してファクタ2でのスケーリングを示している。ラインTRは、(境界TRの左手側にある)黒の領域と白の領域との間の境界を示している。出力画素Pの位置にある局所的な勾配の方向は、境界TRに垂直な破線DLGにより示される。
本発明は、x又はy方向で局所的な1次元の特性に従うものではないが、2次元の特性から、位相SX及びSYを変化することに基づいている。したがって、ワープファクタAは、対角線である場合がある局所的な勾配方向θに沿って1ステップで計算される。x方向及びy方向において個別にファクタAを決定する必要がない。
公知のWaDiに関して説明されたように、非対称な値又はワープファクタAは、値が決定される必要がある出力サンプルPの近傍に位置される入力値a1〜a4を使用することで計算される。しかし、本発明の実施の形態によれば、これらの入力値は、x方向における入力サンプルPiであるか、又はy方向におけるワープされた一時的なサンプルPtのいずれでもない。ここで、入力値a1〜a4とは、局所的な勾配θの方向に配列される。図3に示されるように、ワープファクタAを決定するために使用される入力値a1〜a4は、ラインDLG上に、すなわち局所的な勾配θの方向で位置される。通常、これらの値a1〜a4は、入力サンプルPiと一致せず、入力サンプルPiから補間される必要がある。好ましくは、入力値a1〜a2のうちの2つの連続する値の間の距離dは、画像補間ステージと一致した状態で入力画像IIのサンプルPiのサンプリング周期に等しい。
このサンプリング周期は、x方向又はy方向のいずれかで2つの連続する入力サンプルPi間の距離dに対応する。たとえば、入力値a1〜a4は、図3に示される位置における双一次補間により得られる。入力値a1〜a4のこれらの位置は、補間されるべき出力画素Pの(xp,yp)位置から、距離−1.5−d,−0.5−d,0.5−d,1.5−dのそれぞれで、最大の勾配の方向θに沿って選択され、ここでdは入力グリッドにおける2つの連続する入力画素Pi間の距離である。入力値a1〜a4の座標x及びyは、以下の式で決定される。
Figure 2006526832
ここでiは入力値aiのインデックスである。
2つの可能な実施の形態は、局所的な勾配θを決定するために説明される。第一の実施の形態では、入力画像IIは、たとえば双一次フィルタといった公知のアルゴリズムではじめに補間され、粗く補間された出力サンプルを得る。局所的な勾配θは、これら出力サンプルから出力領域で決定される。たとえば、Sobelフィルタを使用することによる。探索方向に沿った関数の勾配(directional derivative)の値を得るため、x及びy方向に沿ったSobelフィルタの可能なマスクは、以下に示される。
Figure 2006526832
位置xi,yjでの勾配の方向は、次いで以下のように推定される。
Figure 2006526832
ここでf1は入力画像IIの粗い補間の結果であり、θは−π/2とπ/2との間で変化する角度である。
勾配の評価は、出力領域においてSobelの方法を使用することで実行されている。たとえばシンプルな双一次インタポレータといった前処理は、低域通過バージョンの入力画像IIを表す未処理の補間された出力サンプルを得るために必要とされ、したがって、勾配の推定は、雑音に対する感度が低くなる。粗い補間は、たとえばバイキュービック補間のような、より複雑な方法で実行される場合があり、このバイキュービック補間は、勿論、より高い計算上の複雑さが必要とされるという問題点を有するが、良好な勾配の値θを提供する。この第一の実施の形態が非常に良好な勾配の評価を与えるが、全体の処理時間に顕著なオーバヘッドを追加する。
別の実施の形態では、勾配θを推定する最適に準じるソリューションは、(入力サンプルPiを使用して)入力領域においてSobelフィルタを適用し、次いで、これらの勾配の値を出力グリッドにマッピングすることである。このマッピングは、たとえば、最近接アプローチを使用するか、又は推定された勾配値θを線形補間することで実行される場合がある。
非常に高い補間ファクタの値が必要とされる場合、Sobelフィルタの通過帯域は、余りに広くなり、勾配の評価が機能しなくなる。高い補間ファクタについて、全体のアルゴリズムを2度実行して、2ステップで画像をリサイズすることが良好である。たとえば、ファクタ8による補間は、ファクタ2によるインタポレータのカスケードによる補間となる。代替的に、Sobelフィルタが使用され、中間解像度のバージョンの入力画像IIを処理して勾配の値θを得る場合がある。同じ勾配の値θは、超高解像度の出力グリッドにおける出力画素Poのグループに割り当てられる。
図4は、本発明に係る1ステップのワープドディスタンスのコンセプトの実施の形態を説明するためのフローチャートを示している。
ステップ1は、入力サンプルPi(i,j)を受信し、(勾配とも呼ばれる)局所的な勾配θ(m,n)を供給する。先に説明された第一の実施の形態では、ステップ10は、入力画素Pi(i,j)を補間し、SobelXフィルタリングステップ11及びSobelYフィルタリングステップ12に入力される推定された出力サンプルI’(m,n)を得る。分割ステップ13では、SobelYフィルタリングステップ12の出力は、SobelXフィルタリングステップ11の出力により分割される。ステップ14は、分割ステップ13の出力の逆正接を計算することで勾配θ(m,n)を決定する。
ステップ2は、ワープファクタAの決定とも呼ばれる局所的な非対称予測を実行する。ステップ20では、局所的な勾配の方向θ、すなわちラインDLGに沿った位置で決定されるため、4つのa1〜a4が入力値選択される。P(m,n)は、その値が補間される必要がある出力サンプルであり、θ(P)は、この出力サンプルP(m,n)の位置での局所的な勾配である。ステップ21では、入力値a1〜a4の値は、入力値a1〜a4の位置を囲んでいる入力サンプルPiの補間により決定される。好ましくは、双一次補間が使用される。ステップ22では、ワープファクタAは、補間された入力値a1〜a4から1ステップで式5に従って決定される。
ステップ3は、出力サンプルPo(i,j)の値を決定する。ステップ30は、勾配θ(m,n)及びワープファクタAを受け、公知のWaDiアプローチについて式6で行ったのと同じ方式で距離SX及びSYをワープすることで、局所的なワープコンポーネント又は距離SLX及びSLYを計算する。結果を得るため、ワーピングファクタAは、x及びy方向に投影される。以下の式はこれらの動作を実行する。
Figure 2006526832
公知のWaDiアプローチにおけるように、kは歪みの強度を調整する乗算ファクタであり、θは勾配の方向を定義する角度である。分母でのオプショナルファクタ4は、公知のWaDi結果との比較のためにのみ提供される。なお、kファクタは、(外部の)自動制御により、サンプル−サンプル(又は出力画素を示す場合にはピクセル−ピクセル)ベースで変動することができる。たとえば、ナチュラルコンテンツ検出器を使用して、局所的な画素が写真の一部であるかに関する可能性を評価することができる。この評価に依存して、最良の結果を得るためにkファクタを介して、ワープ作用を調節することができる。
オプショナルのクリッピングステップ31は、限界を含めて0〜1の範囲に保持するため、局所的なワープ距離SLX及びSLYの値をクリップする。さもなければ、特に乗算ファクタk>4の場合に、ワープ距離SLX又はSLYはゼロよりも小さいか又は1よりも大きい事が生じる場合があり、このことは、補間されるべき出力画素Poが4つの最近接の入力画素Piにより形成される正方形の外に移動することを意味しており、このことは、良好な補間を提供しない。クリップされたワープ距離は、SLCX及びSLCYにより示される。
なお、式8及び9に基づいて、位相SX=0及び位相SY=0である場合、Aが非ゼロである場合、ワープ距離SLX及びSLYはゼロに等しくならない場合がある。したがって、入力グリッドにおける点に対応する出力グリッドにおける点で補間された出力画素Po(m,n)は、対応する入力サンプルPi(i,j)とは異なる値を有する場合がある。したがって、本発明に係る調整されたWaDiアルゴリズムは、近似的な補間アルゴリズムである。
補間ステップ32は、リニアカーネルを好ましくは使用するインタポレータにより入力サンプルPi(i,j)を補間する。クリップされたワープ距離SLCX及びSLCYは、公知のWaDiにおけるのと同じやり方で隣接する入力サンプルPi(i,j)を重み付けすることで、出力サンプルPo(m,n)がどのように補間される必要があるかを決定する。
出力サンプルの値f(x’,y’)又は画素Po(x,y)が評価される必要があるワープされた位置x’,y’は、3つのファクタにより影響される。
補間している出力画素Poの座標x,y。
ワープファクタAを計算するために使用される入力値aiの位置を制約する局所的な勾配の方向θ。
及び、ワープ強度のパラメータkの値。
図5は、本発明に係る1ステップのワープドディスタンスのコンセプトの別の実施の形態の一部に関するフローチャートを示している。図5は、先に説明された第二の実施の形態に係る局所的な勾配θ(m,n)の方向を決定するステップ1で要求されるステップを示している。ここで、ステップ1は、図4に示されるステップ10〜14の代わりに、ステップ15及び16を有している。ステップ15では、局所的な勾配θ(i,j)の方向は、入力サンプルPiの入力画像IIで決定される。ステップ16は、入力領域からのこれら局所的な勾配θ(i,j)を出力領域にマッピングし、出力画素Poの局所的な勾配θ(m,n)を得る。本発明に係るこの実施の形態のWaDi処理の他のステップは、図4に示されるステップに等しい。
図6は、本発明に係るワープドディスタンス式のインタポレータを有するディスプレイ装置のブロック図を示している。入力ビデオプロセッサIVPは、入力ビデオIVを処理し、入力サンプルPiを有する入力画像IIを得る。入力ビデオIVがRGB信号を有する場合、入力ビデオプロセッサIVPは、ルミナンス値を決定するためのマトリクスを有する場合がある。スケーラWIは、1ステップで2次元の入力画像IIを処理することができるように調整される公知のWaDiインタポレータである、本発明に従うWaDiインタポレータを有する。スケーラWIは、出力サンプルPoを有する出力画像OIを供給する。かかるスケーラは、通常、マトリクス型ディスプレイを有するディスプレイ装置で必要とされる。かかるマトリクス型ディスプレイは、それぞれの行における画素(表示素子)数及び行数により決定される固有の解像度を有する。他方で、入力画像IIは、マトリクス型ディスプレイの固有の解像度とは異なる解像度を有している。したがって、マトリクス型ディスプレイの画素に表示されるべき出力サンプルPoは、入力サンプルPiから補間される必要がある。スケーラWIは、存在する場合に、3つの信号R,G及びBのそれぞれを補間可能にするため、入力ビデオIVを受信する場合がある。出力ビデオ処理は、出力ビデオOIを処理して、ディスプレイスクリーンDSを有するディスプレイ装置DPを駆動するのに適したビデオ駆動信号VDSを得る。
結論付けると、本発明に係る好適な実施の形態は、所与の順序で次のステップを実行するデジタルプロセッサに向けられる。
予め決定された最初の補間方法により入力画像IIを補間して、一時的な出力サンプルPotを有する粗く補間された出力画像I’(m,n)を得る(10)。一時的な出力サンプルPotは、局所的な勾配の方向θ(m,n)を計算するためにそれらを使用する目的で決定され、表示されるのを意図していない。他のアルゴリズムが使用される場合もあるが、Sobelフィルタ11及び12、分割手段13、逆正接計算手段14のようなシンプルなアルゴリズムを使用して、この粗く補間された出力画像I’(m,n)における局所的な勾配の方向θ(m,n)を計算する。
補間した出力画素Po(m,n)の周りに位置される、20で選択された予め決定された位置において、入力画像IIからこの勾配の方向θ(m,n)に沿って多数の補間された入力値aiを決定する(21)。これら入力値aiを使用して、ワープファクタAを計算することでWaDiアプローチのエッジモデルに整合させる。このワープファクタAを使用して、勾配の方向θ(m,n)に沿ってワープを計算する。
x及びy軸の勾配の方向θ(m,n)に沿って計算されたワープを投影し(30)、必要であれば、クリッピングを実行する(31)。投影されたx及びy方向のワープコンポーネントを(最も近い左上の入力画素Pi(i,j)に関して補間されるべき出力サンプルPo(m,n)のオフセットを表す)位相SX及びSYの値に適用し(32)、出力サンプルPo(m,n)のワープされた位置を計算する。リニアフィルタリング技術を使用して(32)、ワープされた位置における出力サンプル値Po(m,n)を補間する。出力サンプルPo(m,n)は、表示されるために使用される。
本発明に係るWaDiアルゴリズムは、補間処理が写真画像又はビデオに関して要求されるたびに使用される。アルゴリズムは、2よりも大きいスケーリングファクタが必要とされるときに最良に実行される。たとえば、アルゴリズムは、ビデオウォールアプリケーション、フォトリタッチングソフトウェア及び他の環境で使用される場合がある。たとえば、デジタルディスプレイシステムのコントローラのような集積回路内部で有効である。アルゴリズムは、リアルタイムアプリケーション及びバッチ処理アプリケーションの両者で実現される。
なお、先に記載された実施の形態は、本発明を制限のではなく例示するものであって、当業者であれば、特許請求の範囲から逸脱することなしに多くの代替的な実施の形態を設計することができる。
本発明に係るWaDi処理はグレイスケール画像について記載されたが、同じ処理をカラー画像に使用することもできる。WaDiプロセッサは、RGB(赤、緑及び青)入力信号を受ける場合、ワープされた距離SLX及びSLYは、RGB入力信号から決定されるルミナンス値を使用することで計算される場合がある。違いは、最後のステップ32において、ワープされた距離SLX及びSLY、又はクリップされたワープされた距離SLCX,SLCYの同じ値を使用してRGB信号のそれぞれ1つに対して個別に、補間が3回適用されることである。
請求項では、括弧間に配置される参照符号は、請求項を限定するとして解釈されるべきではない。動詞「有する“comprise”」及びその派生語の使用は、請求項で述べた以外のエレメント又はステップの存在を排除するものではない。エレメントに先行する冠詞“a”又は“an”は、複数のかかるエレメントの存在を排除するものではない。本発明は、幾つかの異なるエレメントを有するハードウェアにより、適切にプログラムされたコンピュータにより実現される場合がある。幾つかの手段を列挙している装置の請求項では、幾つかのこれらの手段は、同一のハードウェアにより実施される場合がある。所定の手段が相互に異なる請求項で引用されるという事実は、これらの手段の組み合わせを使用することができないことを示していない。
公知の2ステップの補間アプローチを示す図である。 公知のワープドディスタンスコンセプトを説明する波形を示す図である。 特定の出力サンプルについて、本発明に実施の形態に係る局所的な勾配の方向におけるインタポレータの入力値の配置を示す図である。 本発明に係る1ステップのワープドディスタンスのコンセプトの実施の形態を説明するためのフローチャートである。 本発明に係る1ステップのワープドディスタンスのコンセプトの別の実施の形態の一部に関するフローチャートである。 本発明に係るワープドディスタンス式のインタポレータを有するディスプレイ装置のブロック図である。

Claims (8)

  1. 画像のサンプルのサンプル値を補間する方法であって、
    サンプルのうちの特定の1つの付近にあるサンプル値から前記サンプルのうちの特定の1つのサンプル値の局所的な勾配の方向を決定するステップと、
    前記サンプルのうちの特定の1つの局所的な勾配の方向におけるインタポレータの入力値の位置を選択するステップと、
    前記インタポレータの入力値の付近にあるサンプル値から前記サンプルのうちの特定の1つについてインタポレータの入力値を補間するステップと、
    前記インタポレータの入力値を使用して、ワープされる距離のインタポレータのためのワープファクタを1ステップで決定するステップと、
    を含むことを特徴とする方法。
  2. 入力サンプル値を有する入力サンプルをもつ入力画像をデジタル的にスケーリングして出力サンプルをもつ出力画像を得るためのシステムにおいて、出力画像は前記入力画像から補間され、
    当該方法は、
    前記入力サンプル値を補間して、一時的な出力サンプル値を有する補間された一時的な出力サンプルを得るステップを更に含み、
    前記局所的な勾配の方向を決定するステップは、近隣の一時的な出力サンプル値から出力サンプルのそれぞれ1つについて局所的な勾配の方向を決定する、
    請求項1記載の画像のサンプルのサンプル値を補間する方法。
  3. 入力サンプルをもつ入力画像をデジタル的にスケーリングして出力サンプルをもつ出力画像を得るためのシステムにおいて、出力画像は入力画像から補間され、
    前記局所的な勾配の方向を決定するステップは、入力サンプルの勾配の値を得るため、近隣の入力サンプル値から入力サンプルのそれぞれ1つについて局所的な勾配の方向を決定し、
    当該方法は、前記入力サンプルの勾配の値を前記出力サンプルの出力勾配の値にマッピングするステップを更に有し、前記出力勾配の値の対応する1つは、前記サンプルのうちの特定の1つの局所的な勾配として使用される、
    請求項1記載の画像のサンプルのサンプル値を補間する方法。
  4. 前記入力サンプル及び前記出力サンプルは、x方向における画素の行とy方向における画素の列とを有するマトリクス状に配列され、
    前記局所的な勾配の方向を決定するステップは、一時的な出力サンプルに対してx方向において第一のSobelフィルタリングを行い、y方向において第二のSobelフィルタリングを行うステップを含み、
    前記出力サンプルの局所的な勾配は、前記第二のSobelフィルタリングを前記第一のSobelフィルタリングで割った逆正接である、
    請求項2記載の画像のサンプルのサンプル値を補間する方法。
  5. 隣り合うインタポレータの入力値の間の距離は、隣り合う入力サンプルの間の距離に実質的に等しい、
    請求項2又は3記載の画像のサンプルのサンプル値を補間する方法。
  6. 前記入力サンプルと前記出力サンプルは、x方向における画素の行とy方向における画素の列とを有するマトリクス状に配列され、
    前記ワープファクタを決定するステップは、前記ワークファクタをx軸とy軸に投影して、第一及び第二のワープコンポーネントをそれぞれ得るステップと、インタポレータが前記第一及び第二のワープコンポーネントにより決定された修正される距離で前記入力サンプルを補間するステップとを含む、
    請求項2又は3記載の画像のサンプルのサンプル値を補間する方法。
  7. 画像のサンプルのサンプル値を補間するワープドディスタンス式のインタポレータであって、
    サンプルのうちの特定の1つの付近にあるサンプル値から前記サンプルのうちの特定の1つのサンプル値の局所的な勾配の方向を決定する手段と、
    前記サンプルのうちの特定の1つの局所的な勾配の方向においてインタポレータの入力値の位置を選択する手段と、
    前記インタポレータの入力値の付近にある画素値から前記サンプルのうちの特定の1つのインタポレータの入力値を補間する手段と、
    前記インタポレータの入力値を使用してワープドディスタンス式のインタポレータについてワープファクタを1ステップで決定する手段と、
    を有することを特徴とするワープドディスタンス式のインタポレータ。
  8. 請求項7記載のワープドディスタンス式のインタポレータ及びディスプレイスクリーンを有するディスプレイ装置。
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