JP2006525687A - 導波路構造部 - Google Patents

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Abstract

本発明は、その所要スペースが僅かで済み、比較的ロスの少ないビーム偏向が可能な、アンテナ素子装置の入力信号間の位相グラジエントを生成するためのプレーナ型導波路構造部に関している。この導波路構造部(10)は、誘電性のマイクロ波基板上で実現され、該基板の両側に少なくとも1つの導電層が設けられている。2つの導電層の少なくとも1つは構造化され当該導波路構造部の信号側を形成し、それに対して他の導電層はアースとして用いられる。この導波路構造部は、信号給電ないしピックアップのためのビームポートを備えた少なくとも1つのパラレルプレート線路(11)を含み、該パラレルプレート線路は湾曲した反射器輪郭(20)を有している。それにより該輪郭は反射器として作用している。

Description

本発明は、アンテナ素子装置の入力信号間の位相グラジエントを生成するための導波路構造部に関している。
導波路構造部は、誘電的マイクロ波基板上で実現されており、この基板の両側には少なくとも1つの導電層が設けられている。2つの導電層の少なくとも1つは、構造化され、導波路構造部の信号側を形成し、それに対してもう一方の導電層は、アースとして用いられる。この導波路構造部は、信号給電ないしは信号タップのためのビームローブを備えた少なくとも1つのパラレルプレート線路を含んでいる。
この種の導波路構造部は、実質的にマイクロ波領域のビームスイング式群アンテナ(“フェーズドアレイ”)の実現のために用いられている。隣接するアンテナ素子間の位相グラジエントφは、詳細にはそれらの出力信号の進みや遅れを引き起こす。これによりアンテナ出力信号の信号波において生じる位相波面が角度(方位角)をなして揺動する。
電子制御で旋回可能か若しくは切り替え可能なビームローブを備えた多くのマイクロ波アンテナがレーダー領域や通信領域において民間利用並びに軍事利用されていることは公知である。例えばここでは適応化された速度制御のための自動車用レーダーシステム(アダプティブクルーズコントロール;ACC)の使用があげられ、これは典型的にはマルチポートのモノポールレーダーの原理に従って動作している。その際に1つまたは複数のアンテナを介してアジマス面内に複数のビームローブが形成され、それらはそれぞれ対毎に部分領域内で重畳する。自動車分野での将来的な適用例としては、アダプティブクルーズコントロールの他にも“ロースピードフォローイング”、“ストップ・アンド・ゴー”モード、後進及び駐車支援システム、死角監視システム、衝突回避手段ないしは走行計画、エアバックなどの乗員拘束手段のトリガによる衝突軽減手段を備えた衝突識別システムなどがあげられる。現在の商業的ベースで得られる自動車用レーダーセンサにおけるビームローブは、通常は、誘電的レンズを用いて構成されている。研究機関では、コスト的な理由とスペース的な理由から有利である完全に扁平な構造、すなわちプレーナ型アンテナとこのアンテナに設けられるビーム形成用のプレーナ型導波路構造部とを備えたレーダーセンサの研究が取り組まれている。実際には、プレーナ型導波路−レンズ構造部の利用が公知であり(例えばロートマンレンズ“Rotman-Linse”)、これはその出力側において、選択された入力に依存した位相グラジエントを生成する。アンテナ素子は、そのようなレンズ構造部の出力側に結合され、選択された入力に応じて、位相グラジエントから生じるビーム偏向を有するビームローブを形成する。ロートマンレンズは、良好な集束特性を有し、アンテナポートにおける任意の位相グラジエントに対してフレキシブルな設計仕様が可能である。実質的にはこの種のレンズ構造はプレーナマイクロストリップ技術を用いて複数の固定のビームローブを備えたプレーナアンテナと結合して実現される。レンズの素子は、この場合マイクロストリップ回路のプレーナ素子としてマイクロ波基板(例えばセラミック、ガラス、充填プラスチックなど)上で実現される。
プレーナ型ロートマンレンズの基本的な構造は図1に示されている。パラレルプレート線路1は、一方の側においてビームポート2を介して給電され、このビームポート2は、マイクロストリップ線路3と場合によってはビームローブ選択のための切り替えスイッチを介して、ここには図示されていない送/受信回路に接続されている。パラレルプレート線路1内では、アンテナポート4までの電磁波伝播が行われる。このアンテナポート4からは、パラレルプレート線路1の電磁波がマイクロストリップ線路5へ案内され、このマイクロストリップ線路5を介してアンテナ素子6が結合されている。アンテナポート4とアンテナ素子6の間のマイクロストリップ線路5は、補償線路の形態で実施されており、パラレルプレート線路1の中心から外方に向けてのそれらの線路の長さは可変である。パラレルプレート線路1の輪郭と補償線路5の長さは、それぞれの信号経路長を定めている。それらは次のように設計仕様されている。すなわち中央に配置されたビームポートに対しては0の位相グラジエントがアンテナ素子6に生じ、それに対してもっとも外側のビームポートに対して所定の最大位相グラジエントが生じるように設計仕様される。しかしながら前述したレンズ構造は、レーダーセンサへの実際の投入を困難にする一連の不足事項を有している。そのためレンズの損失、特に補償線路に起因するロスは結構大きくなる。またパラレルプレート線路と補償線路の所要面積も比較的大きい。それに対して通常は、レンズ構造部ないしパラレルプレート線路の側に過度なビームロスが比較的多く発生する。さらにロートマンレンズを適用した場合には、ビームポートがアンテナからかなり離れて遠くなる。そのためセンサは仰角方向に比較的長くなり、このことは自動車への組み込みに対しては不利となる。
発明の利点
本発明によれば、冒頭に述べたような形式のプレーナ型導波路構造部において、その所要スペースが比較的わずかで済み、その他にも比較的ロスの少ないビーム偏向が可能となる。
これらの利点は、パラレルプレート線路が湾曲した反射器輪郭を有し、それによってパラレルプレート線路が信号反射器として作用する構成によって達成される。
本発明によれば、所定のビーム偏向がレンズ構造部だけでなく、反射器構造を用いても生じさせることができることがわかった。特にそれに適した反射器構造が、マイクロ波基板上のプレーナ導波路構造、詳細には湾曲した反射器輪郭を備えたパラレルプレート線路としての形態で実現できることもわかった。このパラレルプレート線路は、信号給電ないしは信号ピックアップのための複数のビームポートを備えており、それらが次のように配設されている。すなわち、信号が、パラレルプレート線路の湾曲した反射器輪郭における反射によってビームポートから結合されたアンテナ素子へ、ないしはアンテナ素子からビームポートへ到達するように配設されている。その場合パラレルプレート線路の出力信号間では、それぞれのビームポートに依存した位相グラジエントが生じる。パラレルプレート線路の出力側に接続されたプレーナ群アンテナは、それによって異なるビーム偏向を有する複数のビームローブを送信する。ロートマンレンズに比べてここでは、損失を生じさせる調整線路は何も必要とされない。このことは付加的に本発明による導波路構造部のサイズにも有利に働く。このサイズは、アンテナ幅の面積の1/2のオーダーにある。ビームポートは、アンテナ側方のアジマス面に存在するので、本発明による導波路構造部の仰角方向での構造形態は、それほど長くはなく、それ故に自動車分野での適用に対しても良好である。
本発明による導波路構造部の枠内では、湾曲した反射器輪郭の実現に対して種々の可能性が存在している。1つの有利な実施形態によれば、信号面とアース面の上のパラレルプレート線路の導電層が、反射器輪郭を形成している湾曲ラインに沿って終端する。しかしながらパラレルプレート線路の湾曲した反射器輪郭は、信号側とアース側の導電層の間で相応に配置された、導電性の引き込み線の形態で実現してもよい。その場合にこれらの引き込み線の間の間隔とそれらの引き込み線の直径は、出力波長に比べて小さくされる。特に有利には、反射器輪郭の湾曲が近似的に放物線状である。しかしながらここでは、次のことも示唆しておく。すなわち本発明による導波路構造部は放物線状の輪郭からそれているとその集束特性がさらに改善され得る。そのため数値的な最適化を用いることによって反射器輪郭が求められ、それによって焦点における位相偏差が均等に最小化される。
本発明による導波路構造部の特に有利な変化例によれば、導電層にマイクロストリップ線路が形成され、それらがプレーナ型給電ホーン部(線路テーパー部)を介してパラレルプレート線路のビームポートに結合されている。ビーム線束ないし過度なビームは給電ホーン部のサイズによって確定することが示されており、このことは損失の低減に寄与する。その他にも過度なビームは、既に反射器構造部の形態に基づいて極僅かしか現れない。ビームポートに印加される信号は、ビーム結合又は線路引き込み線を介して、いわゆるHF−Viasを介してマイクロ波基板の裏側に案内される。多層基板が使用される場合には、HFエレクトロニクスが設けられ、このことは所定の適用に対して有利に働く。
本発明による導波路構造部のパラレルプレート線路は、アンテナ側に続けられ、そこには群アンテナのアンテナ素子として機能するスリットが設けられてもよい。このケースでは、放射の損失が比較的少ない。本発明による導波路構造部の別の実施形態では、パラレルプレート線路に、アンテナ素子の結合のためのアンテナポートが形成される。有利には、これらの結合がプレーナ型給電ホーン部(線路テーパー部)とマイクロストリップ線路によっても実現され得る。
本発明による導波路構造部の有利な改善例によれば、パラレルプレート線路の輪郭における導電層においてダミーポートが形成される。ビームポート間の領域におけるダミーポートは、個々のビームポート相互間の減結合のために用いられる。ビームポートと反射器輪郭の間の領域のダミーポートの配置構成は、不所望な反射を回避する。これらのダミーポートは、有利には、プレーナ型給電ホーンの形態で実現され、これらはそれぞれ反射の乏しい形態で終端されるかそのように終端された線路に案内される。
パラレルプレート線路を有し、該プレート線路上にビームポートと場合によってはアンテナポート並びにダミーポートが形成されている本発明による導波路構造部は、マイクロ波基板上で完全なプレーナマイクロストリップ構造の形態で所要の側方接続線路と共に実現可能である。
図面
前述してきたように、本発明の教示を有利な形式で備えて改善構成された種々の手段が存在している。そのため一方では請求項1に従属する従属請求項において述べると同時に、他方では以下の明細書において本発明の複数の実施例を図面に基づいて説明する。この場合、図1は、ロートマンレンズの基本的な構造を示した図であり(従来技術)、
図2のa,bは、2つの異なるビームパスを備えた本発明による導波路構造部の平面図であり、
図3は、例示的に3つのビームパスにおけるプレーナ型パラボラ反射器における集束を表した図であり、
図4は、本発明による第1の導波路構造部の透視図であり、
図5は、本発明による第2の導波路構造部の透視図である。
図2のaとbに示されている導波路構造部10は、アンテナ素子16からなる装置の入力信号間の位相グラジエントの形成のために用いられる。
導波路構造部10は、低コストな高周波回路の製造に用いられるようなマイクロストリップテクノロジで実現される。最も簡単なケースでは、セラミック、ガラス、充填プラスチックからなる単層のマイクロ波基板が用いられる。この基板の両側は金属化されている。導波路構造部10の信号側を形成している図示の上側の構造化によって、信号給電ないしは信号ピックアップのためのビームポート12を備えたパラレルプレート線路11が実現される。金属化された下側は、導波路構造部10のアースを形成しており、同じように構造化が可能である。本発明によれば、パラレルプレート線路11は、湾曲した反射器輪郭20を有しており、それによってこれは信号反射器として作用する。この反射器輪郭20の湾曲は、近似的に放物線状である。
信号側の導電層においては、マイクロストリップ線路13が形成されており、これは漸次的に拡幅された線路区分17を介してパラレルプレート線路11のビームポート12に結合されている。この漸次的に拡幅されている線路区分17は、マイクロストリップ線路の端部からパラレルプレート線路への導波路拡幅部分が空間におけるホーンアンテナの放射に比較し得るので、“テーパー部”ないしは“給電ホーン部”とも称している。これらのテーパー部の実施に対しては様々な形態が可能である(例えば指数ホーン、線形ホーン等)。
ここに図示されている実施例のパラレルプレート線路11は、その他にもアンテナポート14を有しており、これも線路テーパー部18とマイクロストリップ線路15を介してアンテナ素子16に結合されている。
最後に信号側のパラレルプレート線路11の輪郭には、まだダミーポート23及び24が形成されている。これらのダミーポートは、それぞれ線路テーパー部の形態で実現されており、それらは反射の乏しい形態で終端されるか反射の乏しい形態で終端された線路に案内される。この線路の終端は、例えばアース引き込み線若しくは短絡スタブを備えた離散的な抵抗として実現されてもよいし、線路に対する吸着材の被着によって実現されてもよい。ダミーポート23は、個々のビームポート12の間に配設され、一方ではビームポート12相互の減結合のために用いられ、他方では、給電ホーン部17に隣接する金属縁部における電磁波の反射若しくは屈折を阻止する給電ホーン部17から出射するプレナー球面波の伝播の改善のために用いられる。ビームポート12装置と反射器輪郭との間、つまりパラレルプレート線路11の使用されていない縁部領域には、不所望な反射を阻止するためにダミーポート24が配置されている。
図2a及びbは、図示されているビーム経路が異なっているだけである。図2aには、波面8が示されており、これはアンテナ端面に対して直角に生じており、つまり0°の偏向角を有している。それに対して図2bに示されている波面9は、アンテナ端面に対して0°ではない偏向角度を有している点で異なって生じている。それに応じて2つの図示されている波面8及び9は、反射器輪郭20を有しているパラレルプレート線路11によって異なったビームポート12aと12bにおいて集束されている。すなわちアンテナ端面に対して直角方向に現れている波面8は、中央に配置されたビームポート12aに集束しており、それに対して0°ではない偏向角を有している波面9は、外側のビームポート12bに集束している。ここに図示されているプレーナ型反射器構造部の機能の具体化に対して、以下の説明においては、送信のケースと受信のケースの間で区別はしない。なぜなら反射器構造部は、両ケースにおいて同じようにビームパスに作用するからである。
図3には、図2a及びbに示されている湾曲した反射器輪郭20を備えたパラレルプレート線路11が示されており、このパラレルプレート線路内では例示的に3つのビームパスが、アンテナ端面に対して異なる偏向角度を有する同レベルの3つの電磁波の受信の際にどのように現れるかが示されている。送信のケースでは、これらの同レベルの電磁波はアンテナポート14に対する入力信号に相応する。この場合はそれぞれ隣接するアンテナポート14間で位相グラジエントが生じる。アンテナポートがアンテナ素子にガイドされるならば、これらの信号は、アンテナ基準に対してそれぞれ異なる偏向角度を有するビームローブを形成する。
それらの信号は、湾曲した反射器輪郭20において反射し、受信の際には3つの焦点31,32,33に集束する。アンテナ端面に対して直角なビームに対する“真”の焦点32の他に、直角に入射しない電磁波に対する2つの焦点31,33が生じている。反射器輪郭の数値的な最適化を用いることによって、それらの集束特性が次のように改善される。すなわち焦点内の位相偏差が均等に最小化される。通常は、焦点31と33が十分に小さければ、それらはプレーナ型給電ホーン部によって把握され得る。生じる位相誤差も許容誤差内である。給電ホーン部は、次のように配置される。すなわちその位相の中心が、適切な平均化若しくは数値的最適化によって定められる最小の位相偏差の箇所に存在するように位置付けされる。給電ホーン部の配向は次のように選択される。すなわち送信ケースにおいてできるだけ少ないビーム成分が縁部における過剰放射によって失われるだけで済むように選択される。それによりビーム最大値は、アンテナポートのほぼ中心に現れる。これに対しては数値的な最適化が実施されてもよい。
アンテナポートは、ここに記載されている導波路構造部のもとでは反射器輪郭の比較的狭い範囲だけを照射するだけでよい。つまりそれらは比較的大きな設計仕様が可能である。というのもそれぞれのアンテナポート前の反射器領域のみからアンテナポートのビームが所属のビームポートへ到達するからである。それとは反対にビームポートは、小さく構成される。なぜなら反射器輪郭の全てが照射されるからである。
図4及び図5には、本発明による2つの導波路構造部40及び50が示されており、これらそれぞれマイクロ波基板上にマイクロストリップ線路を備えたパラレルプレート線路の形態で実現されている。このことは既に図2に基づいて詳細に説明されている。
図4に示されている導波路構造部40では、パラレルプレート線路11の湾曲した反射器輪郭が次のことによって実現されている。すなわち信号面の金属化とアース面の金属化が相互に平行に延在する曲線21で終端していることによって実現されている。それに対しては、マイクロ波基板の信号側の金属化部のみが相応に構造化されるのではなく、アース側の金属化部も相応に構造化される。
そのように実現された反射器輪郭における反射は、非常に高いレベルにある。TEMモードに対するパラレルプレート線路の出力インピーダンスは以下の通りである。すなわち
pp=(μ/ε)1/2d/w
この場合μは、透過率であり、εはマイクロ波基板の誘電率であり、dは基板の厚さであり、wはパラレルプレート線路の幅である。典型的には、“ソフトボード”基板(εγ=3,d=130μm,w=1…4cm)に対して、Zpp=0.7…2.8Ωとなる。空気に囲まれた金属化されていない基板からなる金属エッジの“後方”の構造部は、対称的な誘電性導波路を形成する。これは下方の限界周波数なしのTM0波を導く。TM波は、TE波とは異なってパラレルプレート線路のTEMのフィールド経過特性のために有利に励起される。基板の僅かな厚さのために通常は高めのTM波は出現しない。誘電性導波路のTM0波は、非常に弱く導かれるのみである。なぜなら典型的な130μmの基板の厚さが77GHzのもとでの3.9mmの波長よりもはるかに小さいからである。それ故にTM0波は、自由空間の造波抵抗Zfrei=377Ωを有する空気中の同レベルの電磁波に類似する。ZppとZfreiの間の大きな相違のために、反射器縁部における反射は非常に高くなる。
図5に示されている導波路構造部50のもとでは、パラレルプレート線路11の湾曲した反射器輪郭が次のように実現されている。すなわち湾曲したラインに沿って金属性の引き込み線路22,いわゆる通路“Vias”がパラレルプレート線路11の金属面の間で構成されている。この線路22の直径と間隔が波長よりも小さいならば、電磁波は実質的に全反射する。
ロートマンレンズの基本的な構造を示した図 a,bは、2つの異なるビームパスを備えた本発明による導波路構造部の平面図 例示的に3つのビームパスにおけるプレーナ型パラボラ反射器における集束を表した図 本発明による第1の導波路構造部の透視図 本発明による第2の導波路構造部の透視図

Claims (11)

  1. アンテナ素子(16)装置の入力信号間の位相グラジエントを生成するための導波路構造部(10)であって、
    前記導波路構造部(10)が誘電性マイクロ波基板上で実現され、該基板は両側に少なくとも1つの導電層を備えており、
    2つの導電層の少なくとも1つは構造化されて導波路構造部(10)の信号側を形成し、それに対して他の導電層はアースとして用いられており、
    前記導波路構造部(10)は、少なくとも1つのパラレルプレート線路(11)を含み信号給電ないし信号ピックアップのためのビームポート(12)を有している形式のものにおいて、
    前記パラレルプレート線路(11)が湾曲した反射器輪郭(20)を有しており、それによって該輪郭(20)が反射器として作用するように構成されていることを特徴とする導波路構造部。
  2. 前記パラレルプレート線路(11)の反射器輪郭は、湾曲したライン(21)によって実現されており、該ラインにて信号側の導電層とアースを形成する導電層が終端している、請求項1記載の導波路構造部。
  3. 前記パラレルプレート線路(11)の反射器輪郭(20)に沿って導電性の引き込み線路(22)が信号側の導電層とアースを形成する導電層の間に配設されており、この場合前記引き込み線路(22)間の間隔と、当該引き込み線路(22)の直径は、導波長よりも小さい、請求項1記載の導波路構造部。
  4. 前記反射器輪郭(20)の湾曲は、近似的に放物線状である、請求項1から3いずれか1項記載の導波路構造部。
  5. 信号側の導電層にマイクロストリップ線路(13)が形成されており、該マイクロストリップ線路(13)はプレーナ型給電ホーン部(17)(給電テーパー部)を介してパラレルプレート線路(11)のビームポート(12)に結合されている、請求項1から4いずれか1項記載の導波路構造部。
  6. ビームポートに印加される信号は、ビーム結合部を介して若しくはHF電子回路が設けられているマイクロ波基板裏側の引き込み線路を介して案内される、請求項5記載の導波路構造部。
  7. パラレルプレート線路(11)はアンテナポート(14)を有しており、該アンテナポート(14)は、プレーナ型給電ホーン部(18)(給電テーパー部)とマイクロストリップ線路(15)を介してアンテナ素子(16)に結合されている、請求項1から6いずれか1項記載の導波路構造部。
  8. 前記パラレルプレート線路はアンテナ側に導かれており、スリットを介して放射がなされる、請求項1から6いずれか1項記載の導波路構造部。
  9. 前記パラレルプレート線路(11)の輪郭における信号側導電層にダミーポート(23,24)が形成されている、請求項1から8いずれか1項記載の導波路構造部。
  10. 前記ダミーポート(23,24)は、プレーナ型給電ホーン部の形態で実現されており、該給電ホーン部は、反射の少ない形態で終端されるか若しくは反射の少ない形態で終端された線路に導かれる、請求項9記載の導波路構造部。
  11. 請求項1から10いずれか1項に記載の導波路構造部を自動車用レーダーシステムの枠内で用いる適用方法。
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