JP2006525239A - 核酸を抽出するための方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、核酸(例えば、DNAまたはRNA、またはDNA分子とRNA分子とのハイブリッド分子)を単離および精製するための方法およびキットを提供する。溶液と組み合わせた珪素含有材料が、高純度の核酸(特にDNA)を調製するために使用される。珪素含有材料は、標的物質を吸着するための支持体であり、そして本発明による溶液は、標的物質が珪素含有材料に結合すること、特にDNAが珪素含有材料に結合することを促進する。この溶液は、酸とカリウムイオンとを含有する水溶液である。本発明はさらに、上記方法を使用することにより調製されるDNAを提供する。この方法においては、カオトロピック剤も他の有毒な薬剤も費用のかかる薬剤も使用されないので、この方法によって調製されるDNAは、広範に(特に、食品業および製薬業において)使用され得る。

Description

本発明は、分子生物学の分野に関する。詳細には、本発明は、独特の溶液、ならびに生物材料を分離および精製するためのそれらの使用に関する。より詳細には、本発明は、DNA精製方法に関し、この方法では、珪素含有材料が、カリウムイオンを含有する酸性水溶液中で標的DNAを結合するために使用される。本発明は、カオトロピック剤または他の毒性の薬剤を含まず、そして広範に、特に、食品業および製薬業において使用され得る、高度に精製されたDNAを提供する。
種々の生物材料から高度に精製された標的物質を分離および/または調製するための方法は、天然の生物材料(例えば、組織、細胞、血液、細菌)および人工の生物材料(例えば、ポリメラーゼ連鎖反応の産物)の両方とも複雑な混合物であるため困難である。しかしながら、このような方法は、生物医学の研究および他の用途において生物材料からの標的物質の単離および精製がしばしば必要とされるため重要である。例えば、天然の状態では、デオキシリボ核酸(DNA)は、しばしば、他の生体物質(例えば、タンパク質、脂質、および糖質)と混合されており、遺伝子をさらに研究するためには、標的遺伝子を含むこれらのDNA分子を単離および精製することがしばしば必要である。さらに、DNA(例えば、プラスミドDNA、ファージDNA、および染色体DNA)の分離および精製は、分子生物学における研究、ならびに製薬業および遺伝子治療における実際的応用のためにも重要である。
DNA精製方法は2種類ある。1つは、人工的に構築したDNAの精製である。例えば、組換えプラスミドまたはファージをそれらの培養宿主から精製することである。この種のDNA精製方法は、慣用的に使用される基本技術の1つである。他方のDNA精製方法は、真核生物および原核生物の染色体からのゲノムDNAの精製である。この種のDNA精製方法は、遺伝子機能に関する研究をより容易にするのみならず、種々のDNAライブラリーの構築も可能にする。
分子生物学および他の関連分野における研究が急速に進歩するにつれて、安全で有効でかつ自動化および工業化に適した、DNA単離および精製のための新規な方法が必要とされる。結合剤または結合促進剤の存在下で、特定の珪素含有材料が標的物質に吸着できることが報告されている。この標的物質は、不純物が取り除かれた後に珪素担体から溶出されることにより精製され得る。米国特許第6218531号(1998年6月25日出願)は、カオトロピック試薬の存在下で珪素結合担体を用いて、可溶化生物材料からRNAを単離するための方法を開示している。
これらの核酸の単離および精製方法の基礎となるメカニズムは、珪素含有材料が、結合試薬の存在下で核酸(DNA、RNA、およびDNAとRNAとのハイブリッド分子を含む)を可逆的に結合できることである。最も重要な結合試薬の1つがカオトロピック試薬であることが報告されている。いくつかの一般的なカオトロピック試薬として、ヨウ化ナトリウム(NaI)、尿素、塩酸グアニジン、過塩素酸ナトリウム(NaClO)、および臭化カリウム(KBr)が挙げられる。アルコール(例えば、100%エタノール)もまた、核酸精製のために一般的に使用される結合試薬である(例えば、欧州特許出願公開第0512676号および米国特許第5783686号の背景技術を参照のこと)。
結合試薬のほとんどがヒトに対して有毒かつ有害であるので、毒性のある結合試薬の使用を減じるか、または毒性のある結合試薬を一切使用しないことが、通常好ましい。米国特許第5342931号(1993年4月23日出願);米国特許第5503816号(1993年9月27日出願);米国特許第5693785号(1994年11月17日出願);および米国特許第5674997号(1995年5月10日出願)を参照のこと。
米国特許第5342931号は、DNA結合担体としてヒドロキシル化されたシリカポリマーを使用するDNA精製方法を開示している。この方法では、水溶液または生理緩衝液中で、DNAはヒドロキシル化されたシリカポリマーに結合することができ、そしてDNAが結合されたシリカポリマーを分離して不純物を洗い流した後、熱水または生理緩衝液によりこの結合されたDNAを溶出した。
米国特許第5503816号は、十分な親水性および電気陽性を有する化学修飾珪素含有材料のための方法を開示している。好適に修飾された珪素含有材料が、珪酸ホウ素、珪酸アルミニウム、リン酸珪酸、シリカカルボニル、シリカスルホニル、およびシリカホスホニルであることがわかる。これらの材料のいくつかは、DNAに吸着および/または結合することができ、結合されたDNAは、カオトロピック試薬を用いなくても水中で回収することができる。しかしながら、これらの修飾珪素含有材料の調製は、特別な条件を必要とする。
米国特許第5693785号には、DNAを分離および精製するための方法および組成物が開示されている。この明細書に開示された組成物は、二酸化珪素をアルカリ溶液と反応させ、続いて酸性化することにより生成されるヒドロキシル化シリカポリマーであった。このヒドロキシル化シリカは、いかなる結合試薬(例えば、カオトロピック試薬またはアルコール)もさらに添加することなく、水中でDNAを結合できる。結合されたDNAは、熱水または生理緩衝液により溶出され得る。
米国特許第5674997号には、DNAの精製のための方法が開示されている。この方法では、DNAは、珪酸ホウ素、珪酸アルミニウム、リン酸珪酸、およびシリカホスホニルのような珪素含有材料に結合し、そして結合されたDNAは、水のみを用いてこれらの珪素含有材料から溶出されることが可能であった。
さらに、これらの米国特許第5342931号、米国特許第5503816号、米国特許第5693785号、および米国特許第5674997号はまた、結合試薬の使用量を少なくして、または全く使用しないでDNAを精製する方法を開示している。しかしながら、これらの方法は全て、珪素含有材料の特別な化学修飾を必要とし、その場合、これらの化学修飾に特別な化学条件が必要とされる。
このように、核酸(特にDNA)に対する可逆吸着材料として珪素含有材料を使用する際には、伝統的な結合試薬(特にカオトロピック試薬)の使用は、避けられないにしても制限されることがわかる。さらに、微量のカオトロピック試薬の残留でさえもヒトに対して非常に有害であるため、カオトロピック試薬またはカオトロピック塩の使用は、食品業および製薬業では禁じられている。しかしながら、これまで多くの努力がなされているが、結合試薬の不在下での核酸の精製についての問題点は解決されなかった。現存の技術は、珪素含有材料の特別な調製および修飾のための改善に集中している。核酸精製に現在利用可能な技術は、これらの方法の適用の範囲を制限し、そして、これらの特別に修飾された珪素含有材料の特性を研究するための多大な努力を必要とする。さらに、現在利用可能な技術は、実施に不便であり、非常に高価である。
したがって、本発明の目的は、核酸精製のための従来の珪素含有材料とともに使用可能である、効果的でありかつ有毒でない新規な結合試薬を提供することである。
本発明の第一の局面では、カリウムイオンを含有する酸性水溶液が提供される。この酸性水溶液は、以下を含む:
a)カリウムイオン、ここで上記酸性水溶液中のカリウムイオンの最終濃度は、0.3Mから飽和濃度の範囲内である;および
b)上記酸性水溶液のpHを2.0〜4.0の範囲内に調整するための酸。
上記酸性水溶液中のカリウムイオンは、任意のカリウム塩に由来する。好ましくは、カリウム塩としては、KSO、KNO、KCl、酢酸カリウム、またはこれらのカリウム塩の混合物が挙げられるが、これらに限定されない。どの種のカリウム塩が使用される場合であっても、酸性水溶液中のカリウムイオンの最終濃度は0.3M以上であり、そして上記酸性水溶液のpHは2.0〜4.0の範囲内であり、これは任意の酸によって調整可能である。上記酸性水溶液のpHを調整するために使用される酸は、弱酸または強酸である。好ましい実施態様では、弱酸(例えば、酢酸)が使用される。
本発明の第二の局面では、上記カリウムイオン含有酸性水溶液の使用が提供される。好ましい実施態様の1つでは、上記カリウムイオン含有酸性水溶液は、生体物質(例えば、核酸(DNA、RNA、およびDNAとRNAとのハイブリッド分子が挙げられる))の単離および精製のために使用される。例えば、適切な量のカリウムイオン含有酸性水溶液を、標的DNAを含有する生物材料の混合物に添加することにより、従来の珪素含有材料へのDNAの結合が促進される。珪素含有材料に結合しない不純物を洗い流した後、結合されたDNAは分離され、そして上記珪素含有材料からさらに精製され得る。必要な場合、上記酸性水溶液中のカリウムイオンを含む溶質は、上記溶液中での上記珪素含有材料へのDNAの結合を促進し得る。
本発明の第三の局面では、生体物質の精製および単離のための方法が提供される。このような方法は、まず、適切な量のカリウムイオン含有酸性溶液を、標的生体物質(例えば、DNA、RNA、および/またはDNAとRNAとのハイブリッド分子)を含む生物材料と混合する工程、および次いで従来の珪素含有材料のいずれかとこの混合物とを混合する工程を含む。本発明のカリウムイオン含有酸性溶液は任意の珪素含有材料への標的生体物質の結合を促進するので、標的生体物質は、混合物中で追加の結合試薬を添加することなく単離および精製され得る。
本発明の第四の局面では、核酸の精製および単離のための方法が提供される。このような方法は、まず、適切な量のカリウムイオン含有酸性溶液を、標的核酸を含む生物材料と混合する工程、およびさらに従来の珪素含有材料のいずれかとこの混合物とを混合する工程を含む。カリウムイオン含有酸性溶液は任意の珪素含有材料への標的核酸の結合を促進するので、標的核酸は、混合物中で追加の結合試薬を添加することなく単離および精製され得る。
本発明の第五の局面では、DNAの精製および単離のための方法が提供される。このような方法は、まず、適切な量のカリウムイオン含有酸性溶液を、標的DNAを含む生物材料と混合する工程、およびさらに従来の珪素含有材料のいずれかとこの混合物とを混合する工程を含む。カリウムイオン含有酸性溶液は任意の珪素含有材料への標的DNAの結合を促進するので、標的DNAは、混合物中で追加の結合試薬を添加することなく単離および精製され得る。
本発明の第六の局面では、核酸(例えば、DNA)の単離および精製のためのキットが提供される。このキットは、適切な量のカリウム塩またはカリウム塩混合物および適切な量の酸溶液を含有するカリウムイオン含有酸性溶液、ならびにDNAの単離および精製のための他の必要な試薬または物質を備える。このキットはまた、DNAまたは他の核酸の単離および精製に必要な試薬および物質全部を備えていてもよく、または主な試薬および物質を備えて、それ以外のものは使用者が自分で準備するようにしてもよい。このキットは、核酸の分離および精製のための手順を提供する操作説明書をさらに備え得る。
本発明の第七の局面では、本発明により提供された上記方法および上記カリウムイオン含有酸性溶液を用いて、高度に精製され、かつ毒性の試薬を含まないDNAが提供される。ここで得られた単離DNAは、純度が高く、結合剤が残留せず、そしていかなる有毒な薬剤も含まない。このような単離および精製されたDNAは、広範に使用され得る。例えば、製薬業、食品業、および化粧品業において使用され得る。
結合担体は、標的物質との可逆性会合および/または解離の特徴を有する。結合担体のこのような可逆性会合および/または解離特徴は、混合物からの標的物質の分離のためにこのような結合担体を使用する基礎を提供する。珪素含有材料は、このような可逆性会合および/または解離特徴を有する結合担体の1つであり、核酸(例えば、DNA)の分離および精製において広範に使用される。一般に、珪素含有材料(例えば、シリカ、セライト、ガラス粉末など)への核酸の結合は、高濃度のカオトロピック試薬またはアルコールの存在を必要とする。核酸の分離および精製において結合試薬としてのカオトロピック試薬およびアルコールの使用に伴う不利点を回避するために、いくつかの方法が開発されている。これらの方法の1つは、珪素含有材料の化学修飾に集中し、または特別な条件下で特別な珪素含有材料を提供する。これらの方法は全て、核酸精製のための手順の困難性を増大させ、そして結合担体の使用を制限する。
しかしながら、本発明は、核酸精製のための新規な核酸結合溶液を提供する。本発明の結合溶液を用いる核酸精製のための方法は、有毒な結合試薬の使用を回避するだけでなく、種々の異なる珪素含有材料への核酸の結合も促進する。したがって、本発明は、非毒性の、安価で、かつ調製が容易な新規な結合試薬を提供する。このような結合試薬は、核酸抽出および精製において、伝統的な結合試薬(例えば、カオトロピック試薬)に対する良好で適切な代替物となり得る。
好ましい実施態様の1つでは、本発明は、酸性水溶液でありかつカリウムイオンを含有する核酸結合溶液を提供する。任意の原料の生物材料と組み合わされる酸性溶液中のカリウムイオンの最終濃度は、0.3M以上であり、そして上記混合溶液のpHは、2.0〜4.0の範囲内であり、これは、任意の酸によって調整される。好ましい実施態様では、酸性結合溶液は、酢酸および塩化カリウムを含有する水溶液である。この混合溶液中の酢酸の最終濃度は、1〜7mol/Lの範囲内であり、そして混合溶液中の塩化カリウムの最終濃度は、0.3M〜飽和濃度の範囲内である。結合溶液中のカリウムイオンは、KSO、KNO、および酢酸カリウムに由来し得る。異なるカリウム塩の混合物(例えば、KClとKSOとの混合物)もまた、酸性水性結合溶液中のカリウムイオンを提供するために使用され得る。本発明で使用される酸としては、弱酸および強酸が挙げられる。本発明では、弱酸(例えば、酢酸またはプロピオン酸)が好適に使用される。なぜなら、弱酸を使用して、結合溶液のpHを調整することがより便利だからである。好ましくは、酢酸が、結合溶液のpHを調整するために用いられる。強酸(例えば、塩酸、硫酸、硝酸、およびリン酸)もまた、結合溶液のpHを調整するために、本発明で使用され得る。
本発明は、カリウムイオン含有酸性水性結合溶液およびこのような結合溶液を用いる核酸精製のための方法を提供する。本発明はさらに、混合結合溶液中のカリウムイオンの最終濃度が少なくとも0.3Mから飽和濃度までであり、かつ混合結合溶液のpHが2〜4の範囲内であることを提供する。
種々のカリウム塩の水中での溶解度が異なるために、本発明におけるカリウム塩の最大濃度は、飽和濃度である。溶液中のカリウム塩の溶解度は温度とともに変化するので、好ましい実施態様の1つでは、カリウム塩の飽和濃度は、室温で測定される。しかしながら、さらに別の実施態様では、カリウム塩の飽和濃度は、室温以外の種々の温度で測定され得る。カリウム塩の飽和濃度は温度とともに変化するので、種々の温度でのカリウムイオンの飽和濃度の変化は、本発明の範囲内にある。
本発明のカリウムイオンは、水または任意の他の生理緩衝液中での1つ以上のカリウム塩の溶解に由来する。したがって、本発明の結合溶液中の溶質は、1つのカリウム塩またはいくつかのカリウム塩の混合物であり得る。混合結合溶液中のカリウムイオンの最終濃度は、溶液中の溶解した全てのカリウム塩に由来するカリウムイオンの合計である。混合結合溶液中のカリウムイオンの最終濃度は、少なくとも0.3mol/Lであるか、または飽和濃度までである。上述のように、カリウム塩の濃度を測定するための温度は、室温または室温よりも高い任意の他の温度であり得る。本発明では、カリウム塩の飽和濃度は種々の温度に応じて変化する。
本発明では、任意のカリウム塩(例えば、KCl、KSO、KNO、および酢酸カリウム、またはそれらの混合物)が酸性結合溶液中のカリウムイオンの供給源として使用され得る。好ましくは、高い可溶性のカリウム塩が本発明で使用される。好ましい実施態様では、塩化カリウムが、本発明の酸性結合溶液中のカリウムイオンの供給源に使用される。
本発明のさらに別の実施態様では、カリウムイオン含有結合溶液は、酸性水溶液である。結合溶液の酸度を調整するために、酸が使用される。結合溶液の酸度を調整するために使用される適切な酸としては、酢酸、硫酸、硝酸、およびリン酸が挙げられるが、これらに限定されない。カリウムイオン含有結合溶液のpHを調整するために使用され得る任意の他の物質も、本発明の範囲内にある。強酸および弱酸の両方とも本発明において使用され得るが、弱酸が好ましい。好ましい実施態様では、本発明において酢酸が使用される。
本発明のさらなる実施態様では、カリウムイオン含有酸性結合溶液は、塩化カリウム(カリウムイオンのための供給源として)および酢酸(結合溶液のpHを調整するため)を含有する。pHを調整するために酢酸が使用される場合、この結合溶液中の塩化カリウムの最終濃度は、0.3〜2.5mol/Lである。酢酸の最終濃度は、1〜7mol/Lである。好ましくは、塩化カリウムの最終濃度は、1.5〜2.5mol/Lであり、そして酢酸の最終濃度は、3〜5mol/Lである。さらに好ましくは、塩化カリウムの最終濃度は、2〜2.5mol/Lであり、そして酢酸の最終濃度は、3〜4mol/Lである。
本発明ではさらに、任意の従来の珪素含有材料が、核酸抽出および精製の過程で、本発明のカリウムイオン含有酸性結合溶液とともに使用され得る。好ましい珪素含有材料としては、シリカ、ガラス、セライトなどが挙げられるが、これらに限定されない。本発明で使用される珪素含有材料は、種々の形態であり得、標的生体物質(例えば、DNA)を吸着するのに十分な表面を提供する。例えば、珪素含有材料がガラスである場合、粉末または繊維であり得る。十分な親水性および電気陽性を示す珪素含有材料(例えば、ガラス粉末、ガラス繊維、またはセライト)が好ましい。本発明においては、米国特許第5342931号、米国特許第5503816号、米国特許第5693785号、および米国特許第5674997号に開示される特別な珪素含有材料もまた使用できる。本発明の好ましい実施態様の1つでは、珪素含有材料はまた、粉末の形態であり得る。これは、カリウムイオン含有酸性結合溶液中に懸濁され得、そして標的生体物質(例えば、DNA)を吸着するために使用され得る。珪素含有材料はまた、標的生体物質の吸着および/または結合、ならびにその後の結合された標的生体物質の分離および精製のために、カラムに充填され得る。
本発明では、カリウムイオン含有酸性結合溶液が、種々の珪素含有材料への標的生物物質(特にDNA)の結合を促進する。したがって、本発明によって、高効率の核酸/DNA精製が達成される。さらに、本発明によって得られる高度に精製されたDNAは、多くの分野(特に製薬業)において使用され得る。本発明では、使用する珪素含有材料に制限はない。種々の珪素含有材料が本発明で使用され得、このような材料としては、未修飾、修飾、および/または特別に調製した珪素含有材料が挙げられる。本明細書中で使用される用語「珪素含有材料」は、珪素を含む任意の材料をいい、例えば、シリカ、ガラス、セライト、およびヒドロキシル化シリカであり、これらは、未修飾であっても修飾されていてもよく、特別な条件下で特別に処理および/または調製されていてもよい。
本発明は、生物材料の分離および精製のための方法を提供し、この方法は、上記混合溶液において、特別に処理または調製された珪素含有材料および/またはカオトロピック試薬のような結合剤を必要とせずおよび/または使用しない。本発明の好ましい実施態様の1つでは、原料の生物材料から標的生体物質を抽出するための分離および精製方法は、以下の工程を含む:(a)適切な量のカリウムイオン含有酸性結合溶液を、標的生体物質を含む原料の生物材料に添加する工程;(b)カリウムイオン含有酸性結合溶液を原料の生物材料の混合物と充分に混合する工程;(c)珪素含有材料を混合結合溶液に添加して、原料の生物材料中の標的生体物質を吸着させる工程;および(d)結合された珪素含有材料から標的生体物質を溶出し、分離する工程。本発明の方法はまた、結合された材料から原料の標的生物材料の不純物を洗い流す工程を含む。本明細書中で使用される場合、標的生体物質は、タンパク質、核酸、または任意の他の生体物質であり得る。本明細書中で使用される場合、核酸は、DNA、RNA、およびDNA分子とRNA分子との任意のハイブリッドをいう。本明細書中で提供される場合、原料の生物材料中の標的生体物質は、適切な量の本発明のカリウムイオン含有酸性結合溶液を添加した後、珪素含有材料に特異的に吸着および結合され得る。好ましくは、本発明は、DNAの分離および精製のために使用される。本発明ではまた、本発明のカリウムイオン含有酸性結合溶液が標的DNAを含む原料の生物材料の混合物に添加される場合、珪素含有材料は、可逆的かつ選択的にDNAを吸着し得る。本発明では、カリウムイオンを含有する酸性結合溶液が好適に使用される。本発明のさらに別の実施態様では、必要な場合、本発明の酸性結合溶液の適切量の溶質が使用され得る。本発明ではさらに、本発明の酸性結合溶液中でカリウム塩の濃度が飽和である場合にも、珪素含有材料は、標的生体物質(特にDNA)を吸着し得る。
本明細書中で使用される用語「分離」とは、元の原料の生物材料混合物からの標的生体物質の単離をいう。プラスミドDNAの分離については、用語「分離」は、増幅したプラスミドDNAを含む培養細菌からプラスミドDNAを精製する手順をいう。用語「精製」とは、不純物から標的生体物質を精製するためおよび/または標的生体物質の純度を改善するための手順をいう。本発明の核酸または他の標的生体物質の「分離」、「精製」、「抽出」、「単離」、および「調製」という用語は、同じ重要部分の手順を包含するため、本明細書中で使用される場合、これらの用語は、本発明において言い換え可能に用いられる。
本発明はさらに、本発明のカリウムイオン含有酸性結合溶液を用いてプラスミドDNAを抽出するための方法を提供する。この方法は、以下の工程を含む:培養培地から細菌を分離し、そしてアルカリ溶解法を用いてNaOH−SDSで細菌を溶菌する工程;本発明の適切な量のカリウムイオン含有酸性結合溶液を添加し、そしてこれを溶菌物と充分に混合する工程;珪素含有材料を混合結合溶液に添加して、プラスミドDNAを吸着および結合させる工程;珪素含有材料に結合したプラスミドDNAを分離し、そして不純物を洗い流す工程;および珪素含有材料からプラスミドDNAを溶出させて、精製されたプラスミドDNAを得る工程。
したがって、本発明は、DNAの抽出の改善を提供し、これは、本発明の適切な量のカリウムイオン含有酸性結合溶液を、標的DNAを含む細菌溶菌物と混合し、さらにこの標的DNAを可逆的かつ選択的に吸着および結合する珪素含有材料と混合することによる。
本発明は、本発明のカリウムイオン含有酸性結合溶液が、標的生体物質(特にDNA)が珪素含有材料に結合するための条件を提供する。したがって、本発明のカリウムイオン含有酸性結合溶液は、DNA結合用の珪素含有材料を添加する前に、出発原料の生物材料の混合物に添加されることが好ましい。本発明では、原料の生物材料の混合物に添加されるカリウムイオン含有酸性結合溶液の量(例えば、容量または濃度)が、その酸性結合溶液の酸度および濃度に依存するだけでなく、元の原料の生物材料の混合物の酸度およびその中のカリウムイオンの濃度にも依存する。したがって、本発明のカリウムイオン含有酸性結合溶液が、特定の標的生体物質を分離および精製するために使用される場合、このような酸性結合溶液中のカリウムイオンの濃度およびこのような溶液のpHは、原料の生物材料の混合物中のカリウムイオンの濃度および原料の生物材料の混合物のpHに従って変動し得る。このような変動は、本発明の範囲内である。より詳細には、原料の生物材料からの標的生体物質の分離および精製における本発明の技術的特徴は、標的生体物質を含む原料の生物材料のpHおよびその中のカリウムイオンの濃度、ならびに本発明のカリウムイオン含有酸性結合溶液を原料の生物材料に添加した後であるが標的生体物質が珪素含有材料に結合する前の最終混合物溶液のpHおよびその中のカリウムイオンの濃度である。また、本発明の結合条件は、本発明のカリウムイオン含有酸性結合溶液の溶質を混合結合溶液に添加することによっても達成され得る。したがって、本発明は、酸性環境中で少なくとも0.3Mから飽和濃度のカリウムイオンの存在下で標的生体物質が珪素含有材料に結合するための特別な結合条件を提供する。本発明はさらに、混合結合溶液中に少なくとも0.3Mから飽和濃度のカリウムイオンの存在下で、酸性環境中で標的生体物質を分離および精製するための条件を提供する。
さらに好ましい実施態様では、本発明は、原料の生物材料混合物からDNAを分離および精製するために、珪素含有材料を添加して生物材料混合物中のDNAを吸着する前に、酸性結合溶液と原料の生物材料との混合物中のカリウムイオンの最終濃度が0.3mol/L以上であり、そして、原料の生物材料と酸性結合溶液との混合物のpHが2.0〜4.0の範囲内であることを提供する。本発明はまた、混合物中のカリウムイオンの最終濃度が、珪素含有材料が混合物に添加されて混合物中のDNAを吸着および結合する前に、飽和濃度程度にまで高くてもよいことを提供する。したがって、珪素含有材料が添加される前の混合物中のカリウムイオンの最大濃度は、飽和濃度である。あるいは、カリウム塩の溶質を使用して、混合物中のカリウムイオンの最終濃度を少なくとも0.3Mから飽和濃度に達するように調整することもできる。好ましい実施態様では、カリウムイオンを含有する酸性水溶液が、本発明において使用される。
したがって、1つの局面では、本発明は、標的生体物質が珪素含有材料に結合し得る結合条件を提供する。この場合、この結合条件におけるカリウムイオンの最終濃度は、0.3mol/Lから飽和濃度までの範囲内であり、そしてこの結合条件のpHは、2.0〜4.0の範囲内である。この結合条件では、珪素含有材料は、標的生体物質(特にDNA)を吸着し得る。
さらに、本発明は、混合物中の標的生体物質が珪素含有材料に結合する前に、標的混合物の酸度およびその中のカリウムイオンの濃度を調節するための方法を包含する。好ましい実施態様では、標的混合物の酸度およびその中のカリウムイオンの濃度の調節は、適切な量のカリウムイオン含有酸性結合溶液を標的混合物に添加することにより達成される。あるいは、このような調節工程は、標的混合物の酸度および最終カリウムイオン濃度が本明細書中で提供される結合条件を満たしている場合、省略され得る。好ましくは、本発明は、混合物中において追加の結合剤(例えば、カオトロピック剤)の不在下で標的生体物質(特にDNAおよびRNA)を珪素含有材料に結合させるための特別な条件を提供する。あるいは、本明細書中に記載されるとおり、追加の結合剤の不在下で標的生体物質が珪素含有材料に結合できる結合条件を提供するいかなる方法も、本発明の範囲内である。
したがって、本発明は、珪素含有材料が混合溶液中に添加される前に、混合結合溶液中のカリウムイオンの最終濃度が、0.3mol/L以上から飽和濃度までの範囲内であり、そしてこの混合結合溶液のpHが、2.0〜4.0の範囲内である条件で、標的生体物質(特にDNA)を任意の珪素含有材料に結合する方法を提供する。
本発明の好ましい実施態様では、プラスミドDNAは、大腸菌から分離される。この細菌は、培養培地から分離され、そしてNaOH−SDSによって溶菌される。溶菌物中のカリウムイオンの濃度および溶菌物の酸度は、本明細書中に提供される特別な結合条件に調節される。珪素含有材料を添加して、プラスミドDNAを結合させる。次いで、結合したプラスミドDNAは、不純物を洗い流すことにより分離され、そして精製されたプラスミドDNAは、最終的に、当該分野で公知の従来の方法を用いて珪素含有材料から溶出される。
本発明の別の実施態様では、DNAは水溶液から回収される。DNA含有混合物に適切な量のカリウムイオン含有酸性結合溶液を添加することにより、本発明によって提供される結合条件に調整される。次いで、珪素含有材料を添加してDNAを結合させ、そして結合したDNAを当該分野で公知の従来方法によって回収する。例えば、結合したDNAを不純物から分離するために、遠心分離が行われる。結合したDNAから不純物を洗い流した後、純粋なDNAが溶出されて得られる。
さらに別の好ましい実施態様では、より高い純度のDNAを得るために、本発明の方法が繰り返され得る。例えば、標的DNAを含む生物材料混合物は、適切な量のカリウムイオン含有酸性結合溶液を添加することにより、本発明により提供されるような特別な結合条件に調整される。次いで、珪素含有材料を添加してDNAを結合させ、そして結合したDNAは当該分野で公知の従来方法によって回収される。例えば、結合したDNAを不純物から分離するために、遠心分離が行われる。結合したDNAから不純物を洗い流した後、溶出されたDNAを再度、同じ開示された方法に適用し、本発明により提供される方法を数回繰り返した後、所定の高い純度を有するDNAを得ることもできる。
したがって、本発明は、核酸精製のための特別な結合溶液を提供し、この溶液は、安価で、ヒトに対して非毒性であり、そして調製が容易である。本発明により提供される結合溶液は、珪素含有材料に特別な処理を行うことなく、そして追加の結合剤(例えば、カオトロピック剤)を用いることなく、珪素含有材料への標的生物物質の結合を促進する。DNA精製のための本発明の結合溶液の使用は、上記で提供されるような手順を含む。特定の条件では、珪素含有材料を混合結合溶液に添加する前に、本発明により提供される条件下で珪素含有材料に標的生体物質をさらに結合させるために、本発明の特別な結合溶液とともに原料の生物材料混合物を遠心分離し、混合溶液の上清を得ることが必要である。
したがって、本発明は、追加の毒性の結合剤(例えば、カオトロピック剤)を用いずに、核酸(特にDNAおよびRNA)の分離および精製の方法を提供する。本発明では、混合結合溶液中のカリウムイオンの最終濃度が0.3mol/L以上から飽和濃度までであり、そして混合結合溶液のpHが2.0〜4.0の範囲内である場合、珪素含有材料が、混合結合溶液中で標的生体物質(特にDNA)を吸着するために使用される。さらに、混合結合溶液中のカリウムイオンの濃度の調整および混合結合溶液の酸度の調整は、本発明の方法に基づいて容易に実施される。毒性のある結合剤を用いることなく核酸(特にDNA)が単離および精製されるので、本発明により提供される生成物(核酸/DNA)は、製薬業、食品業、および化粧品業におけるこれらの製品の使用のための条件を満たす。
本発明においては、広範な一般珪素含有材料が使用され得る。これは、珪素含有材料が修飾されることも特殊化されることも必要としないからである。一般に、通常の珪素含有材料は、化学修飾された材料よりも安定である。本発明において使用される化学試薬は、安価であり、ヒトに対して有害でなく、そしてDNAの大量調製に適している。
さらに、本発明によって、高い効率の核酸分離および精製が提供される。本発明により提供される方法を用いることにより、原料の生物材料から核酸/DNAの高収量が達成され得る。
本発明の結合溶液の溶質を小さな分包にして混合物として提供し得、使用の際にさらに水に溶解し得る。また、DNA精製または他の目的のために使用され得るキット中で、他の補充物質とともに提供され得る。本発明の結合溶液を現存のキット中に組み合わせて、または新規なキットを形成して使用する適用は、本発明の範囲内である。例えば、本発明は、大腸菌からのプラスミドDNAの調製のためのキットを提供する。このようなキットは、アルカリ溶解試薬、本発明の結合溶液、およびプラスミドDNA調製のための他の必要な試薬を備える。キット中の任意の要素は、瓶または他の容器に入れられて提供され得る。本発明のキットはまた、キットの内容を列挙し、そしてDNA調製または精製の手順を提供する、操作説明書も備え得る。
さらに、本発明の結合溶液および結合条件は、核酸調製および精製のために当該分野で公知の任意の現存の機器に対して適用できる。このような適用は、いずれも本発明の範囲内である。
本発明の方法によって調製されるDNAまたは他の精製された生体物質は、製薬業において禁じられているカオトロピック剤の残渣を含まないので、多くの分野で広範に使用され得る。このような分野としては、生物学実験、製薬業、食品業、化粧品業、および栄養品業を含む。
本願の全体にわたって、種々の刊行物を引用する。これらの刊行物およびそれらの刊行物内で引用された文献の全ての開示は全体において、本発明が属する技術分野の状態をより十分に説明するために、本明細書の記載によって、本願に参照として援用される。
上記のことが、本発明の好ましい実施態様に関し、本発明の範囲を逸脱することなくその中で多数の変更がなされ得ることも理解されるべきである。以下の実施例によって本発明をさらに例示するが、このことは、本発明の範囲にいかなるようにも限定を与えるものではない。逆に、本明細書中の記載を読んだ後、本発明の趣旨および/または添付の請求の範囲から逸脱することなく、それらの種々の他の実施形態、改変事項、および均等事項を当業者が想起できることが明らかに理解されるべきである。
(実施例1:プラスミドDNAの分離および精製に対するpHの影響)
手順−大腸菌からのプラスミドDNAの抽出および精製
1)1.5mlの大腸菌(HB101、pUC19を含む)の終夜培養物を1.5ml遠心分離管(全部で7本、1〜7の番号を付した)に入れ、30秒間、12,000gで遠心分離した。上清は廃棄した;
2)沈殿した細菌ペレットに200μlの溶液Aを添加し、充分に再懸濁した;
3)200μlの溶液Bを添加し、管を逆さにして上下させることにより(2)と充分に混合した。この混合物を室温で3分間静置した;
4)250μlの溶液Cを添加し、管を逆さにして上下させることにより(3)と充分に混合した。次いで、この混合物を4℃で10分間、15,000gで遠心分離した;
5)上清を注意深くカラムに移した。このカラムには、50mgのガラス粉末またはガラス繊維を添加しておいた。上清を入れたカラムを2ml回収管に挿入し、1分間、15,000gで遠心分離した。回収管中のフロースルーは廃棄した;
6)次いで、450μlの溶液Dをカラムに添加し、この溶液Dを含むカラムを30秒間、15,000gで遠心分離した。回収管中のフロースルーは廃棄した;
7)さらに450μlの溶液Dをカラムに添加し、このカラムをさらに2分間、15,000gで遠心分離した;
8)カラムを2ml回収管から注意深く取り出し、次いで、カラムをクリーンな1.5ml遠心分離管に移し、100μlの溶液Eをこのカラムに添加した。室温で1〜2分間静置した後、次いで、カラムを1分間、15,000gで遠心分離し、プラスミドDNAを溶液E中に溶出した。
使用した溶液
溶液Aは、20μg/ml RNase A、50mM Tris-HCl(pH8.0)、および10mM EDTA(pH8.0)を含有する;
溶液Bは、0.2M NaOHおよび1%SDSを含有する;
溶液Cは、2.5M KClおよび酢酸(HAC)を含有する。溶液C中の種々のHAC濃度を表1に示す;
溶液Dは、70%エタノールである;そして
溶液Eは、10mM Tris-HClおよび5mM EDTA、pH8.0を含有する。
Figure 2006525239
注記:溶液A、B、およびCの混合後のシステムのpHは、本発明の溶液を添加した後でかつ珪素含有材料に標的物質を結合させる前の、標的物質を含有する混合溶液のpHである。
表1は、混合結合溶液中のカリウムイオンの濃度を一定にしたままで、溶液C中の酢酸の濃度を変化させた影響を示す。この変化は、珪素含有材料への標的物質の結合が生じる前に混合結合溶液のpHの変化を生じる。混合結合溶液のpHの変化は、DNAの収量に顕著に影響することが注目される。本結果は、混合結合溶液中のカリウムイオンの濃度が2.5Mであり、かつ混合結合溶液中の酢酸の濃度が4Mである場合に、高い収量のDNAが得られたことを示した。この場合、珪素含有材料へのDNAの結合が生じる前の混合結合溶液中のカリウム濃度が0.89Mであり、pHが3.1であった。
(実施例2:プラスミドDNAの分離および精製に対するカリウムイオン濃度の影響)
手順−大腸菌からのプラスミドDNAの抽出および精製
1)1.5mlの大腸菌(HB101、pUC19を含む)の終夜培養物を1.5ml遠心分離管(全部で7本、1〜7の番号を付した)に入れ、30秒間、12,000gで遠心分離した。上清は廃棄した;
2)沈殿した細菌ペレットに200μlの溶液Aを添加し、充分に再懸濁した;
3)200μlの溶液Bを添加し、管を逆さにして上下させることにより(2)と充分に混合した。この混合物を室温で3分間静置した;
4)250μlの溶液Cを添加し、管を逆さにして上下させることにより(3)と充分に混合した。次いで、この混合物を4℃で10分間、15,000gで遠心分離した;
5)上清を注意深くカラムに移した。このカラムには、50mgのガラス粉末またはガラス繊維を添加しておいた。上清を入れたカラムを2ml回収管に挿入し、1分間、15,000gで遠心分離した。回収管中のフロースルーは廃棄した;
6)450μlの溶液Dをカラムに添加し、このカラムを30秒間、15,000gで遠心分離した。回収管中のフロースルーは廃棄した;
7)さらに450μlの溶液Dをカラムに添加し、このカラムをさらに2分間、15,000gで遠心分離した;
8)カラムを2ml回収管から注意深く取り出し、次いで、カラムをクリーンな1.5ml遠心分離管に移し、100μlの溶液Eをこのカラムに添加した。室温で1〜2分間静置した後、次いで、カラムを1分間、15,000gで遠心分離し、プラスミドDNAを溶液E中に溶出した。
使用した溶液
溶液A、B、D、およびEは実施例1と同様である。溶液Cは、2M HACおよび種々の濃度のKClを含有する。溶液C中の種々のKCl濃度を表2に示す。
Figure 2006525239
* 6および7では、それぞれKCl濃度を1.75Mおよび2.5Mに上昇させるために、溶液A、B、C混合システムに塩化カリウム固形粉末を添加した。
表2は、混合結合溶液のpHを一定にしたままで、溶液C中のカリウムイオンの濃度を変化させた影響を示す。この変化は、珪素含有材料へのDNAの結合が生じる前に混合結合溶液中のカリウムイオンの変化を生じる。混合結合溶液中のカリウムイオンの濃度の変化は、DNAの収量に顕著に影響することが注目される。本結果はまた、混合結合溶液のpHが3.1であり、混合結合溶液中のカリウムイオンの濃度が1M以上である場合に、高い収量のDNAが得られたことを示した。混合結合溶液中のカリウムイオンの濃度が1Mよりも高くなると、DNAの収量は、顕著には増大しなかった。したがって、混合結合溶液中のカリウムイオンの好ましい濃度は1Mである。溶液C中のカリウムイオンの濃度は、A、B、およびCの混合溶液中のカリウムイオンの濃度から容易に算定され得るので、ここには示していない。
(実施例3:プラスミドDNAの分離および精製に対するカリウム塩の種類の影響)
手順−大腸菌からのプラスミドDNAの抽出および精製
1)1.5mlの大腸菌(HB101、pUC19を含む)の終夜培養物を1.5ml遠心分離管(全部で3本、1〜3の番号を付した)に入れ、30秒間12,000gで遠心分離した。上清は廃棄した;
2)沈殿した細菌ペレットに200μlの溶液Aを添加し、充分に再懸濁した;
3)200μlの溶液Bを添加し、管を逆さにして上下させることにより(2)と充分に混合した。この混合物を室温で3分間静置した;
4)それぞれ500μlの溶液C、C、Cを添加し、管を逆さにして上下させることにより(3)と充分に混合した。次いで、この混合物を4℃で10分間、15,000gで遠心分離した;
5)上清を注意深くカラムに移した。このカラムには、50mgのガラス粉末またはガラス繊維を添加しておいた。上清を入れたカラムを2ml回収管に挿入し、1分間、15,000gで遠心分離した。回収管中のフロースルーは廃棄した;
6)450μlの溶液Dをカラムに添加し、このカラムを30秒間、15,000gで遠心分離した。回収管中のフロースルーは廃棄した;
7)さらに450μlの溶液Dをカラムに添加し、このカラムをさらに2分間、15,000gで遠心分離した;
8)カラムを2ml回収管から注意深く取り出し、次いで、カラムをクリーンな1.5ml遠心分離管に移し、100μlの溶液Eをこのカラムに添加した。室温で1〜2分間静置した後、次いで、カラムを1分間、15,000gで遠心分離した。プラスミドDNAは、カラムから溶液E中に溶出された。
使用した溶液
溶液A、B、D、およびEは実施例1と同様である。溶液C、C、およびCは、2M HACと、(Cの場合)KSO、(Cの場合)KNO、または(Cの場合)KClとを含有する。KSO、KNO、およびKClの濃度を表3に示す。
Figure 2006525239
表3に示した結果は、溶液Cに使用したカリウム塩の種類および溶解したカリウム塩からの他のイオンの変更とも、DNAの収量に影響しないことを示した。したがって、本発明の重要な要因となるのは、混合結合溶液中のカリウムイオンの最終濃度であって、これを供給する塩ではない。
(実施例4:水溶液からのDNAの回収)
手順:
1)7μgのDNAを含有する200μlの水溶液を移した;
2)100μlの溶液Cを添加し、管を逆さにして上下させることにより(1)と混合した;
3)(1)と(2)との混合溶液をカラムに移した。このカラムには、50mgのガラス粉末またはガラス繊維を添加しておいた。混合溶液を入れたカラムを2ml回収管に挿入し、1分間、15,000gで遠心分離した。回収管中のフロースルーは廃棄した;
4)450μlの溶液Dをカラムに添加し、次いで、このカラムを30秒間、15,000gで遠心分離した。回収管中のフロースルーは廃棄した;
5)さらに450μlの溶液Dをカラムに添加し、このカラムをさらに2分間、15,000gで遠心分離した;
6)カラムを2ml回収管から注意深く取り出し、次いで、カラムをクリーンな1.5ml遠心分離管に移し、100μlの溶液Eをこのカラムに添加した。室温で1〜2分間静置した後、次いで、カラムを1分間、15,000gで遠心分離した。DNAは、水溶液から溶液E中に溶出された;そして
7)カラムから溶出されたDNAの収量は、5.1μgであった(260nmで測定)。
使用した溶液
溶液DおよびEは実施例1と同様である。溶液Cは、1M HACおよび2.5M KClを含有する。
溶液Cのこれらの2成分の含有量は最適化されていないが(実施例1および表1を参照のこと)、本実施例ではDNAの収量は73%まで回収された。この結果は、本発明の抽出および精製を用いることにより、原材料中のDNAが充分に回収され得ることを示す。本実施例は、混合物中の微量のDNAを抽出するために本発明の方法を用いる利点を示すだけでなく、本発明の方法を用いることによってDNA抽出にほとんど損失がないことも示す。
(実施例5:プラスミドDNAの分離および精製に対するカリウムイオン含有溶液の酸度を調整するために使用される種々の酸の影響)
手順−大腸菌からのプラスミドDNAの抽出および精製
1)1.5mlの大腸菌(HB101、pUC19を含む)の終夜培養物を1.5ml遠心分離管(全部で4本、1〜4の番号を付した)に入れ、30秒間、12,000gで遠心分離した。上清は廃棄した;
2)沈殿した細菌ペレットに200μlの溶液Aを添加し、充分に再懸濁した;
3)200μlの溶液Bを添加し、管を逆さにして上下させることにより(2)と充分に混合した。この混合物を室温で3分間静置した;
4)それぞれ500μlの溶液C、C、C、Cを添加し、A、B、およびCの混合溶液のpHを3.1にした。A、B、およびCの混合溶液を、管を逆さにして上下させることにより充分に混合し、4℃で10分間、15,000gで遠心分離した;
5)上清を注意深くカラムに移した。このカラムには、50mgのガラス粉末またはガラス繊維を添加しておいた。上清を入れたカラムを2ml回収管に挿入し、1分間、15,000gで遠心分離した。回収管中のフロースルーは廃棄した;
6)450μlの溶液Dをカラムに添加し、このカラムを30秒間、15,000gで遠心分離した。回収管中のフロースルーは廃棄した;
7)さらに450μlの溶液Dをカラムに添加し、このカラムをさらに2分間、15,000gで遠心分離した;
8)カラムを2ml回収管から注意深く取り出し、次いで、カラムをクリーンな1.5ml遠心分離管に移し、100μlの溶液Eをこのカラムに添加した。室温で1〜2分間静置した後、次いで、カラムを1分間、15,000gで遠心分離した。プラスミドDNAは、カラムから溶液E中に溶出された。
使用した溶液
溶液A、B、D、およびEは実施例1と同様である。溶液Cは、0.2M HClおよび2.5M KClを含有する。溶液Cは、0.2M HNOおよび2.5M KClを含有する。溶液Cは、0.1M HSOおよび2.5M KClを含有する。溶液Cは、4M HACおよび2.5M KClを含有する(表4)。
Figure 2006525239
実施例5の結果は、酸の機能が、適切な酸度で混合結合溶液を維持することであること、および本発明において使用される酸の種類は、本発明の方法を用いて抽出されるDNAの収量に特に影響しないことを示した。表4は、HCl、HNO、およびHSOのような強酸を使用した場合も、同様のDNA収量であることを示す。異なる酸によって提供されるHの濃度が同じレベルに維持される場合には、DNAの収量は非常に近かった。このように、本発明のカリウムイオン含有結合溶液中の酸の機能は、珪素含有材料へのDNAの結合が生じる前に溶液を適切な酸度に保つHを提供することである。
本発明は、生体物質(特に核酸)を他の材料から単離する方法を提供する。本発明はまた、生物材料から核酸(特にDNA)を精製するための方法を提供する。珪素含有材料は、新規なカリウムイオン含有酸性溶液と組み合わせて、高純度の生体物質(特にDNA)を調製するための方法において使用される。本発明はまた、本発明の方法を使用するキットを提供する。このキットは、珪素含有材料、カリウムイオン含有酸性溶液、および他の必要な試薬および溶液を備える。本発明の方法によるDNAの調製においては、カオトロピック試薬も他の毒性の試薬も高価な試薬も使用されないので、本発明により得られるDNAは、広範に(特に、製薬業および食品業において)使用され得る。

Claims (10)

  1. カリウムイオンを含有する酸性水溶液であって、該溶液は、
    (1)該カリウムイオンの濃度が0.3Mから飽和濃度までの範囲内であり;
    (2)pHが2.0〜4.0の範囲内である、
    溶液。
  2. 前記カリウムイオンが、カリウム塩の溶解から生じ、該カリウム塩が、KSO、KNO、KCl、酢酸カリウム、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の溶液。
  3. 前記pHが酸により調整され、該酸が、酢酸、プロピオン酸、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の溶液。
  4. DNAの単離および精製における請求項1に記載の水溶液の使用。
  5. 前記水溶液が珪素含有材料とDNAとの結合を促進する、請求項4に記載の溶液。
  6. 生体物質を分離および精製するための方法であって、
    (1)請求項1、2、もしくは3に記載の溶液またはこれらの溶質の適切な量を、標的生体物質を含む原料の生物材料に添加する工程;
    (2)珪素含有材料を該得られた溶液に添加して、該標的生体物質を該珪素含有材料に結合させる工程;
    (3)珪素含有材料に結合された標的生体物質を溶出し、そして該標的生体物質を得る工程、
    を含む、方法。
  7. 前記標的生体物質が核酸である、請求項6に記載の方法。
  8. 前記核酸がDNAである、請求項7に記載の方法。
  9. 請求項6から8に記載の方法であって、前記標的生体物質を含む生物材料に添加した後、前記溶液またはその溶質の量が、
    (1)カリウムイオンの濃度が0.3Mから飽和濃度までの範囲内であり;
    (2)pHが2.0〜4.0の範囲内である、
    ようにする、方法。
  10. DNAの分離および精製のために使用されるキットであって、本発明の溶液またはその溶質、ならびにDNAの分離および精製のために必要な他の試薬または物質を備える、キット。
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