JP2006523655A - 重症急性呼吸器症候群(sars)におけるインターフェロンベータ - Google Patents

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Abstract

重症急性呼吸器症候群(SARS)の治療及び/又は予防のために有用な医薬の製造のためのインターフェロン(IFN)の使用が本発明に記載されている。

Description

本発明は、重症急性呼吸器症候群(SARS)の治療及び/又は予防のための医薬の製造のためのインターフェロン(IFN)の使用に関する。
肺胞腔及び間質を含む肺実質の急性感染症における肺炎(間質性肺炎)。これは全体の葉(大葉性肺炎)、葉のセグメント(分節性又は小葉性肺炎)、気管支に近接する肺胞(気管支肺炎)、又は間質(間質性肺炎)に影響し得る。これらの区別は一般的にX線観察に基づく。
細菌は30歳強の成人における最も一般的な肺炎の原因である。これらの中でも、肺炎連鎖球菌が最も一般的である。他の病原菌は、嫌気性菌、黄色ブドウ球菌、インフルエンザ菌、肺炎クラミジア、オウム病クラミジア、トラコーマ症クラミジア、カタル性モラクセラ属(ブランハメラ属)、肺炎レジオネラ、肺炎桿菌、及び他のグラム陰性菌を含む。肺炎マイコプラズマは、細菌様器官であり、典型的には春において、年長の小児及び若年の成人において特に一般的である。乳児及び小児における主要な肺性病原菌は、ウイルス:呼吸器合胞体ウイルス、パラインフルエンザウイルス、並びにインフルエンザA及びBウイルスである。また、これらの病原体は成人における肺炎の原因となりうる;しかしながら、以前に健康である成人の一般的なウイルスはインフルエンザAのみであり、時折インフルエンザBであり、そして稀に水痘帯状疱疹ウイルスである。これらの病原体は、ノルカジア属、放射菌属;結核菌及び非定型種(原発性M・カンサジイ(M. kansasii)及び細胞内M・アビウム(M. avium-intracellulare))を含む放線菌を含む高等細菌;ヒストプラズマ・カプスラツム(Histoplasma capsulatum)、コクシジオイデス・イミチス(Coccidioides immitis)、ブラストミセス・デルマチチジス(Blastomyces dermatitidis)、クリプトコッカス・ネオフォルマンス(Cryptococcus neoformans)、アスペルギルス・フミガーツフ(Aspergillus fumigatus)、及びニューモシスティス・カリニ(Pneumocystis carinii)を含む真菌類;並びにリケッチア(rickettsiae)、原発性コクシエラ・ブメチイ(Coxiella bumetii)(Q熱)である。
典型的な症状は、咳、熱、及び血痰を含み、通常日を追うごとに発達し、そしてしばしば胸膜炎を併発する。身体検査は頻呼吸症及び硬化の徴候、例えば、気管支呼吸音を伴う湿性ラ音を認めることができる。当該症状は、通常細菌、例えば、肺炎連鎖球菌(S. pneumoniae)及びインフルエンザ菌(H. influenzae)により引き起こされる。
診断は胸部X線における浸潤を組み合わせた特徴的な症状に基づく。
患者の約30〜50%は、細菌性肺炎の臨床的印象にも関わらす同定可能な病原体を有さない。細菌病原体の同定のためのtime-honored 法は喀痰した痰の培養であるが、常在口咽頭菌叢が上気道を通過する過程でこれらを汚染しうるため、これらの痰はしばしば誤った方向に導く。最も信頼できる検体は、通常の無菌部位、例えば、菌血症肺炎を伴う患者の血液、又は膿胸を伴う患者の胸腔内液から得られる。特別な培養技術、特別な染色、血清学的アッセイ、又は肺組織診は、いくつかの病原体:放線菌(mycobacteria)、マイコプラズマ、嫌気性菌、クラミジア、ウイルス、真菌類、レジオネラ、リケッチア、及び寄生虫を同定するために必要とされる。
治療は、必要ならばO2を含む呼吸補助及びグラム染色結果に基づき選択される抗生物質から成る。グラム染色が行われない又は診断が確立していない場合には、抗生物質は患者の年齢、疫学、宿主のリスク因子、及び疾病の重症度に従う可能性に基づき選択される。
重症な非定型肺炎である重症急性呼吸器症候群(SARS)は、アジア、北アメリカ、及びヨーロッパにおける患者において極めて最近報告された未知の病因の状態である。
SARSを有すると認識される患者の大半は、以前に健康であった25〜70歳の成人であった。SARSの疑いのあるケースは15歳未満の小児においてほとんど報告されていない。
SARSの潜伏期間は、典型的には2〜7日であるが;しかしながら、10日以上の潜伏期間を示唆する報告もある。当該疾病は、一般的に熱の前駆症状(>100.4°F[>38.0℃])を伴い開始する。熱はしばしば高く、時々悪寒及び硬直を伴い、そして他の症状、例えば、頭痛、倦怠感、及び筋肉痛を伴うこともある。疾病の初期において、いく人かの患者は軽い呼吸器症状を有する。典型的には、発疹及び神経性又は胃腸性の知見は見られない;しかしながら、いく人かの患者は熱性の前駆症状において下痢を伴うことが報告されている。
3〜7日後、低呼吸期(lower respiratory phase)が、乾燥、非生産的な咳又は呼吸困難の発生を伴い開始し、低酸素血症を伴い、又は低酸素血症に進行しうる。10〜20%のケースにおいて、当該呼吸性疾病は挿管及び人工呼吸を必要とするほど重篤である。現在、WHOが定義するSARSに該当する疾病を有する患者の致死率は約3%である。
胸部X線像は、発熱の前駆症状間において、及び疾病期間を通して正常であろう。しかしながら、患者の実質的な割合において、呼吸期(respiratory phase)は、より全身性の斑状の間質浸潤を進行する初期の局所的な間質浸潤により特徴づけられる。また、SARSの後期における患者由来のいくつかの胸部X線像は硬化の部位を示す。
疾患過程の初期において、リンパ球の絶対数はしばしば減少する。全体の白血球細胞数は一般的に正常であるか又は減少する。呼吸器疾病のピークにおいて、患者の約50%が白血球減少症及び血小板減少症、又は低〜正常な血小板数(50,000〜150,000/μL)を有する。呼吸期の初期において、上昇したクレアチンホスホキナーゼレベル(約3,000IU/Lと高い)及び肝臓トランスアミナーゼ(正常値の上限の2〜6倍)が記録された。患者の大半において、腎臓機能は正常を保った。
疾病の重症度は極めて不定であり、軽い疾病から死に至るまでの範囲となる。数名はSARS患者との接触で同様の疾病を発生したが、大半は良好なままであった。接触した数名は、呼吸性の徴候又は症状を伴わない軽い熱性疾病を報告し、当該疾病は常に呼吸期へと進行するわけではないことを示唆する。
SARSが伝播するような第一の方法は、人と人との接触によるものである。SARSのほとんどのケースはSARSを伴う者の介護をしていた、あるいは一緒に暮らしていた、あるいはSARSを有する者由来の感染物質(例えば、呼吸器分泌物)に直接接触した者に関係した。SARSが伝播しうる可能な方法は、他人の皮膚又は感染性の液体で汚染された液滴に触れること、それから自分の目、鼻、又は口に触れることである。これはSARSを伴う病気の者が咳をし、又はくしゃみをして、当該液滴、他人又は表面付近にいる場合に起こりうる。またSARSは空気又は現在知られていない他の方法を介してより広範に伝播しうる。
日々の情報は、彼らが症状、例えば、熱又は咳を有する場合に最も感染しそうであることを示唆する。しかしながら、これらの徴候が開始するどれくらい前又は後にSARSを伴う患者が他人に当該疾患を伝染させうるかは知られていない。疾病管理予防センター(CDC)及び他の研究所の化学者は、SARSを伴う患者において以前には認識されていないコロナウイルスを検出した。
現在、当該状態の原因病原体における予備データが入手可能である。新規なコロナウイルスは、SARSの原因の先駆的な仮説である(Ksiazek et al., A novel coronavirus associated with severe acute respiratory syndrome. The New England Journal of Medicine. WWW. neim. org 16 April 2003)。しかしながら、他のウイルスもまた、以前可能的な原因として研究下にある。
コロナウイルスは、顕微鏡で観察するとハロ又はクラウン様(コロナ)の外観を有するウイルスのグループである。これらウイルスは、ヒトにおける軽〜中程度の上気道疾病の一般的な原因であり、そして動物の呼吸、胃腸、肝臓、及び神経疾患に関係する。コロナウイルスは当該環境中において3時間程度生存することができる。
CDCの化学者は、2人のSARS患者の組織からウイルスを単離し、それからそれを特徴付けるためにいくつかの研究室的方法を使用した。電子顕微鏡による観察は当該ウイルスがコロナウイルスの特有の形態及び外観を有することを明らかにし、そして遺伝子分析は当該新規なウイルスがコロナウイルスのファミリーに属するが、以前に同定されたファミリーのメンバーとは異なることを示唆する。SARSを伴うヒト由来の血清検体は、彼らが当該ウイルスに最近感染したであろうことを示した。他の試験は、この以前に認識されていなかったコロナウイルスが、直接的に又は間接的に大流行につながった他の患者由来の様々な臨床的な検体(鼻及び喉の抜き取り検体により得られた検体を含む)において存在したことを示した。これらの結果及び世界保健機構(WHO)ネットワークに関する研究所から報告された他の発見は、当該新規なコロナウイルスがSARSの原因であるという仮説の補助において発展する証拠を供した。当該コロナウイルスとSARSを結びつける追加的な研究は以下の方法である。
コロナウイルスは、時折、ヒト、特に弱った免疫系を有するヒトにおける肺炎に関係する。また、当該ウイルスは動物、例えば、ネコ、イヌ、ブタ、マウス、及びトリにおける重篤な疾患の原因となりうる。
WHOネットワークに関するいくつかの研究所の研究者は、SARS患者の臨床検体おいてパラミキソウイルスの同定を報告した。これらの研究所は以前パラミキソウイルスがSARSの原因である可能性を調査している。
現在、存在するとすれば、最も有効な治療法は知られていない。いくつかの部位において、治療は抗ウイルス剤、例えば、アセルタミビル又はリバビリンを含んだ。リバビリン及び他の抗微生物剤との組み合わせにおいて、ステロイドもまた患者に対して経口的に又は静脈内に与えられた。制御臨床試験なしに、しかしながらこれらの治療法の有効性は、依然として未知である。研究実験由来の初期の情報は、リバビリンは、ウイルスの成長又は試験した新規なコロナウイルスの1つの単離の細胞間の伝播を阻害しないことを示唆した。リバビリン及び他の抗ウイルス剤の追加的な研究試験が有効な治療法を発見するために行われている。
インターフェロンは、サイトカイン、即ち、細胞間にメッセージを伝達する可溶性タンパク質であり、感染の原因となる微生物を殺すことを補助し、そしていずれかの生じたダメージを修復するという免疫系において不可欠な役割を果たす。インターフェロンは感染した細胞により天然に分泌され、そして1957年に初めて同定された。これらの名前は、これらがウイルスの複製及び産出を「妨害する」事実に由来する。
インターフェロンは抗ウイルス及び抗増殖活性の両方を示す。生化学及び免疫学特性に基づき、天然ヒトインターフェロンは3つの大きなクラスに分類される:インターフェロン−アルファ(白血球)、インターフェロン−ベータ(線維芽細胞)、及びインターフェロン−ガンマ(免疫性)。アルファ−インターフェロンは現在、毛状細胞白血病、性病いぼ、カポジ肉腫(通常、後天性免疫不全症候群(AIDS)に苦しむ患者を悩ます癌)、及び慢性非−A、非−B肝炎の治療のために米国及び他の国において認証されている。
更に、インターフェロン(IFNs)は、ウイルスの感染に対する応答において身体により産出される糖タンパク質である。これらは、保護された細胞中においてウイルスの分裂増殖を阻害する。低分子量のタンパク質の存在において、IFNは、これらの作用において著しく非特異的である。即ち、あるウイルスにより誘導されたIFNは広範な他のウイルスに対して有効である。しかしながら、これらは種特異性である。即ち、ある種により誘導されたIFNは同じ又は近い関係にある種である細胞においてのみ抗ウイルス活性を刺激する。IFNは、これらの潜在的な抗腫瘍及び抗ウイルス活性のために活用すべきサイトカインの第一のグループである。
3つの主要なIFNは、IFN−α、IFN−β、及びIFN−γを意味する。このような主要な種類のIFNは、先ず、これらの起源の細胞に従い分類される(白血球、線維芽細胞、又はT細胞)。しかしながら、いくつかの種類は1つの細胞により産出されうることが明らかとなった。それゆえ、現在、白血球IFNはIFN−α、線維芽細胞IFNはIFN−β、及びT細胞IFNはIFN−γと呼ばれる。また、「Namalwa」細胞株(バーキットリンパ腫に由来)において産出される4番目の種類のIFNである、リンパ芽球腫IFNが存在し、白血球及び線維芽細胞IFNの両方の混合体を産出するようである。
上記インターフェロン単位、又はインターフェロンのための国際単位(国際単位のためのU又はIU)は、ウイルス傷害に対して50%の細胞を保護するために必要な量として定義されるIFN活性の尺度として報告されている。生物活性を測定するために使用することができるアッセイは、説明されるとおり、細胞変性効果阻害アッセイである(Rubinstein, et al. 1981 ; Familletti, P. C., et al., 1981)。インターフェロンのための当該抗ウイルスアッセイにおいて、約1ユニット/mlのインターフェロンはアメリカ国立衛生研究所により供されるHu−IFN−ベータの国際基準に関して決定される(Pestka, S. 1986)。
IFNの全てのクラスはいくつかの別の種類を含む。IFN−β及びIFN−γは、それぞれ、単一の遺伝子の生産物である。
IFN−αとして分類されるタンパク質は、最も多様なグループであり、約15種類を含む。染色体9において、IFN−α遺伝子のクラスターが存在し、少なくとも23のメンバーを含み、その15が活性でありそして転写される。成熟IFN−αはグリコシル化されていない。
IFN−α及びIFN−βは類似した生物活性を有し全て同じ長さ(165又は166のアミノ酸)である。IFN−γは長さにおいて146のアミノ酸であり、そしてより密接でないα及びβクラスに似ている。唯一IFN−γはマクロファージを活性化し、又はキラーT細胞の成熟を誘導することができる。これらが腫瘍に対する生物の応答において効果を有し、免疫調節を介して認識を及ぼすことから、これらの新しい種類の治療剤は、しばしば生物応答修飾因子(BRM)と呼ぶことができる。
ヒト線維芽細胞インターフェロン(IFN−β)は抗ウイルス活性を有し、そしてまた、腫瘍細胞に対する天然キラー細胞を刺激することができる。これはウイルス及び2本鎖RNAにより誘導される約20,000Daのポリペプチドである。組換えDNA技術によりクローンされた線維芽細胞インターフェロンの遺伝子の核酸配列から、当該タンパク質の完全アミノ酸配列を推定された(Derynck et al., 1980)。これは166のアミノ酸長である。
Shepard等(1981)は、その抗ウイルス活性を無効にする塩基842における突然変異(141位におけるCys→Ser)、及びヌクレオチド1119〜1121の欠失を伴う変異体クローンを説明した。
Mark等(1984)は、17位においてアミノ酸をCys→Serに転換させる塩基469(T)を(A)で置換することにより人工的に突然変異を挿入した。生じたIFN−βは、「未変性」IFN−βと同様に活性であり、そして長期間の保存(−70℃)において安定であることが報告された。
多発性硬化症(MS)のインターフェロン治療における最近の開発である、Rebif(登録商標)(組換えヒトインターフェロン−β)は、哺乳類細胞株から産出されるインターフェロン(IFN)−ベータである。
インターフェロン単独又は他の抗ウイルス剤との組み合わせにおけるSRSの治療は、文献において未だ報告されていない。
発明の説明
本発明の主な目的は、重症急性呼吸器症候群(SARS)の治療及び/又は予防に有用な医薬の製造のためのインターフェロン(IFN)単独、又は抗ウイルス剤との組み合わせにおける使用である。
SARS−CoVの2つの臨床医的な分離体に対するインターフェロンの抗ウイルス効果(コロナウイルスに関係する重症急性呼吸器症候群)は、フランクフルト大学の数人の化学者により示された(J. Cintal et al., The Lancet, 362,293- 294, 2003を参照のこと)。当該論文において、化学者達はインターフェロンが試験管内においてSARS−CoVの複製を阻害することを示している。特に、彼らはフランクフルトの患者及びホンコンの患者由来のSARS−CoV−FFM−1の2つの臨床的分離体(Vero及びCaco2細胞において複製した)に対する組換えインターフェロン(IFN−アルファ、IFN−ベータ、及びIFN−ガンマ)の抗ウイルス能を評価した。
インターフェロン−ベータは最も強力であり、両方の分離体における注射後に予防的な保護及び抗ウイルス能を示した。更にまた、化学者はウイルス感染の24時間前及び直後にインターフェロン−ベータで処理した培養液中で、ウイルス誘導性細胞変性効果の抑制のためのウイルス複製の阻害の関連性を試験した。インターフェロン−ベータは培養液中において感染ウイルスの産出の用量依存的な阻害を示した。
本発明の文脈中の「治療」の語は、疾患の進行、例えば、疾患の開始後の病原体の発達の減弱、低下、減少、又は軽減におけるいずれかの有利な効果を意味する。
本明細書において使用される「インターフェロン」又は「IFN」は、例えば、「背景技術」の上記セクションにおいて説明したいずれかの種類のIFNを含んで成る文献において定義されるようないずれかの分子を含むことを意図する。特に、IFN−α、IFN−β、及びIFNーγは上記定義に含まれる。IFN−βは、本発明に従う好ましいIFNである。本発明に関して安定なIFN−βは商業的に入手可能であり、例えば、Rebif(登録商標)(Serono)、Avonex(登録商標)(Biogen)、又はBetaferon(登録商標)(Sobering)が挙げられる。ヒト起源のインターフェロンの使用はまた、本発明に関連して好ましい。本明細書において使用されるインターフェロンの語は、その塩、機能的誘導体、変異体、突然変異タンパク質、融合タンパク質、類似体及び活性フラグメントを包含することが意図される。
本明細書において使用される「インターフェロン−ベータ(IFN−β)」の語は、生物の体液から単離により得られる、又は原核生物又は真核生物の宿主細胞からDNA組換え技術により得られる、特にヒト起源の線維芽細胞インターフェロン、並びにその塩、機能的誘導体、変異体類似体及び活性フラグメントを含むことが意図される。
本明細書において使用される「突然変異タンパク質」の語は、生じた精製物の活性が野生型のIFNと比較して考慮すべき変化を伴うことなく、天然のIFNの1又は複数のアミノ酸残基が異なるアミノ酸残基により置換された、又は欠失した、又は1又は複数のアミノ酸残基がIFNの天然の配列に付加したFSHの類似体を意味する。これらの突然変異タンパク質は、既知の合成及び/又は部位誘導変異原生技術、又はこれらに適当ないずれかの他の既知な技術により調製される。好ましい突然変異タンパク質は、例えば、Shepard et al. (1981) 又は Mark et al. (1984)により説明されるものを含む。
このようないずれかの突然変異タンパク質は、IFNの複製に十分なアミノ酸配列を有すること、例えば、実質的に近似した、又はIFNに対してより優れた活性を有することが好ましい。インターフェロンの生物学的機能は、当業者に周知であり、そして生物学的標準は確立されており、そして例えば、国立生物基準管理研究所(http ://immunology. org/links/NIBSC)から入手することができる。
IFN活性の測定のためのバイオアッセイは説明されている。IFNアッセイは、例えば、Rubinstein et aL, 1981により説明されるように行うことができる。このようにいずれかの与えられた突然変異タンパク質が実質的に、慣習的な実験により、近似しているか、又はIFN活性よりも優れているかを測定することができる。
本発明において使用することができるIFNの突然変異タンパク質、又はそれをコードする核酸は、過剰な実験をすることなく、本明細書に供される技術及びガイダンスに基づき当業者により慣習的に得ることができる、置換ペプチド又はポリヌクレオチドとして実質的に対応する配列の有限なセットを含む。
本発明における突然変異タンパク質の好ましい変化は、「保守的」置換基として知られている。本発明のポリペプチド又はタンパク質の保守的アミノ酸置換基は、当該グループのメンバー間の置換基が分子の生物活性を保存するであろう十分に近似した物理化学的特性を有するグループ中の同義アミノ酸を含む。特に、挿入又は欠失が少数のアミノ酸、例えば、30以下、及び好ましくは10以下のみに関し、そして機能的な構造に対して重大であるアミノ酸、例えば、システイン残基を除去又は置換しない場合、アミノ酸の挿入及び欠失がこれらの機能を変化することなく上記定義の配列において作製することができることは明らかである。このような欠失及び/又は挿入により産出されたタンパク質及び突然変異タンパク質は本発明の範囲内である。
好ましくは、当該同義アミノ酸グループは表Iにおいて定義するものである。より好ましくは当該同義アミノ酸グループは表IIにおいて定義するものであり;そして最も好ましくは当該同義アミノ酸グループは表III において定義するものである。
表I
Figure 2006523655
表II
Figure 2006523655
表III
Figure 2006523655
本発明における使用のためのIFNの突然変異タンパク質を得るために使用することができるタンパク質中のアミノ酸置換基の産出の例は、既知の方法工程、例えば、Mark et alの米国特許第4,959, 314号、 第4, 588, 585号 及び 第4,737, 462号; Koths et alの第5,116, 943 号、Namen et al の第4,965, 195号; Chong et al の第4,879, 111 号; 並びにLee et al の第5,017, 691 号; 並びに米国特許第4, 904, 584 号(Shaw et al)において供されるリジン置換タンパク質を含む。IFN−ベータの特異的な突然変異タンパク質は、例えば、Mark et al., 1984において説明されている。
「融合タンパク質」の語は、他のタンパク質と融合するIFN又はその突然変異タンパク質を含んで成るポリペプチドを意味し、例えば、体液中の延長された滞留時間を有する。IFNは、従って他のタンパク質、ポリペプチド等、例えば、免疫グロブリン又はそのフラグメントと融合することができる。
本明細書において使用される「機能的誘導体」は、IFNの誘導体、及びこれらの突然変異タンパク質及び融合タンパク質を網羅し、当業界において既知の方法により、当該残基又はN−若しくはC−末端基における側鎖として生じる官能基から調製することができ、そしてこれらが医薬的に受容可能性を維持することができる限り、即ち、これらが、実質的にIFNの活性に近似する当該タンパク質の活性を破壊せず、且つそれを含有する組成物において毒性を与えない限り本発明に含まれる。これらの誘導体は、例えば、ポリエチレングリコール側鎖を含み、抗原部位を覆い、そして体液中でのIFNの滞留を延長することができる。他の誘導体は、アンモニア、又は第一級若しくは第二級アミン、アシル部分と形成されるアミノ酸残基の遊離アミノ基のN−アシル誘導体(例えば、アルカノイル、又は炭素環式アロイル基)、又はアシル部分と形成される遊離ヒドロキシル基のO−アシル誘導体(例えば、セリル又はチオニル残基)との反応によるカルボキシル基の脂肪族エステル、カルボキシル基のアミドを含む。
本発明のIFN又は突然変異タンパク質、及び融合タンパク質の「活性フラクション」はタンパク質分子のポリペプチド鎖のいずれかのフラグメント又は前駆体単独、あるいはこれら結合する分子又は残基と一緒に付随するもの、例えば、糖又はリン酸残基、又は当該タンパク質分子若しくはこれらによる糖残基の凝集体を網羅し、供された上記フラクションは対応するIFNと比較して有意に低下した活性を有さない。
本明細書の「塩」の語は、カルボキシル基の両方の塩、及び上述のタンパク質又はその類似体のアミノ基の酸付加塩を意味する。カルボキシル基の塩は、当業界において既知の方法により形成することができ、そして、無機塩、例えば、ナトリウム、カルシウム、アンモニウム、三価鉄、又は亜鉛の塩等、及び、例えば、アミン、例えば、トリエタノールアミン、アルギニン若しくはリジン、ピペラジン、プロカイン等と形成される有機塩基との塩を含む。酸添加塩は、例えば、無機酸、例えば、塩酸又は硫酸を伴う塩、及び有機酸、例えば、酢酸又はシュウ酸を伴う塩を含む。いずれかのこれらの塩も当然に本発明に関するタンパク質(IFN)の生物活性、即ち、対応するレセプターに対する結合及び開始レセプターシグナリングの能力を維持しなければならない。
本発明に一致して、抗ウイルス剤は、その有効性を増強するインターフェロンとの組み合わせにおいて使用することができる。本発明に従い抗ウイルス剤として、リバビリン(1−β−D−リボフラノシル−1H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド)の使用が特に好ましい。
本発明に従い、組換えヒトIFN−ベータ及び本発明の化合物の使用はさらに特に好ましい。
特別な種類のインターフェロン変異体は最近説明された。いわゆる「コンセンサスインターフェロン」は、非天然のIFNの変異体である(米国特許第6,013, 253号)。本発明の好ましい態様に従い、本発明の化合物はコンセンサスインターフェロンとの組み合わせにおいて使用される。
本明細書において使用される、ヒトインターフェロンコンセンサス(IFN−con)は、非天然のポリペプチドを意味し、主に天然のヒト白血球インターフェロンの大部分のIFN−アルファの代表的なサブセットに共通するアミノ酸残基を含み、そして全てのサブタイプに共通なアミノ酸が存在しない1又は複数のこれらの場所において、主にこの場所で生じるアミノ酸を含み、そして少なくとも1つの天然サブタイプ中の当該位置に存在しないいずれかのアミノ酸残基を含むことはない。IFN−conは、制限することなく、設計アミノ酸配列、IFN−con1、IFN−con2、及びIFN−con3を包含し、米国特許第4, 695,623号、第4,897, 471号、及び第5,541, 293号において説明されている。IFN−conをコードするDNA配列は、上記の特許において説明されるように、又は他の標準的な方法により産出することができる。
更に好ましい態様において、上記融合タンパク質は、Ig融合を含んで成る。当該融合は、直接に又は長さにおいて1〜3のアミノ酸残基又はそれ以上、例えば、長さにおいて13アミノ酸残基の短リンカーペプチドを介してよい。上記リンカーは、例えば、配列E−F−M(Glu−Phe−Met)のトリペプチド、又はIFNの配列及び免疫グロブリン配列間に導入されたGlu−Phe−Gly−Ala−Gly−Leu−Val−Leu−Gly−Gly−Gln−Phe−Metを含んで成る13のアミノ酸リンカー配列でよい。生じた融合タンパク質は、向上した特性、例えば、体液中の延長した滞留時間(半減期)を有してよく、増加した特異活性、増加した発現レベル、又は融合タンパク質の精製が促進される。
更なる好ましい態様において、IFNはIg分子の定常部と融合される。好ましくは、重鎖領域、例えば、ヒトIgG1のCH2及びCH3ドメインと融合する。また、Ig分子の他のアイソフォーム、例えば、アイソフォームIgG2、IgG3、若しくはIgG4、又は他のIgクラス、例えば、IgM、又はIgAは、本発明に従う融合タンパク質の産出に適当である。融合タンパク質は、単量体、又は多量体、ヘテロ−若しくはホモ多量体であってよい。
更に好ましい態様において、上記機能的誘導体は、1又は複数の官能基に付随した少なくとも1つの部分を含んで成り、当該アミノ酸残基の1又は複数の側鎖において生じる。好ましくは、当該部分はポリエチレン(PEG)部分である。PEG化は既知の方法により、例えば、W099/55377において説明される方法により行うことができる。
単又は複数用量として個々に投与される薬用量は、因子の多様性、例えば、薬物動態学的特性、投与経路、患者の状態及び特徴(性別、体重、健康状態、大きさ)、症状の程度、併用処置、処置の頻度、並びに所望する効果に依存して変化するであろう。
ヒトIFN−ベータの標準的薬用量は、一日あたり80000IU/kg〜200000IU/kg、又は一日一人あたり6MIU(ミリオン国際単位)〜12MIU、又は一人あたり22〜44μg(マイクログラム)の範囲である。本発明に一致して、IFNは、好ましくは一人あたり約1〜50μgの範囲において、より好ましくは約10〜30μg、又は約10〜20μgの薬用用量において投与することができる。
本発明に一致する活性成分の投与は、静脈内、筋肉内、又は皮下経路によるものでよい。IFNのための好ましい投与経路は皮下経路である。
またIFNは、毎日、又は一日おき、それ以下の頻度において投与することができる。
投与の好ましい経路は皮下投与であり、例えば、一週間に3回投与される。更に好ましい投与経路は筋肉内投与であり、例えば、一週間に1回投与することができる。
好ましくは、22〜44μg、又は6MIU〜12MIUのIFN−ベータが皮下注射により一週間に3回投与される。
IFN−ベータは、一日おきに25〜30μg、又は8MIU〜9.6MIUの薬用量において投与することができる。
30μg又は9.6MIUのIFN−ベータは、更に一週間に一回筋肉内に投与することができる。
好ましい態様において、リバビリンは、IFN−ベータとの組み合わせにおいて投与され、そして一日一人あたり約100〜2000mgの薬用量において、好ましくは一日一人あたり約400〜1200mg、より好ましくは一日一人あたり約800〜1000mg又は一日一人あたり約1000〜1200mgの薬用量において投与される。65kg以下の体重の患者のために使用される用量は一日あたり800mgであり、65〜85kgの体重の患者のために使用される用量は一日あたり1000mgであり、85kg以上の体重の患者のために使用される用量は一日あたり1200mgである。利用される実際の薬用量は、患者の必要性及び治療される患者の重症度に依存して変化してもよい。特定の状態の適当な薬用量の決定は、必要とされるように一日を通して分割て投与することができる。
好ましい態様において、リバビリンは経口的に投与される。
リバビリンは、注射により、又は好ましくは経口的に投与することができる。投与方法に依存して、当該化合物は、約0.01重量%〜約15重量%、好ましくは約1重量%〜約10重量%の化合物を有する軟膏、クリーム、発泡体、及び溶液を形勢するために適当な希釈剤及び担体と共に処方することができる。溶液又は懸濁液の形態において、リバビリンは、約10mg/ml〜約1500mg/mlの生理適合性の溶液において溶解させ、又は懸濁させることができる。注射は、静脈内、筋肉内、脳内、皮下、又は腹腔内であってよい。
経口投与のために、リバビリンは、カプセル、タブレット、経口懸濁剤、又はシロップ形態であってよい。当該タブレット又はカプセルは、約10〜500mgのリバビリンを含んでよい。好ましくは、これらは、約300mgのリバビリンを含んでよい。当該カプセルは通常のゼラチンカプセルであってよく、そして上記の量におけるリバビリンに追加して、少量の、例えば、5重量%のステアリン酸マグネシウム又は他の賦形剤を含んでよい。タブレットは、先の量の化合物及び結合剤を含んでよく、それは、典型的なシュガーコーティング剤を伴うゼラチン溶液、水中のスターチペースト、ポリビニルピリリドン、水中のポリビニルアルコール等であってよい。
本発明の化合物及びIFNは医薬組成物において処方することができる。
「医薬的に受容可能」の語は、活性成分の生物活性の有効性を妨害せず、且つそれを投与された宿主に対して毒性でないいかなる担体も包含することを意味する。例えば、非経口的な投与のために、当該活性タンパク質は、媒体、例えば、生理食塩水、ブドウ糖溶液、血清アルブミン、及びリンゲル液における注射のための単位薬用量形態において処方することができる。
本発明に従う医薬組成物の活性成分は、多様な方法において個々に投与することができる。当該投与経路は、皮内、経皮(例えば、徐放性製剤)、筋肉内、腹腔内、静脈内、皮下、経口、硬膜外、局所的、及び鼻腔内経路を含む。治療的に有効ないずれの他の投与経路も使用することができ、例えば、上皮又は内皮組織を通した吸収、又は生体内において発現及び分泌される活性剤が生じる活性剤をコードするDNA分子が患者に投与される(例えば、ベクターを介して)遺伝子治療により使用することができる。更に、本発明に従うタンパク質は、生物活性剤の他の成分、例えば、医薬的に受容可能な界面活性剤、賦形剤、担体、希釈剤、及び媒体と一緒に投与することができる。
皮下経路は本発明において好ましい。
本発明を行う他の可能性は、内因的にIFNの遺伝子を活性化することである。当該ケースにおいて、IFNの発現が通常サイレントである、又は不十分量のIFNを発現する細胞中における内因性のIFNの生成物を誘導及び/又は増強するためのベクターがSARSの治療のために使用される。当該ベクターは、IFNを発現するために所望される細胞において機能的な制御配列を含んで成ってよい。このような制御配列は、例えば、プロモーター又はエンハンサーであってよい。それから当該制御配列は、相同的な組換えによりゲノムの適当な場所に導入することができ、従って制御配列と当該遺伝子を連結し、所望される発現が誘導又は増強される。
本発明は更に、SARSの治療及び/又は予防のための医薬の製造におけるIFNを産出するための遺伝子的に改変された細胞の使用に関する。
非経口(例えば、静脈内、皮下、筋肉内)投与のために、IFNは、医薬的に受容可能な非経口媒体(例えば、水、食塩水、ブドウ糖溶液)における懸濁液、乳濁液、又は凍結乾燥化粉末、及び等張性(例えば、マンニトール)又は化学安定性(例えば、防腐剤及びバッファー)を維持する添加剤を付随した溶液として処方することができる。当該製剤は、慣習的に使用される技術により無菌化される。
本発明に従い、本発明の化合物及びIFNは、治療的有効量において予防的に又は治療的に個々に対して、同時に又は逐次的に他の治療法又は薬剤と共に投与することができる(複数薬物療法)。他の治療剤と同時に投与される活性薬剤は、同じ又は異なる組成物において投与することができる。
雑誌文献、又は要約、又は出版された若しくは出版されていない米国若しくは外国の特許出願、出版された米国若しくは外国の特許、又はいずれかの他の引例を含むすべての引用例は、全て本明細書の引例として組み入れられており、引用された引例中の全てのデータ、表、図、及び文書を含む。更に、本明細書に引用した引例中の引用した全ての引例の内容もまた、引例により組み入れられている。
既知の方法工程、慣習的な方法工程、既知の方法、又は慣習的な方法に関する引例は、関連技術において本発明の観点、説明、又は態様が開示され、教示され、又は示唆されていることを容認するものではない。
本明細書の態様の先の説明は、本発明の一般的な特性を完全に明らかにするであろうから、第三者は、当業者の知識(本明細書中に引用した引例の内容を含む)を適用することにより、過度の実験をすることなく、本発明の一般的な概念から離れることなく、多様な出願、例えば、明細書の態様を容易に修正及び/又は応用することができる。従って、このような応用及び修正は、本明細書に存在する教示及びガイダンスに基づき、開示された態様と同じ範囲を意味することを意図する。本明細書中の言い回し及び用語は、説明の目的のためであると理解すべきであり、本明細書の用語又は言い回しは、本明細書に存在する教示及びガイダンスに明るい当業者により、当業者の知識と組み合わせて解釈すべきものとして制限されない。
臨床試験
2つの異なる用量のIFN−ベータでの臨床試験が行われる。その目的はSARS CoV−感染患者の臨床結果を測定することである。当該臨床結果は、鼻咽頭吸引におけるSARS−CoVウイルス価、及び患者のPBMCを数量化し、そして当該結果の予測的な免疫学的パラメータを調査することである。
臨床試験の計画
最初の臨床試験は小児のために計画される。小児において試験を行うための理由は以下による。先ず、当該疾病は現在までに死亡が確認されていないことから小児において重篤ではないことが示されている。これは、重篤な病気であり、且つ薬物の開始用量を許容することができない患者の治療リスクを最小化するであろう。更に、小児試験から得られた経験は安全に成人の患者に適用することができる。
無作為制御試験は、18歳以下の患者を集めることにより行われる。当該患者は、彼らの臨床的状態及び世界保健気候により定義される判定基準による肺のX線像に基づき選択される。当該患者は:1)IFN−ベータ無しのコントロール、2)低用量におけるIFN−ベータ(1ミリオンユニット/m2/日)、及び3)中用量におけるIFN−ベータ(3ミリオンユニット/m2/日)の各10人の患者から成る3つのグループに分けられる。当該患者は、彼らの臨床過程に基づき1〜4週間治療される。当該治療後、彼らは、彼らの臨床結果、ウイルス量、及び免疫応答を評価される。
CoV−SARS感染患者の臨床結果の測定
以下の患者のデータは当該試験の過程を通して分析のために収集された:熱*、 悪寒若しくは硬直、咳*、呼吸困難若しくは呼吸障害、筋肉痛、倦怠感、嗜眠若しくは被刺激性、乏栄養補給、鼻漏、咽頭炎、摂食障害、下痢若しくは嘔吐、眩暈若しくは神経症、及び発疹(*はSARS患者の顕著な症状に関する)。臨床結果測定は、通院過程、患者の呼吸器状態(呼吸困難若しくはチアノーゼ)、動脈血ガス結果、換気補助の必要性、及び肺X線像の変化に基づく。
患者の鼻咽頭吸引及び便におけるSARS−CoVウイルス価の測定
3週間にわたり継続的に鼻咽頭吸引及び便試料を感染した患者から収集した:治療前、治療後3、6、9、12、15、及び21日目。当該試料はFRhK−4細胞を使用することによりSARS−CoVのために培養する。間接的な免疫蛍光アッセイは感染した細胞を特徴付けるために行われる。当該細胞は、細胞変性効果のために及び1mlあたりのウイルス価を決定するために光学顕微鏡により検査される。更に、全RNAは、特異的なオリゴヌクレオチドを使用してSARS−CoVを同定するための逆転写及び引き続く定量−PCRアッセイのために当該試料から抽出される。
血清試料は、SARS−CoV抗体をアッセイするために採取された。
治療結果の予測的免疫パラメータ
生体内において外因性IFNの効果を示すIFN−刺激遺伝子の発現を測定する。測定するためにIFN刺激遺伝子は、2〜5の合成酵素、PKR及びMxを含む。これらは細胞中のIFN活性の確立されたマーカーである。更に、典型的な応答者(治療後のより優れた臨床結果及びより低いウイルス量)及び非応答者(IFN−ベータ後の乏しい臨床結果及びほとんど又は全く変化していないウイルス量)が選択される。
指摘するとすれば、患者の末梢血単核細胞の遺伝子発現特性は、マイクロアレイシステム(例えば、Affimetrix)により調査され、そしてプロテオミクス研究が行われる。これらの結果は、治療応答のマーカーを同定するために有用である。
引例
Figure 2006523655

Claims (13)

  1. 重症急性呼吸器症候群(SARS)の治療及び/又は予防のために有用な医薬の製造のためのインターフェロン(IFN)の使用。
  2. 同時、逐次又は別々の使用のためのSARSの治療及び/又は予防のために有用な医薬の製造のための抗ウイルス剤との組み合わせにおけるIFNの使用。
  3. 上記抗ウイルス剤がリバビリンである、請求項1又は2に記載の使用。
  4. 上記IFNが組換えヒトIFN−ベータである、上記請求項のいずれか一項に記載の使用。
  5. 上記IFNがコンセンサスインターフェロンである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の使用。
  6. 上記IFNが少なくとも免疫グロブリンドメインを含んで成る融合タンパク質である、上記請求項のいずれか一項に記載の使用。
  7. 上記FSHが、一日一人あたり約1〜50μg、又は一日一人あたり約10〜30μg、又は一日一人あたり約10〜20μgの薬用量において投与される、上記請求項のいずれか一項に記載の使用。
  8. 上記IFNが毎日又は一日おきに投与される、上記請求項のいずれか一項に記載の使用。
  9. 上記IFNが一週間に2回又は3回投与される、上記請求項のいずれか一項に記載の使用。
  10. 上記IFNが皮下に投与される、上記請求項のいずれか一項に記載の使用。
  11. 上記IFNが筋肉内に投与される、上記請求項のいずれか一項に記載の使用。
  12. 上記抗ウイルス剤が、一日一人あたり約100〜2000mg、又は一日一人あたり約400〜1200mg、一日一人あたり約800〜1000mg、又は一日一人あたり約1000〜1200mgの薬用量において投与される、上記請求項のいずれか一項に記載の使用。
  13. 上記リバビリンが経口的に投与される、上記請求項のいずれか一項に記載の使用。
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