JP2006522081A - 自熱分解方法 - Google Patents
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Abstract
本発明はオレフィン類の製造方法を提供するものであり、該方法は少なくとも一つの不飽和炭化水素を、パラフィン系炭化水素含有供給原料及び分子酸素含有ガスと共に自熱分解炉へ供給し、これらは通常の多燃料の燃焼限界を超えた燃焼を支援する能力を有する触媒の存在下にて反応して、オレフィン類からなる炭化水素生成物流をもたらす。
Description
本発明は二つ以上の炭素原子を有するパラフィン系炭化水素の自熱分解、特に、エタン、プロパン及びブタン類の自熱分解によるモノオレフィン類の製造に関する。
エテン及びプロペンのようなオレフィン類は炭化水素類の水蒸気分解を含む様々な方法によって、或いはパラフィン系供給原料の脱水素化によって生成され得る。近年、オレフィン類が自熱分解として知られている方法によって生成され得ることが発表されている。そのような方法において、パラフィン系炭化水素供給物は酸素含有ガスと混合され、通常の多燃料の燃焼限界を超えた燃焼を支援する能力を有する触媒と接触され、オレフィン類からなる炭化水素生成物流をもたらす。炭化水素供給物は部分的に燃焼され、生じた熱は脱水素化反応を推進するために使用される。そのような方法は、例えば欧州特許第0332289号明細書に記載されている。
モノオレフィン類を生成する炭化水素類の水蒸気分解は、通常、その他の不飽和炭化水素類、例えばジエン類及びアルキン類を共に生成する。
ジエン類はたいてい、多量の有毒で可燃性の溶媒、例えばアセトニトリルの使用を伴う水蒸気分解炉生成物流から分離される。ひとたび分離されると、ジエン類は高価な生成物とみなされ、例えばエラストマー生成のような誘導方法において使用される。しかしながら、ジエン類はオリゴマー化を介して容易に劣化するので、運搬が困難であり、その結果ジエン供給原料を採用する誘導プラントはたいてい供給源と同じ場所に配置される。ジエン類を使用する誘導能力がない場合、ジエン類の生成は厄介なものとなる。これは、プロセス用機器に炭素質の付着物をもたらすというそれらの強い傾向のため、ジエン類が水蒸気分解炉へ再循環されることが望ましくないからであり、従って、ジエン類は水蒸気分解炉へ再循環される前に水素化されなくてはならないか、或いは、短い加熱炉実行時間しか許容されず、結果として経済上及び操作上の不利を伴う。
アルキンのような水蒸気分解によって生成されたその他の不飽和炭化水素類でも類似の問題が起こる。これらもまた、水蒸気分解炉へ再循環された場合に、炭素質の付着物をもたらすという強い傾向があり、従って、再循環する前に水素化されなくはならないか、或いは、短い加熱炉実行時間しか許容されない。
自熱分解方法は、炭素質が付着することなく、不飽和炭化水素類を共に供給することを許容でき、従って、実行時間を減少させることなく不飽和炭化水素類を供給できることが、ここに見出された。特に、少なくとも一つの不飽和炭化水素、特にジエン又はアルキンをパラフィン系炭化水素供給物及び分子酸素含有ガスと共に自熱分解炉へ供給することにより、自熱分解方法を改良できることが、ここに見出された。少なくとも一つの不飽和炭化水素を共に供給することは、転換されるパラフィン系炭化水素供給物の量に基づくオレフィン収率の増加をもたらすことが可能であるということが、見出された。理論に拘束されることを望まないが、これは、供給物中のパラフィン系炭化水素類に先んじて共に供給された不飽和炭化水素類が燃焼されるという傾向によるものであると思われる。その上、多量の不飽和炭化水素を転換することが可能であり、そして、驚くべきことに、触媒上に著しい炭素形成が起こらず、触媒上の炭素形成と関係のある付加的化合物、例えばベンゼンやトルエンが予想外に少ない量しか生成されないということが、見出された。
従って、本発明はオレフィン類の製造方法を提供するものであり、該方法は(i)パラフィン系炭化水素含有供給原料、(ii)少なくとも一つの不飽和炭化水素及び(iii)分子酸素含有ガスを自熱分解炉へ供給し、これらは通常の多燃料の燃焼限界を超えた燃焼を支援する能力を有する触媒の存在下にて反応して、オレフィン類からなる炭化水素生成物流をもたらす。
ここにおいて使用される「不飽和炭化水素」としてはオレフィン類が挙げられる。
従って、不飽和炭化水素はエテン、プロペン、ブテン類、ペンテン類、ヘキセン類、ヘプテン類、高級アルケン類のようなアルケン、及びシクロプロペン、シクロブテン、シクロペンテン(類)、シクロヘキセン(類)、シクロヘプテン類並びに高級シクロアルケン類のようなシクロアルケン類であって良い。
不飽和炭化水素は芳香族化合物であっても良い。好適な芳香族化合物類としては、ベンゼン、トルエン、キシレン類、エチルベンゼン、スチレン及び置換スチレン類、インデン及び置換インデン類が挙げられる。自熱分解炉が比較的低い圧力、典型的には5bargまでの大気圧で稼動される場合、望ましい芳香族化合物類はキシレン類、インデン類及びスチレン類である。自熱分解炉が高い圧力、典型的には5bargより高い圧力で稼動される場合、望ましい芳香族化合物類はベンゼン及び/又はトルエンである。
第一の望ましい実施の形態において、不飽和炭化水素はジエンである。ジエン(類)はあらゆる好適なジエン類から選択されて良いが、望ましくはプロパジエン、1,2ブタジエン、1,3ブタジエン、1,3ペンタジエン、1,4ペンタジエン、シクロペンタジエン、1,3ヘキサジエン、1,4ヘキサジエン、1,5ヘキサジエン、2,4ヘキサジエン、1,3シクロヘキサジエン及び1,4シクロヘキサジエン、並びに上記の置換誘導体、例えば、アルキル置換誘導体類、例えば、分子あたり二つ以上の置換を備えたメチル誘導体類から選択され、これら置換は同じでも異なっていても良い。最も望ましくは、ジエン(類)は1,2ブタジエン、1,3ブタジエン、2メチル1,3ブタジエン、1,3ペンタジエン、1,4ペンタジエン及びシクロペンタジエンから選択される。有利には、ジエンは1,3ブタジエンである。
第二の望ましい実施の形態において、不飽和炭化水素はアセチレン、プロピン及び/又はブチンのようなアルキンであって良い。特に望ましいアルキンはアセチレンである。
単一の不飽和炭化水素又は不飽和炭化水素類の混合物が自熱分解炉へ供給されても良い。
本発明によるオレフィン類の製造方法は、主にモノオレフィン類(アルケン)、特に、エテン及びプロペンを生成するが、他のオレフィン類も多数生成され得る。
アルケン類は、プロセス用機器に炭素質が付着することなく共に供給され得、供給物中のパラフィン系炭化水素に先んじて燃焼されることが予期され得るが、一般的に、本方法の所望の生成物と同じアルケン類を共に供給しない方が望ましい。しかしながら、本方法の所望の生成物と同じアルケン類を共に供給することは、それらがその他の不飽和炭化水素類から成る流れの一部として存在するならば、行っても良い。別の方法として、例えば、主にエテン及び/又はプロペンを生成するためには、エテン及び/又はプロペンを自熱分解炉へ共に供給しないのが一般的に望ましいが、ブテン類のような別のアルケン類を共に供給することは、たとえ前記方法が前記別のアルケン類も生成するとしても、都合が良いであろう。
加えて、アルケンがアルケン誘導方法のオフガス流中に、これはアルカンからなるが、未反応アルケンとして存在する場合、アルケン類、例えばエテン及びプロペンを共に供給することも都合が良い。従って、エテンは、ポリエチレン方法、エチルベンゼン方法、エタノール方法及び酢酸ビニル方法のようなエテン誘導方法のオフガス中に存在しても良い。プロペンは、ポリプロピレン方法、アクロレイン方法、イソプロパノール方法及びアクリル酸方法のようなプロペン誘導方法のオフガス中に存在しても良い。
従って、望ましくは、本発明の自熱分解方法へ供給される不飽和炭化水素はジエン及びアルキンの少なくとも一つのようなアルケン以外の少なくとも一つの不飽和炭化水素からなる。より望ましくは、自熱分解炉へ供給されるものは、アルケン以外の少なくとも一つの不飽和炭化水素、及び反応器へ供給されるパラフィン系炭化水素の重量に基づき1重量%未満、例えば0.5重量%未満の個別のアルケン類、例えばエテン及びプロペンである。更に望ましくは、自熱分解炉へ供給されるものは、アルケン以外の少なくとも一つの不飽和炭化水素、及び反応器へ供給されるパラフィン系炭化水素の重量に基づき1重量%未満、例えば0.5重量%未満の総アルケン類である。最も望ましくは、自熱分解炉への供給物はジエン及びアルキンの少なくとも一つからなり、実質的にアルケンが存在しない。
別の実施の形態において、本発明の自熱分解方法へ供給される不飽和炭化水素は芳香族化合物以外の少なくとも一つの不飽和炭化水素からなると良い。
不飽和炭化水素はパラフィン系炭化水素含有供給原料と別の供給原料として供給される。しかしながら、注目すべきは、パラフィン系炭化水素含有供給原料も不飽和炭化水素類を含んでいて良く、不飽和炭化水素含有供給原料もまたパラフィン系炭化水素類を含んでいて良い。
不飽和炭化水素は従来の水蒸気分解反応器の生成物流由来であって良い。別の方法として、不飽和炭化水素は流動触媒性分解反応器のオフガス流由来であっても良く、或いはディレードコーカーユニット(delayed coker unit)、ビスブレーカーユニット(visbreaker unit)又はアルキル化ユニット(alkylation unit)のオフガス流由来であっても良い。不飽和炭化水素はまたコーカー、流動触媒性分解(FCC)又は残留触媒性分解(RCC)ユニット由来の精製流として提供されても良い。
加えて、不飽和炭化水素はプラスチック類再循環方法、例えば、熱分解ポリマー分解によって提供されても良い。
本発明のある実施の形態において、不飽和炭化水素はポリマー分解反応器からの生成物流の一部として提供される。不飽和炭化水素類と同様に、ポリマー分解反応器からの生成物流はまた、パラフィン系炭化水素類からなっていて良く、それ故、本発明の方法へ供給される全てのパラフィン系炭化水素のうち少なくとも一部を提供しても良い。
自熱分解反応器は不飽和炭化水素類(オレフィン類及びその他の不飽和炭化水素類)からなる生成物流を生成する。本発明の望ましい実施の形態において、自熱分解反応器へ供給される不飽和炭化水素は、自熱分解生成物流由来である。
このようなわけで、本発明はまたオレフィン類の製造方法を提供するものであり、該方法は、
(a)パラフィン系炭化水素含有供給原料及び分子酸素含有ガスを自熱分解炉へ供給し、これらは通常の多燃料の燃焼限界を超えた燃焼を支援する能力を有する触媒の存在下にて反応して、オレフィン類からなる炭化水素生成物流をもたらし、
(b)ステップ(a)にて生成されたオレフィン類の少なくとも一部を回収し、そして、
(c)ステップ(a)にて生成された少なくとも一つの不飽和炭化水素を自熱分解炉へもどして再循環させるステップからなる。
(a)パラフィン系炭化水素含有供給原料及び分子酸素含有ガスを自熱分解炉へ供給し、これらは通常の多燃料の燃焼限界を超えた燃焼を支援する能力を有する触媒の存在下にて反応して、オレフィン類からなる炭化水素生成物流をもたらし、
(b)ステップ(a)にて生成されたオレフィン類の少なくとも一部を回収し、そして、
(c)ステップ(a)にて生成された少なくとも一つの不飽和炭化水素を自熱分解炉へもどして再循環させるステップからなる。
ある望ましい実施の形態において、ステップ(a)にて生成された炭化水素生成物流は、4つ未満の炭素原子を含有する炭化水素類からなる第一流と、少なくとも4つの炭素原子を含有する炭化水素類からなる第二流とに分離される。
このようなわけで、本発明の更なる実施の形態は、エテン及び/又はプロペンの製造方法を提供するものであり、該方法は、
(a)パラフィン系炭化水素含有供給原料及び分子酸素含有ガスを自熱分解炉へ供給し、これらは通常の多燃料の燃焼限界を超えた燃焼を支援する能力を有する触媒の存在下にて反応して、エテン及び/又はプロペンからなる炭化水素生成物流をもたらし、
(b)ステップ(a)にて生成された炭化水素生成物流を、4つ未満の炭素原子を含有する炭化水素類からなる第一流と、少なくとも4つの炭素原子を含有する炭化水素類からなり、少なくとも4つの炭素原子を含む少なくとも一つの不飽和炭化水素を含む第二流とに分離し、
(c)第一流からエテン及び/又はプロペンを回収し、そして、
(d)第二流の少なくとも一部を自熱分解炉へ再循環させるステップからなる。
(a)パラフィン系炭化水素含有供給原料及び分子酸素含有ガスを自熱分解炉へ供給し、これらは通常の多燃料の燃焼限界を超えた燃焼を支援する能力を有する触媒の存在下にて反応して、エテン及び/又はプロペンからなる炭化水素生成物流をもたらし、
(b)ステップ(a)にて生成された炭化水素生成物流を、4つ未満の炭素原子を含有する炭化水素類からなる第一流と、少なくとも4つの炭素原子を含有する炭化水素類からなり、少なくとも4つの炭素原子を含む少なくとも一つの不飽和炭化水素を含む第二流とに分離し、
(c)第一流からエテン及び/又はプロペンを回収し、そして、
(d)第二流の少なくとも一部を自熱分解炉へ再循環させるステップからなる。
この実施の形態において、望ましくは少なくとも4つの炭素原子を含む不飽和炭化水素は第二流から回収され自熱分解炉へ再循環される。
少なくとも4つの炭素原子を含む不飽和炭化水素は、上記のような少なくとも4つの炭素原子を含むものであれば如何なる不飽和化合物であっても良い。望ましくは、少なくとも4つの炭素原子を含む不飽和炭化水素は1,2ブタジエン、1,3ブタジエン、2メチル1,3ブタジエン、1,3ペンタジエン、1,4ペンタジエン及びシクロペンタジエンから選択され、有利には1,3ブタジエンである。
上記のように、第二の望ましい実施の形態において、不飽和炭化水素はアセチレン、プロピン及び/又はブチンのようなアルキンであって良い。
このようなわけで、本発明はまた、エテン及び/又はプロペンの製造方法を提供するものであり、該方法は、
(a)パラフィン系炭化水素含有供給原料及び分子酸素含有ガスを自熱分解炉へ供給し、これらは通常の多燃料の燃焼限界を超えた燃焼を支援する能力を有する触媒の存在下にて反応して、エテン及び/又はプロペン及び少なくとも一つのアルキンからなる炭化水素生成物流をもたらし、
(b)ステップ(a)にて生成されたエテン及び/又はプロペンの少なくとも一部を回収し、そして、
(c)ステップ(a)にて生成された少なくとも一つのアルキンの少なくとも一部を自熱分解炉へ再循環させるステップからなる。
(a)パラフィン系炭化水素含有供給原料及び分子酸素含有ガスを自熱分解炉へ供給し、これらは通常の多燃料の燃焼限界を超えた燃焼を支援する能力を有する触媒の存在下にて反応して、エテン及び/又はプロペン及び少なくとも一つのアルキンからなる炭化水素生成物流をもたらし、
(b)ステップ(a)にて生成されたエテン及び/又はプロペンの少なくとも一部を回収し、そして、
(c)ステップ(a)にて生成された少なくとも一つのアルキンの少なくとも一部を自熱分解炉へ再循環させるステップからなる。
この望ましい実施の形態において、少なくとも一つのアルキンを共に供給することはエテン収率に著しい改良をもたらすことが可能であり、加えて、アルキン類を共に供給することはメタン収率を抑制することが可能であるということが、見出された。
単一のアルキン又はアルキン類の混合物は自熱分解炉に送っても良い。別の方法として、一つ以上のアルキン類と一つ以上の別の不飽和化合物との混合物、例えば一つ以上のアルケン類及び/又はジエン類を自熱分解炉に送っても良い。
上記のように、不飽和炭化水素の少なくとも一部は自熱分解生成物流自身、すなわち、炭化水素生成物流に由来する。必要に応じて、炭化水素生成物流由来の不飽和炭化水素は、一つ以上の別の源、例えば従来の水蒸気分解反応器の生成物流、流動性触媒分解反応器のオフガス流、ディレードコーカーユニット(delayed coker unit)、ビスブレーカーユニット(visbreaker unit)又はアルキル化ユニット(alkylation unit)のオフガス流、或いは、プラスチック類再循環方法、例えば、熱分解ポリマー分解からの更なる不飽和炭化水素によって補足されても良い。
不飽和炭化水素がアルキン(又は少なくとも一つのアルキンからなる混合物)である場合、補足するアルキンの特に望ましい源は、状況によっては、メタンからのアセチレン産出によって得られるアセチレンである。そのようなアセチレン産出方法は公知であり、例えば、酸化的熱分解及び非酸化的熱分解並びに酸化的カップリング法が挙げられる。最も望ましくは、アセチレン産出のためのメタン自身が自熱分解生成物流に由来しても良く、自熱分解方法中に形成される全てのメタンのうち少なくとも一部がアセチレンへ転換され、これは次にもとの自熱分解方法へ共に供給されオレフィン収率を改良し、更なるメタンの形成を抑制する全体にわたる方法が示される。そのようなわけで、不飽和炭化水素がアルキンである場合、本方法はメタンに対する全体にわたる選択性において著しい利益(すなわち、低減)を提供することが可能である。
パラフィン系炭化水素含有供給原料は好適にはエタン、プロパン又はブタン、或いはそれらの混合物であって良い。炭化水素含有供給原料はその他の炭化水素類からなっていて良く、そして状況に応じてその他の物質、例えば、窒素、一酸化炭素、二酸化炭素、水蒸気又は水素からなっていて良い。特に、パラフィン系炭化水素含有供給原料はまた、少なくとも一つの不飽和炭化水素供給原料に加えて、不飽和炭化水素類、例えばオレフィン類及び芳香族類を含んでいて良い。パラフィン系炭化水素含有供給原料はナフサ、ガス油、真空ガス油又はそれらの混合物のようなフラクションを含有していても良い。たいてい、パラフィン系炭化水素含有供給原料は天然ガスからのメタンの分離の結果得られる主にエタンからなるガス状のパラフィン系炭化水素類の混合物からなる。
パラフィン系炭化水素含有供給原料、少なくとも一つの不飽和炭化水素及び分子酸素含有ガスは全て自熱分解炉へ個別の流れとして送られても良い。
たいてい、少なくとも一つの不飽和炭化水素はパラフィン系炭化水素含有供給原料と事前に混合され、その後に自熱分解炉へ送られる。その結果得られた流れはたいてい不飽和炭化水素をパラフィン系炭化水素の重量に基づき少なくとも0.01重量%、望ましくは少なくとも0.1重量%、最も望ましくは少なくとも1重量%そして有利には少なくとも2重量%有している。
たいてい、不飽和炭化水素はパラフィン系炭化水素の重量に基づき0.01乃至50重量%、望ましくは0.1乃至30重量%、最も望ましくは1乃至20重量%、有利には2乃至15重量%有している。
不飽和炭化水素がジエン(又は少なくとも一つのジエンからなる混合物)の場合、不飽和炭化水素は望ましくはパラフィン系炭化水素の重量に基づき1乃至20重量%の間のジエン、望ましくは2乃至15重量%の間のジエンを有している。
不飽和炭化水素がアルキン(又は少なくとも一つのアルキンからなる混合物)の場合、不飽和炭化水素は望ましくはパラフィン系炭化水素の重量に基づき0.1乃至5重量%の間のアルキン、望ましくは1乃至5重量%の間のアルキンを有している。
分子酸素含有ガスは好ましくは酸素又は空気の何れかであって良い。望ましくは、分子酸素含有ガスは酸素であり、状況に応じて不活性ガス例えば窒素で希釈されていても良い。
パラフィン系炭化水素含有供給原料の分子酸素含有ガス混合物に対する比率は好ましくは、二酸化炭素と水へ完全に燃焼するための炭化水素の酸素含有ガスに対する化学量論の比率の5乃至13.5倍である。望ましい比率は、炭化水素の酸素含有ガスに対する化学量論の5乃至9倍である。
一酸化炭素、二酸化炭素、水蒸気及び水素からの少なくとも一つからなる更なる供給流もまた自熱分解炉へ送られても良い。望ましくは、水素からなる更なる供給流が自熱分解炉へ送られる。望ましくは、水素からなる更なる供給流がパラフィン系炭化水素含有供給原料と事前に混合され、その後に自熱分解炉へ送られても良い。
自熱分解炉は好適には500℃以上、例えば650℃以上、典型的には750℃以上、そして望ましくは800℃以上の温度にて稼動されると良い。上限温度は好適には1200℃まで、例えば1100℃まで、望ましくは1000℃までであると良い。
一般的には、自熱分解炉は常圧又は高圧にて稼動されると良い。1乃至40bargの圧力が好適であり、望ましくは1乃至5bargの圧力、例えば1.8bargが採用される。しかしながら、5barg以上の総圧力が使用され得、たいてい15barg以上の総圧力が使用され得る。有利には、自熱分解炉は15乃至40bargの範囲の圧力、例えば20乃至30barg、例えば25bargにて稼動される。
不飽和炭化水素がアルケン、芳香族化合物又はアルケン類及び/又は芳香族化合物類の混合物の場合、自熱分解炉は望ましくは5barg以上の総圧力、たいてい15barg以上の総圧力、そして有利には15乃至40barg、例えば20乃至30bargの範囲の圧力にて、例えば25bargにて稼動される。
望ましくは、パラフィン系炭化水素含有供給原料、少なくとも一つの不飽和炭化水素からなるガス、及び分子酸素含有ガスは、80,000hr−1以上のガス時間空間速度(GHSV)のもと混合状態にて自熱分解炉へ供給される。望ましくは、GHSVは200,000hr−1を上回り、特に1,000,000hr−1以上である。本発明の目的で、GHSVは:(NTP/時間での総供給容量)/(触媒床の容量)と規定される。
好適には、触媒は担持白金族金属である。望ましくは、金属は白金又はパラジウムの何れか、或いはそれらの混合物である。不飽和炭化水素がアルキン(又は少なくとも一つのアルキンからなる混合物)の場合、金属は望ましくは白金及びパラジウムの混合物からなる。
広範囲の担体物質が利用可能であるが、担体としてはアルミナを使用することが望ましい。担体物質は球体の形状、その他の粒状又はセラミック発泡体であると良い。望ましくは、発泡体はモノリスであり、これはしばしば蜂の巣状の外観の連続的なマルチチャネルのセラミック構造である。触媒的に活性を備えた金属の望ましい担体はガンマアルミナである。担体は当業者に公知の従来の方法で白金及び/又はパラジウムを搭載している。有利には、触媒プロモータもまた担体上に搭載されても良い。好適なプロモータとしては銅及び錫が挙げられる。たいてい、生成物は自熱分解炉から出すときに急冷され、温度は形成の150ミリ秒未満以内に650℃未満へ低下される。
自熱分解炉の圧力が1.5乃至2.0bargの間の圧力に維持される場合、たいてい生成物は急冷され、温度は形成の100乃至150ミリ秒未満以内に650℃未満へ低下される。
自熱分解炉の圧力が2.0乃至5.0bargの圧力に維持される場合、たいてい生成物は急冷され、温度は形成の50乃至100ミリ秒未満以内に650℃未満へ低下される。
自熱分解炉の圧力が5.0乃至10.0bargの圧力に維持される場合、たいてい生成物は急冷され、温度は形成の50ミリ秒未満以内に650℃未満へ低下される。
自熱分解炉の圧力が10.0乃至20.0bargの圧力に維持される場合、たいてい生成物は急冷され、温度は形成の20ミリ秒未満以内に650℃未満へ低下される。
最後に、自熱分解炉の圧力が20.0barg以上の圧力に維持される場合、たいてい生成物は急冷され、温度は形成の10ミリ秒未満以内に650℃未満へ低下される。
これは高オレフィン選択性が起こり維持される更なる反応を防ぐ。
生成物は水蒸気分解技術においてよくある種類の迅速な熱交換器を用いて急冷されると良い。更に又は別の方法として、直接的な急冷が採用されても良い。好適な急冷流体としては水が挙げられる。
本発明はたいてい40%以上、望ましくは50%以上、最も望ましくは60%以上のガス状パラフィン系炭化水素の転換パーセンテージを提供する。
更に、本発明はたいてい50%以上、望ましくは60%以上、最も望ましくは70%以上のモノオレフィン類への選択性を提供する。
本発明の更なる態様において、オレフィン類の製造方法が提供され、該方法は、パラフィン系炭化水素、少なくとも一つの不飽和炭化水素及び分子酸素含有ガスを自熱分解炉へ供給し、これらは通常の多燃料の燃焼限界を超えた燃焼を支援する能力を有する触媒の存在下にて反応して、オレフィン類からなる炭化水素生成物流をもたらし、前記方法は自熱分解炉へ供給される総炭化水素は少なくとも20重量%の不飽和炭化水素類からなることを特徴とする。
本発明のこの態様において、パラフィン系炭化水素及び少なくとも一つの不飽和炭化水素の両者が少なくとも20重量%の不飽和炭化水素類からなる単一の炭化水素含有供給原料として提供されても良い。例えば、単一の炭素含有供給原料は中間留分の範囲(典型的には150℃乃至400℃)又はナフサの範囲(典型的には30℃乃至220℃)中にて、但し従来水蒸気分解炉へ(別の源からの飽和供給原料による多量の希釈なしで)供給されるであろうより著しく高い不飽炭化水素含量にて沸騰している蒸気であって良い。好適な供給原料としてはコーカー、流動触媒性分解(FCC)又は残留触媒性分解(RCC)ユニット由来の精製流が挙げられる。
大量の不飽和炭化水素類を炭素質が付着することなく許容する自熱分解炉の能力のために、従来水蒸気分解が検討されないであろう流れが(別の源からの飽和供給原料による多量の希釈なしで)容易に自熱分解炉へ供給されることが可能である。炭化水素含有供給原料の不飽和炭化水素含量を制約することを撤廃すると、分解供給原料、例えば粗油留出物を従来生み出している方法が直留ナフサを製造することを可能とし得、より有利に稼動される。
望ましくは、自熱分解炉へ供給される総炭化水素は、20乃至70重量%、例えば25乃至50重量%の不飽和炭化水素類からなる。典型的には、不飽和炭化水素類は、例えば少なくとも10重量%のオレフィン類のようなオレフィン類、及び例えば少なくとも10重量%の芳香族類のような芳香族類、からなっていて良い。この態様において使用されるように、重量パーセント(重量%)は自熱分解炉への一体化された供給物中の炭化水素の総重量に基づく。
本発明をここに以下の実施例及び図1に例示する。
図1は電気加熱炉2によって囲まれた石英製の反応器1からなる自熱分解装置を示している。反応器1は酸素緒含有ガス供給器3、及び(パラフィン系炭化水素及び不飽和炭化水素の両者のための)炭化水素供給物供給器4と連結している。炭化水素供給物供給器4は電気加熱炉5中にて予熱される。状況に応じて、炭化水素供給物は更に水素のような共供給物及び窒素のような希釈剤からなっていても良い。使用時に、反応器1は触媒域6を備え、これは多燃料の燃焼限界を超えた燃焼を支援する能力を有し、触媒床7からなる。触媒床7は防熱装置8,9の間に位置する。
使用時に、加熱炉2は放熱を最小限にするようセットされる。反応物質は触媒床7と接触するので、炭化水素供給物の一部は燃焼して水及び酸化炭素を生成する。任意の水素共供給もまた燃焼して水を生成する。これらの燃焼反応の何れもが発熱反応であり、そこから生じた熱は炭化水素の分解を推進するために使用されオレフィンを生成する。
触媒A
アルミナ発泡体(直径15mm×厚さ30mm、1インチ当たり30孔、米国NYアルフレッド、Vesuviusハイテクセラミック社製)に沈着された3重量%の白金及び1重量%の銅からなる自熱分解触媒を、塩化白金(II)テトラアミン及び塩化銅(II)の脱イオン化水による水溶液を何度か含浸を繰り返すことにより調製した。たとえ全ての金属塩が最終触媒剤形中へ組み込まれたとしても、金属塩溶液はPt及びCuの所望の充填率に到達するのに十分な濃度であった。個々の含浸の後、過剰な溶液を全て除去し、次の含浸の前に、アルミナ発泡体を空気中にて120℃乃至140℃で乾燥させ、空気中にて450℃で焼成した。全ての溶液を吸収させたらすぐに、発泡体を乾燥させ水素/窒素雰囲気下にて650℃乃至700℃で1時間還元した。
アルミナ発泡体(直径15mm×厚さ30mm、1インチ当たり30孔、米国NYアルフレッド、Vesuviusハイテクセラミック社製)に沈着された3重量%の白金及び1重量%の銅からなる自熱分解触媒を、塩化白金(II)テトラアミン及び塩化銅(II)の脱イオン化水による水溶液を何度か含浸を繰り返すことにより調製した。たとえ全ての金属塩が最終触媒剤形中へ組み込まれたとしても、金属塩溶液はPt及びCuの所望の充填率に到達するのに十分な濃度であった。個々の含浸の後、過剰な溶液を全て除去し、次の含浸の前に、アルミナ発泡体を空気中にて120℃乃至140℃で乾燥させ、空気中にて450℃で焼成した。全ての溶液を吸収させたらすぐに、発泡体を乾燥させ水素/窒素雰囲気下にて650℃乃至700℃で1時間還元した。
触媒B
アルミナ球体に沈着された白金及びパラジウムからなる自熱分解触媒を、100gのアルミナ球体(コンデア社製、直径1.8mmアルミナ球体、表面積210m2/g)の初期湿度を用いて、4.415gの塩化白金(II)テトラアミン及び0.495gの塩化パラジウム(II)テトラアミンを含む脱イオン化水による水溶液で含浸することにより調製した。球体を120℃で1時間乾燥させ次に空気中にて1200℃で6時間焼成した。
アルミナ球体に沈着された白金及びパラジウムからなる自熱分解触媒を、100gのアルミナ球体(コンデア社製、直径1.8mmアルミナ球体、表面積210m2/g)の初期湿度を用いて、4.415gの塩化白金(II)テトラアミン及び0.495gの塩化パラジウム(II)テトラアミンを含む脱イオン化水による水溶液で含浸することにより調製した。球体を120℃で1時間乾燥させ次に空気中にて1200℃で6時間焼成した。
実施例1
(触媒Aの二つの塊を60mmの厚さの床にした)アルミナ発泡体に沈着された白金及び銅からなる自熱分解触媒を、自熱分解炉中に設置し、分解炉を850℃に加熱した。
(触媒Aの二つの塊を60mmの厚さの床にした)アルミナ発泡体に沈着された白金及び銅からなる自熱分解触媒を、自熱分解炉中に設置し、分解炉を850℃に加熱した。
エタン、窒素及び水素からなる供給流を自熱分解炉へ送った。次に酸素を自熱分解炉へ送り、反応を開始させた。酸素に対する水素の容積比率は1.9:1(容積/容積)に維持した。反応を大気圧にて実施した。
酸素のエタンに対する供給比率が0.35、0.44、0.53及び0.61(容積/容積)にてサンプルを分析した。
次に窒素を、窒素中に9.65容積%の1,3ブタジエンを含有する供給流に置き換え、繰り返して分析した。
エタンの転換率及びエチレンへの選択性の%を測定し結果を表1に示す。
実施例2
水素の酸素に対する容積比率を1:1(容積/容積)を使用して、実施例1を繰り返した。エタンの転換率及びエチレンへの選択性の%を測定し結果を表2に示す。
水素の酸素に対する容積比率を1:1(容積/容積)を使用して、実施例1を繰り返した。エタンの転換率及びエチレンへの選択性の%を測定し結果を表2に示す。
実施例3
水素の酸素に対する容積比率を0.5:1(容積/容積)を使用して、実施例1を繰り返した。酸素のエタンに対する供給比率が0.35、0.44及び0.53(容積/容積)にてサンプルを分析した。エタンの転換率及びエチレンへの選択性の%を測定し結果を表3に示す。
水素の酸素に対する容積比率を0.5:1(容積/容積)を使用して、実施例1を繰り返した。酸素のエタンに対する供給比率が0.35、0.44及び0.53(容積/容積)にてサンプルを分析した。エタンの転換率及びエチレンへの選択性の%を測定し結果を表3に示す。
上記全ての実施例から、エテン収率は一般的に増加し、全ての場合においてブタジエンの添加でエテン選択性が増加することが見出すことができる。その上、ブタジエンの添加は触媒表面上に著しい炭素形成を何ら示さないことが、芳香族類が少量しか生成されないという事実によって見出すこともできる。
実施例4
アルミナ球体に沈着された白金及びパラジウムからなる自熱分解触媒(触媒B)を、自熱分解炉中に設置し、分解炉を850℃に加熱した。触媒床の規模は直径15mm、深さ60mmであった。
アルミナ球体に沈着された白金及びパラジウムからなる自熱分解触媒(触媒B)を、自熱分解炉中に設置し、分解炉を850℃に加熱した。触媒床の規模は直径15mm、深さ60mmであった。
エタン、窒素及び水素からなる供給流を自熱分解炉へ送った。次に酸素を自熱分解炉へ送り、反応を開始させた。酸素に対する水素の容積比率は0.7:1(容積/容積)に維持した。反応を大気圧にて実施した。
0.51乃至0.60重量/重量の範囲の3つの酸素:炭化水素供給物比率にてサンプルを分析した。
次にアセチレンを、エタン中にアセチレンが2.5容積%となるよう添加し、繰り返して分析した。
O2:炭化水素(エタンプラスアセチレン)の重量比、約0.51、0.56及び0.60でのデータについて、エタンの転換率及びエチレンへの選択性の%を測定し結果を表4に示す。
表4から、エチレン収率及び選択性は両者ともアセチレンの添加によって増加したことを見出すことができる。その上、アセチレンの添加は触媒表面上に著しい炭素形成を何ら示さないことが、芳香族類が少量しか生成されないという事実によって見出すこともできる。
加えて、そして驚くべきことに、メタン収率はアセチレンの添加の肩にかかっていることが観察される。メタンがエタンの脱水素化/分解反応の第二生成物でありエチレンを生成するのでメタン収率が増加することが予想される。従って、アセチレンの存在はメタン形成を阻害すると思われる。
実施例5
白金からなる自熱分解触媒(3重量%の白金からなる触媒の二つの塊)を、自熱分解炉中に設置し、分解炉を800℃に加熱した。
白金からなる自熱分解触媒(3重量%の白金からなる触媒の二つの塊)を、自熱分解炉中に設置し、分解炉を800℃に加熱した。
n−ペンタン、窒素及び水素からなる供給流を自熱分解炉へ送った。次に酸素を自熱分解炉へ送り、反応を開始させた。酸素に対する水素の容積比率は0.5:1(容積/容積)に維持した。反応を大気圧にて実施した。
酸素のペンタンに対する供給比率が0.752、0.675及び0.636(容積/容積)にてサンプルを分析した。
4:1のキシレン:インデン重量比率にてキシレン及びインデンからなる芳香族含有供給流を次に導入し、n−ペンタンに対する全ての芳香族類の比率を0.078重量/重量とした。
n−ペンタンの転換率及びエテンへの選択性の%を測定し結果を表5に示す。
表5から、エテン収率及び選択性は両者とも芳香族化合物類の添加によって増加したことを見出すことができる。
Claims (14)
- (i)パラフィン系炭化水素含有供給原料、(ii)少なくとも一つの不飽和炭化水素及び(iii)分子酸素含有ガスを自熱分解炉へ供給し、これらは通常の多燃料の燃焼限界を超えた燃焼を支援する能力を有する触媒の存在下にて反応して、オレフィン類からなる炭化水素生成物流をもたらすオレフィン類の製造方法。
- 不飽和炭化水素がアルケン、芳香族化合物、ジエン及びアルキンの一つ以上である請求項1記載の方法。
- 不飽和炭化水素が1,2ブタジエン、1,3ブタジエン、2メチル1,3ブタジエン、1,3ペンタジエン、1,4ペンタジエン及び/又はシクロペンタジエン、望ましくは1,3ブタジエンである請求項2記載の方法。
- 不飽和炭化水素がアセチレン、プロピン及び/又はブチン、望ましくはアセチレンである請求項2記載の方法。
- 自熱分解炉は5barg以上の総圧力にて稼動され、不飽和炭化水素がベンゼン及び/又はトルエンである請求項2記載の方法。
- 自熱分解炉へ供給される不飽和炭化水素がジエン及びアルキンの少なくとも一つのようなアルケン以外の不飽和炭化水素と、反応器へ供給されるパラフィン系炭化水素の重量に基づき1重量%未満、例えば0.5重量%未満の総アルケンの少なくとも一つからなる請求項1乃至5の何れか一項に記載の方法。
- 不飽和炭化水素が水蒸気分解反応器の生成物流、流動性触媒分解反応器のオフガス流、ディレードコーカーユニット(delayed coker unit)、ビスブレーカーユニット(visbreaker unit)又はアルキル化ユニット(alkylation unit)のオフガス流、或いは、プラスチック類再循環方法、例えば、熱分解ポリマー分解由来の不飽和炭化水素である請求項1乃至6の何れか一項に記載の方法。
- 自熱分解炉へ供給される不飽和炭化水素が自熱分解炉生成物流由来である請求項1乃至7の何れか一項に記載の方法。
- 該方法が、
(a)パラフィン系炭化水素含有供給原料及び分子酸素含有ガスを自熱分解炉へ供給し、これらは通常の多燃料の燃焼限界を超えた燃焼を支援する能力を有する触媒の存在下にて反応して、オレフィン類からなる炭化水素生成物流をもたらし、
(b)ステップ(a)にて生成されたオレフィン類の少なくとも一部を回収し、そして、
(c)ステップ(a)にて生成された不飽和炭化水素の少なくとも一つを自熱分解炉へ再循環させるステップからなる、請求項8記載のオレフィン類の製造方法。 - 該方法が、
(a)パラフィン系炭化水素含有供給原料及び分子酸素含有ガスを自熱分解炉へ供給し、これらは通常の多燃料の燃焼限界を超えた燃焼を支援する能力を有する触媒の存在下にて反応し、エテン及び/又はプロペンからなる炭化水素生成物流をもたらし、
(b)ステップ(a)にて生成された炭化水素生成物流を、4つ未満の炭素原子を含有する炭化水素類からなる第一流と、少なくとも4つの炭素原子を含有する炭化水素類からなり少なくとも4つの炭素原子を含む不飽和炭化水素の少なくとも一つを含む第二流とに分離し、
(c)第一流からエテン及び/又はプロペンを回収し、そして、
(d)第二流の少なくとも一部を自熱分解炉へ再循環させるステップからなる請求項9記載のオレフィン類の製造方法。 - 少なくとも4つの炭素原子を含む不飽和炭化水素が1,2ブタジエン、1,3ブタジエン、2メチル1,3ブタジエン、1,3ペンタジエン、1,4ペンタジエン及びシクロペンタジエンから選択され、有利には1,3ブタジエンである請求項10記載のオレフィン類の製造方法。
- 該方法が、
(a)パラフィン系炭化水素含有供給原料及び分子酸素含有ガスを自熱分解炉へ供給し、これらは通常の多燃料の燃焼限界を超えた燃焼を支援する能力を有する触媒の存在下にて反応して、エテン及び/又はプロペン及びアルキンの少なくとも一つからなる炭化水素生成物流をもたらし、
(b)ステップ(a)にて生成されたエテン及び/又はプロペンの少なくとも一部を回収し、そして、
(c)ステップ(a)にて生成された少なくとも一つのアルキンの少なくとも一部をもとの自熱分解炉へ再循環させるステップからなる、請求項9記載のオレフィン類の製造方法。 - パラフィン系炭化水素、少なくとも一つの不飽和炭化水素及び分子酸素含有ガスを自熱分解炉へ供給し、これらは通常の多燃料の燃焼限界を超えた燃焼を支援する能力を有する触媒の存在下にて反応して、オレフィン類からなる炭化水素生成物流をもたらし、前記方法は自熱分解炉へ供給される総炭化水素は少なくとも20重量%の不飽和炭化水素類からなることを特徴とするオレフィン類の製造方法。
- 自熱分解炉へ供給される総炭化水素が少なくとも10重量%のオレフィン類及び少なくとも10重量%の芳香族類からなる請求項13記載の方法。
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