JP2004511533A - アセチレン系およびジオレフィン系不純物を含むオレフィン系供給流の選択的水素化方法 - Google Patents
アセチレン系およびジオレフィン系不純物を含むオレフィン系供給流の選択的水素化方法 Download PDFInfo
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Abstract
最初にC2 およびC3 オレフィン系ガスを別々の供給流に分離することなく、気相過程において同時にアセチレン類およびジオレフィン類不純物を選択的に水素化する、アセチレン系およびジオレフィン系不純物を含むC2 およびC3 オレフィン系供給流の選択的水素化方法。
Description
【0001】
【本発明の分野】
本発明は、アセチレン系およびジオレフィン系不純物を含むオレフィン系供給流の選択的水素化方法に関する。より詳しくは、本発明は、最初にC3 オレフィン類からC2 オレフィン類を分離することなく、アセチレン系およびジオレフィン系不純物を含むC2 およびC3 オレフィン系の供給流を選択的に水素化する方法であり、それによりアセチレン系およびジオレフィン系不純物の水素化が単一の処理工程において生じる方法に関する。本発明はまた、触媒およびこの選択的水素化方法におけるその用途にも関する。
【0002】
【従来の技術】
不飽和炭化水素の製造は通常、各種の炭化水素のクラッキングを包含し、所望の製品よりもより不飽和である炭化水素不純物を含む粗製製品を生じることが多い。これらの不飽和炭化水素不純物は、多くの場合、所望の製品から分留により分離することは非常に困難である。最も一般的な例はエチレンの製造であり、そこではアセチレンが通常の副生物である。同様に、プロピレンの製造はC3H4(メチルアセチレンまたはアレン) およびブタジエンを生じる。さらに、かかる望ましくない高度不飽和炭化水素を、所望の炭化水素の水素化があまり生じないようにして、水素化により除去するのは多くの場合工業的に困難であった。この触媒による方法の1例が英国特許第916,056 号に記載されている。
【0003】
望ましくない不飽和炭化水素類の除去のために一般的に2種類の気相選択的水素化方法が用いられるようになった。1つは、「フロントエンド(front−end) 」水素化として知られ、蒸気および圧縮可能な有機材料の除去後に、初期のクラッキング工程からの粗製ガスを水素化触媒上に通すことを含む。かかるガスの水素含有量は大きく、アセチレンより大過剰であり、存在するオレフィンの実質的部分を水素化するのに十分であるにもかかわらず、重合品質のオレフィン類を生成させるのに十分な選択性を有する操作が十分に確立され、触媒寿命は多年にわたる。「テイルエンド(tail−end)」として知られるもう一つの気相選択的水素化においては、粗製ガスを分留し、得られる濃縮製品流を、存在する高度不飽和炭化水素の水素化に必要な量より少し過剰の水素と個々に反応させる。しかし、テイルエンドの使用においては、触媒の失活の傾向がより大きく、従って触媒の定期的な再生が必要である。
【0004】
同じプラントにおいてフロントエンドおよびテイルエンド選択的水素化の両方を用いることが提案されてきた。
さらに、上記方法は通常気相中で行われるにもかかわらず、これらの水素化反応を、液相中の炭化水素を用いて、特にフィードが分子中に4または5以上の炭素原子を含む化合物を含む場合に、行うことが提案されてきた。
【0005】
米国特許第4,126,645 、4,367,353 、4,329,530 、4,347,392 および5,414,170 号を含む多数の特許において、かかる不飽和炭化水素の選択的水素化が論じられてきた。
【0006】
上記選択水素化反応に適することが見出された触媒には、例えば米国特許第3,113,980 、4,126,645 および4,329,530 号に開示されたような、アルミナ担体に担持されたパラジウムがある。これらの反応において使用される触媒は、通常、ペレットなどの成形片として製造される。アルミナ担持パラジウム触媒は、一般に表面積が5〜200m2/gの範囲、細孔量が少なくとも0.4 cm3/gであり、細孔の半径は300 オングクトロームより大きい。触媒中に存在するパラジウムの量は、米国特許第4,367,353 に開示されているように一般的に約0.1 〜約1%の範囲であり、米国特許第3,113,980 号に開示のように0.01〜5%である。
【0007】
アセチレン化合物の選択的水素化のためのその他の種類のアルミナ担持パラジウム気相触媒は、例えば米国特許第5,925,799 、5,889,138 、5,648,576 および4,126,645 号に開示されている。
【0008】
現在の、C2 およびC3 フィードのためのテイルエンド選択的水素化技術では、2つの別々の異なる処理ラインを用い、その1つはC2 オレフィン化合物の選択的水素化用であり、もう1つはC3 オレフィン化合物の選択的水素化用である。C2 化合物はその関連する不純物と共に、まずC3 化合物およびその関連する不純物から分離される。この分離は異なる2つの供給流を形成する結果となる。次いで、これらの供給流のそれぞれを独立にパラジウム触媒の存在下で水素および一酸化炭素と反応させて、それぞれのC2 およびC3 不純物を選択的に水素化する。
【0009】
現在のテイルエンド技術は次のようないくつかの欠点がある。(1) 操作サイクルがより短くなる結果をもたらす、重質オリゴマー類のより多い生成、(2) より低い平均選択性、(3) 頻繁な再生の必要、および(4) 触媒の選択性を改善するための、プロセス供給流への一酸化型炭素の導入の必要 (一酸化炭素は次いで、さらなる処理工程における供給流から除去しなければならない) 。加えて、(5) この二段式方法は、少なくとも部分的には、資本経費が増加するという理由で一段式方法よりも実施するのにより高価になり、そして、所望のオレフィン最終製品の損失を生じる、ある種のより長鎖の副生物が生成する結果が生じることがある。
【0010】
従って、C2 およびC3 のアセチレン系およびジオレフィン系不純物を含むC2 およびC3 オレフィン系供給流の選択的水素化方法を開示することが、本発明の目的である。
【0011】
最初にC2 オレフィン類をC3 オレフィン類から分離することなく、C2 およびC3 のアセチレン系およびジオレフィン系不純物を含むC2 およびC3 オレフィン系供給流を選択的に水素化する方法であり、それによってC2 およびC3 のアセチレン系およびジオレフィン系不純物が単一の処理工程で除去される単一の処理工程を使用する方法を開示することが、本発明の別の目的である。
【0012】
単一の処理工程における、C2 およびC3 のアセチレン系およびジオレフィン系不純物を含むC2 およびC3 オレフィン系供給流の一段式選択的水素化に有用な触媒を開示することが、本発明のさらに別の目的である。
【0013】
所望のC2 およびC3 オレフィン類の量が実質的に減少しない、C2 およびC3 のアセチレン系およびジオレフィン系不純物を含むC2 およびC3 オレフィン系供給流の一段式選択的水素化のための処理工程を開示することが、本発明のさらに別の目的である。
【0014】
C2 およびC3 のアセチレン系およびジオレフィン系不純物を含むC2 およびC3 オレフィン系供給流の一段式水素化のための処理条件を開示することが、本発明のさらに別の目的である。
【0015】
これらの目的およびその他の目的は、本発明により開示される、C2 およびC3 のアセチレン系およびジオレフィン系不純物を含むC2 およびC3 オレフィン系供給流の選択的水素化のための開示された方法により達成できる。
【0016】
【本発明の要旨】
本発明は、以下の工程を含む、アセチレン系およびジオレフィン系不純物を含むC2 およびC3 オレフィン系供給流の一段式選択的水素化のための方法である。
−アセチレン類、ジオレフィン類、並びに、水素、一酸化炭素およびメタンよりなる群から選択されたある種の低分子量のライトエンド(light−end) ガスを含んでもよい、C2 およびC3 オレフィン系供給流を調製し、
−該供給流よりライトエンドガスを分離して、C2 およびC3 のアセチレンおよびジオレフィン不純物を含むC2 およびC3 オレフィン系供給流を生成させ、
−該供給流への水素添加により、触媒床上で単一供給流中のC2 およびC3 のアセチレンおよびジオレフィン不純物を水素化して、C2 およびC3 のアセチレンおよびジオレフィン系不純物の量が実質的に減少するが、供給流中のC2 およびC3 オレフィン類の量は実質的に減少しない、C2 およびC3 オレフィン系供給流を生成させ、
−C3 オレフィン類からC2 オレフィン類を分離する。
【0017】
上記の、C2 およびC3 のアセチレン系およびジオレフィン系不純物を含むC2 およびC3 オレフィン系供給流の一段式選択的水素化のための方法の好ましい態様においては、供給流は、約15〜約50重量%のエチレン、約10〜約25重量%のエタン、約25〜約50重量%のプロピレン、および約10〜約25重量%のプロパンを含む。
【0018】
さらに好ましい態様においては、上記の一段式選択的水素化方法は「テイルエンド」選択的水素化ユニットで使用される。
別の好ましい態様では、C2 およびC3 のアセチレン系およびジオレフィン系不純物を含むC2 およびC3 オレフィン系供給流の一段式選択的水素化のための方法に有用な触媒は、アルミナ担持パラジウム触媒を含む。
【0019】
【添付図面の詳しい説明】
従来法 (図1) と本発明方法 (図2) との間の差は、図1および図2に開示した方法の比較から明かである。別々の図における符号は、2つのそれぞれの方法の工程を表す。各方法は「テイルエンド」法である。本発明の方法はフロントエンド法で用いてもテイルエンド法で用いてもよいが、好ましくはテイルエンド法で用いられる。従来法と本発明方法との間の違いを以下に示す。
【0020】
図1に示される従来法では、原料は、クラッキング後に分解炉を出て、急速にガスを冷却するために急冷ドラム(2) を通過する。これはさらなる分解およびそれによるコークスの形成を防止するためである。この工程は図2の新規方法においても全く同じである。次いで、ガスは重油ノックアウト(knockout) 段階および脱水段階を通過し、次に脱メタン塔に入る。方法中この段階は、従来方法でも新規方法でも同じである (図1および2) 。
【0021】
新規方法 (図2) は、従来法 (図1) とは水素回収工程(4) から異なり始める。脱メタン塔の塔頂フィードは、メタン、水素、一酸化炭素および二酸化炭素からなる。新たな方法および従来の方法のいずれにおいても、この供給流中に存在するアセチレン類およびジオレフィン類を水素化するために十分な水素が存在する。好ましくは、存在する水素の量は、供給流中に存在するすべてのアセチレン類およびジオレフィン類を水素化するのに必要な理論量より多い。好ましくは、フィード中に存在する水素の量は、すべてのアセチレン類およびジオレフィン類の水素化に必要な理論量の約100 %からこの理論量の約150 %までである。
【0022】
このガス流は低温の乾燥区域に送られ、次いでメタン生成器 (methanator) またはPSA ユニット中でCOおよびCO2 のCHおよびHO2 への変換を受ける。従来法では、C2 変換器およびMAPD変換器において水素の選択性向上剤としてCOを供給するために、メタン生成器の周囲にバイパスバルブを必要とする。新規方法では混合C2/C3 反応器へのフロー図中のこの点でのCOの添加が必要である。生成した水はモレキュラーシーブ床で除去される。乾燥し精製された水素は、従来法および新規方法の水素化反応器中に添加される。
【0023】
従来法 (図1) では、C2およびより重質な化合物を含む脱メタン塔の塔底フィードが脱エタン塔(6) へ送られる。C2塔頂フィードは、主にC2H4、C2H6および微量レベルのC2H2からなるC2化合物を含む。微量レベルのC2H2をC2変換器(7) において選択的水素化により除去する。しかし、アセチレンの過水素化によりいくらかエタンが生成するが、これはppm レベルのCOの添加により低下させうる。水素化工程の副生物としてより重質なオリゴマーが生成する。エタンはC2スプリッター(8) でエチレンから分離される。エチレンは塔頂部に行き、エタンは塔底フィード中に存在し、これはクラッキング(1) へ再循環される。生成したいずれのオリゴマーも分解炉(cracker) へ再循環される。エチレンは、重合過程において望ましくない微量レベルのCOを除去するためにさらに処理されなければならない。C3およびより重質な化合物を含む脱エタン塔の塔底フィードを、分離のために脱プロパン塔(9) へ送る。脱プロパン塔の塔頂フィードは、主にC3H4、C3H8および微量レベルのMAPD (メチルアセチレンおよびプロパンジエン) からなるC3化合物を含む。微量レベルのMAPDは別のC3変換器(10)において選択的水素化により除去する。この水素化過程の間により重質なオリゴマーも生成する。C2変換器におけると同様に、過水素化が生じ、この過程が生じるのを最小にするためにはCOの添加が必要である。プロピレンをC3スプリッター(11)中でプロパンから分離する。C3スプリッターの塔頂部は、プロピレンおよび、分解炉(1) への再循環のための塔底フィードとして存在するC3スプリッターからのプロパンを含む。生成したどのオリゴマーも、分解炉(1) への再循環のための塔底フィードとしてC3分解塔を出る。同様にして、COを下流の重合過程へのプロピレンフィードから除去する。
【0024】
新規方法では、C2およびより重質な化合物を含む脱メタン塔の塔底フィードを脱プロパン塔(9) へ送る。C2H4、C2H6、微量のアセチレン、C3H6および微量のMAPDを含む脱プロパン塔の塔頂フィードを単一の選択的水素化変換器(12)へ送る。水素化された供給流は次いで、さらなる分離のために脱エタン塔へ送られる。脱エタン塔の塔頂フィードはC2H4およびC2H6からなり、C2類の分離のためにC2スプリッター(8) へ送られる。C2スプリッターの塔頂フィードは、COを含有しない重合に適したエチレンを供給する。C2スプリッターの塔底フィードはC2H6からなり、これは分解炉(1) へ再循環される。脱エタン塔の塔底フィードは、C3H6、C3H8および生成する何らかのオリゴマーを含む。この流れはさらなる分離のためにC3スプリッター(11)へ供給される。C3スプリッターの塔頂フィードは、COを含有しない重合に適したC3H6からなる。C3スプリッターの塔底フィードは、分解炉(1) への再循環のためのC3H8および何らかの生成オリゴマーを含有する。
【0025】
本方法の初期の供給流は通常のものであり、一態様では約15〜約50%のエチレン、10〜約25%のエタン、25〜50%のプロピレンおよび10〜25%のプロパンとC2およびC3不純物を含む。供給流はさらに、5〜25%のメタンを含んでもよい。これは約1.5 〜約3.0 重量%のアセチレン系およびジオレフィン系不純物を含むことが多い。
【0026】
新規方法で用いられる触媒は、好ましくはパラジウム系触媒であり、より好ましくはアルミナ担持パラジウム、例えばSud−Chemie Inc. 製のG58Cである。触媒は好ましくは、1から3の別々の触媒床、好ましくは3つの触媒床を含む複数触媒床流において使用される。
【0027】
新規設計の利点は以下の通りである。
(1) 従来の設計よりも高い選択性、少なくとも約10%および好ましくは少なくとも約20%高い、
(2) 2つの反応器の代わりに1つの反応器のみを用いることによる、より少ない資本経費、
(3) より高いオレフィン収率を得られる、全生成オリゴマーの実質的減少、この減少は少なくとも約10%、好ましくは25%以上、
(4) 約1ppm より少ないレベルへのアセチレンの実質的な除去、
(5) 1ppm より少ないレベルへのジオレフィンの実質的な除去、
(6) 水素化前のオレフィン系供給流中で一酸化炭素の使用量の、約10ppm より少ないレベル、好ましくは1ppm から3ppm への減少。
【0028】
【実施例】
【実施例1】
本発明方法を試験するために、図2に詳細に示した本発明の上記プロセス系をベンチスケールの固定床反応器において用いた。詳述した組成を含む供給流を3つの床の触媒系中に導入した。使用した触媒は、Sud−Chemie社製のG−58触媒であった。供給流の条件は300psig で5,000 GHSVであった。本方法の各段階での入口および出口のガス組成を以下に詳述する。各系は100 時間の間評価を行った。新規方法の結果を以下に示す。
【0029】
【0030】
上に示されるように、本発明の方法は、一酸化炭素の添加なしにアセチレンおよびMAPDをうまく除去して1ppm (part per million)より少なくし、一方、エチレンおよびプロピレンの組成においては全体的増加を提供した。最初の2つの床は、1:1から1.5 :1の範囲の、選択性を最大にするのに必要な理論量よりわずかに多い水素レベルで作動した。最後の床は、プロパジエンを完全に除去するのに4:1から6:1の範囲の、より高い水素割合を必要とした。その結果、エチレンのわずかな損失が生じた。
【0031】
【実施例2】
Sud−Chemie社製のG−58触媒を、従来方法および新規方法のスキームによりベンチスケール固定床反応器において試験した。従来および新規方法の結果の比較を図3に示す。
【0032】
試験の間は触媒にCOは供給しなかった。新規方法においては明かに選択性が高かった。C2 およびC3 従来法の選択性はそれぞれ27%および26%であり、これに対し新規方法ではC2 類で48%、C3 類で98%であった。
【0033】
オリゴマー生成も新規方法では減少した。新規方法では全オリゴマー生成が21%であり、これに対し、C2 およびC3 の組合せ方法では50%であった。
本発明の原理、好ましい態様および操作方法は前記明細書に記載されている。
【図面の簡単な説明】
【図1】
C2 およびC3 のアセチレン系およびジオレフィン系不純物を含むC2 およびC3 オレフィン系供給流の選択的水素化に用いられる従来の二段式方法を示す図である。
【図2】
C2 およびC3 のアセチレン系およびジオレフィン系不純物を含むC2 およびC3 オレフィン系供給流の一段式選択的水素化のための本発明方法を示す図である。
【図3】
図1に示す従来の方法と、図2に示す本発明方法との間の試験性能の比較を示す表である。
【本発明の分野】
本発明は、アセチレン系およびジオレフィン系不純物を含むオレフィン系供給流の選択的水素化方法に関する。より詳しくは、本発明は、最初にC3 オレフィン類からC2 オレフィン類を分離することなく、アセチレン系およびジオレフィン系不純物を含むC2 およびC3 オレフィン系の供給流を選択的に水素化する方法であり、それによりアセチレン系およびジオレフィン系不純物の水素化が単一の処理工程において生じる方法に関する。本発明はまた、触媒およびこの選択的水素化方法におけるその用途にも関する。
【0002】
【従来の技術】
不飽和炭化水素の製造は通常、各種の炭化水素のクラッキングを包含し、所望の製品よりもより不飽和である炭化水素不純物を含む粗製製品を生じることが多い。これらの不飽和炭化水素不純物は、多くの場合、所望の製品から分留により分離することは非常に困難である。最も一般的な例はエチレンの製造であり、そこではアセチレンが通常の副生物である。同様に、プロピレンの製造はC3H4(メチルアセチレンまたはアレン) およびブタジエンを生じる。さらに、かかる望ましくない高度不飽和炭化水素を、所望の炭化水素の水素化があまり生じないようにして、水素化により除去するのは多くの場合工業的に困難であった。この触媒による方法の1例が英国特許第916,056 号に記載されている。
【0003】
望ましくない不飽和炭化水素類の除去のために一般的に2種類の気相選択的水素化方法が用いられるようになった。1つは、「フロントエンド(front−end) 」水素化として知られ、蒸気および圧縮可能な有機材料の除去後に、初期のクラッキング工程からの粗製ガスを水素化触媒上に通すことを含む。かかるガスの水素含有量は大きく、アセチレンより大過剰であり、存在するオレフィンの実質的部分を水素化するのに十分であるにもかかわらず、重合品質のオレフィン類を生成させるのに十分な選択性を有する操作が十分に確立され、触媒寿命は多年にわたる。「テイルエンド(tail−end)」として知られるもう一つの気相選択的水素化においては、粗製ガスを分留し、得られる濃縮製品流を、存在する高度不飽和炭化水素の水素化に必要な量より少し過剰の水素と個々に反応させる。しかし、テイルエンドの使用においては、触媒の失活の傾向がより大きく、従って触媒の定期的な再生が必要である。
【0004】
同じプラントにおいてフロントエンドおよびテイルエンド選択的水素化の両方を用いることが提案されてきた。
さらに、上記方法は通常気相中で行われるにもかかわらず、これらの水素化反応を、液相中の炭化水素を用いて、特にフィードが分子中に4または5以上の炭素原子を含む化合物を含む場合に、行うことが提案されてきた。
【0005】
米国特許第4,126,645 、4,367,353 、4,329,530 、4,347,392 および5,414,170 号を含む多数の特許において、かかる不飽和炭化水素の選択的水素化が論じられてきた。
【0006】
上記選択水素化反応に適することが見出された触媒には、例えば米国特許第3,113,980 、4,126,645 および4,329,530 号に開示されたような、アルミナ担体に担持されたパラジウムがある。これらの反応において使用される触媒は、通常、ペレットなどの成形片として製造される。アルミナ担持パラジウム触媒は、一般に表面積が5〜200m2/gの範囲、細孔量が少なくとも0.4 cm3/gであり、細孔の半径は300 オングクトロームより大きい。触媒中に存在するパラジウムの量は、米国特許第4,367,353 に開示されているように一般的に約0.1 〜約1%の範囲であり、米国特許第3,113,980 号に開示のように0.01〜5%である。
【0007】
アセチレン化合物の選択的水素化のためのその他の種類のアルミナ担持パラジウム気相触媒は、例えば米国特許第5,925,799 、5,889,138 、5,648,576 および4,126,645 号に開示されている。
【0008】
現在の、C2 およびC3 フィードのためのテイルエンド選択的水素化技術では、2つの別々の異なる処理ラインを用い、その1つはC2 オレフィン化合物の選択的水素化用であり、もう1つはC3 オレフィン化合物の選択的水素化用である。C2 化合物はその関連する不純物と共に、まずC3 化合物およびその関連する不純物から分離される。この分離は異なる2つの供給流を形成する結果となる。次いで、これらの供給流のそれぞれを独立にパラジウム触媒の存在下で水素および一酸化炭素と反応させて、それぞれのC2 およびC3 不純物を選択的に水素化する。
【0009】
現在のテイルエンド技術は次のようないくつかの欠点がある。(1) 操作サイクルがより短くなる結果をもたらす、重質オリゴマー類のより多い生成、(2) より低い平均選択性、(3) 頻繁な再生の必要、および(4) 触媒の選択性を改善するための、プロセス供給流への一酸化型炭素の導入の必要 (一酸化炭素は次いで、さらなる処理工程における供給流から除去しなければならない) 。加えて、(5) この二段式方法は、少なくとも部分的には、資本経費が増加するという理由で一段式方法よりも実施するのにより高価になり、そして、所望のオレフィン最終製品の損失を生じる、ある種のより長鎖の副生物が生成する結果が生じることがある。
【0010】
従って、C2 およびC3 のアセチレン系およびジオレフィン系不純物を含むC2 およびC3 オレフィン系供給流の選択的水素化方法を開示することが、本発明の目的である。
【0011】
最初にC2 オレフィン類をC3 オレフィン類から分離することなく、C2 およびC3 のアセチレン系およびジオレフィン系不純物を含むC2 およびC3 オレフィン系供給流を選択的に水素化する方法であり、それによってC2 およびC3 のアセチレン系およびジオレフィン系不純物が単一の処理工程で除去される単一の処理工程を使用する方法を開示することが、本発明の別の目的である。
【0012】
単一の処理工程における、C2 およびC3 のアセチレン系およびジオレフィン系不純物を含むC2 およびC3 オレフィン系供給流の一段式選択的水素化に有用な触媒を開示することが、本発明のさらに別の目的である。
【0013】
所望のC2 およびC3 オレフィン類の量が実質的に減少しない、C2 およびC3 のアセチレン系およびジオレフィン系不純物を含むC2 およびC3 オレフィン系供給流の一段式選択的水素化のための処理工程を開示することが、本発明のさらに別の目的である。
【0014】
C2 およびC3 のアセチレン系およびジオレフィン系不純物を含むC2 およびC3 オレフィン系供給流の一段式水素化のための処理条件を開示することが、本発明のさらに別の目的である。
【0015】
これらの目的およびその他の目的は、本発明により開示される、C2 およびC3 のアセチレン系およびジオレフィン系不純物を含むC2 およびC3 オレフィン系供給流の選択的水素化のための開示された方法により達成できる。
【0016】
【本発明の要旨】
本発明は、以下の工程を含む、アセチレン系およびジオレフィン系不純物を含むC2 およびC3 オレフィン系供給流の一段式選択的水素化のための方法である。
−アセチレン類、ジオレフィン類、並びに、水素、一酸化炭素およびメタンよりなる群から選択されたある種の低分子量のライトエンド(light−end) ガスを含んでもよい、C2 およびC3 オレフィン系供給流を調製し、
−該供給流よりライトエンドガスを分離して、C2 およびC3 のアセチレンおよびジオレフィン不純物を含むC2 およびC3 オレフィン系供給流を生成させ、
−該供給流への水素添加により、触媒床上で単一供給流中のC2 およびC3 のアセチレンおよびジオレフィン不純物を水素化して、C2 およびC3 のアセチレンおよびジオレフィン系不純物の量が実質的に減少するが、供給流中のC2 およびC3 オレフィン類の量は実質的に減少しない、C2 およびC3 オレフィン系供給流を生成させ、
−C3 オレフィン類からC2 オレフィン類を分離する。
【0017】
上記の、C2 およびC3 のアセチレン系およびジオレフィン系不純物を含むC2 およびC3 オレフィン系供給流の一段式選択的水素化のための方法の好ましい態様においては、供給流は、約15〜約50重量%のエチレン、約10〜約25重量%のエタン、約25〜約50重量%のプロピレン、および約10〜約25重量%のプロパンを含む。
【0018】
さらに好ましい態様においては、上記の一段式選択的水素化方法は「テイルエンド」選択的水素化ユニットで使用される。
別の好ましい態様では、C2 およびC3 のアセチレン系およびジオレフィン系不純物を含むC2 およびC3 オレフィン系供給流の一段式選択的水素化のための方法に有用な触媒は、アルミナ担持パラジウム触媒を含む。
【0019】
【添付図面の詳しい説明】
従来法 (図1) と本発明方法 (図2) との間の差は、図1および図2に開示した方法の比較から明かである。別々の図における符号は、2つのそれぞれの方法の工程を表す。各方法は「テイルエンド」法である。本発明の方法はフロントエンド法で用いてもテイルエンド法で用いてもよいが、好ましくはテイルエンド法で用いられる。従来法と本発明方法との間の違いを以下に示す。
【0020】
図1に示される従来法では、原料は、クラッキング後に分解炉を出て、急速にガスを冷却するために急冷ドラム(2) を通過する。これはさらなる分解およびそれによるコークスの形成を防止するためである。この工程は図2の新規方法においても全く同じである。次いで、ガスは重油ノックアウト(knockout) 段階および脱水段階を通過し、次に脱メタン塔に入る。方法中この段階は、従来方法でも新規方法でも同じである (図1および2) 。
【0021】
新規方法 (図2) は、従来法 (図1) とは水素回収工程(4) から異なり始める。脱メタン塔の塔頂フィードは、メタン、水素、一酸化炭素および二酸化炭素からなる。新たな方法および従来の方法のいずれにおいても、この供給流中に存在するアセチレン類およびジオレフィン類を水素化するために十分な水素が存在する。好ましくは、存在する水素の量は、供給流中に存在するすべてのアセチレン類およびジオレフィン類を水素化するのに必要な理論量より多い。好ましくは、フィード中に存在する水素の量は、すべてのアセチレン類およびジオレフィン類の水素化に必要な理論量の約100 %からこの理論量の約150 %までである。
【0022】
このガス流は低温の乾燥区域に送られ、次いでメタン生成器 (methanator) またはPSA ユニット中でCOおよびCO2 のCHおよびHO2 への変換を受ける。従来法では、C2 変換器およびMAPD変換器において水素の選択性向上剤としてCOを供給するために、メタン生成器の周囲にバイパスバルブを必要とする。新規方法では混合C2/C3 反応器へのフロー図中のこの点でのCOの添加が必要である。生成した水はモレキュラーシーブ床で除去される。乾燥し精製された水素は、従来法および新規方法の水素化反応器中に添加される。
【0023】
従来法 (図1) では、C2およびより重質な化合物を含む脱メタン塔の塔底フィードが脱エタン塔(6) へ送られる。C2塔頂フィードは、主にC2H4、C2H6および微量レベルのC2H2からなるC2化合物を含む。微量レベルのC2H2をC2変換器(7) において選択的水素化により除去する。しかし、アセチレンの過水素化によりいくらかエタンが生成するが、これはppm レベルのCOの添加により低下させうる。水素化工程の副生物としてより重質なオリゴマーが生成する。エタンはC2スプリッター(8) でエチレンから分離される。エチレンは塔頂部に行き、エタンは塔底フィード中に存在し、これはクラッキング(1) へ再循環される。生成したいずれのオリゴマーも分解炉(cracker) へ再循環される。エチレンは、重合過程において望ましくない微量レベルのCOを除去するためにさらに処理されなければならない。C3およびより重質な化合物を含む脱エタン塔の塔底フィードを、分離のために脱プロパン塔(9) へ送る。脱プロパン塔の塔頂フィードは、主にC3H4、C3H8および微量レベルのMAPD (メチルアセチレンおよびプロパンジエン) からなるC3化合物を含む。微量レベルのMAPDは別のC3変換器(10)において選択的水素化により除去する。この水素化過程の間により重質なオリゴマーも生成する。C2変換器におけると同様に、過水素化が生じ、この過程が生じるのを最小にするためにはCOの添加が必要である。プロピレンをC3スプリッター(11)中でプロパンから分離する。C3スプリッターの塔頂部は、プロピレンおよび、分解炉(1) への再循環のための塔底フィードとして存在するC3スプリッターからのプロパンを含む。生成したどのオリゴマーも、分解炉(1) への再循環のための塔底フィードとしてC3分解塔を出る。同様にして、COを下流の重合過程へのプロピレンフィードから除去する。
【0024】
新規方法では、C2およびより重質な化合物を含む脱メタン塔の塔底フィードを脱プロパン塔(9) へ送る。C2H4、C2H6、微量のアセチレン、C3H6および微量のMAPDを含む脱プロパン塔の塔頂フィードを単一の選択的水素化変換器(12)へ送る。水素化された供給流は次いで、さらなる分離のために脱エタン塔へ送られる。脱エタン塔の塔頂フィードはC2H4およびC2H6からなり、C2類の分離のためにC2スプリッター(8) へ送られる。C2スプリッターの塔頂フィードは、COを含有しない重合に適したエチレンを供給する。C2スプリッターの塔底フィードはC2H6からなり、これは分解炉(1) へ再循環される。脱エタン塔の塔底フィードは、C3H6、C3H8および生成する何らかのオリゴマーを含む。この流れはさらなる分離のためにC3スプリッター(11)へ供給される。C3スプリッターの塔頂フィードは、COを含有しない重合に適したC3H6からなる。C3スプリッターの塔底フィードは、分解炉(1) への再循環のためのC3H8および何らかの生成オリゴマーを含有する。
【0025】
本方法の初期の供給流は通常のものであり、一態様では約15〜約50%のエチレン、10〜約25%のエタン、25〜50%のプロピレンおよび10〜25%のプロパンとC2およびC3不純物を含む。供給流はさらに、5〜25%のメタンを含んでもよい。これは約1.5 〜約3.0 重量%のアセチレン系およびジオレフィン系不純物を含むことが多い。
【0026】
新規方法で用いられる触媒は、好ましくはパラジウム系触媒であり、より好ましくはアルミナ担持パラジウム、例えばSud−Chemie Inc. 製のG58Cである。触媒は好ましくは、1から3の別々の触媒床、好ましくは3つの触媒床を含む複数触媒床流において使用される。
【0027】
新規設計の利点は以下の通りである。
(1) 従来の設計よりも高い選択性、少なくとも約10%および好ましくは少なくとも約20%高い、
(2) 2つの反応器の代わりに1つの反応器のみを用いることによる、より少ない資本経費、
(3) より高いオレフィン収率を得られる、全生成オリゴマーの実質的減少、この減少は少なくとも約10%、好ましくは25%以上、
(4) 約1ppm より少ないレベルへのアセチレンの実質的な除去、
(5) 1ppm より少ないレベルへのジオレフィンの実質的な除去、
(6) 水素化前のオレフィン系供給流中で一酸化炭素の使用量の、約10ppm より少ないレベル、好ましくは1ppm から3ppm への減少。
【0028】
【実施例】
【実施例1】
本発明方法を試験するために、図2に詳細に示した本発明の上記プロセス系をベンチスケールの固定床反応器において用いた。詳述した組成を含む供給流を3つの床の触媒系中に導入した。使用した触媒は、Sud−Chemie社製のG−58触媒であった。供給流の条件は300psig で5,000 GHSVであった。本方法の各段階での入口および出口のガス組成を以下に詳述する。各系は100 時間の間評価を行った。新規方法の結果を以下に示す。
【0029】
【0030】
上に示されるように、本発明の方法は、一酸化炭素の添加なしにアセチレンおよびMAPDをうまく除去して1ppm (part per million)より少なくし、一方、エチレンおよびプロピレンの組成においては全体的増加を提供した。最初の2つの床は、1:1から1.5 :1の範囲の、選択性を最大にするのに必要な理論量よりわずかに多い水素レベルで作動した。最後の床は、プロパジエンを完全に除去するのに4:1から6:1の範囲の、より高い水素割合を必要とした。その結果、エチレンのわずかな損失が生じた。
【0031】
【実施例2】
Sud−Chemie社製のG−58触媒を、従来方法および新規方法のスキームによりベンチスケール固定床反応器において試験した。従来および新規方法の結果の比較を図3に示す。
【0032】
試験の間は触媒にCOは供給しなかった。新規方法においては明かに選択性が高かった。C2 およびC3 従来法の選択性はそれぞれ27%および26%であり、これに対し新規方法ではC2 類で48%、C3 類で98%であった。
【0033】
オリゴマー生成も新規方法では減少した。新規方法では全オリゴマー生成が21%であり、これに対し、C2 およびC3 の組合せ方法では50%であった。
本発明の原理、好ましい態様および操作方法は前記明細書に記載されている。
【図面の簡単な説明】
【図1】
C2 およびC3 のアセチレン系およびジオレフィン系不純物を含むC2 およびC3 オレフィン系供給流の選択的水素化に用いられる従来の二段式方法を示す図である。
【図2】
C2 およびC3 のアセチレン系およびジオレフィン系不純物を含むC2 およびC3 オレフィン系供給流の一段式選択的水素化のための本発明方法を示す図である。
【図3】
図1に示す従来の方法と、図2に示す本発明方法との間の試験性能の比較を示す表である。
Claims (18)
- 以下の工程を含む、アセチレン系およびジオレフィン系不純物を含むオレフィン系供給流から、アセチレンおよびジオレフィン類が実質的に減少したC2 オレフィン類およびC3 オレフィン類の分離した流れを生成させる方法。
−C2 およびC3 オレフィン類、アセチレン類およびジオレフィン類を含む、C2 およびC3 オレフィン系フィードを調製し、
−C2およびC3オレフィン類を、別々のC2 供給流およびC3 供給流に分離することなく、アセチレン類およびジオレフィン類不純物を、供給流への水素の添加により触媒を含む触媒床系上で実質的に水素化して、アセチレン類およびジオレフィン類不純物の量が実質的に減少したオレフィン系流れを生じさせ、そして −C3 オレフィン類からC2 オレフィン類を分離する。 - 水素化前のフィード中に存在する水素の量が、フィード中に存在するアセチレン類およびジオレフィン類を水素化するのに必要な理論量より多い、請求項1記載の方法。
- フィード中に存在する水素の量が、アセチレン類およびジオレフィン類の水素化に必要な理論量の 100%から、この理論量の 150%までである、請求項2記載の方法。
- 触媒床が1から3つの別々の触媒床を含む複数触媒床系を含む、請求項1〜3のいずれかの項記載の方法。
- 触媒がパラジウム系触媒である、請求項1〜4のいずれかの項記載の方法。
- パラジウムがアルミナ担体に担持されている、請求項5記載の方法。
- 供給流の組成が、15〜50重量%のエチレン、10〜25重量%のエタン、25〜50重量%のプロピレン、および10〜25重量%のプロパンを含む、請求項1〜6のいずれかの項記載の方法。
- 供給流がさらに、5〜25%のメタンを含む、請求項7記載の方法。
- 水素化がテイルエンドの工程中に生じる請求項1〜8のいずれかの項記載の方法。
- アセチレン類が1ppm より少ないレベルに低減される、請求項1〜9のいずれかの項記載の方法。
- ジオレフィン類が1ppm より少ないレベルに低減される、請求項1〜10のいずれかの項記載の方法。
- 水素化後のアセチレン類およびジオレフィン類が1ppm より少ないレベルに低減される、請求項1〜11のいずれかの項記載の方法。
- 水素化前のオレフィン系供給流中の一酸化炭素の量が10ppm より少ない、請求項1〜12のいずれかの項記載の方法。
- 水素化前のオレフィン系供給流中の一酸化炭素の量が1ppm から3.0ppmである、請求項13記載の方法。
- 水素化前の供給流中に存在するアセチレン系およびジオレフィン系不純物の量が、供給流の1.5 〜3.0 重量%である、請求項1〜14のいずれかの項記載の方法。
- C2 およびC3 オレフィン系フィードがさらに、ライトエンドガスを含み、該ライトエンドガスが水素、一酸化炭素およびメタンを含む、請求項1〜15のいずれかの項記載の方法。
- アセチレン類およびジオレフィン類の水素化の前に、オレフィン系供給流からライトエンドガスを実質的に分離することをさらに含む、請求項16記載の方法。
- 請求項1記載の方法に有用な触媒。
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