JP2006521844A - 筋活動を監視する方法および装置 - Google Patents

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Abstract

筋活動を監視する装置は、筋活動を表す信号、例えばEMG信号を提供する手段と、特定の活動を検出するために前記信号を処理する手段と フィードバック信号を提供する手段と、を備え、前記装置は設定モードにおいて個人個人に適合させることが可能なようになされている。装置は歯ぎしりなどの望ましくない活動や、有害なあるいは望ましくない運動などを検出し、防止するために用いることができる。ユーザ個別のパラメータを用いてフィードバック信号を発動するための基準値、閾値、判定基準を決定しているので、検出を高い確実性を以て行うことができる。この基準値、閾値、判断基準の等の決定は設定手順において行うことができる。

Description

本発明は請求項1の前文に記載するような筋活動(muscle activity)を監視する装置に関わる。また本発明は請求項20の前文に記載するような筋活動を監視する方法に関わる。更にまた、本発明は本発明の装置を設定する方法に関わる。本発明はまた、そのような装置および/または方法の用途に関わる。
多くの状況において、特に人間の筋活動を監視できることが望まれる。それはとりわけ、望ましくない、不要なおよび/または有害であるかもしれない筋活動を検知し、あるいは防止すること可能とすることを目的としている。特に、望ましくない筋活動を制限しまたは停止させることができるようにすることを目的として、このような筋活動の検出を可能にすることが望まれる。
このような状況の例としては、筋肉が不適切な使用により炎症や痛み、そして損傷さえ生じかねない労働状況などが挙げられる。これはまた、労働ストレスにより筋肉が緊張している状況、および/または不適切な労働姿勢により後頭部および肩に痛みを感じている状況などにも関係する。このような状況の例としては、単純労働(反復運動過多損傷RSI、蓄積外傷疾患CTD、手根管症候群CST)コンピュータステーションにおける労働(コンピュータマウス使用過多症候群)およびオフィス労働(不適正な座姿勢)などがある。
また、程度を問わず意識されて行われるものであれ、あるいは例えば睡眠中などに全く無意識に行われるものであれ、損傷や望ましくない作用を引き起こす可能性のある筋活動にも関連する。
このような望ましくない筋活動の例として、苦痛をもたらす歯ぎしりがあり、これは一般的に実際の効用を伴わない強力な顎の運動として定義され、歯を強くくいしばった状態で、無意識に歯をすりあわせるというものである。これは、たとえば歯の摩耗や、唇および舌の損傷、歯の喪失、歯肉ポケットなどの重大な歯の損傷を引き起こしうる。これに加え、歯ぎしりは後頭部の痛みや慢性的な頭痛に結びつく。
一般的に、歯ぎしりは慢性のものと急性のものとに分かれる。急性の歯ぎしりはどんな人にも起こる可能性があり、ストレスの加わる状況、例えば競技中のアスリートや締め切りに追われている人などに多く見られる。慢性の歯ぎしりには夜間のものと昼間のものがある。昼間の歯ぎしりの特徴は、意識的に上下の顎をくいしばり、歯をすりあわせること(主に後者)である。夜間の歯ぎしりは無意識に行われるので、たいていの場合周囲の者(例えば家族)によって不快な「きーきー」という騒音として認識される。昼間の歯ぎしりはストレスにさらされることにより引き起こされることが多い。このような昼間の歯ぎしりは悪癖と考えられる場合もある。この種の悩みは、歯ぎしりをしていることに気づかせることにより比較的簡単に除去できる場合もある。夜間の歯ぎしりの場合、問題はより複雑である。なぜなら、歯ぎしり現象と普通の筋活動とを見分けることが難しいからである。しかし、歯ぎしりは典型的には2〜5秒以上持続する。この夜間の病態は、歯を副木で保護することにより緩和されることも多い。
米国特許第4,669,477号は、歯ぎしりを治療する装置を開示している。この装置は、患者の顎筋の筋活動を検知し、それを調節可能な閾値と比較できるようにするということに基づいている。検知した筋活動が閾値を超えると、刺激信号を生成する。該刺激信号は電極により、顎筋に印可される。この装置の1つの実施例では、刺激信号は、信号強度が徐々に上昇する開始領域、強度が一定となる刺激領域と、信号強度が徐々に減少する終了領域とを含む。
しかし、この装置には閾値を超えると無造作に刺激を発動してしまうという問題がある。この装置を長い間用いると防止効果があり、装置を用いなくとも歯ぎしりが防止される場合がある。患者は無意識のうちに、歯をすりあわせてはならないことを学習する。これは第一に、装置を用いているときに筋活動が閾値を超えると、患者は刺激信号としての微弱な電気ショックによって懲罰されことによってもたらされる。歯ぎしりに悩む人も悩まない人も、一般的に夢によって引き起こされる顎領域のかなりの程度の筋活動を行っており、この筋活動のレベルは実際の歯ぎしりによるものと同レベルである。従って、装置を用いている場合、通常の睡眠時においてもかなりの回数の顎筋の刺激が発生する。患者が微弱な電気ショックによる懲罰を受けることにより学習するという上記の効果に関して、睡眠中に起こる通常の自然な顎の活動によっても患者が同様の懲罰を受けてしまうというおそれが少なからずある。この自然な顎の活動が睡眠中に見る夢にとって重要なものであるかもしれない。
米国特許第6,093,158号により、とくに歯ぎしりを治療する装置が公知である。この文献は、補聴器(ITE(耳内)補聴器)と同様にして完全に耳道に挿入することができ、マイクロフォンにより耳内で歯のすりあわせによって生じたものであろう音を検知する。プロセッサによって、歯ぎしりを検知するための判断基準が満たされているかを判断し、変換器により、音信号を刺激としてユーザ(使用者)に伝える。
歯ぎしりの検知の判断基準はある音レベルを越えたかどうかとしてよく、該音レベルはユーザによって調節可能である。また、単位時間当たりの発生回数、および持続時間などの他の判断基準も考えられる。これ以外の信号処理自体についてはこの文献に記載されていない。この文献は、検出に関する様々なオプション、例えば音響センサ、マイクロフォン、EMG(筋電図)電極などや、例えば音などによるフィードバックオプションを記載している。
1つの実施形態において、装置は送信機と受信機を用いて、例えばユーザが歯をすりあわせはじめたときなどの、耳の構造の微小な変化を検知する。この実施形態には、検知された変化が至って正常な顎の動きであって歯のすりあわせでない可能性がある、という欠点がある。従って、この装置はこうした顎の活動を、歯のすりあわせという望ましくない筋収縮として認識し、フィードバックを発動させてしまう可能性がある。
別の実施形態では歯のすりあわせやいびきに起因するであろう耳内の音を測定する。しかしこれらの音信号/音の源を互いにどのように区別するかについての閾値については述べられていない。この従来技術システムは、閾値を調節し、閾値を超えた場合にはフィードバックを発動するように動作する。この場合、ユーザが例えば咳をしたり、寝ながら言葉を発したり、睡眠中に正常な音を発したりした場合にも、閾値を超えてしまい、患者が歓迎せざるフィードバックを受けてしまうことになる。
更にまた、ある実施形態では、顔の上の様々な位置に設置することのできる別の音センサを設ける。耳内に設置したマイクロフォンが耳道を介して音を検知できない場合には、特に歯のすりあわせやいびきによって生じる音をこれらの別のセンサによって検知することができる。この場合、音の源が何であっても、閾値を超えると無判断にフィードバックを発動させてしまうという不都合が再び生ずる。
この従来技術文献はまた、例えば別のタイプのセンサをユーザの口内に設置することも可能であるとしている。フィードバックとして用いる音源をユーザの体の上やベッドの傍らに設置することもできる。フィードバックは人体のどこかに設置したバイブレータとして発動してもよい。
この文献では、刺激によるフィードバックを用いることについては言及されているが、そのような刺激をいかに発動するかについての説明はなく、また閾値を超えること以外にどのような判断基準が満たされるべきかについての説明もない。そして、刺激がどのような特性を持つべきかについても説明されていない。
すでに述べたように、この公知のシステムは、睡眠中の正常な噛み活動、音、動作などを区別する処理がなされていないため、これらがフィードバックを発動させてしまうという欠点を有している。更にその他の外部の原因からセンサーを介して入る影響についての考慮がなされていない。従って、ここでもまた、閾値を超えた場合に装置が無判断でフィードバックを開始してしまうという一般的な欠点がある。
最後にこうした従来技術の装置について、睡眠中の人間がとりわけ歯ぎしりとは関係のない状況でフィードバックによって目覚めさせられてしまう虞がある。これは睡眠リズムを乱すという問題があり、ユーザに更なるストレスを与え、ユーザの歯ぎしりを悪化させる場合がある。ストレスは歯ぎしりの本質的な原因の1つであるからである。
従って、本発明は、歯ぎしりを監視する装置および方法であって、上記欠点を軽減した装置および方法を提供することを目的とする。
本発明は特に、個々のユーザに適合させることのできる装置および方法を提供することを目的とする。
更に本発明は、ユーザに「懲罰」を与える必要のない睡眠中の正常な動作および/または音を考慮した方法および装置、即ちこのような状況ではフィードバック信号を発しない装置および方法を提供することを目的とする。
更に本発明は、フィードバックが音あるいは振動等として発動された際に、ユーザが目覚めることのないように配慮した装置および方法を提供することを目的とする。
更に本発明は、誤って発動されたフィードバックによりユーザの睡眠リズムが乱されるという問題を低減するあるいは防止するような装置および方法を提供し、以てユーザの睡眠リズムを可能な限り妨げないようにすることを目的とする。
最後に本発明は、歯ぎしりの検知を目的とした監視のみならず、時宜を得ないその他の理由で望ましくない筋活動を検知することが望まれるような様々な状況で用いることのでき、以てフィードバック信号により当人の注意を向けさせることができるような、筋活動を監視する装置および方法を提供することを目的とする。
これらおよびその他の目的は、以下により詳細に説明する本発明により達成される。
(発明の概要)
本発明は筋活動を監視する装置に関わり、該装置は
筋活動を表す信号、例えばEMG信号を提供する手段と、
特定の活動を検出するために前記信号を処理する手段と
フィードバック信号を提供する手段と、を備え、
前記装置は設定モードにおいて個人個人に適合させることが可能なようになされている。
これにより、ユーザ個別のパラメータを用いてフィードバック信号を発動するための判定基準、基準値、閾値等を決定しているので、検出を高い確実性を以て行うことができ、この基準値、閾値、判断基準の等の決定は設定手順において行うことができるので、本発明に係る装置は歯ぎしりなどの望ましくない活動や、有害な、あるいは望ましくない運動などを検出し、防止するために用いることができる。
好適には請求項2に記載するように、前記装置は正常に起こる筋活動を検知し、記録する手段を備えてもよい。
これにより、フィードバック信号を発動する判断基準を決定する際の基準として用いることのできる正常に起こる筋活動を、装置が認識するようになり、これによってフィードバックを誤って行う危険性を低減するあるいは完全に抑制することができる。
請求項3に記載する特に好適な実施形態によれば、前記装置は実質的に最大の筋活動、例えば最大の顎の噛み合わせ活動を検知し、記録する手段を備えてもよい。
これにより、例えば当該ユーザの噛み力のような筋活動のレベルに応じた基準を記録され、フィードバック信号を発動する基準を定めるに際して、このレベルを考慮に入れることができる。これにより、類を見ないほど高度な使い勝手の良さがもたらされる。
請求項4に記載する別の好適な実施形態によれば、前記装置は予め決められた1つ以上の正常な筋活動、たとえば1回以上の顔をしかめる活動中の筋活動を検知し記録するようになされていてもよい。
これにより、正常に起こると考えられる活動が装置によって登録され、これを発動の判断基準を定める際に利用することができ、これによってこれらの正常に起こる活動そのものがフィードバックシグナルの発動を引き起こす可能性がなくなる。
請求項5に記載する別の好適な実施形態によれば、前記装置はある期間の間の筋活動を記録し保存する手段を有してもよい。
これにより、ユーザが装置を装着している間の活動のレベルと場合によっては活動のパターンを、例えば比較的長い期間および/または何回かの期間の間記録することができ、これにより、より高い確実性と正確性を以て基準値を設定することが可能となる。従って、フィードバックを発動させるための判断基準もより高い確実性と正確性を以て設定することができる。
好適には、請求項6に記載するように、前記装置は前記フィードバック信号を調節する手段を有することにより、個人個人に適合可能になされてもよい。
これにより、個々のユーザは、フィードバック信号、例えば振動、電気信号その他の形式の刺激を、当該ユーザに適したレベル、例えば不快に感じられることはないが、明確に覚知/触覚/聴取等することができるレベルに調節することができる。
請求項7に記載する特定の好適な実施形態によれば、特定の活動を検出するために信号を処理する前記手段は、例えばFFT(高速フーリエ変換)を利用するパターン認識手段を有してもよい。
これにより、予め登録された活動パターンを用いてフィードバックを発動するための判断基準を定めることができるので、望ましくない筋活動を検出するときの確実性がより向上する。
好適には請求項8に記載するように、筋活動を表す信号を提供する前記手段はEMG信号を検知する1つ以上の電極を有してもよい。
これにより前記筋活動を確実な好適な仕方で検知し、記録することができる。
好適には請求項9に記載するように、筋活動を表す信号を提供する前記手段はEEG信号(Electroneurographic signal:神経電図信号)を検知する1つ以上の電極を有してもよい。
これにより、前記EEG信号がシードバック発動のための判断基準を定めるための更なる情報を提供するので、フィードバック信号の発動に当たっての確実性が向上する。例えば歯ぎしりに関して言えば、歯ぎしりはほとんどの場合、EEG信号を用いて検出できるある睡眠段階において起こることが知られている。
請求項10に記載のより好適な実施形態によれば、前記装置は前記電極にテスト電圧を供給し、該テスト電流は重畳電圧として供給してもよく、その結果生ずる電流を測定し、その電流を基準値と比較することにより前記電極を特に人体との接続状態についてテストする手段を有してもよい。
これにより、例えばユーザが電極を取り付けた際に、皮膚との抵抗が装置が問題なく動作するような抵抗値よりも低くなるような仕方で取り付けたことを確かめることができる。このようにして、ユーザは始めに例えば額に装置を取り付けた際に装置が動作可能であることを確かめることができ、さらに、電極の接続性を周期的にあるいは連続的に監視することができ、これによって接続性が所定の範囲より低下した場合には、ユーザに警告しおよび/または装置の動作を停止することができる(この停止は一時的な停止であるばあいもある)。
好適には請求項11に記載するように、筋活動を表す信号を提供する前記手段は、マイクロフォンおよび/または振動を検知するセンサおよび/または他の検知手段であってもよい。
これにより、信号を特定の目的に合った様々な仕方で記録することができる。またこれらの手段を組み合わせて用いてもよい。
請求項12に記載するまた別の好適な実施形態によれば、前記装置は測定されたおよび/または処理された信号に対応するデータを保存する手段を有してもよい。
これにより、多数のセッション例えば数日分の夜間に対応するデータを保存し、例えば統計的な目的に用いたり、また例えばユーザの行動、歯ぎしりイベント等を改善する目的に用いたり、また場合によっては例えばユーザがスーパーバイザあるいはそれに類する人のもとを再訪した際に装置の設定を変更したりするのに用いることができる。
好適には請求項13に記載するように、前記装置は保存されたデータをPC等のコンピュータに送る手段を有してもよく、これはスーパーバイザのPCで行っても良いしあるいはユーザ自身のPCにおいて行ってもよい。
更に、このようなデータをインターネットを通じて、例えばスーパーバイザへ送り、評価や使用に供してもよい。
請求項14に記載する又別の好適な実施形態によれば、前記装置は設定モードおよびユーザモードにおいて動作してもよい。前記設定モードにおいては、個人の基準信号、個人の特定の筋活動に対応する信号および個人のバイオフィードバック特性を設定可能であり、前記ユーザモードにおいては、装置は予め決められた規則および設定に従って、筋活動を監視し、かつバイオフィードバックを与えてもよい。
これにより、装置の設定を効果的に行うことができる。例えば設定を熟練した訓練を受けた者、例えばスーパーバイザや歯科医などの指導の下に行い、これから装置のユーザとなる者に設定手順を案内して、設定が確実に首尾よく行われるようにすることができる。設定が終わった後に、スーパーバイザが装置を使用モードに設定してもよく、これによりユーザは安全にかつ簡単に装置を操作することができる。
請求項15に記載する好適な実施形態によれば、前記装置は例えば額の上や耳の中など、頭部に装着するユーザモジュールを有してもよい。
これにより、装置は便利に構成することができる。例えば側頭筋等を容易に監視できる電極を有し、装置の配置も邪魔にならないようにできる。これは装置を睡眠中に装着する場合に好適である。
請求項16に記載する好適な実施形態によれば、前記装置はスレーブモジュールとマスタモジュールを有してもよく、前記スレーブモジュールは人間に装着されるようになされる。
これにより、例えば信号処理などのための諸部品をマスタモジュール側に配置することができるので、ユーザが装着する部分を可及的に小さくすることができる。
好適には、請求項17に記載するように、前記装置は例えば前記ユーザモジュールまたは前記スレーブモジュール用の充電手段を有してもよい。
請求項18に記載する特に好適な実施形態においては、前記装置はユーザに操作ステップを知らせる、例えばLEDのような視覚手段あるいは音響手段などの手段を有してもよい。
これにより、オン・オフ状態や、フィードバックレベル調節時における該レベル等の装置に関する情報を、ユーザに簡便な仕方でに教えることができる。更に、装置を額などの頭部に装着した場合、例えば2色または3色のオンカラーLEDなどの光表示器を用いると特に効果的である。なぜならユーザは装置を装着したままでも、また夜間においても光、色、周波数などを知ることができるからである。
請求項19に記載の又別の好適な実施形態によれば、前記装置は指示および/または監視セッションおよびまたはいくつかのセッションから得られる結果を表示するためのディスプレイ手段を有してもよい。
このようなディスプレイ手段は、好適には言葉やアイコンを用いてユーザに、行われたセッションに関する統計的な情報を知らせると共に、装置の状態、可能な操作などを示すことができる。装置を頭部に装着している場合には、ユーザは例えば鏡などを用いてディスプレイを見てもよい。このような場合にはディスプレイ上に表示する情報を鏡像、即ち横方向に反転した画像として、ユーザの便を図ってもよい。
本発明はまた筋活動を監視するための方法にも関わるものであり、該方法は
例えばEMG信号などの筋活動を表す信号を提供するステップと、
特定の活動を検出するために前記信号を処理するステップであって、前記信号の前記処理は特定の個人パラメータおよび/または基準とを用いてなされるステップと、
特定の活動が検出された場合にフィードバック信号を提供するステップと、を含む。
これにより、本発明に係る装置は歯ぎしりなどの望ましくない活動や、有害な、あるいは望ましくない運動などを検出し、防止するために用いることができる。ユーザ個別のパラメータを用いてフィードバック信号を発動するための判定基準、基準値、閾値等を決定しているので、検出を高い確実性を以て行うことができる。この基準値、閾値、判断基準の等の決定は設定手順において行うことができる。
好適には請求項21に記載するように、前記フィードバックは、最大力の計算および/または面積の計算および/またはFFT(高速フーリエ変換)に基づくパターン認識過程を含む評価に基づいて提供される。
更に本発明は、請求項1乃至19のいずれかに記載の装置の設定方法にも関わるものであり、該方法においては、
最大の顎の噛み合わせ活動等の実質的に最大の筋活動を行い、それに対応する筋活動を検知し記録し、
例えば顔をしかめる等の1つ以上の予め決められた筋活動を行い、それに対応する筋活動を検知し記録し、
フィードバック信号を出力するための閾値を調節する。
これにより、装置に正常におこる筋活動および予想される活動の最大値を登録することができる。そしてこれをユーザに対するフィードバックを出力するための判定基準を定めるために利用することができ、その際判断基準をユーザに合わせ、かつ正常に起こる活動によってはフィードバックを発動しないようにすることができる。
更に、本発明は請求項1乃至19のいずれかに記載の装置の設定方法に関するものでもあり、該方法は請求項22記載の設定手順に続いて行ってもよく、該方法において、
前記方法は装置を設定モードで使用するステップを含み、その際個人の筋活動に対応する値および/またはパラメータを1以上の期間に渡って記録し、場合によっては記憶し、
前記記録および/または保存された値および/またはパラメータは装置の通常の使用時における個人の基準値を与えるために用いられる。
これにより、装置の設定、例えばフィードバックを発動する判断基準と設定をきめ細かに行うことができ、かつ特定のユーザに対して高いレベルで適応させることができる。
本発明はまた、請求項1乃至19記載の装置および/または請求項20乃至23記載の方法であって、歯ぎしりの予防的治療に用いられるものに関わる。
更に本発明はまた、請求項1乃至19記載の装置および/または請求項20乃至23記載の方法であって、人体の姿勢および/または運動の矯正的監視に用いられるものに関わる。
最後に、本発明は請求項1乃至19記載の装置および/または請求項20乃至23記載の方法であって、仕事中の人体の姿勢および運動の調整に用いられるものに関わる。
以下において、いくつかの実施形態により本発明をより詳細に説明する、そのうちのいくつかのものは歯ぎしりに関わるものである。しかし、別の場所でも述べているように、本発明は広い応用分野で利用することができる。
図1は本発明の好適な実施形態による、歯ぎしりを検知し治療する装置10を示し、この装置は例えば筋活動を監視し、フィードバックを与えるものである。図に示すように、装置10はユーザに装着されるものであって、例えばハウジング12を額に設置しストラップ14等を頭部に巻き付けるようにして装置を頭部に装着する。装置はディスプレイ手段16、装置を動作させるためのいくつかのボタン(例えば図示のように2つ)、表示ランプやLEDなどの表示器20を備える。LED表示器20は好適には1つの3色LEDで構成する。しかしより多くの表示器20、例えば2つ以上のLEDなどを設けてもよい。これらの手段および装置の機能を以下に説明する。
図2はこの装置の拡大して示す図である。装置10のハウジング12は上記のディスプレイ手段16に加えて、信号等を処理する電子回路、マイクロプロセッサ、記憶手段、エネルギーを供給するバッテリなどその他の部分を含んでもよい。図示のようにディスプレイ手段16は多くの表示器手段や特徴を有してもよい。例えばバッテリ表示器24、電極とユーザの皮膚との接続性を示す電極接続表示器26、および様々な機能に利用されうるメインディスプレイ22を有する。これらについては後に説明する。
図2は更に示すように、ストラップ14に電極担体28を備えてもよい。電極担体28はEMG(筋電図)信号を監視するための、および/またはバイオフィードバック信号を供給するためのいくつかの電極を有する(例えば複数のマルチ電極)。
歯ぎしりが問題となるときには、EMG信号は噛むための筋(筋肉)に関するものとする。その筋は専門用語では側頭筋(muscle Temporalis)および咬筋(咀嚼筋)(muscle Masseter)と呼ばれるものであり、これらの筋を歯ぎしりに関連してEMGの対象として用いることができる。
咬筋は2つの部分からなる。即ち表面の筋肉とより深い層となる部分である。これらは歯を強く食いしばって指を頬に押しつけ、口から耳に向かって動かすことで容易に位置をつき止めることができる。咬筋は下顎の水平運動(噛む動作の一部として)にも関与しているが、その主要な役割は下顎を引き上げることである。それは下顎を引き出すことに貢献している。側頭筋は大きな扇形の筋であり、大部分が頭骨側部に張り付いており、従って容易にアクセスすることができる。
上に述べたように筋活動即ち生体的活動は、それぞれの筋肉の上の皮膚に設置した電極、即ちEMG電極によって測定されるが、他の方法、例えば接触マイクロフォンにより音を測定してもよい。
図1および図2に示す装置において、電極30は側頭筋からのEMG信号を監視してもよい。図2には一組の電極しか示していないが、ハウジング12の反対側に別の一組を配置してもよいし、またハウジングのそれぞれの側に複数の組の電極を配置してもよいことは明白である。電極はハウジング12内の回路とワイヤ(図示せず)によって接続する。該ワイヤは可撓性のワイヤ、プリントワイヤなどとすることができ、ストラップ14と一体化してもよいし、独立したものとしてストラップの背後に配置してもよい。ストラップ14自体は様々に設計することができ、例えば可撓性の材料等を用いもよいし、また調整や取り外しできる部分として設計してもよい。また装置はバッテリチャージャーの接続手段および/またはハウジング内に設けたUSBなどのPC用のデータ接続部を有してもよい。
本発明の重要な実施形態では、一人一人のユーザに対する個別的な調整を行う、これについて以下に説明する。
このような個別的な調整は導入的な設定手順を利用して行い、その後の設定期間において使用が行われる。以降、一実施形態の装置はユーザに合わせて調節され、装置が通常の使用に供することができるようになる。しかし設定手順の後にそのまま装置を使用に供してもよい。
図1および図2の装置の詳細を説明する前に、図3を参照して本発明の典型的な設定手順の概要を説明する。図3は設定手順を示すフローチャートである。
電極を利用する場合には、該電極をまず第1に、例えば咬筋あるいは側頭筋に設置する。
その後、強い筋活動を121において測定する。歯を例えば10秒間、強い力で噛み合わせ、その際MBF(maximum biting force:最大噛み力)を測定する。その後普通に起こる筋活動を測定する。これは2つの普通の「しかめ面(つら)」をする(顔をしかめる)ことにより行う。しかめ面は大げさにすることなく自然に、例えば2秒間行う。最初のしかめ面を122で測定し、123で2番目のしかめ面を例えば2秒間行って、測定する。
その後、124において、ユーザは最大MBFの所望のパーセンテージ、例えば3乃至20%をキー入力する。
最大噛み力および最大しかめ面(即ち1つのしかめ面で測定された筋活動)に基づいて、閾値即ちTH値を計算する。これはMBFの3%から20%の間としうる。
最小TH値は常にしかめ面の最大振幅よりも大きくなる。即ちMBF=100でしかめ面の最大振幅=10の場合、TH値はMBFの11%〜20%の間から選ぶことができる。これにより、正常な顎の動きは歯ぎしりの測定に影響を及ぼすことがなくなる。
その後125において、ユーザは刺激パルスの持続時間を選択する。選択は例えば0.1〜0.9秒のあいだから行う。所望の刺激持続時間(これは刺激の強度の決定に用いられる)を、該刺激が患者にとって不快とならないようにキー入力する。
126において、刺激遅延を設定する。刺激遅延は刺激信号の到着の前に装置が歯のすりあわせを測定する時間である。これは0.5〜5秒に選定する。所望の刺激遅延をキー入力する。(タイマ設定、これにより歯ぎしり測定の確実性を高くする)。
その後127において、装置の使用に先立って、刺激の強さをテストする。こうしてすべての個人パラメータが設定され、装置は使用および/またはデータサンプリング(128)の準備が整う。
適切な時間に渡ってのデータ蓄積を装置の設定期間に行ってよい。このときそのユーザに固有の一連のデータが得られ、そのデータをその後、例えば歯ぎしりに際してフィードバックを発動するか否かの決定に用いることができる。このような設定期間については後により詳細に述べる。
ここで図1および図2に示す装置を、図4乃至7を参照して詳細に説明する。これらの図は使用時および/または設定手順の異なる状況および段階のディスプレイ手段16を示している。
図4は設定手順即ち学習手順時におけるディスプレイ手段のシーケンス16a〜16eを示す。このとき例えば、ユーザは病院等において例えば歯科医などのスーパーバイザ(監督指導者)によって、装置の手ほどきを受ける。
始めにボタン18の1つを操作することなどによって、装置の電源を入れる。装置は例えばグリーンのLEDなどの表示器20により、およびまたはディスプレイ手段26により、電源が入れられたことを示す。表示器20とディスプレイ16とが、例えばユーザへ指示として同じ情報を同時に示してもよい。例えばユーザが装置を頭に装着している場合などには、ディスプレイ上の情報を鏡によって見てもよいが、熟練したユーザであれば、例えばLED表示器からの光により同じ情報を得ることができる。上に述べたようにLEDは三色LEDとすることができ、また色および/または異なる明滅周期を用いることによって、特定の情報を定義することもできる。従って、熟練したユーザは、必要であれば夜間に装置を操作し、たとえばフィードバックレベルを調節することができる。
装置を例えばUSB接続を介してPCに接続し、スーパーバイザの手で設定ソフトウエアによって、装置を設定モードにする。
設定の準備が整うと、ディスプレイ手段16は図4の画面16aを表示する。この画面にはバッテリ表示器24も示されている。バッテリ表示器24は他のディスプレイ画面においてもその一部として表示される。自動的に、あるいはキー18のうちの1つを操作することにより、ディスプレイ手段は画面16bにシフトし、PCとの接続を外してから、そして場合によっては電極に接触ジェルを塗ってから、ユーザがこめかみに位置する筋肉、例えば側頭筋の皮膚に近接して電極30が位置するように装置を装着可能であることを示す。装置10は電極とユーザの接続状態を監視する。これは例えば、電極30の1つ(またはそれ以上)に弱い電流を出力し、それによって生ずる電圧差を測定することにより行う。この測定結果、即ち例えば皮膚と電極との間の抵抗を、接続状態表示器26に表示する。結果が不十分であれば、ユーザは十分な接続が得られるように装置を調節する、すなわち例えばストラップ14や電極担体28や電極30を調節する。
接続が十分であることが記録されると、装置は自動的に次の表示画面16cに移行し、ユーザに所定の短い時間歯を強く噛み合わせるように指示し、その結果を、即ちEMG信号の振幅と周期を記録する。図4に示すように、ディスプレイ16bの2つのボタン18は、上記の場面において参照符号33,34で示すように、表示されている画面に応じた特別の機能を有しており、例えば33により前の画面に戻り、34により指示を実行済みであることを示す。これは図4,5,6,7に示す他の画面においても同様である。
かみ合わせに続いて、装置は次の表示画面16dに自動的に移行し、ユーザにアイコン38に示すように顔をしかめるよう指示する。このときスーパーバイザは例えば上記のソフトウエアアプリケーションに従って、ユーザに何種類かの特徴的なしかめ面をするように指示してもよい。そしてその結果を、即ち例えばEMG信号の振幅および周期を記録する。
次に例えば両側のボタン18を同時に押すことにより、ユーザはバイオフィードバック調整16eに移行するよう指示される。ここでは、バイオフィードバック信号のレベル、即ち例えば歯ぎしり活動が検知されたときに1つ以上の電極を通してユーザに与えられる1つまたはそれ以上の電気的刺激信号のレベルを調節する。これはボタン18を用いて行い、例えば一方のボタン41でレベルを下げ、他方のボタン42でレベルを上げる。図に示すようにフィードバックレベル40は、例えば1から9まで段階的に調節される。はじめは最低レベルに設定され、このレベルの短いパルスがユーザに与えられる。レベル40が変更されるたびに、該選択された強度の短いパルスがユーザに与えられる。ユーザが強度レベルを選定すると、設定手順は終了し、ユーザは装置をスーパーバイザに委ねる。スーパーバイザはPCを用いて装置をユーザモードにする。測定結果と設定は装置内に、例えば不揮発性の記憶手段を用いて保存される。この場合、設定その他はバッテリ交換やバッテリ充電等の影響を受けない。
通常の使用法即ちユーザモードでの装置の使用の様子を図5に示す。設定手順の説明ですでに述べたように、装置はボタン18の一方を操作することにより起動される、即ちオンになり、このとき「準備完了(ready)」画面16fを表示する。この表示はバッテリ表示器24を含む。この段階で接触ジェルを塗っても良いし、あるいは装置を起動する前に塗ってもよい。装置は自動的にあるいは再びボタン18を操作することにより、「調整」アイコン32を示す「調整」画面16gに移行する。ユーザは装置10を取り付け、電極が皮膚に密着し、側頭器の位置に置かれるまでストラップ14を調節する。上に述べたように、装置は電極30の接続状態を監視し、それが十分であるとわかれば(これはまた接続状態表示器26によっても示される)、装置は次の表示画面16hに自動的に移行する。ここではユーザは「噛み」アイコン36によって指示を受け、短時間の間歯を強く噛み合わせる。装置はEMG信号の振幅と周波数を測定し、次の表示画面16iに自動的に移行する。この画面はアイコン44により、ユーザがもう眠ってよいことを示す。
本発明の1つの変形実施例においては、使用モードでの噛みの測定を行わなくてもよい。例えば装置は自動的に動作する。即ち、噛みの測定、即ち表示画面16hに関わる測定に関連するステップは使用モード環境での手順では行われず、スーパーバイザの下での設定手順時にのみ行われる。
これら両方の実施例において、装置は今後ユーザからのEMG信号に基づいてユーザを監視し、もしすでに登録された設定およびパラメータに基づいて歯ぎしりが検知されると、ユーザにバイオフィードバック信号を送る。このモードでは、ディスプレイ16は所定の不動作時間後にオフされる、即ちボタン操作が或る期間の間行われない場合にオフされる。しかしユーザは例えば夜間の任意の時間に、前に述べたようにボタン18を操作してバイオフィードバックのレベルを調整することができる。その際ディスプレイ画像16jが現れ、強度レベルを下げたり(41)上げたり(42)できる。
ユーザが例えば翌朝目覚め、装置を取り外すと、ディスプレイ手段は自動的にオンとなり、ユーザは2つのボタン18を用いて終了した睡眠セッションの情報および以前のセッションと関連づけた終了したセッションの情報を、例えばなんらかの変化が見られるかどうかを示すために表示することができる。これを図6に示す。その最初の画面16kは参照番号45で示す「マジック」指数またはパフォーマンス指数を表示してもよい。これは即ち歯のすりあわせ(または歯ぎしり)活動を総体的に示すものである。この指数は夜間(セッションの間)の歯のすりあわせ(または歯ぎしり)活動即ちイベントの回数や、蓄積すりあわせ時間即ち総すりあわせ時間や各すりあわせイベントの強さとセッションの間の経過時間との関係に基づいて、あるアルゴリズムまたはそれに類するものによって計算することができる。すりあわせ活動の総体はこのようにして0から99までの「マジック」指数あるいはパフォーマンス指数で表すことができ、指数0が最小のすりあわせ活動を示す。更にこのディスプレイ画面において、最近のいくつかのセッション即ち何日かの夜、例えば最近7夜の間のすりあわせ活動のグラフによる概観46を、例えば棒グラフ46として示してもよい。このようにして、ユーザは変化、即ち例えばすりあわせ活動の改善を直ちに概観することができる。何らかの理由であるセッションに関する情報が使用できない場合、即ち例えば電極の接続が要求されるレベルに満たない場合や、バッテリレベルが不十分な場合などには、問題となる棒グラフ部分を例えば異なる色やパターンで表示し、結果の評価においては当該グラフ部分を無視すべきであることを示してもよい。
次のディスプレイ画面16lはセッションの総経過時間48、即ち例えば夜間の睡眠時間を示す。図6における最後のディスプレイ画面16mは、セッション中に歯のすりあわせあるいは歯ぎしりが検出された機会の回数50を示す。
図7にいくつかのさらなるディスプレイ画面を示す。ディスプレイ画面16nはバッテリが充電中であることを示し、これはバッテリ表示器24によっても示される。さらに、アイコン52は装置が使用できないことをユーザに示す。ディスプレイ画面16oはバッテリがフル充電されたたので、充電のための接続を取り外してよいことを示す。ディスプレイ画面16pは、例えば蓄積した測定および登録データをPCでの処理に供するべく送るため、および/またはスーパーバイザや歯科医などに送るために、装置がPCに接続されていることを示す。またアイコン52で表示されるように、装置を使用することができないことを示す。更にディスプレイ画面16qおよび16rは、セッションから得られたデータが統計的目的その他に不適格となるような、2つのエラー状況を示す。ディスプレイ画像16qはバッテリが例えば8時間のセッションに足りる残容量を持たないことを示す。最後のディスプレイ画面16rは、電極の接続が所定の蓄積時間に対する標準を下回っており、セッションで得られた結果が以降の処理や統計に用いるには不適格であることを示す。
なお、例えばバッテリ容量や電極接続等についての警告などのディスプレイ上でユーザに示される情報は、表示器20によっても与えられる。これは表示器を異なる色、例えば3つの異なる色およびその組み合わせで点灯させることにより、および表示器20を連続点灯あるいは異なる周期で明滅させることによりなされる。
図8は以上に説明した装置をブロック図で概括的に示す図であり、この装置の要部を示す。図示のように、ハウジング12は信号処理、設定やデータの保存等およびバイオフィードバック信号の送出等を行うマイクロプロセッサ60を内包する。ハウジング12は更にメインディスプレイ手段22およびエネルギー供給源であるバッテリ61を内包する。すでに説明したように、ハウジング12はいくつかのボタンあるいはキー18、例えばLED等の視覚表示器20,およびUSBコネクタなどのプラグインコネクタ62を有する。このコネクタ62はコネクタプラグ65を介してPCなどに接続することができる。該接続は例えば装置をセットアップするためやデータをPCに送るために行われ、そこから歯科医や医学的に訓練を積んだ人間などのスーパーバイザに転送してもよい。更に、同じコネクタ62には充電器66のプラグコネクタ67も接続することができるので、コネクタ62をバッテリ61充電用に用いてもよい。
また図8には、いくつかの電極28を有する電極アセンブリ即ち担体30が、ワイヤ29により装置に接続されていることが図示されている。このアセンブリは右側か左側に位置する。どちらの場合にも、監視は側頭筋について行われる。また担体30’に指示された電極28’とワイヤ29’の別の組が、例えば側頭筋を監視するために、ハウジングの反対側において装置に接続されてもよい。ほとんどの場合単一の電極で十分であるが、場合によっては、歯ぎしりは一側のみに局在していたり、あるいは歯ぎしりイベントが一方の側と他方の側で異なっていることもある。
図9は本発明の別の実施例のシステムのブロック図であり、これは例えば歯ぎしり防止モジュールシステム(ABM:anti bruxism module system)である。この図の下段にエンドユーザ70とスーパーバイザ71を示している。それらの上にハードウエアレベルHWを、そして図の上半分にソフトウエアレベルSWを示す。エンドユーザ70のEMG測定はADコンバータ72を介して行われ、そこから信号は測定ブロック75に送られる。取得された信号が3種類の処理において利用される、即ち、最大力算出76による評価処理、面積(area)算出77による評価処理、およびFFT(Fast Fourier Transform:高速フーリエ変換)処理78による評価処理である。これらについて以下により詳細に説明する。これら3つの評価からの出力はアプリケーションロジック79に送られ、そこで設定部81を介してなされた設定に従って、フィードバックを発動すべきか否かが評価される。フィードバック信号を送る場合には、信号はフィードバック部80を介して刺激インターフェイス73に送られ、そこからエンドユーザ70に与えられる。更に図9には電極監視が示されている。これはDAコンバータ83を介して振幅の小さな所定周波数の信号を送る部分82を介しておこなわれる。この信号をブロック72、75、78を介して測定し、その際信号はその所定の周波数によって識別され、監視ブロック82は電極の接続を評価することができる。この情報やその他の情報をディスプレイ92上に表示し、および/またはLED表示器などの光表示器91により示すことができる。前にも述べたように、装置の動作に必要などんな情報も、ディスプレイ92とLED表示器92の両方によりユーザに与えてよい。
またすでに述べたように、システムの設定はPC通信84を用いて行ってよい。PC通信は、例えばUSBドライバ89およびUSB接続90を介して、装置から例えばスーパーバイザ71のもとにあるPCへと、データをダウンロードするために用いてもよい。更にディスプレイ74および/またはLED表示器91を動作させるディスプレイドライバ85も示されている。また、フラッシュドライバ87を介してのフラッシュメモリ88などの記憶手段へのデータのダンプ(複写)を行うためのブロック86も示されている。
本発明および様々な実施形態の例示のため、図10のブロック図は本発明の信号処理方法を示している。マイクロフォンや電極その他の手段301から取得された生のデータは以下のような更なる信号分析を行うために、マイクロプロセッサに送られる。
302において、信号を増幅し(例えば0−5ボルト)、その後ADC(例えば12ビット、5V=4096)に送る。
303において、すべてのDC成分を除去する、即ち平均器を計算し、0点(±2.5V=±2048)に対して対称になるようにする。
その後、以下の信号処理を行うことが可能である、即ち:
1) 信号のRMS計算、その結果を歯ぎしり時における患者の噛み合わせ起伏(occlusion reliefs)からの基準周波数(設定期間に測定される)を含む所定のテーブル(表)と比較する。即ち、患者から得られるデータの連続的蓄積中に、ある周波数パターン(複数の場合もある)が該テーブルから認識された場合に、フィードバック(刺激)を発動する。
これは図10に示すように行う。
304において、信号をバンドパスフィルタにより濾過する。
305において、RMS値を計算する。
2) RMSの決定を行い、その後積分を行う。これにより歯ぎしり検出の正確性がさらに高められる。
または、1)と同様の方法を用いる。
306において、信号を積分する。
307において、RMS値を計算する。
3) 歯ぎしりを検出するためのより安全な方法は、以下に説明するようなFFT(Fast Fourier Transform)を行う方法である。
303において平均値を求めると、信号をローパスフィルタ308に送り、すべてのノイズと使用不可能な信号を除去する。その後信号を平均化し、整流する(309、310)。そして311においてFFT分析を行い、信号の周波数成分を求める。このようにして、システムにおいてどの周波数をピックアップするかを確実に確定することができる。その後信号のパターン認識を312において行うことになる。
その原理は、まず始めにいわゆるピーク検出を行う。そこでは、FFT分析と折り畳みの原理(folding principle)に基づいて、図11に示すような最大ピーク値(振幅値)を見出す。
このことは信号の折り畳みを行うことを意味する。つまり、所与の周波数内容を有する諸信号が互いにどのような関係で位置するかを見出すことができる。どの周波数が周波数1に最も近くあるかを突き止める、この場合それは周波数2と周波数3である。
この方法は推計学的な(stochastic)信号処理であり、患者は当初フィードバックを起動することなくある期間の間(およそ7夜)装置を用いなければならない。これは個人個人の調整であり、患者が歯のすりあわせたときにどのような周波数パターンが形成されるかを登録しなければならない(周波数パターンの登録については、GJ et al (1996), J Dent Res 75(1): pp. 546-552 possible frequency patterns phasic, tonic, and mixedを参照)。これらの周波数パターンが求められると、それらをテーブルにまとめ、マイクロプロセッサがアクセス可能なメモリに保存する。
図10に示すような装置によって歯ぎしりを登録することにより、連続的な測定から得られる信号の周波数成分(マイクロフォン/センサ301によって取得されるもの)とテーブル内に記録された信号との間の相関を突き止めることができる。この登録後に、以下を実施する必要がある。
・始めに第1次高調波振動数を参照する(図11における1)
・マッチすれば、第2次および第3次高調波振動数(周波数)を参照する。確実性をより向上させるために、必要であれば第4次、第5次、第6次高調波振動数も参照することができる。しかし一般に歯ぎしりの検出にはそこまで高次の高調波振動数まで行く必要はない。
このように、これらの高調波振動数がテーブル(メモリに記憶された)の信号の周波数内容とマッチしたとき、患者が歯をすりあわせている(歯ぎしり)ことが高い確度で突き止められ、必然的にフィードバックを発動してよいことになる。
このようにして、歯ぎしり検出の確実性は非常に高く(100%近く)になり、患者が睡眠中に正常な噛みによって懲罰をうけることがなくなる。
本方法と他のすべての既存の方法との違いは、この装置が歯ぎしりの検知とここでは治療にのみ集中しており、その他の正常な噛み動作や外部からの騒乱/雑音源などを排除していることである。
すでに述べたように、データの蓄積などは設定期間に行うが、これについて以下により詳細に説明する。この設定期間に装置を個別に設定し、その際患者は装置を最低で7夜連続で、フィードバックを起動せずに、使用することができる。このようにして、歯ぎしりに関するすべての個人的パラメータを登録し、テーブル(個人テーブル)に記憶する。このテーブルは信号処理に際して図10の312に示すパターン認識に用いられる。閾値を超えた場合にのみ、そして、少なくとも第1次高調波振動数(図11参照)がテーブル内にある周波数の1つにマッチしたときにのみフィードバックが起動されるように、装置を校正することができる。
本発明の別の実施形態では、刺激を個別に調節できるように考慮する。例えば、テーブルに基づいてどのフィードバックが患者の歯ぎしりパターンに合っているかを見出すことができる。ここでフィードバックはその持続時間と強度、遅延について設定される。これはつまり、例えば患者が例えば3秒間歯のすりあわせを行い、その後1〜2分の間すりあわせをやめ、その後この歯のすりあわせパターンを周期的に繰り返す傾向があった場合、フィードバックの効率を最適化するためには高い強度と短い持続時間が必要とされる。それに対し、患者が長い期間と短いインターバルで歯のすりあわせを行う場合には、決まったシーケンスで上昇し、より長く持続する刺激を用いる必要がある。即ち、設定期間中に得られた歯ぎしりパターンに応じて、患者に最も効果的となるようにフィードバックが自動的に設定・調節される。これは、歯ぎしりの治療を最適化する。同時に、フィードバック(刺激)によって、患者が目覚めさせられることがないことが重要である。
更に、本発明の更に効果的な実施形態では、信号自体の処理を行うマスタ部分と信号記憶、場合によってはデジタル化およびマスタモジュールとの通信を行うスレーブモジュールに装置を分割することができる。更に、フィードバックはスレーブモジュールによって行ってもよいし、別のモジュールで行ってもよい。
このように装置を分割することにより、データ通信は主にワイヤレスで行い、かつ1つまたは複数のスレーブモジュールの重さ、大きさなどを最小化して、ユーザがスレーブモジュールをあまり意識しないですむようにすることができる。更にユーザは、スレーブモジュールに比較的妨げられず動きまわることができる。
マスタモジュールにおける信号処理を、図12を参照して以下により詳細に説明する。このマスタモジュールは、ベッドサイドなどユーザの付近に置かれる、例えばマイクロプロセッサを備える装置として構成することができる。
マスタモジュールはメインプロセッサ610、PCへの通信インターフェイス612およびスレーブモジュールへの通信インターフェイス611により、構成される。
スレーブモジュールからのデータはマスタモジュールに送られ、そこでメインプロセッサ610において、歯ぎしりの取り扱いについてのすべてのデータ・信号解析が行われる。データ解析の結果は(歯ぎしりの期間を突き止めることが可能な場合)、例えばスレーブモジュールに611を介して送り返されて、該スレーブモジュールでバイオフィードバックが起動され、あるいはバイブレータモジュールなどの別の外部モジュールに送り返されて、該モジュールでバイオフィードバックが実施される。
すべてのデータはメインプロセッサ610に送信され、保存される。メインプロセッサ610から更に612を介してデータをPCに送ることも可能である。
スレーブモジュールにおける信号処理をこれから図13を参照してより詳細に説明する。
音、筋運動/筋収縮、EMGとしての信号はセンサ601(マイクロフォン、電極、ピエゾセンサ等)によって検出される。これらの信号はアナログ回路602において処理され、更にプロセッサ603に送られる。
デジタルデータは604を介して、固定のメインプロセッサ(マスタモジュール、図12を参照)に送られ、そこで請求の範囲や明細書に開示されている必要なデータ解析を行う。
必要な/前述の歯ぎしりの判断基準が満たされている場合には、信号を604を介してプロセッサ603に送る。その後、音および/または振動および/またはその他の刺激としてのバイオフィードバック信号605を起動し、これを606を介して患者に送る。バイオフィードバックはスレーブモジュールに入力してもよいし、またバイブレータモジュールや腕輪型のバイブレータなど更に別のバイブレータモジュールに入力してもよい。
以下において、本発明の別の様々な実施形態およびその実際の構成を、図14乃至20を参照してより詳細に説明する。
本発明によるスレーブモジュールの第1の実施形態を図14乃至16に示す。ここには耳の後ろに容易に装着することのできる装置実施形態400を示している。図15および16は装置をどのように使用するかを示す。信号(歯のすりあわせによって発生)をマイクロフォン401で検出し、刺激としてのフィードバックは電極402により、場合によるが、耳に接続する。
図16に示すように刺激電極403は側頭筋に設置してもよい。
スレーブモジュールの第2の実施形態を図17乃至20に示す。図17に示すように、この実施形態の装置500(スレーブモジュール)はヘッドフォンに似た形であり、患者の頭部または額に容易に装着できる。装置はスレーブモジュールとして構成され、マスタモジュールと基本的にワイヤレスで通信することができる。このマスタモジュールはマイクロプロセッサ、メモリユニットなどの最も必須の部分を有し、スレーブモジュールは送受信機および信号を電極へまた電極から導くのに必要な回路および/またはセンサおよび/または変換器(トランスデューサ)を有する。
側頭筋からのEMG信号は電極501を介して検出され、スレーブモジュール500で処理される。刺激としてのバイオフィードバックは同じ電極501に接続される。電極501は検出と刺激の両方に用いられる。
電極501に代えて、マイクロフォン503とラウドスピーカ504の両方を含む一体システム502を装置上に接続してもよい。マイクロフォンは歯ぎしりによって発生する周波数を検知し、ラウドスピーカ504は音・周波数としてのバイオフィードバックを患者に送るために用いられる。この原理を図19に示す。
EMG活動を検出する電極は、場合によるが図20および図21に示すように側頭筋に設置することができ、このとき、例えばバイブレータ505としてのバイオフィードバックは図22に示すような腕輪型のバイブレータとして患者の腕に設置することができる。
スレーブモジュール500および腕輪型バイブレータ505は、好適にはマスタモジュールとワイヤレスで(離れて)通信することができる。
バイブレータ505はマスタモジュールから信号を受信する(これは図12に関連して説明されている)のみとし(RXのみ)、スレーブモジュール500から歯ぎしりが検出された場合に、振動としてのバイオフィードバックを起動する。
必要な/前述の歯ぎしり判定基準が満たされた場合には、マスタモジュール(図12に示す)からバイブレータ505に信号が送られる。バイオフィードバック信号は振動として起動される。この機能のための信号処理を図23に示す。
例えば装置が図20および図21に示すように組み合わせて用いられる場合、バイオフィードバック部605、606は場合によっては腕輪型バイブレータ505に設置することができる。
ここで、PCにおけるデータ解析とデータ処理について、図24を参照してより詳細に説明する。
マスタモジュールに保存したすべてのデータを、612を介してPCに送り、処理期間の更なる解析に供することができる。プログラム624はPC623にインストールされており、データを受信することができる。プログラム624において、患者からのすべてのデータ(各夜の)を組織的に処理して、処理期間の効率を決める。このようにして、患者は自分自身で一連のイベントを追跡することができる。患者は、場合によってはデータを更に医師や歯科医に送ることができる。これはインターネットへの接続を行うことのできるプログラムインターフェイス625を介して行う。
図25を参照して実際の装置のまた別の実施形態を説明する。図25は装置のブロック図である。この装置を用いて、歯をすりあわせる癖のある人の顎の筋肉を刺激することができ、これにより顎の筋肉を弛緩させ、歯のすりあわせ・歯ぎしりを防止する。
電極101からの信号はアナログスイッチ102を介してEMG信号処理部103に送られる。
好適な実施形態においては、いわゆるマルチ電極を用い、これは筋の刺激と筋活動の登録との両方に用いられる。マルチ電極の機能は送信と登録のそれぞれにおいて、マイクロプロセッサ106からのアナログスイッチ102によって制御される。
103においてアナログ信号処理を行う。ここでは電極101から取得された生体電圧を増幅し、フィルタし、整流する。これにより、プロセッサ106を可能な限り最大に利用できる。
両方の電極101からの信号はマイクロプロセッサ10bに送られ、そこではマイクロプロセッサ106と接続された諸回路との通信がバスシステムを介して行われる。
マイクロプロセッサの役割は、ADコンバータによってサンプリングされたEMG信号および場合によってはEEG信号の信号処理、およびユーザインターフェイスを用いた通信の管理である。
登録され処理されたデータを、例えばRS−232CまたはUSBスタンダードに従って、PCあるいはその他のデータ処理システムに送ることができる。この通信はゲート107を介して行われる。
バイオフィードバック回路108はマイクロプロセッサ106によって制御され、伝達する電流の強度を調節・設定することができる。バイオフィードバックは本例の場合刺激作用である。
装置の好適な実施形態において、刺激信号は筋活動信号をピックアップするのと同一のマルチ電極を介して伝達される。
回路109はEEG信号処理を行う好適な実施形態のブロック図である。
脳内で生じた活動を表す信号を頭蓋骨表面から取得することができる。EEGとしての電気信号は電極104を用いて取得される。電極により取得された脳からの電気的活動の電圧は非常に低く、20〜200μVである。電極104からの信号はEEG信号処理部105に送られる。
装置によって処理されるべき情報はEEG信号の中にあり、この信号は0.5〜80Hzの周波数レンジで電極104により取得される。EEG電圧についてのアナログ信号処理は105において行われ、信号は有用な周波数が増幅されフィルタされ、整流されるように処理される。EEG電極104からの信号はマイクロプロセッサ106に送られ、そこでADコンバータによってサンプリングされたEEG信号の信号処理が行われる。睡眠段階2を表す関連パラメータ(周波数、振幅、RMS値)が基準としてマイクロプロセッサ(106)に与えられる。
装置の別の実施形態では、顎の右/左側からの各信号を独立に処理することができ、2つの独立した刺激信号を顎の各側にそれぞれ送り、これにより、一方の側または他方の側でのみ生じた歯ぎしりを独立して処理することができる。
図26は、筋活動を時間の関数として表す第1の信号を示しており、ここでは様々な筋活動が生じている。前述の閾値THが36.0マイクロボルトの水平線として示されている。この信号はいくつかの特徴的信号シーケンス1、2、3、4を含んでいる。信号シーケンス1は通常の飲み込み運動を表している。信号シーケンス2は発話や笑いの筋活動を表している。これらの状況ではいかなる形式の刺激も発動させない。
信号シーケンス3は睡眠中の通常の噛み活動を表している。筋活動は閾値THを越えてはいるが、いかなる形式の刺激も発動させない。この筋活動は歯に害を与える物ではなく、また筋活動の上昇により苦痛を与えるものでもないからである。本発明によれば、この決定は、筋活動が閾値を超えたのが例えば5秒以下の限られた時間であることに基づいてなされる。
それに対し、信号シーケンス4は睡眠中に起こる歯ぎしりと解釈される噛み活動を表している。この増大した筋活動は信号シーケンス3よりもいくらか長い持続時間を有する。実際に、閾値を越える活動レベルをおよそ5秒間に渡って監視することにより、通常の噛みや筋活動は真の歯ぎしりと区別することができることが確かめられている。この期間後にも活動レベルがまだ閾値を超えている場合に、刺激信号を発動し、顎の筋を弛緩させ、それと共に歯ぎしりを止めるようにする。
刺激信号を発動するようにすべき活動レベルが閾値を超える期間は、およそ2〜4秒と8〜12秒の間から選定される。この選定は設定手順おいて行う。
図27は、筋活動を時間の関数として示す第2の信号を表している。これは咬筋から取得される生体電圧信号を、例えば500msの時間ウィンドウに分割するやりかたを示している。各期間(500ms)の間、曲線の下の面積(area領域)とRMS値との計算を行う。これらの信号は筋活動の以降の解析に供するために、メモリに記憶する。
図28は、筋活動を時間の関数として示す第3の信号を表す。好適な実施形態では、EMG信号のシーケンスのうち閾値を超えて、例えば5秒以上持続するものの面積とRMS値のみについて計算を行う。
図29は最大噛み力より下の面積を示す。これはマイクロプロセッサ121により計算される。
前に設定手順の説明で述べたように、最大噛み力をEMG信号として測定する必要があり、これを用いて閾値であるMBF(Maximum Biting Force最大噛み力)を決める。閾値は一般に最大力(MBF)の3乃至20%とする。
設定手順において閾値を決めるために、電極101、104を咬筋に設置しなければならず、またユーザは2〜5秒の間歯を強く噛み合わせるようにする。その後、その後装置をMBFの何%かに調節しなければならない。これは所望の閾値に応じて3乃至20%としうる。
決められた閾値に基づいて、マイクロコンピュータ106はいつ刺激を発動するかを決定するための面積値を計算する。この面積値はある種の基準として用いられるものであり、EMG信号の振幅が、設定手順においてキー入力された例えば5秒以上に渡って閾値を超えた場合に生ずる面積である。
選択された閾値を超えた場合に咬筋を刺激するために、マイクロコンピュータからの出力の電圧を電流に変換しなければならない。患者にどれくらいの電流を与えるべきかは事前に知ることはできないので、痛みの閾値を超えないようにするために、与えられる電流の強度を調節することができなければならない。これは当業者にはよく知られたいくつかの方法で行うことができる。
図30はEEG信号処理の好適な実施形態を示すブロック図である。EEG信号処理によって、睡眠段階を記録/解析することができる。これは専門用語ではREM睡眠(Rapid Eye Movement sleep)と呼ばれる。睡眠は段階REM1〜4に分かれる。REM1は人が眠りに落ちた直後の段階として定義され、REM4は最も深い眠りの段階である。
前に述べたように、歯ぎしりは主に睡眠段階2および目覚める過程で起こる。この装置ではEEG信号をEMG信号と組み合わせて解析することが可能であり、歯ぎしりを睡眠の様々な段階において解析することができる。更に、患者が睡眠段階2にあるときにのみ刺激を発動するように装置を設定することができる。
脳内で起こる活動を表す電気信号を、頭蓋骨の表面から取得することができる。これらの電気信号はEEG電極701および703によって取得される(電極702は基準として用いる)。これらの電極はEEG信号としての電気的活動を測定するために用いられ、眼の上の額に設置される。
電極701および703からの信号はそれぞれのEEG増幅器704および705に送られる。増幅器704および705は、非常に高い入力インピーダンスを有し、いわゆるコモンモード電圧の抑制に優れた性能を有する増幅器である。増幅器704および705からの増幅された信号を、バンドパスフィルタ706および707によってフィルタし、信号のSN比を向上させる。装置によって処理されるべき情報はEEG信号の中にあり、この信号は電極701および703によって周波数範囲0.5〜80Hzの間で取得される。従って、バンドパスフィルタ706および707の上限下限の−3dB周波数はそれぞれ0.5Hzと80Hzである。ここでの拒絶帯は0.5Hz以下と80Hz以上となる。バンドパスフィルタ706および707からの信号を整流回路708および709によって整流し、単極性電圧(±)の電圧範囲を正電圧に変換する。
整流回路708および709からの信号を増幅回路710および711により増幅し、マイクロプロセッサ106と内蔵されたADコンバータとが最大能力を発揮できるようにする。
EEG電極701および703からの信号はマイクロプロセッサ106に送られ、そこでADコンバータによってサンプリングされたEEG信号の処理が行われる。睡眠段階2を示す関連パラメータ(周波数、振幅、RMS値)のデータはマイクロコンピュータ106のプログラムとして設定されている。
ユーザが睡眠に入ると、例えば1秒ごとに睡眠段階をスキャンする。そしてEEG信号を睡眠段階2において起こる脳活動に対応するパラメータと継続的に比較する。これらの信号は睡眠段階1〜4によって異なる振幅と周波数を有するので、このようにしてマイクロコンピュータは該当する睡眠段階(この場合睡眠段階2)の信号/周波数を認識することができる。
睡眠段階を決定するために、一般的に2つの概念が用いられる、即ちEEG信号の振幅と、EEG信号の周波数である。
この装置ではEEG信号の解析(脳の電気的活動および睡眠段階の記録の分析方法)をEMG信号処理と組み合わせて行うことが可能であり、歯ぎしり期間を異なる睡眠段階において解析することができる。
浅い眠りの段階においては、より深い眠りに比べて筋活動が一般的に多いことが観測される。歯ぎしりは主に睡眠段階2および覚醒過程で生ずる。しかしより深い睡眠段階においても、何らかの歯の噛み活動は生ずることがあり、これをEMG記録のみによって歯ぎしりから識別することは難しい。EMGを睡眠段階を決定するシステムと組み合わせることにより、夜間の歯ぎしり検出の確実性は格段に向上する。
従って、患者は装置をフィードバックの起動なしで最低7夜使用しなければならない(設定期間)。この間にEMG測定およびEEG測定両方からの信号/周波数がメモリに記憶される。その後EEG(睡眠段階)とEMG(咬筋または側頭筋における歯の噛み活動)との相関の解析が行われ、その結果が歯ぎしり検出およびフィードバックの起動に際して利用される。このようにして装置を個人に合わせて調節することができる。
マイクロプロセッサにおいて、EMG電極およびEEG電極両方からの信号を例えば0.5秒毎に継続的に解析する。これらの値を周期的に基準値と比較する。基準値は、例えば設定期間に決められた個人のテーブルの形式をとる。これらの値が一致すれば、マイクロプロセッサはユーザが歯をすりあわせていることを、高い確実性を以て指示する。このようにして刺激の発動に関する確実性が非常に向上し、正常な歯のかみ合わせ活動や閾値を超える突然のスパイクによってフィードバック(刺激)の発動を引き起こすことがない。
この方法を歯ぎしりの検出に適用する場合、EMG信号の処理を高度にデジタル化することができる。
患者は単に、例として述べた7夜あるいはその他適切な設定期間を経るだけである。
図31は筋活動の測定および刺激信号の発動のフロー図である。このフロー図はマイクロプロセッサ10bのプログラムとして実施することができる。
フロー図の第一のステップ201において、患者はMBF(最大噛み力)、しかめ面の振幅、刺激遅延/持続時間、閾値(Th)などの個人パラメータを装置に登録するために、設定手順(例えば図3に関連して説明したもの)を行わなければならない。信号の下の面積を計算し、パーセンテージに基づいて、刺激の発動を必要な筋活動レベルの閾値Thがマイクロプロセッサ106において計算される。
または、閾値は筋活動の測定値に基づいて自動的に計算されるか、あるい以前に閾値を記憶しているメモリから取り込むこともできる。
ステップ202において、睡眠段階の解析をEMG信号解析と組み合わせて行うべきかどうかが決定される。
ステップ203において、前述のEEG電極104が患者の頭蓋骨表面に設置されていることを前提として、睡眠段階に関する情報(周波数および振幅)をサンプルSとして取り込むことができる。
ステップ204において、前述の電極101が患者の顎に設置されていることを前提として、筋活動に関する情報をサンプルSとして取り込むことができる。ステップ205で筋活動を取り込み、例えば500msの間の面積、最大振幅およびRMS値を計算する。ステップ205の後、フロー図のループが実行される。
ステップ213において、タイマTをゼロにセットあるいはリセットする。ステップ216において、取り込まれたサンプルSの振幅/面積がしかめ面の最大値(これは設定手順において決定される)を越えるか否かを判断する。閾値を超える場合には、取り込まれたサンプルSの振幅/面積が閾値Thを越えるか否かを判断する。閾値を超える場合には、ステップ207でタイマTをゼロにセットする、あるいは単に新たなサンプルSをステップ204において取り込む。ステップ212においてタイマTを新たにスタートし、ステップ211で新たなサンプルSを取り込む。
ステップ209において、取り込んだサンプルの振幅/面積としての筋活動が刺激遅延(これは設定手順において決定される)以上、閾値Thを越えたか否かを判断する。
ステップ215において、睡眠段階の解析を行うことが望ましいかどうかを吟味する。望ましい場合には、ステップ214においてEEG信号を継続的に睡眠段階2のパラメータと比較する。睡眠段階2を示す関連パラメータ(周波数、振幅)のデータはプログラムとしてマイクロプロセッサ106内に置かれる。
睡眠段階の解析を行うことが望ましい場合には(EEG)、患者が睡眠段階2にあると同時に、EMG信号の振幅が刺激遅延以上に閾値を越えるまで、刺激を発動しない。
ステップ210では刺激信号としての刺激を発動する。これは前述の電極の一方または両方によって患者の顎に与えられる。あるいは、閾値を超える期間の経過が遅延時間に満たない場合には、刺激信号を発動しない。これにより、歯ぎしりが実際に発生している状況が確証されるまで、刺激信号が発動されないようになる。このようにして、顎の筋肉の時宜を得ない刺激が防止される。
図示されたフロー図は、それぞれ顎の片側に対応する独立した2つの信号経路を、それぞれ独立に処理するように実施することができる。
図32は刺激信号の例を示す。刺激信号は正のパルスの後しばらくのインターバルをおいて負のパルスが来るというパルストレインからなる。刺激信号の波形はマイクロプロセッサ106により生成される。信号を記述するパラメータは正および負パルスそれぞれのパルス長TpおよびTn、2つのパルス間のインターバル時間Tip、反復周波数1/Tsおよびパルス振幅Iである。
好適な実施形態において、電流の強さ、即ちパルスの振幅は処理の間、変化させる。処理開始前に刺激信号の最小および最大振幅を特定する。歯ぎしりが検出されたならば、即ち刺激遅延以上に閾値Thを越えたならば、刺激信号を発動する。刺激信号の開始値は最小振幅とする。最小振幅が歯ぎしりをやめさせるに十分であれば、刺激信号の振幅をこのレベルに保つ。また、最小振幅では歯ぎしりをやめさせるのに不十分であれば、顎の筋肉の刺激により歯ぎしりがやむまで、振幅を所定の速度で徐々に上昇させる。しかし、特定された最大振幅を越えて振幅を上昇させることはしない。
振幅を上昇させる際の許容速度をスルーレート(slew-rate)と言う。このスルーレートについても最大値と最小値を特定することができる。刺激信号振幅のをこのように上げ下げすることで、歯ぎしり状態をやめさせるのにちょうど十分な強度を利用することができるようになる。必要とされる刺激振幅は患者毎に異なり、また同じ患者でも時と共に変化するので、上記のようにすることは有益である。
更に、マイクロプロセッサからのアナログスイッチによる制御で、いわゆるマルチ電極を、筋の刺激と筋活動の取り込みの両方に用いることができる。
図33に歯ぎしり防止モジュール900の実施形態を示す。この実施形態の装置は首の回りに取り付け、EMG電極902を顎の筋肉および/または額(眼の上)に取り付けることができる。更に、必要であれば、EEG電極を接続することも可能である。
図34は対応するモジュール900を拡大して示す図である。図にはEEG電極用の接続プラグ904が示されている。図からわかるように。EMG電極902はマルチ電極として構成されている。またこの図示のモジュールはバッテリ室906内に、信号処理、デジタル化、設定期間その他における通信や動作のためのバッテリを有している。また、モジュールはディスプレイ910とプッシュボタン類912〜918を有している。これは設定手順における例えば刺激レベル選定のキー入力や、所望の閾値レベルのキー入力などに用いられる。
以上において、本発明を特定の実施形態と図面を参照して説明した。当業者には明らかなように、本発明はその他多くの形式で実施可能かつ変形可能であり、以上に説明した例に限定されるものではない。本発明の範囲は請求項によって定義される。
本発明の実施例に係る装置がユーザに装着されたものを示す図である。 その装置の拡大図である。 本発明の概括的な実施形態による設定手順を示すフロー図である。 本発明の実施例の装置の異なるディスプレイ画面を示す図である。 本発明の実施例の装置の異なるディスプレイ画面を示す図である。 本発明の実施例の装置の異なるディスプレイ画面を示す図である。 本発明の実施例の装置の異なるディスプレイ画面を示す図である。 図1および2に示す装置を概括的に示すブロック図である。 本発明の別の実施形態の装置システムを示すブロック図である。 本発明のいくつかの実施形態による信号処理方法のブロック図である。 折り畳みの原理によるピーク検出を示す図である。 本発明の別の実施形態による、マスタモジュールにおいて行われる信号処理を示す図である。 本発明の別の実施形態による、スレーブモジュールにおける信号処理を示す図である。 耳内に設置するためのスレーブモジュールを有する本発明の別の実施例を示す図である。 耳内に設置するためのスレーブモジュールを有する本発明の別の実施例を示す図である。 耳内に設置するためのスレーブモジュールを有する本発明の別の実施例を示す図である。 耳内に設置するためのスレーブモジュールを有する本発明の別の実施例を示す図である。 耳内に設置するためのスレーブモジュールを有する本発明の別の実施例を示す図である。 耳内に設置するためのスレーブモジュールを有する本発明の別の実施例を示す図である。 耳内に設置するためのスレーブモジュールを有する本発明の別の実施例を示す図である。 耳内に設置するためのスレーブモジュールを有する本発明の別の実施例を示す図である。 本発明の別の実施形態による特定の刺激モジュール、例えばバイブレータモジュールを示す図である。 バイブレータモジュールに関わる信号処理を示す図である。 本発明の一実施形態による、PC内のデータ処理システムを示す図である。 本発明の装置の別の実施例のブロック図である。 様々な筋活動が起こった際の筋活動を表す第1の信号を時間の関数として示す図である。 筋活動を表す第2の信号を時間の関数として示す図であり、各期間(500ms)内の面積とRMS値とが計算される場合を示している。 筋活動を表す第3の信号を時間の関数として示す図であり、閾値を超えて5秒以上持続する筋活動の間に面積およびRMS値とが計算される場合を示している。 5秒間の最大噛み力(MBF)より下の面積を示しており、これはMBFの3%から50%の間の閾値を決めるために用いられる。 脳の電気活動を解析するための方法であるEEG信号処理を示しており、このような活動は主に頭蓋骨表面で測定することのできる電位に寄与する。 筋活動の測定および刺激信号の発動のフロー図である。 刺激信号の例を示す図である。 歯ぎしり防止モジュールの実施形態を示す図であり、実施形態の装置は首の回りに装着され、またEMG電極は顎の筋肉および/または額(眼の上)に取り付け可能である。 歯ぎしり防止モジュールの実施形態を示す図であり、実施形態の装置は首の回りに装着され、またEMG電極は顎の筋肉および/または額(眼の上)に取り付け可能である。

Claims (26)

  1. 筋活動を監視する装置であって、
    筋活動を表す信号、例えばEMG信号を提供する手段と、
    特定の活動を検出するために前記信号を処理する手段と
    フィードバック信号を提供する手段と、を備え、
    前記装置は設定モードにおいて個人個人に適合させることが可能なようになされている装置。
  2. 前記装置は正常に起こる筋活動を検知し、記録する手段を備えることを特徴とする請求項1記載の装置。
  3. 前記装置は実質的に最大の筋活動、例えば最大顎の噛み合わせ活動を検知し、記録する手段を備えることを特徴とする請求項1または2記載の装置。
  4. 前記装置は予め決められた1つ以上の正常な筋活動、たとえば1回以上の顔をしかめる活動中の筋活動を検知し記録するようになされていることを特徴とする請求項1または2または3記載の装置。
  5. 前記装置はある期間の間の筋活動を記録し保存する手段を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の装置。
  6. 前記装置は前記フィードバック信号を調節する手段を有することにより、個人個人に適合可能になされていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の装置。
  7. 特定の活動を検出するために信号を処理する前記手段はパターン認識手段を有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の装置。
  8. 筋活動を表す信号を提供する前記手段はEMG信号を検知する1つ以上の電極を有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の装置。
  9. 筋活動を表す信号を提供する前記手段はEEG信号を検知する1つ以上の電極を有することを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の装置。
  10. 前記装置は前記電極にテスト電圧を供給し、該テスト電流は重畳電圧として供給してもよく、その結果生ずる電流を測定し、その電流を基準値と比較することにより前記電極を特に人体との接続状態についてテストする手段を有することを特徴とする請求項8または9記載の装置。
  11. 筋活動を表す信号を提供する前記手段は、マイクロフォンおよび/または振動を検知するセンサおよび/または他の検知手段からなることを特徴とする請求王1乃至10のいずれかに記載の装置。
  12. 前記装置は測定されたおよび/または処理された信号に対応するデータを保存する手段を有することを特徴とする請求項1乃至11記載の装置。
  13. 前記装置は保存されたデータをPC等のコンピュータに送る手段を有することを特徴とする請求項14記載の装置。
  14. 前記装置は設定モードおよびユーザモードにおいて動作し、前記設定モードにおいては、個人の基準信号、個人の特定の筋活動に対応する信号および個人のバイオフィードバック特性を設定可能であり、前記ユーザモードにおいては、装置は予め決められた規則および設定に従って、筋活動を監視し、かつバイオフィードバックを与えることを特徴とする請求項1乃至13記載の装置。
  15. 前記装置は例えば額の上や、耳の上や中など、頭部に装着するユーザモジュールを有することを特徴とする請求項1乃至14のいずれかに記載の装置。
  16. 前記装置はスレーブモジュールとマスタモジュールを有し、前記スレーブモジュールは人間に装着されるようになされていることを特徴とする請求項1乃至15のいずれかに記載の装置。
  17. 前記装置は例えば前記ユーザモジュールまたは前記スレーブモジュール用の充電手段を有することを特徴とする請求項1乃至16記載の装置。
  18. 前記装置はユーザに操作ステップを表示する、例えばLEDのような視覚手段または音響手段などの手段を有することを特徴とする請求項16または17記載の装置。
  19. 前記装置は指示および/または監視セッションから得られる結果を表示するためのディスプレイ手段を有することを特徴とする請求項15乃至18のいずれかに記載の装置。
  20. 筋活動を監視するための方法であって、
    例えばEMG信号などの筋活動を表す信号を提供するステップと、
    特定の活動を検出するために前記信号を処理するステップであって、前記信号の前記処理は特定の個人パラメータおよび/または基準とを用いてなされるステップと、
    特定の活動が検出された場合にフィードバック信号を提供するステップと、を含む方法。
  21. 前記フィードバックは、最大力の計算および/または面積の計算および/またはFFT(高速フーリエ変換)に基づくパターン認識過程を含む評価に基づいて提供されることを特徴とする請求項20記載の方法。
  22. 請求項1乃至19のいずれかに記載の装置の設定方法であって、
    最大の顎の噛み合わせ活動等の実質的に最大の筋活動を行い、それに対応する筋活動を検知し記録することと、
    例えば顔をしかめる等の1つ以上の予め決められた筋活動を行い、それに対応する筋活動を検知し記録することと、
    フィードバック信号を出力するための閾値を調節することと、
    からなる方法。
  23. 請求項1乃至19のいずれかに記載の装置の設定方法であって、該方法は請求項22記載の設定手順に続いて行ってもよく、
    前記方法は装置を設定モードで使用するステップを含み、その際個人の筋活動に対応する値および/またはパラメータを1以上の期間に渡って記録し、場合によっては記憶することと、
    前記記録および/または保存された値および/またはパラメータは装置の通常の使用時における個人の基準値を与えるために用いられることを特徴とする方法。
  24. 請求項1乃至19記載の装置および/または請求項20乃至23記載の方法は歯ぎしりの予防的治療に用いられる。
  25. 請求項1乃至19記載の装置および/または請求項20乃至23記載の方法は人体の姿勢および/または運動の矯正的監視に用いられる。
  26. 請求項1乃至19記載の装置および/または請求項20乃至23記載の方法は仕事中の人体の姿勢および運動の調整に用いられる。
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