JP2006521534A - プリオンタンパク質の病原性形態の検出法 - Google Patents
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Abstract
容器を提供し、容器表面に対する細胞のプリオンタンパク質の結合よりも病原性プリオンタンパク質の結合を優先することができるセルロース誘導体の被膜を該容器の表面上に付着させるように該容器を前処理し、該容器中の試料をインキュベートして、試料中に存在するあらゆる病原性プリオンタンパク質を該容器表面に結合させ、このように固定された病原性プリオンタンパク質が存在する場合は、病原性プリオンタンパク質に結合可能な抗プリオン抗体を使用して、それを適当な標識物質で標識し、そして容器表面に付着した標識物質の存在を検出すること、を含んで成る、試料中のプリオンタンパク質の病原性形態の検出法。マイクロタイタープレートのウェルの表面をニトロセルロースで被覆することは、病原性プリオンの結合を強化しそして/又は細胞の(非病原性)プリオンの結合を低下させることにより、特にプロテイナーゼKのような酵素による試料の酵素的消化後に、疑わしい試料中の病原性プリオンの定量のためのELISAを実施させる。
Description
本発明はプリオン病の分野に関する。伝達性海綿状脳症(TSE)とも呼ばれるこれらの疾患にはウシ海綿状脳症(BSE)又はウシにおける狂牛病、ヒツジにおけるスクレイピー及びヒトにおけるクロイツフェルト−ヤコブ病(CJD)が含まれる。
より具体的には、本発明はプリオン病又はTSEの診断法及び診断の分野に関する。このような診断法は典型的には、特に動物又はヒトの脳中、リンパ系組織中、あるいは血液/血漿/精液又は尿のような、その中に配座異性体(conformer)が発見され得る体液中の天然の(非病原性)プリオンタンパク質の(病原性)配座異性体を検出しようと努める。
本発明は組織試料及びその他の生物学的試料(例えば体液)中のプリオン病又はTSEを診断する方法に関する。
プリオン病又はTSEはウシのBSE、ヒツジのスクレイピー又はヒトのCJDにより例示される致死的な非炎症性神経変性障害の1群である(非特許文献1参照)。プリオン病は、その症例はまた自然発生的に又は遺伝的素質からも起り得るが、恐らく天然に存在するプリオンタンパク質(PrP)の配座異性体により伝達される感染病である。TSEは比較的長期の培養期間(例えばヒトにおいては>10年)を特徴として示し、典型的には脳及び時々は又リンパ系組織中の配座異性体(プリオンタンパク質の病原性又はスクレイピー形態、PrPSc)の蓄積を引き起こす(非特許文献2及び3参照)。
プリオンタンパク質は正常状態下でも脳中及び様々な他の組織中に発現される内因性タンパク質である。このPrPC(正常な又は細胞のプリオンタンパク質の)及び病原性又はスクレイピー形態PrPScは同一タンパク質の異なる立体配座である。更にPrPC及びPrPScはそれらの物理化学的及び生化学的特性が異なる、すなわちPrPCは可溶性で、非凝集形態で存在し、プロテアーゼによる分解に感受性であり、他方PrPScは不溶性で、凝集形態で存在し、そしてプロテアーゼによる分解に比較的抵抗性である(非特許文献4参照)。PrPScへのPrPCの立体配座の変化を誘導するためにはPrPScとPrPC間の直接的タンパク質−タンパク質の接触が必要であると仮定される。最終的にはPrPScは凝集物を形成して、脳内に蓄積する。疾患の最終段階において、脳内に重篤な神経学的機能障害及び最終的には死亡を伴う神経変性的変化が起る。
様々な動物種のPrP遺伝子がクローン化させ、配列決定されてきた(非特許文献5参照)。該タンパク質は1個のエクソン内にコードされ、約250個のアミノ酸(AA)残基を伴う長いN−末端信号配列から成る。C−末端は多数の他の膜タンパク質と共通の特性の、グリコシル−ホスファチジルイノシトールアンカーのリンカー部位をコードする約22個の残基の配列を含む。更に、該タンパク質は1個のジスルフィド架橋及び2個の可能なアスパラギン−グリコシル化部位を含む。タンパク質の配列は様々な動物種間で十分に保存される。
PrPScの二次構造とPrPCのものの相異は同定されているが、PrPCのものに比較したPrPScの増加した凝集性及びタンパク質分解の抵抗性に対する構造的基礎は未解決である。更に、これらの株が立体配座の僅かな相異をもつPrPScを表わすようであることは推定されるが、PrPScの異なる株、すなわち異なる培養時間をもつプリオンの存在に対する分子的基礎は不明である(非特許文献6参照)。
例えば免疫組織化学又はウエスタンブロッティングを使用する脳内のPrPScの検出はTSEの診断には決定的である。より容易に入手可能な試料、好ましくは血液中のPrPScの検出もまたTSEの診断に加わると考えられる。しかし、PrPScが血液及び尿中に存在することを暗示する、非常に不完全なデータが利用可能であるのみである(非特許文献7、8、9及び10参照)。
インビトロの診断法としては、通常ポリクローナル及びモノクローナル抗体が適用されるが(非特許文献11及び12参照)、これまで文献に記載されたプリオンに対する大部分の抗体はPrPCとPrPSc間を区別しない。配座異性体に特異的な抗体を記載している論文及び特許がいくつか存在するが、それらは通常の免疫診断学には適さない(非特許文献13参照)。
使用される抗体の特異性の欠乏の問題を克服するために、診断法は大部分、PrPCとPrPScの物理化学的及び生化学的特徴の相異に基づく。広範に使用される区別法はプロテイナーゼK(PK)のような酵素による消化であり、それは特定の条件下でPrPCの完全な消化をもたらすが、他方PrPScはプロテアーゼ処理に比較的抵抗性のままである。次に残りのPrPScをウエスタンブロット、ELISA等のような古典的免疫学的方法により検出することができる。他の配座異性体区別法は凝集物の溶解度、選択的沈殿又は状態の相異に基づく。
ウエスタンブロット分析によるプリオンタンパク質の検出はめんどうで時間がかかる方法であり、従って非常に有用ではない。ELISAのようなイムノアッセイの使用は概括的にずっと実際的であるが、試料のPK処理後のPrPScの特異的な、高感度のそして信頼性の検出には不適切に思われる。サンドイッチELISAによると、PK消化に使用される洗剤により問題が生ずる。該洗剤は抗体で被覆されたマイクロタイタープレートに対するプリオンの結合を妨害する可能性がある。もう1つの問題は可能な残留PK活性に対するキャッチャー(catcher)抗体の感度により生ずる。プリオンタンパク質がマイクロタイタープレートに直接に結合する直接的ELISAによる問題は、特にPK処理後に、PrPScがごく弱く結合することがあることである。これはPrPScの定量的検出を実質的に不可能にする。PKによる酵素処理を伴わない場合、もう1つの問題はPrPCとPrPScがマイクロタイタープレートに同等な強度で結合することである。
特許文献1及び2は、マイクロタイタープレート中のウェルの表面に対する抗体及び他のタンパク質の直接的結合は概括的に該表面上に薄いニトロセルロース被膜を適用することにより改善され得ることを開示している(特許文献1及び2参照)。それらはプリオンタンパク質に関連せず、ニトロセルロース被膜の適用が異なる立体配座をもつタンパク質上に異なる影響をもつ可能性があるという何の証明をも含まない。
本発明の目的は前記の問題を克服する、試料中のプリオンタンパク質の病原性形態を検出する方法を提供することである。
本発明の特定の目的は試料中のPrPScの高感度で信頼性の定量を許す診断法を提供することである。
本発明のもう1つの目的はマイクロタイタープレートに対するPrPScの強力な結合を許す、プロテイナーゼKのような酵素による酵素消化を受ける試料中のPrPScの定量のためのELISA型のイムノアッセイを提供することである。
本発明のもう1つの目的は、マイクロタイタープレート読み出し装置において酵素により生成される染料の直接的読み出しを可能にするとともに、マイクロタイタープレート中のウェルの表面に対するPrPScの強力な結合が達成される、プリオンタンパク質の病原性形態を定量的に測定するためのELISAを提供することである。
本発明のもう1つの目的は、天然の又は細胞のプリオンタンパク質の結合が低下されるが、マイクロタイタープレートに対するこれらの病原性形態の結合が強化される、プリオンタンパク質の病原性形態の信頼性で高感度の定量のためのイムノアッセイを提供することである。
本発明のもう1つの目的は、誤った陽性の結果、誤った陰性の結果又は両者の危険性が減少される、プリオン病又はTSEの診断の改善された方法を提供することである。
DD 236400明細書
欧州特許第211229号明細書
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本発明はプリオンタンパク質の病原性形態のマイクロタイタープレートへの結合を改善するか又は細胞のプリオンタンパク質のマイクロタイタープレートへの結合を低下させるか又はその両者により、細胞のプリオンタンパク質よりも病原性プリオンタンパク質の結合を優先するために、滴定皿のウェルの少なくとも幾つかにおいて前処理されたマイクロタイタープレートの使用により前記の目的を達成する。本発明は通常のマイクロタイタープレートに比較して、プリオンタンパク質の病原性又はスクレイピー形態(PrPSc)の強化された結合を伴うマイクロタイタープレートを使用する。更に、このマイクロタイタープレートは好ましくは、通常のマイクロタイタープレートに比較して、プリオンタンパク質の正常の又は細胞の形態(PrPC)の低下した結合を有する。これはウエスタンブロット分析に比較してPrPScに対してより特異的な、しかし更により高感度で、簡単でそして迅速な検出システムをもたらすであろう。マイクロタイタープレートのフォーマットの高い処理量とともに、本明細書に開示されるような化学的に修飾された透明なマイクロタイタープレートによるELISAはウエスタンブロット法よりも適した診断法を助長する。本発明は動物及びヒトのプリオン病の診断に有用であろう。
マイクロタイタープレートの化学的修飾は通常のマイクロタイタープレートのウェルの底部上に透明なニトロセルロース層又は他の適当なセルロース誘導体の透明な層の適用を含んでなり、それにより、ウエスタンブロット分析に比較してPrPScのより特異的で高感度で、しかしまたより簡単で、迅速で、そしてより高い処理量の検出システムをもたらす。
幾つかの抗体による様々な生物学的物質中のPrPC及びPrPScの検出が化学的に修飾されたマイクロタイタープレート上で示される。本発明は本発明の以下の説明の考慮すると、より完全に理解されるであろう。
多数のイムノアッセイ、特に生物学的物質中の定量に使用されるものは、抗体をポリスチレンのマイクロタイターウェルに被覆する特徴的サンドイッチフォーマットに存在する。このいわゆる捕捉抗体(catching antibody)はタンパク質に特異的に結合することができる。次にこの方法は酵素又は蛍光標識を含有する第2のタンパク質特異性抗体のインキュベートにより終結され、試料中に存在するタンパク質量の定量を可能にする。
プリオンタンパク質の場合には、大部分のプリオン−特異的抗体がPrPSc及びPrPC双方と反応するので、PrPScの特異的検出のためにPKによる消化が必要である。試料を含有するPrPScの、PrPCを分解するためのPKによる消化は最適な消化のためには比較的高濃度の洗剤の存在下で実施される。しかし、このような濃度の洗剤は抗体−被覆マイクロタイタープレート上へのプリオンの結合を容易に妨害することができる。PK消化後の残留プリオンタンパク質の高感度の検出の条件を示すためにはこのようなサンドイッチ測定法の反応条件の複雑な最適化が必要である。本方法のアプローチにおけるサンドイッチELISAのもう1つの欠点は消化後の可能な残留PK活性に対する捕捉抗体の感度である。試料の消化後に、PK活性をブロックするためにプロテアーゼ阻害剤(例えばPMSF)が添加されるが、これらのプロテアーゼ阻害剤の効力は疑わしい(非公開内部データ)。
従って、マイクロタイタープレートに対してプリオンタンパク質を直接結合させる方法を使用することが考えられた。本発明に誘導した当初の観察は脳のホモジネートのような生物学的物質中に存在するPrPScは特にPKによる処理後に通常のマイクロタイタープレートに弱く結合するという所見である。従って、通常のマイクロタイタープレートに直接適用されるPrPScの定量的検出は実質的に不可能である。直接的(「スポットブロット」)又はウエスタンブロット法のいずれかによるナイロン(例えばPVDF又はBiodyne)又はニトロセルロースの膜に対するプリオンの結合は可能であるが、プリオンタンパク質の量の簡単な定量化はできない。半定量化を可能にするスポットブロットによる様々なタンパク質の滴定法が記載されてきたが、これらの方法は非常に時間を費やし、自動化が困難である(Dattamajumbar AK等、Rapid cloning of any rearranged mouse immunoglobulin variable genes(任意の再配列されたマウスの免疫グロブリンの可変性遺伝子の急速なクローン化)(1996).Immunogenetics 43,141−151.及びPalfree GE及びElliott BE,An enzyme−linked immunosorbent assay(ELISA) for detergent solubilized Ia glycoproteins using nitrocellulose membrane disks(ニトロセルロース膜のディスクを使用する、洗剤に可溶化されたIa糖蛋白のエンザイムイムノアッセイ(ELISA)))(1982).J Immunol Meth 52,395−408.参照。)。通常のマイクロタイタープレート中に配置された酢酸セルロース、ヒドラジン分解ダクロン又はニトロセルロースの紙のようにパンチされたディスク(paper−punched disk)も研究設定において試験され、マイクロタイタープレートフォーマットにおける定量化を可能にした。これらのディスクを備えたマイクロタイタープレートの労力を要し、面倒な製造の外に、ディスクによる光線ビームの遮蔽によりマイクロタイタープレート読み出し装置における酵素により生成される染料の直接的読み出しは不可能である。定量化を可能にするためには生成される染料を空のマイクロタイタープレートに移動させなければならない。いわゆるELISPOT皿、すなわちナイロン又はニトロセルロースの底部をもつマイクロタイタープレートは透明性が欠け、類似の問題を有する。これらの方法は、特に、屠殺ウシの脳におけるBSEのスクリーニンのような、高処理量の適用には非常に実際的ではない。
本発明において、病原性プリオンタンパク質に対するニトロセルロースの優れた結合特性がマイクロタイタープレートフォーマットを使用する明白な利点と組み合わされる。例えばメタノール又はエタノールのような適当な溶媒(皿に対して非攻撃的な)に溶解されたニトロセルロースをマイクロタイタープレートの各ウェルに添加し、次に溶媒を蒸発させる。本明細書に明記されるような適当な条件下では、マイクロタイタープレートの底部に透明なニトロセルロース層が形成される。ニトロセルロース層に対する病原性プリオンタンパク質の結合後に、該測定法は通常のELISAのように終結される。
通常のマイクロタイタープレートに対する透明なニトロセルロース層の使用はプリオンの研究及び診断分野において非常に適切であることができる。ヒト、ウシ、ヒツジ及び齧歯類のプリオンモデルから採取される様々な材料中の病原性プリオンタンパク質の検出に対する本発明の適用は後記の実施例中に示される。
本発明は、容器を提供し、容器表面に対する細胞のプリオンタンパク質の結合よりも病原性プリオンタンパク質の結合を優先させることができるセルロース誘導体の被膜を該容器の表面上に付着させるように該容器を前処理し、該容器中の試料をインキュベートして試料中に存在するあらゆる病原性プリオンタンパク質を該容器表面に結合させ、このように固定された病原性プリオンタンパク質が存在する場合は、病原性プリオンタンパク質に結合可能な抗プリオン抗体を使用して、それを適当な標識物質で標識し、そして容器表面に付着した標識物質の存在を検出すること、を含んで成る、試料中のプリオンタンパク質の病原性形態の検出法を提供する。
該方法は好ましくは、容器を提供し、該容器表面に対する細胞のプリオンタンパク質の結合より病原性プリオンタンパク質の結合を優先させることができるセルロース誘導体の被膜を容器の表面上に付着させるように容器を前処理し、該容器中の試料をインキュベートして試料中に存在するあらゆる病原性プリオンタンパク質を該容器表面に結合させ、このように固定された病原性プリオンタンパク質が存在する場合は、病原性プリオンタンパク質に結合可能な抗プリオン抗体を使用して、それを適当な標識酵素で標識し、標識酵素に対する適切な基質を含む容器をインキュベートし、そして着色された、蛍光性の又は発光性の生成物への基質の転化を検出すること、を含んで成る、試料中のプリオンタンパク質の病原性形態の検出のためのエンザイムイムノアッセイ(ELISA)である。
従って、好ましい態様において、本方法は容器表面に付着した標識酵素の存在が、標識酵素に対する適当な基質を含む容器をインキュベートし、着色された、蛍光性の又は発光性の生成物への基質の転化を検出することにより検出される、標識物質として標識酵素を使用するエンザイムイムノアッセイ(ELISA)である。
使用されるセルロース誘導体は好ましくは、容器表面に対する病原性プリオンタンパク質の結合を強化するか、又は容器表面に対する細胞のプリオンタンパク質の結合を低下させるか又はその両者により、細胞のプリオンタンパク質よりも病原性プリオンタンパク質の結合を優先させる。それにより誤った陽性又は誤った陰性の結果の危険性が有意に減少され、定量化が改善される。実施例中に示されるように、セルロース誘導体による固相の適当な前処理が細胞のプリオンタンパク質の結合の実質的減少をもたらす。
容器は透明であることが好ましい。容器は通常、ポリスチレン又はポリビニルクロリドから製造された通常のマイクロタイタープレートのような、通常の又は異例のマイクロタイタープレートであることができるマイクロタイタープレートのウェルである。
容器の表面上に付着されるセルロース誘導体の被膜は透明である。容器自体及びその表面上の被膜双方が透明である場合は、例えば通常のELISA読み出し装置における結果の直接的読み出しが可能である。
使用されるセルロース誘導体は好ましくは、非水溶性であり、次に試料が容器中でインキュベートされる時にそれが溶解することを妨げる。適当なセルロース誘導体はニトロセルロースであるが、コロジウム、アセチルセルロース、等のような他の適当なセルロース誘導体も同様に使用することができる。
前処理は好ましくは、メタノール又はエタノールのような非攻撃的溶媒中の適当なセルロース誘導体の溶液を含む容器をインキュベートし、次に溶媒の蒸発を含んでなる。アセトンのような攻撃的溶媒は容器の望ましい透明性に影響する可能性があり、そのためにあまり適当ではない。メタノールは好ましい溶媒である。蒸発は通常、室温あるいは約50℃又は60℃又は約100℃までもの僅かに高温で実施される。蒸発はまた、減圧下(真空)でも実施することができる。
溶液は0.001〜20mg/mlのセルロース誘導体を含有することができることが発見された。セルロース誘導体の濃度は好ましくは、少なくとも0.01mg/mlである。溶液はセルロース誘導体が1〜20,000ng/mm2、好ましくは8〜16,000ng/mm2の量で容器表面上に付着されることを確保する量で使用される。より少量が付着されると、病原性プリオンタンパク質の結合性の改善及び細胞のプリオンタンパク質の結合の減少が境界量のみであり、そしてより大量が使用される時には、被膜の透明性が最適に満たない。通常のマイクロタイタープレートを使用すると、通常、10〜250ミリリッター、好ましくは25〜50ミリリッターの溶液が被覆される各ウェル中に充填される。被膜は通常100〜1000nm、好ましくは300〜700nmの厚さを有するであろう。
本発明に従うと、試料は細胞のプリオンタンパク質消化可能な酵素で前処理されることが非常に好ましい。適切な酵素はプロテイナーゼKであるが、病原性プリオンタンパク質の分解においてずっと効力が弱いが、あらゆる細胞のプリオンタンパク質を有効に分解するその他の酵素も同様に使用することができる。もう1つの有用な酵素の1例はプロナーゼである。
これらの酵素による前処理は適切に実施されれば、正常な(細胞の)プリオンタンパク質の完全な消化をもたらすが、病原性プリオンタンパク質に対する効果はずっと制約される。酵素による処理は通常、分子のN−末端部を除去するであろうが、病原性プリオンタンパク質の大きい部分(約27〜30kDaの分子量をもつもの)はそのまま残留する。1E4、3F4及び6H4のような様々な抗プリオン抗体のエピトープはすべて、病原性プリオンタンパク質のこのプロテイナーゼK抵抗性部分中に含まれている。
本発明のこの態様において、セルロース誘導体による容器の前処理は、容器表面に対する酵素により前処理された病原性プリオンタンパク質の結合を強化するか又は容器表面に対する酵素により前処理された細胞のプリオンタンパク質の結合を低下させるか又はそれら両者により、酵素により前処理された細胞のプリオンタンパク質よりも、酵素により前処理された病原性プリオンタンパク質の結合を優先することが著しく有利である。従って、誤った陽性又は誤った陰性の結果の危険性が著しく減少し、定量化が改善される。実施例中に示されるように、セルロース誘導体によるこのような前処理の不在時には、酵素により前処理された病原性プリオンタンパク質は固相にほとんど結合しない。しかし適当に前処理された固相が使用されると、酵素で前処理された病原性プリオンタンパク質は強力に結合する。本発明の好ましい態様において、酵素による消化は試料を70〜100℃の温度に短時間加熱して酵素を不活性化することにより停止される。その後に、試料を70〜100℃の温度で洗剤で処理して試料中のタンパク質を変性させる。
容器表面上に固定されたあらゆる病原性プリオンタンパク質の標識は酵素で標識された抗プリオン抗体で直接に、又は非標識抗プリオン抗体、次に抗プリオン抗体に結合可能な酵素標識抗体で間接的に実施される。当業者はこれら及び他の代用物を熟知している。酵素標識抗体(酵素標識されたヤギ−抗マウス抗体のような)は多数の異なる測定法に使用することができる一般に有用な試薬であるために、非常に実際的な方法は間接法である。
抗プリオン抗体は好ましくは、モノクローナル抗体である。病原性プリオンタンパク質のプロテアーゼK抵抗性部分のエピトープに結合する抗体が好ましい。適切な例はモノクローナル抗体3F4、6H4及び1E4である。モノクローナル抗体1E4(CNCM I−2906)の使用が特に好ましい。
あらゆる通常の又は異例の標識酵素を使用することができる。周知の例を挙げるために、西洋ワサビのペルオキシダーゼ(HRP)のようなペルオキシダーゼが標識酵素として使用され得る。アルカリホスファターゼ等のような他の酵素をその代わりに使用することができる。
使用することができる基質は選択される標識酵素による。HRPの場合には、標識酵素の基質として3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジンを使用することができる。当業者には標識酵素及び基質の多数の代用物が知られている。
しかし、酵素及び基質は結果の容易なそして好ましくは定量的読み出しを許すように選択される、すなわちそれらが基質の転化が吸収の直接的読み出しにより検出される着色された物質をもたらすように選択されることが非常に好ましい。
本発明は試料中のプリオンタンパク質の病原性形態の定性的検出を単に目的とする方法を含むが、試料中のプリオンタンパク質の病原性形態の定量的存在が測定されることが好ましい。
本発明の実際的態様において、ELISAは細胞のプリオンタンパク質の酵素による完全な消化の対照として容器の前処理を伴わない平行したELISAを含む。
本発明の方法において、試料は通常、ヒト又は動物の脳又はリンパ系組織から採取されるであろう。他の種類の試料、とりわけ血液、血漿、脳脊髄液、唾液、痰、精液、膣液及び尿のような体液も同様に有用であることができる。死後分析により死因及び/又は(動物の場合は)動物の感染状態を診断することができる。生存個体の分析は処置及び/又は更なる感染を予防するための手段を念頭におくと有用であることができる。
本発明は更に病原性プリオンタンパク質と優先的に結合する表面と混合物を接触させ、そして該表面から未結合物質を分離することを含んでなる、病原性プリオンタンパク質及び細胞のプリオンタンパク質を含有する混合物から病原性プリオンタンパク質を分離する方法を提供する。
本発明において、表面はニトロセルロースのような非水溶性セルロース誘導体から製造されるか又はそれで被覆されていることが好ましい。該表面はニトロセルロースの層で被覆されたマイクロタイタープレートウェルの表面であることができる。しかしまた、ニトロセルロースから製造された又はそれで被覆されたビード又はカラム充填物の表面であってもよい。
更に、本発明のこのアスペクトにおいて、混合物はプロテイナーゼKのような細胞のプリオンタンパク質を消化可能な酵素で前処理されることが好ましい。再度酵素消化後に、最初に消化酵素を不活性化し、次に混合物中に存在するタンパク質を変性させることが好ましい。
今や本発明を以下の実施例により具体的に示し、これは、本発明を決して制約する意図をもたれない。
マイクロタイタープレートのプリオン結合特性に対する透明なニトロセルロース層の効果を示すために、ニトロセルロース被覆マイクロタイタープレート(NC−皿)又は標準のマイクロタイタープレート(Std−皿)を使用して直接的ELISAが実施された。スクレイピー感染ハムスター脳(株263K)又は正常マウス脳のホモジネート(0.1%)をPKとともに又はそれを伴わずに処理し、NC−皿−ニトロセルロース被膜は0.1%であった−又はStd−皿上でインキュベートした。結合プリオンタンパク質を西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)で標識した抗プリオン抗体1E4を使用して検出し、次に3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン(TMB)基質で染色した。
図1に示すように、PK−消化スクレイピー感染ハムスター脳中に存在するプリオンタンパク質(PrPSc)はNC−皿に結合するが、Std−皿には結合しない。更に、未消化の正常なマウス脳中に存在するプリオンタンパク質(PrPC)はStd−皿に対するよりNC−皿に対して弱く結合する。
NC−皿のプリオン結合特性を示すために、ウシ(BSE感染及び未感染)、ハムスター(263K−感染及び未感染)、ヒツジ(スクレイピー感染及び未感染)、ヒト(sCJD及びvCJD感染及び未感染)から採取した脳試料を使用して直接的ELISAが実施された。これらの試料をPKを伴い又は伴わずに処理し、0.1%のニトロセルロースの被膜をNC−皿に適用した。結合プリオンタンパク質をHRPで標識された抗プリオン抗体1E4を使用して検出し、次にTMB基質で染色した。
TSE−感染動物又は患者からのPK−消化試料は強度に陽性であることが認められたが、他方未感染動物及びヒトからのPK−消化試料は陰性であることを認めた(図2)。すべての未消化試料は陽性であることが認められ、PrPScの特異的検出に対する、PK消化への測定法の極めて重要な依存性を示す。
プリオンタンパク質の検出に対するNC−皿の適合性を示すために、様々な抗プリオン抗体を使用して直接的ELISAが実施された(図3)。スクレイピー感染ハムスター脳(株263K)又は正常マウス脳のホモジネート(0.1%)をPKと共に又はそれを伴わずに処理した。次に試料をNC−皿上でインキュベートした。結合プリオンタンパク質を様々な抗プリオン抗体(3F4[DAKO]、6H4[Prionics]又は1E4[Sanquin])を使用して検出し、HRP標識抗マウス抗体及びTMB基質との連続的インキュベートにより可視化させた。
PK−消化スクレイピー感染ハムスター脳の試料(PrPSc)に対して、試験されたすべての抗体が陽性であった。
方法
ニトロセルロースを0.01又は20mg/mlの最終濃度までメタノール又はエタノールに溶解した。本混合物40μlの容量を96−ウェルのマイクロタイタープレート(NUNC maxisorp型F96)の各ウェル中に添加し、80℃で30〜60分間、オーブン中で皿を加熱することにより溶媒を蒸発させるとマイクロタイタープレートの底部に残る透明なニトロセルロース層をもたらした。適用ニトロセルロースの量は8〜16,000ng/mm2に相当する。
ニトロセルロースを0.01又は20mg/mlの最終濃度までメタノール又はエタノールに溶解した。本混合物40μlの容量を96−ウェルのマイクロタイタープレート(NUNC maxisorp型F96)の各ウェル中に添加し、80℃で30〜60分間、オーブン中で皿を加熱することにより溶媒を蒸発させるとマイクロタイタープレートの底部に残る透明なニトロセルロース層をもたらした。適用ニトロセルロースの量は8〜16,000ng/mm2に相当する。
様々な種の脳試料をリン酸バッファー生理食塩水−pH7.4(PBS)又は10%(w/v)の最終濃度までの0.25Mの蔗糖溶液中でホモジナイズした。これらのホモジネートを更に消化バッファー(100mMのTris/HCl pH7.5、0.05%SDS)で0.1%の最終濃度まで希釈し、PK(最終濃度30μg/ml〜0.6U/ml)と共に又はそれを伴わずに50℃で30分間インキュベートした。PK消化を停止するために試料を1分間96℃に加熱し、次に室温(RT)に冷却した。処理後に、試料バッファー(200mMのTRIS/HCl[pH8.5]、6%SDS)の添加により容量を1/3だけ増加し、混合物を96℃で10分間インキュベートした。
次に、処理試料40μlをニトロセルロース−被覆マイクロタイタープレートのウェルに移し、震盪しながらRTで1時間インキュベートした。洗浄バッファー(PBS、0.15%Tween−20)で洗浄後に、皿をインキュベーションバッファー(PBS、0.15%Tween−20、0.5%PEG4000)中に希釈された抗プリオン抗体40μlとともにRTで1時間インキュベートした。次に皿を洗浄し、HRP−標識ヤギ−抗マウス抗体とともに1時間インキュベートした。結合ペルオキシダーゼを100μl/ウェルの、100mMの酢酸バッファー(pH5.5)中3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン(TMB)/H2O2により検出した。20分間インキュベート後に、1MのH2SO4100μlの添加により酵素反応を停止させ、Anthos ELISA読み出し装置において450nmで吸収を読み取った(対照として690nmを使用した)。
Claims (30)
- 容器を提供し、容器表面に対する細胞のプリオンタンパク質の結合よりも病原性プリオンタンパク質の結合を優先することができるセルロース誘導体の被膜を該容器の表面上に付着させるように該容器を前処理し、該容器中の試料をインキュベートして試料中に存在するあらゆる病原性プリオンタンパク質を該容器表面に結合させ、このように固定された病原性プリオンタンパク質が存在する場合は、病原性プリオンタンパク質に結合可能な抗プリオン抗体を使用してそれを適当な標識物質で標識し、そして容器表面に付着した標識物質の存在を検出すること、を含んで成る、試料中のプリオンタンパク質の病原性形態の検出法。
- 容器表面に付着した標識酵素の存在が、標識酵素の適当な基質を含む容器をインキュベートし、そして着色された、蛍光性の又は発光性の生成物への基質の転化を検出することにより検出される、標識物質として標識酵素を使用するエンザイムイムノアッセイ(ELISA)である、請求項1記載の方法。
- 使用されるセルロース誘導体が、容器表面に対する病原性プリオンタンパク質の結合を強化するか、又は容器表面に対する細胞のプリオンタンパク質の結合を低下させるか又はそれら両者により、細胞のプリオンタンパク質よりも病原性プリオンタンパク質の結合を優先する、請求項1又は2記載の方法。
- 容器が透明である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
- 容器がマイクロタイタープレートのウェルである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
- 容器の表面上に付着したセルロース誘導体の被膜が透明である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
- 使用されるセルロース誘導体が非水溶性である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
- セルロース誘導体がニトロセルロースである、請求項7記載の方法。
- 該前処理がメタノール又はエタノールのような非攻撃的溶媒中の適当なセルロース誘導体の溶液を含む容器をインキュベートし、次に溶媒を蒸発させることを含んでなる、請求項1〜8のいずれか1項記載の方法。
- 溶液が0.001〜20mg/mlのセルロース誘導体を含有する、請求項9記載の方法。
- セルロース誘導体が1〜20,000ng/mm2の量で容器表面上に付着される、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
- 試料が細胞のプリオンタンパク質を消化可能な酵素で前処理される、請求項1〜11のいずれか1項記載の方法。
- 酵素がプロテイナーゼKである、請求項12記載の方法。
- 酵素による消化が、試料を70〜100℃の温度に短時間加熱することにより停止されて酵素を不活性化する、請求項12又は13記載の方法。
- 酵素の不活性化後に、試料が70〜100℃の温度で洗剤で処理されて試料中のタンパク質を変性させる、請求項14記載の方法。
- セルロース誘導体による容器の前処理が、容器表面に対する酵素で前処理された病原性プリオンタンパク質の結合を強化するか又は容器表面に対する酵素で前処理された細胞のプリオンタンパク質の結合を低下させるか又はそれら両者により、酵素で前処理された細胞のプリオンタンパク質よりも酵素で前処理された病原性プリオンタンパク質の結合を優先する、請求項12〜15のいずれか1項に記載の方法。
- 容器表面上に固定されたあらゆる病原性プリオンタンパク質の標識が、酵素で標識された抗プリオン抗体で直接に、又は非標識抗プリオン抗体により、そして次に抗プリオン抗体に対して結合可能な酵素標識された抗体により間接的に実施される、請求項1〜16のいずれか1項に記載の方法。
- 西洋ワサビペルオキシダーゼ(Horse Radishi Peroxidase)のようなペルオキシダーゼが標識酵素として使用される、請求項1〜17のいずれか1項に記載の方法。
- 3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジンが標識酵素の基質として使用される、請求項1〜18のいずれか1項に記載の方法。
- 基質の転化が吸収の直接的読み出しにより検出される着色物質をもたらす、請求項1〜19のいずれか1項に記載の方法。
- 試料中のプリオンタンパク質の病原性形態の定量的存在が測定される請求項1〜20のいずれか1項に記載の方法。
- ELISAが細胞のプリオンタンパク質の完全な酵素消化の対照として容器の前処理を伴わない平行したELISAを含む、請求項1〜21のいずれか1項に記載の方法。
- 試料がヒト又は動物の脳又はリンパ系組織から採取される、請求項1〜22のいずれか1項に記載の方法。
- 試料が血液、血漿、脳脊髄液、唾液、痰、精液、膣液又は尿のような体液である、請求項1〜22のいずれか1項に記載の方法。
- 混合物を病原性プリオンタンパク質と優先的に結合する表面と接触させ、そして該表面から未結合物質を分離することを含んでなる、病原性プリオンタンパク質及び細胞のプリオンタンパク質を含有する混合物から病原性プリオンタンパク質を分離する方法。
- 該表面がニトロセルロースのような非水溶性セルロース誘導体から製造されるか又はそれで被覆される、請求項25記載の方法。
- 該表面がニトロセルロースの層で被覆されたマイクロタイタープレートのウェル表面である、請求項25又は26記載の方法。
- 該表面がニトロセルロースから製造されるか又はそれで被覆されているビード又はカラム充填物の表面である、請求項25又は26記載の方法。
- 該混合物がプロテイナーゼKのような細胞のプリオンタンパク質を消化可能な酵素で前処理される、請求項25〜28のいずれか1項に記載の方法。
- 酵素の消化後に、最初に消化酵素が不活性化され、次に混合物中に存在するタンパク質が変性される請求項29記載の方法。
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