JP2006520201A - 改良された基質受容性を有するr−ヒドロキシニトリルリアーゼ及びその使用 - Google Patents

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Abstract

【課題】改良された基質忍容性と増加した安定性を特徴とするバラ科植物由来のR−ヒドロキシニトリルリアーゼを提供すること、また、純粋な光学異性体R−シアノヒドリン又はS−シアノヒドリンの生成における上記リアーゼの使用を提供すること。
【解決手段】本発明のR−ヒドロキシニトリルリアーゼR−ヒドロキシニトリルリアーゼの活性中心で、a)アラニン基をグリシン、バリン、ロイシン、イソロイシン、若しくはフェニルアラニンで置換されているか、b)フェニルアラニン基がアラニン、グリシン、バリン、ロイシン、若しくはイソロイシンで置換されているか、c)ロイシン基がアラニン、グリシン、バリン、イソロイシン、若しくはフェニルアラニンで置換されているか、d)イソロイシン基がアラニン、グリシン、バリン、ロイシン、若しくはフェニルアラニンで置換されていることを特徴とする。

Description

発明の詳細な説明
生体触媒プロセスは化学産業で非常に重要になっている。この点に関し、しばしば存在する酵素であって、キラル又はプロキラル化合物を用いた化学反応で2つの光学異性体の1つを選択的に変換又は形成する酵素の特性を活用できる応用分野において、生物触媒を用いた化学反応の実施が、特に興味を持たれている。
この好ましい酵素特性を利用するのに不可欠な前提条件は、工業的に必要な量が入手可能であること及び十分に高い反応性並びに工業プロセスの実際の条件下における安定性である。
特に関心のあるキラル化合物類はシアノヒドリンである。シアノヒドリンは、例えばα−ヒドロキシ酸、α−ヒドロキシケトン、β−アミノアルコールの合成に重要であり、これらは生物活性物質、例えば薬理的活性成分、ビタミン又はピレスロイド化合物を得るのに使用される。
このシアノヒドリンは、シアン化水素酸を、ケトン又はアルデヒドのカルボニル基に添加することにより調製される。
例えば、WO97/03204、EP0951561及びEP0927766に記載されるように、バラゴムノキ(Hevea brasiliensis)から得られる酵素(S)−ヒドロキシニトリルリアーゼを生成することにより(S)−シアノヒドリンなどのキラル化合物を工業的に調製することができる。
しかしながら、R光学異性体が工業利用上重要となる関心の高い化合物は多様である。今日までは、実験室規模でのみ使用できる多くの生成物の調製方法だけが述べられてきた(例えば、EP0276375、EP0326063、EP0547655)。この場合に使用される酵素調製液は、主にバラ科植物、例えばスイートアーモンド(Prunus amygdalus)由来の植物から得られた。
さらに、今まで使用されてきたR−HNLは、例えば、R−HNLの最初の遺伝子としてクローニングされ、大腸菌(E.Coli)及びピキア・パストリス(Pichia pastoris)で発現させたリンシード苗(Linum usitatissimum;LuHNL)由来のもの又はPhlebodium aureurum由来のR−HNLである。
大規模な工業利用は今日まで実現していない。この根本的な理由は、今日までヒドロキシニトリルリアーゼ(HNL)活性を有するバラ科植物由来の酵素調製液又はリンシード苗由来の調製液を、十分な量、妥当な費用で入手することができず、低pH値での安定性が低すぎるためであった。
文献に記述される、高い光学純度の生成物を得るために有利な反応パラメータは、低温(例えば、Perssonら、Enzyme and Microbial Technology 30(7)、916〜923頁、2002)、pH4未満(例えば、Kraglら、Annals of the New York Academy of Science、613(enzyme Eng.10)、167〜175頁、1990)及び二相系(例えば、EP0547655)若しくは縣濁液(例えば、EP1238094)の使用である。
残念ながら、ほとんどのR−HNLは、半減期がpH4未満で1時間未満である。
EP1223220A1には、R−HNLアイソザイム、例えばアイソザイム5(PaHNL5)をコードするスイートアーモンド(Prununs amygdalus)由来の遺伝子のクローニングにより調製した組換え酵素及びピキア・パスとリス(Picha pastoris)における異種発現により調製した組換え酵素が記載されており、これらは、実施例から明らかなように、他の既知のR−HNLに比べて低いpHでの安定性が大幅に高められていることによって識別される。
認められた不都合な点は、基質受容性が不十分なことである。なぜなら、例えば組換えPaHNL5の存在下において、市販の植物である扁桃仁由来の天然(R)−NHL調製液の存在下よりも極めて低い反応速度で変換する基質があるからである。
それ故、本発明の目的は、第1に、工業規模における技術転換に対して費用効果が高く、十分な規模で提供することが可能であり、基質受容性の改善と安定性の増加を示す、バラ科植物由来R−ヒドロキシニトリルリアーゼを提供することである。
従って、本発明は改良された基質受容性及び増加した安定性を有するバラ科植物由来R−ヒドロキシニトリルリアーゼに関し、R−ヒドロキシニトリルリアーゼの活性中心において、
a)アラニン残基がグリシン、バリン、ロイシン、イソロイシン若しくはフェニルアラニンで置換されているか、又は
b)フェニルアラニン残基がアラニン、グリシン、バリン、ロイシン若しくはイソロイシンで置換されているか、又は
c)ロイシン残基がアラニン、グリシン、バリン、イソロイシン若しくはフェニルアラニンで置換されているか、又は
d)イソロイシン残基がアラニン、グリシン、バリン、ロイシン若しくはフェニルアラニンで置換されていることを特徴とする。
本発明のR−HNLは、バラ科植物由来R−ヒドロキシニトリルリアーゼの変異体である。
本発明の変異体を調製するために、最初の基礎原料として、バラ科植物由来の天然R−HNL、例えばスイートアーモンド(Prunus amygdalus)由来R−HNL(PaHNL)、ブラックチェリー(Prunus serotina)由来R−HNL(PsHNL)、セイヨウバクチノキ(Prunus laurocerasus)由来R−HNL、カタリーナチェリー(Prunus lyonii)由来R−HNL、アプリコット(Prunus armaniaca)由来R−HNL、モモ(Prunus persica)由来R−HNL、セイヨウスモモ(Prunus domestica)由来R−HNL(PdHNL)、リンゴ(Malus communis)由来R−HNLなど、又は、例えばEP1223220で開示される組換えR−HNL及び活性中心に通じる疎水性チャネル内の1つ又は複数の嵩高いアミノ酸残基を、より嵩の低いアミノ酸残基で置換されている、上述のR−HNLのいわゆるトンネル変異体(tunnel mutant)を使用することができる。
好ましく使用される天然R−NHLは、スイートアーモンド(Prunus amygdalus)由来R−HNL(PaHNL)、セイヨウスモモ(Prunus domestica)由来R−HNL(PdHNL)又はブラックチェリー(Prunus serotina)由来R−HNL(PsHNL)である。
好ましい組換えR−HNLは、セイヨウスモモ(Prunus domestica)由来組換えRHNL(PdHNL)であり、特にPdHNL1、及びEP1223220に記載される組換えR−HNLのPaHNL1〜PaHNL5であり、特に好ましいのは組換え体PaHNL5である。
適切なトンネル変異体(tunnel mutant)は、好ましくは天然物又は組換えR−HNLであって、この組換えR−HNLは、好ましくは活性中心に通じる疎水性チャネルの1つの嵩高いアミノ酸残基を、より嵩の低いアミノ酸残基、例えばアラニン、グリシン、バリン若しくはフェニルアラニンなどで置換したものである。
さらに、改良されるR−HNLは、例えば配列の第一アミノ酸の交換、第一アミノ酸の欠失又はGluAlaGluAlaなどのさらなるアミノ酸の結合、によって得られる改変された配列の形であってもよい。
さらに、活性中心における変異の前に、天然又は植物性のシグナル配列を、例えばサッカロミセス・セルビシエ(Saccharomyces cerevisiae)由来α接合因子のシグナル配列(α−MF)、サッカロミセス・セルビシエ(Saccharomyces cerevisiae)転化酵素(SUC2)、ピキア(Pichia)キラー毒素シグナル配列、α−アミラーゼ、ピキア・パストリス(Pichia pastoris)の酸ホスファターゼ(PHO1)、インゲン豆(Phaseolus vulgaris)凝集素(PHA−E);アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)由来グリコアミラーゼシグナル配列(glaA)、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)由来グルコースオキシダーゼ(GOX)シグナル配列、ピキア・パストリス(Pichia pastoris)由来Sec10シグナル配列、クリベロマイセス・ラクティス(Klyveromyces lactis)由来キラー毒素の28kDサブユニットのシグナル配列、牛血清アルブミン(BSA)シグナル配列などの別のシグナル配列、又はこれらの組換えシグナル配列に交換する可能性がある。このシグナル配列は、さらに点変異を含む可能性がある。
適切なシグナル配列及びその変異体は、例えばHeijne GらのFEBS Letters 244(2)、439〜446頁(1989)、EP19911213、PaiferらのBiotecnologia Aplicada 10(1)、41〜46頁(1993)、RaemaekersらのEuropean Journal of Biochemistry 265(1)、394〜403頁(1999)などに記載されている。
好ましくは、植物性のシグナル配列をサッカロミセス・セルビシエ(Saccharomyces cerevisiae)由来のα接合因子のシグナル配列で置換する。
例えば、Quick Change(XL)Site Directed Mutagenesis Kit、Quick Change Multi Site Directed Mutagenesis Kit(ストラタジーン社)又はインビトロジェン社若しくはPromega社などのキットを使って、製造会社の取扱説明書又は、例えばAusubelらのCurrent Protocols in Molecular Biology、2003に記載される他の従来の方法に従って部位特異的突然変異を誘発し、本発明のR−HNLを調製する。
部位特異的突然変異誘発キットは、特異的変異体の調製に使用するために準備された系であり、例えば、カリフォルニア州ラホーヤ(米国)のストラタジーンクローニングシステムズ社から市販されている。
本発明によれば、部位特異的突然変異誘発では、R−HNLの活性中心において、
a)アラニン残基がグリシン、バリン、ロイシン、イソロイシン若しくはフェニルアラニンで置換されているか、又は
b)フェニルアラニン残基がアラニン、グリシン、バリン、ロイシン若しくはイソロイシンで置換されているか、又は
c)ロイシン残基がアラニン、グリシン、バリン、イソロイシン若しくはフェニルアラニンで置換されているか、又は
d)イソロイシン残基がアラニン、グリシン、バリン、ロイシン若しくはフェニルアラニンで置換されているかのいずれかである。
そこから生じた変異体では、基質結合部位のすぐ近くの活性中心に位置する上述の残基が交換されている。
この点に関して、アラニン残基がグリシン、バリン若しくはロイシンで置換されているか、又はフェニルアラニン残基がアラニン、ロイシン若しくはグリシンで置換されているか、又はロイシン残基がアラニン、グリシン若しくはフェニルアラニンで置換されているかのいずれかが好ましい。
例えば、嵩高いラジカルを有し、又はオルト位若しくはケト位に置換基を有する芳香族アルデヒド又はケトン、あるいは嵩高い脂肪族アルデヒド又はケトンなどの大きな基質の変換のために、好ましくは、アミノ酸のアラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン又はフェニルアラニンの1つを、各ケースのより小さなアミノ酸残基で置換する。従って、例えば、フェニルアラニンをロイシン若しくはアラニンで置換し、又はアラニンをグリシンなどで置換する。
対照的に、例えば、より小さな脂肪族アルデヒド若しくはケトンなどの小さな基質の変換では、好ましくは、アミノ酸のアラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン又はフェニルアラニンの1つを、各ケースのより大きなアミノ酸残基で置換する。例えば、アラニンをロイシン若しくはバリンで置換し、又はロイシンをフェニルアラニンで置換する。
例えば、EP1223220で開示され、任意で活性中心に通じる疎水性チャネルに変異を持つ可能性もある組換えR−ヒドロキシニトリルリアーゼPaHNL1〜PaHNL5の変異体が特に好ましい。
活性中心に通じる疎水性チャネルに任意に変異を有することもあり、活性中心において、
a)アラニン残基が位置111でグリシン、バリン若しくはロイシンで置換されているか、又は、
b)フェニルアラニン残基が位置72でアラニン若しくはロイシンで置換されているか、又は、
c)ロイシン残基が位置331若しくは343でアラニン若しくはグリシンで置換されている、組換えR−ヒドロキシニトリルリアーゼPaHNL5の変異体が特に好ましい。
ナンバリングは、修飾されていない成熟組換えR−ヒドロキシニトリルリアーゼPaHNL5の対応位置に基づくが、その位置を上述の配列修飾、例えば配列の切断又は伸長などに従って変更することが可能である。
その後、適切な微生物、例えばピキア・パストリス(Pichia pastoris)、サッカロミセス・セルビシエ(Saccharomyces cerevisiae)又は大腸菌(Escherichia coli)、枯草菌(Bacillus subtilis)、クリベロマイセス・ラクティス(Klyveromyces lactis)、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)、ペニシリウム・クリソゲナム(Penicillium chrysogenum)、ピキア・メタノリカ(Pichia methanolica)、ピキア・ポリモルファ(Pichia polymorpha)、ピキア・アノマラ(Pichia anomala)、シゾサッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)などで分泌発現を行う。
本発明で生じたR−HNL変異体を標準法、例えばDrevenyらのStructure(米国マサチューセッツ州ケンブリッジ)9(9)、803〜815頁、2001年にならって精製する。
本発明のR−HNL変異体は、先行技術に比べて増加した反応率のエナンチオピュアなR−シアノヒドリン又はS−シアノヒドリンの調製にも適し、本発明のR−HNL変異体はまた、低pH値における高いpH安定性によって識別される。
従って、本発明はさらに、エナンチオピュアなR−シアノヒドリン又はS−シアノヒドリンを調製するための本発明のR−HNL変異体の使用に関する。
特に、本発明のR−HNL変異体を、基質としての脂肪族及び芳香族アルデヒド並びにケトンと共に使用する。
これに関して、アルデヒドとは、脂肪族、芳香族又は複素環式芳香族アルデヒドを指す。これに関して、脂肪族アルデヒドとは、飽和又は不飽和脂肪族の直鎖、分岐若しくは環状アルデヒドを指す。好ましい脂肪族アルデヒドは、特に2〜30のC原子、好ましくは4〜18のC原子を有し、飽和若しくは一価不飽和若しくは多価不飽和の直鎖又は分岐アルデヒドである。これに関して、アルデヒドはC−C二重結合及びC−C三重結合の両方を有する可能性がある。さらに、脂肪族、芳香族又は複素環式芳香族アルデヒドは、反応条件下で不活性な基、例えばフェニル、フェノキシ若しくはインドリル基などの任意で置換されるアリール又はヘテロアリール基、ハロゲン、ヒドロキシ、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ、C〜C−アルキルチオ、エーテル、アルコール、カルボキシルエステル、ニトロ若しくはアジド基で、非置換又は置換される可能性がある。
好ましい脂肪族アルデヒドの例は、ブタナール、2−ブテナール、3−フェニルプロパナール、ヒドロキシピバルアルデヒドなどである。
芳香族又は複素環式芳香族アルデヒドの例は、ベンズアルデヒド及び様々に置換されたベンズアルデヒド、例えば、2−クロロベンズアルデヒド、3−クロロベンズアルデヒド、4−クロロベンズアルデヒド、3,4−ジフルオロベンズアルデヒド、3−フェノキシベンズアルデヒド、4−フルオロ−3−フェノキシベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド、メトキシベンズアルデヒド、さらにフルフラール、メチルフルフラール、アントラセン−9−カルバルデヒド、フラン−3−カルバルデヒド、インドール−3−カルバルデヒド、ナフタレン−1−カルバルデヒド、フタルアルデヒド、ピラゾール−3−カルバルデヒド、ピロール−2−カルバルデヒド、チオフェン−2−カルバルデヒド、イソフタルアルデヒド若しくはピリジンアルデヒド、チエニルアルデヒドなどである。
ケトンは、カルボニル炭素原子が様々な置換基を有する、脂肪族、芳香族又は複素環式芳香族ケトンである。脂肪族ケトンは、飽和又は不飽和の直鎖、分岐若しくは環状ケトンを指す。このケトンは、飽和又は一価不飽和又は多価不飽和である可能性がある。これらを、反応条件下で不活性な基、例えばフェニル若しくはイノリル基などの任意で置換されるアリール又はヘテロアリール基、ハロゲン、エーテル、アルコール、カルボキシルエステル、ニトロ若しくはアジド基で非置換又は置換される可能性がある。
芳香族又は複素環式芳香族ケトンの例は、アセトフェノン、インドリルアセトンなどである。
本発明に適するアルデヒド及びケトンは既知のものであるか、又は従来の方法で調製が可能なものである。
基質は、本発明のHNLの存在下、シアノ基供与体を用いて変換される。シアノ基供与体として、シアン化水素酸、アルカリ金属シアン化物又は一般化学式Iのシアノヒドリン
C(OH)(CN)
が適当である。
化学式I中、R及びRは、独立に、互いに水素若しくは非置換の炭化水素基であるか、あるいはR及びRが共に水素ではなく、R及びRが共に、4若しくは5のC原子を有するアルキレン基である。炭化水素基は、脂肪族又は芳香族であり、好ましくは脂肪族基である。R及びRは、好ましくは1〜6のC原子を有するアルキル基であり、非常に好ましくは、シアノ基供与体がアセトンシアノヒドリンである。
シアノ基供与体を既知の方法で調製することができる。シアノヒドリン、特にアセトンシアノヒドリンも購入することができる。
使用するシアノ基供与体は、好ましくはシアン化水素酸(HCN)、KCN、NaCN又はアセトンシアノヒドリンであって、特に好ましくはシアン化水素酸である。
さらに、シアン化水素酸を、その塩、例えばNaCN又はKCNなどの1つから反応の直前にのみ遊離することができ、不希釈又は溶解した形で反応混合液に添加することができる。
変換は、有機溶媒系、水溶液系若しくは二相の系又は縣濁液において、希釈剤を用いずに行うことができる。
本発明のHNLを含む水溶液又は緩衝液は水溶液系として使用される。
この例にはクエン酸Na緩衝液、リン酸緩衝液などがある。
有機系希釈剤として、水非混和性又はわずかに水混和性の脂肪族又は芳香族である任意にハロゲン化された炭化水素、アルコール、エーテル若しくはエステル、又はその混合物、あるいはその基質自体を使用することができる。好ましくは、メチルターシャリブチルエーテル(MTBE)、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル及び酢酸エチル又はその混合物を使用する。
さらに、本発明のHNLは、そのままで存在することができ、又は有機系希釈剤で固定化することができるが、二相系又は固定化していないHNLの縣濁液でも変換を行うことができる。
さらに、−10℃〜+50℃、好ましくは−5〜+45℃の温度で変換を行う。
反応混合液のpHは、1.8〜7、好ましくは2〜4、特に好ましくは2.5〜3.5とすることができる。
実施例1:スイートアーモンド(Prunus amygdalus)由来pahn14遺伝子のクローニング
アメリカザクラ(Prunus serotina)のmdl4遺伝子の配列相同性に基づき遺伝子特異的PCRプライマーを調製した。
「Hotstar Kit」(キアゲン社、ドイツ、ヒルデン)のマニュアルに従って、1.2Uの「Hotstar」TaqDNAポリメラーゼ(キアゲン社、ドイツ、ヒルデン)と、「鋳型」として50ngのアーモンドのゲノムDNA(Farmgold扁桃仁、バッチ番号L4532、1999年に収穫したものから分離)と、各10pmolのプライマーmandlp2f(oBT2204)及びmandlp5r(oBT2206)と、5μLのdNTP(各2mM)混合液とのすべてを1×PCR緩衝液に溶解させた50μLの混合液の中で、95℃で15分間の変性ステップを開始し、引き続きプレ増幅のために10サイクル(94℃で1分間、45℃で1分間、72℃で1分間)、特異的産物の増幅のためにさらに20サイクル(94℃で1分間、68℃で1分間、72℃で1分間)と72℃で5分間の最終インキュベーションを行い、増幅を実施した。このPCRで約2.2kbのサイズ(アガロースゲル電気泳動分析により測定された)のDNA断片を得た。このPCR産物は、「Qiaquickキット」(キアゲン社、ドイツ、ヒルデン)を用い、付属のマニュアルに従って、アガロースゲルから精製し、EcoRI切断部位を介してpBSSK(−)クローニングベクターにクローニングし、「Dye Deoxy Terminator Cycle Sequencing」キット(Applied Biosystems社、米国、カリフォルニア州、フォスタシティ)を用いて、プライマー歩行法で配列を決定した。DNA配列の5’領域及び3’領域から新しいPCRプライマーを得て、新たなPCRに使用した。このために選択した反応混合液は以下の通りである:20ngのゲノムDNA、各10pmolの2種のプライマーpamhnl4a(oBT2544)及びpamhnl4e(oBT2543)、2μLのdNTP混合液(各5mM)、1×HotstarPCR緩衝液及び1.2UのHotstarDNAポリメラーゼ(キアゲン社、ドイツ、ヒルデン)。
95℃で15分間のスッテップ後、30サイクル(94℃で1分間、60℃で30秒間、72℃で2分間)及び72℃で15分間の増幅を行った。PCR産物を、Qiaquick(キアゲン社、ドイツ、ヒルデン)カラムで二度精製し、クローン化PCR産物の配列エラーを避けるために直接的に配列を決定した。得られた全長2232塩基対のPCR断片のDNA配列のエキソンを同定し、PaHNL4アイソザイムのタンパク質配列をコード配列から得た。
oBT2204 mandlp2f:5’−ACTACGAATTCGACCATGGAGAAATCAAC−3’
oBT2206 mandlp5r:5’−CACTGGAATTCAAAGAGCAACACTTATCCACGG−3’
oBT2543 pamhnl4e:5’−AAGAGGAACACTTAGCCACG−3’
oBT2544 pamhnl4a:5’−CAACAATGTCCGCTGTAGTG−3’
実施例2:シグナル配列の置き換え
細胞内部で不完全なプロセスを受けた酵素の蓄積を避けるために、予想される成熟タンパク質(シグナルペプチドと付加されたGluAlaGluAla配列の除去後の分泌タンパク質)のN末端として2種の変異体を選択した:
A)野生型配列でも生じる、N末端アミノ酸がロイシンであるもの。これは、N−末端規則により、第1の不安定アミノ酸とみなされている(Varshavskyら、Proceedings of the National Academy of Science of the United States of America、93(22)、12142〜12149頁、1996年)。
B)N末端アミノ酸がグルタミン(変異L1Q)であるもの。これは第3の不安定アミノ酸として記述されている(Varshavskyら、1996年)。
PCR I:
サッカロミセス・セルビシエ(Saccharomyces cerevisiae)のα接合因子のシグナル配列を、鋳型pPICZB(インビトロジェン社、カリフォルニア州、サンディエゴ、Cat.No.V19520)から高度に増幅した。シグナル配列の3’末端でインビトロジェンプラスミドのEcoRI切断部位が切断されるようにPCRプライマーを構築した。これにより、EcoRI切断部位を介して、シグナル配列を含む遺伝子構築物全体を、様々なPichia発現ベクターにクローニングすることが可能になった。この目的に使用するプライマー対は、alpha11/alpha21a及びalpha11/alpha21aQであった。プライマーalpha11及びhn15α21は、EcoRI切断部位を含む。プライマーalpha21a及びalpha21aQは、成熟PaHNL5アイソザイムの5’末端をコードするDNA配列領域も含んだ。プライマーalpha21aQは、予想される成熟分泌タンパク質のN末端で変異L1Qをもたらす配列修飾を含んだ。α因子シグナル配列の末端には、Kex2切断部位及びSte13によってプロセシングを受けるGluAlaGluAla配列があった。
Applied Biosystems社(カリフォルニア州、フォスタシティ)のサーモサイクラーにおいて、50μLの混合液(10ngの鋳型、0.1μMの各プライマー、0.2mMのdNTP、5μLのPCR緩衝液、Roche社の1UのPwoポリメラーゼ)中でPCRを行った。94℃で2分間の変性ステップ後に30サイクル(94℃で30秒間、62℃で60秒間、72℃で1分30秒間)の増幅及び72℃7分間の最終ステップを続けた。
PCR II:
hnl5遺伝子を、hnl5α11/hnl5α21及びhnl5α11Q/hnl5α21のプライマー対を用いて、プラスミドpHILDPaHNL5a(BT4256)から高度に増幅した。プライマーhnl5α11及びhnl5α11Qは、α因子シグナル配列(上記)を含む断片の3’末端に対応するDNA配列領域も含んだ。プライマーhnl5α21はEcoRI切断部位を含んだ。
Applied Biosystems社のサーモサイクラーにおいて、50μLの混合液(10ngの鋳型、0.1μMの各プライマー、0.2mMのdNTP、5μLのPCR緩衝液、Roche社の1UのPwoポリメラーゼ)中でPCRを行った。94℃で2分間の変性ステップ後に30サイクル(94℃で30秒間、62℃で60秒間、72℃で3分30秒間)の増幅及び72℃で7分間の最終ステップを続けた。
オーバーラップ伸長:
PCR I及びPCR IIで得られた各産物の3μLを鋳型として使用し、同時に、合着産物を得て完成させるためのプライマーとして使用した。伸長反応は、5μLのPwoPCR緩衝液、0.2mMのdNTP及び1ユニットのPwoポリメラーゼ(Roche社、ドイツ、マンハイム)を含む45μLの混合液中で行った。この混合液を94℃で2分間加熱後、サーモサイクラーでインキュベートし、94℃で30秒間と72℃で3分間のサイクルを10サイクル行った。
PCR III:
オーバーラップ伸長の産物を、プライマーalpha11及びhnl5α21を用いて増幅した。5μlのプライマー混合液(3μLの水と各1μLのプライマーalpha11及びhnl5α21で、プライマー濃度は5μMとなる)をオーバーラップ伸長PCR混合液に添加し、その産物を20サイクル(94℃で30秒間、62℃で45秒間、72℃で4分間)で増幅した。最後に、72℃で7分間のインキュベーションを行った。PCR産物を、キアゲン社(ドイツ、ヒルデン)のQiaquick精製プロトコルにより精製し、EcoRIで切断し、ベクターpHILD2(インビトロジェン社、カリフォルニア州、サンディエゴ)にクローニングした。
プライマー配列:
oBT2835 α11:5’−tcttcgaagaattcacgATGAGATTTCCTTCAATTTTTACTGC−3’
oBT2841 α21a:5’−gaagtattggcaagAGCTTCAGCCTCTCTTTTCTCG−3’
oBT2843 α21aQ:5’−gaagtattggcttgAGCTTCAGCCTCTCTTTTCTCG−3
oBT2837 hnl5α11:5’−agagaggctgaagctCTTGCCAATACTTCTGCTCATG−3’
oBT2842 hnl5α11Q:5’−agagaggctgaagctCAAGCCAATACTTCTGCTCATG−3’
oBT2838 hnl5α21:5’−atggtaccgaattcTCACATGGACTCTTGAATATTATGAATAG−3’
伸長部分を小文字で示す。
生じたプラスミドを、pHILDPaHNL5α(BT4338)及びpHIL/PaHNL5α_L1Q(BT4339)と呼んだ。インビトロジェンの標準法により、Picha pastorisへの形質転換を行った。
滅菌した爪楊枝を用いて、各試験当たり、約2000の形質転換細胞を深底培養プレート(Deep well culture plate)に接種し、活性型の形質転換細胞をスクリーニングするために培養した。
実施例3:Picha pastoris形質転換細胞の培養及びPaHNL5変異体の生成
a)深底プレートにおけるミクロ培養
2mLの深底プレート中の250μLのBM0.5G培地(0.2Mリン酸化カリウム、pH6.0、13.4g/Lの酵母窒素ベース、5g/Lのグリセロール、0.8mg/Lのビオチン)に形質転換体の単一コロニーを接種し、28℃、340rpmで振とうした。60〜70時間後に、250μLのBMM2培地(0.2Mリン酸化カリウム、pH6.0、13.4g/Lの酵母窒素ベース、20mL/Lのメタノール、0.8mg/Lのビオチン)を添加することにより、AOX1プロモータを介した発現誘導を行った。10、24及び48時間後に、その都度、50μLのBMM10(0.2Mリン酸化カリウム、pH6.0、13.4g/Lの酵母窒素ベース、100mL/Lのメタノール、0.8mg/Lのビオチン)を添加することにより、さらなるメタノールの添加を行った。
誘導の約72時間後に細胞を遠沈させ、培養液上清を直接使用し、希釈し、あるいは、酵素活性の測定のために、ザルトリウス社(ドイツ、ゲッティンゲン)のビバスピン(Vivaspin)30kDa除去メンブレンで限外濾過することにより濃縮した。
b)振とうフラスコにおける「スケールアップ」
バッフル付きの2リットルフラスコ中の225mLのBM0.5G培地(0.2Mリン酸化カリウム、pH6.0、13.4g/Lの酵母窒素ベース、5g/Lのグリセロール、0.8mg/Lのビオチン)に大量の単一コロニーを接種し、28℃、120rpmで振とうした。60〜70時間後に、25mLのBMM10培地(0.2Mリン酸化カリウム、pH6.0、13.4g/Lの酵母窒素ベース、100mL/Lのメタノール、0.8mg/Lのビオチン)を添加することにより、AOX1プロモータを介した発現誘導を行った。10、24及び48時間後に、さらに振とうフラスコ(250mL)当たり2.5mLのメタノールを添加した。
誘導の約72時間後に、細胞を遠沈させ、培養液上清を直接使用し、希釈し、あるいは、酵素活性の測定のために、30kDa除去メンブレンで限外濾過することにより濃縮した。
実施例4:部位特異的突然変異誘発
ストラタジーン社のQuik Change XL Site Directed Mutagenesis Kit(カタログ番号 #200516)を用いて、10ngの発現プラスミドpHILDPaHNL5α_L1Q(α因子シグナル配列を有するPaHNL5)を突然変異誘発反応の鋳型として使用した。突然変異誘発用のプライマーは、それぞれ200ngをこの反応に使用した。以下の温度プログラムを使用した:
A)95℃で1分間の変性
B)95℃で50秒間、60℃で50秒間及び68℃で20分間を18サイクル
C)68℃で7分間の伸長。
キットのプロトコルに記載される通りに、鋳型DNAをDpnIで消化し、その混合液の2μLを、形質転換用ウルトラコンピテント大腸菌XL10ゴールドセルに記載されている通りに使用した。プラスミドDNAを形質転換体から調製し、配列決定を行った。コーディングDNAを挿入した領域に正しい配列を有する変異体由来のプラスミドを複製し、インビトロジェン社の標準法により、Picha pastoris GS115に形質転換した。
数百のヒスチジン−独立栄養Pichia形質転換細胞を、上述の通りに深底プレートで培養し、培養液上清の活性を、ラセミ体のマンデロニトリルを用いて96穴プレートで測定した。その都度、個々の変異体の最も高い酵素活性を有するクローンを、振とうフラスコ試験のために選択した。培養液上清の酵素活性を、基質のマンデロニトリル(DSM Fine Chemicals社、オーストリア、リンツ)を用いて測定した。
以下の突然変異を起こした:
A111G、A111L、A111V、F72A、L331A及びL343A、並びに比較試験としてV317A及びV317G。
部位特異的突然変異誘発のためのPCRプライマー:
oBT2966 oPaHNL5A111Gf:
5’−GTGGCACGACCATAATCAATGGAGGCGTCTACGCCAGAGCTAAC−3’
oBT2967 oPaHNL5A111Gr:
5’−GTTAGCTCTGGCGTAGACGCCTCCATTGATTATGGTCGTGCCAC−3’
oBT3080 oPaHNL5A111Lf
5’−GCACGACCATAATCAATGCTTGCGTCTACGCCAGAGCTAAC−3’
oBT3081 oPaHNL5A111Lr
5’−GTTAGCTCTGGCGTAGACGCAAGCATTGATTATGGTCGTGCCAC−3’
oBT3078 oPaHNL5A111Vf
5’−GTGGCACGACCATAATCAATGGTTGCGTCTACGCCAGAGCTAAC−3’
oBT3079 oPaHNL5A111Vr
5’−GTTAGCTCTGGCGTAGACGCAACCATTGATTATGGTCGTGCCAC−3’
oBT2983 oPaHNL5V317(A,G)f:
5’−TCCAATTGAAGCCTCTGTTGSAACTGTTTTAGGCATTAGAAGTG−3’
oBT2984 oPaHNL5V317(A,G)r:
5’−CTAATGCCTAAAACAGTTSCAACAGAGGCTTCAATTGGATTTGG−3’
oBT3017 oPaHNL5F72Af:
5’−CACGTTGACTGCAGATGGGGCTGCATATAATCTGCAGCAACAAG−3’
oBT3018 oPaHNL5F72Ar:
5’−CTTGTTGCTGCAGATTATATGCAGCCCCATCTGCAGTCAACGTG−3’
oBT3019 oPaHNL5L343Af:
5’−CCACTCCACCCTTTAGTGCTTTTCCTACAACATCTTACCCCCTC−3’
oBT3020 oPaHNL5L343Ar:
5’−AAGATGTTGTAGGAAAAGCACTAAAGGGTGGAGTGGAAAATGGC−3’
oBT3021 oPaHNL5L331Af:
5’−AGTGATTATTATCAAGTTTCTGCCTCAAGCTTGCCATTTTCCAC−3’
oBT3022 oPaHNL5L331Ar
5’−GGAAAATGGCAAGCTTGAGGCAGAAACTTGATAATAATCACTTC−3’

S=G又はC
実施例5:「コロニーPCR」による配列のチェック
Pichia形質転換の間又は株の選択の間に誤りが起こったかどうかをチェックするために、インテグレートされた突然変異HNL5遺伝子をPCRで増幅し、発生した突然変異の領域について配列決定を行った。
この目的で、単一コロニーを0.5mLの水に懸濁し、95℃で30分間ボイルした。その後、この混合液を、卓上遠心機において13500rpmで1分間遠心分離した。その上清の5μLを突然変異hnl5遺伝子のPCR増幅のための鋳型として使用した。50μL容量の完全混合液は、さらに、各0.2mMのプライマーoBT2907及びoBT2908a、0.2mMのdNTP、1×Hotstar(キアゲン社)PCR緩衝液及び2.5UのHotstarDNAポリメラーゼを含んだ。3段階PCRは、下記のステップの通りに行った:
95℃で15分間を1回、その後、94℃で30秒間、55℃で1分間及び72℃で2.5分間を30サイクル、最後に72℃で10分間を1回。
DNAの配列決定のために十分な材料を得るために、増幅後、このPCR混合液の3μLを、再増幅用の鋳型として使用した。反応条件は、最初の増幅の場合と同じであった。この再増幅のPCR産物は、Quigen社のQiaquick法により二度精製した後、配列決定に使用した。
oBT2907:5’−GCAAATGGCATTCTGACATCC−3’
oBT2908a:5’−GACTGGTTCCAATTGACAAGC−3’
PaHNL5変異体を発現する形質転換体を分離し、突然変異領域をコロニーPCR法による配列決定によりチェックした。
表1は、変異体の各発現株の概要を示す。
Figure 2006520201
実施例6:スイートアーモンド(Prunus amygdalus)酵素変異体の精製及び特徴付け
各発現クローンを有する数種の振とうフラスコ培養を行うことにより、様々な基質を有するそれぞれの変異体の特異的活性を測定した。ザルトリウス社(ドイツ、ゲッティンゲン)の20mLビバスピン(Vivaspin)PES濃縮カラムを用いて、培養液上清を限外濾過(30kDaカットオフ)により濃縮し、クロマトグラフィーで精製した。
精製前に、濃縮された培養液上清は、30kDa限外濾過遠心分離モジュール(ビバスピン(Vivaspin)、ザルトリウス社)の中で、結合バッファーA(20mM クエン酸−リン酸緩衝液、pH5.5)を用いた希釈と濃縮を反復することにより、低塩結合バッファーAで平衡化し、アマシャムバイオサイエンスUKリミテッド(グレートブリテン、バッキンガムシャー州)のAKTAピュリファイア10FPLCシステムにおけるカラム容量10mLのQ−Sepharose Fast Flow(QFF)陰イオン交換カラムで精製した。ピキア・パストリス(Pichia pastoris)の異種産生物由来の様々なPaHNL5変異体は、以下の勾配プロファイルにより、溶出バッファーB(20mM クエン酸−リン酸緩衝液+1M NaCl、pH5.5)で溶出した:
洗浄ステップとして、1カラム体積が、すべての非結合タンパク質成分を洗い出すのに理想的であるとわかった。バッファーB(溶出バッファー:20mM クエン酸−リン酸緩衝液、1M NaCl、pH5.5)の濃度は、0.5カラム体積で4%に上げ、その後、さらに1カラム体積で48%に上げた。次のステップで、この場合、1カラム体積を使用して、溶出バッファーB濃度を70%に上げた。
最後に、その濃度は、1カラム体積で最大100%に上げ、最終的に、さらに1カラム体積放置した(分画しない洗浄ステップ)。
クロマトグラムの評価によりタンパク質(ピーク位置により)を含むはずであるこれらのフラクションは、バイオラッド(カルフォルニア州、ハーキュリーズ)プロテインアッセイ(ブラッドフォード法)を用いてタンパク質含量が測定され、基質のマンデロニトリルを用いて酵素活性が測定された。最も高い活性を有する2〜3のフラクションをプールして、酵素の特徴を分析するのに使用した。バイオラッド(カルフォルニア州、ハーキュリーズ)プロテインアッセイ(ブラッドフォード)を用いて、タンパク質濃度を測定した。キャリブレーション線の作成に使用される標準品は、シグマ社の天然PaHNL(M−6782、Lot 41H4016)であった。
培養液上清を、クロスフロー濾過により〜20倍に濃縮し、その後、クロマトグラフィーで精製した。精製した酵素から試料を得て、ゲル(プロテインゲルNuPAGE4〜12%ビスゲル 1mm×17ウェル、インビトロジェン社)に直接ロードするか、又は〜500ngを、エンドグリコシダーゼH(#P0702L、NEB社)で(提供される手順に従って)脱グリコシル化した後、ロードした。使用した標準品は、インビトロジェン社(米国、カールズバッド)の「SeeBlue Plus2 Pre−Stained Standard」であった。
基質特異性を比較するために、バイオラッドプロテインアッセイ(カルフォルニア州、ハーキュリーズ)を用いて、精製酵素のタンパク質濃度及び培養上清のタンパク質含量を測定し、特異的活性を光度的にラセミ体マンデロニトリルと比較し、GCにより2−クロロベンズアルデヒド、3−クロロベンズアルデヒド及び4−クロロベンズアルデヒドと比較した:
この目的のために、15mmolの基質を2.1mLのターシャリ−ブチルメチルエーテル(MTBE)に溶解させた。0.25mgの適当なPaHNLを、最終量が3.7mLになるようにpH3.4の50mM K2HPO4/クエン酸緩衝液で希釈し、この緩衝液を再度、pH3.4に調節した後、20mLのガラスバイアル瓶の中でMTBE中の基質と混合した。この溶液を10℃に冷却し、シリンジでHCNを1.2mL添加し、10℃でマグネチックスタラーにより攪拌して、縣濁液を形成させた。様々な時間で試料を得て、ピリジン及びジクロロメタンの存在下で無水酢酸を用いて誘導体化させ、シクロデキストリンカラム(CP−Chirasil−Dex CB)においてGCで分析するか、又はHPLCで分析した。
Figure 2006520201

n.d. 測定されず
WT:天然植物性のシグナル配列で発現されるPaHNL5
αWT:S.cerevisiaeのα接合因子プレプロリーダー(preproleader)、EAEA配列及びL1Q変異を有するPaHNL5
A111G:付加A111G変異を有するαWT
V317G:付加V317G変異を有するαWT(比較試験)
この測定により、基質の(R)−2−クロロマンデロニトリルを用いたA111G変異体の特異的活性が、組換え野生型WT及びPaHNL5のαWTアイソザイムに関する活性より約3〜5倍高いことが明らかになった。3−クロロベンズアルデヒドにおける活性も、αWTよりもA111G変異体で高かった。
実施例7:変異体A111Gの調製
パイロット変換に十分な量の酵素を、パイロット発酵において、改良クローンPicha pastoris GS115 pHILDPaHNL5alpha_L1Q、A111G(=BT2621)から調製した。
250mLのBMG培地をそれぞれ含む(標準インビトロジェンプロトコルに従って)、8個のバッフル付きフラスコ(2Lワイドネック)に、細胞株ピキア・パストリス(Pichia pastoris) GS115pHILDPaHNL5alpha_L1Q、A111Gの単一コロニーを接種し、28℃で36時間振とう(120rpm)した。20リットルに対応する量の試薬1〜9と脱イオン水で、全体重量を15kgにし、40Lバイオリアクター(MBR社、スイス、オフトリンゲン)に入れた。in situ滅菌を行い、滅菌注入ポンプを介して、28%アンモニアで培地のpHをpH5.0に調節した。その後、濾過滅菌した200mLの「微量元素溶液」(ビタミンH−ビオチンと共に)を、注入ボトルを介してバイオリアクターに入れた。発酵が終わるまで、2日ごとに、さらなる200mLの「微量元素溶液」を添加した。振とうフラスコでの前培養液1.4kgを接種に用いた。発酵槽の初期重量は約15kgであった。運転温度が28℃、通気速度が10〜30リットル通気/分、攪拌速度が350rpmと700rpmの間であり、酸素分圧(pO2)は飽和濃度の10%を超える値に維持した。27時間後、このバイオマスは、細胞湿重量値が122.8g/L、又は細胞乾燥重量(CDW)が30g/Lまで増殖した。この時間を超えると、約70gの滅菌グリセロールを1時間に少しずつ添加した。この増殖の直線位相時には、バイオマス濃度を60時間でCDW100g/Lの域に到達することが可能であった。
その後、メタノールを添加して発現を誘導することにより第3の段階を始めた。この場合、培養ブロスのメタノール含有量を0.8〜1重量%の値に調節した。発酵中に酸素消費量が上昇するので、その都度、メタノール(0.8〜1重量パーセント)をあらためて添加した。約12時間ごとに発酵槽から得た試料の培養液上清の活性を光度測定することにより、酵素活性の上昇を追跡した。210時間のメタノール誘導後、酵素活性の上昇は非常に小さくなり、4000gで20分間の遠心分離を二度行うことにより細胞を集め、培養液上清を回収した。遠心分離後の培養液上清の酵素活性は、3.3U/mL(ラセミ体マンデロニトリルを用いる標準的なHNLアッセイ)であり、発酵槽14.3kgからの培養液上清約6.5リットルの産出量全体に対し、約22000Uの酵素が生産された。
0.2μクロスフロー濾過(ドイツ、ゲッティンゲンのザルトリウス社のVIVASCIENCE Vivaflow50)により、残りの細胞材料から上清を精製した。ザルトリウス30kDa 50cm2カットオフモジュールを用いたクロスフロー濾過で濃縮した。このようにして、シアノヒドリン合成におけるパイロット試験のために、24.5U/mL及び57U/mLの酵素調製液を調製した。ピキア・パストリス(Pichia pastoris)は培養液上清に自身のタンパク質のいずれもほとんど分泌しないため、このようにして作成及び濃縮された酵素はまた、植物の酵素調製に比べて非常に純粋であった。
以下の試薬が、培養培地を調製するために使用された(リットル当たりの量):
1.85% オルト−リン酸 35mL
2.CaSO 0.68g
3.KSO 18.8g
4.MgSO・7HO 13.4g
5.KOH 5.7g
(試薬1から5は分析用品質)
6.グリセロール、工業用品質 50mL
7.脱イオン水、導電率5.5〜9.1μS/cm
8.消泡剤10% Acepol 83E(Carl Becker Chemie GmbH社、ドイツ、ハンブルグ) 1mL
9.25% アンモニア、工業用品質 70g/L
微量元素及びビタミンH(すべて分析用品質の試薬):
10.ビオチン 0.8mg
11.CuSO・5HO 24.0mg
12.KI 0.32mg
13.MnSO・HO 12.0mg
14.NaMoO・2HO 0.2mg
15.HBO 0.08mg
16.CoCl 2.0mg
17.ZnSO・7HO 80mg
18.Fe(II)SO・7HO 260mg
実施例8:ベンズアルデヒド及び2−クロロベンズアルデヒドを用いた調製変換
リアクターで150mmolの基質を変換することにより、調製合成時の酵素特性を分析した。
150mMの基質を21mLのMTBEで希釈又は溶解した。5mgの「PaHNL5alpha_L1Q、A111G」酵素(A111G変異体)を、容量37.5mLになるまで、pH3.4の50mM K2HPO4/クエン酸で希釈し、10%濃度のクエン酸でpH3.4に調節した。この水相を有機相に添加し、100mLのSchmizo KPGスタラーで5分間攪拌した。温度を10℃で維持し、1時間、灌流ポンプを用いてHCNを測定した。10℃、900rpmで反応物を攪拌した。試験のために、反応溶液を140mLのMTBEで希釈し、5分間攪拌し、10分後に相を分離させた。再度、水相をMTBE40mLで抽出した。自然に相分離させた後に、有機相を集め、クエン酸で安定化させ、エバポレートした。上述の通りにGC分析を行った。
7時間後、この変換で95.7%のeeを含む95.1%の2−クロロベンズアルデヒドシアノヒドリンが産生し、99%を超える量のeeを含む99%を超えるマンデロニトリルが産生した。
実施例9:低pHにおける酵素安定性
市販の扁桃仁由来の天然PaHNLの酵素試料(シグマ社)及びA111G変異体を1:70に希釈した後に、ラセミ体マンデロニトリルを用いた標準的なHNLアッセイにより280nmにおける活性の光度測定において、約100mODの増加が期待されるまで、pH6.5の50mM クエン酸−リン酸緩衝液で希釈した。この希釈液の150μLを、適切にpHを調節しながら、900μLの0.1Mのリン酸緩衝液に移し(1:7希釈)、22℃でインキュベーションした後の様々な時間に、この希釈液の100μLを活性測定に使用した(酵素溶液100μL、pH5.0の1M リン酸−クエン酸緩衝液700μL、pH3.5の3mM クエン酸−リン酸緩衝液中の60mM マンデロニトリル200μL)。市販の扁桃仁由来の天然PaHNL(シグマ)と比較した場合における、pH2.6における変異体PaHNL5 alpha_L1Q、A111G(A111G)のpH安定性は、図1から明らかである。
変異体PaHNL5 alpha_L1Q、A111G(A111G)が、市販の扁桃仁由来の天然PaHNLに比べて低pHで非常に良好な安定性を示した図である。

Claims (11)

  1. 改良された基質受容性と、増加した安定性と、を有するバラ科植物由来R−ヒドロキシニトリルリアーゼであって、
    前記R−ヒドロキシニトリルリアーゼの活性中心において、
    a)アラニン残基がグリシン、バリン、ロイシン、イソロイシン若しくはフェニルアラニンで置換されているか、又は、
    b)フェニルアラニン残基がアラニン、グリシン、バリン、ロイシン若しくはイソロイシンで置換されているか、又は、
    c)ロイシン残基がアラニン、グリシン、バリン、イソロイシン若しくはフェニルアラニンで置換されているか、又は、
    d)イソロイシン残基がアラニン、グリシン、バリン、ロイシン若しくはフェニルアラニンで置換されていること、
    を特徴とするR−ヒドロキシニトリルリアーゼ。
  2. 前記R−ヒドロキシニトリルリアーゼの活性中心において、
    アラニン残基がグリシン、バリン、若しくはロイシンで置換されているか、又は、
    フェニルアラニン残基がアラニン、ロイシン若しくはグリシンで置換されているか、又は、
    ロイシン残基がアラニン、グリシン若しくはフェニルアラニンで置換されていること、
    を特徴とする請求項1に記載のR−ヒドロキシニトリルリアーゼ。
  3. スイートアーモンド(Prunus amygdalus)、ブラックチェリー(Prunus serotina)、セイヨウバクチノキ(Prunus laurocerasus)、カタリーナチェリー(Prunus lyonii)、アプリコット(Prunus armaniaca)、モモ(Prunus persica)、セイヨウスモモ(Prunus domestica)若しくはリンゴ(Malus communis)由来のR−ヒドロキシニトリルリアーゼ及びこれらの組換えR−ヒドロキシニトリルリアーゼ、又は
    活性中心に通じる疎水性チャネル内の1つ又は複数の嵩高いアミノ酸残基をより嵩の低いアミノ酸残基に置換している該R−ヒドロキシニトリルリアーゼのトンネル変異体、
    の活性中心において前記置換を行うこと、
    を特徴とする請求項1に記載のR−ヒドロキシニトリルリアーゼ。
  4. 修飾される前記R−ヒドロキシニトリルリアーゼが、完全な配列の形状又は第一アミノ酸の交換によって修飾された配列の形状若しくは前記第一アミノ酸の欠失により切断された配列の形状、又はさらなるアミノ酸の付加により伸長した配列の形状、であること、
    を特徴とする請求項1に記載のR−ヒドロキシニトリルリアーゼ。
  5. 活性中心における前記変異の前に、天然又は植物性のシグナル配列が、サッカロミセス・セルビシエ(Saccharomyces cerevisiae)由来α接合因子のシグナル配列、サッカロミセス・セルビシエ(Saccharomyces cerevisiae)転化酵素、ピキア(Pichia)キラー毒素シグナル配列、α−アミラーゼ、ピキア・パストリス(Pichia pastoris)の酸ホスファターゼ、インゲン豆(Phaseolus vulgaris)凝集素; アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)由来グリコアミラーゼシグナル配列、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)由来グルコースオキシダーゼシグナル配列、ピキア・パストリス(Pichia pastoris)由来Sec10シグナル配列、クリベロマイセス・ラクティス(Klyveromyces lactis)由来キラー毒素の28kDサブユニットのシグナル配列若しくは牛血清アルブミン(BSA)シグナル配列、又はこれらの組換えシグナル配列若しくは点変異を有する前記シグナル配列の1つ、で置換されること、
    を特徴とする請求項1に記載のR−ヒドロキシニトリルリアーゼ。
  6. 部位特異的突然変異誘発と、それに引き続く、ピキア・パストリス(Pichia pastoris)、サッカロミセス・セルビシエ(Saccharomyces cerevisiae)若しくは大腸菌(Escherichia coli)、枯草菌(Bacillus subtilis)、クリベロマイセス・ラクティス(Klyveromyces lactis)、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)、ペニシリウム・クリソゲナム(Penicillium chrysogenum)、ピキア・メタノリカ(Pichia methanolica)、ピキア・ポリモルファ(Pichia polymorpha)、ピキア・アノマラ(Pichia anomala)、又はシゾサッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)の群に属する微生物での分泌発現により調製されること、
    を特徴とする請求項1に記載のR−ヒドロキシニトリルリアーゼ。
  7. スイートアーモンド(Prunus amygdalus)、セイヨウスモモ(Prunus domestica)若しくはブラックチェリー(Prunus serotina)由来の天然R−ヒドロキシニトリルリアーゼの活性中心、又はそれぞれが活性中心に通じる疎水性チャネルに任意に変異を有し得るPdHNL1、PaHNL1、PaHNL2、PaHNL3、PaHNL4若しくはPaHNL5の群由来の組換えR−ヒドロキシニトリルリアーゼの活性中心で前記置換を行うこと、
    を特徴とする請求項1に記載のR−ヒドロキシニトリルリアーゼ。
  8. 活性中心に通じる疎水性チャネルに任意に変異を有し得る、組換えR−ヒドロキシニトリルリアーゼPaHNL5の活性中心において、
    a)アラニン残基が位置111でグリシン、バリン若しくはロイシンで置換されていること、又は、
    b)フェニルアラニン残基が位置72でアラニン若しくはロイシンで置換されていること、又は、
    c)ロイシン残基が位置331若しくは343でアラニン若しくはグリシンで置換されていること、
    を特徴とし、
    請求項4又は5に記載した変更によりそれに応じて位置を変えることが可能である、
    請求項1に記載のR−ヒドロキシニトリルリアーゼ。
  9. エナンチオピュアなR−シアノヒドリン又はS−シアノヒドリンを調製する、請求項1〜8のいずれか一項に記載のR−ヒドロキシニトリルリアーゼの使用。
  10. エナンチオピュアなR−シアノヒドリン又はS−シアノヒドリンを調製する方法であって、
    −10℃〜+50℃及びpH1.8〜pH7で、
    有機溶媒系、水溶液系若しくは二相の系で、又は縣濁液中であるいは希釈せずに、
    シアノ基供与体の存在下、
    脂肪族、芳香族若しくは複素環式芳香族アルデヒド又はケトンを請求項1〜8のいずれか一項に記載のR−ヒドロキシニトリルリアーゼで変換すること、
    を特徴とする方法。
  11. エナンチオピュアなR−シアノヒドリン又はS−シアノヒドリンを調製する方法であって、
    嵩高い置換基を有する脂肪族、芳香族若しくは複素環式芳香族アルデヒド又はケトンを、活性中心でアミノ酸のアラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン又はフェニルアラニンのいずれか1つをより小さなアミノ酸残基でそれぞれ置換した請求項1〜8のいずれか一項に記載のR−ヒドロキシニトリルリアーゼで変換すること、
    を特徴とし、かつ、
    小さな置換基を有する脂肪族、芳香族若しくは複素環式芳香族アルデヒド又はケトンを、活性中心でアミノ酸のアラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン又はフェニルアラニンのいずれか1つをより大きなアミノ酸残基でそれぞれ置換した請求項1〜8のいずれか一項に記載のR−ヒドロキシニトリルリアーゼで変換すること、
    を特徴とする方法。
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