現在の背景技術に関して提示された解決策は、以下で説明する技術的な問題に起因する複数の不都合を有する。
PODRAZHANSKYの特許に採用された複数の波形ならびに個々の充電および放電パルスは、最初は減極パルスと再充電パルスとして考えられ、最近はバイポーラ波形として考えられたことで、PODRAZHANSKYに、再充電用に従来の2極蓄電池を使用させ続けた。この代替策は、蓄電池の充電においても放電においても、より良好な性能を得ることができない。また、エネルギーを発生させることもできない。
PETROVICによって採用された波形は、充電と放電が長期間にわたり、鉛酸バッテリ(lead acid battery)を再充電するのに、約1から2.5時間かかる。PODRAZHANSKYが再充電用に従来の2極蓄電池を使用し続けたのと同様に。しかし、これは、蓄電池の充電においても放電においても、より良好な効率を可能にしない。また、エネルギーを発生させることもできない。
GLEITER他は、サイエンスマガジン(Science Magazine)の論文において、スポンジ状電極(spongeous electrode)の再充電および放電が、金属に可逆弾性変形(reversible elastic deformation)を生じさせることを立証したが、そのことを、バッテリもしくは蓄電池プロセスに、または鉛酸バッテリなどにおけるスポンジ状電極の金属の弾性メカニズムに関連づけなかったことを指摘しておくことは重要である。さらに、GLEITERは、自らの特許で、ただ1つの電極、1つの浸透性多孔層(permeable porous layer)、1つの電解物、および電圧印加手段を採用した。これまでのところ、ただ1つの電極の使用は、零点エネルギーからのエネルギー発生という結果を生んでいない。
THIMOSHENKOもやはり、殻がより薄くなった場合の実験と理論の不一致という技術的問題に対する解決策を示しておらず、直径対厚み比(D/t)のすべての値について得られた軸圧縮と比較した場合に40%の増加を示す純粋な曲げの臨界応力の産業上の利用可能性を見つけていない。しかし、重大な問題は、温度を一定とした場合に、自由電子ガス(free electron gas)が物質の寸法変形の原因となるか、またはその反対が生じることなしに、金属が、臨界応力などの内在的な特性を変化させることができないことである。話を戻すと、TIMOSHENKOも、他の研究者たちと同様に、零点エネルギーからのエネルギー発生について、実用的な利用可能性を見つけていない。
PUTHOFFによって説明され、公開された研究および特許もやはり、零点エネルギーの使用が望ましい産業上の利用可能性を示しておらず、PUTHOFFに「突き破るべき予見し得ない突破口がまだ存在している」と結論させた。例えば、PINTOの特許は、大きな規模でカシミール効果を用いるのに必要となる極板を製造するための技術的限界のせいで、より大きな零点エネルギーを発生させることができない。これまでのところ、説明したように、これは、バッテリプロセスに関係しない。
これらの関連問題およびその他の制約のため、今日利用可能なエネルギー発生器は、通常のエネルギーを変換し得るだけという不都合を有する。水力発電および化石燃料のエネルギー源は、コストが高いうえ、環境に甚だしい悪影響を及ぼし、核エネルギーは、高い発電コストと、過去数10年の間に世界中の報道機関によって報道された大災害の結果として認め得るきわめて大きな操業リスクのため、エネルギー源としては退潮にあり、風力エネルギー、潮汐エネルギー、太陽電池、および燃料電池は、保証された無制限のエネルギーの発生には高いコストがかかる。
そのため、背景技術で説明した解決策は、零点エネルギー(ZPE)からのエネルギーの発生を可能とし得ない多くの技術的問題をまだ有している。すべての利用可能な蓄電池は、充電および放電プロセスが非可逆的であるので、基本的にはエネルギー消費物であり、すなわち、実際にはエネルギー放散物(energy dissipater)である。それに加えて、バッテリおよび蓄電池の寿命に限りがあるため、発生する有毒な廃棄物が、大きな環境問題の原因となる。
本発明は、光と物質の相互作用によって自由電子ガスに関する熱ポテンシャルを生みだす引張および圧縮プロセスを受ける金属の表面積と質量との比が大きい金属製貯蔵体(metallic reservoir)の発展的な構成によって関連技術問題を解決するための、量子発電器および付属装置を開示する。この相互作用は、実用とするのに必要なエネルギーを零点エネルギーから発生させる。
量子発電器および付属装置は、最初、第1モードの量子発電器と命名された基本構成によって表される。これは、外部の引張下金属殻(under tension metallic shell)を内部の圧縮下金属殻(under compression metallic shell)に誘電体で絶縁されたボルトとナットによって結合することによって構成され、支配的な光電プロセス(photoelectric process)によってエネルギーを発生させる。
量子発電器および付属装置は、そのすべてが背景技術を克服する、第2モードの量子発電器、蓄電池用の放射再充電器、および蓄電池用の放射再充電プロセスとしてのより改良された方法で示される。これらの新しい発展的な構成は、1つのステップにおいて、一方のバッテリの1つの金属電極を引張または圧縮状態におき、同じステップにおいて、他方のバッテリの金属電極を圧縮または引張状態におくことから基本的になる新しいプロセスの完全なサイクルの半分の期間中に、放電または再充電時に2つのバッテリ間でエネルギーを発生させることを可能にする。続くステップにおいて、引張下および圧縮下にある両電極が相互接続される。
加えて、放射再充電プロセスは、従来の2極バッテリであっても寿命を大きく引き伸ばす、より効率的な再充電を可能にする。
第3モードの量子発電器は、本発明の最良の態様を表す。この新しい構成は、2つの蓄電池の間に少なくとも2つのスポンジ状(または、多孔性)の鉛板によって各々が形成された量子コンデンサ(quantum capacitor)を、全サイクルにおいて、0ケルビン(−273.15℃)から絶対作動温度(absolute operational temperature)の2倍の電子ガス熱ポテンシャルの変動内で、優先的には0ケルビン(−273.15℃)付近および600ケルビン(326.85℃)付近で作動する新しいプロセスによって統合するために開発された。
第3モードの量子発電器は、第2モードの量子発電器および蓄電池用の放射再充電器で採用された発電ステップだけを関連づけ、サイクルの4つのステップの各々でエネルギーを発生させ、顕著な性能の向上を可能にする。
技術者が、適切な動作性能を有する複数の説明した構成で本発明を容易に再現できるようにするには、量子発電器および付属装置のすべての態様およびパラメータについて考察する必要がある。
最初に、300K(26.85℃)の外界温度において、引張下にある金属が体積を増し、圧縮下にある金属が体積を減らすことを考察することが不可欠であり、その際、以下の記号を用いる。
したがって、体積の各立方メートルは、引張下では(1−2νε+ε)立方メートルに増加し、圧縮下では(1+2νε−ε)立方メートルに減少する。
一方で、圧縮下にある金属は、容積内の自由電子濃度(free electron concentration)およびそのフェルミエネルギー(Fermi energy)が増し、引張下にある金属は、容積内の自由電子濃度およびそのフェルミエネルギーが減り、この様子は次式で表される。
ただし、上記の式では、以下の記号を用いた。
電子は、フェルミエネルギー準位に達するまでは、パウリの排他原理(Pauli exclusion principle)に従って、状態ごとに2つの電子が存在するように、利用可能なエネルギー状態を満たすという事実のため、フェルミエネルギーは、容積内の自由電子濃度の増加に伴って増加する。
フェルミ−ディラック分布(Fermi−Dirac distribution)f(U)によれば、図2に示すように、与えられたエネルギー状態Uにおいて電子が見つかる確率は、次式によって計算される。
任意の与えられた温度T>0Kにおけるエネルギー状態Uに対するf(U)のグラフによれば、UがEFに等しいとき、電子が見つかる確率f(U)は、図2に示すように、50%である。
フェルミ−ディラック分布における最も際立った変化は、高いフェルミエネルギーの周辺で生じ、温度によって、または引張下または圧縮下にある物質に生じる単位縦歪みによって引き起こされる。
図2は、フェルミエネルギーより高いエネルギー準位をもつ状態のうちのごくわずかな割合が占有され、フェルミエネルギーより低いエネルギー準位のうちの同じわずかな割合が占有されないことを示している。
この割合をフェルミエネルギーよりわずかに高いエネルギー準位に制御して励起することは、一方の殻を圧縮することで得られるが、高い直径対厚み比によって増加する他方の殻の引張によって得られるフェルミエネルギーよりわずかに低いエネルギー準位に同じ割合の電子を励起することとともに行われる。これは、各々の殻において50%であったU=EFにおける確率f(U)が、一方の殻ではf(EF+ΔEF)に、他方の殻ではf(EF−ΔEF)になるような、励起状態の順序づけ(reordering)を可能にする。理想は、金属殻の自由電子ガスの完全な再配向(reorientation)が生じる、0に等しいf(EF+ΔEF)と、100%に等しいf(EF−ΔEF)を得ることである。
量子物理学が、フェルミエネルギーよりわずかに高いエネルギー準位および低いエネルギー準位をもつ励起電子の正確な割合は、9KT/16EFによって計算されることを示していること、また単位縦歪みが
と記述できることが実験的に検証されたことに留意されたい。殻の変形の全エネルギーは、
によって与えられ、しかも、加えられる圧縮応力σCは、引張応力σtに等しいので、したがって、σC=σt=σとなる。エネルギーは個々の応力の平方に比例するので、σ臨界 2=σ圧縮 2+σ引張 2が得られ、これはσ臨界 2=2σ2となることから、σ臨界=σ√2、すなわち、σ臨界=1.414σが得られる。
第2に、より広いスペクトル帯域における光電効果(photoelectric effect)について考察することが必要である。パッケージ(package)または光子のエネルギーEは、式E=hνにより、周波数νに関係する。光電プロセスでは、光子は、光電陰極の電子に完全に吸収される。電子が金属表面から放出されるとき、その運動エネルギーKは、K=hν−ωによって与えられる。ただし、hνは、吸収された入射光子のエネルギーであり、ωは、金属から電子を引き離すのに必要な仕事に等しい。
仕事(ω)は、表面原子の引力場(attractive field)と、内部での電子衝突に起因する運動エネルギーの喪失とに打ち克つために、費やされなければならない。いくつかの電子は、他の電子よりも強く結びついており、一部のエネルギー喪失は、その軌道上での衝突に起因する。結びつきがより弱く、内部での喪失がない場合、光電子は、最大運動エネルギーKMAX=hν−ω0をもって出現する。ただし、ω0は、仕事関数(work function)と呼ばれる金属の特性エネルギーである。これは、電子が金属表面を横切り、力学的応力が働かない通常の場合に電子を金属に拘束している引力から逃れるのに必要な最小エネルギーである。したがって、hν0=ω0であり、
なので、
が得られる。
図3に示すグラフは、複数の周波数における、ナトリウムの運動エネルギーの測定結果を示している。力学的励起のない場合の周波数の閾値は、4.39×1014Hzである。
これまで、金属中の電子は、箱内の粒子として取り扱われてきた。「エネルギーの箱」は壁が非常に高いので、電子は金属から逃れないものと暗黙的に考えられている。しかし、経験は、光電効果や熱電子放出(thermo−ionic emission)などでのように、また本特許の発明の動作を介して、電子が金属から逃れ得ることを示しており、本発明は、本特許で開示するように、自然状態にある金属のポテンシャルエネルギー関数を、適切な形状寸法(geometry)と技術の使用によって大きく拡大された表面積に関係づけられた力学的応力によって励起された金属のポテンシャルエネルギー関数に修正した。
金属内の電子の場合、エネルギー関数はほぼ一定である。金属の表面近くでは、エネルギーは急速に大きくなり、金属境界の外側で、最大定数値に達する。金属の外側での電子のポテンシャルエネルギーとして値0を割り当てた場合、−V0は、図4Aのグラフに示すように、合成ポテンシャル(resultant potential)の井戸の深さを表す。
図3のグラフに示すように、それ以下では、自然状態において、すなわち、弾性域に応力が加わらない状態において、光子が金属から電子を放出させることができないカットオフ周波数(cutoff frequency)ν0が存在するという事実によって、V0を光電体験から具体的に決定することができる。
このことは、金属表面のよりエネルギーの大きい電子が、ポテンシャルの井戸の上端より低いエネルギーhν0の閾値レベルにあることを示唆している。光子のエネルギーが閾値よりも上昇した場合に光電流が急速に増えるという事実は、金属内でよりも小さい運動エネルギーをもった電子の数が突然増加することを示している。このことは、フェルミ−ディラック分布関数と正確に対応する。よりエネルギーの大きい電子は、EFの運動エネルギーをもち、その他の多くの電子は、わずかに小さなエネルギーをもつ。
本特許では、EFより高いエネルギーに励起されることによって、ポテンシャルの井戸の上端より低いhν0より小さいエネルギーを用いて、金属表面にあるエネルギーのより大きい電子を十分な量だけ得る技術が示される。
T=0K(−273.15℃)のとき、すべての状態は、井戸の底より高いエネルギー準位EFにおいて占有され、エネルギーのより大きい状態は、全エネルギー−hν0、すなわち、
を有する。
であるので、温度が300K(26.85℃)のとき、励起された電子の一部は、弾性域の応力によって達成し得るEFよりわずかにΔEFだけ高いエネルギーをもつという事実に追加される。
とすると、図4Aのグラフに示されるような、光電効果においてすでに確立された、応力の加わらない金属に関するポテンシャル関数の形式を、図4Bのグラフによる、力学的力によって生みだされた応力が加わった金属に関するポテンシャル関数に修正することが可能である。
フェルミエネルギーよりわずかに高いエネルギー準位およびわずかに低いエネルギー準位にある励起電子の割合についてのプロセスを、この操作において考慮すべき以下の特性および技術的パラメータ、すなわち、(a)温度、(b)金属原子価(metal valence)、(c)弾性応力金属状態(elastic stress metal state)、(d)金属の降伏点(yield−point)と弾性率の比σy/E、(e)直径と厚みの比D/t、(f)表面積、(g)2つの結合された金属殻における臨界圧縮応力または臨界引張応力の41.4%の増加を用いて、すなわち、第1モードの量子発電器を用いて制御することによって、零点エネルギー−ZPEを発生させるための、熱エネルギー、光エネルギー、弾性エネルギー、および電気エネルギーの相互関係による、TIMOSHENKOによって述べられた金属殻の抵抗増加についての技術的な解決策および産業上の利用可能性が見つかった。
このことから、電子ガスの質量にだけ影響を及ぼす、第1モードの発電器によって引き起こされる引張応力による0ケルビン(−273.15℃)と等価の効果が得られる。したがって、これは、すべての金属原子パーツ(metal atomic parts)が冷却される、背景技術の従来の工業的プロセスよりも効率的である。しかし、より小さな金属質量を用いても、スポンジ状の電極を使用する第2モードおよび第3モードの量子発電器では、より顕著な結果が見られる。
説明のため、また理解を容易にするため、弾性(力学的)エネルギー、熱エネルギー、および電気エネルギーは、表面積対質量比が大きい自由電子の貯蔵体(reservoir)に関係するものと定める。実用性のため、説明上の例として選択された自由電子の貯蔵体は、入手および取り扱いが容易であること、その特性が大量の文献中に容易に見つかること、また接触面積と純粋金属の活動量(active mass)の間のきわめて高い関係のために特に興味深いことなど数々の特徴のため、スポンジ状の鉛板であった。多孔性鉛板および微細結晶のいくつかの特性を以下に示す。
弾性域の限界まで多孔性鉛板を従わせるための、多孔性鉛板に関する力学的エネルギー(EM)の決定:EM=(1/2)σy 2V/E=(1/2)(12.7×106)2(7.67×10−6)/(17.4×109)=3.55×10−2J。
多孔性の鉛板からの自由電子ガスの質量(mG)を温度0K(−273.15℃)から300K(26.85℃)まで加熱するための熱エネルギーは、mG=(87/207.2)(6.02×1023)(9.11×10−31)(2)=4.61×10−7kgであり、したがって、ET=(4.61×10−7)(128)(300)=1.77×10−2Jであることにより、ほぼET=1.77×10−2Jである。そのため、これは、力学的エネルギー(EM)の半分の値に等しい。
そのため、単位縦歪み(ε)がEFよりわずかに高いエネルギーおよびわずかに低いエネルギーをもつ励起電子の割合の半分の値に等しいことをチェックするのがより容易であるのに加えて、降伏点が低いために多孔性鉛の電子ガスを配向させるのにより小さなエネルギーしか使用されないので、多孔性鉛が選択された。
酸性溶液中の多孔性鉛板の電気エネルギー(EE)の決定:温度が300K(26.85℃)の、1250kg/m3のH2SO4の水溶液に入れた、寸法が0.120m×0.140m×0.002mの陰極板によって形成される、コンデンサのエネルギー値について考察すると、キャパシタンスは、実験的に0.29Fであると決定される。これは、電子ガスの容量効果(capacitive effect)である。強酸の電解液として良導体となる誘電体を有する従来のコンデンサは存在しないので、論及する特許の目的でもある量子コンデンサについて考察していることを強調することは重要である。
上記のキャパシタンス値は、0.400sの半減時間(half−life time)をもつ、同じ電解槽(cell)内の2枚の陰極多孔性鉛板の間の放電曲線から、2枚の板の間に2Ωの抵抗チャージ(resistive charge)を用い、またリアルタイムにデジタルオシロスコープを用いて得ることができる。測定値は、式:
による近似的結果によって確証することができる。
上記の式によれば、自由電子ガスの効果によるキャパシタンスは、0.29Fであり、実験によって得られた値を良い近似で確証している。したがって、理論的および実験的に確認された電気エネルギーEEは、EE=(1/2)CEPb 2=(1/2)(0.29)(0.35)2=1.78×10−2Jとして与えられる。
したがって、電気エネルギーと熱エネルギーとは等しく、各々、力学的エネルギーの50パーセントに相当する。この点は、スポンジ状電極の質量を最適化するために、非常に重要である。
したがって、多孔性鉛電極の推定表面の電荷の放電は、0ケルビン(−273.15℃)と等価の効果を引き起こす。この放電は、より速く電子ガスの質量に影響を及ぼし、第1モードの量子発電器で採用されるプロセスよりも効率的なプロセスをもたらす。このようにして、第2モードの量子発電器、蓄電池用の放射再充電器、および第3モードの量子発電器の作成が可能になる。
5.有利な効果
本特許の量子発電器および付属装置は、金属の自由電子ガスの双配向(bi−orientation)を達成することによって、我々が住むどのような場所でも入手可能であり、コストが低く、環境への悪影響がなく、人間、植物、または動物に危害を加えるリスクがないという魅力的な利点を有する自然エネルギーを使用し、エネルギーの無制限の供給を可能にする。
上記の発明者らは誰も、量子発電器および付属装置の発明にかかる動作で採用されたような複数のエネルギー形態の相互関係の結果としてのいかなる製造物も説明せず、また特許請求もしなかったので、背景技術と比較した場合、多くの利点が存在する。この相互関係は、わけても以下に示す効果によって、技術的、経済的、および環境的利点をもった非常に大きなインパクトおよび適用範囲を有する。
複数の上記の発明者らによって放電パルスとして採用された減極パルスは、従来の蓄電池に関してさえも正しい再充電パラメータを達成することを可能としない。本特許は、電極の推定表面の電荷の放電によって制御される力学的引張パルスとして、正しい放電パルスを採用することを可能にする。この放電は、鉛の結晶格子の寸法を大きくし、結晶格子の体積変化に正しい電荷が再充電されることを可能にする。電極の結晶格子のこの体積変化は、放電時の引張状態と再充電パルスの終りに到達する圧縮状態との間に得られる。この方法は、より実用的なシステムを使用して、従来の蓄電池に関してさえも、より速く、より効率的な再充電プロセスの利点を可能にする。
記載の文献のすべてに述べられているように、唯一の蓄電池に対しては、通常の再充電システムが適用されるが、量子発電器および付属装置は、少なくとも2つの蓄電池を必要とする2以上の電解質環境(electrolyte environment)において、複数のスポンジ状の鉛電極を採用する。これら2つの蓄電池は、自由電子ガスの双配向を可能にし、一方の配向では、蓄電池の再充電器として使用され、他方の配向では、第2モードの量子発電器として使用される。第3モードの量子発電器は、前述の両方の配向を統合して(双配向)、全サイクルにわたってエネルギーを発生させるという大きな利点を有する。
本発明によって得られる環境的に有利な効果は、非常に重要である。本発明は、既存のバッテリの寿命を少なくとも4倍に延ばし、同様に、有毒な廃棄物を4分の1に減らすことを可能にする。また、廃棄されたバッテリを利用する可能性も生まれ、環境に対する本発明の重要性はさらに増す。
本発明を用いれば、実用とするのに必要なエネルギーをバッテリの放電および再充電時に零点エネルギーから発生させるために、弾性金属エネルギーも利用され、これには、より少ない材料しか消費されず、効率がより高いという利点がある。
さらに、複数の有利な効果が得られる。
ポータブルおよび固定量子エネルギー発生器は、悪天候に弱く、高価で、環境問題の原因となる送電線を不要にする。
量子発電器は、雑音が低く、機械的振動もないため、実質的に保守がいらず、寿命が長い。
熱をもったり、臭ったりすることがないので、どのような環境でも使用することができる。
オーダーが核エネルギー密度と同じか、それより大きい、どこでも入手可能な高密度エネルギー源、零点エネルギーを使用するので、他のどのようなエネルギーシステムよりもわずかの材料しか必要としない。
まとめると、この技術は、自然界に多く存在するリサイクル可能な材料を使用して、容易に広めることができる。
量子発電器および付属装置の最良の態様は、第2モードの量子発電器、蓄電池内の放射再充電器、1つのエネルギー源、および1つの逆エネルギー源(reverse energy source)の統合および関連付けによって形成され、実用に供するため、光と物質の相互作用を介して零点エネルギーを発生させる第3モードの量子発電器である。
量子発電器および付属装置の最良の態様は、0ケルビン(−273.15℃)付近の温度に相当する、引張下にある金属の表面の自由電子ガスによって発生する熱ポテンシャル、ならびに0ケルビン(−273.15℃)付近および600ケルビン(326.85℃)付近の優先温度に相当する、作動絶対温度の2倍に近い温度をもつ、圧縮金属の自由電子ガスによって発生する熱ポテンシャルを使用して、零点エネルギー−ZPEの発生を増加させる。
量子発電器および付属装置の最良の態様は、図10A、図10B、図10C、図10Dに示すように、2つの蓄電池内に配置される、2枚の多孔性鉛板によって形成される2つの量子コンデンサを統合して開発される。これは、4つの示されるステップのすべてでエネルギーを発生させる量子コンデンサとして、サイクルの4つのステップのすべてで動作する。このようにして、これは、零点エネルギーを実用に供するための蓄電池の使用によって、背景技術を克服する。
量子発電器および付属装置の最良の態様は、2つの陽極と4つの陰極の6つの電極を有する新たに設計された蓄電池に適用される。
8.発明の態様
図5に示す第1モードの量子発電器は、外部金属殻(1)と、内部金属殻(2)と、ボルトおよびナット(3)と、誘電体または絶縁体(4)と、放射エネルギーの永久転移(permanent transference)を調べる測定の基準として使用されるデジタルマルチメータ(5)とによって構成される。
金属殻(1)および(2)は、金属の降伏強度と弾性率の間の適切な関係(σy/E)に関連する、高い直径対厚み比(D/t)を有する。
ボルトおよびナット(3)は、外部金属殻(1)を引張下におき、内部金属殻(2)を圧縮下におく。ボルトおよびナット(3)と金属殻(2)の間には、双方の殻を絶縁するために、誘電体(4)が存在する。発生させた放射エネルギー電圧は、デジタルマルチメータ(5)によって調べられる。
図5に示す装置では、金属材料(1)、(2)、(3)は、同じ化学的組成を有する。さらなる試験によって、異なる化学的組成の構成要素(1)、(2)、(3)を用いても、所望の工業化を達成し得ることが確かめられた。機械的設計は、用途によって変化し得るが、実用性を別にすれば、1対のアイソレータによって両端で連結された引張された棒に接合された圧縮された殻を使用することで、より良い結果が得られる。
したがって、第1モードの量子発電器は、容易な工業化を可能にする、革新的で発展的な概念を用いた、基本形態である。この構成は、小さな面積のため、また金属表面の面積と金属質量の間の到達される小さな比のため、使用される金属(または複数の金属)の起電力によって生みだされる非常に低い電力アベイラビリティ(power availability)を有する。
第2モードの量子発電器は、第1モードの量子発電器と比較した場合に、エネルギー増加を得るために開発された。図6A、図6B、図6C、および図6Dは、本特許によって許容される変形に関する非限定的な形態で、第2モードの量子発電器を示している。これは、より高い電力を生みだし、金属質量がより小さく、同じ容積に電解槽(10)および(11)ごとに最低の数の極板をもち、以下で説明する手順に従う、第2モードの量子発電器の必須の特徴を達成する構成で、本発明の技術を実施するための実用的な方法を示している。
第1に、鉛酸バッテリの構成に使用される背景技術の周知の技法で形成される純金属の微小粒子から構成される多孔性鉛板(6)および(7)の使用によって、一定の容積をもつ自由電子貯蔵体の金属の表面積と質量の間のより高い比を達成するように、技術が選択された。本明細書に示す技術は、自由電子貯蔵体の金属の表面積と質量の間のさらに高い比を得るために、より薄い板とより小さな粒子を使用する改良を行い、エネルギー発生の効率を高めることができる。
それに加えて、電解槽(10)および電解槽(11)は、純粋な多孔性鉛によって内側が被覆されるか、または金属の接合部のない1枚の純粋な多孔性鉛板を有するべきである。
第2に、純粋な多孔性鉛によって内側が被覆されるか、または金属の接合部のない1つの純粋な多孔性鉛を有する電解槽(10)および電解槽(11)の内部の二酸化鉛板(8)および(9)と関係する多孔性鉛板(6)および(7)の物理的構成は、電源(12)の起電力によって生みだされる圧縮状態と、図示の電気抵抗(13)による放電によって生みだされる引張状態とによって、多孔性鉛板(6)および(7)内の自由電子の励起を制御することを可能にする。
電源(12)および電気抵抗(13)は、以下で説明するように、図6A、図6B、図6C、図6Dに示す、2枚の鉛板(6)および(7)と、2枚の二酸化鉛板(8)および(9)とを、電解槽(10)および電解槽(11)の内部で、時には同じステップで、時には異なるステップで作動させる。
動作を開始させるため、第2モードの量子発電器は、完全に充電されるべきであり、すなわち、多孔性鉛板(6)および(7)と、二酸化鉛板(8)および(9)と、電解槽(10)および(11)の多孔性鉛被覆は、すべて充電される。
第1のステップにおいて、図6Aに示すように、電源(12)は、多孔性鉛板(7)を圧縮し、抵抗(13)は、多孔性鉛板(6)を引張下におく。
第2のステップにおいて、図6Bに示すように、第1のステップで引張下におかれた多孔性鉛板(6)は、電解槽(10)の分極の干渉による強め合いによって、第1のステップで圧縮された多孔性鉛板(7)から電子ガス流を受け取るために、実質的に正の分極を示したのと同じになる。
第3のステップにおいて、図6Cに示すように、電源(12)は、多孔性鉛板(6)を圧縮し、抵抗(13)は、多孔性鉛板(7)を引張下におく。
第4のステップにおいて、図6Dに示すように、第3のステップで引張下におかれた多孔性鉛板(7)は、電解槽(11)の分極の干渉による強め合いによって、第3のステップで圧縮された多孔性鉛板(6)から電子ガス流を受け取るために、実質的に正の分極を示したのと同じになる。
再充電と放電のプロセスを交互に行うこのサイクルは、専用ソフトウェアによって制御される。4つのステップにおける抵抗(13)での出力電力と、第1および第3のステップにおける電源(12)の入力電力との差は、発生エネルギーを示す。一定の温度におけるこの発生電力は、電解槽(10)、(11)の組成と濃度、電解槽と極板の形状寸法、結晶または粒子の寸法、多孔性鉛板(6)、(7)の特性、二酸化鉛(8)、(9)の特性、および4つの各ステップの作動時間の関数である。各ステップは、全サイクル期間の4分の1の時間間隔を優先的にもつ。各ステップ期間は、多孔性鉛板(6)、(7)の推定表面積、および電解槽(10)、(11)の多孔性鉛被覆の推定表面積に依存する。
より多数の、例えば、図6A、図6B、図6C、図6Dに示されている2倍の、多孔性鉛板および二酸化鉛板を使用することによって、システムの入力および出力において、出力電流が入力電流より大きい直流電流が得られる。
第3に、図6A、図6B、図6C、図6Dに示すように、システムは、第2および第4のステップ(図6Bおよび図6D)において、量子コンデンサとして動作して、光と物質の相互作用によってエネルギーを発生させ、第1および第3のステップ(図6Aおよび図6C)において、蓄電池として動作し、その結果、この態様に関して、これは、特許文献8から結果として得られる新しい製造物となる。
次に、蓄電池用の放射再充電器および蓄電池用の放射再充電プロセスは、非限定的な方法で好ましい実施形態を例示した、図7A、図7B、図7C、図7Dに示す第2モードの量子発電器に、対称的な配列を提示する。
第1に、図7A、図7B、図7C、図7Dに示される2つのバッテリは、内側が純粋な鉛で被覆されるか、または金属の接合のない1枚の純粋な多孔性鉛板を有するべき電解槽(18)および(19)ごとに、より少ない多孔性鉛板(14)および(15)と、二酸化鉛板(16)および(17)とを有する。これらは、実用的な方法で、電源(20)と逆分極電源(reverse polarized source)(21)の切り替えを示し、また容積は同じで金属質量はより小さい1つの陽極と2つの陰極を各々が有する2つの蓄電池における放射再充電に関して最大の効率を得るための技術を示す。第2モードの量子発電器と同様に、放射再充電器は、純粋金属の微細結晶によって構成される多孔性鉛板(14)および(15)を使用することによって、定められた容積の自由電子貯蔵体の金属の表面積と質量の間の高い比を得るための技術を使用する。
本明細書に示す技術は、自由電子貯蔵体の金属の表面積と質量の間のさらに高い比を得るために、より薄い板とより小さな粒子を使用する改良を行い、蓄電池用の放射再充電器の効率を高めることができる。
第2に、電解槽(18)および電解槽(19)の内部の二酸化鉛板(16)および(17)と関係する多孔性鉛板(14)および(15)の物理的構成は、電源(20)の起電力によって生みだされる圧縮状態と、逆分極電源(21)による放電によって生みだされる引張状態とによって、多孔性鉛板(14)および(15)内の自由電子の双配向励起(bi−oriented excitement)を可能にする。
電源(20)および逆分極電源(21)は、以下で説明するように、図7A、図7B、図7C、図7Dに示す、2枚の多孔性鉛板(14)および(15)と、2枚の二酸化鉛板(16)および(17)とを、電解槽(18)および電解槽(19)の内部で、時には同じステップで、時には異なるステップで作動させる。
第1のステップにおいて、図7Aに示すように、電源(20)は、多孔性鉛板(15)を圧縮し、逆分極電源(21)は、多孔性鉛板(14)を引張下におく。
第2のステップにおいて、図7Bに示すように、第1のステップで圧縮された活動量をもつ多孔性鉛板(15)は、電解槽(19)および電源(20)の分極の干渉による強め合いによって、第1のステップで引張された多孔性鉛板(14)に電子ガス流を送るために、実質的に正の分極を示したのと同じになる。
第3のステップにおいて、図7Cに示すように、電源(20)は、多孔性鉛板(14)を圧縮し、逆分極電源(21)は、多孔性鉛板(15)を引張下におく。
第4のステップにおいて、図7Dに示すように、第3のステップで圧縮された活動量をもつ多孔性鉛板(14)は、電解槽(18)および電源(20)の分極の干渉による強め合いによって、第3のステップで引張された多孔性鉛板(15)に電子ガス流を送るために、実質的に正の分極を示したのと同じになる。
蓄電池用の放射再充電器によって再充電と放電のプロセスが交互に行われるこのサイクルは、第2モードの量子発電器から極板を再充電するために、または製造工程においてより効率的な方法で従来のバッテリの極板を再充電するために、専用ソフトウェアによって制御される。
4つのステップにおける電源(20)の再充電電荷と、第1および第3のステップにおける逆分極電源(21)の放電電荷との差は、効率の高い再充電を示す。一定の温度におけるこの再充電は、電解槽(18)、(19)の組成と濃度、電解槽と極板の形状寸法、結晶または粒子の寸法、多孔性鉛板(14)、(15)の特性、二酸化鉛(16)、(17)の特性、および4つの各ステップの作動時間の関数である。各ステップは、全サイクル期間の4分の1の時間間隔を優先的にもつ。各ステップ期間は、多孔性鉛板(14)、(15)の推定表面積、および電解槽(18)、(19)の多孔性鉛被覆の推定表面積に依存する。
より多数の、例えば、図7A、図7B、図7C、図7Dに示されている2倍の、多孔性鉛板および二酸化鉛板を使用することによって、システムの入力および出力において、出力電流が入力電流より大きい直流電流が得られる。
第3に、図7A、図7B、図7C、図7Dに示すように、第2および第4のステップ(図7Bおよび図7D)において、システムは、光と物質の相互作用によって、蓄電池用の放射再充電器の効率を高めるために、量子コンデンサとして動作し、圧縮された多孔性鉛板(14)および(15)の推定面積に分布する電荷の50パーセントを、引張された多孔性鉛板(15)および(14)に移して、またはその逆を行って、エネルギーを発生させる。第1および第3のステップ(図7Aおよび図7C)において、システムは、蓄電池として動作し、その結果、この態様に関して、これは、特許文献8から結果として得られる新しい製造物となる。
第2モードの量子発電器および蓄電池用放射再充電器における電極の金属のより高い効率のため、多孔性鉛板(14)および(15)を最適化するには、放電パルスの終りにおける引張状態と再充電パルスの終りで達する圧縮状態の間の電極活動量の結晶格子の体積変化分に詰め込む(load)ことができる再充電電荷(QR)が、多孔性鉛板(14)および(15)の推定表面積上に分布する放電電気量(discharge electrical load)(QD)に等しいことが不可欠である。これは、
であることを意味し、計算パラメータについては後で定義する。
蓄電池用の放射再充電のプロセスも、2つの電極の従来の蓄電池を再充電するのに効率的である。別個のプロセスではあるが、両方とも、以下のような同じ発明上の概念に基づいている。
両プロセスの波形の理解を容易にするため、パルス電流において、第2種の導体を第1種の導体に変化させるのに使用される特徴を提示する。
電流導体は、良導体と不良導体(絶縁体)に分類される。良導体、または、単に導体は、金属および炭素(非金属)によって代表され、金属導体または第1種の導体と呼ばれる。不良導体または絶縁体は、非金属と有機および無機化学複合材の大部分を含む。したがって、純粋な酸、塩基、および塩は、不良電流導体である。何らかの酸、塩基、および塩の水溶液は、第2種の導体または電解導体(electrolyte conductor)と呼ばれる。
2つの種類の導体の本質的な相違は、第2種においてのみ、すべての原子粒子の運搬が起こることである。
金属導体または第1種の導体は、オームの法則に従う。電荷移動に関するより高い効率のために第2種の導体もオームの法則に従うようにするため、本発明は、図8に示すような、ホイートストーンブリッジを採用したが、これは、蓄電池に電荷を移送し、また蓄電池(26)から電荷を取り出すのに最良の周波数帯域を確立するために、交流電流の代わりにパルス電流を使用するという特色をもつ本発明の性質のためである。1kHzから4kHzの帯域に設定されたオーディオ周波数発振器(22)の場合、電流の向きは、分極効果を打ち消すことができるだけの十分な速さで変化する。ブリッジの平衡点は、オシロスコープ(23)によって示される。ブリッジの中間点電圧は、増幅器(24)でフィルタリングされ、処理され、オシロスコープ(23)の垂直板に供給される。ブリッジ入力信号の一部は、適切な位相変位回路(phase displacement circuit)(25)を介して、水平板に供給される。2相信号が調整されたとき、オシロスコープ(23)のスクリーンに見られる楕円が閉じることによって、平衡が示される。
そのため、電気伝導データに基づいて、パルス電流により、第2種の導体をオームの法則に従わせることが可能である。この手順は、周波数調整を用いるこの技術のもう1つの用途として、バッテリ再充電に必要なエネルギーをより効率的に最適化できるようにする。すでに説明した図7A、図7B、図7C、図7Dの他に、図9Aおよび図9Bには、これらの追加プロセスの波形が示されている。
図9Aには、すべての再充電期間において10℃より低い温度変化をもち、95パーセントを超える効率性を有し、7Ah、12ボルトのシールド型バッテリで利用されるPWMの独特な再充電パルス系列によって形成される、従来の蓄電池の放射再充電の第1のプロセスにおける時間tの関数であるバッテリ電流振幅IBのパルスの山を結んだ曲線(wrapper)が示されている。細部を拡大した図には、説明したように、電解物がオームの法則に従う導体に変化する帯域の、優先的には中央付近の2.77kHzのオーディオ周波数における、再充電パルス振幅iRと再充電パルス時間tRが示されている。この再充電プロセスは放電パルスを用いずに行われ、そのため、いかなる要素も引張下におくことなく、圧縮および歪み解放だけを行うことで、このプロセスが他のプロセスとはまったく異なるものとなっていることに気づくことが重要である。
図9Bには、直流電流で行われる再充電の後にPWMの放電パルス系列が続く、従来の蓄電池の放射再充電の第2のプロセスにおける時間tの関数であるバッテリ電流振幅IBの典型的な波形が示されている。
再充電期間には、直流電流の再充電振幅パルスiRと再充電パルス時間tRが示されている。蓄電池の一方の多孔性鉛板の推定表面積に分布する電荷の値が高いために、放電は、優先的には1kHzから4kHzの帯域における、PWMの、振幅がiDで放電パルス時間がtDの複数の放電パルスによって行われるべきである。この周波数において、電解物は、オームの法則に従う導体に変化する。すべての放電パルス時間がtDの総和が、放電サイクル合成時間(discharge cycle resultant time)となる。
放電パルスの歩調(cadence)は、計算された再充電パルスの持続時間によって決定され、以下に示す要件を満たすべきである。
再充電パルスで移送される電荷は、優先的には、電極の活動量から鉛微細粒子の格子結晶の体積変化分に導入できる全電荷に等しくなるべきである。この体積変化は、放電パルスの終りに得られる引張状態と、再充電パルスの終りに到達される圧縮状態との間に生じる。
再充電パルスは、バッテリ極板の寿命を延ばすために、優先的には、一定の電圧であるべきである。電流は、再充電時間の動的な決定のために、専用ソフトウェアによって制御され、またはこの時間は、プロセスに存在するより大きな再充電電流に対して調整することができる。
説明のための例として、自由電子貯蔵体に、0.120m×0.140m×0.002mの多孔性鉛板を選択する。このプロセスを確定する電荷はおよそ、放電電荷
であり、再充電電荷
であり、1/2は、電気エネルギーと熱エネルギーは等しいので、電気エネルギー(または熱エネルギー)と力学的エネルギーとの比である。
蓄電池用の放射再充電プロセスで採用された、格子結晶を拡大する放電パルスと、時間をずらして結晶格子を縮小する再充電パルスとは、以下に示すように、2つの状態の関数で確定される。
共振を得るためには、電解物はオームの法則に従う導体に変化しなければならないので、パルス持続時間が必須の状態であり、これは、1kHzから4kHzの周波数帯域にあることを意味する。
もう一方の状態は、電流の中間強度が優先的には、放電率C1(1時間のバッテリ放電率)の約100パーセントであるべきことである。図9Bのパラメータを例示するため、14.5Ahの極板が選択され、この動作が、電解物がオームの法則に従う導体に変化する帯域の点で、例えば、1kHzで生じるとする。そのため、放電率C1では、中間電流iM=14.5A、iR=14.5A、tD=1/2f=500×10−6sである。
サイクルごとの再充電および放電パルス系列は、(a)再充電の場合、振幅がiR=14.5Aで、再充電時間がtR=QR/iR=4.7/14.5=324×10−3の1つの直流電流パルスによって定義され、(b)放電の場合、振幅がiD=2×14.5A=29Aで、各サイクルで一定の放電パルス数NDが、ND=QD/(tD×iD)=0.102/(500×10−6×29)=7パルスであるとして定義される。
再充電プロセスのパラメータは、再充電パルスの電圧および持続時間、ならびに放電パルスの振幅および持続時間である。これらは、プロセス全体にわたって、最適化された定数値に適合させることができ、またはプロセスにわたって、再充電電流またはバッテリの温度を監視することによって、動的に変化させることができる。
バッテリの再充電温度は、放電パルス数(ND)をわずかに増やしたときは、振幅(iD)をより小さくして、適切な範囲内に保たれる。こうすることで、全再充電時間をわずかに短縮することができるが、バッテリ寿命は大きく延びる。
開示された蓄電池用の放射再充電プロセスは、従来の低速再充電プロセスと比較した場合、著しく大きな再充電電流、低い再充電電圧、高いエネルギー効率、および低いバッテリ温度を可能にする。効率は、バッテリレベルがより低く、活性化された反応物質がより多く供給され、反応機会が統計的に増加する、プロセスの開始時により大きくなる。したがって、蓄電池用の放射再充電プロセスは、バッテリの高速再充電を可能にし、従来の低速再充電プロセスと比較した場合、非常に有利な効果を有する。
最後に、第3モードの量子発電器は、第2モードの量子発電器と蓄電池用の放射再充電器の統合によって構成され、金属の自由電子ガスの双配向を可能にし、サイクルの4つのステップの間に、高い効率および効力でのエネルギーの無制限の供給を生じさせる。
第3モードの量子発電器によって採用されたメカニズムのさらなる理解を容易にするため、以下の説明を用いて、好ましい一実施形態を非限定的な方法で説明する。
第1に、図10A、図10B、図10C、図10Dに示される2つのバッテリは、2つの電解槽(35)および(36)の内部に、より少ない数の多孔性鉛板(27)、(28)、(29)、(30)と、二酸化鉛板(31)、(32)、(33)、(34)とを有し、実際的な方法で抵抗(37)と電源(38)の間の切り替えを示す。これは、2つの蓄電池を同じ電解槽内に統合する技術も示しており、統合蓄電池の一方は電解槽(35)に、他方は電解槽(36)に存在し、これら統合蓄電池の各々は、優先的には2つの陽極と4つの陰極の6つの電極を有する。
第1の基本蓄電池は、多孔性鉛板(27)と二酸化鉛板(31)によって表され、第2の基本蓄電池は、多孔性鉛板(28)と二酸化鉛板(32)によって表され、第3の基本蓄電池は、多孔性鉛板(29)と二酸化鉛板(33)によって表され、第4の基本蓄電池は、多孔性鉛板(30)と二酸化鉛板(34)によって表される。このようにして、電解槽(35)は、第1および第2の蓄電池による、2つの陽極と4つの陰極の6つの電極を有する統合蓄電池を表す。同様にして、電解槽(36)は、第3および第4の蓄電池による、2つの陽極と4つの陰極の6つの電極を有する統合蓄電池を表す。
したがって、これは、純金属の微細粒子によって構成された多孔性鉛板(27)、(28)、(29)、(30)の使用によって、一定の容積をもつ自由電子貯蔵体の金属の表面積と質量の間のより高い比を達成するために、多孔性電極の技術を使用する。本明細書に示される技術は、自由電子貯蔵体の金属の表面積と質量の間のさらに高い比を達成するように、より薄い極板とより小さな結晶を使用して改良し、第3モードの量子発電器の効率を高めることができる。
第2に、電解槽(35)および(36)の内部の多孔性鉛板(27)、(28)、(29)、(30)と二酸化鉛板(31)、(32)、(33)、(34)の間の回路構成は、電源(38)の起電力によって生みだされた圧縮状態と抵抗(37)の放電によって生みだされた引張状態によって、電解槽(36)の多孔性鉛板(29)および(30)の配向励起と結びつけられた、電解槽(35)の多孔性鉛板(27)および(28)内の自由電子の双配向励起を可能にする。
電源(38)および抵抗(37)は、以下で説明するように、図10A、図10B、図10C、図10Dに示される同じサイクルにおいて、電解槽(35)および(36)内で、多孔性鉛板(27)、(28)、(29)、(30)の異なる電極、および二酸化鉛板(31)、(32)、(33)、(34)の電極に作用する。
図10Aに示される第1のステップで、多孔性鉛板(27)は、多孔性鉛板(30)との間の電子ガスの移動のために、二酸化鉛板(34)によって、正の分極を示したのと同じ状態にされ、多孔性鉛板(28)は、多孔性鉛板(29)との間の電子ガスの移動のために、二酸化鉛板(33)によって、正の分極を示したのと同じ状態にされ、電解槽(36)、抵抗(37)、および電源(38)の接続によって、電解槽(35)および(36)の量子コンデンサの間、および電解槽(36)の量子コンデンサ内で電荷が移送される。
図10Bに示される第2のステップで、多孔性鉛板(30)は、多孔性鉛板(28)との間の電子ガスの移動のために、二酸化鉛板(32)によって、正の分極を示したのと同じ状態にされ、多孔性鉛板(29)は、多孔性鉛板(27)との間の電子ガスの移動のために、二酸化鉛板(31)によって、正の分極を示したのと同じ状態にされ、電解槽(35)、抵抗(37)、および電源(38)の接続によって、電解槽(35)および(36)の量子コンデンサの間、および電解槽(35)の量子コンデンサ内で電荷が移送される。
図10Cに示される第3のステップで、多孔性鉛板(28)は、多孔性鉛板(29)との間の電子ガスの移動のために、二酸化鉛板(33)によって、正の分極を示したのと同じ状態にされ、多孔性鉛板(27)は、多孔性鉛板(30)との間の電子ガスの移動のために、二酸化鉛板(34)によって、正の分極を示したのと同じ状態にされ、電解槽(36)、抵抗(37)、および電源(38)の接続によって、電解槽(35)および(36)の量子コンデンサの間、および電解槽(36)の量子コンデンサ内で電荷が移送される。
図10Dに示される第4のステップで、多孔性鉛板(29)は、多孔性鉛板(27)との間の電子ガスの移動のために、二酸化鉛板(31)によって、正の分極を示したのと同じ状態にされ、多孔性鉛板(30)は、多孔性鉛板(28)との間の電子ガスの移動のために、二酸化鉛板(32)によって、正の分極を示したのと同じ状態にされ、電解槽(35)、抵抗(37)、および電源(38)の接続によって、電解槽(35)および(36)の量子コンデンサの間、および電解槽(35)の量子コンデンサ内で電荷が移送される。
再充電および放電のこの循環的な交替プロセスは、専用ソフトウェアによって制御される。4つのステップでの抵抗(37)の出力電力と4つのステップでの電源(38)の入力電力との差が、発生エネルギーを示す。一定の温度におけるこの発生電力は、電解槽(35)、(36)の電極の濃度、電解槽と極板の形状寸法、結晶または粒子の寸法、多孔性鉛板(27)、(28)、(29)、(30)の特性、二酸化鉛(31)、(32)、(33)、(34)の特性、および4つの各ステップの作動時間の関数である。各ステップは、優先的に全サイクル期間の4分の1の時間間隔をもち、これは、陰極板の推定表面積および多孔性活動量に直接的な仕方で依存する。
第3に、図10A、図10B、図10C、図10Dに示すような蓄電池であるにも関わらず、すべてのステップで、システムは、光と物質の相互作用によって、量子コンデンサとして動作する。そのため、この態様に関して、これは、特許文献8から結果として得られる新しい製造物となる。
第4に、フェルミエネルギーよりわずかに高いエネルギー準位および低いエネルギー準位をもつ励起電子の割合は、純金属の単位縦歪み
によって与えられるので、本特許に開示されるように、第3モードの量子発電器のエネルギー利用可能度(energetic availability)は、平均温度に、すなわち、発電器の動作温度に直接関係する。したがって、第3モードの量子発電器は、本明細書で説明したものよりも低いまたは高い温度においても、より小さいまたは大きいエネルギー利用可能度で動作する。
量子発電器および付属装置は、特許文献9で部分的に説明されているように、「物質と相互作用を行って主として光電プロセスを介してエネルギーを発生させる放射を誘発するパルスによって、蓄電池および/またはコンデンサの極板の間での電荷の移送を引き起こし」、そのため、この態様では一般に、より大きな面積対質量比、低い降伏点、および降伏点と弾性率との適切な関係の獲得を技術的に容易にする金属に関連させて適合され、この特許では、第1モードの量子発電器、第2モードの量子発電器、第3モードの量子発電器、および蓄電池用放射再充電器といった新しい結果の製造物、ならびに蓄電池用放射再充電プロセスによって開発された。したがって、それらは、様々な国、すなわち、南アフリカ(#98/4460)、レバノン(#5963)、台湾と中華人民共和国(#87108743)、ブラジル(#97058871−8)、マレーシア(PI#9802329)、英国(GB#2337165)、米国(US#6294893)などで公開された発明特許「蓄電池における放射システムおよび結果の製造物」の新しい結果の製造物である。
背景技術において提示された解決策は、以下で説明する技術的な問題に起因する複数の不都合を有する。
PODRAZHANSKY、PETROVIC、CHEN、TAKEHIRO、MORISHITAによって提供された解決策は、バッテリ電極における電荷誘発可逆歪み(charge−induced reversible strain)を考慮しておらず、また圧縮下および引張下におかれる、高い面積対質量比をもつ自由電子ガス貯蔵体も使用していない。さらに、彼らは、エネルギー発生の可能性について、教示も示唆もしていない。
GLEITERは、サイエンスマガジン(Science Magazine)の論文において、スポンジ状電極の再充電および放電が、金属に可逆弾性変形を生じさせることを立証したが、そのことを、バッテリプロセスに、または鉛酸バッテリなどにおけるスポンジ状電極の金属の弾性メカニズムに関連づけなかったことを指摘しておくことは重要である。さらに、GLEITERは、自らの特許で、ただ1つの電極、1つの浸透性多孔層、1つの電解物、および電圧印加手段を採用し、適切な電極が、高い伝導性金属を含むことを述べている。しかし、光と物質の相互作用によってエネルギーを発生させるためには、鉛のような、伝導性が低く、融点温度が低く、詳細には、室温でクリープをおこす金属を使用する必要がある。そのうえ、GLEITERは、2つのバッテリ、より具体的には、2つの鉛酸バッテリを有する構成を提供することなく、ただ1つの電極、1つのスポンジ状浸透層、1つの電解物、および電圧印加手段を使用している。
THIMOSHENKOもやはり、殻がより薄くなった場合の実験と理論の不一致という技術的問題に対する解決策を示しておらず、直径対厚み比(D/t)のすべての値について得られた軸圧縮と比較した場合に40%の増加を示す純粋な曲げの臨界応力の産業上の利用可能性を見つけていない。しかし、重大な問題は、温度を一定とした場合に、自由電子ガス(free electron gas)が物質の寸法変形の原因となるか、またはその反対が生じることなしに、金属が、臨界応力などの内在的な特性を変化させることができないことである。話を戻すと、TIMOSHENKOも、他の研究者たちと同様に、零点エネルギーからのエネルギー発生について、実用的な利用可能性を見つけていない。
これまでのところ、そのような変形に対する抵抗力を高めるための解決策を提供しようとするPALUMBOの努力は、エネルギーを発生させるためにそのような変形を利用することの利点に真っ向から対立する。
PUTHOFFによって説明され、公開された研究および特許もやはり、零点エネルギーの使用が望ましい産業上の利用可能性を示しておらず、PUTHOFFに「突き破るべき予見し得ない突破口がまだ存在している」と結論させた。例えば、PINTOの特許は、大きな規模でカシミール効果を用いるのに必要となる極板を製造するための技術的限界があるので、より大きな零点エネルギーを発生させることができない。これまでのところ、説明したように、これは、バッテリプロセスに関係しない。
これらの関連問題およびその他の制約のため、今日利用可能なバッテリおよびエネルギー発生器は、通常のエネルギーを変換し得るだけという不都合を有する。水力発電および化石燃料のエネルギー源は、コストが高いうえ、環境に甚だしい悪影響を及ぼし、核エネルギーは、高い発電コストと、過去数10年の間に世界中の報道機関によって報道された大災害の結果として認め得る極めて大きな操業リスクのため、エネルギー源としては退潮にあり、風力エネルギー、潮汐エネルギー、太陽電池、および燃料電池は、保証された無制限のエネルギーの発生には高いコストがかかる。
そのため、背景技術で説明した解決策は、零点エネルギー(ZPE)からのエネルギーの発生を可能とし得ない多くの技術的問題をまだ有している。すべての利用可能なバッテリは、充電および放電プロセスが非可逆的であるので、基本的にはエネルギー消費物であり、すなわち、実際にはエネルギー放散物(energy dissipater)である。それに加えて、バッテリの寿命に限りがあるため、発生する有毒な廃棄物およびバッテリが、大きな環境問題の原因となる。
関連技術問題を解決するため、本発明は、自由電子ガスに関する熱ポテンシャルを生みだす引張および圧縮状態におかれる金属の表面積と質量との比が大きい金属製貯蔵体の発展的な構成による、光と物質の相互作用を介してエネルギー抽出および変換を行う量子発電器および関連装置を開示する。
上記の技術的解決策を使用する量子発電器の第1の態様は、外部の引張下金属殻を内部の圧縮下金属殻に誘電体で絶縁されたボルトとナットによって結合することによって構成された基本構成を有し、支配的な光電プロセスによってエネルギーを発生させる。
量子発電器の第2の態様は、本発明の最良の態様であって、量子コンデンサとして動作し、1つのステップにおいて、一方のバッテリの金属電極を引張状態におき、同じステップにおいて、他方のバッテリの金属電極を圧縮状態におくプロセスを作動させる、少なくとも2つのバッテリ対から基本的になる。続くステップにおいて、引張下および圧縮下にある両電極が相互接続される。この新しいプロセスは、優先的に鉛を用い、全サイクルにおいて、0ケルビン(−273.15℃)から絶対作動温度の2倍の電子ガス熱ポテンシャルの変動内で、優先的に0ケルビン(−273.15℃)付近および600ケルビン(326.85℃)付近で作動する。
技術者が、適切な動作性能を有する複数の説明した構成で本発明を容易に再現するようにするには、エネルギー抽出および変換のための量子発電器および関連装置のすべての態様およびパラメータについて考察する必要がある。
最初に、約300K(26.85℃)の室温において、引張下にある金属が体積を増し、圧縮下にある金属が体積を減らすことを考察することが不可欠であり、その際、以下の記号を用いる。
したがって、体積の各立方メートルは、引張下では(1−2νε+ε)立方メートルに増加し、圧縮下では(1+2νε−ε)立方メートルに減少する。
一方で、圧縮下にある金属は、容積内の自由電子濃度(free electron concentration)およびそのフェルミエネルギー(Fermi energy)が増し、引張下にある金属は、容積内の自由電子濃度およびそのフェルミエネルギーが減り、この様子は次式で表される。
ただし、上記の式では、以下の記号を用いた。
電子は、フェルミエネルギー準位に達するまでは、パウリの排他原理(Pauli exclusion principle)に従って、状態ごとに2つの電子が存在するように、利用可能なエネルギー状態を満たすという事実のため、フェルミエネルギーは、容積内の自由電子濃度の増加に伴って増加する。
フェルミ−ディラック分布(Fermi−Dirac distribution)f(U)によれば、図2に示すように、与えられたエネルギー状態Uにおいて電子が見つかる確率は、次式によって計算される。
任意の与えられた温度T>0Kにおけるエネルギー状態Uに対するf(U)のグラフによれば、UがEFに等しいとき、電子が見つかる確率f(U)は、図2に示すように、50%である。
フェルミ−ディラック分布における最も際立った変化は、高いフェルミエネルギーの周辺で生じ、温度によって、または引張下または圧縮下にある物質に生じる単位縦歪みによって引き起こされる。
図2は、フェルミエネルギーより高いエネルギー準位を有する状態のうちのごくわずかな割合が占有され、フェルミエネルギーより低いエネルギー準位のうちの同じわずかな割合が占有されないことを示している。
この割合をフェルミエネルギーよりわずかに高いエネルギー準位に制御して励起することは、一方の殻を圧縮することで得られるが、高い直径対厚み比によって増加する他方の殻の引張によって得られるフェルミエネルギーよりわずかに低いエネルギー準位に同じ割合の電子を励起することと共に行われる。これは、各々の殻において50%であったU=EFにおける確率f(U)が、一方の殻ではf(EF+ΔEF)に、他方の殻ではf(EF−ΔEF)に変化するような、励起状態の順序づけ(reordering)を可能にする。理想は、金属殻の自由電子ガスの完全な再配向(reorientation)が生じる、0に等しいf(EF+ΔEF)と、100%に等しいf(EF−ΔEF)を得ることである。
量子物理学が、フェルミエネルギーよりわずかに高いエネルギー準位および低いエネルギー準位をもつ励起電子の正確な割合は、
によって計算されることを示していること、また単位縦歪みが
と記述できることが実験的に検証されたことに留意されたい。殻の変形の全エネルギーは、
によって与えられ、しかも、加えられる圧縮応力σCは、引張応力σtに等しく、したがって、σC=σt=σとなる。エネルギーは個々の応力の平方に比例するので、σ臨界 2=σ圧縮 2+σ引張 2が得られ、これはσ臨界 2=2σ2となることから、σ臨界=σ√2、すなわち、σ臨界=1.414σが得られる。
第2に、より広いスペクトル帯域における光電効果(photoelectric effect)について考察することが必要である。パッケージ(package)または光子のエネルギーEは、式E=hνにより、周波数νに関係する。光電プロセスでは、光子は、光電陰極の電子に完全に吸収される。電子が金属表面から放出されるとき、その運動エネルギーKは、K=hν−ωによって与えられる。ただし、hνは、吸収された入射光子のエネルギーであり、ωは、金属から電子を引き離すのに必要な仕事に等しい。
仕事(ω)は、表面原子の引力場(attractive field)と、内部での電子衝突に起因する運動エネルギーの喪失とに打ち克つために、費やされなければならない。いくつかの電子は、他の電子よりも強く結びついており、一部のエネルギー喪失は、その軌道上での衝突に起因する。結びつきがより弱く、内部での喪失がない場合、光電子は、最大運動エネルギー
をもって出現する。ただし、ω0は、仕事関数(work function)と呼ばれる金属の特性エネルギーである。これは、電子が金属表面を横切り、力学的応力が働かない通常の場合に電子を金属に拘束している引力から逃れるのに必要な最小エネルギーである。したがって、
であり、
なので、
が得られる。
図3に示すグラフは、複数の周波数における、ナトリウムの運動エネルギーの測定結果を示している。力学的励起のない場合の周波数の閾値は、4.39×1014Hzである。
これまで、金属中の電子は、箱内の粒子として取り扱われてきた。「エネルギーの箱」は壁が非常に高いので、電子は金属から逃れないものと暗黙的に考えられている。しかし、経験は、光電効果や熱電子放出(thermo−ionic emission)などでのように、また本特許の発明の動作を介して、電子が金属から逃れ得ることを示しており、本発明は、本特許で開示するように、自然状態にある金属のポテンシャルエネルギー関数を、適切な形状寸法(geometry)と技術の使用によって大きく拡大された表面積に関係づけられた力学的応力によって励起された金属のポテンシャルエネルギー関数に修正した。
金属内の電子の場合、エネルギー関数はほぼ一定である。金属の表面近くでは、エネルギーは急速に大きくなり、金属境界の外側で、最大定数値に達する。金属の外側での電子のポテンシャルエネルギーとして値0を割り当てた場合、−V0は、図4Aのグラフに示すように、合成ポテンシャル(resultant potential)の井戸の深さを表す。
図3のグラフに示すように、それ以下では、自然状態において、すなわち、機械的応力が加わらない状態において、光子が金属から電子を放出させることができないカットオフ周波数(cutoff frequency)ν0が存在するという事実によって、V0を光電体験から具体的に決定することができる。
このことは、金属表面のよりエネルギーの大きい電子が、ポテンシャルの井戸の上端より低いエネルギーhν0の閾値レベルにあることを示唆している。光子のエネルギーが閾値よりも上昇した場合に光電流が急速に増えるという事実は、金属内でよりも小さい運動エネルギーをもった電子の数が突然増加することを示している。このことは、フェルミ−ディラック分布関数と正確に対応する。よりエネルギーの大きい電子は、EFの運動エネルギーを有し、その他の多くの電子は、わずかに小さなエネルギーを有する。
本特許では、EFより高いエネルギーに励起されることによって、ポテンシャルの井戸の上端より低い
より小さいエネルギーを用いて、金属表面にあるエネルギーのより大きい電子を十分な量だけ得る技術が示される。
T=0K(−273.15℃)のとき、すべての状態は、井戸の底より高いエネルギー準位EFにおいて占有され、エネルギーのより大きい状態は、全エネルギー
すなわち、
を有する。
であるので、温度が300K(26.85℃)のとき、励起された電子の一部は、機械的応力によって達成し得るEFよりわずかにΔEFだけ高いエネルギーをもつという事実に追加される。
とすると、図4Aのグラフに示されるような、光電効果においてすでに確立された、応力の加わらない金属に関するポテンシャル関数の形式を、図4Bのグラフによる、力学的力によって生みだされた応力が加わった金属に関するポテンシャル関数に修正することが可能である。
フェルミエネルギーよりわずかに高いエネルギー準位およびわずかに低いエネルギー準位にある励起電子の割合についてのプロセスを、この操作において考慮すべき以下の特性および技術的パラメータ、すなわち、(a)温度、(b)金属原子価(metal valence)、(c)弾性応力金属状態(elastic stress metal state)、(d)金属の降伏点(yield−point)と弾性率の比σy/E、(e)直径と厚みの比D/t、(f)表面積、(g)2つの結合された金属殻における臨界圧縮応力または臨界引張応力の41.4%の増加を用いて、すなわち、量子発電器の第1実施形態を用いて制御することによって、零点エネルギー−ZPEを発生させるための、熱エネルギー、光エネルギー、弾性エネルギー、および電気エネルギーの相互関係による、TIMOSHENKOによって述べられた金属殻の抵抗増加についての技術的な解決策および産業上の利用可能性が見つかった。
このことから、電子ガスの質量にだけ影響を及ぼす、発電器の第1実施形態によって引き起こされる引張応力による0ケルビン(−273.15℃)と等価の効果が得られる。したがって、これは、すべての金属原子パーツ(metal atomic parts)が冷却される、背景技術の従来の工業的プロセスよりも効率的である。しかし、より小さな金属質量を用いても、スポンジ状の電極を使用する量子発電器の第2実施形態では、より顕著な結果が見られる。
説明のため、また理解を容易にするため、弾性(力学的)エネルギー、熱エネルギー、および電気エネルギーは、表面積対質量比が大きい自由電子の貯蔵体(reservoir)に関係するものと定める。実用性のため、説明上の例として選択された自由電子の貯蔵体は、入手および取り扱いが容易であること、その特性が大量の文献中に容易に見つかること、また接触面積と純粋金属の活動量(active mass)の間のきわめて高い関係のために特に興味深いことなど数々の特徴のため、スポンジ状の鉛板であった。多孔性鉛板および微細結晶のいくつかの特性を以下に示す。
弾性域の限界まで多孔性鉛板を従わせるための、多孔性鉛板に関する力学的エネルギー(EM)の決定:EM=(1/2)σy 2V/E=(1/2)(12.7×106)2(7.67×10−6)/(17.4×109)=3.55×10−2J。
多孔性の鉛板からの自由電子ガスの質量(mG)を温度0K(−273.15℃)から300K(26.85℃)まで加熱するための熱エネルギーは、mG=(87/207.2)(6.02×1023)(9.11×10−31)(2)=4.61×10−7kg、およびET=(4.61×10−7)(128)(300)=1.77×10−2Jであることにより、ほぼET=1.77×10−2Jである。そのため、これは、力学的エネルギー(EM)の半分の値に等しい。
そのため、単位縦歪み(ε)がEFよりわずかに高いエネルギーおよびわずかに低いエネルギーをもつ励起電子の割合の半分の値に等しいことをチェックするのがより容易であるのに加えて、低い降伏点および室温での高いクリープ効果のために、多孔性鉛の電子ガスを配向させるのにより小さなエネルギーしか使用されないので、多孔性鉛が選択された。
酸性溶液中の多孔性鉛板の電気エネルギー(EE)の決定:温度が300K(26.85℃)の、1250kg/m3のH2SO4の水溶液に入れた、寸法が0.120m×0.140m×0.002mの陰極板によって形成される、コンデンサのエネルギー値について考察すると、キャパシタンスは、実験的に0.29Fであると決定される。これは、電子ガスの容量効果(capacitive effect)である。強酸の電解液として良導体となる誘電体を有する従来のコンデンサは存在しないので、論及する特許の目的でもある量子コンデンサについて考察していることを強調することは重要である。
上記のキャパシタンス値は、0.400sの半減時間(half−life time)をもつ、同じ電解槽(cell)内の2枚の陰極多孔性鉛板の間の放電曲線から、2枚の板の間に2Ωの抵抗チャージ(resistive charge)を用い、またリアルタイムにデジタルオシロスコープを用いて得ることができる。測定値は、式:
による近似的結果によって確証することができる。
上記の式によれば、自由電子ガスの効果によるキャパシタンスは、0.29Fであり、実験によって得られた値を良い近似で確証している。したがって、理論的および実験的に確認された電気エネルギーEEは、EE=(1/2)CEPb 2=(1/2)(0.29)(0.35)2=1.78×10−2Jとして与えられる。
したがって、電気エネルギーと熱エネルギーとは等しく、各々、力学的エネルギーの50パーセントに相当する。この点は、スポンジ状電極の質量を最適化するために、非常に重要である。
したがって、多孔性鉛電極の推定表面の電荷の放電は、0ケルビン(−273.15℃)と等価の効果を引き起こす。この放電は、より速く電子ガスの質量に影響を及ぼし、量子発電器の第1の実施形態で採用されるプロセスよりも効率的なプロセスをもたらす。このようにして、量子発電器の第2の実施形態の作成が可能になる。
5.有利な効果
本特許のエネルギー抽出および変換のための量子発電器および関連装置は、金属の自由電子ガスの双配向を達成することによって、我々が住むどのような場所でも入手可能であり、コストが低く、環境への悪影響がなく、人間、植物、または動物に危害を加えるリスクがないという魅力的な利点を有する自然エネルギーを使用し、エネルギーの無制限の供給を可能にする。
上記の発明者らは誰も、エネルギー抽出および変換のための量子発電器および関連装置の発明にかかる動作で採用されたような複数のエネルギー形態の相互関係の結果としてのいかなる製造物も説明せず、また特許請求もしなかったので、背景技術と比較した場合、多くの利点が存在する。この相互関係は、わけても以下に示す効果によって、技術的、経済的、および環境的利点をもった非常に大きなインパクトおよび適用範囲を有する。
複数の上記の発明者らによって放電パルスとして採用されたパルスは、従来のバッテリに関してさえもエネルギー発生を達成することを可能としない。本発明は、電荷の放電によって制御される力学的引張パルスとして、正しい放電パルスを採用することを可能にする。この放電は、鉛の結晶格子の寸法を大きくし、結晶格子の体積変化に正しい電荷が再充電されることを可能にする。電極の結晶格子のこの体積変化は、放電時の引張状態と再充電パルスの終りに到達する圧縮状態との間に得られる。この方法は、より実用的なシステムを使用して、従来のバッテリに関してさえも、より速く、より効率的な再充電プロセスの利点を可能にする。
記載の文献のすべてに述べられているように、唯一のバッテリに対しては、通常の再充電システムが適用されるが、エネルギー抽出および変換のための量子発電器および関連装置は、少なくとも2つのバッテリを必要とする2以上の電解質環境において、複数のスポンジ状の鉛電極を採用する。これら2つのバッテリは、自由電子ガスの双配向を可能にする。
本発明によって得られる環境的に有利な効果は、非常に重要である。本発明は、既存のバッテリの寿命を少なくとも4倍に延ばし、同様に、有毒な廃棄物を4分の1に減らすことを可能にする。また、廃棄されたバッテリを利用する可能性も生まれ、環境に対する本発明の重要性はさらに増す。
本発明を用いれば、実用とするのに必要なエネルギーをバッテリの放電および再充電時に零点エネルギーから発生させるために、弾性金属エネルギーも利用され、これには、より少ない材料しか消費されず、効率がより高いという利点がある。
さらに、複数の有利な効果が得られる。ポータブルおよび固定量子エネルギー発生器は、悪天候に弱く、高価で、環境問題の原因となる送電線を不要にする。量子発電器は、雑音が低く、機械的振動もないため、実質的に保守がいらず、寿命が長い。熱をもったり、臭ったりすることがないので、どのような環境でも使用することができる。オーダーが核エネルギー密度と同じか、それより大きい、どこでも入手可能な高密度エネルギー源、零点エネルギーを使用するので、他のどのようなエネルギーシステムよりもわずかの材料しか必要としない。まとめると、この技術は、自然界に多く存在するリサイクル可能な材料を使用して、容易に広めることができる。
量子発電器および付属装置の最良の態様は、基本的に、少なくとも2つのバッテリ対で構成される量子発電装置の第2の実施形態であり、量子コンデンサとして動作し、1つのステップで一方のバッテリの金属電極を引張状態におき、同じステップで他方のバッテリの金属電極を圧縮状態におくプロセスを作動させる。続くステップで、引張下および圧縮下にある電極は、相互接続されて、その状態から解放される。この新しいプロセスは、優先的には鉛を用い、サイクル全体において、0ケルビン(−273.15℃)から絶対作動温度の2倍の電子ガス熱ポテンシャルの変動内で、優先的には0ケルビン(−273.15℃)付近および600ケルビン(326.85℃)付近で作動する。
8.発明の態様
エネルギー抽出および変換が、互いに絶縁された金属殻である、面積対質量比が高い、自由電子ガス貯蔵体を圧縮下および引張下におくことによって、光と物質の相互作用を介して達成される、量子発電装置の第1の実施形態。
図5A、図5B、図5Cに示された量子発電装置の第1の実施形態は、外部金属殻(1a)と、内部金属殻(2a)と、ボルトおよびナット(3a)と、優先的にはポリマーである誘電体または絶縁体(4a)と、放射エネルギーの永久転移を調べるマルチメータなどの電圧測定機器に接続する電気的導体(5a)、(5b)とによって構成される。
金属殻(1a)および(2a)は、金属の降伏強度と弾性率の間の適切な関係(σy/E)に関連する、高い直径対厚み比(D/t)を有する。
ボルトおよびナット(3a)は、外部金属殻(1a)を引張下におき、内部金属殻(2a)を圧縮下におく。ボルトおよびナット(3a)と金属殻(2a)の間には、双方の殻を絶縁するために、誘電体(4a)が存在する。発生させた放射エネルギー電圧は、例えば、電気的導体(5a)、(5b)に接続されるデジタルマルチメータによって調べられる。
図5D、図5Eには、別の簡略化された実施形態が示されており、高いD/t比をもつ金属殻(1b)を圧縮下におき、下部および上部で硬質ポリマー(4b)によって絶縁されたボルト(3b)を引張下におくことによって、エネルギーを得る。
図5A、図5B、図5C、図5D、図5Eに示す装置では、金属殻(1a)、(2b)、(1b)、および金属ボルトおよびナット(3a)、(3b)は、同じ化学的組成を有する。さらなる試験によって、異なる化学的組成の構成要素(1a)、(2a)、(1b)、(3a)、(3b)を用いても、所望の工業化を達成し得ることが確かめられた。機械的設計は、用途によって変化し得るが、実用性を別にすれば、1対のアイソレータによって両端で連結された引張された棒に接合された圧縮された殻を使用することで、より良い結果が得られる。
例えば、チタン殻を用いる図5Dの実施形態の構造設計の場合、室温および湿度70%において、直径0.085m、厚み0.0002m、高さ0.090mであり、ボルト(bolt)当たり40×10−9アンペアを得ることができる。
したがって、量子発電器の説明する実施形態は、力学的歪みによって直接的に誘発される光と物質の相互作用によるエネルギー抽出および変換を容易に理解できるようにする、革新的で発展的な概念を有する基本形態である。この構成は、小さな面積のため、また金属表面の面積と金属質量の間の到達される小さな比のため、使用される金属(または複数の金属)の起電力によって生みだされる非常に低い電力アベイラビリティ(power availability)を有する。
量子発電装置の第2の実施形態は、量子発電器の説明した実施形態と比較して、エネルギーの増加を図るために、多孔性鉛板を用いて開発された。したがって、エネルギー抽出および変換は、電気的力によって生みだされる力学的歪みによって誘発される光と物質の相互作用を介して生じる。図6A、図6B、図6C、図6Dは、本発明において許容される第2の実施形態を示しているが、これらの形態に限定されない。これは、より高い電力を生みだし、金属質量がより小さく、同じ容積に、より良い理解のために以下でバッテリ(10)および(11)として参照される非限定的な形態の、量子コンデンサとして動作する、少なくとも2つのバッテリ対ごとに最低限の数の極板を有し、以下で説明する手順に従う、量子発電器の第2の実施形態の必須の特徴を有する構成で、本発明の技術を実施するための実用的な方法を示している。
第1に、鉛酸バッテリの構成に使用される背景技術の周知の技法で形成される純金属の微小粒子から構成される、より良い理解のために以下で陰極多孔性鉛板(6)および(7)として参照される非限定的な形態の、多孔性鉛板(6)および(7)の使用によって、一定の容積を有する自由電子貯蔵体の金属の表面積と質量の間のより高い比を達成する技術が選択された。説明される革新的な効果は、自由電子貯蔵体の金属の表面積と質量の間のさらに高い比を得るために、より薄い板とより小さな粒子を使用する改良を行い、エネルギー発生の効率を高めることができる。
それに加えて、電解槽(10)および電解槽(11)の内部の、より良い理解のために以下で陽極二酸化鉛板(8)および(9)として参照される非限定的な形態の、陽極多孔性二酸化鉛板と関係する多孔性鉛板(6)および(7)の物理的構成は、電源(12)の起電力によって生みだされる圧縮状態と、図示の逆分極電源(13)による放電によって生みだされる引張状態とによって、多孔性鉛板(6)および(7)内の自由電子の励起を制御することを可能にする。
電源(12)および逆分極電源(13)は、以下で説明するように、図6A、図6B、図6C、図6Dに示す、2枚の陰極鉛板(6)および(7)と、2枚の陽極二酸化鉛板(8)および(9)とを、バッテリ(10)およびバッテリ(11)の内部で、時には同じステップで、時には時間的に異なるステップで作動させる。
動作を開始させるため、量子発電器の第2の実施形態は、完全に充電されるべきであり、すなわち、陰極多孔性鉛板(6)および(7)と、陽極二酸化鉛板(8)および(9)は、すべて充電される。
第1のステップにおいて、図6Aに示すように、電源(12)は、陰極鉛板(7)と陽極二酸化鉛板(9)の間に接続されて、陰極鉛板(7)を圧縮し、逆分極電源(13)は、陰極鉛板(6)と陽極二酸化鉛板(8)の間に接続されて、陰極鉛板(6)を引張下におく。
第2のステップにおいて、図6Bに示すように、第1のステップで引張下におかれた陰極鉛板(6)は、第1のステップで圧縮された他方の陰極鉛板(7)に接続され、陽極二酸化鉛板(8)は、他方の陽極二酸化鉛板(9)に接続される。陰極鉛板(6)は、バッテリ(10)および(11)の分極の干渉による強め合いによって、第1のステップで圧縮された陰極鉛板(7)から電子ガス流を受け取るために接続される。
第3のステップにおいて、図6Cに示すように、電源(12)は、陰極鉛板(6)と陽極二酸化鉛板(8)の間に接続されて、陰極鉛板(6)を圧縮し、逆分極電源(13)は、陰極鉛板(7)と陽極二酸化鉛板(9)の間に接続されて、陰極鉛板(7)を引張下におく。
第4のステップにおいて、第3のステップで引張下におかれた陰極鉛板(7)は、第3のステップで圧縮された他方の陰極鉛板(6)に接続され、陽極二酸化鉛板(8)は、他方の陽極二酸化鉛板(9)に接続される。陰極鉛板(7)は、バッテリ(10)および(11)の分極の干渉による強め合いによって、第3のステップで圧縮された陰極鉛板(6)から電子ガス流を受け取るために接続される。
極板(6)、(7)、(8)、(9)、逆分極電源(13)、および電源(12)の間の内部電気接続は、充電、放電、および解放のこのサイクルを交替させる制御回路によって切り替えられる。この制御回路は、サイクルの繰り返しを可能にし、好ましくは専用ソフトウェアによって制御される。
サイクルにおける出力エネルギーと入力エネルギーの差は、発生エネルギーを示す。一定の温度におけるこの発生エネルギーは、電解バッテリ(10)、(11)の組成と濃度、バッテリと極板の形状寸法、結晶または粒子の寸法、陰極鉛板(6)、(7)の特性、陽極二酸化鉛(8)、(9)の特性、および4つの各ステップの作動時間の関数である。
本発明の一改良実施形態では、量子発電装置は、3以上のバッテリを含むことができ、前記バッテリは常に対をなし、直流電流を得るために、バッテリ(10)および(11)について説明したような点在サイクル(interspersed cycles)で、量子コンデンサとして動作する。さらに、各バッテリは、2以上の陰極多孔性鉛板(6)および(7)と、2以上の陽極二酸化鉛(8)および(9)を含むことができ、前記極板は、各バッテリ内で常に対称的に配置され、バッテリ対において、陰極鉛板(6)および(7)と、陽極二酸化鉛(8)および(9)について説明したように、サイクル内で接続状態が交替する。
さらに、システムは、第2および第4のステップ(図6Bおよび図6D)において、量子コンデンサとして動作して、光と物質の相互作用によってエネルギーを発生させ、第1および第3のステップ(図6Aおよび図6C)において、応力および歪み電気システム(stress and strain electrical system)として動作する。その結果、この実施形態に関して、これは、特許文献8から結果として得られる新しい製造物となる。
説明のため、また理解を容易にするため、量子発電器の第2の実施形態の利用における、正味のエネルギーを決定する。使用される極板は、本文献の技術的解決策で説明した極板と同じで、寸法は0.120m×0.140m×0.002mである。さらに、この量子発電装置は、2つの実験的な開放型バッテリ(open battery)を含み、各バッテリには、2つの陽極板と2つの陰極板が対称に配置される。バッテリはまた、300Kの、濃度が1250kg/m3のH2SO4と、濃度が1300kg/m3のNa2SO4の水溶液の電解質を含む。使用される各バッテリは、2.04Vの公称電圧(nominal tension)を有する。
この例示的な量子発電器では、以下に示す特性を有するパルスが用いられる。
サイクルの各半分における、この例示的な量子発電器のいくつかの特性は、以下のようになる。
したがって、上記の特性をもつ量子発電器は、各サイクルにおいて、約7.8Jの正味のエネルギーを発生する。
エネルギー抽出および変換のための量子発電器および関連装置は、特許文献9で部分的に説明されているように、「物質と相互作用を行って主として光電プロセスを介してエネルギーを発生させる放射を誘発するパルスによって、蓄電池および/または[量子]コンデンサの極板の間での電荷の移送を引き起こし」、そのため、この態様では一般に、より大きな面積対質量比、低い降伏点、および降伏点と弾性率との適切な関係の獲得を技術的に容易にする金属に関連させて適合され、本発明では、新しい結果の製造物によって開発された。したがって、それらは、様々な国、すなわち、南アフリカ(#98/4460)、レバノン(#5963)、台湾と中華人民共和国(#87108743)、ブラジル(#97058871−8)、マレーシア(PI#9802329)、英国(GB#2337165)、米国(US#6294893)などで公開された発明特許「蓄電池における放射システムおよび結果の製造物」の新しい結果の製造物である。