JP2006518631A - 心不全をモニタリングするための尖部運動の検出 - Google Patents
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Abstract
心不全を検出およびモニタリングするための方法および装置、ならびにこれを配置するための手段が開示され、心臓組織または血液の1つまたは複数の機械的特性、電気的特性、血行力学的特性、または化学的特性を検知するための移植センサ装置および方法と、検知要素によって発生した信号を解析または分析し、解析の結果として生理学的または環境的な効果または出力を生じるための機械および方法、ならびにこのようなセンサを身体に送達するための方法および装置を含む。好ましい態様は、ペースメーカまたは除細動器などの皮下植込み型医療装置に組み込まれ、冠状静脈洞を介して心静脈に配置された1つまたは複数の電気リード線を備え、リード線の末端には運動センサおよび/または電位図センサがある。別の好ましい態様は、信号解析、表示、および患者への通知のための外部装置と通信するための機械を備えた、全体が右心室尖部の中にある移植装置である。
Description
発明の分野
本発明は心不全の分野に関し、より詳細には、心筋虚血、心不整脈、うっ血性心不全の症状および他の心臓活動不全を検出およびモニタリングするための方法および装置、ならびに検出および/またはモニタリングを行う装置を送達するための方法および装置に関する。
本発明は心不全の分野に関し、より詳細には、心筋虚血、心不整脈、うっ血性心不全の症状および他の心臓活動不全を検出およびモニタリングするための方法および装置、ならびに検出および/またはモニタリングを行う装置を送達するための方法および装置に関する。
背景
心臓の栄養動脈が次第に狭くなる冠状動脈疾患は多くの種類の心不全につながることがある。狭窄によって心筋が必要な血液量を得ることができなくなれば、心筋虚血として知られる状態が存在する。虚血は心筋の酸素要求量が最も大きい運動中に起こることがあり、または休息中に起こることがある。虚血を持続させておくと、心筋死につながる。虚血の主症状は狭心痛すなわちアンギナであるが、虚血患者の1/3以上はこの古典的な症状を感じないことがある(無症候性虚血として知られる状態)。
心臓の栄養動脈が次第に狭くなる冠状動脈疾患は多くの種類の心不全につながることがある。狭窄によって心筋が必要な血液量を得ることができなくなれば、心筋虚血として知られる状態が存在する。虚血は心筋の酸素要求量が最も大きい運動中に起こることがあり、または休息中に起こることがある。虚血を持続させておくと、心筋死につながる。虚血の主症状は狭心痛すなわちアンギナであるが、虚血患者の1/3以上はこの古典的な症状を感じないことがある(無症候性虚血として知られる状態)。
虚血のもう1つの原因は心筋梗塞(MI)であり、これは心臓の栄養動脈が突然閉塞した時に起こる。これは急性虚血につながる(急性虚血は、冠状動脈疾患のゆっくりとしたプロセスに通常関連する慢性虚血と相対するものである)。治療せずに放置しておくと、虚血は心筋細胞の死すなわち壊死につながる。
梗塞と診断された時、可能な治療として、介入的カテーテル法(interventional catheterization)(血管形成術および/または閉塞した血管を機械的に再び開くステント術を含む)ならびに血栓溶解薬(例えば、ストレプトキナーゼ、ウロキナーゼ、もしくはTPA)の投与が挙げられる。MIの後30分以内に治療を開始すれば、心筋の100%が助かる。30分後、助けることができる心筋の割合は急速に低下する。70分以内の処置もまた院内死亡率のかなりの減少と関連付けられている。
虚血の発生から処置までの遅れの重要な構成要素の1つは、患者の最初の症状から医療機関に行くまでの遅れである。心臓発作生存者のある後向き研究において、症状が発生した後1時間以内に医療機関に連絡したのは25%しかいなかった。40%が4時間を超えて待っていた。これらの患者が遅れた主な理由は症状が無くなるか、重篤ではないと考えたためである。もう1つの重要なMI患者群は古典的な狭心痛の症状を感じない33%の群である(ある研究による)。これらの患者は医療機関に行く可能性は低く、医療機関に行っても、積極的な処置が行われる可能性は低い。
多くの急性MI患者は、心臓に関連した問題のために以前に入院したことがある。逆に、MIの結果としてカテーテル法を受けるかなりの数の患者は1年以内に再発事象を経験する。ICDレシピエントの半分という多くの人がICDが移植されて5年以内にMIを経験する。
梗塞に関連した組織死は多くの種類の他の心不全につながることがある。梗塞によって、(心筋収縮を開始するのに用いられる)心臓の電気伝導経路が破壊されると、様々な心臓リズムの異常、すなわち不整脈が起こることがある。これらの不整脈はすぐに治さなければ命にかかわることがあるので、これらの患者を連続的にモニタリングおよび治療するために、多くの場合、ペースメーカおよび心臓内除細動器(intracardiac defibrillator:ICD)などの移植治療が用いられる。これらの解決法では、右心房および両心室の電気エネルギーを検知および分散させるために、心室、心房、心静脈の一部にリード線が配置される。
梗塞によって心臓のポンプ能力が低下すると、補うために心臓はリモデリングすることがある。このリモデリングは、心不全として知られる変性状態につながることがある。心不全はまた、心臓弁膜症および心筋症を含む他の要因によって促されることがある。ポンプ能力は、通常、駆出率(1サイクルで身体に送り出される、心室総体積に対する割合)の低下によって示される。低下したポンプ能力の処置は薬理学的処置でもよく、ポンプを助けるために心室補助装置(VAD)を移植してもよい。ある特定の場合では、病んでいる心臓を修復するために心臓移植が用いられることがある。
心疾患に一致した症状を有する患者が病院に到着した時に、多くの従来の診断検査を受けるかもしれない。これらの検査の正確さと、検査を使用するのに必要な時間の欠如は、症状の発生から治療の開始までの全時間のさらなる一因となる。これらの検査は、測定されるパラメータのタイプに基づいて4つの広いカテゴリー:化学的検査、血行力学的検査、電気的検査、または機械的検査に分けることができる。
化学的検査は、主に心筋細胞死の後に出現する、または濃度変化する患者血流中の生化学マーカーを測定する。このようなマーカーの例として、クレアチンキナーゼ、CK-MB、乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)、トロポニンIおよびT、ならびにミオグロビンが挙げられる。これらのマーカーは、虚血が開始して3〜6時間後に濃度が上昇し始め、数日以内にベースライン値に戻るので急性MIの診断に有用である。
血行力学的検査は、心臓の心腔および血管の局所的な血流または圧力の測定を伴う。心拍周期にわたる心腔圧波形の変化から、心臓弁膜不全または心不全が分かる。これらの測定は、一般的に、モニタリングしようとする位置にカテーテルを挿入することによって行われる。
電気的検査は心臓内の電気伝導を測定することを伴い、一般的に、心電図(EKG)を用いて行われる。EKGは、一般的に、患者の皮膚に取り付けられた多数のパッチ電極によって集められる。多くの心不全がEKGにより明らかになるが、中には変化がとらえにくいものもある。EKG装置が不整脈の事象を記録している限り、EKGによって不整脈を診断することができる。EKGパターンの様々な変化から梗塞の様々な段階および程度が分かる。例えば、波形のST部分の上昇または低下は、多くの場合、(急性心筋梗塞の初期段階に存在する)急性虚血に関連している。身体の様々な位置に配置された多数の電極からのEKG記録は、梗塞のある筋肉の場所を突き止めるのに使用することができる。一般的に訓練を受けた病院職員がEKGを読み取り、診断するが、ある問題を自動的に検出するための技術が存在する。
機械的心臓検査として、心エコー検査(すなわち、診断用超音波)またはMRIもしくはCTを用いた壁運動評価が挙げられる。急性虚血および慢性虚血の間に心臓壁の収縮性はかなり変化し、従って、心臓壁の運動全体はかなり変化する。これらの任意の画像化法を用いて、これらの変化を視覚化し、これらの変化の場所を突き止めることができる。運動により引き起こされる虚血は、これらの検査を運動前と運動後に行うことによって視覚化することができる。得られた画像から駆出率および他の機能パラメータを計算することによって、これらの画像化法を用いて機能評価を行うこともできる。
このような従来の心機能検査にはいくつかの欠点がある。これらの装置を用いた連続的な携帯モニタリングは実用的でない。携帯型EKGモニタ(ホルターモニタまたは事象モニタとして知られる)を使用することができるが、一般的に、1回につき24時間を超えた時の忍容性は高くない。急性冠状動脈事象に罹患した多数の患者(いわゆる、非ST上昇MIの患者の大きな集団を含む)では、電気異常は識別できない。また、これらのモニタは専門家の診断を必要とし、これにより病院外での望ましさが低くなる。最後に、これらの診断ツールの外付け特性は、心臓内のある特定の領域に事象を位置決めするための感度および能力を低下させる。
これらの問題に対処しようとして、心臓内で電位図をモニタリングするための、心室または胸腔の中に配置された電極による植込み型虚血検出技術が提案されている。これらの装置は、記録電位図に基づいて虚血が存在するかどうかを確かめるのに自動処理アルゴリズムを使用することができ、一般的に、心房または心室に配置された電気リード線に沿って配置される。他の提案されている植込み型装置は虚血生化学マーカーを測定する。時として、この目的のための化学センサは局所虚血検出のために冠状動脈に配置される。これらの植込み型装置は、事象を検出すると患者に危険を警告することができ、または初期治療を送達することができる。
しかしながら、これらの技術には、心筋虚血および他の心不全の早期診断において大きな欠点がある。特に、初期虚血事象に対して感度が低い技法が用いられている。電位図記録の場合、再灌流後に急速にベースラインに戻ることがある測定に頼っており、このことが一過的事象または気絶心筋の診断を難しくしている。さらに、電気ペーシングおよび除細動パルスを含む他の移植装置からの干渉を電気信号が受けやすい。ある特定の生化学分析(例えば、CK-MB)では、虚血発生の数時間後に起こる事象を測定する。
冠状動脈心疾患(CHD)は、米国における男性および女性の第1位の死因である。この疾患の重要性および現行の診断法の大きな欠陥のために検出の改善が非常に望まれている。本発明はこれらの問題に対処する。
刊行物
米国特許第6,514,195号は血液の流速を解析する植込み型装置について述べている。米国特許第6,501,983号は複数の装置を含む植込み型システムについて述べている。例えば、EKGに基づく植込み型装置(例えば、ST部分のシフトを検出する装置)は、国際公開公報第03/020366号および国際公開公報第03/020367号ならびに米国特許第6,609,023号に記載されている。
米国特許第6,514,195号は血液の流速を解析する植込み型装置について述べている。米国特許第6,501,983号は複数の装置を含む植込み型システムについて述べている。例えば、EKGに基づく植込み型装置(例えば、ST部分のシフトを検出する装置)は、国際公開公報第03/020366号および国際公開公報第03/020367号ならびに米国特許第6,609,023号に記載されている。
植込み型加速度計は、特に、国際公開公報第98/14239号に記載されている。
発明の簡単な概要
心臓尖部で心臓の運動を測定することによって心機能をモニタリングするための装置および方法が提供される。適切に収縮しないとき、尖部の運動のベクトルが変化するので、尖部の運動の方向は心不全(特に、心室不全)の高感度で即時的で正確な指標となる。このような心機能の機械的変化は電気的機能不全よりも顕著であり、再灌流後でさえも持続する。さらに、本発明において用いられる機械的信号は、植込み型ペースメーカによって発生する電気ペーシング信号からの干渉を受けない。
心臓尖部で心臓の運動を測定することによって心機能をモニタリングするための装置および方法が提供される。適切に収縮しないとき、尖部の運動のベクトルが変化するので、尖部の運動の方向は心不全(特に、心室不全)の高感度で即時的で正確な指標となる。このような心機能の機械的変化は電気的機能不全よりも顕著であり、再灌流後でさえも持続する。さらに、本発明において用いられる機械的信号は、植込み型ペースメーカによって発生する電気ペーシング信号からの干渉を受けない。
本発明による装置は体内の装置(通常、移植された装置)であり、連続自動モニタリングに使用し、それによって急性心筋虚血または梗塞の早期診断を行うことができる。早期診断によって即時の治療介入(例えば、入院、薬理学的介入など)が可能になる。
本発明の方法では、モニタリング装置(センサ)が適切な心臓位置(例えば、左心室尖部または右心室尖部)に配置される。1つの態様において、1個の測定センサがあり、この測定センサは、装置の要素を動作可能に連結するリード線を備えてもよく、リード線が無くてもよい。別の態様において、複数の測定センサ(例えば、脈拍調整のための、EKG、血液の化学特性などのモニタリングのための測定センサ)が提供される。さらなるセンサは、機械的センサ、電気的センサ、血行力学的センサ、化学的センサなどでもよい。正常機能の間にセンサ出力が、正常な運動の範囲を求めるのに用いられるプログラム可能な装置によって解析される。選択的に、不適切な収縮間の尖部運動の変化を確かめるために、一時的に誘導される異常(例えば、閉鎖)が行われる。運動が正常閾値から外れると警告または他の治療行為が始まるように、正常動作の閾値が設定される。
本発明の1つの態様において、モニタリング装置は体内に永久的にまたは半永久的に移植される。この装置は、選択的に、ペースメーカまたは他の植込み型装置に組み込まれるか、または独立型センサとして移植される。特に、独立型装置の場合、心臓へのセンサの送達は経皮送達でもよく、経胸腔送達でもよい。
一部の態様において、心不全を検出するシステムが提供される。システムの最小要素として、心室尖部におけるセンサ(左心室に配置されてもよく、右心室に配置されてもよい);および運動解析(MA)要素が挙げられる。MA要素は移植されてもよく(例えば、センサにつながるリード線を含むペースメーカに組み込まれてもよく、センサに組み込まれてもよく;リード線を含む独立型ユニットとして提供されてもよく;皮下移植されてもよい)、または外部にあってもよい(例えば、皮膚に可逆的に取り付けられてもよく、手持ち式装置として提供されてもよい)。センサおよびMA要素は、電気リード線、無線遠隔測定、集積回路などを介して動作可能に連結される。センサは、心室尖部の運動をモニタリングし、MA要素は、運動の方向および/または距離が予め設定された閾値から外れているかどうかを確かめて機能不全を示すように運動出力を解析する。
本システムは、通常、尖部運動センサの出力を解析するプログラム可能な装置(プログラマ)をさらに含む。一般的に、プログラム可能な装置は、正常機能を解析するためのソフトウェアを備え、データを入力するのに用いられる。プログラマを使用すると、患者の医師は、心臓事象の検出パラメータすなわち閾値を設定することができる。プログラマは、例えば、USBポート、無線通信などを介してMA要素と通信し、警報要素と通信システムを共用してもよい。プログラマはまた、MA要素によって捕捉されたデータ(心臓事象の前、間、および後に捕捉されたデータ)をアップロードおよび検討するのに使用することもできる。さらに、プログラマは、例えば、ある期間にわたる心機能の追跡、治療レジメに応答した患者の生存中の動作の変化の評価などを行うために、患者からのデータを記録および記憶することができる。プログラム可能な装置は病院または診察室で利用することができてもよく、パーソナルコンピュータ、PDAなどでもよいが、閾値の解析および変更は、好ましくは、医療専門家の管理の下で行われる。患者の心臓運動信号の一日サイクルを考慮に入れるために、比較のために過去に予め決められた時間を選択することが望ましい場合もある。このようなシステムは、患者のベースライン運動のゆっくりとした小さな変化、ならびに一日サイクルの変化をモニタリングするように適応する。
さらに、本システムは、1つまたは複数のさらなる植込み型センサ(例えば、機械的信号、電気信号、化学的信号などを解析することができるセンサ)を備えてもよい。このようなさらなるセンサは尖部運動センサと動作可能に組み合わせることができる。
1つまたは複数の検出アルゴリズムを用いて、MA要素は、急性心筋梗塞などの心臓事象の指標である患者の心室尖部運動の変化を、事象が起きた後5分以内に検出し、次いで、事象が起こっていることを患者に自動的に警告することができる。この警告を出すために、システムは内部警報要素または外部警報要素をさらに備えてもよく、選択的に、これらの警報要素はMA要素に組み込まれる。警報信号は、機械的振動、音;医療施設への送信などでもよい。警報要素は、押し下げると患者が警報に気づいたことを知らせることができ、内部警報信号および外部警報信号を切る「警報解除」ボタン;情報および/または指示をテキストメッセージによって患者に提供するディスプレイ(一般的に、LCDパネル)ならびに運動センサのディスプレイをさらに備えてもよい。
態様の詳細な説明
心機能をモニタリングするための装置および方法が提供される。この装置は、心室尖部における心臓の運動(特に、運動方向)を測定するためのセンサを含む。尖部運動の方向は、心不全の高感度で、即時的で、かつ正確な指標となる。詳細に述べると、心室尖部がある期間にわたって横断する6自由度の経路は急性虚血のもとでは急激にかつ著しく変化し、虚血事象が起こったことを、およびどの冠状動脈が虚血の原因となった可能性が高いかを推定するために、この変化の特徴を評価することができる。尖部運動はまた、心拍を評価するために、不整脈の存在を検出するために、ペーシング信号捕捉、容量過負荷、または心不全の他の徴候を検出するために解析することもできる。心筋スタンニング、冬眠、梗塞、および虚血を含む心不全に対するさらなる感度および特異性を向上させるために、尖部運動に含まれる情報と、1つまたは複数のEKG電極または圧力変換器(または以前に明確にされた他の任意のセンサタイプ)からの情報を組み合わせることができる。
心機能をモニタリングするための装置および方法が提供される。この装置は、心室尖部における心臓の運動(特に、運動方向)を測定するためのセンサを含む。尖部運動の方向は、心不全の高感度で、即時的で、かつ正確な指標となる。詳細に述べると、心室尖部がある期間にわたって横断する6自由度の経路は急性虚血のもとでは急激にかつ著しく変化し、虚血事象が起こったことを、およびどの冠状動脈が虚血の原因となった可能性が高いかを推定するために、この変化の特徴を評価することができる。尖部運動はまた、心拍を評価するために、不整脈の存在を検出するために、ペーシング信号捕捉、容量過負荷、または心不全の他の徴候を検出するために解析することもできる。心筋スタンニング、冬眠、梗塞、および虚血を含む心不全に対するさらなる感度および特異性を向上させるために、尖部運動に含まれる情報と、1つまたは複数のEKG電極または圧力変換器(または以前に明確にされた他の任意のセンサタイプ)からの情報を組み合わせることができる。
本発明の1つの態様によれば、心不全を検出およびモニタリングするための移植装置または体内装置が開示される。この装置は、心臓尖部における運動を検知するための手段;センサによって発生した信号を分析するための手段を提供する運動解析手段;および解析の結果として機能不全状態を示すための手段(例えば、警報装置、遠隔地伝送など)を含む。
このような装置は、心臓組織または血液の1つまたは複数の特性を検知する段階;検知要素によって発生した信号を分析する段階;および解析の結果として機能不全状態を示す段階を含む、心不全を検出およびモニタリングするための方法を提供する。前記の装置は、センサがMA要素に動作可能に接続されている配置(この場合、MA要素は移植されるか、または外部にある)、センサが植込み型装置(例えば、ペースメーカ;電気除細動器;除細動器;注入ポンプ;弁形成リング;心耳閉鎖装置、または他の植込み型心臓治療)に作動可能に連結されている配置を含む様々な配置で製造することができる。前記方法は、心臓組織または血液の1つまたは複数の特性の検知するための回路、検知要素によって発生した信号の分析するための回路、および分析の結果として機能不全状態を示すための回路を組み込む段階を含む。
心臓モニタリングセンサを送達するための管腔内カテーテルも提供される。このカテーテルは、近位端および遠位端を有する細長い軸、カテーテルの遠位端に配置された少なくとも1つの検出部分、軸から着脱部分を外すのを可能にする着脱機構、および着脱機構を動かすために近位端に配置されたアクチュエータを備えてもよい。
本発明のこの態様によれば、心室尖部がある期間にわたって横断する経路を検知する段階;センサによって発生した信号を分析する段階;および解析の結果として生理学的または環境的な効果または出力を生じる段階を含む、心機能を検出およびモニタリングするための方法が提供される。前記方法は、少なくとも1つのセンサを移植する段階;例えば、遠隔装置を用いて、1つまたは複数のセンサを質問(interrogation)する段階;およびセンサによって検知された少なくとも1つの生理学的変数を解析する段階を含んでもよい。
うっ血性心不全として知られる慢性疾患では、心臓のポンプ能力が低下する。この後に、ポンプ能力の低下を補うために心室が(通常、拡張することによって)形を変える心室リモデリングが起こる。このプロセスの一部を尖部運動センサが検出することができる。例えば、心室のどの部分の機械的な力強さがどのように低下しても、尖部運動センサの運動の振幅が減少する。固定された基準に対するセンサの絶対位置もまた、心室リモデリングの結果として測定可能に経時変化することがある。これらの変化は、運動軸が比較的影響を受けないことに加えて、発症がゆっくりしている(発生に数時間〜数日必要とする)ことで虚血事象と区別することができる。心室において複数の運動センサが用いられる場合、互いと比較してセンサの運動を解析することによって収縮性を測定することができる。ポンプ能力の心臓内モニタリングの現行法は圧力測定に焦点を合わせている。圧力測定は、(望ましい)心臓の左側で確実に成し遂げることが難しく、運動検知で入手可能な診断情報の範囲を得ることができない。所望であれば、診断精度の向上のために運動センサを圧力検知と共に使用することができる。
心疾患患者における2つの一般的な不整脈は心室性頻脈および心室性細動である。心室性頻脈(心室性期外収縮)では、心室は、速く、かつ心房伝導によるリズムから外れて収縮する。心室性細動では、心室は速く単収縮するが、協調した収縮は起こらない。身体への血流を回復させるために、心室性細動の治療(除細動ショック)は迅速に投与しなければならない。対照的に、心室性頻脈は、血液が身体に依然として流れているので積極的に治療されない場合がある。現行の植込み型除細動器は、心室性頻脈を検出し、心室性細動と区別するEKGセンサを使用しているが、これらの2つの異なる状態の電気波形はあまりも似すぎて、正確な自動識別を行うことができない場合がある。収縮が協調していると尖部運動は大きいが、(心室性細動の場合のように)単収縮が協調していないと尖部運動は大きくないので、心臓尖部で機械的センサを使用することによって、心室性頻脈と心室性細動の識別精度を改善することができる。心室性頻脈および心室性細動はまた、尖部運動センサだけを用いてセンサ運動の周期速度および振幅を解析することによって検出することもできる。心室性頻脈は160〜240bpm(beat per minute)の収縮速度を特徴とするのに対して、心室性細動ではセンサ運動の速度は一定せず、振幅は小さい。
ペースメーカが移植される時、電気ショックの強さは「捕捉」と心室収縮に十分な強さであるが、心筋を傷つけるほどの強さでも、不必要にバッテリの電力を使用するほどの強さでもないように注意深く設定される。これは、(一般的に用いられるような)電気的検知では難しい場合がある。なぜなら、ペーシング電気パルスが電位図の記録に干渉し、このためにペースメーカ捕捉の測定が難しくなるからである。尖部にある機械的センサは、この種の電気的干渉を受けにくいので捕捉検出を改善し、心臓収縮を検出するのに使用することができる。
心不全
本明細書で使用する、心不全または疾患状態は、心筋虚血、壊死、低い駆出率、減少した心拍出量、拡張、容量過負荷、心不全、心筋症、急性冠状動脈症候群(不安定狭心症および急性心筋梗塞、安定狭心症を含む)、心停止、タンポナーデ、心膜炎、不整脈(心室性頻脈、心室性細動、徐脈、上室性頻脈、心房性細動を含む)、ペーシング信号捕捉、および他の物理的または電気的に現れる心臓状態を意味する。
本明細書で使用する、心不全または疾患状態は、心筋虚血、壊死、低い駆出率、減少した心拍出量、拡張、容量過負荷、心不全、心筋症、急性冠状動脈症候群(不安定狭心症および急性心筋梗塞、安定狭心症を含む)、心停止、タンポナーデ、心膜炎、不整脈(心室性頻脈、心室性細動、徐脈、上室性頻脈、心房性細動を含む)、ペーシング信号捕捉、および他の物理的または電気的に現れる心臓状態を意味する。
尖部
本明細書で使用する用語、心臓の「尖部」は、一般的に、図5に示した位置501を意味する。この位置として、心臓内の右心室尖部、心外膜尖部、尖部心静脈(例えば、前室間静脈(AIV))などが挙げられるが、これに限定されない。機械的機能不全が心室のどの場所にあっても尖部運動の絶対的な変化が起こるので、センサが尖部に位置することが望ましい。
本明細書で使用する用語、心臓の「尖部」は、一般的に、図5に示した位置501を意味する。この位置として、心臓内の右心室尖部、心外膜尖部、尖部心静脈(例えば、前室間静脈(AIV))などが挙げられるが、これに限定されない。機械的機能不全が心室のどの場所にあっても尖部運動の絶対的な変化が起こるので、センサが尖部に位置することが望ましい。
センサ
心機能に関連した生理学的変数を検出するために、本発明においてセンサが用いられる。センサは運動解析要素に作動可能に連結され、動作可能な連結は有線式でもよく、無線式でもよい。少なくとも1つのセンサが心室尖部の運動をモニタリングする。
心機能に関連した生理学的変数を検出するために、本発明においてセンサが用いられる。センサは運動解析要素に作動可能に連結され、動作可能な連結は有線式でもよく、無線式でもよい。少なくとも1つのセンサが心室尖部の運動をモニタリングする。
測定センサは、好ましくは長期移植片として用いられるが、一過的にまたは一時的に(例えば、カテーテル法の間に、または患者の入院中に)使用することもできる。カテーテル法の間に、胸部手術時に、心臓周囲空間に近づく最小侵襲手術などによって、移植を行うことができる。
1つまたは複数の運動センサが心室壁に近接した位置に配置されてもよい。これらの位置は心静脈を用いて近づいてもよく、心外膜にあってもよく、心室自体の中にあってもよい。運動の測定は、機能不全の源の位置を正確に評価するために、ならびに急性事象および他の機能不全に対する感度および特異性を上げるために用いられる。虚血の場合、虚血領域の場所は、心室壁の運動の急性変化の方向を解析することによって突き止めることができる。図5を見ると、尖部センサが位置501に存在する場合、虚血によって尖部運動が急激に変化し、尖部運動は虚血領域の位置から遠ざかる傾向がある(運動経路504および506を比較する)。
「測定センサ」または「センサ」という用語は、RF遠隔測定装置、ジャイロスコープ要素、圧電気要素、超音波変換器(送信信号または反射信号を使用する)、収縮性センサ、静電容量センサ、コンダクタンスセンサ、ひずみゲージ、角速度ジャイロ、または加速度計を意味してもよい。ここで、用語RFまたは無線周波数は電磁気エネルギーの任意の形を意味するが、好ましくは、1kHz〜1GHzの範囲内である。他の測定センサタイプは、マイクロフォン、流量計、圧力変換器、電極、伝導率センサ、コンプライアンスセンサ、静電容量センサ、あるいは生化学センサ(濃度センサ、光散乱もしくは反射率もしくはラマン分光法、干渉法、または生物学的に反応性のあるマイクロセンサを使用する)でもよい。心臓の疾患状態についての診断情報を得るために、これらの測定センサタイプおよび測定パラメータのいずれかまたは全てを単独で、または組み合わせて使用することができる。
本発明は、位置、速度、加速度、回転、または回転速度を含む心臓尖部運動を検出するが、他の特性も検知することができる。本発明の1つの態様において、心音、収縮性、血流、電気伝導率、電位図信号、組織コンプライアンス、液圧、壁のひずみ、または血液もしくは組織中の電解質、イオン、もしくは生化学マーカーの濃度を含む特性を測定する、さらなるセンサが移植される。
本発明の1つの態様において、運動センサは加速度計である。加速度計は、回転加速度または並進加速度ならびにコリオリの加速度を振動速度ジャイロスコープで測定するように設計することができる。MEMS(マイクロエレクトロニックメカニカルシステム(MicroElectronicMechanicalSystem))を備えた加速度計を含む様々な加速度計が市販されており、当技術分野において周知である。例えば、U.S.Patent nos.6,666,092;6,671,648;6,581,465;6,507,187;5,345,824などを参照のこと。加速度計を用いた検知は、基準加速度計を心臓外部にある装置ケーシング101に配置し、1つまたは複数の測定用加速度計を心臓内または心臓表面の位置(例えば、位置501)に配置することによって行うことができる。1つの態様において、基準センサは存在せず、患者の運動はフィルタにかけられるか、静止している時に測定が行われるか、外部装置(例えば、プログラマ);MA要素などが基準点を提供する。
例えば、加速度計は、表面マイクロマシニングされたポリシリコン構造でもよい。この場合、加速による構造の偏りが、浮かんだ状態になっているポリシリコン塊と、固定されているマイクロマシニングされたプレートとの静電容量変化によって測定される。この適用のために、アナログデバイス(Analog Device)ADXL320 MEMS二軸加速度計などの市販の装置を使用してもよく、専門の装置を組み立ててもよい。加速度計チップに、信号処理、電圧リファレンス、増幅、および復調の機能を組み込んでもよい。
測定用加速度計は局所的な心臓壁運動を間接的に測定するのに対して、基準加速度計は、患者の運動、呼吸などによって生じた影響を取り除くのに用いられる。(複数の測定用加速度計が存在する場合)隣接する測定用加速度計によって発生した信号間で比較を行うと、これらの位置の間の組織収縮性についての情報が得られ、このような測定中の急激な変化は、急性心筋梗塞または不整脈などの急性事象の良好な指標である。心腔血液量は心室全体を取り囲んだ多数のセンサの位置を用いて計算することができ、心拍出量および駆出率などの意味のあるパラメータは心腔体積の時間的変化を用いて計算することができる。
加速度計の代わりに、移植片の位置での心臓回転の角速度を検知するためにMEMSレートジャイロ(例えば、アナログデバイスADXRS150)を使用することができる。心室のねじれは急性虚血のもとで著しく減少し、急性心筋梗塞の信頼性の高い警告として使用することができる。これらの信号から心室性頻脈、心室性細動、上室性頻脈を含む心不全の他の尺度、およびうっ血性心不全のパラメータも作成することができる。
心臓の運動と患者の運動または呼吸の運動を区別するために、好ましくは、差異測定が行われる。これは、前記で述べられた測定センサとは異なる体内の場所に1つまたは複数の基準センサを配置することによって実現することができる。この場合、基準センサは、好ましくは、測定センサと同じセンサタイプのセンサである。測定センサおよび基準センサは、1つまたは複数のリード線を介して、互いに、および処置回路に接続されてもよく、RF遠隔測定、音響遠隔測定、または他の遠隔測定を介してリードレス配置で通信してもよい。リードレス配置が用いられる場合、装置を適切な解剖学的構造に経皮的にまたは経胸腔的に配置するために、送達装置またはカテーテルが一般的に用いられる。
差異測定はまた延長センサによって行うこともできる。延長センサにおいて、生理状態は延長センサの全長に沿って異なり、その変化のために電気的作用または機械的作用が得られる。リード線が存在する場合、偏り、またはねじれを含む先端部の運動はリード線の残りを基準にして検出することができる。1つまたは複数の基準センサも使用することができ、1つまたは複数の基準センサから得られたデータは、心臓でない運動を補正するのに使用することができる。複数の測定センサが存在する場合、他の測定センサの基準となるように個々の測定センサを使用することができる。基準センサは、好ましくは、心房壁、心耳、または冠状静脈洞などの基部位置に配置される。または、基準センサは皮下に配置されてもよく、下大静脈に配置されてもよく、リード線本体に配置されてもよく、デバイスエレクトロニクスを含む植込み型キャニスタに含まれてもよく、干渉信号も生じる体内または体表面のどの場所に配置されてもよい。差異測定が行われない場合、心臓ではない運動は、フィルタリング、ベースライン除去、または1つもしくは複数の測定センサから得られたデータに適用される他の処理法によって排除することができる。
運動解析要素
MA要素は、一般的に、データ処理装置(通常、メモリユニット)、入力データを受信するための手段、および出力を送信するための手段を含む。本発明の1つの態様において、MA要素は、本発明に必要とされる機能が組み込まれているペースメーカ内のキャニスタ型ユニットである。別の態様において、MA要素は本発明に特有の移植装置である。さらに別の態様において、MS要素は、無線接続によって動作可能に連結された外部装置であり、患者に取り外し可能に取り付けられてもよく、遠隔位置(例えば、データハブ)からの入力をモニタリングしてもよく、PDAまたはパーソナルコンピュータなどと一体化されてもよい。
MA要素は、一般的に、データ処理装置(通常、メモリユニット)、入力データを受信するための手段、および出力を送信するための手段を含む。本発明の1つの態様において、MA要素は、本発明に必要とされる機能が組み込まれているペースメーカ内のキャニスタ型ユニットである。別の態様において、MA要素は本発明に特有の移植装置である。さらに別の態様において、MS要素は、無線接続によって動作可能に連結された外部装置であり、患者に取り外し可能に取り付けられてもよく、遠隔位置(例えば、データハブ)からの入力をモニタリングしてもよく、PDAまたはパーソナルコンピュータなどと一体化されてもよい。
例示的なMA要素に作動可能に連結されたセンサの図を図11に示す。MA要素は、測定センサ1および基準センサ2からの信号を処理する手段を提供する。信号は増幅器3によって増幅され、フィルタ4およびアナログ-デジタル変換器5を通る。通常、必要とされないが、フィルタ4はセンサに含まれ、ADC5はMA要素に含まれる。
センサ要素とMA要素との間には動作可能な接続6がある。動作可能な接続は、電気リード線、集積回路、無線周波数の伝送などでもよい。MA要素10は、FIFOバッファ8、中央演算処理装置9、およびプロセッサメモリ11を含む。CPUには、通常、RAM12の様々な情報が送られる。RAM12は、最近(recent)センサメモリ、ベースライン正常センサメモリ、ベースライン虚血センサメモリ、事象メモリ、プログラム可能なパラメータ(機能不全動作の閾値を含む)、ベースライン軸、患者データなどを含んでもよい。
運動センサに加えて、MA要素は、さらなるセンサ(例えば、磁石センサ15);タイミング回路20;遠隔測定サブシステム25からのデータ入力を受信することができる。MA要素は、遠隔測定サブシステム25によって指示、データなどを送信することができ、例えば、警報/治療サブシステム30;ペースメーカ回路35;除細動器回路40、タイミング回路20などを制御することができる。
閾値
MA要素は、通常、運動パラメータの閾値、選択的に、このようなセンサが存在する場合、他のパラメータの閾値を用いてプログラムされる。予め設定された量だけ正常な運動から変化した運動は、警報装置または他の警告システムを作動させる。
MA要素は、通常、運動パラメータの閾値、選択的に、このようなセンサが存在する場合、他のパラメータの閾値を用いてプログラムされる。予め設定された量だけ正常な運動から変化した運動は、警報装置または他の警告システムを作動させる。
図10のフローチャートはデータ解析アルゴリズムを示す。スリープX50は、正常な状態での虚血チェック間の時間である。Y秒のデータのバッファ55がFIFOバッファに入力される。ここで、Yは、1回の虚血チェックの実行の間に記録されるデータ量である。FIFOデータは次の最近メモリスロット60に保存され、65で軸Aが計算される。ここで、Aは、尖部運動の現在の軸に相当する単位ベクトルである。ベクトルAはベクトルBと比較される。ここで、Bは、医師の診察の間に、または正常であることが確かめられている以前の時点で集められたデータから求められた、心臓の運動の「ベースライン正常」軸に相当する単位ベクトルである。比較70はΔ(すなわち、加速度計センサデータから求められたベースライン正常値からの運動軸の最大許容逸脱(閾値))を基準にして評価される。このパラメータは、ほぼ0から約1.414(√2)以下に及んでもよく、好ましくは約0.1〜約0.4、より好ましくは約0.15〜約0.3であり、これらは、警報音の前に正常値から約10〜20%逸脱の逸脱を示す。
AとBとの差がΔより小さい場合、アルゴリズムは45にループする。AとBとの差がΔより大きい場合、FIFOデータが次の事象メモリスロット75に保存され、80においてカウンタ変数Kが1増加する。Kは、連続した正の虚血チェックが何回起こったかを追跡するのに用いられるカウンタ変数である。KがWより大きければ、警報装置が作動する。Kが現在のパラメータWと比較される85。ここで、Wは、警報音の前に必要とされる連続した正の虚血チェックの数である。K=Wであれば、事象警報装置または治療95が作動する。KがWより小さければ、90においてスリープZが作動する。ここで、Zは、進行中の事象が疑われている虚血チェック間の時間である。
プログラム可能な装置(プログラマ)
本発明の実施は、好ましくは、MA要素の出力を解析するプログラム可能な装置を利用する。一般的に、プログラム可能な装置は、正常機能を解析するためのソフトウェアを含み、データを入力し、Δ、X、W、Zの初期閾値を設定するのに、および初期ベースラインベクトルBを記録するのに用いられる。プログラマを使用すると、患者の医師は、心臓事象の検出パラメータすなわち閾値を設定することができる。プログラマは、例えば、USBポート、無線通信などを介してMA要素と通信し、警報要素と通信システムを共用してもよい。プログラマはまた、MA要素によって捕捉されたデータ(心臓事象の前、間、および後に捕捉されたデータを含む)をアップロードおよび検討するのに使用することもできる。さらに、プログラマは、例えば、ある期間にわたって心機能を追跡するために、治療レジメに応答した患者の生存中の動作の変化を評価するために、患者からのデータを記録および記憶することができる。プログラム可能な装置は病院または診察室で利用することができてもよく、パーソナルコンピュータ、PDAなどでもよいが、閾値の解析は、好ましくは、医療専門家の管理の下で行われる。患者の心臓運動信号の一日サイクルを考慮に入れるために、比較のために過去に予め決められた時間を選択することが望ましい場合もある。このようなシステムは、患者のベースライン運動のゆっくりとした小さな変化、ならびに一日サイクルの変化をモニタリングするように適応する。
本発明の実施は、好ましくは、MA要素の出力を解析するプログラム可能な装置を利用する。一般的に、プログラム可能な装置は、正常機能を解析するためのソフトウェアを含み、データを入力し、Δ、X、W、Zの初期閾値を設定するのに、および初期ベースラインベクトルBを記録するのに用いられる。プログラマを使用すると、患者の医師は、心臓事象の検出パラメータすなわち閾値を設定することができる。プログラマは、例えば、USBポート、無線通信などを介してMA要素と通信し、警報要素と通信システムを共用してもよい。プログラマはまた、MA要素によって捕捉されたデータ(心臓事象の前、間、および後に捕捉されたデータを含む)をアップロードおよび検討するのに使用することもできる。さらに、プログラマは、例えば、ある期間にわたって心機能を追跡するために、治療レジメに応答した患者の生存中の動作の変化を評価するために、患者からのデータを記録および記憶することができる。プログラム可能な装置は病院または診察室で利用することができてもよく、パーソナルコンピュータ、PDAなどでもよいが、閾値の解析は、好ましくは、医療専門家の管理の下で行われる。患者の心臓運動信号の一日サイクルを考慮に入れるために、比較のために過去に予め決められた時間を選択することが望ましい場合もある。このようなシステムは、患者のベースライン運動のゆっくりとした小さな変化、ならびに一日サイクルの変化をモニタリングするように適応する。
警報/治療サブシステム
心不全は、好ましくは、移植装置からの音響信号を用いて示されるが、外部装置へのRF遠隔測定(外部装置自体が適切に患者に知らせる)、電気ショック、神経刺激、迅速な知覚作用を有する薬物の投与、振動、または携帯電話、無線LAN、もしくは他のネットワークを介した電気通信によって示されてもよい。治療が投与される場合、薬物の投与または進行中の薬物レジメの用量変更を含んでもよく、薬物として、抗不整脈薬、利尿薬、抗血小板薬、強心薬、アスピリンなどが挙げられる。または、治療は、血餅融解、電気除細動、心臓ペーシング、アブレーション、液量の減少、心臓負荷の低下、または他の治療効果のために、超音波エネルギー、電磁気エネルギー、または神経刺激を用いる装置によって投与されてもよい。治療目的のために、前記の装置、または当技術分野において周知のように治療効果をもたらす他の装置に、薬物リザーバおよび薬物送達機械が組み込まれてもよい。
心不全は、好ましくは、移植装置からの音響信号を用いて示されるが、外部装置へのRF遠隔測定(外部装置自体が適切に患者に知らせる)、電気ショック、神経刺激、迅速な知覚作用を有する薬物の投与、振動、または携帯電話、無線LAN、もしくは他のネットワークを介した電気通信によって示されてもよい。治療が投与される場合、薬物の投与または進行中の薬物レジメの用量変更を含んでもよく、薬物として、抗不整脈薬、利尿薬、抗血小板薬、強心薬、アスピリンなどが挙げられる。または、治療は、血餅融解、電気除細動、心臓ペーシング、アブレーション、液量の減少、心臓負荷の低下、または他の治療効果のために、超音波エネルギー、電磁気エネルギー、または神経刺激を用いる装置によって投与されてもよい。治療目的のために、前記の装置、または当技術分野において周知のように治療効果をもたらす他の装置に、薬物リザーバおよび薬物送達機械が組み込まれてもよい。
ペーシング信号捕捉または心筋捕捉は、電気的に発生したペースメーカ刺激が協調した心臓収縮を生じる時の状態を意味し、弱すぎるペーシング電気信号はこのような捕捉をもたらさない可能性があるが、エネルギーが非常に強すぎるペーシングは損傷の原因となる場合があり、バッテリの寿命を短くする。解析および処理は、閾値解析、波形比較、時間領域解析(time-domain analysis)もしくは周波数領域解析(frequency-domain analysis)、多数の波形の同時多次元解析、アナログ-デジタル変換、フィルタリング、微分解析もしくは積分解析、線形解析もしくは行列解析、または組み合わせられたアプローチからなってもよい。
本発明の1つの態様は心機能の短期解析を提供する。例えば、疑われる虚血事象が起こった後に、本明細書に記載の機能のパラメータを検査することが望ましい場合がある。センサの永久移植が望ましくない場合、1つまたは複数のセンサを含むカテーテルを使用することができる。カテーテルをベースとする尖部運動センサの場合、カテーテルを右心室尖部まで進め、カテーテルの遠位端と尖部心筋との接触を維持するために、医師はカテーテルの近位端で前方向の圧力を加えることができる。結果として得られるカテーテル先端部運動は、遠位端にある加速度計または他のセンサによって測定することができ、データは、患者の外部に配置されているMA要素によって収集および分析することができる。または、前方向の圧力を加える代わりに、カテーテル遠位端は、装置を尖部心筋に安定しているが可逆的に取り付けるための、医師によってカテーテル近位端で動かされる接続機構を備えてもよい。1つまたは複数の検知される生理学的変数の局所変化を知らせるために、1つまたは複数のセンサをカテーテルの全長に沿って配置することができる。この局所的な変化は、患者または訓練を受けた医療職員に心不全を知らせるために解析または処理されてもよい。検出された機能不全を直ぐに治療するために治療が送達されてもよく、患者または医療職員に特定の治療が必要なことを装置が示してもよい。
検知された生理学的特性は装置によって出力され、1つまたは複数の心不全を診断するために医師、EMT、看護師、または他の医療職員によって解析されてもよい。または、もしくはさらに、装置は、心機能の急性事象または変化の可能性を評価するために、この信号を解析または処理してもよい。評価された可能性が高い場合、装置は、この判断を患者または医療職員に知らせてもよい。
装置それ自体は独立型でもよく、他の植込み型装置に組み込まれてもよい。他の植込み型装置として、ペースメーカ、植込み型除細動器、電気除細動器、心室補助装置(VAD)、事象モニタ(例えば、植込み型EKG記録計もしくはホルターモニタ)、注入ポンプ、弁形成リング、心房閉鎖装置、または他の外科手術治療もしくはカテーテル留置治療が挙げられる。電力は、電磁気遠隔測定、ボルタ電池、バッテリ、音響遠隔測定、組織を通る電気伝導、または生理学的もしくは環境的エネルギー源(例えば、熱、光、流れ、運動、収縮、もしくは生化学反応)からの発電によって装置に供給されてもよい。
本発明の1つの態様が図1に示され、検知されたデータを処理および記憶するための電子機器ならびに検知された情報を患者、医療職員、または他の関係者に通信するための手段を含む移植キャニスタ101を含む。この装置の態様は、端を含む位置に1つまたは複数のセンサを含むリード線102を提供する。このリード線は右心室103に進められ、尖部104の近くの右心室壁に取り付けられる。それによって、リード線104の遠位端に配置されたセンサは、この位置での心臓尖部運動、伝導、ねじれ、収縮性、または他の特性の異常に対する感度が高くなる。基準センサとして働くように、または心房細動などの心房現象に対する装置の感度を高めるために、さらなるセンサを、右心房105を横断するリード線の部分に配置してもよい。
104の拡大図は加速度計センサ110;加速度計センサとMA要素を接続するワイヤ111を示し、この場合、移植キャニスタ101はデータ処理手段を含む。心室リード線を尖部心筋に固定するための手段112も含まれ、これもセンサを尖部に向けることができる。
装置は、患者108に疾患状態の変化を通知するための、または診断情報を医療職員または他の関係者に連絡するための外部装置107との双方向通信106が可能である。従来のペースメーカの標準的な右心房リード線109が選択的に含まれる。
プログラム可能な外部ユニット107は、移植片の状態または(データ記憶装置からの)履歴センサ読み取り値を表示するための手段113を備え、外部インターフェースを介して内部装置をプログラムするための手段114を備えてもよい。
センサとMA要素との動作可能な接続102は、現行の移植型心調律管理装置(例えば、ペースメーカ、除細動器、および電気除細動器)と同じように右心室尖部104または他の位置に送達することができ、このような送達装置の操作は当技術分野において周知である。現行の装置はまた、この目的のために必要に応じて、これらの心調律管理機能を、さらなるリード線、センサ、および電子機器に与えることができる。測定センサからのデータは、このような一体型装置の機能を助けるのに使用することができる。例えば、心室尖部の運動の期間および力強さは、洞調律、心室性頻脈、心室性細動、上室性頻脈、または他の任意の調律機能不全を検出および識別するのに使用することができる。
複数の測定センサが用いられる時、検知要素間の比較測定(例えば、収縮性またはねじれの差)が十分であれば、専用の基準センサを省くことができる。基準センサはまた、能動的な検知が患者によって何らかの方法で始められる場合には不必要なことがある。なぜなら、患者は、このような検査の間に適切に静止した状態にすることができるからである。または、生理学的に関連する信号だけが保持されるように、センサ出力をフィルタリングまたは処理することによって、基準センサの機能を置き換えることができる。このようなフィルタは、従来の高域フィルタ、低域フィルタ、バンドパスフィルタ、もしくはノッチフィルタでもよく、当技術分野において周知の技法を用いた適応フィルタ(adaptive filter)または学習フィルタ(learning filter)でもよい。
RFまたは超音波センサ要素はまた同様の診断情報を作成するのに使用することもできる。1つまたは複数のセンサが電磁波または音波を発生してもよく、センサ間の距離を求めるために、他の位置にあるセンサが受信した信号の時間および/または振幅および/または位相を使用することができる。異なるセンサ要素に異なる伝送周波数、直交IDコード、または他の衝突防止法(anti-collision method)を使用すると、複数のセンサから受信した多数の同時信号を識別することができる。このアプローチはまた、胸部内の心臓の絶対的な運動を検出するために、心臓外部にある1つまたは複数の基準センサから利益を得ることもできる。空間的に不均一な大きさおよび/または位相プロファイルを有する波をセンサが発生および受信すれば、送信センサおよび受信センサの互いに対する方向も推定することができる。互いに直交して(または非同軸に)向けられた、同じ場所に配置された複数のセンサを使用すると、複数の信号を発生することによって、この方向検知が容易になる場合がある(複数の信号から相対的な信号強度および相対的な位相を計算することができる)。
反射型超音波もまた心室表面を質問するのに使用することもできる。心室壁間の距離などのパラメータを求めるために解析することができる反射強度プロファイル(Aモードスキャン)を、このような変換器から得ることができる。これらの信号をある期間にわたって解析すると、心拍出量および駆出率についての診断情報を得ることができる。または、セクタスキャン(Bモード像)を作成し、訓練を受けた医療職員による解析のために外部装置107に送信することができる106。
この好ましい態様の代わりとなるものを図2に図示する。(a)では、リード線201は、冠状静脈洞203を介して心静脈に入ることによって、心室尖部202の近くに配置されている。この配置は、左心室204に極めて近い心外膜リード線配置のために、図1の態様より選択されるかもしれない。このリード線配置は、最適には、AIVを通る場合があり、装置のゲージが可能な限り静脈の中に進められる。冠状静脈洞を通るリード線配置および静脈解剖学的構造の中でのリード線固定は両心室ペースメーカに開発された方法を用いて行われ、当技術分野において周知である。局所情報または基準データを得るために、さらなるセンサをリード線201に沿って間隔をおいて配置することができる。(b)では、疾患状態について局所情報を得るために、複数のリード線205が心室にまたがる位置に配置されている。複数のリード線205は完全に独立したリード線でもよく、図示したように1本の分岐リード線201の一部であってもよい。
分岐リード線構造の配置は、最初は、さらなる分岐をリード線本体の中に収容し、リード線本体を適切な位置に進めた後でしかリード線本体の外に進めないようにすることによって行うことができる。または、分岐構造は、第1のリード線を所望の位置に進め、次いで、さらなる段階においてリード線の分岐部分を進め、取り付けることによって現場で組み立てることができる。図2(c)では、装置は、現行の両心室ペースメーカまたは心臓内除細動器と同じように配置され、リード線は右心室、右心房206、および近位心静脈202にある。この配置は、これらの位置の各々にあるセンサからのデータ収集を可能にし、さらなる心房センサ204は比較的安定した基準として用いられてもよく、心房性細動を含む上室性頻脈を検出および識別するのに用いられてもよく、その両方でもよい。右心室尖部と心静脈のセンサは尖部測定の位置精度を高めるのに用いられてもよく、例えば、尖部のねじれまたは尖部の収縮性を求めるのに差異的に用いられてもよい。本明細書に記載のどの配置も、心臓ペーシング、電気除細動、除細動、および/または局所薬物送達を含む治療を送達することができる。
別の好ましい態様を図3に示す。完全に心臓内にある検知装置301が心室尖部に、または心室尖部の近くに配置されている。1つまたは複数のセンサ、ならびに遠隔装置107(体外にあってもよく、皮下移植されてもよい)との通信302、303のための手段が検知装置に組み込まれている。遠隔装置107は患者108に状態を知らせてもよく、治療または現行の治療の変更を勧めてもよく、医療職員またはセントラルレポジトリもしくはデータベースに診断情報を送信してもよい。完全に心臓内にある検知装置には、血栓形成性の低下、装置コストの削減、右心臓カテーテル法の間の移植の容易さ、および潜在的なMRI適合性を含む、いくつかの利点がある。このアプローチの主な欠点は、検知装置301の中の電子機器またはバッテリの空間が限られていることである。
この態様の他の配置を図4に示す。(a)では、検知装置401が冠状静脈洞を通って前室間静脈などの心静脈の奥まで入れられている。(b)では、複数の検知装置402が心室を取り囲む位置に配置することができる。この配置は、外科手術によって、心外膜にセンサを固定することによって、または経皮的にセンサを心静脈内の複数の位置に進めることによって行うことができる。心静脈内への検知装置の固定は、かえし(barb)、コークスクリュー(corkscrew)によって、または心静脈の面積をふさぐように装置の大きさを調整することによって行うことができる。装置の存在下で静脈血が流れるように、または配置中にガイドワイヤを使用できるように、検知装置に流路を含めることができる。(c)では、検知装置は前と同じように心室尖部301の近くに配置され、さらなる検知装置が右心房403(例えば、右心耳)に配置されている。このさらなる検知装置は1つまたは複数のセンサを含む。センサは基準センサとして用いられてもよく、上室性頻脈または心房に限局される、および心房において現れる他の機能不全を検出する測定センサとして用いられてもよい。(d)では、検知装置は前と同じように心室尖部301の近くに配置されているが、この場合、さらなる検知装置404が冠状静脈洞の心静脈に、または冠状静脈洞の近くの心静脈に配置されている。この位置にあるセンサは安定した基準センサとして用いられてもよく、上室性頻脈を含む心房機能不全を検出する測定センサとして用いられてもよく、僧帽弁機能(心拍周期の間の環状拡張または収縮を含む)を評価するのに用いられてもよく、基部心室の機能不全を検出するのに用いられてもよい。このさらなる検知装置はまた、当技術分野において周知なように僧帽弁輪を収縮させることによって僧帽弁逆流を治療することもできる。
図5は、正常に機能している心臓(a)および急性虚血領域を有する心臓(b)における左心室(LV)および左心房(LA)を示す。左心室501の尖部は胸部内で自由に浮かんでおり、機械的には、大動脈、肺動脈、および冠状静脈洞503の近くにある基部心室502から始まる大きな静脈において心臓が付着している点から最も離れた点である。尖部501は心拍周期間に周期的な運動を経験し、これは(付着点と尖部との間にある)全ての心室心筋の運動および機能によってある程度命令される。正常な心臓では、この運動504はほぼ心室の長軸に沿った方向であり、経時的におよび個体間で比較的安定している。直線運動に加えて、正常な心臓では尖部は心拍周期間に大きなねじれ運動(一般的に、20度を超える)も経験する。
図5(b)に示した下方領域505などの急性虚血領域を有する心臓では、尖部506の運動は著しく変化することがある。この逸脱の空間方向および大きさは、梗塞の位置にかかわらず虚血心臓において大きく異なることがある。運動経路は収縮間に梗塞の位置から遠ざかるようにそれるので、実際に、尖部がそれる方向から梗塞の位置が分かる。図5(b)の例では、梗塞が下方に位置するために、運動経路506は正常運動504と比較して下方壁から遠ざかるようにそれる。さらに、尖部ねじれの程度は急性虚血のもとでは劇的におよび直ぐに減少する。従って、尖部の運動およびねじれの検出は、心室全体にわたる急性虚血を遠隔検出するのに使用することができる。同様に、心臓内の伝導異常は心室尖部で得られる測定値において最も顕著に見られる。
心拍は尖部逸脱の周期性によって簡単に求めることができ、心室性頻脈および心室性細動は、尖部のねじれおよび運動において現れる特徴的な変化によって特定および区別することができる。上室性頻脈もまた、心臓の離れた領域での事象に対する尖部の感受性のために尖部において目に見えることがある。心臓過負荷もまた心臓収縮の機械的な力強さの変化として検出することができる。正常心臓の冠状静脈洞503の運動507および急性虚血心臓の冠状静脈洞の運動508、ならびに正常心臓の下方基部心室(inferobasal ventricle)の運動509および急性虚血心臓の下方基部心室の運動510は虚血の影響を大きく受けないが、虚血の測定には有用な場合があり、基部梗塞に対して特に感度が高い場合がある。尖部運動を検出するための、装置またはリード線の潜在的な位置として、左心室尖部、右心室尖部、冠状静脈洞、前室間静脈、心静脈、冠状動脈、心外膜尖部、および心臓周囲空間が挙げられるが、これに限定されない。
図6は、近位端602および遠位端603を有するセンサリード線601の断面図を示す。図6(a)では、限局検知装置604がリード線の遠位端に、または遠位端の近くに配置されている。図6(b)の態様では、限局検知装置605はリード線本体に沿って間隔をおいて配置されている。これらは心筋パラメータの局所検知を可能にする。(c)では、先端部の偏りまたはねじれを経時的に検出するために、延長検知装置606がリード線の先端部に、またはリード線の先端部の近くに配置されている。このような検知装置はそれ自体で基準となるという利点を有する。すなわち、本質的に、リード線のより近位にある位置と比較してリード線先端部の運動の差を測定し、それによって基準センサの必要が無くなる。(d)および(e)では、複数の遠位端607を有する分岐リード線が用いられている。この分岐リード線は図2(b)に示したように複数の心静脈に配置されてもよく、単に、図1に示した装置のような別の装置に接続したバリエーションでもよく、ここで、右心室リード線先端部104は互い違いに(alternatively)分岐し、心室壁内の複数の位置に固定されてもよい。このような固定機構は外れる可能性が低く、尖部の局所収縮性を測定するのに使用することができる。図6(d)は、個々の限局検知装置608が各リード線の先端部に、または先端部の近くにある分岐リード線を示す。(e)では、複数の分岐にまたがる延長検知装置609が用いられ、本質的に、リード線先端部の間の相対的な運動の検知が測定される。
パッシブセンサまたはアクティブセンサもリードレス配置において使用することができ、ここで、1つまたは複数の検知装置が心臓の様々な位置に移植される。図7は、このような移植された検知装置内でのいくつかの潜在的なセンサ配置を示す。(a)では、検知装置701は複数のセンサ702〜704を備え、それぞれが異なる感度を有する。加速測定または指向性RF検知が用いられれば、複数の装置が複数の運動軸を検知することができる。ここで示したように、検知装置の位置についての6自由度の情報を得るために、3つの直交センサを使用することができる。このような検知装置において、加速測定およびRF検知、またはRF検知およびEKG検知などの複数のセンサタイプも一緒に使用することができる。(b)では、1個のセンサ705が検知装置701の中に含まれている。これは単純でサイズが小さいという利点を有する。(c)では、延長検知装置706も使用することができ、限局検知成分709、710が、末端707、708を含む延長検知装置に沿った位置に配置されている。限局センサ成分709、710は、(a)または(b)に示した配置を含む、限局センサ装置に可能などの配置でもよい。(d)では、延長検知装置706は延長センサ711を備え、延長センサ711は、延長移植片706上の曲げ、ねじれ、圧縮、または他の負荷の差を検出してもよく、延長検知装置706の絶対的な運動も検出してもよい。外部にあるか、または移植されている遠隔装置(例えば、107)が、これらの任意の検知装置と通信することができ、検知装置の位置、加速、回転、または他の検知情報を前記のように集めることができる。また、好ましい態様は連続モニタであるが、遠隔装置は断続的にしか用いられないようにすることもでき、患者がリモートセンシングステーションの近くにいる時か、患者または医療専門家が診断情報をはっきりと望んでいる時に、心不全の分析はある特定の間隔でしか行われない。
前記のリードレス態様の場合、検知装置と遠隔装置との通信手段が必要である。この通信手段の好ましい態様は、検知装置と電源付き遠隔装置の受動電磁結合によるものである。次いで、移植された検知装置は、遠隔装置からの無線周波数信号を受信するためのコイルまたは他のアンテナを使用する。これらの無線周波数信号は、ある特定の測定を行う回路に電流を流すのに使用することができ、次いで、信号受信に用いられたものと同じアンテナを介して、または第2のアンテナを介して遠隔装置に返送することができる。または、受信アンテナ自体は、検知が送信手段と一体となるような構造をしていてもよい。4つのこのようなアプローチを図8の回路図に示す。(a)では、単純な同調LC回路801が移植センサ全体を形成している。インダクタ802およびコンデンサ803の値は、組織を十分に通過し、遠隔装置と通信することができる無線周波数範囲内の共振周波数を生じるように選択される。この配置において、移植検知装置と遠隔装置との間の距離および方向は、持続波またはパルス刺激に反応した遠隔コイルによって受信されるエコーの振幅および/または位相によって決定することができる。
検知装置内のこのタイプの複数の直交コイルは、振幅および位相の測定値から、(送信された場を基準した)検知装置の三次元方向を切り離すのに使用することができる。当技術分野において周知の三角測量法に基づいて三次元位置を求めるために、複数の外部コイルを使用することができる。この場合、遠隔装置は1つまたは複数の励起アンテナを備えなければならず、このアンテナはソレノイド型でもよく、ヘルムホルツ(Helmholtz)型でもよい。図8(b)では、同様の共振構造が用いられているが、この場合、可変コンデンサ804が用いられている。可変コンデンサは、(ある特定のMEMS加速度計の場合のように)加速によって、回転の角速度によって、液圧によって、電気活動によって、または他の任意の望ましい測定によって動かすことができる。この静電容量の変化は移植検知回路の共振周波数の変化になり、これを外部で検出することができる。遠隔装置に適用された掃引周波数または広帯域パルスはリターンシグナルを生じる。ピーク検出、FM復調、フーリエ変換法、フィルタバンクなどを含む様々な任意の技法を用いてリターンシグナルを処理して、移植検知回路の共振周波数を求め、それにより静電容量を求めることができる。
可変コンデンサの代わりに可変インダクタンスを用いて同様の結果を得ることができる。このような回路は、構造変化の関数としてインダクタンス変化を計算することができる可撓性コイルまたは圧縮性コイルを備えてもよい。図8(c)では、二共振回路が示され、(a)のような第1の共振回路801が非線形要素805および第2の共振回路806と図示したように接続されている。非線形要素805はダイオードでもよく、全波整流器、周波数2倍器、スクエアリング回路、絶対値回路などの他の任意の非線形回路(好ましくは、受動型)でもよい。非線形要素は、遠隔装置によって送信され、第1の共振回路801によって受信される信号においてさらなる周波数成分(frequency content)を生じる。
第2の共振回路806は、非線形要素によって生じたこれらの高調波周波数の1つで共振し、それによって、遠隔装置で受信することができ、最初に送信された信号からの干渉を受けない独特のシグネチャー(signature)を生じるように設計される。この第2の共振回路806のインダクタ807またはコンデンサ808は、遠隔装置にさらなる生理学的情報を送るように前記のように可変でもよい。図8(d)では、最後の回路が提案されており、前記のような共振部分801は、RFID機能を果たすことができるマイクロチップ809(例えば、フィリップスセミコンダクタ(Philips Semiconductor)SL1lCS3001U)と直列に接続されるか、(図示したように)並列に接続される。このようなチップの組込みは、複数の共振回路が存在する場合、回路を1つ1つ特定することを可能にし、それぞれのタグを個々に質問できるような衝突防止能力をもたらす。この構造はまた、移植検知装置の最も新しい質問についての情報、その時の心臓の状態、および他の診断に関連するデータを記憶するのに使用することができる。RFIDのような技術が用いられない場合、異なる操作周波数によって、またはウィーガンド線の特定によって、または同様の方法によって複数の移植センサを区別することができる。
リードレス検知装置の潜在的な送達装置を図9に示す。図9では、配置カテーテル901を、静脈解剖学的構造または動脈解剖学的構造を通って望ましい配置位置まで進める。配置カテーテル本体901は遠位端に着脱部分902を備え、ここで、カテーテル本体901および着脱成分902は、カテーテル本体の近位端(図示せず)で動かすことができる着脱機構905と共に、固定構造903、904によって接続され一体となる。カテーテル本体の着脱部分は、着脱部分902を心筋または血管に固定するための機構906を含む。機構906は、ねじ山をきったねじ907、ヘリカルコークスクリュー、かえし、セメント、エポキシ樹脂、接着剤、縫合糸、または他の固定機構でもよい。
この機構は受動的なものでもよく、カテーテル本体の近位端にトルクまたは圧力を単に加えることによって動かされてもよく、独立して、または着脱機構905が動かされた時に、カテーテル本体の近位端で動かすことができる機構によってかみ合わされてもよい。RFコイル908などの少なくとも1つの通信要素を有する測定通信回路が着脱部分902の中に収容される。この通信装置に、例えば、図8に図示したような任意の配置で、さらなる検知回路909を接続することができる。このリード線本体の中に任意の数のセンサ要素を含めることができ、図7に図示した任意のセンサ配置を得るために、この設計の変更が容易に思いつく。空間の節約のために、RFコイルが用いられる場合、着脱部分の外装に組み込まれてもよく、固定機構907と一体にされてもよい。1個のカテーテル本体901が、複数の移植センサを迅速に配置するために複数の着脱部分902を備えてもよい。場合によっては、着脱機構905を同様のカテーテル本体901と再びかみ合わせることによって、着脱部分を再び捕捉し、その後に取り外すことができる。カテーテル本体901が手持ち式の配置装置または銃で置き換えられた同様の送達装置も、手術中にまたは最小侵襲経胸腔処置によって使用することができる。
リード線を含む態様の配置は、着脱機構903〜905の必要なく、同様の機械によって行うことができる。同じ一般構造のリード線の送達は、植込み型ペースメーカおよび除細動器における応用のについて当技術分野において詳細に述べられている。装置の態様はまた、開腹手術を必要としない最小侵襲ツールによって心外膜に送達することもできる。
センサタイプの1つまたは組み合わせを用いて信号が集められたら、急性事象を検出するために、または医療職員に診断情報を提供するために、情報を処理しなければならない。処理は、集められた情報を時間に対して解析して事象を検出する波形対時間解析の形をしていてもよい。測定パラメータは心拍周期によって変化することがあるので、測定パラメータから心拍情報を入手し、次いで、場合によっては、複数の心拍から得られたデータの一部を記録するのに使用することができる。集められた情報はまた、FM復調またはフーリエ変換または同様の変換を用いて、集められた信号から周波数領域情報を合成することによって、周波数成分によって解析することもできる。集められたデータはまた、正常状態および機能不全状態における予想センサ挙動のパラメータ化モデルを用いた行列計算を用いて解析することもできる。このようなアプローチを用いると、心不全の統計学的に最適化された判定を得ることができる。処理はまた、利用可能な任意のマルチパラメータ法を用いて解析された、異なるセンサタイプから得られた複数のパラメータを使用することを含んでもよい。
装置はまた、診断された疾患状態に適切なように患者に治療を送達してもよい。急性虚血と診断されたら、患者への通知に加えて、抗凝固薬、抗血小板薬、血栓溶解薬、または治療用超音波もしくはRFエネルギーを直ぐに投与することができる。調律障害の場合、抗不整脈薬または電気的除細動、カルジオバージョン(cardiversion)またはペーシングショックを適用することができる。うっ血性心不全または心筋症の症状の場合、利尿薬、強心薬、または他の治療を投与するか、装置から得られた情報を用いて調節することができる。指示時に、治療用音響エネルギーまたは神経刺激も投与することができる。医療職員は、適切なレベルの治療が各患者に投与されるように、これらの治療の投与に関連するパラメータを装置にプログラムすることができる。
本発明の任意の局面または全ての局面を既存の移植装置に組み込んで、これらの装置にさらなる診断能力を提供することができる。多くのこのような装置(例えば、ペースメーカ、移植除細動器、電気除細動器、心室補助装置、注入ポンプ、植込み型事象モニタ(一般的に、長期間にわたってEKGまたは他の心臓診断情報を記録する)、弁形成リング、および心耳閉鎖装置)のレシピエントは主要な機能不全に加えてハイリスクの心臓事象にさらされているのにもかかわらず、これらの移植片は患者において一種類の機能不全だけしか治療または測定しない。本発明はまた、心血管介入の間に使用するカテーテルに基づく治療に組み込むことができる。
遠隔装置または外部装置(例えば、107)は、情報の精度および堅牢性、連続モニタリングの要望、ならびに他の考慮事項に応じて多くの形をとることができる。好ましい態様において、遠隔装置は、皮下MA要素とのデータ通信が可能なRFコイルからなり、このコイルは、検診時にまたは患者の家で患者の胸部に置かれる。このコイルはMA要素のRAM記憶装置からデータを読み取り、患者または患者の状態に関係する医療職員に詳細なフィードバックを送るために情報を遠隔装置のプロセッサに中継する。遠隔装置はまた、虚血検出および判別の改善のために、閾値および他のパラメータを計算し、MA要素のメモリに送信するのに使用することもできる。
遠隔装置の別の態様において、堅牢な遠隔装置は、ラップ、またはコイルを比較的安定した配置で胸部に置くための他の着用可能な機械によって、患者の胸部を取り囲むように配置される多数の質問コイルからなる。コイル自体は互いとの位置を検知することができ、他の外部コイルへの遠隔測定および他の外部コイルからの遠隔測定を用いて各コイルの位置を三角法で測定することができる十分なコイルが設けられる。これらのコイルは、移植加速度計または他の電源付き装置の必要なく、ステントまたは小さなコイルなどのRFアクティブ移植片の位置を確かめるのに使用することができる。外部コイルは、受信した信号を、検知される生理学的特性(例えば、加速、位置、または他の任意の前記の検知特性)に相当する情報信号に変換する復調回路に接続される。この検知特性は、(好ましくは、ケーブルを介した、または、携帯電話通信、無線LAN技術、または他の電源付き遠隔測定法による)簡単な伝送のためにデジタル化されてもよく、次いで、処理装置(例えば、デジタルコンピュータ、手持ち式計算装置、または特定用途向け集積回路)に送られ、ここで、心臓の健康状態についての情報を医療職員または患者に提供するために、様々なセンサからのデータが処理、分析、および/または表示される。
遠隔装置の別の態様は、診断精度を潜在的に犠牲にする遠隔装置のサイズを小さくするために、少数の(好ましくは、1個だけの)外部質問コイルを含む。この態様において、1つまたは複数の質問コイルが胸部表面の一ヶ所から働くので着用可能なラップは必要ない。1つまたは複数の質問コイルは必要に応じて復調回路およびデジタル化回路に接続され、次いで、結果として発生した信号は、好ましくは、ケーブルを介して、手持ち式計算装置または他の計算装置に送信される。次いで、データは処理され、患者または医療職員によって使用するために手持ち式遠隔装置に表示される。この態様において、擬似連続(pseudo-continuous)モニタリングのために、遠隔装置をまるごと上着のポケットまたは他の衣服の位置に入れておくことができる。
遠隔装置の別の代わりの態様は、体内に、好ましくは、現行の事象モニタまたは植込み型除細動器キャニスタによって用いられるものと同様の位置に移植される。遠隔装置はまた心耳などの心腔内に移植されてもよく、1つまたは複数の検知センサまたは基準センサと一体化されてもよい。この態様の遠隔装置は、警報、生理学的反応によって患者に情報を伝えてもよく、または電源付き遠隔測定プロトコル(例えば、ブルートゥース(Bluetooth))によって近くの無線式装置に情報を伝えてもよい。この場合の遠隔装置は、患者の状態についての情報を連続的にモニタリングおよび記録し、患者が外部無線式受信機と接触している時だけ外部位置に情報をダウンロードしてもよい。
これらの態様の一部と共に、セントラルデータレポジトリが、各患者の記録およびベースラインならびに各患者からの履歴検知装置信号を保存することが必要な場合があるので、患者の心臓の状態の変化に基づいて診断を行うことができる。これは、完全植込み型遠隔回路を備えた装置のオンボードメモリによって行うことができるが、患者の完全な病歴へのアクセスを保持しながら任意の遠隔装置を患者の移植片と共に使用できるように、外部遠隔装置に頼る装置のセントラルレポジトリが好ましい場合がある。
本発明の好ましい態様において、心不全を診断および/または治療するための方法が提供される。心不全として心筋虚血、心筋梗塞などを挙げることができる。この方法は、心臓尖部の近くの1つまたは複数の位置への1つまたは複数の運動検出センサの配置;検知情報を処理または送信することができるMA要素への1つまたは複数のセンサの動作可能な接続;心臓の疾患状態を確かめるための検知情報の解析;患者または医療職員への疾患状態についての情報の通信;および必要に応じて、疾患状態に対する治療の開始を含む。特定の態様は、前記のように、前記の要素の一部または全てを備えてもよい。
本発明は、説明された特定の方法、プロトコール、装置、ソフトウェア、および試薬に限定されず、異なってもよいことが理解されるべきである。本明細書で使用する用語は、特定の態様を説明することだけを目的とし、発明の範囲を限定することを目的とせず、発明の範囲は特許請求の範囲の文言によって決定されることも理解されるべきである。
本明細書および添付の特許請求の範囲で用いられる、単数形「一つの」、「ある」、および「その」は、特に文脈によってはっきりと規定されていない限り複数の指示物を含むことに留意しなければならない。従って、例えば、1個の「装置」についての言及は複数のこのような装置を含み、特定の「センサ」についての言及は、1個またはそれ以上のセンサおよび当業者に周知のその等価物などについての言及を含む。
特記されない限り、本明細書で用いられる全ての技術用語および科学用語は、本発明が属する当業者に一般的に理解されているものと同じ意味を有する。本発明の実施または試験において、本明細書で説明されるものと同様のまたは等価な任意の方法、装置、および材料を使用することができるが、好ましい方法、装置、および材料を本明細書で説明する。使用される数値に関する精度を保証する取り組みがなされたが、いくらかの実験の誤差および偏差が占めるはずである。特別の定めのない限り、部は重量部であり、分子量は平均分子量であり、温度は摂氏であり、圧力は大気圧であるか、または大気圧に近い。
本明細書で述べた全ての刊行物は、全ての関連する目的のために(例えば、本発明と共に用いられ得る刊行物に記載されている構築物および方法を説明および開示するために)参照として本明細書に組み入れられる。前記および本文全体を通して述べられた刊行物は、単に、本願の出願日前の刊行物を開示するために示される。本明細書には、先行発明に基づいて本発明者らがこのような開示に先行する権利がないことが認められると解釈されるものは何もない。
Claims (41)
- ヒト患者における心機能をモニタリングためのシステムであって、以下を含むシステム:
(a)下記(b)に動作可能に接続された、心臓尖部に配置された体内運動センサ;ならびに
(b)アナログ-デジタル変換器回路;該運動センサからの信号を処理するための中央演算処理装置;少なくとも1つのベースライン運動パラメータを記憶するためのメモリ;および情報を警告システムに送信するための要素を含む運動解析要素。 - (c)運動パラメータを解析および設定するためのプログラマをさらに含む、請求項1記載のシステム。
- 1つまたは複数の非運動センサをさらに含む、請求項2記載のシステム。
- 心臓尖部以外において運動センサをさらに含む、請求項2記載のシステム。
- 基準センサをさらに含む、請求項1記載のシステム。
- 運動センサが心臓尖部に移植される、請求項1記載のシステム。
- 運動センサが右心室尖部、心外膜尖部、または尖部心静脈に心臓内移植される、請求項6記載のシステム。
- 運動センサと運動解析要素との動作可能な接続が電気リード線を含む、請求項1記載のシステム。
- 運動センサと運動解析要素との動作可能な接続が遠隔測定接続を含む、請求項1記載のシステム。
- 運動解析要素が外部装置である、請求項9記載のシステム。
- システムを送達するためのカテーテルをさらに含む、請求項1記載のシステム。
- 運動解析要素が別の体内装置と実質的に一体化されている、請求項1記載のシステム。
- 別の体内装置が、植込み型ペースメーカ、除細動器、電気除細動器、心室補助装置、注入ポンプ、植込み型事象モニタ、弁形成リング、心耳閉鎖装置、またはカテーテルである、請求項12記載のシステム。
- 運動パラメータの予め決められた閾値を超過したことを警告することができる警報装置をさらに含む、請求項1記載のシステム。
- プログラマと運動解析要素との双方向無線通信手段をさらに含む、請求項2記載のシステム。
- プログラマが運動検知データ解析用ソフトウェアを含む、請求項15記載のシステム。
- 運動センサが加速度計である、請求項1記載のシステム。
- 運動センサがMEMSひずみジャイロである、請求項1記載のシステム。
- 運動解析要素が、磁石センサ;タイミング回路;および遠隔測定サブシステムの1つまたは複数からデータ入力を受信するように構成されている、請求項1記載のシステム。
- 運動解析要素が、ペースメーカ回路;除細動器回路、およびタイミング回路の1つまたは複数にデータ出力を送信するように構成されている、請求項1記載のシステム。
- 患者における心機能をモニタリングする方法であり、以下の段階を含む方法:
運動センサを用いて、心室尖部がある期間にわたって横断する経路を検知する段階;
該センサによって発生した信号を分析する段階;および
分析の結果として出力を生じる段階。 - 運動センサが、心臓尖部に配置された体内運動センサであり、アナログ-デジタル変換器回路;該運動センサからの信号を処理するための中央演算処理装置;少なくとも1つのベースライン運動パラメータを記憶するためのメモリ;および情報を警告システムに送信するための要素を含む運動解析要素と動作可能に接続している、請求項21記載の方法。
- 正常であることが確認されている間に患者から集められたデータから、ベースライン運動パラメータが求められる、請求項22記載の方法。
- 分析する段階が、
運動データをメモリスロットに入力する段階;
尖部の運動軸を計算する段階;
運動軸と、ベースラインの正常な運動軸を比較する段階;
ベースライン正常値からの許容される最大の運動軸逸脱の予め決められた閾値に対して該比較を評価する段階
を含む、請求項23記載の方法。 - 検知する段階が、測定用センサからの検知データと基準センサからの検知データを比較することによって尖部の運動を差異的に測定することを含む、請求項23記載の方法。
- 検知する段階が、生理状態が延長センサの全長に沿って異なる延長センサからの検知データを比較することによって尖部の運動を差異的に測定することを含む、請求項23記載の方法。
- 運動センサが心臓尖部に移植される、請求項23記載の方法。
- 運動センサが右心室尖部、心外膜尖部、または尖部心静脈に心臓内移植される、請求項27記載の方法。
- 運動センサおよび運動解析要素が電気リード線によって動作可能に接続されている、請求項23記載の方法。
- 運動センサおよび運動解析要素が遠隔測定接続によって動作可能に接続されている、請求項23記載の方法。
- 心機能が、心拍の評価、不整脈の存在、ペーシング信号捕捉および容量過負荷の検出を含む、請求項23記載の方法。
- 心室尖部がある期間にわたって横断する経路を検知する段階が、1つまたは複数の非運動センサからの検知と組み合わされる、請求項23記載の方法。
- 心室尖部がある期間にわたって横断する経路を検知する段階が、一体型治療装置の機能を助けるために用いられる、請求項23記載の方法。
- 運動解析要素が別の体内装置と実質的に一体化されている、請求項23記載の方法。
- 別の体内装置が、植込み型ペースメーカ、除細動器、電気除細動器、心室補助装置、注入ポンプ、植込み型事象モニタ、弁形成リング、心耳閉鎖装置、またはカテーテルである、請求項34記載のシステム。
- 検知する段階が、尖部がそれる方向を検出することを含む、請求項23記載の方法。
- 検知する段階が、心臓梗塞の位置を決定するように解析される、請求項36記載の方法。
- 検知する段階が、尖部の運動およびねじれを検出することを含み、心室全体にわたる急性虚血を検出するように解析される、請求項23記載の方法。
- 分析の結果として出力を生じる段階が警報の発生を含む、請求項23記載の方法。
- 分析の結果として出力を生じる段階が治療剤の送達を含む、請求項23記載の方法。
- 患者からのデータがデータレポジトリに保存される、請求項23記載の方法。
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