JP2006517941A - 不安症および双極性障害の処置のための、s−10−ヒドロキシ−10,11−ジヒドロ−カルバマゼピンの使用 - Google Patents

不安症および双極性障害の処置のための、s−10−ヒドロキシ−10,11−ジヒドロ−カルバマゼピンの使用 Download PDF

Info

Publication number
JP2006517941A
JP2006517941A JP2006501858A JP2006501858A JP2006517941A JP 2006517941 A JP2006517941 A JP 2006517941A JP 2006501858 A JP2006501858 A JP 2006501858A JP 2006501858 A JP2006501858 A JP 2006501858A JP 2006517941 A JP2006517941 A JP 2006517941A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
enantiomer
formula
racemate
anxiety
treatment
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2006501858A
Other languages
English (en)
Inventor
グレアム・ビルブ
ジョン・エフ・クライアン
コンラート・ゲンチュ
ケビン・ホール・マカリスター
マルクス・シュムッツ
アニック・ヴァスー
Original Assignee
ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from GB0303613A external-priority patent/GB0303613D0/en
Priority claimed from GB0303614A external-priority patent/GB0303614D0/en
Priority claimed from GB0307278A external-priority patent/GB0307278D0/en
Priority claimed from GB0307281A external-priority patent/GB0307281D0/en
Application filed by ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト filed Critical ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト
Publication of JP2006517941A publication Critical patent/JP2006517941A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/33Heterocyclic compounds
    • A61K31/395Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins
    • A61K31/55Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins having seven-membered rings, e.g. azelastine, pentylenetetrazole
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P25/00Drugs for disorders of the nervous system
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P25/00Drugs for disorders of the nervous system
    • A61P25/18Antipsychotics, i.e. neuroleptics; Drugs for mania or schizophrenia
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P25/00Drugs for disorders of the nervous system
    • A61P25/22Anxiolytics
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P25/00Drugs for disorders of the nervous system
    • A61P25/24Antidepressants

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Neurosurgery (AREA)
  • Neurology (AREA)
  • Psychiatry (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Pain & Pain Management (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Other In-Based Heterocyclic Compounds (AREA)

Abstract

本発明は、不安症または不安症状が基礎にある他の精神疾患の処置、または感情障害および注意障害の処置のための、式I
【化1】
Figure 2006517941

で示される化合物の少なくとも85%のS−エナンチオマーおよび15%を超えないR−エナンチオマーからなるラセマートもしくは該ラセマートの薬学的に許容される塩、または式IのS−エナンチオマーもしくは該エナンチオマーの薬学的に許容される塩の使用;不安症もしくは不安症状が基礎にある他の精神疾患、または感情障害および注意障害の処置のための医薬組成物、および該医薬組成物を該組成物の使用についての指示書を共に含むパッケージ、に関する。

Description

発明の詳細な説明
本発明は、カルバマゼピン誘導体の新しい薬学的使用に関する。
より具体的には、本発明は、式I
Figure 2006517941
で示されるカルバマゼピン誘導体のラセマートおよびその薬学的に許容される塩の新規な薬学的使用に関する。
抗てんかん薬オキシカルバゼピン(トリレプタル(登録商標))の主な代謝産物であるラセマートリカルバゼピン(licarbazepine)(MHD、式I、10−ヒドロキシ−10,11−ジヒドロ−カルバマゼピン)は、文献[例えば、Schuetz H.らの、Xenobiotica (GB), 16(8), 769−778 (1986)を参照]により公知であり、オキシカルバゼピンから出発して常套方法により合成され得る。前記ラセマート(式I)およびその純粋なエナンチオマーの両方が、てんかんに対して同等に有効であることが証明されている。
本発明によると、驚くべきことに、式Iの化合物のS−エナンチオマーが、感情障害および注意障害、不安症および不安症状が基礎にある他の精神疾患の予防および処置にて、R−エナンチオマーよりも実質的により有効であることが明らかとなった。
従って、本発明は、感情障害および注意障害、不安症および不安症状が基礎にある他の精神疾患の処置のための、式Iの化合物の少なくとも85%のS−エナンチオマーおよび15%を超えないR−エナンチオマーからなるラセマート(以下、「ラセマート」と称す)の使用、純粋なS−エナンチオマーの使用、および該ラセマートもしくはエナンチオマーの薬学的に許容される塩の使用に関する。
本発明の1つの態様は、感情障害および注意障害、不安症および不安症状が基礎にある他の精神疾患の処置のための、式Iの化合物のS−エナンチオマーまたはその薬学的に許容される塩の使用に関する。
本明細書に用いた用語「感情障害および注意障害」には、単極性障害および双極性障害、例えば躁鬱病、極度の精神病的状態、例えば躁病、月経前不快障害、産後抑うつ症、閉経後抑うつ症、神経変性関連性抑うつ症およびうつ病などのようなうつ病または他の精神疾患が含まれるが、これらに限定されない。
本明細書に用いた用語「不安症または不安症状が基礎にある他の精神疾患」には、全般性不安障害、社会不安障害、心的外傷後ストレス障害、強迫性障害、精神刺激薬摂取の中止に続いて起こるパニックおよび不安が含まれるが、これらに限定されない。
感情障害および注意障害の処置に関する本発明の薬剤の適性を、例えば、精神運動性刺激効果を逆転する薬剤の検出に適する試験にて明らかにすることができる。特に、以下の実施例に記載のフォーゲル・コンフリクト試験にて明らかにすることができる。関連分野の当業者は、かかる作用を確認するための関連する試験モデルのさらなる選択が十分に可能である。上記の障害の処置における本発明の薬剤の有用性を、適当な臨床研究にて確認することができる。適当な臨床研究とは、具体的には、双極性気分障害患者または不安症状が基礎にある精神障害を有する患者における、無作為、二重盲検、プラセボ対照、並行試験である。
以下の実施例に記載のフォーゲル・コンフリクト試験は、抗不安薬および抗うつ薬の様々なクラスがこの試験に有効であり、かつ、不安状態と他の精神疾患、例えばうつ障害との間に高い併存疾患性があるために、精神病薬、主に抗不安薬および抗うつ薬の作用を検出するための標準的な試験である。従って、とりわけ、この試験におけるS−エナンチオマーの非常に驚くべき特異性および高い有効性が、上記の不安症、うつ病および他の精神疾患における薬剤活性を示す。
フォーゲル・コンフリクト試験により得られた結果は、用いる最高用量(200mg/kg)のR−エナンチオマーが、用いる最低用量(50mg/kg)のS−エナンチオマーよりも有効性が低く、一方、ラセマートの効力/有効比率が、R−およびS−エナンチオマーの間であることをはっきりと示している。この発見は、3個の化合物すべてが等効力、すなわち、それらの効力は2倍の範囲内であるとの、抗けいれん剤の研究の観点からとても驚くべきものである。
上記の疾患の処置のために、適当な投与量は、もちろん、例えば異なるエナンチオマーの割合、宿主、処置する疾患、投与方法および処置する状態の性質ならびに重症度に依存して変化する。しかしながら、一般に、動物における十分な結果は、動物重量に対して約1〜300mg/kgのラセマートまたはS−エナンチオマーの1日投与量にて得られることが示される。より大きな哺乳動物、例えばヒトにおいて、示されたラセマートまたはS−エナンチオマーの1日投与量は、約10〜約3000mgの本発明の化合物の範囲であり、簡便には、例えば1日4回までの分割量で投与する。
ラセマートまたはエナンチオマーは、常法で、例えば錠剤またはカプセルの形態で経口的に、または例えば注射溶液または懸濁液の形態で非経腸的に、投与され得る。
本発明はまた、特に、感情障害および注意障害または不安症もしくは不安症状が基礎にある他の精神疾患の処置に用いるための、式Iの化合物の、少なくとも51%のS−エナンチオマーおよび49%を超えないR−エナンチオマー、好ましくは少なくとも85%のS−エナンチオマーおよび15%を超えないR−エナンチオマーまたはS−エナンチオマーからなるラセマート、または該ラセマートの薬学的に許容される塩を、少なくとも1種の薬学的担体または希釈剤と共に含む、医薬組成物を提供する。かかる組成物は、常套方法にて製造可能である。
単位投与形態には、例えば、約2.5mg〜約1000mgのラセマートまたはS−エナンチオマーが含まれ得る。
本発明はさらに、感情障害および注意障害または不安症もしくは不安症状が基礎にある他の精神疾患の処置のための医薬組成物を製造するための、式Iの化合物のラセマート、またはS−エナンチオマー、または該ラセマートもしくはエナンチオマーの薬学的に許容される塩の使用に関する。
本発明はさらに、処置を必要とする対象における感情障害および注意障害の処置方法であり、本発明のラセマートまたはS−エナンチオマーまたは該ラセマートもしくはエナンチオマーの薬学的に許容される塩の治療的有効量を該対象に投与することを含む、方法を提供する。
本発明はさらに、処置を必要とする対象における不安症または不安症状が基礎にある他の精神疾患の処置方法であり、本発明のラセマートまたはS−エナンチオマーまたは該ラセマートもしくはエナンチオマーの薬学的に許容される塩の治療的有効量を該対象に投与することを含む、方法を提供する。
本発明の1つの好ましい態様は、双極性気分障害の処置における、本発明のラセマートまたはS−エナンチオマーの使用に関する。
さらに、本発明は、式Iの化合物の、少なくとも51%のS−エナンチオマーおよび49%を超えないR−エナンチオマー、好ましくは少なくとも85%のS−エナンチオマーおよび15%を超えないR−エナンチオマーからなるラセマート、またはS−エナンチオマー、または該ラセマートもしくはエナンチオマーの薬学的に許容される塩を、少なくとも1種の医薬的担体または希釈剤と共に含む医薬組成物と、感情障害および注意障害または不安症もしくは不安症状が基礎にある精神障害の処置における該医薬組成物の使用のための指示書を共に含む、パッケージを提供する。
好ましくは、前記ラセマートは、少なくとも95%のS−エナンチオマーおよび5%を超えないR−エナンチオマー、より好ましくは少なくとも98%のS−エナンチオマーおよび2%を超えないR−エナンチオマー、最も好ましくは少なくとも99.5%のS−エナンチオマーおよび0.5%を超えないR−エナンチオマーからなる。
本発明のラセマートは、例えば、式Iの化合物の純粋なエナンチオマーの混合により得られる。式Iの化合物の純粋なエナンチオマーは、それ自体公知の方法によりラセマートから出発して得られ得る。ラセマートは、例えばエナンチオマー−純粋なキラル酸との塩形成によるジアステレオマー塩の形成か、またはキラルリガンドを有するクロマトグラフィー支持体を用いたクロマトグラフィー、例えばHPLC法により、そのエナンチオマーに分割され得る。
本発明の1つの態様にて、式Iの化合物の純粋なエナンチオマーは、以下の実施例に記載の方法により製造される。
以下の実施例は、本発明を説明するものであって、発明の範囲を限定するものではない。
略語
Ac アセチル
aqu. 水溶液
ダンシル 5−(ジメチルアミノ)−1−ナフタレンスルホニル
Et エチル
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
Me メチル
NMR 核磁気共鳴
RT 室温
THF テトラヒドロフラン
Ts トシル
実施例
実施例1:10−オキソ−10,11−ジヒドロ−ジベンゾ[b,f]アゼピン−5−カルボン酸アミドからR(−)−10,11−ジヒドロ−10−ヒドロキシ−5H−ジベンズ[b,f]アゼピン−5−カルボキサミドへのエナンチオマー選択的転移水素化法
CHCl(15ml)中、10−オキソ−10,11−ジヒドロ−ジベンゾ[b,f]アゼピン−5−カルボン酸アミド(300mg、1.189mmol)およびRuCl[(1R,2R)−p−TsNCH(C)CH(C)NH](η−p−シメン、Aldrich、スイス)(8.8mg、0.0138mmol)の混合物に、ギ酸およびNEt(5:2、328mg:289mg)の予め混合した溶液を23℃で滴下し、10分間撹拌する。透明溶液を、16時間加熱還流する。反応混合物をRTまで冷まし、CHCl(20ml)で希釈し、そしてNaHCO水溶液で中和する。塩水で洗浄後、前記溶液を減圧下で濃縮する。残渣を、6:1のEtOAc−MeOH混合物を溶離剤として用いてシリカゲル上でのフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、R(−)−10,11−ジヒドロ−10−ヒドロキシ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−5−カルボキサミドを得る(キラルセルODにてHPLCにより測定されたエナンチオマー純度(ee)>99%)。保持時間:9.46分。[α] rt=−195.3°(エタノール)。1H−NMR (400 MHz, CDCl3):7.70−7.20 (m, 8 H), 5.30 (br s,1 H), 5.10−4.60 (br s, 2 H), 3.75−3.40 (m, 1 H), 3.20−2.90 (m, 1 H), 2.50 (br s, 2 H). NMRデータは、Lit.:Benes, J ら、J. Med. Chem. 1999, 42, 2582−2587を引用。分子量:254.291。
実施例2:10−オキソ−10,11−ジヒドロ−ジベンゾ[b,f]アゼピン−5−カルボン酸アミドからS(+)−10,11−ジヒドロ−10−ヒドロキシ−5H−ジベンズ[b,f]アゼピン−5−カルボキサミドへのエナンチオマー選択的転移水素化法
CHCl(15ml)中、10−オキソ−10,11−ジヒドロ−ジベンゾ[b,f]アゼピン−5−カルボン酸アミド(300mg、1.189mmol)およびRuCl[(1S,2S)−p−TsNCH(C)CH(C)NH](η−p−シメン)(11mg、0.0173mmol)の混合物に、ギ酸およびNEt(5:2、656mg:578mg)の予め混合した溶液を23℃で2回に分けて加え、10分間撹拌する。その後、ギ酸(50μl)を加え、透明溶液を16時間加熱還流する。反応混合物をRTまで冷まし、CHCl(20ml)で希釈し、NaHCO水溶液で中和する。塩水で洗浄後、前記溶液を減圧下で濃縮する。残渣を、6:1のEtOAc−MeOH混合物を溶離剤として用いてシリカゲル上でのフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、S(+)−10,11−ジヒドロ−10−ヒドロキシ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−5−カルボキサミドを得る(キラルセルODにてHPLCにより測定したee>99%)。保持時間:12.00分。[α] rt=+196.6°(エタノール)。1H−NMR (400 MHz, CDCl3):7.70−7.20 (m, 8 H), 5.30 (br s,1 H), 5.10−4.60 (br s, 2 H), 3.75−3.40 (m, 1 H), 3.20−2.90 (m, 1 H), 2.50 (br s, 2 H). NMRデータは、Lit.:Benes, J ら、J. Med. Chem. 1999, 42, 2582−2587を引用。分子量:254.291。
別法:CHCl(15ml)中、10−オキソ−10,11−ジヒドロ−ジベンゾ[b,f]アゼピン−5−カルボン酸アミド(300mg、1.189mmol)およびRuCl[(1S,2S)−p−ダンシルNCH(C)CH(C)NH](η−p−シメン)(8.5mg、0.012mmol)の混合物に、ギ酸およびNEt(5:2、328mg:289mg)の予め混合した溶液を23℃で滴下し、10分間撹拌する。透明溶液を、16時間加熱還流する。反応混合物をRTまで冷まし、CHCl(20ml)で希釈し、そしてNaHCO水溶液で中和する。塩水で洗浄後、前記溶液を減圧下で濃縮する。残渣を、6:1のEtOAc−MeOH混合物を溶離剤として用いてシリカゲル上でのフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、S(+)−10,11−ジヒドロ−10−ヒドロキシ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−5−カルボキサミドを得る。
実施例3:RuCl[(1S,2S)−p−ダンシルNCH(C)CH(C)NH](η−p−シメン)の製造
a)(S,S)−5−ジメチルアミノ−ナフタレン−1−スルホン酸(2−アミノ−1,2−ジフェニル−エチル)−アミドの製造:(S,S)−ジフェニルエチレンジアミン(250mg、1.2mmol)およびトリエチルアミン(0.5ml)のTHF溶液に、塩化ダンシル(318mg、1.2mmol)のTHF溶液(2ml)を0℃で滴下する。16時間RTで撹拌後、溶媒を真空で除去し、残渣を、塩化メチレン(20ml)に溶解する。有機溶液を、NaHCO溶液(5ml)で洗浄し、NaSOで乾燥し、そしてろ過後、溶媒を除去する。フラッシュカラムクロマトグラフィーにより、(S,S)−5−ジメチルアミノ−ナフタレン−1−スルホン酸(2−アミノ−1,2−ジフェニル−エチル)−アミドを黄色油として得、それを真空乾燥により結晶化する。M:445.59。1H−NMR (400 MHz, CDCl3):8.36 (t, J=7.5 Hz, 2 H), 8.17 (dd, J=7.2, 1.2 Hz, 1 H), 7.47 (dd, J=8.8 Hz, 1 H), 7.34 (dd, J=8.5 Hz, 1 H), 7.24−7.16 (m, 4 H), 7.11 (d, J=7.5 Hz, 1 H), 6.99−6.74 (m, 6 H), 4.61 (d, J=8.5 Hz, 1 H), 4.20 (d, J=8.5 Hz, 1 H), 2.80 (s, 6 H).
b)RuCl[(1S,2S)−p−ダンシルNCH(C)CH(C)NH](η−p−シメン)の製造:(S,S)−5−ジメチルアミノ−ナフタレン−1−スルホン酸(2−アミノ−1,2−ジフェニル−エチル)−アミド(80mg、0.18mmol)、NEt(36mg、0.36mmol)および[RuCl(p−シメン)](55mg、0.09mmol)の2−プロパノール溶液を、80℃で1時間温める。その後、溶媒を除去し、暗赤色の残渣を水(2ml)で洗浄する。固体を真空乾燥し、それを精製なしに用いる。M:715.34。
実施例4:フォーゲル型コンフリクト試験
a)方法の説明:抗不安活性および関連する他の精神病活性を検出する方法は、Vogelらの、Psychopharmacologia 1971;21:1−7「Anxiolytics and antidepressants(例えば、Fontanaら、Psychopharmacology 1989;98(2):157−62)of various classes increase punished drinking」に記載に従う。
ラットを、48時間の間水を与えない状態にしておき、その後、1cm間隔でステンレススチール棒(0.4cm)からなる床のプレキシグラスの容器(15×32×34cm)に個別に入れる。容器の後壁は、実験動物から観察者を隠すために不透明なプレキシグラスで作製されている。反対の壁の中心、床から5cm上部に、金属の水口をケージ内部に突き出し、ショック発生器(Apelex:011346型)の一極に接続する。ショック発生器の他極を、金属格子の床に接続する。ラットを、水口を発見するまで探検させておく。そして、飲水のときは常に、舐め始めてから2秒後にわずかな電気ショック(1.7mA、1秒)を受けさせる。受けるショック(罰期飲水(punished drinking))の回数を、3分間測定する。15匹のラットを、1群につき実験する。試験は盲検法で行う。化合物を、試験の60分前に50、100および200mg/kgを経口投与して検討し、ビヒクル対照群と比較する。同様の実験条件下で投与されたクロバザム(64mg/kg)を、基準物質として用いる。すべての物質を、同じ実験で評価し、同じビヒクルおよび基準物質対照と比較する。データを、対応のないスチューデントのt検定を用いた試験群とビヒクル対照の比較により分析する。
b)結果:結果を表1−3にまとめる。それらは、用いる最高用量(200mg/kg)でのR−エナンチオマーが、用いる最低用量(50mg/kg)でのS−エナンチオマーよりも有効性が低く、一方、ラセマートの効力/有効比率が、R−およびS−エナンチオマーの間であることをはっきりと示す。さらに、R−エナンチオマーの最大効力は、陽性対照、すなわちクロバザムのそれより低いが、S−エナンチオマーの効力は、試験した全ての投与量でクロバザムのそれを上回る。
Figure 2006517941
Figure 2006517941
Figure 2006517941

Claims (20)

  1. 不安症または不安症状が基礎にある他の精神疾患の処置のための医薬組成物を製造するための、式I
    Figure 2006517941
    で示される化合物の少なくとも85%のS−エナンチオマーおよび15%を超えないR−エナンチオマーからなるラセマート、または式IのS−エナンチオマー、または該ラセマートもしくは該エナンチオマーの薬学的に許容される塩の使用。
  2. 不安症の処置のための医薬組成物を製造するための、式I
    Figure 2006517941
    で示される化合物の少なくとも85%のS−エナンチオマーおよび15%を超えないR−エナンチオマーからなるラセマート、または該ラセマートの薬学的に許容される塩の使用。
  3. 不安症状が基礎にある他の精神疾患の処置のための医薬組成物を製造するための、式I
    Figure 2006517941
    で示される化合物の少なくとも85%のS−エナンチオマーおよび15%を超えないR−エナンチオマーからなるラセマート、または該ラセマートの薬学的に許容される塩の使用。
  4. 前記ラセマートが、少なくとも95%のS−エナンチオマーおよび5%を超えないR−エナンチオマーからなる、請求項1〜3のいずれか一項記載の使用。
  5. 前記ラセマートが、少なくとも98%のS−エナンチオマーおよび2%を超えないR−エナンチオマーからなる、請求項1〜3のいずれか一項記載の使用。
  6. 不安症または不安症状が基礎にある他の精神疾患の処置のための医薬組成物を製造するための、式I
    Figure 2006517941
    で示される化合物のS−エナンチオマーの使用。
  7. 処置を必要とする対象における不安症の処置方法であって、式I
    Figure 2006517941
    で示される化合物の少なくとも85%のS−エナンチオマーおよび15%を超えないR−エナンチオマーからなるラセマート、または該ラセマートの薬学的に許容される塩の治療的有効量を該対象に投与することを含む、方法。
  8. 処置を必要とする対象における不安症または不安症状が基礎にある他の精神疾患の処置方法であって、式I
    Figure 2006517941
    で示される化合物の少なくとも85%のS−エナンチオマーおよび15%を超えないR−エナンチオマーからなるラセマート、または式IのS−エナンチオマー、または該ラセマートもしくはエナンチオマーの薬学的に許容される塩の治療的有効量を該対象に投与することを含む、方法。
  9. 活性剤として、式I
    Figure 2006517941
    で示される化合物の少なくとも51%のS−エナンチオマーおよび49%を超えないR−エナンチオマーからなるラセマート、または該ラセマートの薬学的に許容される塩を、薬学的に許容される担体と共に含む、医薬組成物。
  10. 請求項9記載の医薬組成物を、不安症または不安症状が基礎にある他の精神疾患の処置に該医薬組成物を使用するための指示書と共に含む、パッケージ。
  11. 感情障害および注意障害の処置のための医薬組成物を製造するための、式I
    Figure 2006517941
    で示される化合物の少なくとも85%のS−エナンチオマーおよび15%を超えないR−エナンチオマーからなるラセマート、または式IのS−エナンチオマー、または該ラセマートもしくは該エナンチオマーの薬学的に許容される塩。
  12. 感情障害および注意障害を処置するための、式I
    Figure 2006517941
    で示される化合物の少なくとも85%のS−エナンチオマーおよび15%を超えないR−エナンチオマーからなるラセマート、または該ラセマートの薬学的に許容される塩の使用。
  13. 前記ラセマートが、少なくとも95%のS−エナンチオマーおよび5%を超えないR−エナンチオマーからなる、請求項11または12のいずれか一項記載の使用。
  14. 前記ラセマートが、少なくとも98%のS−エナンチオマーおよび2%を超えないR−エナンチオマーからなる、請求項11または12のいずれか一項記載の使用。
  15. 感情障害および注意障害の処置のための医薬組成物を製造するための、式I
    Figure 2006517941
    で示される化合物のS−エナンチオマー、および該エナンチオマーの薬学的に許容される塩の使用。
  16. 処置を必要とする対象における感情障害および注意障害の処置方法であって、式I
    Figure 2006517941
    で示される化合物の少なくとも85%のS−エナンチオマーおよび15%を超えないR−エナンチオマーからなるラセマート、または該ラセマートの薬学的に許容される塩の治療的有効量を該対象に投与することを含む、方法。
  17. 処置を必要とする対象における感情障害および注意障害の処置方法であって、式I
    Figure 2006517941
    で示される化合物のS−エナンチオマー、または該エナンチオマーの薬学的に許容される塩の治療的有効量を該対象に投与することを含む、方法。
  18. 感情障害および注意障害が双極性障害である、請求項11〜15のいずれか一項記載の使用、または請求項16もしくは17記載の方法。
  19. 活性剤として、式I
    Figure 2006517941
    で示される化合物の少なくとも51%のS−エナンチオマーおよび49%を超えないR−エナンチオマーからなるラセマート、または該ラセマートの薬学的に許容される塩を、所望であれば、薬学的に許容される担体と共に含んでいて良い、医薬組成物。
  20. 請求項19記載の医薬組成物を、感情障害および注意障害を処置するための該医薬組成物の使用のための指示書と共に含む、パッケージ。

JP2006501858A 2003-02-17 2004-02-16 不安症および双極性障害の処置のための、s−10−ヒドロキシ−10,11−ジヒドロ−カルバマゼピンの使用 Pending JP2006517941A (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
GB0303613A GB0303613D0 (en) 2003-02-17 2003-02-17 Use of organic compounds
GB0303614A GB0303614D0 (en) 2003-02-17 2003-02-17 Use of organic compounds
GB0307278A GB0307278D0 (en) 2003-03-28 2003-03-28 Use of organic compounds
GB0307281A GB0307281D0 (en) 2003-03-28 2003-03-28 Use of organic compounds
PCT/EP2004/001452 WO2004071152A2 (en) 2003-02-17 2004-02-16 Use of s-10 hydroxy-10, 11-dihydro-carbamazepine for the treatment of anxiety and bipolar disorders

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006517941A true JP2006517941A (ja) 2006-08-03

Family

ID=32872853

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006501858A Pending JP2006517941A (ja) 2003-02-17 2004-02-16 不安症および双極性障害の処置のための、s−10−ヒドロキシ−10,11−ジヒドロ−カルバマゼピンの使用

Country Status (10)

Country Link
US (2) US7638510B2 (ja)
EP (1) EP1596866A2 (ja)
JP (1) JP2006517941A (ja)
AU (1) AU2004212328B2 (ja)
BR (1) BRPI0407569A (ja)
CA (1) CA2514649A1 (ja)
MX (1) MXPA05008729A (ja)
PL (1) PL376756A1 (ja)
TW (1) TW200507853A (ja)
WO (1) WO2004071152A2 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20060252745A1 (en) 2005-05-06 2006-11-09 Almeida Jose L D Methods of preparing pharmaceutical compositions comprising eslicarbazepine acetate and methods of use
EP2380573B1 (en) * 2005-05-06 2015-02-25 Bial-Portela & CA, S.A. Eslicarbazepine acetate and methods of use
GB0517740D0 (en) * 2005-08-31 2005-10-12 Novartis Ag Organic compounds
KR101450348B1 (ko) * 2006-05-11 2014-10-14 아카데미아 시니카 약물 부작용과 관련된 hla 대립유전자 및 그 검출 방법
GB0700773D0 (en) 2007-01-15 2007-02-21 Portela & Ca Sa Drug therapies
US9750747B2 (en) 2011-08-26 2017-09-05 Bail-Portela & Ca, S.A. Treatments involving eslicarbazepine acetate or eslicarbazepine
JP2013237676A (ja) * 2013-06-26 2013-11-28 Bial-Portela & Ca Sa 酢酸エスリカルバゼピン及び使用方法
JP2016047838A (ja) * 2015-11-05 2016-04-07 バイアル−ポルテラ アンド シーエー,エス.エー. 酢酸エスリカルバゼピン及び使用方法

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005511623A (ja) * 2001-11-12 2005-04-28 ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト 情動および注意障害、神経因性疼痛の処置用医薬の製造において使用するためのモノヒドロキシカルバマゼピン

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
PT101732B (pt) * 1995-06-30 1997-12-31 Portela & Ca Sa Novas di-hidrodibenzo<b,f>azepinas substituidas processo para a sua preparacao composicoes farmaceuticas que as contem e utilizacao dos novos compostos na preparacao de composicoes farmaceuticas empregues em doencas do sistema nervoso

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005511623A (ja) * 2001-11-12 2005-04-28 ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト 情動および注意障害、神経因性疼痛の処置用医薬の製造において使用するためのモノヒドロキシカルバマゼピン

Also Published As

Publication number Publication date
AU2004212328A1 (en) 2004-08-26
EP1596866A2 (en) 2005-11-23
TW200507853A (en) 2005-03-01
US20100063029A1 (en) 2010-03-11
CA2514649A1 (en) 2004-08-26
PL376756A1 (pl) 2006-01-09
US7638510B2 (en) 2009-12-29
WO2004071152A3 (en) 2004-10-14
WO2004071152A2 (en) 2004-08-26
AU2004212328B2 (en) 2008-01-17
BRPI0407569A (pt) 2006-02-14
MXPA05008729A (es) 2005-09-20
US20060194791A1 (en) 2006-08-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20100063029A1 (en) Use of s-10-hydroxy-10,11-dihydro-carbamazepine for the treatment of anxiety and bipolar disorders
RU2338537C2 (ru) СРЕДСТВО ДЛЯ ЛЕЧЕНИЯ ШИЗОФРЕНИИ НА ОСНОВЕ ГИДРИРОВАННЫХ ПИРИДО(4,3-b)ИНДОЛОВ (ВАРИАНТЫ), ФАРМАКОЛОГИЧЕСКОЕ СРЕДСТВО НА ЕГО ОСНОВЕ И СПОСОБ ЕГО ПРИМЕНЕНИЯ
US9914717B2 (en) Cycloalkenyl hydroxamic acid derivatives and their use as histone deacetylase inhibitors
AU2004226827B2 (en) Use of 10-hydroxy-10,11-dihydrocarbamazepine derivatives for the treatment of affective disorders
CA3182412A1 (en) Advantageous benzothiophene compositions for mental disorders or enhancement
US8735389B2 (en) Treating psychological conditions using muscarinic receptor M1 antagonists
US20090054404A1 (en) Use of r-10-hydroxy-10,11-dihydro-carbamazepine in neuropathic pain
US20120046302A1 (en) Methods of treating cns disorders
TW202312999A (zh) 治療代謝病症之方法
CN101227901A (zh) 抗炎药
WO2010126527A1 (en) Methods of treating cns disorders
WO2023081899A1 (en) Isotopically enriched n-methyl-1,3-benzodioxolylbutanamine (mbdb) and stereoisomers thereof
WO2023081897A1 (en) Isotopically enriched 3,4-methylenedioxy-n-ethylamphetamine (mde) and stereoisomers thereof
CN100356923C (zh) S-10-羟基-10,11-二氢-卡马西平在制备药物组合物中的用途
CN1674909A (zh) 甲酰胺类在治疗耳鸣中的用途
AU2007251901A1 (en) Use of S-10 hydroxy-10, 11-dihydro-carbamazepine for the treatment of anxiety and bipolar disorders
RU2477634C2 (ru) Лечение психологических состояний с применением антагонистов m1-мускариновых рецепторов
AU2008201166A1 (en) Use of 10-hydroxy-10,11-dihydrocarbamazepine derivatives for the treatment of affective disorders

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070215

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100713

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20110111