JP2006516480A - 電磁撹拌器の冷却 - Google Patents

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Abstract

電磁撹拌器の電気コイルの冷却が、電磁流体を使用して行われる。

Description

本発明は、概して、著しい空間的傾斜を有している磁場を発生する電磁装置に関し、特に、液体状金属を撹拌するのに用いられている電磁撹拌器の冷却装置に関する。
電力入力が比較的大きな電磁装置の巻き線は、抵抗損によって巻き線内で発生する熱を除去するオイルや水などの流体によって一般に冷却されている。そのような装置の巻き線から熱を除去する機構は、熱対流または強制的流体流のいずれかに基づいている。後者のアプローチは、金属精錬産業で広く使用されている電磁撹拌器(本明細書ではEMSと略称する)の冷却に使用されてきた。これらの撹拌器は、専用の水源か鋳型冷却用の水源のいずれかから加圧されて供給される水によって冷却される。
最も一般的に使用されている方法では、冷却用水の流れは、撹拌用コイルを収容している空間体積内を満たしていて、コイル巻き線の各電線の外側から熱を取り除く。図1と2は、鋼片と鋼塊の連続鋳造用EMSで一般に使用されるそのような冷却装置の実施形態を示している。EMS 7は、溶融した金属4を受け入れる、EMS 7によって囲まれている垂直型2を有している連鋳鋳型アセンブリ1内に配置されている。水の流れ3は、巻き線の下部分でEMSの巻き線5に流入し、個別の電線9同士の間の空間8内を上に向けて移動し、それから図2に示しているように、流れ3は巻き線の上部分から流出する。この冷却構造では、巻き線の絶縁部分は水に直接接触する。未処理の水はかなり高い導電性を有しているため、水を化学的に処理して許容できるレベルまで導電性を減少させること、および/または、銅の腐食と、結果として装置の故障につながる、銅線と水が直接、接触する可能性がなくなるように絶縁部分の微細な孔をすべてなくすように電線の絶縁を強化することが必要である。さらに、冷却水は、導電性が減少していても、絶縁物質としては劣っているため、かなり密にまとめられた巻き線間の短絡を防止するためには、信頼性のある電線の絶縁と電圧の制限の両方が必要になる。工業的な手法においては、上記のアプローチ、つまり、水の導電性を減少させることと、たとえば、樹脂、ワニス、または同様の合成物によって電気絶縁性を高めることのいずれによっても、撹拌用コイルの信頼性は保証されない。
水による巻き線の冷却に対する別のアプローチは、巻き線の製造に中空の導体を使用することである。中空の巻き線では、外側の電気絶縁部分は乾燥が保たれたまま、冷却水は導体の内側を流れる。この例でも、冷却用水は筒状導体の内壁上に堆積物が生じる原因となる電気分解反応を避けるように処理される。外側または内側が冷却される巻き線用の前述の水冷装置は、ポンプ、フィルタ、計装等が備わっている閉じた給水部を有しており、このことは電磁撹拌装置の資本コストと運用コストを増大させる。
磁気的な振る舞いを示す流体による電磁装置の冷却の新規の考え方は、1960年代に公知となった(R.E.Rosenweig、FERROHYDRODYNAMIC(強磁性流体力学)、Cambridge University Press、1985年参照)。磁場と、磁性を有する流体の相互作用によって、流体を動かす体積力が発生する。磁気応答のこの特性は、電磁装置の冷却など、多くの実用的な用途に使用されている。
米国特許第5,898,353号は、磁性を有する流体を配電用変圧器の対流による冷却へ使用することを記述している。変圧器によって生成された磁場の勾配によって、磁性を有する流体中に沈められている変圧器の巻き線を冷却する強磁性流体に円形のパターンが発生する。
米国特許第5,863,455号は、電源変圧器を有している電磁装置を絶縁性と冷却性が改善されているコロイド状強磁性流体によって冷却する方法を記述している。この特許は、電磁場と熱とを生成する手段と、電磁装置に接触している安定したコロイド状絶縁性流体とを有している電磁装置について言及している。前述の用途では、磁性を有する流体の飽和磁化は約1から20ガウスである。前述の特許に関連する電磁装置は、電源トランスであった。
他の従来技術には、米国特許第4,506,895号、第4,992,190号、第5,462,685号がある。
これらの従来技術の開示にも関わらず、金属精錬産業と特に鋼の連続鋳造で用いられている電磁撹拌器は、電力入力が非常に小さい空冷の撹拌器を除いて、水冷のままである。水冷装置では、水の処理に対する特別な要求と装置、水の特性の監視と維持のための計装、電気絶縁の完全性に対する特別な要求、撹拌器の信頼性と性能を前述のパラメータと装置に依存させている特別な装置(たとえば、ポンプ、フィルタ、配管等)が求められる。この依存性は、撹拌器の組み立ての不具合、使用されている材料、装置の誤動作、人為的ミスにより損なわれる可能性があり、また、しばしば損なわれる。
電磁撹拌器と共に使用されている水冷装置の上記の欠点を克服するために、本発明によれば、電磁撹拌器の冷却効率と動作性能は、磁性を有する流体を冷却および絶縁用媒体として使用することによって改善できることが見出されている。
本発明によれば、以降で強磁性流体と呼ぶ、絶縁性を備えたコロイド状の磁性を有する流体が冷却液として用いられている電磁撹拌器の巻き線を冷却する改善された方法が提供される。電磁撹拌器の巻き線は、装置によって発生する電磁場に起因する磁気対流によって動く強磁性流体の動きによって冷却される。電磁装置が通電されると、装置によって発生する磁束密度の勾配によって、差圧が強磁性流体内に生じ、その結果、圧力が減少する方向に、複数の個々の巻き線間に形成されている空間を通して強磁性流体の磁気対流の流れが発生する。本発明の他の態様では、この方法を実行する装置が提供される。
強磁性流体の流れは、抵抗損によって巻き線内で発生する熱を分散させ、筐体の内壁に伝える。外壁は、水の流れによって冷却される。
冷却水の専用の供給源とそれに関連する装置を除くことによって、撹拌器の冷却装置が簡略化され、これは水冷装置と比較して資本コストと運用コストの減少につながる。
通電されている巻き線と導電性の冷却剤、つまり水との間の接触の可能性がなくなる。
絶縁性の強磁性流体を使用し、巻き線の電気絶縁が減少させることによって、巻き線から冷却剤への熱の伝導が増大する。絶縁のこの減少は、絶縁部分の厚さを小さくすることおよび/または電気抵抗が小さくなることに関連することが多い熱伝導性がより高い絶縁物質を用いることによって行なうことができる。
さらに、巻き線内の電流密度を約15A/mm2またはそれを越えて増大させることができ、これは、巻き線からの熱除去を改善し、絶縁流体内での巻き線の短絡の可能性を減らすことによって可能になる。
強磁性流体を使用することによって、コロイド状強磁性流体に本来備わっている絶縁性および磁性の特性が、非常に長期間、たとえば多年にわたって変化しないため、電磁装置の耐用年数が長くなる。これに対して、水冷装置は、1回誤動作すると、電磁装置の巻き線の破損や故障を引き起こすこともある。
本発明では、電磁撹拌器の巻き線は、鉄製ヨークの突き出した磁極に取り付けられている閉じたハウジング内に配置されている。ハウジングは、熱伝導性がかなり良好な非磁性ステンレス鋼または他の非磁性材料から作られ、絶縁性の、つまり誘導性(dialectric)の特性を同じく有している強磁性流体で満たされている。巻き線は、全体が強磁性流体に沈められている。ハウジングの外側は、鋳型を冷却するのに使用される水の流れか、その他の水源から供給される水の流れによって冷却される。
強磁性流体は、たとえば合成油または鉱物油などの誘電特性を備えている搬送流体と、流体内で浮遊しているナノサイズの磁粉とからなる。磁粉は流体内に分散していて、コロイド懸濁を形成している。特別な被覆によって磁粉の凝集が防止されている。この種のコロイド状の磁性を有する流体は、「強磁性流体」と一般に呼ばれていて、その詳細は、米国特許第5,462,685号、第5,863,455号などの多くの刊行物に記述されている。
強磁性流体の磁気的特性は磁粉の濃度に依存し、かつ流体の単位体積あたりの到達可能な最大磁気モーメントと定義されている、ガウスを単位とした飽和磁化Mの割合によって定量的に特徴付けられる。強磁性流体の磁気的特性は温度にも依存するため、強磁性流体の磁化飽和は温度の上昇とともに低下する。したがって、キュリー温度、つまり磁場強度がゼロに近付く温度が特定の巻き線の最大動作温度(通常150℃から250℃)にかなり近いEMS冷却用強磁性流体を用いるのが有益である。
巻き線の下部の温度がより低い強磁性流体が、磁極に隣接している磁場が最も強い領域への吸引によって引き寄せられるため、そのような性質を備えた強磁性流体は最強の対流をもたらすことになる。巻き線を通して上向きに強磁性流体の流れが進むと、強磁性流体の温度が上昇し、磁場強度が小さくなり、それによって流体の、巻き線の上部からの流出が促進される。高温の流体の流れは巻き線の上部から流出し、巻き線の外側の層と外側から水冷されているハウジングの内壁との間を下に向けて流れる。その結果、冷却された強磁性流体の流れはハウジングの下部に戻り、冷却サイクルが繰り返される。
熱に起因する対流、つまり自然対流が、温度の上昇にともなう流体の密度の低下によって発生する。しかし、自然対流は、冷却過程全体の中では役割が比較的小さい。自然対流は、磁場が弱いときにだけ磁気による流体の吸引よりも優勢となり始め、これは一般に、コイルに供給される電流が少ないときや、流体が巻き線から流出する前に巻き線の上部で流体の温度がキュリー点に近付いているときに一般に発生する。
強磁性流体は、少なくとも約109オーム・メートルの電気抵抗に相当する誘電性を有していることが好ましい。そのような電気抵抗によって、巻き線から強磁性流体への熱伝導を促進する、電線の電気絶縁部分の削減、原理的には完全な除去が可能になる。
強磁性流体は、約50から約200ガウスの範囲の、この範囲の上限に近いことがより好ましい磁化飽和を有していることが好ましい。強磁性流体は、約500°から約300℃の範囲の、この範囲の下限に近いことがより好ましいキュリー温度を有していることが好ましい。
図を参照すると、図3と4は、本発明の一実施形態による連続鋳造機(不図示)に設置されている型ハウジングアセンブリ10内のEMS装置を模式的に示している。図3と4からわかるように、EMSの固定子12は、鋳型14に連続して注入され、そして抜かれる凝固中の融解物16を収容する鋳型14の周囲に配置されている。巻き線18は、図4に示している、突き出した(突出した)極片22上に取り付けられているステンレス鋼製のハウジング20内に収容されている。突き出した極22はEMSの鉄製ヨーク24の一部であり、これら2つの部品は共にEMS固定子12を有している。鋳型14と、コイル用ステンレス鋼製ハウジング20とEMS固定子12とを有している撹拌器は、型14を冷却するのに使用される水の流れ26によって冷却される。
前述の部品、つまり鉄製ヨーク、巻き線、突き出した極、およびステンレス鋼製ハウジング、はすべて、EMSアセンブリを有している。巻き線用ハウジング20は、巻き線18を型冷却用の水26から分離している。これらのハウジングは、EMSによって発生する磁場と巻き線から取り除かれる熱流の両方の経路上にあるため、非磁性で、熱伝導性の、電気抵抗が比較的高い材料から作られている。非磁性ステンレス鋼は、使用してもよいそのような材料である。巻き線ハウジング20は、その前壁と後壁の内側に溝28を有している。溝28は、巻き線18が完全に沈められるようにハウジング20を満たしている強磁性流体30の流れを促進する。
強磁性流体30は、磁場強度の傾斜によって発生する圧力によって、特別に設けられている開口31を通して巻き線18の下部に強制的に流入させられる。断面A−A(図4)の拡大部分に示しているように、巻き線18の内部では、強磁性流体30は、巻き線の個々の電線34の間に形成されている流路32内を上向きに移動する。強磁性流体の流れは、巻き線18の上部に特別に設けられている開口33を通って巻き線18から流出する。巻き線から流出した後、強磁性流体30は溝28内を下に向けて移動する。巻き線18内では、強磁性流体30は、抵抗損によって巻き線から発生する熱を吸収する。熱は、水の流れ26によって外側から冷却されているハウジング20の壁を通して、下降している強磁性流体から取り除かれる。
本発明によると、EMSの巻き線を強磁性流体によって冷却する方法は、巻き線の電気抵抗によって電力入力のかなりの部分が熱になるため、高出力の装置にとって特に有用である。抵抗による熱をコイルの巻き線から取り除くことは、EMSを含むあらゆる電気装置の継続した動作のための重要な必須条件である。この発明の最も重要な特徴は、熱伝導が電気的に帯電した巻き線と水とが直接接触することなく達成されるということである。
強磁性流体内に浮遊している超微細磁粉が磁場によって磁化されると、強磁性流体は実質的に液体磁石になり、一方強磁性流体の絶縁性マトリクスは強力な絶縁特性を示している。所与の強磁性流体の磁化は、磁粉の密度、大きさ、磁場の強さに依存している。磁化は、その磁場強度の特定レベルで飽和する。
同時に、強磁性流体の磁化は温度にも依存する。流体の温度が上昇するにつれて、磁化が減少し、キュリー温度でゼロになる。磁化の、磁場強度と温度の両方への依存は、強磁性流体が、EMSの巻き線から、対流による熱伝導を促進できる基本的な理由となっている。低温の強磁性流体は、巻き線のさまざまな位置の外側と内側の磁束密度の勾配によって生成された圧力勾配によって巻き線の内部に吸引される。磁気圧力勾配は、次式によって表される
Figure 2006516480
強磁性流体は、吸引力として作用する磁気圧力が低い領域から磁気圧力が高い領域へと、巻き線の電線同士間に形成されている流路の内側を移動する。
図5は、磁極に隣接している巻き線の垂直断面内の磁束密度分布の例を示している(断面の半分だけを示している)。図示のように、磁束密度は、領域100から102では、巻き線の垂直部分の中央の平面に向けて増大する。同時に、磁束密度は垂直部分の下部と上部の領域104では比較的低く、これによって磁気圧力勾配が促進され、そして、その結果として巻き線内の強磁性流体の流れが促進される。強磁性流体の温度は、巻き線の上端部への移動時間の経過につれて上昇するので、磁化は減少し、流体は巻き線に強く引き寄せられることがもはやなくなり、それによって気体の流れの流出が促進される。温度の上昇に伴う強磁性流体の重力密度の変化によって、磁気によって誘導される対流と同じ方向の自然対流が発生する。これら2つの圧力勾配は、巻き線を通した流体の流れを促進し、それら各々の割合を図6に示している。図6に示しているように、電流の増加に伴い、圧力勾配の磁気成分と重力成分の両方が増加するが、磁気圧力は、はるかに高い割合で増加し、電流が比較的低いレベルでも強磁性流体の動きにおいて主な力になる。流体内の全圧力勾配に対する磁気対流と自然対流の両方の合成作用も図6に示している。
巻き線流路内の流体の圧力は、強磁性流体と磁場との間の磁気的相互作用に依存しているので、温度に伴う強磁性流体の磁化の低下は、流体の動きと巻き線の冷却の全体の効率に対して有益な条件をもたらす上で主要な役割を果たす。
そのため、巻き線の最大動作温度に近いキュリー温度の強磁性流体を使用することが有益である。その場合の強磁性流体の磁気特性は、温度の上昇に伴なって大きく減少し、それが流出を促進する。そのような強磁性流体は、図7に例示しているように、巻き線を通した流れを増加させ、熱を除去し、それにより巻き線温度を低下させることになる。
図7からわかるように、327℃のキュリー温度(Tcで示す)を有する強磁性流体は、590℃のキュリー温度(Tcで示す)を有する強磁性流体で得ることができる温度よりも60℃低い約125℃の巻き線温度を300アンペアの電流入力で維持することができる。上記の基本的な事柄はこの発明の下記の実施例で行なわれた実験によって確かめられている。
実施例1
さまざまな電流入力と強磁性流体の磁化について、巻き線内の温度を求めるために、図8に示しているように15個の熱電対が1つの巻き線内に埋め込まれた。5つの熱電対の3つの組が存在し、各組は、断面の中央部に1つの熱電対を、断面の側部の中央に4つの熱電対を有している。巻き線の断面は、以下のように、すなわち垂直部分、つまり断面A−Aの中間の高さの位置に1つ、図8の断面C−CとB−Bによってそれぞれ表されている巻き線の下部と上部の水平部分に各1つと選択された。
図9は、さまざまな電流入力と強磁性流体の磁化について、巻き線の垂直部分、つまり断面A−Aで計測された温度を示している。図9からわかるように、150ガウスと200ガウスの磁化では、巻き線の温度は200アンペアで200℃に達する。水による巻き線の冷却方法と同様に、本実施例では巻き線は複数の層によって絶縁されている。図4に示しているように、この実験で用いられた溝28はかなり小さい。この実施例では、強磁性流体の飽和磁化Mを150ガウスを越えて増大させても、巻き線の冷却に対して実質的な作用をしないことを示している。
実施例2
実施例1の実験結果を磁気圧力の低下の分析的予測値と比較することによって、磁気対流の作用のすべてが利用されているわけではないと結論された。
実施例1を、強磁性流体の流れを増大させるために溝28の断面積を大きくすることによって修正した。この改良の結果、最大温度が著しく低下し、それによって電流を最大で250アンペアまで増加させることができた。巻き線の冷却をさらに改良するため、巻き線の絶縁を薄くした。
実施例3
本実施例では、実施例2の大きくした溝28と電線の薄くした絶縁を使用している。本実施例の条件下での巻き線温度の実験結果が図10と11に示されている。図10は、300アンペアの電流と強磁性流体の磁化M=200ガウスでの、巻き線のさまざまな断面で計測した温度を示している。
図11は、巻き線内(断面B−B)の最大記録温度と電流入力との間の関係を示している。図10と11の300アンペアの位置からわかるように、最大温度は約200℃に達する。これは、実施例1と実施例2について得られた結果に対しても、また、水による冷却を伴う巻き線の動作方法に対しても、著しい改善を示している。後者の場合、電流は200アンペアが限界である。図7に示しているように、最大動作温度に対してキュリー温度を最適化することによって、強磁性流体による巻き線の冷却をさらに改善することができる。そのため、実施例3から得られた実験データが、本発明の主な前提、つまり強磁性流体の磁気的に強制された対流によって、コイルの巻き線と冷却水とが直接接触するのを回避しながら、商用電磁撹拌器の電磁コイルが効率的に冷却されることを明確に実証している。強磁性流体によるEMSの巻き線の冷却によって冷却装置が簡略化され、その資本コストと運用コストが減少し、装置の信頼性が増加する。
開示の概要
本開示の概要として、本発明は、通電されている巻き線と冷却水との間の直接の相互作用を取り除くことによる電磁コイルを冷却する改良された方法を提供するものである。水を、絶縁性の磁気作動コロイド状流体、つまり強磁性流体に置き換えることによって、電磁撹拌器によって生成された磁場との相互作用によって巻き線内に強力な磁気対流の流れが発生する。種々の変形が本発明の範囲内で可能である。
外部から供給される水の流れによって巻き線を冷却する従来技術の方法による、連鋳鋳型アセンブリユニット内のEMS装置の模式図である。 図1に示している装置による、鉄製ヨークに巻かれた巻き線アセンブリを示すEMSの断面図である。 本発明の一実施形態による、連鋳鋳型アセンブリ内のEMS装置の模式図である。 図3に示している強磁性流体によって冷却されている巻き線を備えているEMSアセンブリの断面図である。 図3のEMSアセンブリの巻き線の垂直部分の磁束密度分布のコンピュータシミュレーションの模式図に基づいている。 さまざまな電流入力における強磁性流体内の平均化された磁気圧力と重力圧力の例のグラフである。 変化する電流についての強磁性流体のキュリー点の巻き線の温度に対する影響を示す図である。 図3のEMSアセンブリの実験で使用された巻き線内の熱電対の配置の模式図である。 実施例1の条件下で実験的に得られた巻き線の温度の図である。 実施例3の条件下で実験的に計測された巻き線内の温度プロフィールを示している図である。 実施例3の条件下での巻き線内の最大温度と電流入力との間の関係を示すグラフである。

Claims (9)

  1. 突き出した複数の磁極を備えた鉄製ヨークと、前記各磁極に取り付けられ、絶縁性の強磁性流体で満たされている非磁性の導電性ハウジング内に配置されている電気巻き線とを有するアセンブリを設けることと、
    電磁撹拌器を作動させて、前記巻き線の表面から内部に向かう流れを発生させるのに少なくとも十分な磁気圧力を前記強磁性流体内に発生するかなりの磁束密度傾斜を有している磁場を前記巻き線内に発生させることと、
    を有する、液体状金属を撹拌するのに使用される電磁撹拌器を冷却する方法。
  2. 前記強磁性流体は少なくとも約109オーム・メートルの電気抵抗に相当する絶縁特性を有している、請求項1に記載の方法。
  3. 前記強磁性流体は約50ガウスから約200ガウスの範囲の磁化飽和と、約500℃から約300℃のキュリー温度とを有している、請求項1に記載の方法。
  4. 前記ハウジングは非磁性ステンレス鋼で作られている、請求項1に記載の方法。
  5. 巻き線用筐体の内部からの強磁性流体の流れと、前筺体の外側からの冷却水とを促進するように、前記筐体の内壁と外壁の両方に溝が設けられている、請求項1に記載の方法。
  6. 前記液体状金属は鋼である、請求項1に記載の方法。
  7. 液体状金属を撹拌するのに使用される電磁撹拌器を冷却する方法において、絶縁性の強磁性流体を使用して電気巻き線を冷却することを有している改良。
  8. 溶融した金属を受け入れる軸線方向の型用筒を有している円筒状のハウジングと、
    前記型用筒から隔てられていて、冷却水流路を定めている内壁と、
    前記内壁を囲んでいて、前記内壁と外壁から隔てられていて、ヨークと、複数の磁極と、前記各磁極に取り付けられている電気巻き線とを有していて、前記複数の磁極と前記各磁極に取り付けられている前記電気巻き線は、絶縁性強磁性流体で満たされている、閉じた非磁性の熱伝導性ハウジング内に配置されている電磁撹拌アセンブリと、
    前記円筒状のハウジングを、前記の閉じた非磁性の熱伝導性ハウジングが位置している大きい下側の室と、小さい上側の室とに分割する環状の壁であって、前記内壁は、前記下側の室の下端部と流体の流れが通じている前記冷却水流路への入口と、前記上側の室の上端部と流体の流れが通じている前記冷却水流路からの出口を定めている有している、環状の壁と、
    前記下側の室の上端部に流体の流れが通じている冷却水入口と、前記上側の室に流体の流れが通じている冷却水出口と、
    を有している電磁撹拌器。
  9. 前記ハウジング内には、前記ハウジング内の前記強磁性流体の流れを促進するように、前記ハウジングの前壁と後壁の内側に溝が設けられている、請求項8に記載の電磁撹拌。
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