JP3801639B2 - ソレノイドにより励起される間隙付き磁気回路およびその用途 - Google Patents
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Description
本発明は、電磁増幅システムに関し、特に電磁界を用いる物体の推進のための方法および装置に関する。
発明の背景
電磁界の作用による物体の運動は、機械的な方法に勝る多くの利点をもつ広範な工学的実践である。このような実践の1つの用途は、るつぼを用いない処理のため金属の電磁浮遊である。このような用途においては、金属と適当形状の交番磁界との間での誘導渦電流反撥により金属塊が空間内に浮遊される。渦電流を充分に強めることにより、あるいは別のRF電磁界の付与により、融解が誘起される。次に、融解金属は、空間内に浮遊される間に処理されて分離され、こうしてるつぼと決して接触することはない。非常に純粋な、汚染のない金属製品がこのように得られる。
融解、融解物処理および注入の諸処理を1つの操作に組合わせるため設計された特定の電磁浮遊融解物システムが、アラバマ大学で開発され、「進歩した材料およびプロセス(Advanced Materials and Processes)」(1991年3月)の42〜45ページの「浮遊融解法が投資家をそそる(Levitation−Melting Method Intrigues Investment Casters)」に記載されている。図1に略図的に示されるように、処理されるべき金属101が、最初に、中心に開口103を有する基板102の頂面に静置し、前記開口の直径は金属ビレットの直径より僅かに小さい。1組の誘導コイル104に給電されると、電流が金属101に誘起され、この金属を発熱させ始めて徐々に融解させ、頂部から底部へ融解する。誘起電流の相互作用とその関連する磁界により生じる電磁力界が、融解物を揺動させる回転成分を持つ。磁界の不回転成分が融解物の外面に当たる。ビレットの底部中心が融解すると、液状金属は開口103を経て鋳型105へ滴下する。
第2の関連用途は、電磁ポンピングであり、この場合誘起電流および静電磁界または交番磁界の相互作用によって、伝導流体がチャンネルに沿って推進させられる。このような推進システムの概要は、D.L.Mitchell等の論文「(Induction−Drive Magnetohydrodynamic(MHD)Propulsion)」(Journal of Super conductivity第6号(4)(1993)227〜235ページ)に示される。著者たちは、1960年代の高磁界の超伝導磁石技術を用いる当時の研究による海洋船舶にMHD推進システムを用いる研究について述べている。
米国特許第4,392,786号は、特定の電磁ポンプを開示している。当該開示ポンプは、励起巻線がAC電圧源に接続された磁気開回路を有する。当回路の空隙内には、導電性流体を運ぶダクトがある。前記ポンプには、導電性流体と電気的な接触を行う手段が含まれる。第3の用途は、Maglevとして知られる。輸送車両(例えば、列車)全体を、略々無摩擦の高速輸送手段を提供するため案内レール上に浮遊させることができる。第4の用途は、電磁形態から動力学的形態へ、あるいはその反対へエネルギを迅速に変換することを含む。前者は、レール・ガンの運動エネルギ兵器の基盤である。後者は、磁束の破裂圧縮による小さな領域内のメガガウス分野の生産のための望ましい試みである。
上記用途における研究での最も一般的な作用力則は、電流と磁界間のローレンツ力である。即ち、
物体の推進を達成するためのこのような作用力の効率は、一般に、磁界の2乗に比例する。電流Iが磁界B自体により誘起される時は、このことは明瞭である。消費される電力が導体のジュール熱に比例するので、たとえ電流が別個の供給源により供給されても、高いB磁界、低B磁界より低い電流システム、高電流システムを提供することが更に有利である。従って、一定の作用力Fの場合は、電力損失はI2R=[F/(B1)]2Rとなるから、利点もまた磁界の2乗となる。このような理由から、可能なかぎり強い磁界を生成することが望ましい。
現在では、大半の効率のよい磁界生成システムは、損失は無視できる数千アンペアに耐え得る超伝導体を使用する。それらの主な短所は、低温冷却と、高磁界強さが超伝導状態で生じる実質的な制約を必要とすることである。従来の伝導体の使用に代わるものは、所与の空間領域に強い磁界を生じるために要求される高電流が導体を実質的に融解するために、実用的でないと見なされる。
以上のことから、導体のジュール熱を最小限に抑えながら電流を運ぶ導体により高い磁界強さを生成できるように、電流により生成される磁界を所要の強さまで倍増できる方法が要求されることが明らかである。
発明の概要
本発明は、電気的なLRC回路における電圧増幅の周知の原理を磁気LmRmCm回路に適用することにより、磁界の増幅のための装置および方法を処理する。本発明の1つの利点は、磁界強さに対する要求が一定に保持されることを仮定して、電磁システム内の金属導体における電流負荷を低減することである。この利点は、ジュール熱負荷が従来の電線から磁界増幅を生じるセラミック・フェライトへ転移されるためである。
要約すれば、本発明の一実施形態による共振磁界増幅器が、非伝導透磁性コアの周囲に巻付けたソレノイドの端子間の電圧を供給する交番電圧源を含み、このコアが間隙を有する。透磁性コアの部分は、誘電性コアの部分の周囲に巻付けられ、誘電性コアは非常に高い実透磁性を有する。この実施の形態の増幅係数は、Rmに対するωLmの比率に相等し、ここでωは角周波数、LmおよびRmはそれぞれ電磁システムの総磁気インダクタンスと総磁気抵抗である。増幅係数の最大利点を得るためには、間隙が本発明に従って設計されねばならない。改善された融解物浮遊システムは、この間隙内の磁界増幅を用いて提供される。
本発明の第2の実施の形態においては、ソレノイドが非伝導透磁性コアの一部の周囲に巻付けられる。代替的な電圧源は、このソレノイドに接続される。透磁性コアの一部は、誘電性コアの部分における第1の巻数だけ巻かれ、誘電性コアは非常に高い実透磁率を有する。第2の非伝導透磁性コアは、誘電性コアの第2の部分における第2の巻数だけ巻かれる。第2の透磁性コアは間隙を有する。この実施の形態の増幅係数は、第1の巻数に対する第2の巻数の比で規定される。改善された融解物浮遊システムは、この間隙内の磁界増幅を用いて提供される。本発明の別の実施形態においては、先に述べたシステムは、伝送線の磁気インピーダンスを電圧源の磁気インピーダンスに整合するために用いられる。
本発明の性質および利点の更なる理解は、明細書の残部および図面を参照することによって達成される。
【図面の簡単な説明】
図1は、従来技術の電磁浮遊融解物システムの概略図、
図2は、従来技術による簡単な磁気回路の図、
図3は、磁気コアの部分が非常に高い実透磁率の誘電性コアの周囲に巻かれた電気回路の図、
図4は、磁気増幅変成器の図、
図5は、特定の導体システムに対する見かけの透磁率と角周波数の関係グラフ、
図6は、流体ポンプとして機能するよう構成された磁気増幅変成器の図、
図7は、4分の1波長共振増幅器の図、
図8は、短絡終端付近で小さなmmfが誘起された図7に示された構造、
図9は、簡単な浮遊器として機能するよう構成された4分の1波長共振増幅器の図、
図10は、融解物浮遊システムに対する間隙端の終端の図、
図11は、図10に示された間隙に対する磁束線の図、
図12は、磁束集束器の図、
図13は、間隙における磁束により図12の磁束集束器に誘起された渦流の図、
図14は、金属サンプルが所定位置に浮遊された図10ないし図13に示された間隙と集束器の断面図、
図15は、共振変成器として動作させられる時、図4に示された磁気増幅変成器の主巻線における間隙の図、
図16は、磁気伝達線の図、
図17は、図16に示された構造の基本モードの磁界の図、
図18は、図16の伝達線に対する供給構造の図、
図19は、巻線比3をもつ増幅変成器の図、
図20は、海水の圧送および推進のための4分の1波長共振器の図、
図21は、図20に示された共振器に対する供給機構の図、および
図22は、従来の電磁推進器の図である。
望ましい実施形態の記述
磁気回路の概念は、磁石および電磁機械の設計における利点と共に供される。このような用途においては、DC電気回路と、磁界源(例えば、ソレノイド)の存在時の透磁性材料の配置との間の相似をとることが一般である。このような相似は、起電力emfを提供するDC電圧源と、ソレノイド巻線の起磁力との間に等価性をとる。このため、電圧源がその経路における直列抵抗の両端で電圧を降下させる同じ方法で、起磁力がその経路における直列抵抗の両端で降下される。従って、式R=l/(μA)により磁気抵抗が生じ、ここでμは磁束を運ぶ材料の透磁率、lはその長さ、Aはその断面積である。明らかに、高い透磁性コア(μ>>μ0)と直列の空隙(即ち、μ=μ0)は、回路の全磁気抵抗に著しい効果を呈する。
磁気抵抗と抵抗間の伝統的な相似は、回路が周波数がゼロになる時の限度で見られる時にのみこのことが働くので、不適切であることが判った。適切な相似を得るためには、誘電性材料と磁性材料間の完全な二重性がもたらされねばならない。このことは、最初は、1892年にOliver Heavisideによって果たされた(「Electric Papers」第XXX章、第III部、441;1970年第2版)。Heavisideは、磁気電流と呼んだ電流に類似する量について把握していた。彼は、磁気電流をG=fH+[μ/(4π)][∂H/∂t]と定義した。この式の右側の第2項は、周知の磁気誘導の変化率である。Heavisideは、第1項、即ち、磁気伝導率fが存在する時にのみ存在し得る磁気伝導電流を導いた。
磁気伝導率はゼロ周波数(即ち、DC)では存在が観察されなかったが、交番電流の存在時には存在し得ることは明瞭である。特に、磁界を時間依存性ejωtと調和させることにより、かつμ=μ′およびωμ″=4πfを同定することにより、磁気電流式を下式に代えることができる。即ち、
4πG=ωμ″H+jωμ′H=jωH(μ′−jμ″)
減衰損即ち仮数部μ″を含む複素透磁率をもつ材料が、あたかも磁気伝導電流を運ぶかのように挙動することも明らかである。
Heavisideは磁気伝導率を小さいと仮定したが、この誘導はこれが非常に大きいことを仮定する。磁気伝導率が、金属の伝導率がその誘電特性を問題としない程大きいように、材料の特性を無視できる程充分に大きいことが仮定される。従って、調和する超磁力により駆動されるこのような材料がAC電気回路要素において見出されるものと類似する多くの特性を呈するようにさせ得ることを示すことは簡単明瞭である。従って、電気的インダクタンス−キャパシタンス−抵抗(LRC)回路が広大な実際の用途例の基盤であることとちょうど同様に、新たな磁気インダクタンス−磁気キャパシタンス−磁気抵抗(LmRmCm)回路を本発明に対する基盤として提案する。
I.2重回路パラメータ
図2の従来技術の磁気回路は、電流I1を運ぶN1回の巻をもつ高さh1のソレノイド2の終端に跨がって接続される電圧Vを供給する交番電圧源1を含んでいる。ソレノイド2は、複素透磁率μの非伝導透磁性コア3に巻かれており、ここでμはμ′−jμ″に等しく、μ′は複素透磁率の実数部、μ″は仮数部である。透磁性コア3は、全長lと断面半径ρとを持ち、その2つの端部は相互に平行であるが、長さgの間隙4で分かれている。
ソレノイド2は、全ての磁束経路にわたる磁界の循回線全体と等しくなければならない起磁力mmf1=I1N1を提供する。周囲の空間への漏れがないものとして、コア3を流れる磁束は、間隙4を変化せずに横切らねばならない。従って、簡単にするためコア3と間隙4の端面がコアの断面半径と同じ半径を持つと仮定するならば、コア3と間隙4におけるB磁界は等しい(通常のB磁界における電磁境界条件により要求されるように)。従って、
右側の各項の分子と分母を、角周波数ωと複素数j=(−1)1/2で乗じ、コアの透磁率を実数部と仮数部とに分けると、式1は下式となる。即ち、
(2) mmf1=[(jωμ′Hl+ωμ″Hl)/(jωμ′+ωμ″)]
+[(jωμ′Hg+ωμ″Hg)/(jωμ0)]
動作周波数またはその僅かに下の周波数で自然または誘導スピン共振を持つ磁気透過材料を選択し、これによりμ″をμ′よりはるかに大きくさせる。このような材料は自然に存在し、スピン共振は好都合なことにKHz(例えば、マンガン亜鉛フェライト)からMHz範囲(例えば、ニッケル亜鉛フェライト)までの範囲にわたる。磁気伝導率σm=ωμ″は、磁気伝導電流密度JmがJm=σmHとして定義できるように定義される。従って、式2は下式に簡素化される。即ち、
(3) mmf1=[(Jm1)/σm]+[(Jmg)/(jωμ0)]
分子と分母とをコア3の断面積(即ち、πρ2)で乗じ、各項を整理して、全磁気電流をIm=Jmπρ2として示すと、下式を得る。即ち、
(4) mmf1=Im/Gm+Im/(jωCm)
但し、Gmは、全2相磁気抵抗の逆数である全2相磁気コンダクタンスであり、
(5) Gm=(σmπρ2)/1=1/Rm
および、Cmは間隙の2相磁気キャパシタンスであり、
(6) Cm=(μ0πρ2)/g
これらの回路要素を使用可能にするために、これら要素は設計可能でなければならない。要求される回路動作が所与の用途において生じさせるように形状と材料の選択によって、種々の値が得られねばならない。明らかに、コアの材料および形状は、種々の磁気抵抗を得るように使用することができる。損失のあるものから実質的に無損失のものまでの磁性材料が存在する。しかし、上記から磁気抵抗の選択が行われても、磁気キャパシタンスが真に設計可能であるかは明瞭でない。
この疑いは、間隙が述べたとおり空中に置かれても、キャパシタンス項が最小限度をもつゆえに生じる。即ち、間隙の2面が任意に分けられる時、全キャパシタンスをπμ0ρ程度である無限遠までの各面の自己キャパシタンスの直接和に下げることができるに過ぎない。間隙面を狭める(断面積を局部的に減じる)ことによりキャパシタンスをこの限度異常に下げようとすると、磁束がより大きな領域にわたって更に漏れるのでうまくいかない。しかし、間隙における交番磁界により導体に誘起された渦電流を利用することにより、磁気キャパシタンスをこの値より低く抑えることは可能である。例えば、コアの断面積より小さな開口をもつ金属板が間隙に挿入されるならば、金属板に誘起された渦電流によって磁束がこの小さな領域に流れるよう強制される。このような効果は、例えば間隙を導電性流体中に浸漬することによって、本発明において調べられている。かかる手法を用いて、小さな磁気キャパシタンスを得ることができる。間隙が任意に小さくされ得るので、大きなキャパシタンスを得ることは難しくはない。
所要のLmRmCm回路から抜けているのは磁気インダクタンスだけである。これは、下記の如くに得られる。
コア3内部で変化する磁束は、コア内部および周囲の空間内に循回電界を誘起する。Maxwellの式により、この電界は回路の起電力(emf)によって駆動され、従って、
全ての量が時間的に調和するため、変化する電界は変化する電気的な変位磁束を生じ、その結果下式によるmmfが逆誘導される。即ち、
この逆誘導mmfは、コア3の内部に交差する変位磁束による内部成分(10ないし104の範囲の実質的な誘電定数を持ち得る)と、周囲の空間内の全磁束からの外部成分とを有する。動作周波数がMHzレンジにあるものと仮定すると、コアの選択は、MHzレンジの自然スピン共振をもち、KHzレンジの誘電緩和をもつニッケル亜鉛タイプのフェライトとなる。この場合、コア3の相対透磁率は10程度となり、内部寄与を最小限に抑える。材料の選択が何であれ、式8の前記逆誘導mmfが自己インダクタンスによる交番電流の存在時の配線が遭遇する逆起電力emfに全く等価であることは明らかである。換言すれば、交番磁気電流を含む高い仮想透磁率のコアもまた、磁気インダクタンスを生じる。
この項を最大化するためには、磁気コア10の部分が非常に高い実透磁率の誘電性コア11の周囲に巻付けられた図3の構成を考察しよう。実際に、磁気コア10は、巻数がn1、内半径r1および長さhmの2重ソレノイドとなる。
ソレノイド内部の電界は、誘電性コア11の長さlmにわたり降下した全起電力n1Imにより与えられる。即ち、
(9) E=(n1Im)/lm
従って、交番する変位ベクトルは、
(10) D=(εn1Im)/lm
下式の巻数n1に蓄積される全逆誘導mmfとなる。即ち、
(11) mmfind=n1・jω[(εn1Im)/lm]πr1 2
但し、磁気インダクタンスをLm=(εn1 2πr1 2)/lmとして識別する。このインダクタンスの値は、明らかに誘電性コアに対して選択された材料および形状によって制御される。従って、図3の磁気回路は、所要のLmRmCm回路であり、下式によって共振する。即ち、
(12) mmf=ImRm−[j/(ωCm)]Im+jωLmIm
但し、それ自体を含む全ての誘導項がLmにまとめられる。全磁気電流について解くと、
(13) Im=(I1N1)/[Rm−j/(ωCm)+jωLm]
駆動する電圧源におけるこの磁気電流の作用は、下記のように演繹することができる。電圧源−ソレノイドの組合わせが無視し得る回路キャパシタンスをもつと仮定して、電圧源1により供給される電圧はソレノイド線のオーム抵抗と、ソレノイドのインダクタンスの対抗する逆起電力emfにおいて降下されねばならない。後者は、式7の結果である。線の巻数がN1の場合、全誘起電圧は、
Vind=N1{−jωBπρ2}=N1{−jω(μ′−jμ″)Hπρ2}≒N1
(−ωμ″Hπρ2)
であり、従って
(14) Vind=−N1Im
式13と14とは一緒に、2重磁気回路要素と電圧源との間の関係を与える。即ち、
(15) V1=I1{Rwire+〔N1 2/(Rm−j/(ωCm)+jωLm)〕}
II.磁界の増幅方法
1.共振増幅器
式13により定義される磁気回路LmRmCmは、共振電気LRC回路に似た共振磁気モータンス(magnetomotance)増幅器として用いることができる。従来のLRC回路においては、誘導項と容量項が相互に等しく作られるならば、回路内の電流が配線の小さな抵抗値によってだけ制限されることが知られている。インダクタとコンデンサのリアクタンスにおけるこの大電流の流れが、大きな電圧を生じ得る。電圧増幅のための要件は、インダクタとコンデンサのリアクタンスが配線の抵抗値より大きい(換言すれば、回路のQが大きい)ことである。同じ原理が、2重磁気共振回路の場合に妥当する。
2重磁気共振回路の一例として、コア10の全長lがλ/71であり、λ=2πc/ωである図3の構成を考察しよう。lはできるだけ小さく、l≒3hm+n12πr1程度である。2重ソレノイドの内半径r1を10ρに等しくする。
hm=n12ρならば、磁気コア10の両側を誘電性コア11の周囲に巻付けることにより、lmは2hmより小さいかあるいはこれと等しくすることができる。
l=69n1ρとして、これはρ=λ/4899n1であることを意味する。
ここで、ωLmとRm間の比は
l=λ/71により、磁気Qmは、下式となる。即ち、
(17) Qm=5.93×10-6[(μr″εr)/n1 2]
最後に、簡単にするため2重ソレノイドの巻数を1回のみと仮定し(n1=1)、コア10の相対透磁率が5000程度でありかつ誘電性コア11の相対透磁率もまた同じ(例えば、チタン酸バリウム・セラミック)であるならば、Qm=147である。換言すれば、
(18) ωLm=147Rm 共振時にこれもまた1/(ωCm)と等しくなければならない。
従って、共振の条件は、
(19) g/(ωμ0πρ2)=147[l/(ωμr″μ0πρ2)]
その結果、
(20) g≒0.02941≒2ρ
従って、先に述べた設計パラメータをもつ磁気回路は、間隔4がQmが147である磁気コア10の直径程度である時に共振する。Qmは、磁界増幅係数である。このことは、下記のように証明される。
典型的なBの連続性により、フリンジング効果を無視して、磁気コア10内部の磁束が間隔4内で継続しなければならない。即ち、
(21) −jμ″Hcoreπρ2=μ0Hgapπρ2 あるいは
Hgap=−jμr″Hcore
共振時に全起磁力がRm項に跨がって降下するので、
(22) Hcore=(I1N1)/l=(I1N1)/33.7g
また、式21は下式となる。即ち、
(23) Hgap=−j147[(I1N1)/g]
この磁気伝導性共振コアの代わりに、共振のない実透磁率の従来のコアが図2において示唆された構成で用いられるとすれば、電流により供給される全てのmmfが間隙に跨がって低減されることは周知である。このため、従来の構成においては、サイズgの間隙において電流I1により生じる磁界は、
(24) Hconventional=(I1N1)/g
従って、係数Qmの増幅が開示された発明によって達成された。巻線ソレノイドに流れる電流は増加されなかった。増加した磁界の電力密度は、電圧が式15に従って巻線抵抗に流れるI1を流すのに必要な電圧より高いので、供給用電圧源において増加した電界電力密度から生じる。
明らかに、磁気回路の透磁率、誘電率および全長の値が自由空間波長に対して大きくなると、全て、Qm増幅係数を比例するように増加される。しかし、Qmが増加される時共振を保証するには、磁気キャパシタンスは対応して小さくされねばならない。電気回路においては、2つのコンデンサ極板が分けられるから回路キャパシタンスがゼロにはならず各極板間の自己キャパシタンスの2分の1と無限大とに制限しようとするので、このようなプロセスには制限がある。しかし、導電性流体を用いることにより、本発明の磁気回路においては、かかる制限より下げることが可能である。
2.マグネトモータンス(magnetomotance)逓昇変成器
磁界の増幅の第2の事例は、逓昇変成器における電圧の増幅に対応する。図4の磁気回路を考察しよう。電圧源1は、第1の磁気伝達コア15において磁気電流Im1を駆動する起磁力mmf1=I1N1を構成するソレノイドに流れる電流I1を駆動している。コア15は、閉回路を形成して断面半径r1と誘電率εの誘電性円環体16の周囲にn1回巻付けられるものと仮定される。第1のコア15においては、ωLm項がそのRm項より大きく挙動が支配的であるものと仮定する。第2の磁気伝導コア17が円環体16の周囲にn2回巻付けられ、サイズgの間隙4で開口したままである。
流れるIm1による円環体16内部の誘電変位がD=(εn1Im1)/lmであることは、式10によって既に示された。第2の磁気コア17により作られる2重ソレノイド内部の円環体断面域を介して交番するこのような変位ベクトルは、式11により、第2のソレノイドに起磁力mmf2=n2・jω[(εn1Im1)/lm]πr1 2を誘起する。第2のコアにおける間隙の容量項がこの挙動を優勢にするように作ることができるならば、この全てのmmf2が間隙4で降下される。第1のコアがωLmだけ凌駕されることがmmf1=n1・jω[(εn1Im1)/lm]πr1 2であることを意味すると認識して、
再び、間隙内部の磁界が従来の装置における同じ電流で得ることができるより大きくされた。この時、増幅係数は巻線比n2/n1である。
増幅のためのこのような逓昇方式の成功は、磁気キャパシタンス成分のデュアル・リアクタンスに第2の透磁性コアの回路を支配させる能力にある。これを達成するためには、項Cmができるだけ小さくなければならない。先に述べたように、自由空間環境においては、Cmの下限がπμ0ρの大きさであるゆえに、このことは不可能である。このことを証明するには、誘導性リアクタンスがωLm=(ωεn2 2πr1 2)lmであるが、容量性リアクタンスは1/(ωπμ0ρ)の大きさであることを知るべきである。lm=2hm2=4ρn2およびr1=10ρ前と同じとし、Pを誘導性対容量性リアクタンスの比と定義すると、
この式は、先に述べた章II[1]からの設計パラメータを用いて、下式となる。即ち、
(27) Pfreespace=0.98/n2
n2は1より大きいので、自由空間では、P>1の要件を満たせないことは明らかであり、従って容量項は優勢とならない。しかし、間隙が導電性流体中に浸漬されるならば、間隙内の磁束は流体中の体積的な渦電流を駆動する起電力を誘起することになる。
このような構成において、Imの大きさの駆動emfは、流体中の抵抗値に循環電流の自己インダクタンスを加えた和に等しいインピーダンスに抗して働く。循環電流の自己インダクタンスをLeddyと定義すると、
(28) Ieddy≒Im/(Reddy+jωLeddy)
また、このIeddyは、磁気回路における逆誘導mmfを構成する。流体の導電率が充分に高ければ、電流はインダクタンスで制御され、Ieddy≒Im/(jωLeddy)となる。この項を式12の他の逆誘導mmfに加えると、下式を得る。即ち、
(29) mmf=ImRm−[j/(ωCm)]Im+jωLmIm
−[j/(ωLeddy)]Im
式29から、導電性流体における渦電流項が磁気容量性リアクタンスと同時性であり、従ってこれを増加することが明らかである。実際に、この2つの項を1つに組合わせて容量性リアクタンス1/(ωCm)を1/(ωμ(ω)ρ)の大きさと定義することができる。ここで、μ(ω)は、周波数の関数としての導電性媒体の実効透磁率である。
特徴となる次元tの導体(積層された磁気金属コアの如き)のシステムの場合、μ(ω)が図5に示される挙動を有する。図5は、周波数が特徴次元が2枚のスキン深さ程度である如きものである時、実透磁率は自由空間値の半分へ低下し、仮想成分が略々同じ大きさで生じることを示している。この周波数は、渦周波数feと呼ばれ、これはωe/(2π)に等しい。周波数が増加するに伴い、μ′およびμ″は共に1/ω1/2として低下する。従って、周波数が渦周波数より著しく大きければ、μ(ω)=μ0(ωe/ω)1/2となる。
導電性流体が海水(即ち、導電性が約5mhos/メートル、但し、1mhos=1ohm-1)であり、特徴次元gが2メートルに等しければ、この渦周波数は0.04MHzである。回路が50MHzで動作するならば、μ(ω)は0.028μ0に等しく、これは係数35だけ磁気容量性リアクタンスを増加する。これは、式26、27の誘導性リアクタンスに対する容量性リアクタンスの比Pを巻線数n2=10の2次側コアに対する3.5程度にさせる。当例では、間隙におけるmmf2の78%、即ち7.8mmf1が降下させられる。巻線数n2=20であれば、比Pは1.75であり、間隙におけるmmf2の64%,即ち12.7mmf1が降下させられる。従って、海水における逓昇原理を用いて大きさが1程度の増幅を得ることは簡単である。
3.逓昇変成器ポンプ
先に述べたように、逓昇変成器形態における間隙が導電性流体中に浸漬されるならば、強い渦電流が流体中に誘起される。増幅される磁界に対する流体中の電流の反応により、間隙内の流体が間隙から半径外方向へ排斥される。この外方向作用力は、種々の用途において用いることができる。
間隙内の流体に対する外方向作用力の最も簡単な用途は、磁気流体攪拌機として逓昇変成器形態を用いることである。このような用途のためには、逓昇変成器は修正する必要がなく、間隙は攪拌されるべき流体中に浸漬されればよい。
更に有効な用途は、間隙内の流体に対して及ぼされる作用力を案内することにより、流体ポンプを形成することである。流体の流れを案内する1つの方法は、図6に示される。間隙4を包囲しているのは、複数の流体取り込みポート6と流体排出ノズル7の両方を含む流体偏向スカート5である。スカート5は、電磁波に対して実質的に透過性である材料、望ましい実施形態においてはプラスチックから作られる。流体が間隙から外方へ排斥されると、スカートが外方の流れを排出ノズル7通るよう偏向させて、推進力を生じる。
4.共振磁気逓昇変成器
当該方法は、先に述べた共振増幅器とマグネトモータンス逓昇変成器の組合わせである。この場合、一次側と二次側の両コアが、2重のキャパシタンスとインダクタンスの全ての適切な構成により共振に同調される。従って、非常に高い磁気伝導率をもつ磁性材料が用いられるならば、逓昇mmfが共振増幅により倍増されて、最小で前の2章に開示された2つの増幅の積(大きさが2倍以上)であり、かつ最大でテスラ・コイルで得られる電圧増幅に比較し得る量(大きさが6倍)であり得る間隙における総磁界増幅を得る。
5.4分の1波長共振増幅器
図7は、4分の1波長共振増幅器の一例である。この増幅器は、終端において同じ材料で短絡された損失のある透過性材料から構成される2重同軸伝送線を含んでいる。終端部21は開いたままにされ、プラスチック障壁22により周囲の外部導電性流体から封止されている。導電性流体が磁気容量性リアクタンス項を強化するように示されたため、このように構成された2重伝送線の開放終端21は、磁気開回路の理想的な画定に真に近づき得る。小さなmmfが短絡終端20付近でこのような構造に導入されると、図8の接続方式で示唆されるように、定在波が短絡終端20において最小値の磁界強さで、また流体中の開放終端21において最大値の磁界強さで内部に形成される。これは、2重の4分の1波長共振線部分を構成する。
2重同軸線の式を得るため、この線が低損失の誘電体23で充填されるものとする。同軸導波路の壁面が損失のある磁性材料から作られるので、接線磁界は前記壁面で消滅する傾向がある。その結果、この構造は、磁界が完全に放射状(同軸面に対して直角)であるTEMモードを支持し、電界は同軸面に対して接線方向に循環する。損失のある磁性材料内部の磁気スキン深さは、
(30) δm=[2/(ωεσm)]1/2
従って、伝送線の磁気インピーダンス(周知のアドミッタンスの単位をもつ)は、
但し、Rm、LmおよびCmは、単位長さ当たりである。
線の共振4分の1波長部分に対しては、短絡終端20付近の小さな「電圧」入力1が下記係数だけ開放終端21で著しく増幅されて現れる。即ち、
(32) Qm=(2ζ)/[Rm(λ/4)]
磁気導体の厚さが磁気スキン深さより大きければ、単位長さ当たりの磁気抵抗は、
典型的な実施の形態において、伝送線内部の増幅された電界に耐えるために、充電用誘電体23は高い誘電強さのセラミックであり、その相対透磁率は200となるように選定される。このような誘電体と25MHzの動作周波数を用いて、4分の1波長lは0.21メートルである。磁気導体の相対透磁率の仮数部が5000であり(自然であるか、あるいは印加されるDC磁界が存在する場合、強磁性共鳴により強化される)、その透磁率実数部は10程度であるならば、磁気スキン深さδmは0.012メートルである。0.0381メートルの内側同軸円筒の外半径aと、0.105メートルの外側同軸シールドの内半径bの場合、単位長さ当たりの磁気抵抗は0.000478mhos/メートルであるが、伝送線の磁気インピーダンスは0.00606mhosで、Qm=120.8の増幅係数を生じる。
6.4分の1波長共振器の浮遊システム
4分の1波長共振増幅器は、簡単な浮遊器として働くように再構成することができる。この形態においては、図7の共振器は障壁22は含まない。装置を導電性流体中に浸漬する代わりに、図9に示されるように、導電性の接地面25が終端21に配置される。このような形態においては、共振器は接地面上に約4分の1波長だけ浮遊する。間隙がある場合でさえ、共振器におけるエネルギは装置内部に捕捉されようとする傾向がある。装置内部の電界が円形状であり接地面に対して接線を呈するゆえに、エネルギが漏洩し得ない。このような波は、接地上に伝播し得ない。
7.磁性材料の要件
磁気増幅器の形態の如何に拘わらず、増幅器に用いられる磁性材料は充分に損失が多くなければならない。損失のある透磁性コアが金属導体の磁気的相当物として挙動するように、複素透磁率の仮数部が磁気増幅器の動作周波数において1よりはるかに大きいことが不可避である。一般に、このことは、動作周波数がMHzレンジにあるならば、μ″がμ0の1000ないし5000倍の大きさであることを必要とする。他の動作周波数の場合は、仮想透磁率と周波数の積が略々一定に保持されねばならない。従って、動作周波数がKHzレンジにあるならば、μ″がμ0の106ないし5×106の大きさであるが、動作周波数がGHzレンジにあるならば、μ″はμ0の1ないし5倍の大きさとなる。
磁性材料の特性は既知であり、従って特定の用途に対する適切な材料の選択の問題に過ぎず、適性であることは意図される動作周波数に対する材料の透磁率、所要の大きさが得られること、意図される環境に耐えられること、およびそのコストに依存する。
一般に、ピーク仮想透磁率は、初期透磁率の0.5倍ないし1倍程度となる。従って、それぞれ3000ないし20,000、および2000ないし5000程度の初期透磁率をもつマンガン亜鉛フェライト第3種および第4種、ならびに1000の初期透磁率をもつ第6種のニッケル亜鉛フェライトが、種々の磁気増幅器用途に対して優れた候補である。GHzレンジにおいては、コバルト亜鉛フェライトが適切な特性を有する。外部DC磁界を磁気コアに印加することにより、完全に制御された損失のある透磁率を得ることも可能であり、材料の透磁率を制御するこのような技法は当技術において公知である。
III.特定の事例
1.共振磁気回路融解物浮遊システム
本例においては、100KHzで動作する電磁融解物浮遊システムが本発明に従って記述される。当該浮遊力は、磁束と金属サンプルに誘起された渦電流との間で相互作用により生成される。
当実施形態は、図3に示される基本的な設計構造を用いる。当該実施形態においては、誘電性コア11はCrowloy 70で作られた円環体である。これは、幅が0.94メートル×厚さが0.3メートルの矩形状の断面をもち、平均半径0.35メートルの変位ベクトルに円形経路を提供する。100KHzにおいて、ε′/ε0=123,000であり、tgδd=0.64×10-4であり、μ′/μ0=400であり、tgδm=0である。磁気巻線10は、E.Roess著「高透磁率MnZnフェライトの磁気特性および微小構造(Magnetic Properties and Microstructure of High Permeability MnZn Ferrities)」(Ferrities:Proceedings of the International Conference、1970年7月於日本、203〜209)により開示された組成によるマンガン亜鉛フェライトで作られる。磁気巻線の半径ρは、0.01メートルであり、419メートルの全長を有する。100KHzにおいて、μ″≧104 μ0である。磁気巻線10は、合計159回の巻数(n1)で3層の巻線が誘電性コアの周囲に巻付けられている。ソース1は、磁気巻線10の部分の周囲に巻付けられた000ゲージ銅線を4回巻である。
式5による総磁気抵抗は、
式11による磁気インダクタンスは、εn1 2A/lmであり、ここでAは誘電性コア11の断面積、lmはその平均長さである。この場合、A=0.3×0.94=0.282m2およびlm=2π(0.35)=2.2mである。従って、磁気誘導性リアクタンス項は、
従って、磁界に対する倍増率は、
Qm=2217/169=13
当該システムを融解物浮遊システムとして使用するために、間隙の終端が図10に示されるように成端されている。この間隙に対する磁束線は、図11に示される。平均磁束経路は、0.02メートル程度である。空気中では、間隙の磁気キャパシタンスは約μ0π(0.01)2/0.02であり、磁気容量性リアクタンスは1/ωCm、即ち、80.6mhosである。
共振を保証するため、水冷される冷間るつぼが設計され、これもまた図12に示される如き磁束集中器として働く。この集中器は、間隙内の磁界を整形してCmを低下させる。間隙における磁束は、図13に示される如き磁束集中器内に渦電流を誘起する。渦電流が後方から前方へ回り込んむよう誘起され、磁束を集中器内で間隙30を経て流れて内部で傘開するように有効に強制する。
図14は、金属サンプル31を所定位置に浮遊させた間隙と集中器の断面図である。るつぼの間隙の磁束圧縮と浮遊される金属に誘起された渦電流との組合わせが磁束経路の断面を係数27.5だけ減じるならば、Cmは同じ係数だけ低下され、1/(ωCm)は80.6mhosから(80.6)(27.5)=2217mhosへ増加する。従って、jωLm=−j/(ωCm)となり、磁気回路が共振する。
所要の係数27.5を得るため、集中器の間隙30は約0.0004メートルでなければならない。金属サンプル31が融解して浮遊るつぼから流出すると、共振は周波数ωを変化させることにより維持される。
本発明の利点は、従来の融解物浮遊システムに照らせば明らかである。100KHzで0.01メートルの半径をもつ銅球を融解するためには、従来のシステムは約800Aを使用する。4回巻形態を仮定すると、おおよその浮遊磁界は160,000A/mである。このような磁界が及ぼし得るこの磁気圧力は、(μ0/2)H2≒1.6×104N/m2である。半径0.01メートルの金属球は、π(0.01)2=3.14×10-4m2の断面積を有する。渦電流が形成された後、全圧力を受ける磁界により影響を受ける実効面積は、前記面積の10分の1程度、即ち、3.14×100-5m2である。従って、浮遊力は、(1.6×104)(3.14×10-5)=0.5Nである。この力は、半径が0.01メートルの銅球の略々重量である0.05kgの金属を浮遊させるのに充分である。
0.21mmのスキン深さと6×107moh/mの導電率をもつ10mm径のワイヤを仮定すると、800Aを運ぶ金属コイルで消費される電力は、約350ワットである(Rw[800]2=[5.5×10-4]8002=350)。融解される金属において消費される電力が数十キロワット程度であることに注目されたい。
対照的に、約13の倍増率をもつ本発明の上記の実施形態を用いることにより、同じ4回の巻線形態による同じ融解物浮遊磁界を得るのに、61.5Aが必要とされるに過ぎない(800/13=61.5)。この場合、金属コイルにより消費される電力は、2ワットに過ぎず([5.5×10-4][61.5]2=2)、そのため非常に低温の励起コイルとなる。励起コイルにおいて無駄な電力を消費する代わりに、本発明を用いる融解物浮遊システムは、フェライト磁気巻線で電力を消費する。当該実施の形態においては、
Rm=169mhos
Im=mmf/Rm=4(61.5)/169=1.46ボルト
従って、浪費電力はIm 2Rm=(1.46)2(169)=360ワットである。
従って、(計算の公差以内の)略々同じ量の電力が磁気共振回路において消費されても、励起コイルの発熱は非常に少ない。その代わり、セラミック・フェライトが熱を吸収する。
2.融解物浮遊用途のための共振磁気変成器
当該実施形態は、図4に示された基本設計を用い、前の事例において述べたものと同じ材料を使用する。電流源1が巻かれる一次側巻線15は、全長が128メートルに対して47回の巻数からなる。二次側巻線17は、291メートルの全長に対して112回の巻数からなっている。一次側の特性は、
Rm=51.6mhos
ωLm=193.7mhos
Qm=3.75
二次側の特性は、
Rm=117.3mhos
ωLm=1100mhos
Qm=9.38
巻数比は、112/47=2.38である。
二次側は、当該実施形態ではωLmが2217ではなく1100に等しいことを除いて、前の融解物浮遊システムと同じ空隙を提供する。従って、Cmのみが27.5ではなく13.6だけ増加すればよい。このことは、磁束集中器における間隙をより大きく、約0.008メートルにすることを許容する。このような構成は、共振および9.38の倍増率を達成するのに必要な1/(ωCm)を生じる。
このような構成では、一次側もまた共振するのに充分に低いCmを持たねばならない。これは、図15に示される如き0.001メートルの間隙で各巻きごとに巻線を区切ることによって達成できる。このような構成においては、総直列磁気キャパシタンスは[μ0π(0.01)2]/[47(0.001)]であり、189オームの容量性リアクタンスを生じる。これはωLm程度であり、これにより共振を生じる。
本発明の当該実施形態により提供される性能の改善を示すため、空隙における所要の磁界が先に述べた実施形態におけると同じものであると仮定する。集中器の倍増率がこの場合ではより小さいので、二次側におけるImは第1の装置におけるより大きくなければならない。従って、
Im(secondary)=1.46(25.7/13.6)=2.75ボルト
mmfsecondary=2.75ボルト×117.3mhos=322.6amp−巻数
mmfprimary=mmfsecondary/巻数比=135.5amp−巻数
一次側が3.75のQmを持つので、
mmfsource=36amp−巻数
従って、巻数4の場合、総ソース電流は9ampである。これは、従来の融解物浮遊システムにより要求される800ampよりはるかに小さい。巻線におけるこのような低い電力消費を達成するためには、フェライトがより大量の電力を消費しなければならない。当該実施形態では、
二次側は、(2.75)2(117)=884ワットを消費し、
一次側は、(135.5)2/51.6=355ワットを消費し、
巻線は、(9)2(5.5×10-4)=0.04ワットを消費する。
3.伝送線を25MHzのソースに整合する逓昇変成器
図16は、磁気伝送線の図である。面40は、約1ミリメートルの厚さの銅板である。面41は、tμが0.04メートル、μ″が約5000である損失のあるフェライトである。断面寸法は0.3メートル×0.3メートルである。図17は、当該構造の基本モードの磁界を示している。当構造は、377オームの波形インピーダンスと、1/377即ち0.0026mhosの伝送線磁気インピーダンスζを有する。
当該伝送線に50オームの電圧源を供給することを要求すると仮定すると、式15は電圧源において下式のインピーダンスを生じる。即ち、
Vsource/Isource=Rwire+[(N1 2)/(Rm+ζm)]
従って、図18に示される供給形態において、Rm≒0、Rwire≒0、および巻数が僅かに1であるものと仮定すると、ソースは50オームではなく377オームとなるので、不整合が存在する。このような不整合を補正するため、図4の逓昇変成器においては、下記のことが判る。即ち、
mmf2=(n1/n2)mmf1
Im2=(n1/n2)Im1
かつ、従って
ζm2=mmf2/Im2=(n2/n1)2(mmf1/Im1)=(n2/n1)2ζm1
当該磁気逓昇変成器は、巻線比により磁気インピーダンスを変換する。50オームの電圧源に対する整合を得るためには、伝送線インピーダンスを0.0026mhosないし0.02mhosだけ、あるいは(0.02/0.0026)1/2=2.8≒3の巻線比だけ逓昇する必要がある。従って、図19に示される如き巻線比3をもつ逓昇変成器は、電圧源を伝送線と整合させることになる。
図19の逓昇変成器においては、第1の巻線45は、25MHzでμ″=3000、半径が0.005メートル、および全長が0.6メートルである材料から作られる。二次側巻線46は、一次側巻線と同じ材料から作られ、その3回の巻数により、1.2メートルの全長を有する。誘電性コア47は、0.048メートルの半径r1と、0.444メートルの全長lmと、5000ε0のε′とを有する。
式11から、次式を得る。即ち、Lm=(εr′ε0n2πr1 2)/lm
従って、
Lm(1 turn)=[(5000)(8.854×10-12)(π)(0.048)2]/0.444=7.2×10-10
Lm(3 turns)=6.49×10-9
および
ωLm(1 turn)=0.113mhos
ωLm(3 turns)=1.02mhos
磁気抵抗は、
各場合においてωLmがRmより大きいので、回路はインダクタンスで制限され、逓昇が生じる。
このように、0.0026mhoの磁気インピーダンスの伝送線が、0.0234mhosに対する比ωLm(3 turns)/ωLm(1 turn)=9で変換され、50オームのソースに接続された1回の巻線ループが、50オームに有効に整合された1/0.0234=43オームのインピーダンスを読取る。
従って、7.5:1(即ち、377/50)の不整合として始まったものは、本発明の当該実施形態を用いて、1.16:1(即ち、50/43)の整合となる。パラメータの慎重な調整によって、更に近い整合を得ることができる。
4.25MHzの海水圧送および推進のための4分の1波長共振器
図20は、4分の1波長共振増幅器の図である。当該実施形態は、外側円筒55が0.024メートルの肉厚を有する長さが0.25メートルの同軸磁気伝送線からなっている。外側円筒55は、短絡された端部56を有する。円筒55と端部56は共に、μ″が5000μ0に等しい損失のある透磁性材料で作られる。円筒55の内半径bは、0.105メートルである。同軸の内側円筒57は、0.0381メートルの外半径aを有する。プラスチック障壁58が、伝送線の開放端部を封止し、肉厚が約0.002メートルであり、短絡端部56から0.21メートル(即ち、λ/4)に取付けられる。容積部分59は誘電体で充填され、容積部60は海水で充填される。当実施形態においては、誘電体は、7%の密度でε′が2800であるチタン酸バリウム・ストロンチウムの如きセラミックで充填された発泡体である。容積部60もまた、代替的なセラミック・ディスクと発泡スペーサで充填することができる。例えば、20個の発泡スペーサで分離されたそれぞれ0.000744メートルの厚さをもつ20個のセラミック・ディスクを使用することができる。
共振器内に定在波を形成するため、例えば、図21に示される如き海水端部付近に1回巻のコイルを用いて、小さなmmfが構造体内へ誘導される。この場合、入力mmf1はrに等しく、増幅されたmmf2は120.8I(120.8の増幅率Qmは、先に章II[5]において得られた)に等しい。従って、開放端部には、式(μ0/2)H2=(μ0/2)(120.8)2(I2/r2)に等しい圧力分布により
H(r)=(120.8I)/r
となる。
このように、導波路の開口部における力は、
(μ0/2)(120.8)2I2∫(1/r2)2πr dr=μ0(120.8)2πI2 ln(b/a)
であり、従って
力≒0.0576I2ニュートン
となる。
導波路の開口部の面積は、
π(0.1052−0.03812)=0.03m2
従って、平均圧力降下は、
(0.0576/0.03)I2=1.92I2パスカル
この圧力降下は、B磁界が渦電流によりゼロになるのに要する流体深さにわたって生じる。この距離は、3つのスキン深さ程度、即ち0.12メートルである。従って、共振器は、16I2Pa/mに等価である0.12メートルの流体にわたって1.92I2パスカルの圧力降下を生じ得る。
従来の電磁推進器の設計は、図22に示される。当該推進器の寸法は、0.33メートル×0.33メートル×3.9メートルである。当該推進器は、1333Nを生じるために1000Aを使用する。従って、圧力降下は、1.22×104に等しい1333/0.332である。長さ3.9メートルにわたって、この圧力降下は、3.14×103Pa/mと等価である。電極の長さ0.12メートルが、1000(0.12/3.9)A、即ち30.77Aの電流を運ぶ。この電流を先に述べた本発明の実施形態で印加すると、16(30.77)2Pa/m、即ち15.1×103P生じる。このように、先に述べた本発明の実施の形態は、従来の推進器より約5倍の効率を呈する。更に、本発明は、B磁界を供給するのに超伝導磁石を必要としない。
当業者には理解されるように、本発明は、その趣旨および実質的な特性から逸脱することなく他の特定形態で実施することもできる。従って、本発明の望ましい実施形態の開示は、請求の範囲に記載される本発明の範囲の例示を意図するものであり、限定するものではない。
発明の背景
電磁界の作用による物体の運動は、機械的な方法に勝る多くの利点をもつ広範な工学的実践である。このような実践の1つの用途は、るつぼを用いない処理のため金属の電磁浮遊である。このような用途においては、金属と適当形状の交番磁界との間での誘導渦電流反撥により金属塊が空間内に浮遊される。渦電流を充分に強めることにより、あるいは別のRF電磁界の付与により、融解が誘起される。次に、融解金属は、空間内に浮遊される間に処理されて分離され、こうしてるつぼと決して接触することはない。非常に純粋な、汚染のない金属製品がこのように得られる。
融解、融解物処理および注入の諸処理を1つの操作に組合わせるため設計された特定の電磁浮遊融解物システムが、アラバマ大学で開発され、「進歩した材料およびプロセス(Advanced Materials and Processes)」(1991年3月)の42〜45ページの「浮遊融解法が投資家をそそる(Levitation−Melting Method Intrigues Investment Casters)」に記載されている。図1に略図的に示されるように、処理されるべき金属101が、最初に、中心に開口103を有する基板102の頂面に静置し、前記開口の直径は金属ビレットの直径より僅かに小さい。1組の誘導コイル104に給電されると、電流が金属101に誘起され、この金属を発熱させ始めて徐々に融解させ、頂部から底部へ融解する。誘起電流の相互作用とその関連する磁界により生じる電磁力界が、融解物を揺動させる回転成分を持つ。磁界の不回転成分が融解物の外面に当たる。ビレットの底部中心が融解すると、液状金属は開口103を経て鋳型105へ滴下する。
第2の関連用途は、電磁ポンピングであり、この場合誘起電流および静電磁界または交番磁界の相互作用によって、伝導流体がチャンネルに沿って推進させられる。このような推進システムの概要は、D.L.Mitchell等の論文「(Induction−Drive Magnetohydrodynamic(MHD)Propulsion)」(Journal of Super conductivity第6号(4)(1993)227〜235ページ)に示される。著者たちは、1960年代の高磁界の超伝導磁石技術を用いる当時の研究による海洋船舶にMHD推進システムを用いる研究について述べている。
米国特許第4,392,786号は、特定の電磁ポンプを開示している。当該開示ポンプは、励起巻線がAC電圧源に接続された磁気開回路を有する。当回路の空隙内には、導電性流体を運ぶダクトがある。前記ポンプには、導電性流体と電気的な接触を行う手段が含まれる。第3の用途は、Maglevとして知られる。輸送車両(例えば、列車)全体を、略々無摩擦の高速輸送手段を提供するため案内レール上に浮遊させることができる。第4の用途は、電磁形態から動力学的形態へ、あるいはその反対へエネルギを迅速に変換することを含む。前者は、レール・ガンの運動エネルギ兵器の基盤である。後者は、磁束の破裂圧縮による小さな領域内のメガガウス分野の生産のための望ましい試みである。
上記用途における研究での最も一般的な作用力則は、電流と磁界間のローレンツ力である。即ち、
物体の推進を達成するためのこのような作用力の効率は、一般に、磁界の2乗に比例する。電流Iが磁界B自体により誘起される時は、このことは明瞭である。消費される電力が導体のジュール熱に比例するので、たとえ電流が別個の供給源により供給されても、高いB磁界、低B磁界より低い電流システム、高電流システムを提供することが更に有利である。従って、一定の作用力Fの場合は、電力損失はI2R=[F/(B1)]2Rとなるから、利点もまた磁界の2乗となる。このような理由から、可能なかぎり強い磁界を生成することが望ましい。
現在では、大半の効率のよい磁界生成システムは、損失は無視できる数千アンペアに耐え得る超伝導体を使用する。それらの主な短所は、低温冷却と、高磁界強さが超伝導状態で生じる実質的な制約を必要とすることである。従来の伝導体の使用に代わるものは、所与の空間領域に強い磁界を生じるために要求される高電流が導体を実質的に融解するために、実用的でないと見なされる。
以上のことから、導体のジュール熱を最小限に抑えながら電流を運ぶ導体により高い磁界強さを生成できるように、電流により生成される磁界を所要の強さまで倍増できる方法が要求されることが明らかである。
発明の概要
本発明は、電気的なLRC回路における電圧増幅の周知の原理を磁気LmRmCm回路に適用することにより、磁界の増幅のための装置および方法を処理する。本発明の1つの利点は、磁界強さに対する要求が一定に保持されることを仮定して、電磁システム内の金属導体における電流負荷を低減することである。この利点は、ジュール熱負荷が従来の電線から磁界増幅を生じるセラミック・フェライトへ転移されるためである。
要約すれば、本発明の一実施形態による共振磁界増幅器が、非伝導透磁性コアの周囲に巻付けたソレノイドの端子間の電圧を供給する交番電圧源を含み、このコアが間隙を有する。透磁性コアの部分は、誘電性コアの部分の周囲に巻付けられ、誘電性コアは非常に高い実透磁性を有する。この実施の形態の増幅係数は、Rmに対するωLmの比率に相等し、ここでωは角周波数、LmおよびRmはそれぞれ電磁システムの総磁気インダクタンスと総磁気抵抗である。増幅係数の最大利点を得るためには、間隙が本発明に従って設計されねばならない。改善された融解物浮遊システムは、この間隙内の磁界増幅を用いて提供される。
本発明の第2の実施の形態においては、ソレノイドが非伝導透磁性コアの一部の周囲に巻付けられる。代替的な電圧源は、このソレノイドに接続される。透磁性コアの一部は、誘電性コアの部分における第1の巻数だけ巻かれ、誘電性コアは非常に高い実透磁率を有する。第2の非伝導透磁性コアは、誘電性コアの第2の部分における第2の巻数だけ巻かれる。第2の透磁性コアは間隙を有する。この実施の形態の増幅係数は、第1の巻数に対する第2の巻数の比で規定される。改善された融解物浮遊システムは、この間隙内の磁界増幅を用いて提供される。本発明の別の実施形態においては、先に述べたシステムは、伝送線の磁気インピーダンスを電圧源の磁気インピーダンスに整合するために用いられる。
本発明の性質および利点の更なる理解は、明細書の残部および図面を参照することによって達成される。
【図面の簡単な説明】
図1は、従来技術の電磁浮遊融解物システムの概略図、
図2は、従来技術による簡単な磁気回路の図、
図3は、磁気コアの部分が非常に高い実透磁率の誘電性コアの周囲に巻かれた電気回路の図、
図4は、磁気増幅変成器の図、
図5は、特定の導体システムに対する見かけの透磁率と角周波数の関係グラフ、
図6は、流体ポンプとして機能するよう構成された磁気増幅変成器の図、
図7は、4分の1波長共振増幅器の図、
図8は、短絡終端付近で小さなmmfが誘起された図7に示された構造、
図9は、簡単な浮遊器として機能するよう構成された4分の1波長共振増幅器の図、
図10は、融解物浮遊システムに対する間隙端の終端の図、
図11は、図10に示された間隙に対する磁束線の図、
図12は、磁束集束器の図、
図13は、間隙における磁束により図12の磁束集束器に誘起された渦流の図、
図14は、金属サンプルが所定位置に浮遊された図10ないし図13に示された間隙と集束器の断面図、
図15は、共振変成器として動作させられる時、図4に示された磁気増幅変成器の主巻線における間隙の図、
図16は、磁気伝達線の図、
図17は、図16に示された構造の基本モードの磁界の図、
図18は、図16の伝達線に対する供給構造の図、
図19は、巻線比3をもつ増幅変成器の図、
図20は、海水の圧送および推進のための4分の1波長共振器の図、
図21は、図20に示された共振器に対する供給機構の図、および
図22は、従来の電磁推進器の図である。
望ましい実施形態の記述
磁気回路の概念は、磁石および電磁機械の設計における利点と共に供される。このような用途においては、DC電気回路と、磁界源(例えば、ソレノイド)の存在時の透磁性材料の配置との間の相似をとることが一般である。このような相似は、起電力emfを提供するDC電圧源と、ソレノイド巻線の起磁力との間に等価性をとる。このため、電圧源がその経路における直列抵抗の両端で電圧を降下させる同じ方法で、起磁力がその経路における直列抵抗の両端で降下される。従って、式R=l/(μA)により磁気抵抗が生じ、ここでμは磁束を運ぶ材料の透磁率、lはその長さ、Aはその断面積である。明らかに、高い透磁性コア(μ>>μ0)と直列の空隙(即ち、μ=μ0)は、回路の全磁気抵抗に著しい効果を呈する。
磁気抵抗と抵抗間の伝統的な相似は、回路が周波数がゼロになる時の限度で見られる時にのみこのことが働くので、不適切であることが判った。適切な相似を得るためには、誘電性材料と磁性材料間の完全な二重性がもたらされねばならない。このことは、最初は、1892年にOliver Heavisideによって果たされた(「Electric Papers」第XXX章、第III部、441;1970年第2版)。Heavisideは、磁気電流と呼んだ電流に類似する量について把握していた。彼は、磁気電流をG=fH+[μ/(4π)][∂H/∂t]と定義した。この式の右側の第2項は、周知の磁気誘導の変化率である。Heavisideは、第1項、即ち、磁気伝導率fが存在する時にのみ存在し得る磁気伝導電流を導いた。
磁気伝導率はゼロ周波数(即ち、DC)では存在が観察されなかったが、交番電流の存在時には存在し得ることは明瞭である。特に、磁界を時間依存性ejωtと調和させることにより、かつμ=μ′およびωμ″=4πfを同定することにより、磁気電流式を下式に代えることができる。即ち、
4πG=ωμ″H+jωμ′H=jωH(μ′−jμ″)
減衰損即ち仮数部μ″を含む複素透磁率をもつ材料が、あたかも磁気伝導電流を運ぶかのように挙動することも明らかである。
Heavisideは磁気伝導率を小さいと仮定したが、この誘導はこれが非常に大きいことを仮定する。磁気伝導率が、金属の伝導率がその誘電特性を問題としない程大きいように、材料の特性を無視できる程充分に大きいことが仮定される。従って、調和する超磁力により駆動されるこのような材料がAC電気回路要素において見出されるものと類似する多くの特性を呈するようにさせ得ることを示すことは簡単明瞭である。従って、電気的インダクタンス−キャパシタンス−抵抗(LRC)回路が広大な実際の用途例の基盤であることとちょうど同様に、新たな磁気インダクタンス−磁気キャパシタンス−磁気抵抗(LmRmCm)回路を本発明に対する基盤として提案する。
I.2重回路パラメータ
図2の従来技術の磁気回路は、電流I1を運ぶN1回の巻をもつ高さh1のソレノイド2の終端に跨がって接続される電圧Vを供給する交番電圧源1を含んでいる。ソレノイド2は、複素透磁率μの非伝導透磁性コア3に巻かれており、ここでμはμ′−jμ″に等しく、μ′は複素透磁率の実数部、μ″は仮数部である。透磁性コア3は、全長lと断面半径ρとを持ち、その2つの端部は相互に平行であるが、長さgの間隙4で分かれている。
ソレノイド2は、全ての磁束経路にわたる磁界の循回線全体と等しくなければならない起磁力mmf1=I1N1を提供する。周囲の空間への漏れがないものとして、コア3を流れる磁束は、間隙4を変化せずに横切らねばならない。従って、簡単にするためコア3と間隙4の端面がコアの断面半径と同じ半径を持つと仮定するならば、コア3と間隙4におけるB磁界は等しい(通常のB磁界における電磁境界条件により要求されるように)。従って、
右側の各項の分子と分母を、角周波数ωと複素数j=(−1)1/2で乗じ、コアの透磁率を実数部と仮数部とに分けると、式1は下式となる。即ち、
(2) mmf1=[(jωμ′Hl+ωμ″Hl)/(jωμ′+ωμ″)]
+[(jωμ′Hg+ωμ″Hg)/(jωμ0)]
動作周波数またはその僅かに下の周波数で自然または誘導スピン共振を持つ磁気透過材料を選択し、これによりμ″をμ′よりはるかに大きくさせる。このような材料は自然に存在し、スピン共振は好都合なことにKHz(例えば、マンガン亜鉛フェライト)からMHz範囲(例えば、ニッケル亜鉛フェライト)までの範囲にわたる。磁気伝導率σm=ωμ″は、磁気伝導電流密度JmがJm=σmHとして定義できるように定義される。従って、式2は下式に簡素化される。即ち、
(3) mmf1=[(Jm1)/σm]+[(Jmg)/(jωμ0)]
分子と分母とをコア3の断面積(即ち、πρ2)で乗じ、各項を整理して、全磁気電流をIm=Jmπρ2として示すと、下式を得る。即ち、
(4) mmf1=Im/Gm+Im/(jωCm)
但し、Gmは、全2相磁気抵抗の逆数である全2相磁気コンダクタンスであり、
(5) Gm=(σmπρ2)/1=1/Rm
および、Cmは間隙の2相磁気キャパシタンスであり、
(6) Cm=(μ0πρ2)/g
これらの回路要素を使用可能にするために、これら要素は設計可能でなければならない。要求される回路動作が所与の用途において生じさせるように形状と材料の選択によって、種々の値が得られねばならない。明らかに、コアの材料および形状は、種々の磁気抵抗を得るように使用することができる。損失のあるものから実質的に無損失のものまでの磁性材料が存在する。しかし、上記から磁気抵抗の選択が行われても、磁気キャパシタンスが真に設計可能であるかは明瞭でない。
この疑いは、間隙が述べたとおり空中に置かれても、キャパシタンス項が最小限度をもつゆえに生じる。即ち、間隙の2面が任意に分けられる時、全キャパシタンスをπμ0ρ程度である無限遠までの各面の自己キャパシタンスの直接和に下げることができるに過ぎない。間隙面を狭める(断面積を局部的に減じる)ことによりキャパシタンスをこの限度異常に下げようとすると、磁束がより大きな領域にわたって更に漏れるのでうまくいかない。しかし、間隙における交番磁界により導体に誘起された渦電流を利用することにより、磁気キャパシタンスをこの値より低く抑えることは可能である。例えば、コアの断面積より小さな開口をもつ金属板が間隙に挿入されるならば、金属板に誘起された渦電流によって磁束がこの小さな領域に流れるよう強制される。このような効果は、例えば間隙を導電性流体中に浸漬することによって、本発明において調べられている。かかる手法を用いて、小さな磁気キャパシタンスを得ることができる。間隙が任意に小さくされ得るので、大きなキャパシタンスを得ることは難しくはない。
所要のLmRmCm回路から抜けているのは磁気インダクタンスだけである。これは、下記の如くに得られる。
コア3内部で変化する磁束は、コア内部および周囲の空間内に循回電界を誘起する。Maxwellの式により、この電界は回路の起電力(emf)によって駆動され、従って、
全ての量が時間的に調和するため、変化する電界は変化する電気的な変位磁束を生じ、その結果下式によるmmfが逆誘導される。即ち、
この逆誘導mmfは、コア3の内部に交差する変位磁束による内部成分(10ないし104の範囲の実質的な誘電定数を持ち得る)と、周囲の空間内の全磁束からの外部成分とを有する。動作周波数がMHzレンジにあるものと仮定すると、コアの選択は、MHzレンジの自然スピン共振をもち、KHzレンジの誘電緩和をもつニッケル亜鉛タイプのフェライトとなる。この場合、コア3の相対透磁率は10程度となり、内部寄与を最小限に抑える。材料の選択が何であれ、式8の前記逆誘導mmfが自己インダクタンスによる交番電流の存在時の配線が遭遇する逆起電力emfに全く等価であることは明らかである。換言すれば、交番磁気電流を含む高い仮想透磁率のコアもまた、磁気インダクタンスを生じる。
この項を最大化するためには、磁気コア10の部分が非常に高い実透磁率の誘電性コア11の周囲に巻付けられた図3の構成を考察しよう。実際に、磁気コア10は、巻数がn1、内半径r1および長さhmの2重ソレノイドとなる。
ソレノイド内部の電界は、誘電性コア11の長さlmにわたり降下した全起電力n1Imにより与えられる。即ち、
(9) E=(n1Im)/lm
従って、交番する変位ベクトルは、
(10) D=(εn1Im)/lm
下式の巻数n1に蓄積される全逆誘導mmfとなる。即ち、
(11) mmfind=n1・jω[(εn1Im)/lm]πr1 2
但し、磁気インダクタンスをLm=(εn1 2πr1 2)/lmとして識別する。このインダクタンスの値は、明らかに誘電性コアに対して選択された材料および形状によって制御される。従って、図3の磁気回路は、所要のLmRmCm回路であり、下式によって共振する。即ち、
(12) mmf=ImRm−[j/(ωCm)]Im+jωLmIm
但し、それ自体を含む全ての誘導項がLmにまとめられる。全磁気電流について解くと、
(13) Im=(I1N1)/[Rm−j/(ωCm)+jωLm]
駆動する電圧源におけるこの磁気電流の作用は、下記のように演繹することができる。電圧源−ソレノイドの組合わせが無視し得る回路キャパシタンスをもつと仮定して、電圧源1により供給される電圧はソレノイド線のオーム抵抗と、ソレノイドのインダクタンスの対抗する逆起電力emfにおいて降下されねばならない。後者は、式7の結果である。線の巻数がN1の場合、全誘起電圧は、
Vind=N1{−jωBπρ2}=N1{−jω(μ′−jμ″)Hπρ2}≒N1
(−ωμ″Hπρ2)
であり、従って
(14) Vind=−N1Im
式13と14とは一緒に、2重磁気回路要素と電圧源との間の関係を与える。即ち、
(15) V1=I1{Rwire+〔N1 2/(Rm−j/(ωCm)+jωLm)〕}
II.磁界の増幅方法
1.共振増幅器
式13により定義される磁気回路LmRmCmは、共振電気LRC回路に似た共振磁気モータンス(magnetomotance)増幅器として用いることができる。従来のLRC回路においては、誘導項と容量項が相互に等しく作られるならば、回路内の電流が配線の小さな抵抗値によってだけ制限されることが知られている。インダクタとコンデンサのリアクタンスにおけるこの大電流の流れが、大きな電圧を生じ得る。電圧増幅のための要件は、インダクタとコンデンサのリアクタンスが配線の抵抗値より大きい(換言すれば、回路のQが大きい)ことである。同じ原理が、2重磁気共振回路の場合に妥当する。
2重磁気共振回路の一例として、コア10の全長lがλ/71であり、λ=2πc/ωである図3の構成を考察しよう。lはできるだけ小さく、l≒3hm+n12πr1程度である。2重ソレノイドの内半径r1を10ρに等しくする。
hm=n12ρならば、磁気コア10の両側を誘電性コア11の周囲に巻付けることにより、lmは2hmより小さいかあるいはこれと等しくすることができる。
l=69n1ρとして、これはρ=λ/4899n1であることを意味する。
ここで、ωLmとRm間の比は
l=λ/71により、磁気Qmは、下式となる。即ち、
(17) Qm=5.93×10-6[(μr″εr)/n1 2]
最後に、簡単にするため2重ソレノイドの巻数を1回のみと仮定し(n1=1)、コア10の相対透磁率が5000程度でありかつ誘電性コア11の相対透磁率もまた同じ(例えば、チタン酸バリウム・セラミック)であるならば、Qm=147である。換言すれば、
(18) ωLm=147Rm 共振時にこれもまた1/(ωCm)と等しくなければならない。
従って、共振の条件は、
(19) g/(ωμ0πρ2)=147[l/(ωμr″μ0πρ2)]
その結果、
(20) g≒0.02941≒2ρ
従って、先に述べた設計パラメータをもつ磁気回路は、間隔4がQmが147である磁気コア10の直径程度である時に共振する。Qmは、磁界増幅係数である。このことは、下記のように証明される。
典型的なBの連続性により、フリンジング効果を無視して、磁気コア10内部の磁束が間隔4内で継続しなければならない。即ち、
(21) −jμ″Hcoreπρ2=μ0Hgapπρ2 あるいは
Hgap=−jμr″Hcore
共振時に全起磁力がRm項に跨がって降下するので、
(22) Hcore=(I1N1)/l=(I1N1)/33.7g
また、式21は下式となる。即ち、
(23) Hgap=−j147[(I1N1)/g]
この磁気伝導性共振コアの代わりに、共振のない実透磁率の従来のコアが図2において示唆された構成で用いられるとすれば、電流により供給される全てのmmfが間隙に跨がって低減されることは周知である。このため、従来の構成においては、サイズgの間隙において電流I1により生じる磁界は、
(24) Hconventional=(I1N1)/g
従って、係数Qmの増幅が開示された発明によって達成された。巻線ソレノイドに流れる電流は増加されなかった。増加した磁界の電力密度は、電圧が式15に従って巻線抵抗に流れるI1を流すのに必要な電圧より高いので、供給用電圧源において増加した電界電力密度から生じる。
明らかに、磁気回路の透磁率、誘電率および全長の値が自由空間波長に対して大きくなると、全て、Qm増幅係数を比例するように増加される。しかし、Qmが増加される時共振を保証するには、磁気キャパシタンスは対応して小さくされねばならない。電気回路においては、2つのコンデンサ極板が分けられるから回路キャパシタンスがゼロにはならず各極板間の自己キャパシタンスの2分の1と無限大とに制限しようとするので、このようなプロセスには制限がある。しかし、導電性流体を用いることにより、本発明の磁気回路においては、かかる制限より下げることが可能である。
2.マグネトモータンス(magnetomotance)逓昇変成器
磁界の増幅の第2の事例は、逓昇変成器における電圧の増幅に対応する。図4の磁気回路を考察しよう。電圧源1は、第1の磁気伝達コア15において磁気電流Im1を駆動する起磁力mmf1=I1N1を構成するソレノイドに流れる電流I1を駆動している。コア15は、閉回路を形成して断面半径r1と誘電率εの誘電性円環体16の周囲にn1回巻付けられるものと仮定される。第1のコア15においては、ωLm項がそのRm項より大きく挙動が支配的であるものと仮定する。第2の磁気伝導コア17が円環体16の周囲にn2回巻付けられ、サイズgの間隙4で開口したままである。
流れるIm1による円環体16内部の誘電変位がD=(εn1Im1)/lmであることは、式10によって既に示された。第2の磁気コア17により作られる2重ソレノイド内部の円環体断面域を介して交番するこのような変位ベクトルは、式11により、第2のソレノイドに起磁力mmf2=n2・jω[(εn1Im1)/lm]πr1 2を誘起する。第2のコアにおける間隙の容量項がこの挙動を優勢にするように作ることができるならば、この全てのmmf2が間隙4で降下される。第1のコアがωLmだけ凌駕されることがmmf1=n1・jω[(εn1Im1)/lm]πr1 2であることを意味すると認識して、
再び、間隙内部の磁界が従来の装置における同じ電流で得ることができるより大きくされた。この時、増幅係数は巻線比n2/n1である。
増幅のためのこのような逓昇方式の成功は、磁気キャパシタンス成分のデュアル・リアクタンスに第2の透磁性コアの回路を支配させる能力にある。これを達成するためには、項Cmができるだけ小さくなければならない。先に述べたように、自由空間環境においては、Cmの下限がπμ0ρの大きさであるゆえに、このことは不可能である。このことを証明するには、誘導性リアクタンスがωLm=(ωεn2 2πr1 2)lmであるが、容量性リアクタンスは1/(ωπμ0ρ)の大きさであることを知るべきである。lm=2hm2=4ρn2およびr1=10ρ前と同じとし、Pを誘導性対容量性リアクタンスの比と定義すると、
この式は、先に述べた章II[1]からの設計パラメータを用いて、下式となる。即ち、
(27) Pfreespace=0.98/n2
n2は1より大きいので、自由空間では、P>1の要件を満たせないことは明らかであり、従って容量項は優勢とならない。しかし、間隙が導電性流体中に浸漬されるならば、間隙内の磁束は流体中の体積的な渦電流を駆動する起電力を誘起することになる。
このような構成において、Imの大きさの駆動emfは、流体中の抵抗値に循環電流の自己インダクタンスを加えた和に等しいインピーダンスに抗して働く。循環電流の自己インダクタンスをLeddyと定義すると、
(28) Ieddy≒Im/(Reddy+jωLeddy)
また、このIeddyは、磁気回路における逆誘導mmfを構成する。流体の導電率が充分に高ければ、電流はインダクタンスで制御され、Ieddy≒Im/(jωLeddy)となる。この項を式12の他の逆誘導mmfに加えると、下式を得る。即ち、
(29) mmf=ImRm−[j/(ωCm)]Im+jωLmIm
−[j/(ωLeddy)]Im
式29から、導電性流体における渦電流項が磁気容量性リアクタンスと同時性であり、従ってこれを増加することが明らかである。実際に、この2つの項を1つに組合わせて容量性リアクタンス1/(ωCm)を1/(ωμ(ω)ρ)の大きさと定義することができる。ここで、μ(ω)は、周波数の関数としての導電性媒体の実効透磁率である。
特徴となる次元tの導体(積層された磁気金属コアの如き)のシステムの場合、μ(ω)が図5に示される挙動を有する。図5は、周波数が特徴次元が2枚のスキン深さ程度である如きものである時、実透磁率は自由空間値の半分へ低下し、仮想成分が略々同じ大きさで生じることを示している。この周波数は、渦周波数feと呼ばれ、これはωe/(2π)に等しい。周波数が増加するに伴い、μ′およびμ″は共に1/ω1/2として低下する。従って、周波数が渦周波数より著しく大きければ、μ(ω)=μ0(ωe/ω)1/2となる。
導電性流体が海水(即ち、導電性が約5mhos/メートル、但し、1mhos=1ohm-1)であり、特徴次元gが2メートルに等しければ、この渦周波数は0.04MHzである。回路が50MHzで動作するならば、μ(ω)は0.028μ0に等しく、これは係数35だけ磁気容量性リアクタンスを増加する。これは、式26、27の誘導性リアクタンスに対する容量性リアクタンスの比Pを巻線数n2=10の2次側コアに対する3.5程度にさせる。当例では、間隙におけるmmf2の78%、即ち7.8mmf1が降下させられる。巻線数n2=20であれば、比Pは1.75であり、間隙におけるmmf2の64%,即ち12.7mmf1が降下させられる。従って、海水における逓昇原理を用いて大きさが1程度の増幅を得ることは簡単である。
3.逓昇変成器ポンプ
先に述べたように、逓昇変成器形態における間隙が導電性流体中に浸漬されるならば、強い渦電流が流体中に誘起される。増幅される磁界に対する流体中の電流の反応により、間隙内の流体が間隙から半径外方向へ排斥される。この外方向作用力は、種々の用途において用いることができる。
間隙内の流体に対する外方向作用力の最も簡単な用途は、磁気流体攪拌機として逓昇変成器形態を用いることである。このような用途のためには、逓昇変成器は修正する必要がなく、間隙は攪拌されるべき流体中に浸漬されればよい。
更に有効な用途は、間隙内の流体に対して及ぼされる作用力を案内することにより、流体ポンプを形成することである。流体の流れを案内する1つの方法は、図6に示される。間隙4を包囲しているのは、複数の流体取り込みポート6と流体排出ノズル7の両方を含む流体偏向スカート5である。スカート5は、電磁波に対して実質的に透過性である材料、望ましい実施形態においてはプラスチックから作られる。流体が間隙から外方へ排斥されると、スカートが外方の流れを排出ノズル7通るよう偏向させて、推進力を生じる。
4.共振磁気逓昇変成器
当該方法は、先に述べた共振増幅器とマグネトモータンス逓昇変成器の組合わせである。この場合、一次側と二次側の両コアが、2重のキャパシタンスとインダクタンスの全ての適切な構成により共振に同調される。従って、非常に高い磁気伝導率をもつ磁性材料が用いられるならば、逓昇mmfが共振増幅により倍増されて、最小で前の2章に開示された2つの増幅の積(大きさが2倍以上)であり、かつ最大でテスラ・コイルで得られる電圧増幅に比較し得る量(大きさが6倍)であり得る間隙における総磁界増幅を得る。
5.4分の1波長共振増幅器
図7は、4分の1波長共振増幅器の一例である。この増幅器は、終端において同じ材料で短絡された損失のある透過性材料から構成される2重同軸伝送線を含んでいる。終端部21は開いたままにされ、プラスチック障壁22により周囲の外部導電性流体から封止されている。導電性流体が磁気容量性リアクタンス項を強化するように示されたため、このように構成された2重伝送線の開放終端21は、磁気開回路の理想的な画定に真に近づき得る。小さなmmfが短絡終端20付近でこのような構造に導入されると、図8の接続方式で示唆されるように、定在波が短絡終端20において最小値の磁界強さで、また流体中の開放終端21において最大値の磁界強さで内部に形成される。これは、2重の4分の1波長共振線部分を構成する。
2重同軸線の式を得るため、この線が低損失の誘電体23で充填されるものとする。同軸導波路の壁面が損失のある磁性材料から作られるので、接線磁界は前記壁面で消滅する傾向がある。その結果、この構造は、磁界が完全に放射状(同軸面に対して直角)であるTEMモードを支持し、電界は同軸面に対して接線方向に循環する。損失のある磁性材料内部の磁気スキン深さは、
(30) δm=[2/(ωεσm)]1/2
従って、伝送線の磁気インピーダンス(周知のアドミッタンスの単位をもつ)は、
但し、Rm、LmおよびCmは、単位長さ当たりである。
線の共振4分の1波長部分に対しては、短絡終端20付近の小さな「電圧」入力1が下記係数だけ開放終端21で著しく増幅されて現れる。即ち、
(32) Qm=(2ζ)/[Rm(λ/4)]
磁気導体の厚さが磁気スキン深さより大きければ、単位長さ当たりの磁気抵抗は、
典型的な実施の形態において、伝送線内部の増幅された電界に耐えるために、充電用誘電体23は高い誘電強さのセラミックであり、その相対透磁率は200となるように選定される。このような誘電体と25MHzの動作周波数を用いて、4分の1波長lは0.21メートルである。磁気導体の相対透磁率の仮数部が5000であり(自然であるか、あるいは印加されるDC磁界が存在する場合、強磁性共鳴により強化される)、その透磁率実数部は10程度であるならば、磁気スキン深さδmは0.012メートルである。0.0381メートルの内側同軸円筒の外半径aと、0.105メートルの外側同軸シールドの内半径bの場合、単位長さ当たりの磁気抵抗は0.000478mhos/メートルであるが、伝送線の磁気インピーダンスは0.00606mhosで、Qm=120.8の増幅係数を生じる。
6.4分の1波長共振器の浮遊システム
4分の1波長共振増幅器は、簡単な浮遊器として働くように再構成することができる。この形態においては、図7の共振器は障壁22は含まない。装置を導電性流体中に浸漬する代わりに、図9に示されるように、導電性の接地面25が終端21に配置される。このような形態においては、共振器は接地面上に約4分の1波長だけ浮遊する。間隙がある場合でさえ、共振器におけるエネルギは装置内部に捕捉されようとする傾向がある。装置内部の電界が円形状であり接地面に対して接線を呈するゆえに、エネルギが漏洩し得ない。このような波は、接地上に伝播し得ない。
7.磁性材料の要件
磁気増幅器の形態の如何に拘わらず、増幅器に用いられる磁性材料は充分に損失が多くなければならない。損失のある透磁性コアが金属導体の磁気的相当物として挙動するように、複素透磁率の仮数部が磁気増幅器の動作周波数において1よりはるかに大きいことが不可避である。一般に、このことは、動作周波数がMHzレンジにあるならば、μ″がμ0の1000ないし5000倍の大きさであることを必要とする。他の動作周波数の場合は、仮想透磁率と周波数の積が略々一定に保持されねばならない。従って、動作周波数がKHzレンジにあるならば、μ″がμ0の106ないし5×106の大きさであるが、動作周波数がGHzレンジにあるならば、μ″はμ0の1ないし5倍の大きさとなる。
磁性材料の特性は既知であり、従って特定の用途に対する適切な材料の選択の問題に過ぎず、適性であることは意図される動作周波数に対する材料の透磁率、所要の大きさが得られること、意図される環境に耐えられること、およびそのコストに依存する。
一般に、ピーク仮想透磁率は、初期透磁率の0.5倍ないし1倍程度となる。従って、それぞれ3000ないし20,000、および2000ないし5000程度の初期透磁率をもつマンガン亜鉛フェライト第3種および第4種、ならびに1000の初期透磁率をもつ第6種のニッケル亜鉛フェライトが、種々の磁気増幅器用途に対して優れた候補である。GHzレンジにおいては、コバルト亜鉛フェライトが適切な特性を有する。外部DC磁界を磁気コアに印加することにより、完全に制御された損失のある透磁率を得ることも可能であり、材料の透磁率を制御するこのような技法は当技術において公知である。
III.特定の事例
1.共振磁気回路融解物浮遊システム
本例においては、100KHzで動作する電磁融解物浮遊システムが本発明に従って記述される。当該浮遊力は、磁束と金属サンプルに誘起された渦電流との間で相互作用により生成される。
当実施形態は、図3に示される基本的な設計構造を用いる。当該実施形態においては、誘電性コア11はCrowloy 70で作られた円環体である。これは、幅が0.94メートル×厚さが0.3メートルの矩形状の断面をもち、平均半径0.35メートルの変位ベクトルに円形経路を提供する。100KHzにおいて、ε′/ε0=123,000であり、tgδd=0.64×10-4であり、μ′/μ0=400であり、tgδm=0である。磁気巻線10は、E.Roess著「高透磁率MnZnフェライトの磁気特性および微小構造(Magnetic Properties and Microstructure of High Permeability MnZn Ferrities)」(Ferrities:Proceedings of the International Conference、1970年7月於日本、203〜209)により開示された組成によるマンガン亜鉛フェライトで作られる。磁気巻線の半径ρは、0.01メートルであり、419メートルの全長を有する。100KHzにおいて、μ″≧104 μ0である。磁気巻線10は、合計159回の巻数(n1)で3層の巻線が誘電性コアの周囲に巻付けられている。ソース1は、磁気巻線10の部分の周囲に巻付けられた000ゲージ銅線を4回巻である。
式5による総磁気抵抗は、
式11による磁気インダクタンスは、εn1 2A/lmであり、ここでAは誘電性コア11の断面積、lmはその平均長さである。この場合、A=0.3×0.94=0.282m2およびlm=2π(0.35)=2.2mである。従って、磁気誘導性リアクタンス項は、
従って、磁界に対する倍増率は、
Qm=2217/169=13
当該システムを融解物浮遊システムとして使用するために、間隙の終端が図10に示されるように成端されている。この間隙に対する磁束線は、図11に示される。平均磁束経路は、0.02メートル程度である。空気中では、間隙の磁気キャパシタンスは約μ0π(0.01)2/0.02であり、磁気容量性リアクタンスは1/ωCm、即ち、80.6mhosである。
共振を保証するため、水冷される冷間るつぼが設計され、これもまた図12に示される如き磁束集中器として働く。この集中器は、間隙内の磁界を整形してCmを低下させる。間隙における磁束は、図13に示される如き磁束集中器内に渦電流を誘起する。渦電流が後方から前方へ回り込んむよう誘起され、磁束を集中器内で間隙30を経て流れて内部で傘開するように有効に強制する。
図14は、金属サンプル31を所定位置に浮遊させた間隙と集中器の断面図である。るつぼの間隙の磁束圧縮と浮遊される金属に誘起された渦電流との組合わせが磁束経路の断面を係数27.5だけ減じるならば、Cmは同じ係数だけ低下され、1/(ωCm)は80.6mhosから(80.6)(27.5)=2217mhosへ増加する。従って、jωLm=−j/(ωCm)となり、磁気回路が共振する。
所要の係数27.5を得るため、集中器の間隙30は約0.0004メートルでなければならない。金属サンプル31が融解して浮遊るつぼから流出すると、共振は周波数ωを変化させることにより維持される。
本発明の利点は、従来の融解物浮遊システムに照らせば明らかである。100KHzで0.01メートルの半径をもつ銅球を融解するためには、従来のシステムは約800Aを使用する。4回巻形態を仮定すると、おおよその浮遊磁界は160,000A/mである。このような磁界が及ぼし得るこの磁気圧力は、(μ0/2)H2≒1.6×104N/m2である。半径0.01メートルの金属球は、π(0.01)2=3.14×10-4m2の断面積を有する。渦電流が形成された後、全圧力を受ける磁界により影響を受ける実効面積は、前記面積の10分の1程度、即ち、3.14×100-5m2である。従って、浮遊力は、(1.6×104)(3.14×10-5)=0.5Nである。この力は、半径が0.01メートルの銅球の略々重量である0.05kgの金属を浮遊させるのに充分である。
0.21mmのスキン深さと6×107moh/mの導電率をもつ10mm径のワイヤを仮定すると、800Aを運ぶ金属コイルで消費される電力は、約350ワットである(Rw[800]2=[5.5×10-4]8002=350)。融解される金属において消費される電力が数十キロワット程度であることに注目されたい。
対照的に、約13の倍増率をもつ本発明の上記の実施形態を用いることにより、同じ4回の巻線形態による同じ融解物浮遊磁界を得るのに、61.5Aが必要とされるに過ぎない(800/13=61.5)。この場合、金属コイルにより消費される電力は、2ワットに過ぎず([5.5×10-4][61.5]2=2)、そのため非常に低温の励起コイルとなる。励起コイルにおいて無駄な電力を消費する代わりに、本発明を用いる融解物浮遊システムは、フェライト磁気巻線で電力を消費する。当該実施の形態においては、
Rm=169mhos
Im=mmf/Rm=4(61.5)/169=1.46ボルト
従って、浪費電力はIm 2Rm=(1.46)2(169)=360ワットである。
従って、(計算の公差以内の)略々同じ量の電力が磁気共振回路において消費されても、励起コイルの発熱は非常に少ない。その代わり、セラミック・フェライトが熱を吸収する。
2.融解物浮遊用途のための共振磁気変成器
当該実施形態は、図4に示された基本設計を用い、前の事例において述べたものと同じ材料を使用する。電流源1が巻かれる一次側巻線15は、全長が128メートルに対して47回の巻数からなる。二次側巻線17は、291メートルの全長に対して112回の巻数からなっている。一次側の特性は、
Rm=51.6mhos
ωLm=193.7mhos
Qm=3.75
二次側の特性は、
Rm=117.3mhos
ωLm=1100mhos
Qm=9.38
巻数比は、112/47=2.38である。
二次側は、当該実施形態ではωLmが2217ではなく1100に等しいことを除いて、前の融解物浮遊システムと同じ空隙を提供する。従って、Cmのみが27.5ではなく13.6だけ増加すればよい。このことは、磁束集中器における間隙をより大きく、約0.008メートルにすることを許容する。このような構成は、共振および9.38の倍増率を達成するのに必要な1/(ωCm)を生じる。
このような構成では、一次側もまた共振するのに充分に低いCmを持たねばならない。これは、図15に示される如き0.001メートルの間隙で各巻きごとに巻線を区切ることによって達成できる。このような構成においては、総直列磁気キャパシタンスは[μ0π(0.01)2]/[47(0.001)]であり、189オームの容量性リアクタンスを生じる。これはωLm程度であり、これにより共振を生じる。
本発明の当該実施形態により提供される性能の改善を示すため、空隙における所要の磁界が先に述べた実施形態におけると同じものであると仮定する。集中器の倍増率がこの場合ではより小さいので、二次側におけるImは第1の装置におけるより大きくなければならない。従って、
Im(secondary)=1.46(25.7/13.6)=2.75ボルト
mmfsecondary=2.75ボルト×117.3mhos=322.6amp−巻数
mmfprimary=mmfsecondary/巻数比=135.5amp−巻数
一次側が3.75のQmを持つので、
mmfsource=36amp−巻数
従って、巻数4の場合、総ソース電流は9ampである。これは、従来の融解物浮遊システムにより要求される800ampよりはるかに小さい。巻線におけるこのような低い電力消費を達成するためには、フェライトがより大量の電力を消費しなければならない。当該実施形態では、
二次側は、(2.75)2(117)=884ワットを消費し、
一次側は、(135.5)2/51.6=355ワットを消費し、
巻線は、(9)2(5.5×10-4)=0.04ワットを消費する。
3.伝送線を25MHzのソースに整合する逓昇変成器
図16は、磁気伝送線の図である。面40は、約1ミリメートルの厚さの銅板である。面41は、tμが0.04メートル、μ″が約5000である損失のあるフェライトである。断面寸法は0.3メートル×0.3メートルである。図17は、当該構造の基本モードの磁界を示している。当構造は、377オームの波形インピーダンスと、1/377即ち0.0026mhosの伝送線磁気インピーダンスζを有する。
当該伝送線に50オームの電圧源を供給することを要求すると仮定すると、式15は電圧源において下式のインピーダンスを生じる。即ち、
Vsource/Isource=Rwire+[(N1 2)/(Rm+ζm)]
従って、図18に示される供給形態において、Rm≒0、Rwire≒0、および巻数が僅かに1であるものと仮定すると、ソースは50オームではなく377オームとなるので、不整合が存在する。このような不整合を補正するため、図4の逓昇変成器においては、下記のことが判る。即ち、
mmf2=(n1/n2)mmf1
Im2=(n1/n2)Im1
かつ、従って
ζm2=mmf2/Im2=(n2/n1)2(mmf1/Im1)=(n2/n1)2ζm1
当該磁気逓昇変成器は、巻線比により磁気インピーダンスを変換する。50オームの電圧源に対する整合を得るためには、伝送線インピーダンスを0.0026mhosないし0.02mhosだけ、あるいは(0.02/0.0026)1/2=2.8≒3の巻線比だけ逓昇する必要がある。従って、図19に示される如き巻線比3をもつ逓昇変成器は、電圧源を伝送線と整合させることになる。
図19の逓昇変成器においては、第1の巻線45は、25MHzでμ″=3000、半径が0.005メートル、および全長が0.6メートルである材料から作られる。二次側巻線46は、一次側巻線と同じ材料から作られ、その3回の巻数により、1.2メートルの全長を有する。誘電性コア47は、0.048メートルの半径r1と、0.444メートルの全長lmと、5000ε0のε′とを有する。
式11から、次式を得る。即ち、Lm=(εr′ε0n2πr1 2)/lm
従って、
Lm(1 turn)=[(5000)(8.854×10-12)(π)(0.048)2]/0.444=7.2×10-10
Lm(3 turns)=6.49×10-9
および
ωLm(1 turn)=0.113mhos
ωLm(3 turns)=1.02mhos
磁気抵抗は、
各場合においてωLmがRmより大きいので、回路はインダクタンスで制限され、逓昇が生じる。
このように、0.0026mhoの磁気インピーダンスの伝送線が、0.0234mhosに対する比ωLm(3 turns)/ωLm(1 turn)=9で変換され、50オームのソースに接続された1回の巻線ループが、50オームに有効に整合された1/0.0234=43オームのインピーダンスを読取る。
従って、7.5:1(即ち、377/50)の不整合として始まったものは、本発明の当該実施形態を用いて、1.16:1(即ち、50/43)の整合となる。パラメータの慎重な調整によって、更に近い整合を得ることができる。
4.25MHzの海水圧送および推進のための4分の1波長共振器
図20は、4分の1波長共振増幅器の図である。当該実施形態は、外側円筒55が0.024メートルの肉厚を有する長さが0.25メートルの同軸磁気伝送線からなっている。外側円筒55は、短絡された端部56を有する。円筒55と端部56は共に、μ″が5000μ0に等しい損失のある透磁性材料で作られる。円筒55の内半径bは、0.105メートルである。同軸の内側円筒57は、0.0381メートルの外半径aを有する。プラスチック障壁58が、伝送線の開放端部を封止し、肉厚が約0.002メートルであり、短絡端部56から0.21メートル(即ち、λ/4)に取付けられる。容積部分59は誘電体で充填され、容積部60は海水で充填される。当実施形態においては、誘電体は、7%の密度でε′が2800であるチタン酸バリウム・ストロンチウムの如きセラミックで充填された発泡体である。容積部60もまた、代替的なセラミック・ディスクと発泡スペーサで充填することができる。例えば、20個の発泡スペーサで分離されたそれぞれ0.000744メートルの厚さをもつ20個のセラミック・ディスクを使用することができる。
共振器内に定在波を形成するため、例えば、図21に示される如き海水端部付近に1回巻のコイルを用いて、小さなmmfが構造体内へ誘導される。この場合、入力mmf1はrに等しく、増幅されたmmf2は120.8I(120.8の増幅率Qmは、先に章II[5]において得られた)に等しい。従って、開放端部には、式(μ0/2)H2=(μ0/2)(120.8)2(I2/r2)に等しい圧力分布により
H(r)=(120.8I)/r
となる。
このように、導波路の開口部における力は、
(μ0/2)(120.8)2I2∫(1/r2)2πr dr=μ0(120.8)2πI2 ln(b/a)
であり、従って
力≒0.0576I2ニュートン
となる。
導波路の開口部の面積は、
π(0.1052−0.03812)=0.03m2
従って、平均圧力降下は、
(0.0576/0.03)I2=1.92I2パスカル
この圧力降下は、B磁界が渦電流によりゼロになるのに要する流体深さにわたって生じる。この距離は、3つのスキン深さ程度、即ち0.12メートルである。従って、共振器は、16I2Pa/mに等価である0.12メートルの流体にわたって1.92I2パスカルの圧力降下を生じ得る。
従来の電磁推進器の設計は、図22に示される。当該推進器の寸法は、0.33メートル×0.33メートル×3.9メートルである。当該推進器は、1333Nを生じるために1000Aを使用する。従って、圧力降下は、1.22×104に等しい1333/0.332である。長さ3.9メートルにわたって、この圧力降下は、3.14×103Pa/mと等価である。電極の長さ0.12メートルが、1000(0.12/3.9)A、即ち30.77Aの電流を運ぶ。この電流を先に述べた本発明の実施形態で印加すると、16(30.77)2Pa/m、即ち15.1×103P生じる。このように、先に述べた本発明の実施の形態は、従来の推進器より約5倍の効率を呈する。更に、本発明は、B磁界を供給するのに超伝導磁石を必要としない。
当業者には理解されるように、本発明は、その趣旨および実質的な特性から逸脱することなく他の特定形態で実施することもできる。従って、本発明の望ましい実施形態の開示は、請求の範囲に記載される本発明の範囲の例示を意図するものであり、限定するものではない。
Claims (26)
- 損失のある磁性体(10)の開回路が一定長さの前記磁性体(10)と間隙(4)とにより画定され、ソレノイドが前記一定長さの前記磁性体(10)の第1の部分の周囲に巻付けられ、AC電圧源が(1)前記ソレノイドに接続された増幅電磁回路において、
閉回路に形成された一定長さの誘電体(11)、
を備え、前記一定長さの前記磁性体(10)の第2の部分が前記一定長さの前記誘電体(11)の部分の周囲に巻付けられた、
増幅電磁回路。 - 前記磁性体(10)が、1よりはるかに大きい複素透磁率の仮数部を有する請求項1記載の増幅電磁回路。
- 前記磁性体(10)が、自由空間の透磁率の約1000ないし約5000倍の範囲内の複素透磁率の仮数部を有する請求項1記載の増幅電磁回路。
- 前記磁性体(10)が、自由空間の透磁率の約106ないし約5×106の範囲内の複素透磁率の仮数部を有する請求項1記載の増幅電磁回路。
- 前記磁性体(10)が、自由空間の透磁率の約1ないし約5倍の範囲内の複素透磁率の仮数部を有する請求項1記載の増幅電磁回路。
- 前記回路が略々共振状態にあり、該共振が、条件g/(ωμ0πρ2)=(ωn1 2επr1 2)/lmが満たされる時に生じ、ここで、gは前記間隙(4)の幅、ωは角周波数、μ0は自由空間の透磁率、ρは前記磁性体(10)の断面半径、lmは前記誘電体(11)の長さ、n1は前記誘電体(11)の周囲の前記磁性体(10)の巻数、εは前記誘電体(11)の比誘電率、およびr1前記誘電体(11)の断面半径である請求項1記載の増幅電磁回路。
- 磁束集中器を更に備え、該磁束集中器が前記間隙(4)内に配置される請求項1記載の増幅電磁回路。
- 前記磁束集中器が低温るつぼである請求項7記載の増幅電磁回路。
- 前記間隙(4)が導電性流体中に浸漬される請求項1記載の増幅電磁回路。
- 前記磁性体(10)に人為的に高損失を呈させる手段を更に備える請求項1記載の増幅電磁回路。
- 前記手段が、前記磁性体に印加される外部DC磁界である請求項1記載の増幅電磁回路。
- 増幅電磁回路の増幅量が、[(ωn1 2επr1 2)/lm][(ωμ″ρ2)/l]として定義され、ここで、ωは角周波数、n1は前記誘電体(11)の周囲の前記磁性体(10)の巻数、εは前記誘電体(11)の比誘電率、r1は前記誘電体(11)の断面半径、lmは前記誘電体(11)の前記長さ、μ″は前記磁性体(10)の複素透磁率の仮数部、ρは前記磁性体(10)の断面半径、およびlは前記磁性体(10)の前記長さである請求項1記載の増幅電磁回路。
- 閉回路に形成された一定長さの誘電体(16)と、
閉回路に形成された一定長さの第1の損失のある磁性体(15)であって、該一定長さの前記第1の磁性体(15)の第1の部分が、第1の巻数だけ前記一定長さの前記誘電体(16)の第1の部分の周囲に巻付けられた第1の損失のある磁性体(15)と、
前記一定長さの前記磁性体(15)の第2の部分の周囲に巻付けられたソレノイドと、
前記ソレノイドに接続され、磁気インピーダンスをもつAC電圧源(1)と、
第1の終端と第2の終端とをもつ開回路に形成された一定長さの第2の損失のある磁性体(17)であって、前記一定長さの前記第2の磁性体(17)の部分が、第2の巻数だけ前記一定長さの前記誘電体(16)の第2の部分の周囲に巻付けられる磁性体と
を備える電磁回路。 - 磁気インピーダンスをもつ2重磁気回路を更に備え、前記第1と第2の終端が前記2重磁気回路装置に磁気を供給し、前記第2の巻数に対する前記第1の巻数の比が、該回路装置の磁気インピーダンスに対する前記電圧源の磁気インピーダンスの比の平方根に略々等しい請求項13記載の電磁回路。
- 前記2重磁気回路装置が磁気伝送路である請求項14記載の電磁回路。
- 前記第1と第2の損失のある磁性体が実質的に等しい組成である請求項13記載の電磁回路。
- 前記第1と第2の終端が間隙(4)を画定する請求項13記載の電磁回路。
- 前記一定長さの前記第1の磁性体(15)の前記第1の部分が区切られている請求項13記載の増幅電磁回路。
- 前記間隙(4)内に配置された導電性挿入子を更に備える請求項17記載の電磁回路。
- 前記間隙(4)が浸漬される導電性流体を更に備える請求項17記載の電磁回路。
- 前記間隙(4)を包囲するシールド(5)を更に備え、該シールドが複数の流体取入れポート(6)と少なくとも1つの流体排出ノズル(7)とを含み、前記シールド(5)が電磁波に対して実質的に透過性である請求項20記載の電磁回路。
- 前記電磁回路が、前記第1の巻数に対する前記第2の巻数の比として定義される増幅量を呈する増幅器である請求項17記載の電磁回路。
- 一定長さの磁性体(10)と間隙(4)とにより画定された損失のある磁性体(10)の開回路と、前記一定長さの前記磁性体(10)の第1の部分の周囲に巻付けられたソレノイドと、該ソレノイドに接続されたAC電圧源(1)とを有する電磁回路における磁界を増幅する方法において、
一定長さの誘電体(11)の閉回路を形成するステップと、
前記一定長さの誘電体(11)の部分の周囲に前記一定長さの磁性体(10)の第2の部分を巻付けるステップと、
前記AC電圧源(1)を設定するステップと
を含む方法。 - 一定長さの誘電体(16)から閉回路を形成するステップと、
一定長さの第1の損失のある磁性体(15)から閉回路を形成するステップと、を含み、
前記一定長さの前記第1の磁性体(15)の第1の部分が、第1の巻数だけ前記一定長さの前記誘電体(16)の第1の部分の周囲に巻付けられ、
前記一定長さの前記第1の磁性体(15)の第2の部分の周囲にソレノイドを巻付けるステップと、
一定長さの第2の損失のある磁性体(17)から開回路を形成するステップとを含み、
前記第2の損失のある磁性体(17)の前記開回路が間隙(4)を有し、前記一定長さの前記第2の磁性体(17)の部分が、第2の巻数だけ前記一定長さの前記誘電体(16)の第2の部分の周囲に巻付けられ、
前記ソレノイドに接続されたAC電圧源(1)に電圧を印加するステップ
を含む電磁回路における磁界を増幅する方法。 - 一定長さの誘電体(16)から閉回路を形成するステップと、
一定長さの第1の損失のある磁性体(15)から閉回路を形成するステップと、を含み、
前記一定長さの前記第1の磁性体(15)の第1の部分が、第1の巻数だけ前記一定長さの前記誘電体(16)の第1の部分の周囲に巻付けられ、
前記一定長さの前記第1の磁性体(15)の第2の部分の周囲にソレノイドを巻付けるステップと、
前記ソレノイドに対する前記電圧源インピーダンスに電圧源(1)を接続するステップと、
一定長さの第2の損失のある磁性体(17)から開回路を形成するステップとを含み、
前記第2の損失のある磁性体(17)の前記開回路が、前記負荷の磁気インピーダンスを供給し、前記一定長さの前記第2の磁性体(17)の部分が、前記第2の巻数だけ前記一定長さの前記誘電体(16)の第2の部分の周囲に巻付けられ、
前記第2の巻数に対する前記第1の巻数の比が負荷の磁気インピーダンスに対する電圧源の磁気インピーダンスの比の平方根に略々等しくなるように、前記第1の巻数と前記第2の巻数とを選択するステップ
を含む、電圧源の磁気インピーダンスを負荷の磁気インピーダンスに整合させる方法。 - 前記負荷の磁気インピーダンスが磁気伝送路である請求項25記載の方法。
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