JP2006515265A - メタロプロテアーゼのペプチド基質および方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、メタロプロテアーゼADAM8、ADAM15およびMDC−Lの天然もしくは合成のペプチド基質を記述する。本発明はまた、これらのプロテアーゼを調節する製薬学的作用物質を発見するためのこれらのペプチドの使用方法も記述する。

Description

【0001】
(発明の分野)
本発明は、メタロプロテアーゼADAM8、ADAM15およびMDC−Lのペプチド基質を記述する。本発明はまた、これらのプロテアーゼを調節する製薬学的作用物質を発見するためのこれらのペプチドの使用方法も記述する。
【0002】
(発明の背景)
細胞表面タンパク質分解酵素のディスインテグリン(disintegrin)メタロプロテアーゼ(もしくはADAM)ファミリーは、精子と卵子の結合および融合、筋細胞融合、神経発生、ノッチ(Notch)プロセシングの調節ならびに炎症前サイトカインTNFαのプロセシングで役割を担うことが既知である。TNFα変換酵素すなわちTACEもしくはADAM17は、現在、抗炎症薬の標的であり(McGeehanら、1997;SekutとConnolly、1998)、また、このファミリーの他のメンバーは良好な治療標的となることがありそうである。ADAM8、ADAM15およびMDC−Lの遺伝子はクローン化されており、そして活性のメタロプロテアーゼのコンセンサス配列を含有することが示されているが、しかし、それらのインビボの基質は未知である。タンパク質分解活性は、酵母細胞中で発現されたマウスADAM8がMMP−3様のサブスタンスP分解活性を示したという未発表の観察結果(K.Matsuura、未発表、Yamamotoら、1999中に報告された)への1つの言及を除いて、これらのタンパク質について立証されていない。
【0003】
ADAM8は免疫系の細胞、とりわけ単球および顆粒球中でほぼ独占的に発現されることが報告されている。さらに、その発現はLPSおよびγ−インターフェロンにより誘導可能であることが示されている(Kataokaら、1997)。ADAM8は好酸球(アレルギー性喘息の炎症の部位で最も重要なエフェクター細胞型の1つ)中で特異的に発現される。従って、ADAM8は、アレルギーおよび/もしくは喘息の治療のためのような、ヒト疾患の治療標的を表す。
【0004】
ADAM15は、インテグリンαvβ3への結合により細胞接着で機能するかもしれないRGDインテグリン結合配列(Nathら、1999;Zhangら、1998)、ならびにエンドフィリン−IおよびSH3PX1中のSH3ドメインと相互作用することが示されている2個のプロリン豊富な配列(Howardら、1999)を含有する膜結合型ディスインテグリンメタロプロテアーゼである。ADAM15は、ヒト大動脈平滑筋および培養された臍静脈内皮細胞で見出される。ADAM15は正常血管では発現されない一方、それはアテローム硬化性損傷の発症において検出されており(Herrenら、1997)、そして正常に対し変形性関節症のヒト軟骨でアップレギュレートされていることもまた示されている(Bohmら、1999)。従って、ADAM15はアテローム硬化症および/もしくは軟骨変性である役割を演じている。従って、ADAM15は、変形性関節症およびアテローム硬化症の治療のためのような、ヒト疾患の治療標的を表す。
【0005】
ADAMファミリーの1メンバーMDC−Lは最近クローン化され、そして、リンパ球により2種の代替の形態すなわち膜結合型の形態のMDC−Lmおよび分泌型タンパク質のMDC−Lsで特異的に発現されることが示されている(Robertsら、1999)。MDC−Lのリンパ球特異的発現は、それが重要な免疫学的機能を有するかもしれないことを示唆するが、しかし、そのインビボの基質(1種もしくは複数)は未知であり、また、タンパク質分解活性は以前に立証されていない。
【0006】
(発明の要約)
本発明は、表1のペプチドにより表されるメタロプロテアーゼADAM8、ADAM15およびMDC−Lのペプチド基質を記述する。本発明のペプチドは、ADAM8、ADAM15およびMDC−Lの活性の調節物質、とりわけADAM8、ADAM15およびMDC−Lの酵素活性を阻害する化合物のアッセイで有用である。
【0007】
(発明の詳細な記述)
プロ−およびプロテアーゼドメインよりなる可溶性の形態のヒトADAM8、ADAM15およびMDC−Lを、不活性な前駆体の形態で生成させかつ精製した。4℃での貯蔵に際して、プロドメインの除去を包含する自己活性化過程が起こり、これにより活性な酵素を生じた。49種の潜在的なペプチド基質の収集物をスクリーニングすることにより、ADAM8、ADAM15およびMDC−Lにより有意の活性で切断された9種の異なるペプチド配列が見出された。これら9種のペプチドのうち7種はADAM17/TACEにより切断されなかった。それぞれのペプチド内のADAM8に対する親和性およびその特異的切断部位を、これらのペプチドの4種について決定した。最高の親和性を伴うペプチドを使用して、ハイスループットスクリーニングに適する形式でアッセイを至適化し、これはADAM8、ADAM15およびMDC−L活性の小分子の調節物質の潜在的な治療化合物としての同定を可能にすることができる。
【0008】
本発明は、ADAM8、ADAM15およびMDC−Lメタロプロテアーゼの酵素活性を測定するのに有用なペプチド基質を提供する。これらのペプチドのアミノ酸配列を表1中に1文字記号で提供する。いくつかのペプチドは他者よりも数種のADAMタンパク質のより良好な基質であり、そして、それぞれより弱いないしより強力な基質を示す一つ星(*)から五つ星(*****)までの順位付け系により指定する。
【0009】
【表1】
Figure 2006515265
【0010】
本発明のペプチドは、ADAM8、ADAM15およびMDC−Lの活性の調節物質、とりわけそれらの酵素活性を阻害する化合物についてのアッセイで有用である。本発明の一態様は、ADAM8、ADAM15およびMDC−Lの酵素活性の化合物調節を検出するための均一なインビトロでのタンパク質に基づくアッセイを提供する。均一なは、反応を開始した後に操作を伴わずに単一容器中で実施されるアッセイを指す。本発明の方法の一態様において、該方法は、段階;
1)化合物、ADAM8、ADAM15もしくはMDC−L酵素タンパク質およびペプチド基質を組み合わせること、
2)化合物、酵素および基質を、該基質に対する酵素活性の結果としての、検出可能な生成物を生成させるのに十分な時間の間インキュベートすること;ならびに
3)予想されるADAM8、ADAM15もしくはMDC−Lの酵素機能の化合物調節の結果としての、生成物の量の変化を測定すること
を含んで成る。
【0011】
上に一般的に記述された方法における広範な変形は当業者に容易に明らかであり、そして本発明の方法に適するとみられる。機能的酵素タンパク質は、ペプチド基質の酵素的切断を表す酵素を指す。
【0012】
メタロプロテアーゼタンパク質の調節物質に関して本明細書で使用されるところの「化合物」という用語は、該酵素の特異的酵素活性を調節する潜在能力を有する有機分子を指す。例えば、しかし本発明の範囲を制限することなく、化合物は、限定されるものでないが、小有機化合物、合成もしくは天然のアミノ酸ペプチド、タンパク質、または合成もしくは天然の核酸配列、あるいは前述のもののいずれかの化学的誘導体を挙げることができる。「化学的誘導体」という用語は、基本分子の一部でない付加的な化学的部分を含有する分子を記述する。こうした部分は基本分子の溶解性、半減期、吸収などを向上させるかもしれない。あるいは、該部分は基本分子の望ましくない副作用を減弱するかもしれないか、もしくは基本分子の毒性を減少させるかもしれない。こうした部分の例は、Remington’s Pharmaceutical Sciencesのような多様な教科書に記述される。
【0013】
本明細書に記述される方法は、メタロプロテアーゼ機能を調節する化合物を発見するという目的を伴う化合物のハイスループットスクリーニングにとりわけ有用である。「ハイスループット」という用語は、同時に複数のサンプルの容易な分析、およびロボット操作の能力を可能にするアッセイの設計を指す。好ましいアッセイは均一なアッセイである。ハイスループットアッセイの別の所望の特徴は、所望の分析を達成するために試薬の使用量を低下させるよう至適化されるアッセイの設計である。本明細書に記述される方法は、高度に確固たる性能、ならびに酵素濃度および基質濃度の関数としての良好な直線性を立証する。適切に調節された酵素および基質濃度で、該アッセイは2時間までの間は直線的であった。図6Aから、動力学的分析についてS/N比が事実上無限であることをみることができる。バックグラウンド(ブランク、酵素なし)中の変化がアッセイの時間にわたって観察されないからである。終点の測定のために、酵素および基質濃度を所望のS/N比を達成するように調節することができた。図6Aの例において、この比(対照対ブランクの終点)がおよそ10であったことを見ることができる。従って、使用される試薬の量は、最小限の組換え酵素のようなある種の酵素を利用するように変動させることができる。アッセイ形式の例は、限定されるものでないが、液体を取り扱う実験に使用される96穴もしくは384穴プレート、浮遊液滴(参照)および「実験室チップ(lab on a chip)」マイクロチャンネルチップ(参照)を挙げることができる。プラスチック製の型および液体取扱い装置の小型化が進歩するため、もしくは改良されたアッセイ装置が設計されるため、本発明の方法を使用してより多数のサンプルを実施してよいことが当業者により公知である。
【0014】
別の態様において、本発明はまた、ADAM8、ADAM15およびMDC−L酵素活性の化合物調節の均一なインビトロでの細胞に基づく検出方法も提供する。こうした方法の一態様は、段階;
1)試験化合物、細胞の表面上の機能的酵素およびペプチド基質を接触させること、
2)該化合物、細胞に結合された酵素および基質を、基質に対する酵素活性の結果としての、検出可能な生成物を生成させるのに十分な時間の間インキュベートすること;ならびに
3)予想されるADAM8、ADAM15もしくはMDC−Lの酵素機能の化合物調節の結果としての、生成物の量の変化を測定すること
を含んで成る。
【0015】
あるいは、当業者に容易に明らかであるとおり、上述されたアッセイは非均一にすることができる。こうしたアッセイの一態様は、基質ペプチドを固定化することによる、例えば親和性部分(ビオチニル化基質ペプチドのストレプトアビジン捕捉のような親和性捕捉(affinity capture)対)の使用によることができる。親和性捕捉対は当該技術分野で公知であり、かつ、例えばアビジン/ビオチン、基質ペプチドの一領域の抗体捕捉およびポリヒスチジン/固定されたニッケルを包含する。本発明のこうした非均一な方法の一態様は、順番に、段階;
1)親和性部分、ADAM8、ADAM15もしくはMDC−Lの切断部位および検出可能な標識を含んで成る基質ペプチドを提供すること[前記親和性部分および標識は切断部位の反対側に配置される];
2)基質ペプチドを、該ペプチドの一部分を結合するのに十分な時間の間、親和性捕捉被覆された固相支持体と結合させること;
3)支持体を洗浄して結合されないペプチドを除去すること;
4)試験化合物および機能的なADAM8、ADAM15もしくはMDC−L酵素を含んで成る溶液を、基質の酵素切断を可能にするのに十分な時間の間、ペプチドが結合された固相支持体と接触させて、それにより基質および検出可能な標識を溶液中に放出すること;
5)溶液を容器に移すこと;ならびに
6)予想されるADAM8、ADAM15もしくはMDC−Lの酵素機能の化合物調節の結果としての、検出可能な標識の量の変化を測定すること
を含んで成る。
【0016】
生成物の量の変化は、時間の関数としての生成される生成物の総量として表すことができる(停止時間アッセイ)か、もしくは、酵素の速度の変化を時間の関数として測定することにより動力学的であることができる。動力学的アッセイは、酵素および基質の最初の接触の時間から、最大の観察される生成物のおよそ50%が生成される時間の点まで測定する。
【0017】
予想されるADAM8、ADAM15もしくはMDC−L酵素活性の量は、酵素活性を阻害しない化合物、または、DMSO、DMFもしくはイソプロピルアルコールのような、試験化合物に使用されるものと類似の特性を含有するがしかしいかなる試験化合物も欠く溶媒ベヒクルを用いて、本明細書に記述されるところのアッセイを同時にもしくは別個に実施することにより測定することができる。
【0018】
化合物との接触に必要な時間の量は、例えば、既知のADAM8、ADAM15もしくはMDC−Lの調節物質を用いて時間経過を実施すること、および時間の関数として変化を測定することにより決定する。
【0019】
本発明のアッセイ方法は酵素の供給源として細胞または細胞の抽出物もしくは画分を利用してよい。本発明の細胞に基づくアッセイで有用な細胞は、免疫系およびそれらの細胞表面に該酵素を発現するかもしくは該酵素を分泌する他の供給源からのような細胞である。例えば蛍光標識抗体のような当該技術分野で公知の試薬を使用して、標準的かつ当該技術分野で公知である方法により細胞表面上のADAM8の存在を決定する。本明細書に記述される細胞に基づく方法での使用に好ましい細胞型は、マクロファージ、マクロファージ由来の系統、単球および顆粒球を包含する。加えて、ADAM8タンパク質を発現する組換えADAM8をコードするDNAでトランスフェクトされた細胞が酵素の供給源として有用である。これらの細胞は、細胞系またはいずれかの哺乳動物、好ましくはマウス、ラット、ウサギ、サル、チンパンジーもしくはヒトからの初代細胞であってよい。限定されるものでないがADAM15およびMDC−Lを挙げることができる他のメタロプロテアーゼを発現する細胞は、例えば本明細書にADAM8について記述される細胞に基づく方法を使用することにより同定することができるか、もしくはADAM8について記述されるところの細胞に所望の酵素をコードするDNAをトランスフェクトすることにより組換え的に生成させることができる。
【0020】
ADAM8のタンパク質分解活性を調節する化合物の検出方法は、推定の調節化合物、機能的酵素タンパク質および適する標識された基質を組み合わせること、および、時間の関数としてもしくは予め決められた時間の期間の後のいずれかに、基質もしくは生成物の量の変化によりプロテアーゼに対する化合物の効果をモニターすることを含んで成る。標識された基質は、限定されるものでないが;放射標識される(Coolicanら)、蛍光測定的(Lonerganら、1995;Twining、1984)もしくは比色的(Buroker−KilgoreとWang、1993)である基質を挙げることができる。本発明で有用な放射性同位体は、限定されるものでないが125I、131I、3H、14C、35S、32Pおよび33Pを挙げることができる当該技術分野で公知のものを包含する。放射性同位体は、チロシン残基のヨード化、セリンもしくはトレオニン残基のリン酸化、または放射活性のアミノ酸前駆体を利用するトリチウム、炭素もしくはイオウの取り込みのような、当業者に既知の慣習的手段によりペプチドに導入する。SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動後(WadstroemとSmyth、1973)、ならびに蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)に基づく方法(NgとAuld、1989)によるザイモグラフィーもまた、酵素活性を測定し、そしてそれによりADAM8の酵素活性を調節する化合物を同定するのに使用される方法である。アゴニストである化合物は基質分解の速度を増大させることができ、そして時間の関数としてより少ない残存する基質もしくはより多い生成物をもたらすことができる。アンタゴニストである化合物は基質分解の速度を低下させることができ、そして時間の関数としてより多い残存する基質もしくはより少ない生成物をもたらすことができる。
【0021】
本発明の方法に有用な1つの好ましいアッセイ形式は、該酵素の基質内の切断部位をコードするペプチド配列により分離される消光物質(quencher)もしくはアクセプター(acceptor)のいずれかとともに蛍光供与体(fluorescent donor)を含有するペプチド基質を使用するFRETに基づく方法である。蛍光供与体は、エネルギーを吸収しかつ該エネルギーの一部分を別の化合物に移動することができる蛍光発生化合物である。本発明での使用に適する蛍光供与体の例は、限定されるものでないがクマリン、フルオレセイン、ロドールおよびローダミンのようなキサンテン色素、レソルフィン、シアニン色素ビマン、アクリジン、イソインドール、ダンシル色素、ルミノールおよびイソルミノール誘導体のようなアミノフタル酸ヒドラジド、アミノフタルイミド、アミノナフタルイミド、アミノベンゾフラン、アミノキノリン、ジカノヒドロキノン、ならびにユーロピウムおよびテルビウム錯体、ならびに関連化合物を挙げることができる。消光体は、それが蛍光供与体に適切に近位に配置される場合に該供与体からの放出を低下させかつ一般に蛍光の形態でエネルギーを再放出しない化合物である。こうした部分の例は、インジゴ、ベゾキノン、アントラキノン、アゾ化合物、ニトロ化合物、インドアニリンならびにジおよびトリフェニルメタンを包含する。供与体/消光物質対を使用するFRET方法は、蛍光供与体からの増大された放出をペプチド基質に対する酵素活性の関数として測定する。従って、酵素活性に拮抗する試験化合物は、2種の対照サンプル(FRETペプチド単独からの低い(基礎の)蛍光および酵素の活動により消化されたFRETペプチドからのより高い蛍光)の間にある放出シグナル強度を生じさせることができる。アクセプターは、蛍光供与体からのエネルギーを吸収しかつエネルギーの一部分を蛍光として再放出する蛍光分子である。アクセプターは別個の機構がタンパク質分解の効力を測定することを可能にする特定の1つの型の消光物質である。供与体/アクセプター対を利用する方法は、アクセプターの放出の減少をペプチド基質に対する酵素活性の関数として測定する。従って、酵素の酵素活性に拮抗する試験化合物は、2種の対照サンプル(FRETペプチド単独からのより高い基礎の蛍光および該酵素の酵素活性により消化されたFRETペプチドからのより低い蛍光)の間の放出シグナルを生じさせることができる。本発明の方法で有用なアクセプター分子の例は、限定されるものでないが、クマリン、フルオレセイン、ロドール、ローダミン、レソルフィン、シアニン、ジフオロボラジアジンダセンおよびフタルシアニンを挙げることができる。本発明の方法は多様なメタロプロテイナーゼでの使用に適することが、当業者に容易に明らかである。加えて、限定されるものでないがADAM8、ADAM15およびMDC−Lを挙げることができる多様なメタロプロテイナーゼが本発明の方法のいずれかの特定の態様での使用に適することが、当業者に容易に明らかである。
【0022】
以下の実施例は、しかしながらそれをそれに制限することなく本発明を具体的に説明する。
実施例1
可溶性組換え酵素の生成
ADAMタンパク質は、図1に具体的に説明されるとおり、通常:N末端のプロドメインおよびメタロプロテアーゼドメイン、次いでディスインテグリンドメイン、システイン豊富なドメイン、表皮成長因子反復配列、膜貫通ドメインおよび細胞質尾部を含んで成る。生物学的に活性かつ可溶性のADAMタンパク質(ADAM8、ADAM15およびMDC−L)の生成のために、プロ−およびプロテアーゼドメイン、ならびにC末端のFLAGエピトープ(免疫検出および精製に使用される)を含有するPCR産物を、標準的技術を使用してpFastBac1(ギブコBRL(GibcoBRL))およびpcDNA3(インヴィトロジェン(Invitrogen))にクローン化した。
【0023】
正しいクローニングを確認するために、プロ−およびプロテアーゼドメインを含有する可溶性のヒトADAM8を、T7ポリメラーゼを使用して、pcDNA3にクローン化されたcDNAからインビトロで翻訳した。反応は、製造元の説明書に従い、プロメガ(Promega)のTNTキットを使用して、35S−メチオニンの存在下で実施した。反応生成物をSDS−PAGE(4〜20%)およびフルオログラフィーにより分析した。図2Aに示されるとおり、翻訳されたタンパク質は予想された分子量まで移動した。その後、製造元により推奨されるとおりスーパーフェクト(Superfect)(キアゲン(Quiagen))を使用してCOS7細胞をトランスフェクトするのに、該cDNA構築物を使用した。トランスフェクション3日後に、細胞を35S−メチオニン(1mlあたり100μCi)で37℃で30分間標識し、次いで0.5ないし3.25時間追跡した。各時間点で、培地を収集しかつ細胞を1%NP−40およびコンプリート[Complete](商標)プロテアーゼ阻害剤(ベーリンガー マンハイム(Boehringer Mannheim))を含有するPBS中で溶解した。免疫沈降を、M2−αFlag−アガロースを使用して培地および細胞ライセートの双方で実施した。免疫沈降物をSDS−PAGE(5〜15%アクリルアミド)およびフルオログラフィーにかけた。図2Bに示されるとおり、培地中への可溶性のADAM8の分泌は0.5時間と同じくらい早期に検出することができ、3.25時間まで増大し、従って該組換えタンパク質が膜に結合もしくは細胞内に保持されなかったことを確認した。
【0024】
生物学的試験およびアッセイの開発のために大量のタンパク質を生成させるため、Sf9細胞を、上述されたADAM8、ADAM15およびMDC−Lの可溶性ADAMタンパク質構築物を含有するpFastBac(ギブコBRL(GibcoBRL))に感染させた。
【0025】
可溶性のADAM8発現のための組換えバキュロウイルスを、Bac−to−Bac系(ギブコ BRL(Gibco BRL))を使用して上述されたpFastBac1構築物から生成させた。Sf9細胞をバキュロウイルスに感染させ、そして培地を72時間後に収集した。培地を限外濾過により10倍濃縮し、そして反復された添加および再濃縮によりTBS(トリス緩衝生理的食塩水)に交換した。上清を15000×gで1時間遠心分離し、0.45μMフィルターを通して濾過して破片を除去し、そして混合しながら4℃で一夜、M2−αFlag−アガロースとともにインキュベートした。樹脂をカラムに負荷しそしてTBSで洗浄し、次いで結合された物質を0.1Mグリシン(pH3.5)で溶出し、そして12.5μl/mlの2Mトリス−HCl、pH8の添加により直ちに中和した。感染からの上清(M2−αFlag−アガロースとのインキュベーション前および後)ならびに精製からの画分を、SDS−PAGE、次いで染色(図3A)およびウェスタンブロッティング(図3B)により分析した。図3Aは免疫精製されたADAM8タンパク質を含有する画分を、また、図3Bは予想される分子量のバンドのM2αFlag抗体検出を示す。その後、このタンパク質を使用して潜在的な基質ペプチドを試験した。
【0026】
その後のペプチド基質のスクリーニングに十分な量のタンパク質を生成させるために、類似の方法をADAM17、ADAM15およびMDC−Lを用いて実施した。
実施例2
FRETアッセイ:ペプチド基質のスクリーニング
プロテアーゼ活性を試験するために49種の異なるペプチドを合成した。該ペプチドは、(i)他のプロテアーゼの基質の集合物、ならびに(ii)メタロプロテアーゼにより放出されることが仮定される多様なタンパク質の膜近位の切断部位に対応する多数の配列(ADAM9/MDC9について(Roghaniら、1999)により公表されたものを包含する)を含んだ。アッセイに蛍光共鳴エネルギー移動もしくはFRETの原理を使用するために、ペプチドをC末端でダブシル(Dabcyl)で、およびN末端でエダンス(Edans)で標識した。従って、ペプチドの切断は、ダブシル消光物質の近接での減少の結果として、460nm(励起360nm)のエダンス蛍光の増大によりモニターすることができる。アッセイは、アッセイ緩衝液すなわち0.001%ブリッジ(Brij)35を含有する10mM Hepes、pH7.5でADAM8、ADAM15、MDC−LもしくはADAM17(50ないし100mgのタンパク質、1ないし2ピコモル)を希釈することにより実施した。20μMの最終濃度までのペプチド基質の添加により反応を開始した。アッセイは、典型的には室温で20ないし60分間実施し、そして蛍光の動力学的増大の傾きを決定して反応の速度を計算した。必要な場合は、1/10容量の1M NaOAc(酢酸ナトリウム)、pH3.5の添加によりある時点で反応を停止することが可能であった。
【0027】
図4は、ペプチドF3に対する活性を1単位に設定することにより正規化された自由裁量の単位で表された多様なペプチド(A1ないしH6と番号付けられる)に対する相対的活性を示す。このペプチドは全部の酵素により切断され、そして従ってそれにより多様なペプチド基質を切断するそれらの潜在能力について多様な酵素の相対的活性を比較するための標準を表すために選んだ。ADAM8、ADAM15およびMDC−Lは多様なペプチドに対する非常に類似の活性プロフィルを示した一方、ADAM17は有意に異なる特異性を有するようであり、そして他の3種のプロテアーゼよりも該ペプチドのより少ないものを切断することが可能であった。
4種の異なるペプチドの切断についてのADAM8の親和性の動力学的分析
スクリーニングアッセイを確認するために、ADAM8を4種の異なるペプチドに対するその触媒速度についてさらに分析した。アッセイは、ADAM8をアッセイ緩衝液すなわち0.001%ブリッジ(Brij)35を含有する10mM Hepes、pH7.5で希釈することにより実施した。反応は、親和性の分析について図5に示されたところの多様な最終濃度までの基質の添加により開始した。アッセイは室温で30分間実施した。図5は、CatE1、CatE、CD27LおよびTNFαに対するペプチド濃度の関数としてのタンパク質分解活性(1分あたりの相対的蛍光単位で)を示す。曲線を、プログラムGrafit(エリタカス ソフトウェア(Erithacus Software))を用いてデータに当てはめた。データはおよそ3のヒル(Hill)係数を伴うアロステリック動力学を示し、3種の協同的活性部位の同等物を意味した。これらの分析の結果を表2に提供する。各基質のK0.5は、酵素活性がVmax(Vmaxはデータへの非線形の当てはめにより計算し、K0.5は当てはめられた曲線の検査により決定した)の50%であった基質濃度を表す。表2は、ペプチド配列内のcarotにより示されるところの各ペプチド内のADAM8の切断部位もまた提供する。
【0028】
【表2】
Figure 2006515265
【0029】
実施例3
薬物スクリーニングアッセイ
ADAM8(50ないし100ngのタンパク質、1ないし2ピコモル)をアッセイ緩衝液、すなわち0.001%ブリッジ(Brij)35を含有する10mM Hepes、pH7.5で希釈した。その後、10マイクロモル濃度の最終濃度で推定の阻害剤A、BおよびC(10%DMSOに溶解された)を含有するサンプルを調製した。アッセイ中の最終のDMSO%は1%であり、また、3%までの最終のDMSOは酵素の活性に対し有害でなかったことが実験的に決定された。20μMの最終濃度までのペプチド基質の添加により反応を開始し、そして示度を室温で合計30分間、1分間隔で採取した。
【0030】
アッセイは、活性が酵素濃度に直線的に関係しかつ蛍光の増大(反応速度)が少なくともアッセイの時間の間直線的であった酵素および基質濃度で常に実施した。適切に調節された酵素および基質濃度で、アッセイは2時間までの間は直線的であった。図6Aから、動力学的分析について、S/N比が事実上無限であることをみることができる。バックグラウンド(ブランク、酵素なし)中の変化がアッセイの時間にわたって観察されないためである。終点測定のため、酵素および基質濃度を、所望のS/N比を達成するよう調節することができた。図6Aの例では、この比(対照対ブランクの終点)がおよそ10であったことをみることができる。
【0031】
図6Aは、阻害剤Cが酵素活性を完全に廃止し(結果はブランク[酵素なし]に匹敵する)、阻害剤BがADAM8酵素の若干の阻害を示した一方、阻害剤AはADAM8に対し不活性である(結果は対照[阻害剤なし]に匹敵する)ことを示す。
阻害剤CによるADAM8の阻害のIC50分析
ADAM8(50ないし100ngのタンパク質、1ないし2ピコモル)をアッセイ緩衝液、すなわち0.001%ブリッジ(Brij)35を含有する10mM Hepes、pH7.5で希釈した。0.1から20μMまで(3%の最終DMSO濃度)の範囲にわたる最終濃度の阻害剤Cを含有するサンプルを調製した。二重のアッセイを、阻害剤Cの各濃度について室温で30分間実施した。多様な阻害剤C濃度の非存在(対照)および存在下での反応速度をデータの直線回帰により決定し、そして対照の反応速度に関しての阻害パーセントを計算した。図6Bのデータを、プログラムGrafit(エリタカス ソフトウェア(Erithacus Software))を使用して、非直線回帰により単一部位の飽和曲線に当てはめた。非線形の当てはめから計算された阻害剤CによるADAM8の阻害のIC50は1±0.3μMであった。IC50は、データ下限がゼロに補正される3パラメータの等式に速度データを当てはめることによってもまた(Grafitを使用して)計算し、そしてこの分析方法もまた1±0.2μMという類似のIC50を生じさせた。
実施例4
不活性対活性のADAM8のFRETペプチドのザイモグラフィー
ザイモグラフィーのサンプルを、2%の最終SDS濃度で還元剤を含まないサンプル緩衝液に溶解した。サンプルを7.5%もしくは10%のPAGEゲルに負荷し、そして4℃でSDS電気泳動緩衝液中で泳動した(Laemmli)。泳動が完了すれば、ゲルを振とうしながら50mMトリスpH7.5、10μM ZnCl2および2.5%トライトン(Triton)X−100中に2×15分間浸積してSDSを置き換えた。その後、ゲルをトライトン(Triton)X−100を含まない同一の緩衝液中で2×5分間すすいだ。ゲルをその後、上述されたタンパク質分解活性アッセイに使用されたものと同一の100μMのCatE1 FRETペプチドを含有するアッセイ緩衝液に浸積した。その後、活性のタンパク質分解種は、UV光下で、もしくは過剰のペプチドを除去するための水中でのすすぎ後のゲルコード[Gelcode](商標)ブルーでの「陰性」染色により可視化することができた。レーン1は、阻害性のプロ配列を含有するADAM8のサンプルを含有し、そしてそれは上述された蛍光測定的タンパク質分解アッセイで活性を示さず、また、レーン2および3は活性のプロセシングされたADAM8調製物を含有する。
実施例5
ADAM8およびADAM15に対する抗体の生成
ADAM8およびADAM15に対するポリクローナル抗血清を、それぞれADAM8および15のC末端配列に対応するKLHに結合されたペプチドでウサギを免疫化することにより生成させた。該抗血清を使用して、THP−1細胞ライセート中のADAM8およびADAM15を検出した。THP−1細胞は、インターフェロン(IFN)−γ(200U/ml)もしくは細菌のリポ多糖(LPS)(100ng/ml)でそれぞれ24時間もしくは16時間処理した。その後、細胞を収穫し、PBSで洗浄し、そして1% NP−40およびコンプリート[Complete](商標)プロテアーゼ阻害剤を含有するPBS中で溶解した。細胞抽出物をSDS−PAGEによりADAM8およびADAM15の発現について分析し、ニトロセルロースに転写し、そしてそれぞれADAM8およびADAM15に対する抗血清でイムノブロッティングした。図8にみられるとおり、ADAM8はおよそ70,000ダルトンまで移動するバンドとして検出され、また、ADAM15はおよそ100,000ダルトンまで移動し、それぞれ完全長のタンパク質(上述されたより小さい可溶性の変異体に比較して)を表す。対応する免疫前血清は、類似のアッセイで、THP−1細胞抽出物について、これらの分子量の陽性のバンドを与えなかった。
【0032】
さらに、特異的抗血清による検出は、ADAM8がLPS処理に応答しておよそ2倍、およびIFN−γに応答しておよそ10倍、タンパク質レベルをアップレギュレートしたことを示した。対照的に、ADAM15に対する抗血清は、ADAM15タンパク質のレベルのアップレギュレーションがこれらの作用物質に応答して明白でなかったことを示した。
【0033】
【表3】
Figure 2006515265
【0034】
【表4】
Figure 2006515265
【0035】
【表5】
Figure 2006515265

【図面の簡単な説明】
【図1】
発明にかかる、プロテアーゼアッセイで使用される(A)完全長のADAMタンパク質および(B)組換えの可溶性の形態のドメイン構造。
【図2】
発明にかかる、インビトロおよび哺乳動物細胞中での組換えADAM8の発現
(A)可溶性ADAM8のインビトロ翻訳
(B)COS7細胞中での組換えの可溶性ADAM8の発現および分泌のパルスチェイス分析
【図3】
発明にかかる、Sf9昆虫細胞による組換えの可溶性ADAM8の発現および培地からの精製
(A)ゲルコード[Gelcode](商標)ブルー染色
(B)ADAM8を検出するためのM2抗FLAGウェスタンブロット
【図4】
発明にかかる、49種の異なるFRETペプチド(A1ないしH6と番号付けられる)に対するADAM8、ADAM15、MDC−LおよびADAM17の相対的活性
【図5】
発明にかかる、4種の異なるペプチドの切断についてのADAM8の親和性の動力学的分析
【図6】
発明にかかる、阻害性化合物を探すためのADAM8ペプチド切断アッセイの使用
(A)化合物A、BおよびCによるADAM8のタンパク質分解活性の阻害の比較;
(B)阻害剤CによるADAM8の阻害についてのIC50分析
【図7】
発明にかかる、不活性対活性のADAM8のFRETペプチドのザイモグラフィー
【図8】
発明にかかる、ADAM8およびADAM15に対する抗ペプチド抗血清の調製、ならびにヒトTHP−1細胞中でのADAM8およびADAM15の発現(ならびにLPSおよびIFN−γによる誘導)を検出するためのそれらの使用
【配列表】
Figure 2006515265
Figure 2006515265
Figure 2006515265
Figure 2006515265
Figure 2006515265

Claims (19)

  1. 配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10もしくは配列番号11よりなる群から選択されるアミノ酸配列を含んで成るメタロプロテアーゼADAM8、ADAM15およびMDC−Lのペプチド基質。
  2. ペプチドが天然もしくは合成起源である、請求項1記載のペプチド。
  3. ペプチドが、125I、131I、3H、14C、35S、32P、33P、蛍光色素もしくは比色指示薬よりなる群から選択される検出可能な標識をさらに含んで成る、請求項1記載のペプチド。
  4. ペプチドが、該基質ペプチドの切断部位の反対端に配置された蛍光発色団および消光物質もしくはアクセプターをさらに含んで成る、請求項1記載のペプチド。
  5. ペプチドが、該基質ペプチドの切断部位の反対端に配置された親和性部分をさらに含んで成る、請求項3記載のペプチド。
  6. 段階;
    1)試験化合物、機能的酵素タンパク質、および配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10もしくは配列番号11よりなる群から選択されるアミノ酸配列をもつペプチド基質を接触させること;
    2)該化合物、酵素および基質を、基質に対する酵素活性の結果としての、検出可能な生成物を生成させるのに十分な時間の間インキュベートすること;ならびに
    3)予想される酵素機能の化合物調節の結果としての、生成物の量の変化を測定すること
    を含んで成り、さらなる操作を伴わずに単一の反応容器中で実施される、酵素活性の化合物調節のインビトロでのタンパク質に基づく検出方法。
  7. 段階;
    1)試験化合物、機能的酵素タンパク質、および配列番号1、配列番号2、配列番号3もしくは配列番号8よりなる群から選択されるアミノ酸配列をもつペプチド基質を接触させること;
    2)該化合物、酵素および基質を、基質に対する酵素活性の結果としての、検出可能な生成物を生成させるのに十分な時間の間インキュベートすること;ならびに
    3)予想される酵素機能の化合物調節の結果としての、生成物の量の変化を測定すること
    を含んで成り、さらなる操作を伴わずに単一の反応容器中で実施される、酵素活性の化合物調節のインビトロでのタンパク質に基づく検出方法。
  8. 酵素が、ADAM8、ADAM15もしくはMDC−Lよりなる群から選択される、請求項6もしくは7記載の方法。
  9. ペプチドが、125I、131I、3H、14C、35S、32P、33P、蛍光色素もしくは比色指示薬よりなる群から選択される検出可能な標識をさらに含んで成る、請求項8記載の方法。
  10. ペプチドが、該基質ペプチドの切断部位の反対端に配置された蛍光発色団および消光物質もしくはアクセプターをさらに含んで成る、請求項9記載の方法。
  11. 段階;
    1)試験化合物、細胞の表面上の機能的酵素、および配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10もしくは配列番号11よりなる群から選択されるアミノ酸配列をもつペプチド基質を接触させること;
    2)該化合物、細胞に結合された酵素および基質を、基質に対する酵素活性の結果としての、検出可能な生成物を生成させるのに十分な時間の間インキュベートすること;ならびに
    3)予想されるADAM8の酵素機能の化合物調節の結果としての、生成物の量の変化を測定すること
    を含んで成り、さらなる操作を伴わずに単一の反応容器中で実施される、ADAM8の酵素活性の化合物調節のインビトロでの細胞に基づく検出方法。
  12. 段階;
    1)試験化合物、細胞の表面上の機能的酵素、および配列番号1、配列番号2、配列番号3もしくは配列番号8よりなる群から選択されるアミノ酸配列をもつペプチド基質を接触させること;
    2)該化合物、細胞に結合された酵素および基質を、基質に対する酵素活性の結果としての、検出可能な生成物を生成させるのに十分な時間の間インキュベートすること;ならびに
    3)予想されるADAM8の酵素機能の化合物調節の結果としての、生成物の量の変化を測定すること
    を含んで成り、さらなる操作を伴わずに単一の反応容器中で実施される、ADAM8の酵素活性の化合物調節のインビトロでの細胞に基づく検出方法。
  13. 酵素が、ADAM8、ADAM15もしくはMDC−Lよりなる群から選択される、請求項11もしくは12記載の方法。
  14. ペプチドが、125I、131I、3H、14C、35S、32P、33P、蛍光色素もしくは比色指示薬よりなる群から選択される検出可能な標識をさらに含んで成る、請求項13記載の方法。
  15. ペプチドが、該基質ペプチドの切断部位の反対端に配置された蛍光発色団および消光物質もしくはアクセプターをさらに含んで成る、請求項14記載の方法。
  16. 段階;
    1)親和性部分、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10もしくは配列番号11よりなる群から選択されるアミノ酸配列、および検出可能な標識を含んで成る基質ペプチドを提供すること[前記親和性部分および標識は該アミノ酸配列によりコードされる切断部位の反対側に配置される];
    2)基質ペプチドを、ペプチドの一部分を結合するのに十分な時間の間、親和性捕捉被覆された固相支持体と接触させること;
    3)支持体を洗浄して結合されないペプチドを除去すること;
    4)試験化合物および機能的酵素を含んで成る溶液を、基質の酵素的切断を可能にするのに十分な時間の間、ペプチドが結合された固相支持体と接触させて、それにより基質および検出可能な標識を溶液中に放出すること;
    5)溶液を容器に移すこと;ならびに
    6)予想される酵素機能の化合物調節の結果としての、検出可能な標識の量の変化を測定すること
    を順番に含んで成る、酵素活性の化合物調節の検出方法。
  17. 段階;
    1)親和性部分、配列番号1、配列番号2、配列番号3もしくは配列番号8よりなる群から選択されるアミノ酸配列および検出可能な標識を含んで成る基質ペプチドを提供すること[前記親和性部分および標識は、該アミノ酸配列によりコードされる切断部位の反対側に配置される];
    2)基質ペプチドを、ペプチドの一部分を結合するのに十分な時間の間、親和性捕捉被覆された固相支持体と接触させること;
    3)支持体を洗浄して結合されないペプチドを除去すること;
    4)試験化合物および機能的酵素を含んで成る溶液を、基質の酵素的切断を可能にするのに十分な時間の間、ペプチドが結合された固相支持体と接触させ、それにより基質および検出可能な標識を溶液中に放出すること;
    5)溶液を容器に移すこと;ならびに
    6)予想される酵素機能の化合物調節の結果としての、検出可能な標識の量の変化を測定すること
    を順番に含んで成る、酵素活性の化合物調節の検出方法。
  18. 酵素が、ADAM8、ADAM15もしくはMDC−Lよりなる群から選択される、請求項16もしくは17記載の方法。
  19. ペプチドが、125I、131I、3H、14C、35S、32P、33P、蛍光色素もしくは比色指示薬よりなる群から選択される検出可能な標識を含んで成る、請求項18記載の方法。
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