JP2006514048A - 酵素を含む歯科組成物および方法 - Google Patents
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Abstract
重合性構成成分、および重合性構成成分中に混合される治療用酵素を含む硬化性歯科組成物であって、重合性構成成分は、硬化すると、中に治療用酵素が混合されている硬化した歯科材料を形成し、中に酵素が混合されている硬化した歯科材料は、少なくとも1日間、被験者の口内で唾液と接触する。
Description
酵素は、口腔の健康を改善する製品中に使用されてきた。このような製品には、例えば、洗口剤、歯磨き粉、および歯磨き剤(dentrifice)などが挙げられる。例えば、口臭を低減する洗口剤製品中に酵素グルコースオキシダーゼが使用されてきた。また、DXAMアーゼと呼ばれるプラーク加水分解酵素を歯磨き粉および洗口剤中に使用することも提案されている。また、口腔環境のための微細構造化された送達デバイス中に酵素を使用することも提案されてきた。
これらの製品は、短時間(例えば、数分又は数時間であることが多く、一般には一日未満)、使用され、使い捨てとして取り扱われ、毎回、適用後に廃棄される。そのため、必要とされているものは、長時間にわたり所望の効果を提供することができる酵素を含む組成物である。
本発明は、様々な歯科用途に使用できる酵素および重合性構成成分を含有する組成物に関する。このような組成物は、長時間にわたり患者の口内で唾液と酵素との接触を提供するのに、特に有用である。酵素は組成物中にブレンドされ、硬化すると、硬化した材料全体に混合されており、硬化した材料の表面で利用可能である。これらの組成物は、歯科材料が口内に長時間入れられている被験者の口腔の健康を改善する方法に使用することができる。
更に具体的には、本発明は、重合性構成成分および重合性構成成分中に混合される治療用酵素を含む歯科組成物を提供し、硬化すると、重合性構成成分は、中に治療用酵素が混合されている硬化した歯科材料を形成し、中に酵素が混合されている硬化した歯科材料は、患者の口内で唾液と少なくとも1日間(好ましくは、少なくとも7日間)、接触する。
好ましい実施形態では、本発明は、重合性構成成分および重合性構成成分中に混合される治療用酵素を含む硬化性歯科組成物を提供し、硬化すると、重合性構成成分は、中に治療用酵素が混合されている硬化した歯科材料を形成し、中に酵素が混合されている硬化した歯科材料は、被験者の口内で唾液と少なくとも1日間、接触し、治療用酵素は、オキシドレダクターゼ、ヒドロラーゼ、およびこれらの組合せからなる群から選択され、重合性構成成分は、エポキシ樹脂、ビニルエーテル樹脂、エチレン性不飽和化合物、グラスアイオノマーセメント、およびこれらの組合せからなる群から選択される。
別の好ましい実施形態では、本発明は、重合性構成成分および重合性構成成分中に混合される治療用酵素を含む硬化性歯科組成物を提供し、硬化すると、重合性構成成分は、中に治療用酵素が混合されている硬化した歯科材料を形成し、中に酵素が混合されている硬化した歯科材料は、被験者の口内で唾液と少なくとも1日間、接触し、治療用酵素は、オキシダーゼ、ペルオキシダーゼ、ラッカーゼ、プロテアーゼ、カルボヒドラーゼ、リパーゼ、およびこれらの組合せからなる群から選択され、重合性構成成分は、(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、およびこれらの組合せからなる群から選択される。
また、本発明は方法も提供する。一実施形態では、本発明は、被験者の口腔の健康を改善するため、治療用酵素を被験者の口内に送達する方法を提供する。本方法は、重合性構成成分および重合性構成成分中に混合される治療用酵素を含む硬化性歯科組成物を提供すること;被験者の口内に硬化性歯科組成物を配置すること;および、組成物を硬化させ、中に治療用酵素が混合されている硬化した歯科材料を形成し、中に酵素が混合されている硬化した材料が被験者の口内で唾液と少なくとも1日間、接触することを含む。
本発明は、様々な歯科用途に使用できる酵素および重合性構成成分を含有する組成物に関する。このような組成物は、長時間にわたって、硬化した歯科材料の表面に治療用酵素を提供するのに、特に有用である。これらの組成物は、口内に歯科材料が入れられている被験者の口腔の健康を改善する方法およびキットに使用することができ、中に酵素が混合されている硬化した歯科材料は、患者の口内で唾液と長時間(例えば、少なくとも1日間、或いは少なくとも7日間、典型的には、更に長時間(少なくとも30日間、しばしば、少なくとも90日間など))接触する。
硬化した歯科材料は、重合性材料から調製される様々な材料のいずれかとすることができる。しかし、好ましくは、硬化した歯科材料は、表面前処理材(例えば、エッチング剤、プライマー、結合剤)ではない。むしろ、好ましくは、硬化した歯科材料は、修復材(例えば、コンポジット、充填材、又は補綴物)、シーラント、コーティング、セメント、又は歯科矯正用接着剤である。
そのため、本発明は、好ましくは酵素と口内環境との長い接触を提供できる材料を提供する。接触時間中(又は、そのかなりの部分)、生物学的に活性な状態を維持する酵素が特に望ましい。即ち、好ましくは、本発明は、硬化した材料中に混合されている酵素を提供し、酵素は、酵素基質(それが口内に存在するものであれ、および/又は硬化した材料自体に提供されるものであれ)との反応に利用可能であり、有益な結果を提供する。本発明以前は、硬化すると、口腔環境に長時間、酵素を曝露させる硬化性歯科組成物中に酵素を組み込めることは予想されなかった。
このような組成物は、デンタルケアに非常に価値があり、有益な組成物であることが判明する可能性がある。典型的には、化学物質に代わって酵素を使用すると、患者の健康への害が少なくなり、副作用の発生が少なくなる可能性がある。これは、歯および歯ぐきの病気の一因となる歯垢の予防に特に当てはまる。本発明の実施に有用な酵素は治療用酵素であり、本明細書では、治療用酵素が被験者の口内(例えば、口腔プラークおよび唾液中)で有害な炭水化物、蛋白質、脂質、および/又は細菌基質の(例えば、触媒作用による)分解を引き起こすことを意味する。好ましい酵素群は、殺菌性の生成物(例えば、H2O2)を生成する。
任意に、本発明の組成物に1種類以上の酵素基質を添加し、酵素の治療機能を向上させることができる。例えば、活性化に水を必要とする系では、使用時まで系が無水であり、そのため、酵素と基質が相互作用しない場合、酵素基質は、酵素を有する組成物中に存在することができる。或いは、酵素および対応する酵素基質をキットの別々の部分に包装し、所望する時までそれらが相互作用しないようにすることができる。
口内で普通のpHで実質的に活性な酵素を使用することが有利である。典型的には、これは、約pH5.0〜約pH9.0、更に典型的には約pH6.0〜約pH8.5、更により典型的には約pH6.4〜約pH7.5である。ある条件下では、pHは、それよりも顕著に低い場合があり、このため様々な酵素の使用が可能である。
オキシドレダクターゼおよびヒドロラーゼ酵素は、本発明で使用するのに有用な部類の酵素である。所望の効果に応じて、様々な種類の酵素のいずれかが特定の実施形態に好ましい可能性がある。
オキシドレダクターゼ酵素は、国際生化学・分子生物学連合(the International Union of Biochemistry and Molecular Biology)(IUBMB)の推奨(1992年)による酵素分類番号E.C.1に分類されるものである。これらは、酸素還元反応(即ち、レドックス反応)を触媒する。オキシドレダクターゼ酵素の群に入るものには、オキシダーゼ酵素、ペルオキシダーゼ酵素、およびラッカーゼ酵素がある。
オキシダーゼ酵素は、電子受容体としてO2に作用し、過酸化水素を生成することにより、基質の酸化を触媒する。このような酵素は、酵素分類E.C.1.1.3、E.C.1.2.3、E.C.1.3.3、E.C.1.4.3、E.C.1.5.3、E.C.1.7.3、E.C.1.8.3、E.C.1.9.3に分類される。例としては、以下に限定されないが、グルコースオキシダーゼ、スクロースオキシダーゼ、ラクテートオキシダーゼ、(S)−2−ヒドロキシ−酸オキシダーゼ、ヘキソースオキシダーゼ、L−又はD−アミノ−酸オキシダーゼ、キシリトールオキシダーゼ、キサンチンオキシダーゼ、グリコレートオキシダーゼ、L−ソルボースオキシダーゼ、アルコールオキシダーゼ、グロノラクトンオキシダーゼが挙げられる。対応する酵素基質には、以下に限定されないが、β−D−グルコース、スクロース、ラクテート、(S)−2−ヒドロキシ−酸、広いスペクトルの炭水化物(D−グルコース、D−ガラクトース、D−マンノース、マルトース、ラクトース、およびセロビオースなどを含む)、L−又はD−アミノ酸、キシリトール、キサンチン、α−ヒドロキシ酸、L−ソルボース、一級アルコール、およびL−グロノ−1,4−ラクトンが挙げられる。
ペルオキシダーゼ酵素は、電子受容体として過酸化物に作用する。これらには、酵素分類E.C.1.11に分類される酵素が挙げられる。異なる種類のペルオキシダーゼ酵素は供与体分子によって区別され、それらは供与体分子から電子を取り去って過酸化水素に供与する。本発明では、ペルオキシダーゼは、供与体分子からフリーラジカルを生成するのに使用される。供与体分子は、典型的には、このようなフリーラジカルを生成する際、ペルオキシダーゼの基質の役割をすることができる。例としては、以下に限定されないが、ホースラディッシュペルオキシダーゼ、大豆ペルオキシダーゼ、ポリフェノールペルオキシダーゼ、マンガンペルオキシダーゼ、L−アスコルビン酸ペルオキシダーゼ、クロロペルオキシダーゼ、およびヨウ化物ペルオキシダーゼが挙げられる。対応する酵素基質には、以下に限定されないが、過酸化水素、並びにポリフェノール、マンガン(II)、アスコルビン酸、塩化物およびヨウ化物などの電子供与体分子が挙げられる。
ラッカーゼ酵素はO2に作用し、過酸化物を全く必要とすることなく水を生成する。これらには、酵素分類E.C.1.10.3に分類される酵素が挙げられる。対応する基質には、以下に限定されないが、O−およびP−キノール、アミノフェノールおよびフェニレンジアミンが挙げられる。
ヒドロラーゼ酵素は、国際生化学・分子生物学連合(the International Union of Biochemistry and Molecular Biology)(IUBMB)の推奨(1992年)による酵素分類番号E.C.3に分類されるものである。ヒドロラーゼ酵素の群に入るものには、プロテアーゼ酵素、カルボヒドラーゼ酵素、およびリパーゼ酵素がある。好ましいヒドロラーゼ酵素はプロテアーゼである。
プロテアーゼ酵素は、蛋白質を分解又は加水分解する役割をする。このような酵素は、分類E.C.3.4.21、E.C.3.4.22、E.C.3.4.23、E.C.3.4.24に分類される。例としては、以下に限定されないが、トリプシン、パパイン、パンクレアチン、ペプシン(例えば、ペプシンA、ペプシンB)、キモシン、カテプシンE、ガストリクシン、カテプシンD、フィテプシン(phytepsin)、シプロシン(cyprosin)、カルドシン(cardosin)A、カルドシン(cardosin)B、ネフェンテシン(nephentesin)、ニューロスポラペプシン(neurosporapepsin)、サッカロペプシン(saccharopepsin)、レニン、プラスメプシン、ロードルーラペプシン(rhodorulapepsin)、アクロシクリンドロペプシン(acrocyclindropepsin)、ピクノポロペプシン(pycnoporopepsin)、フィサロペプシン(physaropepsin)、アスペルギロペプシン、ペニシロペプシン(penicillopepsin)、リゾプスペプシン(rizopuspepsin)、ミューコールペプシン(mucorpepsin)、ポリプロップペプシン(polyproppepsin)、カンジダパラプシン(candidaparapsin)、カンジダペプシン(candidapepsin)、ヤプシン(yapsin)1、ヤプシン(yapsin)2、ヤプシン(yapsin)3、シュードモナスペプシン(pseudomonaspepsin)、キサンツホルノンペプシン(xanzhornonpepsin)、サーモプシン、サイタリドペプシン(scytalidopepsin)、アリューレイン(aleurain)、オンプシン(omptin)、リソソーム(lysosomale)、カルボキシペプチダーゼA、カテプシンA、リソソームプロ−Xカルボキシペプチダーゼ(lysosomale pro−X carboxypeptidase)、アスパラギニルエンドペプチダーゼ、y−グルタミルヒドロラーゼ、バシラスペプスタチン非感受性酸エンドペプチダーゼ(bacillus pepstatin insensitive acid endopeptidase)、カルボキシペプチダーゼおよびインスリン分解酵素(insulysin)が挙げられる。これらのプロテアーゼのうち、カルドシン(cardosin)A、カンジダパラプシン、シュードモナペプシン(pseudomonapepsin)、およびペプシン(特にペプシンA)を使用するのが好ましい。プロテアーゼに対応する基質は、様々な蛋白質およびペプチドである。プロテアーゼを亜鉛と組み合わせて使用し、抗プラーク機能を向上させることができる。
カルボヒドラーゼ酵素は、炭水化物を分解又は加水分解する役割をする。このような酵素は、分類E.C.3.2.1に分類される。例としては、以下に限定されないが、デキストラナーゼ、セルラーゼ、アミラーゼ、α−グルコシダーゼ、β−グルコシダーゼ、ラクターゼ、インベルターゼ、アミログルコシダーゼ、およびリゾチームが挙げられる。カルボヒドラーゼ酵素に対応する基質には、以下に限定されないが、デキストラン、セルロース、澱粉、オリゴ糖類、β−D−グルコシド、ラクトース、スクロース、多糖類、および細菌細胞壁が挙げられる。
リパーゼ酵素は、脂肪物質(例えば、脂肪酸および脂肪酸エステル)を分解又は加水分解する役割をする。このような酵素は、分類E.C.3.1.1およびE.C.3.1.4に分類される。例としては、以下に限定されないが、リパーゼ4000、リパーゼB、リパーゼ448、胃リパーゼ、すい臓リパーゼ、および植物リパーゼが挙げられる。リパーゼ酵素に対応する基質は、様々な脂肪および油である。
酵素と任意の基質の様々な組合せを使用して治療機能を向上させることができる。例としては、様々なオキシドレダクターゼ酵素とそれに対応する基質の組合せ;グルコースオキシダーゼ、グルコース、およびチオシアネートの組合せ;グルコースオキシダーゼ/グルコースデヒドロゲナーゼとグルコースの組合せが挙げられる。
酵素製剤は100%もの高さの純粋な酵素を含有するように調製することができるか、又は、例えば、1%以下の非常に低レベルの酵素を含有してもよい。市販の酵素製剤は、通常、酵素を約2重量%(wt%)〜約80重量%含有する。そのため、本発明の組成物は、酵素製剤の活性、並びにその総量の両方を考慮に入れて、1種類以上の酵素、および任意に1種類以上の酵素基質を含む。一般に、配合物は、酵素製剤の総重量ではなく、活性を基準にしている。本発明の実施に使用される酵素のレベルは、酵素の酵素活性および所望される治療効果に依存する。
酵素は、溶解性の形態又は固定化された形態で使用することができる。固定化された酵素を使用して酵素安定性および反応性を向上させてもよい。固定化に利用できる多くの方法があり、予め製造されたキャリア材料に結合させること、および原位置(in situ)調製されるキャリアに組み込むことが挙げられる。操作(operative)結合力は、弱い複数の吸着相互作用から、強力な供給結合による単一の固着まで様々である。適切な方法は、酵素の構造および用途に依存する。一般に、化学反応又は物理的吸収のいずれかでキャリアに固着させることにより、酵素を固定化することができ、(非特許文献1)に記載の様々な方法で使用することができる。或いは、酵素を膜又はリポソーム/ミセルに入れてカプセル化することができる。
また、本発明の硬化性歯科組成物は重合性構成成分も含むことができ、それによって重合性組成物が形成される。
ある実施形態では、組成物は光重合性である、即ち、組成物は、化学線で照射すると組成物の重合(又は硬化)を開始させる光開始剤(即ち、光開始剤系)を含有する。このような光重合性組成物は、フリーラジカル重合性又はカチオン重合性とすることができる。
ある実施形態では、組成物は化学重合性である、即ち、組成物は、化学線を用いる照射に依存することなく組成物を重合、キュア、又はその他硬化させることができる化学開始剤(即ち、開始剤系)を含有する。このような化学重合性組成物は、「自己キュア」組成物と称されることがあり、グラスアイオノマーセメント(例えば、慣用的なグラスアイオノマーセメントおよび樹脂変性グラスアイオノマーセメント)、レドックスキュア(redox cure)系、およびこれらの組合せを含んでもよい。
好適な光重合性組成物には、(カチオン活性エポキシ基を含有する)エポキシ樹脂、(カチオン活性ビニルエーテル基を含有する)ビニルエーテル樹脂、(フリーラジカル活性不飽和基を含有する)エチレン性不飽和化合物、およびこれらの組合せを含んでもよい。有用なエチレン性不飽和化合物の例には、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ヒドロキシ官能性アクリル酸エステル、ヒドロキシ官能性メタクリル酸エステル、および、これらの組合せが挙げられる。単一の化合物中にカチオン活性官能基とフリーラジカル活性官能基の両方を含有する重合性材料も好適である。例としては、エポキシ官能性アクリレート、エポキシ官能性メタクリレート、および、これらの組合せが挙げられる。
光重合性組成物は、フリーラジカル活性官能基を有する化合物を含んでもよく、これは1つ以上のエチレン性不飽和基を有するモノマー、オリゴマー、およびポリマーを含んでもよい。好適な化合物は、少なくとも1つのエチレン性不飽和結合を含有し、付加重合を経ることができる。このようなフリーラジカル重合性化合物には、例えば、(メタ)アクリレート(即ち、アクリレートおよびメタクリレート)、および、(メタ)アクリルアミド(即ち、アクリルアミドおよびメタクリルアミド)が挙げられる。具体例としては、モノ−、ジ−、又はポリ−アクリレートおよびメタクリレート(メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ヘキシルアクリレート、ステアリルアクリレート、アリルアクリレート、グリセロールジアクリレート、グリセロールトリアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−プロパンジオールジアクリレート、1,3−プロパンジオールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、1,2,4−ブタントリオールトリメタクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、ビス[1−(2−アクリロキシ)]−p−エトキシフェニルジメチルメタン、ビス[1−(3−アクリロキシ−2−ヒドロキシ)]−p−プロポキシフェニルジメチルメタン、およびトリスヒドロキシエチル−イソシアヌレートトリメタクリレートなど);分子量200〜500のポリエチレングリコールのビスアクリレートおよびビス−メタクリレート、(特許文献1)(ボエッチャー(Boettcher)ら)に記載のものなどのアクリル化モノマーの共重合性混合物、および、(特許文献2)(ザドー(Zador)ら)のものなどのアクリル化オリゴマー;並びに、スチレン、ジアリルフタレート、ジビニルスクシネート、ジビニルアジペート、およびジビニルフタレートなどのビニル化合物が挙げられる。また、好適なエチレン性不飽和化合物は、ミズーリ州セントルイス、シグマ・アルドリッチ(Sigma−Aldrich,St.Louis,MO)、および、ドイツ、ダルムシュタット、ローム・アンド・テック社(Rhom and Tech,Inc.,Darmstadt,Germany)などの様々な市販の供給源からも入手可能である。他の好適なフリーラジカル重合性化合物には、例えば、(特許文献3)(グッゲンバーガー(Guggenberger)ら)、(特許文献4)(ワインマン(Weinmann)ら)、(特許文献5)(グッゲンバーガー(Guggenberger)ら)、(特許文献6)(グッゲンバーガー(Guggenberger)ら)に開示されているようなシロキサン官能性(メタ)アクリレート、および、例えば、(特許文献7)(フォック(Fock)ら)、(特許文献8)(グリフィス(Griffith)ら)、(特許文献9)(ヴァーゲンクネヒト(Wagenknecht)ら)、(特許文献10)(ライナーズ(Reiners)ら)、および、(特許文献11)(ライナーズ(Reiners)ら)に開示されているようなフルオロポリマー官能性(メタ)アクリレートが挙げられる。必要に応じて、2種類以上のフリーラジカル重合性化合物の混合物を使用することができる。
光重合性組成物は、カチオン重合性エポキシ樹脂などのカチオン活性官能基を有する化合物を含んでもよい。このような材料には、開環によって重合できるオキシラン環を有する有機化合物が挙げられる。これらの材料には、モノマーエポキシ化合物およびポリマータイプのエポキシドが挙げられ、これらの材料は、脂肪族、脂環式、芳香族、又は複素環式とすることができる。これらの化合物は、概ね、平均、1分子当り少なくとも1個の重合性エポキシ基、好ましくは、少なくとも約1.5個、更に好ましくは、1分子当り少なくとも約2個の重合性エポキシ基を有する。ポリマーエポキシドには、末端エポキシ基を有する直鎖ポリマー(例えば、ポリオキシアルキレングリコールのジグリシジルエーテル)、骨格オキシラン単位を有するポリマー(例えば、ポリブタジエンポリエポキシド)、および、ペンダントのエポキシ基を有するポリマー(例えば、グリシジルメタクリレートポリマー又はコポリマー)が挙げられる。エポキシドは、純粋な化合物であっても、又は1分子当り1個、2個又はそれより多くのエポキシ基を含有する化合物の混合物であってもよい。1分子当りのエポキシ基の「平均」数は、エポキシ含有材料中のエポキシ基の総数を、存在するエポキシ基含有分子の総数で除することにより求められる。
これらのエポキシ含有材料は、低分子量モノマー材料から高分子量ポリマーまで様々であってよく、その主鎖および置換基の性質が非常に様々であってよい。許容可能な置換基の例には、ハロゲン、エステル基、エーテル、スルホネート基、シロキサン基、ニトロ基、およびホスフェート基などが挙げられる。エポキシ含有材料の分子量は、約58〜約100,000以上まで、様々であってよい。
本発明に有用な好適なエポキシ含有材料は、(特許文献12)(オックスマン(Oxman)ら)および(特許文献13)(ワインマン(Weinmann)ら)に列記されている。
また、様々なエポキシ含有材料のブレンドも想到される。このようなブレンドの例は、エポキシ含有化合物の2つ以上の重量平均分子量分布、例えば、低分子量(200未満)、中程度の分子量(約200〜10,000)、および高分子量(約10,000超)を含む。或いは、又は追加で、エポキシ樹脂は、異なる化学的性質(脂肪族および芳香族など)又は異なる官能性(極性および非極性など)を有するエポキシ含有材料のブレンドを含有してもよい。
カチオン活性官能基を有する他の種類の有用な材料には、ビニルエーテル、オキセタン、スピロ−オルトカーボネート、およびスピロ−オルトエステルなどが挙げられる。
必要に応じて、カチオン活性官能基とフリーラジカル活性官能基の両方が単一の分子中に含有されてもよい。このような分子は、例えば、ジ−又はポリ−エポキシドと、1当量以上のエチレン性不飽和カルボン酸とを反応させることによって得られてもよい。このような材料の一例は、UVR−6105(ユニオンカーバイド(Union Carbide)から入手可能)と1当量のメタクリル酸との反応生成物である。エポキシおよびフリーラジカル活性官能基を有する市販の材料には、日本、ダイセル化学工業(株)(Daicel Chemical,Japan)から入手可能なサイクロマー(CYCLOMER)M−100、M−101、又はA−200などのサイクロマー(CYCLOMER)シリーズ、およびジョージア州アトランタ、UCBケミカルズ、ラドキュア・スペシャルティーズ(Radcure Specialties,UCB Chemicals,Atlanta,GA)から入手可能なエベクリル(EBECRYL)−3605が挙げられる。
カチオンキュア性組成物は、ヒドロキシル含有有機材料を更に含んでもよい。好適なヒドロキシル含有材料は、少なくとも1、好ましくは少なくとも2のヒドロキシル官能価を有する任意の有機材料であってもよい。好ましくは、ヒドロキシル含有材料は、2種類以上の一級又は二級脂肪族ヒドロキシル基を含有する(即ち、ヒドロキシル基が非芳香族炭素原子に直接結合している)。ヒドロキシル基は末端に位置することができるか、又は、それらはポリマー又はコポリマーからのペンダントとすることができる。ヒドロキシル含有有機材料の分子量は、非常に低いもの(例えば、32)から非常に高いもの(例えば、百万以上)まで様々とすることができる。好適なヒドロキシル含有材料は、低分子量(即ち、約32〜約200)、中程度の分子量(即ち、約200〜約10,000)、又は高分子量(即ち、約10,000超)を有することができる。本明細書で使用する場合、分子量は全て、重量平均分子量である。
ヒドロキシル含有材料は、本質的に非芳香族であってもよいか、又は芳香族官能性を含有してもよい。ヒドロキシル含有材料は、任意に、分子の主鎖に窒素、酸素、およびイオウなどのヘテロ原子を含有してもよい。ヒドロキシル含有材料は、例えば、天然の又は合成して調製されるセルロース材料から選択されてもよい。ヒドロキシル含有材料は、熱的に又は光学的に不安定な場合がある基を実質的に含まないものでなければならない、即ち、材料は、重合性組成物の所望の光重合条件で曝される場合がある、約100℃より低温、又は化学線の存在下で分解したり、又は揮発性構成成分を遊離させてはならない。
本発明に有用な好適なヒドロキシル含有材料は、(特許文献12)(オックスマン(Oxman)ら)に列記されている。
重合性組成物に使用されるヒドロキシル含有有機材料の量は、広範囲にわたって様々であってよく、ヒドロキシル含有材料とカチオン重合性構成成分および/又はフリーラジカル重合性構成成分との適合性、ヒドロキシル含有材料の当量および官能価、最終組成物に所望される物理的特性、および所望される重合速度などの要因に依存する。
また、様々なヒドロキシル含有材料のブレンドを使用してもよい。このようなブレンドの例は、ヒドロキシル含有化合物の2つ以上の分子量分布、例えば、低分子量(約200未満)、中程度の分子量(約200〜約10,000)、および高分子量(約10,000超)を含む。或いは、又は追加で、ヒドロキシル含有材料は、異なる化学的性質(脂肪族および芳香族など)又は異なる官能性(極性および非極性など)を有するヒドロキシル含有材料のブレンドを含有してもよい。別の例として、2種類以上の多官能性ヒドロキシ材料の混合物、又は、1種類以上の一官能性ヒドロキシ材料と多官能性ヒドロキシ材料との混合物を使用してもよい。
重合性材料は、また、単一の分子中にヒドロキシル基およびフリーラジカル活性官能基を含有してもよい。このような材料の例には、ヒドロキシアルキルアクリレートおよびヒドロキシアルキルメタクリレート(ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレートなど);グリセロールモノ−又はジ−(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパンモノ−又はジ−(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールモノ−、ジ−、およびトリ−(メタ)アクリレート、ソルビトールモノ−、ジ−、トリ−、テトラ−、又はペンタ−(メタ)アクリレート;および、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシ−3−メタクリロキシプロポキシ)フェニル]プロパンが挙げられる。
重合性材料は、また、単一の分子中にヒドロキシル基およびカチオン活性官能基を含有してもよい。一例としては、ヒドロキシル基とエポキシ基の両方を含む単一の分子がある。
フリーラジカル光重合性組成物を重合させるのに好適な光開始剤(即ち、1種類以上の化合物を含む光開始剤系)には、二元系および三元系が挙げられる。典型的な三元系光開始剤には、(特許文献14)(パラツォット(Palazzotto)ら)に記載されるような、ヨードニウム塩、光増感剤、および電子供与体化合物が挙げられる。好ましいヨードニウム塩は、ジアリールヨードニウム塩(例えば、ジフェニルヨードニウムクロライド、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、およびジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート)である。好ましい光増感剤は、約450nm〜約520nm(好ましくは、約450nm〜約500nm)の範囲内で幾らかの光を吸収するモノケトンおよびジケトンである。更に好ましい化合物は、約450nm〜約520nm(更により好ましくは、約450nm〜約500nm)の範囲内で幾らかの光吸収を有するα−ジケトンである。好ましい化合物は、カンファーキノン、ベンジル、フリル、3,3,6,6−テトラメチルシクロヘキサンジオン、フェナントラキノン、および他の環状α−ジケトンである。最も好ましいのはカンファーキノンである。好ましい電子供与体化合物には、置換アミン(例えば、エチルジメチルアミノベンゾエート)が挙げられる。
カチオン光重合性組成物を重合させるのに好適な光開始剤には、二元系および三元系が挙げられる。典型的な三元系光開始剤には、(特許文献15)(カイサキ(Kaisaki)ら)、(特許文献13)(ワインマン(Weinmann)ら)、(特許文献16)(オックスマン(Oxman)ら)、および(特許文献12)(オックスマン(Oxman)ら)、および(特許文献17)(デデ(Dede)ら、2003年9月4日公開)に記載されるような、ヨードニウム塩、光増感剤、および電子供与体化合物が挙げられる。好ましいヨードニウム塩、光増感剤、および電子供与体化合物は、フリーラジカル光重合性組成物を重合させる光開始剤系について本明細書に列記されるものと同様である。
フリーラジカル光重合性組成物を重合させるのに好適な他の光開始剤には、典型的には約380nm〜約1200nmの機能波長範囲を有するホスフィンオキシドの部類が挙げられる。約380nm〜約450nmの機能波長範囲を有する好ましいホスフィンオキシドフリーラジカル開始剤は、(特許文献18)(レヒトケン(Lechtken)ら)、(特許文献19)(レヒトケン(Lechtken)ら)、(特許文献20)(レヒトケン(Lechtken)ら)、(特許文献21)(レヒトケン(Lechtken)ら)、および(特許文献22)(エルリッヒ(Ellrich)ら)、(特許文献23)(コーラー(Kohler)ら)、および(特許文献24)(イン(Ying))に記載のものなどのアシルおよびビスアシルホスフィンオキシドである。
約380nm〜約450nmより高い波長範囲で照射されるとき、フリーラジカル開始できる市販のホスフィンオキシド光開始剤には、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド(イルガキュア(IRGACURE)819、ニューヨーク州タリータウン、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(Ciba Specialty Chemicals,Tarrytown,NY))、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−(2,4,4−トリメチルペンチル)ホスフィンオキシド(CGI403、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(Ciba Specialty Chemicals))、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシドと2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンの重量で25:75の混合物(イルガキュア(IRGACURE)1700、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(Ciba Specialty Chemicals))、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシドと2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンの重量で1:1の混合物(ダロキュア(DAROCUR)4265、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(Ciba Specialty Chemicals))、および、エチル−2,4,6−トリメチルベンジルフェニルホスフィネート(ルシリン(LUCIRIN)LR8893X、ノースカロライナ州シャーロット、BASF社(BASF Corp.,Charlotte,NC))が挙げられる。
典型的には、ホスフィンオキシド開始剤は、光重合性組成物中に触媒として有効な量で(例えば、組成物の総重量を基準にして約0.1重量%〜約5.0重量%)存在する。
三級アミン還元剤をアシルホスフィンオキシドと組み合わせて使用してもよい。本発明に有用な例示的な三級アミンには、エチル−4−(N,N−ジメチルアミノ)ベンゾエートおよびN,N−ジメチルアミノエチルメタクリレートが挙げられる。アミン還元剤は、存在する場合、組成物の総重量を基準にして約0.1重量%〜約5.0重量%の量で光重合性組成物中に存在する。
化学重合性組成物は、典型的にはエチレン性不飽和カルボン酸のホモポリマー又はコポリマー(例えば、ポリアクリル酸、およびコポリ(アクリル酸、イタコン酸)など)、フルオロアルミノシリケート(「FAS」)ガラス、水、および酒石酸などのキレート剤をその主成分として使用する慣用的なグラスアイオノマーセメントなどのグラスアイオノマーセメントを含んでもよい。慣用的なグラスアイオノマー(即ち、グラスアイオノマーセメント)は、典型的には、使用直前に混合される粉末/液体配合物で供給される。混合物は、ポリカルボン酸の酸性繰返し単位とガラスから浸出するカチオンとのイオン反応により、暗中で自己硬化を経る。
また、グラスアイオノマーセメントは、樹脂変性グラスアイオノマー(「RMGI」)セメントを含んでもよい。慣用的なグラスアイオノマーのように、RMGIセメントはFASガラスを使用する。しかし、RMGIの有機部分は異なる。ある種類のRMGIでは、例えば、(特許文献25)(ミトラ(Mitra))に記載されているように、ポリカルボン酸は、キュア性のペンダント基で酸性繰返し単位の幾つかを置換する又はエンドキャップするように変性され、光開始剤が第2のキュア機構を提供するように添加されている。アクリレート基又はメタクリレート基は、通常、キュア性のペンダント基として使用される。別の種類のRMGIでは、セメントは、例えば、(非特許文献2)、並びに、(特許文献26)(アカハネ(Akahane)ら)、(特許文献27)(カトウ(Kato)ら)、(特許文献28)(チェン(Qian))、(特許文献29)(ミトラ(Mitra))、および(特許文献30)(アカハネ(Akahane)ら)に記載されるような、ポリカルボン酸、アクリレート又はメタクリレート官能性モノマー、および光開始剤を含む。別の種類のRMGIでは、セメントは、例えば、(特許文献31)(ミトラ(Mitra)ら)、(特許文献27)(カトウ(Kato)ら)、および(特許文献32)(カトウ(Kato)ら)に記載のような、ポリカルボン酸、アクリレート又はメタクリレート官能性モノマー、および、レドックス又は他の化学キュア系を含んでもよい。別の種類のRMGIでは、セメントは、(特許文献33)(エンゲルブレヒト(Engelbrecht))、(特許文献34)(ミトラ(Mitra))、(特許文献35)(ホワン(Huang)ら)、および(特許文献36)(オルロウスキー(Orlowski))に記載されるような、様々なモノマー含有又は樹脂含有構成成分を含んでもよい。RMGIセメントは、好ましくは、粉末/液体、又はペースト/ペースト系として配合され、混合および塗布される時に水を含有する。組成物は、ポリカルボン酸の酸性繰返し単位とガラスから浸出するカチオンとのイオン反応により、暗中で硬化することができ、市販のRMGI製品は、また、典型的には、歯科用キュアリングランプ(dental curing lamp)からの光にセメントを曝露させるとキュアする。レドックスキュア系を含有し、化学線を使用することなく暗中でキュアできるRMGIセメントが、2003年5月8日公開(ミトラ(Mitra)ら)の(特許文献37)に記載されている。
化学重合性組成物は、重合性構成成分(例えば、エチレン性不飽和重合性構成成分など)およびレドックス剤を含むレドックスキュア系を含んでもよい。レドックス剤は、酸化剤と還元剤を含んでもよい。本発明で有用な、好適な重合性構成成分、レドックス剤、任意の酸官能性構成成分、および任意のフィラーは、2003年9月4日公開(ミトラ(Mitra)ら)の(特許文献38)、および2003年10月16日公開(ミトラ(Mitra)ら)の(特許文献39)に記載されている。
還元剤および酸化剤は、互いに反応するか、又はさもなければ協働して、樹脂系(例えば、エチレン性不飽和構成成分)の重合を開始できるフリーラジカルを生成しなければならない。この種のキュアは暗反応である、即ち、光の存在に依存せず、光がなくても進行できる。還元剤および酸化剤は、好ましくは、典型的な歯科条件でそれらの貯蔵および使用が可能になるように、十分な貯蔵安定性があり、望ましくない着色がない。それらは、重合性組成物の他の構成成分中に容易に溶解できる(且つ、重合性組成物の他の構成成分からの分離を妨げる)ように、樹脂系と十分な混和性がなければならない(且つ、好ましくは水溶性でなければならない)。
有用な還元剤には、(特許文献40)(ワン(Wang)ら)に記載されるようなアスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体、およびアスコルビン酸金属錯体化合物;アミン、とりわけ、4−t−ブチルジメチルアニリンなどの三級アミン;p−トルエンスルフィン酸塩およびベンゼンスルフィン酸塩などの芳香族スルフィン酸塩;1−エチル−2−チオ尿素、テトラエチルチオ尿素、テトラメチルチオ尿素、1,1−ジブチルチオ尿素、および1,3−ジブチルチオ尿素などのチオ尿素;並びに、これらの混合物が挙げられる。他の二次的な還元剤には、塩化コバルト(II)、塩化第一鉄、硫酸第一鉄、ヒドラジン、(酸化剤の選択に応じて)ヒドロキシルアミン、亜ジチオン酸アニオン又は亜硫酸アニオンの塩、およびこれらの混合物を挙げてもよい。好ましくは、還元剤はアミンである。
また、好適な酸化剤は当業者に周知であり、以下に限定されないが、過硫酸およびその塩(ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、セシウム塩、およびアルキルアンモニウム塩など)が挙げられる。追加の酸化剤には、過酸化物(ベンゾイルペルオキシドなど)、ハイドロペルオキシド(クミルハイドロペルオキシド、t−ブチルハイドロペルオキシド、およびアミルハイドロペルオキシドなど)、並びに、遷移金属の塩(塩化コバルト(III)および塩化第二鉄、硫酸セリウム(IV))、過ホウ酸およびその塩、過マンガン酸およびその塩、過リン酸およびその塩、並びにこれらの混合物が挙げられる。
2種類以上の酸化剤又は2種類以上の還元剤を使用することが望ましい場合がある。また、レドックスキュアの速度を加速するため、少量の遷移金属化合物を添加してもよい。幾つかの実施形態では、2003年10月16日公開(ミトラ(Mitra)ら)の(特許文献39)に記載されるように、重合性組成物の安定性を向上させるため、二次的なイオン塩を含むことが好ましい場合がある。
還元剤および酸化剤は、適切なフリーラジカル反応速度を可能にするのに十分な量で存在する。任意のフィラーを除く重合性組成物の成分を全て合わせ、硬化した塊が得られるかどうかを観察することによってこれを評価することができる。
好ましくは、還元剤は、重合性組成物の構成成分の総重量(水を含む)を基準にして、少なくとも約0.01重量%、更に好ましくは少なくとも約0.1重量%の量で存在する。好ましくは、還元剤は、重合性組成物の構成成分の総重量(水を含む)を基準にして、約10重量%以下、更に好ましくは約5重量%以下の量で存在する。
好ましくは、酸化剤は、重合性組成物の構成成分の総重量(水を含む)を基準にして、少なくとも約0.01重量%、更に好ましくは少なくとも約0.10重量%の量で存在する。好ましくは、酸化剤は、重合性組成物の構成成分の総重量(水を含む)を基準にして、約10重量%以下、更に好ましくは約5重量%以下の量で存在する。
(特許文献31)(ミトラ(Mitra)ら)に記載されるように還元剤および酸化剤をマイクロカプセル化することができる。これによって、一般に、重合性組成物の貯蔵安定性が向上し、必要に応じて、還元剤および酸化剤を一緒に包装することができる。例えば、封入剤を適切に選択することによって、酸化剤および還元剤を酸官能性構成成分および任意のフィラーと合わせ、貯蔵安定な状態に保持することができる。同様に、非水溶性封入剤を適切に選択することによって、還元剤および酸化剤をFASガラスおよび水と合わせ、貯蔵安定な状態に維持することができる。
レドックスキュア系を他のキュア系と、例えば、グラスアイオノマーセメントと、および(特許文献31)(ミトラ(Mitra)ら)に記載のものなどの光重合性組成物と組み合わせることができる。
レドックスキュア系を使用する硬化性組成物は、2部からなる粉末/液体系、ペースト/液体系、およびペースト/ペースト系を含む様々な形態で供給することができる。それぞれが粉末、液体、ゲル、又はペーストの形態である複数部の組合せ(即ち、2部以上の組合せ)を使用する他の形態も可能である。複数部からなる系では、1部は、典型的には、還元剤を含有し、別の部は、典型的には、酸化剤を含有する。従って、還元剤が系の1部に存在する場合、酸化剤は、典型的には系の別の部に存在する。しかし、マイクロカプセル化技術を使用して、還元剤と酸化剤を系の同じ部で合わせることができる。
また、本発明の硬化性組成物は、フィラーを含有することもできる。フィラーは、歯科修復組成物に現在使用されているフィラーなどの歯科用途に使用される組成物に組み込むのに好適な様々な材料のうちの1つ以上から選択されてもよい。
フィラーは、好ましくは微粉砕されている。フィラーは、単一モード又は複数モード(例えば、2つのモード)の粒度分布を有することができる。好ましくは、フィラーの最大粒度(粒子の最大寸法、典型的には直径)は、約10μm未満、更に好ましくは約2.0μm未満である。好ましくは、フィラーの平均粒度は約3.0μm未満であり、更に好ましくは約0.6μm未満である。
フィラーは、無機材料とすることができる。これはまた、樹脂系に不溶性で、任意に無機フィラーで充填されている架橋された有機材料とすることもできる。いかなる場合でも、フィラーは無毒であり、口内で使用するのに好適でなければならない。フィラーは、放射線不透過性又は放射線透過性とすることができる。また、フィラーは水に実質的に不溶性である。
好適な無機フィラーの例は、以下に限定されないが、石英;窒化物(例えば、窒化ケイ素);例えば、Ce、Sb、Sn、Ba、ZnおよびAlに由来するガラス;長石;ホウケイ酸ガラス;カオリン;タルク;チタニア;(特許文献41)(ランドクレーフ(Randklev))に記載のものなどの低モース硬度のフィラー;および、サブミクロンシリカ粒子(例えば、オハイオ州アクロン、デグサ社(Degussa Corp.,Akron,OH)から商品名エーロシル(AEROSIL)で入手可能なもの(「OX50」、「130」、「150」および「200」シリカを含む)、およびイリノイ州タスコラ、カボット社(Cabot Corp.,Tuscola,IL)製のCAB−O−SIL M5シリカなどの熱分解法シリカ)を含む、天然材料又は合成材料である。好適な有機フィラー粒子の例には、充填されている又は充填されていない微粉状ポリカーボネート、およびポリエポキシドなどが挙げられる。
好ましい非酸反応性フィラー粒子は、石英、サブミクロンシリカ、および、(特許文献42)(ランドクレーフ(Randklev))に記載の種類の非ガラス質微粒子である。有機材料および無機材料から製造されるコンビネーションフィラーと同様に、これらの非酸反応性フィラーの混合物も想到される。
また、フィラーと樹脂との結合を向上させるため、フィラー粒子の表面をカップリング剤で処理することもできる。好適なカップリング剤の使用には、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、およびγ−アミノプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
また、フィラーは、酸反応性フィラーとすることができる。酸反応性フィラーは、典型的には、酸官能性樹脂構成成分と組み合わせて使用され、非反応性フィラーと組み合わせて使用されても、又は非反応性フィラーと組み合わせて使用されなくてもよい。また、必要に応じて、酸反応性フィラーは、フッ化物放出特性を有することもできる。好適な酸反応性フィラーには、金属酸化物、ガラス、および金属塩が挙げられる。好ましい金属酸化物には、酸化バリウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、および、酸化亜鉛が挙げられる。好ましいガラスには、ホウ酸ガラス、リン酸ガラス、およびフルオロアルミノシリケート(「FAS」)ガラスが挙げられる。FASガラスが特に好ましい。FASガラスは、好ましくは、ガラスを硬化性組成物の構成成分と混合すると、硬化した歯科組成物が形成するように、十分な溶離性カチオンを含有する。また、ガラスは、好ましくは、硬化した組成物が抗う蝕性を有するように十分な溶離性フッ化物イオンも含有する。FASガラス製造業者に周知の技術を使用して、フッ化物、アルミナ、および、他のガラス形成成分を含有する溶融物からガラスを製造することができる。FASガラスは、好ましくは、他のセメント構成成分と好都合に混合することができ、得られる混合物が口内で使用されるとき良好に機能するように、十分に微粉砕された粒子の形態である。
好ましくは、FASガラスの平均粒度(典型的には、直径)は、例えば、沈降分析器を使用して測定する場合、約10μm以下、更に好ましくは約5μm以下である。好適なFASガラスは当業者に周知であり、様々な市販の供給源から入手可能であり、多くは、ビトレマー(VITREMER)、ビトレボンド(VITREBOND)、リライXルーティング・セメント(RELY X LUTING CEMENT)、およびケタック−フィル(KETAC−FIL)(ミネソタ州セントポール、3M ESPEデンタル・プロダクツ(3M ESPE Dental Products,St.Paul,MN))、フジII(FUJI II)、GCフジLC(GC FUJI LC)およびフジIX(FUJI IX)(日本、東京、株式会社ジーシー(G−C Dental Industrial Corp.,Tokyo,Japan))、およびケムフィル・スーペリア(CHEMFIL Superior)(ペンシルバニア州ヨーク、デンツプライ・インターナショナル(Dentsply International,York,PA))の商品名で市販されているものなどの、現在入手可能なグラスアイオノマーセメント中に見出される。必要に応じて、フィラーの混合物を使用することができる。
FASガラスに、任意に表面処理を施すことができる。好適な表面処理には、以下に限定されないが、酸洗浄(例えば、リン酸を用いる処理)、ホスフェートを用いる処理、酒石酸などのキレート剤を用いる処理、および、シラン、又は、酸性若しくは塩基性シラノール溶液を用いる処理が挙げられる。望ましくは、処理溶液又は処理されたガラスのpHは中性又は中性付近に調節されるが、それは、これによって硬化性組成物の貯蔵安定性を増大できるからである。
ある組成物では、酸反応性および非酸反応性フィラーの混合物を同じ部又は異なる部のいずれかで使用することができる。
他の好適なフィラーは、(特許文献43)(チャン(Zhang)ら)、並びに、(特許文献44)(ウー(Wu)ら)、(特許文献45)(チャン(Zhang)ら)、(特許文献46)(ウィンディッシュ(Windisch)ら)、(特許文献47)(チャン(Zhang)ら)に開示されている。他の好適なフィラーは、これらの公開に引用されている参考文献に記載されている。
(特許文献48)(ブレッチャー(Bretscher)ら)は、フリーラジカル重合性組成物、カチオン重合性組成物、およびフリーラジカル重合性構成成分とカチオン重合性構成成分の両方を備えるハイブリッド組成物に使用できる多数の放射線不透過フィラーを開示している。それらは、カチオン重合性組成物に使用するのに特に好都合である。このようなフィラーの1つは、酸化アルミニウム5〜25重量%、酸化ホウ素10〜35重量%、酸化ランタン15〜50重量%、および酸化ケイ素20〜50重量%を含む溶融物由来のフィラーである。別のフィラーは、酸化アルミニウム10〜30重量%、酸化ホウ素10〜40重量%、酸化ケイ素20〜50重量%、および酸化タンタル15〜40重量%を含む、溶融物由来のフィラーである。第3のフィラーは、酸化アルミニウム5〜30重量%、酸化ホウ素5〜40重量%、酸化ランタン0〜15重量%、酸化ケイ素25〜55重量%、および酸化亜鉛10〜40重量%を含む、溶融物由来のフィラーである。第4のフィラーは、酸化アルミニウム15〜30重量%、酸化ホウ素15〜30重量%、酸化ケイ素20〜50重量%、および酸化イッテルビウム15〜40重量%を含む、溶融物由来のフィラーである。第5のフィラーは、ゾル−ゲル法によって調製された非ガラス質微粒子の形態であり、ゾル−ゲル法で、非晶質酸化ケイ素の水性又は有機分散体又はゾルが、放射線不透過金属酸化物又は前駆体有機又は無機化合物の、水性又は有機分散体、ゾル、又は溶液と混合される。第6のフィラーは、ゾル−ゲル法によって調製された非ガラス質微粒子の形態であり、ゾル−ゲル法で、非晶質酸化ケイ素の水性又は有機分散体又はゾルが、放射線不透過金属酸化物又は前駆体有機又は無機化合物の、水性又は有機分散体、ゾル又は溶液と混合される。
本発明の組成物は、任意に水を含有することができる。水は蒸留水、脱イオン水、又は単なる水道水とすることができる。一般に、脱イオン水が好ましい。
存在する場合、水の量は、十分な操作性と混合特性を提供し、イオンの輸送、特に、フィラー−酸反応における輸送を可能にするのに十分でなければならない。好ましくは、水は、硬化性組成物を形成するのに使用される成分の総重量の少なくとも約1重量%、更に好ましくは少なくとも約5重量%である。好ましくは、水は、硬化性組成物を形成するのに使用される成分の総重量の約75重量%以下、更に好ましくは約50重量%以下である。
任意に、硬化性組成物は、また、溶媒(例えば、アルコール)、又は、水以外の希釈剤を含有してもよい。これらの補助溶媒(cosolvents)は、少なくとも部分的に水と混和性があり、例えば、テトラヒドロフラン、アセトン、ジオキサン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、エタノール、メタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、およびプロピレングリコールが挙げられる。
補助溶媒の量は、組成物構成成分の十分な溶解と反応性を提供するのに十分でなければならない。好ましくは、補助溶媒は、硬化性組成物を形成するのに使用される成分の総重量の少なくとも約1重量%、更に好ましくは少なくとも約5重量%である。好ましくは、補助溶媒は、硬化性組成物を形成するのに使用される成分の総重量の約75重量%以下、更に好ましくは約50重量%以下である。
必要に応じて、本発明の硬化性組成物は、顔料、阻害剤、促進剤、粘度調整剤、界面活性剤、および、当業者に明らかな他の成分などの添加剤を含有することができる。更に、(治療用酵素以外の)薬剤を歯科組成物に任意に添加することができる。例としては、歯科組成物中に使用されることが多い種類の抗炎症剤、抗微生物剤、およびホワイトニング剤などが挙げられる。過度の実験をすることなく所望の結果が達成されるように、当業者は、このような添加剤の選択および量を選択することができる。
慣用的な混合技術を使用して治療用酵素を重合性構成成分と合わせることにより、本発明の硬化性歯科組成物を調製することができる。得られる組成物は、任意に、フィラー、水、補助溶媒、および本明細書に記載の他の添加剤を含有してもよい。幾つかの実施形態では、本明細書に記載のように、酵素基質を組成物に添加してもよい。使用する際、組成物は、光開始剤を含有し、光開始で硬化されてもよいか、又は、組成物がフリーラジカル開始剤系を含有するレドックスキュア系(例えば、酸化剤および還元剤を含む)などの化学重合で硬化されてもよい。或いは、硬化性組成物は、組成物が光重合性と化学重合性の両方の組成物であり得るように、異なる開始剤系を含有してもよい。
本発明の硬化性組成物は、1部からなる系および複数部からなる系(例えば、2部からなる粉末/液体系、ペースト/液体系、およびペースト/ペースト系)を含む、様々な形態で供給することができる。それぞれが粉末、液体、ゲル、又はペーストの形態である複数部の組合せ(即ち、2部以上の組合せ)を使用する他の形態も可能である。複数部からなるレドックス系では、1部は、典型的には酸化剤を含有し、別の部は、典型的には還元剤を含有する。酵素基質を含有し複数部からなる系では、1部は、典型的には治療用酵素を含有し、別の部は、典型的には酵素基質を含有する。
後述のように、組成物の内容物が包装されるキットに硬化性組成物の構成成分を含めることができ、必要とされるまで構成成分の貯蔵が可能である。
硬化性組成物の構成成分は、歯科組成物として使用されるとき、慣用的な技術を使用して混合し、臨床で塗布することができる。光重合性組成物の開始に、一般にキュアリングライトが必要とされる。組成物は、象牙質および/又はエナメル質に非常によく接着するコンポジット又は修復材の形態とすることができる。任意に、硬化性組成物が使用される歯牙組織にプライマー層を使用することができる。また、例えば、FASガラス又は他のフッ化物放出材料を含有する組成物は、非常に良好な長期フッ化物放出を提供することもできる。本発明の幾つかの実施形態は、光又は他のキュア用外部エネルギーを適用することなく塊状にキュアすることができ、前処理を必要とせず、改善された曲げ強さを含む改善された物理的特性を有し、抗う蝕効果のためフッ化物を多く放出するグラスアイオノマーセメント又は接着剤を提供してもよい。
本発明の組成物は、充填されていても、又は充填されていなくてもよい様々な歯科材料の形態で使用されるように特によく調製される。それらは、歯に隣接して分配された(即ち、歯科材料を歯と一時的に又は永久に結合する又は触れる状態で接触して配置した)後でキュアされる、少量充填されているコンポジット(組成物の総重量を基準にして最大約25重量%までのフィラー)、又は、充填されていない組成物である、シーラント又は接着剤に使用することができる。それらは、典型的には充填された組成物(好ましくは、約25重量%より多く、約60重量%までのフィラーを含有する)であるセメントに使用することができる。それらは、歯に隣接して配置された後で重合されるコンポジット(充填材など)を含む修復材に使用することもできる。それらは、また、最終用途(例えば、歯冠、ブリッジ、ベニア、インレー、又はアンレーなど)のため、歯に隣接して配置される前に成形および重合される補綴物に使用することもできる。歯科医又は他の使用者は、このような予備形成された物品を注文にぴったり合う形状に研磨又はその他の方法で形成することができる。硬化した歯科材料は、重合性材料から調製される様々な材料のいずれかとすることができるが、好ましくは、硬化した歯科材料は、表面前処理材(例えば、エッチング剤、プライマー、結合剤)ではない。むしろ、好ましくは、硬化した歯科材料は、修復材(例えば、コンポジット、充填材、又は補綴物)、セメント、シーラント、コーティング、又は歯科矯正用接着剤である。
組成物は、慣用的な光キュア性セメントのキュアの達成が困難な場合がある臨床用途に有用である。このような用途には、以下に限定されないが、深部修復、大きい歯冠の形成(large crown build−ups)、歯内修復、歯科矯正ブラケット(例えば、ペースト部分をブラケットに予め塗布することができ、液体部分を後で歯にはけ塗りすることができる、予めコーティングされるブラケットを含む)、バンド、バッカルチューブ、および、他のデバイスの装着、金属歯冠又は他の光不透過性補綴デバイスの歯への合着、並びに、口内のアクセス不可能な領域における他の修復用途が挙げられる。
被験者の口内に長時間(例えば、少なくとも1日間、或いは少なくとも7日間、幾つかの実施形態では少なくとも30日間、しばしば少なくとも90日間)、治療用酵素を提供するのに、前述の歯科材料の形態又は代替の形態の硬化性歯科組成物を使用することができる。治療用酵素および使用される任意添加剤に応じて、様々な望ましい最終用途の結果を達成することができる。例としては、口内で水、酸素、およびグルコースの反応を触媒し、それによって抗菌剤を放出するグルコースオキシダーゼ;および、口腔プラークおよび唾液中で有害な炭水化物、蛋白質、脂質、および/又は殺菌基質の分解を触媒するヒドロラーゼ酵素(例えば、韓国ソウル、リフェンザ(Lifenza,Seoul,Korea)製のDXAMアーゼなど)の使用が挙げられる。
本発明の目的および利点を以下の実施例で更に説明するが、これらの実施例で引用される特定の材料および量、並びに他の条件および詳細は、本発明を不当に限定するものと見なされるべきではない。別途明記されなければ、部およびパーセンテージは全て、重量を基準にしており、水は全て脱イオン水であり、分子量は全て重量平均分子量である。
試験方法
酵素活性検定
第1の容器にグルコース−S(0.05ml)および水(0.95ml)の溶液を加え、第2の容器(対照)に水(1ml)を加えた。ペルオキシダーゼ−S(2ml)のサンプルを各容器に加え、内容物を十分に混合した。硬化した組成物中にGOxを含有するサンプルディスクを各容器中の溶液に加え、正確な時間を記録した。容器を37℃のオーブン中に30分入れ、ディスクを取り出し、12規定(12N)の硫酸(2.0ml)を加えた。分光光度計(HP 8452Aダイオードアレイ分光光度計)を使用し、各容器中の溶液の吸光度を523〜532ナノメートル(nm)の波長範囲のピークで測定した。(この波長範囲は、酸化o−ジアニシジンの吸光範囲であり、酸化o−ジアニシジンは、水と酸素の存在下でグルコースとGOxとの反応による副生成物として存在する過酸化水素の存在下でo−ジアニシジンから生成される。)吸光度の値は、GOx1グラム当りの吸光度単位(AU)として報告され、値が高いほど酵素活性のレベルが大きいことを示す。また、結果は、実施例(グルコース有り)の吸光度の値から対照例(グルコースなし)の吸光度の値を引いたものに等しい相対活性としても報告する。
酵素活性検定
第1の容器にグルコース−S(0.05ml)および水(0.95ml)の溶液を加え、第2の容器(対照)に水(1ml)を加えた。ペルオキシダーゼ−S(2ml)のサンプルを各容器に加え、内容物を十分に混合した。硬化した組成物中にGOxを含有するサンプルディスクを各容器中の溶液に加え、正確な時間を記録した。容器を37℃のオーブン中に30分入れ、ディスクを取り出し、12規定(12N)の硫酸(2.0ml)を加えた。分光光度計(HP 8452Aダイオードアレイ分光光度計)を使用し、各容器中の溶液の吸光度を523〜532ナノメートル(nm)の波長範囲のピークで測定した。(この波長範囲は、酸化o−ジアニシジンの吸光範囲であり、酸化o−ジアニシジンは、水と酸素の存在下でグルコースとGOxとの反応による副生成物として存在する過酸化水素の存在下でo−ジアニシジンから生成される。)吸光度の値は、GOx1グラム当りの吸光度単位(AU)として報告され、値が高いほど酵素活性のレベルが大きいことを示す。また、結果は、実施例(グルコース有り)の吸光度の値から対照例(グルコースなし)の吸光度の値を引いたものに等しい相対活性としても報告する。
実施例1〜7
室温(約23℃)でGOxを様々な硬化性組成物と混合することにより、一連の材料(実施例1〜7)を調製した。GOxの量、および、使用する組成物の識別および量を表1に列記する。ビトレマー(VITREMER)(液体の部と粉末の部を含有する2部からなる系)の場合、一例(実施例5)は、GOxをまず液体の部と混合した後、粉末の部と合わせることによって調製したが、別の実施例(実施例6)は、GOxをまず粉末の部と混合した後、液体の部と合わせることによって調製した。両方の場合とも、液体対粉末の重量比は、1.6であった。2つの固体ディスクサンプルは、得られた各混合組成物から以下のように調製した。
室温(約23℃)でGOxを様々な硬化性組成物と混合することにより、一連の材料(実施例1〜7)を調製した。GOxの量、および、使用する組成物の識別および量を表1に列記する。ビトレマー(VITREMER)(液体の部と粉末の部を含有する2部からなる系)の場合、一例(実施例5)は、GOxをまず液体の部と混合した後、粉末の部と合わせることによって調製したが、別の実施例(実施例6)は、GOxをまず粉末の部と混合した後、液体の部と合わせることによって調製した。両方の場合とも、液体対粉末の重量比は、1.6であった。2つの固体ディスクサンプルは、得られた各混合組成物から以下のように調製した。
光キュアされる組成物(ビトレマー(VITREMER)を除く、全ての組成物)では、混合組成物のサンプルを鋼製金型のディスク形のキャビティ(直径5.1センチメートル(cm)×厚さ1ミリメートル(mm))に入れ、歯科用キュアリングライトで2分間キュアし、得られる硬質のディスクを金型から取り出した。キュア前後のサンプルの重量を記録した。
ビトレマー(VITREMER)組成物では、混合した組成物のサンプル(混合時間、約40秒)をディスク形のキャビティに入れ、室温で3〜4分間自己キュアさせ、得られる硬質のディスクを金型から取り出した。キュア前後のサンプルの重量を記録した。
実施例1〜7の評価および結果
本明細書に記載の酵素活性検定試験方法に従って、硬化したディスク(実施例1〜7)の酵素活性を評価した。評価の結果を表1に記載し、対応する対照サンプル(グルコースを添加していない)の結果と比較する。
本明細書に記載の酵素活性検定試験方法に従って、硬化したディスク(実施例1〜7)の酵素活性を評価した。評価の結果を表1に記載し、対応する対照サンプル(グルコースを添加していない)の結果と比較する。
表1の結果から、酵素活性は歯科矯正用接着剤(「セスナ(CESSNA)」およびATC II)および歯科修復材(フィルテック(FILTEK))で最大であったことが分かる。
実施例8
1mgのペプシン(シグマ(Sigma)製)を市販の標準的なグラスアイオノマーセメント、ケタック・モラー(Ketac Molar)(ドイツ、ゼーフェルト、3M ESPE(3M ESPE,Seefeld,Germany)製)の粉末構成成分1gに加え、その後、混合物を完全に混合した。ケタック・モラー(Ketac Molar)の使用説明書に従って、ペプシンを含むケタック・モラーと、ペプシンを含まないケタック・モラーを各1g、24xマイクロタイタープレート中で硬化させた。
1mgのペプシン(シグマ(Sigma)製)を市販の標準的なグラスアイオノマーセメント、ケタック・モラー(Ketac Molar)(ドイツ、ゼーフェルト、3M ESPE(3M ESPE,Seefeld,Germany)製)の粉末構成成分1gに加え、その後、混合物を完全に混合した。ケタック・モラー(Ketac Molar)の使用説明書に従って、ペプシンを含むケタック・モラーと、ペプシンを含まないケタック・モラーを各1g、24xマイクロタイタープレート中で硬化させた。
まず、25マイクログラム(μg)の蛍光標識カゼイン(モレキュラー・プローブス(Molecular Probes)製)を含有するリン酸水素二ナトリウム緩衝剤(50nM、pH7.0)0.5mlでサンプルをコーティングした。30分後、残りの溶液を点眼器で蛍光容器に移し、480nmの励起および510nmの発光で蛍光を測定した。蛍光の顕著な増加を測定することはできず、これによって、ペプシンがこの生理的pH(7.0)で触媒活性を示さないことが分かる。
第2の実験では、25μgの蛍光標識カゼイン(モレキュラー・プローブス(Molecular Probes)製)を含有する乳酸溶液(2mM、pH3.8)0.5mlで、ペプシンを含むケタック・モラーサンプルと、ペプシンを含まないケタック・モラーサンプルをコーティングした。30分後、残りの溶液を点眼器で蛍光容器に移し、480nmの励起および510nmの発光で蛍光を測定した。ペプシンを含まないケタック・モラーサンプルは蛍光の顕著な増加を示さなかったが、ペプシンを含むケタック・モラーサンプルは顕著な蛍光増加を示した。pHが3.8に変化したことによって、ペプシンの触媒活性が誘発された。
オランダ、ライデン、モレキュラー・プローブス(Molecular Probes,Leiden,Netherlands)から市販されているライブ/デッド・バックライト・バクテリアル・バイアビリティ・キット(LIVE/DEAD BacLight Bbacterial Viability Kit)を使用して、ケタック・モラー中のペプシンの殺菌効果を証明した。これは、ペプシンを含むケタック・モラーサンプルと、ペプシンを含まないケタック・モラーサンプルにパラカセイ菌(lactobacillus paracasei)培養溶液を1滴加えることによって実証された。蛍光顕微鏡(ツァイス・アクシオプラン2(Zeiss Axioplan 2))下での検査により、ペプシンを含むケタック・モラーサンプルの生存細菌は、ペプシンを含まないケタック・モラーサンプルの生存細菌より最大85%少ないことが分かった。
本発明に対する様々な修正および変更は、本発明の範囲および趣旨を逸脱することなく当業者に明らかである。本発明は、本明細書に記載の例示的な実施形態および実施例によって不当に限定されるものではなく、このような実施例および実施形態は、以下のように本明細書に記載される特許請求の範囲によってのみ限定されるものとする、本発明の範囲に関する例証としてのみ表される。
Claims (13)
- 重合性構成成分、および前記重合性構成成分中に混合される治療用酵素を含む硬化性歯科組成物であって、前記重合性構成成分は、硬化すると、中に治療用酵素が混合されている硬化した歯科材料を形成し、前記酵素が中に混合されている前記硬化した歯科材料が、少なくとも1日間被験者の口内で唾液と接触する、硬化性歯科組成物。
- 前記酵素が中に混合されている前記硬化した歯科材料が少なくとも7日間被験者の口内で唾液と接触する、請求項1に記載の硬化性歯科組成物。
- 酵素基質を更に含む、請求項1又は2に記載の硬化性歯科組成物。
- 前記酵素がオキシドレダクターゼである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の硬化性歯科組成物。
- 前記酵素がヒドロラーゼである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の硬化性歯科組成物。
- 前記組成物が光重合性である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の硬化性歯科組成物。
- 前記重合性構成成分が、エポキシ樹脂、ビニルエーテル樹脂、エチレン性不飽和化合物、およびこれらの組合せからなる群から選択される、請求項6に記載の硬化性歯科組成物。
- 前記組成物が化学重合性である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の硬化性歯科組成物。
- 前記重合性構成成分が、エチレン性不飽和化合物、グラスアイオノマーセメント、又はこれらの組合せを含む、請求項8に記載の硬化性歯科組成物。
- 少なくとも1日間、被験者の口内で唾液と接触した状態を維持できる、前記酵素が中に混合されている硬化した材料を調製するための、請求項1〜9に記載の組成物のいずれかの使用。
- 被験者の口内における唾液との接触が、少なくとも7日間維持される、請求項10に記載の使用。
- 前記硬化した組成物が、歯科修復材、シーラント、セメント、コーティング、又は歯科矯正用接着剤である、請求項10又は11に記載の使用。
- 修復材、シーラント、セメント、コーティング、又は歯科矯正用接着剤を調製するための、請求項1〜9のいずれか1項に記載の硬化性歯科組成物の使用。
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