JP2006513701A - 核酸ベースのシグナルトランスデューサーを含む立体構造的に敏感なプローブを有する標的検出システム - Google Patents

核酸ベースのシグナルトランスデューサーを含む立体構造的に敏感なプローブを有する標的検出システム Download PDF

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Abstract

本発明は、試料内で少なくとも一つの標的因子を検出するシステムに関するもので、該システムは、一般的に、標的因子の存在が、プローブ立体構造の検出可能な変化と関連づけられるように考案された少なくとも一つのプローブを含む。該プローブは好ましくは、前記標的因子と前記プローブとの連合を、あるハイブリダイゼーション状態から他のハイブリダイゼーション状態に検出可能に転換することによって報知する、立体構造的に反応するシグナルトランスデューサーを含む。本発明は、生物学的、産業的、そして環境的試料において標的因子を迅速に検出するための用途を含む重要な用途に広く活用することができる。

Description

発明の詳細な説明
本出願に対する相互参照
本願出願は、本願出願と同じ発明の名称を有する、2002年10月11日にジョン・クンホとファン・ヒョンジンにより出願された米国仮出願番号60/417,864より優先権が主張されており、その内容を本明細書に組み込む。
技術分野
本発明は、一般的に試料内で少なくとも一つの標的因子(target agent)を検出するためのシステムに関する。該システムは、標的因子の存在が、プローブの立体構造(probe conformation)の変化と関連づけられるように考案されたプローブを含む。典型的なプローブは、標的因子とプローブとの連合(association)を、あるハイブリダイゼーション状態(hybridization state)から他のハイブリダイゼーション状態へ検出可能な方式で変化させることによって報知する核酸ベースのシグナルトランスデューサー(nucleic acid based signal transducer)を含む。本発明は、生物学的、製薬的、産業的、または環境的試料において広範囲な種類の標的因子を検出するための用途を含む重要な用途を有する。
背景技術
“プローブ(probe)”という用語は、適合したシグナル発生システムと結合された標的認識要素(target recognition element)を含む構成物のことを言う。あるプローブは、認識要素(recognition element)と特異的に相互作用する生物学的または化学的標的因子を検出するために使用される。このようなプローブはしばしば実時間で標的因子を検査できるように、可逆的且つ連続的に作動するように考案される。
近来、化学、生物学、医学、製薬、産業及び環境監視、治安、及びその他の分野で使用するための多種多様なプローブを開発しようとする努力がなされてきている(Lakowicz,J.R.(1994);Leiner,M.J.P. and Hartmann,P.(1993);Aizawa,M.(1995)参照)。あるプローブでは、多種多様な生物学的且つ化学的物質が認識要素として使用される。例えば、抗原-抗体相互作用、酵素-基質相互作用、そして受容体-リガンド相互作用が全て提案されたことがある。合成または半合成相互作用もまた、認識要素を開発する基盤とされることが知られたことがある(例えば、クラウンエーテル(crown ether)及びカリックスアーレン(calixaren)と他の分子またはイオンとの会合。その例に、Shinbo,T.等による米国特許4,942,149及びLeiner,M.J.P.等による米国特許5,952,491を参照されたい。
既知の認識要素を、プローブベースの標的認識方式の開発のための基礎としようとする努力がなされてきた。このような方式に使用されるプローブは、ラベルされた(labeled)プローブとラベルされていない(unlabeled)プローブとに分けられる。
ラベルされていないプローブは、複雑な検出方式が必要な上に、時には煩わしいプローブ固定化を必要とするものと知られている。例えば、表面プラズモン共鳴技術(surface plasmon resonance、SPR)(Liedberg,B.et al.(1995);Taremi,S.S. and Prosise,W.W. U.S.Pat.No.5,981,167)、エバネッセント-フィールド技術(evanescent-field technique)(Sutherland,R.M.et al.(1984);Hirschfeld,T.E. U.S.Pat.No.4,447,546)、水晶発振子マイクロバランス技術(quartz crystal microbalance technique)(Carter,R.M.et al.(1995);Ebersole,R.C.et al. U.S.Pat.No.5,658,732.)、そして飛行時間型質量分析技術(TOF mass spectrometry)(Griffin,T.J.et al.(1999))が報告されたことがある。これらの例では、複雑な機器装置が、標的因子とラベルされていないプローブとの結合を検出するシグナルトランスデューサー(signal transducer)の役割をする。
他の類型のプローブでは、検出可能なラベルがプローブの構成成分として含まれている。例えば、このような類型のプローブは、標的因子とプローブ内部に在る認識要素との相互作用を表示するように考案されることができる。広く知られたシグナル発生技術であるELISA技術(Van Vunakis H.(1980);Hampar,B.et al. U.S.Pat.No.4,764,459)では、標的抗原(または、抗体)と固定化したプローブ抗体(または、抗原)との結合に反応して増幅されたシグナルを生成すべく、酵素でラベルされた抗体を利用する。核酸ハイブリダイゼーションプローブ(Caskey,C.T. and Gibbs,R.A.L. U.S.Pat.No.5,578,458;Chehab,F.F. U.S.Pat.No.5,489,507;Lucas,J.N.et al. U.S.Pat.No.5,616,465)では、標的核酸配列を検出すべく、蛍光ラベルされたオリゴヌクレオチド(oligonucleotide)を利用する。
また、望む標的因子とプローブの認識要素との相互作用を、検出可能な立体構造的変化(detectable conformation change)によりシグナル化するプローブを開発するための努力がなされてきた。例えば、米国特許第5,925,517号は、標的核酸配列の検出のために光を生成する相互作用性ラベル対を有する二元性立体構造核酸ハイブリダイゼーションプローブ(dual conformation nucleic acid hybridization probe)について開示している。開示された如く、標的核酸配列が存在しないときには、ラベル対が相互に近接している位置(“オフ(off)”状態))にあり、一方、プローブが標的核酸配列と結合すると、プローブは、ラベル対が相互に離れている状態(“オン(on)”状態))となるように立体構造(conformation)を変化させる。
標的受容体を検出するために、リガンドが接合された消光体と蛍光性高分子の複合体を利用したシステムを含む他のプローブシステムも報告されたことがある(参照:Chen,L.et al.(1999);Whitten,D.G.et al.PCT Pub.No.WO 01/85997 A1)。
それ以外の種類のプローブも報告されたことがある(参照:Comoglio,S. and Celada,F.(1976);Gonnelli,M.et al.(1981);Henderson,D.R. U.S Pat.No.4,708,929)。
しかしながら、先行開発されたプローブとプローブベースの検出方式は、多くの欠点を抱えていた。例えば、大部分のプローブは、核酸またはこれと関連する標的を検出するように特異的に構成されている。アミノ酸配列(例えば、ポリペプチド、リガンド受容体、抗体及び酵素)及び合成分子(例えば、クラウンエーテル(crown ether)、ダイオキシン(dioxin)等)のような他の主要標的は、このような方式では検出しにくい。また、大部分の二元性立体構造プローブ(dual conformation probe)は、相互作用性ラベル対、すなわち、検出可能なシグナルを生成するために相互に可逆的連合が必要なラベルを使用するように限定されている。しかしながら、このようなプローブは、不幸なことにも他の種類のラベルと共に容易に使用できず、プローブの設計と検出方式の選択において制限がある。しかも、報告された多くの二元性立体構造プローブは、その単一形態的な特性によって、検出方式が、分子内立体構造的変化を利用する方式に局限される。すなわち、このようなプローブは、二つまたはそれ以上の独立したプローブ間の分子間立体構造的変化を表示するように考案されたものでない。これら欠点を含めた諸欠点は、多種の標的因子を再現可能・敏感・低コストの方法で検出することを不可能にする。
発明の開示
本発明は、一般的に試料内で少なくとも一つの標的因子を検出するためのシステムに関する。一側面において、本発明のシステムは、試料内の標的因子の存在が、プローブ(probe)の立体構造(conformation)の検出可能な変化と関連づけられるように考案された少なくとも一つのプローブを含む。本発明のプローブは、標的因子とプローブとの連合(association)を、あるハイブリダイゼーション状態(hybridization state)から他のハイブリダイゼーション状態に検出可能に変化することによって報知する核酸ベースのシグナルトランスデューサー(nucleic acid based signal transducer)を含む。本発明は、生物学的、産業的、または環境的に関心の対象となる様々な試料において標的因子を検出することを含む、極めて広い範囲にわたる重要な用途を有する。
本発明に係る典型的なプローブは、作動可能に連結された構成成分として:(1)絶対的ではないが典型的に、1または2対の相補的な核酸配列、及び(2)少なくとも一つの検出可能なラベルを含む、立体構造的に敏感な核酸ベースのシグナルトランスデューサーを含む。一実施の形態において、該シグナルトランスデューサーは、望む標的因子が存在していないアッセイ条件下において“オフ”ハイブリダイゼーション状態にあるが、試料内に標的因子が存在すると、“オン”ハイブリダイゼーション状態へ立体構造的に変化するようになる。後述するが、本発明の核酸ベースのシグナルトランスデューサーは、多様な範囲の検出方式と共に使用されることができ、先行開発されたいずれのラベル法にも限定されない。
本発明のより特定のプローブは、作動可能に連結された構成成分としてさらに:(3)上記の相補的核酸配列のうち少なくとも一つ(例えば、1対または2対、好ましくは1対の相補的核酸配列)と好ましくは連合している少なくとも一つの標的因子認識要素を含む。該認識要素は、1または2対の前記核酸配列と直接または間接的に好適に連結されている。特定プローブ認識要素は、望む標的因子のうち少なくとも一つに対して、一つまたはそれ以上の相互作用部位を提供するように好適に構成されている。このような認識要素は、プローブ、特に核酸ベースのシグナルトランスデューサーの内部または近傍に位置することによって、標的因子が認識要素と連合して存在するときに、このシグナルトランスデューサーがその立体構造を変えるようにするか、または変えるように促す。
典型的に、標的因子と認識要素との相互作用は、核酸ベースのシグナルトランスデューサーに伝えられる不安定化力(destabilizing force)を促進させ、結果として、シグナルトランスデューサーが“オフ”ハイブリダイゼーション状態(標的因子が存在しない状態)から“オン”ハイブリダイゼーション状態(標的因子が存在する状態)へその立体構造を変えるようにする。シグナルトランスデューサーが全体的にまたは部分的に核酸配列を含んでいる実施形態において、不安定化力は、より具体的に“核酸ハイブリダイゼーション不安定化力(nucleic acid hybridization destabilizing force)”を意味する。しかしながら、一部の実施形態では、標的因子と認識要素との相互作用により、核酸ベースのシグナルトランスデューサーが既に特徴として持っていた核酸ハイブリダイゼーション不安定化力が減少または除去されることもある。この場合には、不安定化力の減少や除去により、シグナルトランスデューサーが“オフ”ハイブリダイゼーション状態から“オン”ハイブリダイゼーション状態へ立体構造を変化する。本発明によるプローブは、多種多様なの標的因子との相互作用、例えば、標的因子とプローブとの連合により直接的にまたは間接的に発生する立体障害(steric hindrance)、疏水性(hydrophobic)、親水性(hydrophilic)、または電荷-電荷間(charge-charge)斥力(repulsion)に起因する相互作用を、容易に検出可能なシグナルトランスデューサーシグナルに転換するのに特に極めて適している。標的因子、プローブ、またはこれら両者と連合する2次的な分子により全的にまたは部分的に生成される相互作用力もまた、本発明の標的因子検出システムにより考案されて検出されることができる。受容体-リガンド(receptor-ligand)、抗体-抗原(antibody-antigen)、酵素-基質(enzyme-substrate)対のように特異的に相互作用する対を形成する標的因子が例として含まれるが、これに限定されない。
本発明によるより具体的な認識要素は、プローブ、特に核酸ベースのシグナルトランスデューサーから必要に応じて分離されていても良い。一実施の形態において、このようなシグナルトランスデューサーは少なくとも1個、好ましくは5個以下、そして典型的には1個または2個の連結子(adaptor)を含むが、この連結子は、標的因子との相互作用により認識要素の実質的な全体または少なくとも一部分がプローブから放出されるようにする目的のために含まれている。この目的の代わりに、またはこの目的に加えて、連結子は、プローブを他のプローブ、または他のプローブ構成成分に連結させる目的のために使用されることがあるが、ここで、他のプローブ構成成分は、少なくとも一つの標的因子に必要に応じて結合されている他の認識要素の少なくとも一部を含む。このように認識要素を必要に応じて分離しうる特徴は、種々の長所を提供するだけでなく、本発明の検出システムの有用性を相当広げる。
例えば、認識要素がプローブから分離されない実施形態において、標的因子の認識要素に対する相互作用は、一般的にプローブ、特に核酸ベースのシグナルトランスデューサーに伝えられる相互作用力(すなわち、核酸ハイブリダイゼーション不安定化力)を発生させる。このような実施形態において、標的因子との相互作用により、シグナルトランスデューサーは立体構造を“オフ”ハイブリダイゼーション状態から“オン”ハイブリダイゼーション状態へ変化させるようになる。このようなプローブを、本明細書では“親和性(affinity)”プローブと言う。
しかしながら、プローブが少なくとも一つの連結子を含む認識要素を有する実施形態では、認識要素が標的因子との相互作用により非可逆的にまたは可逆的に、そして連合した標的因子と共にまたは単独で、プローブから切断(分離)されることができる。プローブが、このような切断可能な連結子(cleavable adaptor)と、この連結子に連合する少なくとも一つの標的因子とを含む実施形態では、プローブからの認識要素の分離が、核酸ベースのシグナルトランスデューサーの立体構造を“オフ”ハイブリダイゼーション状態から“オン”ハイブリダイゼーション状態へ検出可能に変化させる。このようなプローブを、本明細書では“切断性(cleavage)”反応プローブと言う。この実施形態において、標的因子は、“反応誘発因子(reaction inducing agent)”またはこれに類似する言葉で表現される。
さらに他の実施形態において、プローブ連結子(probe adaptor)は、本明細書で不安定化因子と呼ばれるものと好ましくは連合している他の分子(以下、“反応基(reaction group)”とも言う。)と特異的に結合するように構成されている。例えば、仮に、ある特定の連結子が、標的因子(以下、“反応誘発因子”とも言う。)との相互作用により可逆的にまたは非可逆的に反応基をシグナルトランスデューサーと連結させるために使用される場合、このようなプローブは、“第I型”または“第II型”連結性プローブ(Type I or Type II coupling probe)と呼ばれる。このようなプローブに対する不安定化因子の連合(association)は、シグナルトランスデューサーに検出可能な立体構造的変化を誘発させる。しかしながら、他の実施形態では、反応誘発因子の存在によりプローブ連結子の少なくとも一部分が、低反応的または無反応的となり、結果として反応基との連結を減少させたり遮断させるように構成されている。この類型のプローブは、本明細書中で“第II(−)型”連結性プローブ(Type II(−) coupling probe)と呼ばれる。このようなプローブ類型を分類する基準についての詳細は後述される。
本発明は、望む連結反応を好ましくは誘発したり触媒する“反応誘発因子”と言われるものを利用する場合を含めて多様な連結方式と完全に互換可能である。ある特定の反応誘発因子は、一般的に関心の対象となる標的因子である。大部分の場合において、標的因子は反応基を持っておらず、一般的にプローブに直接連結される。しかしながら、自体的に反応基を含むか、反応基を含むように作製可能な標的因子を使用する場合も、本発明の標的検出システムの適用範囲に含まれる。より一般的に、このような実施形態における望む標的因子と反応基との相互作用は、反応基をもっている標的因子にのみ限定されるわけではない。すなわち、必要に応じて標的因子は反応基を介してプローブに直接または間接的に連結されても良い。
本発明は、多種多様なの検出方式において使用されることができ、容易に変形可能なプローブを提供することを目的とする。したがって、本発明の核酸ベースのシグナルトランスデューサーの“オフ”と“オン”ハイブリダイゼーション状態が、ある特定のプローブの構造や立体構造と関連づけられるように意図したものでないと強調することは重要である。より具体的に、核酸ベースのシグナルトランスデューサーが、標的因子が存在しないことを表す“オフ”状態である場合、シグナルトランスデューサーは、相異なる(一般的に、2種類の)立体構造のうち、好ましくは実質的に一つの立体構造を好む確率分布を有することになる。核酸ベースのシグナルトランスデューサーが、標的因子が存在することを表す“オン”状態である場合、シグナルトランスデューサーは、他の確率分布に、好ましくは実質的に他の立体構造を好む方向に、検出可能に立体構造的に変化する。特定検出方式の選択は、本発明の使用者らが理解できる様々な変数によって決定されるが、この変数は、検出する標的因子、ラベル方式、選択された特定認識要素、採用されたアッセイ条件、及びこれと関連する考慮点を含む。
標的因子の存在有無によって実質的に二本鎖の構造(二重体)または一本鎖の構造となるシグナルトランスデューサーを使用する実施形態において、後述する非競合的方式のシグナルトランスデューサーが典型的に使用される。さらに、“オフ”ハイブリダイゼーション状態で“実質的に”一つの立体構造を好み、“オン”ハイブリダイゼーション状態で“実質的に”もう一つの立体構造を好むプローブが、多くの場合において一般的に好ましい。
本発明の検出システムを使用した標的因子の検出は、望む標的因子の存在有無を、検出可能な立体構造的変化により表示し、使用者に報知する核酸ベースのシグナルトランスデューサーの能力と密接に関連している。しかし、このような標的因子の検出は、標的因子が存在するか存在しない状態におけるある特定のハイブリダイゼーション構造と関連しているのではない。本発明の検出システムの重要な特徴は、望む標的因子が存在しないときにはプローブの立体構造が検出可能に変化しないということである。
前述した親和性及び反応性プローブを含む本発明によるプローブは、後述のように非競合的方式と競合的検出方式とにさらに区分される。
本発明の非競合的プローブ検出方式を利用する実施形態において、核酸ベースのシグナルトランスデューサーは、(1)1対の相補的核酸配列、及び絶対的ではないが典型的に(2)少なくとも一つの検出可能なラベルを含む。標的因子の存在をシグナル化するシグナルトランスデューサーの立体構造的変化は、前記相補的核酸配列対間の分子間ハイブリダイゼーションの変化、すなわち、実質的に一本鎖(または、二本鎖)の立体構造から、さらなる二本鎖(または、一本鎖)の立体構造への変化にてプローブシグナルトランスデューサーにより表示される。
本発明の非競合的プローブ検出方式の他の例では、核酸ベースのシグナルトランスデューサーが好ましくは、少なくとも部分的には自己相補的(self-complimentary)な一本鎖からなることを特徴とする。この種のプローブは、本明細書中で“単分子(unimolecular)”プローブとも呼ばれる。この例において、シグナルトランスデューサーは、標的因子が存在しないときに“オフ”状態にあるようになるが、この状態は、プローブの自己相補的な部分間に実質的な分子内ハイブリダイゼーション(または、切断性プローブまたは第II型(−)切断性プローブの場合には脱ハイブリダイゼーション)が起こることを表す。しかしながら、標的因子と単分子プローブの認識要素との相互作用は、分子内立体構造的変化を引き起こし、シグナルトランスデューサーを“オン”ハイブリダイゼーション状態とするが、この状態は、標的因子の存在を表す指標となり、より具体的に、実質的に一本鎖状態(または、切断性プローブまたは第II(−)型連結性プローブの場合には実質的に二本鎖状態)のプローブが形成されることを表す指標となる。例えば、このような単分子プローブは、相互作用性ラベル、すなわちラベル対でラベルされ、このラベル対は相互に組み合わせられており、少なくとも一つのラベル群が他のラベル群の少なくとも一つの測定可能な特徴を変化させるように構成されるが、単分子プローブのある立体構造においてお互い比較的非常に近接して位置している時にはこのような変化を起こすが、他の立体構造では十分に離れているため、このような変化を起こすことがない。適切に相互作用的なラベルの例は後述する。
上述したように、競合的検出方式に使用するための立体構造的に敏感なプローブもまた考案された。
例えば、一実施の形態において、核酸ベースのシグナルトランスデューサーは、本明細書中で“対象(object)”配列と呼ばれるものと、少なくとも二つの相補的配列(“第1”及び“第2”相補配列(complement sequence)とも言う。)とを含むように考案されている。第1及び第2相補配列は、典型的に対象配列(object sequence)の相互に異なるが部分的に重複する部分に、分子間または分子内ハイブリダイゼーションをするように考案されている。対象配列に対して相補的特性を有するこのような重複領域は、第1相補配列及び第2相補配列が対象配列にハイブリダイズするにおいて、特にその重複する配列(overlapping sequence)にハイブリダイズするにおいて、熱力学的競合のための基盤を提供する。好ましく、少なくとも一つの認識要素が核酸ベースのシグナルトランスデューサーに連合しており、認識要素に対する標的因子の相互作用により相補配列のうち一つ、すなわち第1及び第2相補配列のうち一つが、対象配列にハイブリダイズするのを優先的に遮断(または、促進)するようになり、残り一つの相補配列が対象配列にハイブリダイズするのは、優先的に遮断(または、促進)しなくなる。したがって、本発明の一例において、核酸ベースのシグナルトランスデューサーは、第1(または第2)相補配列が対象配列にハイブリダイズするのを好み、第2(または第1)相補配列が対象配列にハイブリダイズするのを好まない立体構造へ変化することによって、認識要素に連合している標的因子の存在を知らせるようになる。上述の如く、ハイブリダイゼーションは、対象配列上の重複要素(overlapping element)を含むことが好ましい。したがって、本発明の大部分の実施形態において、認識要素は重複領域と近く連合していてはいけなく、そうでないと、本発明のシグナルトランスデューサーの目的とする機能を妨げることになる。
したがって、一側面において、本発明は、本明細書に開示するような少なくとも一つのプローブを含む標的検出システムを提供する。一実施の形態において、プローブは、試料内で少なくとも一つの標的因子、好ましくは5個未満、典型的には1個または2個の標的因子を検出するために、検出温度(または、温度範囲)を含む最適化したた条件下で行われるアッセイに特に有用である。特定プローブは、下記の構成成分のうち少なくとも一つ、好ましくは全部を、作動可能に連結された状態に含む:
a)第1対象配列及び第1相補配列を含む核酸配列対を含む少なくとも一つの核酸ベースのシグナルトランスデューサーであって、前記第1対象配列と前記第1相補配列は、それぞれ独立してその長さが約3個ないし約150個のヌクレオチドからなり、相互に実質的に相補的であることから、標的因子が存在しないときには“オフ”ハイブリダイゼーション状態を形成し、標的因子が存在するときには“オン”ハイブリダイゼーション状態を形成する少なくとも一つの核酸ベースのシグナルトランスデューサー;
b)前記核酸ベースのシグナルトランスデューサーに作動可能に連結されており、分析する試料内の少なくとも一つの標的因子と特異的に相互作用する少なくとも一つの認識要素;及び
c)必要に応じて、前記プローブに、特に前記核酸ベースのシグナルトランスデューサーに作動可能に連結されている少なくとも一つの検出可能なラベルであって、前記標的因子の前記プローブに対する、特に前記認識因子に対する相互作用により、前記“オフ”ハイブリダイゼーション状態から前記“オン”ハイブリダイゼーション状態へ立体構造的な変化が起こり、その大きさが前記プローブのシグナルトランスデューサーにより提供される前記“オン”ハイブリダイゼーション状態の量の指標となる特徴的シグナルを発生する前記少なくとも一つの検出可能なラベル。
上述したように、本発明の検出システムは、非競合的または競合的検出方式で使用可能なプローブをすべて含む。競合的検出方式が要求される実施形態において、プローブは、少なくとも1対の作動可能に連結された下記の構成成分をさらに含む:
d)前記第1核酸配列対の一部として組み込まれる第2対象配列であって、約3個ないし150個のヌクレオチドを含み、好ましくは前記第1対象配列と連合していることから、約40個未満のヌクレオチドを含み、前記第1及び第2対象配列により定義される重複領域を形成する前記第2対象配列;
e)約3個ないし約150個のヌクレオチドを含む長さの第2相補配列であって、前記第1及び第2相補配列は、前記第1及び第2対象配列間に存在する前記重複領域に対して本質的に完壁に相補的であり、前記第2対象配列と前記第2相補配列は、少なくとも前記重複領域に該当する長さ以上に対して相互に実質的に相補的であるので、前記標的因子が存在しないときには“オフ”ハイブリダイゼーション状態を形成し、前記標的因子が存在するときには“オン”ハイブリダイゼーション状態を形成するのに充分である前記第2相補配列。
第2対象配列及び第2相補配列は、“オフ”状態から“オン”状態への立体構造的変化を容易にするためのものである。標的因子がプローブの核酸ベースのシグナルトランスデューサーと相互作用をする時、プローブ構成方式によって重複領域と第2または第1相補配列との競合的結合が起こるように構成されることから、シグナルトランスデューサーは“オフ”ハイブリダイゼーション状態から立体構造的変化が起こるようになる。標的因子との相互作用により起こる立体構造的変化は、第1相補配列(または、第2相補配列)が第1対象配列(または、第2対象配列)から、特に重複領域から分離されることを熱力学的に十分に好む方向に起こるようになる。したがって、この実施形態において、“オン”ハイブリダイゼーション状態は、第2相補配列(または、第1相補配列)は競合的に結合された状態となり、第1相補配列(または、第2相補配列)は実質的に分離された状態となるものとして表される。
本発明の検出システムに対する大部分の実施形態において、核酸ベースのシグナルトランスデューサーの“オン”ハイブリダイゼーション状態は、試験した試料内に標的因子が存在するということを表す指標とされる。認識要素と標的因子との相互作用は、核酸ベースのシグナルトランスデューサーの“オフ”ハイブリダイゼーション状態を“オン”ハイブリダイゼーション状態を好む方向へ検出可能な程度に変化(一般的に、減少)させる。このような立体構造的変化は、検出可能なラベル(存在する場合のみ)により生成された特徴的シグナルの変化(一般的に、増加)に符合する。本発明の親和性プローブと反応性プローブを利用する標的検出システムを使用する一部の実施形態において、核酸ベースのシグナルトランスデューサーにより具現される立体構造的変化は、熱力学的に可逆的である。すなわち、シグナルトランスデューサーの立体構造が試料内に在る標的因子の量によって、与えられた時間の間“オフ”または“オン”ハイブリダイゼーション状態へ相互移動するようになる。
他の側面において、本発明は、本明細書に開示するように、少なくとも一つの単分子プローブを含む検出システムを提供する。一実施の形態において、当該プローブは、下記の構成成分のうち少なくとも一つ、好ましくは全部を、作動可能に連結した状態に含む:
a)第1対象配列及び第1相補配列を含む一本鎖の核酸配列を含む少なくとも一つの核酸ベースのシグナルトランスデューサーであって、前記第1対象配列及び前記第1相補配列はそれぞれ独立してその長さが約3個ないし約150個のヌクレオチドからなり、相互に実質的に相補的であることから、標的因子が存在しないときには“オフ”ハイブリダイゼーション状態を形成し、標的因子が存在するときには“オン”ハイブリダイゼーション状態を形成する前記少なくとも一つの核酸ベースのシグナルトランスデューサー;
b)前記核酸ベースのシグナルトランスデューサーに作動可能に連結されており、試料内の少なくとも一つの標的因子と特異的に相互作用する少なくとも一つの認識要素;及び
c)必要に応じて、前記プローブに、特に前記核酸ベースのシグナルトランスデューサーに作動可能に連結されている少なくとも一つの検出可能なラベルであって、前記標的因子の前記プローブに対する、特に前記認識因子に対する相互作用により、前記“オフ”ハイブリダイゼーション状態から前記“オン”ハイブリダイゼーション状態へ立体構造的変化が起こり、その大きさが前記シグナルトランスデューサーの前記“オン”ハイブリダイゼーション状態の量を表す指標となる特徴的シグナルを発生する前記少なくとも一つの検出可能なラベル。
競合的検出方式が要求される実施形態では、プローブは、第2対象配列及び第2相補配列からなる少なくとも1対の相補的な核酸配列をさらに含む。
また、本発明は、本明細書に開示される一つ以上のプローブが、少なくとも一つ、好ましくは一つ、二つ、または三つの固体支持体に作動可能に連結された形態の特定形態の標的検出システムを提供する。一実施の形態において、当該プローブは、直接的にまたは一つ以上のリンカー(linker)により、好ましくは固体支持体と固定化したプローブとの間に空間を置き、与えられた固体支持体に共有結合で連結される。好ましい固体支持体の種類は、本発明の属する分野に周知されており、クロマトグラフィー(chromatography)、パンニング(panning)、バイオチップ(biochip)、及び関連の応用分野で使用されるものを含む。
なお、本発明は、プリプローブ(pre-probe)と、これらプリプローブを含むキットを提供する。一実施の形態において、プリプローブは、次の構成成分を、作動可能に連結された(または、作動可能に連結され得る)状態に含む:a)少なくとも一つの前述した核酸ベースのシグナルトランスデューサー、及びb)必要に応じて、少なくとも一つの連結子。“プリプローブ(pre-probe)”は、本発明による作動可能な親和性プローブまたは反応性プローブに容易に変換されるが、例えば、一つ以上の望む認識要素を、連結子を使用するか使用することなく核酸ベースのシグナルトランスデューサーに共有結合で連結することによって容易に変換される。好ましい本発明のキットは、あらかじめ決定された標的因子特異性を有する望む親和性または反応性プローブへプリプローブを変換させるための手段を含む。
さらに、本発明は、本明細書に開示される標的検出システムを用いたアッセイを提供する。好ましいアッセイは、次に述べるものを含めて非常に多様な標的因子を検出できるように構成される。その例には、薬物(調合薬)等のような化学物質をはじめとして、抗体、受容体、酵素、サイトカイン(cytokine)、毒素(toxin)、ペプチドホルモン(peptide hormone)、成長因子(growth factor)、血液因子(blood factor)、及びこれらの結合性(または、機能性)断片を含んだ類似体のようなアミノ酸配列を検出するためのアッセイが含まれるが、これに限定されない。リン脂質(phospholipid)を含んだ脂質(lipid)、及び生物学的に重要なブドウ糖のような糖類を含んだ炭水化物(carbohydrate)を検出するためのアッセイも含まれる。核酸ベースのシグナルトランスデューサーからラベルされた部分を分離する段階または段階を含まない実施形態では、本明細書に記述される単分子プローブのいずれかを使用することが好ましい。これら方法は、必要に応じて生体外(in vitro)、インサイチュ(in situ)、または生体内(in vivo)で行われることができる。より好ましいアッセイは、一般的に標的因子と連合していないプローブ(または、その構成要素)を除去するための過度な洗浄段階や分離段階を必要としないが、この洗浄または分離段階を行うことによって一部の実施形態では検出システムの性能を改善することもある。
本発明の検出システムを使用するのに適しているアッセイは、少なくとも一つの本明細書に開示されるプローブを使用する。一実施の形態において、このような方法は、プローブを分析しようとする試料と接触することを含むが、当該試料は、敏感で信頼性ある検出が必要な少なくとも一つの標的因子を有するか、有していると疑われるか、あるいは、有するようにした試料である。ここで、接触は、標的因子が存在しない時の核酸ベースのシグナルトランスデューサーの測定可能な特徴のような適切な対照群と比較し、プローブに含まれている核酸ベースのシグナルトランスデューサーのハイブリダイゼーション状態に、検出可能な変化があるか確認するための検出方式(例えば、使用されるプローブの種類と検出される標的因子の種類)に見合う環境下で行われる。一部の実施形態において、標的因子を含まない(または、検出不可能な程度の微量を含む)対照群試料を共に実験し、実験しようとする試料の反応結果を対照群試料の反応結果と比較することが有用であることは明らかである。核酸ベースのシグナルトランスデューサーにより生成されるシグナルの大きさは、必要に応じて定量的に、半定量的に、または定性的に測定されることができる。例えば、シグナルトランスデューサーにより表示されるいずれの大きさの検出可能な変化でも、標的因子が試料内に存在することを知らせる指標で定性的に評価されることができる。自動または半自動の試料分析をする製薬的、臨床的または診断的装置において本発明の検出システムが利用される実施形態では、必ずしも対照群試料を共に実験する必要はないということがもう一つの長所である。この例では、標的因子の特定量の存在を出力シグナル(典型的に、シグナルの大きさ)に関連づける標準曲線を作成するための予備実験をするだけでも充分である。
したがって、本発明は、試験する試料内に存在するか、存在すると疑われるか、あるいは、その試料に含まれるように作られた少なくとも一つの標的因子を検出するために本発明の検出システムを利用する方法も提供する。一実施の形態において、このような方法は、本明細書に開示される少なくとも一つのプローブを、少なくとも一つの標的因子と連合させるのに充分な条件下でプローブと接触させることを含む。この接触は、核酸ベースのシグナルトランスデューサーが“オフ”から“オン”ハイブリダイゼーション状態へ立体構造的に容易に変化するようにする。シグナルトランスデューサーの“オン”ハイブリダイゼーション状態の存在は、一つ以上の標的因子が存在するということを表す指標として使用されることができる。好ましくは、シグナルトランスデューサーは、“オン”ハイブリダイゼーション状態から発生したシグナルを一つまたはそれ以上の検出機器に出力するが、この検出機器は、好ましくは、未来に分析するためにシグナルを貯蔵するか、出力シグナルを使用者に実時間で報知するか、あるいは、これら両動作を全部遂行するように構成されたものである。
なお、本発明は、標的因子と認識要素の相互作用に強い影響を与える広い範囲の分子を検出できるアッセイを含む。これら分子は、前記相互作用を減少または除去するもの(“阻害剤(inhibitor)”)を含む。あるいは、標的因子と認識要素との相互作用を増強させる分子(“増強剤(enhancer)”)を、本発明の方法を用いて検出することも十分に可能である。
これら方法のうち一つは、阻害剤(または、増強剤)として知られているか疑われるか、あるいは、検出システムに添加される間または以降に阻害剤(または、増強剤)に変形しうる一つまたはそれ以上の候補化合物を、本発明の検出システムに添加する段階を含む方法である。この標的検出システムへの添加段階の好ましい方式は、望むプローブに含まれた認識要素と標的因子との相互作用を減少させたり増強させることを可能にする方式である。この方法は、選択されたプローブが、プローブの立体構造を他のハイブリダイゼーション状態へ変化させるか否かを検出する段階をさらに含む。全的ではないが一般的に、このような変化は、水、緩衝溶液、及びその類似体のような適切な対照群試料に対比して測定される。候補化合物の存在下におけるプローブの立体構造的変化の検出は、標的検出システムに阻害剤や増強剤が存在または非存在することを表す指標として使用されることができる。
本明細書に開示される大部分のプローブにおける立体構造的変化の割合は、標準化した分析原理を適用することによって測定可能である。本発明は、核酸ベースのシグナルトランスデューサーにより報知される立体構造的変化の割合における増加または減少有無を検出することによって、望む標的因子の存在または非存在を検出する方法に関する実施形態を含むように構成された。
本発明による好ましいプローブは、本明細書で“二元性立体構造(dual conformation)”プローブとも言われるが、これは、核酸ベースのシグナルトランスデューサーが“オフ”と“オン”ハイブリダイゼーション状態へ相互に転換可能であることを意味する。当該のプローブは、本発明の属する技術分野で公知された他の種類のプローブに比べ、多くの側面で多様な長所を有する。
例えば、シグナルトランスデューサー部分がプローブに分子的物質として一体として構成されているので、シグナルを測定したり発生させる上で一般的な蛍光測定機(fluorometer)や発光測定機(luminometer)以外の大規模の機器や装置を必要としない。また、本発明の二元性立体構造プローブは、例えば、ELISAまたは固定化したプローブを使用する種類の方法と比較し、検出段階が非常に単純化する均一アッセイ(homogeneous assay)に使用可能となるように適宜構成されることができる。
本発明は、多種多様なの認識要素に接合された核酸のハイブリッド(nucleic acid hybrid)を利用する新規の二元性立体構造プローブを開示する。本発明によるプローブは、プローブに接合されている認識要素と標的因子との相互作用に敏感に反応してハイブリダイズした状態(hybridized state)から解離した状態(dissociated state)へ、またはその逆に前記核酸のハイブリッドが立体構造的変化を起こすように考案されている。本発明のプローブは、核酸のハイブリッドを一つのシグナルトランスデューサーの構成単位として使用するので、後述するように、多様な周知のラベル方法を本発明に適用することができる。
本発明による特定のプローブはその他の長所を提供する。例えば、本発明のプローブは、認識要素を変えることによって多様な化学的、生化学的、そして生物学的標的因子の検出に使用することができる。例えば、標的受容体因子(target receptor agent)または標的リガンド(target ligand)を検出するための親和性プローブを構成するために受容体因子に特異的に結合しうるリガンドを認識要素として使用することができ、本明細書では、このような認識要素をより具体的に“プローブリガンド(probe ligand)”と言う。切断反応(cleavage reaction)、連結反応(coupling reaction)、及び修飾反応(modification reaction)に触媒作用を及ぼす酵素のような反応誘発因子(reaction-inducing agent)を検出するために、基質(substrate)または反応部位(reaction site)を認識要素として使用することもできるので、本明細書では、このような認識要素をより具体的に“プローブ基質(probe substrate)”とも言う。したがって、“認識要素(recognition element)”が意味するところが、プローブの構成内容によって区分されるということは明らかである。後で詳しく説明されるが、本発明は、化学的且つ生化学的アッセイに必要な選択性と敏感性を有する、多様なラベルされた二元性立体構造プローブを提供する。
上にも述べたように、本発明の標的検出システムは、容易に変形されて用いられ、よって、一つまたはそれ以上の異なるラベル方式を組み合わせて用いられることができる。やはり上述のように、本発明による大部分のプローブは、“必要において(optionally)”ラベルされているが、これは、標的システムが本発明の検出可能にラベルされた状態のプローブと常に関連しているのではないということを意味する。
例えば、一実施の形態において、本明細書に記述された標的検出システムは、よく定型化されているβ−ガラクトシダーゼレポーターシステム(beta-galactosidase reporter system)のような周知のシグナル増幅技術と互換して使用可能である。当該システムの一つは、検出可能なシグナルを生成するために酵素供与体(enzyme donor)-酵素受納体(enzyme acceptor)対を使用する(例:Comoglio,S. and Celada,F.(1976);Gonnelli,M.et al.(1981);Henderson,D.R. U.S.Pat.No.4,708,929)。本発明の標的検出システムは、このような技術を使用できるように適切に変形される。これは、例えば、前記酵素供与体-受納体対を相互作用性ラベル対として含む本発明によるプローブを製作することによって可能になる。好ましい使用において、プローブに含まれた相互作用性ラベル対は、プローブ、より具体的には核酸ベースのシグナルトランスデューサーにより生成されたシグナルを好ましく増幅する。
その代わりに、あるいは、それに加えて、本発明の前記標的検出システムは、標準化した重合酵素連鎖反応(polymerase chain reaction、PCR)(または、重合酵素反応(polymerization reaction))増幅方式と互換して使用されることができる。一実施の形態において、本明細書に記述されたほとんど大部分の本発明によるプローブは、核酸複製鋳型(nucleic acid replication template)として使用可能な一つまたはそれ以上の配列を含むように構成されることができる。より具体的には、上に述べた対象配列及び相補配列(第1、第2、または両者)は、核酸複製の鋳型として使用可能な配列を含むように容易に変形される。本発明のプローブの、特に核酸ベースのシグナルトランスデューサーの立体構造的に敏感なハイブリダイゼーション状態に主として依存してPCR反応(または、重合酵素反応)が起こるようにし、また、増幅による産物が生成されるようにするために、重合酵素やこれに関連する酵素を使用することができる。これによる増幅産物の存在または重合反応反応物の量の減少、またはこの両者は、関心の対象となる試料内に標的因子が存在するか否かを表す指標となりうる。
本発明のその他の長所及び特徴は後述される。
発明を実施するための最良の形態
上述の如く、本発明は、本明細書に開示されたような一つまたは一つ以上が組み合わせられた立体構造的に敏感なプローブを含む標的検出システムを提供する。本発明による好ましいプローブは、一つまたはそれ以上の標的因子の存在または非存在を報知しうる少なくとも一つの核酸ベースのシグナルトランスデューサーを含む。標的検出システムは、自然的に存在する標的因子をはじめとして、遺伝子組み換え物を含んだ合成された(synthetic)または半合成された(semi-synthetic)多くの標的因子を検出するのに非常に有用であるが、その例は、受容体因子(receptor agent)、リガンド(ligand)、環境毒素(environmental toxin)、薬物(drug)、及び反応誘発因子(例えば、酵素のような触媒構成物)を含むが、これに限定されない。また、本発明は、本発明による一つまたはそれ以上のプローブ(時には、プリプローブ)を使って標的因子を検出する多様なアッセイとキットを提供する。本発明の標的検出システムは、標的因子(または、その阻害剤及び増強剤)を検出したり、必要に応じて確認しうるように考案されたアッセイ、特にスクリーニングにおいて特に有用である。
“標的検出システム(target detection system)”という用語は、少なくとも一つの、好ましくは5個未満の、そして典型的には1個、2個、または3個の本明細書に開示されるプローブが、一つまたはそれ以上の使用を助けるための他の構成要素と組み合わせられているのを意味する。追加の構成要素は、通常、プローブを使用するための塩水、緩衝溶液、水またはその類似体のような適切な水溶液培地を含む。また、本発明の一部の実施形態において、当該の構成要素は、一つまたはそれ以上のプローブと作動可能に連結された固体支持体を含むことができる。固体支持体の例には、クロマトグラフィー(chromatography)、パンニング(panning)、及び/またはバイオチップなどの多くの応用において適するものと知られた紙、樹脂(resin)、プラスチック、高分子、金属、金属酸化物、ガラス、シリコン、シリコン酸化物、ビーズ(bead)またはスフィアー(sphere)、ディップスティック(dipstick)、容器(well)、膜(membrane)などを含む。追加的に必要と予想される構成要素は、標的検出システムの使用を簡便にすることに役立つ安定化剤(stabilizer)、添加剤(additive)、防腐剤(preservative)及びこれらの類似体を含み、血清アルブミン(serum albumin)、アジ化ナトリウム(sodium azide)、グリコール(glycol)及びその類似体も含むが、これに限定されない。必要に応じて、標的検出システムは、標的検出システム、特に核酸ベースのシグナルトランスデューサーにより生成されるシグナルを、貯蔵された資料の形態にまたは実時間で収集し報知しうるコンピュータと連携した装置のような適切な検出器やこれに関連する機器と作動可能に連結または結合されていることができる。
複数の形態を含む“核酸ベースのシグナルトランスデューサー(nucleic acid based signal transducer)”または“シグナルトランスデューサー(signal transducer)”という用語は、一つまたはそれ以上の標的因子の存在(または、非存在)に応じて好ましく反応する、立体構造的に敏感でかつ感応性を有する本明細書に記述されたプローブの一部を意味する。特定シグナルトランスデューサーは、一般的に核酸配列、例えば、DNA、RNA、またはこれらの組み合わせを含むが、非ヌクレオチド配列(non-nucleotide sequence)及び特にヌクレオチド類似体(nucleotide analogue)、例えば、アデノシン一リン酸(adenosine mono-phosphate)、チミジン一リン酸(thymidine mono-phosphate)、グアノシン一リン酸(guanosine mono-phosphate)、シチジン一リン酸(cytidine mono-phosphate)、及びウリジン一リン酸(uridine mono-phosphate)のチオ-(thio-)、アミノアルリ-(aminoally-)、及びメチル-(methyl-)誘導体;イノシン一リン酸(inosine mono-phosphate)、キュェオシン一リン酸(queuosine mono-phosphate)、ワイブトシン一リン酸(wybutosine mono-phosphate)、及びプソイドウリジン一リン酸(pseudouridine mono-phosphates);及び、これらの他の誘導体を含むことができる。一つまたはそれ以上の放射性同位元素ラベルヌクレオチド(radionucleotide)、例えば、3H、32P、33P、35S、または125Iでラベルされたヌクレオチドを含む核酸ベースのシグナルトランスデューサーも本発明に含まれる。本発明によるシグナルトランスデューサーは、一本鎖、二本鎖、またはこれらの組み合わせからなることができ、典型的に約250個未満の塩基対、好ましく約150個未満の塩基対、より好ましくは、約3個乃至約100個の塩基対を有する。
本発明による大部分のプローブは、一般に、DNA(deoxyribonucleic acid)、RNA(ribonucleic acid)、またはDNAとRNAとの混合物からなる核酸配列を含む。この核酸は、本発明の目的のために塩基がない無塩基ヌクレオチド(abasic nucleotide)、及び追加の化学部分が連結されたヌクレオチドを含むことができる。ヌクレオチド間の連結は、PNA(peptide nucleic acid)に在るペプチド結合のようにホスホジエステル結合(phophodiester bond)でない結合もある。修飾されたヌクレオチド間連結は、本発明の属する分野でよく知られているが、メチルリン酸(methylphosphonates)、ポスチオリン酸(phosphorothioates)、ジメチルリン酸(phosphorodithionates)、ホスホロアミダイト(phosphoroamidites)、及びリン酸エステル(phosphate ester)連結を含む。リン酸基のない連結(dephospho-linkages)も知られているが、これは、シロキサン(siloxane)、カーボネート(carbonate)、カルボキシルメチルエステル(carboxylmethyl ester)、アセトアミデート(acetamidate)、カバーメート(carbamate)、及びチオエーテル(thioether)連結を含む。プラスチックDNA(plastic DNA)、例えば、N-ビニル(N-vinyl)、メタクリロキシエチル(methacryloxyethyl)、メタクリルアミド(methacrylamide)、またはエチレンイミン(ethyleneimine)ヌクレオチド間連結を有するDNAも使用することができる。これは、例えば、Uhlmann and Peyman(1990)を参照されたい。PNAは、ヌクレアーゼ(nuclease)による分解に抵抗性があり、自然の核酸よりも強いハイブリダイズした二重鎖(hybridized duplex)を形成するので、特に有用であり、例えば、Orum et al.(1993)及びEgholm,M.et al.(1993)を参照されたい。さらに、これと関連する公知は、米国特許第5,925,517号を参照されたい。
上述の如く、好ましい核酸ベースのシグナルトランスデューサーは、少なくとも一つの標的因子(例えば、1個、2個、または3個の標的因子)の存在、非存在、またはある実施形態ではその量の変化に対して立体構造的に敏感であり、感応性を示す。例えば、本明細書に開示されたシグナルトランスデューサーは“オフ”ハイブリダイゼーション状態から“オン”ハイブリダイゼーション状態へ検出可能に立体構造が変化するように考案されている。しかし、大部分の核酸ベースのシグナルトランスデューサーは、“可逆的”であるので、シグナルトランスデューサーがその立体構造を“オン”ハイブリダイゼーション状態から“オフ”ハイブリダイゼーション状態へ検出可能に変化させる必要がある検出方式にも使用可能である。
図1乃至図22は、特定核酸ベースのシグナルトランスデューサーを含む様々な特定プローブを示す図である。本発明のシグナルトランスデューサーが、標的因子が存在するときに、“オフ”ハイブリダイゼーション状態から“オン”ハイブリダイゼーション状態へ検出可能に立体構造を変化することを示す。
なお、上述の如く、本発明は、下記の構成成分のうち少なくとも一つ、好ましくは全部を作動可能に連結された状態に含む:
a)第1対象配列及び第1相補配列を含む核酸配列対からなる少なくとも一つ(好ましくは、5個未満、典型的には1個または2個)の核酸ベースのシグナルトランスデューサーであって、前記第1対象配列及び第1相補配列は、それぞれ独立してその長さが約3個乃至約150個、好ましくは、約4個乃至約100個、より好ましくは、約4個乃至50個のヌクレオチドからなり、相互に実質的に(好ましくは、少なくとも80%、90%、またはそれ以上の長さに対して)相補的なので、標的因子が存在しないときには“オフ”ハイブリダイゼーション状態を形成し、標的因子が存在するときには“オン”ハイブリダイゼーション状態を形成する前記少なくとも一つの核酸ベースのシグナルトランスデューサー;
b)前記核酸ベースのシグナルトランスデューサーに作動可能に連結された少なくとも一つの認識要素であって、分析する試料内の少なくとも一つの標的因子と特異的に相互作用する前記少なくとも一つの認識要素;及び
c)必要に応じて、前記プローブに、特に前記核酸ベースのシグナルトランスデューサーに作動可能に連結されている少なくとも一つの検出可能なラベルであって、前記標的因子の前記プローブ、特に前記認識因子に対する相互作用により、“オフ”ハイブリダイゼーション状態から“オン”ハイブリダイゼーション状態へ立体構造的変化が起こり、その大きさが前記プローブのシグナルトランスデューサーにより提供される“オン”ハイブリダイゼーション状態の量の指標となる特徴的シグナルを生成する前記少なくとも一つの検出可能なラベル。
“作動可能に連結された(operably linked)”、“作動可能に連合した(operably associated)”という用語は、標的検出システムの一つまたはそれ以上の構成要素が作動できる状態に(すなわち、機能的に)一つまたはそれ以上の他の構成要素に連結されているということを意味する。より具体的には、標的検出システムの一つまたはそれ以上の構成要素が共有結合で連結されている実施形態において、連合(association)は、炭素-炭素結合(carbon-carbon bonding)、炭素-酸素結合(carbon-oxygen bonding)、ホスホジエステル結合(phosphodiester bonding)、ペプチド結合(peptide bonding)などを含む。しかし、他の実施形態では、一つまたはそれ以上の構成要素が水素結合(hydrogen bonding)、塩橋(salt bridge)、イオン性引力(ionic attraction)及びこれに類似するもの等により非共有結合的に連結されることができる。一部の構成要素が共有結合で連結され、残りは、非共有結合的に連結された標的検出システムも、本発明の範囲に含まれる。
一つまたはそれ以上の標的検出システムの構成要素が作動可能に連結されている実施形態において、このような連結の特徴が、立体構造的状態及びプローブ方式のような因子に強く影響を受けるということは明らかである。例えば、1対の相補的な核酸配列が非共有結合的に連結されている場合、例えば、水素結合によりハイブリダイズし、ハイブリダイズした立体構造となる場合のような本発明の実施形態において、当該核酸配列は、お互い空間的に離れているか、または解離した立体構造において相互に分離されていることができる。一つまたはそれ以上のインターカレート染色剤(intercalating dye)を検出可能なラベルとして使用する本発明の他の例では、当該ラベルが、ハイブリダイズした立体構造(hybridized conformation)または二重体(duplex)には非共有結合的に連結(または連合)されるが、解離した立体構造には連結されなくなる。さらに他の実施形態では、不安定化因子が第I型、第II型、または第II(−)型“連結性(coupling)”プローブに、認識要素の一部分として連結されることができる。この例において、不安定化因子は最初にはプローブから分離されているが、望む連結反応が起こった後にはプローブに共有結合によりまたは非共有結合的に連結される。同様に、“切断性(cleavage)”プローブでは最初には連結された状態にあった不安定化因子が、標的反応誘発因子との相互作用によりプローブから分離される。
本明細書に使用されるように、“相補的配列(complementary sequence)”という用語、または“相補的プローブ(complementary probe)”のようにこれと関連する用語は、ある核酸配列または部分配列(subsequence)に特異的相補性をもってハイブリダイズし、一般的にDNAまたはRNAからなる亜構成単位配列(subunit sequence)として定義される。相補率(percent complementarity)は、一般化した実験過程により、または、好ましくはBLAST及びこれと関連しているプログラムのような適切なコンピュータソフトウェアプログラムを使用することによって容易に決定されることができる。BLASTプログラムの使用と関連した公知は、米国バイオテクノロジー情報センター(United States National Center for Biotechnology Information:NCBI)で見つけることができる。“実質的に相補的な(substantially complementary)”という用語は、少なくとも80%、好ましくは90%またはそれ以上に相補的であることを意味する。
上にも述べたように、本発明の好ましいプローブは、少なくとも一つの認識要素を含む。“認識要素(recognition element)”という用語は、一実施の形態において、少なくとも一つのプローブリガンド(probe ligand)またはプローブ基質(probe substrate)とこれに作動可能に連結された少なくとも一つの連結要素(coupling element)を含むプローブ構成要素を意味する。典型的に、連結要素は、使用用途によってその大きさと原子の数が変わりうる連結基(linking group)のことである。一般的に、シグナルトランスデューサーとプローブリガンドまたはプローブ基質との間にある程度の距離を置くために連結要素を含むことが好ましいが、一部用途では連結要素が不要なこともある。
より具体的に、本発明による“認識要素”は、親和性プローブが使用される実施形態ではプローブリガンドを含む。しかし、切断性プローブが使用される場合、認識要素は、好ましくはリンカーにより連結された切断部位と不安定化因子を含む。第I型、第II型、及び第II(−)型連結性プローブにおいて、認識要素は典型的に反応部位(reaction site)を含む。他の場合において、第I型、第II型、及び第II(−)型連結性プローブで使用される好ましい認識要素は、反応部位(reaction site)、不安定化因子(destabilizing agent)、及び反応基(reaction group)を含む。特定の認識要素の例は、図面にて提供される。リンカー(linker)のような特定連結要素(coupling element)に対する図解もまた本明細書に開示されている。
本発明の特定のプローブは、いくつかの種類に分類されるが、例えば、受容体因子(receptor agent)またはリガンド(ligand)を検出するための親和性プローブ(affinity probe)と反応誘発因子(reaction-inducing agent)を検出するための反応性プローブ(reaction probe)とに分類される。反応性プローブは、反応誘発因子により誘発される反応の性質によって4つの類型にさらに分類される。その第一は、反応誘発因子の作用により一つの基質が少なくとも二つの断片に切断される切断反応を検出しうる切断性プローブ(cleavage probe)である。第二は、反応誘発因子の作用により少なくとも二つの基質が共有結合で連結される連結反応を検出する第I型連結性プローブ(Type I coupling probe)である。第三は、反応誘発因子の作用により基質に在る反応部位(reaction site)が接合部位(conjugation site)へ変換される修飾反応を検出する第II型連結性プローブ(Type II coupling probe)である。最後は、反応誘発因子の作用により既に接合部位(conjugation site)であった反応部位(reaction site)が、非接合性部位(non-conjugatable site)に変換される修飾反応を検出する第II(−)型連結性プローブ(Type II(-) coupling probe)である。第II型及び第II(-)型連結性プローブでは、第2の基質が自発的な結合(binding)を用いるか、自発的にまたは連結試薬(coupling reagent)の助けにて起こる連結反応を用いて接合部位に接合される。
本明細書に使用されるように、“プローブ(probe)”という用語は、本発明によるハイブリダイゼーションに適するヌクレオチドを含む二つ以上の亜構成単位(DNA、RNA、PNA)を含むオリゴマー(oligomer)として定義される。当該プローブは、検出可能な部分でラベルされても、ラベルされなくても良い。また、プローブは、溶液相にあってもよく、固体支持体や固体運搬体に固定化されていても良い。より特定なプローブの例は、DNA、RNA、及びDNA-RNAハイブリッド分子、及びペプチド核酸(peptide nucleic acids:PNA)を含む。
本発明の範囲に属するプローブは、さらに、Wengel,PCT WO 99/14226に開示されている少なくとも一つの2環または3環ヌクレオシド(bi-or tri-cyclic nucleoside)類似体を含む。好ましくは、このようなプローブは、少なくとも一つのLNA(locked nucleic acid)単量体に置換された部分を含んでいる。LNAとこれと関連する類似体の作製及び使用についての内容は、既に報告されたことがある(U.S Pat.No.6,268,490参照)。LNAと一つまたはそれ以上のDNA、RNA、またはPNAとを含むプローブも、本発明の範囲に含まれる。
さらに他のプローブは、RNA及び/またはDNAの摸倣体からなる少なくとも一つの亜構成単位を含む。この例には、米国特許第6,077,709及びこれに公知された参考文献に記述されたように、オリゴヌクレオチドの骨格(backbone)を修飾したもの、糖基(sugar group)を修飾したもの、及び塩基(base)を修飾したものが含まれる。これらプローブの例は、チオリン酸骨格(phosphorothioate backbone)を有するもの、2'-メトキシリボース(2'-methoxyribose)のように置換された糖部分を有するオリゴヌクレオチド(oligonucleotide)、そして5-メチルサイトシン(5-methylcytosine)のように修飾されたヌクレオベース(nucleobase)を有するものを含む。接合されたプローブ、すなわち活性度を増加させるために一つのプローブを他のプローブに、他のある部分を用いて化学的にクロスリンクさせたものも本発明に含まれる。
大部分の本発明によるプローブは、立体構造的に敏感でかつ感応性を有する核酸ベースのシグナルトランスデューサーを含む。当該プローブは、標的因子の存在または非存在によって立体構造的変化を起こす“二元性立体構造(dual-conformation)”プローブに特徴付けられる。立体構造的変化の一形態は、プローブに含まれた少なくとも一つの認識要素と標的因子(等)との相互作用により誘発された一対または2対の実質的に相補的な核酸配列のハイブリダイゼーション及び解離を含む。1または2対の核酸配列を有している本発明のプローブは、ハイブリダイゼーション過程の非競合的または競合的性質に鑑みてそれぞれ、“非競合的(non-competitive)”または“競合的(competitive)”プローブと言う。
競合的方式が好ましい実施形態において、上述の(a)乃至(c)の構成成分に加えて、プローブは少なくとも1対の下記の構成成分を作動可能に連結した状態にさらに含む:
d)前記第1核酸配列対の一部として付加される第2対象配列であって、その長さが約3個乃至150個、好ましくは約4個乃至100個、より好ましくは約4個乃至50個のヌクレオチドからなり、好ましくは、前記第1対象配列と連合しており、好ましくは約40個未満のヌクレオチドを含み、前記第1及び第2対象配列により定義される重複領域を形成する前記第2対象配列;及び
e)約3個乃至約150個、好ましく約4個乃至100個、より好ましく約4個乃至約50個のヌクレオチドを含む長さの第2相補配列であって、前記第1及び第2相補配列は、前記第1及び第2対象配列の間に存在する前記重複領域に対して本質的に完壁に相補的であり、前記第2対象配列及び前記第2相補配列は、少なくとも前記重複領域に該当する長さ以上に対して相互に実質的に相補的なので、前記標的因子が存在しないときには“オフ”ハイブリダイゼーション状態を形成し、前記標的因子が存在するときには“オン”ハイブリダイゼーション状態を形成するのに充分である前記第2相補配列。
上に述べたように、前記第2対象配列及び前記第2相補配列は、“オフ”から“オン”状態へ立体構造的変化が起こるのを容易にするために導入される。
上述の如く、本発明のプローブは、三番目の作動可能に連結された構成要素として、好ましくは前記対象及び相補核酸配列のうち少なくとも一つと連合している少なくとも一つの標的因子認識要素を含む。プローブが競合的方式の実施形態において、プローブは2対の前記核酸配列を全て含む。好ましくは、前記認識要素は、前記核酸配列のうち、(前記第2核酸配列対には接合されず)前記第1核酸配列対に接合されるが、好ましくは、前記重複領域を除いた前記第1対象配列または前記第1相補配列に接合される。
特定の競合的プローブ方式に対する図解を、図2、図12、図13、図19及び図22(様々なラベル方法を示す親和性プローブ方式)、図4(切断性プローブ)、図8(第I型連結性プローブ)、図9(第II型連結性プローブ)、図14及び図15(固定化した親和性プローブ)に示す。
他の側面において、本発明は、本明細書に開示されたように、少なくとも一つの単分子プローブを含む検出システムを提供する。一実施の形態において、当該プローブは、下記の構成成分のうち少なくとも一つ、好ましくは全部を作動可能に連結された状態に含む:
a)第1対象配列及び第1相補配列を含む一本鎖の核酸配列を含む少なくとも一つの核酸ベースのシグナルトランスデューサーであって、前記第1対象配列と前記第1相補配列は、それぞれ独立してその長さが約3個乃至約150個、好ましく約4個乃至100個、より好ましく約4個乃至50個のヌクレオチドからなり、相互に実質的に(すなわち、少なくとも80%、90%、またはそれ以上の長さに対して)相補的なので、標的因子が存在しないときには“オフ”ハイブリダイゼーション状態を形成し、標的因子が存在するときには“オン”ハイブリダイゼーション状態を形成する前記少なくとも一つの核酸ベースのシグナルトランスデューサー;
b)前記核酸ベースのシグナルトランスデューサーに作動可能に連結されている少なくとも一つの認識要素であって、少なくとも一つの標的因子と特異的に相互作用する前記少なくとも一つの認識要素;及び
c)必要に応じて、前記プローブに、特に前記核酸ベースのシグナルトランスデューサーに作動可能に連結されている少なくとも一つの検出可能なラベルであって、前記標的因子の前記プローブに対する、特に前記認識因子に対する相互作用により、“オフ”ハイブリダイゼーション状態から“オン”ハイブリダイゼーション状態へ立体構造的な変化が起こり、その大きさが前記シグナルトランスデューサーの“オン”ハイブリダイゼーション状態の量を表す指標となる特徴的シグナルを発生する前記少なくとも一つの検出可能なラベル。
競合的検出方式が要求される実施形態において、プローブは、第2対象配列と第2相補配列とからなる少なくとも1対の相補的な核酸配列をさらに含む。
適切な対照群と対比して前記標的検出システムにより出力されたシグナルが検出可能であれば、特徴的シグナルが本発明によって“変化”(増加または減少)したことを意味する。適切な対照群の例は、検出する標的因子の代りに同量の水、緩衝溶液、またはその類似体を前記システムに添加したものを含む。本発明の属する分野で通常の知識を有する者にとっては、一度特定の対照群(存在する場合に限る)と関連している出力シグナルを理解すると、本発明を使用する度に対照群実験を行わなくても良いということは自明である。このような本発明の特徴は、同一または類似の標的因子に対する多数の分析を必要とする応用の場合において重要とされる。
本発明による非競合的プローブの一実施の形態は、作動可能に連結された構成要素として:1)第1対象配列及び第1相補配列からなる第1核酸配列対;2)前記第1対象配列及び前記第1相補配列のうち少なくとも一つに接合されている少なくとも一つの認識要素;及び、3)必要に応じて、少なくとも一つの検出可能なラベルを含む。この前記認識要素は、一つまたはそれ以上の標的因子と特異的に相互作用しうる要素である。認識要素の具体的な実体は標的因子の性質によって多様に変わるが、これは、各類型のプローブを説明するに当たって詳細に後述する。前記第1対象及び第1相補配列は、典型的に約3個乃至約150個、好ましくは約4個乃至約100個、より好ましくは約4個乃至約50個のヌクレオチドを有し、相互に実質的に相補的である。“実質的に相補的(substantially complementary)”という用語は、前記対象及び相補配列が前記プローブを使用する(検出温度を含む)アッセイ条件下で標的因子が存在または非存在するときに、ハイブリダイズした二重鎖(hybridized duplex)を形成することができるということを意味する。これに加えて、前記対象及び相補配列のうち少なくとも一つは、一つまたはそれ以上の検出目的の追加的な配列(例えば、先にも述べたPCRまたは重合酵素反応を用いたシグナル増幅方法において必要な配列)を有することができる。好適な条件下で、前記第1対象及び第1相補配列は約3個乃至約100個、好ましくは約4個乃至約70個、より好ましくは約4個乃至約50個の相補的塩基対を有する第1ハイブリダイズした二重鎖(first hybridized duplex)を形成する。
前記非競合的プローブは、標的因子の存在または非存在に応じて、第1ハイブリダイズした二重鎖が形成されるハイブリダイズした立体構造から第1ハイブリダイズした二重鎖が解離する解離した立体構造へ、または、その逆に立体構造的変化を起こすように考案されている。核酸ハイブリダイゼーションは、可逆的な熱力学的現象であるので、“立体構造的変化”という用語は、前記両立体構造間の確率分布における変化を意味する。
このような非競合的方式のプローブに対する例が、図1、図10、図16、図20、及び図21(様々なラベル方法を使用する親和性プローブ)、図3(切断性プローブ)、図5(第I型連結性プローブ)、図6(第II型連結性プローブ)、及び図11(固定化した親和性プローブ)に示されている。図17及び図18には、相互作用性ラベル対を使用する単分子方式の非競合的プローブの具体的な例を示す。
競合的方式で使用される追加的に適切なプローブは、第2対象配列と第2相補配列とからなる競合する核酸配列である第2核酸配列対をさらに含む。これら第2対象及び第2相補配列は、約3個乃至約150個、好ましくは約4個乃至約100個、より好ましくは約4個乃至約50個のヌクレオチドを有しており、相互に実質的に相補的なので、好適な条件下で約3個乃至約100個、好ましくは約4個乃至約70個、一般的に約4個乃至約50個の相補的塩基対を有する第2ハイブリダイズした二重鎖(second hybridized duplex)を形成することができる。前記第1及び第2対象配列は、一般的に同一の核酸配列、つまり、対象配列に含まれており、少なくとも一つの共通するヌクレオチドで構成された重複領域を共有している。好ましい実施形態において、当該重複領域は、前記第1対象配列に含まれたヌクレオチドのうち少なくとも約10%、好ましくは約20%、より好ましくは約30%のヌクレオチドを含む。したがって、前記第1及び第2相補配列は、前記対象配列に対して競合的にハイブリダイズするようになり、前記第1ハイブリダイズした二重鎖(first hybridized duplex)または前記第2ハイブリダイズした二重鎖(second hybridized duplex)を形成する。このようなハイブリダイゼーションの競合的性質から、あるハイブリダイズした二重鎖の形成は、他のハイブリダイズした二重鎖の形成を不可能にするか、または、十分に抑制させる。
本発明による典型的な競合的プローブは、標的因子の存在または非存在によって前記第1ハイブリダイズした二重鎖が形成される第1ハイブリダイズした立体構造から前記第2ハイブリダイズした二重鎖が形成される第2ハイブリダイゼーション立体構造へ、または、その逆に立体構造的変化を起こすように考案されている。“立体構造的変化”という用語は、二つのハイブリダイズした立体構造間の確率分布に検出可能な変化があることを意味する。
本発明の特定実施形態では、少なくとも一つの検出可能なラベルがプローブに接合されており、標的因子の量または標的因子と認識要素間の相互作用の程度の指標となる特徴的シグナルを生成する。大部分の非競合的プローブにおいて、検出可能なラベルからの特徴的シグナルは、前記第1対象配列と前記第1相補配列とがハイブリダイズした程度の関数として示され、より具体的には、前記ハイブリダイズした立体構造または前記解離した立体構造の量に対する関数として示される。競合的プローブでは、検出可能なラベルからの特徴的シグナルが、前記第1または第2ハイブリダイズした立体構造の量の関数として示される。検出可能なラベルを導入するための様々な構成方法は後述される。
先に言及したように、本発明の典型的なプローブは、プローブに作動可能に連結された状態の少なくとも一つ、好ましくは約5個未満、一般的に約1個または2個の認識要素を含む。大部分の実施形態において、少なくとも一つの認識要素のそれぞれは、前記第1対象及び第1相補配列のうち少なくとも一つに接合されている。“接合された(conjugated)”“接合(conjugation)”及びこれと類似する用語は、核酸ベースのシグナルトランスデューサーと認識要素との間に少なくとも一つの共有結合(例えば、炭素-炭素、炭素-酸素結合など)または非共有結合(例えば、水素結合、イオン結合、塩橋など)が形成されることを意味する。多くの実施形態において、共有結合性接合が一般的に好ましいと言えよう。特定の非共有性相互作用の例は、水素結合、イオン結合、そして親水性及び疏水性相互作用を含むが、これに限定されない。典型的に、それぞれの認識要素は、一つまたはそれ以上の連結要素(coupling element)によりシグナルトランスデューサーに接合されている。好適な連結要素の例は、化学結合(chemical bond)、二価原子(divalent atom)、二価の化学部分(divalent chemical moiety)、及び多価の化学部分(multivalent chemical moiety)を含む。
本発明のプローブに関する一部の実施形態において、二つまたはそれ以上の認識要素が核酸ベースのシグナルトランスデューサーに、デンドリーマー(dendrimer)のような多価の連結要素(multivalent coupling element)により接合されていることができる。
他の実施形態において、本発明による認識要素は、一つ以上、例えば10個未満、好ましくは約1個乃至約5個、より好ましくは約2個の連結要素を用いて接合されることができる。認識要素は、プローブのほぼ全位置に接合可能であるが、例えば、シグナルトランスデューサーに望む立体構造的変化を引き起こせるような範囲内で、ほぼ全類型の連結要素を用いて第1対象配列または第1相補配列のいずれの位置にも接合可能である。上述の如く、核酸ベースのシグナルトランスデューサーは、標的因子と認識要素との相互作用に対して立体構造的に敏感でかつ感応性を有している。
競合的プローブ方式の実施形態において、第1対象配列及び第1相補配列のうち少なくとも一つに、第1対象配列に含まれている重複領域を除いた位置に認識要素を接合することが好ましい。必要に応じて、一つのプローブに複数の相異なる認識要素を接合することによって、1個以上、好ましくは約3個未満の標的因子を検出できるようにプローブを容易に変形することができる。
上述の如く、認識要素と標的因子との相互作用の結果として典型的に誘発(または、除去)される“不安定化効果(destabilization effect)”に対して充分な感応性を有するプローブを提供することに本発明の一目的がある。このような相互作用は、生産的な場合、プローブ、特に核酸ベースのシグナルトランスデューサーに立体構造的変化を引き起こす。一実施の形態において、標的因子と認識要素との相互作用は、シグナルトランスデューサーの第1ハイブリダイズした二重鎖の熱力学的安全性を調節する(すなわち、増加または減少させる)。しかし、対象及び相補配列からなる2対の競合する核酸配列対を有している競合的方式のプローブでは、第1ハイブリダイズした二重鎖と比較して、第2ハイブリダイズした二重鎖は前記相互作用の影響を全く受けないか、または、より弱く受けることが好ましい。典型的に、第1対象配列に含まれている重複配列を除いた第1対象配列、または第1相補配列に認識要素を接合させることで、当該の目的を達成することができる。後述されるが、このような相互作用は、プローブの類型によって第1ハイブリダイズした二重鎖を不安定化させるか、第1ハイブリダイズした二重鎖を不安定な状態から解放させることができる。好ましく、標的因子との相互作用により第1ハイブリダイズした二重鎖の融解温度が、少なくとも約1℃、より好ましくは少なくとも約5℃変化する。
本発明の特定のプローブは、認識要素が一つまたはそれ以上の標的因子と相互作用することと関連付けられているプローブ立体構造不安定化効果(または、場合によってはは安定化効果)により、一つまたはそれ以上の標的因子の存在を報知する。より具体的に、プローブ立体構造不安定化(または、安定化)効果は、核酸ベースのシグナルトランスデューサーの立体構造の変化により典型的に現れる。この効果は、シグナルトランスデューサーに直接的に、または一部実施形態では認識要素を介して間接的に伝えられることができる。例えば、一実施の形態において、プローブと標的因子との相互作用に伴う不安定化効果は、標的因子の作用により認識要素に付着されたり、または認識要素から分離される不安定化因子により生成される立体障害(steric hindrance)により引き起こされる。しかし、静電気的相互作用(electrostatic interaction)、双極子-双極子相互作用(dipole-dipole interaction)、ファンデルワールス力(van der Waals force)のような親水性及び疏水性相互作用(hydrophilic and hydrophobic interaction)、電子再配置(electron redistribution)などに起因する他の類型の障害(hindrance)もまた可能である。一部の実施形態において、このような立体障害(または、他の種類の障害)の存在は、第1ハイブリダイズした二重鎖の構造的歪みを誘発し、よって、検出温度を含むアッセイ条件下で第2ハイブリダイズした二重鎖に比べて、第1ハイブリダイズした二重鎖が熱力学的に不安定または低安定な状態となるようにする。
したがって、“不安定化因子(destabilizing agent)”という用語は、核酸ベースのシグナルトランスデューサーの立体構造に検出可能な変化を誘発するか、あるいは、誘発するのを助けるほとんどあらゆる(自然的に存在する、合成された、または半合成された)分子を意味する。不安定化因子の大きさと特徴は、目的とする標的システムの用途に応じて様々に変わることができる。例えば、約1nm乃至約25nmの直径を有する、典型的には約5nm乃至約15nmの直径を有する特定タンパク質またはタンパク質複合体が用いられることができる。不安定化因子は、本明細書に記述される切断性及び連結性プローブと共に使用される際に特に有用である。これは、図3及び図5に例示する。
次に、図面に基づき、各類型のプローブについて詳細に説明する。
図1は、検出可能なラベルを持たない上に、第1核酸配列対を含む非競合的方式の親和性プローブを概略的に示す図である。この親和性プローブにおいて、認識要素3は、受容体因子10に特異的に結合しうるプローブリガンド11である。本発明によれば、一つまたはそれ以上のプローブリガンドが、第1対象配列1aまたは第1相補配列2aのいずれの位置にも接合可能である。各プローブリガンドは、少なくとも一つの連結要素4により接合される。同図において、認識要素3は、“受容体”因子10に特異的に結合しうるプローブリガンド11である。この例において、連結子は、プローブリガンド(すなわち、認識要素)を核酸ベースのシグナルトランスデューサーに連結させる連結要素4に該当する。
“連結子(adaptor)”という用語は、特にプローブが親和性プローブの場合、連結要素(coupling element)を意味する。しかし、切断性プローブにおいて連結子は、連結要素、少なくとも一つの切断部位(cleavage site)、及びリンカー(linker)を含む。第I型、第II型、または第II(−)型連結性プローブが使用される他の実施形態において、好ましい連結子は、連結要素を含む。
非競合的方式の親和性プローブは、プローブリガンド11に受容体因子10が結合されることによってハイブリダイズした立体構造(図1A)から、解離した立体構造(図1B)へ立体構造的変化を起こすように考案されている。具体的に、受容体因子の結合により誘発された立体構造的変化は、前記ハイブリダイズした立体構造にある確率の減少と前記解離した立体構造にある確率の増加を招く。
望む立体構造的変化を誘発するためには、前記受容体因子の結合が、前記第1ハイブリダイズした二重鎖を十分に強く不安定化させなければならない。該第1ハイブリダイズした二重鎖の融解温度が、前記受容体因子が結合することによって少なくとも約1℃、より好ましくは少なくとも約5℃減少すると良い。
好ましい実施形態において、前記ハイブリダイズした立体構造は、検出温度を含むアッセイ条件下で、前記受容体因子が存在しないときには熱力学的に安定している。典型的に、このような方式の好ましい親和性プローブでは、前記受容体因子が存在しない時における前記第1ハイブリダイズした二重鎖の融解温度が、検出温度に比べ、好ましくは少なくとも約5℃、より好ましくは少なくとも約10℃高い。
図2は、検出可能なラベルを持たない上に、競合する核酸配列である第2核酸配列対をさらに含む競合的方式の親和性プローブを示す図である。好ましい実施形態において、プローブリガンド11は、第1対象配列1aの重複領域1cを除いた部分または第1相補配列2aに接合される。上述の如く、第1及び第2対象配列1a,1bは、一つの対象配列に含まれている。このような方式のプローブは、受容体因子10の結合によって第1対象配列1a及び第1相補配列2a間に第1ハイブリダイズした二重鎖が形成される第1ハイブリダイズした立体構造(図2A)から、第2対象配列1b及び第2相補配列2b間に第2ハイブリダイズした二重鎖が形成される第2ハイブリダイズした立体構造(図2B)へ立体構造的変化を起こすように考案されている。具体的に、前記受容体因子の結合により誘発された立体構造的変化は、前記第1ハイブリダイズした立体構造にある確率の減少と前記第2ハイブリダイズした立体構造にある確率の増加を招く。
望む立体構造的変化を誘発するためには、前記受容体因子の結合が、典型的に前記第1ハイブリダイズした二重鎖を十分に強く不安定化させ、また、前記第2ハイブリダイズした二重鎖を十分に弱く不安定化させるか、全く不安定化させてはいけない。前記第1ハイブリダイズした二重鎖の融解温度が、前記受容体因子が結合することによって少なくとも約1℃、より好ましくは少なくとも約5℃減少すると良い。
好ましい実施形態において、前記受容体因子が存在しないときに、前記第1ハイブリダイズした二重鎖が、前記第2ハイブリダイズした二重鎖よりも優先的に形成される。好ましくは、前記受容体因子が存在しないときに、前記第1ハイブリダイズした二重鎖の融解温度は、前記第2ハイブリダイズした二重鎖の融解温度に比べて、少なくとも約1℃、より好ましくは少なくとも約5℃高い。前記受容体因子が結合することによってハイブリダイゼーションの選好度が、前記第2ハイブリダイズした二重鎖を好むように変わることがより好ましい。好ましくは、前記受容体因子が過量存在する時における前記第2ハイブリダイズした二重鎖の融解温度は、前記第1ハイブリダイズした二重鎖の融解温度よりも少なくとも約1℃、より好ましくは少なくとも約5℃高い。
好ましい実施形態において、前記受容体因子が存在しないときに、前記第1及び第2ハイブリダイズした二重鎖は両方とも、検出温度を含むアッセイ条件下で熱力学的に安定している。典型的に、好ましい親和性プローブでは、前記受容体因子が存在しない時における前記第1及び第2ハイブリダイズした二重鎖の融解温度が、検出温度よりも高いが、好ましくは少なくとも約5℃、より好ましくは少なくとも約10℃高い。
上述の親和性プローブにおいて、前記受容体の結合によって生じる不安定化効果(destabilization effect)は、大部分の場合において前記受容体因子(または、前記受容体因子と前記プローブリガンドとの複合体)及び前記第1ハイブリダイズした二重鎖間の立体障害(steric hindrance)に起因するが、静電気的相互作用(electrostatic interaction)、双極子-双極子相互作用(dipole-dipole interaction)、ファンデルワールス力(van der Waals force)のような親水性及び疏水性相互作用(hydrophilic and hydrophobic interaction)、電子再配置(electron redistribution)などによる他の類型の障害(hindrance)に起因することもある。
より大きな立体障害を誘発するために、多くの場合、前記受容体因子がより大きく、且つ前記プローブリガンドの接合されている核酸配列により近づいていることが好ましい。たいてい前記受容体因子そのものが、検出しようとする標的因子であるので、その概略的な大きさが分かり、したがって、この受容体因子が小さすぎて充分に強い立体障害を誘発できない場合、デンドリマー(dendrimer)のような多価の化学部分を連結要素として一つ以上のプローブリガンドを接合することもできる。好ましい実施形態において、前記連結要素の長さを変化させることによって、前記受容体因子(または、前記受容体因子と前記プローブリガンドとの複合体)と前記第1対象及び/または第1相補配列との間の距離を調節することが好ましい。立体障害(及び他の種類の障害)は、短い距離でより強くなるので、より短い長さの連結要素を使用することがより好ましいこともある。しかし、あまりにも短い長さの連結要素は、前記受容体因子が前記プローブリガンドに結合するのを不可能にしたり、阻害したりする。したがって、前記不安定化効果及び前記受容体因子の結合を最大化するためには、前記連結要素の長さ及び他の変数を適切に選択すべきである。
もう明らかなように、本発明は、非常に多様な標的受容体因子を検出し、さらには確認する用途に使用される。このような受容体因子の例には、直径約50nm未満、好ましくは直径約1nm乃至約25nm、より好ましくは約5nm乃至約15nmを典型的な有用な範囲とし、直径約10nmの大きさを有する受容体、抗体、そして酵素が含まれる。酵素の基質及び阻害剤、または炭水化物は、例えば長さや直径が数nmまたはそれ以下と多少小さいこともある。もし、受容体因子がその表面に受容体分子を有しているウイルスや微生物である場合、受容体因子の大きさは約100nmから数μm(または、約10μm)までの範囲にあっても良い。
非常に多様な連結子、より具体的には連結要素が、本発明によって使用されることができる。一般的に、好ましい連結要素の長さ(すなわち、受容体因子または不安定化因子と核酸ベースのシグナルトランスデューサーとの間の距離)は、受容体因子の大きさ及び模様、または使用される不安定化因子に大きく依存する。しかし、大部分の場合、連結要素の長さは受容体因子(または、不安定化因子)の大きさと本質的に等しいか、やや短いもの、好ましくは、受容体因子(または、不安定化因子)の大きさの約1/2または1/4よりも短いものを使用することが、本発明に適している。あえて理論に合わせなくても、少なくとも受容体因子(または、不安定化因子)のある部分、特に不規則に突出した部分は、いくつかの場合において核酸ベースのシグナルトランスデューサーと接触すると考えられるが、例えば、受容体因子が回転運動をしたり、またはロッキング(rocking)運動(または、他の振動運動)をする中にこのような接触が起こることができる。いくつかの場合において、このような運動は、本発明の核酸ベースのシグナルトランスデューサーの立体構造的切替を招く不安定化力が造成されるようにする。
本明細書に記述されたプローブと共に使用するのに適切なより具体的な連結要素は、柔軟性があり、自由に回転運動ができるリンカー(linker)及びこれと関連した構造体を含む。その例には、必要に応じて置換されたアルキル(alkyl)、アルキニル(alkenyl)、またはアルキニル(alkynyl)のような炭素鎖(好ましくは、直鎖)、ポリペプチド(または、ペプチド)鎖、ペプチド摸倣体(mimetic)または類似体、核酸鎖、合成高分子(polymer)または共重合体(co-polymer)鎖、そしてポリエチレングリコール鎖(polyethylene glycole chain)及びポリエステル鎖(polyester chain)のようなこれらの類似体を含む。この類型の連結要素は、受容体因子(または、不安定化因子)と核酸ベースのシグナルトランスデューサーとの間に充分な運動自由度が好ましい場合に好適である。
“必要に応じて置換された(optionally substituted)”という用語は、一つまたはそれ以上の可能な位置、典型的に1個乃至3個または4個の位置に一つまたはそれ以上の本明細書に開示されたような水素原子でない適切な基(group)が置換されたことを意味する。
“置換された”基(group)、部分(moiety)、または他の部位(site)に存在できる適切な基(group)は、本明細書に開示するように、次のものを含む:フルオロ(fluoro)、クロロ(chloro)、ブロモ(bromo)、そしてヨード(iodo)のようなハロゲン(halogen);シアノ(cyano);ヒドロキシル(hydroxyl);ニトロ(nitro);アジド(azido);アシル(acyl)及びその類似体のようなアルカノイル(alkanoyl)であって、例えば、C1-6アルカノイル(alkanoyl);カルボキシアミド(carboxamido);1個乃至約12個の炭素を有する、または1,2,3,4,5または6個の炭素を有するアルキル基(alkyl groups);一つまたはそれ以上の不飽和結合(unsaturated linkage)と2個乃至12個炭素、または2,3,4,5または6個の炭素を有するアルケニル(alkenyl)及びアルキニル(alkynyl)基;一つまたはそれ以上の酸素結合(oxygen linkages)と1個乃至12個の炭素、または1,2,3,4,5,または6個の炭素を有するアルコキシ(alkoxy)基;フェノキシ(phenoxy)のようなアリロキシ(aryloxy);一つまたはそれ以上のチオエーテル結合(thioether linkages)と1個乃至12個の炭素、または1,2,3,4,5または6個の炭素を有する部分を含むアルキルチオ(alkylthio)基;一つまたはそれ以上のスルフィニル結合(sulfinyl linkages)と1個乃至12個の炭素、または1,2,3,4,5または6個の炭素を有する部分を含むアルキルスルフィニル(alkyl sulfinyl)基;一つまたはそれ以上のスルホニル結合(sulfonyl linkages)と1個乃至12個の炭素、または1,2,3,4,5または6個の炭素を有する部分を含むアルキルスルホニル(alkylsulfonyl)基;一つまたはそれ以上の窒素原子と1個乃至12個の炭素、または1,2,3,4,5または6個の炭素を有する基のようなアミノアルキル(aminoalkyl)基;特にフェニル(phenyl)のような6個またはそれ以上の炭素を有するカルボサイクリックアリール(carbocyclic aryl)(例えば、置換または非置換されたビフェニル(biphenyl)部分をR基として持つもの);ベンジル(benzyl)を好ましい基とし、1個乃至3個の分離または融合された環構造と6個乃至18個の炭素を環原子として持つアラルキル(aralkyl);1個乃至3個の分離または融合された環構造とO-ベンジル(O-benzyl)のように6個乃至18個の炭素を環原子として持つアルアルコキシ(aralkoxy);または、一つ以上のN、O、またはS原子と各環当たり3個乃至約8個の構成原子を有する1個乃至3個の分離または融合された環構造を有するヘテロアロマチック(heteroaromatic)またはヘテロアリサイクリック(heteroalicyclic)基であって、例えば、クマリニル(coumarinyl)、キノリニル(quinolinyl)、ピリジル(pyridyl)、ピラジニル(pyrazinyl)、ピリミジル(pyrimidyl)、フリル(furyl)、ピロリル(pyrrolyl)、チエニル(thienyl)、チアゾリル(thiazolyl)、オキサゾリル(oxazolyl)、イミダゾリル(imidazolyl)、インドリル(indolyl)、ベンゾフラニル(benzofuranyl)、ベンゾチアゾリル(benzothiazolyl)、テトラヒドロフラニル(tetrahydrofuranyl)、ヒドロピラニル(tetrahydropyranyl)、ピペリジニル(piperidinyl)、モルホリノ(morpholino)及びピロリジニル(pyrrolidinyl)。
本発明の特定実施形態において、必要に応じて置換されたアルケニル(alkenyl)またはアルキニル(alkynyl)鎖のようにより組織化した、つまり、低い運動自由度を持つ連結要素を使用するか、または、一つの認識要素に2個以上の連結要素を連結して自由な回転運動またはロッキング(rocking)運動(または、他の振動運動)をほとんど許さないように使用することがより好ましいこともある。追加的な連結要素は、デンドリマー(dendrimer)で構成されたものまたはこれを含むものを含む。もちろん、既に述べられた柔軟性があり、かつ、自由に回転できる連結要素に、フェニル(phenyl)、ベンジル(benzyl)などのような一つまたはそれ以上の必要に応じて置換された環構造システムを導入することによって、より低い柔軟性を持たせることができる。あえて理論に合わせなくても、一部の実施形態において、特定受容体因子(または、不安定化因子)は、低い運動自由度を持つ連結要素を使用することによって、前記核酸ベースのシグナルトランスデューサーに対して強く不安定化された立体構造として固着されることができる。本発明による好適な連結要素の鎖長(または、受容体因子(または、不安定化因子)と核酸ベースのシグナルトランスデューサーとの距離)は、受容体因子の大きさ(典型的に、約1nm乃至約10nm)にたびたび依存するが、一般的に約1nm乃至約100nm、最も典型的には約1nm乃至約10nmとなる。
他の考慮もまた、ある特定の発明の応用に適合するように好ましい連結要素の長さを決定するのに有用である。より具体的に、一部の実施形態において、前記連結要素の典型的に好ましい長さは、受容体因子(または、不安定化因子)の結合部位(binding site)の深さと略同じか、やや大きいものとなる。例えば、多くの実施形態において、抗体標的因子の結合部位は、約0.5nm乃至約3.5nmの深さを有し、受容体と酵素との結合部位は、典型的に約0.5nm乃至約5nmの深さを有するものと知られている。ファンデルワールス相互作用(van der Waals interaction)は、典型的に約0.3nm乃至0.5nm距離の範囲で生じ、電荷-電荷または静電気的斥力(charge-charge or electrostatic repulsion)は、より長い距離の範囲(数nmまたはより長い距離)で生じ、核電荷斥力(nuclear charge repulsion)は、より短い距離の範囲(約0.1nmまたはより短い距離)で生じるものと一般的に知られている。したがって、あえて理論に合せなくても、前記連結要素の好ましい長さは、約1nm(または、これよりも短い距離)乃至約10nm、または好ましくは約1nm乃至約5nmの範囲内にあることになる。
受容体因子とプローブリガンドとの複合体の構造が、本発明の属する技術分野に知られているか、コンピュータシミュレーションを用いて計算できる場合、前記連結要素の好ましい長さまたは構造を予測したり推定したりすることも可能である。しかし、複雑な検出溶液内でのプローブの行動を、確実性をもって予測することが常に可能なわけではないので、実験的検証により試験するのが、本発明によるプローブを最適化させることにおいて非常に有用である。
本発明による親和性プローブは、多様な受容体因子を検出するのに有用である。本発明において、“受容体(receptor)”及び“リガンド(ligand)”という用語は、一つの結合対(binding pair)の一部分を含む広い意味として使用された。本明細書に使用されるように、“受容体または受容体因子”という用語は、プローブリガンドのような“リガンド”と本明細書で言う相補的分子性物質(complementary molecular entity)に特異的に結合するほとんどあらゆる分子性物質を意味する。前記受容体因子の例は、タンパク質、糖タンパク質(glycoprotein)、ポリペプチド(polypeptide)、炭水化物(carbohydrate)、脂質(lipid)、リン脂質(phospholipid)、核酸、抗体、抗体断片、抗原、酵素、受容体、ホルモン(hormone)、サイトカイン(cytokine)、ウイルス(virus)、細菌(bacteria)、微生物(microorganism)、及びこれらの機能性断片を含んだ類似体を含むが、これに限定されず、さらに、超分子(例えば、クラウンエーテル(crown ether)やこれと類似する化合物)とナノ粒子のように生物学的根源でない受容体因子を含む。前記プローブリガンドの例は、化学的及び生化学的リガンド、抗原、抗体、抗体断片、酵素、酵素の基質または阻害剤、ホルモン、抗生剤(antibiotic)、麻薬(narcotic)、毒素(toxin)、ポリペプチド(polypeptide)、タンパク質、タンパク質断片、標的配列(targeting sequence)またはトランジットペプチド(transit peptide)、糖タンパク質(glycoprotein)、脂質(lipid)、リン脂質(phospholipid)、多糖(polysaccaharide)、炭水化物(carbohydrate)、核酸、ペプチド核酸(peptide nucleic acid)及びこれらの類似体を含む。プローブリガンドに受容体因子が特異的に結合し、このような結合が好ましい立体構造的変化をもたらす限り、ほとんどあらゆる種類のリガンドがプローブリガンドとして使用されることができる。プローブリガンドを接合させる上でさらに考慮すべき点は、プローブリガンドの接合が受容体因子の結合を不可能にしたり実質的に妨害してはならないということである。
図3は、検出可能なラベルを持たない非競合的方式の切断性プローブを示す図である。切断性プローブにおいて、認識要素3は、反応誘発因子20に特異的な少なくとも一つの切断部位21と不安定化因子22を含むプローブ基質である。前記少なくとも一つの切断部位の一末端はリンカー23により、典型的に共有結合または非共有結合的に前記不安定化因子に接合されている。前記リンカーの例は、化学結合(chemical bond)、二価原子(divalent atom)、二価の化学部分(divalent chemical moiety)、及び多価の化学部分(multivalent chemical moiety)を含む。前記切断部位の他の末端は、第1対象配列1aまたは第1相補配列2aのいずれの位置にも連結要素4により接合されることができる。本発明によれば、一つ以上のプローブ基質(すなわち、認識要素)が接合されることができる。
“反応誘発因子(reaction-inducing agent)”という用語は、切断させる分子(cleaving molecule)を意味するが、一般に、少なくとも前記認識要素の一部分を加水分解(hydrolyze)しうる化学物質または酵素のようなタンパク質配列を意味する。このような加水分解は、可逆的にまたは非可逆的に前記切断部位、及び/または、例えば前記認識要素の他の部分を切断することができる。好ましい酵素の例は、本明細書に記述されるように、一般的にプロテアーゼ(protease)、エンドヌクレアーゼ(endonuclease)、リパーゼ(lipase)、グリコシダーゼ(glycosidase)及びこれらの類似体を含む。化学的反応誘発因子の例は後述される。
本発明の本実施形態において、前記反応誘発因子は、前記切断部位を特異的に切断し、前記第1ハイブリダイズした二重鎖を不安定化させる前記不安定化因子を放出させる。したがって、前記非競合的切断性プローブは、前記反応誘発因子により前記切断部位が切断されることによって、解離した立体構造(図3A)からハイブリダイズした立体構造(図3B)へ立体構造的変化を起こすように考案されている。具体的に、前記切断による立体構造的変化は、前記ハイブリダイズした立体構造にある確率の増加と前記解離した立体構造にある確率の減少を招く。
望む立体構造的変化を誘発するためには、前記不安定化因子が前記第1ハイブリダイズした二重鎖を十分に強く不安定化させなければならない。十分に強い不安定化効果を発生させる限り、ほとんどあらゆる種類の不安定化因子が使用されることができる。大きな大きさを有するタンパク質やタンパク質複合体を不安定化因子として使用することが好ましいが、これは、大きな大きさによって立体障害(steric hindrance)が容易に発生するためである。好ましい実施形態において、前記切断部位の一末端に連結されているビオチン(biotin)に結合しているストレプトアビジン(streptavidin)またはその誘導体を不安定化因子として使用することができる。ビオチンを連結するための化学は、本発明の属する技術分野によく知られている。好ましい切断性プローブにおいて、前記第1ハイブリダイズした二重鎖の融解温度は、切断により少なくとも約1℃、より好ましくは少なくとも約5℃上昇する。
好ましい実施形態において、前記反応誘発因子が存在しないときに、前記ハイブリダイズした立体構造は、検出温度を含むアッセイ条件下で熱力学的に不安定である。典型的に、この方式の好ましい切断反応性プローブでは、前記反応誘発因子が存在しない時における前記第1ハイブリダイズした二重鎖の融解温度が検出温度よりも低いが、好ましくは少なくとも約5℃、より好ましくは少なくとも約10℃低い。
図4は、競合する核酸配列対である第2核酸配列対をさらに含む競合的方式の切断性プローブを示す。好ましい実施形態において、切断部位21は、重複領域1cを除いた第1対象配列1a、または第1相補配列2aに接合されている。この競合的切断性プローブは、切断部位が切断されることによって、第2ハイブリダイズした二重鎖が形成される第2ハイブリダイズした立体構造(図4A)から、第1ハイブリダイズした二重鎖が形成される第1ハイブリダイズした立体構造(図4B)へ立体構造的変化を起こすように考案されている。具体的に、この切断により誘発された立体構造的変化は、前記第1ハイブリダイズした立体構造にある確率の増加と前記第2ハイブリダイズした立体構造にある確率の減少を招く。
望む立体構造的変化を誘発するためには、前記不安定化因子が前記第1ハイブリダイズした二重鎖を十分に強く不安定化させ、かつ、前記第2ハイブリダイズした二重鎖を十分に弱く不安定化させるか、全く不安定化させてはならない。前記第1ハイブリダイズした二重鎖の融解温度が、前記切断部位が切断されることによって少なくとも約1℃、より好ましくは少なくとも約5℃増加することが好ましい。
好ましい実施形態において、前記反応誘発因子が存在しないときに、前記第2ハイブリダイズした二重鎖が前記第1ハイブリダイズした二重鎖に比べて優先的に形成される。好ましくは、前記反応誘発因子が存在しないときに、前記第2ハイブリダイズした二重鎖の融解温度は、前記第1ハイブリダイズした二重鎖の融解温度と比較して少なくとも約1℃、より好ましくは少なくとも約5℃高い。切断が起こることによってハイブリダイゼーションの選好度が、前記第1ハイブリダイズした二重鎖を好むように変わることがより好ましい。好ましくは、前記反応誘発因子が過量存在するときに、前記第1ハイブリダイズした二重鎖の融解温度は、前記第2ハイブリダイズした二重鎖の融解温度よりも少なくとも約1℃、より好ましくは少なくとも約5℃高い。
好ましい実施形態において、前記反応誘発因子が存在しないときに、検出温度を含むアッセイ条件下で前記第2ハイブリダイズした二重鎖は熱力学的に安定しているが、前記第1ハイブリダイズした二重鎖は不安定または低安定している。典型的に、本実施形態の好ましい切断性プローブでは、前記反応誘発因子が存在しない時における前記第2ハイブリダイズした二重鎖の融解温度が検出温度よりも高いが、好ましくは少なくとも約5℃、より好ましくは少なくとも約10℃高い。
上述の切断性プローブにおいて、前記不安定化因子と前記プローブ基質の接合される核酸配列との距離は、充分に強い不安定化効果を誘発するために調節(最適化)されることができる。大部分の本発明の実施形態において、より短い距離がより強い不安定化を生じさせる。より大きい不安定化因子を使用することによって、より強い不安定化を誘発することも可能である。しかし、短すぎる距離または大きすぎる大きさは前記反応誘発因子の活性を遮断したり抑制したりすることがある。したがって、前記不安定化効果と前記反応誘発因子の活性を最大化するためには、このような変数を適切に選択すべきである。
本発明による特定切断性プローブは、前記切断部位を切断する特異的活性を有する反応誘発因子を検出するのに有用である。既に言及したように、本発明は、様々に変形可能であり、特定切断部位への使用に限定されるのではない。切断部位の例は、プロテアーゼ(protease)、エンドヌクレアーゼ(endonuclease)、リパーゼ(lipase)、及びグリコシダーゼ(glycosidase)のように細胞内で切断活性を有する多様な酵素に対して特異的なものを含むが、これに限定されない。特定ペプチド結合を特異的に切断するものと知られた臭化シアン(cyanogens bromide:CNBr)とヒドロキシルアミン(hydroxylamine:NH2-OH)のような化学的切断試薬も本発明に含まれる。前記反応誘発因子によって前記切断部位の実体は多様に変わることができる。例えば、前記切断部位は、プロテアーゼではアミノ酸配列となり、エンドヌクレアーゼでは二本鎖DNA配列となり、リパーゼでは脂質、そしてグリコシダーゼでは炭水化物となる。
次いで、本発明による多様な特異的切断部位について述べる。例えば、ヒトへパラナーゼ-1(human heparanase-1)に特異的な切断部位は重要な例である。へパラナーゼ-1は、腫瘍細胞の転移に関係すると見られるエンドグリコシダーゼ(endoglycosidase)である。へパラナーゼ-1は、細胞外マトリックス(extracellular matrix)を分解することによって、腫瘍細胞が組織関門(tissue barrier)を通過して侵入することを媒介するものと知られている。ヒトヘパラナーゼ-1に特異的なオリゴ糖(oligosaccharide)切断部位の例(1)を、表1に示す。
Figure 2006513701
(1)参考文献:Okada Y.et al.(2002)及びDempsey L.A.et al.(2000)。
(2)ΔHexUA、GlcN、及びGlcUAはそれぞれ、不飽和ヘキスロン酸(unsaturated hexuronic acid)、グルコサミン(glucosamine)、及びグルクロン酸(glucuronic acid)を表す。2S、3S、6S、及びNSはそれぞれ、2-O、3-O、6-O、及び2-N-硫酸化(sulfation)を表す。切断の位置は“/”で表す。
プロテアーゼ特異的切断部位は、多種の哺乳類またはウイルスのプロテアーゼがヒト疾病と関連していることから、やはり非常に重要である。
さらに好ましいプロテアーゼ切断部位は、例えば、酵母(yeast)、細菌(bacterium)、真菌類(fungus)、線虫(nematode)、ウイルス(virus)または原生動物(protozoan)のような、ヒト病原体と関連しているプロテアーゼにより特異的に加水分解されるものである。より具体的な例は、サイトメガロウイルス(cytomegalovirus:CMV);単純ヘルペスウイルス(herpes simplex virus:HSV);肝炎ウイルス(hepatitis virus)、好ましくはA型またはC型;ヒト免疫不全ウイルス(human immunodeficiency virus: HIV)、カポジ肉腫関連ヘルペスウイルス(Kaposi's sarcoma-associated herpes virus: KSHV)、黄熱ウイルス(yellow fever virus)、フラビウイルス(flavivirus)、ライノウイルス(rhinovirus)、またはP.ファルシパルム(P. falciparum)、P.ビバックス(P. vivax)、P.オバレ(P. ovale)、またはP.マラリエ(P. malariae)のようなマラリア原虫(plasmodium)を含む。典型的に、前記マラリア原虫は、マラリアやマラリアと関連した多様な合併症を誘発する。プラスメプシンI(plasmepsin I)とプラスメプシンII(plasmepsin II)プロテアーゼがこのような疾病と関連しているということが知られている。HSVを対象とする実施形態において、前記プロテアーゼは、HSVの成熟したプロテアーゼ(maturational protease)となる。
特定のHIV-1とHCVのプロテアーゼに特異的な多様な切断部位が公知されている。その例には、Gluzman,I.Y.et al.,J.Clin.Invest.,94:1602(1994);Grakoui,A.et al.,J.of Virol.,67:2832(1993);Kolykholov,AA.et al.,J.of Virol.,68:7525(1994);及びBarrie,K.A.et al.,Virology,219:407(1996)があり、これら参考文献に公知された内容は、本発明の参考資料として組み込まれる。
なお、病源体-特異的プロテアーゼ及び特異的切断部位が公知されたことがあり、これらは、本発明に合わせて使用されることができる。例えば、HSV-1の成熟したプロテアーゼとその切断部位が開示されている(Hall,M.R.T.及びW.Gibson,Virology,227:160(1997)参照)。また、プラスメプシンI及びII(plasmepsins I and II)は、P.ファルシパルム(P. falciparum)の消化液胞(digestive vacuole)から発見されたし、これに相応するプロテアーゼ切断部位もまた公知されている(Moon,R.P.,Eur.J.Biochem.,244:552(1997)参照)。
本発明に使用するための追加的なプロテアーゼ特異的切断部位は、血液凝固(blood coagulation)、アポトーシス(apoptosis)、アルツハイマー病(Alzheimer's disease)、または細胞外マトリックス(extracellular matrix)と関連する哺乳類のプロテアーゼにより特異的に切断される。
プロテアーゼ特異的切断部位の例を、表2に示す。
Figure 2006513701





Figure 2006513701








Figure 2006513701
(1)知られている場合、切断の位置は“/”で表す。
次に、本発明による第I型、第II型、及び第II(−)型連結性プローブの特定の例について述べる。
図5及び図6は、検出可能なラベルを持たない非競合的方式の第I型及び第II型連結性プローブを示す。図5に示す第I型連結性プローブにおいて、認識要素3は、反応誘発因子の特異的作用により不安定化因子31が(典型的に共有結合にて)接合可能な反応部位31である。この不安定化因子は、前記反応誘発因子が存在するときに、前記反応部位と共有結合または非共有結合を形成しうる少なくとも一つの反応基33を有している。
図6に示す第II型連結性プローブにおいて、認識要素3は、反応誘発因子40の特異的作用により特異的に接合部位42へ変換しうる反応部位41である。この接合部位は、不安定化因子43が接合されうる部位である。この不安定化因子は、自発的にまたは連結因子(coupling agent)の存在下で前記接合部位に共有結合または非共有結合的に連結される少なくとも一つの反応基44を有する基質であるか、または、前記接合部位に特異的に結合しうる受容体因子でありうる。前記不安定化因子の連結(coupling)または結合(binding)は、前記接合部位に対して特異的でなければならない。
この代わりに、さらに第II型連結性プローブを、最初は不安定化因子が接合可能な一つの接合部位(conjugation site)として作用するが、反応誘発因子の作用により非接合性部位(non-conjugatable site)へ変換される反応部位を含むように変形して構成することができる。このようなプローブは、本明細書で“第II(−)型連結性プローブ”と呼ばれる。図7に示す第II(−)型連結性プローブにおいて、不安定化因子53は、反応誘発因子が存在しないときにはプローブ、特に反応部位51(すなわち、認識部位3)に接合されることができるが、反応誘発因子50の作用により反応部位51が非接合性部位52へ変換されると、当該プローブに接合できなくなる。不安定化因子53は、反応部位51に共有結合または非共有結合的に連結されうる少なくとも一つの反応基54を有している基質でありうる。上記の第II型連結性プローブと共に使用される不安定化因子は、当該の第II(−)型結合性プローブとも共に使用されることができる。
上記の非競合的方式の第I型、第II型及び第II(−)型連結性プローブにおいて、一つまたはそれ以上の反応部位が、第1対象配列1aまたは第1相補配列2aのいずれの位置にも接合可能である。各反応部位は、連結要素4により、典型的に共有結合にて接合される。
非競合的方式の前記第I型及び第II型連結性プローブは、前記反応誘発因子の作用により前記不安定化因子が前記反応部位に結合または接合されることによって、ハイブリダイズした立体構造(図5A及び6A)から、解離した立体構造(図5B及び6C)へ立体構造的変化を起こすように考案されている。具体的に、前記連結により誘発された立体構造的変化は、前記ハイブリダイズした立体構造にある確率の減少と前記解離した立体構造にある確率の減少を招く。
非競合的方式の前記第II(−)型連結性プローブは、前記反応誘発因子の作用により、解離した立体構造(図7C)からハイブリダイズした立体構造(図7B)へ立体構造的変化を起こすように考案されており、このような立体構造的変化によって、前記ハイブリダイズした立体構造にある確率の増加と前記解離した立体構造にある確率の減少が起こる。
望む立体構造的変化を誘発するためには、前記不安定化因子が前記第1ハイブリダイズした二重鎖を十分に強く不安定化させなければならない。十分に強い不安定化効果を生じさせる限り、ほとんどあらゆる種類の不安定化因子が使用されることができる。大きい大きさを有するタンパク質やタンパク質複合体を不安定化因子として使用することが好ましいが、これは、大きな大きさによって立体障害(steric hindrance)が容易に発生できるためである。好ましい実施形態において、連結反応のための少なくとも一つの反応基を有する修飾されたビオチン(modified biotin)に結合しているストレプトアビジン(streptavidin)またはその誘導体を不安定化因子として使用することができる。ビオチンを修飾するための化学は、本発明の属する技術分野でよく知られている。前記第II型及び第II(−)型連結性プローブの他の好ましい実施形態において、前記接合部位(前記第II(−)型連結性プローブでは反応部位)に特異的に結合しうる抗体や受容体またはこれらの類似体を不安定化因子として使用することができる。好ましいプローブにおいて、前記第1ハイブリダイズした二重鎖の融解温度は、前記不安定化因子の連結または接合により少なくとも約1℃、より好ましくは少なくとも約5℃減少する。
非競合的方式の前記第I型及び第II型連結性プローブの好ましい実施形態において、前記反応誘発因子が存在しないときに、前記ハイブリダイズした立体構造は、検出温度を含むアッセイ条件下で熱力学的に安定している。典型的に、この方式の好ましい第I型及び第II型連結性プローブでは、前記反応誘発因子が存在しない時における前記第1ハイブリダイズした二重鎖の融解温度が検出温度よりも高いが、好ましくは少なくとも約5℃、より好ましくは少なくとも約10℃高い。
非競合的方式の前記第II(−)型連結性プローブの好ましい実施形態において、前記不安定化因子が前記プローブに結合しており、前記反応誘発因子が存在しないときに、前記解離した立体構造は、検出温度を含むアッセイ条件下で熱力学的に安定している。典型的に、この方式の好ましい第II(−)型連結性プローブでは、前記反応誘発因子が存在しない時(前記不安定化因子が結合されている状態)における前記第1ハイブリダイズした二重鎖の融解温度が検出温度よりも低いが、好ましくは少なくとも約5℃、より好ましくは少なくとも約10℃低い。
図8及び図9は、競合する核酸配列対である第2核酸配列対をさらに含む競合的方式の第I型及び第II型連結性プローブを示す。好ましい実施形態において、反応部位(31または41)は、重複領域1cを除いた第1対象配列1a、または第1相補配列2aに接合されている。競合的方式の前記第I型及び第II型連結性プローブは、前記不安定化因子が結合されることによって、第1ハイブリダイズした二重鎖が形成される第1ハイブリダイズした立体構造(図8A及び図9A)から、第2ハイブリダイズした二重鎖が形成される第2ハイブリダイズした立体構造(図8B及び図9C)へ、立体構造的変化を起こすように考案されている。具体的に、前記不安定化因子(32または43)の結合により誘発された立体構造的変化は、前記第1ハイブリダイズした立体構造にある確率の減少と前記第2ハイブリダイズした立体構造にある確率の増加を招く。
本発明によって、競合的方式の第II(−)型連結性プローブは、最初には接合部位(conjugation site)として作用するが、反応誘発因子の作用により非接合性部位(non-conjugatable site)へ変換する反応部位を含むことによって構成されることができる。競合的方式の第II(−)型連結性プローブは、前記反応誘発因子の作用によって、第2ハイブリダイズした立体構造から第1ハイブリダイズした立体構造へ立体構造的変化を起こすように考案されている。このような立体構造的変化は、前記第1ハイブリダイズした立体構造にある確率の増加と前記第2ハイブリダイズした立体構造にある確率の減少を招く。
望む立体構造的変化を誘発するためには、前記不安定化因子が、前記第1ハイブリダイズした二重鎖を十分に強く不安定化させ、かつ、前記第2ハイブリダイズした二重鎖を十分に弱く不安定化させるか、または、全く不安定させてはならない。前記第I型、第II型及び第II(−)型連結性プローブにおいて、前記第1ハイブリダイズした二重鎖の融解温度が、前記不安定化因子が結合または接合されることによって少なくとも約1℃、より好ましくは少なくとも約5℃減少することが好ましい。
前記第I型及び第II型連結性プローブの好ましい実施形態において、前記反応誘発因子が存在しないときに、前記第1ハイブリダイズした二重鎖が前記第2ハイブリダイズした二重鎖に比べて優先的に形成される。好ましくは、前記反応誘発因子が存在しないときに、前記第1ハイブリダイズした二重鎖の融解温度は、前記第2ハイブリダイズした二重鎖の融解温度と比較して少なくとも約1℃、より好ましくは少なくとも約5℃高い。連結が起こることによって、前記ハイブリダイゼーションの選好度が、前記第2ハイブリダイズした二重鎖を好むように変わることがより好ましい。好ましくは、前記反応誘発因子が過量存在する時における前記第1ハイブリダイズした二重鎖の融解温度は、前記第2ハイブリダイズした二重鎖の融解温度よりも少なくとも約1℃、より好ましくは少なくとも約5℃低い。
前記第II(−)型連結性プローブの好ましい実施形態において、前記反応誘発因子が存在しないときに、前記プローブ(すなわち、前記反応部位)に前記不安定化因子が付着している状態で、前記第2ハイブリダイズした二重鎖は、前記第1ハイブリダイズした二重鎖に比べて優先的に形成される。好ましくは、前記プローブに前記不安定化因子が結合されており、前記反応誘発因子が存在しないときに、前記第2ハイブリダイズした二重鎖の融解温度は、前記第1ハイブリダイズした二重鎖の融解温度よりも少なくとも約1℃、より好ましくは少なくとも約5℃高い。前記反応誘発因子の作用によって、ハイブリダイゼーションの選好度が前記第1ハイブリダイズした二重鎖を好むように変わることがより好ましい。好ましくは、前記反応誘発因子が過量存在するときに、前記第1ハイブリダイズした二重鎖の融解温度は、前記第2ハイブリダイズした二重鎖の融解温度よりも少なくとも約1℃、より好ましくは少なくとも約5℃高い。
前記第I型及び第II型連結性プローブの好ましい実施形態において、前記反応誘発因子が存在しないときに、前記第1及び第2ハイブリダイズした二重鎖は両方とも検出温度を含むアッセイ条件下で熱力学的に安定している。典型的に、好ましい前記第I型及び第II型連結性プローブでは、前記反応誘発因子が存在しない時における前記第1及び第2ハイブリダイズした二重鎖の融解温度が検出温度よりも高いが、好ましくは5℃、より好ましくは少なくとも10℃高い。
前記第II(−)型連結性プローブの好ましい実施形態において、前記反応誘発因子が存在しないときに、検出温度を含むアッセイ条件下で前記第2ハイブリダイズした二重鎖は熱力学的に安定しているが、前記不安定化因子が結合されている前記第1ハイブリダイズした二重鎖は熱力学的に不安定または低安定している。典型的に、好ましい第II(−)型連結性プローブでは、前記反応誘発因子が存在しない時における前記第2ハイブリダイズした二重鎖の融解温度が、前記検出温度よりも高いが、好ましくは少なくとも約5℃、より好ましくは少なくとも約10℃高い。
上述のあらゆる類型の連結性プローブにおいて、前記不安定化因子が連結されている前記核酸配列と前記不安定化因子との距離を、前記連結要素(coupling element)の長さを変化させることによって調節することが好ましい。立体障害(及び他の種類の障害)は、短い距離でより強くなるので、より短い長さの連結要素を使用することがより好ましいこともある。また、より大きい不安定化因子が使用されるようにすることによってより強い不安定化を誘発しても良い。しかし、短すぎる距離または大きすぎる大きさは、前記反応誘発因子の活性を遮断したり阻害したりもするので、前記不安定化効果及び前記反応誘発因子の活性を最大化するためには、このような変数を適切に選択すべきである。
第I型連結性プローブは、不安定化因子に、関心の対象となる反応部位を(典型的に共有結合により)接合しうる特異的活性を有する反応誘発因子を検出するのに有用である。無論、本発明は、様々に変形可能なもので、ある特定反応部位への使用に限定されない。前記反応部位の例は、ポリヌクレオチドリガーゼ(polynucleotide ligase)、アミノアシルtRNAリガーゼ(aminoacyl tRNA ligase)、ビオチンタンパク質リガーゼ(biotin protein ligase)等のような多様なリガーゼ(ligase)に対して特異的な反応部位を含む。前記反応誘発因子によって前記反応部位の実体は多様に変わることができる。例えば、ポリヌクレオチドリガーゼ(polynucleotide ligase)では核酸配列、アミノアシルtRNAリガーゼ(aminoacyl tRNA ligase)ではアミノ酸、ビオチンタンパク質リガーゼ(biotin protein ligase)ではビオチンが、前記反応部位となる。
第II型連結性プローブは、反応部位を接合部位に変換する特異的活性を有する反応誘発因子を検出するのに有用である。勿論、本発明は、様々に変形可能なもので、ある特定反応部位への使用に限定されない。前記反応部位の例は、キナーゼ(kinase)、DNAポリメラーゼ(DNA polymerase)、アセチル-CoAトランスフェラーゼ(acetyl-CoA transferase)などのような多様なトランスフェラーゼ(transferase)に対して特異的な反応部位を含む。前記反応誘発因子によって、前記反応部位の実体は多様に変わることができる。例えば、プロテインキナーゼ(protein kinase)ではアミノ酸配列、DNAポリメラーゼ(DNA polymerase)では核酸配列、アセチル-CoAトランスフェラーゼ(acetyl-CoA transferase)では脂肪酸が、前記反応部位となる。
第II(−)型連結性プローブは、既に接合部位(conjugation site)だった反応部位を非接合性部位(non-conjugatable site)へ変換する特異的活性を有する反応誘発因子を検出するのに有用である。勿論、本発明は、様々に変形可能なもので、ある特定反応部位への使用に限定されない。前記第II(−)型連結性プローブの認識要素として使用可能な前記反応部位の重要な一例に、ホスファターゼ(phosphatase)特異的反応部位がある。ホスファターゼ特異的反応部位の例は、チロシンホスファターゼ(tyrosine phosphatase)、二重特異性ホスファターゼ(dual specificity phosphatase)及びプロテインSer/Thrホスファターゼ(protein Ser/Thr phosphatase)のようなリン酸化プロテインホスファターゼ(phosphoprotein phosphatase)に特異的なもの;ホスファチジルイノシトール-3,4-二リン酸4-ホスファターゼ(phosphatidylinositol-3,4-biphosphate 4-phosphatase)、ホスファチジルイノシトール-3,4,5-三リン酸3-ホスファターゼ(phosphatidylinositol-3,4,5-triphosphate 3-phosphatase)、SH2ドメイン含有イノシトールホスファターゼ(SH2 domain-containing inositol phosphatase:SHIP)及び膜-会合リン脂質ホスファターゼ(membrane-associated phospholipid phosphatase)のようなリン脂質ホスファターゼ(phospholipids phosphatase)に特異的なもの;ポリヌクレオチド3'-ホスファターゼ(polynucleotide 3'-phosphatase)及びポリヌクレオチド5'-ホスファターゼ(polynucleotide 5'-phosphatase)のようなポリヌクレオチドホスファターゼ(polynucleotide phosphatase)に特異的なものを含む。
新薬開発と診断においてキナーゼの検出は非常に重要であり、したがって、本発明の第II型連結性プローブに適用しうるキナーゼに特異的な反応部位のより具体的な例を次に示す。
一般に、キナーゼは、水酸基(hydroxyl group)を典型的に有する反応部位を認識し、ATP存在下で前記反応部位を特異的にリン酸化する。例えば、プロテイン-キナーゼ(protein-kinase)は、特定アミノ酸配列または特定アミノ酸残基を認識し、リン酸基を特定アミノ酸に付着する。キナーゼの作用により、前記第II型連結性プローブの前記反応部位は、追加されたリン酸基を有する接合部位へ変換する。ホスファターゼ特異的第II(−)型連結性プローブに含まれた反応部位は、ホスファターゼの作用により脱リン酸化されるリン酸基を既に有している接合部位という事実に注目されたい。このようなホスファターゼにより誘発された反応は、上述のキナーゼにより誘発された反応の全く逆反応となる。したがって、前記キナーゼ特異的第II型連結性プローブに含まれた前記接合部位に、異なる種類の不安定化因子を接合するための下記の代表的な例は、前記第II(−)型連結性プローブの前記反応部位に不安定化因子を接合させるのに一般的に使用されることができる。
第一に、もし、リン酸基を含む前記接合部位に特異的に結合する受容体因子が存在するなら、この受容体因子は、親和性プローブにおけると略同様の方法で不安定化因子として使用されることができる。例えば、抗ホスホチロシンペプチド抗体(anti-phosphotyrosine peptide antibody)は、チロシンキナーゼ(tyrosine kinase:TK)特異的反応部位を有する第II型連結性プローブまたはチロシンプロテインホスファターゼ(protein tyrosine phosphatase)特異的反応部位を有する第II(−)型連結性プローブに対する不安定化因子として使用されることができ、また、同様の方式で、抗ホスホセリンペプチド抗体(anti-phosphoserine peptide antibody)または抗ホスホスレオニンペプチド抗体(anti-phosphothreonine peptide antibody)は、セリン-スレオニンキナーゼ(serine-threonine kinase:STK)特異的第II型連結性プローブまたはプロテインSer/Thrホスファターゼ(protein Ser/Thr phosphatase)特異的第II(−)型連結性プローブに対する不安定化因子として使用されることができる。in vivoまたはin situアッセイでは、このような受容体因子、すなわち不安定化因子は、関心の対象となる細胞の内部または外部に自然的に存在する受容体分子であっても良く、細胞の内部で遺伝子組み換えにより発現されたものを含めて意図的に導入された受容体分子であっても良い。他の例では、次の実施形態が、不安定化因子をリン酸基を有する前記接合部位に共有結合で連結するのに非常に有用となる。
リン酸基を含む前記接合部位に不安定化因子を連結させるためのさらに他の実施形態において、前記連結反応を誘発しうる反応基を有する修飾されたATPを、ATPの代用にすることができる。例えば、γ-リン酸基(γ-phosphate group)に酸素原子の代わりに硫黄原子を有するアデノシン5'-O-(3-チオ三リン酸)(adenosine 5'-O-(3-thiotriphosphate):ATPγS)を使用すると、前記反応部位にキナーゼ存在下でチオリン酸基(thiophosphate group)が付着される。このチオリン酸基は、ヨードアセチル基(iodoacetyl group)と自発的に反応して共有結合を形成するものと知られている(Jeong,S. and Nikiforov,T.T.(1999))。したがって、少なくとも一つのヨードアセチル基(iodoacetyl group)を有する不安定化因子を、本実施形態で使用することができる。他の方法として、少なくとも一つのチオル基(thiol group)を有する不安定化因子を使用することができる。BMB(1,4-bis-maleimidobutane)、BMH(bis-maleimidohexane)、及びHBVS(1,6-hexane-bis-vinylsulfone)のような連結試薬を使って不安定化因子に在るチオル基(thiol group)とチオリン酸基(thiophosphate group)間にジスルフィド(disulfide)結合を形成することができる(Pierce 2001-2002 Catalog,pp.294-331参照)。好ましくは、少なくとも一つのヨードアセチル基(iodoacetyl group)やチオル基(thiol group)を有するタンパク質またはタンパク質複合体を、不安定化因子として使用することができる。少なくとも一つのヨードアセチル基(iodoacetyl group)やチオル基(thiol group)を、ストレプトアビジン(streptavidin)やその誘導体の結合を邪魔しない位置に持つビオチンに結合しているストレプトアビジンまたはその誘導体は、非常に有用な例である(Jeong,S. and Nikiforov,T.T.(1999))。ビオチンを修飾する化学は、本発明の属する技術分野でよく知られている。
さらに他の実施形態において、リン酸基を有している前記第II型または第II(−)型連結性プローブの接合部位(または、反応部位)に使用可能な不安定化因子は、二価陽イオン性(dicataionic)、三価陽イオン性(tricataionic)または多価陽イオン性(polycationic)の金属イオンを含んでいる重合体(synthetic polymer)またはその類似体からなるナノ粒子(nanoparticle)、ミクロ粒子(microparticle)、ビーズ(bead)または膜(membrane)でありうるが、例えば、Fe3+、Ga3+またはRu2+を含むポリスチレン(polystyrene)ビーズまたはナノ粒子のようなものでありうる。このような粒子または物質が、リン酸基を含む部分に結合するということが公知されているが、例えば、本発明の前記キナーゼ特異的第II型連結性プローブの接合部位や前記ホスファターゼ特異的第II(−)型連結性プローブの反応部位に結合する。これは、Sportsman,J.et al.PCT Pub.No.WO 00/75167 A2;Huang,W.et al.EP Pub.No.EP1156329 A2;及び、Nikiforov,T.T.U.S.Pat No.6,287,774 B1を参照されたい。
好ましいキナーゼ特異的反応部位は、ヒト疾病と係わるキナーゼにより特異的にリン酸化されるものである。例えば、ヒト疾病と係わる多様なプロテインキナーゼとこれらの認識部位が、本発明の属する技術分野で公知されており、例えば、Pearson R.B. and Kemp B.E.(1991),“Methods in Ezymology”,vol.200,pp.62-81;Bachem catalog(2002),pp.749-758;New England Biolabs catalog(2000),p.162;及び、ウェブページ、“The Protein Kinase Resources”at http://pkr.sdsc.edu/html/disease.shtmを参照されたい。前記第II型連結性プローブの反応部位として使用可能なキナーゼ特異的認識部位の重要例(1)を、表3に示す。



















Figure 2006513701








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(1)参考文献:“Method in Ezymology”,vol.200,pp.62-81;Bachem catalog(2002),pp.749-758;及び、New England Biolabs catalog(2000),p.162.
(2)下線付きの文字は、リン酸化反応(phosphorylation)部位を、イタリック体文字は、既にリン酸化しているセリン(phosphorylated serine)を表す。括弧中の番号は、配列番号を表す。
上述の如く、前述の各類型のプローブは、一つまたはそれ以上の望む標的因子の存在、非存在、または減少された量により、一つの立体構造から他の立体構造へ容易に検出可能な立体構造的変化を起こすように考案されている。本発明のプローブの特性とされる前記立体構造的変化は、前記対象及び相補核酸配列のハイブリダイゼーションの変化により起こる。したがって、核酸ハイブリダイゼーションアッセイ(Dattagupta,N. U.S.Pat.No4,968,602;Tyagi,S.et al. U.S.Pat.No.5,925,517;及び、Lucas,J.N.et al. U.S.Pat.No.6,027,879参照)の技術分野で知られているほとんどあらゆる検出可能なラベル及びこれらを使用する方法を、本発明のプローブに合わせて適用することができる。一般に、少なくとも一つの検出可能なラベルを本発明のプローブに接合することができる。ラベル部分の接合は、プローブのいずれの位置に接合されていてもアッセイ条件下で安定していなければならない。大部分の実施形態において共有結合による接合が好ましいものとされているが、一般的に、接合は共有結合または非共有結合によるものでありうる。非共有結合による接合の例は、イオン結合(ionic bond)、インターカレーション(intercalation)、そして親水性及び疏水性相互作用(hydrophilic and hydrophobic interaction)を含むが、これに限定されない。検出可能なラベルを含ませるための重要例を、次に示す。
本発明によるプローブは、典型的に共有結合にて前記プローブに接合された、少なくとも一つの非相互作用性ラベル(non-interactive label)を有することができる。非相互作用性ラベルの例は、蛍光体(fluorescer);化学的発光体(chemiluminescer)、放射線発光体(radioluminescer)、生物学的発光体(bioluminescer)及び電気化学的発光体(electrochemiluminescer)のような発光体(luminescer);放射線同位元素(radioisotopes);アルカリホスファターゼ(alkaline phosphatase)及び 西洋ワサビペルオキシダーゼ(horseradish peroxidase)のような酵素(enzyme);抗体(antibody);抗原(antigen);電気化学的ラベル(electrochemical label);及び、これらの組み合わせを含む。蛍光体と発光体のような光を生成するラベルが最も便利に使用される。シグナル増幅方法を含む酵素アッセイ(enzyme assay)とELISAで使用されるラベル、すなわち、本発明の属する技術分野で一般的に知られた酵素、抗体、抗原、及びこれらの組み合わせを含む生化学的ラベルは、少ない量の標的因子を検出する上で非常に有用である。
本発明のプローブに好適な他のラベルも公知されている(Dattagupta,N. U.S.Pat.No.4,968,602;Tyagi S.et al. U.S.Pat.No.5,925,517;Lucas,J.N. et al. U.S.Pat.No.6,027,879参照)。望む用途に見合う多様な類型のプローブが考案されており、その例は、FRET(fluorescence resonance energy transfer)ラベル対及び酵素供与体-受納体対(enzyme donor-acceptor pair)のような相互作用性ラベルを有するプローブ、及び蛍光体、発光体、抗原、抗体、酵素、及び電気化学的ラベルのような非相互作用性ラベルを有するプローブを含む。本発明によるプローブは、必要なアッセイ条件に合うプローブの最適化を考慮して容易に考案されるが、これは、核酸のハイブリッドの性質を、周知の計算方法または実験的資料を根拠として容易に予測できるからである。
図10は、少なくとも一つの非相互作用性ラベル5を有する非競合的方式のプローブを示す。ここでは、親和性プローブを特定例とした。好ましくは、このプローブは、第1対象配列1aを含む第1分子と第1相補配列2aを含む第2分子とからなる二分子プローブ(bimolecular probe)である。少なくとも一つの非相互作用性ラベルが、前記第1及び第2分子のいずれの位置に接合されても良いが、認識要素3と標的因子(すなわち、プローブ方式によって受容体因子または反応誘発因子)との相互作用を邪魔する位置に接合されることはできない。
図11は、少なくとも一つの非相互作用性ラベル5を有する非競合的方式の固定化した二分子プローブを示す。ここでは、親和性プローブを特定例とした。第1及び第2分子のうち一つは、リンカー13を介して固体支持体12に固定化されることができる。典型的に、このリンカーは、前記プローブの作動を邪魔しないアルキル鎖(alkyl chain)または他の部分を有する分子である。図11に示すように、前記非相互作用性ラベルは、前記第1または第1分子のうち、固定化していない分子に接合されていることが好ましい。
本発明に使用するのに好適なより好ましいリンカーは、約5個乃至約100個の原子、より好ましくは約5個乃至約50個の原子の長さを有する。
図12は、少なくとも一つの非相互作用性ラベル5a,5bを有する競合的方式のプローブを示す。ここでは、親和性プローブを特定例とした。好ましくは、図13に示すように、このプローブは、第1及び第2対象配列からなる対象配列1を含む第1分子、第1相補配列2aを含む第2分子、及び第2相補配列2bを含む第3分子からなる三分子プローブ(trimolecular probe)である。少なくとも一つの非相互作用性ラベルが、前記第1、第2、及び第3分子のうちいずれか一つの位置に接合されても良いが、認識要素3と標的因子との相互作用を邪魔する位置に接合されることはできない。好ましい実施形態において、少なくとも一つの非相互作用性ラベルが、前記第2及び第3分子のうち少なくとも一つに接合されているが、もし、両分子ともラベルされているなら、各分子は相異なるラベルを有する。前記第2及び第3分子に相異なるラベルを接合することによって、前記第1ハイブリダイズした二重鎖と前記第2ハイブリダイズした二重鎖の形成を区別することが可能になる。
図13は、実施例4で使用された非相互作用性ラベルを有する競合的方式の親和性プローブの例を示す。受容体因子であるストレプトアビジン(streptavidin)を検出するために、ビオチン(biotin)がプローブリガンドとして使用された。蛍光ラベルとしてフルオレセイン(fluorescein)が第2対象配列2bに接合された。好ましい実施形態により、重複領域に含まれない第1対象配列の領域に、プローブリガンドが接合された。また、第1相補配列は、第2相補配列に比べてより長いものが選択された。こうすると、前記受容体因子が存在しないときに、前記第1相補配列が前記第2相補配列に比べて優先的にハイブリダイズすることができる(図13A)。好ましい実施形態により、前記受容体因子が存在するときに、前記ハイブリダイゼーションの選好度が前記第2相補配列のハイブリダイゼーションを好む方向に変わるようになる(図13B)。
図14は、少なくとも一つの非相互作用性ラベルを有する競合的方式の固定化した三分子プローブを示す。ここでは、親和性プローブを特定例とした。図14に示すように、第1、第2、及び第3分子のうちいずれか一つが、リンカー13を介して固体支持体12に固定される。もし、対象配列1を含んでいる第1分子が固定化していると(図14A)、第1及び第2相補配列2a,2bをそれぞれ含んでいる第2及び第3分子のうち少なくとも一つに、少なくとも一つの非相互作用性ラベルを接合することが好ましい。この場合、もし、前記第2及び第3分子の両方ともラベルされていると、各分子は、相異なるラベルを有する。図14B及び図14Cに示すように、もし、前記第2または第3分子が固定化されていると、前記対象配列を含んでいる前記第1分子に少なくとも一つの非相互作用性ラベルが接合されることが好ましい。
図15は、実施例9で使用された非相互作用性ラベルを有する固定化した競合的方式の親和性プローブの例を示す。ここでも同様に、ストレプトアビジンを検出するためのプローブリガンドとしてビオチンが使用されたが、ただし、このビオチンが第1相補配列2aに接合されている。第2相補配列2bに接合されている非相互作用性ラベルは、フルオレセイン(fluorescein)である。対象配列は、リンカー13を介して固体支持体12にその5'末端が固定化されている。好ましい実施形態により、前記受容体因子が存在しないときに、前記第1相補配列が前記第2相補配列に比べて優先的にハイブリダイズするように、前記第1相補配列は、前記第2相補配列に比べてより長いものとした(図15A)。好ましい実施形態により、前記受容体因子が存在するときに、前記ハイブリダイゼーションの選好度が、前記第2相補配列のハイブリダイゼーションを好む方向に変わるようになる(図15B)。
一部の実施形態において、少なくとも一つの非相互作用性ラベルを有する前記競合的方式のプローブは、前記対象配列と前記第1及び第2相補配列のうち一つとを含む第1分子と、残りの相補配列を含む第2分子とからなる二分子プローブでありうる。前記第1分子に含まれている二つの配列は、ループ部分(loop moiety)により共有結合で連結されている。好ましいループ部分は、前記第1分子に含まれた前記対象及び相補配列のハイブリダイゼーションを邪魔しないように、充分な長さと柔軟性を有する二価(divalent)または多価(multivalent)の化学部分でありうる。例えば、前記ループ部分は、アルキル鎖(alkyl chain)、ポリペプチド鎖(polypeptide chain)、核酸配列、またはポリエチレングリコール鎖(polyethylene glycole chain)及びポリエステル鎖(polyester chain)のような高分子鎖(polymer chain)でありうる。もし、前記ループ部分が核酸配列であれば、約4〜100個のヌクレオチド長が好ましい。このループ部分は、前記第1分子に含まれた二つの配列をいずれの位置でも連結することができる。好ましくは、前記ループ部分は、ある配列の5'または3'末端のいずれかを他の配列の5'または3'末端のいずれかに連結する。より好ましくは、前記ループ部分は、前記二つの配列を、5’から3’方向または3'から5'方向へ連結する。上述の如く、このループ部分は、前記対象及び相補配列のハイブリダイゼーションを邪魔しない範囲内で、前記二つの配列をいずれの位置でも連結する、二価または多価の化学部分でありうる。前記二分子プローブにおいて、少なくとも一つの非相互作用性ラベルは、前記第1及び第2分子のうち少なくとも一つに接合されている。もし、前記両分子ともラベルされているなら、各分子は、相異なるラベルを有する。一部の実施形態において、前記第1及び第2分子のうち一つは、固体支持体に固定されている。このような実施形態において、前記少なくとも一つの非相互作用性ラベルは、固定化していない分子に接合されることが好ましい。
前述した少なくとも一つの非相互作用性ラベルを有するプローブにおいて、前記分子のうちいずれも固定化していないと、前記標的因子の存在は、分離過程の後にハイブリダイズしたまたはハイブリダイズしていない分子と連合している前記ラベルからの特徴的シグナルを検出することによって確認することができる。この分離過程は、本明細書に記載された一部の実験例におけるように非変性(non-denaturing)条件で電気泳動をすることによって行われる。異なる種を区別するために前記特徴的シグナルを大きさの関数として検出することが好ましい。前記固定化したプローブにおいて、前記標的因子の存在は、固定化したプローブに結合していない分子を洗浄し除去した後、前記ラベルからの特徴的シグナルを検出することによって確認することができる。
本発明のプローブに容易に適用可能な他の類型の検出可能なラベルは、一本鎖核酸に比べて二本鎖核酸に優先的に結合するエチジウムブロマイド(ethidium bromide)及びSYBR(登録商標) Green(Molecular Probes、OR、USA)のようなインターカレート染色剤(intercalating dye)である。インターカレート染色剤が前記検出可能なラベルとして使用される時、非競合的方式の本発明のプローブは、第1対象配列を含む第1分子と、第1相補配列を含む第2分子とを含むように構成されることができ、これら第1及び第2分子のうちいずれか一つが支持体に固定化される。インターカレート染色剤を使用する一部の実施形態において、非競合的方式のプローブは、前記第1対象及び第1相補配列をループ部分により連結された状態に含む一つの分子からなると良く、リンカーを介して支持体に固定化されていることもできる。もし、前記プローブが競合的方式のものなら、前記対象配列、前記第1相補配列、及び前記第2相補配列が異なる分子に含まれていることが好ましい。そうしないと、第1及び第2ハイブリダイズした二重鎖の形成を、インターカレート染色剤を使って区分できないこともある。もし、前記競合的方式のプローブを固定化したい場合には、前記第1及び第2相補配列のうちいずれか一つをリンカーを介して支持体に固定化することが好ましい。
検出可能なラベルとしてインターカレート染色剤(intercalating dye)を使用することが好ましい実施形態において前記プローブが固定化されていないと、前記標的因子の存在は、例えば、非変性(non-denaturing)条件下で電気泳動をするような分離過程を行った後、前記ハイブリダイズした二重鎖(等)に連合している前記ラベルからの特徴的シグナルを検出することによって確認することができる。少なくとも一つの非相互作用性ラベルを有するプローブにおけると同様に、前記特徴的シグナルを大きさの関数として検出することが、相異なる種を区別する上で好ましい。前記固定化したプローブにおいて前記標的因子の存在は、固定化したプローブに結合していない分子を洗浄し除去した後、前記ラベルからの特徴的シグナルを検出することによって確認することができる。
核酸ハイブリダイゼーションアッセイに対する技術分野でよく知られた相互作用性ラベル対(interactive label pair)は、本発明によるプローブにおいて検出可能なラベルとして非常に有用である。本発明によるプローブに有用に使用可能な相互作用性ラベル対は、両ラベル部分間の距離に依存する特徴的シグナルを生成できる特性を有していなければならない。上述の如く、本発明によるプローブは、標的因子の存在または非存在によって立体構造的変化を起こす。本発明のプローブの特性とされる立体構造的変化は、対象配列と相補配列とのハイブリダイゼーション及び解離の結果である。したがって、距離依存的にシグナルを生成する特徴を有する大半の相互作用性ラベル対は、本発明によるプローブに両ラベル部分を適切に接合することによって使用されることができる。標的核酸配列の検出と関連して有用な相互作用性ラベル対の例が、米国特許第5,925,517に開示されている。本発明によるプローブに接合される最も好ましい相互作用性ラベル対は、作用方式が蛍光共鳴エネルギー転移(fluorescence resonance energy transfer:FRET)である蛍光体(flourescer)と消光体(quencher)の対または発光体(lumniescer)と消光体(quencher)の対であるか、直接的蛍光エネルギー転移(direct fluorescence energy transfer)を引き起こすこれらの類似体である。しかし、他の類型の相互作用性ラベル対、例えば酵素とその補助因子(cofactor)の対、またはよく知られている酵素相補方式アッセイ(enzyme complementation assay)で使用される酵素供与体(enzyme donor)と酵素受納体(enzyme acceptor)の対のような酵素の断片または亜構成単位対を使用することができる。前記酵素相補方式アッセイに係わる例は、Comoglio,S. and Celada,F.(1976);Gonnelli,M.et al.(1981);及び、Henderson,D.R. U.S Pat.No.4,708,929を参照されたい。非常に少ない量の標的因子を検出するために本発明のプローブのシグナルトランスデューサーのシグナルを増幅する必要がある場合に、前記酵素ラベル対は特に有用である。発光体の例は、化学的発光体(chemiluminescer)、放射線発光体(radioluminescer)、電気化学的発光体(electrochemiluminescer)、及び生物学的発光体(bioluminescer)を含む。蛍光体と消光体対または発光体と消光体対のようなFRETラベル対を、検出可能なラベルとして使用する場合、前記特徴的シグナルは、前記蛍光体または前記発光体から発生する光であるが、前記2ラベル部分の相互作用によって発生する光の強度(intensity)、寿命(lifetime)、または偏光(polarization)が変化するようになる。場合によって、前記プローブから発生する蛍光の波長(wavelength)が、前記両ラベル部分の相互作用によって変化することもある。これは、前記消光体部分もまた蛍光体であって、好ましくは、前記蛍光体部分よりも長い放出波長を有し、この蛍光体部分に対してエネルギー転移受納体(energy transfer acceptor)として作用できる蛍光体である特別な場合である。このような実施形態において、前記蛍光波長の変化は、前記蛍光の強度(intensity)、寿命(lifetime)、または偏光(polarization)の変化に加えて、あるいはその代わりに、前記プローブの立体構造的変化に起因する前記両ラベル部分間の相互作用の指標として使用されることができる。少なくとも一つの相互作用性ラベル対を有する大部分の実施形態において、二つの相互作用性ラベル部分は、前記ハイブリダイズした立体構造におけるように相互に近づいている状態では相互作用をし、前記解離した立体構造におけるように相互に遠ざかっている状態では相互作用をしなくなる。次に、少なくとも一つの相互作用性ラベル対を有する本発明によるプローブの好ましい実施形態の一部の代表的な例を示す。
図16は、競合的方式の1対の相互作用性ラベルを有する二分子プローブを示す概略図である。ここでは、親和性プローブを特定例とした。この特定実施形態において、前記プローブは、第1対象配列1aに接合された第1ラベル部分6aと、第1相補配列2aに接合された第2ラベル部分6bとからなる1対の相互作用性ラベル対を含む。受容体因子10が存在しないときに、このプローブは、ハイブリダイズした立体構造(図16A)におり、前記二つの相互作用性ラベル部分は、相互に近づいて位置することによって両ラベル部分間に効果的な相互作用が起こるようになる。前記受容体因子が存在するときに、このプローブは、解離した立体構造(図16B)へ変化し、前記二つの相互作用性ラベル部分は相互に遠ざかることによって、両ラベル部分間の相互作用が遮断されたり抑制されたりする。一部の実施形態では、前記第1または第2分子のいずれかを、リンカーを介して支持体に固定化することが有用である。
図17は、1対の相互作用性ラベルを有する非競合的方式の単分子プローブを示す概略図である。ここでは、親和性プローブを特定例とした。この単分子プローブにおいて、第1対象配列1aと第1相補配列2aは、ループ部分により共有結合で連結されている。前記相互作用性ラベル対は、前記第1対象配列1aに接合された第1ラベル部分6aと、前記第1相補配列2aに接合された第2ラベル部分6bとからなっている。受容体因子10が存在しないときに、このプローブは、ハイブリダイズした立体構造(図17A)におり、前記二つの相互作用性ラベル部分は相互に近づいて位置することによって両ラベル部分間に効果的な相互作用が起こるようになる。前記受容体因子が存在するときに、このプローブは、解離した立体構造(図17B)へ変化し、前記二つの相互作用性ラベルはお相互に遠ざかることによって、両ラベル部分間の相互作用が遮断されたり抑制されたりする。一部の実施形態において、前記相互作用性ラベル部分のうち少なくとも一つは、前記第1対象または第1相補配列以外の他の位置に接合されていることがあるが、例えば、前記ループ領域、好ましくは前記第1対象または第1相補配列に近い位置に接合されていることができる。勿論、本発明は、様々に変形可能なもので、前記相互作用性ラベルの特定接合位置にその使用が限定されるのではない。上述の距離依存的相互作用特性が得られる限り、前記二つの相互作用性ラベルは、前記プローブの相異なる二つのいずれの箇所にも位置することができる。一部の実施形態では、前記単分子プローブをリンカーを介して支持体に固定化させることが有用である。
図18は、実施例3で使用された一つの相互作用性ラベル対を有する親和性単分子プローブの例を示す。ここでも、受容体因子であるストレプトアビジン(streptavidin)を検出するために第1対象配列(または、第1相補配列)に接合されたビオチンをプローブリガンドとして使用している。使用された相互作用性ラベル対は、蛍光体のフルオレセイン(fluorescein)と消光体のDABCYL(4-(4'-dimethylaminophenylazo)benzoic acid)とから構成されているが、前記単分子プローブの5'末端と3'末端にそれぞれ共有結合で連結されている。本発明によれば、前記プローブは、前記受容体因子の結合によって、ハイブリダイズした立体構造(図18A)から解離した立体構造(図18B)へ立体構造的変化を起こすように考案されている。
競合的方式のプローブも、少なくとも1対の相互作用性ラベル対を、前記対象及び相補配列のうち少なくとも1対に接合させることによって構成されることができる。図19は、2対の相異なる相互作用性ラベル対を有する競合的方式のプローブを示す概略図である。ここでは、親和性プローブを特定例とした。この特定実施形態において、第1相互作用性ラベル対は、第1対象配列1aに接合された第1ラベル部分6aと、第1相補配列2aに接合された第2ラベル部分6bとから構成されており、第2相互作用性ラベル対は、第2対象配列1bに接合された第3ラベル部分7aと、第2相補配列2bに接合された第4ラベル部分7bとから構成されている。受容体因子10が存在しないときに、このプローブは、第1ハイブリダイズした立体構造(図19A)におり、したがって、前記第2ラベル対は相互に遠ざかるが、前記第1ラベル対は相互に近づいて位置するようになる。これにより、前記第1ラベル対の間には効果的な相互作用が起こるが、前記第2ラベル対の間には相互作用が遮断または抑制されることになる。前記受容体因子が存在するときに、このプローブは、第2ハイブリダイズした立体構造(図19B)へ変化し、前記第1ラベル対は相互に遠ざかる一方、前記第2ラベル対は相互に近づくようになり、したがって、各ラベル対間の相互作用が変わるようになる。勿論、前記相互作用性ラベル対(等)は、前記対象及び相補配列のうち1対にのみ接合されていてもよく、2対の前記対象及び相補配列に接合されていても良い。もし、2対の前記対象及び相補配列ともラベルされていると、各対の前記対象及び相補配列は、異なる種類の相互作用性ラベル対を有することが好ましい。特定例において、前記第1及び第3ラベル部分6a,7aは、好適な位置(例えば、前記対象配列の中央部分近傍)に接合された同一の部分であっても良いが、この同一のラベル部分が接合された位置は、好適な位置(例えば、前記対象配列に接合されている前記同一のラベル部分に近接しているある位置)に接合されている前記第2及び第4ラベル部分6a,7bと相互作用が可能な位置である。
図19に示すように、少なくとも一つの相互作用性ラベル対を有する競合的方式のプローブは、対象配列を含む第1分子、第1相補配列を含む第2分子、及び第2相補配列を含む第3分子からなる三分子プローブでありうる。このような三分子プローブにおいて、前記第1、第2、及び第3分子のうち一つがリンカーを介して固体支持体に固定化されていることができる。他の実施形態では、前記競合的方式のプローブは対象配列、第1相補配列、及び第2相補配列のうち二つを含む第1分子と、残り一つの配列を含む第2分子とからなる二分子プローブであっても良い。前記第1分子に含まれている二つの配列は、ループ部分により共有結合で連結されている。このような二分子プローブでは、前記第1及び第2分子のうち一つがリンカーを介して支持体に固定化されていることができる。他の実施形態において、前記競合的方式のプローブは、対象配列、第1相補配列、及び第2相補配列が少なくとも一つのループ部分により共有結合で連結された単分子プローブであっても良い。また、このような単分子プローブは、リンカーを介して支持体に固定化されていることができる。上述した二分子プローブ及び単分子プローブにおいて、前記相互作用性ラベル部分のうち少なくとも一つが、前記対象配列、前記第1相補配列、または前記第2相補配列を除いたある位置、例えば、前記ループ部分に、好ましくは前記対象または相補配列に近接した位置に接合されることができる。上述の如く、前記ループ部分は両配列のある2位置を連結する二価(divalent)または多価(multivalent)の化学部分でありうるが、前記対象配列及び相補配列のハイブリダイゼーションを邪魔しないものでなければならない。
上述した相互作用性ラベル対を特徴的に有しているプローブの実施形態に加えて、本発明の範囲内で相互作用性ラベル対を有するプローブを構成しうる様々な他の方法がある。その特定の追加的な一例を、次に述べる。
上述した実施形態では、相互作用性ラベルの各対は、1対の対象及び相補配列に接合されている。すなわち、各ラベル対のうちいずれかのラベル部分が前記第1または第2対象配列のうち一つに接合されると、残り一つのラベル部分はこの対象配列に対応する相補配列に接合されている。後述する実施形態では、相互作用性ラベル対の両ラベル部分とも、前記対象配列または相補配列のうち一つに追加的なアーム配列(arm sequence)を使用することによって接合される。
図20は、本発明による非競合的方式のプローブの一例を示す。ここでは、2対の相互作用性ラベルを有する親和性プローブを特定例とした。この特定実施形態において、プローブは、第1及び第2アーム対(first and second arm pairs)からなる2対の核酸アーム配列(nucleic acid arm sequences)をさらに含む。前記第1アーム対は、第1対象配列1aの5'末端に共有結合で連結された第1の5’アーム配列8aと、第1対象配列1aの3'末端に共有結合で連結された第1の3’アーム配列8bとから構成されている。前記第2アーム対は、第1相補配列2aの5'末端に共有結合で連結された第2の5’アーム配列9aと、第1相補配列2aの3'末端に共有結合で連結された第2の3’アーム配列9bとから構成されている。各対のアーム配列は相互に相補的であり、これにより、前記プローブが解離した立体構造(図20B)にある時、前記第1及び第2アーム対は、約3〜35個の相補的塩基対を有する第1及び第2ステム二重鎖(stem duplex)をそれぞれ形成する。このプローブが、ハイブリダイズした立体構造(図20A)にある時、前記第1及び第2ステム二重鎖は解離する。前記プローブは、第1ラベル対と第2ラベル対とから構成された2対の相互作用性ラベルをさらに含むが、前記第1ラベル対は、前記第1の5’アーム配列に接合された第1ラベル部分6aと、前記第1の3’アーム配列に接合された第2ラベル部分6bとを含み、前記第2ラベル対は、前記第2の5’アーム配列に接合された第3ラベル部分7aと、前記第2の3’アーム配列に接合された第4ラベル部分7bとを含む。前記第1及び第2ラベル対はそれぞれ、前記第1及び第2ステム二重鎖が形成されるときに相互作用するようになる。
受容体因子10が存在しないときに、前記プローブは、前記ハイブリダイズした立体構造(図20A)を好むようになり、前記2ステム二重鎖は解離する。したがって、各相互作用性ラベル対は相互に遠ざかり、よって、各ラベル対の両ラベル部分間の相互作用が遮断または抑制されることになる。前記受容体因子が存在するときに、前記プローブは、前記解離した立体構造(図20B)へ変化し、前記ステム二重鎖が形成されるようになる。したがって、各相互作用性ラベル対は相互に近づき、前記2ラベル部分間の相互作用が效果的に起こるようになる。勿論、前記相互作用性ラベル対(等)は、前記第1対象配列または前記第1相補配列のうち一つにのみ接合されても良く(図21参照)、または、前記第1対象及び第1相補配列の両方に接合されても良い(図21参照)。このプローブは、前記第1対象配列を含む第1分子と、前記第1相補配列を含む第2分子とからなる二分子プローブであっても良く、前記第1対象配列及び前記第1相補配列がループ部分により共有結合で連結された単分子プローブであっても良い。このプローブは、リンカーを介して支持体に連結された固定化したプローブであっても良い。もし、前記固定化したプローブが二分子プローブであれば、前記第1及び第2分子のうちいずれか一つが固定化される。場合によって、少なくとも一つの前記相互作用性ラベル部分が前記アーム配列でない他の位置に接合されていることもある。例えば、前記ループ領域または前記第1対象若しくは第1相補配列に、好ましくは前記アーム配列と近い位置に接合されている。
図22は、競合する2対の対象及び相補配列を含む競合的方式の本発明によるプローブの例を示す。ここでは、2対の相互作用性ラベルを有する親和性プローブを特定例とした。この特定の実施形態において、前記プローブは、第1及び第2アーム対(first and second arm pairs)からなる2対の核酸アーム配列(nucleic acid arm sequences)をさらに含む。前記第1アーム対は、第1相補配列2aの5’末端に共有結合で連結された第1の5’アーム配列8aと、第1相補配列2aの3’末端に共有結合で連結された第1の3’アーム配列8bとから構成されている。前記第2アーム対は、第2相補配列2bの5’末端に共有結合で連結された第2の5’アーム配列9aと第2相補配列2bの3’末端に共有結合で連結された第2の3’アーム配列9bとから構成されている。各対の5'及び3'アーム配列は、互いに相補的である。前記第1相補配列がハイブリダイズしていないときに、前記第1アーム対が、約3〜35個の相補的塩基対を有する第1ステム二重鎖(first stem duplex)を形成し、前記第2相補配列がハイブリダイズしていないときには、前記第2アーム対が、約3〜35個の相補的塩基対を有する第2ステム二重鎖(second stem duplex)を形成する。前記第1または第2相補配列が前記対象配列にハイブリダイズした時、それに相応するステム二重鎖は解離する。前記プローブは、第1ラベル対と第2ラベル対とからなる2対の相互作用性ラベルをさらに含むが、第1ラベル対は、第1の5’アーム配列8aに接合された第1ラベル部分6aと第1の3’アーム配列8bに接合された第2ラベル部分6bとを含み、第2ラベル対は、第2の5’アーム配列9aに接合された第3ラベル部分7aと第2の3’アーム配列9bに接合された第4ラベル部分7bとを含む。これら第1及び第2ラベル対はそれぞれ、第1及び第2ステム二重鎖が形成されるときに相互作用するようになる。
受容体因子10が存在しないときに、前記プローブは、第1ハイブリダイズした立体構造(図22A)におり、よって、第1ステム二重鎖は解離し、第2ステム二重鎖が形成される。これにより、前記第1相互作用性ラベル対は相互に遠ざかり、この第1ラベル対の両ラベル部分間の相互作用が遮断または抑制され、一方、前記第2相互作用性ラベル対は相互に近づき、この第2ラベル対の両ラベル部分間の相互作用が效果的に起こるようになる。前記受容体因子が存在するときに、このプローブは、第2ハイブリダイズした立体構造(図22B)へ変化し、これにより、第1ステム二重鎖が形成され、第2ステム二重鎖は解離する。この第2ハイブリダイズした立体構造において、第1ラベル対は效果的に相互作用するが、第2ラベル対は十分に弱く相互作用するか、相互作用しなくなる。もう明らかなように、前記相互作用性ラベル対(等)は、第1または第2相補配列のうち一つにのみ接合されても良く、第1及び第2相補配列の両方に接合されても良い。もし、二つの相補配列ともラベルされた場合には、各相補配列が異なる相互作用性ラベル対を持つことが好ましい。このプローブは、前記対象配列を含む第1分子、前記第1相補配列を含む第2分子、及び前記第2相補配列を含む第3分子からなる三分子プローブでありうる。この三分子プローブは、前記第1、第2、及び第3分子のうちいずれか一つがリンカーを介して支持体に固定化された固定化したプローブでありうる。該プローブは、前記第1対象配列、前記第1相補配列、及び前記第2相補配列のうち二つを含む第1分子と、残りの配列を含む第2分子とからなる二分子プローブであっても良い。前記第1分子の二つの配列は、ループ部分により共有結合で連結される。この二分子プローブは、前記第1及び第2分子のうちいずれか一つが、リンカーを介して支持体に固定化された固定化したプローブでありうる。このプローブは、少なくとも一つのループ部分により共有結合で連結された前記第1対象配列、前記第1相補配列、及び前記第2相補配列を有する単分子プローブであっても良い。この単分子プローブは、リンカーを介して支持体に連結された固定化したプローブでありうる。場合によって、少なくとも一つの前記相互作用性ラベル部分が前記アーム配列でない他の位置に接合されていることがある。例えば、前記ループ領域または前記第1対象または第1相補配列に、好ましくは前記アーム配列と近い位置に接合されていることがある。
上述した少なくとも一つの相互作用性ラベル対を持つ大部分の実施形態において、ラベル対の構成要素(member)間に1対1の分子対応関係が一般的に必ずしも必要とされるわけではない。一つの構成要素またはある構成要素の少なくとも一つの分子が、他の構成要素の少なくとも一つの分子に影響を与えたり受けて、いずれかの構成要素の少なくとも一つの測定可能な特徴が、残り一つの構成要素により距離依存的な方式で変化可能な限り、各構成要素(member)は、一つ以上の接合された分子から構成されることができる。相互作用性ラベル対の特徴的シグナルは、プローブの立体構造によって検出可能に変わり、例えば、非競合的方式ではハイブリダイズした立体構造か解離した立体構造かによって、競合的方式では第1ハイブリダイズした立体構造か第2ハイブリダイズした立体構造かによって変わる。一つ以上の接合された分子からなるラベル部分は、より大きい特徴的シグナルを発生しうるので、一部の実施形態では極めて有用となる。蛍光体と消光体対や発光体と消光体対のようなFRETラベル対を使用する場合、複数の消光体を、一つの光を生成するラベル部分と連係させて使用しても良い。この場合、消光体による、光を生成する部分に対する消光が極めて有効となり、背景シグナルが効率よく除去されるので、特に有用である。
上述の如く、最も好ましい相互作用性ラベル対は、蛍光体と消光体対または発光体と消光体対のようなFRETラベル対である。この場合、特徴的シグナルは、蛍光体部分または発光体部分により生成される特定波長の光の強度、寿命、または偏光でありうる。すなわち、両ラベル部分間の相互作用は、蛍光体または発光体により生成された光の強度の減少、寿命の減少、または偏光(または偏光の寿命)の変化を招くようになる。
上述の如く、酵素供与体(donor)と受納体(accetpor)対を含む酵素ラベル対もまた、例えば酵素反応を使用することによってプローブシグナルが増幅されるので、非常に少ない量の標的因子を検出する上で特に好ましい。
相互作用性ラベル対を有するプローブは、非相互作用性ラベル及びインターカレート染色剤のような他の検出可能なラベルを使用するプローブに比べて特に有用である。相互作用性ラベル対を固定化していないプローブと共に使用すると、他の種類のラベルを使用する場合に典型的に必要な分離過程を要求としない均一アッセイ(homogeneous assay)が可能になる。例えば、もし、蛍光体と消光体対または発光体と消光体対のようなFRETラベル対が使用されると、特別な分離過程無しで試料から放出される光の性質を単に検出するだけでも特徴的なシグナルを確認したり測定することが可能になる。したがって、相互作用性ラベル対を持つプローブは、in situまたはin vivoアッセイで使用可能である。少なくとも一つの相互作用性ラベル対を有する固定化したプローブもまた、他の種類のラベルを使用するときには典型的に必ず要求される洗浄過程を、必ずしも要求するのではないという利点がある。
一部の実施形態において、本発明によるプローブは、特定の用途のために追加的な構成要素を含むように構成されても良い。
一実施の形態において、核、ミトコンドリア、ペルオキシソーム(peroxisome)、葉緑体(chloroplast)、液胞(vacuole)、ゴルジ体(Golgi apparatus)などの特定の細胞内小器官にプローブを位置移動させるために、一つまたはそれ以上のトランジットペプチド(transit peptide)または標的配列(targeting sequence)が本発明のプローブに接合されることができる。好ましくは、このようなトランジットペプチドや標的配列は、元来意図したプローブの検出機能を邪魔しない位置に接合(一般的に、共有結合にて接合)される。この類型のプローブを利用するアッセイは、細胞内小器官に在る標的因子を検出するためのin vivoまたはin situアッセイに使用されることができる。このような細胞内標的アッセイ(intracellular targeting assay)で相互作用性ラベル対を持つプローブが一般的に好ましいが、特に単分子プローブ方式が最も好ましい。
他の実施形態において、一つまたはそれ以上の追加的な核酸配列が本発明のプローブ、特に核酸ベースのシグナルトランスデューサーに接合されることができる。より具体的に、この追加的な核酸配列は、前記対象及び/または相補配列に、好ましくは共有結合連結にて接合される。このようなプローブ、特に検出可能なラベルとして非相互作用性ラベルまたはインターカレート染色剤を有するプローブの特別な用途の一つは、ハイブリダイズしたまたはハイブリダイズしていない種に対する大きさ依存性確認を容易にするものである。例えば、三分子競合的プローブ方式において、第1または第2相補配列が、対象オリゴヌクレオチドの相応する部分(もし在れば)に十分に相補的でない追加的な核酸配列を含むように構成することができる。このような構成は、第1ハイブリダイズした二重鎖(または、第1相補配列)が、電気泳動分析において第2ハイブリダイズした二重鎖(または、第2相補配列)に比べてその大きさにおいて十分に異なってくるようにする。
さらに他の実施形態において、本明細書で記述されるほとんど大部分の本発明のプローブは、核酸複製鋳型(nucleic acid replication template)として使用される一つまたはそれ以上の追加的な核酸配列を、対象及び相補配列のうち少なくとも一つに接合される形で含むように構成されることができる。上述の如く、このようなプローブは、望むハイブリダイズした状態を検出するために、標準化したPCR(または、重合反応)増幅方式を使用できるようにする。より具体的に、前記プローブが非競合的方式であれば、第1対象配列または第1相補配列が核酸複製鋳型を含むように構成し、しかる後に、重合酵素(polymerase)または関連酵素を、PCRまたは重合反応を起こらせるのに使用することができるが、このPCRまたは重合反応は、ハイブリダイズした立体構造の量に敏感なものである。もし、前記プローブが競合的方式であれば、このプローブは、PCRまたは重合反応が第1または第2ハイブリダイズした立体構造のうち一つのみから起こるように構成されねばならなく、これは、様々な方法で可能である。例えば、もし、核酸複製鋳型を対象配列に含ませたい場合なら、第1及び第2相補配列のうちいずれか一つをホスファターゼ(phosphatase)で処理して5'末端のリン酸基が除去されるようにする。この処理は、5'末端にリン酸基がないように処理された相補配列に起因するPCRまたは重合反応が起きないようにする。他の方法として、核酸複製鋳型を第1及び第2相補配列のうち一つの5'末端にのみ含ませることによって、PCRまたは重合反応が、前記複製鋳型を有する相補配列が対象配列にハイブリダイズした時に限って起きるようにしても良い。上述の如く、このような増幅産物の存在または重合反応試薬の量の検出可能な減少(または、両方)を、試料内に標的因子が存在するのを表す指標として使用することができる。
一般的に、本発明の標的検出システムと特に本明細書に開示するプローブは、本明細書に開示する手順と周知の実験技術を用いて用意することができる。例えば、本発明のプローブ、特に核酸ベースのシグナルトランスデューサーに含まれた核酸分子は、通常、固体相合成技術(Caruthers,M.H.(1985);Brown T. and Dorcas,J.S.(1995)参照)、合成された配列や制限酵素切片(restriction fragment)の結紮(ligation)、または、これら技術の組み合わせで用意することができる。典型的に、認識要素と検出可能なラベルとを含む他の構成要素は、このような構成要素(等)が接合された(無塩基ヌクレオチドと他のヌクレオチド類似体を含む)修飾されたヌクレオチドを核酸合成過程中に使用することによってプローブに導入させることができる。他の方法として、反応性ある反応基を連結子とする修飾ヌクレオチドを、核酸合成過程中に使用しても良い。しかる後に、認識要素、検出可能なラベル、ループ部分などの他の構成要素を周知の化学的または生化学的連結方法を用いて前記反応性ある反応基(等)に接合させることができる。このような化学的または生化学的連結反応には、ヒドロキシル(hydroxyl)、カルボキシル(carboxyl)、アミノ(amino)、スルフヒドリル(sulfhydryl)、アルデヒド(aldehyde)、リン酸(phosphate)、アルキルアミノ(alkylamino)、ヒドロキシアルキル(hydroxy alkyl)、アルキルリン酸(alkyl phosphate)、及びこれらに類似する反応基が関与できる。多様な反応基を有する修飾されたヌクレオチドを準備する技術は、本発明の属する技術分野によく知られている。典型的に、修飾されたヌクレオチドを有する核酸分子の合成には、よく知られた固体相合成技術(solid phase synthesis techniques)が使用される。認識要素、検出可能なラベル及び他の構成要素の準備及び/または接合は、一般的に知られた化学的、生化学的及び生物学的方法を用いて遂行されることができる。例えば、プロテアーゼ(protease)とプロテインキナーゼ(protein kinase)に特異的なアミノ酸配列は、周知の固体相合成技術または他の合成技術(Wunsch,E.(1971);Houghtem,R.A.(1985)参照)を用いて準備することができる。受容体、サイトカイン、タンパク質ホルモン、抗原、酵素及びこれらの類似体のようなタンパク質やポリペプチドは、組み換えDNAの準備、形質転換、細胞培養、及び発現されたタンパク質またはポリペプチドの分離及び精製を含む組み換えDNA技術で用意すると良い。炭水化物、脂質、リン脂質、及び他の化学的または生化学的物質は、知られた化学的、生化学的、そして生物学的技術を使用して用意することができる。さらに、化学的または生化学的物質をヌクレオチドまたは核酸分子に導入または接合させるための技術は、本発明の属する技術分野でよく知られている。本発明と共に使用可能な他の適切な実験過程が報告されており、それら方法に関する公知については、次の参考文献を参照されたい。Knorre, D.G. et al. in Design and targeted reactions of oligonucleotide derivatives, CRC Press, Boca Raton, Ann Arbor, London, Tokyo (1994);Travers, A. and Buckle, M. in DNA-Protein Interactions: A Practical Approach, Oxford University Press (2000);Sambrook et al. in Molecular Cloning: A Laboratory Manual (2nd ed. 1989);Ausubel et al.in Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons, New York(1989);及びAusubel et al. in Short Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons, New York (1999)。
また、本明細書に開示する実施例を、特定標的検出システムを作製し使用する方法と関連して参考されたい。
少なくとも一つの標的因子を検出するための本発明によるアッセイは、典型的に、a)標的因子を含むと疑われる試料と本発明によるプローブを接触させる段階;及び、b)検出温度を含むアッセイ条件下で、標的因子が存在しないときと比較して、前記特徴的シグナルの大きさが変化したか確認する段階を含む。本発明において、使用されたプローブに含まれたプローブリガンドに特異的に結合しうる受容体因子を検出するためのプローブは、親和性プローブであり、使用されたプローブに含まれた切断部位を特異的に切断しうる反応誘発因子を検出するためのプローブは、切断性プローブである。また、本発明において、使用されたプローブに含まれた反応部位を共有結合または非共有結合にて連結する反応を特異的に誘導しうる反応誘発因子を検出するためのプローブは、第I型連結性プローブであり、プローブに含まれた反応部位を接合部位へ特異的に変換させうる反応誘発因子を検出するためのプローブは、第II型連結性プローブである。本発明の他の例において、特定反応誘発因子を検出するために、第II(−)型連結性プローブも考案されている。典型的に、第II(−)型連結性プローブにおける反応誘発因子は、このプローブに含まれた反応部位(すなわち、接合部位)を非接合性部位へ特異的に変換させる。
本発明による前記親和性プローブ及び前記反応性プローブは、受容体因子及び反応誘発因子以外の標的因子を検出したり確認するためのアッセイにも使用可能である。そのいくつかの特定例を、次に述べる。
親和性プローブは、少なくとも一つの標的リガンド検出のためのアッセイにも使用されることができる。これらアッセイは、a)プローブリガンドと標的リガンドの両方に結合しうる受容体因子の存在下で、標的リガンドを含むと疑われる試料を本発明による親和性プローブと接触させる段階;及び、b)検出温度を含むアッセイ条件下で、標的因子が存在しないときと比較して、前記特徴的シグナルの大きさが変化するか確認する段階を含む。また、親和性プローブを使用するアッセイは、標的リガンドを確認するためのアッセイ、すなわち候補標的リガンドが関心の対象となる受容体因子と結合するか否かを決定するアッセイ、及び受容体因子とプローブリガンドの相互作用に影響を与える他の因子または物質を検出するためのアッセイを含む。このようなアッセイは、典型的に前記関心の対象となる受容体因子の存在下で行われる。
反応性プローブもまた、反応誘発因子でない標的因子を検出するためのアッセイで使用されることができる。これらアッセイは典型的に、a)反応性プローブと特異的に相互作用しうる反応誘発因子の存在下で、標的因子を含むと疑われる試料と本発明による反応性プローブを接触する段階;及び、b)検出温度を含むアッセイ条件下で、標的因子が存在しないときと比較して、前記特徴的シグナルの大きさに変化があるか確認する段階を含む。これらアッセイにおける前記標的因子は、前記反応誘発因子と前記反応性プローブとの意図的相互作用及び/または前記プローブの意図的機能のために必要な試料内の他の要素または物質でありうる。このような標的因子の例は、反応誘発因子の活性と密接に関連した補因子(cofactor)、補酵素(coenzyme)、金属イオン(metal ion)、二次基質(secondary substrate)及びこれらの類似体のような特定因子を含む。第I型、第II型、及び第II(−)型連結性プローブにおいて、このような標的因子は、前記プローブに連結または接合されて不安定化因子として作用しうるものを含む試料内の特定物質でありうる。また、反応性プローブを使用するこれらアッセイは、当該の因子及び物質を確認するためのアッセイ、すなわち候補因子または候補物質が前記反応誘発因子と前記プローブの相互作用に影響を与えるか否かを決定するためのアッセイを含む。このようなアッセイは典型的に反応誘発因子の存在下で行われる。
なお、本発明は、標的因子と認識要素間の相互作用を阻害または増強させる阻害剤または増強剤を検出するためのアッセイを提供する。これらアッセイは典型的に、a)標的因子の存在下に候補化合物を本発明によるプローブと接触させる段階;及び、b)検出温度を含むアッセイ条件下で、候補化合物が存在しないときと比較して前記特徴的シグナルの大きさに変化があるか確認する段階を含む。先に述べたように、前記標的因子が受容体因子の場合、前記プローブは親和性プローブであり、前記標的因子が切断反応活性を有する反応誘発因子であれば、前記プローブは本発明による切断性プローブである。前記標的因子が連結反応活性を有する反応誘発因子であれば、前記プローブは第I型連結性プローブであり、前記標的因子が修飾反応活性を有する反応誘発因子であれば、前記プローブは第II型または第II(−)型連結性プローブである。第I型、第II型または第II(−)型連結性プローブを使用するアッセイにおいて前記接触する段階は、不安定化因子を添加することを含む段階である。そして、前記第II型または第II(−)型連結性プローブを使用するアッセイにおいて前記接触する段階は、必要に応じて連結試薬(coupling reagent)を添加することを含む段階である。
本発明によって、前記標的因子と前記認識要素との相互作用を阻害したり増強させる阻害剤や増強剤を検出するために、ほとんど大部分の化合物または化合物群をスクリーニングすることができる。この例には、サイトカイン(cytokine)、腫瘍抑制子(tumor suppressor)、抗体(antibody)、受容体(receptor)、ミューテイン(mutein)、このようなタンパク質の断片または一部、及びアンチセンサー(antisensor)RNAまたはリボザイム(rybozyme)のような活性RNA分子が含まれるが、これに限定されない。スクリーニング目的のための好ましい化合物は、小分子(small molecule)とも呼ばれる合成または半合成薬物である。その例には、化学的化合物、ペプチド、化学的化合物とペプチドとの混合物、及び天然物抽出物を含む。試験可能な候補阻害剤または増強剤の濃度は典型的に約0.1μM乃至100μMであり、多くの場合においてそれ以下となる。典型的なスクリーニングでは、約1μM乃至約10μMの濃度が好ましい。多数の候補化合物をスクリーニングする必要がある時、約5個乃至30個の候補抑制剤の混合物をスクリーニングの第1段階で使用することができる。
多様な候補化合物の集まりが知られており、これらは本発明による標的検出システムで使用可能である。
例えば、ヒトウイルス性病源体の知られた阻害剤の誘導体は、本発明の方法で容易に試験することができる。これは、試験可能な多様な分子とその誘導体が開示されている米国特許第6,420,438;6,329,525;6,287,840;6,147,188;及び、6,046,190を参照されたい。本発明は、追加の化合物をスクリーニングするために使用することができ、これは、多様な潜在的ウイルスプロテアーゼ抑制化合物が開示されているPillay et al.(1995) Rev.Med.Virol.;インジナビル(indinavir)とABT-538を開示しているWei et al.(1995) Nature、373:117;及び、抗ヘルパス因子(anti-herpes agent)を開示しているHo et al.(1992) Ann.Intern.Med.113:111を参照されたい。また、本発明の技術分野に既に知られた特定の化合物の誘導体、例えば、これに限定されるのではないが、サキナビル(saquinavir)とその誘導体を含む誘導体も本発明によってスクリーニングできる。
本発明による標的検出システムは、一つまたはそれ以上のプロテインキナーゼ(protein kinase)の調節子(modulator)を含む他の化合物の集まりと共に使用されることができる。これら集まりには、ランダムペプチドライブラリー(random peptide libraries)とD-、L-、またはD-及びL-アミノ酸からなる組み合わせ化学(combinatorial chemistry)により合成された分子ライブラリーが含まれることができる(Lam et al.,Nature 354:82-84(1991);Houghten et al.,Nature 354:84-86(1991)参照)。また、ホスホペプチドライブラリー(例えば、random and partially degenerate、directed phosphopeptide libraries)の使用も可能である(Songyang et al.,Cell 72:767-778(1993)参照)。
本発明は、米国特許番号第6,462,060;6,420,382;6,462,036で公知されたような特別に用意されたキナーゼ調節子(kinase modulator)ライブラリーとの使用も可能である。
上述したこれらアッセイは、定性的なものでも、定量的なものでも良い。定量的なアッセイは、本発明の属する技術分野で知られたアッセイを使用することができる。例えば、試料の特徴的シグナルを、段階別に希薄された標準標的因子溶液のシグナルと比較すると良い。また、測定を、時間の関数としても良く、陰性対照群及び/または陽性対照群の測定値と比較して行っても良い。
詳細に述べたように、本発明によるプローブは、非相互作用性ラベル、インターカレート染色剤、または相互作用性ラベル対からなる群より選らばたれ少なくとも一つの検出可能なラベルを有することができる。また、本発明によるプローブは、三分子、二分子、または単分子プローブでありうる。さらに、本発明によるプローブは、非競合的または競合的方式のものでありうる。このようなプローブはいずれも上述したアッセイで使用することができる。具体的に、もし、前記プローブが、検出可能なラベルとして非相互作用性ラベルまたはインターカレート染色剤を有しており、かつ、固定化していないと、前記確認する段階は、ハイブリダイズした種とハイブリダイズしていない種を大きさの関数として分離する段階を含む。もし、非相互作用性ラベルまたはインターカレート染色剤を有する前記プローブが固定化したプローブであれば、前記確認する段階は、プローブまたはその構成要素が固定化している支持体から、結合していない種を除去するための洗浄段階を含む。もし、前記プローブが、検出可能なラベルとして相互作用性ラベル対を有していると、前記アッセイは、均一アッセイ(homogeneous assay)であっても、不均一アッセイ(heterogeneous assay)であっても良いが、均一アッセイがより好ましい。非常に小さい量の標的因子を検出するためにシグナル増幅方法が必要とされる時には、前述した酵素ラベルが好ましいが、一般的に最も好ましい相互作用性ラベル対は、蛍光体と消光体対または発光体と消光体対のようなFRET対またはこれに類似するものである。
相互作用性ラベル対を有するプローブは、組織または細胞の破壊無しで組織または細胞の内部または外部で標的因子を検出したり、阻害剤または増強剤をスクリーニングするためのin situまたはin vivoアッセイで特に有用である。過量のプローブを洗浄または分離過程無しで使用することが可能であり、一部の実施形態では大きい背景シグナルの発生無しで使用することが可能なので、本発明によるin situまたはin vivoアッセイは特に有用である。in situまたはin vivoアッセイのためには、相互作用性ラベル対を有する、好ましくは蛍光体と消光体対または発光体と消光体対を相互作用性ラベル対として有する単分子プローブが最も好ましいプローブである。in situまたはin vivoアッセイとスクリーニングにおいて、前記接触する段階は、使用されるプローブ(等)と必要な場合に他の因子を、試験しようとする組織または細胞を含む試料に添加したり、または細胞に導入することを含む。前記他の因子の例には、候補化合物、受容体因子、反応誘発因子、不安定化因子、受容体因子をコードしているベクトル、反応誘発因子として作用する酵素をコードするベクトルなどがある。本発明によるin situまたはin vivoアッセイにおいて、前記プローブと前記他の因子は、細胞内部に知られた方法を用いて導入されることができる。この導入する方法の例は、リポソーム(liposome)でプローブと他の因子をカプセル化して包むか、または細胞膜を、前記プローブと前記他の因子に対して透過性を持つようにしたり多孔性化して導入する方法がある。マイクロインジェクション(microinjection)方法は特に単一細胞を研究するのに有用であるが、特に、細胞の成長段階または多様なストレスや誘導シグナルに対する感応に従う時間の関数として研究するのに有用である。
本発明による前記in situまたはin vivoアッセイは、“生体染色(vital staining)”、すなわち、生きた細胞または組織の特定構成成分を、細胞を殺さずに染色することを含む。このようなアッセイは、特定組織または生きた個体内で、または細胞の集団または混合物内で細胞の類型を確認するか、時には計数するのに使用されることができる。本発明によるin vivoアッセイは、多様な生きた細胞の内部または外部に存在するか、生きた細胞内部の細胞内小器官に存在する特定標的因子の位置を決定するのに特に有用である。本発明によるプローブは、前記標的因子の細胞間または細胞内位置だけでなく、前記標的因子と前記認識要素間の相互作用活性を同時に相互連関した方式で報知することができる。このような特徴は、ラベルされた受容体またはリガンド分子を使用する通常の染色法に比べて特に有利な長所を提供するが、その理由は、誤判定をほとんど生じさせなく、かつ、関心の対象となる前記標的因子についてのより詳細な情報が得られるようにするためである。特に、興味深いin vivoアッセイは、認識要素として標的配列(targeting sequence)を有するプローブを使用するアッセイである(トランジットペプチド(transit peptide)も前記標的配列の例に含まれる。)。標的配列は、様々な細胞類型への細胞間位置移動または多様な細胞内小器官への細胞内位置移動が起こるようにするものとして知られている。このような位置移動(translocation)過程には、特定分子的物質が標的配列に結合したり、時には標的配列の切断のような処理過程が起こるとされている。本発明によるプローブを使用することによって、前記位置移動過程中の標的配列の相互作用だけでなく、細胞の内部または外部での前記プローブと前記標的因子の位置を表示し報知することが可能である。例えば、本発明によって、2対の相異なるFRETラベル対を有する競合的方式の特定プローブを、プローブの立体構造が第1または第2ハイブリダイズした立体構造のいずれかにあるかによって、相異なる検出可能なシグナル(例えば、相異なる波長の蛍光シグナル)を生成しうるように製造することができる。同じ目的のために、他の例において、波長可変型FRETラベル対を持つ非競合的方式の特定プローブが製造されることができる。上述したように、消光体部分が他の蛍光体であれば、好ましくは蛍光体部分よりも長い蛍光波長を有する他の蛍光体であれば、前記プローブから発生する蛍光の波長が前記プローブの立体構造によって変わることができる。このような波長可変型プローブの使用は、細胞内における前記プローブの位置と標的因子とプローブ認識要素との相互作用を独立してモニタすることを可能にする。
本発明によるプローブは、多様な高速アッセイ及び高速スクリーニングで使用するのに非常に適している。例えば、本発明のプローブは、Caliper Technologies Corp.とAgilent Technologies Inc.で作製するものを含むマイクロフルイディクスラブオンチップ(microfluidic Lab-on-a-chips)に使用するのに適している。このようなラブオンチップ装置は、典型的に電気泳動的分離と光学的(吸収または放射)検出可能に製作されている。これは、Kennedy,C.B. U.S.Pat No.5,885,470;Parce,J.W.et al. U.S.Pat.No.5,885,470;及び、Parce,J.W.et al. U.S.Pat.No.5,942,443を参照されたい。したがって、非相互作用性または相互作用性のラベルとして光を発生したり吸収するラベルを有する本発明のプローブは、標的因子の存在または非存在を報知したり表示する当該の装置と共に最も好ましく使用されることができる。本発明のプローブに具現されている標的因子とプローブとの相互作用による立体構造的変化は、通常、電気泳動的性質の変化につながるが、これは、光を発生したり吸収するラベルを検出手段としてラブオンチップで容易に検出可能である。
高速アッセイと高速スクリーニングにおいて本発明のプローブを用いる他の例には、バイオチップがあるが、これに限定されない。このバイオチップは典型的に固定化したプローブ分子を使用するが、その例には、免疫-検出マイクロチップ(Cohen,C.et al.(1999);Sato,K.et al.(2000)参照)のようなタンパク質チップがある。本発明によるほとんど大部分の類型の固定化したプローブが、このような高速バイオチップ装置とアッセイに使用するのに適している。本発明のプローブは、固定化及び非固定化方式のものともELISA方法を含んだマイクロタイターウェル(microtiter well)基盤のアッセイと高速装置に使用するのに非常に適している。これは、Bosworth,N. and Towers,P.(1989);Pope,A.J.et al.(1999)を参照されたい。
なお、本発明は、上述したアッセイを行うために使用されるキットを提供する。本発明によるキットは、典型的に、本発明による少なくとも一つのプローブと、アッセイを行う上で必要な説明書とを含む。これらアッセイは、少なくとも一つの標的因子または標的リガンドを検出するか、あるいは、少なくとも一つの標的因子と認識要素との相互作用を阻害したり増強する阻害剤または増強剤を検出することでありうる。当該キットは、塩、緩衝溶液、ヌクレアーゼ(nuclease)阻害剤、酵素の基質または酵素が連結されたラベル(enzyme-coupled label)、受容体因子、反応誘発因子、受容体因子をコードするベクトル、反応誘発因子として作用する酵素をコードするベクトル、及び連結試薬からなる群より選ばれる一つまたはそれ以上の試薬を含むことができる。本発明によるin situまたはin vivoアッセイとスクリーニングにおいて、当該キットは、プローブと他の因子を細胞内に導入するのに必要な構成成分を含むことができるが、この細胞内に導入するのに必要な構成成分は透過誘導因子(permeabilizing agent)またはリポソーム前駆体(liposome precursor)から選ばれる。
本発明による検出キットは、一般に、少なくとも一つの本発明の標的検出システムを含むが、この標的検出システムは、少なくとも一つの本発明によるプローブと一つまたはそれ以上のアッセイを行う上で必要な説明書とを含む。また、キットは、塩、緩衝溶液、ヌクレアーゼ阻害剤、制限酵素(restrictioen ezyme)、及び変性剤(denaturant)のような検出試薬を含むことができる。キットは、陽性対照群試験のための標的物またはモデル標的物と、陰性対照群試験のための標的物がない試料とを含むことができる。
産業廃棄物処分場のような現場で使用するのに適するキットもまた、本発明によって提供される。本発明のこのような例において、当該キットは、多くの場合において、ビーズ(bead)、ウェル(well)、またはディップスティック(dipstick)などの固体支持体に作動可能に連結されたプローブを使用するように作られた標的物検出システムを好ましく含む。試料内に存在する知られた標的物にハイブリダイズする陽性対照群プローブを含めて複数のプローブが当該キットに含まれても良い。
本発明による“プリプローブ(pre-probe)”と、これらプリプローブを含むキットは、通常の合成技術を用いて本明細書に記述するほとんど大部分のプローブを作製するのに使用されることができる。典型的に、当該プリプローブは作動可能に連結された時、前述した非競合的または競合的方式の核酸ベースのシグナルトランスデューサーとして作動しうる1または2対の実質的に相補的な核酸配列を含む。大部分の実施形態において、この核酸配列は、適宜の位置に連結された一つまたはそれ以上の連結子として作用する反応基を有するが、この反応基は、認識要素を連結したり、時には検出可能なラベルまたは他の構成成分を連結するのに使用される。一部の実施形態において、当該プリプローブは、少なくとも一つの連結子をさらに含んでも良いが、この連結子の例は、特に切断性プローブ方式で必要な一つまたはそれ以上の切断部位を有する連結子を含む。典型的に、前記連結子は、通常の化学的または生化学的連結方法を用いて共有結合または非共有結合にて、核酸配列に含まれた反応基に連結されうる少なくとも一つの反応基を有する。上述の如く、この反応基の例は、ヒドロキシル(hydroxyl)、カルボキシル(carboxyl)、アミノ(amino)、スルフヒドリル(sulfhydryl)、アルデヒド(aldehyde)、リン酸(phosphate)、アルキルアミノ(alkyl amino)、ヒドロキシルアルキル(hydroxy alkyl)、アルキルリン酸(alkyl phosphate)、及びこれらの類似体を含む。追加的にそして必要に応じて、当該プリプローブは、異なる長さまたは異なる個数の相補的塩基対を有する一連の対象配列または相補配列からなる追加的な核酸配列をさらに含むことができる。この追加的な核酸配列は、認識因子と望む標的因子とが相互作用するのに適する条件に合せるために、プローブの作動条件、特に検出温度を最適化する必要がある場合に特に有用である。前記プリプローブを含む好ましいキットは、このプリプローブを望む親和性または反応性プローブへ変換させるための手段及び説明書を含む。
このキットに含まれるプローブは、本発明によって支持体に連結された固定化したプローブであっても良い。好ましい実施形態において、前記キットは、異なる標的因子を有し、同一の支持体のあらかじめ定められた位置に固定化された少なくとも一つの追加的な本発明によるプローブをさらに含むことができる。異なる標的因子を有する複数の固定化したプローブを持つこのような類型のキットは、複数の標的因子に対する高速検出または複数の標的因子に対する阻害剤または増強剤の高速スクリーニングにおいて非常に有用である。さらに他の好ましい実施形態において、固定化したプローブを含む前記キットは、同じ標的因子を有し、同一の支持体のあらかじめ定められた異なる位置に固定化された少なくとも一つの追加的な本発明による固定化したプローブをさらに含むことができる。同一の標的因子を有する複数の固定化したプローブを持つこの類型のキットは、特定標的因子に対する阻害剤または増強剤の高速スクリーニングに非常に有用である。
なお、本願明細書で言及されたあらゆる文献は、参考として本願明細書に組み込まれる。
以下、下記の実施例に挙げて本発明をより詳細に説明する。ただし、下記の実施例は、本発明の理解を助けるためのもので、本発明の範囲を制限するためのものではない。
実施例:実験材料
実施例1〜10に使用されたオリゴヌクレオチド(oligonucleotide)は、QIAGEN Operon(CA、USA)とBioneer(大田、韓国)で購入したし、実施例11〜21に使用されたものは、Expedite 8909 DNA合成器(Perceptive Biosystems、MA、USA)を使って合成した。オリゴヌクレオチドの核酸配列は配列リストに示されており、核酸配列に含まれている修飾ヌクレオチドの構造は、図23及び図24に示す。
実施例1〜9において、各オリゴヌクレオチドストック溶液(stock solution)は、TE緩衝溶液(100mM NaCl、10mM Tris、1mM EDTA、pH7.5)に100μM濃度で用意した。検出の結果は、非変性条件(non-denaturing condition)でBio-Rad(CA、USA)で購入した“15% acrylamide TBE Read-gel”を使用して0.5xTBE(45mM Tris-borate、1mM EDTA)緩衝溶液内で電気泳動にて確認した。ストレプトアビジン(streptavidine、SA)とヤギの抗ビオチン抗体(goat anti-biotin antibody、AB)はPierce(IL、USA)で、抗ジゴキシン抗体(anti-digoxin antibody、AD)はSigma-Aldrich(MO、USA)でそれぞれ購入した。ストレプトアビジンとこれら抗体は、STE緩衝溶液または脱イオン水にそれぞれ2.5と2.0mg/mlの濃度で溶解した。
実施例9及び10の固定化したプローブを用意するのに使用されたストレプトアビジンでコーティングされたマイクロウェルプレート(microwell plate)は、Pierceで購入した。実施例10に使用された塩基性ホスファターゼが連結された抗フルオレセイン検出キット(alkaline phosphatase-linked anti-fluorescein detection kit)は、Amersham Biosciences(NJ、USA)で購入した。
実施例11〜21で使用されたオリゴヌクレオチド及びプローブを合成するために使用された修飾ヌクレオチド及びCPG支持物を含むホスホラミダイト単量体(phosphoramidite monomer)は、Glen Research(VA、USA)で購入した。実施例21で使用された試薬と材料は、次のように購入した。MBS(m-Maleimidobenzoyl-N-hydroxysuccinimide ester)はPierce(IL、USA)で、ペプチドはPeptron Co.(大田、韓国)で購入した。セファデックスG-25(Sephadex G-25)はAmersham Bioscience(Uppsala、Sweden)で、PKC(プロテインキナーゼ C、protein kinase C)はCalbiochem(CA、USA)で、抗ホスホスレオニン単一クローン抗体(anti-phosphothreonine monoclonal antibody)とスタウロスポリン(staurosporin)はSigma-Aldrich(MO、USA)で購入した。
実施例1.ビオチンが連結された二分子プローブを用いたストレプトアビジンの検出のためのアッセイ
受容体因子であるストレプトアビジン(SA)を検出するために、プローブリガンドとしてビオチンを有する二分子親和性プローブが使用された。本実施例に使用された二分子プローブは、第1対象配列とプローブリガンドであるビオチンとを含む対象オリゴヌクレオチドOB1-39B(配列番号:123)と、第1相補配列と蛍光ラベルであるフルオレセイン(fluorescein)とを含む第1相補オリゴヌクレオチドCM1*(配列番号:124)とから構成されている。プローブリガンドは、対象オリゴヌクレオチドの39番目ヌクレオチド(チミジン、thymidine)と共有結合で連結されている(ビオチンが連結されたチミジンの構造は図23Aを参照されたい)。フルオレセインは、第1相補オリゴヌクレオチドの1番目ヌクレオチド(グアノシン、guanosine)にリンカーを介して連結されている(リンカーを有するフルオレセインの構造は図23Bを参照されたい)。
4種類の検出溶液は、表4にまとめた組成に従って用意したし、ストレプトアビジンがプローブリガンドに結合できるように、常温で1時間培養した。その結果を、非変性条件(non-denaturing conditions)で電気泳動にて検出した。図25に示すように、ストレプトアビジンが存在しないときには第1対象オリゴヌクレオチドと第1相補オリゴヌクレオチドとがハイブリダイズすることで、第1ハイブリダイズした二重鎖が形成される(レーン2のバンドM)。ハイブリダイズしていない第1相補オリゴヌクレオチドに対する極めて弱いバンドが観察されたが(レーン2のバンドL)、これは、ストレプトアビジンが存在しないときに、検出温度を含むアッセイ条件で第1ハイブリダイズした二重鎖が熱力学的に安定しているということを表す。ストレプトアビジンの存在下で、ストレプトアビジンのプローブリガンドへの結合は、第1ハイブリダイズした二重鎖を不安定化させ、第1ハイブリダイズした二重鎖が解離する結果を招く。これは、解離した第1相補オリゴヌクレオチドCM1*に該当する低質量バンドの強度が増加されること(レーン3及び4のバンドL)と、ストレプトアビジンと複合体を形成した第1ハイブリダイズした二重鎖に該当する高質量バンドが現れること(レーン3及び4のバンドH)で証明される。レーン3及び4の高質量領域で観察される多数のバンドは、ストレプトアビジンが4個のビオチン結合部位を有しているためである。
このような類型の二分子プローブにおいて、標的因子の存在は、解離した第1相補配列または第1ハイブリダイズした二重鎖と連合しているラベルの特徴的シグナルを測定することによって検出される。第1ハイブリダイズした二重鎖からのシグナル検出は、実施例9におけるように対象オリゴヌクレオチドが支持体に固定化されている時に特に有用である。実施例1に使用される検出溶液の組成(単位:μl)を表4に示す。
Figure 2006513701
実施例2.無塩基ヌクレオチド(abasic nucleotide)を有するビオチンが連結された二分子プローブを用いたストレプトアビジンの検出のためのアッセイ
受容体因子であるストレプトアビジン(SA)を検出するために、実施例1で使用されたものと類似な二分子親和性プローブが使用された。本実施例に使用された二分子プローブは、第1対象配列及びプローブリガンドであるビオチンを含む対象オリゴヌクレオチドOB2-39B(配列番号:125)と、第1相補配列及び蛍光ラベルであるフルオレセインを含む第1相補オリゴヌクレオチドCM2*(配列番号:126)とから構成されている。プローブリガンドは、対象オリゴヌクレオチドの39番目無塩基ヌクレオチド(abasic nucleotide)に共有結合で連結されている(ビオチンが連結された無塩基ヌクレオチドの構造は図23Cを参照されたい)。無塩基ヌクレオチドの存在によって、実施例1で使用されたプローブとは違い、第1対象配列と第1相補配列とのハイブリダイゼーションにおいて一つの誤った一致(または、不一致)が存在する。フルオレセインは、第1相補オリゴヌクレオチドの1番目ヌクレオチド(グアノシン、guanosine)に連結されている(リンカーを有するフルオレセインの構造は図23Bを参照されたい)。
実施例1におけると同様に、4種類の検出溶液は表5にまとめた組成に従って用意したし、ストレプトアビジンがプローブリガンドに結合しうるように常温で1時間培養した。その結果は、電気泳動にて分析した。図26に示すように、ストレプトアビジンが存在しないときには、第1対象オリゴヌクレオチドと第1相補オリゴヌクレオチドとがハイブリダイズすることで、第1ハイブリダイズした二重鎖が形成される(レーン2のバンドM)。また、ハイブリダイズしていない第1相補オリゴヌクレオチドが実施例1に比べて高い強度で観測される(レーン2のバンドL)。これは、第1対象配列と第1相補配列間のハイブリダイゼーションに存在する不一致に起因する。ストレプトアビジンの存在下で、ストレプトアビジンのプローブリガンドへの結合は第1ハイブリダイズした二重鎖を不安定化させ、第1ハイブリダイズした二重鎖が解離する結果を招く。これは、解離した第1相補オリゴヌクレオチドCM2*に該当する低質量バンドの強度が増加されること(レーン3及び4のバンドL)と、ストレプトアビジンと複合体を形成した第1ハイブリダイズした二重鎖に該当する高質量バンドが現れること(レーン3及び4のバンドH)で証明される。受容体因子の結合に伴う、解離した第1相補オリゴヌクレオチドの量の変化は、実施例1で使用されたプローブにおいて観察されたものに比べて少なかった。これは、本実施例におけるようにプローブリガンドが無塩基ヌクレオチドに連結された時には、不安定化効果が相対的に弱くなるということを示す。実施例2に使用される検出溶液の組成(単位:μl)を表5に示す。

Figure 2006513701
実施例3.蛍光体と消光体とからなる相互作用性ラベル対を有する単分子プローブを用いたストレプトアビジンの検出のためのアッセイ
受容体因子であるストレプトアビジン(SA)を検出するために、ビオチンをプローブリガンドとする2種類の単分子親和性プローブUP1-34B(配列番号:127)とUP2-6B/36B(配列番号:128)が使用された。前記単分子親和性プローブUP1の概略は、図18に示す。UP1は、ビオチンが連結されたチミジン(thymidine)を34番位置に有しており、UP2はビオチンが連結されたチミジン二つを6番と36番の位置に有している(ビオチンが連結されたチミジンの構造は図23Aを参照されたい)。各単分子プローブは、蛍光体のフルオレセインと消光体のDABCYL(4-(4'-dimethylaminophenylazo)benzoic acid)とから構成された相互作用性ラベル対を有しているが、これらはそれぞれ、5'及び3'末端にリンカーを介して共有結合で連結されている。リンカーを有するフルオレセイン及びDABCYLの構造は、それぞれ図23B及び図23Dに示す。UP1とUP2は、受容体因子が存在しないときに、5'と3'末端領域の間でそれぞれ6個及び7個のハイブリダイズした塩基対を有するステム二重鎖(stem duplex)を形成し、ステム-ループ(stem-loop)構造を有するハイブリダイズした立体構造となるように考案された。5'と3'末端領域が、第1対象配列及び第1相補配列として作用する。ステム-ループ構造が形成されると、蛍光体部分が消光体部分と近接して位置するようになり、両ラベル部分間に効果的な相互作用が起こる。したがって、ステム二重鎖が解離し、蛍光体部分が消光体部分から遠くに位置するようになる解離した立体構造に比べて、プローブから生成される蛍光の強度が減少する。ループ領域に相補的なことからループ領域へのハイブリダイゼーションがステム二重鎖を解離させるループ結合オリゴヌクレオチドLB1(配列番号129)を対照群として使用した。
検出溶液は、表6にまとめた組成に従って用意したし、氷で1時間培養した後、電気泳動にて分析した。図27に示すように、ストレプトアビジンが存在しないときには単分子プローブの大きさに該当する位置で弱い蛍光が観察された(UP1はレーン1のバンドL、UP2はレーン5のバンドL)。これは、両プローブともステム-ループ構造を形成し、消光体が近づいて蛍光体を效果的に消光させたことを示す。ストレプトアビジンの存在下において高質量領域で強い蛍光が検出されたが(UP1はレーン2及び3のバンドH、UP2はレーン6及び7のバンドH)、これは、ストレプトアビジンがプローブリガンドに結合してステム二重鎖の解離を招くということを示す。上記の実施例におけるように、高質量領域で見出される複数のバンドは、ストレプトアビジンに多数の結合部位が存在するためである。受容体因子の結合に伴う不安定化効果によるステム二重鎖の解離は、増加された蛍光により証明される。受容体因子の結合によってステム二重鎖が解離し、前記単分子プローブが、蛍光体が消光体から遠く離れて位置する解離した立体構造を有するようになり、これにより、増加された蛍光が放出される。レーン4及び8は、ループ結合オリゴヌクレオチドLB1を単分子プローブと混合した時に得られた結果である。LB1が前記単分子プローブのループ領域と結合することで、解離した立体構造を有する単分子プローブが形成される。ストレプトアビジンの存在下で観察された蛍光強度の増加が、ループ結合オリゴヌクレオチドの存在下で得られた結果と似ているという事実は、ストレプトアビジンが前記単分子プローブのステム二重鎖を強く不安定化させたということを意味する。
本実施例で得られた結果は、蛍光体と消光体とからなる相互作用性ラベル対を使用する時、電気泳動分離過程無しで単に蛍光の強度を測定するだけで受容体因子の存在を検出できるということを示唆する。したがって、本実施例は、本発明による少なくとも一つの相互作用性ラベル対を有するプローブが、標的因子を検出するための均一及び不均一アッセイに使用されることができるということを例証する。実施例3に使用される検出溶液の組成(単位:μl)を表6に示す。
Figure 2006513701
実施例4.第1対象配列に接合されたプローブリガンドを有する三分子プローブを使用したストレプトアビジンの検出のためのアッセイ
第1対象配列に接合されたプローブリガンド(ビオチン)を有する三分子親和性プローブが、受容体因子であるストレプトアビジンを検出するために使用された。本実施例に使用された三分子プローブの概略は、図13に示す。この三分子プローブは第1及び第2対象配列と第1対象配列に接合されたプローブリガンドとを含む第1対象オリゴヌクレオチドOB1-39B(配列番号:123)、第1対象配列に相補的な第1相補オリゴヌクレオチドCM1(配列番号:130)、及び第2対象配列に相補的な第2相補オリゴヌクレオチドCM3*(配列番号:131)から構成されている。プローブリガンドは、第1対象オリゴヌクレオチドの39番目ヌクレオチドであるチミジン(thymidine)に共有結合で連結されている(ビオチンが連結されたチミジンの構造は図23Aを参照されたい)。第2相補オリゴヌクレオチドCM3*は、1番目ヌクレオチドであるシチジン(cytidine)にリンカーを介して共有結合で結合された蛍光ラベル、つまりフルオレセインを有している(リンカーを有するフルオレセインの構造は図23Bを参照されたい)。
第1及び第2対象配列が重複領域を共有しているので、このプローブでは二つの相補オリゴヌクレオチドCM1とCM3*が競合的に対象オリゴヌクレオチドとハイブリダイズする。第1対象配列と第1相補配列間の第1ハイブリダイズした二重鎖は、第2対象配列と第2相補配列間の第2ハイブリダイズした二重鎖よりも二つ多い相補的塩基対を有しているので、受容体因子が存在しないときに、第1ハイブリダイズした二重鎖が優先的に形成される。本発明の好ましい実施形態によって第2対象配列でなく第1対象配列にプローブリガンドが連結されたことに注目すべきである。これが、差等不安定化(differential destabilization)を招く。すなわち、受容体因子のプローブリガンドへの結合が、第1ハイブリダイズした二重鎖には強い不安定化を招き、第2ハイブリダイズした二重鎖には弱い不安定化を招いたり不安定化を招かないようにする。
検出溶液は、表7の組成に従って用意し、常温で1時間培養した後、電気泳動にて分析した。図28に示すように、ストレプトアビジンが存在しないときには、第1相補オリゴヌクレオチドCM1が優先的に対象オリゴヌクレオチドとハイブリダイズするので、大部分の第2相補オリゴヌクレオチドCM3*がハイブリダイズしていないままで残るようになる(例えば、レーン3及び4のバンドLとレーン1のバンドLを比較すること)。レーン2に示す対照群実験は、バンドMが現れ、レーン3及び4に比べてレーン2のバンドLの強度が減少することから証明される如く、第1相補オリゴヌクレオチドが存在しないときに、第2相補オリゴヌクレオチドが対象オリゴヌクレオチドと效果的にハイブリダイズするということを証明する。図28のレーン5及び6に示すように、ストレプトアビジンの存在下でストレプトアビジンと複合化された第2ハイブリダイズした二重鎖に該当する高質量バンド(バンドH)が現れ、ハイブリダイズしていない第2相補オリゴヌクレオチド(バンドL)の強度は、ストレプトアビジンが存在しないときに比べて格段に減少する。この観察結果は、ストレプトアビジンの結合が、第2ハイブリダイズした二重鎖よりも第1ハイブリダイズした二重鎖をより強く不安定化させるということを意味する。したがって、受容体因子の存在下では、第1相補オリゴヌクレオチドに比べて第2相補オリゴヌクレオチドが対象オリゴヌクレオチドに優先的に結合し、これにより、ストレプトアビジンと複合化された第2ハイブリダイズした二重鎖を多量に形成する結果を招くようになる(レーン5及び6のバンドH)。ハイブリダイズしていない第2相補オリゴヌクレオチド(レーン5及び6のバンドL)に対して観察された大きな量的減少もまた、このような説明と一致する。レーン5及び6のバンドLの強度がレーン2に比べて相対的に高いという事実は、ストレプトアビジンのプローブリガンドへの結合が、第1ハイブリダイズした二重鎖を不安定化させることに比べては弱いが、第2ハイブリダイズした二重鎖を不安定化させるということを示す。
第1及び第2相補配列のうち少なくとも一つに接合された少なくとも一つの非相互作用性ラベルを有するこのような類型の三分子プローブを用いると、ハイブリダイズした二重鎖またはハイブリダイズしていない配列と連合しているラベルから発生する特徴的シグナルを測定することによって、標的因子の存在を検出することができる。ハイブリダイズした二重鎖から出力されるシグナルを検出することが、実施例9におけるように対象オリゴヌクレオチドが支持体に固定化されている時には特に有用である。
この類型の三分子プローブは、実施例1及び2の二分子プローブに比べて有利な長所を有する。この類型の三分子プローブに内在する差等不安定化効果から、受容体因子の存在または非存在によって第1及び第2相補配列がハイブリダイゼーション過程において差等的に競合するようになる。例えば、本実施例で使用されたプローブでは、受容体因子が存在しないときには第1ハイブリダイズした二重鎖が優先的に形成され、受容体因子が存在するときには第2ハイブリダイズした二重鎖が優先的に形成される。受容体因子が存在するとき、受容体の結合による第1ハイブリダイズした二重鎖の解離は、第2相補配列の優先的ハイブリダイゼーションの助けを受けることができるので、差等不安定化によるこのような差等競合は、実施例1及び2で使用した二分子プローブに比べて増加されたシグナルが現れるようにする。実施例4に使用される検出溶液の組成(単位:μl)を表7に示す。
Figure 2006513701
実施例5.第1相補配列に接合されたプローブリガンドを有する三分子プローブを使用したストレプトアビジンの検出のためのアッセイ
受容体因子であるストレプトアビジンを検出するために、第1相補配列に接合されたプローブリガンド(ビオチン)を有する三分子親和性プローブを使用した。この三分子プローブは、第1及び第2対象配列を含む第1対象オリゴヌクレオチドOB1(配列番号:132)、第1対象配列に相補的であり、プローブリガンドを有する第1相補オリゴヌクレオチドCM1-4B(配列番号:133)、及び第2対象配列に相補的な第2相補オリゴヌクレオチドCM3*(配列番号:131)から構成されている。プローブリガンドは、第1相補オリゴヌクレオチドの4番目ヌクレオチドに共有結合で連結されている(ビオチンが連結されたチミジンの構造は図23Aを参照されたい)。第2相補オリゴヌクレオチドは、1番目ヌクレオチドであるシチジン(cytidine)にリンカーを介して共有結合で結合された蛍光ラベルを有している(リンカーを有するフルオレセインの構造は図23Bを参照されたい)。
実施例4で使用されたプローブにおけると同様に、二つの相補オリゴヌクレオチドCM1-4BとCM3*が、対象オリゴヌクレオチドとハイブリダイズするために競合する。しかし、プローブリガンドが第1相補配列に連結されているので、単に第1ハイブリダイズした二重鎖のみが不安定化効果の影響下にあることになる。受容体の結合による第1ハイブリダイズした二重鎖の不安定化は、第2ハイブリダイズした二重鎖が優先的に形成される結果を招く。
上記の実施例におけると同様に、検出溶液は表8の組成に従って用意し、常温で1時間培養した後、電気泳動にて分析した。図29Aに示すように、ストレプトアビジンが存在しないときには、第1ハイブリダイズした二重鎖が優先的に形成され、大部分の第2相補オリゴヌクレオチドがハイブリダイズしていないままで残るようになる(レーン3のバンドL参照)。レーン2に示すように、第1相補オリゴヌクレオチドが存在しないときには、第2相補オリゴヌクレオチドが対象オリゴヌクレオチドと效果的にハイブリダイズする(レーン2のバンドM)。ストレプトアビジンの存在下で、第2ハイブリダイズした二重鎖が優先的に形成され(レーン4及び5のバンドM)、ハイブリダイズしていない第2相補配列の強度は減少した。これは、受容体の結合による第1ハイブリダイズした二重鎖の不安定化に起因する。
図29Bは、エチジウムブロマイド(ethidium bromide)染色から得られた結果である。検出可能なラベルが連合していないので、図29Aでは目視できなかった、ストレプトアビジンが存在しない時の第1ハイブリダイズした二重鎖の優先的形成が観察された(レーン3のバンドM)。レーン4及び5のバンドHは、ストレプトアビジンと複合化された第1ハイブリダイズした二重鎖に該当し、これは、図29Aでは目視できなかった。レーン4及び5のバンドMは、第2ハイブリダイズした二重鎖に該当し、これは図29Aでも目視できた。実施例5で使用される検出溶液の組成(単位:μl)を表8に示す。
Figure 2006513701
実施例6.第1対象配列及び第1相補配列の両方に接合されたプローブリガンドを有する三分子プローブを使用したストレプトアビジン検出のためのアッセイ
第1対象及び第1相補配列に接合された二つのプローブリガンド(ビオチン)を有する三分子親和性プローブが、受容体因子であるストレプトアビジンを検出するために使用された。この三分子プローブは、第1及び第2対象配列とプローブリガンドを含む第1対象オリゴヌクレオチドOB1-39B(配列番号:123)、第1対象配列に相補的な第1相補オリゴヌクレオチドCM1-4B(配列番号:133)、及び第2対象配列に相補的な第2相補オリゴヌクレオチドCM3*(配列番号:131)から構成されている。プローブリガンドのうち一つは、第1対象オリゴヌクレオチドの39番目ヌクレオチドであるチミジン(thymidine)に、残り一つは第1相補オリゴヌクレオチドの4番目ヌクレオチドであるチミジンに共有結合でそれぞれ連結されている(ビオチンが連結されたチミジンの構造は図23Aを参照されたい)。第2相補オリゴヌクレオチドは、1番目ヌクレオチドであるシチジン(cytidine)にリンカーを介して共有結合で結合された蛍光ラベル、つまりフルオレセインを有している(リンカーを有するフルオレセインの構造は図23Bを参照されたい)。
上記の実施例と同様に、検出溶液は表9の組成に従って用意し、常温で1時間培養した後、電気泳動にて分析した。図30に示すように、ストレプトアビジンが存在しないときには、第1ハイブリダイズした二重鎖が優先的に形成され、大部分の第2相補オリゴヌクレオチドはハイブリダイズしていないままで残るようになる(レーン2及び3のバンドL参照)。レーン1のバンドMに示すように、第1相補オリゴヌクレオチドが存在しないときには第2相補オリゴヌクレオチドが效果的にハイブリダイズする。ストレプトアビジン存在下では、第2ハイブリダイズした二重鎖が優先的に形成され(レーン4〜6のバンドH)、ハイブリダイズしていない第2相補オリゴヌクレオチドの強度は減少する(レーン4〜6のバンドL)。これは、受容体の結合によって第1ハイブリダイズした二重鎖が不安定化するためである。実施例5とは違い、ストレプトアビジンが対象配列に結合されていることから、ストレプトアビジンが存在するときに、第2ハイブリダイズした二重鎖が高質量領域で見出されたことに注目すべきである。実施例6で使用される検出溶液の組成(単位:μl)を表9に示す。
Figure 2006513701
実施例7.第1対象配列の無塩基ヌクレオチド(abasic nucleotide)に連結されたプローブリガンドを有する三分子プローブを使用したストレプトアビジンの検出のためのアッセイ
プローブリガンドが無塩基ヌクレオチドに共有結合で連結された以外は、本実施例に使用されたプローブは、実施例4に使用されたプローブと同様である。本実施例に使用されたプローブは、第1及び第2対象配列と第1対象配列に接合されたプローブリガンドとを含む対象オリゴヌクレオチドOB2-39B(配列番号:125)、第1対象配列に相補的な第1相補オリゴヌクレオチドCM1(配列番号:130)、及び第2対象配列に相補的な第2相補オリゴヌクレオチドCM3*(配列番号:131)から構成されている。プローブリガンドは、対象オリゴヌクレオチドの39番目無塩基ヌクレオチドに共有結合で連結されている(ビオチンが連結された無塩基ヌクレオチドの構造は図23Cを参照されたい)。第2相補オリゴヌクレオチドは、1番目ヌクレオチドであるシチジン(cytidine)にリンカーを介して共有結合で連結された蛍光ラベル、つまりフルオレセインを有している(リンカーを有するフルオレセインの構造は図23Bを参照されたい)。
検出溶液は、表10の組成に従って用意し、常温で1時間培養した後、電気泳動にて分析した。図31に示すように、その結果は、実施例4と略同一である。レーン3及び4に示すように、ストレプトアビジンが存在しないときには、第1相補オリゴヌクレオチドCM2が優先的にハイブリダイズし、大部分の第2相補オリゴヌクレオチドCM3*はハイブリダイズしていないままで残るようになる。第1相補オリゴヌクレオチドが存在しないときに、レーン2のバンドMで観察されたように、第2相補オリゴヌクレオチドが效果的にハイブリダイズする。ストレプトアビジンの存在下で、ストレプトアビジンと複合化された第2ハイブリダイズした二重鎖に該当する高質量バンド(バンドH)が現れ、ハイブリダイズしていない第2相補オリゴヌクレオチドの強度(バンドL)は減少した。したがって、第2ハイブリダイズした二重鎖またはハイブリダイズしていない第2相補オリゴヌクレオチドと連合している特徴的シグナルを測定することによって、受容体因子の存在を検出することができる。実施例7に使用される検出溶液の組成(単位:μl)を表10に示す。
Figure 2006513701
実施例8.三分子プローブを用いた抗体の検出のためのアッセイ
本実施例で使用された2種類の三分子プローブは、実施例4及び7で使用されたプローブを使用したが、受容体因子は、ヤギの抗ビオチン抗体(goat anti-biotin antibody、AB)が選択された。実施例4に使用された1番目のプローブは対象オリゴヌクレオチドOB1-39B(配列番号:123)、第1相補配列CM1(配列番号:130)、及び第2相補配列CM3*(配列番号:131)から構成されている。実施例7に使用された2番目のプローブは、対象オリゴヌクレオチドOB2-39B(配列番号:125)、第1相補配列CM2(配列番号:134)及び第2相補配列CM3*(配列番号:131)から構成されている。
上記の実施例と同様に、検出溶液は、表11の組成に従って用意し、常温で1時間培養した後、電気泳動にて分析した。図32に示すように、前記2種類のプローブのいずれにも受容体因子が存在しないときに、第1相補オリゴヌクレオチドが対象オリゴヌクレオチドと優先的にハイブリダイズする。したがって、レーン1及び4に現れたように、大部分の第2相補オリゴヌクレオチドはハイブリダイズしていないままで残るようになり(バンドL)、極少量の第2ハイブリダイズした二重鎖(バンドM)が形成される。受容体因子の存在下において受容体因子の結合が、第1ハイブリダイズした二重鎖を不安定化させ、これにより、第2ハイブリダイズした二重鎖が優先的に形成される。この現象が、1番目のプローブではレーン2及び3で、2番目のプローブではレーン6及び7で観察される。高質量バンド(バンドH)は、抗ビオチン抗体と複合化された第2ハイブリダイズした二重鎖に該当する。ハイブリダイズしていない第2相補オリゴヌクレオチドの量的減少(バンドL)が、上記の実施例に比べて明確でないが、これは、抗ビオチン抗体の不安定化効果がストレプトアビジンに比べて弱いということを示す。レーン5は、蛍光ラベルを有する第1相補オリゴヌクレオチドCM2*(配列番号:126)を有する二分子プローブを使用した対照群実験結果である。この二分子プローブを使用した対照群実験において高質量バンド(バンドH)は、抗ビオチン抗体と複合化された第1ハイブリダイズした二重鎖に該当する。バンドM及びLは、第1ハイブリダイズした二重鎖とハイブリダイズしていない第1相補オリゴヌクレオチドにそれぞれ該当する。実施例8に使用される検出溶液の組成(単位:μl)を表11に示す。






Figure 2006513701
(1)第1ハイブリダイズした二重鎖を可視化するために、CM2(配列番号:134)の代りにCM2*(配列番号:126)を使用した。
実施例9.第1相補配列に接合されたプローブリガンドを有する固定化した三分子プローブを使用したストレプトアビジンの検出のためのアッセイ
第1相補配列に連結されたプローブリガンド(ビオチン)を有する2種類の固定化した三分子親和性プローブが、ストレプトアビジンを検出するために使用された。使用された三分子プローブのうち一つの概略を、図15に示す。1番目のプローブは、第1及び第2対象配列を含む対象オリゴヌクレオチドOB1-1B(配列番号:135)、プローブリガンドを有する第1相補配列CM2-4B(配列番号:136)、及び第2相補配列CM3*(配列番号:131)から構成されている。2番目のプローブは、対象オリゴヌクレオチドOB1-1B(配列番号:135)、プローブリガンドを有する第1相補配列CM1-4B(配列番号:133)、及び第2相補配列CM3*(配列番号:131)から構成されている。対象オリゴヌクレオチドOB1-1Bには、対象配列を固定化させるために、1番目ヌクレオチドであるアデノシン(adenosine)の5'末端にビオチンが共有結合で連結されている(ビオチンが連結された無塩基ヌクレオチドの構造は図23Eを参照されたい)。第2相補オリゴヌクレオチドCM3*は、5'末端に蛍光ラベルとしてフルオレセインを持つ。
5'末端にビオチン残基を有する対象オリゴヌクレオチドは、ストレプトアビジンでコーティングされたマイクロウェルプレート(microwell plate)に固定化された。固定化のために90μlのSTE緩衝溶液と10μlの対象オリゴヌクレオチド溶液(1μM)を各ウェルに入れて常温で30分間振ってから150μlのSTE緩衝溶液で2回洗浄した。しかる後に、他の試薬は、表12に示す組成に従って各ウェルに添加された。常温で30分間培養した後、結合していない種を除去するために各ウェルを150μlのSTE緩衝溶液で2回洗浄し、その後、ハイブリダイズした第2相補オリゴヌクレオチドCM3*を溶液相に流離させるために、0.2N NaOH溶液100μlを添加した。その後、マイクロウェルプレートリーダ(GENios、TECAN、USA)を使って各ウェルの第2相補オリゴヌクレオチドCM3*から放出される蛍光を測定した。
この結果を、図33に示す。図33に示す蛍光の強度は、各プローブごとに受容体因子の非存在時に観察される強度を基準として標準化した。図33に示すように、ストレプトアビジンを添加することによって蛍光の強度が増加した。例えば、1番目のプローブ(アッセイ番号1〜4)では、ストレプトアビジンの添加量によって1.5倍乃至1.9倍程度に蛍光の強度が増加した。2番目のプローブ(アッセイ番号5〜8)では、ストレプトアビジン添加によって蛍光の強度が2倍乃至3.5倍に増加した。観察された蛍光の増加は、受容体因子のプローブリガンドへの結合が第1ハイブリダイズした二重鎖を不安定化させ、結果として蛍光ラベルを有する第2相補オリゴヌクレオチドが固定化された対象オリゴヌクレオチドと優先的にハイブリダイズしたということを示す。実施例9に使用される検出溶液の組成(単位:μl)を表12に示す。
Figure 2006513701
実施例10.ELISA用ラベルを有する固定化した三分子プローブを使用した抗体の検出のためのアッセイ
ジゴキシゲニン(digoxigenin)をプローブリガンドとする固定化した三分子プローブが、抗ジゴキシン抗体(anti-digoxin antibody、AD)検出のために使用された。このプローブは、第1及び第2対象配列とプローブリガンドであるジゴキシゲニンとを含む対象オリゴヌクレオチドOB1-1B/39D(配列番号:137)、第1相補配列CM2(配列番号:134)、及び第2相補配列CM3*(配列番号:131)から構成されている。対象オリゴヌクレオチドOB1-1B/39Dは、39番目無塩基ヌクレオチドに共有結合で連結されたジゴキシゲニン(ジゴキシゲニンに連結された無塩基ヌクレオチドの構造は図23Fを参照されたい)と、5'末端に共有結合で連結されたビオチンとを有している。第2相補オリゴヌクレオチドCM3*は、5'末端に蛍光ラベルとしてフルオレセインを有している。
対象オリゴヌクレオチドは、5'末端のビオチン残基を用いて、ストレプトアビジンでコーティングされたマイクロウェルプレートに固定化された。固定化過程は実施例9におけると同様である。その後、他の試薬が、表13に示す組成に従って添加された。常温で1時間培養した後、非結合の種を除去するために各ウェルを150μlのSTE緩衝溶液で2回洗浄し、固定化した対象オリゴヌクレオチドにハイブリダイズした第2相補オリゴヌクレオチドCM3*の量を測定するためにELISAアッセイを行った。Amersham Biosciencesで購入した塩基性ホスファターゼ連結抗フルオレセイン検出キット(alkaline phosphatase-linked anti-fluorescein detection kit)を使って、第2相補オリゴヌクレオチドに結合されたフルオレセインを検出した。
図34Aは、ELISA増幅後に撮ったマイクロウェルプレートの写真である。マイクロウェル周辺部で観察される黄色の出現は、固定化した対象オリゴヌクレオチドに結合されたフルオレセインの存在を表す。各ウェルの黄色の強度は写真映像から計算されたし、その結果を、図34Bに示す。対象オリゴヌクレオチドが固定化していない時(アッセイ番号1)、ELISAシグナルがゼロに留まった。ラベルされた第2相補オリゴヌクレオチドのみを、固定化した対象オリゴヌクレオチドに添加した時(アッセイ番号2)、ELISAシグナルは格段に増加し、可能な最高シグナルを示した。アッセイ番号3は、受容体因子(ジゴキシゲニン)が存在しない時の前記三分子プローブにおいて観察されたELISAシグナルが、アッセイ番号2で観察されたものに比べて30%程度になるということを示す。このような観察結果は、受容体因子が存在しないときに、第1相補オリゴヌクレオチドが優先的にハイブリダイズし、検出可能なラベルを有する第2相補オリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションが低い水準に落ちる結果を招くということを示す。受容体因子を添加することによって、アッセイ番号4及び5のようにELISAシグナルが2倍以上増加したが、これは、受容体因子のプローブリガンドへの結合により、第1ハイブリダイズした二重鎖が第2ハイブリダイズした二重鎖に比べてより不安定化することを意味する。実施例10に使用される検出溶液の組成(単位:μl)を表13に示す。
Figure 2006513701
実施例11.蛍光体と消光体とからなる相互作用性ラベル対を有する非競合的単分子プローブの蛍光特性のループ長依存性
図17に示すものと類似する構造を有する6種類の非競合的単分子親和性プローブを合成し、これを、非競合的単分子プローブの蛍光特性のループ長依存性を試験するために使用した。6種の単分子プローブ、つまり、UP3-12B(配列番号:138)、UP4-14B(配列番号:139)、UP5-16B(配列番号:140)、UP6-23B(配列番号:141)、UP7-33B(配列番号:142)、及びUP8-43B(配列番号:143)は、ループ領域に相異なる個数のヌクレオチド、すなわち、それぞれ4,6,8,15,25及び35個のヌクレオチドを有するが、同じ5bpのステム二重鎖配列を有する(すなわち、5'-フルオレセイン-GCAGG-ループ-CCTGC-DABCYL-3'の配列)。全ての前記単分子プローブは、3'末端ステム領域内の同一の位置(すなわち、3'末端から3番目のヌクレオチドであるチミジン)に連結された、標的受容体因子であるストレプトアビジンを検出するためのビオチンをプローブリガンドとして持つ(ビオチンが連結されたチミジンの構造は図23Aを参照されたい)。各単分子プローブは、それぞれ5'と3'末端に共有結合で連結された蛍光体のフルオレセインと消光体のDABCYL(4-(4'-dimethylaminophenylazo)benzoic acid)とから構成された相互作用性ラベル対を有している。リンカーを有するフルオレセインとDABCYLの構造はそれぞれ、図23B及び23Dに示す。
上述した全ての単分子プローブは、受容体因子が存在しないときに、5'と3'末端領域の間に5個のハイブリダイズした塩基対を有するステム二重鎖を形成することによって(ステム二重鎖の融解温度よりも低い温度領域で)、ステム-ループ構造を有するハイブリダイズした立体構造を形成するように考案された。本発明により、前記5'及び3'末端領域が第1対象配列及び第1相補配列として作用する。ステム-ループ構造が形成されると、蛍光体部分が消光体部分に近接して位置するようになり、蛍光体と消光体間に効果的な相互作用が起こる。これにより、ステム二重鎖が解離することで蛍光体部分が消光体部分から遠くに位置するようになる解離した立体構造に比べて、プローブの蛍光の強度が減少する。このような立体構造的変化の概略は、図17に示す。
受容体結合のアッセイを行うために、約50pmolの各単分子プローブを、50mM KCl、2.5mM MgCl2を含むpH8.5の10mM Tris溶液50μlにおいて0、1/8、及び1/4モル当量(mole equivalent)のストレプトアビジン(それぞれ0、6.25、及び12.5pmol)と混合し、96ウェルPCRプレート(Bio-Rad、CA、USA)の各ウェルに入れた。ストレプトアゾジンは4個のビオチン結合部位を有しているので、ストレプトアビジン1/4モル当量は、使用された単分子プローブ量と対応して1モル当量のストレプトアビジン内にあるビオチン結合部位に該当するということに注目すべきである。その後、検出溶液を60℃で約30分間培養した。各ウェルからの蛍光シグナルの温度依存性は、Bio-Rad(CA、USA)で購入したiCycler iQ実時間PCR装置で溶融温度プロファイルプロトコルを用いて測定した。
図35A〜35Fはそれぞれ、前記6種類の単分子プローブ、つまり、UP3-12B(配列番号:138)、UP4-14B(配列番号:139)、UP5-16B(配列番号:140)、UP6-23B(配列番号:141)、UP7-33B(配列番号:142)、及びUP8-43B(配列番号:143)の蛍光シグナルの温度依存性を、受容体因子ストレプトアビジンのそれぞれ異なる濃度で示すものである。受容体因子が存在しないとき(図35A〜図35Fにおいて円)、低い温度領域での蛍光シグナルは、背景水準の低い状態に留まるが、これは、前記単分子プローブがステム-ループ立体構造(“ハイブリダイズした立体構造”)に存在するということを示す。しかし、温度の増加によってS字状(sigmoid)の増加を見せるが、これは、高い温度領域で前記単分子プローブが“解離した立体構造”へ立体構造を変化したということを示す。これは、ステム-ループ構造の融解プロファイルの典型的な様子である。
受容体因子を添加することによって、ストレプトアビジン濃度の関数として蛍光シグナルが増加するが、これは、受容体因子(ストレプトアビジン)のプローブリガンド(ビオチン)への結合が、本発明による“核酸ハイブリダイゼーション不安定化力(nucleic acid hybridization destabilization force)”に起因する、ハイブリダイズした立体構造から解離した立体構造への立体構造的転換を誘発するということを示す。これにより、受容体因子が存在するときに蛍光の強度が増加するようになる。ステム二重鎖の融解温度以上の高い温度領域では、受容体因子の濃度に関わらず、類似な蛍光強度が得られるということは注目すべき事実である。これは、高温領域では、熱的溶融により受容体因子の濃度に関わらずに前記単分子プローブが解離した立体構造を有するということを示す。しかし、低温領域では、特にステム二重鎖の融解温度近傍または以下では、蛍光の強度が、受容体因子の濃度が高い時に相当高くなるが、これは、受容体因子のプローブリガンドへの結合による不安定化効果に起因する。
図36は、25℃で測定された蛍光の強度が、1/4モル当量のストレプトアビジンを添加することによって、ストレプトアビジンを添加しない時に比べて相対的に増加することを示している。図36に示す蛍光の強度は、1/4モル当量のストレプトアビジンが存在する時の蛍光の強度を、ストレプトアビジンが存在しない時の蛍光の強度で分けた値である。この値は、このプローブの性能を判断する指標として使用することができる。図36に示すように、試験した全プローブが、受容体因子の添加によって約2倍から5倍に至る大きい蛍光強度の増加を見せた。蛍光強度の相対的増加は、ループ長に依存的なものとして観察されたが、ループ領域のヌクレオチド数が15個である時、つまり、UP6-23B(配列番号:141)の場合に最も大きい値が得られた。この結果は、ループ領域の長さを調節することによって、プローブの性能を最適化できるということを示唆する。
図37は、図35A〜図35Fに示す温度依存曲線の1次微分値から決定された単分子プローブの融解温度を示す。白円は、ストレプトアビジンが存在しない時のプローブの融解温度を示し、黒円は、ストレプトアビジンが1/4当量で存在する時の融解温度を示す。予想の通り、本発明により、受容体因子が添加されることによってプローブの融解温度が約5℃〜20℃低くなる。受容体因子が存在するときに、融解温度が低くなるという観察結果は、受容体因子の結合による核酸ハイブリダイゼーション不安定化効果がプローブの立体構造的転換を誘導するのに充分であるということを立証する。
実施例12.蛍光体と消光体とからなる相互作用性ラベル対を有する非競合的単分子プローブの蛍光特性のステム配列依存性
図17に示すものと類似な構造を有する6種類の非競合的単分子親和性プローブを合成し、これを、非競合的単分子プローブの蛍光特性のステム配列依存性を試験するために使用した。6種類の単分子プローブ、つまり、UP6-23B(配列番号:141)、UP9-23B(配列番号:144)、UP10-23B(配列番号:145)、UP11-23B(配列番号:146)、UP12-23B(配列番号:147)、及びUP13-23B(配列番号:148)は、同じループ長(15個のヌクレオチド)と同じステムハイブリダイゼーション長(5bpステム二重鎖)を有するが、それぞれ異なるステム配列を有する。全ての前記単分子プローブは、3'末端ステム領域内の同一の位置(すなわち、3'末端から3番目のヌクレオチドであるチミジン)に連結されたビオチンを、標的受容体因子であるストレプトアビジンを検出するためのプローブリガンドとして有する(ビオチンが連結されたチミジンの構造は図23Aを参照されたい)。各単分子プローブは、それぞれ5'と3'末端にリンカーを介して共有結合で連結された蛍光体のフルオレセインと消光体のDABCYL(4-(4'-dimethylaminophenylazo)benzoic acid)とからなる相互作用性ラベル対を有している。リンカーを有するフルオレセインとDABCYLの構造はそれぞれ、図23B及び図23Dに示す。本実施例で使用された単分子プローブは、実施例3及び11で使用されたものと類似な性質を有するように考案された。
単分子プローブの検出溶液は、50pmolの各単分子プローブと0、1/8、及び1/4モル当量のストレプトアビジンを含むが、実施例11におけると同一の手順によって96ウェルPCRプレートに用意された。実施例11におけると同様に、iCycler iQ実時間PCR装置を使って蛍光シグナルの温度依存性を測定した。
図38A〜図38Fはそれぞれ、6種類の各単分子プローブ、つまり、UP6-23B(配列番号:141)、UP9-23B(配列番号:144)、UP10-23B(配列番号:145)、UP11-23B(配列番号:146)、UP12-23B(配列番号:147)、及びUP13-23B(配列番号:148)の蛍光シグナルの温度依存性を受容体因子ストレプトアビジンのそれぞれ異なる濃度で示すものである。実施例11で使用された単分子プローブから得られた結果(図35A〜図35F)と同様に、受容体因子が存在しないときに、低い温度領域でのハイブリダイズした立体構造(すなわち、ステム-ループ構造)から高い温度領域での解離した立体構造への溶融転移(melting transition)が、全プローブにおいて観察されたし、受容体因子の添加によって蛍光の強度が受容体因子濃度の関数として相当増加することが観察された。
ストレプトアビジンを添加しなかった時と比べて、1/4モル当量のストレプトアビジンを添加した時の蛍光強度の相対的な増加が25℃で測定されたし、図39に、その結果を示す。図39において、蛍光強度の相対的増加値がステム配列、すなわち第1対象配列及び第1相補配列に強く(約4〜12)依存するということが観察できるが、この結果は、前記プローブのステム配列を調節することによってプローブの性能を最適化できるということを示唆する。
図40は、各ウェルに次のように組成を含むマイクロウェルプレートの蛍光映像の例である:A、B、及びC行に50pmolのUP6-23B(配列番号:141);D、E、及びF行に50pmolのUP10-23B(配列番号:145);1、2、及び3列にそれぞれ0、6.25、及び12.5pmolのストレプトアビジン。上述したように、各組成別に3個ずつ試験された。図40に示すように、受容体因子の量の関数として蛍光の強度が組織的に増加し、この結果は再現可能であることが観察された。
実施例13.蛍光体と消光体とからなる相互作用性ラベル対を有する非競合的単分子プローブの蛍光特性のステム長依存性
それぞれ4bp及び6bpのステム二重鎖を有する2種類の非競合的単分子プローブUP14-21B(配列番号:149)とUP1-34B(配列番号:127)とを合成し、これを、非競合的単分子プローブの蛍光特性のステム長依存性を試験するために使用した。実施例11及び12に使用された単分子プローブと同様に、UP14-21B(配列番号:149)とUP1-34B(配列番号:127)は、3'末端から3番目のヌクレオチドであるチミジンに連結されたビオチンを有する(ビオチンが連結されたチミジンの構造は図23Aを参照されたい)。各単分子プローブは、それぞれ5'と3'末端に共有結合で連結された蛍光体のフルオレセインと消光体のDABCYL(4-(4'-dimethylaminophenylazo)benzoic acid))とから構成された相互作用性ラベル対を持つ。リンカーを有するフルオレセインとDABCYLの構造はそれぞれ、図23B及び図23Dに示す。
同様に、単分子プローブの検出溶液は、50pmolの各単分子プローブと0、1/8、及び1/4モル当量のストレプトアビジンを含むが、実施例11におけると同一の手順によって96ウェルPCRプレートに用意されたし、iCycler iQ実時間PCR装置を使って蛍光シグナルの温度依存性を測定した。
図41A及び図41Bは、前記2種類の単分子プローブそれぞれの蛍光シグナルの温度依存性を、それぞれ異なるストレプトアビジン濃度で示すものである。融解プロファイルと受容体因子であるストレプトアビジンの添加に対する感応特性は、5bpステム二重鎖を有する単分子プローブと一般的に類似するが、ステム長によって(また、ステム配列とループ長によって)融解温度が変化することが観察された(比較のために図38A〜38F参照)。6bpステム二重鎖を有するUP1-34Bプローブが、4bpステム二重鎖を有するUP14-21Bプローブに比べて約20℃高い融解温度を示すことが観察された。4bpのステム二重鎖を有する後者のプローブにおいて蛍光シグナルの相対的増加がより大きく観察された。この結果は、実施例11及び12で試験されたループ長及びステム配列の他に、ステム長(すなわち、第1対象配列及び第1相補配列のハイブリダイゼーション長)も本発明のプローブの性能と作動温度を最適化するのに重要な変数であるということを表す。
実施例14.蛍光体と消光体とからなる相互作用性ラベル対を有する非競合的単分子プローブの蛍光特性のループ配列依存性
UP6-23B(配列番号:141)と同じステム配列とループ長を有するが、異なるループ配列を有する非競合的単分子親和性プローブであるUP15-23B(配列番号:150)とUP16-23B(配列番号:151)とを合成し、非競合的単分子プローブの蛍光特性のループ配列依存性を検査するために使用した。実施例11及び12に使用された単分子プローブUP6-23B(配列番号:141)と同様に、これら2つのプローブもまた、同一の位置、つまり3'末端から3番目のヌクレオチドであるチミジンに連結されビオチンを有し、5'と3'末端にそれぞれ共有結合で連結されたフルオレセインとDABCYLとからなる相互作用性ラベル対を持つ。これら2つのプローブのループ配列は、各プローブが5'末端領域とループ領域との間に、2番目に安定した4bpステム二重鎖立体構造を有するように選択された。5'と3'末端領域の間で形成される5bpステム二重鎖立体構造が最も安定した立体構造である。これに対し、実施例11及び12で試験されたそれぞれの単分子プローブ(本実施例の2つのプローブと同じ5bpのステム二重鎖配列と同じループ長を有するUP6-23B(配列番号:141)包含)は、ループ配列を適切に選択することによって、唯一つのステム二重鎖立体構造を有するように考案された。
同様に、前記単分子プローブの検出溶液は、50pmolの各単分子プローブと0、1/8、及び1/4モル当量のストレプトアビジンを含むが、実施例11におけると同一の手順によって96ウェルPCRプレートに用意されたし、iCycler iQ実時間PCR装置を使って蛍光シグナルの温度依存性を測定した。
図42A及び図42Bは、0(円)と1/4(四角形)モル当量のストレプトアビジンが存在する時の前記2つの単分子プローブの蛍光シグナルの温度依存性をそれぞれ示している。融解プロファイルと受容体因子(ストレプトアビジン)の添加に対する感応特性は、唯一つのステム二重鎖立体構造を有するUP6-23B(配列番号:141)におけると一般的に類似することが観察された(比較のために図35D参照)。しかし、受容体因子(ストレプトアビジン)の添加による蛍光シグナルの相対的増加は、二次的なステム二重鎖立体構造(secondary stem duplex conformer)を有しないUP6-23Bの値と比較した時、より小さいことが観察された。例えば、1/4当量のストレプトアビジンを添加することによって(25℃で)UP15-23BとUP16-23Bの蛍光シグナルは約3倍及び1.5倍にそれぞれ増加する一方、UP6-23Bにおいては約5倍増加する(図37参照)。この結果は、UP15-23BとUP16-23Bが二次的なステム二重鎖構造(secondary stem duplex structure)を形成するという観点から容易に理解することができる。受容体因子がプローブに結合すると、これにより発生する核酸ハイブリダイゼーション不安定化効果によって一次的なステム二重鎖構造(primary stem duplex structure)が不安定になる。この力によりUP15-23BとUP16-23Bは、前記2番目に安定している4bpステム二重鎖構造に立体構造的変化を起こす一方、UP6-23Bは、解離した立体構造へ変化する。したがって、受容体因子が結合した後、二次的なステム二重鎖構造を持たないUP6-23Bと比較して、UP15-23BとUP16-23Bは、二次的なステム二重鎖形成によって二つの相互作用性ラベル部分が相対的にお互いより近接して位置するようになる。受容体因子の添加によってUP15-23BがUP16-23Bに比べて大きい増加を見せるという事実も、前記メカニズムを通じて容易に理解することができる。UP15-23Bの二次的な4bpステム二重鎖はループ領域に4個のヌクレオチドを有するのに対し、UP16-23Bはループ領域に13個のヌクレオチドを有する。したがって、UP16-23Bの場合に比べて、UP15-23Bの二次的なステム二重鎖構造において二つの相互作用性ラベル部分がお互いより遠く離れて位置するようになり、その結果、UP16-23Bでは受容体因子の添加によってより大きい蛍光シグナルの増加が起こる。本実施例から得られた結果は、ステム二重鎖の配列を参照してループ配列を選択することが、本発明のプローブの性能を最適化する上で非常に重要であるということを示唆する。二次的なステム二重鎖構造の形成を避けるようにループ配列を選択することが好ましい。
実施例15.蛍光体と消光体とからなる相互作用性ラベル対を有する非競合的単分子プローブの蛍光特性のプローブリガンド接合位置依存性
ループ領域に同じ配列を有し、ステム二重鎖に同数の塩基対(5bp)を有するが、それぞれ異なる位置にプローブリガンド(ビオチン)が接合されている6種類の非競合的単分子親和性プローブが、非競合的単分子プローブのプローブ接合位置依存性を試験するために合成された。なかでも3つのプローブ、つまり、UP10-25B(配列番号:152)、UP10-23B(配列番号:145)、及びUP10-21B(配列番号:153)はステム二重鎖領域に、すなわち3'末端から1番目、2番目及び5番目のヌクレオチドに接合されたビオチンをそれぞれ有している。残り3つのプローブ、つまり、UP10-19B(配列番号:154)、UP10-13B(配列番号:155)、及びUP10-10B(配列番号:156)はループ領域に、すなわちループ領域の3'末端から2番目のヌクレオチド、ループ領域の5'及び3'末端の両方から8番目のヌクレオチド、及びループ領域の5'末端から5番目のヌクレオチドに接合されたビオチンをそれぞれ有している。したがって、前者の3つのプローブは、第1対象または第1相補配列に接合されたプローブリガンドを有しており、後者の3つのプローブは、第1対象または第1相補配列の外側に接合されたプローブリガンドを有している。各単分子プローブも同様に、5'と3'末端にそれぞれ共有結合で連結されたフルオレセインとDABCYLとからなる相互作用性ラベル対を持つ。
図43A〜図43Fは、上記6種類の単分子プローブにおいて、プローブ量に対して1/4モル当量のストレプトアビジンが添加された時に得られた結果を、ストレプトアビジンを添加しない時と比較してそれぞれ示すものである。ステム二重鎖領域(すなわち、第1対象または第1相補配列)に接合されたプローブリガンドを有する単分子プローブは、受容体因子(ストレプトアビジン)の添加によって一般的に蛍光シグナルの増加を見せ、プローブリガンドの接合位置によって異なる相対的増加を見せる(図43A〜図43C参照)。しかし、ステム二重鎖領域の外側(すなわち、ループ領域)にプローブリガンドが接合された残り3つのプローブは、受容体因子が添加されても有意性ある蛍光シグナルの増加を見せない(図43D〜図43F参照)。このような結果は、本発明によってプローブを考案するに当たってプローブリガンド(または、認識要素)の接合位置が適宜選択されなければならないということを示唆する。
実施例16.蛍光体と消光体とからなる相互作用性ラベル対を有する非競合的単分子プローブの融解プロファイルにおけるMgCl2濃度の影響
3'末端から3番目のヌクレオチドであるチミジンに接合されたビオチンを有し、5'と3'末端にそれぞれ共有結合で連結されたフルオレセインとDABCYLとからなる相互作用性ラベル対を有する単分子プローブUP6-23B(配列番号:141)を用いて、融解プロファイルに及ぼすMgCl2濃度の影響を試験した。
前記単分子プローブの検出溶液は、50pmolの単分子プローブと0、1/8、及び1/4モル当量のストレプトアビジンを含んでいるが、実施例11におけると同一の手順従って96ウェルPCRプレートに用意されたし、iCycler iQ実時間PCR装置を使って蛍光シグナルの温度依存性を測定した。
図44A〜図44Dはそれぞれ、0、1、2.5、及び5mMのMgCl2濃度で得られた結果を示している。温度依存性プロファイルは、一般的に類似しているものと観察されたし、予想の通り、融解温度が、MgCl2濃度が増加されるにつれて増加する。受容体因子が存在しないとき(円)、融解温度が0Mm MgCl2、約38℃から5mM MgCl2、約58℃に増加する。受容体因子が存在するときに、融解温度が0Mm MgCl2、約33℃から5mM MgCl2、約45℃に増加する。この結果は、標的因子と認識要素の最適相互作用温度に合せてプローブの作動温度を調節する必要があるとき、MgCl2の濃度、または塩やインターカレート物質のようなその類似物の濃度を調節することが有用であることを示唆する。
実施例17.蛍光体と消光体とからなる相互作用性ラベル対を有する非競合的単分子プローブの蛍光特性のpH依存性
3'末端から3番目のヌクレオチドであるチミジンに接合されたビオチンを有し、5'と3'末端にそれぞれ共有結合で連結されたフルオレセインとDABCYLとからなる相互作用性ラベル対を有する単分子プローブUP6-23B(配列番号:141)を用いて、融解プロファイルに及ぼすpHの影響を試験した。
前記単分子プローブの検出溶液(50pmolの単分子プローブと0及び1/4モル当量のストレプトアビジンと緩衝溶液を含んだ総体積50μlの溶液)は、次の4つの緩衝溶液を使用して96ウェルPCRプレートに用意された:50mM KCl、2.5mM MgCl2を含むpH6.0、10mM MES;50mM KCl、2.5mM MgCl2を含むpH7.0、10mM Tris;50mM KCl、2.5mM MgCl2を含むpH8.0、10mM Tris;及び、50mM KCl、2.5mM MgCl2を含むpH9.0、10mM Tris。iCycler iQ実時間PCR装置を使って蛍光シグナルの温度依存性を測定した。
図45は、pH6.0(円)、7.0(三角形)、8.0(ダイアモンド)、及び9.0(四角形)で得られた結果を示している。白印と黒印はそれぞれ、ストレプトアビジンの非存在及び存在時に相当する。予想の通り、融解温度はpHと共に増加し、蛍光の強度は、pH依存的に格段な増加を示す。観察された蛍光強度の増加は、既知のフルオレセインのpH依存的蛍光特性に起因する。この結果は、プローブ作動温度を最適化するために、検出溶液のpH調節が(MgCl2濃度調節に加えて)非常に有用であるということを示す。蛍光強度のpH依存性もまた、本発明のプローブを使用するにおいて重要であるこがわかる。この結果によれば、本実施例で蛍光体として使用されたフルオレセインは、高いpHで強い蛍光を放出する。したがって、高いpHを使用するアッセイでは、フルオレセインを蛍光体部分に使用することが有利である。もし、本発明のプローブを使用するアッセイを低いpHで行う必要がある場合、低いpHで強い蛍光を放出する異なる蛍光体を使用することが好ましい。
実施例18.蛍光体と消光体とからなる相互作用性ラベル対を有する非競合的単分子プローブを用いた受容体因子の結合阻害試験
3'末端から3番目のヌクレオチドであるチミジンに接合されたビオチンを有し、5'と3'末端にそれぞれ共有結合で連結されたフルオレセインとDABCYLとからなる相互作用性ラベル対を有する単分子プローブUP6-23B(配列番号:141)を用いて、受容体因子のプローブリガンド結合に対する阻害を試験した。
阻害試験用検出溶液は、次のように用意した。12.5pmolのストレプトアビジンを含む10mM Tris溶液(pH8.5、50mM KCl、2.5mM MgCl2)とそれぞれ異なる量の阻害剤(ビオチン)を96ウェルPCRプレートの各ウェルに入れ、常温で30分間培養した。約50pmolのUP6-23B(配列番号:141)プローブを各ウェルに添加し、60℃で約30分間培養した後、蛍光を測定した。
図46は、各ウェルの蛍光強度(ストレプトアビジンと阻害剤を含まない検出溶液から、測定された蛍光強度を引いた値)を阻害剤濃度の関数として示している。阻害剤濃度の増加に伴う蛍光強度の増加は、受容体因子(ストレプトアビジン)のプローブリガンド(プローブに連結されたビオチン)への結合が阻害剤(ビオチン)によって阻害されるということを示す。この結果は、本発明のプローブが、標的因子と認識要素の相互作用を遮断したり抑制する特定阻害剤を探索するスクリーニングに使用可能であることを証明する。
実施例19.蛍光体と消光体とからなる相互作用性ラベル対を有する非競合的二分子プローブを用いたストレプトアビジンの検出のためのアッセイ
図21に示す構造と類似する構造を有する2種類の二分子親和性プローブを作製し、標的受容体因子の濃度に対する感応を試験した。1番目の二分子プローブは、第1相補配列(または、第1対象配列)であるCM4*(配列番号:157)と第1対象配列(または第1相補配列)であるCM5-11B(配列番号:158)とから構成されている。2番目の二分子プローブは、第1相補配列(または、第1対象配列)であるCM4*(配列番号:157)と第1対象配列(または、第1相補配列)であるCM6-11B(配列番号:159)とから構成されている。CM4*(配列番号:157)は、5bpステム二重鎖構造を形成しうる5'及び3'アーム配列(5' and 3'arm sequence)と5'と3'末端にそれぞれ共有結合で連結されたフルオレセインとDABCYLとからなる相互作用性ラベル対を有している。CM5-11B(配列番号:158)とCM6-11B(配列番号:159)は、5'末端から11番目のヌクレオチドであるチミジンに接合されたビオチンをプローブリガンドとするそれぞれ15merと13merオリゴヌクレオチドである。このプローブ構成において、CM5-11B(配列番号:158)とCM6-11B(配列番号:159)は第1対象配列(または、第1相補配列)として作用し、CM4*(配列番号:157)のループ領域の全部または一部が、第1相補配列(または、第1対象配列)として作用する。
図21に概略的に示すように、標的受容体因子(ストレプトアビジン)が存在しないときには、前記二分子プローブが、図21Aのようにハイブリダイズした立体構造を好むように考案された。しかし、標的受容体因子の結合によって、図21Bに示すように、前記二分子プローブは解離した立体構造へ変化する。ハイブリダイズした立体構造では(すなわち、標的受容体因子が存在しないとき)、CM4*に在る二つの相互作用性ラベル部分がお互い遠く離れて位置するようになり、両ラベル部分間の相互作用が弱くなるか遮断され、結果として強い蛍光シグナルが放出される。解離した立体構造では(すなわち、標的受容体因子が存在するとき)、両分子が解離し、ステム二重鎖構造が形成されるので、CM4*に在る二つのラベル部分がお互い近接して位置するようになる。その結果、両ラベル部分間に強い相互作用が起こり、蛍光シグナルが消光されることになる。したがって、標的受容体因子(ストレプトアビジン)の濃度が増加するにつれて前記二分子プローブの蛍光シグナルは減少する。これが本実施例で試験された。
図47A及び図47Bは、前記2種類の二分子プローブ、CM4*+CM5-11BとCM4*+CM6-11Bに対して観察された蛍光シグナルを、ストレプトアビジン濃度及び温度の関数としてそれぞれ示している。96ウェルプレートの各ウェルにおいて、CM4*とCM5-11B(または、CM6-11B)各50pmolと、0、1/8、1/4、または1モル当量のストレプトアビジンを、50mM KCl、2.5mM MgCl2を含むpH8.5、10mM Tris溶液50μlに混合した。背景シグナルを観察するための対照群として、別途のウェルに、50μlのTris緩衝溶液に50pmolのCM4*のみを含有する検出溶液を準備した。図47A及び図47Bに示すように、標的受容体因子が存在しないときに、前記二分子プローブは強い蛍光シグナルを示すが(約20℃〜約40℃の温度範囲参照)、これは、第1対象配列と第1相補配列がハイブリダイズし、これにより、CM4*のステム二重鎖が解離し、二つのラベル部分がお互い遠く離れて位置するようになるということを示す。標的受容体因子(ストレプトアビジン)の添加によって蛍光シグナルが減少するが、これは、第1対象配列と第1相補配列間のハイブリダイゼーションが不安定になり、お互い解離するようになるということを示す。このような解離によりCM4*のステム二重鎖構造が形成され、二つのラベル部分が效果的に相互作用するようになる。すなわち、観察されたように、蛍光が消光される現象が起こる。
実施例20.実施例19で試験されたものに類似する非競合的二分子プローブを用いたストレプトアビジンの検出のためのアッセイ
実施例19で試験されたものと類似する二分子親和性プローブを作製し、標的受容体因子の濃度に対する感応を試験した。この二分子プローブは、第1対象配列(または、第1相補配列)であるUP10-13B(配列番号:155)と第1相補配列(または、第1対象配列)であるCM5(配列番号:160)とから構成される。UP10-13B(配列番号:155)は、5'末端から13番目のヌクレオチドのループ領域に接合されたビオチンをプローブリガンドとして有し、5'と3'末端にそれぞれ共有結合で連結されたフルオレセインとDABCYLとからなる相互作用性ラベル対を有している。CM5は、UP10-13Bのループ領域に相補的な配列を有する15merオリゴヌクレオチドである。実施例19で試験された二分子プローブと同様に、CM5は、第1相補配列(または、第1対象配列)として作用し、UP10-13Bのループ領域は、第1対象配列(または、第1相補配列)として作用する。
本実施例で作製された二分子プローブは、実施例19で試験されたものと構造において似ているが、ただし、プローブリガンドであるビオチンが、本実施例では相互作用性ラベル対とステム-ループ構造を有するオリゴヌクレオチドに連結されているのに対し、実施例19では、ラベルを有しない線形オリゴヌクレオチドに連結されている点で異なっている。実施例19と同様にして(すなわち、UP10-13B及びCM5各50pmolと0、1/8、及び1/4モル当量のストレプトアビジン含有するようにして)検出溶液を用意し、蛍光シグナルを測定した。この結果は、図48に示す。予想の通り、標的受容体因子添加に対する二分子プローブの感応は、実施例19で観察した二分子プローブのそれに類似している。UP10-13Bは、実施例15で単分子プローブとして試験されたが、単分子プローブとして適切に作動しなかったということは注目すべき事実である。実施例15において、このような結果は、UP10-13Bがループ領域に(すなわち、第1対象あるいは第1相補配列以外の位置に)連結されたプローブリガンドを有したからと解析された。しかし、追加的なオリゴヌクレオチド構成成分を使用する二分子方式では、同じUP10-13Bを用いて標的濃度によって望む蛍光シグナルの変化が起こるようにすることが可能であった。
実施例21.蛍光体と消光体とからなる相互作用性ラベル対を有する非競合的単分子プローブを用いたキナーゼ活性とその阻害剤検出のためのアッセイ
キナーゼプローブの準備
クロスリンカー(cross-linker)を用いて、反応基を有するプリプローブとペプチドをクロスリングキングしてキナーゼプローブを準備した。共通する骨格構造を有する2種類のプリプローブを準備したが、5'と3'末端にそれぞれ接合された蛍光体と消光体を有しており、ステム-ループ構造を形成する25merオリゴヌクレオチドを骨格構造としている。UP10-23C(配列番号:161)は、3'ステム配列の3'末端から3番目のヌクレオチドであるチミジンに共有結合で連結されたカルボキシル残基を有している。UP10-23A(配列番号:162)は、前記部位と同じステム部位に1級アミン残基を有している(カルボキシル基が連結されたチミジン及びアミン基が連結されたチミジンの構造は、図24A及び図24Bを参照されたい)。プリプローブの選択は、オリゴヌクレオチドとペプチドに含まれた反応基(等)に依存する。フルオレセインを蛍光体とする場合、1級アミン基を有するUP10-23Aが本実施例で使用されたように、より好まれる。使用されたクロスリンカーは、MBS(m-Maleimidobenzoyl-N-hydroxysuccinimide ester)である。MBSは、NHS-エステル-マレイミド(NHS-ester-maleimide)異種二反応性クロスリンカー(heterobifunctional cross-linker)であるので、まず、一つの1級アミン基に連結させてから残りの分子のスルフヒドリル基(sulfhydryl group)に連結させる過程を通じて両分子をクロス-リングキングする時に使用される。本実施例で使用されたペプチド配列は、KRTLRRC(配列番号:163)である。ペプチドKRTLRR(配列番号:164)は、PKC(プロテインキナーゼC、protein kinase C)の認識配列である。PKCは、スレオニン(threonine)の側鎖であるヒドロキシル基(hydroxyl group)をリン酸化する。クロスリンカーのマレイミド環(maleimide ring)に接合するためのスルフヒドリル基(sulfhydryl group)を提供するために、システイン残基(cysteine residue)がC末端に導入されている。
DMSOに溶解された約20倍モル過量のMBSを1mMのUP10-23Aプリプローブ溶液に迅速に混合しながら滴加し、常温で30分間培養した。反応混合物をセファデックスG-25(Sephadex G-25)カラムに通過させ、塩分が除去された状態のマレイミドに活性化したプリプローブを得た。その後、マレイミドに活性化したプリプローブに、配列KRTLRRCを有するペプチドを約40倍モル過量で添加し、常温で30分間反応させた。反応混合物を、セファデックスG-25に再び通過させた後、Supelco(PA、USA)の直径10mm×長さ250mm、C18 HPLCカラムとYoung Lin機器(安養、韓国)のAcme HPLCシステムを使ってペプチドが連結されたプローブを精製した。このようにして得られた産物が、PKCプローブのUP10-23PKC(配列番号:165)であるが、このプローブは、3'末端から3番目のヌクレオチドに接合されているPKC認識部位配列(配列番号:164)を有し、5'と3'末端にそれぞれ接合されたフルオレセインとDABCYLとからなる相互作用性ラベル対を持つ。PKC対照群プローブのUP10-23PKCp(配列番号:167)を作製するために、リン酸化したスレオニンRpを有するペプチドであるKRpTLRRC(配列番号:166)を同じUP10-23Aプリプローブに接合した(ペプチドが連結されたチミジンの構造は、図24C及び図24Dを参照されたい)。
キナーゼアッセイ
PKC検出用緩衝溶液の組成は、10mM MgCl2、1mM ATPと1mM CaCl2を含むpH7.4、20mM HEPES緩衝溶液である。酵素活性を検出するために、50pmolのPKCプローブを50mUのPKCと共に50μlのHEPES緩衝溶液で30℃で1時間反応させた。(1unitのPKCは、0.6mg/mlのホスファチジルセリン(phosphatidylserine)と1.7mM CaCl2存在下でType III-S histone proteinを基質として30℃で1分当たり1nmolのリン酸基を伝達するのに必要な酵素の量として定義される。)EDTAを最終濃度10mMで添加することによって反応を終結した。約25pmoleの抗ホスホスレオニン抗体(anti-phosphothreonine antibody)を反応混合物に添加し、iCycler iQ実時間PCR装置を使って試料の蛍光シグナルを検出した。PKCプローブとPKC対照群プローブのそれぞれを、キナーゼ反応をせずに抗ホスホスレオニン抗体と混合して、陰性及び陽性対照群試料をそれぞれ準備した。阻害剤濃度とPKC活性間の関係を試験するために、強力なPKC阻害剤として知られたスタウロスポリン(staurosporin)を0〜90μM濃度でキナーゼ溶液に添加し、キナーゼ反応前に5分間培養した。
リン酸化したスレオニンを有するPKC対照群プローブUP10-23PKCpは、前記抗体を不安定化因子として添加した時に増加された蛍光を示した。図49に示すように、抗ホスホスレオニン抗体が存在するとき(25pmol)の前記PKC対照群プローブ(50pmol)から得られた蛍光の強度は、同量の抗ホスホスレオニン抗体が存在する時のリン酸化していないPKCプローブのUP10-23PKCと比較して、約10倍も大きく現れた。この結果は、前記抗体が、PKC対照群プローブに含まれたリン酸化したペプチド配列に結合しうる効果的な不安定化因子として作用し、これにより、前記ステム二重鎖立体構造が本発明によって十分に不安定化されるということを示す。図49Aは、PKC阻害剤のスタウロスポリンの存在または非存在下における前述のキナーゼ反応の結果を示している。同図において、阻害剤が存在しない時の蛍光シグナルは、反応しないPKCプローブにおいて測定されたものと比べて、相当増加することが観察された。この結果は、認識要素としてPKCプローブに含まれているPKC認識部位が、PKCの作用により效率的にリン酸化されたし、前記抗ホスホスレオニン抗体が本発明によって効率的な不安定化因子として作動したということを意味する。この阻害剤が存在するときに、阻害剤濃度の増加につれて蛍光シグナルが減少するが、これは、PKCのキナーゼ活性が前記阻害剤により濃度依存的に阻害されたということを意味する。本実施例の結果は、キナーゼプローブやプロテアーゼプローブのような本発明による反応性プローブを、多様な標的反応誘発因子の阻害剤をスクリーニングする上で效果的に使用することができるということを立証する。
実験材料及び実験方法
次に、本発明の標的検出システムを使用ために必要な場合に使用可能な材料及び実験方法を説明する。
1)ATPアッセイ
生物学的発光(bioluminescence)を用いてATPを測定するのは、よく確立された技術である。この方法では、極低い濃度のATPを測定するために、光を放出する反応であるルシフェラーゼ触媒によるルシフェリン酸化反応のATP依存性を利用する(De Luca,M. and McElroy,W.D.,(1978))。商業的なATP検出キットの検出範囲は、ATP 1nmol〜1fmol範囲(または、10-6〜10-11M範囲)である。Roche Molecular Biochemicalsの製品説明書ATP Bioluminescence Assay Kit CLSII(revised July,1999);及び、CalBiochemの製品説明書ATP Assay Kit Cat.No.119108(revised January 26,1999)を参照されたい。
2)ピロリン酸(pyrophosphate)アッセイ
ピロリン酸(PPi)は、無機ピロホスファターゼ(inorganic pyrophosphatase)の触媒反応により両分子の無機リン酸(Pi)に加水分解される。Pi存在下でマルトースホスホリラーゼ(maltose phosphorylase)は、マルトース(maltose)をグルコース1-リン酸(glucose1-phosphate)とグルコース(glucose)に変換させる。その後、グルコースオキシダーゼ(glucoseoxidase)がグルコースをグルコノラクトン(gluconolactone)とH2O2に変換させる。最後に、西洋ワサビ過酸化酵素(horseradish peroxidase、HRP)を触媒とし、H2O2がAmplex Red reagent(10-acetyl-3,7-dihydroxyphenoxazine)と反応して吸光及び蛍光放出最高値がそれぞれ約563nmと約587nmであるレゾルフィン(resorufin)を生成する(Zhou,M.et al.,(1997);Hu,G.R.et al.,(1997))。この検出方法は、100μl反応で0.2μMまでのPPi(20pmol)を検出することができる。Molecular Probesの製品説明書PiPerTM Phosphate Assay Kit No.P-22061(revised on July 17、2002)を参照されたい。
さらに他の方法では、Pi存在下で基質である2-アミノ-6-メルカプト-7-メチルプリンヌクレオシドホスホリラーゼ(2-amino-6-mercapto-7-methylpurine nucleoside phosphorylase、MESG)が、プリンヌクレオシドホスホリラーゼ(purine nucleoside phosphorylase、PNP)によりリボース1-リン酸(ribose1-phosphate)と2-アミノ-6-メルカプト-7-メチルプリン(2-amino-6-mercapto-7-methylpurine)へ酵素的に変換される(Webb,M.R.,(1992))。MESGの酵素的変換により吸収最大波長が、基質の330nmから産物の360nmへ変化される。このアッセイは、1ml反応で1nmolのPPiまで検出可能である。Molecular Probesの製品説明書 EnzChek Pyrophosphate Assay Kit No.E-6646(revised on June 21,2002)を参照されたい。本願明細書に開示される全ての参考文献は、参考として本願明細書に組み込まれる。特に、次の参考文献が、参考として本願明細書に組み込まれる。
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以上では、具体的な例に挙げて本発明を説明してきたが、本発明は、これに限定されず、本発明の精神及び範囲内で様々な変形及び改良が可能であることは当業者にとって明らかである。
受容体因子(receptor agent)の結合を検出するための非競合的方式の親和性プローブの概略図であり、プローブリガンド(probe ligand)及び第1対象配列と第1相補配列とからなる1対の相補的核酸配列を含む、ハイブリダイズした立体構造(A)及び解離した立体構造(B)における非競合的方式の親和性プローブを示す。 受容体因子の結合を検出するための競合的方式の親和性プローブの概略図であり、プローブリガンド、及び第1及び第2対象配列と第1及び第2相補配列からなる2対の競合する相補的核酸配列対を含む、第1ハイブリダイズした立体構造(A)及び第2ハイブリダイズした立体構造(B)での競合的方式の親和性プローブを示す。 切断反応を検出するための非競合的方式の切断性プローブの概略図であり、プローブ基質(probe substrate)及び第1対象配列と第1相補配列とからなる1対の相補的核酸配列を含む、解離した立体構造(A)及びハイブリダイズした立体構造(B)における非競合的方式の切断性プローブを示す。 切断反応を検出するための競合的方式の切断性プローブの概略図であり、プローブ基質、及び第1及び第2対象配列と第1及び第2相補配列からる2対の競合する相補的核酸配列対を含む、第2ハイブリダイズした立体構造(A)及び第1ハイブリダイズした立体構造(B)における競合的方式の切断性プローブを示す。 連結反応を検出するための非競合的方式の第I型連結性プローブの概略図であり、プローブ基質及び第1対象配列と第1相補配列とからなる1対の相補的核酸配列を含む、ハイブリダイズした立体構造(A)及び解離した立体構造(B)における非競合的方式の第I型結合性プローブを示す。 修飾反応を検出するための非競合的方式の第II型連結性プローブの概略図であり、プローブ基質及び第1対象配列と第1相補配列とからなる1対の相補的核酸配列を含む、ハイブリダイズした立体構造(A及びB)及び解離した立体構造(C)における非競合的方式の第II型結合性プローブを示す。 修飾反応を検出するための非競合的方式の第II(−)型連結性プローブの概略図であり、プローブ基質及び第1対象配列と第1相補配列とからなる1対の相補的核酸配列を含む、ハイブリダイズした立体構造(A及びB)及び解離した立体構造(C)における非競合的方式の第II(−)型結合性プローブを示す。 連結反応を検出するための競合的方式の第I型連結性プローブの概略図であり、プローブ基質、及び第1及び第2対象配列と第1及び第2相補配列からなる2対の競合する相補的核酸配列対を含む、第1ハイブリダイズした立体構造(A)及び第2ハイブリダイズした立体構造(B)における競合的方式の第I型結合性プローブを示す。 修飾反応を検出するための競合的方式の第II型連結性プローブの概略図であり、プローブ基質、及び第1及び第2対象配列と第1及び第2相補配列からなる2対の競合する相補的核酸配列対を含む、第1ハイブリダイズした立体構造(A及びB)及び第2ハイブリダイズした立体構造(C)における競合的方式の第II型結合性プローブを示す。 ハイブリダイズした立体構造状態にある非相互作用性ラベルを有する二分子プローブの概略図である。 ハイブリダイズした立体構造状態にある非相互作用性ラベルを有する固定化した二分子プローブの概略図である。 第1ハイブリダイズした立体構造(A)及び第2ハイブリダイズした立体構造(B)状態にある二つの非相互作用性ラベルを有する三分子プローブの概略図である。 第1ハイブリダイズした立体構造(A)及び第2ハイブリダイゼーション立体構造(B)状態にある実施例4で使用される非相互作用性ラベルを有する三分子親和性プローブの概略図である。 第1ハイブリダイズした立体構造状態にある少なくとも一つの非相互作用性ラベルを有する固定化した三分子プローブの概略図である。 第1ハイブリダイズした立体構造(A)及び第2ハイブリダイズした立体構造(B)状態にある実施例9で使用される非相互作用性ラベルを有する固定化した三分子親和性プローブの概略図である。 ハイブリダイズした立体構造(A)及び解離した立体構造(B)状態にある1対の相互作用性ラベルを有する二分子プローブの概略図である。 ハイブリダイズした立体構造(A)及び解離した立体構造(B)状態にある1対の相互作用性ラベルを有する単分子プローブの概略図である。 ハイブリダイズした立体構造(A)及び解離した立体構造(B)状態にある実施例3で使用される1対の相互作用性ラベルを有する単分子親和性プローブの概略図である。 第1ハイブリダイズした立体構造(A)及び第2ハイブリダイゼーション立体構造(B)状態にある2対の相互作用性ラベルを有する三分子プローブの概略図である。 ハイブリダイズした立体構造(A)及び解離した立体構造(B)状態にある2対の相互作用性ラベルを有する二分子プローブの概略図である。 ハイブリダイズした立体構造(A)及び解離した立体構造(B)状態にある1対の相互作用性ラベルを有する二分子プローブの概略図である。 第1ハイブリダイズした立体構造(A)及び第2ハイブリダイゼーション立体構造(B)状態にある2対の相互作用性ラベルを有する三分子プローブの概略図である。 実施例で使用された対象配列と相補配列を作製するために使用された修飾ヌクレオチドの構造であって、ビオチン(biotin)が連結されたチミジン(A)、フルオレセイン(fluorescein)が連結された無塩基ヌクレオチド(B)、ビオチンが連結された無塩基ヌクレオチド(C)、DABCYLが連結された無塩基ヌクレオチド(D)、ビオチンが連結された無塩基ヌクレオチド(E)、及びジゴキシゲニン(digoxigenin)が連結された無塩基ヌクレオチド(F)を示す。 実施例21で使用されたキナーゼに特異的なプローブを作製するために使用された修飾ヌクレオチドの構造であって、カルボキシル基が連結されたチミジン(A)、1級アミン基が連結されたチミジン(B)、PKC認識配列が連結されたチミジン(C)、及びリン酸化したPKC認識配列が連結されたチミジン(D)を示す。 実施例1の結果を示すアクリルアミドゲル写真である。 実施例2の結果を示すアクリルアミドゲル写真である。 実施例3の結果を示すアクリルアミドゲル写真である。 実施例4の結果を示すアクリルアミドゲル写真である。 実施例5の結果を示すアクリルアミドゲル写真である。 実施例6の結果を示すアクリルアミドゲル写真である。 実施例7の結果を示すアクリルアミドゲル写真である。 実施例8の結果を示すアクリルアミドゲル写真である。 実施例9の結果を示すアクリルアミドゲル写真である。 実施例10の結果を示すマイクロウェルの写真(A)と、マイクロウェルの吸光度グラフ(B)である。 図35A乃至図35Fは、6個の単分子プローブ、つまり、UP3-12B(SEQ ID NO:138)、UP4-14B(SEQ ID NO:139)、UP5-16B(SEQ ID NO:140)、UP6-23B(SEQ ID NO:141)、UP7-33B(SEQ ID NO:142)及びUP8-43B(SEQ ID NO:143)の蛍光シグナルの温度依存性を、ストレプトアビジン(streptavidin)濃度の関数としてそれぞれ示す。 6個の単分子プローブ、つまり、UP3-12B(SEQ ID NO:138)、UP4-14B(SEQ ID NO:139)、UP5-16B(SEQ ID NO:140)、UP6-23B(SEQ ID NO:141)、UP7-33B(SEQ ID NO:142)及びUP8-43B(SEQ ID NO:143)の蛍光シグナルが、25℃でストレプトアビジンが存在しないときに測定した場合に比べて、1/4モル当量(molar equivalent)のストレプトアビジンが存在するときに相対的に増加することを示す。 6個の単分子プローブ、つまり、UP3-12B(SEQ ID NO:138)、UP4-14B(SEQ ID NO:139)、UP5-16B(SEQ ID NO:140)、UP6-23B(SEQ ID NO:141)、UP7-33B(SEQ ID NO:142)及びUP8-43B(SEQ ID NO:143)のストレプトアビジンが存在する時(黒円)と存在しない時(白円)の融解温度を示す。 図38A乃至図38Fは、6個の単分子プローブ、つまり、UP6-23B(SEQ ID NO:141)、UP9-23B(SEQ ID NO:144)、UP10-23B(SEQ ID NO:145)、UP11-23B(SEQ ID NO:146)、UP12-23B(SEQ ID NO:147)及びUP13-23B(SEQ ID NO:148)の蛍光シグナルの温度依存性をストレプトアビジン濃度の関数としてそれぞれ示す。 6個の単分子プローブ、つまり、UP6-23B(SEQ ID NO:141)、UP9-23B(SEQ ID NO:144)、UP10-23B(SEQ ID NO:145)、UP11-23B(SEQ ID NO:146)、UP12-23B(SEQ ID NO:147)及びUP13-23B(SEQ ID NO:148)の蛍光シグナルが、25℃でストレプトアビジンが存在しないときに測定した場合に比べて、1/4モル当量(molar equivalent)のストレプトアビジンが存在するときに相対的に増加することを示す。 各ウェルに次の組成の検出溶液を有するマイクロウェルプレートの蛍光映像を示す:A、B、及びC行に50pmolのUP6-23B(SEQ ID NO:141);D、E、及びF行に50pmolのUP10-23B(SEQ ID NO:145);1、2、及び3列にそれぞれ0、6.25、及び12.5pmolのストレプトアビジン。 図41A及び図41Bは、二つの単分子プローブ、UP1-34B(SEQ ID NO:127)とUP14-21B(SEQ ID NO:149)の蛍光シグナルの温度依存性を、ストレプトアビジン濃度の関数としてそれぞれ示す。 図42A及び図42Bは、二つの単分子プローブ、つまり、UP15-23B(SEQ ID NO:150)とUP16-23B(SEQ ID NO:151)の蛍光シグナルの温度依存性を、ストレプトアビジン濃度の関数としてそれぞれ示す。 図43A乃至図43Fは、6個の単分子プローブ、つまり、UP10-25B(SEQ ID NO:152)、UP10-23B(SEQ ID NO:145)、UP10-21B(SEQ ID NO:153)、UP10-19B(SEQ ID NO:154)、UP10-13B(SEQ ID NO:155)及びUP10-10B(SEQ ID NO:156)の蛍光シグナルの温度依存性を、ストレプトアビジン濃度の関数としてそれぞれ示す。 図44A乃至図44Dは、相異なるMgCl2濃度で、ストレプトアビジンが存在しないとき(円)と1/4モル当量存在するとき(四角形)における単分子プローブUP6-23B(SEQ ID NO:141)の蛍光シグナルの温度依存性を示す。 相異なるpHで、ストレプトアビジンが存在しないとき(円)と1/4モル当量存在するとき(四角形)における単分子プローブUP6-23B(SEQ ID NO:141)の蛍光シグナルの温度依存性を示す。 1/4モル当量のストレプトアビジンが存在するときに、単分子プローブUP6-23B(SEQ ID NO:141)の蛍光シグナルの25℃における阻害剤(ビオチン)濃度依存性を示す。 図47A及び図47Bは、2個の二分子プローブ、つまり、CM4*(SEQ ID NO:157)+CM5-11B(SEQ ID NO:158)及びCM4*(SEQ ID NO:157)+CM6-11B(SEQ ID NO:159)の蛍光シグナルの温度依存性を、ストレプトアビジン濃度の関数としてそれぞれ示す。 二分子プローブUP10-13B(SEQ ID NO:155)+CM5(SEQ ID NO:160)の蛍光シグナルの温度依存性を、ストレプトアビジン濃度の関数として示す。 図49Aは、1/2モル当量の抗ホスホスレオニン抗体(anti-phosphothreonine antibody)が存在するときに、二つの単分子プローブ、つまり、UP10-23PKCp(SEQ ID NO:167)とUP10-23PKC(SEQ ID NO:165)の蛍光シグナルの温度依存性を示す。 図49Bは、PKC酵素反応後にUP10-23PKC(SEQ ID NO:165)の蛍光シグナルの阻害剤濃度依存性を示す。

Claims (228)

  1. a)それぞれ独立して約3〜150個のヌクレオチドを有し、相互に実質的に相補的であることから第1ハイブリダイズした二重鎖(first hybridized duplex)を形成する第1対象配列及び第1相補配列からなる第1核酸配列対;
    b)前記第1対象配列と前記第1相補配列のうち少なくとも一つに接合されており、少なくとも一つの標的因子と特異的に相互作用する少なくとも一つの認識要素;及び
    c)必要に応じて、前記第1ハイブリダイズした二重鎖の量の関数としてその大きさが示される特徴的シグナルを発生する少なくとも一つの検出可能なラベル;からなる構成成分のうち少なくとも一つ、好ましくは全部を作動可能に連結された状態に含むプローブであって、
    前記標的因子が存在するときに、前記標的因子と前記認識要素との前記相互作用により前記第1ハイブリダイズした二重鎖の量が、前記標的因子が存在しないときの量に比べて変化することによって前記特徴的シグナルが変化するプローブ。
  2. 前記プローブは、第2対象配列と第2相補配列とからなる競争する核酸配列である第2核酸配列対をさらに含むプローブであって、
    前記第2対象配列と前記第2相補配列はそれぞれ独立して約3〜150個のヌクレオチドを有し、相互に実質的に相補的であることから第2ハイブリダイズした二重鎖(second hybridized duplex)を形成し;
    前記第1対象配列と前記第2対象配列は、一つの対象配列内に含まれていながら、少なくとも一つのヌクレオチドからなる重複領域を有し、
    前記標的因子が存在するときに、前記標的因子と前記認識要素との前記相互作用により、前記標的因子が存在しないときに比べて前記第1ハイブリダイズした二重鎖及び前記第2ハイブリダイズした二重鎖のいずれか一つの量は減少し、残り一つの量は増加することによって、前記特徴的シグナルが変化する請求項1に記載のプローブ。
  3. 前記認識要素が、前記重複領域を除いた前記第1対象配列、または前記第1相補配列に接合されている請求項2に記載のプローブ。
  4. 前記対象配列及び前記相補配列が、DNA、RNA、PNA、及びDNAとRNAとの混合物からなる群より選ばれる請求項1及び2のいずれか一項に記載のプローブ。
  5. 前記認識要素がプローブリガンドであり、前記標的因子が前記プローブリガンドに特異的に結合しうる受容体因子である請求項1に記載の親和性プローブ。
  6. 前記第1ハイブリダイズした二重鎖の融解温度が、前記受容体因子が前記プローブリガンドに結合することによって少なくとも1℃減少する請求項5に記載の親和性プローブ。
  7. 前記プローブリガンドが、前記第1対象配列または前記第1相補配列に少なくとも一つの連結要素により共有結合で連結されている請求項5に記載の親和性プローブ。
  8. 前記連結要素が、化学結合(chemical bond)、二価原子(divalent atom)、二価の化学部分(divalent chemical moiety)、及び多価の化学部分(multivalent chemical moiety)からなる群より選ばれる請求項7に記載の親和性プローブ。
  9. 前記プローブリガンドが、化学的リガンド(chemical ligand)、生化学的リガンド(biochemical ligand)、抗原、抗体、抗体断片、酵素、酵素の基質、酵素の基質または阻害剤、ホルモン(hormone)、抗生剤(antibiotic)、麻薬(narcotic)、毒素(toxin)、ポリペプチド(polypeptide)、タンパク質、タンパク質断片、標的配列(targeting sequence)、トランジットペプチド(transit peptide)、糖タンパク質(glycoprotein)、脂質(lipid)、リン脂質(phospholipid)、多糖(polysaccaharide)、炭水化物(carbohydrate)、核酸、及びペプチド核酸(peptide nucleic acid)からなる群より選ばれる請求項5に記載の親和性プローブ。
  10. 前記認識要素は、不安定化因子と少なくとも一つの切断部位とを含むプローブ基質であり、前記標的因子は、切断部位を特異的に切断しうる反応誘発因子であり、前記切断部位の第1末端は、前記不安定化因子に接合されており、前記切断部位の第2末端は、前記第1対象配列または第1相補配列に少なくとも一つの連結要素により共有結合で連結されている請求項1に記載の切断性プローブ。
  11. 前記第1ハイブリダイズした二重鎖の融解温度が、前記切断部位が前記反応誘発因子により切断されることによって少なくとも1℃増加する請求項10に記載の切断性プローブ。
  12. 前記連結要素が、化学結合、二価原子、二価の化学部分、及び多価の化学部分からなる群より選ばれる請求項10に記載の切断性プローブ。
  13. 前記不安定化因子が、前記切断部位の前記第1末端とリンカーにより共有結合または非共有結合的に連結されている請求項10に記載の切断性プローブ。
  14. 前記不安定化因子が、ビオチン(biotin)に結合するストレプトアビジン(streptavidin)またはその誘導体であり、前記ビオチンは、前記切断部位の第1末端にリンカーにより共有結合で連結されている請求項13に記載の切断性プローブ。
  15. 前記リンカーが、化学結合、二価原子、二価の化学部分、及び多価の化学部分からなる群より選ばれる請求項13に記載の切断性プローブ。
  16. 前記切断部位が、プロテアーゼ(protease)、エンドヌクレアーゼ(endonuclease)、リパーゼ(lipase)、またはグリコシダーゼ(glycosidase)によって特異的に切断される請求項10に記載の切断性プローブ。
  17. 前記切断部位が、へパラナーゼ−1(heparanase-1)によって特異的に切断される請求項16に記載の切断性プローブ。
  18. 前記切断部位が、哺乳類またはウイルスのプロテアーゼによって特異的に切断される請求項16に記載の切断性プローブ。
  19. 前記切断部位が、ヒト病原体(human pathogen)と関連するプロテアーゼによって特異的に切断される請求項16に記載の切断性プローブ。
  20. 前記プロテアーゼが、サイトメガロウイルス(cytomegalovirus:CMV)、単純ヘルペスウイルス(herpes simplex virus:HSV)、肝炎ウイルス(hepatitis virus)、マラリア原虫(plasmodium)、ヒト免疫不全ウイルス(human immunodeficiency virus:HIV)、カポジ肉腫関連ヘルペスウイルス(Kaposi's sarcoma-associated herpes virus:KSHV)、黄熱ウイルス(yellow fever virus)、フラビウイルス(flavivirus)、またはライノウイルス(rhinovirus)から発現するプロテアーゼである請求項19に記載の切断性プローブ。
  21. 前記プロテアーゼが、セリン型(serine-type)、システイン型(cystein-type)、またはアスパラギン酸型(aspartate-type)プロテアーゼである請求項18に記載の切断性プローブ。
  22. 前記マラリア原虫は、ピー.ファルシパルム(P.falciparum)であり、前記プロテアーゼは、プラスメプシン(plasmepsin)I及びIIのいずれかである請求項20に記載の切断性プローブ。
  23. 前記切断部位が、HSVの成熟したプロテアーゼ(maturational protease)によって特異的に切断される請求項20に記載の切断性プローブ。
  24. 前記肝炎ウイルス(hepatitis virus)がC型肝炎ウイルスである請求項20に記載の切断性プローブ。
  25. 前記ヒト病原体が酵母(yeast)、細菌(bacterium)、真菌類(fungi)、線虫(nematode)、ウイルス(virus)、または原生動物(protozoa)である請求項19に記載の切断性プローブ。
  26. 前記切断部位が、血液凝固(blood coagulation)、アポトーシス(apoptosis)、アルツハイマー病(Alzheimer's disease)、または細胞外マトリックス(extracellular matrix)と関連している哺乳類のプロテアーゼによって特異的に切断される請求項18に記載の切断性プローブ。
  27. 前記認識要素は、前記第1対象配列または前記第1相補配列に少なくとも一つの連結要素により共有結合で連結されている少なくとも一つの反応部位を含むプローブ基質であり、前記標的因子は、不安定化因子を前記反応部位に特異的に接合しうる反応誘発因子である請求項1に記載の第I型連結性プローブ。
  28. 前記第1ハイブリダイズした二重鎖の融解温度が、前記不安定化因子が前記反応誘発因子により接合されることによって少なくとも1℃減少する請求項27に記載の第I型連結性プローブ。
  29. 前記連結要素が、化学結合(chemical bond)、二価原子(divalent atom)、二価の化学部分(divalent chemical moiety)、及び多価の化学部分(multivalent chemical moiety)からなる群より選ばれる請求項27に記載の第I型連結性プローブ。
  30. 前記不安定化因子が、前記反応誘発因子の存在下で前記反応部位に共有結合で連結されうる少なくとも一つの反応基を有するタンパク質またはタンパク質複合体である請求項27に記載の第I型連結性プローブ。
  31. 前記不安定化因子が、少なくとも一つの前記反応基を有する修飾されたビオチン(biotin)に結合しているストレプトアビジン(streptavidin)である請求項30に記載の第I型連結性プローブ。
  32. 前記反応部位が、リガーゼ(ligase)により前記不安定化因子に接合される請求項27に記載の第I型連結性プローブ。
  33. 前記リガーゼが、ポリヌクレオチドリガーゼ(polynucleotide ligase)、アミノアシルtRNAリガーゼ(aminoacyl tRNA ligase)、及びビオチンタンパク質リガーゼ(biotin protein ligase)からなる群より選ばれる請求項32に記載の第I型連結性プローブ。
  34. 前記認識要素は、前記第1対象配列または前記第1相補配列に少なくとも一つの連結要素により共有結合で連結されている少なくとも一つの反応部位を含むプローブ基質であり、前記標的因子は、前記反応部位を、不安定化因子が接合しうる接合部位に特異的に変換させうる反応誘発因子である請求項1に記載の第II型連結性プローブ。
  35. 前記第1ハイブリダイズした二重鎖の融解温度が、前記不安定化因子が前記反応誘発因子により接合されることによって少なくとも1℃減少する請求項34に記載の第II型連結性プローブ。
  36. 前記連結要素が、化学結合、二価原子、二価の化学部分、及び多価の化学部分からなる群より選ばれる請求項34に記載の第II型連結性プローブ。
  37. 前記不安定化因子が、前記接合部位に特異的に結合しうるタンパク質またはタンパク質複合体である請求項34に記載の第II型連結性プローブ。
  38. 前記不安定化因子が、前記接合部位に自発的にまたは連結試薬の存在下で共有結合で連結されうる少なくとも一つの反応基を有するタンパク質またはタンパク質複合体である請求項34に記載の第II型連結性プローブ。
  39. 前記不安定化因子が、少なくとも一つの前記反応基を有する修飾されたビオチン(biotin)に結合しているストレプトアビジン(streptavidin)またはその誘導体である請求項38に記載の第II型連結性プローブ。
  40. 前記反応部位が、トランスフェラーゼ(transferase)により特異的に変換する請求項34に記載の第II型連結性プローブ。
  41. 前記トランスフェラーゼが、キナーゼ(kinase)及びアセチル-CoAトランスフェラーゼ(acetyl-CoA transferase)からなる群より選ばれる請求項40に記載の第II型連結性プローブ。
  42. 前記キナーゼが、c-AMP依存性プロテインキナーゼ(c-AMP dependent protein kinase:PKA)、カゼインキナーゼI(casein kinase I:CKI)、カゼインキナーゼII(casein kinase II:CKII)、グリコーゲンシンターゼキナーゼ3(glycogen synthase kinase 3:GSK−3)、cdc2プロテインキナーゼ(cdc2 protein kinase)、カルモジュリン依存性プロテインキナーゼII(calmodulin-dependent protein kinase II:CaMKII)、インスリン受容体(insulin receptor:INSR)、マイトジェン-活性化プロテインキナーゼ(mitogen-activated protein kinase:MAPK)、cGMP-依存性プロテインキナーゼ(cGMP-dependent protein kinase:cGPK)、ホスホリラーゼキナーゼ(phosphorylase kinase:PhK)、プロテインキナーゼC(protein kinase C:PKC)、p34 cdc2プロテインキナーゼ(p34 cdc2 protein kinase)、減数分裂-活性化ミエリン塩基性プロテインキナーゼ(meiosis-activated myelin basic protein kinase:p44 mpk)、平滑筋ミオシン軽鎖キナーゼ(smooth muscle myosin light chain kinase)、表皮成長因子受容体キナーゼ(epidermal growth factor receptor kinase:EGF−RK)、及びプロテインチロシンキナーゼpp60c-src(protein tyrosine kinase pp60c-src:PTK)からなる群より選ばれる請求項41に記載の第II型連結性プローブ。
  43. 前記反応部位が、キナーゼに特異的な部位であり、前記接合部位が、前記キナーゼにより付着されたリン酸基を含む請求項34に記載の第II型連結性プローブ。
  44. 前記不安定化因子が、前記キナーゼにより付着された前記リン酸基を有する前記接合部位に特異的に結合しうる抗体または受容体である請求項43に記載の第II型連結性プローブ。
  45. 前記リン酸基は、チオリン酸基(thiophosphate)であり、前記不安定化因子は、連結試薬の存在下で前記接合部位に共有結合で連結されうるヨードアセチル基(iodoacetyl)またはチオル基(thiol)のような少なくとも一つの反応基を有する修飾されたビオチン(biotin)に結合しているストレプトアビジン(streptavidin)またはその誘導体である請求項43に記載の第II型連結性プローブ。
  46. 前記不安定化因子が、二価陽イオン性(dicataionic)、三価陽イオン性(tricataionic)、または多価陽イオン性(polycataionic)金属イオンを含んでいる合成高分子またはその類似体からなるナノ粒子(nanoparticle)、ミクロ粒子(microparticle)、ビーズ(bead)、または膜(membrane)であって、前記リン酸基を有する前記接合部位に特異的に結合しうる請求項43に記載の第II型連結性プローブ。
  47. 前記認識要素は、前記第1対象配列または前記第1相補配列に少なくとも一つの連結要素により共有結合で連結されている少なくとも一つの反応部位を含むプローブ基質であり、前記標的因子は、不安定化因子が接合されうる前記反応部位を、非接合性部位に特異的に変換させうる反応誘発因子である請求項1に記載の第II(−)型連結性プローブ。
  48. 前記第1ハイブリダイズした二重鎖の融解温度が、前記不安定化因子が接合されることによって少なくとも1℃減少する請求項47に記載の第II(−)型連結性プローブ。
  49. 前記連結要素が、化学結合、二価原子、二価の化学部分、及び多価の化学部分からなる群より選ばれる請求項47に記載の第II(−)型連結性プローブ。
  50. 前記不安定化因子が、前記反応部位に特異的に結合しうるタンパク質またはタンパク質複合体である請求項47に記載の第II(−)型連結性プローブ。
  51. 前記不安定化因子が、前記反応部位に自発的にまたは連結試薬の存在下で共有結合で連結されうる少なくとも一つの反応基を有するタンパク質またはタンパク質複合体である請求項47に記載の第II(−)型連結性プローブ。
  52. 前記不安定化因子が、少なくとも一つの前記反応基を有する修飾されたビオチン(biotin)に結合しているストレプトアビジン(streptavidin)またはその誘導体である請求項51に記載の第II(−)型連結性プローブ。
  53. 前記反応部位が、ホスファターゼ(phosphatase)により特異的に脱リン酸化しうるリン酸基を有する部位である請求項47に記載の第II(−)型連結性プローブ。
  54. 前記ホスファターゼが、プロテインチロシンホスファターゼ(protein tyrosine phosphatase)、二重特異性ホスファターゼ(dual specificity phosphatase)及びプロテインSer/Thrホスファターゼ(protein Ser/Thr phosphatase)のようなリン酸化プロテインホスファターゼ(phosphoprotein phosphatase);ホスファチジルイノシトール-3,4-二リン酸4-ホスファターゼ(phosphatidylinositol-3,4-biphosphate 4-phosphatase)、ホスファチジルイノシトール-3,4,5-三リン酸3-ホスファターゼ(phosphatidylinositol-3,4,5-triphosphate 3-phosphatase)、SH2ドメイン含有イノシトールホスファターゼ(SH2 domain-containing inositol phosphatase:SHIP)及び膜-会合リン脂質ホスファターゼ(membrane-assocated phospholipid phosphatase)のようなリン脂質ホスファターゼ(phospholipid phosphatase);ポリヌクレオチド3'-ホスファターゼ(polynucleotide 3'-phosphatase)及びポリヌクレオチド5'-ホスファターゼ(polynucleotide 5'-phosphatase)のようなポリヌクレオチドホスファターゼ(polynucleotide phosphatase);からなる群より選ばれる請求項53に記載の第II(−)型連結性プローブ。
  55. 前記不安定化因子が、前記リン酸基を有する前記反応部位に特異的に結合しうる抗体または受容体である請求項53に記載の第II(−)型連結性プローブ。
  56. 前記リン酸基は、チオリン酸基(thiophosphate)であり、前記不安定化因子は、連結試薬の存在下で前記反応部位に共有結合で連結されうるヨードアセチル基(iodoacetyl)またはチオル基(thiol)のような少なくとも一つの反応基を有する修飾されたビオチン(biotin)に結合しているストレプトアビジン(streptavidin)またはその誘導体である請求項53に記載の第II(−)型連結性プローブ。
  57. 前記不安定化因子が、二価陽イオン性(dicataionic)、三価陽イオン性(tricataionic)、または多価陽イオン性(polycataionic)金属イオンを含んでいる合成高分子またはその類似体からなるナノ粒子(nanoparticle)、ミクロ粒子(microparticle)、ビーズ(bead)、または膜(membrane)であって、前記リン酸基を有する前記反応部位に特異的に結合しうる請求項53に記載の第II(−)型連結性プローブ。
  58. 前記標的因子が存在しないときに、前記第1ハイブリダイズした二重鎖が、前記第2ハイブリダイズした二重鎖に比べて優先的に形成される請求項2に記載の親和性プローブ。
  59. 前記標的因子が存在しないときに、前記第1ハイブリダイズした二重鎖の融解温度が、前記第2ハイブリダイズした二重鎖の融解温度よりも少なくとも1℃高い請求項58に記載の親和性プローブ。
  60. 前記標的因子が過量存在するときに、前記第2ハイブリダイズした二重鎖が、前記第1ハイブリダイズした二重鎖に比べて優先的に形成される請求項58に記載の親和性プローブ。
  61. 前記標的因子が過量存在するときに、前記第1ハイブリダイズした二重鎖の融解温度が、前記第2ハイブリダイズした二重鎖の融解温度よりも少なくとも1℃低い請求項60に記載の親和性プローブ。
  62. 前記標的因子が存在しないときに、前記第2ハイブリダイズした二重鎖が、前記第1ハイブリダイズした二重鎖に比べて優先的に形成される請求項2に記載の切断性プローブ。
  63. 前記標的因子が存在しないときに、前記第1ハイブリダイズした二重鎖の融解温度が、前記第2ハイブリダイズした二重鎖の融解温度よりも少なくとも1℃低い請求項62に記載の切断性プローブ。
  64. 前記標的因子が過量存在するときに、前記第1ハイブリダイズした二重鎖が、前記第2ハイブリダイズした二重鎖に比べて優先的に形成される請求項62に記載の切断性プローブ。
  65. 前記標的因子が過量存在するときに、前記第1ハイブリダイズした二重鎖の融解温度が、前記第2ハイブリダイズした二重鎖の融解温度よりも少なくとも1℃高い請求項64に記載の切断性プローブ。
  66. 前記標的因子が存在しないときに、前記第1ハイブリダイズした二重鎖が、前記第2ハイブリダイズした二重鎖に比べて優先的に形成される請求項2に記載の第I型連結性プローブ。
  67. 前記標的因子が存在しないときに、前記第1ハイブリダイズした二重鎖の融解温度が、前記第2ハイブリダイズした二重鎖の融解温度よりも少なくとも1℃高い請求項66に記載の第I型連結性プローブ。
  68. 前記標的因子が過量存在するときに、前記第2ハイブリダイズした二重鎖が、前記第1ハイブリダイズした二重鎖に比べて優先的に形成される請求項66に記載の第I型連結性プローブ。
  69. 前記標的因子が過量存在するときに、前記第1ハイブリダイズした二重鎖の融解温度が、前記第2ハイブリダイズした二重鎖の融解温度よりも少なくとも1℃低い請求項68に記載の第I型連結性プローブ。
  70. 前記標的因子が存在しないときに、前記第1ハイブリダイズした二重鎖が、前記第2ハイブリダイズした二重鎖に比べて優先的に形成される請求項2に記載の第II型連結性プローブ。
  71. 前記標的因子が存在しないときに、前記第1ハイブリダイズした二重鎖の融解温度が、前記第2ハイブリダイズした二重鎖の融解温度よりも少なくとも1℃高い請求項70に記載の第II型連結性プローブ。
  72. 前記標的因子が過量存在するときに、前記第2ハイブリダイズした二重鎖が、前記第1ハイブリダイズした二重鎖に比べて優先的に形成される請求項70に記載の第II型連結性プローブ。
  73. 前記標的因子が過量存在するときに、前記第1ハイブリダイズした二重鎖の融解温度が、前記第2ハイブリダイズした二重鎖の融解温度よりも少なくとも1℃低い請求項72に記載の第II型連結性プローブ。
  74. 前記標的因子が存在しないときに、前記第2ハイブリダイズした二重鎖が、前記第1ハイブリダイズした二重鎖に比べて優先的に形成される請求項2に記載の第II(−)型連結性プローブ。
  75. 前記標的因子が存在しないときに、前記第1ハイブリダイズした二重鎖の融解温度が、前記第2ハイブリダイズした二重鎖の融解温度よりも少なくとも1℃低い請求項74に記載の第II(−)型連結性プローブ。
  76. 前記標的因子が過量存在するときに、前記第1ハイブリダイズした二重鎖が、前記第2ハイブリダイズした二重鎖に比べて優先的に形成される請求項74に記載の第II(−)型連結性プローブ。
  77. 前記標的因子が過量存在するときに、前記第1ハイブリダイズした二重鎖の融解温度が前記第2ハイブリダイズした二重鎖の融解温度よりも少なくとも1℃高い請求項76に記載の第II(−)型連結性プローブ。
  78. 前記検出可能なラベルが、蛍光体、発光体、放射線同位元素、酵素、抗体、抗原、電気化学的ラベルからなる群より選ばれる非相互作用性ラベルである請求項1に記載のプローブ。
  79. 前記プローブは、前記第1対象配列を含む第1分子及び前記第1相補配列を含む第2分子からなる二分子プローブであって、前記少なくとも一つの検出可能なラベルが、前記第1及び第2分子のうち少なくとも一つに共有結合で連結されている請求項78に記載のプローブ。
  80. 前記第1分子が支持体に固定化されており、前記少なくとも一つの検出可能なラベルが、前記第2分子に共有結合で連結されている請求項79に記載のプローブ。
  81. 前記第2分子が支持体に固定化されており、前記少なくとも一つの検出可能なラベルが、前記第1分子に共有結合で連結されている請求項79に記載のプローブ。
  82. 前記検出可能なラベルが、二本鎖核酸に優先的に結合しうるインターカレート染色剤(intercalating dye)である請求項1に記載のプローブ。
  83. 前記プローブは、前記第1対象配列を含む第1分子と前記第1相補配列を含む第2分子とを含む請求項82に記載のプローブ。
  84. 前記第1または第2分子が支持体に固定化されている請求項83に記載のプローブ。
  85. 前記第1対象配列及び前記第1相補配列が、ループ部分により共有結合で連結されている請求項82に記載のプローブ。
  86. 前記ループ部分が、前記第1対象配列の5'または3'末端のいずれかを前記第1相補配列の5'または3'末端のいずれかに連結する請求項85に記載のプローブ。
  87. 前記ループ部分が、約4〜100個のヌクレオチドを有する核酸配列である請求項85に記載のプローブ。
  88. 前記第1対象配列、前記ループ部分、及び前記第1相補配列が、5'から3'方向または3'から5'方向に順次に共有結合で連結されている請求項87に記載のプローブ。
  89. 支持体に固定化されている請求項85に記載のプローブ。
  90. 前記少なくとも一つの検出可能なラベルが、前記第1対象配列に接合されている第1ラベル部分と、前記第1相補配列に接合されている第2ラベル部分とを含む相互作用性ラベル対を含み、前記第1ハイブリダイズした二重鎖が形成されるときに、前記第1及び第2ラベル部分が相互作用する請求項1に記載のプローブ。
  91. 前記相互作用性ラベル対が、蛍光体と消光体からなり、前記相互作用性ラベル対の相互作用により前記プローブの蛍光の変化が起こり、該蛍光の変化が、強度の減少、寿命の減少、偏光の変化、波長の変化からなる群より選ばれる請求項90に記載のプローブ。
  92. 前記プローブが、前記第1ラベル部分を含んでいる前記第1対象配列を含む第1分子と、前記第2ラベル部分を含んでいる前記第1相補配列を含む第2分子とからなる二分子プローブである請求項90に記載のプローブ。
  93. 前記第1または第2分子が支持体に固定化されている請求項92に記載のプローブ。
  94. 前記プローブが、前記第1対象配列及び前記第1相補配列がループ部分により共有結合で連結されている単分子プローブである請求項90に記載のプローブ。
  95. 前記ループ部分が、前記第1対象配列の5'または3'末端のいずれかを前記第1相補配列の5'または3'末端のいずれかに連結する請求項94に記載のプローブ。
  96. 前記ループ部分が、約4〜100個のヌクレオチドを有する核酸配列である請求項94に記載のプローブ。
  97. 前記第1対象配列、前記ループ部分、及び前記第1相補配列が、5'から3'方向または3'から5'方向に順次に共有結合で連結されている請求項96に記載のプローブ。
  98. 支持体に固定化されている請求項94に記載のプローブ。
  99. 前記プローブは単分子プローブであって、前記第1対象配列と前記第1相補配列とがループ部分により共有結合で連結されており、前記少なくとも一つの検出可能なラベルが、前記単分子プローブの相異なる位置に接合されている第1及び第2ラベル部分を含む相互作用性ラベル対を含み、前記第1ハイブリダイズした二重鎖が形成されるときに、前記第1及び第2ラベル部分が相互作用する請求項1に記載のプローブ。
  100. 前記ループ部分が、前記第1対象配列の5'または3'末端のいずれかを前記第1相補配列の5'または3'末端のいずれかに連結する請求項99に記載のプローブ。
  101. 前記ループ部分が、約4〜100個のヌクレオチドを有する核酸配列である請求項99に記載のプローブ。
  102. 前記第1対象配列、前記ループ部分、及び前記第1相補配列が、5’から3’方向または3'から5'方向に順次に共有結合で連結されている請求項101に記載のプローブ。
  103. 前記相互作用性ラベル対が、蛍光体と消光体からなり、前記相互作用性ラベル対の相互作用により前記プローブの蛍光の変化が起こり、該蛍光の変化が、強度の減少、寿命の減少、偏光の変化、波長の変化からなる群より選ばれる請求項99に記載のプローブ。
  104. 前記第1及び第2ラベル部分のうち少なくとも一つが、前記ループ部分に共有結合で連結されている請求項99に記載のプローブ。
  105. 支持体に固定化されている請求項99に記載のプローブ。
  106. 前記プローブは、前記第1対象配列の5'末端に共有結合で連結された5'アーム配列(5'arm sequence)と、前記第1対象配列の3'末端に共有結合で連結された3'アーム配列(3'arm sequence)とからなる核酸アーム配列対をさらに含むプローブであって、
    前記第1対象配列が前記第1相補配列にハイブリダイズしていないときに、前記アーム配列対は、約3〜35個の相補的な塩基対を有するステム二重鎖(stemd duplex)を形成し;
    前記検出可能なラベルは、前記5'アーム配列に接合された第1ラベル部分と前記3'アーム配列に接合された第2ラベル部分とからなる相互作用性ラベル対を含み、前記ステム二重鎖が形成されるときに、前記第1及び第2ラベル部分が相互作用する請求項1に記載のプローブ。
  107. 前記プローブは、前記第1相補配列の5’末端に共有結合で連結された5’アーム配列(5’arm sequence)と、前記第1相補配列の3’末端に共有結合で連結された3’アーム配列(3’arm sequence)とからなる核酸アーム配列対をさらに含むプローブであって、
    前記第1対象配列が前記第1相補配列にハイブリダイズしていないときに、前記アーム配列対は、約3〜35個の相補的な塩基対を有するステム二重鎖(stem duplex)を形成し;
    前記検出可能なラベルは、前記5'アーム配列に接合された第1ラベル部分と、前記3'アーム配列に接合された第2ラベル部分とからなる相互作用性ラベル対を含み、前記ステム二重鎖が形成されるときに、前記第1及び第2ラベル部分が相互作用する請求項1に記載のプローブ。
  108. 前記プローブは、前記第1対象配列の5'末端に共有結合で連結された第1の5’アーム配列(first 5'arm sequence)と前記第1対象配列の3'末端に共有結合で連結された第1の3’アーム配列(first 3'arm sequence)とからなる第1アーム配列対と、前記第1相補配列の5'末端に共有結合で連結された第2の5’アーム配列(second 5’arm sequence)と前記第1相補配列の3’末端に共有結合で連結された第2の3’アーム配列(second 3’arm sequence)とからなる第2アーム配列対と、からなる2対の核酸アーム配列対をさらに含むプローブであって、
    前記第1対象配列が前記第1相補配列にハイブリダイズしていないときに、前記第1アーム配列対は、約3〜35個の相補的な塩基対を有する第1ステム二重鎖(first stem duplex)を形成し、前記第2アーム配列対は、約3〜35個の相補的な塩基対を有する第2ステム二重鎖(second stemd duplex)を形成し;
    前記検出可能なラベルは、前記第1の5’アーム配列に接合された第1ラベル部分と前記第1の3’アーム配列に接合された第2ラベル部分とからなる第1ラベル対と、前記第2の5’アーム配列に接合された第3ラベル部分と前記第2の3’アーム配列に接合された第4ラベル部分とからなる第2ラベル対と、からなる2対の相互作用性ラベル対を含み、前記第1ステム二重鎖が形成されるときに前記第1ラベル対が相互作用し、前記第2ステム二重鎖が形成されるときに前記第2ラベル対が相互作用する請求項1に記載のプローブ。
  109. 前記相互作用性ラベル対が、蛍光体と消光体からなり、前記相互作用性ラベル対の相互作用により前記プローブの蛍光の変化が起こり、該蛍光の変化が、強度の減少、寿命の減少、偏光の変化、波長の変化からなる群より選ばれる請求項106ないし108のいずれか一項に記載のプローブ。
  110. 前記プローブは、前記第1対象配列を含む第1分子及び前記第1相補配列を含む第2分子からなる二分子プローブである請求項106ないし108のいずれか一項に記載のプローブ。
  111. 前記第1または第2分子が支持体に固定化されている請求項110に記載のプローブ。
  112. 前記プローブは、少なくとも前記第1対象配列を含む第1構成要素及び少なくとも前記第1相補配列を含む第2構成要素がループ部分により共有結合で連結されている単分子プローブである請求項106ないし108のいずれか一項に記載のプローブ。
  113. 前記ループ部分が、前記第1対象配列の5'または3'末端のいずれかを前記第1相補配列の5'または3'末端のいずれかに連結する請求項112に記載のプローブ。
  114. 前記ループ部分が、約4〜100個のヌクレオチドを有する核酸配列である請求項112に記載のプローブ。
  115. 前記第1対象配列、前記ループ部分、及び前記第1相補配列が、5’から3’方向または3'から5'方向に順次に共有結合で連結されている請求項114に記載のプローブ。
  116. 支持体に固定化されている請求項112に記載のプローブ。
  117. 前記検出可能なラベルが、蛍光体、発光体、放射線同位元素、酵素、抗体、抗原、電気化学的ラベルからなる群より選ばれる非相互作用性ラベルである請求項2に記載のプローブ。
  118. 前記プローブは、前記対象配列を含む第1分子、前記第1相補配列を含む第2分子、及び前記第2相補配列を含む第3分子からなる三分子プローブであって、前記少なくとも一つの検出可能なラベルが、前記第1、第2及び第3分子のうち少なくとも一つに共有結合で連結されている請求項117に記載のプローブ。
  119. 前記少なくとも一つの検出可能なラベルが、前記第2及び第3分子のうち少なくとも一つに共有結合で連結されており、仮に、両分子ともラベルされているなら、各分子が相異なるラベルを有する請求項118に記載のプローブ。
  120. 前記第1分子が支持体に固定化されている請求項119に記載のプローブ。
  121. 前記第2または第3分子のいずれかが支持体に固定化されており、前記少なくとも一つの検出可能なラベルが前記第1分子に共有結合で連結されている請求項118に記載のプローブ。
  122. 前記プローブは、前記第1及び第2相補配列のうち一つと前記対象配列とを含む第1分子と、残りの配列を含む第2分子とからなる二分子プローブであって、前記第1分子に含まれた前記二つの配列が、ループ部分により共有結合で連結されており、前記少なくとも一つの検出可能なラベルが、前記第1及び第2分子のうち少なくとも一つに共有結合で連結されている請求項117に記載のプローブ。
  123. 前記ループ部分が、第1配列の5'または3'末端のいずれかを第2配列の5'または3'末端のいずれかに連結する請求項122に記載のプローブ。
  124. 前記ループ部分が、約4〜100個のヌクレオチドを有する核酸配列である請求項122に記載のプローブ。
  125. 前記第1配列、前記ループ部分、及び前記第2配列が、5’から3’方向または3'から5'方向に順次に共有結合で連結されている請求項124に記載のプローブ。
  126. 前記第1分子が支持体に固定化されており、前記少なくとも一つの検出可能なラベルが前記第2分子に共有結合で連結されている請求項122に記載のプローブ。
  127. 前記第2分子が支持体に固定化されており、前記少なくとも一つの検出可能なラベルが前記第1分子に共有結合で連結されている請求項122に記載のプローブ。
  128. 前記検出可能なラベルが、二本鎖核酸に優先的に結合しうるインターカレート染色剤(intercalating dye)である請求項2に記載のプローブ。
  129. 前記プローブは、前記対象配列を含む第1分子、前記第1相補配列を含む第2分子、及び前記第2相補配列を含む第3分子を含む請求項128に記載のプローブ。
  130. 前記第2または第3分子が支持体に固定化されている請求項129に記載のプローブ。
  131. 前記少なくとも一つの検出可能なラベルが、前記第1対象配列に接合されている第1ラベル部分と、前記第1相補配列に接合されている第2ラベル部分とを含む相互作用性ラベル対を含み、前記第1ハイブリダイズした二重鎖が形成されるときに、前記第1及び第2ラベル部分が相互作用する請求項2に記載のプローブ。
  132. 前記少なくとも一つの検出可能なラベルが、前記第2対象配列に接合されている第1ラベル部分と、前記第2相補配列に接合されている第2ラベル部分とを含む相互作用性ラベル対を含み、前記第2ハイブリダイズした二重鎖が形成されるときに、前記第1及び第2ラベル部分が相互作用する請求項2に記載のプローブ。
  133. 前記少なくとも一つの検出可能なラベルが、第1ラベル対と第2ラベル対とからなる2対の相異なる相互作用性ラベル対を含むプローブであって、前記第1ラベル対は、前記第1対象配列に接合されている第1ラベル部分と前記第1相補配列に接合されている第2ラベル部分とを含み、前記第2ラベル対は、前記第2対象配列に接合されている第3ラベル部分と前記第2相補配列に接合されている第4ラベル部分とを含み、前記第1ハイブリダイズした二重鎖が形成されるときに前記第1及び第2ラベル部分が相互作用し、前記第2ハイブリダイズした二重鎖が形成されるときに前記第3及び第4ラベル部分が相互作用する請求項2に記載のプローブ。
  134. 前記第1及び第3ラベル部分が同じ部分である請求項133に記載のプローブ。
  135. 前記相互作用性ラベル対が蛍光体と消光体からなり、前記相互作用性ラベル対の相互作用により前記プローブの蛍光の変化が起こり、該蛍光の変化が、強度の減少、寿命の減少、偏光の変化、波長の変化からなる群より選ばれる請求項131ないし133のいずれか一項に記載のプローブ。
  136. 前記プローブは、前記対象配列を含む第1分子、前記第1相補配列を含む第2分子、及び前記第2相補配列を含む第3分子からなる三分子プローブである請求項131ないし133のいずれか一項に記載のプローブ。
  137. 前記第1、第2及び第3分子のうち一つが、支持体に固定化されている請求項136に記載のプローブ。
  138. 前記プローブは、前記対象配列、前記第1相補配列及び前記第2相補配列のうち二つを含む第1分子と、残りの配列を含む第2分子とからなる二分子プローブであって、前記第1分子に含まれた前記二つの配列が、ループ部分により共有結合で連結されている請求項131ないし133のいずれか一項に記載のプローブ。
  139. 前記ループ部分が、第1配列の5'または3'末端のいずれかを第2配列の5'または3'末端のいずれかに連結する請求項138に記載のプローブ。
  140. 前記ループ部分が、約4〜100個のヌクレオチドを有する核酸配列である請求項138に記載のプローブ。
  141. 第1配列、前記ループ部分及び第2配列が、5’から3’方向または3'から5'方向に順次に共有結合で連結されている請求項140に記載のプローブ。
  142. 前記第1または第2分子が、支持体に固定化されている請求項138に記載のプローブ。
  143. 前記プローブは、単分子プローブであって、前記対象配列、前記第1相補配列及び前記第2相補配列が少なくとも一つのループ部分により共有結合で連結されている請求項131ないし133のいずれか一項に記載のプローブ。
  144. 前記ループ部分が、約4〜100個のヌクレオチドを有する核酸配列である請求項143に記載のプローブ。
  145. 前記第1相補配列、第1ループ部分、前記対象配列、第2ループ部分及び前記第2相補配列が、5’から3’方向または3'から5'方向に順次に共有結合で連結されている請求項144に記載のプローブ。
  146. 前記対象配列、第1ループ部分、前記第1相補配列、第2ループ部分及び前記第2相補配列が、5’から3’方向または3'から5'方向に順次に共有結合で連結されている請求項144に記載のプローブ。
  147. 前記対象配列、第1ループ部分、前記第2相補配列、第2ループ部分及び前記第1相補配列が、5’から3’方向または3'から5'方向に順次に共有結合で連結されている請求項144に記載のプローブ。
  148. 支持体に固定化されている請求項143に記載のプローブ。
  149. 前記プローブは、単分子プローブであって、前記対象配列、前記第1相補配列、及び前記第2相補配列が少なくとも一つのループ部分により共有結合で連結されており、前記少なくとも一つの検出可能なラベルが少なくとも一つの相互作用性ラベル対を含み、各ラベル対は、前記単分子プローブの相異なる位置に接合されている第1及び第2ラベル部分を含み、前記第1または第2ハイブリダイズした二重鎖が形成されるときに、前記第1及び第2ラベル部分が相互作用する請求項2に記載のプローブ。
  150. 前記第1及び第2ラベル部分のうち少なくとも一つが、前記ループ部分に共有結合で連結されている請求項149に記載のプローブ。
  151. 前記相互作用性ラベル対が蛍光体と消光体からなり、前記相互作用性ラベル対の相互作用により前記プローブの蛍光の変化が起こり、該蛍光の変化が強度の減少、寿命の減少、偏光の変化、波長の変化からなる群より選ばれる請求項149に記載のプローブ。
  152. 支持体に固定化されている請求項149に記載のプローブ。
  153. 前記プローブは、前記対象配列、前記第1相補配列及び前記第2相補配列のうち二つを含む第1分子と、残りの配列を含む第2分子とからなる二分子プローブであって、前記第1分子に含まれた前記二つの配列がループ部分により共有結合で連結されており、前記少なくとも一つの検出可能なラベルは、少なくとも一つの相互作用性ラベル対を含み、各ラベル対は、前記単分子プローブの相異なる位置に接合されている第1及び第2ラベル部分を含み、前記第1または第2ハイブリダイズした二重鎖が形成されるときに、前記第1及び第2ラベル部分が相互作用する請求項2に記載のプローブ。
  154. 前記第1及び第2ラベル部分のうち少なくとも一つが、前記ループ部分に共有結合で連結されている請求項153に記載のプローブ。
  155. 前記相互作用性ラベル対が蛍光体と消光体からなり、前記相互作用性ラベル対の相互作用により前記プローブの蛍光の変化が起こり、該蛍光の変化が、強度の減少、寿命の減少、偏光の変化、波長の変化からなる群より選ばれる請求項153に記載のプローブ。
  156. 前記第1または第2分子が支持体に固定化されている請求項153に記載のプローブ。
  157. 前記プローブは、前記第1相補配列の5’末端に共有結合で連結された5’アーム配列(5’arm sequence)と、前記第1相補配列の3’末端に共有結合で連結された3’アーム配列(3’arm sequence)とからなる核酸アーム配列対をさらに含むプローブであって、
    前記第1相補配列が前記第1対象配列にハイブリダイズしていないときに、前記アーム配列対は約3〜35個の相補的な塩基対を有するステム二重鎖(stem duplex)を形成し;
    前記検出可能なラベルは、前記5'アーム配列に接合された第1ラベル部分と、前記3'アーム配列に接合された第2ラベル部分とからなる相互作用性ラベル対を含み、前記ステム二重鎖が形成されるときに、前記第1及び第2ラベル部分が相互作用する請求項2に記載のプローブ。
  158. 前記プローブは、前記第2相補配列の5’末端に共有結合で連結された5’アーム配列(5’arm sequence)と、前記第2相補配列の3’末端に共有結合で連結された3’アーム配列(3’arm sequence)とからなる核酸アーム配列対をさらに含むプローブであって、
    前記第2相補配列が前記第2対象配列にハイブリダイズしていないときに、前記アーム配列対は約3〜35個の相補的な塩基対を有するステム二重鎖(stem duplex)を形成し;
    前記検出可能なラベルは、前記5'アーム配列に接合された第1ラベル部分と、前記3'アーム配列に接合された第2ラベル部分とからなる相互作用性ラベル対を含み、前記ステム二重鎖が形成されるときに、前記第1及び第2ラベル部分が相互作用する請求項2に記載のプローブ。
  159. 前記プローブは、前記第1相補配列の5’末端に共有結合で連結された第1の5’アーム配列(first 5’arm sequence)と前記第1相補配列の3’末端に共有結合で連結された第1の3’アーム配列(first 3’arm sequence)とからなる第1アーム配列対と、前記第2相補配列の5’末端に共有結合で連結された第2の5’アーム配列(second 5’arm sequence)と前記第2相補配列の3’末端に共有結合で連結された第2の3’アーム配列(second 3’arm sequence)とからなる第2アーム配列対と、からなる2対の核酸アーム配列対をさらに含むプローブであって、
    前記第1相補配列が前記第1対象配列にハイブリダイズしていないときに、前記第1アーム配列対は、約3〜35個の相補的な塩基対を有する第1ステム二重鎖(first stem duplex)を形成し、前記第2相補配列が前記第2対象配列にハイブリダイズしていないときに、前記第2アーム配列対は、約3〜35個の相補的な塩基対を有する第2ステム二重鎖(second stem duplex)を形成し;
    前記検出可能なラベルは、前記第1の5’アーム配列に接合された第1ラベル部分と前記第1の3’アーム配列に接合された第2ラベル部分とからなる第1ラベル対と、前記第2の5’アーム配列に接合された第3ラベル部分と前記第2の3’アーム配列に接合された第4ラベル部分とからなる第2ラベル対と、からなる2対の相互作用性ラベル対を含み、前記第1ステム二重鎖が形成されるときに前記第1ラベル対が相互作用し、前記第2ステム二重鎖が形成されるときに前記第2ラベル対が相互作用する請求項2に記載のプローブ。
  160. 前記相互作用性ラベル対が蛍光体と消光体からなり、前記相互作用性ラベル対の相互作用により前記プローブの蛍光の変化が起こり、該蛍光の変化が、強度の減少、寿命の減少、偏光の変化、波長の変化からなる群より選ばれる請求項157ないし159のいずれか一項に記載のプローブ。
  161. 前記プローブは、前記対象配列を含む第1分子、前記第1相補配列を含む第2分子、及び前記第2相補配列を含む第3分子からなる三分子プローブである請求項157ないし159のいずれか一項に記載のプローブ。
  162. 前記第1、第2及び第3分子のうち一つが、支持体に固定化されている請求項161に記載のプローブ。
  163. 前記プローブは、前記対象配列、前記第1相補配列及び前記第2相補配列のうち二つを含む第1分子と、残りの配列を含む第2分子とからなる二分子プローブであって、前記第1分子に含まれた前記二つの配列が、ループ部分により共有結合で連結されている請求項157ないし159のいずれか一項に記載のプローブ。
  164. 前記第1及び第2分子のうち一つが、支持体に固定化されている請求項163に記載のプローブ。
  165. 前記プローブは単分子プローブであって、前記対象配列を含む第1分子、前記第1相補配列を含む第2分子、及び前記第2相補配列を含む第3分子が、少なくとも一つのループ部分により共有結合で連結されている請求項157ないし159のいずれか一項に記載のプローブ。
  166. 支持体に固定化されている請求項165に記載のプローブ。
  167. プローブリガンドに必要に応じて結合しうる少なくとも一つの標的受容体因子の試料中における存在有無を、検出温度を含む条件下で検出するためのアッセイにおいて、
    a)前記試料を、請求項5によるプローブと接触させる段階;及び
    b)前記検出温度において前記標的受容体因子がない時と比べて特徴的シグナルの大きさに変化があるか確認する段階;を含むアッセイ。
  168. 少なくとも一つの標的リガンドの試料中における存在有無を、検出温度を含む条件下で検出するためのアッセイにおいて、
    a)前記試料を、前記プローブリガンド及び前記標的リガンドと結合しうる受容体因子の存在下で 請求項5によるプローブと接触させる段階;及び
    b)前記検出温度において前記標的リガンドがない時と比べて特徴的シグナルの大きさに変化があるか確認する段階;を含むアッセイ。
  169. 切断部位を特異的に切断しうる少なくとも一つの標的反応誘発因子の試料中における存在有無を、検出温度を含む条件下で検出するためのアッセイにおいて、
    a)前記試料を、請求項10によるプローブと接触させる段階;及び
    b)前記検出温度において前記標的反応誘発因子がない時と比べて特徴的シグナルの大きさに変化があるか確認する段階;を含むアッセイ。
  170. 反応部位の共有結合を特異的に誘発しうる少なくとも一つの標的反応誘発因子の試料中における存在有無を、検出温度を含む条件下で検出するためのアッセイにおいて、
    a)前記試料を、請求項27によるプローブと接触させる段階;及び
    b)前記検出温度において前記標的反応誘発因子がない時と比べて特徴的シグナルの大きさに変化があるか確認する段階;を含むアッセイ。
  171. 反応部位を接合部位へ特異的に変換させうる少なくとも一つの標的反応誘発因子の試料中における存在有無を、検出温度を含む条件下で検出するためのアッセイにおいて、
    a)前記試料を、請求項34によるプローブと接触させる段階;及び
    b)前記検出温度において前記標的反応誘発因子がない時と比べて特徴的シグナルの大きさに変化があるか確認する段階;を含むアッセイ。
  172. 反応部位を非接合性部位へ特異的に変換させうる少なくとも一つの標的反応誘発因子の試料中における存在有無を、検出温度を含む条件下で検出するためのアッセイにおいて、
    a)前記試料を、請求項47によるプローブと接触させる段階;及び
    b)前記検出温度において前記標的反応誘発因子がない時と比べて特徴的シグナルの大きさに変化があるか確認する段階;を含むアッセイ。
  173. プローブリガンドへの受容体因子の結合に対する阻害剤または増強剤を、検出温度を含む条件下で検出するためのアッセイにおいて、
    a)標的化合物を、前記受容体因子の存在下で請求項5によるプローブと接触させる段階;及び
    b)前記検出温度において前記標的候補化合物がない時と比べて特徴的シグナルの大きさに変化があるか確認する段階;を含むアッセイ。
  174. 切断部位を特異的に切断しうる反応誘発因子に対する阻害剤または増強剤を、検出温度を含む条件下で検出するためのアッセイにおいて、
    a)標的化合物を、前記反応誘発因子の存在下で請求項10によるプローブと接触させる段階;及び
    b)前記検出温度において前記標的化合物がない時と比べて前記特徴的シグナルの大きさに変化があるか確認する段階;を含むアッセイ。
  175. 反応部位の共有結合を特異的に誘発しうる少なくとも一つの反応誘発因子に対する阻害剤または増強剤を、検出温度を含む条件下で検出するためのアッセイにおいて、
    a)標的化合物を、前記反応誘発因子及び不安定化因子の存在下で請求項27によるプローブと接触させる段階;及び
    b)前記検出温度において前記標的化合物がない時と比べて前記特徴的シグナルの大きさに変化があるか確認する段階;を含むアッセイ。
  176. 反応部位を接合部位へ特異的に変換させうる少なくとも一つの反応誘発因子に対する阻害剤または増強剤を、検出温度を含む条件下で検出するためのアッセイにおいて、
    a)標的化合物を、前記反応誘発因子及び不安定化因子の存在下で請求項34によるプローブと接触させる段階;及び
    b)前記検出温度において前記標的化合物がない時と比べて前記特徴的シグナルの大きさに変化があるか確認する段階;を含むアッセイ。
  177. 反応部位を非接合性部位へ特異的に変換させうる少なくとも一つの反応誘発因子に対する阻害剤または増強剤を、検出温度を含む条件下で検出するためのアッセイにおいて、
    a)標的化合物を、前記反応誘発因子と不安定化因子の存在下で請求項47によるプローブと接触させる段階;及び
    b)前記検出温度において前記標的化合物がない時と比べて前記特徴的シグナルの大きさに変化があるか確認する段階;を含むアッセイ。
  178. 前記確認する段階が、前記特徴的シグナルの大きさを測定することを含む請求項167ないし177のいずれか一項に記載のアッセイ。
  179. 前記確認する段階が、前記特徴的シグナルの大きさを時間の関数として測定することを含む請求項178に記載のアッセイ。
  180. 標的を持っていない対照群試料を、請求項5によるプローブと接触させる段階と、前記検出温度において前記特徴的シグナルの大きさを測定する段階と、をさらに含むアッセイであって、前記確認する段階が、前記対照群試料の特徴的シグナルの大きさと前記試料の特徴的シグナルの大きさとの差を計算することを含む請求項167,168及び173のいずれか一項に記載のアッセイ。
  181. 標的を持っていない対照群試料を、請求項10によるプローブと接触させる段階と、前記検出温度において前記特徴的シグナルの大きさを測定する段階と、をさらに含むアッセイであって、前記確認する段階が、前記対照群試料の特徴的シグナルの大きさと前記試料の特徴的シグナルの大きさとの差を計算することを含む請求項169及び174のいずれか一項に記載のアッセイ。
  182. 標的を持っていない対照群試料を、請求項27によるプローブと接触させる段階と、前記検出温度において前記特徴的シグナルの大きさを測定する段階と、をさらに含むアッセイであって、前記確認する段階が、前記対照群試料の特徴的シグナルの大きさと前記試料の特徴的シグナルの大きさとの差を計算することを含む請求項170及び175のいずれか一項に記載のアッセイ。
  183. 標的を持っていない対照群試料を、請求項34によるプローブと接触させる段階と、前記検出温度において前記特徴的シグナルの大きさを測定する段階と、をさらに含むアッセイであって、前記確認する段階が、前記対照群試料の特徴的シグナルの大きさと前記試料の特徴的シグナルの大きさとの差を計算することを含む請求項171及び176のいずれか一項に記載のアッセイ。
  184. 標的を持っていない対照群試料を、請求項47によるプローブと接触させる段階と、前記検出温度において前記特徴的シグナルの大きさを測定する段階と、をさらに含むアッセイであって、前記確認する段階が、前記対照群試料の特徴的シグナルの大きさと前記試料の特徴的シグナルの大きさとの差を計算することを含む請求項172及び177のいずれか一項に記載のアッセイ。
  185. 前記検出温度が、前記受容体因子が存在しない時の前記第1ハイブリダイズした二重鎖の融解温度よりも少なくとも5℃低い請求項167,168及び173のいずれか一項に記載のアッセイ。
  186. 前記検出温度が、前記反応誘発因子が存在しない時の前記第1ハイブリダイズした二重鎖の融解温度よりも少なくとも5℃高い請求項169及び174のいずれか一項に記載のアッセイ。
  187. 前記検出温度が、前記反応誘発因子が存在しない時の前記第1ハイブリダイズした二重鎖の融解温度よりも少なくとも5℃低い請求項170,171,175及び176のいずれか一項に記載のアッセイ。
  188. 前記検出温度が、前記反応誘発因子が存在しない時の前記第1ハイブリダイズした二重鎖の融解温度よりも少なくとも5℃高い請求項172及び177のいずれか一項に記載のアッセイ。
  189. 前記プローブが、少なくとも一つの非相互作用性ラベルを有する二分子プローブまたは三分子プローブである請求項167ないし177のいずれか一項に記載のアッセイ。
  190. 前記プローブは固定化したプローブでなく、前記確認する段階が、ハイブリダイズした種とハイブリダイズしていない種を分離することを含む請求項189に記載のアッセイ。
  191. 前記プローブは固定化したプローブであり、前記確認する段階が、非結合の種を洗浄することを含む請求項189に記載のアッセイ。
  192. 前記検出可能なラベルが、インターカレート染色剤(intercalating dye)である請求項167ないし177のいずれか一項に記載のアッセイ。
  193. 前記プローブは固定化したプローブでなく、前記確認する段階が、ハイブリダイズした種とハイブリダイズしていない種を分離することを含む請求項192に記載のアッセイ。
  194. 前記プローブは固定化したプローブであり、前記確認する段階が、非結合の種を洗浄することを含む請求項192に記載のアッセイ。
  195. 前記プローブが、少なくとも一つの相互作用性ラベル対を含むプローブである請求項167ないし177のいずれか一項に記載のアッセイ。
  196. 前記相互作用性ラベル対が、蛍光体と消光体の対または発光体と消光体の対である請求項195に記載のアッセイ。
  197. 前記プローブが単分子プローブである請求項195に記載のアッセイ。
  198. 前記プローブが二分子プローブである請求項195に記載のアッセイ。
  199. 前記プローブが三分子プローブである請求項195に記載のアッセイ。
  200. 前記プローブが固定化したプローブである請求項195に記載のアッセイ。
  201. 前記プローブが、蛍光体及び消光体、または発光体及び消光体からなる少なくとも一つの相互作用性ラベル対を含む単分子プローブである請求項167ないし177のいずれか一項に記載のアッセイ。
  202. 前記試料が細胞または組織であり、前記接触させる段階が、前記プローブを細胞、または組織の内部もしくは外部に導入させることを含む請求項201に記載のアッセイ。
  203. 前記プローブが、蛍光体及び消光体、または発光体及び消光体からなる少なくとも一つの相互作用性ラベル対を含む単分子プローブである請求項173に記載のアッセイ。
  204. 前記試料が細胞または組織であり、前記接触させる段階が、前記プローブと前記標的化合物を前記細胞または組織の内部もしくは外部に導入させることを含む請求項203に記載のアッセイ。
  205. 前記受容体因子が、前記細胞または組織の内部もしくは外部に存在する受容体である請求項204に記載のアッセイ。
  206. 前記受容体因子が、受容体タンパク質をコードするベクトルを導入することによって、前記細胞または組織の内部で組み換え的に発現された前記受容体タンパク質である請求項204に記載のアッセイ。
  207. 前記プローブが、蛍光体及び消光体、または発光体及び消光体からなる少なくとも一つの相互作用性ラベル対を含む単分子プローブである請求項174ないし177のいずれか一項に記載のアッセイ。
  208. 前記試料が細胞または組織であり、前記接触させる段階が、前記プローブと前記標的化合物を前記細胞または組織の内部もしくは外部に導入させることを含む請求項207に記載のアッセイ。
  209. 前記反応誘発因子が、前記細胞または組織の内部もしくは外部に存在する酵素である請求項208に記載のアッセイ。
  210. 前記反応誘発因子が、酵素をコードするベクトルを導入することによって、前記細胞または組織の内部で組み換え的に発現される酵素である請求項209に記載のアッセイ。
  211. プローブリガンドに必要に応じて結合しうる少なくとも一つの標的受容体因子の試料中における存在有無を、検出温度を含む条件下で検出するためのアッセイにおいて、
    c)前記試料を、請求項58によるプローブと接触させる段階;及び
    d)前記検出温度において前記標的受容体因子がない時と比べて前記特徴的シグナルの大きさに変化があるか確認する段階;を含むアッセイ。
  212. 少なくとも一つの標的リガンドの試料中における存在有無を、検出温度を含む条件下で検出するためのアッセイにおいて、
    c)前記試料を、前記プローブリガンド及び前記標的リガンドと結合しうる受容体因子の存在下で請求項58によるプローブと接触させる段階;及び
    d)前記検出温度において前記標的リガンドがない時と比べて前記特徴的シグナルの大きさに変化があるか確認する段階;を含むアッセイ。
  213. 切断部位を特異的に切断しうる少なくとも一つの標的反応誘発因子の試料中における存在有無を、検出温度を含む条件下で検出するためのアッセイにおいて、
    c)前記試料を、請求項62によるプローブと接触させる段階;及び
    d)前記検出温度において前記標的反応誘発因子がない時と比べて前記特徴的シグナルの大きさに変化があるか確認する段階;を含むアッセイ。
  214. 反応部位の共有結合を特異的に誘発しうる少なくとも一つの標的反応誘発因子の試料中における存在有無を、検出温度を含む条件下で検出するためのアッセイにおいて、
    c)前記試料を、請求項66によるプローブと接触させる段階;及び
    d)前記検出温度において前記標的反応誘発因子がない時と比べて前記特徴的シグナルの大きさに変化があるか確認する段階;を含むアッセイ。
  215. 反応部位を接合部位へ特異的に変換させうる少なくとも一つの標的反応誘発因子の試料中における存在有無を、検出温度を含む条件下で検出するためのアッセイにおいて、
    c)前記試料を、請求項70によるプローブと接触させる段階;及び
    d)前記検出温度において前記標的反応誘発因子がない時と比べて前記特徴的シグナルの大きさに変化があるか確認する段階;を含むアッセイ。
  216. 反応部位を非接合性部位へ特異的に変換させうる少なくとも一つの標的反応誘発因子の試料中における存在有無を、検出温度を含む条件下で検出するためのアッセイにおいて、
    c)前記試料を、請求項73によるプローブと接触させる段階;及び
    d)前記検出温度で前記標的反応誘発因子がない時と比べて前記特徴的シグナルの大きさに変化があるか確認する段階;を含むアッセイ。
  217. プローブリガンドへの受容体因子の結合に対する阻害剤または増強剤を、検出温度を含む条件下で検出するためのアッセイにおいて、
    c)標的化合物を、前記受容体因子の存在下で請求項58によるプローブと接触させる段階;及び
    d)前記検出温度において前記標的候補化合物がない時と比べて前記特徴的シグナルの大きさに変化があるか確認する段階;を含むアッセイ。
  218. 切断部位を特異的に切断しうる反応誘発因子に対する阻害剤または増強剤を、検出温度を含む条件下で検出するためのアッセイにおいて、
    c)標的化合物を、前記反応誘発因子の存在下で請求項62によるプローブと接触させる段階;及び
    d)前記検出温度において前記標的化合物がない時と比べて前記特徴的シグナルの大きさに変化があるか確認する段階;を含むアッセイ。
  219. 反応部位の共有結合を特異的に誘発しうる少なくとも一つの反応誘発因子に対する阻害剤または増強剤を、検出温度を含む条件下で検出するためのアッセイにおいて、
    c)標的化合物を、前記反応誘発因子と不安定化因子の存在下で請求項66によるプローブと接触させる段階;及び
    d)前記検出温度において前記標的化合物がない時と比べて前記特徴的シグナルの大きさに変化があるか確認する段階;を含むアッセイ。
  220. 反応部位を接合部位へ特異的に変換させうる少なくとも一つの反応誘発因子に対する阻害剤または増強剤を、検出温度を含む条件下で検出するためのアッセイにおいて、
    c)標的化合物を、前記反応誘発因子及び不安定化因子の存在下で請求項70によるプローブと接触させる段階;及び
    d)前記検出温度において前記標的化合物がない時と比べて前記特徴的シグナルの大きさに変化があるか確認する段階;を含むアッセイ。
  221. 反応部位を非接合性部位へ特異的に変換させうる少なくとも一つの反応誘発因子に対する阻害剤または増強剤を、検出温度を含む条件下で検出するためのアッセイにおいて、
    c)標的化合物を、前記反応誘発因子及び不安定化因子の存在下で請求項73によるプローブと接触させる段階;及び
    d)前記検出温度において前記標的化合物がない時と比べて前記特徴的シグナルの大きさに変化があるか確認する段階;を含むアッセイ。
  222. 請求項1及び2のいずれか一項による少なくとも一つのプローブと、少なくとも一つの標的因子または標的リガンドを検出するか、または、前記標的因子及び前記認識要素の相互作用を阻害または増強させる阻害剤または増強剤を検出するためのアッセイを行うための説明書と、を含むキット。
  223. 塩、緩衝溶液、ヌクレアーゼ(nuclease)阻害剤、酵素または酵素結合ラベルの基質、受容体因子、反応誘発因子、標的因子として作用する受容体タンパク質または酵素をコードするベクトル、及び連結試薬からなる群より選ばれる一つ以上の試薬をさらに含む請求項211に記載のキット。
  224. in vivoまたはin situアッセイを実行するのに適している一つ以上の成分をさらに含むキットであって、前記成分は、透過誘導因子(permeabilizing agent)及びリボゾーム前駆体(liposome precursor)からなる群より選ばれ、前記プローブを細胞内に導入するために必要な成分である請求項211に記載のキット。
  225. 前記プローブが固定化したプローブである請求項211に記載のキット。
  226. 異なる標的因子を有し、同一支持体の予め定められた位置に固定化されている、本発明による少なくとも一つの追加的な固定化したプローブを含む請求項214に記載のキット。
  227. 同一の標的因子を有し、同一の支持体の予め定められた異なる位置に固定化されている、本発明による少なくとも一つの追加的な固定化したプローブを含む請求項214に記載のキット。
  228. 請求項1または2による少なくとも一つのプローブを含む標的検出システム。
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