JP2006511461A - マイクロカプセル化された物質及びそれらを作成する方法 - Google Patents

マイクロカプセル化された物質及びそれらを作成する方法 Download PDF

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Abstract

カプセル化される物質及びカプセル化する物質(例えばアルブミン)の可溶化形態を、植物油、鉱物油及び/又は低級アルコールを含む攪拌した冷却溶媒系中で噴霧することによって、生体活性物質、例えばタンパク質ポリマー又は薬剤のミクロスフィアを形成し、その結果、ミクロファージによって摂取される場合、形成されたミクロスフィアが細胞内生体活性を示す方法。

Description

本発明は、薬剤送達システムの分野に関する。具体的には、本発明は、非抗原性の、生分解性物質を用いてマイクロカプセル化された薬剤を調製するための方法、さらに、マクロファージ、内皮細胞、Kupffer細胞、樹状細胞などのような食細胞、又は疾患を持つ臓器(例えば、肝臓、腎臓、肺、心臓、脾臓)又は疾患部位(例えば、腫瘍、関節炎の関節)を標的とし、それらの標的部位で生分解性コーティングが消化され、元の状態のままの薬剤又は活性成分を細胞内又は蓄積部位に放出する、マイクロカプセル化組成物に関する。このような組成物は、疾患の処置及び予防において有用である。
(関連する出願の相互参照)
本出願は、同時係属中の米国出願番号第10/231,791号(2002年8月29日出願、係属中)の優先権の利益を請求する。米国出願番号第10/231,791号は、米国特許第6,555,110号(2003年4月29日登録)の一部継続出願であり、米国特許第6,555,110号は、出願番号第08/434,542号(1995年5月4日出願)の継続出願であり、出願番号第08/434,542号は、07/977,057(1992年11月16日出願(現在は放棄されている))の一部継続出願であり、これら全ては本願と同一の譲受人に一般に譲渡された出願である。これらの出願の全ての開示内容は、本明細書中にその全体が参考として組み込まれる。
アルブミンミクロスフィア(「MS」)中に含有される水溶性化合物のマイクロカプセル化により、マクロファージ/単核細胞のような食細胞を標的化し、炎症誘発性のサイトカインに優位性をもつことが、本発明者らの実験によって示されている(以前の同時係属中の出願に開示されている)。この技術は、中和抗体のようなサイトカインを阻害する化合物の効力を高めることが示されている。本発明者らは、CNI−1493(p38 MAPキナーゼを阻害するグアニルヒドラゾン化合物)、クロドロネート(ビスホスホネート)、酸化防止剤(例えば、ピロリジンジチオカルバメート)、及びNF−kBに対するアンチセンスオリゴマーのような他のカテゴリーの薬剤を含有するアルブミンミクロスフィアを調製する方法をさらに評価した。これらの化合物のマイクロカプセル化は、in vitro全血モデル、内毒素ショックモデル、及び微生物敗血症性ショックモデルにおいて、TNF、及びIL1−βのようなサイトカインの阻害を高める。さらに、本発明者らは、マウスにおける腫瘍の予防において非常によく研究されている、黒色腫ワクチン調製物の調製及び完成した効力試験を評価した。
本発明の第1の実施形態では、以前に開発した乳化の方法論(上に引用される同時係属中の出願に記載されている)の種々のプロセスパラメーター、物質及び反応条件が拡張される。
特定の疾患部位への薬剤送達は、患者の副作用を減らすのに役立ち、それにより、毒性を減らすことができる。マイクロカプセル化形態の薬剤を使用することによって、疾患のない臓器及び組織に対する薬剤の暴露を防ぐことができる。
乳化媒体としてオリーブ油を使用する乳化方法によってマイクロカプセル化モノクローナル抗体を製造するための方法論は、同時係属中の出願において以前に開示されている。本発明者らは、本明細書中で、乳化媒体として種々の異なる油中で、異なる温度下で調整した、生体活性タンパク質薬剤、すなわち、NF−kBに対するアンチセンスオリゴヌクレオチドの追加データを開示し、さらに、薬剤を溶解するための異なる水性溶媒を使用したプロセスを評価する。
本発明の第2の実施形態では、ミクロスフィアは、異なる薬剤の例、異なる溶媒、異なる温度及び種々の方法論を用いて、新規な噴霧方法によって調製される。
この乳化方法を用いて評価される他の種類の薬剤を以下に示す:
(a)生体活性タンパク質薬剤:(例えば、NF−kBに対するアンチセンスオリゴヌクレオチド);
(b)ワクチン調製物:抗腫瘍(黒色腫腫瘍)ワクチン調製物;
(c)化学薬剤:例えば、CNI−1493(グアニルヒドラゾン化合物)及びクロドロネート(ビスホスホネート)。
本実施形態において、本発明者らは、異なる溶媒、異なる温度及び種々の方法論を評価した。この噴霧方法を用いて評価される薬剤は、NF−kBに対するアンチセンスオリゴヌクレオチドである。
特定の実施形態では、本発明は、噴霧によって生体活性物質をカプセル化する方法を提供し、この方法は:
a.水中にアルブミンを溶解する工程;
b.NF−kBに対するアンチセンスオリゴヌクレオチド(オリゴマー)をリン酸緩衝生理食塩液(PBS)中に溶解する工程;
c.上記溶解させたアルブミン及び上記可溶化させたNF−kBに対するアンチセンスオリゴヌクレオチド(オリゴマー)を混合する工程;
d.工程cで形成された上記混合物を冷却する工程;
e.溶媒を準備する工程;
f.工程eの上記溶媒を冷却する工程;
g.工程fの上記溶媒を冷却した温度に維持して溶媒系を形成する工程;
h.工程gの上記溶媒を攪拌しながら、上記溶解させたアルブミン及び上記溶解させたNF−kBに対するアンチセンスオリゴヌクレオチド(オリゴマー)を上記溶媒中に噴霧する工程;
i.工程hのマイクロカプセル化したアルブミン−薬剤ミクロスフィアを含有する上記溶媒系中のミクロスフィアのサイズを評価して、ミクロスフィアを得る工程;
j.上記溶媒系を冷却した温度に維持しながら、攪拌しつつ、上記ミクロスフィアとグルタルアルデヒドとを架橋させる工程;
k.工程jの上記ミクロスフィアを溶媒を用いて洗浄する工程;
l.工程kの上記ミクロスフィアのサイズを測定する工程;及び
m.工程lの上記ミクロスフィアを凍結乾燥させる工程を含む。
上述の送達システムは、NF−kBに対するアンチセンスオリゴヌクレオチドが、食細胞(例えば、マクロファージ、白血球、樹状細胞及び内皮細胞)が関与するサイトカインで媒介されるプロセスを抑制するのに非常に有用であることを示す。これらの研究から、以下のような適用に関連すると考えられる:
(A)サイトカイン関連疾患:
(a)繊維化症候群:TGF−βに対するアンチセンス化合物が、繊維化症候群におけるTGF−βの関与を阻害するために使用可能である。
(b)慢性関節リウマチ:TNF−α及びIL−1−βに対するアンチセンス化合物は、慢性関節リウマチにおいて使用可能である。
(c)移植拒絶:TNF−α及びIL−1−βに対するアンチセンス化合物が、臓器移植において、サイトカイン放出(例えば、TNF−α及びIL−1−β)を抑制するために使用可能である
(d)再潅流障害:TNF−α及びIL−1−βに対するアンチセンス化合物が、再潅流障害においてサイトカイン放出を抑制するために使用可能である。
(e)敗血症性ショック:ピロリジンジチオカルバメート(抗酸化薬剤)は、サイトカイン放出(例えば、TNF−α及びIL−1−β)を抑制するために使用可能である。この薬剤は、NF−kB活性化を抑制する。NF−kBは、炎症誘発性のサイトカインの活性化の原因となる核転写因子である。
(B)ワクチン送達システム:
(a)抗腫瘍ワクチン:ミクロスフィアは、種々の型のワクチン(本明細書中で示される黒色腫腫瘍ワクチンと類似のもの)の効果的なワクチン送達システムとして使用可能である。
(b)抗AIDSワクチン:ミクロスフィアは、抗AIDSウイルスのための効果的なワクチン送達システムとして使用可能である。AIDSウイルスは、感染すると、マクロファージ内で増殖する。ミクロスフィアが非常に効率よくマクロファージ内に取り込まれるため、抗AIDSワクチン調製物をミクロスフィア内に添加することにより、マクロファージを直接的に標的化することができる。さらに、これらのミクロスフィアは、抗AIDS薬剤(例えば、AZT)を含有することができ、AIDSウイルスが増殖することが知られている部位、すなわちマクロファージ内で、薬剤を直接放出できる。
(C)抗腫瘍持続性薬剤送達システム:
(a)癌の処置におけるインターロイキン−12持続性放出ミクロスフィア
癌を処置するための治療薬剤の持続性放出は、治療が通常は長期間になるという事実を考えると有利である。この事実は、より低用量を用いて従来の持続性でない投薬形態と同じ治療効果を達成できる可能性を示唆する。バイオテクノロジーの登場及び分子生物学の技術の進歩とともに、我々の抗腫瘍兵器工場は、タンパク質薬剤、ペプチド及びサイトカインを含むように迅速に拡張された。これらの新規な武器は、強力ではあるが、適切な送達システムを必要とする。これらの薬剤はタンパク質であるので、血液中の酵素の標的であり得る。結果として、これらの薬剤の注射は、非常に高用量を必要とし、費用がかかるだけではなく、危険性も有する。インターロイキン−12は、近年、発見された異種二量体サイトカインである。インターロイキン−12は、癌の種々の動物モデルにおいて、非常に高い抗腫瘍能力を有することが示された。遺伝子操作された線維芽細胞を用いて、IL−12がより低濃度で持続的に存在すること、非持続性の高濃度を投与した場合と同等の抗腫瘍効果が得られることが示された。しかし、遺伝子操作された細胞を製造することは容易ではなく、コスト及びそれにかかる手間を考慮すると、一般の治療にこれを適用するのは困難である。よりよい代替物として、特定の薬剤送達システムの形態、例えば、ミクロスフィアのように、タンパク質薬剤を血液中の酵素から遮蔽するだけでなく、それらを持続的に放出させることが可能な、微粒子的な薬剤送達システムが考えられる。さらに、ミクロスフィアは、広範囲の生分解性ポリマーを用いた調製に対して順応しやすいことに加えて、大量生産の利点を有する。
本発明者らは、IL−12の持続放出を目的とした生分解性アルブミンミクロスフィアの使用を評価した。皮下黒色腫を有するC57BL/6マウスに腹腔内投与した場合、ミクロスフィアは、IL−12溶液処方物の1週間分の用量の半分の用量で、生存期間を有意に延長した。さらに、ミクロスフィアの投薬形態は、肝臓及び腎臓の酵素への影響が低く、毒性が低いことが示唆された。
(D)トランスフェクションシステム:
ミクロスフィアは、細胞内への遺伝物質のトランスフェクションのために有効なツールとして使用可能である。細胞トランスフェクションの現在の方法のいくつかは、マイクロポレーション(microporation)のようなトランスフェクションプロセスの間に、かなりの量の細胞死をまねく。本試験において使用されるミクロスフィアは、サイズが1ミクロン未満のものであり、それらは細胞内に容易に取り込まれ、ミクロスフィア内の薬剤/物質を細胞内に直接的に移すことができる。
本発明の他の特徴及び利点は、添付の特許請求の範囲と組み合わせて、以下の本発明の実施形態の詳細な記載を読めば明らかになる。
本発明は、図面において説明される。ここで、参照符号又は参照番号は、(他に注記されない限り)図面を通して同じ又は類似の部分又はパラメーターについて付される。
本発明者らは、最初に、従来の同時係属中の出願に元々開示されている乳化の方法論の拡張を記載する。
本発明者らは、種々の薬剤、油を用いて、種々のプロセス温度、薬剤を溶解するために使用する種々の水性溶媒を用いて調製されるミクロスフィアの試験をさらに拡張した。さらに、乳化の方法論を用いて、ポリマーマトリックスにアルブミンを用い、乳化媒体にオリーブ油を用いて、サイトカインアンタゴニストに対するモノクローナル抗体を含むミクロスフィアを調製した、初期の特許出願に基づく製造の方法論のバリエーションも評価した。
実施例1は、代表的な生体活性タンパク質、つまり核転写因子NF−kBに対するアンチセンスオリゴヌクレオチドを乳化することによるカプセル化を記載する。プロセスパラメーターの拡張としては、キャノーラ油、綿実油及び鉱物油の試験が挙げられる。その結果、試験された油は十分に役割を果たすことが示された。特定の生体不活性特性に依存して、他の生体不活性植物油及び他の油、例えば、限定されないが、ヒマワリ油、ベニバナ油、大豆油、パーム油、パーム核油、ココナッツ油、ヒマシ油、ピーナッツ油、ギングリー(gingley)油、魚の油、ゴマ油、ヌカ油など、及び、それらのサブコンポーネント、例えば、限定されないが、モノ不飽和脂肪酸(MUFA)、多価不飽和脂肪酸(PUFA)及び必須脂肪酸(EFA)、ならびに上述の混合物。他の鉱物油としては、限定されないが、重及び軽及び種々のサブフラクション及びそれらの組み合わせが、本発明の範囲内であると考えられる。
溶媒を冷却する温度範囲が試験され、範囲が広がった。5〜40℃の温度範囲が試験され、受容可能な結果が得られることがわかった。約5℃未満の温度は、少なくとも部分的に水性成分が凍結する場合があり、望ましくない場合がある。
さらに、水相の選択が広げられ、限定されないが、水、リン酸緩衝生理食塩液、水及びTween(登録商標)80、及び生理食塩水が挙げられる。
実施例2は、代表的な腫瘍ワクチン薬剤、すなわち、細胞外抗原のミクロスフィアの形成、及び得られる生体活性を記載する。
実施例3は、水溶性薬剤、すなわち、CNI−1493、グアニルヒドラゾンのミクロスフィアの形成、及び得られる生体活性を記載する。試験結果は、内毒素又はサイトカイン放出を弱めることにおいて、本発明の方法を用いるCNI−1493マイクロカプセル化形態が、溶液の、カプセル化されていない形態の対応する用量よりも効果的であることを示した。
実施例4は、代表的な化学薬剤、すなわち、クロドロネート、ビスホスホネートのミクロスフィアの形成、及び得られる生体活性を記載する。
実施例5は、代表的な生体活性タンパク質、薬剤、すなわち、NF−kBに対するアンチセンスオリゴヌクレオチドのミクロスフィアの形成、及び得られる生体活性を記載する。
実施例6は、本発明の新規な噴霧方法による、NF−kBに対するアンチセンスオリゴヌクレオチドのミクロスフィアの形成、及び得られる生体活性を記載する。
本発明は、以下の実施例と組み合わせてさらに説明され、これらは例示の目的のためにのみ記載されている。実施例においては、他に言及されない限り、重量部及び重量パーセントを示す。また、他に言及されない限り、オリーブ油を使用してミクロスフィアを形成する方法が用いられていることを注記する。
〔実施例(パート1)〕
生体活性タンパク質薬剤NF−KB
−敗血症性ショックにおける臨床的適用
−NF−KBに対するアンチセンスオリゴマーの処方及び試験
(A)導入
NF−kBは核転写因子であり、IkBに対して錯体化された不活性形態で、サイトゾル中に存在する。内毒素は細胞内メディエーターを刺激し、IkBがリン酸化され、NF−kBが核に転座し、次いで、DNAの活性化が起こる。複数の炎症誘発性のメディエーター(TNF、IL1及びIL6を含む)の合成のためのmRNAが迅速に産生される。本発明者らは、NF−kBのp65サブユニットに対するマイクロカプセル化アンチセンスオリゴマー(MSASO)がTNF、IL1及びIL6をin vitroで阻害することを見出した。アンチセンス化合物は、特定のタンパク質合成を阻害することで非常に有用な治療薬剤となる可能性を有する。しかし、アンチセンス化合物による治療の限定因子は、これらの大きな化合物の十分な細胞内浸透を得ることが困難であることである。本発明者らの以前の研究は、マイクロカプセル化された細胞内送達による、NF−kBに対するアンチセンスを用いたサイトカイン阻害において、効果の改善が認められた。細胞内オリゴヌクレオチドは迅速に核に輸送されるため、マイクロカプセル化は、アンチセンス化合物の送達を改善する。本発明者らの以前の研究により、内毒素ショック及び敗血症のラットモデルにおいて、NF−kBのp65部分に対するマイクロカプセル化アンチセンスの効果が非常に向上したことによって、この仮説を確認した。
(B)アルブミンによる、NF−kBに対するアンチセンスオリゴヌクレオチドの調製
(1)ヒトアルブミン50mgを発熱性物質を含まない水2ccに溶解した。
(2)NF−kBに対するアンチセンスオリゴヌクレオチド(オリゴマー)を、25mg/ccの濃度でリン酸緩衝生理食塩液(PBS)に別個に溶解した。
(3)上の2つの溶液をほぼ30分間混合した。
(4)得られた混合物を5℃に冷却した。
(5)オリーブ油20ccを50ccビーカーにとり、5℃に冷却し、氷浴中でこの温度に維持した。
(6)アルブミン及びオリゴヌクレオチドの混合物を上記の油に添加し、Branson Sonifier(登録商標/超音波ホモジナイザー)を中(medium)に設定して20分間乳化させた。
(7)ミクロスフィアが直径約1ミクロンになるまで、レーザ粒子サイズ測定器を用いて、マイクロカプセル化アルブミン−薬剤ミクロスフィアを含有するエマルションのサイズを評価した。
(8)氷浴によって温度を約5℃に維持しながら、組織ホモジナイザーを高(high)に設定してコンスタントに攪拌しつつ、1時間かけてグルタルアルデヒドの25%w/v溶液0.5ccでミクロスフィアを架橋した。
(9)ミクロスフィアをメタノール20ccで3回洗浄し、連続型HPLCフィルター(50、20、10、5、及び1ミクロン径)を用いて、最後のメタノール洗浄液中に懸濁させつつ、最終的なサイズを測定した。
(10)ミクロスフィアを凍結乾燥させ、使用するまで冷蔵庫で保存した。
全ての場合において、使用前に、ミクロスフィアを発熱性物質を含まない水又は生理食塩水に懸濁させた。
乳化媒体として使用する油の種類を変えて評価するために上述の手順を繰り返し、上述の5℃に加えて、製造時の温度も変えて評価した。最後に、水に加えて、異なる溶媒もまた薬剤を溶解するための媒体として評価した。それぞれのパラメーターの特徴を以下のように評価した:
(a)油の違いによる影響:
異なる油、例えば、キャノーラ油、綿実油及び鉱物油を研究のために使用し、ミクロスフィアの製造のために以前に使用したオリーブ油と比較した。生体不活性な任意の植物油又は鉱物油が使用可能であることが理解される。
(b)温度の違いによる影響:
広範囲に温度を変化させて(例えば、5、10、30及び40℃)、ミクロスフィアを調製した。よって、本発明の方法は、約5〜40℃の温度範囲で行うことができる。
(c)薬剤を溶解するために使用する水相の違いによる影響:
水及びリン酸緩衝生理食塩液(PBS)に加えて、Tween80(登録商標/ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ICI Americas,Inc.から入手可能)を含有する水及び生理食塩水を使用して、水相の違いが有意な影響を与えるか否かを試験した。
薬剤含量分析及びTNF−α抑制を評価する効力試験をin vitro全血モデルを用いて行った。製造手順における以下の変数を評価した。
(C)実験方法:
(a)薬剤含量分析:
薬剤含量分析を本発明者らの研究室において開発したHPLC法によって行った。
(b)in vitro全血モデルを用いたTNF−α抑制を評価する効力試験。
調製物を、全血モデルを用いて薬剤の効力について評価した。以下に概略を説明する:
血液をEDTAを含有するラベンダートップ管に入れておいた。この血液を5mlのアリコート3個にわけ、ミクロスフィアの以下のバッチの1個を用いて1時間かけて前処理し、内毒素(100mcg/ml)を用いてチャレンジ試験した。内毒素チャレンジ後0時間及び4時間のサンプルを得て、これらのTNF−αレベルを測定した。NF−kBにマイクロカプセル化オリゴマーを添加することに起因するサイトカイン抑制の効力を、同時係属中の特許出願に記載されるようなオリーブ油を用いて調製したミクロスフィアと比較した。
(D)結果:
薬剤含量分析における油の違いによる影響:
図1は、薬剤を溶解させるための水相として水を用いて、5℃で調製した異なる油を用いた、乳化法及び噴霧法によるNF−kBに対するアンチセンス(AS)オリゴマーのパーセント薬剤含量分析を示す。バッチ間でp<0.05の有意差は認められなかった。重(この用語は、当業者に公知の意味である)鉱物油が使用されたが、軽鉱物油を使用することも意図され、また他の植物油を使用することも意図される。
薬剤含量分析における温度の違いによる影響:
図2は、薬剤を溶解させるための水相として水を用いて、油はオリーブ油を用い、異なる温度設定で調製したバッチの、乳化法及び噴霧法によるNF−kBに対するアンチセンス(AS)オリゴマーのパーセント薬剤含量分析を示す。バッチ間でp<0.05の有意差は認められなかった。約5℃未満の温度では、水相が凍結し始め、生産性及び活性が低下する。
薬剤含量分析において使用される水相の違いによる影響:
図3は、オリーブ油を用い、10℃で調製した異なる水相を用いた、乳化法及び噴霧法(以下実施例6において詳細に検討する)によるNF−kBに対するアンチセンス(AS)オリゴマーのパーセント薬剤含量分析を示す。バッチ間でp<0.05で有意差は認められなかった。
TNF−α抑制における油の違いによる影響:
図4は、乳化法及び噴霧法によってNF−kBに対するアンチセンス(AS)オリゴマーのミクロスフィアを製造するために異なる油を用いた場合の、TNF−αレベルを示す。水を使用して薬剤を溶解し、温度は5℃に維持した。オリーブ油及び他の試験油を用いて調製した種々のバッチ間でp<0.05の有意な違いはなかった。
TNF−α抑制における温度変動による影響:
図5は、乳化法及び噴霧法によるNF−kBに対するアンチセンス(AS)オリゴマーの製造プロセスにおいて異なる温度を用いた場合の、TNF−αレベルを示す。オリーブ油をこのプロセス中で使用した。異なる温度設定で調製したバッチ間でp<0.05の有意な違いはなかった。
TNF−α抑制において使用される水相の違いによる影響:
図6は、乳化法及び噴霧法によるNF−kBに対するアンチセンス(AS)オリゴマーの製造プロセスにおいて異なる水相を用いて試験した、TNF−αレベルを示す。オリーブ油を用いてミクロスフィアを10℃で調製した。異なる水相を用いて調製したバッチ間でp<0.05の有意差は認められなかった。
−腫瘍ワクチン薬剤
−腫瘍ワクチンにおけるアジュバント又はコアジュバントとしてミクロ粒子を用いる腫瘍防御試験
(A)導入
免疫応答の誘発は複雑であり、評価するためのインタクトな免疫システムを必要とする複雑なプロセスである。従って、マウス腫瘍モデルを使用して、マイクロカプセル化細胞外抗原(MECA)ワクチン製剤を評価した。本ワクチンにおいて使用される抗原を、培地中で増殖するB16マウス黒色腫細胞から誘導した。C57BL/6マウス(B16マウス黒色腫細胞と同系)を使用した。これは、腫瘍予防ワクチンで、マウスにまず抗腫瘍反応を起こさせるのに、最初にワクチンを投与する。次いで、マウスをチャレンジ試験し、マウス黒色腫の発生を阻止する能力を有しつつ、抗腫瘍応答が誘発されるか否かを判定した。
(B)黒色腫ワクチン製剤の調製
マイクロカプセル化ワクチン製剤を、実施例1に記載される方法に従って作成した。
(C)実験方法
免疫化及び腫瘍防御試験
MECA(全量で80μgのMECA中に20μgのECAを含有する)及びブランクMP(ミクロ粒子)を、架橋剤としてグルタルアルデヒドを用いて、油中水エマルジョン架橋技術によって調製した。第1の試験(全量で80μgのMECA)で使用されるミクロ粒子と当量の細胞外抗原20μgの抗腫瘍効果を評価するために、雌のC57BL/6マウス(n=5、8〜12週齢)3群にワクチンを皮下投与した。細胞外抗原(ECA)20μgを含む全量で80μgのマイクロカプセル化細胞外抗原(MECA)、細胞外抗原が入ったの溶液(ECA soln)、ブランクミクロ粒子(Blank MP)をそれぞれPBSに懸濁させ全量で100μlとし3群にワクチンを皮下投与した。マウスを3週間、毎週再注射し、計4回注射した。最後の注射から7日後、上述のように、マウスの対側性部位に7×10の生存B16黒色腫細胞を皮下に接種しチャレンジ試験した。次いで、腫瘍の成長についてマウスを60日間観察し、腫瘍のサイズ及び腫瘍の発現率を記録した。
(D)結果及び考察
雌のC57BL/6マウスに、MECA(全量で80μgのMECA中に20μgのECAを含有する)、blank MP又はECA solnワクチンを皮下投与した。最初にワクチンを投与した後、マウスに3週間、週に1回再注射した。最後のワクチン注射の7日後、C57BL/6マウスにワクチン接種部位と離れた部位に、7×10の生存同系B16黒色腫細胞を接種した。腫瘍の成長についてマウスの皮下を観察し、腫瘍の発現率を記録した(図7)。この試験でMECA群は、60日で腫瘍なし80%を維持していた。これとは対照的に、ブランクミクロ粒子群では腫瘍なし40%、及び溶液中のECA群では腫瘍なし0%であった。
この試験より、マイクロカプセル化した腫瘍抗原が、腫瘍特異抗原を標的化することによって、腫瘍免疫性を誘発するアジュバント効果を有し得ることが示唆される。
それに加えて、ブランクミクロ粒子群の60日目で腫瘍なし40%であることは、BSAミクロ粒子が、BSAとB700腫瘍抗原とのホモロジーに起因して、B16黒色腫のための優れたアジュバントである可能性を示唆している。
図7は、80μgのMECA中に20μgのECAが含有される群の腫瘍非発現率を示す。マウスに100μlのPBSを計4回皮下注射しワクチンを投与した。この注射は週に1回行った。最後の注射の7日後、マウスに7×10の生存腫瘍細胞(B16)を移植してチャレンジ試験し、腫瘍非発現率をMECA群及びコントロール群、すなわち溶液中のECA(ECA SOLN)群及びブランクミクロ粒子(BLANK MP)群において観察した。
(E)結果
in vivo用量反応試験により、全量で80μgのMECA中に含有される20μgのECAの用量のワクチンがこの試験において非常によく作用することがわかった。この用量のMECAワクチンにより、C57BL/6マウスは、60日の試験期間中、腫瘍なし80%を維持している。この試験は、マイクロカプセル化した腫瘍抗原が、腫瘍特異抗原を標的化することにより腫瘍免疫性を誘発するアジュバント効果を有することを示唆する。それに加えて、60日でブランクミクロ粒子グループの結果が腫瘍なし40%であることは、BSAミクロ粒子が、BSAとB700腫瘍抗原とのホモロジーに起因して、B16黒色腫のための優れたアジュバントである可能性を示唆する。
B16マウス黒色腫腫瘍は、非常に厳しい腫瘍モデルである。このため、ヒトの癌のモデルとなり得ると考えられる。これらの結果から、このミクロ粒子がさらに高い抗腫瘍効果を誘発すると推定される。
−化学薬剤、CNI−1493:グアニルヒドラゾン化合物
−敗血症性ショックにおける適用
−マイクロカプセル化したCNI−1493の処方及び試験
−マイクロカプセル化したCNI−1493による、実験的敗血症ショックにおける炎症誘発性サイトカインの致死性の予防及び抑制
(A)導入
動物における内毒素血症は、多面発現のサイトカイン(例えば、活性化マクロファージ及び多形核細胞由来のTNF−α及びIL−1−β)の放出と関連する。これらのサイトカインの効果を阻害する実験的薬剤、例えば、モノクローナル中和抗体(TNF−αモノクローナル抗体)、レセプターアンタゴニスト(IL−1レセプターアンタゴニスト)及びレセプター融合タンパク質の敗血症性ショックにおける効力が、動物及び臨床で評価されている。近年、新規に開発された水溶性四価グアニルヒドラゾン化合物(「CNI−1493」と称される)(N,N'−ビス[3,5−ジアセチルフェニル]デカンジアミンアミジノヒドラゾンテトラヒドロコリン)が、TNF−α、IL−1−β及びIL−6放出を誘発するリポ多糖類(LPS)を減らし、動物における死亡率を減らす効果があることが示された。
本発明者らは、以前に、サイトカイン中和抗体のマイクロカプセル化により、サイトカイン中和抗体の溶解性形態と比較して、種々のin vitro及びin vivo疾患モデルにおけるそれらの効力が増加することを示す試験結果を報告した。同様にまた、他のサイトカインアンタゴニストのミクロスフィア形態は、マクロファージによるマイクロカプセル化薬剤の標的化された吸収のため、対応するサイトカインアンタゴニストの溶解性形態よりもさらに効力が高い場合がある。本実施例では、本発明者らは、Cytokine Network Incorporatedによって、新規に開発された化合物CNI−1493のミクロスフィア形態の効力を評価した。CNI−1493の溶解性形態及びマイクロカプセル化形態の効力比較を、in vitro内毒素で誘発されたサイトカイン放出全血モデル、及び内毒素血症のin vivoモデル及び大腸菌で誘発された腹膜炎のin vivoモデルを用いて評価した。
(B)CNI−1493ミクロスフィアの調製
マイクロカプセル化したCNI−1493調製物を実施例1に従って作成した。
(C)実験方法
(a)全血モデルにおけるin vitro内毒素で誘発されるサイトカイン放出:
各サンプル(n)について、5匹のラットから血液をEDTA(血液1mlあたり1.5mg)中に集め、保存した。ベースライン血漿サンプルを取った後、残りの血液を5つのグループに分けた。各グループは6つ組であった。各グループに対し、以下の処理の1つを行った:生理食塩水又はCNI−1493の溶解性形態−0.25、0.5もしくは1.0μg/ml又はブランクミクロスフィア(MC)又はCNI−1493のMC形態−0.25、0.5もしくは1.0μg/ml。全てのグループを37℃、5%COを含有する雰囲気下(atomosphere)でインキュベートした。インキュベーションの2時間後、Escherichia Coli(ケープコッド、ウッドホール(Wood Hole)、マサチューセッツの提携者)から得られた内毒素(100ng/ml)0113を全てのグループに添加し、さらに24時間インキュベートした。改変されたアルカリ性ホスファターゼELISA法を用いてTNF−α及びIL−1−βの測定のために、内毒素添加の2、4、6及び24時間後に、血漿サンプルを収集した。
(b)内毒素血症のin vivoモデル:各群はラット4匹。各群のラットは、以下のいずれか1つを静脈内投与された:生理食塩水又は溶解性CNI−1493−1mg/kg、2mg/kg、5mg/kgもしくは10mg/kg又はブランクMC又はCNI−1493のMC形態−1mg/kg、2mg/kg、5mg/kgもしくは10mg/kg。さらに、全てのラットに、Escherichia Coli(ケープコッド、ウッドホール(Wood Hole)、マサチューセッツの提携者)から得られた内毒素0113 15mg/kgを静脈注射し、生存率を7日間観察した。ELISAを用いてTNF−α及びIL−1−βの測定のために、内毒素投与の0、2、4、8、24及び48時間後に、血液をラットの尾静脈から収集した。
(c)E.Coliで誘発された腹膜炎のin vivoモデル:各群はラット6匹。各群のラットは、以下の処理の1つを受けた:生理食塩水(静脈内)、又はブランクMC(静脈内)、又は溶解性CNI−1493−2mg/kg又は5mg/kg(静脈内)又はCNI−1493のMC形態−2mg/kgもしくは5mg/kg(静脈内)又は溶解性CNI−1493−2mg/kgもしくは5mg/kg(静脈内)及びゲンタマイシン15mg/kg(腹腔内)又はCNI−1493のMC形態−2mg/kgもしくは5mg/kg(静脈内)及びゲンタマイシン15mg/kg(腹腔内)。さらに、全てのラットに、生存E.Coli 1×1010CFUの注射をして(腹腔内)、5日間の生存率を観察した。ELISAを用いてTNF−α及びIL−1−βレベルを測定するために、E.coli投与の0、2、4、8、24及び48時間後に、血液をラットの尾の静脈から収集した。
(D)結果及び考察
全血モデルにおいて内毒素で誘発されるサイトカイン放出:内毒素で誘発されるTNF−α及びIL−1−β放出に対するCNI−1493の影響をそれぞれ図8及び9に示す。ブランクMCの存在は、内毒素で誘発されるTNF−α及びIL−1−β放出に対して有意な影響は与えなかった。CNI−1493の溶解性形態0.25μg/mlの用量は、内毒素で誘発されるTNF−α及びIL−1−β放出を変更しないが、CNI−1493 0.5μg/ml及び1.0μg/mlは、内毒素で誘発されるTNF−α及びIL−1−β放出を有意に抑制した。一方、CNI−1493を0.25μg/ml、0.5μg/ml及び1.0μg/ml含有するCNI−1493のMC形態の全ての用量は、内毒素で誘発されるTNF−α及びIL−1−β放出を有意に抑制した(p<0.05)。それに加えて、MC形態の全ての用量群では、内毒素で誘発されるサイトカイン放出の抑制の程度は、CNI−1493の対応する溶解性形態よりも有意に大きかった。
内毒素血症のin vivoモデル:生存データを表1に示す。
CNI−1493の溶解性形態1、2、5mg/kgを投与された全てのラットは、内毒素投与後24時間以内に死亡した。一方、CNI−1493の溶解性形態10mg/kgを投与されたラットの50%及びCNI−1493のMC形態1mg/kg用量を受けたグループの動物の25%は、内毒素投与の7日後に生存していた。一方、CNI−1493のMC形態2、5及び10mg/kgを投与されたグループの全ての動物(100%)は、内毒素投与7日後に生存していた。この試験についてのサイトカインレベルを図10及び図11に示す(図12は意図的に削除した)。CNI−1493の溶解性形態及びMC形態は、内毒素血症で誘発されるTNF−αレベルをかなりの程度まで下げ、IL−1−βレベルを少し下げた。しかし、CNI−1493のMC形態は、TNF−α及びIL−1−βレベル両方の抑制において、CNI−1493の溶解性形態よりも有意に優れていた。
敗血症性ショックのE.Coliで誘発された腹膜炎モデル:生存データを表2に示す。
生理食塩水又はブランクMC又はCNI−1493の溶解性形態2mg/kg又は溶解性形態CNI−1493 5mg/kg又はCNI−1493のMC形態2mg/kg前処理を受けた全てのラットは、E.coli投与後4〜8時間以内に死亡した。CNI−1493のMC形態5mg/kg又はCNI−1493の溶解性形態2mg/kg群+ゲンタマイシン群では17%の生存率を有し、致死性をわずかながら下げた。さらに、ゲンタマイシンの併用投与により、CNI−1493の溶解性形態5mg/kg群で生存率を50%まで、CNI−1493のMC形態2mg/kg群で67%まで、CNI−1493のMC形態5mg/kg群で83%まで高めた。CNI−1493の溶解性形態及びMC形態の両方は、E.coliで誘発されたTNF−α及びIL−1−βレベルを低下させたが、CNI−1493のMC形態の方が、CNI−1493の溶解性形態よりも有意に優れていた。
CNI−1493のマイクロカプセル化により、in vitroモデル及びin vivoモデルの両方において効果が高まった。この結果は、内毒素又はE.Coliで誘発されるサイトカイン放出抑制及び死亡率低下において、CNI−1493のMC形態が、CNI−1493の溶解性形態の対応する用量よりも効果的であったことを示す。マイクロカプセル化されたサイトカイン中和抗体を用いた以前の研究において、本発明者らは、中和抗体の対応する溶解性形態と比較して、内毒素又はE.Coliで誘発される腹膜炎に起因して、内毒素で誘発されるサイトカインの放出阻害及び死亡率の抑制における効力が高まることを発見した。マイクロカプセル化された化合物(持続性放出形態を除く)の効力は、食細胞における細胞内放出によって増幅される場合があり得る。食細胞によって貪食されたミクロスフィアから放出されたCNI−1493は、細胞内の作用機構によって細胞内濃度が高まり、炎症誘発性のサイトカインを効果的に抑制する。以前の研究により、溶解性CNI−1493が、本研究で示されるように、LPSで誘発されるサイトカイン、例えば、末梢血単核細胞からのTNF−α、IL−1−β及びIL−6を抑制することができることが示された。CNI−1493によるTNF−α合成阻害機構は、翻訳レベル又は翻訳後レベルであると推測される。本研究では、in vitro及びin vivoモデルの両方において、CNI−1493のMC形態は、内毒素で誘発されるTNF−α及びIL−1−βレベルを強力に抑制した。一方、CNI−1493の溶解性形態は、内毒素で誘発されるTNF−α及びIL−1−βレベルを少し少ない程度まで抑制した。in vitroの全モデルにおいて、内毒素で誘発されるTNF−αのCNI−1493のMC形態の最低用量(0.25μM)の抑制の程度は、CNI−1493の溶解性形態の最高用量(1.0μM)と同程度であった。このことは、内毒素で誘発されるTNF−α合成の阻害において、CNI−1493のMC形態は、理論的に、CNI−1493の溶解性形態の少なくとも4倍の効力を持っていることを示す。
CNI−1493のMC形態(2mg/kg)は、致死性の内毒素血症から完全に防御し、一方、同用量のCNI−1493の溶解性形態(2mg/kg)を用いると生存率ゼロ、さらに5倍の用量のCNI−1493(10mg/kg)の溶解性形態を用いても、50%しか生存できなかった。内毒素血症に起因する死亡率に対するCNI−1493のMC形態による完全な防御は、マイクロカプセル化送達システムが非常に効率的であることを示唆する。さらに、CNI−1493の用量5mg/kgで、E.Coliで誘発された腹膜炎モデルにおける生存率は、ゲンタマイシン及びCNI−1493の溶解性形態の組み合わせ(50%)と比較して、ゲンタマイシン及びCNI−1493のMC形態の組み合わせ(83%)で非常に高かった。死亡率の高いこの感染モデルで、溶解性形態及びMC形態の両方が、CNI−1493とゲンタマイシンを併用しない場合には、死亡を防げなかった。このことは、重篤な感染状態において抗生物質による処置が、必須であることを示す。腹膜炎の実験モデルは、抗生物質のみ、又はTNF−α中和抗体の溶解性形態のみには抵抗性であることがわかった。実際に、この実験モデルにおいて、抗生物質とマイクロカプセル化サイトカインアンタゴニストが併用投与される場合を除き、サイトカインアンタゴニストの溶解性形態投与後に、生存率が改良されたことを示す研究報告はこれまでにない。
結果として、本発明者らは、in vitro全血モデルを用いて、内毒素で誘発されるTNF−α及びIL−1−β放出の抑制において、マイクロカプセル化CNI−1493が非常に効果的であることを示した。この改良された効果により、内毒素血症及び敗血症性ショックのE.Coli腹膜炎モデルの両方において、有意に高い生存率が得られた。
−化学薬剤−クロドロネート
−適用−糸球体腎炎
−アルブミンマイクロカプセル化されたクロドロネートによるマクロファージ破壊:マクロファージ依存性の糸球体腎炎におけるサイトカイン放出の減衰
A)導入
マクロファージは、サイトカイン、ケモカイン及び他の物質の放出を介する炎症プロセスにおいて、重要な役割を果たす。種々の炎症性疾患におけるマクロファージの役割を、水溶性化合物であるクロドロネートを用いてマクロファージを破壊することにより評価することができる。クロドロネートのビスホスホネートは、砕骨細胞で媒介される骨の再吸収の強力な阻害剤であり、代謝性骨疾患の治療に臨床で使用されている。遊離(溶液)形態におけるクロドロネートは、全身性投与によってはマクロファージ機能にほとんど影響を与えない。しかし、クロドロネートを含有するリポソームは、マクロファージによって容易に貪食され、体循環において、肝臓内、すい臓内、リンパ節内及び腹腔内、及び単核細胞内でマクロファージを破壊する。本発明者らは、アルブミンを用いてクロドロネートをマイクロカプセル化する方法を開発した。この方法は、リポソームを用いる方法に比べて、いくつかの利点を有する。アルブミンは、生体適合性ポリマーマトリックスとして使用され、リポソームと比較した場合に、より安定性が高く、調製が容易であり、種々のサイズのミクロスフィア(MS)を形成することができる。アルブミンは、生分解性であり、高いカプセル化能を持つ毒性の低い物質である。本研究の目的は、クロドロネートを含有するアルブミンMSが、(1)全身性マクロファージ崩壊を起こすか否か、(2)in vitroで内毒素によって誘発されるTNF−α及びIL−1−β放出に対して効果があるか否か、(3)ラットにおける実験的糸球体腎炎(GN)において、マクロファージ浸潤に効果があるか否かを検討することである。この結果により、クロドロネートMSは効果的にマクロファージを崩壊し、内毒素で誘発されるTNF−α及びIL−1−β放出を弱め、糸球体内へのマクロファージ浸潤を誘発する実験的GNを阻害することを示す。
(B)ミクロスフィアの調製
マイクロカプセル化クロドロネートを実施例1に従って作製した。
(C)実験方法
(a)ラット全血モデルにおける、クロドロネートの遊離形態及びミクロスフィア形態のin vitro効力の比較:6〜7匹のFisherラット(F−344)(体重200〜250グラム(Harlan Sprague−Dawleyより入手)からの血液を心臓に穿刺して集め、それぞれ「n」づつ保存した。血液1mLに対して15%EDTA溶液10μLをそれぞれ添加し、凝固を防止した。この血液をアリコートに分け、1mLにつき、生理食塩水に溶解した遊離クロドロネート25、50及び100μg、又はクロドロネートMS50、100及び200μg(マイクロカプセル化クロドロネート処方物中のアルブミン:クロドロネート比が1:1であるため、それぞれ25、50及び100μgの遊離クロドロネートと当量)を添加した。さらに、各ラット由来の血液のアリコートを、生理食塩水50μl又はブランクMS400μgで処理した。2時間後、内毒素100ng/mlを添加し、血液サンプルを24時間培養した(37℃、5%COatmospher)。ベースライン、2、4、6及び24時間経過時の血漿サンプルを、1000×gで10分間遠心分離し、本発明者の実験室で開発された改変アルカリ性ホスファターゼELISA法を用いて、TNF−α及びIL−1−βを測定した。
(b)健康なラット及び抗GBM GNをもつラットにおけるクロドロネートによるマクロファージ破壊:Freudの完全アジュバント(FCA,Sigma Chemical Co.、セントルイス、ミズーリ、米国)とラット腎臓の膜フラクションを用いて繰り返し免疫化することによって、ヒツジに抗GBMグロブリンを生じさせた。ヒツジの血清中の補体を熱により除去し、ラットの赤血球に対して2回吸収させた(10容積%)。最終的な濃度50%で、硫酸アンモニウムを用いて沈殿させることによって、グロブリンフラクションを調製し、リン酸緩衝生理食塩液に対して広範囲に透析した。雄のSprague−Dawleyラット(体重100〜150g、Central Animal Services(モナッシュ大学、クレイトン、ビクトリア、オーストラリアから入手)に対して100μg/gm体重の用量で、ヒツジの抗ラットGBMグロブリンを静脈内に注射することによりGNを開始させた。抗GBM GNの開始の48時間前に、ラットの1群に、クロドロネートMS5mg(50重量%を超えない量のクロドロネートを含有すると推定される)を与え、他の群にはクロドロネート処置をしなかった。抗GBM GNを受けなかった健康で正常なラット群を、コントロールとして使用した。抗GBM注射の72時間後に、全てのラット(健康なコントロールラットを含む)を屠殺し、脾臓、肝臓及び腎臓の組織サンプルを得た。次いで、この組織サンプルを、過ヨウ素酸−リシン−パラホルムアルデヒド中で4時間固定し、7%スクロース溶液で洗浄し、次いで、液体窒素で冷却したイソペンタン中で凍結させた。凍結させた組織をクライオスタット中で4mm片にスライスした。組織片を3層のイムノペルオキシダーゼ技術を用いて染色した。ラットED1に対するマウスモノクローナル抗体、細胞質抗原と反応するpan−マクロファージマーカーを一次抗体として添加した。その後、ウサギの抗マウスIgGグロブリンの第2の層(Dako、グロストラップ、デンマーク)によって、100において1の濃度で染色した。この後、マウス免疫グロブリン(Dako、グロストラップ、デンマーク)に結合したペルオキシダーゼによって1:100の濃度で染色した。次いで、サンプル片をジアミノベンズアジン(Sigma Chemical Company、セントルイス、ミズーリ)とともにインキュベートし、計測のためにHarrisヘマトキシリンで染色した。脾臓におけるマクロファージの数を、10×1mmの赤色脾髄領域で、ED1陽性の細胞を計測することによって測定し、細胞/mmとして平均した。肝臓中のKupffer細胞の数を、10×1mmの肝臓のひも状(liver cord)領域で、ED1に陽性の細胞を計測することによって測定し、細胞/mmとして平均した。循環中のマクロファージを、循環する白血球に対する割合として計算した。
(D)結果及び考察
本発明者らの研究は、アルブミン中にカプセル化された少ない用量のクロドロネートが、ラットの肝臓、脾臓、腎臓及び末梢血由来のED1陽性のマクロファージを破壊するのに有効であることを示した。さらに、クロドロネートMSが、内毒素で刺激されるTNF−α及びIL−1−β放出をすばやく減少させた。これは、遊離(溶液)形態におけるクロドロネートよりも有意に大きく、ラットにおける実験的な抗GBM GNの間に累積する糸球体の内部へのマクロファージ浸潤を防いだ。
マクロファージ破壊は、病理状態の進行に対するマクロファージの貢献を評価することにおいて価値の高いツールであることがわかった。クロドロネートのビスホスホネートは、遊離形態におけるマクロファージの生存度に対してほとんど効果がないが、リポソーム又はMS内にカプセル化されたもの(本研究におけるような)は、24〜48時間以内にマクロファージ集団を一時的に破壊した。クロドロネートリポソームによるマクロファージの破壊は、アポトーシスで誘発される細胞死によって引き起こされることが示された。本発明者らは、クロドロネートMSについて同様の作用機構を考えている。
さらに、本研究において見られるような、クロドロネートMSを用いた前処理の後、内毒素で誘発されるTNF−α及びIL−1−β放出の減少は、クロドロネートリポソームを用いた他の試験でも示された。さらに、クロドロネートリポソームは、マウスにおけるサイトカイン遺伝子発現を弱め得ることも示された。全血モデルにおいて、本発明者らはさらに、クロドロネートの遊離形態と比較した場合、クロドロネートMSを用いて、内毒素で誘発されるサイトカイン放出を大きく減少させることを示した。クロドロネートMSの最高用量群で、TNF−α及びIL−1−β放出の両方をほとんど完全に阻害したが、。クロドロネートMSの作用機構は、クロドロネートリポソームと同様に、クロドロネートを含有するアルブミンMSのマクロファージによる貪食、クロドロネートのマクロファージ内での放出、それに続くマクロファージの死によるサイトカイン放出の阻害に起因していると考えられる。クロドロネートによるサイトカイン放出の阻害は、炎症誘発性のサイトカイン放出によって特徴付けられる疾患状態の治療において有益であり得る。
以前の研究では、マクロファージが、GNにおける腎臓障害の誘発及び進行において重要な役割を果たすことが示された。GNの特徴の1つは、タンパク尿及びマクロファージ浸潤である。実験的GNにおけるクロドロネートMSによるマクロファージ浸潤の減少は、本発明者らのグループにより以前に示された。本発明者らは、本研究で示されるのと同様に、抗GBMで誘発されるGNが、マクロファージ浸潤を引き起こし(8.2細胞/糸球体の断面)、クロドロネートMSを用いた処理がマクロファージ浸潤を防止する(2.2細胞/糸球体の断面)ことを示した。それに加えて、さらに、本発明者らは、抗GBM GNで誘発されるタンパク尿(43mg/24時間)がクロドロネートMS(8.4mg/24時間)投与で正常で健康なラットにおいて見いだされるレベル(5.3mg/24時間)と同じ程度まで有意に抑制可能であることも示した。クロドロネートMSは、GNにおけるマクロファージを破壊することによって、治療に有益であり得る。
内毒素で誘発されるTNF−α及びIL−1−β放出に対するクロドロネートの影響を、それぞれ図13及び14に示す。ブランクMSの存在は、内毒素で誘発されるTNF−α及びIL−1−β放出に有意な影響を与えなかった。低用量(25μg/mL)及び中用量(50μg/mL)の遊離クロドロネートは、内毒素で誘発されるTNF−α及びIL−1−β放出に影響しないが、さらに高用量(100μg/mL)の遊離クロドロネートは、内毒素で誘発されるTNF−α及びIL−1−β放出を弱める傾向が示された。一方、全ての用量のクロドロネートMS(遊離クロドロネートの25、50、及び100μgと当量/mL)は、内毒素で誘発されるTNF−α及びIL−1−β放出を有意に減少させた(p<0.05)。
ED1陽性マクロファージについて染色された組織片は、未処理のコントロールラットと比較して、クロドロネートMSを受けたラットにおける肝臓及び脾臓由来のED1陽性マクロファージを有意に減少させた(p<0.001)ことを示す(表3を参照)。
末梢血における単核細胞の循環において有意な減少が見られた(表3、p<0.001)。同様に、ED1陽性マクロファージについて染色された腎臓片は、正常で健康な腎臓の糸球体内へのマクロファージ浸潤はなく、抗GBM GNの誘発がED1陽性マクロファージ浸潤を引き起こすことを示す。クロドロネートMSを用いた前処理は、抗GBM GNにおけるマクロファージ浸潤を有意に減少させた。
結論として、これらの研究は、クロドロネートを含有するアルブミンMSが、ラットにおけるマクロファージの全身での破壊のために効果的なツールであることを示す。クロドロネートMSによるマクロファージの破壊が、炎症誘発性のサイトカインの生成を弱め、マクロファージ依存性であることが示されている実験的な抗糸球体ベース膜GNを改善した。マクロファージの一時的な破壊は、マクロファージ依存性の疾患状態のための治療法であり得る。
図13は、ラット全血モデルにおける、内毒素で誘発されるTNF−αレベルに対するクロドロネート(CLON)の遊離形態及びCLONのミクロスフィア(MS)の効果を示す。
血液1mLにつき、生理食塩水に溶解した遊離クロドロネート25、50及び100μg又はクロドロネートMS50、100及び200μg(それぞれ遊離クロドロネート25、50及び100μgと当量)を添加した。生理食塩水群には血液1mLあたり生理食塩水50μLを添加し、ブランクMS群には血液1mLあたりブランクMS400μgを添加した。2時間後、内毒素100ng/mlを添加し、血液を24時間培養した(37℃、5%COatmosphere)。内毒素チャレンジ後の血漿レベルを図13に示す。CLONのMS形態は、CLONの遊離形態と比較して内毒素で誘発されたTNF−αレベルを有意に低下させた(p<0.05)。
図14は、ラット全血モデルにおいて、内毒素で誘発されるIL−1−βレベルに対するクロドロネート(CLON)の遊離形態及びCLONのミクロスフィア(MS)の影響を示す。血液1mLにつき、生理食塩水に溶解した遊離クロドロネート25、50及び100μg又はクロドロネートMS50、100及び200μg(それぞれ遊離クロドロネート25、50及び100μgと当量)を添加した。生理食塩水群には血液1mLあたり生理食塩水50μLを添加し、ブランクMS群には血液1mLあたりブランクMS400μgを添加した。2時間後、内毒素100ng/mlを添加し、血液を24時間培養した(37℃、5%COatmosphere)。内毒素チャレンジ後の血漿レベルを図14に示す。CLONのMS形態は、CLONの遊離形態と比較して、内毒素で誘発されたIL−1−βレベルを有意に低下させた(p<0.05)。
−生体活性タンパク質薬剤NF−KB
−適用−敗血症性ショック
−調製方法−乳化方法
−サイトカインアンタゴニスト(すなわち、NF−KBに対するアンチセンスオリゴマー(生体活性タンパク質薬剤))を含有するミクロスフィアの調製
−全血モデル、内毒素ショックモデル及び腹膜炎モデルにおける評価
−NF−Kbに対するマイクロカプセル化アンチセンスオリゴマー;炎症誘発性のサイトカイン阻害に対する新規なアプローチ
(A)導入
個々のタンパク質合成の阻害は、特定のmRNAと結合した後、アンチセンスオリゴヌクレオチドによって可能である。しかし、アンチセンス化合物の細胞内浸透が不十分なため、それらの効果が限定される。マイクロカプセル化アルブミン内に含有されるアンチセンス化合物は、核及びサイトゾルmRNAに対するオリゴマーの接触を高めるために、マクロファージの通常の食細胞機能を活用して、アンチセンスオリゴヌクレオチドを細胞内に送達する。マクロファージ内に微量注射されたフルオレセイン標識されたオリゴヌクレオチドは、数分以内に核中に現れ、合成されたmRNAとすぐに相互作用する。
本発明者らの実験室において行われた研究は、アルブミンマイクロカプセルを、(1)in vitro及びin vivoでマクロファージがすばやく貪食し、(2)肝臓、脾臓、腎臓及び血液中の単核細胞/マクロファージの90%以上に分布し、(3)感染領域に移動することを示した。以前の研究において、本発明者らは、in vitroでのサイトカイン抑制及びin vivoでの感染の致死性内毒素ショックモデル及び腹膜炎モデルを用いた動物生存率の両方で、TNF及びIL1に対するマイクロカプセル化された中和抗体の効力が向上していることを示した。従って、マイクロカプセル化薬剤は、直接的にマクロファージ(炎症誘発性のサイトカインの大部分を分泌する)を標的として送達され、これらの化合物の効力を高め得る。
NF−kBは、近年、炎症誘発性のサイトカイン(例えば、TNF及びIL1)の合成の原因となる核転写因子であると考えられている。さらに、炎症性プロセスに関与する他の物質は、NF−kBによって調節される。NF−kBの活性の増加は、敗血症及び他の炎症性状態、例えば、糸球体腎炎、急性呼吸困難症候群、及び炎症性腸疾患において認められる。従って、NF−kBに対するアンチセンスオリゴヌクレオチドは、炎症誘発性のサイトカインの合成を抑制することによって、炎症性応答を変え得る。これらの化合物のマイクロカプセル化は、直接的にマクロファージを標的化することによってさらに効力が高められる場合がある。
本研究の目的を以下に示す:
(a)in vitro全血モデルにおいて、NF−kBに対するアンチセンスオリゴマーのアルブミンマイクロカプセル化により、内毒素刺激に対するTNF、IL1、IL6及びIL8の抑制の程度が向上するか否かを決定すること、及び
(b)NF−kBに対するマイクロカプセル化オリゴマーが炎症誘発性のサイトカインを抑制し、in vivo内毒素ショックモデル及び腹膜炎モデルを用いて生存率を向上させるか否かを決定すること。
(B)ミクロスフィアの調製
NF−kBに対するマイクロカプセル化アンチセンスオリゴヌクレオチドを実施例1に従って作製した。
(C)実験方法
(a)in vitro全血モデル:
血液サンプルを、正常なヒト志願者から抜き取り、複数の1mLアリコートに分けた。E.Coli内毒素100ugを各標本に添加した。培養(TNF−4時間、IL1−24時間)後、各群のサイトカインレベルを2連のELISA法によって測定した。
以下の各群を試験した:
1.コントロール:内毒素+生理食塩水
2.内毒素の添加1時間前に、溶液中のNF−kBアンチセンス、200及び300ug/mlを添加
3.NF−kB非センス(スクランブルされた)200及び300ug/ml
4.NF−kBに対するマイクロカプセル化アンチセンスオリゴマー200及び300ug/ml
5.マイクロカプセル化非センス(スクランブルされた)オリゴマー200及び300ug/ml
(b)in vivo内毒素ショックモデル
体重約150gのFischerラットに、E.Coli内毒素15mg/kgを静脈内注射して、内毒素ショックを起こさせた。投与0時間、4時間、8時間、24時間及び48時間後のTNF値をELISA法を用いて測定した。生存を5日間(120時間)観察した。
用量反応試験を行った後、NF−kBに対するマイクロカプセル化アンチセンスオリゴマー300ugを10匹のラットに注射し、溶液中のオリゴマー300ugを10匹のラットに静脈内に投与した。
(c)in vivo腹膜炎モデル
E.Coli1010有機体を腹腔内に注射して、ラットに腹膜炎を誘発させた。ゲンタマイシン15mg/kgを、3日連続して、腹腔内投与した。投与0時間、4時間、8時間、24時間、及び48時間後のTNFを測定した。生存を5日間(120時間)観察した。
1.同時投与:E.Coliの腹腔内注射と以下の投与を同時に行い、さらに2日間毎日投与した。
a.コントロール
b.マイクロカプセル化NF−kB(静脈内) 400ug/ラット n=10
c.マイクロカプセル化NF−kB(静脈内) 200ug/ラット n=10
d.溶液NF−kB(静脈内) 400ug/ラット n=10
e.溶液NF−kB(静脈内) 200ug/ラット n=10
2.遅延投与:E.Coliの腹腔内投与の4時間後(TNFレベルピーク時)に上述の用量のオリゴマーを投与し、さらに2日間投与した。
(D)結果及び考察:
NF−kBに対するアンチセンスオリゴマーのマイクロカプセル化は、マクロファージ内への細胞内浸透を増大させるため、炎症誘発性のサイトカイン阻害を向上させる。NF−kBに対するマイクロカプセル化アンチセンスオリゴマーは、in vitro全血モデルを用いて、溶液中の当量のオリゴマーよりもかなりの程度TNF>IL1>IL6>IL8を抑制する(p<0.05)。マイクロカプセル化NF−kBオリゴマーは、ラットにおける内毒素ショックモデルにおいて、用量依存的にTNFレベルを抑制した。ラットあたり300ugの用量で、溶液中の当量の用量を用いた内毒素ショックモデルの20%と比較して、80%の生存率が観察された(p<0.05)。マイクロカプセル化オリゴマーは、腹膜炎モデルで80%の生存率を与え(溶液群では30%)、遅延投与群で70%の生存率を与えた(溶液群では20%)。TNF及びIL1は、マイクロカプセル化群においてかなりの程度まで阻害された。マイクロカプセル化オリゴマーを用いた遅延投与群では、TNFピーク後に投与した場合でさえ、生存が認められた。
要約すると、NF−kBに対するマイクロカプセル化オリゴマーは、in vitro及びin vivoの両方において、炎症誘発性のサイトカイン阻害を高めるとともに、内毒性ショック及び腹膜炎の致死モデルにおける死亡率を改善する。NF−kBに対するマイクロカプセル化オリゴマーは、炎症誘発性のサイトカイン活性化によって特徴付けられる病理状態の治療に価値を有し得る。
(E)結果:
図15は、ミクロスフィア(MS)及び溶液(Soln.)処方物における、TNF−α阻害に対する、NF−kBに対するアンチセンス(AS)オリゴマーの効果を示す。
図16は、ヒト全血試験において、ミクロスフィア(MS)及び溶液(Soln.)処方物におけるIL−1−βレベルに対する、NF−kBに対するアンチセンス(AS)オリゴマーの効果を示す。
図17は、内毒性ショックラットモデルにおいて、アンチセンスNF−kBのミクロスフィアの用量反応試験を示す。
図18は、内毒素ショックラットモデルにおけるTNF−αレベルに対する、NF−kB(ミクロスフィア及び溶液)の効果を示す。
図19は、内毒素ショックラットモデルの生存率における、アンチセンスNF−kBのミクロスフィアの用量反応試験(同時投与した場合)を示す。
図20は、内毒素ショックラットモデルの生存率における、NF−kBに対するアンチセンスオリゴマーのミクロスフィア形態及び溶液形態の同時投与(S)の効果を示す。
図21は、腹膜炎ラットモデルのTNF−αレベルにおける、NF−kBに対するアンチセンスオリゴマー(ミクロスフィア形態及び溶液形態)の同時投与の効果を示す。
図22は、腹膜炎ラットモデルの生存率における、NF−kBに対するアンチセンスオリゴマー(ミクロスフィア形態及び溶液形態)の同時投与(S)の効果を示す。
図23は、腹膜炎ラットモデルのTNF−αレベルにおける、NF−kBに対するアンチセンスオリゴマー(ミクロスフィア形態及び溶液形態)の遅延投与(D)の効果を示す。
図24は、腹膜炎ラットモデルのIL−1−βレベルにおける、NF−kBに対するアンチセンスオリゴマー(ミクロスフィア形態及び溶液形態)の遅延投与(D)の効果を示す。
図25は、腹膜炎ラットモデルの生存率における、NF−kBに対するアンチセンスオリゴマー(ミクロスフィア形態及び溶液形態)の遅延(D)投与の効果を示す。
〔実施例(パート2)〕
薬剤の異なる例、異なる溶媒、異なる温度及び種々の方法論を用いた噴霧方法によって調製したミクロスフィアの評価
(A)導入
本発明者らは、異なるカテゴリーの薬剤(生体活性タンパク質、オリゴヌクレオチド、化学物質、ワクチン)を噴霧する方法により調製したミクロスフィアの評価、さらにミクロスフィアの調製について、油、温度及び方法論のバリエーションの影響を試験することについて関心を持った。本発明者らは、生分解性非抗原性アルブミンマトリックスを、サイトカインアンタゴニスト[例えば、NF−kBに対するアンチセンスオリゴマー]をマイクロカプセル化するために使用した。
(B)実験の方法論
ミクロスフィア調製:
噴霧方法:
一般的な方法論:
本発明の一般的な基本方法は、以下の工程を包含する:
マイクロカプセル化されるべき薬剤(生体活性タンパク質、薬剤又は合成薬剤であってもよい)の水溶液を、カプセル化するポリマー(例えば、限定されないが、アルブミン、キトサン、グロブリン又はいくつかの他の生分解性天然ポリマー又は合成ポリマー)とともに調製する。次いで、このポリマー−薬剤溶液をエアロゾル化し(いくつかのスプレー形成デバイス、例えば限定されないが、超音波噴霧器を用いて)、微細なミスト様のスプレーを形成する。次いで、このポリマー−薬剤(又は他の物質)溶液を含有するミスト又はスプレーを、溶媒系、例えばブタノール又は他の低級炭素アルコール、例えば、限定されないが、メタノール、エタノール、プロパノールなど(図26を参照)又はいくつかの不活性油(例えば、限定されないが、オリーブ油、キャノーラ油、綿実油、重鉱物油又は軽鉱物油、上述のもの又は上述のサブコンポーネントの混合物など)に直接入れる。溶媒系を攪拌状態に保つ。水性の液滴は溶媒系と混和しないため、小さなポリマー−薬剤ミクロスフィアを溶媒中で混合し、それらを互いに分離した状態に維持する。エアロゾル化されるポリマー−薬剤溶液の濃度、スプレーヘッドの構造、及び/又は可能な他のパラメーター(例えば、溶液に適用される圧力、溶液の上を通る空気又はガスの速度など)に基づいて、ミクロスフィアのサイズは、直径約0.05〜50マイクロメートル、さらに好ましくは直径約0.5〜5マイクロメートルの範囲であってもよい。乳化剤、例えばSpan85は、溶媒系中に存在しても存在していなくてもよい。溶媒系は、カプセル化される溶液の性質に依存して、5℃〜60℃の範囲の温度であってもよい。全ての溶液がエアロゾル化された後、攪拌をさらに1/2〜2時間続ける。ミクロスフィアを、(a)デシケーター中でグルタルアルデヒド蒸気を用いて、又は(b)ブタノール又はいくつかの同様な溶媒系中の0.5〜20%w/vの範囲の種々のグルタルアルデヒド比率からなる溶媒系中に乾燥したミクロスフィアを浸すことによって、表面架橋によって硬化させる。次いで、ミクロスフィアを、カプセル化される薬剤の性質に依存して、溶媒、例えば、限定されないが、エタノール、メタノール又はブタノール又はヘキサンで数回洗浄する。硬い表面を得るための球からの水の除去は、(a)ミクロスフィアを凍結乾燥させることによって、(b)デシケーター中で炭酸カルシウムのような脱水剤を用いて水を除去することによって、又は(c)薬剤の性質に依存して、約25〜100℃の範囲の温度で、減圧オーブン中で乾燥することによってのいずれかで達成される。使用される噴霧器(エアロゾル生成器)は、超音波型(Omron MicroAir,NE−U03V)、又は微細なミスト様のスプレーを生じる任意のデバイスであり得、例えば、(a)香水噴射器のような単純なデバイスでさえ使用可能であり、又は空気加圧ノズル型デバイスを使用することも可能である。他のスプレーを生成するデバイス及び機構は、当業者に公知であり、本明細書中では詳細には議論しない。
本方法の利点のいくつかを以下に示す:
(a)粒子サイズが約0.05〜50マイクロメートルの粒子が製造可能である。
(b)各バッチの粒子サイズ分布が、非常に狭い範囲内にある。
(c)本方法が非常に再現可能である。
(d)大きなバッチサイズが短時間で製造可能であり、この手順は大きなスケールの製造に非常に好ましい。本プロセスは、連続フロープロセスに類似している。
−生体活性タンパク質薬剤NF−KB
−適用−敗血症性ショック
調製方法−噴霧
−噴霧方法による、サイトカインアンタゴニスト、すなわちNF−KBに対するアンチセンスオリゴマー(生体活性タンパク質薬剤)を含有するミクロスフィアの調製
(A)導入
サイトカインアンタゴニストを含有するミクロスフィア[(NF−kBに対するアンチセンスオリゴマー(生体活性タンパク質薬剤)]を本試験において評価した。
(B)噴霧方法を用いた、アルブミンによるNF−kBに対するアンチセンスオリゴヌクレオチドの調製
サイトカインアンタゴニストを含有するミクロスフィア[(NF−kBに対するアンチセンスオリゴマー(生体活性タンパク質薬剤)]を、アルブミンミクロスフィアマトリックスに架橋した。
(1)ヒトアルブミン50mgを、発熱性物質を含まない水2ccに溶解した。
(2)NF−kBに対するアンチセンスオリゴヌクレオチド(オリゴマー)を、25mg/ccの濃度で、リン酸緩衝生理食塩液(PBS)に別個に溶解した。
(3)上記の2つの溶液を、約30分間、混合した。
(4)得られた混合物を5℃に冷却した。
(5)以下に「油及び溶媒の違いによる影響」として概略を説明するような溶媒20ccを、50ccビーカーに入れ、5℃まで冷却し、氷浴中でこの温度に維持した。
(6)アルブミン及びオリゴヌクレオチドの混合物を溶媒中に噴霧し、この溶媒系を30分攪拌状態に保つ。
(7)マイクロカプセル化アルブミン−薬剤ミクロスフィアを含有する溶媒系を、ミクロスフィアが直径約1ミクロンになるまで、レーザー粒子サイズ測定器を用いて、そのサイズを評価した。
(8)氷浴によって温度を約5℃に維持しながら、組織ホモジナイザーを高(high)に設定してコンスタントに攪拌しつつ、1時間かけてグルタルアルデヒドの25%w/v溶液0.5ccでミクロスフィアを架橋した。
(9)ミクロスフィアをブタノール又はエタノール又はメタノール又はヘキサン20ccで3回洗浄し、連続型HPLCフィルター(50、20、10、5、及び1ミクロンサイズ)を用いて、最後の溶媒洗浄液中に懸濁させつつ、最終的なサイズを測定した。
(10)ミクロスフィアを凍結乾燥させ、使用するまで冷蔵庫で保存した。
全ての場合において、使用前に、ミクロスフィアを発熱性物質を含まない水又は生理食塩水に懸濁させた。噴霧工程において、スプレーヘッドで作成された粒子を、上述の工程(5)において、溶媒を含有する容器へ管を介して移動させ、管の先端を溶媒の表面より下になるように維持する。その結果、噴霧された粒子は、空気中への損失が最小限になるように、空気界面より下の溶媒溶液中に導入される。
乳化媒体として異なる種類の油及び溶媒系を使用して評価するために、上記手順を繰り返し、上述の5℃に加えて、製造時の温度も変えて評価した。最後に、水に加えて、異なる溶媒もまた薬剤を溶解するための媒体として評価した。以下のバリエーションを評価した:
(a)油及び溶媒の違いによる影響:
異なる油/溶媒、例えば、オリーブ油、綿実油、キャノーラ油、鉱物油及びブタノールを本試験のために使用した。
(b)温度の違いによる影響:
広範囲に温度条件を変化させて、ミクロスフィアを調製した。
(c)薬剤を溶解させるために使用される水相の違いによる影響:
PBSに加えて、生理食塩水、蒸留水/脱イオン水及びTween(登録商標)80を含む水を使用してアルブミン及び薬剤を溶解させた。
(d)架橋のバリエーションの違いによる影響:
全てのミクロスフィアを溶媒中に噴霧した後、架橋剤を添加して、架橋による影響を評価した。
(C)実験的方法論:
(a)薬剤含量分析:
本発明者らの実験室で開発したHPLC方法によって、薬剤含量分析を行った。
(b)効力試験−in vitro全血モデル試験:
調製物を、全血モデルを用いて薬剤の効力について評価した。以下に概略を説明する:
血液をEDTAを含有するラベンダートップ管に入れておいた。この血液を5mlのアリコート3個にわけ、ミクロスフィアの以下のバッチの1個を用いて1時間かけて前処理し、内毒素(100mcg/ml)を用いてチャレンジ試験した。内毒素チャレンジ後0時間及び4時間のサンプルを得て、これらのTNF−αレベルを決定した。
(D)結果:
図1〜6は、薬剤含量、及び噴霧方法及び乳化の方法論によって調製したミクロスフィアのTNF−α抑制効果を比較するデータを示す。
−化学薬剤ピロリジンジチオカルバメート
−適用−敗血症性ショック
−調製方法−乳化
−マイクロカプセル化ピロリジンジチオカルバメートの調製及び評価
(A)導入:ピロリジンジチオカルバメート(PDTC)は、水溶性の、低分子量の、酸化防止物質であり、これは、NF−kB活性化を阻害する。NF−kBは核転写因子であり、これは、炎症性サイトカインの活性化の原因となる。いくつかの研究により、サイトカイン阻害におけるin vitroでのPDTCの効果及びラットの内毒素ショックモデルにおける死亡率の改善が示された。本発明者らは、in vitro及びin vivoの両方でサイトカイン阻害において、中和抗体及びNF−kBに対するアンチセンスオリゴマーのような化合物の効果の向上を示した。化合物のマイクロカプセル化によりマクロファージを標的化し、サイトカイン阻害の効力を高める。
(B)実験的な方法論:
全血モデルを使用して、マイクロカプセル化PDTCの効力を評価する。3つの用量[15μM、30μM、及び60μM]を試験する。これらの用量を、カプセル化形態及び溶液形態の両方で、1mLアリコートに添加する。TNFαを、標準的なELISA手順によって測定する。
(C)結果:
図27は、in vitroでのサイトカインレベルに対するPDTCの効果を示す。PDTCのミクロスフィアは、評価した3つの用量で、対応する溶液用量とは有意に異なっていた。
本発明のいくつかの例示的な実施形態のみが上に詳細に示されたけれども、本発明の新規な教示及び利点から実質的に逸脱することなく、これらの例示的な実施形態において多くの改変が可能であることを当業者は容易に認識する。それ故に、全てのこのような改変は、特許請求の範囲に規定されるような本発明の範囲内に含まれることが意図される。本明細書中で参照される任意の特許、明細書及び刊行物は、その全体が参考として本明細書中に組み込まれることをさらに注記すべきである。
図1は、乳化法及び噴霧法による、NF−kBに対するアンチセンス(AS)オリゴマーのパーセント含量分析における、油(5℃で調製)の違いによる影響を示す(薬剤を溶解させるために水相として水を使用)。 図2は、異なる温度設定で調製したバッチの、乳化法及び噴霧法によるNF−kBに対するアンチセンス(AS)オリゴマーのパーセント含量分析を示す(オリーブ油、薬剤を溶解させるための水相として水を使用)。 図3は、オリーブ油と、10℃で調製した異なる水相を用いた場合の、乳化法及び噴霧法によるNF−kBに対するアンチセンス(AS)オリゴマーのパーセント含量分析を示す。 図4は、乳化法及び噴霧法によってNF−kBに対するアンチセンス(AS)オリゴマーのミクロスフィアを製造するために異なる油を用いた場合の、TNF−αレベルを示す。 図5は、乳化法及び噴霧法によるNF−kBに対するアンチセンス(AS)オリゴマーの製造プロセスにおいて異なる温度を用いた場合の、TNF−αレベルを示す。 図6は、乳化法及び噴霧法によるNF−kBに対するアンチセンス(AS)オリゴマーの製造プロセスにおいて異なる水相を用いて試験した場合の、TNF−αレベルを示す。 図7は、MECA(80μgのMECA中に20μgのECAを含有)群での腫瘍発現率を示す。 図8は、内毒素で誘発されたTNF−α放出に対する、CNI−1493の効果を示す。 図9は、内毒素で誘発されたIL−1−β放出に対する、CNI−1493の効果を示す。 図10は、内毒素で誘発されたTNF−αレベルに対する溶解性(SOL)及びマイクロカプセル化(MC)CNI−1493の異なる用量での影響を示す。 図11は、内毒素で誘発されたIL−1−βレベルに対する溶解性(SOL)及びマイクロカプセル化(MC)CNI−1493の異なる用量での影響を示す。 図12は意図的に削除した。 図13は、内毒素で誘発されるTNF−α放出に対するクロドロネートの効果を示す。 図14は、内毒素で誘発されるIL−1−β放出に対するクロドロネートの効果を示す。 図15は、ミクロスフィア(MS)及び溶液(Soln.)処方物におけるTNF−α阻害に対する、NF−kBに対するアンチセンス(AS)オリゴマーの効果を示す。 図16は、ミクロスフィア(MS)及び溶液(Soln.)処方物におけるIL−1−βレベルに対する、NF−kBに対するアンチセンス(AS)オリゴマーの効果を示す。 図17は、内毒性ショックラットモデルにおける、アンチセンスNF−kBのミクロスフィアの用量反応試験の効果を示す。 図18は、内毒素ショックラットモデルにおけるTNF−αレベルに対する、NF−kB(ミクロスフィア及び溶液)の効果を示す。 図19は、内毒素ショックラットモデルの生存率における、アンチセンスNF−kBのミクロスフィアの用量反応試験(同時投与した場合)を示す。 図20は、内毒素ショックラットモデルの生存率における、NF−kBに対するアンチセンスオリゴマーのミクロスフィア形態及び溶液形態を用いた同時投与(S)の効果を示す。 図21は、NF−kBに対するアンチセンスオリゴマー(ミクロスフィア形態及び溶液形態)の同時投与(S)のTNF−αレベルに対する効果を示す。 図22は、NF−kBに対するアンチセンスオリゴマー(ミクロスフィア形態及び溶液形態)の同時投与(S)の生存率に対する効果を示す。 図23は、NF−kBに対するアンチセンスオリゴマー(ミクロスフィア形態及び溶液形態)の遅延投与(D)のTNF−αレベルに対する効果を示す。 図24は、NF−kBに対するアンチセンスオリゴマー(ミクロスフィア形態及び溶液形態)の遅延投与(D)のIL−1−βレベルに対する効果を示す。 図25は、NF−kBに対するアンチセンスオリゴマー(ミクロスフィア形態及び溶液形態)の遅延投与(D)の生存率に対する効果を示す。 図26は、全血モデルにおいて、異なる溶媒系を用いて調製したNF−kBに対するアンチセンス(AS)オリゴマーのミクロスフィアによる、TNF−αの抑制に対する製造条件による影響を示す。 図27は、in vitroでのサイトカインレベルに対するPDTCの効果を示す。

Claims (1)

  1. 生体活性物質をカプセル化する方法であって、当該方法は、以下:
    a.水中にアルブミンを溶解する工程;
    b.NF−kBに対するアンチセンスオリゴヌクレオチド(オリゴマー)をリン酸緩衝生理食塩水(PBS)中に溶解する工程;
    c.前記溶解させたアルブミン及び前記可溶化させたNF−kBに対するアンチセンスオリゴヌクレオチド(オリゴマー)を混合する工程;
    d.工程cで形成された混合物を冷却する工程;
    e.溶媒を準備する工程;
    f.工程eの前記溶媒を冷却する工程;
    g.工程fの前記溶媒を冷却した温度に維持して溶媒系を形成する工程;
    h.工程gの前記溶媒を攪拌しながら、前記溶解させたアルブミン及び前記溶解させたNF−kBに対するアンチセンスオリゴヌクレオチド(オリゴマー)を前記溶媒中に噴霧する工程;
    i.工程hのマイクロカプセル化したアルブミン−薬剤ミクロスフィアを含有する前記溶媒中のミクロスフィアのサイズを評価して、ミクロスフィアを得る工程;
    j.前記溶媒系を冷却した温度に維持しながら、攪拌しつつ、前記ミクロスフィアとグルタルアルデヒドとを架橋させる工程;
    k.工程jの前記ミクロスフィアを溶媒を用いて洗浄する工程;
    l.工程kの前記ミクロスフィアのサイズを測定する工程;ならびに
    m.工程lの前記ミクロスフィアを凍結乾燥させる工程
    を包含する、方法。
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