JP2006511188A - 交流電気幹線に電気エネルギーを供給する方法及びシステム - Google Patents

交流電気幹線に電気エネルギーを供給する方法及びシステム Download PDF

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    • H02J3/38Arrangements for parallely feeding a single network by two or more generators, converters or transformers

Abstract

電気エネルギーを交流電気幹線に供給する方法及びシステムにおいて、幹線信号を記録し、且つ基準信号を発生させる。幹線信号及び基準信号から遅延幹線信号及び遅延基準信号をそれぞれ求める。次いで、幹線信号に遅延基準信号を乗じ、且つ遅延幹線信号に基準信号を乗じる。これらの乗算信号間の差を求めることにより、幹線信号の基本調波周波数と基準信号との間の位相差を導出することができる。この位相差を使用することにより、基準信号の周波数を調整することができる。基準信号から、変換器を同期させる同期信号を取り出し、この同期信号によって変換器の電気出力交流エネルギーを同期させる。従って、エネルギーは幹線信号の基本調波周波数と同期を取って変換器により幹線に供給される。

Description

本発明は、交流電気幹線に電気エネルギーを供給する方法及びシステムに関する。
太陽エネルギーを交流に変換して家庭用交流電気幹線を補うためのアダプタはEP-B-0712618から既知である。このアダプタは複数の光起電ソーラーセルを具えており、これらのソーラーセルは、出力電圧の和が交流電力線のピーク電圧の絶対値以上になるように相互接続される。幹線の交流電力線に電流を供給する場合、線路電圧の瞬時値を正のしきい値に対して比較し、線路の瞬時電圧がこのしきい値以上である場合には、正の電流がアダプタから電力線に流れ、一方、電力線路電圧の瞬時値が負のしきい値よりも低い場合には負の電流がアダプタから電力線に流れるようにしている。従って、電力線の瞬時電圧値が正のしきい値よりも高い時及び電力線の瞬時電圧値が負のしきい値よりも低い時にエネルギーが電力線に転送される。
電力線は、任意の周波数帯域における妨害並びに交流電力線信号の高調波も含む雑音の影響を受け易いと云う問題がある。結果として、しきい値を超えることに基づいて交流幹線にエネルギーを供給すると、雑音周波数帯域、即ち、電力線信号の高調波周波数帯域並びに他の雑音及び妨害の周波数帯域にもエネルギーを注入することになる。従って、電力線に存在する高調波並びに雑音がエネルギーの注入により増幅されることになるため、電力線信号の品質が損なわれることになる。
本発明の目的は、幹線へのエネルギー供給時における電力線の品質を維持、又は高めることにある。
この目的及び他の目的を達成するために、本発明による方法は、
a)測定幹線信号を得るために幹線信号を記録するステップと;
b)幹線信号の基本調波周波数付近の公差帯域内にある基本調波周波数を有する基準信号を発生するステップと;
c)前記測定幹線信号から遅延幹線信号を取り出すステップと;
d)前記基準信号から遅延基準信号を取り出すステップと;
e)前記遅延幹線信号に前記基準信号を乗じて、第1の乗算信号を得るためのステップと;
f)前記幹線信号に前記遅延基準信号を乗じて、第2の乗算信号を得るステップと;
g)前記第1の乗算信号と第2の乗算信号との差を求めることにより、前記幹線信号の基本調波周波数と前記基準信号の基本調波周波数との間の位相差を求めるステップと;
h)前記位相差に基づいて前記基準信号の基本調波周波数を調整するステップと;
i)前記電気エネルギーを交流の電気エネルギーに変換する変換器を、基準信号の前記調整した基本調波周波数に同期させるステップと;
j)前記交流の電気エネルギーを前記基準信号と同期をとって前記幹線に供給するステップと;
を具えていることを特徴とする。
交流電気幹線は公衆幹線とすることができるが、それは私的幹線又は公衆幹線から電気的に隔離される私的幹線とすることもできる。幹線信号を記録することは、適当なサンプリング周波数を使用するサンプリングによって行うことができるが、幹線信号をアナログ記録によるような他の方法で記録することもできる。基準信号は幹線信号の基本調波周波数付近の公差帯域内に基本調波周波数を有し、基準信号の基本調波周波数と幹線信号の基本調波周波数との周波数差は予定値を越えないようにする。遅延幹線信号は、適当な遅延技法を用いて測定幹線信号から取り出すことができ、幹線信号をサンプリングしてある場合には、遅延幹線信号は時間シフト操作を行って、極めて簡単且つ容易に取り出すことができる。また、サンプルシーケンスを用いて基準信号を発生させる場合には、遅延基準信号は時間シフト操作を行って、極めて簡単且つ容易に取り出すことができる。第1及び第2乗算信号を得るための乗算操作は時間ドメイン内での乗算を含む。幹線信号の基本調波周波数と基準信号の基本調波周波数との位相差は、例えば第1と第2の乗算信号の差を計算することによって容易に求めることができる。本発明による方法よって求められる位相差は、高調波による極めて僅かな妨害しか含まない。このような高調波及び/又は他の妨害をろ波して除去するために、本発明による方法には、前記ステップh)の前に、基準信号の繰り返し時間にわたって位相差を平均化して、斯様な妨害をさらに抑圧するのが有利である。低域通過フィルタリングの如き、他の適当なフィルタリング技法を用いることもできる。このようにして、幹線信号の基本調波周波数成分と基準信号の基本調波周波数成分との位相差の目安となる信号(アナログ信号又はサンプリングしたデジタル信号)を用立てる。この位相差に基づいて基準信号の基本調波周波数を、好ましくは、幹線信号と基準信号の各基本調波周波数成分間の位相差をゼロに低減するか、又は予定した位相差とするように調整する。
そこで、エネルギーを交流の電気エネルギーに変換する変換器は、基準信号の基本調波周波数に同期させることができるため、幹線信号の基本調波周波数にほぼ等しくするのが有利である基準信号の調整した基本調波周波数でエネルギーを幹線に供給することができる。従って、エネルギーは、ほぼ幹線信号の基本調波周波数で幹線に供給されるだけとなるため、幹線周波数、又は他の不所望な周波数帯域の高調波で幹線に供給されるエネルギーは全くないか、又はあってもごく僅かである。従って、幹線信号の品質は維持されるか又は、高められる。
幹線の交流電圧に対する同期を、ソフトウェアで実施される位相ロックループを用いて行うことはDE 19604207から既知である。しかし、この方法では、幹線電圧のフーリエ変換を計算しなければならず、これにはかなりの計算時間を要し、従って、処理手段により行うべきかなりの処理能力を必要とすると云う欠点がある。非常に複雑な計算を含むフーリエ変換の計算を必要とする代わりに、本発明による方法は、限定数のステップを実行するだけで済み、その各ステップは複雑なものではない。位相ロックループを用いる他の欠点は、このような位相ロックループが(デジタルフィルタ又はアナログフィルタのような)フィルタを内蔵し、これが遅延を誘起し、且つ幹線信号に同期させるための同期速度を低下させると云うことにある。
そこで、本発明による方法はさらに、k)前記幹線信号に前記基準信号を乗じて、第3の乗算信号を得るステップと;l)前記遅延幹線信号に前記遅延基準信号を乗じて、第4の乗算信号を得るステップと;m)前記第3と第4の乗算信号の和を求めることにより、前記幹線信号の基本調波周波数成分の振幅値を求めるステップと;を具え、且つ前記ステップj)がさらに、j-1)前記幹線信号の基本調波周波数成分の振幅値に基づいて、前記幹線に供給すべき前記電気エネルギーの大きさを決定するステップも具えるようにするのが有利である。
このようにして、さらに、簡単な限定数のステップで、幹線信号の基本調波周波数成分の振幅に対する目安となる(アナログ信号又はサンプリングしたデジタル信号のような)信号を求めることができる。幹線信号、基準信号、遅延幹線信号及び遅延基準信号はステップa,b,c及びdにて既に用立てられているため、振幅を求めるには、時間ドメイン内で乗算を行い、且つ第3と第4の乗算信号の和を求めるだけで済む。これらのステップは簡単な演算しか含まないので、これらのステップは簡単且つ迅速に実行することができる。さらに、位相差を求め、且つエネルギーを幹線に供給するのにも提供したのと同じ信号を基準信号と同期を取って使用するため、更なる測定処理が不要になる。従って、電流の大きさのような、幹線に供給すべき電気エネルギーの大きさは、幹線信号の調波周波数成分の振幅に対する指標を規定する信号に基づいて容易に決定することができる。幹線に供給すべき電気エネルギーの大きさを求めることは、幹線に供給すべき電力量を制御するための電力制御用に利用することができる。追加的又は代替的に、幹線信号の基本調波周波数の振幅値が予定値を超える場合に、幹線への電気エネルギーの供給を阻止し得るように、安全なスイッチ−オフ機能を簡単に設けることもできる。また、例えばエネルギーが供給されるべき幹線又はその一部が幹線ジェネレータから接続を断たれ、従ってエネルギーが幹線に自発的に供給される場合に、幹線信号に対する振幅制御をすることもできる。幹線に供給すべき電気エネルギーの量は、幹線信号の基本調波周波数成分の振幅値に基づいて決定され、従って、幹線に供給すべき電気エネルギーの大きさは、この大きさの決定が幹線信号の高調波又は雑音成分に基づかないので、正確に決定される。
本発明による方法には、前記ステップj-1)の前に、基準信号の繰り返し時間にわたって振幅を平均化するステップも具えるのが有利である。従って、遅延時間を殆ど誘起することのない極めて簡単なフィルタで、幹線信号の基本調波周波数の振幅に対する目安となる信号中に残存する少量の高調波をろ波して除去することができる。
基準信号はほぼ正弦波の信号とするのが有利であり、このようにすれば、本発明による方法に基づくステップをさらに簡単に実行することができる。
さらに、遅延幹線信号及び遅延基準信号は、基準信号の繰り返し時間のほぼ1/4の時間周期だけ各々遅延させるのが有利である。
少なくとも、ステップa)〜j)を繰り返して、基準信号の基本調波周波数を繰り返し調整し、幹線信号、特にその基本調波周波数における変化又は変動がそれに追従するようにするのが有利である。また、ステップk)〜m)とj-1)を繰り返して、幹線に供給すべき電気エネルギーの量を幹線信号の基本調波周波数成分の振幅変動又は変化に適合させることもできる。発明による方法に基づくステップは、幹線信号の基本調波周波数における変動又は幹線信号の基本調波周波数の振幅変動に向けての(平均化のごとき)フィルタリングを必要としないか、又はあってもごく僅かのフィルタリング処理しか必要としないので、フィルタリング又は平均化による遅延がないか、ごく僅かに過ぎないので、幹線信号の基本調波周波数における変動、又は幹線信号の基本調波周波数の振幅変動に向けての調整を迅速に行うことができる。
本発明はさらに、電気エネルギーを交流幹線に供給するシステムであって、電気エネルギーを当該システムに供給するエネルギー源と、電気エネルギーを交流のエネルギーに変換する変換器と、該変換器を前記交流幹線の繰り返し周波数に同期させる同期回路と、を具えている電気エネルギー供給システムにおいて、前記同期回路が、
a)測定幹線信号を得るために幹線信号を記録する手段と;
b)幹線信号の基本調波周波数付近の公差帯域内にある基本調波周波数を有する基準信号を発生する手段と;
c)前記測定幹線信号から遅延幹線信号を取り出す手段と;
d)前記基準信号から遅延基準信号を取り出す手段と;
e)前記遅延幹線信号に前記基準信号を乗じて、第1の乗算信号を得るための手段と;
f)前記幹線信号に前記遅延基準信号を乗じて第2の乗算信号を得る手段と;
g)前記第1の乗算信号と第2の乗算信号との差を求めることにより、前記幹線信号の基本調波周波数と前記基準信号の基本調波周波数との間の位相差を求める手段と;
h)前記位相差に基づいて前記基準信号の基本調波周波数を調整する手段と;
i)前記電気エネルギーを交流の電気エネルギーに変換する変換器を、基準信号の前記調整した基本調波周波数に同期させる手段と;
を具え、且つ前記変換器が、前記電気エネルギーを前記基準信号と同期をとって前記幹線に供給する手段を具えていることを特徴とする。
同期回路にはデジタル信号プロセッサを含めるのが有利であり、これはいずれにしても、電気エネルギーを交流幹線に供給する将来のシステムに存在させることが予想される。極めて簡単且つ限られたステップ数しか実行させないので、デジタル信号プロセッサにかかる負荷は低く、従って、システムに既に予感されるデジタル信号プロセッサは他のタスクに加えて、これらのステップを容易に実行することができる。
エネルギー源は少なくとも1個のソーラーセルを具え、且つ変換器は、ソーラーセルによって与えられる直流の電気エネルギーを基準信号に同期して交流の電気エネルギーに変換するインバータを具えるのが有利である。
本発明によるシステムが、上述したような本発明による方法に基づく更なるステップを実行するための手段を具えることもできることは当業者に明らかである。
本発明による方法及びシステムの更なる利点及び特徴を、本発明による方法及びシステムの非制限的な実施例を示している添付図面から明らかにする。
図1に示したシステムはソーラーセル10を具えており、このセルの出力端は変換器、この例ではインバータ11の入力端に接続されている。ソーラーセル10は太陽エネルギーを電気エネルギーに変換し、この電気エネルギーはソーラーセル10の出力端を経てインバータ11に転送される。インバータ11は電気エネルギーを交流の電気エネルギーに変換する。インバータ11の出力端はシステムの出力端子12に接続されており、この出力端子12は、13にて極めて概略的に示してある幹線にシステムを接続する。インバータの出力端、従ってシステムの出力端子12は、インバータを交流幹線13の繰り返し周波数に同期させるための同期回路14の入力端子にも接続されている。従って、同期回路14にはインバータ11の適切な入力端に接続される同期出力端15が設けられている。ソーラーセル10と、インバータ11と、幹線13と、同期回路14との間の接続を図1では単一の線で示してあるが、例えば、接地接続線又は戻り線のような対応する戻り線が設けられることは当業者に明らかである。同期回路は、例えば図2につき以下説明するような処理ステップを実行するデジタル信号プロセッサの如き処理ユニットを具えることができる。
図2のステップ20では、幹線信号を記録する。この記録処理は、継続的に行うか、又は少なくとも予定した記録時間の間行うことができる。ここで云う幹線信号とは、幹線の電気量、好ましくは幹線電圧、即ち幹線によって与えられる電圧に関連する信号のことである。幹線は大抵の場合交流電圧を供給するので、幹線信号は交流電圧信号とするのが好適である。ステップ21では、基準信号を発生させ、この基準信号は正弦信号とする。基準信号の周波数は、幹線信号の公称基本調波周波数付近における公差帯域内の周波数とする。一例として、幹線信号の公称周波数が50Hzである場合には、基準信号の周波数は48Hzと52Hzとの間のような、50Hzあたりの公差帯域内の周波数とする。ステップ22では、測定した幹線信号から遅延幹線信号を取り出す。この例における幹線信号は、例えば基準信号の周波数が50Hzの場合に、この基準信号の繰り返し周期の1/4の時間だけ遅延され、その遅延時間は5msとなる。図3aは幹線信号30と遅延された幹線信号31とを示している。ステップ23では基準信号から遅延された基準信号を取り出す。この基準信号の遅延時間は基準信号の繰り返し周期の1/4とするのが有利であるため、基準信号が50Hzの場合には、その遅延時間も5msとなる。図3bは基準信号32と遅延された基準信号33とを示している。
ステップ24aでは、遅延幹線信号を時間ドメイン内で基準信号と乗算して第1乗算信号を得、また、ステップ24bでは幹線信号を時間ドメイン内で遅延基準信号と乗算して第2乗算信号を得る。第1及び第2乗算信号を図4に40及び41にてそれぞれ示してある。また、ステップ24cでは幹線信号を基準信号と乗算し、ステップ24dでは遅延幹線信号を遅延基準信号と乗算して、第3及び第4乗算信号をそれぞれ得る。第3及び第4乗算信号を図4に42及び43にてそれぞれ示してある。ステップ24a,24b,24c及び24dは、この記述順序で実行することができるが、これらのステップは並列又は任意の順序で実行することもできる。ステップ22及び23も並列又は任意の順序で行うことができる。
ステップ25では、第1と第2乗算信号とを差し引いて、幹線信号の基本調波周波数と基準信号との間の位相差の目安となる差を得るように、第1と第2乗算信号との差を求める。位相差の目安となる信号を図5aに50にて示してある。これから明らかなように、位相差を表わす信号50は、幹線信号の高調波及び/又は基準信号の高調波周波数からなるリプルを含んでいる。これらの高調波は比較的小さいが、これらは平均化処理を行うことによりろ波して除去することができ、平均化による平均化位相信号を図5bに51にて示してある。この平均化は基準信号の時間周期に等しい平均化時間、この例では約20msで行った。遅延幹線信号及び遅延基準信号を入手できるのは5ms後だけであるので(遅延時間は5msである)、位相信号は、計算の開始時点から5ms後にしか入手できないことは当業者に明らかである。さらに、平均化位相信号も、この例における平均化処理は20msの期間にわたって行われるので、20ms後に入手できるようになる。位相信号50に存在する高周波成分は比較的少量に過ぎないので、一期間平均化するような僅かなフィルタリング処理をするだけで済むため、平均化位相51は殆ど遅延なく入手することができる。ステップ24c及び24dでそれぞれ得られる第3及び第4乗算信号はステップ26にて加算されて、図6aに60で示したような、幹線信号の基本調波周波数成分の振幅を表わす信号となる。幹線信号の基本調波周波数成分の振幅を表わす信号60は、この例では5msの遅延を含むステップ22及び23での遅延動作のために、計算は5ms後(即ち、遅延時間後)にしか開始できないので、5ms経過してから入手できるようになる。図6aに示すように、基本調波周波数成分の振幅を表わす信号は、幹線信号の基本調波周波数の高調波と基準信号の高調波とで構成されるリプルを含み、このような高調波は必要に応じ、好ましくは平均化演算により基準信号の周期にわたり、即ち、この例では約20msで平均化することによりろ波して容易に除去することができる。上述したと同様に、平均化振幅信号61も、平均化振幅信号51につき上述したように、平均化により所定時間周期後にしか入手できないが、必要とされるフィルタリング、即ち平均化処理には左程時間がかからないので、この遅延時間は短い。
第1及び第2乗算信号40,41の各々は互いにほぼ等しい誤差成分を含むので、第1乗算信号40と第2乗算信号41との差には実質上誤差成分がなくなり、その結果、位相信号50に存在する高調波等の量がごく少量となり、従って広域のフィルタリング処理が不要になる。同様に、第3及び第4乗算信号もそれぞれほぼ同様ではあるが、極性が反対の誤差成分を有する。従って、第3乗算信号と第4乗算信号との差を求めるので、これらの誤差成分は実質上互いにキャンセルされ、高調波のような誤差成分の大部分がなくなった振幅信号60が得られる。従って、振幅信号60に対してもこれらの誤差成分を低減させるのに、適度なフィルタリング処理をするだけで済む。
ステップ27では、基準信号の周波数を調整することにより、位相差がゼロに低減するか、又は予定した位相差値に低減するように、基準信号の周波数を平均化位相差51に基づいて(点線27aで示すように)調整する。斯様な予定した位相差値は、位相差、即ちシステムを長い接続路(インダクタンスを有する)を介して幹線に接続する場合における位相差を補償するのに適用することができる。この場合には、幹線までの長い接続路のインダクタンスによる位相誤差を補償することができる。幹線信号及び基準信号の各基本調波周波数成分間の位相差をゼロ、又は予定値にすることにより、基準信号から同期信号を取り出すことができ、この同期信号は同期回路14により同期出力端15を介してインバータ11を同期させるのに用いられる。従って、インバータは交流電気エネルギーをシステムの出力端子12から、幹線信号の基本調波周波数とほぼ同期をとって幹線13に供給することができる。同期回路14には、インバータ11の対応する入力端に接続され、インバータ11によって幹線13に供給するエネルギー量を制御するためのエネルギー制御出力端16を設けるのが有利である。エネルギー制御出力端にはろ波した振幅信号61に対応する信号を供給する。幹線信号の基本調波周波数の振幅は算出されるので、幹線に供給すべきエネルギー量を制御することができる。幹線13に供給すべきエネルギー量は、例えば幹線電圧が低い時には増大させることができ、また、幹線電圧が高くなりすぎる時には低下させることができる。このようにして、不安定な状態を回避でき、幹線に接続されている電化製品及び他の機器の確実な動作を保証することができる。
本発明による方法に基づくステップは繰り返すのが有利である。それぞれのステップは継続的か、周期的か、又はパイプライン式に繰り返して、幹線信号の基本調波周波数に対する基準周波数の周期的又は連続調整と、幹線に供給すべきエネルギー量の連続又は周期的調整とが行われるようにすることができることは明らかである。
次に、本発明による方法及びシステムが適用する数学的原理につき説明する。幹線信号は次式、
Figure 2006511188

によって表わされ、ここに、Ai及びφiはi次の高調波成分の振幅及び位相であり、ωは毎秒当たりのラジアンでの幹線周波数であり、
また、基準信号は次式、
Figure 2006511188

によって表わされ、ここにArefは基準振幅であり、ωvcoは毎秒当たりのラジアンでの基本周波数であるものとする。
遅延幹線信号は次式、
Figure 2006511188

によって表わされ、
また、遅延基準信号は次式、
Figure 2006511188

によって表わされる。
いずれの場合にも、遅延時間はT/4秒(ここに、ωT=2π)として、ωvcoをωに等しくする。式(1)と(4)を掛け合わせると、次式が得られ、
Figure 2006511188

また、式(2)と(3)とを掛け合わせると、次式が得られる。
Figure 2006511188
式(6)と(5)の差をとると、次のようになる。
Figure 2006511188
適当なフィルタリング処理を行って、この信号中の二次及びそれよりも高次の高調波を除去することができる。このようにして、基準信号と幹線信号の基本調波周波数成分との間の位相差に対する目安となる式が得られる。
本発明による、幹線信号の基本調波周波数成分の振幅に対する目安を提供する式は、上述したと同様にして、式(1)と(3)とを掛け合わせ、且つ式(2)と(4)とを掛け合わせ、この乗算結果を加算し、(必要ならば)基準信号の高調波及び/又は幹線信号の基本調波周波数を適当にフィルタリングして除去することにより得ることができる。
このように、本発明による幹線への電気エネルギー供給方法及びシステムによれば、幹線へのエネルギーの供給を幹線信号の基本調波周波数に同期させて、この基本調波周波数でのみ実質上幹線にエネルギーを供給するので、高効率を達成することができる。さらに、幹線に供給すべきエネルギー量を制御するためのエネルギー制御手段及び/又は幹線内又は幹線までの長い線路におけるインダクタンスの如きリアクタンスを補償するための位相補償手段を容易に追加することができる。本発明による方法の各ステップは簡単且つ容易に実行することができるので、これらのステップは、デジタル信号プロセッサか、他の任意の処理又は算術ユニットの如き信号プロセッサにて容易に実施することができる。しかし、これらの動作は、例えば遅延回路、乗算回路等を具えている適当なハードウェアで実施することもできる。
本発明によるシステムの非常に概略的なブロック図である。 本発明による方法の実施例の流れ図である。 a及びbは、幹線信号及び遅延幹線信号と、基準信号及び遅延基準信号とをそれぞれ図式的に示した図である。 本発明による第1、第2、第3及び第4乗算信号を示す線図である。 a及びbは、本発明による位相差に対する目安を提供する未ろ波信号及び平均化信号をそれぞれ示す線図である。 a及びbは、本発明による幹線信号の位相差に対する目安を提供する未ろ波信号及び平均化信号をそれぞれ示す線図である。

Claims (10)

  1. 電気エネルギーを交流の電気幹線に供給する方法であって、
    a)測定幹線信号を得るために幹線信号を記録するステップと;
    b)幹線信号の基本調波周波数付近の公差帯域内にある基本調波周波数を有する基準信号を発生するステップと;
    c)前記測定幹線信号から遅延幹線信号を取り出すステップと;
    d)前記基準信号から遅延基準信号を取り出すステップと;
    e)前記遅延幹線信号に前記基準信号を乗じて、第1の乗算信号を得るためのステップと;
    f)前記幹線信号に前記遅延基準信号を乗じて、第2の乗算信号を得るステップと;
    g)前記第1の乗算信号と第2の乗算信号との差を求めることにより、前記幹線信号の基本調波周波数と前記基準信号の基本調波周波数との間の位相差を求めるステップと;
    h)前記位相差に基づいて前記基準信号の基本調波周波数を調整するステップと;
    i)前記電気エネルギーを交流の電気エネルギーに変換する変換器を、基準信号の前記調整した基本調波周波数に同期させるステップと;
    j)前記交流の電気エネルギーを前記基準信号と同期をとって前記幹線に供給するステップと;
    を具えていることを特徴とする、電気エネルギーを交流電気幹線に供給する方法。
  2. k)前記幹線信号に前記基準信号を乗じて、第3の乗算信号を得るステップと;
    l)前記遅延幹線信号に前記遅延基準信号を乗じて、第4の乗算信号を得るステップと;
    m)前記第3と第4の乗算信号の和を求めることにより、前記幹線信号の基本調波周波数成分の振幅値を求めるステップと;
    をさらに具え、且つ前記ステップj)がさらに、
    j-1)前記幹線信号の基本調波周波数成分の振幅値に基づいて、前記幹線に供給すべき前記電気エネルギーの大きさを決定するステップ
    も具えていることを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 前記遅延幹線信号及び前記遅延基準信号は、前記基準信号の繰り返し時間のほぼ1/4の時間周期だけ互いに遅延されていることを特徴とする請求項1記載の方法。
  4. 前記ステップh)の前にさらに、
    前記位相差を前記基準信号の繰り返し時間にわたって平均化するステップ
    を具えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の方法。
  5. 前記ステップj-1)の前にさらに、
    前記振幅値を前記基準信号の繰り返し時間にわたって平均化するステップ
    も具えていることを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項記載の方法。
  6. 前記基準信号はほぼ正弦波信号とすることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 少なくとも前記ステップa)〜j)を繰り返すことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項記載の方法。
  8. 電気エネルギーを交流電気幹線に供給するシステムであって、
    - 電気エネルギーを当該システムに供給するエネルギー源と、
    - 電気エネルギーを交流のエネルギーに変換する変換器と、
    - 該変換器を前記交流の電気幹線の繰り返し周波数に同期させる同期回路と、
    を具えている電気エネルギー供給システムにおいて、前記同期回路が、
    a)測定幹線信号を得るために幹線信号を記録する手段と;
    b)幹線信号の基本調波周波数付近の公差帯域内にある基本調波周波数を有する基準信号を発生する手段と;
    c)前記測定幹線信号から遅延幹線信号を取り出す手段と;
    d)前記基準信号から遅延基準信号を取り出す手段と;
    e)前記遅延幹線信号に前記基準信号を乗じて、第1の乗算信号を得るための手段と;
    f)前記幹線信号に前記遅延基準信号を乗じて第2の乗算信号を得る手段と;
    g)前記第1の乗算信号と第2の乗算信号との差を求めることにより、前記幹線信号の基本調波周波数と前記基準信号の基本調波周波数との間の位相差を求める手段と;
    h)前記位相差に基づいて前記基準信号の基本調波周波数を調整する手段と;
    i)前記変換器を基準信号の前記調整した基本調波周波数に同期させる手段と;
    を具え、且つ前記変換器が、前記電気エネルギーを前記基準信号と同期をとって前記幹線に供給する手段を具えていることを特徴とする電気エネルギー供給システム。
  9. 前記同期回路がデジタル信号プロセッサを具えていることを特徴とする請求項8記載のシステム。
  10. 前記エネルギー源が少なくとも1個のソーラーセルを具え、且つ前記変換器がインバータを具えていることを特徴とする請求項8又は9記載のシステム。
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