JP2006511042A - マイクロ波加熱システム - Google Patents
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Abstract
マイクロ波加熱システムであって、マイクロ波アプリケータに配置される負荷を加熱するための複数の前記アプリケータと、制御手段と、制御可能な周波数および出力レベルを有するマイクロ波エネルギを生成するための1台のマイクロ波発振器と、前記各アプリケータに前記マイクロ波発振器を接続するよう配置されるマイクロ波スイッチとを含むシステムである。各マイクロ波アプリケータは時間フレームにおける加熱タイムスロットを専用に与えられ、前記時間フレームは加熱される複数のアプリケータのための複数のタイムスロットを含む。マイクロ波加熱中、連続した時間フレームにおいて、マイクロ波エネルギがマイクロ波アプリケータにそれぞれのタイムスロットで与えられる。
Description
発明の分野
本発明は、独立請求項の前文による、マイクロ波加熱システムおよびマイクロ波加熱システムにおける方法に関する。
本発明は、独立請求項の前文による、マイクロ波加熱システムおよびマイクロ波加熱システムにおける方法に関する。
発明の背景
化学反応、特に有機合成反応を行なうためのマイクロ波加熱システムは、重要かつ周知の手法である。非常に特別な方法でマイクロ波加熱を用いることにより、化学反応の反応速度を桁違いに増大させることが可能である。マイクロ波を用いることは、最終生成物の歩留まりおよび純度をより高めることにもしばしば結び付く。
化学反応、特に有機合成反応を行なうためのマイクロ波加熱システムは、重要かつ周知の手法である。非常に特別な方法でマイクロ波加熱を用いることにより、化学反応の反応速度を桁違いに増大させることが可能である。マイクロ波を用いることは、最終生成物の歩留まりおよび純度をより高めることにもしばしば結び付く。
マイクロ波に助けを借りる化学作用は長年用いられてきた。しかしながら、その装置および方法は、大部分、従来の家庭用電子レンジに基づいてきた。家庭用電子レンジは多重モードキャビティを有し、固定周波数2450MHzでエネルギが与えられる。単一モードキャビティの使用もまた報告されてきた。たとえば、US−5,393,492およびUS−4,681,740を参照されたい。
最近の開発では異なる種類の装置に至っており、それらは、マイクロ波発振器、処理される負荷(またはサンプル)を保持するための個別のアプリケータ、および、生成されたマイクロ波放射を発振器から導いてアプリケータに結合する導波管を含む。
マイクロ波などの電磁放射をソースからアプリケータに結合する場合、良好なパワー転送を達成するために、伝送線路インピーダンスと(負荷を伴う)アプリケータインピーダンスとを一致させることが重要である。
国際特許出願WO−00/36880は、化学反応を行なうためのマイクロ波装置および方法を開示し、その装置は1つ以上の半導体ベースのマイクロ波発振器を用いるので、装置は化合物反応の並行処理に適している。このWO公報で開示される発明は、さらに、複数のサンプルを同時に、または逐次的に加熱する方法と、マイクロ波で加熱される化学反応をモニタする方法と、装置および化合物の組合せからなるシステムのために、周波数および与えられるパワーなどのパラメータに関する最適条件が決定され得るような方法とに関する。この装置および方法は、数多くの化合物が共通の分子特性を共有しない場合に、それらの化合物を並行処理で準備するために用いられ得る。これが並行処理で可能であるのは、装置が、電磁放射の利用を各化合物に別個に結合することができるからである。しかしながら、この並行したエネルギ利用方法はWO公報には詳細に記載されていない。
US−5,796,080には、複数の個々のセルの出力レベルを制御するマイクロ波装置が開示される。この装置は、単一のマイクロ波ソースから複数の化学反応を同時に制御するのに有用であるとされる。各サンプルホルダに与えられるマイクロ波エネルギの出力レベルは、各サンプルホルダの近くに配置される動的な機械的緩和手段によって個々に調整可能である。この公知の装置の1つの短所は、たとえば緩和手段の構造的な複雑さ、および、個別のチャネル間のクロストークであると考えられる。
本発明の全体的な目的は、マイクロ波アプリケータの数多くの負荷の並行処理を行なう
よう適合された、各負荷の処理が個々に制御され、最適化され得るマイクロ波加熱システムを達成することである。より具体的な目的は、経済的に実行可能で構造的に実現可能なマイクロ波加熱システムを達成することである。
よう適合された、各負荷の処理が個々に制御され、最適化され得るマイクロ波加熱システムを達成することである。より具体的な目的は、経済的に実行可能で構造的に実現可能なマイクロ波加熱システムを達成することである。
発明の概要
上述の目的は、独立請求項に記載の本発明により達成される。
上述の目的は、独立請求項に記載の本発明により達成される。
好ましい実施例は従属請求項に説明される。
マイクロ波加熱システムおよびマイクロ波加熱システムの方法は、時間領域および周波数領域で同時に動作し得る。個々の化合物の加熱は周波数領域で行われる一方、たとえば24個などの複数の化合物全体の加熱は時間領域で行われる。
周波数領域で化合物を加熱するというのは、化合物が昇温する間と、おそらく沸騰している間も、その共振周波数をトラッキングすることを意味する。
1台の電力増幅器が複数のアプリケータで共用され得るということは、多くの異なる化学反応について異なる温度が並行して制御され得ることを意味する。これらは時間多重されることができ、各化学反応に固有のタイムスロットを専用に与える。発明者らは、連続的なマイクロ波加熱が必要でないことを発見した。化学反応は、熱を吸収する時間を必要とする。マイクロ波出力はパルスの形状でオンとオフとに切換えられることができ、各パルス包絡線は変動するデューティサイクルを有する。システムの1つの好ましい実施例においては、タイムスロットの持続時間は固定されており、各タイムスロット内部で出力レベルが変動し得る。
このシステムの目標は、できるだけ1サンプル当り最低コスト、最短時間で、かつ、できるだけ多くの化学反応を同時に加熱することである。
本発明によるマイクロ波加熱システムの多くの利点としては、システム全体で電力増幅器とマイクロ波信号生成器とを1台ずつしか要しないこと、および、特定のアプリケータを特定のタイムスロット専用に自由に与えることが可能なので、アプリケータ間の相互結合の危険性が最小限であることがあげられる。
コンピュータに制御されるマイクロ波加熱システムの大きな利益は、システムが、出力、周波数および時間について、個々の化学反応すべてを独立に操作し得ることであり、かつ、加熱プロファイルを修正するために化学反応の結果から学習するようプログラムされ得ることである。
発明の好ましい実施例の詳細な説明
まずここで、マイクロ波加熱の性質に関してさらに少し言及されるべきである。一般に、最大出力は総処理時間のごく一部で必要となるにすぎない。処理時間の別の部分では出力を全く必要としない。
まずここで、マイクロ波加熱の性質に関してさらに少し言及されるべきである。一般に、最大出力は総処理時間のごく一部で必要となるにすぎない。処理時間の別の部分では出力を全く必要としない。
上述のように、本発明の目的は、できるだけ1サンプル当り最低コスト、最短時間で、かつ、できるだけ多くの個々の化学反応を加熱するよう適合されたシステムを達成することである。当然、総処理時間、反応数、および加熱に利用できるパワーの間で妥協があるであろう。
ある化学反応が維持されるためにその反応に許容され得る最大の専用スロットタイムは、システム方程式および加熱プロファイルが決定する。それは当然、化学的マイクロ波吸収率に依存し、加熱プロファイルパラメータはいつでも変更され得る。
システムハードウェアを設計するためには、電力増幅器が何台必要になるかを決定することが必要である。1つの好ましい実施例においては、増幅器1台当り10チャンネルが配置され、増幅器は2.45GHzで50ワットの出力を有する。これは、増幅器1台当り10チャンネルでは、毎秒1チャネル当たりの加熱スロットタイムが100msであることを意味する。増幅器の出力レベルが増大される場合、より多くのチャネルが並行して加熱され得るか、または、処理時間が短縮される。さらに別の好ましい実施例においては、電力増幅器1台当り2チャネルのみを配置する。この結果、当然、出力レベルおよびタイムスロット持続時間は他の値となり、それらは一般に、当該化学反応の吸収率および熱保有率に依存する。ただし、最大出力での加熱が必要なのは、加熱サイクルの初期のみである。化学反応が所望の温度に近づくとともに、加熱速度は通常低下する。
ここで図1を参照して、システム全体が説明される。
マイクロ波加熱システムは、マイクロ波システム2、マイクロ波アプリケータマトリクス4、化合物コンテナ(バイアル)マトリクス6、制御手段8、グラフィカルユーザインターフェイス(GUI)10、たとえばプロッタなどの出力装置12、およびDC電源14を含む。
完全なシステムは、グラフィカルユーザインターフェイス(GUI)を介して、手動でまたは自動的に駆動されることができ、ユーザはそれにより化合物加熱プロファイルを操作することができる。
システムは、並行処理をさらに増強するために、適切な通信リンクを介して他のコンピュータ処理システムに接続され得る。
図2を参照すると、マイクロ波システム2は、マイクロ波発振器16、減衰手段18、マイクロ波電力増幅器20、広帯域チューナブルフィルタ22、サーキュレータ24、アプリケータマトリクス4のアプリケータ28に接続されるマイクロ波スイッチ26、および、反射パワー検出器30を含む。化学コンテナ(バイアル)マトリクスがアプリケータマトリクスの上にあって、アプリケータマトリクスに挿入される。
本発明によれば、複数のチャネルおよびそのそれぞれのアプリケータは時間領域で扱われ、個別の各化学反応はその固有に割当てられたタイムスロット内で周波数領域で加熱される。
図2に矢印によって示されるように、制御手段8は、制御信号インターフェイス32を通じ、マイクロ波出力パワーの周波数、出力および時間を操作する。制御手段はさらに、個々の反応温度センサをモニタし、圧力センサをモニタし、反射パワーレベルを検出器で読取るか、または、システムのいかなる他の検出器も読取る。
マイクロ波システム2のすべてのユニットはバス接続されることができ、制御手段8によって駆動され得る。図2に示される制御信号のうちいくつかは次のとおりである:
−電力増幅器20のための制御電圧
−減衰手段18のための制御電圧
−マイクロ波発振器16のための制御電圧
−マイクロ波スイッチ26のための制御電圧
−電力増幅器20のための制御電圧
−減衰手段18のための制御電圧
−マイクロ波発振器16のための制御電圧
−マイクロ波スイッチ26のための制御電圧
電力増幅器20は、他の回路へのフィードバック、結合、および漏れを防ぐために、遮蔽フレーム内に取付けられることができる。システム全体は、放射の出ない、外部電気インターフェイスを有する、RF遮蔽フレームに収容される。機器は、マイクロ波または無線周波妨害を周囲に放射しない。
アプリケータが時間多重されて駆動されるので、アプリケータ間のクロストークまたは相互結合の危険性はない。しかしながら、もしシステムが2台以上の電力増幅器を要する場合、それらの電力増幅器は互いから十分遮蔽される必要があるであろう。制御アルゴリズムは、異なる増幅器から給電される2つの隣接するアプリケータが、同じかまたは隣接するタイムスロットにおいて決して用いられないよう維持する。
マイクロ波増幅器内部には、熱が有効に遠くへ導かれるよう、最終出力段パワートランジスタが適切に取付けられ得る。
このマイクロ波加熱機器の変形例があり得る。主要な変形例は、2.0GHzから3.0GHz、または、アプリケータ特性により可能であれば、より狭いISM帯域2.4GHzから2.5GHzで動作し得る。他の変形例は、約900MHz、1300MHzまたは5,6GHzで動作し得る。各変形例は、異なるアプリケータマトリクスおよび適切なマイクロ波/RF電力増幅器20を必要とし得る。
マイクロ波システム2の様々な部分が、下記にさらに説明される。
マイクロ波発振器16
マイクロ波発振器16は、たとえば位相同期ループ電圧制御発振器(VCO)などの周波数合成器を含み得る。合成された所望の周波数は、制御信号インターフェイス32を介して制御手段によって操作される。
マイクロ波発振器16は、たとえば位相同期ループ電圧制御発振器(VCO)などの周波数合成器を含み得る。合成された所望の周波数は、制御信号インターフェイス32を介して制御手段によって操作される。
マイクロ波発振器は低出力信号レベルを生成することができ、それは工場でトリミング可能な減衰器によって正規化され得る。信号生成器は良好な周波数安定度を有することができ、共振周波数のトラッキングにおけるシステムエラーの低減を確実にする。
減衰手段18
減衰手段18は最小挿入損を伴う低レベル入力信号減衰器であり得、0Vから+5Vの範囲の単一の制御電圧により駆動される。マイクロ波減衰は、最終出力信号レベルが50Wから500mWまで(またはそれぞれ100Wから1Wまで)変動し得るものであり得る。
減衰手段18は最小挿入損を伴う低レベル入力信号減衰器であり得、0Vから+5Vの範囲の単一の制御電圧により駆動される。マイクロ波減衰は、最終出力信号レベルが50Wから500mWまで(またはそれぞれ100Wから1Wまで)変動し得るものであり得る。
可変信号減衰器の目的は次のとおりである:
1.加熱される化合物の共振周波数のサーチ中、低レベルのマイクロ波信号を生成する。2.加熱プロセス中に可変出力パワーレベルを生成する。
1.加熱される化合物の共振周波数のサーチ中、低レベルのマイクロ波信号を生成する。2.加熱プロセス中に可変出力パワーレベルを生成する。
マイクロ波電力増幅器20
この増幅器は、低い供給電圧で駆動される、良好な効率および線形性に適したクラスで動作する、利得が一致したトランジスタ増幅器のいくつかの段から構成される。
この増幅器は、低い供給電圧で駆動される、良好な効率および線形性に適したクラスで動作する、利得が一致したトランジスタ増幅器のいくつかの段から構成される。
図3は、好ましい実施例によるマイクロ波電力増幅器の概略的なブロック図である。マイクロ波電力増幅器20への入力は減衰器からの出力である。[最終出力パワーレベルが達成され得る多くの設計方法があり、そのような1つの方法がここで説明される。信号は、まず、固定された40dBだけ増幅され、2.45GHzで10ワットの出力パワーを
与える。次に、この信号は、電力分割器によって2つの等しい5Wのチャネルに分割される。次にこれらの2つのチャネルは、7dBだけ増幅されて1チャネル当り25Wの出力を与え、次にハイブリッド電力コンバイナにおいて合成されて、50Wの最終出力パワーレベルを与える。]たとえば900MHzなどの、より低い周波数については、出力パワーレベルは100ワットであり得る。なぜならこれらのより低い無線周波数においては吸収がより少ないからである。増幅器自体は可変出力パワーを有さない。なぜならそれは望ましくない不整合および非線形性に結び付くからである。その代わり、電力増幅器の前の入力パワーレベルが変動する。
与える。次に、この信号は、電力分割器によって2つの等しい5Wのチャネルに分割される。次にこれらの2つのチャネルは、7dBだけ増幅されて1チャネル当り25Wの出力を与え、次にハイブリッド電力コンバイナにおいて合成されて、50Wの最終出力パワーレベルを与える。]たとえば900MHzなどの、より低い周波数については、出力パワーレベルは100ワットであり得る。なぜならこれらのより低い無線周波数においては吸収がより少ないからである。増幅器自体は可変出力パワーを有さない。なぜならそれは望ましくない不整合および非線形性に結び付くからである。その代わり、電力増幅器の前の入力パワーレベルが変動する。
入力信号は十分にクリーンであり得、相互変調積および望ましくないスプリアス出力周波数の生成を回避するよう、いかなるスプリアスな成分および高調波もない。
マイクロ波電力増幅器の出力もまた十分にクリーンであり得、スプリアスを有さず、相互変調積を有さず、かつ最小位相ノイズを有する。増幅器によって生成される上音は、増幅器の後に置かれる広帯域チューナブルフィルタによってフィルタされて取除かれ得る。
電力増幅器は切換えられるマイクロ波エネルギを利用するので、パワートランジスタは、連続的にスイッチが入れられている場合のように熱くなることはない。電力増幅器の設計に影響を及ぼす要因は、特に、電流制限機構、温度感度および反射パワー感度である。
フィルタ22
電力増幅器の後に、動作周波数帯域幅全体にわたって最小挿入損を伴うマイクロ波広帯域チューナブルフィルタが続き得る。このフィルタは、好ましくは受動的で高出力のマイクロ波広帯域キャビティチューナブルフィルタである。余分のフィルタが含まれて、より高い高調波周波数において最大減衰を与えることができ、アプリケータから反射されるパワーが動作周波数帯域幅にあり、かつ相互変調積がすべて廃棄されることを確実にする。
電力増幅器の後に、動作周波数帯域幅全体にわたって最小挿入損を伴うマイクロ波広帯域チューナブルフィルタが続き得る。このフィルタは、好ましくは受動的で高出力のマイクロ波広帯域キャビティチューナブルフィルタである。余分のフィルタが含まれて、より高い高調波周波数において最大減衰を与えることができ、アプリケータから反射されるパワーが動作周波数帯域幅にあり、かつ相互変調積がすべて廃棄されることを確実にする。
サーキュレータ24
電力増幅器からのマイクロ波信号は高出力磁気サーキュレータ24に与えられ、次にアプリケータに送られる。アプリケータからの反射信号はサーキュレータのポート3に分流され、それは次に、たとえばショットキダイオード検波器であり得るマイクロ波検出器30の線形領域内部に合うよう減衰される。変換されたDC信号は、反射パワーの大きさを示し得る。
電力増幅器からのマイクロ波信号は高出力磁気サーキュレータ24に与えられ、次にアプリケータに送られる。アプリケータからの反射信号はサーキュレータのポート3に分流され、それは次に、たとえばショットキダイオード検波器であり得るマイクロ波検出器30の線形領域内部に合うよう減衰される。変換されたDC信号は、反射パワーの大きさを示し得る。
アルゴリズムは反射パワー検出器信号を利用して、チューニング段階(以下参照)中は化合物負荷の共振周波数をサーチし、加熱段階(以下参照)中は加熱とともに変化する共振周波数をトラッキングする。
マイクロ波スイッチ26
マルチブランチのマイクロ波スイッチは、選択されたアプリケータにマイクロ波パワーを転送する。切換えられる出力の数は、1台の増幅器によって何個のアプリケータが割当てられるかに依存して、システム設計時に決定される。スイッチは、たとえばピンダイオードまたは半導体リレーからなり得る。
マルチブランチのマイクロ波スイッチは、選択されたアプリケータにマイクロ波パワーを転送する。切換えられる出力の数は、1台の増幅器によって何個のアプリケータが割当てられるかに依存して、システム設計時に決定される。スイッチは、たとえばピンダイオードまたは半導体リレーからなり得る。
制御用ソフトウェア
制御手段によって実行される制御用ソフトウェアは、閉ループ制御加熱アルゴリズムを駆動することができ、かつ、アプリケータ28の温度センサおよび圧力センサからと、反射パワー検出器30からとのフィードバックを受取り得る。制御用ソフトウェアはタイムスロットの間隔を設定し、出力パワーレベルを制御し、マイクロ波スイッチを動作し、周波数合成器(VCO)を操作する。
制御手段によって実行される制御用ソフトウェアは、閉ループ制御加熱アルゴリズムを駆動することができ、かつ、アプリケータ28の温度センサおよび圧力センサからと、反射パワー検出器30からとのフィードバックを受取り得る。制御用ソフトウェアはタイムスロットの間隔を設定し、出力パワーレベルを制御し、マイクロ波スイッチを動作し、周波数合成器(VCO)を操作する。
マイクロ波アプリケータ
本発明は一般に、複数のマイクロ波アプリケータのマイクロ波加熱に適用可能であり、複数のタイムスロットを含む時間フレームの使用に主に向けられ、そこでマイクロ波エネルギは特定のタイムスロット専用のアプリケータに与えられる。上端部および下端部がある細長い形状を有する、特定の誘電体マイクロ波アプリケータを使用することが有利であることが発見された。アプリケータは、加熱される化学負荷を受取るよう適合された負荷チャンバを備え、チャンバは、アプリケータの上端部から、アプリケータの中心軸に対して同軸に、下端部から所定の距離まで延在する。アプリケータは、アプリケータ下部に配置されるマイクロ波結合手段をさらに備え、そこでマイクロ波エネルギがアプリケータに与えられる。
本発明は一般に、複数のマイクロ波アプリケータのマイクロ波加熱に適用可能であり、複数のタイムスロットを含む時間フレームの使用に主に向けられ、そこでマイクロ波エネルギは特定のタイムスロット専用のアプリケータに与えられる。上端部および下端部がある細長い形状を有する、特定の誘電体マイクロ波アプリケータを使用することが有利であることが発見された。アプリケータは、加熱される化学負荷を受取るよう適合された負荷チャンバを備え、チャンバは、アプリケータの上端部から、アプリケータの中心軸に対して同軸に、下端部から所定の距離まで延在する。アプリケータは、アプリケータ下部に配置されるマイクロ波結合手段をさらに備え、そこでマイクロ波エネルギがアプリケータに与えられる。
正しい同軸伝送線路と伝送線路に整合する正しいインピーダンスとの選択を通じて、セラミックアプリケータへの高度なマイクロ波結合が達成され得る。本発明が適用可能であろうマイクロ波アプリケータの一例が、本願と同じ出願人による、2002年10月4日の国際出願日を有する、国際特許出願PCT/SE02/01813に見られる。
DC電源装置14
システムが電力増幅器を1台しか要しない場合、DC入力電力要量は1キロワット未満であり得、電力増幅器の効率によって決定される。
システムが電力増幅器を1台しか要しない場合、DC入力電力要量は1キロワット未満であり得、電力増幅器の効率によって決定される。
ここでシステムの動作が説明される。
好ましくは、システムの動作は、何らかのグラフィカルユーザインターフェイス(GUI)を通して行なわれる。システムオペレータは、システムパラメータを設定することにより加熱プロファイルを制御でき、アプリケータのセンサをモニタし得る。
図4および図5は、本発明の基本原理を示す。
本発明によれば、各マイクロ波アプリケータは、時間フレームにおいて加熱タイムスロットを専用に与えられる。時間フレームは加熱されるアプリケータのためのタイムスロットを含み、マイクロ波加熱中、連続した時間フレームにおいて、マイクロ波エネルギがマイクロ波アプリケータに、それぞれのタイムスロットで与えられる。マイクロ波エネルギは、前記制御手段からのタイムスロット制御信号に従って、マイクロ波スイッチにより、それぞれのマイクロ波アプリケータに結合される。マイクロ波エネルギは、各タイムスロット内で、そのタイムスロット専用のアプリケータによって加熱される負荷に対し、周波数と出力レベルとについて前記制御手段により最適化される。図4および図5では、バーの異なる高さは、個別のタイムスロットにおける異なる出力を表わす。好ましくは、1フレームごとに複数の追加的な余分なスロットがさらにあってもよく、その場合には、加熱段階の開始時に化学反応に追加の時間が与えられ得る。図5では本発明の最適化が示される。すなわち、連続した時間フレームにおける同じタイムスロットのマイクロ波エネルギが変化している(この例では、最後のタイムスロットに向って出力が減少する)。
1つの好ましい実施例によれば、各タイムスロットにおいて、ランプアップ時間、フルパワー時間、ランプダウン時間があり得る(図6参照)。シーケンス全体は制御手段によって制御される。
パワーランピングシーケンスは以下のとおりである:
1.減衰器を最大減衰に設定する。
2.マイクロ波スイッチでチャネルを選択する。
3.マイクロ波発振器で適切な周波数を選択する。
4.最小レベルの出力パワーのための最終トランジスタドレイン電圧をオンに切換える。5.減衰器でプログラムされたステップを選択することによりパワーをランプアップする。
6.タイムスロット内で規定された期間、求められるマイクロ波出力パワーレベルで継続する。
7.出力パワーをランプダウンする。
8.最終トランジスタドレイン電圧をオフに切換える。
9.RFスイッチでチャネルを選択解除する。
1.減衰器を最大減衰に設定する。
2.マイクロ波スイッチでチャネルを選択する。
3.マイクロ波発振器で適切な周波数を選択する。
4.最小レベルの出力パワーのための最終トランジスタドレイン電圧をオンに切換える。5.減衰器でプログラムされたステップを選択することによりパワーをランプアップする。
6.タイムスロット内で規定された期間、求められるマイクロ波出力パワーレベルで継続する。
7.出力パワーをランプダウンする。
8.最終トランジスタドレイン電圧をオフに切換える。
9.RFスイッチでチャネルを選択解除する。
各タイムスロット内にパワーランピングプロファイルを有する理由は、増幅器のオーバーシュートおよびリンギングを防ぎ、スイッチング周波数の高調波周波数の生成を防ぐことである。スイッチングが純粋な方形波であった場合、それはスイッチング周波数の高調波周波数を無限量生成し、主要な搬送波電力を減じたであろう。
マイクロ波エネルギが各タイムスロット内でどのように与えられるかに関する、本発明の別の実施例において、ランプアップ時間およびランプダウン時間は短縮され、ある極端な状態では0に近づく。すなわち、マイクロ波エネルギは各タイムスロット内のほぼ初期にその最高出力レベルに達する。
さらに別の実施例によれば、マイクロ波エネルギは、スイッチング中、タイムスロットの残りの時間中のレベルと比較してより低い、0より上の出力レベルに調整される。
急激な高出力スイッチングが望ましくないスプリアスな高調波出力を引起し得るという事実により、望ましくない放射を回避するために適切な方策が取られ得る。
加熱制御アルゴリズム
加熱アルゴリズムは好ましくは2つの異なる段階に分割されることができ、すなわち、ある共振周波数のサーチ段階と、それに続く(共振周波数における変化のトラッキングを伴うか、または伴わない)加熱段階とである。
加熱アルゴリズムは好ましくは2つの異なる段階に分割されることができ、すなわち、ある共振周波数のサーチ段階と、それに続く(共振周波数における変化のトラッキングを伴うか、または伴わない)加熱段階とである。
代替として、加熱制御アルゴリズムは、フィードバックが全く用いられないアルゴリズムの変形と、単純化されたフィードバックがいくらか用いられる変形とを含む、あるプリセットされたプロファイルを用い得る。フィードバックが全く用いられない、その特別な場合、加熱段階中には測定が全く行われず、1つのプリセットされた周波数および1つの出力設定が用いられ得る。
加熱制御アルゴリズムの上述の2つの段階が以下に説明される。
共振周波数サーチ段階
この段階では、減衰器は、その最大減衰(最低出力パワー)に設定され、発振器周波数は化合物の共振周波数を見つけるために上下に一度ずつ掃引される。共振周波数が決定された後、それは制御手段のメモリに記憶され得る。
この段階では、減衰器は、その最大減衰(最低出力パワー)に設定され、発振器周波数は化合物の共振周波数を見つけるために上下に一度ずつ掃引される。共振周波数が決定された後、それは制御手段のメモリに記憶され得る。
主要な加熱段階
この段階では、マイクロ波加熱パルスがアプリケータに与えられる。閉ループ制御アルゴリズムは、各アプリケータ用の個々のタイムスロット内で求められる出力レベルを、リアルタイムで計算する。これらの出力レベルは、たとえば、温度および圧力のフィードバック測定値に依存して、時間とともに変動し得る。
この段階では、マイクロ波加熱パルスがアプリケータに与えられる。閉ループ制御アルゴリズムは、各アプリケータ用の個々のタイムスロット内で求められる出力レベルを、リアルタイムで計算する。これらの出力レベルは、たとえば、温度および圧力のフィードバック測定値に依存して、時間とともに変動し得る。
制御アルゴリズムは、反射パワー検出器をモニタし、マイクロ波発振器の合成された周波数を操作して、化学反応を共振状態に保つ。これは、反射パワー検出器で測定された、あり得る最小の反射係数を維持することによって行なわれ得る。化合物が昇温するとともにその共振周波数が著しく増大し、化合物がその沸点に近づくとともに共振の変化率はその最大に達する。沸騰が開始した後、共振周波数はわずかな間さらに継続して増大するが、その変化率は再び低下する。この共振周波数の変化率は、ある化合物についてはその沸点近くで極めて大きくなり得る一方で、他の化合物についてははるかに小さい。それは、アプリケータと化合物とコンテナバイアルとの組合せの共振回路のQ値に依存する。この組合せは、ある複雑な負荷インピーダンスを増幅器に示す。化合物の誘電特性に依存して、ある化合物については共振のQ値が高い一方で、他の化合物でははるかに広帯域である。
図7は、図2で示されるようなマイクロ波サブシステムを4つ含む、マイクロ波加熱構成を概略的に示す。周囲が破線で描かれた四角形によって、サブシステムのうちの1つが示される。
図9に概略的に示される本発明の代替的な実施例においては、マイクロ波加熱システムは、マイクロ波発振器16′、電力増幅器20′、マイクロ波スイッチ26′、および、少なくとも2つのマイクロ波アプリケータ28′のみを含む。この代替的実施例は、本発明によるマイクロ波加熱システムの最小限の型であると見なされ得る。さらに制御手段(図示されない)が含まれ、制御手段は、時間フレームにおけるタイムスロット内でアプリケータに与えられるべきマイクロ波エネルギを生成するようにマイクロ波発振器を制御するよう、さらに、マイクロ波スイッチを制御するよう適合される。この実施例では、プリセットされたレベルのマイクロ波エネルギが所定の時間内に与えられることと、アプリケータからのフィードバックが用いられないこととが、前もって決定され得る。
本発明は、化学反応、特に有機合成反応を行うための、上述のようなマイクロ波加熱システムまたはマイクロ波加熱構成の使用、さらにこのようなシステムまたは構成における方法に関する。
本発明は、上述の好ましい実施例に限定されない。さまざまな代替、変形、および等価物が用いられ得る。したがって、上記の実施例は発明の範囲を限定するものとして捉えられるべきではなく、発明の範囲は添付の請求項によって規定される。
Claims (18)
- マイクロ波加熱システムであって、マイクロ波アプリケータ(28)に配置される負荷を加熱するための複数のマイクロ波アプリケータ(28)と、制御手段(8)と、制御可能な周波数および出力レベルを有するマイクロ波エネルギを生成するための1台のマイクロ波発振器(16)と、前記アプリケータの各々に前記マイクロ波発振器を接続するよう配置されるマイクロ波スイッチ(26)とを含み、
各マイクロ波アプリケータは時間フレームにおいて加熱タイムスロットを専用に与えられ、さらに、前記時間フレームは加熱されるアプリケータ内の負荷のためのタイムスロットを含み、マイクロ波加熱中、連続した時間フレームにおいて、マイクロ波エネルギが前記マイクロ波アプリケータに、それぞれのタイムスロットで与えられることを特徴とする、マイクロ波加熱システム。 - 前記マイクロ波エネルギは、前記制御手段からのタイムスロット制御信号に従って、前記マイクロ波スイッチにより、それぞれのマイクロ波アプリケータに結合されることを特徴とする、請求項1に記載のマイクロ波加熱システム。
- マイクロ波エネルギは、各タイムスロット内で、そのタイムスロット専用のアプリケータによって加熱される負荷に対し、周波数と出力レベルとについて前記制御手段により最適化されることを特徴とする、請求項1に記載のマイクロ波加熱システム。
- マイクロ波システムは、減衰手段(18)と電力増幅器(20)とをさらに含み、前記減衰手段および電力増幅器は、前記最適化されたマイクロ波エネルギを達成するために前記制御手段により制御されることを特徴とし、請求項3に記載のマイクロ波加熱システム。
- 前記マイクロ波スイッチは前記制御手段によって制御されて、ある特定されたマイクロ波アプリケータ専用のタイムスロットにおいて、その特定されたマイクロ波アプリケータにマイクロ波発振器を結合することを特徴とする、請求項1に記載のマイクロ波加熱システム。
- 加熱タイムスロットは調整可能なタイムスロット持続時間を有することを特徴とする、請求項1に記載のマイクロ波加熱システム。
- 時間フレーム内のすべてのタイムスロットは個々に調整可能なタイムスロット持続時間を有することを特徴とする、請求項1に記載のマイクロ波加熱システム。
- 時間フレーム内のすべてのタイムスロットは同じタイムスロット持続時間を有することを特徴とする、請求項1に記載のマイクロ波加熱システム。
- 加熱タイムスロットは、ランプアップ時間間隔、最大出力時間間隔、および、ランプダウン時間間隔を含む、時間間隔のシーケンスに分割されることを特徴とする、請求項1に記載のマイクロ波加熱システム。
- 前記マイクロ波アプリケータはマイクロ波アプリケータマトリクスに配置されることを特徴とする、請求項1に記載のマイクロ波加熱システム。
- 前記負荷は化学反応混合体であることを特徴とする、請求項1から10のいずれかに記載のマイクロ波加熱システム。
- 請求項1から12のいずれかに記載のマイクロ波加熱システムを複数含むことを特徴とする、マイクロ波加熱構成。
- 請求項1から11のいずれかに記載のマイクロ波加熱システムにおける、または、請求項12に記載のマイクロ波加熱構成における、マイクロ波エネルギをマイクロ波アプリケータに与えることによりアプリケータ内の負荷を加熱するための方法であって、
システムは時間フレームにおいて加熱タイムスロットを備え、各タイムスロットは負荷を伴う特定のマイクロ波アプリケータ専用に与えられ、方法は、
i) 連続した時間フレームにおいて、マイクロ波エネルギを各アプリケータに各アプリケータのそれぞれのタイムスロット内で与えるステップを含むことを特徴とする、方法。 - 方法は、ステップi)の前に実行される、
ii) 各マイクロ波アプリケータのそれぞれのタイムスロット内で各アプリケータに与えられるマイクロ波エネルギを最適化するさらなるステップを含むことを特徴とする、請求項13に記載の方法。 - ステップii)は、最小反射エネルギが検出されるまで、タイムスロット内で与えられるマイクロ波エネルギの周波数を変えることにより実行されることを特徴とする、請求項14に記載の方法。
- 負荷は化学反応混合体であることを特徴とする、請求項13から15のいずれかに記載の方法。
- 化学反応、特に有機合成反応を行うための、請求項1から12のいずれかに記載のマイクロ波加熱システムまたはマイクロ波加熱構成の使用。
- 化学反応、特に有機合成反応を行うための、請求項13から16のいずれかに記載の方法の使用。
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