JP2006510551A - 内圧上昇に起因する密封失敗を防止するための手段をもつフレキシブルフィルムで密封された容器 - Google Patents

Abstract

シール容器は、タブ（１４）と、ふた（１１）と、タブとふたとの間に配置されたフレキシブルシール（１５）と、ふた（１１）の内側に配置された一つ又は複数のリブ（１２ａ〜１２ｂ）と、を有し、これらのリブは、ふた（１１）が取り付けられる場合に起こり得る密封失敗箇所においてフレキシブルシール（１５）に圧力をかける。一つ又は複数のリブは、シールの剥離が最も生じやすそうなフレキシブルシールの位置において、このフレキシブルシールに他の力を与える。このリブの機能は、加圧条件の下でフィルムを抑制することであるが、通常条件の下では、リブはフレキシブルシールと接触することはあり得ない。

Description

本発明は、アイテムを保管（store，収納）するための方法及び装置に関し、より具体的には、フレキシブルフィルム（flexible film，可とう膜）で密封（seal，シール）されるシール容器にアイテムを保管するための方法及び装置に関する。

フィルムで密封された包装の当該分野の現状は、フレキシブル包装（例えば、バッグ、小袋及び熱形成された錠剤包装）又は容器の開口部をフレキシブルフィルムで接合した、錠剤瓶、食品容器及び医療使い捨て用品のための包装のような比較的剛性の容器を含む。或る条件の下で、圧力はシール容器の内側で増加し、シールに負荷をかける。これは密封失敗につながり、それにより、損傷、脱水及び他の問題を生じる可能性がある。

従って、本発明の目的は、フレキシブルシールで密封されるが、密封失敗を生じることなく圧力変化に耐えることができるシール容器にアイテムを保管するための方法及び装置を開発するという問題に対処することにある。

本発明は、とりわけ、タブ（tub，小型容器）と、ふた（lid）と、タブとふたとの間に配置されたフレキシブルシールと、ふたの内側に配置されると共に、このふたが取り付けられる場合に起こり得る密封失敗箇所においてフレキシブルシールに圧力を加える一つ又は複数のリブと、を有するシール容器を供給することによって、これら及び他の問題を解決する。上記一つ又は複数のリブは、シールの剥離（peeling，ピーリング）が最も生じやすそうなフレキシブルシールの位置において、このフレキシブルシールに他の力を与える。このリブの機能は、加圧条件の下でフィルムを抑制することであるが、通常条件の下では、リブはフレキシブルシールと接触することはあり得ない。

図１は、本発明のある態様による密封された剛性容器にアイテムを保管するための装置の例示的な一実施形態を示す。

ここで「ある実施形態」又は「一実施形態」についての任意の参照は、当該実施形態に関連して説明された特定の機能、構造又は特徴が、本発明の少なくとも一つの実施形態に含まれるという意味であることに留意されるべきである。本願明細書の種々の部分に「ある実施形態において」というフレーズが登場するが、これは必ずしも同じ実施形態に関して参照されるわけではない。

ここでの本発明は、剛性ふたによって保護されるフレキシブルフィルムで密封された剛性シェルを有するいかなる容器にも適用可能である。本発明のある実施形態は、容器のふたに配置された一つ又は複数の連続リブを有する。少なくとも一つのリブは、シールゾーンのすぐ内側に位置付けられ、シールジョイント部の平面のやや下に延びる。このリブは、シール部が、周囲条件の変化により容器の内側に正圧がある場合、シールジョイント部の平面より上に上昇し、剥離失敗を引き起こすことを防止する。他のリブが、シールの長さに沿って幾つかの箇所でシールに対して他の力を与えるために含まれることもできる。

本発明は、シール材料を用いて密封されている剛性容器に堅牢性（ruggedness，耐久性）と、 当該産業において簡単に利用できるプロセスと、を加える。具体的には、この設計は、シール開口部をより大きくすることを可能にし、及び／又は包装が使用され得る環境レンジを拡大する。

剛性容器の場合、いかなる内部の正圧でもシールフィルムに抗して作用する力をもたらすので、密封されるべき開口部のサイズが重要である。この力は、フィルムの領域に内圧を乗じたものに等しい。シール容器が、容器の内側での圧力上昇をもたらす周囲条件にさらされる場合、フィルムは、内側に閉じ込められた膨張する空気によって引き伸ばされ始める。何らかの臨界点で、このフィルムは、フィルム自体の膨張限界に達し、剛性容器とフィルムとの間のシールジョイント部が、もし止められなければ、完全にジョイント部を剥離し始めるであろうローディング（loading，荷重）条件を経験し始める。ここでのリブ設計は、失敗の上述のモードを防止し、予知できる動作環境が可能にするであろう開口部よりも、前もって密封された開口部の方がより一層大きい場合にこのシーリング方法が用いられることを可能にする。これは、特に、この包装方法のコスト節減から利益を得ることができ、その一方で、無菌状態又は水分量のような特定の属性を保存しなければならず、それには完全な密封を必要とする、一層大きいアイテムにとって重要である。

図１を参照すると、密封された環境にアイテムを保管するための装置の例示的な実施形態１０が示される。この実施形態１０は、剛性ふた１１によって保護されるフレキシブルフィルム１５で密封された剛性シェル（shell，外郭）１４を有するいかなるシール容器にも適用可能である。この装置は、シールジョイント部の平面のやや下に突き出るふた１１に取り付けられると共に、シールゾーン１３ａ，１３ｂのシール周縁部（perimeter，外周）のすぐ内側に位置付けられる、連続リブ１２ａ，１２ｂから構成される。ふた１１は、シェル１４に堅固に取り付けられる。この取り付けは、次のやり方に限定されるものではないが、複数部品のラッチ機構、嵌合スレッド又は差し込みピン（bayonet，バイオネット）タイプのラッチによって実現され得る。リブ１２ａ，１２ｂは、正圧が容器内に存在する場合、シールフィルム１５がシールジョイント部の平面より上に上昇するのを防止することによって該リブの機能を果たす。シールジョイント部の近くのみでフィルム１５を抑制することによって、リブ１２ａ，１２ｂは、上記に説明された失敗の剥離モードを防止し、それと同時に、残りのフィルム面が膨張し、内圧における変化を吸収するのに役立つことを可能にする。本発明を動作させるために、完全なふたが必須ではないことにも留意されるべきである。この抑制リブの内側にオープン領域をもつ部分的なふたも効果的である。

本発明のいくつかの実施形態によれば、リブは、縁面（rim surface，外周面）の周縁部の内側に沿って走ることができる。それゆえ、この縁面が円又は楕円として形づくられる周縁部をもつ場合、リブも円又は楕円をそれぞれ形成し、該リブは縁面により形成される円の直径よりもやや小さい直径をもつ。更に、例えば、縁面が正方形として形づくられる周縁部をもつ場合、リブも正方形を形成し、該リブは縁面によって形成される正方形の辺長（side length）よりもやや短い辺長をもつ。

このように、リブの少なくとも２つの可能な実施例がある。ある実施例において、リブは、縁面の軌道（path，パス）をほぼたどる。他の可能な実施例では、リブは、縁面の軌道を通らない。好ましい実施形態では、連続リブが、シール縁の内側にぴったり接して伸びる。この設計は、シールフィルムを縁の平面において又はこの平面の下に保持するリブの能力を最大にすると共に、これを達成するのに必要とされる力を最小にする。しかし、他の可能な代替例では、リブは、必ずしも縁の軌道をたどらない。例えば、縁が完全な正方形の開口部を形づくるならば、リブはこのリブ自体のかどに半径をもち、やや矩形であり得るであろう。更に他の可能な実施例は、非連続（non-contiguous）リブ又はジグザグ配置された（staggered，スタガード、少しずつずらして設けた）リブを含む。

上記の容器が、自動体外式除細動器（automatic external defibrillator）と一緒に用いるための電極パッドを保管するために使用される場合、これらのパッドは制御雰囲気（controlled atmosphere、雰囲気ガス）におけるタブの内側に置かれる。医薬品、錠剤、食品、医療使い捨て用品などを保管するのに用いられるような上記の容器のための他の使用も可能である。

ここで種々の実施形態が具体的に例示され説明されているけれども、本発明の変更形態及び変形形態が、本発明の意図された範囲及び精神から逸脱することなく、添付の請求項の範囲内にあり、上記の教示によってカバーされることは理解されるであろう。例えば、上記の説明は、除細動器パッドを保管するための容器に関するが、しかしながら、食品又は医療用品のような他の可能な使用も考えられる。更に、これらの実施例は、請求項によりカバーされる本発明の変更形態及び変形形態を制限するものと解釈されるべきではなく、単に可能な変形形態の例証を示すだけである。

本発明のある態様による密封された剛性容器にアイテムを保管するための装置の例示的な一実施形態を示す図である。

Claims (23)

1. 縁面をもつ剛性タブと、
   剛性ふたと、
   前記縁面において前記ふたと前記タブとの間にシール部を形成するフレキシブルシールフィルムと、
   前記ふたに配置され、前記ふたから前記タブに向かって突き出る一つ又は複数の抑制リブであり、前記シールフィルムが周囲条件の変化により膨張するのにつれて、当該抑制リブの少なくとも一つを前記シールフィルムに押しつける一つ又は複数の当該抑制リブと、
   を有する保管容器。
2. 前記リブの少なくとも一つが、前記シールフィルムの周縁部のすぐ内側のカーブに沿って、前記シールフィルムに圧力をかける、請求項１に記載の容器。
3. 前記リブの少なくとも一つが、前記シールフィルムの一部を前記縁面によって形成された平面に又は該平面の下に維持するために、前記シールフィルムに圧力をかける、請求項１に記載の容器。
4. 前記リブが少なくとも２つのリブを有し、前記少なくとも２つのリブは、前記シールフィルムが前記縁面と接触する直前の２つのラインに沿って、前記シールフィルムに圧力をかける、請求項１に記載の容器。
5. 前記リブが少なくとも２つのリブを有し、前記少なくとも２つのリブは、前記シールフィルムの一部を前記縁面によって形成された平面に又は該平面の下に維持するために、前記シールフィルムに圧力をかける、請求項１に記載の容器。
6. 前記リブが、前記ふたの長さに沿って連続している、請求項１に記載の容器。
7. 前記リブの各々が、前記縁面によって形成されたカーブに形状の点では実質的に類似する閉じたカーブを形成する、請求項１に記載の容器。
8. 前記リブの各々が、非連続カーブを形成する、請求項１に記載の容器。
9. 前記リブの各々が、ジグザグ配置されたリブの組を有する、請求項１に記載の容器。
10. 前記タブの内側に置かれた自動体外式除細動器と一緒に使用するための電極パッドを更に有する、請求項１に記載の容器。
11. 医薬品、錠剤、食品及び医療使い捨て用品の一つ又は複数を保管するために使用される、請求項１に記載の容器。
12. 前記ふたが、前記タブに堅固に取り付け可能である、請求項１に記載の容器。
13. 自動体外式除細動器用の電極パッドを保管するための装置であって、
    縁面をもつ容器と、
    ふたと、
    前記縁面において前記ふたと前記容器との間にシール部を形成するフレキシブルシールフィルムと、
    前記ふたに配置され、前記ふたから出て前記容器に向かって及び前記縁面の平面の下に延びる少なくとも一つの連続リブであり、前記シールフィルムが周囲条件の変化により膨張するのにつれて、当該連続リブを前記シールフィルムに押しつける少なくとも一つの当該連続リブと、
    を有する装置。
14. 前記少なくとも一つのリブが、前記シールフィルムの周縁部のすぐ内側のカーブに沿って、前記シールフィルムに圧力をかける、請求項１３に記載の装置。
15. 前記少なくとも一つのリブが、前記シールフィルムを前記縁面によって形成された前記平面の下に押しつけるために、前記シールフィルムに圧力をかける、請求項１３に記載の装置。
16. 少なくとも２つのリブを更に有し、前記少なくとも２つのリブは、前記シールフィルムが前記縁面に取り付けられる直前の２つのラインに沿って、前記シールフィルムに圧力をかける、請求項１３に記載の装置。
17. 前記少なくとも２つのリブを更に有し、前記少なくとも２つのリブは、前記シールフィルムを前記縁面によって形成された平面の下に押しつけるために、前記シールフィルムに圧力をかける、請求項１３に記載の装置。
18. 前記少なくとも一つのリブが、前記ふたの長さに沿って連続している、請求項１３に記載の装置。
19. 前記リブの各々が、前記縁面によって形成されたカーブに形状の点では実質的に類似する閉じたカーブを形成する、請求項１３に記載の装置。
20. 前記リブの各々が、非連続カーブを形成する、請求項１３に記載の装置。
21. 前記リブの各々が、ジグザグ配置されたリブの組を有する、請求項１３に記載の装置。
22. 前記タブの内側に置かれた自動体外式除細動器と一緒に使用するための電極パッドを更に有する、請求項１３に記載の装置。
23. トレイの上でシール部を形成するフィルムを含む密封されたシールトレイと、
    前記シールトレイに設けられるべきふたであり、該ふたの一方の側から突き出る一つ又は複数の抑制リブを含み、前記フィルムが周囲条件の変化により膨張するのにつれて、前記一つ又は複数の抑制リブの少なくとも一つを前記フィルムに押しつけるふたと、
    を有する装置。

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