JP2006510331A - 衛星放送用の配信システム - Google Patents

Abstract

【課題】 衛星放送用の配信システムは、衛星信号を受信するための衛星受信アンテナ、衛星受信アンテナで受信された信号を復調するための受信機、および、これらの信号を複数の加入者に中継で送るための導線システムを含む。
【解決手段】 この衛星放送用の配信システムでは、これらの受信機を、空間的にごく接近させて、衛星受信アンテナに割り当て、また、または復号された信号だけを、上記の導線システムを用いて中継で加入者に送る。

Description

本発明は、衛星放送および関連サービス用の配信システムに関するものである。

例えば、特許文献１に記載される衛星放送用の従来の配信システムは、同軸ケーブルを用いて、アナログ高周波信号を分配することに基づいている。２つの偏波を持つ信号を同時に送信するために、２本のケーブル・ストランド（素線）を使用する。本明細書では、別の偏波の信号を、異なる周波数領域に変換する改良が、特許文献２に示されている。しかしながら、このためには、事実上さらに広帯域のケーブルと、さらに広帯域の分配システムが必要となる。この種の構成に関する問題は、特に複数の衛星から同時に受信する場合に、従来のケーブル・システムで得られる帯域幅が、すべての送信可能なチャネルを分配するのに適した帯域幅よりもさらに短いことである。

本明細書では、例えば特許文献３に記載される制御可能な端末局を持つ受信システムによって、向上がもたらされる。これらの受信システムでは、個々の加入者によってなされるチャネル選択に基づいて、所望のチャネルを、同軸ケーブルを通じて送信され得る中間帯域に変換する。この種のソリューションの欠点は、この端末局が非常に複雑になることに加えて、柔軟性が低下することである。したがって、特に、この端末局とのやり取りに適した受信機だけを使用できる。

別の手法が、特許文献４に記載されている。この特許には、衛星から受信された信号をベースバンドで送る完全光バス・システムが記載されている。複数の偏波を持つ信号を同時に送信するか、あるいは、逆方向にやり取りするために、異なる光波長が使用される。このシステムは、きわめて複雑であり、光学素子の出費が多くなり、同時に、ベースバンドでの光信号伝送による伝送品質が低下するという欠点を持っている。

本明細書では、簡略化されたソリューションが、特許文献５に開示されている。この特許には、これらの信号も、これ以上変調を施すことなく、ベースバンドで送られる簡略化された光学システムが記載されている。このような構成の欠点は、ベースバンドでの光信号伝送のために、伝送品質が低下することから成っている。
米国特許第５，７８７，３３５号 米国特許第５，８０５，９７５号 ドイツ連邦共和国特許第１９５ ２８ ５８９ Ｃ１号 米国特許第５，９９５，２５８号 米国特許第６，４８６，９０７ Ｂ１号

本発明は、上述の欠点を伴わず、また、高い柔軟性で、かつ安価にて、多数の加入者を同時に接続するのに適した衛星放送用の分配システムを設計するという目的に基づいている。

本発明により、上記の目的は、衛星信号を受信するための少なくとも１本の衛星受信アンテナ、これらの受信された衛星信号を増幅するためのオプションの周波数変換器（ＬＮＢ）付きの少なくとも１つのプリアンプ、このプリアンプで増幅された信号の復調および復号の少なくとも１つを行うための少なくとも１つの受信機、および、信号を、この受信機から少なくとも一人の加入者に中継で送るための導線システム（ｃｏｎｄｕｃｔｏｒ ｓｙｓｔｅｍ）を含む衛星放送用の配信システムにおいて、随意に電線か、または光波線に基づくデジタル・バス・システム用のバス・インターフェースとともに、オプションの周波数変換器付きの少なくとも１つのプリアンプと、少なくとも１つの受信機が、少なくとも１つの衛星受信アンテナに割り当てられていて、復調および復号された信号の少なくとも１つを、このバス・システムを用いて、少なくとも一人の加入者に中継で送るようにしている衛星放送用の配信システムによって、達成される。

以下において、わかりやすく説明するために、もっぱら衛星放送の概念を参照する。これは、アナログ形式およびデジタル形式を取る衛星ＴＶや衛星ラジオなどの放送サービス、さらに、衛星チャネルを介してインターネット・データを分配することなどの純粋にデジタル的なサービスも含む。

本発明による配信システムは、衛星信号を受信する少なくとも１つの衛星受信アンテナ、プリアンプとしての少なくとも１つのＬＮＢ（Ｌｏｗ Ｎｏｉｓｅ Ｂｌｏｃｋ）、さらに、衛星受信アンテナによって受信された信号を復調するための少なくとも１つの受信機も含む。さらに、少なくとも１つの導線システムが、これらの信号を少なくとも一人の加入者に配信するために提供される。この導線システムの動作には必要であるが、ただし、本発明自体には不可欠でない他の構成要件については、本明細書では、これ以上、説明するつもりはない。

従来技術とは異なって、この受信機（１つまたは複数）は、加入者側には設置されてなくて、衛星受信アンテナに割り当てられている。一般に普及している専門語の使用法に基づいて、受信機は、本明細書では、信号を別の周波数帯域に変換する周波数変換器であるとは解されない。その用語は、周波数変換器ではなくて、信号を復調し、また必要であれば、信号を復号するユニットを含む。

本発明により、少なくとも１つのＬＮＢ、必要な任意の周波数変換器、および少なくとも１つの受信機は、バス・インターフェースとともに、少なくとも一本のアンテナに割り当てられている。したがって、本発明により、復調された信号、および／または、要望または必要があれば復号された信号を、さらに、バス・システムを用いて加入者に配信する。したがって、もちろん、これらの信号を復調または復号するための受信機は、加入者自身には、もう必要でない。本明細書では、デコーディング（復号する）という語は、衛星信号を、衛星から地上受信機に高周波数で送信するために用いられるような特定の種類の符号化に係わるものである。もちろん、これらの信号は、バス・システム標準によるバス・システムを介した送信のために、新たに符号化されることがある。ＭＰ３もしくは、ＭＰ３に類する標準など、それ自体のＨＦ受信ユニットをまったく持たない音声・映像計器により、通常、評価できるような符号化は、必要性の問題として復号されるには及ばない。それゆえ、このようにして符号化された信号は、復号もしないで、加入者に中継で送ることができる。

好ましくは、オプションの周波数変換器（ＬＮＢ）を持つプリアンプ、受信機、さらに、アンテナ付きのバス・インターフェースを空間的にごく接近させて一体化することが行われる。本発明により、これらの構成要件から成る１ユニットは、好ましくは、通常、従来技術によりＬＮＢに使用されているように、例えば単一のハウジングに収容されてもよいし、また、アンテナ上に取り付けられてもよい。

本明細書中の「アンテナ」という語は、例えば放物面反射鏡などの通常使用されるリフレクタをさす。自由空間モード（ｆｒｅｅ−ｓｐａｃｅ ｍｏｄｅ）を、導線（電線、ｌｉｎｅ）に沿って導かれる電磁波のモードに変換するのに用いられる例えばラッパ放射器などのモード変換器（ｍｏｄｅ ｃｏｎｖｅｒｔｅｒ）は、随意に、リフレクタに、あるいはプリアンプに割り当てられてもよい。しかしながら、このモード変換器は、好ましくは、プリアンプに割り当てられる。基本的には、任意のリフレクタ形状またはアンテナ形状が、本発明の範囲内で使用されてもよい。同様に、本発明により、アクティブ・アレイ・アンテナまたはパッシブ・アレイ・アンテナが使用できる。もちろん、このためには、少なくとも１つのＬＮＢ、必要であるかもしれない任意の周波数変換器、さらに、少なくとも１つの受信機が、アンテナ自体の中にあるバス・インターフェースといっしょに、ユニットに組み入れられる。

本発明により、このバス・システムは、電線に基づき、また、とりわけ光導波路（光波ガイド、ｌｉｇｈｔ−ｗａｖｅ ｇｕｉｄｅ）に基づいている。別法として、これはまた、狭帯域無線システム、もしくは、無線ＬＡＮであることもある。この種のシステムは、例えばその多くが１３ｃｍ帯域のものであって、現在、売りに出されている。

本発明の他の実施形態は、バス・システムをデジタル・バス・システムとして設計することに係わる。一般に、この種のバス・システムでは、双方向のやり取りが可能である。それゆえ、加入者は、関連受信機が受信し、かつ復調する衛星帯域のチャネルを、その受信機に知らせることがとりわけ容易となる。同様に、このバス・システムを介して、一連の付加的なやり取りが可能となる。したがって、例えば、信号品質に関するものなど、さらなるパラメータ、あるいは、時刻などの他の情報を送ることができる。さらに、この種のバス・システムを用いて、インテリジェント制御も行うことができる。例えば、二人以上の加入者が同一チャネルを要求する場合には、このチャネルを復調している受信機、あるいは所望のパッケージが見出されるデータ・ストリームを、ここで、これらの加入者に通知することが可能である。したがって、複数の受信機による同一チャネルの複数の復調の手間が省かれる。これは、大形のシステムでは特に有利である。なぜなら、本明細書では、少なくとも一部の加入者が、同一チャネルを要求する見込みが高いからである。したがって、受信機の数は、加入者の数よりも少ないように決められてもよい。こうすれば、費用がさらに節約される。

さらに、このバス・システムは、衛星信号を配信するためだけでなく、さらに、例えばＰＣネットワーク上などでのデータ伝送のため、あるいは、ビル自動化（ｂｕｉｌｄｉｎｇ ａｕｔｏｍａｔｉｏｎ）のためにも、使用されてもよい。それにより、ビル内での可能なあらゆる通信作業に対処するようなただ１つのネットワーク・インフラを提供することだけがなおも必要である。複数のネットワーク・システムまたはケーブル・システムを持つ公知のソリューションと比較すると、このことは、費用を大幅に節減することになる。

本発明の他の実施形態では、少なくとも１つの受信機は、これらの受信された信号を、少なくとも１つのデジタル・ビデオ形式で、リアルタイムで符号化するようにしている。この種のデジタル・ビデオ形式は、例えば、ＭＰＥＧ、あるいは、ＭＰＥＧから派生した形式またはＭＰＥＧに関連する形式であってもよい。この種のビデオ形式に符号化するために、きわめて大幅に減らされた量のデータだけを、導線システムを介して、またはデジタル・バスを介して送る必要がある。それにより、単純なバス・インフラを介して、異なる多数のチャネルを同時に送ることができる。

さらに、とりわけ有利な費用で、加入者に有利になるように設計を行うこともできる。なぜなら、これらの加入者は、ここで、例えばＭＰＥＧデコーダなどの標準デコーダしか必要としないからである。したがって、例えばソフトウェアを用いてＰＣに織り込むことができるか、あるいは、いずれにしてもＤＶＤプレーヤに組み入れられる単純なＭＰＥＧデコーダを、多大な出費を要する通常の衛星受信機の代りに用いることができる。これにより、このシステム全体の費用が大幅に減らされる。

本発明の他の実施形態は、複数の受信機の信号からフィルタで取り出して、最高の品質を持つ特定信号を加入者に送信する少なくとも１つのダイバーシティ・ユニットを設ける。このようなフィルタリングは、随意に、受信機の復調された信号を用いて、あるいは、バスを通じて送信されたデジタル信号を使用して、行われてもよい。これらの信号をリアルタイムで符号化している間、受信機が品質パラメータを計算して、これを上記のダイバーシティ・ユニットに送ると、最適なチャネルを選択することが特に容易となる。したがって、このパラメータを用いて、ダイバーシティ・ユニットは、最適なチャネルを簡単に選択することができる。

本発明により、衛星放送信号を配信する方法は、少なくとも１本の衛星アンテナを用いて衛星信号を受信する工程、受信された信号を復調する工程、衛星アンテナに組み入れられたバス・インターフェースを有するデジタル・バス・システムに、これらの信号を転送する工程、および、復調された信号を、導線システムを通じて、少なくとも一人の加入者に配信する工程を含む。

以下において、本発明は、実施例を用い、かつ図面を参照して、本発明の全体の概念を限定することなく、例示として述べられる。
本明細書に図示される配信システムは、衛星信号を受信するための衛星受信アンテナ（１）を含む。このアンテナは、少なくとも１つのリフレクタ（２）を含む。さらに、受信ユニット（３）は、リフレクタで集められた信号を捕捉し、また、それらの信号を変換して、デジタル信号として、バス・システム（５）上に出すのに必要なあらゆる構成要件を収めるように形成されている。これらの構成要件は、例えば、モード変換器（７）、プリアンプ（８）、さらに受信機（９）である。受信ユニットにおいて受信され、かつ復調された信号は、適切なデジタル形式に変換される。このデジタル形式は、バス・システム（５）を通じて、個々の加入者（６ａ、６ｂ、６ｃ、６ｄ）に送ることができる。

この配置構成では、受信機は、加入者側には取り付けられないで、衛星受信アンテナのすぐ近くに取り付けられる。

受信ユニットは、図３に図式的に示されている。モード変換器（７）、例えばホーン・アンテナは、リフレクタ（２）で集められた電磁波を捕捉して、これらの電磁波を、導線に沿って導かれる波に変換する。次に、これらの変換波は、プリアンプ（８）により増幅され、さらに復調され、また必要であれば、後置された受信機（９）により復号される。バス・システム（５）を用いて、受信機と加入者との間でやり取りするために、バス・インターフェース（１０）が設けられる。このバス・インターフェースは、随意に、双方向用のものとしても設計されることがあり、信号をバスに送り出すだけでなく、バスから信号を受け取ることもできるようにしている。それにより、例えば、特定チャネルの選択または阻止などのいくつかの操作状態を受信ユニットに信号で伝えることができる。

図３は、２つの受信機を持つ一実施形態の一例を図式的に示している。本明細書では、電気信号をプリアンプ（８、１８）に出すために、ここで、２つのモード変換器（７、１７）が設けられている。次に、これらの増幅された信号を、対応する受信機（９、１９）に導いて、復調する。次に、これらの受信された信号は、ローカル・バス・インターフェース（１１、２０）を用いて、（外部）バス・インターフェース（１０）に連絡される。このために、バス・インターフェース（１１、２０、１０）間に、内部バスがある。この内部バスは、例えば、ＭｅｄｉａＬＢなどのマルチメディアに適した同期バスであることもある。もちろん、この実施例に対応して、さらに他の受信機も互いに組み合わせることができる。組合せはまた、従来技術によっても、例えばマルチプレクサ（チャネル・スイッチ）を通じて、可能である。しかしながら、本明細書に例示されるように、ローカル・バスを介しての組合せは、事実上、さらに柔軟性があり、かつ、性能を高めることもできる。もちろん、ローカル・バスの代りに、バス・システム（５）も使用できる。

本発明によるデバイスを、一般的な形式で図式的に示す図である。 受信ユニットの構造を、一般的な形式で図式的に示す図である。 複数の受信機を持つ受信ユニットを示す図である。

符号の説明

１ 衛星受信アンテナ
２ リフレクタ
３ 受信ユニット
５ バス・システム
６ａ、６ｂ、６ｃ、６ｄ、６ｅ 加入者
７ モード変換器
８ プリアンプ
９ 受信機
１０ バス・インターフェース
１１ ローカル・バス・インターフェース
１７ 第２のモード・コンバータ
１８ 第２のプリアンプ
１９ 第２の受信機
２０ 第２のローカル・バス・インターフェース

Claims (10)

1. 衛星信号を受信するための少なくとも１本の衛星受信アンテナと、
   受信された衛星信号を増幅するためのオプションの周波数変換器（ＬＮＢ）付きの少なくとも１つのプリアンプと、
   前記プリアンプで増幅された信号の復調および復号の少なくとも１つを行うための少なくとも１つの受信機と、
   信号を、前記受信機から少なくとも一人の加入者に中継で送るための導線システムと、
   を備える衛星放送用の配信システムにおいて、
   随意に電線か、または光波線に基づくデジタル・バス・システム用のバス・インターフェースとともに、オプションの周波数変換器付きの少なくとも１つのプリアンプと、少なくとも１つの受信機が、少なくとも１つの衛星受信アンテナに割り当てられていて、復調および復号された信号の少なくとも１つを、このバス・システムを用いて、少なくとも一人の加入者に中継で送るようにしていることを特徴とする衛星放送用の配信システム。
2. オプションの周波数変換器付きの少なくとも１つのプリアンプ、さらに、少なくとも１つの受信機が、デジタル・バス・システム用のバス・インターフェースとともに、受信ユニットに組み込まれていることを特徴とする請求項１に記載の配信システム。
3. 前記受信ユニットが、従来技術によるプリアンプまたはＬＮＢのやり方に類するやり方で、ハウジングに収容され、また、前記アンテナに取り付けられることを特徴とする請求項２に記載の配信システム。
4. 前記デジタル・バス・システムが、ＰＣネットワークのものなどのさらなる通信作業のため、あるいは、ビル自動化のためにも、使用できることを特徴とする請求項１に記載の配信システム。
5. 少なくとも１つの受信機が、信号をデジタル・ビデオ形式にリアルタイムで符号化するようにしていることを特徴とする請求項１に記載の配信システム。
6. 少なくとも一人の加入者が、デジタル・ビデオ形式でデータを受け取るようにしていることを特徴とする請求項１に記載の配信システム。
7. 複数の受信機の信号からフィルタで取り出して、最高の品質を持つ特定信号を、前記少なくとも一人の加入者に送信するために、少なくとも１つのダイバーシティ・ユニットが設けられることを特徴とする請求項１に記載の配信システム。
8. 少なくとも１本の衛星アンテナを用いて衛星信号を受信する工程と、
   前記受信された信号を復調する工程と、
   前記衛星アンテナに組み入れられたバス・インターフェースを有するデジタル・バス・システムに、前記復調された信号を転送する工程と、
   前記復調された信号を、導線システムを通じて、少なくとも一人の加入者に配信する工程と、
   からなることを特徴とする衛星放送信号を配信する方法。
9. 前記形式が、ＭＰＥＧであるか、あるいは、前記ＭＰＥＧに関連する形式であることを特徴とする請求項５に記載の配信システム。
10. 前記形式が、ＭＰＥＧであるか、あるいは、前記ＭＰＥＧに関連する形式であることを特徴とする請求項６に記載の配信システム。

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